JP2024020885A - 車両の制御装置 - Google Patents

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晋平 五十部
Shinpei Isobe
慎治 弓
Shinji YUMI
有穂 徳川
Yuho Tokugawa
真一 中越
Shinichi Nakagoshi
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Abstract

【課題】車両の振動を抑え、且つ低温環境でのフィルタの再生機会を増やす。【解決手段】排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ25を備えた内燃機関10と、内燃機関10に連結している自動変速機80と、内燃機関10及び自動変速機80の間に介在しているトルクコンバータ50とを有し、トルクコンバータ50は、作動油の給排に応じて、内燃機関10と自動変速機80とを接続した接続状態、又は内燃機関10と自動変速機80とを切り離した切断状態に切り替わるロックアップクラッチ60を備える車両500を制御対象とし、作動油の温度が判定温度未満の場合、ロックアップクラッチ60を切断状態にする第1処理と、車両500の減速中、ロックアップクラッチ60が切断状態であり、且つフィルタ25に捕集された粒子状物質の堆積量が判定堆積量以上であることを条件に、内燃機関10においてフューエルカットを行う第2処理と、を実行する。【選択図】図1

Description

この発明は、車両の制御装置に関する。
特許文献1には、車両、及びその制御装置が開示されている。車両は、内燃機関、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ、油圧機構、及び自動変速機を有する。ロックアップクラッチは、油圧機構からの油圧に応じて、内燃機関の出力軸と自動変速機の入力軸とを接続した接続状態、又はこれらを切り離した切断状態に切り替わる。
ここで、油温が低い状況下にあっては、車両の減速中にロックアップクラッチを接続状態にすると、車両に振動が生じることがある。そこで、特許文献1の制御装置は、車両の減速中、油温が高いときにはロックアップクラッチを接続状態にする一方で、油温が低いときにはロックアップクラッチを切断状態にする。そして、制御装置は、減速中にロックアップクラッチが接続状態である場合に限って、燃費の改善のためにフューエルカットを行う。ロックアップクラッチが接続状態である場合、駆動輪のトルクを内燃機関に伝達できるため、内燃機関のストールを回避できる。
ところで、特許文献1の内燃機関は、排気通路にフィルタを有する。フィルタは、排気に含まれる粒子状物質を捕集する。制御装置は、粒子状物質の堆積量が多い場合には、車両の減速中のフューエルカットを利用してフィルタの再生を行う。制御装置は、フィルタの再生を行うにあたり、粒子状物質の堆積量が多い場合には、ロックアップクラッチを接続状態から切断状態に切り替える油温の閾値を通常時より低くする。そして、制御装置は、粒子状物質の堆積量が多い場合には、油温の低い状況でロックアップクラッチを接続状態にしてフューエルカットを行う。そのことで、フィルタの再生を図る。
特開2021-148097号公報
特許文献1のように、フィルタの再生機会を増やすべく油温が低いときにロックアップクラッチを接続状態にすると、車両に振動が生じるおそれがある。かといって、車両の振動を考慮して油温が低いときにロックアップクラッチを切断状態にすると、ロックアップクラッチが接続状態であることが前提となるフューエルカットを実行できないので、フィルタの再生機会が減ってしまう。
上記課題を解決するための車両の制御装置は、排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関と、前記内燃機関に連結している自動変速機と、前記内燃機関及び前記自動変速機の間に介在しているトルクコンバータと、前記トルクコンバータに対して作動油を給排する油圧機構と、前記作動油の温度を検出する温度センサと、を有し、前記トルクコンバータは、前記作動油の給排に応じて、前記内燃機関の出力軸と前記自動変速機の入力軸とを接続した接続状態、又は前記出力軸と前記入力軸とを切り離した切断状態に切り替わるロックアップクラッチを備える車両を制御対象とし、前記作動油の温度が予め定められた判定温度未満の場合、前記ロックアップクラッチを前記切断状態にする第1処理と、前記車両の減速中、前記ロックアップクラッチが前記切断状態であり、且つ前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が予め定められた判定堆積量以上であることを条件に、前記内燃機関においてフューエルカットを行う第2処理と、を実行する。
作動油の温度が判定温度未満の場合、トルクコンバータ内の作動油の粘度が高くなる。そして、作動油が高粘度であると、トルクコンバータの入力軸と出力軸とが相対回転しにくくなる。つまり、ロックアップクラッチが切断状態であっても、作動油の温度が低ければ、駆動輪のトルクを相当の割合で内燃機関に伝達できる。この点に着目し、上記構成では、作動油の温度が低い状況下での車両の減速中、ロックアップクラッチを切断状態にしたままフューエルカットを行う。ロックアップクラッチを切断状態にしたままフューエルカットを行えば、車両の振動を抑え、且つ低温環境でのフィルタの再生機会を増やすことができる。
図1は、車両の概略構成図である。 図2は、特定処理ルーチンの一連の処理手順を表したフローチャートである。
以下、車両の制御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
<車両の概略構成>
図1に示すように、車両500は、内燃機関10、トルクコンバータ50、自動変速機80、駆動輪83、及び油圧機構70を有する。内燃機関10は、車両500の駆動源である。内燃機関10の出力軸であるクランクシャフト11は、トルクコンバータ50の入力軸51に連結している。トルクコンバータ50は、トルク増幅機能を有する流体継手である。トルクコンバータ50の出力軸52は、自動変速機80の入力軸(以下、変速機入力軸と記す。)81に連結している。すなわち、自動変速機80は、トルクコンバータ50を介して内燃機関10に連結している。そして、トルクコンバータ50は、内燃機関10と自動変速機80との間に介在している。自動変速機80は、ギアの切り替えにより変速比が多段階に切り替わる有段式の変速機である。自動変速機80の出力軸は、ディファレンシャルなどを介して駆動輪83に連結している。油圧機構70は、トルクコンバータ50及び自動変速機80に対して作動油を給排する。油圧機構70は、複数の油路、作動油を流通させる油路を切り替えるバルブ、及び油路に作動油を供給するポンプなどを含んでいる。
<内燃機関について>
内燃機関10は、上記クランクシャフト11、及び複数の気筒12を有する。気筒12の数は4つである。気筒12は、燃料と吸入空気との混合気を燃焼させるための空間である。図示は省略するが、各気筒12はピストンを収容している。ピストンは、気筒12内を往復動する。ピストンの往復動に応じてクランクシャフト11は回転する。
内燃機関10は、複数の点火プラグ19を有する。点火プラグ19は、気筒12毎に設けられている。点火プラグ19は、気筒12内の混合気に点火を行う。
内燃機関10は、吸気通路20、スロットルバルブ21、及び複数の燃料噴射弁22を有する。吸気通路20は、各気筒12に吸入空気を導入するための通路である。吸気通路20は、各気筒12に接続している。スロットルバルブ21は、吸気通路20の途中に位置している。スロットルバルブ21は、吸入空気の量(以下、吸気空気量と記す。)GAを調節する。複数の燃料噴射弁22は、吸気通路20における、スロットルバルブ21に対して下流側に位置している。燃料噴射弁22は、気筒12毎に設けられている。燃料噴射弁22は、燃料を噴射して気筒12内に燃料を供給する。
内燃機関10は、排気通路23、三元触媒24、及びガソリンパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと記す。)25を有する。排気通路23は、各気筒12から排気を排出するための通路である。排気通路23は、各気筒12に接続している。三元触媒24は、排気通路23の途中に位置している。三元触媒24は、排気を浄化する。フィルタ25は、排気通路23における、三元触媒24に対して下流側に位置している。フィルタ25は、排気に含まれる粒子状物質(以下、PMと記す。)を捕集する。
内燃機関10は、エアフロメータ13、吸気温度センサ14、クランクポジションセンサ15、空燃比センサ16、及び排気温度センサ17を有する。エアフロメータ13は、吸入空気量GAを検出する。吸気温度センサ14は、吸入空気の温度TIを検出する。クランクポジションセンサ15は、クランクシャフト11の回転位置CRを検出する。空燃比センサ16は、排気通路23における、三元触媒24に対して上流側における排気の空燃比AFを検出する。排気温度センサ17は、排気通路23における、三元触媒24とフィルタ25との間の排気の温度TOを検出する。各センサは、それぞれが検出した情報に応じた信号を繰り返し出力する。
<トルクコンバータについて>
トルクコンバータ50は、上記入力軸51、及び上記出力軸52に加え、フロントカバー56、ポンプインペラ53、及びタービンライナ54を有する。ポンプインペラ53は、羽根車形状である。ポンプインペラ53は、フロントカバー56を介してトルクコンバータ50の入力軸51に連結している。ポンプインペラ53は、フロントカバー56と共に入力軸51と一体回転する。タービンライナ54は、羽根車形状である。タービンライナ54は、ポンプインペラ53と向かい合っている。タービンライナ54は、トルクコンバータ50の出力軸52に連結している。タービンライナ54は、出力軸52と一体回転する。ポンプインペラ53とタービンライナ54の周囲は、油圧機構70から供給される作動油で常時満たされている。そして、トルクコンバータ50では、ポンプインペラ53とタービンライナ54との間において作動油を介したトルク伝達が行われる。図示は省略するが、トルクコンバータ50は、ポンプインペラ53とタービンライナ54との間で作動油を整流する公知のステータを有する。ステータは、ワンウェイクラッチ付きである。
トルクコンバータ50は、ロックアップクラッチ機構(以下、単にロックアップクラッチと記す。)60を有する。ロックアップクラッチ60は、湿式の多板クラッチである。すなわち、ロックアップクラッチ60は、複数の第1摩擦板61、及び複数の第2摩擦板62を有する。第1摩擦板61は円環状である。第2摩擦板62も円環状である。第1摩擦板61と第2摩擦板62とは、交互に配置されている。隣り合う第1摩擦板61と第2摩擦板62とは向かい合っている。第1摩擦板61及び第2摩擦板62は、これらの並び方向に移動可能になっている。第1摩擦板61は、ポンプインペラ53と一体回転する。第2摩擦板62は、タービンライナ54と一体回転する。なお、以下では、複数の第1摩擦板61及び複数の第2摩擦板62で構成される摩擦板の一群を摩擦板群と呼称する。
ロックアップクラッチ60は、ロックアップピストン67を有する。ロックアップピストン67は、円板状である。ロックアップピストン67は、摩擦板群を挟んでフロントカバー56とは反対側に位置している。ロックアップピストン67は、後述の油圧に応じて摩擦板群に近づいたり摩擦板群から遠ざかったりする。ロックアップピストン67がフロントカバー56に近づくと、ロックアップピストン67とフロントカバー56は摩擦板群を挟み込む。この場合、隣り合う第1摩擦板61及び第2摩擦板62が互いに接触する。すなわち、ロックアップクラッチ60は、トルクコンバータ50の入力軸51と出力軸52とを接続した接続状態になる。この接続状態では、ロックアップクラッチ60は、クランクシャフト11と変速機入力軸81とを接続する。一方、ロックアップピストン67がフロントカバー56から遠ざかると、ロックアップピストン67とフロントカバー56とは摩擦板群を挟み込まれた状態を解消する。この場合、隣り合う第1摩擦板61及び第2摩擦板62は互いに離れた位置に配置され、互い間に隙間が存在する。すなわち、ロックアップクラッチ60は、トルクコンバータ50の入力軸51と出力軸52とを切り離した切断状態になる。この切断状態では、ロックアップクラッチ60は、クランクシャフト11と変速機入力軸81とを切り離す。
トルクコンバータ50は、第1油室58と第2油室59とを有する。第1油室58と第2油室59とは、ロックアップピストン67を挟んで一方と他方とに区画された空間である。なお、第1油室58は、フロントカバー56とロックアップピストン67とで区画されている。そして、上記の摩擦板群はこの第1油室58に位置している。第1油室58には、油圧機構70の第1油路71が繋がっている。この第1油路71を通じて第1油室58に作動油が供給されたり第1油室58から作動油が排出されたりする。第2油室59には、油圧機構70の第2油路72が繋がっている。この第2油路72を介して第2油室59に作動油が供給されたり第2油室59から作動油が排出されたりする。ロックアップピストン67は、第1油室58と第2油室59との圧力差に応じて動作する。第2油室59の油圧が第1油室58の油圧よりも高くなると、ロックアップピストン67はフロントカバー56に近づく。この場合、ロックアップクラッチ60は接続状態になる。一方、第1油室58の油圧が第2油室59の油圧よりも高くなると、ロックアップピストン67はフロントカバー56から遠ざかる。この場合、ロックアップクラッチ60は切断状態になる。このように、ロックアップクラッチ60は、油圧機構70からの油圧に応じて、接続状態又は切断状態に切り替わる。
<車両の他の構成>
車両500は、制動装置を有する。制動装置は、ブレーキ機構99、ブレーキペダル98、及びブレーキセンサ97を有する。ブレーキ機構99は、ブレーキペダル98の踏み込み量であるブレーキ操作量Nに応じて油圧を発生する。この油圧が高くなると、ブレーキ機構99のブレーキパッドが駆動輪83に押し付けられる。このことにより、駆動輪83が制動される。ブレーキセンサ97は、ブレーキ操作量Nを検出する。
車両500は、アクセルペダル90、アクセルセンサ96、車速センサ92、入力軸回転センサ93、特定温度センサ94、及びイグニッションスイッチ95を有する。アクセルセンサ96は、アクセルペダル90の踏み込み量をアクセル操作量ACCとして検出する。車速センサ92は、車両500の走行速度を車速SPとして検出する。入力軸回転センサ93は、変速機入力軸81の回転位置Mを検出する。特定温度センサ94は、トルクコンバータ50に供給する作動油の温度Lを検出する。各センサは、それぞれが検出した情報に応じた信号を繰り返し出力する。イグニッションスイッチ95は、車両500の起動用のスイッチである。イグニッションスイッチ95は、ドライバの操作に応じた信号SSを出力する。
<制御装置の概略構成>
車両500は、制御装置100を有する。制御装置100は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、制御装置100は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU102及び、RAM並びにROM104等のメモリを含む。メモリは、処理をCPU102に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。また、制御装置100は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ106を有する。制御装置100は、ROM104が記憶しているプログラムをCPU102が実行することにより、以下に説明する各種の処理を行う。
制御装置100は、イグニッションスイッチ95からの信号SSを受信する。制御装置100は、イグニッションスイッチ95がオン操作されることに応じた信号SSを受信すると、内燃機関10を始動させる。以下では、イグニッションスイッチ95がオン操作されてから次にオフ操作されるまでの期間のことを、「1トリップ」と呼称する。
制御装置100は、1トリップの間、車両500に取り付けられている各種センサからの検出信号を繰り返し受信する。具体的には、制御装置100は、次の各パラメータについての検出信号を受信する。
・エアフロメータ13が検出する吸入空気量GA
・吸気温度センサ14が検出する吸入空気の温度TI
・クランクポジションセンサ15検出するクランクシャフト11の回転位置CR
・空燃比センサ16が検出する空燃比AF
・排気温度センサ17が検出する排気の温度TO
・車速センサ92が検出する車速SP
・入力軸回転センサ93が検出する変速機入力軸81の回転位置M
・特定温度センサ94が検出する作動油の温度L
・アクセルセンサ96が検出するアクセル操作量ACC
・ブレーキセンサ97が検出するブレーキ操作量N
制御装置100は、各種センサから受信した検出信号に基づいて、以下のパラメータを随時算出する。制御装置100は、クランクシャフト11の回転位置CRに基づいて、クランクシャフト11の回転速度である機関回転速度NEを算出する。また、制御装置100は、変速機入力軸81の回転位置Mに基づいて、変速機入力軸81の回転速度である変速機回転速度MEを算出する。なお、機関回転速度NEと変速機回転速度MEとを規定する単位時間は同じである。
制御装置100は、車両500の各種部位を制御対象とする。例えば、制御装置100は、自動変速機80を制御対象とする。制御装置100は、車両500の走行状況に応じて自動変速機80の変速段を切り替える。
制御装置100は、ロックアップクラッチ60を制御対象とする。制御装置100は、1トリップ中、ロックアップクラッチ60を制御するための第1処理を継続して行う。制御装置100は、第1処理では、作動油の温度Lを継続して監視する。そして、制御装置100は、第1処理では、最新の作動油の温度Lに応じてロックアップクラッチ60の断接状態を切り替える。制御装置100は、作動油の温度Lが判定温度LK以上の場合、ロックアップクラッチ60を接続状態にする。すなわち、制御装置100は、第2油室59の油圧が第1油室58の油圧よりも高くなるように油圧機構70を制御する。一方、制御装置100は、作動油の温度Lが判定温度LK未満の場合、ロックアップクラッチ60を切断状態にする。すなわち、制御装置100は、第1油室58の油圧が第2油室59の油圧よりも高くなるように油圧機構70を制御する。制御装置100は、上記の判定温度LKを予め記憶している。本実施形態において、判定温度LKは、ゼロ度よりもやや高い値として予め定められている。なお、判定温度LKがどのような点を考慮して定めた値であるかについては、後述の作用の欄で説明する。
制御装置100は、第1処理の一環として、ロックアップクラッチ60の断接状態に応じてロックアップフラグのオンオフを切り替える。ロックアップフラグは、ロックアップクラッチ60が接続状態であることを示すフラグである。すなわち、制御装置100は、ロックアップクラッチ60を接続状態にしている場合にはロックアップフラグをオンにする。一方、制御装置100は、ロックアップクラッチ60を切断状態にしている場合にはロックアップフラグをオフにする。
制御装置100は、内燃機関10を制御対象とする。制御装置100は、1トリップ中、アクセル操作量ACC及び車速SPなどに基づいて内燃機関10の目標トルクを算出する。そして、制御装置100は、目標トルクが得られるように、スロットルバルブ21の開度を調整したり、燃料噴射弁22から燃料を噴射させたり、点火プラグ19による点火を行ったりする。そのことで、制御装置100は、気筒12内で混合気を燃焼させる。制御装置100は、状況に応じて、各気筒12に対する燃料噴射を停止するフューエルカットを行うこともある。制御装置100は、フューエルカットを行う場合、点火プラグ19による点火も停止する。また、制御装置100は、状況に応じて、内燃機関10をアイドル運転させることもある。アイドル運転とは、内燃機関10が自立して運転可能な最小限度の機関回転速度NEであるアイドル回転速度を維持しながら各気筒12で混合気を燃焼させることである。
<堆積量算出処理について>
内燃機関10の運転を継続していると、フィルタ25に捕集されるPMの堆積量(以下、単にPM堆積量と記す。)Wが徐々に増加していく。制御装置100は、1トリップ中、上記PM堆積量Wを算出するための堆積量算出処理を継続して行う。制御装置100は、堆積量算出処理では、PM堆積量Wの算出を繰り返す。制御装置100は、PM堆積量Wの算出にあたり、先ずPM生成量とPM再生量とを算出する。次に、制御装置100は、PM生成量からPM再生量を減算した値を更新値として算出する。そして、制御装置100は、この更新値を、不揮発性メモリ106に記憶しているPM堆積量Wの前回値に加算する。制御装置100は、得られた値を最新のPM堆積量Wとして算出する。制御装置100は、最新のPM堆積量Wを算出すると、不揮発性メモリ106に記憶している前回値を最新のPM堆積量Wで上書きする。
上記PM生成量は、気筒12内の混合気の燃焼に伴って生成されるPMの量である。制御装置100は、吸入空気量GA、燃料噴射量などに基づいてPM生成量を算出する。
上記PM再生量は、フィルタ25で燃焼するPMの量である。フィルタ25の温度であるフィルタ温度TFがPMの発火点以上となっている状態で、酸素を含んだ排気がフィルタ25に流入すると、フィルタ25に堆積したPMが燃焼する。PMの燃焼には酸素が必要であることから、フィルタ25で燃焼するPMの量は、フィルタ25に流入する排気中の酸素の量に応じて決まる。こうした点を踏まえ、制御装置100は、フィルタ25に流入する排気の酸素濃度、及びフィルタ温度TFに基づいてPM再生量を算出する。制御装置100は、排気の酸素濃度を、空燃比センサ16が検出する空燃比AFに基づいて算出する。また、制御装置100は、フィルタ温度TFを、フィルタ25に流入する排気の温度及び流量、外気の温度などに基づくフィルタ25の熱収支モデルを用いて算出する。フィルタ25に流入する排気の温度は、排気温度センサ17が検出する排気の温度TOを用いることができる。フィルタ25に流入する排気の流量は、吸入空気量GAと燃料噴射量とから求めることができる。外気の温度は、吸気温度センサ14が検出する吸入空気の温度TIを用いることができる。
<通常処理について>
制御装置100は、車両500の減速中に内燃機関10を制御するための処理として通常処理を実行可能である。制御装置100は、通常処理では、車両500の減速開始時点から減速終了時点までの間、次のように内燃機関10を制御する。制御装置100は、車両500が減速を開始したときの機関回転速度NEが許可回転速度以上であることを条件に、内燃機関10においてフューエルカットを行う。制御装置100は、フューエルカットを一旦開始した後、車両500が減速を継続している期間に機関回転速度NEが復帰回転速度未満になると、フューエルカットを終了する。この場合、制御装置100は、内燃機関10をアイドル運転に切り替える。そして、制御装置100は、車両500が減速を終了するまでアイドル運転を継続する。なお、復帰回転速度は、許可回転速度よりも小さい値に設定されている。制御装置100は、車両500が減速を開始した時点で機関回転速度NEが許可回転速度未満の場合、フューエルカットを行うことなく内燃機関10をアイドル運転させる。
制御装置100は、通常処理を行うにあたって、車両500の減速開始と減速終了とを次のように判断する。いま、車速SPがゼロよりも大きいとする。このとき、アクセル操作量ACCがゼロよりも大きい状態からアクセル操作量ACCがゼロに切り替わると、制御装置100は車両500が減速を開始したと判断する。また、制御装置100は、車両500の減速開始後、車速SPがゼロに至る前にアクセル操作量ACCがゼロよりも大きくなるか、又は車速SPがゼロになると、車両500が減速を終了した判断する。制御装置100は、以上のようにして車両500の減速開始及び減速終了を判断する。
通常処理には、次の2種類が存在する。一方の通常処理は、ロックアップクラッチ60が切断状態であるとき専用の切断用通常処理である。他方の通常処理は、ロックアップクラッチ60が接続状態であるとき専用の接続用通常処理である。これらの2つの通常処理では、フューエルカットの実行を許可する上記の許可回転速度が異なる。制御装置100は、切断用通常処理では、許可回転速度として、予め定められた第1許可回転速度X1を利用する。一方、制御装置100は、接続用通常処理では、許可回転速度として、予め定められた第2許可回転速度X2を利用する。第2許可回転速度X2は、第1許可回転速度X1よりも小さい値として定められている。上記の許可回転速度と同様、上記の2つの通常処理では、フューエルカットを中止する復帰回転速度が異なる。制御装置100は、切断用通常処理では、復帰回転速度として、予め定められた第1復帰回転速度Y1を利用する。一方、制御装置100は、接続用通常処理では、復帰回転速度として、予め定められた第2復帰回転速度Y2を利用する。第2復帰回転速度Y2は、第1復帰回転速度Y1よりも小さい値として定められている。制御装置100は、これら第1許可回転速度X1、第2許可回転速度X2、第1復帰回転速度Y1、及び第2復帰回転速度Y2を予め記憶している。
許可回転速度及び復帰回転速度は以下の点を考慮して定められている。すなわち、フューエルカットを行うと機関回転速度NEが低下する。機関回転速度NEが過度に低下すると、燃料噴射及び点火による混合気の燃焼を再開したときに、機関回転速度NEを内燃機関10が自立運転可能な値まで持ち上げることができず内燃機関10がストールし得る。こうしたストールを回避できるように許可回転速度及び復帰回転速度は定められている。なお、第1許可回転速度X1と第2許可回転速度X2とが異なっており、第1復帰回転速度Y1と第2復帰回転速度Y2とが異なっているのは、以下の理由による。ロックアップクラッチ60が接続状態である場合、クランクシャフト11と変速機入力軸81とは機械的に直結した状態にある。この場合、車両500の減速中に駆動輪83のトルクをクランクシャフト11に伝達できる。そして、駆動輪83のトルクによってクランクシャフト11を回転させることができる。これに対して、ロックアップクラッチ60が切断状態である場合、変速機入力軸81とクランクシャフト11とは流体を介して接続した状態になる。そのため、この場合には駆動輪83からクランクシャフト11へのトルクの伝達は基本的には限定的になる。したがって、ロックアップクラッチ60が切断状態であるときにフューエルカットを行うと、機関回転速度NEの落ち込みが大きくなる。こうした事情があることから、ロックアップクラッチ60が切断状態であるときには復帰回転速度をある程度高く設定しておかないと、次の事態が生じ得る。すなわち、フューエルカットを終了するに際して、当該フューエルカットの終了を判断してから混合気の燃焼を再開するまでの間に、機関回転速度NEが内燃機関10のストールを回避不能な値にまで落ち込んでしまう。そこで、第1復帰回転速度Y1は、第2復帰回転速度Y2よりも大きな値に設定してある。そしてそれに合わせて、第1許可回転速度X1は、第2許可回転速度X2よりも大きな値に設定してある。すなわち、各許可回転速度は、各許可回転速度に対して予め定められた増加幅分だけ大きな値として定めてある。この増加幅は、フューエルカットの実行中における機関回転速度NEの減少を考慮した値となっている。上記のとおり、ロックアップクラッチ60が切断状態である場合には、フューエルカット中の機関回転速度NEの落ち込みが大きい。この点を考慮し、第1復帰回転速度Y1に対する第1許可回転速度X1の増加幅は、第2復帰回転速度Y2に対する第2許可回転速度X2の増加幅よりも大きくなっている。
<第2処理について>
上記のとおり、通常処理では、内燃機関10のストールを回避できる状況下であればフューエルカットを行う。ここで、車両500の減速中にフューエルカットを行うと、車両500の燃費を改善できる。そのことに加え、フューエルカットを行うと、内燃機関10においてフィルタ25に酸素を供給できる。フィルタ25に酸素を供給すると、堆積量算出処理との関連で説明したとおり、フィルタ25を再生できる。さて、上記のとおり、第1許可回転速度X1は、第2許可回転速度X2よりも大きな値に設定されている。つまり、ロックアップクラッチ60を切断状態にしている低油温の環境下では、ロックアップクラッチ60を接続状態にしている高油温の環境下に比べて、フューエルカットを行う機会が少なくなる。これに伴い、仮に通常処理以外にフューエルカットの実行機会をもたなければ、低油温環境ではフィルタ25の再生機会が少なくなってしまう。
そこで、制御装置100は、ロックアップクラッチ60を切断状態にしている低油温環境でフィルタ25を再生するための処理として、第2処理を実行可能である。この第2処理は、上記の切断用通常処理と同様、車両500の減速中にロックアップクラッチ60を切断状態にしたままフューエルカットを行う処理である。ただし、この後説明するとおり、切断用通常処理とは開始や終了の条件が異なる。
第2処理について詳述する。第2処理は、次の複数の開始要件(A1)-(A5)が全て成立していることを当該第2処理の開始の条件として、内燃機関10でフューエルカットを行う処理である。
(A1)車両500が減速中である。
(A2)ロックアップクラッチ60が切断状態である。
(A3)PM堆積量Wが判定堆積量WS以上である。
(A4)フィルタ温度TFが特定温度TFK以上である。
(A5)機関回転速度NEが特定許可回転速度XV以上である。
制御装置100は、各開始要件、及び当該開始要件に含まれる各種の閾値を予め記憶している。具体的には、制御装置100は、判定堆積量WSを予め記憶している。判定堆積量WSは、PM堆積量Wが相応に多く、フィルタ25からPMを除去することが望まれる値として、例えば実験又はシミュレーションで予め定められている。制御装置100は、特定温度TFKを予め記憶している。特定温度TFKは、PMの発火点よりも高い温度として予め定められている。制御装置100は、特定許可回転速度XVを予め記憶している。特定許可回転速度XVは、第1許可回転速度X1よりも小さく、且つ第2許可回転速度X2よりも大きい値として予め定められている。この特定許可回転速度XVの定義からわかるように、制御装置100は、第2処理では、切断用通常処理であればフューエルカットの実行を許可しない機関回転速度NEであってもフューエルカットを行う。このような設定で内燃機関10のストールを回避できる理由については、後述の作用の欄で説明する。なお、特定許可回転速度XVは、詳細には、第1許可回転速度X1と第2許可回転速度X2との中央値よりも第2許可回転速度X2に近い値に設定されている。
制御装置100は、上記の各開始要件の成立を契機として開始したフューエルカットの実行中、すなわち第2処理の実行中、次の複数の終了要件(B1)-(B7)のうちの少なくとも1つが成立した場合、第2処理を中止する。
(B1)回転速度差ΔRが差分判定値RK以上である。
(B2)ブレーキペダル98の踏み込み速度がブレーキ判定値NK以上である。
(B3)機関回転速度NEが特定復帰回転速度YV未満である。
(B4)車速SPが判定車速SPK未満である。
(B5)PM堆積量Wが終了堆積量WE未満である。
(B6)フィルタ温度TFが特定温度TFK未満である。
(B7)アクセル操作量ACCがゼロよりも大きい。
制御装置100は、各終了要件、及び当該終了要件に含まれる各種の閾値を予め記憶している。具体的には、制御装置100は、差分判定値RKを予め記憶している。ここで、終了要件(B1)で規定している回転速度差ΔRは、変速機回転速度MEから機関回転速度NEを減算した値である。例えば車両500の減速中にあってロックアップクラッチ60が接続状態であるときにフューエルカットを行うと、変速機回転速度MEと機関回転速度NEとは略同じになる。一方、車両500の減速中にあってロックアップクラッチ60が切断状態であるときにフューエルカットを行うと、変速機回転速度MEのほうが機関回転速度NEよりも大きくなる。したがって、この場合には回転速度差ΔRが正の値になる。差分判定値RKは、この回転速度差ΔRについての閾値である。差分判定値RKの定め方については、後述の作用の欄で説明する。
制御装置100は、ブレーキ判定値NKを予め記憶している。ブレーキ判定値NKは、乗員が急制動の操作をしたとみなすことができるブレーキペダル98の踏み込み速度として、例えば実験又はシミュレーションで予め定められている。なお、ブレーキペダル98の踏み込み速度は、単位時間当たりのブレーキ操作量Nの変化量である。本実施形態において、この単位時間は、ブレーキセンサ97からの検出信号の受信間隔である。
制御装置100は、特定復帰回転速度YVを予め記憶している。特定復帰回転速度YVは、第1復帰回転速度Y1よりも小さく、且つ第2復帰回転速度Y2よりも大きい値として予め定められている。詳細には、特定復帰回転速度YVは、第1復帰回転速度Y1と第2復帰回転速度Y2との中央値よりも第2復帰回転速度Y2に近い値に設定されている。
制御装置100は、判定車速SPKを予め記憶している。ここで、車速SPが低くなると、駆動輪83からクランクシャフト11に伝達可能なトルクも小さくなる。判定車速SPKは、内燃機関10のストールを回避する観点においてクランクシャフト11へ十分なトルクを伝達できるとみなせる車速SPの最小値として、例えば実験又はシミュレーションで予め定められている。
制御装置100は、終了堆積量WEを予め記憶している。終了堆積量WEは、PM堆積量Wが十分に小さくなり、フューエルカットを終了してもよい値として、例えば実験又はシミュレーションで予め定めてある。制御装置100は、終了堆積量WEを予め記憶している。終了堆積量WEは、判定堆積量WSよりも小さい。
なお、上記開始要件(A3)との関連で、次のことがいえる。すなわち、車両500が減速を開始した際にロックアップクラッチ60が切断状態であるもののPM堆積量Wが判定堆積量WS未満の場合、制御装置100は切断用通常処理を行うことになる。そしてその際、制御装置100は、機関回転速度NEが第1許可回転速度X1以上であることを条件に、フューエルカットを行う。上記のとおり、この第1許可回転速度X1は、第2処理の開始要件として採用している特定許可回転速度XVよりも大きい。これらの大小関係を整理すると次のようになる。すなわち、第2処理の実行を許可する特定許可回転速度XVは、ロックアップクラッチ60が切断状態であり、且つPM堆積量Wが判定堆積量WS未満であるときにフューエルカットを許可する第1許可回転速度X1よりも小さい値に設定されている。同様の観点で、切断用通常処理で採用している第1復帰回転速度Y1と、第2処理の終了要件として採用している特定復帰回転速度YVとの関係について整理すると次のようになる。すなわち、一旦開始した第2処理を中止する特定復帰回転速度YVは、ロックアップクラッチ60が切断状態であり、且つPM堆積量Wが判定堆積量WS未満であるときにフューエルカットを中止する第1復帰回転速度Y1よりも小さい値に設定されている。
上記のとおり、ロックアップクラッチ60が切断状態である場合、制御装置100は、PM堆積量Wの多寡に応じて異なる許可回転速度及び復帰回転速度を利用してフューエルカットを行う。一方で、ロックアップクラッチ60が接続状態出る場合、制御装置100は、PM堆積量Wの多寡によらずに、接続用通常処理によって常に同じ許可回転速度及び復帰回転速度を利用してフューエルカットを行うことになる。
<特定処理ルーチン>
制御装置100は、車両500が減速を開始すると特定処理ルーチンを開始する。特定処理ルーチンは、第2処理の開始及び終了を含めた、第2処理の実施を統括する処理ルーチンである。なお、車両500が減速を開始したことの判断の仕方は、通常処理との関連で既に説明したものと同じである。なお、本特定処理ルーチンが開始されることは、開始要件(A1)が成立したことを意味する。
図2に示すように、制御装置100は、特定処理ルーチンを開始すると、先ずステップS10の処理を行う。ステップS10において、制御装置100は、開始要件(A2)の成立可否を判定する。制御装置100は、ロックアップフラグがオンである場合、開始要件(A2)は成立していないと判定する(ステップS10:NO)。この場合、制御装置100は、処理をステップS110に進める。そして、ステップS110において、制御装置100は、現状で内燃機関10に対して行っている制御の処理を接続用通常処理へと移行する。この後、制御装置100は、特定処理ルーチンの一連の処理を終了する。
一方、制御装置100は、ステップS10において、ロックアップフラグがオフである場合、開始要件(A2)が成立していると判定する(ステップS10:YES)。この場合、制御装置100は、処理をステップS20に進める。
ステップS20において、制御装置100は、開始要件(A3)の成立可否を判定する。制御装置100は、堆積量算出処理で算出した最新のPM堆積量Wが判定堆積量WS未満の場合、開始要件(A3)は成立していないと判定する(ステップS20:NO)。この場合、制御装置100は、処理をステップS120に進める。そして、制御装置100は、ステップS120において、現状で内燃機関10に対して行っている制御の処理を切断用通常処理へと移行する。この後、制御装置100は、特定処理ルーチンの一連の処理を終了する。
一方、制御装置100は、ステップS20において、最新のPM堆積量Wが判定堆積量WS以上の場合(ステップS20:YES)、開始要件(A3)が成立していると判定する。この場合、制御装置100は、処理をステップS30に進める。
ステップS30において、制御装置100は、開始要件(A4)の成立可否を判定する。制御装置100は、PM堆積量Wの算出過程で算出した最新のフィルタ温度TFが特定温度TFK未満の場合、開始要件(A4)は成立していないと判定する(ステップS30:NO)。この場合、制御装置100は、処理をステップS120に進める。
一方、ステップS30において、制御装置100は、最新のフィルタ温度TFが特定温度TFK以上の場合、開始要件(A4)が成立していると判定する(ステップS30:YES)。この場合、制御装置100は、処理をステップS40に進める。
ステップS40において、制御装置100は、開始要件(A5)の成立可否を判定する。制御装置100は、最新の機関回転速度NEが特定許可回転速度XV未満の場合、開始要件(A5)は成立していないと判定する(ステップS40:NO)。この場合、制御装置100は、処理をステップS120に進める。
一方、ステップS40において、制御装置100は、最新の機関回転速度NEが特定許可回転速度XV以上の場合、開始要件(A5)が成立していると判定する(ステップS40:YES)。この場合、制御装置100は、処理をステップS50に進める。
ステップS50において、制御装置100は、フューエルカットを開始する。すなわち、制御装置100は、第2処理を開始する。この後、制御装置100は、処理をステップS60に進める。
ステップS60において、制御装置100は、第2処理に係る複数の終了要件のうちの少なくとも1つが成立したか否かを判定する。制御装置100は、終了要件(B1)の成立可否の判断にあたっては、先ず、最新の変速機回転速度MEから最新の機関回転速度NEを減算した値を回転速度差ΔRとして算出する。そして、制御装置100は、この回転速度差ΔRと差分判定値RKとを比較する。そのことで、制御装置100は、終了要件(B1)の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B2)の成立可否の判断にあたっては、先ず、最新のブレーキ操作量Nから、一つ前のタイミングで受信したブレーキ操作量Nを減算した値を最新のブレーキペダル98の操作速度として算出する。そして、制御装置100は、この操作速度とブレーキ判定値NKとを比較する。そのことで、制御装置100は、終了要件(B2)の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B3)については、最新の機関回転速度NEと、特定復帰回転速度YVとの比較を通じて当該要件の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B4)については、最新の車速SPと、判定車速SPKとの比較を通じて当該要件の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B5)については、最新のPM堆積量Wと、終了堆積量WEとの比較を通じて当該要件の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B6)については、最新のフィルタ温度TFと、特定温度TFKとの比較を通じて当該要件の成立可否を判断する。制御装置100は、終了要件(B7)については、最新のアクセル操作量ACCを参照して当該要件の成立可否を判断する。制御装置100は、全ての終了要件の成立可否を判断した結果、成立する終了要件が皆無の場合(ステップS60:NO)、再度ステップS60の処理を実行する。制御装置100は、複数の終了要件のうちの少なくとも1つ成立するまでステップS60の処理を繰り返す。そして、制御装置100は、複数の終了要件のうちの少なくとも1つ成立すると(ステップS60:YES)、処理をステップS70に進める。
ステップS70において、制御装置100は、フューエルカットを終了する。すなわち、制御装置100は、第2処理を終了する。この後、制御装置100は、特定処理ルーチンの一連の処理を終了する。なお、制御装置100は、終了要件(B7)以外の終了要件の成立によって特定処理ルーチンを終了した場合、一旦内燃機関10をアイドル運転へと移行させる。終了要件(B7)以外の終了要件が成立する状況は、車両500が減速を継続するケース、又は車両500が停車するケースである。制御装置100は、内燃機関10をアイドル運転に移行した後は、アクセル操作量ACCから把握される要求トルクに応じて通常通りに内燃機関10を制御する。制御装置100は、終了要件(B7)の成立によって特定処理ルーチンを終了した場合、その時点から、要求トルクに応じた内燃機関10の制御を再開する。
<実施形態の作用>
第2処理では、ロックアップクラッチ60を切断状態にしたまま、切断用通常処理の場合よりも小さい許可回転速度及び復帰回転速度でフューエルカットを行う。このような設定であっても内燃機関10のストールを回避できる理由を説明する。
作動油の温度Lが低い場合、トルクコンバータ50内の作動油の粘度が高くなる。そして、作動油が高粘度であると、ロックアップクラッチ60が切断状態であっても、車両500の減速中にトルクコンバータ50の入力軸51と出力軸52とが相対回転しにくくなる。すなわち、クランクシャフト11と変速機入力軸81とが相対回転しにくくなる。これは主として以下の2つの理由によると考えられる。
第1の理由は、ロックアップクラッチ60における第1摩擦板61と第2摩擦板62との間のトルク伝達に関連している。前提として、ロックアップクラッチ60は、湿式である。そして、ロックアップクラッチ60が切断状態である場合、隣り合う第1摩擦板61及び第2摩擦板62の隙間には、作動油が介在している。この作動油が高粘度である状況下で車両500の減速時にフューエルカットを行うと、次のことが生じる。いま、駆動輪83のトルクによって変速機入力軸81とともに第2摩擦板62が回転したとする。このとき、作動油が高粘度であると、当該作動油を介して第1摩擦板61が第2摩擦板62の回転に引きずられる格好で連れまわる。そして、第1摩擦板61が回転すると、ポンプインペラ53とともにクランクシャフト11が回転する。こうした過程を通じて、変速機入力軸81の回転が効率よくクランクシャフト11に伝達され得る。
第2の理由は、トルクコンバータ50におけるポンプインペラ53とタービンライナ54との間のトルク伝達に関連している。上記と同様、車両500の減速時にロックアップクラッチ60が切断状態である状況下でフューエルカットを行ったとする。そして、駆動輪83のトルクによって変速機入力軸81とともにタービンライナ54が回転したとする。このとき、作動油の粘度が高いと、タービンライナ54のトルクをポンプインペラ53に伝達しやすくなる。すなわち、作動油を介してタービンライナ54からポンプインペラ53へとトルクを伝達するにあたり、作動油の粘度が高ければ、その分作動油がポンプインペラ53の羽根を押す力が強くなる。したがって、タービンライナ54の回転が効率よくポンプインペラ53ひいてはクランクシャフト11に伝達され得る。
上記の理由などにより、ロックアップクラッチ60が切断状態であっても、作動油の粘度が高ければ、駆動輪83のトルクを相当の割合でクランクシャフト11に伝達できる。この点に着目し、本実施形態では、作動油が高粘度であるときにロックアップクラッチ60を切断状態にすべく、ロックアップクラッチ60の断接状態を切り替える作動油の温度Lである判定温度LKをゼロ度近傍の値に定めている。判定温度LKは、例えば、ロックアップクラッチ60が切断状態である状況下で、ロックアップクラッチ60が接続状態であるときに極力近いトルクの伝達効率を実現できると見込まれる作動油の温度Lの最大値として実験又はシミュレーションで予め定めてある。このように、判定温度LKは、上記の作用を通じて駆動輪83のトルクをクランクシャフト11に効率よく伝達できる作動油の粘度を考慮して定めてある。判定温度LKをこのように設定しておくことで、第2処理では、切断用通常処理の場合よりも小さい許可回転速度及び復帰回転速度を利用してフューエルカットを実行できる。
とはいえ、ロックアップクラッチ60を切断状態にしている以上、実際にどこまで高いトルクの伝達効率を実現できるか不確実な部分はある。その上、判定温度LK未満という括りの中でも作動油の温度Lが異なれば作動油の粘度は変わり得る。そのため、ロックアップクラッチ60を切断状態にしてフューエルカットを行うにあたって許可回転速度及び復帰回転速度を下げるにしても、内燃機関10のストールを回避するための予防策を別途設定しておく必要がある。
そこで、本実施形態では、第2処理の中止を判断するための終了要件に、例えば要件(B1)で規定する回転速度差ΔRといった、通常減速処理では考慮していない要件を含めている。上記のとおり、回転速度差ΔRは、変速機回転速度MEから機関回転速度NEを減算した値である。この回転速度差ΔRが小さければ、駆動輪83のトルクをより効率的にクランクシャフト11に伝達できていることになる。つまり、回転速度差ΔRは、トルクの伝達効率の指標になる。さて、第2処理の終了要件(B1)に関して、回転速度差ΔRの閾値である差分判定値RKは、次のような値として例えば実験又はシミュレーションで予め定められている。すなわち、差分判定値RKは、第1許可回転速度X1よりも小さい特定許可回転速度XV及び第1復帰回転速度Y1よりも小さい特定復帰回転速度YVを設定すると内燃機関10のストールを回避できないと推定される回転速度差ΔRの最小値である。回転速度差ΔRを利用することで、駆動輪83のトルクをどの程度クランクシャフト11に伝達できているかを適切に把握できる。そして、仮に駆動輪83のトルクをクランクシャフト11に十分に伝達できていない場合には、その時点でフューエルカットを終了できる。
また、本実施形態では、第2処理の中止を判断するための複数の終了要件に、要件(B2)で規定する車両500の急制動を含めている。ここで、フューエルカットの許可回転速度を下げると、機関回転速度NEが比較的低い状況でもフューエルカットの実行が許可される。この場合、次の事態が生じ得る。いま、車両500の減速時において機関回転速度NEが比較低い状況でフューエルカットを開始したとする。そしてそのときに車両500の急制動があったとする。これに伴って変速機回転速度MEひいては機関回転速度NEが急激に落ち込むと、機関回転速度NEが、内燃機関10のストールを回避不能な値にまで低下してしまうおそれがある。この点、本実施形態では、車両500の急制動に係る終了要件(B2)を設定していることから、乗員が急制動の操作をした時点で、すなわち機関回転速度NEが過度に低下する前の段階で、フューエルカットを終了できる。
<実施形態の効果>
(1)上記作用の欄に記載したとおり、作動油の温度Lが低くなることに伴って作動油の粘度が高くなると、駆動輪83のトルクを相当の割合でクランクシャフト11に伝達できる。この点に着目し、本実施形態では、作動油の温度Lが低い状況下であってPM堆積量Wが多い場合には、ロックアップクラッチ60を切断状態にしたままフューエルカットを行う上での許可回転速度及び復帰回転速度を切断用通常処理の場合よりも低くする。このことで、低油温環境でのフィルタ25の再生機会を増やすことができる。なお、低油温環境でロックアップクラッチ60を接続状態にすると、車両500に振動が生じることがある。この点、上記のように、ロックアップクラッチ60を切断状態にしたままフューエルカットを行えば、車両500に振動が生じることもない。すなわち、本実施形態では、車両500の振動を抑え、且つ低油温環境でのフィルタ25の再生機会を増やすことができる。
(2)作動油の温度Lが低いときには作動油の粘度が高くなると見込まれる。しかし、状況によっては作動油の粘度がさほど高くなっていないこともある。そしてそれに伴い、駆動輪83のトルクをクランクシャフト11に効率よく伝達できないこともあり得る。本実施形態では、第2処理に係るフューエルカットの許可回転速度及び復帰回転速度を低く設定した上で、フューエルカットの終了要件の一つに、回転速度差ΔRに係る項目を含めている。このことで、上記作用の欄に記載したとおり、駆動輪83のトルクを十分にクランクシャフト11に伝達できていないときには、その時点でフューエルカットを終了できる。したがって、フューエルカットの実行機会ひいてはフィルタ25の再生機会を増やしつつも内燃機関10のストールを防止できる。
(3)本実施形態では、第2処理に係るフューエルカットの終了要件の一つに、車両500の急制動に係る項目を含めている。このことで、上記作用の欄に記載したとおり、車両500が急制動された場合には、当該急制動に伴って機関回転速度NEが過度な低下する前に、フューエルカットを終了できる。したがって、上記(2)と同様、フューエルカットの実行機会ひいてはフィルタ25の再生機関を増やしつつも内燃機関10のストールを防止できる。
(4)第2処理で利用する特定許可回転速度XVは、第1許可回転速度X1と第2許可回転速度X2との中央値よりも第2許可回転速度X2に近い値になっている。すなわち、本実施形態では、低油温環境でフィルタ25の再生のためにフューエルカットを行う上での許可回転速度として、高油温環境でフューエルカットを行う上での許可回転速度に極力近い値を採用している。したがって、フィルタ25の再生機会を、作動油の温度Lが高い状況下に近づけることができる。
<変更例>
なお、上記の各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記の各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・判定温度LKは、上記実施形態の例に限定されない。判定温度LKは、ゼロ度より高くてもよいし低くてもよい。判定温度LKは、作動油の粘度がある程度高くなることが期待される温度であればよい。なお、作動油の粘度を考慮して判定温度LKを定めても、場合によっては作動油の粘度が見込みほどに高くなっていないこともあり得る。この場合でも、適切な終了要件を定めておけば、内燃機関10のストールを防止できる。
・第2処理に係る特定許可回転速度XV及び特定復帰回転速度YVは、上記実施形態の例に限定されない。例えば、特定許可回転速度XVは、第1許可回転速度X1と第2許可回転速度X2との中央値よりも第1許可回転速度X1に近い値でもよい。特定復帰回転速度YVについても同様である。特定許可回転速度XV及び特定復帰回転速度YVは、内燃機関10のストールを回避する観点で適切な値になるように定めてあればよい。
・差分判定値RKは、上記実施形態の例に限定されない。例えば、差分判定値RKは、上記実施形態に記載の最小値より小さくてもよい。差分判定値RKは、第2処理によるフューエルカットの実行時に内燃機関10のストールを回避できる値であればよい。
・終了要件は、上記実施形態の例に限定されない。終了要件は、上記実施形態で採用したものに代えて、又は加えて、他の項目を設定してもよい。また、終了要件の数が上記実施形態のものから増減してもよい。例えば、終了要件として、第2処理を開始してからの経過時間が予め定められた判定期間以上である、という項目を採用してもよい。この場合、判定期間は、PM堆積量Wを相応に低減できる期間として定めておけばよい。そうした期間を定めるにあたっては、PMの消失速度を考慮すればよい。終了要件として、上記の経過時間の項目を採用する場合、上記実施形態で採用した複数の終了要件のうち、(B5)(B6)を廃止することもできる。終了要件は、内燃機関10のストールを回避する上で適切な項目が設定されていればよい。なお、上記実施形態で採用した複数の終了要件のうち、終了要件(B1)を廃止してもよい。また、終了要件(B2)を廃止してもよい。これらの終了要件を廃止する場合、例えば特定許可回転速度XVを少し高めに設定するなど、内燃機関10のストールを回避できるように他の終了要件を適切に設定しておけばよい。
・開始要件は、上記実施形態の例に限定されない。上記実施形態で採用していたものに代えて、又は加えて、他の項目を設定してもよい。また、開始要件の数が上記実施形態のものから増減してもよい。開始要件は、上記実施形態の(A1)、(A2)、及び(A3)を含んでいればよい。開始要件として、例えば、内燃機関10の冷却水温の予め定められた判定水温以上である、という項目を採用してもよい。内燃機関10の冷間始動時などでは、混合気の燃焼が不安になることもあり得る。この点を踏まえ、上記の判定水温は、例えば内燃機関10の暖機が完了する温度としてもよい。また、上記実施形態で採用した複数の開始要件のうち、開始要件(A4)を廃止してもよい。この場合でも、終了要件(B3)で適切な特定許可回転速度XVを設定しておけば、内燃機関10のストールを回避できる。また、後述の変更例のように、第2処理の実行中にフィルタ25を昇温できるのであれば、開始要件(A5)を廃止してもよい。
・フューエルカットは、全ての気筒12に対して燃料噴射を停止する態様に限定されない。すなわち、フューエルカットを行うにあたって、複数の気筒12のうちの一部については燃料噴射を停止し、残りの気筒については燃料噴射を行ってもよい。なお、この場合でも、点火については全気筒12で中止するものとする。こうした構成を採用した場合、フィルタ25の昇温とフィルタ25への酸素供給とを兼ねることができる。すなわち、燃料噴射が行われる気筒12は、排気通路23に未燃燃料を排出する。一方、燃料噴射が停止される気筒12は、排気通路23に酸素を排出する。これら未燃燃料及び酸素が三元触媒24に至ると、三元触媒24で未燃燃料が燃焼する。そして、排気の温度が上昇する。この高温の排気がフィルタ25に至ると、フィルタ25の温度が上昇する。このとき、燃料噴射が停止された気筒12が排気通路23に排出した酸素がフィルタ25に至ると、フィルタ25でPMが燃焼する。
・車両500の減速開始の判断の仕方は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、車速SPの履歴に基づいて減速開始を判断してもよい。すなわち、車速SPの微分値が負になったときに車両500が減速を開始したと判断してもよい。車両500の減速開始を適切に判断できるのであれば、その手法は問わない。車両500の減速終了の判断の仕方についても同様である。
・PM堆積量Wの算出方法は、上記実施形態の例に限定されない。PM堆積量Wを適切に算出できるのであれば、その算出方法は問わない。例えばPM堆積量Wを算出する際に利用するフィルタ温度TFの算出方法を、上記実施形態の例から変更してもよい。具体的には、フィルタ温度TFを、排気温度センサ17の検出値を用いることなく算出してもよい。例えば、機関回転速度NE及び機関負荷率といった機関運転状態に基づいてフィルタ温度TFのベース値を算出するとともに、そのベース値を、点火時期等を加味して調整することでフィルタ温度TFを算出してもよい。
・内燃機関10の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、気筒12の数を変更してもよい。フィルタを備えた内燃機関であれば、第2処理による上記の効果を享受できる。
・車両500の全体構成は、上記実施形態の例に限定されない。自動変速機として、無段式のものを採用してもよい。車両は、内燃機関及び自動変速機の間に介在しているトルクコンバータと、トルクコンバータに対して作動油を給排する油圧機構と、作動油の温度を検出する温度センサとを有していればよい。後述するロックアップクラッチの構成の変更などに伴って、トルクコンバータの構成も変わり得る。その場合でも、トルクコンバータは、ポンプインペラとタービンライナとの間で作動油を介したトルク伝達が行われる流体継手として構成されていればよい。
・ロックアップクラッチ60の構成は、上記実施形態の例に限定されない。ロックアップクラッチは、作動油の給排に応じて、クランクシャフト11と変速機入力軸81とを接続した接続状態、又はこれらを切り離した切断状態に切り替わる構成であればよい。例えば、ロックアップクラッチは、ロックアップピストン67をフロントカバー56に直接接触させたり離したりするタイプのものでもよい。作動油の粘度が高くなることに起因した作用を通じてクランクシャフト11と変速機入力軸81との相対回転を抑制できる構成になっていれば、ロックアップクラッチを切断状態にしたままフューエルカットを行っても、内燃機関10のストールを回避できる。
10…内燃機関
11…クランクシャフト
25…フィルタ
50…トルクコンバータ
60…ロックアップクラッチ
70…油圧機構
80…自動変速機
81…変速機入力軸
94…特定温度センサ
97…ブレーキセンサ
98…ブレーキペダル
100…制御装置
500…車両

Claims (5)

  1. 排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関と、前記内燃機関に連結している自動変速機と、前記内燃機関及び前記自動変速機の間に介在しているトルクコンバータと、前記トルクコンバータに対して作動油を給排する油圧機構と、前記作動油の温度を検出する温度センサと、を有し、
    前記トルクコンバータは、前記作動油の給排に応じて、前記内燃機関の出力軸と前記自動変速機の入力軸とを接続した接続状態、又は前記出力軸と前記入力軸とを切り離した切断状態に切り替わるロックアップクラッチを備える車両を制御対象とし、
    前記作動油の温度が予め定められた判定温度未満の場合、前記ロックアップクラッチを前記切断状態にする第1処理と、
    前記車両の減速中、前記ロックアップクラッチが前記切断状態であり、且つ前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が予め定められた判定堆積量以上であることを条件に、前記内燃機関においてフューエルカットを行う第2処理と、
    を実行する
    車両の制御装置。
  2. 前記第2処理の実行中、前記出力軸の回転速度と前記入力軸の回転速度との差が予め定められた差分判定値以上になった場合、前記第2処理を中止する
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキセンサを有し、
    前記第2処理の実行中、前記ブレーキペダルの踏み込み速度が予め定められたブレーキ判定値以上になった場合、前記第2処理を中止する
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両の減速中、前記ロックアップクラッチが前記切断状態であり、且つ前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が前記判定堆積量以上であることに加え、さらに、前記出力軸の回転速度が予め定められた特定許可回転速度以上であることを条件に、前記内燃機関においてフューエルカットを行う前記第2処理と、
    前記車両の減速中、前記ロックアップクラッチが前記切断状態であり、且つ前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が前記判定堆積量未満であり、且つ前記出力軸の回転速度が予め定められた第1許可回転速度以上であることを条件に、前記内燃機関においてフューエルカットを行う切断用通常処理と、を実行し、
    前記特定許可回転速度は、前記第1許可回転速度よりも小さい値に設定されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記車両の減速中、前記ロックアップクラッチが前記接続状態であり、且つ前記出力軸の回転速度が前記第1許可回転速度よりも小さい値として予め定められた第2許可回転速度以上であることを条件に、前記内燃機関においてフューエルカットを行う接続用通常処理を実行し、
    前記特定許可回転速度は、前記第1許可回転速度と前記第2許可回転速度との中央値よりも前記第2許可回転速度に近い値に設定されている
    請求項4に記載の車両の制御装置。
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