JP2024022356A - ハンド - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの設けられた指を備えたハンドの利便性を向上させる。【解決手段】ハンド2は、ハンド本体20と、ハンド本体20に設けられた第1指3と、ハンド本体20に設けられた第2指5と、第1指3を第2指5から独立してハンド本体に対して所定の第1方向Zへ進退させる進退アクチュエータ4とを備えている。第1指3は、物品との接触面35aを形成し且つ接触面35aの面内方向において移動するベルト35を有する。【選択図】図3
Description
ここに開示された技術は、ハンドに関する。
従来より、物品と接触する接触面にベルトが設けられた指を備えたハンドが知られている。例えば、特許文献1に記載のハンドは、複数の指を備えている。各指において、物品と接触する接触面にベルトが設けられている。ベルトに物品が接触した状態でベルトが駆動されると、物品はベルトと共に移動する。これにより、物品は、ベルトの移動方向へ引き込まれる。
ところで、前述のようなベルトが設けられた指を備えたハンドは、物品を単純に把持するだけでなく、物品の引き込みなどの用途に使用され得る。しかしながら、このようなハンドの活用の可能性はまだまだ残っている。つまり、ハンドの構成を改良することによって、ハンドの利便性がさらに向上する可能性がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルトの設けられた指を備えたハンドの利便性を向上させることにある。
本開示のハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体に設けられた第1指と、前記ハンド本体に設けられた第2指と、前記第1指を前記第2指から独立して前記ハンド本体に対して所定の第1方向へ進退させる進退アクチュエータとを備え、前記第1指は、物品との接触面を形成し且つ前記接触面の面内方向において移動するベルトを有する。
本開示のハンドによれば、ベルトが設けられた指の利便性を向上させることができる。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、ロボットシステム100の構成を示す模式図である。
ロボットシステム100は、ロボットアーム1及びハンド2を含むロボット110と、ロボット110を制御する制御装置120とを備える。
ロボット110は、例えば、産業用ロボットである。ロボット110は、ロボットアーム1によってハンド2を動作、即ち、移動させる。ハンド2は、ロボットアーム1に、具体的には、ロボットアーム1の先端に連結されている。ハンド2は、いわゆるエンドエフェクタの1つである。ハンド2は、物品の把持等の様々な処理を実行する。
ロボットアーム1は、複数のリンク11と、複数の関節12とを備えている。各関節12は、隣り合う2つのリンク11を回転可能に接続している。各関節12を電動モータによって回転駆動される。電動モータは、例えば、サーボモータである。電動モータには、電動モータの回転角度を検出するエンコーダが設けられている。
[ハンド]
図2は、ハンド2の正面図である。図3は、ハンド2の斜視図である。図4は、ハンド2の底面図である。ハンド2は、ハンド本体20と、ハンド本体20に設けられた第1指3と、ハンド本体20に設けられた第2指5とを備えている。第1指3は、所定の第1方向Zへ進退可能にハンド本体20に設けられている。第1指3は、物品との接触面35aを形成し且つ接触面35aの面内方向において移動するベルト35を有する。
図2は、ハンド2の正面図である。図3は、ハンド2の斜視図である。図4は、ハンド2の底面図である。ハンド2は、ハンド本体20と、ハンド本体20に設けられた第1指3と、ハンド本体20に設けられた第2指5とを備えている。第1指3は、所定の第1方向Zへ進退可能にハンド本体20に設けられている。第1指3は、物品との接触面35aを形成し且つ接触面35aの面内方向において移動するベルト35を有する。
第1指3及び第2指5は、所定の第2方向Xにおいて開閉動作を行う。この例では、第1指3は、第2方向Xへ移動不能にハンド本体20に設けられている。第2指5は、第2方向Xへ第1指3に対して相対的に移動可能にハンド本体20に設けられている。つまり、第1指3は、第1方向Zへ進退する一方、第2方向Xへ移動不能である。第2指5は、第2方向Xへ移動する一方、第1方向Zへ移動不能である。尚、第2方向Xは、第1方向Zと交差する方向であり、より具体的には、第1方向Zと略直交する方向である。
図5は、図4のV-V線におけるハンド2の断面図である。ハンド2は、第1指3を駆動する進退アクチュエータ4をさらに備えている。進退アクチュエータ4は、第1指3を第2指5から独立してハンド本体20に対して第1方向Zへ進退させる。
ハンド2は、第2指5を駆動する開閉アクチュエータ6をさらに備えていてもよい。開閉アクチュエータ6は、第2指5をハンド本体20に対して第2方向Xへ移動させる。第2指5が第2方向Xにおいて第1指に対して接近する向きに移動することによって、第1指3及び第2指5が閉じる。一方、第2指5が第2方向Xにおいて第1指3に対して離反する向きに移動することによって、第1指3及び第2指5が開く。
ハンド2は、把持動作と移動動作とを実行することができる。把持動作は、第1指3及び第2指5によって物品を把持する動作である。ハンド2は、把持動作においては、第2指5を第2方向Xへ移動させることによって、第1指3及び第2指5により物品を把持する。移動動作は、第1指3のベルト35によって物品を移動させる動作である。ハンド2は、移動動作においては、第1指3のベルト35の接触面35aを物品に接触させた状態でベルト35を移動させることによって、物品を接触面35aの面内方向へ移動させる。このとき、ハンド2は、事前に第1指3を第1方向Zへ移動させて、第1指3を第1方向Zにおいて第2指5より突出させてもよい。これにより、第1指3が物品に接近しやすくなる。
図6は、図4のVI-VI線におけるハンド2の断面図である。ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ移動不能とする拘束状態と第1指3を第1方向Zへ移動可能とする解放状態とで切り替える拘束器7をさらに備えていてもよい。ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ移動させる際には、拘束器7を解放状態にする。一方、ハンド2は、把持動作又は移動動作を実行する際には、拘束器7を拘束状態とする。
ハンド2は、第1指3をハンド本体20に対して第1方向Zへ移動可能に弾性的に支持する緩衝器8をさらに備えていてもよい。ハンド2は、把持動作又は移動動作を実行する際に、第1方向Zへ移動して物品等に接近する場合がある。そのため、第1指3は、他の物体に対して第1方向Zから接触する可能性がある。その場合、第1指3に作用する衝撃を緩衝器8が吸収して、第1指3は、第1方向Zへ移動することができる。
以下、ハンド2の構成について詳細に説明する。説明の便宜上、第1方向Z及び第2方向Xの両方に直交する方向を、第3方向Yとする。
[ハンド本体]
ハンド本体20は、図2等に示すように、箱状に形成されている。ハンド本体20は、第1指3及び第2指5を支持している。ハンド本体20は、進退アクチュエータ4、開閉アクチュエータ6、拘束器7及び緩衝器8を収容している。
ハンド本体20は、図2等に示すように、箱状に形成されている。ハンド本体20は、第1指3及び第2指5を支持している。ハンド本体20は、進退アクチュエータ4、開閉アクチュエータ6、拘束器7及び緩衝器8を収容している。
[第1指]
第1指3は、図2及び図3に示すように、指本体30と、ベルト35とを有している。指本体30は、ハンド本体20から概ね第1方向Zへ延びている。指本体30は、第1方向Zの先端に向かって先細に形成されている。詳しくは、指本体30の第2方向Xの寸法は、指本体30の先端に近づくほど小さくなる。
第1指3は、図2及び図3に示すように、指本体30と、ベルト35とを有している。指本体30は、ハンド本体20から概ね第1方向Zへ延びている。指本体30は、第1方向Zの先端に向かって先細に形成されている。詳しくは、指本体30の第2方向Xの寸法は、指本体30の先端に近づくほど小さくなる。
以下、説明の便宜上、第1指3又は指本体30の先端とは、第1方向Zにおける先端を意味する。また、第2方向Xを「開閉方向X」とも称する。開閉方向Xの内側とは、開閉方向Xにおける第1指3と第2指5との内側を意味する。開閉方向Xの外側とは、開閉方向Xにおける第1指3と第2指5との外側を意味する。
指本体30は、図5に示すように、第1タイミングプーリ31及び第2タイミングプーリ32を収容している。第1タイミングプーリ31の軸心及び第2タイミングプーリ32の軸心は、第3方向Yへ延びている。指本体30は、第1タイミングプーリ31及び第2タイミングプーリ32をそれぞれの軸心を中心に回転可能に支持している。第1タイミングプーリ31及び第2タイミングプーリ32は、概ね第1方向Zに並んでいる。第2タイミングプーリ32は、指本体30の先端に配置されている。第1タイミングプーリ31の方が、第2タイミングプーリ32よりもハンド本体20に接近した位置に配置されている。
ベルト35は、無端ベルトである。また、ベルト35は、歯付きベルトであり、いわゆるタイミングベルトである。ベルト35は、第1タイミングプーリ31及び第2タイミングプーリ32に巻回されている。ベルト35は、図3に示すように、第1タイミングプーリ31に巻回された一部を除いて、指本体30から外部に露出している。ベルト35には、開閉方向Xの内側において第1タイミングプーリ31と第2タイミングプーリ32との間を延びる部分と、開閉方向Xの外側において第1タイミングプーリ31と第2タイミングプーリ32との間を延びる部分とが含まれる。開閉方向Xの内側において第1タイミングプーリ31と第2タイミングプーリ32との間を延びる部分は、接触面35aを形成する。接触面35aは、開閉方向Xにおいて第2指5の方を向く略平面である。
指本体30は、図5に示すように、複数のローラ34を有している。各ローラ34の軸心は、第3方向Yへ延びている。指本体30は、複数のローラ34をそれぞれの軸心を中心に回転可能に支持している。複数のローラ34は、ベルト35の内側において、第1方向Zに、より具体的には、接触面35aに沿って並んでいる。ベルト35のうち接触面35aを形成する部分は、複数のローラ34に接触することによって平面状に維持される。
[進退アクチュエータ]
進退アクチュエータ4は、図5及び図6に示すように、指本体30に取り付けられている。進退アクチュエータ4は、ベルト35が接触面35aの面内方向において移動するようにベルト35を駆動する。進退アクチュエータ4は、減速機41と電動モータ42と伝達機構43と位置取得センサ44とを有している。例えば、電動モータ42は、サーボモータである。電動モータ42は、第1方向Zにおいて第1指3と並び、電動モータ42の回転軸Mが第1方向Zに延びるように配置されている。位置取得センサ44は、電動モータ42に設けられ、電動モータ42の回転位置を検出する。位置取得センサ44は、例えば、エンコーダ又はホール素子センサである。減速機41は、電動モータ42に連結されている。減速機41は、出力シャフト41aを有し、電動モータ42の回転を減速して出力シャフト41aを介して出力する。尚、電動モータ42がステッピングモータである場合には、位置取得センサ44は省略され得る。指本体30のうち第1方向Zにおいて先端とは反対側の端部には、収容部33が形成されている。電動モータ42は、収容部33に収容され、指本体30に固定されている。電動モータ42は、回転軸Mが第1方向Zに延びる状態で第1指3と第1方向Zへ並ぶように配置されているので、第1指3を細く形成することができる。
進退アクチュエータ4は、図5及び図6に示すように、指本体30に取り付けられている。進退アクチュエータ4は、ベルト35が接触面35aの面内方向において移動するようにベルト35を駆動する。進退アクチュエータ4は、減速機41と電動モータ42と伝達機構43と位置取得センサ44とを有している。例えば、電動モータ42は、サーボモータである。電動モータ42は、第1方向Zにおいて第1指3と並び、電動モータ42の回転軸Mが第1方向Zに延びるように配置されている。位置取得センサ44は、電動モータ42に設けられ、電動モータ42の回転位置を検出する。位置取得センサ44は、例えば、エンコーダ又はホール素子センサである。減速機41は、電動モータ42に連結されている。減速機41は、出力シャフト41aを有し、電動モータ42の回転を減速して出力シャフト41aを介して出力する。尚、電動モータ42がステッピングモータである場合には、位置取得センサ44は省略され得る。指本体30のうち第1方向Zにおいて先端とは反対側の端部には、収容部33が形成されている。電動モータ42は、収容部33に収容され、指本体30に固定されている。電動モータ42は、回転軸Mが第1方向Zに延びる状態で第1指3と第1方向Zへ並ぶように配置されているので、第1指3を細く形成することができる。
図7は、図2のVII-VII線におけるハンド2の断面図である。伝達機構43は、図7に示すように、第1歯車43a、第2歯車43b、第3歯車43c、第4歯車43d及び回転シャフト43eを有している。回転シャフト43eの軸心が第3方向Yへ延びている。指本体30は、回転シャフト43eをその軸心を中心に回転可能に支持している。回転シャフト43eの軸心は、減速機41の出力シャフト41aの軸心と略直交している。第1歯車43aは、出力シャフト41aに回転不能に取り付けられている。第2歯車43b及び第3歯車43cは、回転シャフト43eに回転不能に取り付けられている。第4歯車43dは、第1タイミングプーリ31の回転シャフト31aに回転不能に取り付けられている。第1歯車43a及び第2歯車43bは、かさ歯車であり、互いに噛合している。第3歯車43c及び第4歯車43dは、平歯車であり、互いに噛合している。第1歯車43a、第2歯車43b、第3歯車43c及び第4歯車43dは、ギヤ列を形成する。電動モータ42が作動すると、出力シャフト41aの回転が第1歯車43a、第2歯車43b、第3歯車43c、第4歯車43dの順に伝達して、第1タイミングプーリ31が回転する。第1タイミングプーリ31が回転すると、第1タイミングプーリ31に巻回されたベルト35が移動する。ベルト35のうち接触面35aを形成する部分は、第1方向Zへ移動する。このとき、第2タイミングプーリ32は、ベルト35の回転に従って回転する。
[緩衝器]
緩衝器8は、第1方向Zへ移動可能にハンド本体20に支持されている。緩衝器8は、第1指3を第1方向Zへ弾性的に移動可能に支持している。緩衝器8は、図7に示すように、第1指3を支持するホルダ81と、第1指3を第1方向Zへ案内するリニアガイド82と、第1方向Zへの第1指3の移動を弾性的に吸収する第3バネ83とを有している。第3バネ83は、第3弾性部材の一例である。
緩衝器8は、第1方向Zへ移動可能にハンド本体20に支持されている。緩衝器8は、第1指3を第1方向Zへ弾性的に移動可能に支持している。緩衝器8は、図7に示すように、第1指3を支持するホルダ81と、第1指3を第1方向Zへ案内するリニアガイド82と、第1方向Zへの第1指3の移動を弾性的に吸収する第3バネ83とを有している。第3バネ83は、第3弾性部材の一例である。
ホルダ81は、側壁84とカバー85とを有している。側壁84は、第1方向Z及び第2方向Xの両方に略平行な平面内、即ち、ZX平面内で拡がっている。カバー85は、下方に開口する円筒状に形成されている。カバー85は、減速機41、電動モータ42及び位置取得センサ44の外周を囲むように配置されている。カバー85は、減速機41、電動モータ42及び位置取得センサ44とは非接触となっている。より詳しくは、カバー85の上部と電動モータ42及び位置取得センサ44との間には、図7ではわかりにくいが、わずかな隙間が設けられている。カバー85の下部と減速機41及び電動モータ42との間には、カバー85の上部に比べて大きな隙間が設けられている。側壁84の上端部とカバー85の上端部とは、互いに連結されている。
リニアガイド82は、ホルダ81と第1指3とを連結している。リニアガイド82は、第1指3を第1方向Zへ直線的に案内する。つまり、ホルダ81は、リニアガイド82を介して、第1指3を第1方向Zへ移動可能に支持している。第1指3の移動は、第1方向Zの両端においてストッパによって制限されている。図8は、図2のVIII-VIII線におけるハンド2の部分的な断面図である。緩衝器8は、図8に示すように、2本のリニアガイド82を有している。各リニアガイド82は、第1レール82aと、第2レール82bと、第1レール82aと第2レール82bとの間に設けられた複数のボール又はローラとを有している。第1レール82aと第2レール82bとは、第1方向Zへ相対的に移動可能となっている。第1レール82aは、ホルダ81の側壁84に取り付けられ、第2レール82bは、指本体30に取り付けられている。詳しくは、指本体30の収容部33は、側壁84と略平行に拡がる側壁36を有している。第2レール82bは、側壁36に取り付けられている。
第3バネ83は、例えば、コイルバネである。第3バネ83は、圧縮された状態で、ホルダ81と指本体30との間に配置されている。具体的には、第3バネ83は、図7に示すように、ホルダ81のカバー85と指本体30の収容部33との間に配置されている。第3バネ83は、電動モータ42の外周を囲むように配置されている。第3バネ83は、ホルダ81と指本体30とを第1方向Zにおいて互いに離反させる弾性力を発揮する。つまり、第1指3は、第3バネ83によって、第1方向Zにおいてホルダ81から離れる方向へ付勢されている。
第1指3は、通常、第3バネ83の弾性力によってホルダ81から第1方向Zへ最大限離れた位置に位置している。第1指3の先端に、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ衝撃が加わると、第1指3は、第3バネ83の弾性力に抗して、第1方向Zにおいてホルダ81に接近する方へ移動する。第1指3の移動は、第3バネ83によって吸収される。結果として、第1指3に作用する衝撃を緩衝器8が吸収して、第1指3は、第1方向Zへ移動することができる。ここで、第3バネ83を電動モータ42の外周を囲むように配置しているので、緩衝器8をコンパクトに形成することができる。
このように第1指3を支持する緩衝器8は、第1方向Zへ移動可能にハンド本体20に支持されている。ハンド本体20は、図8に示すように、緩衝器8を第1方向Zへ案内するリニアガイド21を有している。
リニアガイド21は、ハンド本体20と緩衝器8とを連結している。つまり、ハンド本体20は、リニアガイド21を介して、緩衝器8を第1方向Zへ移動可能に支持している。ハンド本体20は、2本のリニアガイド21を有している。各リニアガイド21は、第1レール21aと、第2レール21bと、第1レール21aと第2レール21bとの間に設けられた複数のボール又はローラとを有している。第1レール21aと第2レール21bとは、第1方向Zへ相対的に移動可能となっている。第1レール21aは、ハンド本体20に取り付けられ、第2レール21bは、緩衝器8に取り付けられている。詳しくは、第1レール21aは、ハンド本体20の一の側壁である第1側壁20aに取り付けられている。第2レール21bは、緩衝器8のホルダ81、より具体的にはカバー85に取り付けられている。
このように、第1指3は、第1方向Zへ移動可能に、緩衝器8を介してハンド本体20に支持されている。第1指3が第1方向Zへ移動する際には、指本体30に取り付けられた進退アクチュエータ4も第1指3と一体的に第1方向Zへ移動する。つまり、進退アクチュエータ4は、第1指3が第1方向Zへ移動しても、ベルト35を駆動することができる。
[第2指]
第2指5は、図2、図3及び図5等に示すように、指本体50と、指先54と、指先54を第1方向Zへ案内するリニアガイド55と、第1方向Zへの指先54の移動を弾性的に吸収するバネ56とを有している。
第2指5は、図2、図3及び図5等に示すように、指本体50と、指先54と、指先54を第1方向Zへ案内するリニアガイド55と、第1方向Zへの指先54の移動を弾性的に吸収するバネ56とを有している。
指本体50は、全体として、ハンド本体20から概ね第1方向Zへ延びている。図2に示すように、ハンド本体20は、底壁22を有している。底壁22には、第1方向Zに延びるガイド孔23が貫通形成されている。指本体50は、ガイド孔23を通って、底壁22を貫通している。指本体50のうち第1方向Zにおける第1端部51は、図5に示すように、ハンド本体20の内部に配置されている。指本体50は、ハンド本体20から第1方向Zにおいて下方に突出している。指本体50のうちハンド本体20から下方に露出している部分には、支持壁52が形成されている。支持壁52は、第1方向Z及び第3方向Yの両方に略平行な平面内、即ち、YZ平面内で拡がっている。
指先54は、全体として、支持壁52と略平行な平板状に形成されている。すなわち、指先54は、第1方向Zへ延びている。指先54のうち第1指3と対向する部分には、物品と接触する接触面54aが形成されている。接触面54aは、第1指3の接触面35aと略平行な平面である。指先54のうち、第1方向Zにおいてハンド本体20に近い方の端部には、ピン54bが設けられている。ピン54bは、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ、即ち、上方へ延びている。指本体50のうちピン54bと対向する部分には、下方に開口する孔50aが形成されている。
リニアガイド55は、指本体50と指先54とを連結している。リニアガイド55は、指先54を第1方向Zへ直線的に案内する。つまり、指本体50は、リニアガイド55を介して、指先54を第1方向Zへ移動可能に支持している。第2指5は、図3に示すように、2本のリニアガイド55を有している。
バネ56は、例えば、コイルバネである。バネ56は、図3及び図5に示すように、ピン54bの外周を囲むように配置されている。バネ56は、圧縮された状態で、指本体50と指先54との間に配置されている。バネ56は、指本体50と指先54とを第1方向Zにおいて互いに離反させる弾性力を発揮する。つまり、指先54は、バネ56によって、第1方向Zにおいて指本体50から離れる方向へ付勢されている。第1方向Zにおける指先54の移動量は、ストッパによって制限されている。
指先54は、通常、バネ56の弾性力によって指本体50から第1方向Zへ最大限離れた位置に位置している。指先54の先端に、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ衝撃が加わると、指先54は、バネ56の弾性力に抗して、第1方向Zにおいて指本体50に接近する方へ移動する。このとき、ピン54bは、指本体50の孔50aに進入し、指本体50に干渉しない。指先54の移動は、バネ56によって吸収される。結果として、指先54に作用する衝撃をバネ56が吸収して、第2指5は、第1方向Zへ移動することができる。
[開閉アクチュエータ]
図9は、図4のIX-IX線におけるハンド2の断面図である。開閉アクチュエータ6は、図5、図6及び図9に示すように、第2指5と連動して移動する移動体61をさらに有している。詳しくは、開閉アクチュエータ6は、移動体61を移動させる電動モータ62と、移動体61と第2指5とを弾性的に連結する第2バネ63とをさらに有する。開閉アクチュエータ6は、電動モータ62によって移動体61を移動させることによって第2指5を開閉方向Xへ移動させる。開閉アクチュエータ6は、減速機64aと位置取得センサ64bと送りネジ65と伝達機構66とをさらに有している。電動モータ62は、駆動源の一例であり、第2バネ63は、第2弾性部材の一例である。
図9は、図4のIX-IX線におけるハンド2の断面図である。開閉アクチュエータ6は、図5、図6及び図9に示すように、第2指5と連動して移動する移動体61をさらに有している。詳しくは、開閉アクチュエータ6は、移動体61を移動させる電動モータ62と、移動体61と第2指5とを弾性的に連結する第2バネ63とをさらに有する。開閉アクチュエータ6は、電動モータ62によって移動体61を移動させることによって第2指5を開閉方向Xへ移動させる。開閉アクチュエータ6は、減速機64aと位置取得センサ64bと送りネジ65と伝達機構66とをさらに有している。電動モータ62は、駆動源の一例であり、第2バネ63は、第2弾性部材の一例である。
送りネジ65は、図5に示すように、ナット67と、ナット67が螺合するネジ軸68とを有している。ナット67は、移動体61に一体的に取り付けられている。電動モータ62は、ネジ軸68を回転駆動することによって、ナット67と共に移動体61をネジ軸68の軸心方向へ移動させる。移動体61がネジ軸68の軸心方向へ移動することによって、移動体61に第2バネ63を介して連結された第2指5が開閉方向Xへ移動する。
詳しくは、ネジ軸68の軸心は、開閉方向Xへ延びている。すなわち、ネジ軸68の軸心方向は、開閉方向Xと一致している。ハンド本体20は、ネジ軸68をその軸心を中心に回転可能に支持している。指本体50の第1端部51は、第2方向Xへ並ぶ第1側壁51b及び第2側壁51cを有している。第2側壁51cの方が、第1側壁51bよりも開閉方向Xにおける内側に、即ち、第1指3に接近して配置されている。ネジ軸68は、第1端部51を、具体的には第1側壁51b及び第2側壁51cを貫通している。
ナット67は、移動体61の内側に固定的に取り付けられている。移動体61及びナット67は、指本体50の第1端部51内に収容されている。詳しくは、移動体61及びナット67は、第1側壁51bと第2側壁51cとの間に配置されている。移動体61は、ネジ軸68の軸心回りに回転不能に第1端部51によって回り止めされている。移動体61は、第1端部51から外方へ突出するアーム61aを有している。
第2バネ63は、第1端部51内に収容されている。第2バネ63は、圧縮された状態で移動体61と第2側壁51cとの間に配置されている。これにより、第2バネ63は、移動体61を第1側壁51bへ押圧している。換言すると、第2バネ63は、第2指5を移動体61に対して開閉方向Xの内側へ押圧している。
電動モータ62は、例えば、サーボモータである。電動モータ62は、図9に示すように、出力シャフト62aが開閉方向Xに延びるように配置されている。位置取得センサ64bは、電動モータ62に設けられ、電動モータ62の回転位置を検出する。位置取得センサ64bは、例えば、エンコーダ又はホール素子センサである。尚、電動モータ62がステッピングモータである場合には、位置取得センサ64bは省略され得る。減速機64a、電動モータ62及び位置取得センサ64bは、ハンド本体20に収容され、ハンド本体20に固定されている。
伝達機構66は、第1タイミングプーリ66a、第2タイミングプーリ66b及びタイミングベルト66cを有している。第1タイミングプーリ66aは、出力シャフト62aに回転不能に取り付けられている。第2タイミングプーリ66bは、ネジ軸68に回転不能に取り付けられている。第1タイミングプーリ66a及び第2タイミングプーリ66bは、開閉方向Xにおいて略同じ位置に配置されている。第1タイミングプーリ66a及び第2タイミングプーリ66bには、タイミングベルト66cが巻回されている。電動モータ62が作動すると、出力シャフト62aと共に第1タイミングプーリ66aが回転する。第1タイミングプーリ66aが回転すると、タイミングベルト66cを介して第2タイミングプーリ66bが回転し、第2タイミングプーリ66bと共にネジ軸68が回転する。こうして、電動モータ62の駆動力が、伝達機構66を介して、送りネジ65に伝わる。
開閉アクチュエータ6は、電動モータ62を作動させることによって、第2指5を開閉方向Xへ移動させて開閉させる。このとき、移動体61は、第2指5と連動して移動する。具体的には、電動モータ62の回転駆動力は、伝達機構66を介してネジ軸68に伝わる。ネジ軸68が回転すると、移動体61がナット67と共にネジ軸68の軸心方向、即ち、開閉方向Xへ移動する。移動体61には第2バネ63を介して第2指5が連結されているので、第2指5は、移動体61に応じて開閉方向Xへ移動する。このとき、開閉方向Xにおける第2指5の移動の向きは、電動モータ62の回転の向きに依存する。電動モータ62の回転の向きが切り替えられることによって、第2指5の開閉が切り替えられる。
第2指5が開くときには、移動体61は、第2指5を開閉方向Xの開く向きへ直接押圧する。一方、第2指5が閉じるときには、移動体61は、第2バネ63を介して第2指5を開閉方向Xの閉じる向きへ押圧する。第2指5が閉じる向きに移動して第1指3に接触すると、第2指5は開閉方向Xへ移動不能となる。しかし、移動体61は、第2指5が全閉状態となった後も移動を継続することができる。移動体61は、第2指5が移動不能となった後も第2バネ63を弾性変形させることによって開閉方向Xにおいて閉じる向きへ移動することができる。
尚、第1指3と第2指5とで物品を把持することによって第2指5が開閉方向Xへ移動不能となった場合も、移動体61は移動を継続することができる。この移動体61の独立した移動によって第2バネ63の弾性力が増大する。第2バネ63の弾性力の増大によって第1指3と第2指5との把持力が発生する。このように、開閉アクチュエータ6は、第2指5を物品に接触させてから移動体61をさらに移動させて第2バネ63を弾性変形させることによって把持力を上昇させることもできる。
[拘束器]
拘束器7は、図6に示すように、第1指3を拘束して拘束状態にする第1位置と第1指3を解放して解放状態にする第2位置との間で移動可能なストッパ71と、ストッパ71を第2位置から第1位置の方へ付勢する第1バネ72とを有している。図6のストッパ71は、第1位置に位置している。第1バネ72は、第1弾性部材の一例である。
拘束器7は、図6に示すように、第1指3を拘束して拘束状態にする第1位置と第1指3を解放して解放状態にする第2位置との間で移動可能なストッパ71と、ストッパ71を第2位置から第1位置の方へ付勢する第1バネ72とを有している。図6のストッパ71は、第1位置に位置している。第1バネ72は、第1弾性部材の一例である。
ストッパ71は、棒状に形成されている。ストッパ71の長手方向の一端部である第1端部には、ゴム製のコンタクト74が設けられている。ストッパ71の長手方向の中間部には、鍔71aが設けられている。ストッパ71は、ハンド本体20に収容されたホルダ75に開閉方向Xへ移動可能に支持されている。ストッパ71は、その軸心が開閉方向Xへ延び且つコンタクト74が緩衝器8に対向する状態でホルダ75に支持されている。具体的には、コンタクト74は、緩衝器8のホルダ81と対向している。
ストッパ71の第1位置は、コンタクト74が緩衝器8のホルダ81に接触するときのストッパ71の位置である。ストッパ71の第2位置は、開閉方向Xにおいて、コンタクト74がホルダ81から離れた位置、即ち、コンタクト74とホルダ81とが非接触となる位置である。
第1バネ72は、ストッパ71のうちコンタクト74とは反対側の端部である第2端部の外周を覆い且つ圧縮された状態でホルダ75に配置されている。第1バネ72は、ストッパ71の鍔71aを、開閉方向Xにおいて緩衝器8の方へ押圧している。ストッパ71が第1バネ72によって開閉方向Xへ付勢されることによって、ストッパ71は、第1位置においてコンタクト74を緩衝器8のホルダ81に押し付け、緩衝器8の移動を拘束する。
拘束器7は、ストッパ71に連結され、移動体61の移動軌跡上に配置されるレバー76をさらに有していてもよい。詳しくは、レバー76は、リンク77を介してストッパ71に連結されている。リンク77は、第1端部77aと第2端部77bとを有している。リンク77のうち第1端部77aと第2端部77bとの中間部は、ピン77cを介してホルダ75に取り付けられている。リンク77は、ホルダ75に対して、ピン77cを中心に回転可能となっている。ストッパ71のうちコンタクト74と鍔71aとの間には、ピン71bが設けられている。ピン71bは、リンク77の第1端部77aに形成された長孔に挿入されている。こうして、リンク77の第1端部77aは、ストッパ71に連結されている。レバー76は、リンク77の第2端部77bにピン77dを介して取り付けられている。レバー76は、リンク77から屈曲する方向へ延びている。例えば、レバー76は、リンク77の第2端部77bから移動体61の方へ概ね開閉方向X2に沿って延びている。尚、レバー76は、リンク77に対してピン77dを中心に回転可能となっている。ただし、レバー76の回転範囲は、リンク77によって制限されている。そのため、レバー76は、リンク77から屈曲する方向に延びる状態で維持される。
レバー76の先端部、即ち、リンク77と反対側の端部は、移動体61の移動軌跡上に配置される。詳しくは、第1指3及び第2指5が全閉状態となってから第2バネ63を弾性変形させる間の移動体61の移動軌跡上にレバー76の先端部が位置している。より詳しくは、第1指3及び第2指5が全閉状態となり且つ第1指3及び第2指5の把持力が所定の閾値まで上昇したときに、移動体61のアーム61aと接触する位置に、レバー76の先端部が位置している。
このように構成された拘束器7においては、図6に示すように、第1指3及び第2指5が開状態の場合には、移動体61のアーム61aは、レバー76に接触していない。このとき、ストッパ71は、第1バネ72の弾性力によって第1位置に配置される。ストッパ71のコンタクト74は、第1バネ72の弾性力に応じた力で緩衝器8のホルダ81に押し付けられる。緩衝器8は、ハンド本体20に対して第1方向Zへの移動が不能な状態となる。第1指3は緩衝器8を介してハンド本体20に支持されているので、第1指3の第1方向Zへの移動も拘束される。この状態が拘束器7の拘束状態である。ただし、ハンド本体20に対する緩衝器8の移動は不能となるものの、緩衝器8に対する第1指3の移動は可能なままである。つまり、第1指3は、拘束器7の拘束状態においても、緩衝器8に対して相対移動可能な範囲で第1方向Zへ移動することができる。
拘束器7の拘束状態と解放状態との切り替えは、開閉アクチュエータ6によって実行される。開閉アクチュエータ6は、第2指5を開閉方向Xにおける第1指3に接近する向きに移動させるときに、ストッパ71を第1バネ72の弾性力に抗して第1位置から第2位置の方へ移動させることによって、拘束器7を前記解放状態とする。開閉アクチュエータ6は、第2指5を全閉状態とすることによって、より詳しくは、第2指5を第1指3に接近するように開閉方向Xへ移動させて第1指3に接触させてからさらに移動体61を移動させることによって、拘束器7を解放状態とする。
詳しくは、電動モータ62が移動体61を移動させることによって、第2指5が開閉方向Xへ移動する。移動体61が開閉方向Xにおいて第2指5が閉じる向きへ移動すると、移動体61と共に第2指5も閉じる向きへ移動する。これにより、アーム61aがレバー76に接近する。第2指5が第1指3に接触すると、第2指5は開閉方向Xへそれ以上移動不能となる。図10は、全閉状態におけるハンド2の、図5に相当する断面図である。第1指3及び第2指5が全閉状態になった時点では、アーム61aはレバー76にまだ接触していない。
第2指5が第1指3に接触した後も、移動体61は、第2バネ63を弾性変形させることによってさらに移動することができる。第1指3及び第2指5の全閉状態から移動体61がさらに閉じる向きに移動すると、アーム61aは、やがてレバー76に接触して、レバー76を開閉方向Xの閉じる向きへ押圧する。つまり、開閉アクチュエータ6は、移動体61によって、ストッパ71を第1バネ72の弾性力に抗して第1位置から第2位置の方へ移動させる。このとき、第2指5は第1指3に接触して停止しており、移動体61のみが移動している。
図11は、拘束器7が拘束状態から解放状態に切り替わるときのハンド2の、図6に相当する断面図である。開閉方向Xの閉じる向きへのレバー76の移動によって、リンク77の第2端部77bが概ね開閉方向Xの閉じる向きへ移動するように、リンク77がピン77cを中心に回転する。その結果、リンク77の第1端部77aが概ね開閉方向Xの開く向きへ移動し、それに応じて、ストッパ71が第1バネ72の弾性力に抗して開閉方向Xにおいて緩衝器8から離反する向きへ移動する。これにより、ストッパ71は、第1位置から第2位置へ移動する。
ストッパ71が第2位置に位置する場合、コンタクト74は、緩衝器8のホルダ81に対し非接触となり、緩衝器8は、ストッパ71の拘束から解放される。これにより、緩衝器8は、ハンド本体20に対して第1方向Zへの移動が可能な状態となる。第1指3は緩衝器8を介してハンド本体20に支持されているので、第1指3の第1方向Zへの移動も可能となる。この状態が拘束器7の解放状態である。
[制御装置]
図12は、制御装置120の概略的なハードウェア構成を示す。制御装置120は、制御部121、記憶部122及びメモリ123を有している。
図12は、制御装置120の概略的なハードウェア構成を示す。制御装置120は、制御部121、記憶部122及びメモリ123を有している。
制御部121は、制御装置120の全体を制御する。制御部121は、各種の演算処理を行う。例えば、制御部121は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで形成されている。制御部121は、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLC(Programmable Logic Controller)、システムLSI等で形成されていてもよい。
記憶部122は、制御部121で実行されるプログラム及び各種データを格納している。例えば、記憶部122は、制御プログラムが格納されている。記憶部122は、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等で形成される。メモリ123は、データ等を一時的に記憶する。メモリ123は、例えば、揮発性メモリで形成される。
制御部121は、記憶部122からプログラムをメモリ123に読み出して展開することによって、制御装置120の各種機能を実現する。
制御部121は、ロボットアーム1の各電動モータを制御することによって、ロボットアーム1の動作を制御する。制御部121は、ロボットアーム1のエンコーダの検出結果に基づいて電動モータを制御する。また、制御部121は、進退アクチュエータ4及び開閉アクチュエータ6を制御することによって、ハンド2の動作を制御する。詳しくは、制御部121は、位置取得センサ44の検出結果に基づいて電動モータ42を制御することによって、ベルト35を駆動する。制御部121は、ベルト35を駆動することによって、ハンド2に物品の移動及び第1指3の進退の何れかを実行させる。制御部121は、位置取得センサ64bの検出結果に基づいて電動モータ62を制御することによって、第2指5を開閉方向Xへ移動させる。
[ハンドの動作]
このように構成されたハンド2は、制御装置120によって制御され、第1指3及び第2指5によって物品を把持する把持動作と、第1指3のベルト35によって物品を移動させる移動動作とを実行する。また、ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ進退させる進退動作を実行する。ハンド2は、進退動作によって、第1指3の第1方向Zの位置を調整する。
このように構成されたハンド2は、制御装置120によって制御され、第1指3及び第2指5によって物品を把持する把持動作と、第1指3のベルト35によって物品を移動させる移動動作とを実行する。また、ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ進退させる進退動作を実行する。ハンド2は、進退動作によって、第1指3の第1方向Zの位置を調整する。
[進退動作]
まず、ハンド2の進退動作について説明する。図13は、進退動作を説明するためのハンド2の、図6に相当する断面図である。ハンド2では、進退アクチュエータ4が第1指3を進退させる。進退アクチュエータ4は、前述の如く、ベルト35を駆動する。ベルト35の動作は、第1指3の進退及び物品の移動に利用される。つまり、進退アクチュエータ4は、第1指3を進退させる機能(以下、「進退機能」という)と物品を移動させる機能(以下、「移動機能」という)とを択一的に発揮する。進退アクチュエータ4の進退機能と移動機能とは拘束器7によって切り替えられる。拘束器7が解放状態の場合に、進退アクチュエータ4は進退機能を発揮し、拘束器7が拘束状態の場合に、進退アクチュエータ4は移動機能を発揮する。
まず、ハンド2の進退動作について説明する。図13は、進退動作を説明するためのハンド2の、図6に相当する断面図である。ハンド2では、進退アクチュエータ4が第1指3を進退させる。進退アクチュエータ4は、前述の如く、ベルト35を駆動する。ベルト35の動作は、第1指3の進退及び物品の移動に利用される。つまり、進退アクチュエータ4は、第1指3を進退させる機能(以下、「進退機能」という)と物品を移動させる機能(以下、「移動機能」という)とを択一的に発揮する。進退アクチュエータ4の進退機能と移動機能とは拘束器7によって切り替えられる。拘束器7が解放状態の場合に、進退アクチュエータ4は進退機能を発揮し、拘束器7が拘束状態の場合に、進退アクチュエータ4は移動機能を発揮する。
具体的には、ハンド2は、進退動作を実行する際には、拘束器7を解放状態として、第1指3を第1方向Zへ移動可能な状態にする。さらに、ハンド2は、第1指3のベルト35を他の物体に接触させる。ハンド2は、この状態で進退アクチュエータ4によりベルト35を駆動することによって、進退動作を実行する。
前述の如く、拘束器7が解放状態のときには、ベルト35は、第2指5に接触している。つまり、第2指5は、第1指3を進退させる際にベルト35が接触する物体として機能する。この状態で、進退アクチュエータ4は、電動モータ42を作動させることによって、ベルト35を駆動する。ベルト35が駆動されると、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分は、指本体30に対して接触面35aの面内方向において相対的に移動する。ベルト35のうち接触面35aを形成する部分は、第2指5と接触している。接触面35aと第2指5との間には、摩擦力が発生している。そのため、ベルト35が駆動されても、第2指5に対してベルト35が摺動せず、又は、第2指5に対するベルト35の摺動が低減され、その代わりに、図13に示すように、指本体30が第2指5に対して第1方向Zへ相対的に移動する。つまり、第1指3が第2指5に対して第1方向Zへ移動する。第1指3が第1方向Zにおいて所望の位置に到達すると、進退アクチュエータ4は、電動モータ42を停止させ、第1指3の進退を停止させる。
電動モータ42の回転の向きが切り替えられることによって、ハンド本体20に対する第1指3の進出及び後退が切り替えられる。把持動作又は移動動作が実行される状況に応じて、第1指3の第1方向Zの位置が調整される。基本的には、把持動作においては、第1指3の第1方向Zの位置が第2指5と揃えられる。移動動作においては、第1指3は、第1方向Zにおいて第2指5よりも突出した状態とされる。
図14は、進退動作完了時の動作を説明するためのハンド2の模式的な正面図である。進退動作によって第1指3の第1方向Zの位置が調整された後、開閉アクチュエータ6が移動体61を開閉方向Xにおいて第1指3から離反する向きへ移動させると、図14に示すように、移動体61とレバー76との接触が解消される。これにより、ストッパ71は、第1バネ72の弾性力によって第1位置へ移動し、コンタクト74が緩衝器8のホルダ81に接触する。こうして、拘束器7は、解放状態から拘束状態に切り替わる。
[把持動作]
次に、ハンド2の把持動作について説明する。図15は、把持動作を説明するためのハンド2の模式的な正面図である。ハンド2は、把持動作を実行する際には、基本的には、第1方向Zにおいて第1指3の指先と第2指5の指先とを略一致するように、第1指3の第1方向Zの位置を調整する。さらに、ハンド2は、図15の二点鎖線で示すように、予め第2指5を第2方向Xにおいて第1指3から離反した状態、即ち、第1指3及び第2指5が開いた状態にしておく。尚、使用状況によっては、第1方向Zにおける第1指3の指先と第2指5の指先とが揃っていなくてもよい。
次に、ハンド2の把持動作について説明する。図15は、把持動作を説明するためのハンド2の模式的な正面図である。ハンド2は、把持動作を実行する際には、基本的には、第1方向Zにおいて第1指3の指先と第2指5の指先とを略一致するように、第1指3の第1方向Zの位置を調整する。さらに、ハンド2は、図15の二点鎖線で示すように、予め第2指5を第2方向Xにおいて第1指3から離反した状態、即ち、第1指3及び第2指5が開いた状態にしておく。尚、使用状況によっては、第1方向Zにおける第1指3の指先と第2指5の指先とが揃っていなくてもよい。
通常、ロボットアーム1は、ハンド2を移動させて、物品Wの置かれた面(以下、「支持面」と称する)Pに対して第1指3及び第2指5を第1方向Zから接近させる。ハンド2は、第1指3及び第2指5の間に物品Wが位置するように移動させられる。続いて、ハンド2は、開閉アクチュエータ6によって第2指5を第1指3に接近させる。開閉アクチュエータ6は、電動モータ62を第2指5の閉動作に対応する向きに作動させる。電動モータ62の回転によって、移動体61及びナット67と共に第2指5が開閉方向Xにおいて閉じる向きへ移動する。第2指5は、やがて物品Wに接触し、物品Wを第1指3に接触するまで閉じる向きへ押し動かす。最終的に、第1指3及び第2指5は、接触面35a及び接触面54aによって物品Wを把持する。尚、把持動作においては、進退アクチュエータ4は、作動せず、第1指3のベルト35は移動しない。
図16は、緩衝器8の動作を説明するためのハンド2の、図5に相当する断面図である。前述のように、第1指3及び第2指5が支持面P又は物品W等の他の物体に接近する際に、第1指3又は第2指5の先端が支持面P等に接触する場合がある。第1指3は、緩衝器8によって弾性的に支持されているので、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ後退し得る。支持面P等から第1指3に作用する衝撃は、第1指3が第1方向Zへ移動することによって緩衝器8の第3バネ83に吸収される。第2指5の指先54は、バネ56を介して指本体50に弾性的に支持されているので、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ後退し得る。支持面P等から第2指5に作用する衝撃は、指先54が第1方向Zへ移動することによってバネ56に吸収される。このように、第1指3及び第2指5の何れも、第1方向Zへの衝撃を吸収することができる。
[移動動作]
続いて、ハンド2の移動動作について説明する。ハンド2は、移動動作を実行する際には、進退アクチュエータ4に移動機能を発揮させるために、拘束器7を拘束状態にする。例えば、ハンド2は、図14に示すように、第2指5を開閉方向Xにおいて第1指3から離反させておく。この状態で、進退アクチュエータ4は、ベルト35を駆動する。第1指3は第1方向Zに移動不能となっているので、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が第1方向Zへ移動する。接触面35aに物品が接触し且つ接触面35aと物品との間に摩擦力が作用している場合には、物品が接触面35aと共に第1方向Zへ移動する。ハンド2は、進退アクチュエータ4の電動モータ42の回転の向きによって、物品の移動の向きを切り替える。
続いて、ハンド2の移動動作について説明する。ハンド2は、移動動作を実行する際には、進退アクチュエータ4に移動機能を発揮させるために、拘束器7を拘束状態にする。例えば、ハンド2は、図14に示すように、第2指5を開閉方向Xにおいて第1指3から離反させておく。この状態で、進退アクチュエータ4は、ベルト35を駆動する。第1指3は第1方向Zに移動不能となっているので、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が第1方向Zへ移動する。接触面35aに物品が接触し且つ接触面35aと物品との間に摩擦力が作用している場合には、物品が接触面35aと共に第1方向Zへ移動する。ハンド2は、進退アクチュエータ4の電動モータ42の回転の向きによって、物品の移動の向きを切り替える。
移動動作によれば、物品を第1指3及び第2指5で把持する必要がなく、第1指3のみによって物品を移動させることができる。これにより、物品の周囲のスペースが狭くて複数の指を物品の周囲まで接近させるのが困難な状況や物品を両側から把持できない状況であっても、第1指3だけを物品に接触させることによって物品を移動させることができる。さらに、図14に示すように、第1指3の指先を第2指5の指先よりも第1方向Zにおいて突出させることによって、狭小なスペースへの第1指3の進入が容易になり、第1指3を物品に到達させやすくすることができる。
[引き込み把持]
移動動作の具体例を以下で説明する。まず、物品を第1指3と第2指5との間に引き込んでから、第1指3及び第2指5によって物品を把持する引き込み把持について説明する。図17は、引き込み把持の開始時の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図18は、引き込み把持の途中の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図19は、引き込み把持の完了時の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図17、図18及び図19の引き込み把持では、重なった複数のプレート状の物品Wから一の物品Wをハンド2に引き込んで把持する。
移動動作の具体例を以下で説明する。まず、物品を第1指3と第2指5との間に引き込んでから、第1指3及び第2指5によって物品を把持する引き込み把持について説明する。図17は、引き込み把持の開始時の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図18は、引き込み把持の途中の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図19は、引き込み把持の完了時の状態を説明するためのハンド2の説明図である。図17、図18及び図19の引き込み把持では、重なった複数のプレート状の物品Wから一の物品Wをハンド2に引き込んで把持する。
例えば、トレーT内に、複数のプレート状の物品Wが立った状態で互いに重なって収容されている。引き込み把持では、積層方向における最も外側に配置された物品Wが取り出される。説明の便宜上、複数の物品Wを最も外側から順番に第1物品W1、第2物品W2、第3物品W3、…と称する。
ハンド2は、図17に示すように、予め第1指3が第2指5よりも第1方向Zへ所定量だけ突出した状態で且つ第1指3及び第2指5の開閉方向Xへの間隔が物品Wの厚さよりも少し大きく開いた状態とされる。ハンド2は、この状態で、第1指3が第1物品W1に接触する位置まで移動させられる。具体的には、第1指3の接触面35aは、第1物品W1のうち積層方向において外側に露出している面(以下、この面を「最外面f1」と称する)に接触する。第2指5は、第2物品W2の端面に接触しない位置に配置されている。
ハンド2は、進退アクチュエータ4が作動させてベルト35を駆動する。このとき、拘束器7は拘束状態となっているため、進退アクチュエータ4は移動機能を発揮する。この状態で、ベルト35が駆動されると、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が接触面35aの面内方向に移動する。それに伴い、ベルト35に接触している第1物品W1もベルト35と共に移動する。ここで、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が第1方向Zにおいてハンド本体20へ近づく向き、即ち、図中の上向きに移動するように、電動モータ42の回転の向きが設定されている。その結果、第1物品W1は、第1指3と第2指5との間に引き込まれる。
図18に示すように、第1物品W1が第1指3と第2指5との隙間まで引き込まれると、進退アクチュエータ4がベルト35の駆動を停止する。このとき、第2物品W2が第1物品W1と第2物品W2との間の摩擦力によって、第1物品W1と共に第1方向Zへ移動する場合がある。しかし、第2物品W2の第1方向Zには、第2指5が位置している。そのため、第1方向Zへ移動する第2物品W2の端面が第2指5の先端に接触する。その結果、第1物品W1だけが第1指3と第2指5との間に引き込まれ、第2物品W2は、第1指3と第2指5との間に引き込まれない。
尚、第1指3と第2指5との間隔を調整することによって、複数の物品W、例えば、第1物品W1及び第2物品W2の両方を第1指3と第2指5の間に引き込むことも可能である。
その後、ハンド2は、開閉アクチュエータ6を作動させて、図19に示すように、第2指5を閉じる。第2指5が開閉方向Xにおいて第1指3の方へ移動し、第1指3及び第2指5が第1物品W1を把持する。これにより、引き込み把持が完了する。
引き込み把持が完了すると、ロボットアーム1は、ハンド2を移動させて、第1物品W1をトレーTから取り出す。
このように、第1指3及び第2指5によって挟持されるべき2つの面のうち一方の面しか外部に露出していない物品Wであっても、その外部に露出する面、例えば、最外面f1に第1指3のベルト35を接触させた状態でベルト35を駆動することによって、物品Wをベルト35と共に移動させることができる。
尚、前述のトレーTの例では、ハンド2は、物品Wを第1指3と第2指5との間に引き込んでいるが、物品Wの移動方向はこれに限定されない。例えば、物品Wの周囲の状況しだいではあるが、物品Wを引き込む場合とは反対向きにベルト35を移動させ、物品Wを繰り出すように移動させてもよい。物品Wが繰り出された後に、ハンド2が移動して、物品Wを第1指3及び第2指5によって把持してもよいし、別のハンド等が物品Wを把持してもよい。
また、複数の物品Wは、水平方向に並んでいるが、これに限定されない。例えば、複数の物品Wが鉛直方向に並ぶように積み重ねられた場合であっても、ハンド2は、引き込み把持によって物品Wを把持することができる。例えば、鉛直方向に積み上げられた複数の物品Wのうち最上の物品Wにおける上方へ露出する面に第1指3が接触するように、ハンド2が移動させられる。つまり、第1方向Zが水平方向を向くようにハンド2の姿勢が調節される。その後のハンド2の前述の通りである。最上の物品Wは、第1指3と第2指5との間に水平方向へ引き込まれた後、第1指3と第2指5とで把持される。
[引き込み]
次に、第1指3による物品Wの単純な引き込みについて説明する。図20は、ハンド2による物品Wの引き込みの一例を説明するための説明図である。例えば、棚Sに物品Wが置かれている。この例では、物品Wは、本である。
次に、第1指3による物品Wの単純な引き込みについて説明する。図20は、ハンド2による物品Wの引き込みの一例を説明するための説明図である。例えば、棚Sに物品Wが置かれている。この例では、物品Wは、本である。
ハンド2は、予め、第1指3が第2指5よりも第1方向Zへ所定量だけ突出した状態で且つ第1指3及び第2指5が開閉方向Xへ開いた状態とされる。ハンド2は、この状態で、第1指3が棚Sと物品Wとの隙間に進入し且つ第1指3の接触面35aが物品Wの端面に接触する位置へ移動させられる。尚、第2指5は、物品Wに接触していない。
ハンド2は、進退アクチュエータ4を作動させてベルト35を駆動する。拘束器7は拘束状態となっているので、進退アクチュエータ4は移動機能を発揮する。ベルト35が駆動されると、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が接触面35aの面内方向に移動する。詳しくは、ベルト35のうち接触面35aを形成する部分が第1方向Zにおいてハンド本体20へ近づく向きに移動するように、電動モータ42の回転の向きが設定される。それに伴い、ベルト35に接触している物品Wもベルト35と共に、第1方向Zにおいてハンド本体20の方へ移動する。その結果、物品Wは、棚Sからハンド本体20の方へ引き込まれる。
物品Wが棚Sから引き出された後、ハンド2は、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とを略一致させ、物品Wのうち引き出された部分を第1指3と第2指5によって把持する。
続いて、第1指3による物品Wの単純な引き込みの別の例について説明する。図21は、ハンド2による物品Wの引き込みの別の例を説明するための説明図である。例えば、トレーTに物品Wが置かれている。この例では、トレーTの側壁に接近した物品Wをハンド2の引き込みによって中央よりに移動させる。
ハンド2は、予め、第1指3が第2指5よりも第1方向Zへ所定量だけ突出した状態で且つ第1指3及び第2指5が開閉方向Xへ開いた状態とされる。さらに、ハンド2は、第1方向Zが鉛直方向に対して傾斜するような姿勢にされる。ハンド2は、この状態で、第1指3の先端がトレーTの側壁に接近した物品Wに接触する位置へ移動させられる。
ハンド2は、第1指3の先端部のベルト35が物品Wに接触した状態で、トレーTの中央の方へ移動させられる。これにより、第1指3が接触した物品Wが、第1指3と共にトレーTの中央の方へ移動させられる。このとき、ハンド2は、進退アクチュエータ4を作動させてもよい。進退アクチュエータ4は、物品WをトレーTの中央の方へ移動させる向きにベルト35を移動させる。第1指3の移動に加えて、ベルト35の移動によって、物品WのトレーTの中央への移動が促進される。物品Wは、トレーTの側壁から離れ、物品WとトレーTの側壁との間にスペース、例えば、第1指3が進入できるスペースが確保されるまで、ハンド2の移動が継続される。
物品WとトレーTの側壁との間にスペースが確保された後、ハンド2は、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とを略一致させ、第1指3と第2指5によって物品Wを把持する。
以上のように、ハンド2においては、ベルト35の設けられた第1指3が第1方向Zへ進退するので、ベルト35の活用の範囲を広げることができ、第1指3の利便性を向上させることができる。例えば、第1指3を第1方向Zにおいて第2指5よりも突出した状態とすることによって、物品の周囲のスペースが狭小な状況であっても、第1指3を物品に容易に到達させることができる。第1指3のベルト35を物品に接触させた状態でベルト35を駆動することによって、物品をベルト35と共に移動させることができる。つまり、第1指3及び第2指5による把持なしで物品を移動させることができる。そして、物品を適切な場所まで移動させた後に、第1指3と第2指5とで物品を把持することができる。
第1指3のベルト35によって物品を移動させる態様には、前述のように第1指3と第2指5との間に物品を引き込む態様、単にハンド本体20の方へ物品を引き込む態様、及び、第1指3全体を移動させつつベルト35を駆動して物品を移動させる態様等が含まれる。
さらに、ベルト35による物品の移動と第1指3及び第2指5による把持を組み合わせることもできる。例えば、前述のように、ベルト35によって第1指3と第2指5との間に物品を引き込んだ後に、第1指3と第2指5とによって物品を把持してもよい。第1指3と第2指5とで物品を把持した状態からベルト35によって物品を第1指3と第2指5との間で移動させてもよい。
このように、第1指3を第2指5から独立して第1方向Zに進退可能とすることによって、第2指5に対する第1指3の第1方向Zの位置を調整することができる。これにより、ベルト35の設けられた第1指3の活用の幅を広げることができる。
また、ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ進退させる駆動源をベルト35の駆動源と共通にしている。つまり、進退アクチュエータ4はベルト35を駆動し、ベルト35の動作を第1指3の進退と物品の移動とに択一的に利用している。これにより、ハンド2の部品点数の削減、構成の簡素化及びコスト低減を図ることができる。
具体的には、ハンド2は、第1方向Zへの第1指3の移動を拘束する拘束器7を有し、拘束器7による第1指3の拘束状態及び解放状態を切り替えることによって、ベルト35の進退機能と移動機能とを切り替える。拘束器7を設けることによって、共通の進退アクチュエータ4により第1指3の進退と物品の移動との両方を実現することができる。
さらに、第1指3を進退させる場合には、拘束器7を解放状態で且つベルト35を他の物体に接触させた状態で進退アクチュエータ4によりベルト35を駆動する。ベルト35を固定的な他の物体に接触させた状態でベルト35を駆動することによって、第1指3が他の物体に対して第1方向Zへ移動する。ハンド2は、ベルト35を接触させる他の物体として、第2指5を利用している。第2指5は、開閉方向Xへ移動可能であるので、第1指3を進退させる際には、ハンド2は、第1指3及び第2指5を全閉状態として第2指5を第1指3のベルト35に接触させる。第2指5は、第1方向Zに進退不能であるので、ベルト35を第2指5に接触した状態で駆動することによって第1指3が第1方向Zへ進退する。これにより、ベルト35を固定的な他の物体に接触させるようにハンド2を移動させる必要がない。本来的に物品を把持するためにハンド2が備える第2指5を利用することによって、第1指3の進退を容易に実現することができる。
また、ハンド2は、拘束器7の拘束状態と解放状態との切り替えを、第2指5の開閉動作によって行う。具体的には、第2指5の開閉と連動して移動する移動体61が拘束器7の拘束状態と解放状態とを切り替える。これにより、拘束器7の拘束状態と解放状態とを切り替える駆動源を別途設ける必要がない。つまり、開閉アクチュエータ6の駆動力を利用して、拘束器7の拘束状態と解放状態とを切り替えることができる。
さらに、第2指5の開閉動作により拘束器7の切り替えを行うことによって、拘束器7の切り替えのタイミングを第2指5の開閉のタイミングと合わせることができる。例えば、第1指3を進退させるためにベルト35を接触させる他の物体として第2指5を利用する場合、第2指5を全閉状態とし且つ拘束器7を解放状態とする必要がある。第2指5の開閉動作により拘束器7の切り替えを行うことによって、そのような状況を容易に実現することができる。
それに加えて、第2指5を駆動する開閉アクチュエータ6は、開閉方向Xへ駆動される移動体61と、移動体61と第2指5とを弾性的に連結する第2バネ63とを有し、第1指3及び第2指5の全閉状態から移動体61を第2バネ63の弾性力に抗してさらに移動させることによって、移動体61が拘束器7を拘束状態から解放状態に切り替える。
つまり、移動体61は、第2指5及びストッパ71のそれぞれを移動させる機能を有する。移動体61と第2指5とを第2バネ63を介して連結することによって、第1指3及び第2指5が全閉状態となった後に移動体61をさらに移動させることができる。第2指5が第1指3に接触していない間は、移動体61は、第2指5だけを移動させ、ストッパ71を移動させない。第2指5が第1指3に接触すると、第2指5が停止し、移動体61のみが移動する。第2指5が停止している間の移動体61の移動中に移動体61がストッパ71を移動させる。つまり、第2指5が第1指3に接触した後の移動体61のさらなる移動区間において、移動体61が拘束器7を解放状態にする。
このように、第1指3及び第2指5の全閉状態において、拘束器7の拘束状態と解放状態とが移動体61の位置によって切り替わる。第1指3及び第2指5が全閉状態になった時点では、拘束器7は拘束状態のままである。これにより、シート状の薄い物体を把持した場合のように第1指3及び第2指5が全閉状態に近い状態で物体を把持している際に、拘束器7が解放状態になることを防止することができる。具体的には、開閉アクチュエータ6は、第2指5を第1指3に接触させる位置であって且つ移動体61がストッパ71に接触しない位置まで移動体61を移動させる。これにより、拘束器7を拘束状態で維持したまま、第1指3及び第2指5が全閉状態となる。一方、開閉アクチュエータ6は、第2指5を第1指3に接触させる位置であって且つ移動体61がストッパ71を第2位置へ押圧する位置まで移動体61を移動させる。これにより、第1指3及び第2指5の全閉状態において、拘束器7が解放状態となる。このように、開閉アクチュエータ6は、第1指3及び第2指5の全閉状態において拘束器7の拘束状態と解放状態とを移動体61の位置によって適宜切り替えることができる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、ハンド2は、ロボットアーム1に連結されていなくてもよい。ハンド2は、ロボット110ではなく、専用機等に適用されてもよい。
ハンド2は、第2指5に代えて、別の指を有していてもよい。ハンド2は、3本以上の指を備えていてもよい。つまり、ハンド2は、他の指から独立してハンド本体に対して進退する指を備えていればよい。
第1指3及び第2指5の少なくとも一方が第2方向Xへ移動可能であればよい。例えば、第1指3が第2方向Xへ移動可能にハンド本体20に設けられ、第2指5が第2方向Xへ移動不能にハンド本体20に設けられていてもよい。あるいは、第1指3及び第2指5の両方が第2方向Xへ移動可能にハンド本体20に設けられていてもよい。第1指3が第2方向Xへ移動可能な場合には、開閉アクチュエータ6は、第1指3を第2指5と連動して、又は、第2指5から独立して、ハンド本体20に対して第2方向Xへ移動させてもよい。
第1指3以外の指、例えば、第2指5が第1方向Zへ進退可能にハンド本体20に設けられていてもよい。例えば、ハンド2の全ての指が第1方向Zへ進退可能であってもよい。その場合、ベルトの設けられた少なくとも1本の指が他の指から独立して第1方向Zへ進退可能であればよい。
第1指3以外の指、例えば、第2指5に、物品に接触する接触面を形成するベルトが設けられていてもよい。
第1指3を進退させる進退アクチュエータは、ベルト35を駆動して、ベルト35の動作によって第1指3を進退させるものに限定されない。進退アクチュエータは、ベルト35を駆動するアクチュエータとは別に設けられていてもよい。例えば、進退アクチュエータは、第1指3を進退させるリニアアクチュエータ等であってもよい。
前述のように、ベルト35の動作を使用して第1指3を進退させる構成においては、ベルト35を接触させる他の物体は、第2指5に限定されない。例えば、物品を支持する支持台又はトレー等の固定的な物体にベルト35を接触させた状態でベルト35を駆動することによって、第1指3を進退させてもよい。
また、第1指3は、先端が第2指5の先端よりも第1方向Zにおいて後退した位置まで移動してもよい。
拘束器7は、前述の構成に限定されない。拘束器7の拘束状態と解放状態との切り替えは、開閉アクチュエータ6以外のアクチュエータによって実行されてもよい。例えば、ハンド2は、拘束器7の状態を切り替えるための専用のアクチュエータを備えていてもよい。
拘束器7を拘束状態から解放状態に切り替えるタイミングは、任意に設定され得る。解放状態に切り替わるタイミングは、第1指3及び第2指5が全閉状態のときであってもよい。あるいは、第1指3及び第2指5が開状態の任意のタイミングで解放状態に切り替わってもよい。拘束器7を拘束状態から解放状態に切り替えるタイミングは、開閉アクチュエータ6による前述の構成においては、移動体61とレバー76との位置関係を変更することによって任意に設定し得る。専用のアクチュエータによって拘束器7の状態を切り替える構成においては、拘束器7の状態を任意のタイミングで切り替えることができる。
第1指3の適用は前述の例に限定されない。第1指3は、単独で、又は、第2指5等の他の指との協働で様々な状況で使用され得る。例えば、把持動作では、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とが揃っていなくてもよい。移動動作では、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とが揃っていてもよい。
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、及び/又はそれらの組合せを含む、回路(circuitry)又は演算回路(processing circuitry)において実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタ及びその他の回路を含み、回路又は演算回路とみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、プログラマブルプロセッサ(programmed processor)であってもよい。
本明細書において、回路(circuitry)、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
当該ハードウェアが回路(circuitry)のタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該回路、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアの組合せである。
本開示の技術をまとめると、以下のようになる。
[1]ハンド2は、ハンド本体20と、ハンド本体20に設けられた第1指3と、ハンド本体20に設けられた第2指5と、第1指3を第2指5から独立してハンド本体に対して所定の第1方向Zへ進退させる進退アクチュエータ4とを備え、第1指3は、物品との接触面35aを形成し且つ接触面35aの面内方向において移動するベルト35を有する。
この構成によれば、第1指3を第2指5から独立して第1方向Zへ進退させることによって、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とを揃えたり、異ならせたりすることができる。例えば、物品の周囲のスペースが狭小な場合、又は、第1指3のベルト35だけで物品を扱う場合などには、第1方向Zにおいて第1指3を第2指5よりも突出させることによって、第1指3を物品に到達させやすくすることができる。あるいは、第1指3と第2指5とで物品を扱う場合などには、第1方向Zにおいて第1指3の先端と第2指5の先端とを揃えることによって、第1指3と第2指5とで物品を把持した状態でベルト35によって物品に作用を加えることが容易になる。このように、ハンド2は、物品の周囲の状況及びハンド2による物品の取り扱い方に応じて、第2指5に対する第1指3の第1方向Zの位置を変更することができる。第1指3の第1方向Zの位置を変更することによって、ハンド2によって物品を適切且つ容易に取り扱うことができる。その結果、ベルト35が設けられた第1指3をより有効に活用することができ、第1指3の利便性を向上させることができる。
[2] [1]に記載のハンド2において、進退アクチュエータ4は、ベルト35が接触面35aの面内方向において移動するようにベルト35を駆動する。
この構成によれば、進退アクチュエータ4は、具体的には、ベルト35を駆動することによって、第1指3を第1方向Zへ進退させる。
[3] [1]又は[2]に記載ハンド2は、第1指3を第1方向Zへ移動不能とする拘束状態と第1指3を第1方向Zへ移動可能とする解放状態とで切り替える拘束器7をさらに備える。
この構成によれば、第1指3は、第1方向Zへ移動不能な状態と移動可能な状態とが拘束器7によって切り替えられる。
[4] [1]乃至[3]の何れか1つに記載のハンド2において、進退アクチュエータ4は、拘束器7の解放状態で且つベルト35を他の物体に接触させた状態でベルト35を駆動することによって第1指3を第1方向Zへ進退させる一方、拘束器7の拘束状態で且つベルト35を物品に接触させた状態でベルト35を駆動することによって物品を接触面35aの面内方向において移動させる。
この構成によれば、進退アクチュエータ4は、拘束器7の開放状態と拘束状態とを切り替えることによって、第1指3を進退させる進退機能と物品を移動させる移動機能とを切り替えることができる。
[5] [1]乃至[4]の何れか1つに記載のハンド2において、他の物体は、第2指5である。
この構成によれば、進退アクチュエータ4は、第2指5を活用することによって、第1指3の進退を容易に実現することができる。つまり、第1指3の進退を実現するために、第1指3を接触させるための他の物体をその都度探す必要がない。
[6] [1]乃至[5]の何れか1つに記載のハンド2は、第1指3及び第2指5の少なくとも一方を、第1指3及び第2指5の他方に対して接近又は離反するようにハンド本体20に対して所定の第2方向Xへ移動させる開閉アクチュエータ6をさらに備え、拘束器7は、第1指3を拘束する第1位置と第1指3を解放する第2位置との間で移動可能なストッパ71と、ストッパ71を第2位置から第1位置の方へ付勢する第1バネ72(第1弾性部材)とを有し、開閉アクチュエータ6は、第1指3及び第2指5の少なくとも一方を第2方向Xにおいて第1指3及び第2指5の他方に対して接近する向きに移動させるときに、ストッパ71を第1バネ72の弾性力に抗して第1位置から第2位置の方へ移動させることによって、拘束器7を解放状態とする。
この構成によれば、第1指3及び第2指5が閉じるときに拘束器7を解放状態とすることができる。
[7] [1]乃至[6]の何れか1つに記載のハンド2において、開閉アクチュエータ6は、第1指3及び第2指5を全閉状態とするときに、拘束器7を解放状態とする。
この構成によれば、拘束器7が解放状態となるのは、具体的には、第1指3及び第2指5が閉じるときの中でも全閉状態となるときである。第1指3及び第2指5が全閉状態のときには、第1指3のベルト35には第2指5が接触する。この状態でベルト35が駆動されることによって第1指3は、第1方向Zへ進退させられる。つまり、第1指3及び第2指5を全閉状態とすることによって、ベルト35が第2指5に接触する状態と拘束器7の解放状態との両方を実現することができ、結果として、第1指3を第1方向Zへ進退可能な状態とすることができる。
[8] [1]乃至[7]の何れか1つに記載のハンド2において、開閉アクチュエータ6は、移動体61と、移動体61と第2指5とを弾性的に連結する第2バネ63(第2弾性部材)と、移動体61を移動させる電動モータ62(駆動源)とを有し、電動モータ62により移動体61を移動させることによって第2指5を第2方向Xへ移動させ、第2指5を第1指3に接触させた後、前記第2弾性部材の弾性力に抗して移動体61をさらに移動させることによって、前記移動体により前記ストッパを前記第1位置から前記第2位置へ前記第1弾性部材の弾性力に抗して移動させて、拘束器7を解放状態とする。
この構成によれば、拘束器7が解放状態となるのは、第1指3及び第2指5が全閉状態となった中でも、第2指5が第1指に接触した後に、移動体61が第2バネ63を弾性変形させてさらに移動したときである。つまり、移動体61と第2指5とを第2バネ63を介して連結することによって、第2指5を第1指3に接触させた後も移動体61の移動を可能として、ストッパ71を第2位置へ移動させるタイミングを第2指5を第1指3に接触させるタイミングよりも遅らせることができる。これにより、第1指3及び第2指5の全閉状態における拘束器7の解放状態と拘束状態とを移動体61の位置によって切り替えることができる。例えば、ハンド2によって非常に薄い物体を把持する場合に、第1指3と第2指5とで物品を把持した状態で拘束器7が解放状態となると、物品の把持が不安定となる虞がある。しかし、拘束器7は、第1指3及び第2指5が略全閉状態であっても、移動体61の位置しだいでは解放状態とならない。つまり、第1指3及び第2指5が全閉状態となるとすぐに拘束器7が解放状態となることが防止される。そのため、第1指3と第2指5とで物品を把持した状態が適切に維持される。
[9] [1]乃至[8]の何れか1つに記載のハンド2において、拘束器7は、ストッパ71に連結され、移動体61の移動軌跡上に配置されるレバー76をさらに有し、移動体61は、前記第2指5を前記第1指3に接触させた後、前記第2バネ63の弾性力に抗してさらに移動したときに、レバー76を押圧することによって、ストッパ71を第1バネ72の弾性力に抗して第1位置から第2位置の方へ移動させ、拘束器7を解放状態とする。
この構成によれば、移動する移動体61がレバー76を押圧し、レバー76に連結されたストッパ71が第1位置から第2位置の方へ移動して、結果として、拘束器7が解放状態となる。ここで、移動体61が第2指5を第1指3に接触させた後さらに移動したときに、ストッパ71が第1位置から第2位置の方へ移動するように、レバー76に位置が設定されている。これにより、第1指3及び第2指5が全閉状態になってから移動体61がさらに移動したときに拘束器7を解放状態とする構成を実現することができる。
[10] [1]乃至[9]の何れか1つに記載のハンド2は、第1指3をハンド本体20に対して第1方向Zへ移動可能に弾性的に支持する緩衝器8をさらに備える。
この構成によれば、第1指3に第1方向Zへの衝撃が作用しても、緩衝器8が衝撃を吸収することができる。例えば、ハンド2が移動して、第1指3が他の物体に第1方向Zから接触した場合であっても、他の物体から第1指3へ作用する衝撃を緩衝器8が吸収することができる。
[11] [1]乃至[10]の何れか1つに記載のハンド2において、緩衝器8は、第1指3を第1方向Zへ案内するリニアガイド82と、第1方向Zへの第1指3の移動を弾性的に吸収する第3バネ83(第3弾性部材)とを有する。
この構成によれば、第1指3は、リニアガイド82及び第3バネ83によって第1方向Zへ弾性的に移動可能となっている。第1指3へ衝撃が作用すると、第1指3はリニアガイド82に案内されて第1方向Zへ移動し、衝撃は第3バネによって吸収される。
[12] [1]乃至[11]の何れか1つに記載のハンド2において、進退アクチュエータ4は、電動モータ42を有し、第1指3及び電動モータ42は、第1方向Zへ並び、電動モータ42は、電動モータ42の回転軸Mが第1方向Zへ延びるように配置され、第3バネ83は、電動モータ42の外周を囲むように配置されたコイルバネである。
この構成によれば、第3バネ83が電動モータ42の外周を囲むように配置されるので、緩衝器8をコンパクトに配置することができる。その結果、ハンド2を小型化することができる。
2 ハンド
3 第1指
35 ベルト
35a 接触面
4 進退アクチュエータ
42 電動モータ
5 第2指
6 開閉アクチュエータ
61 移動体
62 電動モータ(駆動源)
63 第2バネ(第2弾性部材)
7 拘束器
71 ストッパ
72 第1バネ(第1弾性部材)
76 レバー
8 緩衝器
82 リニアガイド
83 第3バネ(第3弾性部材)
M 回転軸
X 第2方向
Z 第1方向
3 第1指
35 ベルト
35a 接触面
4 進退アクチュエータ
42 電動モータ
5 第2指
6 開閉アクチュエータ
61 移動体
62 電動モータ(駆動源)
63 第2バネ(第2弾性部材)
7 拘束器
71 ストッパ
72 第1バネ(第1弾性部材)
76 レバー
8 緩衝器
82 リニアガイド
83 第3バネ(第3弾性部材)
M 回転軸
X 第2方向
Z 第1方向
Claims (12)
- ハンド本体と、
前記ハンド本体に設けられた第1指と、
前記ハンド本体に設けられた第2指と、
前記第1指を前記第2指から独立して前記ハンド本体に対して所定の第1方向へ進退させる進退アクチュエータとを備え、
前記第1指は、物品との接触面を形成し且つ前記接触面の面内方向において移動するベルトを有するハンド。 - 請求項1に記載のハンドにおいて、
前記進退アクチュエータは、前記ベルトが前記接触面の面内方向において移動するように前記ベルトを駆動するハンド。 - 請求項2に記載のハンドにおいて、
前記第1指を前記第1方向へ移動不能とする拘束状態と前記第1指を前記第1方向へ移動可能とする解放状態とで切り替える拘束器をさらに備えるハンド。 - 請求項3に記載のハンドにおいて、
前記進退アクチュエータは、
前記拘束器の前記解放状態で且つ前記ベルトを他の物体に接触させた状態で前記ベルトを駆動することによって前記第1指を前記第1方向へ進退させる一方、
前記拘束器の前記拘束状態で且つ前記ベルトを物品に接触させた状態で前記ベルトを駆動することによって前記物品を前記接触面の面内方向において移動させるハンド。 - 請求項4に記載のハンドにおいて、
前記他の物体は、前記第2指であるハンド。 - 請求項3乃至5の何れか1つに記載のハンドにおいて、
前記第1指及び前記第2指の少なくとも一方を、前記第1指及び前記第2指の他方に対して接近又は離反するように前記ハンド本体に対して所定の第2方向へ移動させる開閉アクチュエータをさらに備え、
前記拘束器は、前記第1指を拘束する第1位置と前記第1指を解放する第2位置との間で移動可能なストッパと、前記ストッパを前記第2位置から前記第1位置の方へ付勢する第1弾性部材とを有し、
前記開閉アクチュエータは、前記第1指及び前記第2指の少なくとも一方を前記第2方向において前記第1指及び前記第2指の他方に対して接近する向きに移動させるときに、前記ストッパを前記第1弾性部材の弾性力に抗して前記第1位置から前記第2位置の方へ移動させることによって、前記拘束器を前記解放状態とするハンド。 - 請求項6に記載のハンドにおいて、
前記開閉アクチュエータは、前記第1指及び前記第2指の全閉状態のときに、前記拘束器を前記解放状態とするハンド。 - 請求項7に記載のハンドにおいて、
前記開閉アクチュエータは、
移動体と、前記移動体と前記第2指とを弾性的に連結する第2弾性部材と、前記移動体を移動させる駆動源とを有し、
前記駆動源により前記移動体を移動させることによって前記第2指を前記第2方向へ移動させ、
前記第2指を前記第1指に接触させた後、前記第2弾性部材の弾性力に抗して前記移動体をさらに移動させることによって、前記移動体により前記ストッパを前記第1位置から前記第2位置へ前記第1弾性部材の弾性力に抗して移動させて、前記拘束器を前記解放状態とするハンド。 - 請求項8に記載のハンドにおいて、
前記拘束器は、前記ストッパに連結され、前記移動体の移動軌跡上に配置されるレバーをさらに有し、
前記移動体は、前記第2指を前記第1指に接触させた後、前記第2弾性部材の弾性力に抗してさらに移動したときに前記レバーを押圧することによって、前記ストッパを前記第1弾性部材の弾性力に抗して前記第1位置から前記第2位置の方へ移動させ、前記拘束器を前記解放状態とするハンド。 - 請求項1に記載のハンドにおいて、
前記第1指を前記ハンド本体に対して前記第1方向へ移動可能に弾性的に支持する緩衝器をさらに備えるハンド。 - 請求項10に記載のハンドにおいて、
前記緩衝器は、前記第1指を前記第1方向へ案内するリニアガイドと、前記第1方向への前記第1指の移動を弾性的に吸収する第3弾性部材とを有するハンド。 - 請求項11に記載のハンドにおいて、
前記進退アクチュエータは、電動モータを有し、
前記第1指及び前記電動モータは、前記第1方向へ並び、
前記電動モータは、前記電動モータの回転軸が前記第1方向へ延びるように配置され、
前記第3弾性部材は、前記電動モータの外周を囲むように配置されたコイルバネであるハンド。
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JP2022125877A JP2024022356A (ja) | 2022-08-05 | 2022-08-05 | ハンド |
PCT/JP2023/028303 WO2024029570A1 (ja) | 2022-08-05 | 2023-08-02 | ハンド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022125877A JP2024022356A (ja) | 2022-08-05 | 2022-08-05 | ハンド |
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JP2022125877A Pending JP2024022356A (ja) | 2022-08-05 | 2022-08-05 | ハンド |
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2023
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