JP2024021698A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーツの消耗によるプロセス変動を抑制する。【解決手段】チャンバとチャンバに結合されるRF電源とを備えるプラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、静電チャックが配置される中央部と、中央部を囲む周縁部とを有する基台であって、周縁部の上面は中央部の上面よりも低い位置にある基台と、基台の外周を囲むように配置される絶縁性のカバーリングと、静電チャック上に配置される第1の導電性リングと、カバーリング上に第1の導電性リングとは離隔して配置される第2の導電性リングと、基台の周縁部上に配置される第3の導電性リングであって、第3の導電性リングの上面と第2の導電性リングの下面とがカバーリングを介して互いに対向する、又は、第3の導電性リングの外周側の側面と第2の導電性リングの内周側の側面とがカバーリングを介して互いに対向する、第3の導電性リングと、を備える。【選択図】図2
Description
本開示の例示的な実施形態は、プラズマ処理装置に関する。
特許文献1には、フォーカスリング及びカバーリングを備えるプラズマ処理装置が開示されている。
本開示は、パーツの消耗によるプロセス変動を抑制する技術を提供する。
本開示の一つの例示的実施形態において、チャンバと前記チャンバに結合されるRF電源とを備えるプラズマ処理装置であって、静電チャックが配置される中央部と、前記中央部を囲む周縁部とを有する基台であって、前記周縁部の上面は前記中央部の上面よりも低い位置にある基台と、前記基台の外周を囲むように配置される絶縁性のカバーリングと、前記静電チャック上に配置される第1の導電性リングと、前記カバーリング上に前記第1の導電性リングとは離隔して配置される第2の導電性リングと、前記基台の前記周縁部上に配置される第3の導電性リングであって、前記第3の導電性リングの上面と前記第2の導電性リングの下面とが前記カバーリングを介して互いに対向する、又は、前記第3の導電性リングの外周側の側面と前記第2の導電性リングの内周側の側面とが前記カバーリングを介して互いに対向する、第3の導電性リングと、を備えるプラズマ処理装置が提供される。
本開示の一つの例示的実施形態によれば、パーツの消耗によるプロセス変動を抑制する技術を提供することができる。
以下、本開示の各実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、チャンバとチャンバに結合されるRF電源とを備えるプラズマ処理装置であって、静電チャックが配置される中央部と、中央部を囲む周縁部とを有する基台であって、周縁部の上面は中央部の上面よりも低い位置にある基台と、基台の外周を囲むように配置される絶縁性のカバーリングと、静電チャック上に配置される第1の導電性リングと、カバーリング上に第1の導電性リングとは離隔して配置される第2の導電性リングと、基台の周縁部上に配置される第3の導電性リングであって、第3の導電性リングの上面と第2の導電性リングの下面とがカバーリングを介して互いに対向する、又は、第3の導電性リングの外周側の側面と第2の導電性リングの内周側の側面とがカバーリングを介して互いに対向する、第3の導電性リングと、を備えるプラズマ処理装置が提供される。
一つの例示的実施形態において、第3の導電性リングと第2の導電性リングとの間の静電容量は、第1の導電性リングと第2の導電性リングとの間の静電容量より大きい。
一つの例示的実施形態において、第2の導電性リングは、第3の導電性リングに対向する面の面積が、第1の導電性リングに対向する面の面積より大きいプラズマ処理装置を提供する。
一つの例示的実施形態において、第2の導電性リングは、第3の導電性リングとの離隔距離が、第1の導電性リングとの離隔距離より大きいプラズマ処理装置を提供する。
一つの例示的実施形態において、第2の導電性リングは、第3の導電性リングとの離隔距離が、第1の導電性リングとの離隔距離より小さい。
一つの例示的実施形態において、第2の導電性リングは、第3の導電性リングに対向する面の面積が、第1の導電性リングに対向する面の面積より小さい。
一つの例示的実施形態において、第1の導電性リング、第2の導電性リング及び第3の導電性リングは、同一の導電性の材料で形成されている。
一つの例示的実施形態において、第3の導電性リングは、第1の導電性リング及び第2の導電性リングとは、異なる導電性の材料で形成されている。
一つの例示的実施形態において、第1の導電性リング及び第2の導電性リングは、シリコン又はシリコンカーバイドを含む材料で形成されている。
一つの例示的実施形態において、カバーリングは、石英で形成されている。
一つの例示的実施形態において、RF電源は、基台又は静電チャックに結合される。
一つの例示的実施形態において、カバーリングは、第2の導電性リングの内周側の側面と当接して第2の導電性リングの径方向内側への移動を規制する位置決め部を有する。
一つの例示的実施形態において、第2の導電性リングの上面と第2の導電性リングの内周側の側面との間に傾斜部を有する。
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
<プラズマ処理システムの構成例>
以下に、プラズマ処理システムの構成例について説明する。図1は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
以下に、プラズマ処理システムの構成例について説明する。図1は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
プラズマ処理システムは、容量結合型のプラズマ処理装置1及び制御部2を含む。容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。基板Wは、本体部111の中央領域に配置される。リングアセンブリ112は、本体部111の環状領域(中央領域を平面視で囲む領域)上に配置される。本体部111の中央領域は、基板Wを支持するための基板支持面ともよばれ、環状領域は、リングアセンブリを支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、静電チャック1111が配置される中央部1110aと、中央部1110aを囲む周縁部1110bとを有する。周縁部1110bは、本体部111の環状領域の一部を構成する。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、本体部111の中央領域と、本体部111の環状領域の一部とを構成する。また、後述するRF(Radio Frequency)電源31及び/又はDC(Direct Current)電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
リングアセンブリ112は、複数の環状部材を含む。一実施形態において、リングアセンブリ112は、カバーリングCR、第1の導電性リングDR1、第2の導電性リングDR2及び第3の導電性リングDR3を含む。カバーリングCRは、絶縁性を有する材料で形成される。第1の導電性リングDR1、第2の導電性リングDR2、第3の導電性リングDR3は、導電性を有する材料で形成される。
また、基板支持部11は、静電チャック1111、絶縁部材112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110c、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110cには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110cが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と本体部111の中央領域との間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ処理チャンバ10において1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Procesfing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Accesf Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SFD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
<リングアセンブリの構成例>
図2はリングアセンブリ112の一例を模式的に示す断面図である。図2は、図1の点線aで囲った領域を拡大して示している。上述のとおり、基台1110は、静電チャック1111が配置される中央部1110aと、中央部1110aを囲む周縁部1110bとを有する。周縁部1110bの上面は、中央部1110aの上面よりも低い位置にある。すなわち、基台1110は、中央部1110aから周縁部1110bに向かって段差が設けられている。リングアセンブリ112は、カバーリングCR、第1の導電性リングDR1、第2の導電性リングDR2及び第3の導電性リングDR3を含む。
図2はリングアセンブリ112の一例を模式的に示す断面図である。図2は、図1の点線aで囲った領域を拡大して示している。上述のとおり、基台1110は、静電チャック1111が配置される中央部1110aと、中央部1110aを囲む周縁部1110bとを有する。周縁部1110bの上面は、中央部1110aの上面よりも低い位置にある。すなわち、基台1110は、中央部1110aから周縁部1110bに向かって段差が設けられている。リングアセンブリ112は、カバーリングCR、第1の導電性リングDR1、第2の導電性リングDR2及び第3の導電性リングDR3を含む。
カバーリングCRは、基板支持面の平面視において、基台1110を囲むように基台1110の外周に沿って配置される(以下、基板支持面の平面視を、単に「平面視」ともいう。)。一例では、平面視においてカバーリングCRの一部が基台1110の一部と重なるように、カバーリングCRが構成されてよい。一例では、平面視においてカバーリングCRの一部が周縁部1110bと重なるように、カバーリングCRは、環状領域から中央領域に向かう方向に突出する部分を有してよい(図2参照)。カバーリングCRは、絶縁性を有する材料で形成される。一例では、カバーリングCRは、石英又はアルミナ等のセラミックでよい。カバーリングCRは、環状の1つの部材で構成されてよく、また複数の部材が基台1110を囲むように組み合わされて構成されてもよい。例えば、カバーリングCRは、周方向や径方向に沿って複数の部材を組み合わせることで構成されてよい。
第1の導電性リングDR1は、静電チャック1111の外周部(基板Wが載置される中央領域を囲む領域)上に配置される。すなわち、第1の導電性リングDR1は、基板Wの外周を囲むように配置される(図1参照)。図2に示すように、第1の導電性リングDR1は、平面視において、カバーリングCRの上面の一部と重なるように配置されてよい。すなわち、第1の導電性リングDR1は、静電チャック1111の外周部からカバーリングCRに亘って配置されてよい。
第1の導電性リングDR1は、静電チャック1111を介して、電源30に電気的に結合される。第1の導電性リングDR1は、基板Wに対するプラズマ処理の面内均一性を向上させ得る。第1の導電性リングDR1は、フォーカスリング又はエッジリングとも呼ばれる。
第1の導電性リングDR1は、導電性を有する材料から形成される。一例では、第1の導電性リングDR1は、シリコン又はシリコンカーバイドを含む材料で構成されてよい。第1の導電性リングDR1は、環状の板状体でよい。第1の導電性リングDR1は、基台1110の中央領域を囲むように、周方向や径方向に複数の部材を組み合わせることで構成されてよい。
第2の導電性リングDR2は、カバーリングCR上に配置される。第2の導電性リングDR2は、第1の導電性リングDR1とは離隔して配置される。図2に示す例では、第1の導電性リングDR1の外周側の側面sf1と、第2の導電性リングDR2の内周側の側面sf2とが、距離D1離隔して互いに対向している。後述するとおり、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とは、側面sf1と当該側面sf1に対向する側面sf2とを介して容量結合する。すなわち、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とは、側面sf1と当該側面sf1に対向する側面sf2との隙間とともにキャパシタとして機能する。なお、側面sf1と側面sf2との間に絶縁部材が設けられてよい。
第2の導電性リングDR2は、プラズマ処理空間10s内で生成されるプラズマによるスパッタ等からカバーリングCRを保護し得る。第2の導電性リングDR2は、カバーリングCRの上面の径方向外側部分を覆ってもよく、覆わなくてもよい。第2の導電性リングDR2の厚さは、第1の導電性リングDR1の厚さより大きくてよい。また第2の導電性リングDR2の上面は、第1の導電性リングDR1の上面より高い位置に配置されてよい。また第2の導電性リングの底面は、第1の導電性リングDR1の底面と同じ高さに配置されてよい。
第2の導電性リングDR2は、導電性を有する材料から形成される。第2の導電性リングは、第1の導電性リングDR1と同一の材料で形成されてよく、また異なる材料で形成されてもよい。第2の導電性リングは、カバーリングCRよりもスパッタに対する耐性が高い材料で形成されてよい。一例では、当該スパッタ耐性は、Arイオンに対する耐性であってよい。一例では、第2の導電性リングDR2は、シリコン又はシリコンカーバイドを含む材料で形成されてよい。第2の導電性リングDR2は、平面視において、環状の板状体でよい。第2の導電性リングDR2は、周方向や径方向に複数の部材を組み合わせることで構成されてよい。
第3の導電性リングDR3は、基台1110の周縁部1110bの上面上に配置される。基台1110の周縁部1110bの上面は、中央部1110aの上面よりも低い位置にある。すなわち、第3の導電性リングDR3の上面は、第1の導電性リングDR2の下面よりも低い位置に配置される。第3の導電性リングDR3は、基台1110を介して、電源30に電気的に結合される。
第3の導電性リングDR3は、平面視において、第2の導電性リングDR2と重なる領域を有する。また、第3の導電性リングDR3は、当該領域の断面において、絶縁性のカバーリングCRを介して第2の導電性リングDR2の下に配置される。図2に示す例では、第3の導電性リングDR3の上面tfと、第2の導電性リングDR2の下面bfとが、距離D2離隔して互いに対向している。後述するとおり、第3の導電性リングDR3と第2の導電性リングDR2とは、上面tfと当該上面tfに対向する下面bfとを介して容量結合する。すなわち、第2の導電性リングDR2、第3の導電性リングDR3及びカバーリングCRは、キャパシタとして機能する。
第3の導電性リングDR3は、導電性を有する材料から形成される。第3の導電性リングは、第1の導電性リングDR1及び/又は第2の導電性リングと同一の材料で形成されてよい。第3の導電性リングは、第1の導電性リングDR1及び第2の導電性リングと異なる材料で形成されてよい。第3の導電性リングDR3は、プラズマ処理空間10s内で生成されるプラズマに直接曝されない位置に配置される場合、プラズマに対する耐性が低い材料で形成されてもよい。一例では、第3の導電性リングDR3は、シリコン、シリコンカーバイド又はアルミニウムを含む材料で形成されてよい。第3の導電性リングDR3は、平面視において、環状の板状体でよい。第3の導電性リングDR3は、周方向や径方向に複数の部材を組み合わせることで構成されてよい。
上述のとおり、第1の導電性リングDR1は、静電チャック1111を介して、電源30に結合される。また第3の導電性リングDR3は、基台1110を介して、電源30に結合される。電源30からソースRF信号及び/又はバイアスRF信号が下部電極に供給されると、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2との間、及び、第3の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2との間の2つのパスで静電誘導が生じる。すなわち、第1の導電性リングDR1の外周側の側面sf1に存在する正又は負の電荷により、当該側面sf1に対向する第2の導電性リングDR2の内周側の側面sf2に静電誘導が生じる。また、第3の導電性リングDR3の上面tfに存在する正又は負の電荷により、当該上面に対向する第2の導電性リングDR2の下面bfに静電誘導が生じる。すると、第2の導電性リングDR2の側面sf2及び下面bfに集まった電荷と等量かつ逆の電荷が、プラズマの電位に引寄せられて第2の導電性リングDR2の上面に集まる。これにより、プラズマから第2の導電性リングDR2に向かうイオンが減速され得る。そのため、第2の導電性リングDR2スパッタされにくくなり、第2の導電性リングDR2の消耗量を制御することできる。
プラズマ処理空間10s内第1の導電性リングDR1又は第2の導電性リングDR2は、プラズマに直接暴露される。そのため、第1の導電性リングDR1又は第2の導電性リングDR2は、経時的に消耗し、両者の間の静電容量は経時的に変化し得る。しかし、上述のとおり、第2の導電性リングDR2は、第1の導電性リングDR1との間に加えて、第3の導電性リングDR3との間の2つのパスにより静電誘導が生じる。そして、第3の導電性リングDR3は、プラズマに直接曝されないので、第2の導電性リングDR2と第3の導電性リングDR1との間の静電容量は経時的に変化しにくい。本実施形態の上記構成によれば、第2の導電性リングDR2の静電容量の経時的な変化を抑制し得る。これにより、例えば、経時変化に伴うプラズマ密度の変化を抑制し得る。
また上述のとおり、第2の導電性リングDR2は、第1の導電性リングDR1及び第3の導電性リングDR3との間に2つのパスを形成し、当該2つのパスにより静電誘導が生じる。そのため、例えば、第1の導電性リングDR1の側面sf1と第2の導電性リングDR2の側面sf2との間の隙間(距離D1)を広げ得る。この場合、第2の導電性リングDR2と第1の導電性リングDR1との間の静電容量C12は小さくなる。しかし、静電容量の減少分は、第2の導電性リングDR2と第3の導電性リングDR1との間の静電容量C23を大きくすることで補填できる。距離D1が大きくなることで、隙間にプラズマ処理空間10s内のプラズマ処理による副生成物等が第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2との隙間に堆積して、両者が短絡する等の不具合を抑制し得る。
第2の導電性リングDR2と第3の導電性リングDR3との間の静電容量C23は、第2の導電性リングDR2と第1の導電性リングDR1との間の静電容量C12よりも大きくてよい。これにより、上述した第2の導電性リングDR2の静電容量の経時的な変化をさらに抑制し得る。一例では、第2の導電性リングDR2の静電容量全体に占める静電容量C23の割合は、50%以上でよい。
例えば、第2の導電性リングDR2は、平面視において第3の導電性リングDR3に対向する面の面積が、平面視において第1の導電性リングDR1に対向する面の面積より大きくてよい。すなわち、第3の導電性リングDR3の上面tfに対向する第2の導電性リングDR2の下面bfの面積は、第1の導電性リングDR1の側面sf1に対向する第2の導電性リングDR2の側面sf2の面積より大きくてよい。この場合、上面tfと下面bfとの離隔距離D2は、側面sf1と側面sf2との離隔距離D1より大きくてよい。なお、側面sf1と側面sf2との間に絶縁部材が設けられる場合、当該絶縁部材の誘電率は、カバーリングCRの誘電率より小さくてよい。
また例えば、第2の導電性リングDR2は、第3の導電性リングDR3との離隔距離が、第1の導電性リングDR1との離隔距離より小さくてよい。すなわち、第2の導電性リングDR2の底面bfと第3の導電性リングDR3の上面tfとの離隔距離D2は、第1の導電性リングDR1の側面sf1と第2の導電性リングDR2の側面sf2との離隔距離D1よりも小さくてよい。この場合、上面tfに対向する下面bfの面積は、側面sf1に対向する側面sf2の面積より小さくてよい。
<変形例>
以上の各実施形態は、説明の目的で説明されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、リングアセンブリ112は、以下のような変形例が考えられる。
以上の各実施形態は、説明の目的で説明されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、リングアセンブリ112は、以下のような変形例が考えられる。
図3乃至図8は、それぞれ、リングアセンブリ112の他の例を模式的に示す断面図である。以下では、図2に示す例と異なる部分を中心に説明し、図2に示す例と同一又は同様の構成については、説明は省略する。なお、いずれの変形例においても、カバーリングCR、第1の導電性リングDR1、第2の導電性リングDR2及び第3の導電性リングDR3は、図2に示す例と同様に、平面視において、基台1110の周方向に沿って配置された環状の板状体であってよい。
図3に示す例では、第3の導電性リングDR3の外周側の側面sf3と第2の導電性リングDR2の内周側の側面sf2とがカバーリングCRを介して互いに対向している。この例では、第3の導電性リングDR3と第2の導電性リングDR2とは、側面sf3と当該側面sf3に対向する側面sf2とを介して容量結合する。なお、図3においては、カバーリングCRの径方向外側の上面は、径方向内側の上面よりも低く構成され、これにより、段差部PSが形成されている。第2の導電性リングDR2の内周側の側面sf2は、当該段差部PSにおいて、カバーリングCRに当接する。これにより、第2の導電性リングDR2の側面sf2は、第1の導電性リングDR1の側面sf1と接触しない。すなわち、段差部PSは、第2の導電性リングDR2の径方向内側への移動を規制する位置決め部として機能する。
図4に示す例では、第2の導電性リングDR2の上面と第2の導電性リングの内周側の側面との間に傾斜部tsが形成されている。傾斜部tsにより、第2の導電性リングDR2の上面と、第1の導電性リングDR1の上面との高さ変化が緩和される。これにより、プラズマ処理空間10s内でプラズマを生成した際に、第1の導電性リングDR1及び第2の導電性リングDR2の上方に形成されるシースの不連続性を緩和しうる。また図4に示す例では、図3に示す例と同様に、カバーリングCRに位置決め部として機能する段差部PSが形成されている。
図5に示す例では、カバーリングCRの上面に凹状の溝部RCを設けるともに、第2の導電性リングDR2の下面bfの一部に当該溝部RCに対応する形状の凸状部PRを設けている。凸状部PRが溝部RCに嵌め込まれることで、カバーリングCRに対する、第2の導電性リングDR2の位置が安定して維持される。これにより、第2の導電性リングDR2の側面sf2は、第1の導電性リングDR1の側面sf1と接触しない。すなわち、溝部RCは、第2の導電性リングDR2の径方向内側への移動を規制する位置決め部として機能する。
また、図6乃至図8に示すように、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とは、両者の側面以外の面においても対向することでキャパシタとして機能してもよい。図6は、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とが、両者の側面(sf1、sf2)に加えて、第1の導電性リングDR1の下面と、第2の導電性リングDR2の上面とで対向し、当該面においても静電結合する例である。図7は、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とが、両者の側面(sf1、sf2)に加えて、第1の導電性リングDR1の上面と、第2の導電性リングDR2の下面とで対向し、当該面においても静電結合する例である。図8は、第1の導電性リングDR1と第2の導電性リングDR2とが、第1の導電性リングDR1の上面と、第2の導電性リングDR2の下面とで対向し、当該面において静電結合する例である。
また上述したリングアセンブリの構成は、容量結合型のプラズマ処理装置1以外にも、誘導結合型プラズマやマイクロ波プラズマ等、任意のプラズマ源を用いた処理装置に適用してよい。
1……プラズマ処理装置、10……プラズマ処理チャンバ、10s……プラズマ処理空間、1110……基台、1110a……中央部、1110b……周縁部、1111……静電チャック、112……カバーリング、30……電源、DR1……第1の導電性リング、DR2……第2の導電性リング、DR3……第3の導電性リング
Claims (12)
- チャンバと前記チャンバに結合されるRF電源とを備えるプラズマ処理装置であって、
静電チャックが配置される中央部と、前記中央部を囲む周縁部とを有する基台であって、前記周縁部の上面は前記中央部の上面よりも低い位置にある基台と、
前記基台の外周を囲むように配置される絶縁性のカバーリングと、
前記静電チャック上に配置される第1の導電性リングと、
前記カバーリング上に前記第1の導電性リングとは離隔して配置される第2の導電性リングと、
前記基台の前記周縁部上に配置される第3の導電性リングであって、前記第3の導電性リングの上面と前記第2の導電性リングの下面とが前記カバーリングを介して互いに対向する、又は、前記第3の導電性リングの外周側の側面と前記第2の導電性リングの内周側の側面とが前記カバーリングを介して互いに対向する、第3の導電性リングと、
を備えるプラズマ処理装置。 - 前記第3の導電性リングと前記第2の導電性リングとの間の静電容量は、前記第1の導電性リングと前記第2の導電性リングとの間の静電容量より大きい請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の導電性リングは、前記第3の導電性リングに対向する面の面積が、前記第1の導電性リングに対向する面の面積より大きい、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の導電性リングは、前記第3の導電性リングとの離隔距離が、前記第1の導電性リングとの離隔距離より大きい、請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の導電性リングは、前記第3の導電性リングとの離隔距離が、前記第1の導電性リングとの離隔距離より小さい、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の導電性リング、前記第2の導電性リング及び前記第3の導電性リングは、同一の導電性の材料で形成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第3の導電性リングは、前記第1の導電性リング及び前記第2の導電性リングとは、異なる導電性の材料で形成されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の導電性リング及び前記第2の導電性リングは、シリコン又はシリコンカーバイドを含む材料で形成されている、請求項6又は請求項7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記カバーリングは、石英で形成されている、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
- 前記RF電源は、前記基台又は前記静電チャックに結合される、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記カバーリングは、前記第2の導電性リングの内周側の側面と当接して前記第2の導電性リングの径方向内側への移動を規制する位置決め部を有する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の導電性リングの上面と前記第2の導電性リングの内周側の側面との間に傾斜部を有する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
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