JP2024019111A - 眼科装置および操作ユニット - Google Patents

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【課題】検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方を、より容易且つ適切に入力することが可能な眼科装置および操作ユニットを提供する。【解決手段】制御部は、微動ステップおよび粗動ステップを実行する。微動ステップでは、制御部は、操作桿の所定範囲内における傾倒操作が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて駆動部を制御することで、検眼ユニットの位置を微動させる。粗動ステップでは、制御部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作の少なくとも一方が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて駆動部を制御することで、検眼ユニットの位置を粗動させる。【選択図】図3

Description

本開示は、被検眼を検査するための眼科装置、および、被検眼に対する眼科装置の検眼ユニットの相対位置を移動させるために操作される操作ユニットに関する。
被検眼を検査するための種々の眼科装置(例えば、眼屈折力測定装置、角膜曲率測定装置、眼圧測定装置、眼底カメラ、OCT装置、レーザ走査型検眼装置(SLO)等)が知られている。多くの眼科装置による被検眼の検査は、被検眼と検眼ユニットの間の相対位置が適正位置に調整された状態で実行される必要がある。
被検眼と検眼ユニットの間の相対位置を効率良く調整するために、装置の少なくとも一部を微動および粗動させることが可能な眼科装置も知られている。微動とは、相対位置を細かく調整するために、装置の少なくとも一部を小さく(またはゆっくり)移動させることである。粗動とは、相対位置をおおまかに調整するために、装置の少なくとも一部を微動時よりも大きく(または速く)移動させることである。
例えば、特許文献1に記載の眼科装置は、操作桿が一定の傾倒範囲内で傾倒操作された場合に検眼ユニットを微動させると共に、操作桿の上部の押しボタンが操作された場合に検眼ユニットを粗動させる。また、操作桿の傾倒範囲が所定範囲内であれば検眼ユニットを微動させ、操作桿の傾倒範囲が所定範囲を超えると検眼ユニットを粗動させる眼科装置等も知られている。
特開2014-23960号公報
操作桿の傾倒操作とは異なる操作によって粗動の指示が入力される眼科装置では、操作桿を傾倒させなくても粗動の指示を入力することができるが、微動時と粗動時で操作部位が異なるので、微動と粗動の切り替えが煩雑となり易い。一方で、操作桿の傾倒範囲が所定範囲を超えると検眼ユニットを粗動させる眼科装置では、微動の指示と粗動の指示を共に操作桿によって入力することができるが、粗動の指示を入力する際に、操作桿を大きく傾倒させる操作が必須となる。従って、微動の指示と粗動の指示の両方を、より容易且つ適切に入力することが可能な眼科装置が望まれる。
本発明の典型的な目的は、検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方を、より容易且つ適切に入力することが可能な眼科装置および操作ユニットを提供することである。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼科装置は、被検眼を検査するための検眼ユニットと、前記被検眼に対する前記検眼ユニットの相対位置を移動させる駆動部と、任意の方向に傾倒可能に支持される操作桿と、前記検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される粗動操作部と、前記操作桿および前記粗動操作部の操作を検出する操作検出ユニットと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作桿の所定範囲内における傾倒操作が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて前記駆動部を制御することで、前記検眼ユニットの位置を微動させる微動ステップと、前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作、および、前記粗動操作部の操作の少なくとも一方が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて前記駆動部を制御することで、前記検眼ユニットの位置を粗動させる粗動ステップと、を実行する。
本開示における典型的な実施形態が提供する操作ユニットは、被検眼に対する眼科装置の検眼ユニットの相対位置を移動させるために、検者によって操作される操作ユニットであって、任意の方向に傾倒可能に支持される操作桿と、前記検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される粗動操作部と、前記操作桿および前記粗動操作部の操作を検出する操作検出ユニットと、を備え、前記操作桿の所定範囲内における傾倒操作が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて前記検眼ユニットの位置が微動され、前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作、および、前記粗動操作部の操作の少なくとも一方が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて前記検眼ユニットの位置が粗動される。
本開示に係る眼科装置および操作ユニットによると、検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。
眼科装置1の外観を示す右側面図である。 眼科装置1の光学系および制御系を示す図である。 第1実施形態の操作ユニット60を右斜め後方から見た斜視図である。 図3におけるA-A線矢視方向断面図である。 操作桿61を、図3に示す状態から+X方向に所定範囲を超えて傾倒させた状態を示す図である。 眼科装置1が実行する相対位置調整処理のフローチャートである。 第2実施形態の操作ユニット80を右斜め前方から見た斜視図である。 図7におけるA-A線矢視方向断面図である。 第2実施形態の操作ユニット80の平面図である。 粗動操作部70を、(0)初期位置に配置した場合、(1)+X方向へ移動させた場合、(2)+Z方向へ移動させた場合、(3)+X方向且つ+Z方向へ移動させた場合の、第2実施形態の操作ユニット80の平面図を比較した図である。
<概要>
本開示で例示する眼科装置は、検眼ユニット、駆動部、操作桿、粗動操作部、操作検出ユニット、および制御部を備える。検眼ユニットは、被検眼を検査するために用いられる。駆動部は、被検眼に対する検眼ユニットの相対位置を移動させる。操作桿は、任意の方向に傾倒可能に支持される。粗動操作部は、検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される。操作検出ユニットは、操作桿および粗動操作部の操作を検出する。制御部は、微動ステップおよび粗動ステップを実行する。微動ステップでは、制御部は、操作桿の所定範囲内における傾倒操作が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて駆動部を制御することで、検眼ユニットの位置を微動させる。粗動ステップでは、制御部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作の少なくとも一方が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて駆動部を制御することで、検眼ユニットの位置を粗動させる。なお、前述のように、微動とは、被検眼と検眼ユニットの間の相対位置を細かく調整するために、検眼ユニットを粗動時よりも小さく(またはゆっくり)移動させることである。例えば、制御部は、粗動時における移動可能範囲よりも小さい移動可能範囲内で検眼ユニットを移動させることで、検眼ユニットを粗動時よりも小さく移動させてもよい。なお、微動時における検眼ユニットの移動速度は、粗動時における検眼ユニットの移動速度とは異なっていてもよい(例えば、粗動時の移動速度よりも小さくてもよい)し、粗動時における移動速度と同じであってもよい。粗動とは、被検眼と検眼ユニットの間の相対位置をおおまかに調整するために、検眼ユニットを微動時よりも大きく(または速く)移動させることである。例えば、制御部は、微動時における移動可能範囲よりも大きい移動可能範囲内で検眼ユニットを移動させることで、検眼ユニットを微動時よりも大きく移動させてもよい。例えば、制御部は、粗動させる指示が検者によって入力されている間、微動時における移動可能範囲に関わらず検眼ユニットの移動を継続させることで、検眼ユニットを微動時よりも大きく移動させてもよい。なお、粗動時における検眼ユニットの移動速度は、微動時における検眼ユニットの移動速度とは異なっていてもよい(例えば、微動時の移動速度よりも大きくてもよい)し、微動時における移動速度と同じであってもよい。
本開示に係る眼科装置では、検者は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作のいずれを行っても、検眼ユニットの粗動の指示を入力することができる。つまり、検者は、微動の指示と粗動の指示を共に操作桿の傾倒操作によって入力することも可能なため、操作する部位を微動時と粗動時で切り替えることは必須ではない。また、検者は、傾倒操作以外の操作桿の操作(例えば、操作桿自体のスライド操作等)を行わなくても、操作桿の傾倒角度のみを調整することで、微動の指示と粗動の指示を切り替えることができる。また、粗動操作部によって粗動の指示を入力することも可能なため、粗動の指示を入力する際に操作桿を大きく傾倒させる操作も必須ではない。よって、本開示の眼科装置によると、検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。
本開示で例示する技術は、被検眼の検査(例えば、被検眼の撮影、被検眼の眼特性の測定、被検眼の観察(手術または治療のための観察等を含む)等)を実行するための種々の眼科装置に適用できる。例えば、被検眼の撮影を行う眼科装置として、OCT装置、レーザ走査型検眼装置(SLO)、眼底カメラ、隅角撮影装置、および、角膜内皮細胞撮影装置(CEM)等が挙げられる。被検眼の眼特性の測定を行う眼科装置として、眼屈折力測定装置、角膜形状測定装置、眼軸長測定装置、および、眼圧測定装置等が挙げられる。また、被検眼を観察しながら被検眼の組織の手術または治療を行うための光凝固装置、ヤグレーザ手術装置、スリットランプ等の眼科装置に、本開示で例示する技術を採用してもよい。
微動ステップの具体的な方法は適宜選択できる。例えば、制御部は、操作桿の傾倒角度と検眼ユニットの移動距離が比例するように、操作桿の傾倒方向と同一の方向に検眼ユニットを微動させてもよい。制御部は、操作桿の傾倒位置と、検眼ユニットの位置が対応するように、操作桿の傾倒操作に応じて検眼ユニットを微動させてもよい。
また、検眼ユニットを粗動させるための具体的な制御方法も、適宜選択できる。例えば、制御部は、粗動操作部が操作されたことが検出された場合に、粗動操作部が操作された方向に応じた方向に検眼ユニットを粗動させてもよい。また、制御部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作が検出された場合に、操作桿が傾倒された方向に応じた方向に検眼ユニットを粗動させてもよい。
なお、制御部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作が検出された場合の検眼ユニットの粗動の速度と、粗動操作部の操作が検出された場合の検眼ユニットの粗動の速度を異なる速度としてもよい。この場合、被検眼に対する検眼ユニットの相対位置が、より適切に調整され易くなる。例えば、制御部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作が検出された場合の検眼ユニットの粗動の速度を、粗動操作部の操作が検出された場合の検眼ユニットの粗動の速度よりも遅くしてもよい。この場合、操作桿が操作されて検眼ユニットが微動されていた状態から、操作桿の傾倒角度が所定範囲を超えて検眼ユニットが粗動される状態に切り替われる際の違和感が減少する。
粗動操作部は、略棒状である操作桿の外周を取り囲んで配置される環状の部材であってもよい。粗動操作部は、二次元方向にスライド可能に支持されてもよい。この場合、検者は、操作桿を中心として、検眼ユニットを移動させる場合の操作桿の傾倒方向と同じ方向に粗動操作部をスライドさせることで、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作を行わなくても、適切な方向への検眼ユニットの粗動の指示を入力することができる。よって、検者が操作桿および粗動操作部を操作する際の操作感が向上する。なお、粗動操作部は、操作桿とは独立して二次元方向にスライド可能に支持されていてもよい。この場合、検者は、粗動操作部のみを独立してスライドさせるだけで検眼ユニットの粗動の指示を容易に入力することができる。
操作桿は、傾倒角度が所定範囲内である場合に、粗動操作部とは独立して傾倒されてもよい。操作桿は、傾倒角度が所定範囲を超える場合に、粗動操作部に接触して粗動操作部を操作させつつ傾倒されてもよい。この場合、操作桿の傾倒角度が所定範囲内であれば、操作桿が傾倒されても粗動操作部は操作(例えばスライド)されないので、検眼ユニットの微動の指示が適切に入力される。また、操作桿の傾倒角度が所定範囲を超えると、操作桿が粗動操作部に接触し、操作桿の傾倒方向と同じ方向に粗動操作部が操作されることで、検眼ユニットの粗動の指示が入力される。従って、微動の指示入力時の操作桿の傾倒方向と、粗動の指示入力時の操作桿の傾倒方向が一致するので、検者が微動および粗動の指示を入力する際の操作感が向上する。さらに、検者は、傾倒させた操作桿が粗動操作部に接触して粗動操作部が操作されるか否かに応じて、粗動の指示が眼科装置に入力されるか否かを適切に把握することができる。よって、検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。
なお、操作桿は、傾倒角度が所定範囲を超える場合に、環状である粗動操作部に接触して粗動操作部をスライドさせつつ傾倒されてもよい。この場合、検者は、操作桿によって検眼ユニットの粗動の指示を入力する場合にも、微動の指示を入力する場合と同様に、二次元平面上の任意の方向への操作桿の傾倒操作を行うことができる。ただし、操作桿による微動の指示を入力できる方向がある程度限定されていてもよい。例えば、操作桿は、所定の一次元方向(例えば左右方向)への傾倒角度が所定範囲を超える場合にのみ、粗動操作部に接触して粗動操作部を操作させる構成であってもよい。
操作検出ユニットは、粗動操作部が操作されたことを検出する粗動操作検出部を備えていてもよい。操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作の両方が、粗動操作検出部によって検出されてもよい。この場合、眼科装置は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作が行われたことを検出する構成を別途備えていなくても、操作桿の傾倒操作による粗動の指示と、粗動操作部の操作による粗動の指示を、共に適切に受け付けることができる。よって、簡易な構成で適切に検眼ユニットが粗動される。
眼科装置は付勢部をさらに備えていてもよい。付勢部は、粗動操作部を、傾倒角度が所定範囲の境界に達した状態の操作桿に接触する位置である初期位置に向けて付勢してもよい。付勢部は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作が終了すると、粗動操作部を初期位置に移動させると共に、粗動操作部に接触している操作桿の傾倒角度を所定範囲内に戻してもよい。この場合、操作桿による粗動の指示が終了し、検者が操作桿を把持する力を弱めると、粗動操作部が初期位置に自動的に戻るだけでなく、操作桿の傾倒角度も、微動の指示を入力するための所定範囲内に自動的に戻る。従って、操作桿および粗動操作部の操作性がさらに向上する。
操作検出ユニットは、粗動操作部の操作量が規定量を超えた場合に、粗動操作部が操作されたことを検出してもよい。つまり、粗動操作部の操作が開始されてから、実際に粗動操作部の操作が検出されるまでの、操作の不感帯が設けられていてもよい。この場合、粗動操作部が誤って僅かに操作されてしまった場合等でも、検眼ユニットが意図せず粗動してしまう不具合が生じにくくなる。よって、操作性がさらに向上する。
なお、操作桿および粗動操作部の少なくともいずれかの構成を変更することも可能である。例えば、操作桿の傾倒角度が所定範囲を超えた場合に、操作桿と粗動操作部が接触しない構成であってもよい。この場合、眼科装置は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作を検出することで、検眼ユニットの粗動制御を行ってもよい。粗動操作部として、操作桿の外周を取り囲んで配置されるスライド可能な環状の部材の代わりに、他の形状(例えば、四角形、円形等の環状ではない形状)のスライド可能な部材、ノブ、またはトラックボール等が用いられてもよい。
眼科装置の各種操作を適切に検者に行わせるためには、検者によって操作される操作部材の移動を円滑にガイドできることが重要である。一方で、眼科装置では、操作部材の移動をガイドするためのガイドユニットを設置するスペースが限られている場合が多い。従って、狭いスペースへの設置が容易であり、且つ、操作部材の移動を円滑にガイドすることが可能なガイドユニットが望まれる。
本開示では、粗動操作部がスライドされる二次元平面であるスライド平面上の一方向を、X方向とする。スライド平面上でX方向に交差する方向を、Z方向とする。スライド平面に対して交差する方向を、Y方向とする。眼科装置は、粗動操作部のスライド平面(つまりXZ平面)上における移動をガイドするガイドユニットをさらに備えていてもよい。ガイドユニットは、X方向リニアガイド部、Z方向リニアガイド部、X方向スライド部、およびZ方向スライド部を備えていてもよい。X方向リニアガイド部は、X方向に直線状に延びる。Z方向リニアガイド部は、Z方向に直線状に延びる。X方向スライド部は、X方向リニアガイド部に装着され、装着されたX方向リニアガイド部に対して相対的にX方向にスライドする。Z方向スライド部は、Z方向リニアガイド部に装着され、装着されたZ方向リニアガイド部に対して相対的にZ方向にスライドする。X方向リニアガイド部が、X方向スライド部に対してX方向にスライドすることで、粗動操作部のX方向の移動がガイドされてもよい。Z方向スライド部が、Z方向リニアガイド部に対してZ方向にスライドすることで、粗動操作部のZ方向の移動がガイドされてもよい。
従来の眼科装置で用いられていた一般的なガイドユニットでは、操作部材をX方向にガイドする部分と、Z方向にガイドする部分を、Y方向の異なる位置に別々に設ける必要があった。その結果、特にY方向におけるガイドユニットの大きさが大きくなってしまっていた。これに対し、本開示で例示するように、複数のリニアガイド部の各々にスライド部を装着する構成をガイドユニットに採用することで、Y方向におけるガイドユニットの大きさを小型化することが容易になる。
さらに、本開示のガイドユニットでは、X方向リニアガイド部がX方向スライド部に対してスライドする一方で、Z方向スライド部がZ方向リニアガイド部に対してスライドする。その結果、X方向およびZ方向の各々に同様の構成(リニアガイド部とスライド部を用いる構成)を採用しつつ、粗動操作部のX方向への移動、およびZ方向への移動に加えて、X方向とZ方向の両方に対して傾斜した斜め方向への移動も適切にガイドされる。よって、本開示のガイドユニットは、狭いスペースへの設置が容易であり、且つ、粗動操作部の移動を円滑にガイドすることができる。
なお、複数のリニアガイド部、および複数のスライド部の具体的な構成は、適宜選択できる。例えば、リニアガイド部に軸を採用してもよい。この場合、スライド部には、軸が挿通される軸受けが採用されてもよい。軸と軸受けが採用されることで、両者のY方向における位置ずれ等が生じにくくなる。また、リニアガイド部にガイドレールを採用してもよい。この場合、スライド部には、ガイドレールに沿って相対的に移動するキャリッジ等が採用されてもよい。
また、以下に説明する実施形態では、眼科装置の左右方向をX方向とし、眼科装置の前後方向をZ方向とし、眼科装置の上下方向をY方向とする場合を例示する。しかし、XYZの各々の方向を適宜設定できることは言うまでもない。例えば、眼科装置の前後方向をX方向とし、眼科装置の左右方向をZ方向とする場合でも、得られる効果には変わりはない。
一対のX方向リニアガイド部が、粗動操作部におけるXZ方向の中央部よりも+Z方向側と-Z方向側の各々に配置され、且つ、互いに平行な状態でX方向に直線状に延びていてもよい。一対のZ方向リニアガイド部が、粗動操作部におけるXZ方向の中央部よりも+X方向側と-X方向側の各々に配置され、且つ、互いに平行な状態でZ方向に直線状に延びていてもよい。一対のX方向スライド部が、一対のX方向リニアガイド部の各々に装着されていてもよい。一対のZ方向スライド部が、一対のZ方向リニアガイド部の各々に装着されていてもよい。
この場合、4つのリニアガイド部、および4つのスライド部は、操作部材の一例である粗動操作部のXZ方向における中央部を取り囲むように、中央部よりも+X方向、-X方向、+Z方向、および-Z方向の各々に配置される。従って、ガイドユニットが、粗動操作部の中央部に対していずれかの方向に片寄って配置されている場合に比べて、粗動操作部からガイドユニットに掛かる負荷が分散され易くなる。さらに、+X方向、-X方向、+Z方向、および-Z方向の各々に同様の構成(リニアガイド部とスライド部を用いる構成)を採用しつつ、粗動操作部のX方向への移動、およびZ方向への移動に加えて、X方向とZ方向の両方に対して傾斜した斜め方向への移動も適切にガイドされる。よって、粗動操作部のXZ平面上における移動が、より円滑にガイドされ易くなる。
また、4つのリニアガイド部は、粗動操作部におけるXZ方向の中心を軸として、4回回転対称となる位置に配置されていてもよい。この場合、粗動操作部からガイドユニットに掛かる負荷が、さらに均等に分散され易くなる。よって、粗動操作部のXZ平面上における移動が、より円滑にガイドされ易くなる。
ただし、X方向リニアガイド部およびX方向スライド部の各々の数を1つとすることも可能である。また、Z方向リニアガイド部およびZ方向スライド部の各々の数を1つとすることも可能である。これらの場合でも、本開示のガイドユニットは、狭いスペースへの設置が容易であり、且つ、粗動操作部の移動を円滑にガイドすることができる。
X方向リニアガイド部には、X方向スライド部に対するX方向リニアガイド部の位置を、粗動操作部がX方向に操作されていない状態のX初期位置に向けて付勢するX方向付勢部が設けられていてもよい。Z方向スライド部には、Z方向リニアガイド部に対するZ方向スライド部の位置を、粗動操作部がZ方向に操作されていない状態のZ初期位置に向けて付勢するZ方向付勢部が設けられていてもよい。この場合、X方向付勢部とZ方向付勢部によって、粗動操作部が初期位置に向けて付勢される。その結果、粗動操作部がXZ方向における初期位置に円滑に戻り易くなる。
なお、前述したように、一対のX方向リニアガイド部、一対のZ方向リニアガイド部、一対のX方向スライド部、および一対のZ方向スライド部が用いられてもよい。一対のX方向リニアガイド部の各々に、X方向付勢部が設けられていてもよい。また、一対のZ方向リニアガイド部の各々に、Z方向付勢部が設けられていてもよい。この場合、粗動操作部(操作部材の一例)のXZ方向における中央部を基準とした+X方向、-X方向、+Z方向、および-Z方向の各々の位置において、粗動操作部が初期位置に向けて付勢される。その結果、複数の付勢部の重心のXZ方向における位置が、粗動操作部のXZ方向における中心の位置に近くなるので、粗動操作部がXZ方向における初期位置に円滑に戻り易くなる。
X方向リニアガイド部とZ方向リニアガイド部が、同一のXZ平面上に配置されていてもよい。例えば、一対のX方向リニアガイド部と一対のZ方向リニアガイド部を用いる場合には、一対のX方向リニアガイド部、および一対のZ方向リニアガイド部(つまり、4つのリニアガイド部)が、同一のXZ平面上に配置されていてもよい。この場合、Y方向におけるガイドユニットの大きさを小型化することが、さらに容易になる。
ただし、複数のリニアガイド部の少なくともいずれかが、他のリニアガイド部のY方向における位置とは異なる位置に配置されていてもよい。この場合でも、複数のリニアガイド部の各々にスライド部を装着する構成を採用することで、ガイドユニットの小型化は容易になる。
粗動操作部がZ方向スライド部に連結されることで、粗動操作部のXZ平面上における移動に同期して、Z方向スライド部もXZ平面上で移動してもよい。X方向リニアガイド部とZ方向リニアガイド部が連結されることで、複数のリニアガイド部がXZ方向に一体で移動してもよい。なお、一対のX方向リニアガイド部と一対のZ方向リニアガイド部を用いる場合には、粗動操作部が一対のZ方向スライド部の各々に連結されることで、粗動操作部のXZ平面上における移動に同期して、一対のZ方向スライド部もXZ平面上で移動してもよい。一対のX方向リニアガイド部、および一対のZ方向リニアガイド部が連結されることで、4つのリニアガイド部がXZ方向に一体で移動してもよい。
この場合、粗動操作部がZ方向に移動されると、Z方向スライド部もZ方向に移動する。その結果、Z方向スライド部が、Z方向リニアガイド部に対してZ方向にスライドするので、粗動操作部のZ方向の移動が適切にガイドされる。また、粗動操作部がX方向に移動されると、Z方向スライド部もX方向に移動するので、互いに連結された複数のリニアガイド部も、Z方向スライド部と共にX方向に移動する。複数のリニアガイド部がX方向に一体で移動すると、X方向リニアガイド部が、X方向スライド部に対してX方向に移動するので、粗動操作部のX方向の移動も適切にガイドされる。よって、粗動操作部のXZ平面上における移動が適切にガイドされる。なお、X方向リニアガイド部とZ方向リニアガイド部が連結されている場合、X方向スライド部は、土台であるベース部に固定されている。
ただし、複数のリニアガイド部を連結する代わりに、複数のスライド部(X方向スライド部と、Z方向スライド部)を連結することも可能である。複数のスライド部を連結する場合、粗動操作部がX方向リニアガイド部に連結されることで、粗動操作部のXZ平面上における移動に同期して、X方向リニアガイド部もXZ平面上で移動してもよい。なお、一対のX方向リニアガイド部、一対のZ方向リニアガイド部、一対のX方向スライド部、および一対のZ方向スライド部を用いる場合に、4つのスライド部(一対のX方向スライド部と、一対のZ方向スライド部)を連結してもよい。4つのスライド部を連結する場合、粗動操作部が一対のX方向リニアガイド部に連結されることで、粗動操作部のXZ平面上における移動に同期して、一対のX方向リニアガイド部もXZ平面上で移動してもよい。
この場合、粗動操作部がX方向に移動されると、X方向リニアガイド部もX方向に移動する。その結果、X方向リニアガイド部が、X方向スライド部に対してX方向にスライドするので、粗動操作部のX方向の移動が適切にガイドされる。また、粗動操作部がZ方向に移動されると、X方向リニアガイド部もZ方向に移動するので、互いに連結された複数のスライド部も、X方向リニアガイド部と共にZ方向に移動する。複数のスライド部がZ方向に一体で移動すると、Z方向スライド部が、Z方向リニアガイド部に対してZ方向に移動するので、粗動操作部のZ方向の移動も適切にガイドされる。よって、粗動操作部のXZ平面上における移動が適切にガイドされる。なお、X方向スライド部とZ方向スライド部が連結されている場合、Z方向リニアガイド部は、土台であるベース部に固定されている。
本開示で例示する操作ユニットは、任意の方向に傾倒可能に支持される操作桿と、検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される粗動操作部と、操作桿および粗動操作部の操作を検出する操作検出ユニットと、を備える。操作桿の所定範囲内における傾倒操作が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて検眼ユニットの位置が微動される。操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作の少なくとも一方が操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて検眼ユニットの位置が粗動される。
本開示に係る操作ユニットによると、検者は、操作桿の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部の操作のいずれを行っても、検眼ユニットの粗動の指示を入力することができる。つまり、検者は、微動の指示と粗動の指示を共に操作桿の傾倒操作によって入力することも可能なため、操作する部位を微動時と粗動時で切り替えることは必須ではない。また、検者は、操作桿の傾倒操作以外の操作(例えば、操作桿自体のスライド操作等)を行わなくても、操作桿の傾倒角度のみを調整することで、微動の指示と粗動の指示を切り替えることができる。また、粗動操作部によって粗動の指示を入力することも可能なため、粗動の指示を入力する際に操作桿を大きく傾倒させる操作も必須ではない。よって、検眼ユニットの微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。
また、本開示で例示する操作ユニットは、以下のように表現することも可能である。
被検眼に対する眼科装置の検眼ユニットの相対位置を移動させるために、検者によって操作される操作ユニットであって、
前記検眼ユニットを移動させるために検者によって操作されることで、二次元平面であるスライド平面上で移動される操作部材と、
前記操作部材の前記スライド平面上における移動をガイドするガイドユニットと、
を備え、
前記スライド平面上の一方向をX方向、前記スライド平面上でX方向に交差する方向をZ方向、前記スライド平面に対して交差する方向をY方向とした場合に、
前記ガイドユニットは、
X方向に直線状に延びるX方向リニアガイド部と、
Z方向に直線状に延びるZ方向リニアガイド部と、
前記X方向リニアガイド部に装着され、装着された前記X方向リニアガイド部に対して相対的にX方向にスライドするX方向スライド部と、
前記Z方向リニアガイド部に装着され、装着された前記Z方向リニアガイド部に対して相対的にZ方向にスライドするZ方向スライド部と、
を備え、
前記X方向リニアガイド部が、前記X方向スライド部に対してX方向にスライドすることで、前記粗動操作部のX方向の移動がガイドされ、
前記Z方向スライド部が、前記Z方向リニアガイド部に対してZ方向にスライドすることで、前記粗動操作部のZ方向の移動がガイドされることを特徴とする操作ユニット。
<実施形態>
以下、本開示に係る典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。本実施形態の眼科装置1は、被検眼Eとの間の相対位置が適正位置に調整された状態で(例えば、被検眼Eに検査軸を一致させた状態で)、被検眼Eを検査する。本実施形態で例示する眼科装置1は、被検眼Eの眼屈折力を測定する眼屈折力測定装置である。ただし、眼科装置1は、眼屈折力の測定とは異なる検査を実行する装置(例えば、OCT装置、レーザ走査型検眼装置(SLO)、眼底カメラ、隅角撮影装置、角膜内皮細胞撮影装置(CEM)、角膜曲率測定装置、眼圧測定装置、または眼軸長測定装置等)であってもよい。以下の説明において、検査に用いられる光の光軸方向をZ軸方向(前後方向)、Z軸方向に垂直な水平方向をX軸方向(左右方向)、Z軸およびX軸に共に垂直な方向をY軸方向(上下方向)とする。
(概略構成)
図1を参照して、眼科装置1の概略構成について説明する。本実施形態の眼科装置1は、筐体3、基台5、顔支持部9、検眼ユニット2、操作ユニット60、駆動部4、制御部50、および表示部8等を備える。筐体3は、基台5を備えると共に、眼科装置1の各種構成(例えば、検眼ユニット2、駆動部4、および制御部50等)を備える。筐体3の基台5は、眼科装置1の全体を支持する。顔支持部9は、被検者の顔を支持する。本実施形態の顔支持部9は、被検者の顎が載せられる顎台と、被検者の額が当てられる額当てを備える。なお、本実施形態の顔支持部9は基台5に設けられているが、基台5とは独立して顔支持部9が設けられていてもよい。
検眼ユニット2は、被検眼Eを検査する。検眼ユニット2は、例えば、被検眼Eの眼屈折力、角膜曲率、および眼圧等の少なくともいずれかの検査を行うための構成(本実施形態では光学系)を備えていてもよい。また、検眼ユニット2は、被検眼の組織を撮影するための光学系を備えていてもよい。駆動部4は、検眼ユニット2を基台5に対して上下左右前後方向(三次元方向)に移動させることで、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置を移動させる。なお、駆動部4は、検眼ユニット2と共に、または検眼ユニット2の代わりに顔支持部9を移動させることで、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置を移動させてもよい。操作ユニット60は、筐体3のうち、被検者が位置する側とは反対側(つまり、検者が位置する側)に配置される。操作ユニット60は、検眼ユニット2を移動させるための指示、および、検査の実行開始指示等を入力するために、検者によって操作される。操作ユニット60の詳細については後述する。制御部50は、眼科装置1における各種制御(例えば、駆動部4の駆動制御等)を司る。表示部8は、各種画像(例えば、被検眼Eの観察画像、および測定結果等)を表示させる。本実施形態では、表示部8の表面にタッチパネルが設けられている。タッチパネルは、検者が各種指示を入力するために操作する操作部の1つとして用いられる。なお、表示部8は筐体3とは独立して設けられていてもよい。
(検眼ユニット・制御部)
図2を参照して、検眼ユニット2および制御部50について説明する。前述したように、本実施形態では、眼科装置1が眼屈折力測定装置である場合を例示する。従って、本実施形態の検眼ユニット2は、被検眼の眼屈折力を測定するための光学系を備える。詳細には、本実施形態の検眼ユニット2は、測定光学系10、固視標呈示光学系30、指標投影光学系40、および観察光学系(撮影光学系)45を備える。
測定光学系10は、投影光学系(投光光学系)10Aと受光光学系10Bを備える。投影光学系10Aは、被検眼Eの瞳孔を介して、被検眼Eの眼底に光束を投影する。受光光学系10Bは、瞳孔周辺部を介して、眼底からの反射光束をリング状に取り出し、主に屈折力の測定に用いるリング状の眼底反射像を撮影する。
投影光学系10Aは、測定光源11、リレーレンズ12、ホールミラー13、および対物レンズ14を、光軸L1上に備える。測定光源11は、リレーレンズ12から対物レンズ14までの光学部材と、被検眼Eの瞳孔中心部を介して、眼底にスポット状の光源像を投影する。測定光源11は、移動機構15によって光軸L1方向に移動される。ホールミラー13には、リレーレンズ12を介した測定光源11からの光束を通過させる開口が設けられている。ホールミラー13は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置されている。
受光光学系10Bは、ホールミラー13と対物レンズ14を投影光学系10Aと共用する。また、受光光学系10Bは、リレーレンズ16、全反射ミラー17、受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、および撮影素子22を、ホールミラー13の反射方向の光軸L2上に備える。受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、および撮影素子22は、移動機構15によって、投影光学系10Aの測定光源11と一体的に、光軸L2方向に移動される。移動機構15によって測定光源11が眼底と共役な位置に配置される場合、受光絞り18および撮影素子22も、眼底と光学的に共役な位置に配置される。
リングレンズ20は、対物レンズ14からコリメータレンズ19を介して導かれる眼底反射光をリング状に成型するための光学素子である。リングレンズ20は、リング状のレンズ部と、遮光部を有している。受光絞り18および撮影素子22が、眼底と光学的に共役な位置に配置される場合、リングレンズ20は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。撮影素子22では、リングレンズ20を介したリング状の眼底反射光(以下、「リング像」という)が受光される。撮影素子22は、受光したリング像の画像情報を制御部50に出力する。その結果、制御部50では、表示部8でのリング像の表示、および、リング像に基づく屈折力の算出等が行われる。
本実施形態では、対物レンズ14と被検眼Eの間にダイクロイックミラー29が配置されている。ダイクロイックミラー29は、光源11から出射された光、および、光源11からの光に応じた眼底反射光を透過する一方で、固視標呈示光学系30(詳細は後述する)からの光束を被検眼に導く。さらに、ダイクロイックミラー29は、指標投影光学系40(詳細は後述する)からの光の前眼部反射光を反射させて、観察光学系45に導く。
指標投影光学系40は、被検眼Eの前方に配置されている。指標投影光学系40は、主に、被検眼Eに対する光学系の位置合わせ(アライメント)に用いる指標を、被検眼Eの前眼部に投影する。本実施形態では、指標投影光学系40は、被検眼Eに対する光学系のXY方向およびZ方向の少なくともいずれかの位置合わせに用いられる指標を前眼部に投影する。なお、眼科装置1は、指標投影光学系40を用いずに、前眼部画像における特徴部を検出することで位置合わせを行うことも可能である。
本実施形態の指標投影光学系40は、リング指標投影部41と指標投影部42を備える。リング指標投影部41は、被検眼Eの角膜に拡散光を投影することで、リング指標(所謂マイヤーリング)を角膜に投影する。本実施形態では、リング指標投影部41は、被検眼Eの前眼部を照明する前眼部照明としても用いられる。指標投影部42は、被検眼Eの角膜に平行光を投影することで、無限遠指標を角膜に投影する。
固視標呈示光学系30は、光源31、固視標32、リレーレンズ33、反射ミラー36、およびレンズ39を、光軸L4上に備える。固視標32は、他覚屈折力測定時に被検眼Eを固視させるために使用される。例えば、光源31によって固視標32が照明されることで、被検眼Eを固視させるための光が被検眼Eに投影される。光源31および固視標32は、駆動機構38によって光軸L4の方向に一体的に移動される。光源31および固視標32の移動によって、固視標の呈示位置(呈示距離)が変更される。その結果、被検眼Eに雲霧が掛けられて屈折力が測定される。
観察光学系45は、撮影レンズ46および撮影素子47を、ハーフミラー48の反射方向の光軸L3上に備える。撮影素子47は、被検眼Eの前眼部と光学的に共役な位置に配置される。撮影素子47は、リング指標投影部41によって照明される前眼部を撮影する。撮影素子47からの出力は制御部50に入力される。その結果、撮影素子47によって撮影される被検眼Eの前眼部画像が表示部8に表示される(図2参照)。また、撮影素子47では、指標投影光学系40によって被検眼Eの角膜に形成されるアライメント指標像(本実施形態では、リング指標および無限遠指標)が撮影される。その結果、制御部50は、撮影素子47の撮影結果に基づいてアライメント指標像を検出することができる。制御部50は、アライメント状態の適否を、アライメント指標像が検出される位置に基づいて判定することができる。
制御部50は、眼科装置1の各種制御(例えば、駆動部4の駆動制御等)を司る。制御部50は、CPU51、ROM52、およびRAM53等を備える。CPU51は、制御を司るコントローラである。ROM52には、眼科装置1を制御するための眼科装置制御プログラム、および初期値等が記憶されている。RAM53は、各種情報を一時的に記憶する。制御部50は、検眼ユニット2、駆動部4、表示部8、操作ユニット60、記憶部(例えば不揮発性メモリ等)54と接続されている。記憶部54は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、または着脱可能なUSBメモリ等を、記憶部54として使用することができる。
(第1実施形態の操作ユニット)
図3~図5を参照して、第1実施形態の操作ユニット60について説明する。操作ユニット60は、検者が眼科装置1の検眼ユニット2の移動指示(本実施形態では、検眼ユニット2を微動させる指示、および粗動させる指示)を眼科装置1に入力するために操作される。操作ユニット60が操作されると、制御部50は、操作内容に応じた信号を駆動部4に出力することで、被検眼Eに対する検眼ユニット2の相対位置を移動させる。
操作ユニット60は、眼科装置1の筐体3(詳細には、筐体3の基台5、図1参照)に設けられている。しかし、構成の理解を容易にするために、図3~図5では筐体3から取り外された状態の操作ユニット60を示している。なお、操作ユニット60は、眼科装置1の筐体3とは独立して設けられていてもよい。この場合、操作ユニット60は、眼科装置1との間で有線通信または無線通信によって接続されていてもよい。図3は、操作ユニット60を右斜め後方から見た斜視図である。図4は、図3におけるA-A線矢視方向断面図である。図5は、操作桿61を、図3に示す状態から+X方向に所定範囲を超えて傾倒させた状態を示す図である。図3において、紙面左手前側を+X方向、紙面右奥側を-X方向、紙面上側を+Y方向、紙面下側を-Y方向、紙面右手前側を+Z方向、紙面左奥側を-Z方向とする。図4および図5において、右側を+X方向、左側を-X方向、上側を+Y方向、下側を-Y方向、紙面奥側を+Z方向、紙面手前側を-Z方向とする。
(第1実施形態の操作ユニットの概略構成)
図3~図5に示すように、第1実施形態の操作ユニット60は、操作桿(ジョイスティックと言われる場合もある)61と、粗動操作部70を備える。第1実施形態の操作桿61は、筐体3(詳細には、筐体3の基台5、図1参照)から外方(本実施形態では上方)に延びる。操作桿61は、任意の方向に傾倒可能に支持される。粗動操作部70は、検眼ユニット2を粗動させるために検者によって操作される。また、操作ユニット60は、操作桿61および粗動操作部70の操作を検出する操作検出ユニットを備える。詳細は後述するが、第1実施形態の操作検出ユニットには、傾倒検出部68(図4および図5参照)、および粗動操作検出部77(77XP,77XM,77ZP,77ZM、図3参照)が含まれる。
本実施形態では、操作桿61の所定範囲内の傾倒操作が検出されると、検出された傾倒操作に応じて(例えば、操作桿61の傾倒方向および傾倒量(傾倒角度)に応じて)、検眼ユニット2の位置が微動される。操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作が検出されると、検出された傾倒操作に応じて(操作桿61の傾倒方向に応じて)、検眼ユニット2の位置が粗動される。また、粗動操作部70の操作が検出されると、検出された操作に応じて(粗動操作部70の操作方向に応じて)、検眼ユニット2の位置が粗動される。つまり、本実施形態の眼科装置1では、検者は、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部70の操作のいずれを行っても、検眼ユニット2の粗動の指示を入力することができる。つまり、検者は、微動の指示と粗動の指示を共に操作桿61の傾倒操作によって入力することも可能なため、操作する部位を微動時と粗動時で切り替えることは必須ではない。また、検者は、操作桿61の傾倒操作以外の操作(例えば、操作桿61自体のスライド操作等)を行わなくても、操作桿61の傾倒角度のみを調整することで、微動の指示と粗動の指示を切り替えることができる。また、粗動操作部70によって粗動の指示を入力することも可能なため、粗動の指示を入力する際に操作桿61を大きく傾倒させる操作も必須ではない。よって、検眼ユニット2の微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。以下、各部の構成について詳細に説明する。
(第1実施形態の操作桿)
図3~図5に示すように、操作桿61は、検者によって把持される略棒状の部材である。第1実施形態の操作桿61は、筐体3から上方に延びる。第1実施形態の操作桿61は、所定の傾倒範囲内で任意の方向に傾倒される。操作桿61の傾倒角度が傾倒範囲の限界に達すると、操作桿61はそれ以上傾倒できなくなる。検眼ユニット2が微動される所定範囲は、操作桿61の傾倒範囲の中心側に位置する。傾倒範囲のうち、検眼ユニット2が微動される所定範囲の外側は、粗動の指示を入力するための領域となる。検者は、検眼ユニット2を移動させたい方向に操作桿61を所定範囲内で傾倒させることで、XZ方向のうち、操作桿61の傾倒方向に対応する方向に検眼ユニット2を微動させるための操作指示を入力することができる。また、検者は、検眼ユニット2を移動させたい方向に、所定範囲を超えて操作桿61を傾倒させることで、XZ方向のうち、操作桿61の傾倒方向に対応する方向に検眼ユニット2を粗動させるための操作指示を入力することができる。
操作桿61は、把持部62、回転ダイヤル63、測定ボタン64、球部65(図4および図5参照)、および作用部66(図4および図5参照)を備える。把持部62は検者によって把持される。回転ダイヤル63は、検者が検眼ユニット2を上下方向(Y方向)に移動させる指示を眼科装置1に入力するために操作される。第1実施形態の回転ダイヤル63は、操作桿61の把持部62の側面に周方向に亘って設けられる。回転ダイヤル63の回転は、回転検出部(例えばエンコーダ等)によって検出される。例えば、回転ダイヤル63が右回りに回転されると、検眼ユニット2を上方向(+Y方向)に移動させるための操作信号が出力され、回転ダイヤル63が左回りに回転されると、検眼ユニット2を下方向(-Y方向)に移動させるための操作信号が出力される。測定ボタン64は、検眼ユニット2による被検眼Eの検査の開始指示を入力するために、検者によって操作される。第1実施形態の測定ボタン64は、操作桿61の上部に設けられている。
図4および図5に示すように、球部65は、略棒状の操作桿61のうち、把持部62よりも基端側(第1実施形態では下方)に位置する。球部65は、軸受け部69によって回動可能に保持される。その結果、操作桿61は、球部65を中心として任意の方向に傾倒される。作用部66は、略棒状の操作桿61のうち、球部65よりもさらに基端側(つまり、球部65を挟んで把持部62の反対側)に位置する。従って、操作桿61が傾倒されると、作用部66は、操作桿61の把持部62の傾倒方向とは逆の方向に移動する。以上の構成によって、操作桿61の傾倒操作を検出するための構成を、筐体3(図1参照)の内部に適切に収容し易くなる。
操作桿61の一部、または、操作桿61の傾倒操作に連動して移動する部材には、傾倒検出部68が設けられている。第1実施形態の傾倒検出部68は、操作桿61の作用部66に接続されている。傾倒検出部68は、操作桿61の傾倒操作の操作方向および操作量(傾倒角度)を検出する。第1実施形態では、傾倒検出部68による操作桿61の傾倒操作の検出結果は、検眼ユニット2を微動させる際に用いられる。なお、操作桿61の傾倒操作を検出するための構成を変更することも可能である。
(第1実施形態の粗動操作部)
図3~図5に示すように、第1実施形態の粗動操作部70は、略棒状である操作桿61の外周を取り囲んで配置される環状(本実施形態では略円環状)の部材である。粗動操作部70は、XZ平面上で二次元方向にスライド可能に支持されている。従って、検者は、操作桿61を中心として、検眼ユニット2を移動させる場合の操作桿61の傾倒方向と同じ方向に粗動操作部70をスライドさせることで、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作を行わなくても、適切な方向への検眼ユニット2の粗動の指示を入力することができる。よって、検者が操作桿61および粗動操作部70を操作する際の操作感が向上する。
粗動操作部70には、粗動操作連動部71が接続されている。粗動操作連動部71は、粗動操作部70の操作(第1実施形態では、XZ平面上のスライド操作)に連動して移動する。一例として、第1実施形態の粗動操作連動部71は、略板状の部材を屈曲および接続されることで構成されている。粗動操作部70がXZ平面上でスライド移動されると、粗動操作連動部71もXZ平面上でスライドして移動する。
図3に示すように、粗動操作連動部71には、X被検出部72XとZ被検出部72Zが設けられている。操作ユニット60の本体のうち、X被検出部72Xの+X側には+X粗動操作検出部77XPが設けられており、-X側には-X粗動操作検出部77XMが設けられている。粗動操作部70が+X方向に操作されると、+X粗動操作検出部77XPは、粗動操作連動部71のX被検出部72Xが+X方向に移動したことを検出することで、粗動操作部70が+X方向に操作されたことを検出する。また、粗動操作部70が-X方向に操作されると、-X粗動操作検出部77XMは、粗動操作連動部71のX被検出部72Xが-X方向に移動したことを検出することで、粗動操作部70が-X方向に操作されたことを検出する。
操作ユニット60の本体のうち、Z被検出部72Zの+Z側には+Z粗動操作検出部77ZPが設けられており、-Z側には-Z粗動操作検出部77ZMが設けられている。粗動操作部70が+Z方向に操作されると、+Z粗動操作検出部77ZPは、粗動操作連動部71のZ被検出部72Zが+Z方向に移動したことを検出することで、粗動操作部70が+Z方向に操作されたことを検出する。また、粗動操作部70が-Z方向に操作されると、-Z粗動操作検出部77ZMは、粗動操作連動部71のZ被検出部72Zが-Z方向に移動したことを検出することで、粗動操作部70が-Z方向に操作されたことを検出する。
なお、第1実施形態では、「粗動操作部70が操作されたことの検出」との文言には、粗動操作部70が検者によって直接操作されたことの検出に加え、操作桿61が所定範囲を超えて傾倒操作されたことの検出も含まれる。この詳細は後述する。また、粗動操作検出部77(77XP,77XM,77ZP,77ZM)には、種々の検出素子(例えば光電スイッチ等)を用いることができる。
複数の粗動操作検出部77(77XP,77XM,77ZP,77ZM)の各々は、粗動操作部70の操作量が規定量を超えた場合に、粗動操作部70が操作されたことを検出する。一例として、+X粗動操作検出部77XPおよび-X粗動操作検出部77XMの各々がX被検出部72Xを検出可能な位置と、粗動操作部70が操作されていない初期位置にある状態のX被検出部72Xの位置の間に、一定の距離が設けられるように、+X粗動操作検出部77XPおよび-X粗動操作検出部77XMが配置されている。同様に、+Z粗動操作検出部77ZPおよび-Z粗動操作検出部77ZMの各々がZ被検出部72Zを検出可能な位置と、粗動操作部70が操作されていない初期位置にある状態のZ被検出部72Zの位置の間に、一定の距離が設けられるように、+Z粗動操作検出部77ZPおよび-Z粗動操作検出部77ZMが配置されている。その結果、粗動操作部70の操作量が規定量(つまり、粗動操作部70が初期位置にある状態の、被検出部と、粗動操作検出部77による検出可能位置の間の距離)を超えることで、粗動操作部70が操作されたことが初めて検出される。つまり、粗動操作部70の操作が開始されてから、実際に粗動操作部70の操作が検出されるまでの、操作の不感帯が設けられていてもよい。この場合、粗動操作部70が誤って僅かに操作されてしまった場合等でも、検眼ユニット2が意図せず粗動してしまう不具合が生じにくくなる。よって、操作性がさらに向上する。
図3~図5に示すように、粗動操作連動部71の一部には付勢部79が設けられている。付勢部79は、粗動操作連動部71と連結されている粗動操作部70の位置を、初期位置に向けて付勢する。初期位置は、粗動操作部70が操作されておらず、且つ、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作も行われていない状態の、粗動操作部70の待機位置と表現することも可能である。
(粗動の指示の入力方法)
本実施形態の眼科装置1における粗動の指示の入力方法について説明する。なお、粗動の指示の入力方法は、第1実施形態と、後述する第2実施形態で共通する。前述したように、本実施形態では、検者は所望の方向に粗動操作部70をスライドさせることで、粗動操作部70を移動させた方向へ検眼ユニット2を粗動させる指示を入力することができる。さらに、本実施形態では、検者は、操作桿61を所定範囲を超えて所望の方向に傾倒させることで、操作桿61を傾倒させた方向へ検眼ユニット2を粗動させる指示を入力することができる。詳細には、図4および図5に示すように、本実施形態の操作桿61は、傾倒角度が所定範囲内である場合に粗動操作部70とは独立して傾倒される。この場合、操作桿61の傾倒角度が所定範囲内であれば、操作桿61が傾倒されても粗動操作部70はスライドされないので、検眼ユニット2の微動の指示が適切に入力される。一方で、操作桿61は、傾倒角度が所定範囲を超えると、環状である粗動操作部70に接触し(詳細には、粗動操作部70の内周縁部に接触し)、粗動操作部70をスライドさせつつ傾倒される。従って、微動の指示入力時の操作桿61の傾倒方向と、粗動の指示入力時の操作桿61の傾倒方向が一致するので、検者が微動および粗動の指示を入力する際の操作感が向上する。さらに、検者は、傾倒させた操作桿61が粗動操作部70に接触して粗動操作部70がスライドするか否かに応じて、粗動の指示が眼科装置1に入力されるか否かを適切に把握することができる。よって、検眼ユニット2の微動の指示と粗動の指示の両方が、より容易且つ適切に入力される。
本実施形態の粗動操作検出部77(操作検出ユニットの一部)は、粗動操作部70がスライドされたことを検出することで、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作、および、検者による粗動操作部70の直接の操作の両方を検出する。従って、眼科装置1は、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作が行われたことを検出する構成を備えていなくても、操作桿61の傾倒操作による粗動の指示と、粗動操作部70のスライド操作による粗動の指示を、共に適切に受け付けることができる。
前述したように、付勢部79は、粗動操作連動部71と連結されている粗動操作部70の位置を、初期位置に向けて付勢する。また、操作桿61は、傾倒角度が所定範囲を超えると、環状である粗動操作部70に接触する。従って、付勢部79は、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作が終了すると、粗動操作部70を初期位置に移動させると共に、粗動操作部70に接触している操作桿61の傾倒角度を所定範囲内に戻すことができる。つまり、操作桿61による粗動の指示が終了し、検者が操作桿61を把持する力を弱めると、粗動操作部70が初期位置に自動的に戻るだけでなく、操作桿61の傾倒角度も、微動の指示を入力するための所定範囲内に自動的に戻る。従って、操作桿61および粗動操作部70の操作性がさらに向上する。
(相対位置調整処理)
図6を参照して、本実施形態の眼科装置1が実行する相対位置調整処理について説明する。なお、相対位置調整処理は、第1実施形態と、後述する第2実施形態の両方で実行することが可能である。相対位置調整処理では、検者によって入力された操作指示に応じて駆動部4の駆動を制御し、検眼ユニット2の位置を移動させることで、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置が調整される。眼科装置1の制御部50(CPU51)は、電源がオンとされると、記憶装置(例えばROM52等)に記憶された眼科装置制御プログラムに従って、図6に例示する相対位置調整処理を実行する。
まず、制御部50は、回転ダイヤル63の操作が検出されたか否かを判断する(S1)。回転ダイヤル63の操作が検出されていなければ(S1:NO)、制御部50は、操作桿61の所定範囲内の傾倒操作が傾倒検出部68によって検出されたか否かを判断する(S4)。操作桿61の所定範囲内の傾倒操作が検出されていなければ(S4:NO)、制御部50は、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作、または、粗動操作部70の操作が検出されたか否かを判断する(S7)。いずれの操作も検出されていなければ(S7:NO)、処理はS1へ戻り、S1~S7の処理が繰り返される。
回転ダイヤル63の操作が検出されると(S1:YES)、制御部50は、検出された回転ダイヤル63の操作方向(回転方向)および操作量(回転量)に応じて駆動部4の駆動を制御することで、検眼ユニット2の上下方向(Y方向)の位置を、操作方向に対応する方向に、操作量に対応する距離だけ移動させる(S2)。その後、処理はS4へ移行する。なお、眼科装置1は、検眼ユニット2と共に、または検眼ユニット2とは別で、顔支持部9を回転ダイヤル63の操作に応じて上下方向に移動させることで、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置を調整してもよい。
操作桿61の所定範囲内の傾倒操作が傾倒検出部68によって検出されると(S4:YES)、制御部50は、検出された操作桿61の傾倒方向および傾倒量に応じて駆動部4の駆動を制御することで、検眼ユニット2の前後左右方向(XZ方向)の位置を、傾倒方向に対応する方向に、傾倒量に対応する距離だけ微動させる(S5)。その後、処理はS7へ移行する。前述したように、微動とは、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置を細かく調整するために、検眼ユニット2を粗動時よりも小さく(またはゆっくりと)移動させることである。本実施形態では、制御部50は、粗動時における移動可能範囲よりも小さい移動可能範囲内(本実施形態では、操作桿61の傾倒可能範囲に対応する移動可能範囲内)で検眼ユニット2を移動させることで、検眼ユニット2を粗動時よりも小さく移動させる。なお、S5における微動制御の具体的な方法は適宜変更できる。例えば、制御部50は、操作桿61の傾倒角度(傾倒量)と検眼ユニット2の移動距離が比例するように、操作桿61の傾倒方向に対応する方向に検眼ユニット2を微動させてもよい。制御部50は、操作桿61の傾倒位置と、検眼ユニット2の位置が対応するように、操作桿61の傾倒操作に応じて検眼ユニット2を微動させてもよい。また、本実施形態では、微動時における検眼ユニット2の移動速度(例えば、最大移動速度)は、粗動時における移動速度よりも小さい。しかし、微動時における検眼ユニット2の移動速度(最大移動速度)は、粗動時における移動速度と同じであってもよい。
操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作、または、粗動操作部70の操作が検出されると(S7:YES)、制御部50は、検出された操作桿61または粗動操作部70の操作方向および操作量(例えば、スイッチの操作時間)に応じて駆動部4の駆動を制御することで、検眼ユニット2の前後左右方向(XZ方向)の位置を、操作方向に対応する方向に粗動させる(S8)。その後、処理はS1へ戻る。前述したように、粗動とは、被検眼Eと検眼ユニット2の間の相対位置をおおまかに調整するために、検眼ユニット2を微動時よりも大きく(または速く)移動させることである。本実施形態では、制御部50は、微動時における移動可能範囲(本実施形態では、操作桿61の傾倒可能範囲に対応する移動可能範囲)よりも大きい移動可能範囲内で検眼ユニット2を移動させることで、検眼ユニット2を微動時よりも大きく移動させる。換言すると、本実施形態の制御部50は、粗動させる指示が検者によって入力されている間、微動時における移動可能範囲に関わらず検眼ユニット2の移動を継続させることで、検眼ユニットを微動時よりも大きく移動させることが可能である。
(第2実施形態の操作ユニット)
図7~図10を参照して、第2実施形態の操作ユニット80について説明する。第2実施形態の操作ユニット80における少なくとも一部の構成には、前述した第1実施形態の操作ユニット60の構成と同様の構成を採用できる。従って、以下の説明では、第2実施形態の操作ユニット80のうち、第1実施形態の操作ユニット60の構成と同様の構成を採用できる部位については、第1実施形態と同じ番号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図7は、第1実施形態の操作ユニット80を右斜め前方から見た斜視図である。図8は、図7におけるA-A線矢視方向断面図である。図9は、第2実施形態の操作ユニット80の平面図である。図10は、粗動操作部70を、(0)初期位置に配置した場合、(1)+X方向へ移動させた場合、(2)+Z方向へ移動させた場合、(3)+X方向且つ+Z方向へ移動させた場合の、第2実施形態の操作ユニット80の平面図を比較した図である。図7において、紙面右手前側を+X方向、紙面左奥側を-X方向、紙面上側を+Y方向、紙面下側を-Y方向、紙面右奥側を+Z方向、紙面左手前側を-Z方向とする。なお、X方向は、粗動操作部70がスライドされる二次元平面(スライド平面)上の一方向となる。Z方向は、粗動操作部70のスライド平面上でX方向に交差(本実施形態では垂直に交差)する方向となる。Y方向は、粗動操作部70のスライド平面に対して交差(本実施形態では垂直に交差)する方向となる。ただし、XYZの各々の方向を適宜変更できることは言うまでもない。
第2実施形態の操作ユニット80も、第1実施形態の操作ユニット60と同様に、検者が眼科装置1の検眼ユニット2の移動指示を眼科装置1に入力するために操作される。操作ユニット80が操作されると、制御部50は、操作内容に応じた信号を駆動部4に出力することで、被検眼Eに対する検眼ユニット2の相対位置を移動させる。第2実施形態の操作ユニット80は、眼科装置1の筐体3(図1参照)に設けられている。しかし、操作ユニット80は、眼科装置1の筐体3とは独立して設けられていてもよい。
図7~図9に示すように、操作ユニット80は、操作桿(ジョイスティックと言われる場合もある)61と、粗動操作部70を備える。また、操作ユニット80は、操作桿61および粗動操作部70の操作を検出する操作検出ユニットを備える。第2実施形態の操作検出ユニットには、操作桿61の傾倒を検出する傾倒検出部68(図8参照)と、粗動操作部70の操作を検出する粗動操作検出部99(図7~図9参照)が含まれる。なお、第2実施形態の操作桿61、把持部62、回転ダイヤル63、測定ボタン64、球部65(図8参照)、軸受け部69(図8参照)、作用部66(図8参照)、および傾倒検出部68等には、第1実施形態の操作桿61と同様の構成を採用できるので、これらの詳細な説明は省略する。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、操作桿61の所定範囲内の傾倒操作が検出されると、検出された傾倒操作に応じて検眼ユニット2の位置が微動される。操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作が検出されると、検出された傾倒操作に応じて検眼ユニット2の位置が粗動される。また、粗動操作部70の操作が検出されると、検出された操作に応じて(粗動操作部70の操作方向に応じて)、検眼ユニット2の位置が粗動される。つまり、第2実施形態の眼科装置1においても、検者は、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作、および、粗動操作部70の操作のいずれを行っても、検眼ユニット2の粗動の指示を入力することができる。
図7~図10に示すように、第2実施形態の粗動操作部70は、略棒状である操作桿61の外周を取り囲んで配置される環状(本実施形態では略円環状)の部材である。粗動操作部70は、XZ平面であるスライド平面上で二次元方向にスライド可能に支持されている。従って、検者は、操作桿61を中心として、検眼ユニット2を移動させる場合の操作桿61の傾倒方向と同じ方向に粗動操作部70をスライドさせることで、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作を行わなくても、適切な方向への検眼ユニット2の粗動の指示を入力することができる。
粗動操作部70には、粗動操作連動部81が接続されている。粗動操作連動部81は、粗動操作部70の操作(XZ平面であるスライド平面上のスライド操作)に連動して移動する。一例として、第2実施形態の粗動操作連動部81は、略板状の部材を屈曲および接続されることで構成されている。粗動操作部70がXZ平面上でスライド移動されると、粗動操作連動部81もXZ平面上でスライドして移動する。図7~図9に示すように、粗動操作連動部81には、粗動操作検出部99が設けられている。粗動操作検出部99は、XZ平面上における粗動操作連動部81の移動方向を検出することで、粗動操作連動部81に接続された粗動操作部70の操作方向を検出する。第2実施形態においても、「粗動操作部70が操作されたことの検出」との文言には、粗動操作部70が検者によって直接操作されたことの検出に加え、操作桿61が所定範囲を超えて傾倒操作されたことの検出も含まれる。つまり、操作桿61の傾倒角度が所定範囲を超えて、環状である粗動操作部70に接触し、粗動操作部70がXZ方向にスライドした場合も、粗動操作部70の操作方向が粗動操作検出部99によって適切に検出される。
図7~図9に示すように、第2実施形態の操作ユニット80は、粗動操作部70のスライド平面上における移動をガイドするガイドユニット82を備える。以下、第2実施形態のガイドユニット82の構成について詳細に説明する。
図9に示すように、ガイドユニット82は、一対(2つ)のX方向リニアガイド部83A,83Bを備える。一対のX方向リニアガイド部83A,83Bは、互いに平行な状態でX方向に直線状に延びる。X方向リニアガイド部83Aは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部よりも+Z方向に配置されている。また、X方向リニアガイド部83Bは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部よりも-Z方向に配置されている。つまり、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部を間に挟むように配置されている。
また、ガイドユニット82は、一対(2つ)のZ方向リニアガイド部93A,93Bを備える。一対のZ方向リニアガイド部93A,93Bは、互いに平行な状態でZ方向に直線状に延びる。Z方向リニアガイド部93Aは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部よりも+X方向に配置されている。また、Z方向リニアガイド部93Bは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部よりも-X方向に配置されている。つまり、一対のZ方向リニアガイド部93A,93Bは、粗動操作部70におけるXZ方向の中央部を間に挟むように配置されている。
なお、第2実施形態では、4つのリニアガイド部83,93(つまり、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bと、一対のZ方向リニアガイド部93A,93B)には、いずれもガイド軸が用いられている。しかし、4つのリニアガイド部83,93の少なくともいずれかに、ガイド軸とは異なる構成を採用することも可能である。例えば、ガイド軸の代わりにガイドレール等を採用してもよい。
図9に示すように、ガイドユニット82は、一対(2つ)のX方向スライド部84A,84Bを備える。X方向スライド部84Aは、X方向リニアガイド部83Aに装着されており、X方向リニアガイド部83Aに対して相対的にX方向にスライドする。X方向スライド部84Bは、X方向リニアガイド部83Bに装着されており、X方向リニアガイド部83Bに対して相対的にX方向にスライドする。
また、ガイドユニット82は、一対(2つ)のZ方向スライド部94A,94Bを備える。Z方向スライド部94Aは、Z方向リニアガイド部93Aに装着されており、Z方向リニアガイド部93Aに対して相対的にZ方向にスライドする。Z方向スライド部94Bは、Z方向リニアガイド部93Bに装着されており、Z方向リニアガイド部93Bに対して相対的にZ方向にスライドする。
第2実施形態では、4つのスライド部84,94(つまり、一対のX方向スライド部84A,84Bと、一対のZ方向スライド部94A,94B)には、ガイド軸が挿通される軸受けが用いられている。しかし、4つのスライド部84,94の少なくともいずれかに、軸受けとは異なる構成を採用することも可能である。例えば、軸受けの代わりに、ガイドレールに沿って相対的に移動するキャリッジ等を採用してもよい。
図10に示すように、第2実施形態のガイドユニット82によると、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bが、一対のX方向スライド部84A,84Bに対してX方向にスライドすることで、粗動操作部70のX方向の移動がガイドされる(図10の(0)および(1)参照)。また、一対のZ方向スライド部94A,94Bが、一対のZ方向リニアガイド部93A,93Bに対してZ方向にスライドすることで、粗動操作部70のZ方向の移動がガイドされる(図10の(0)および(2)参照)。つまり、X方向リニアガイド部83A,83BがX方向スライド部84A,84Bに対してスライドする一方で、Z方向スライド部94A,94BがZ方向リニアガイド部93A,93Bに対してスライドする。その結果、+X方向、-X方向、+Z方向、および-Z方向の各々に同様の構成(リニアガイド部とスライド部を用いる構成)を採用しつつ、粗動操作部70のX方向への移動、およびZ方向への移動に加えて、X方向とZ方向の両方に対して傾斜した斜め方向への移動も適切にガイドされる(図10の(0)および(3)参照)。
また、第2実施形態では、4つのリニアガイド部83,93の各々にスライド部84,94を装着する構成をガイドユニット82に採用することで、Y方向におけるガイドユニット82の大きさを小型化することが容易になる。特に、第2実施形態のガイドユニット82では、一対のX方向リニアガイド部83A,83B、および一対のZ方向リニアガイド部93A,93B(つまり、4つのリニアガイド部83,93)が、同一のXZ平面上に配置されている。従って、Y方向におけるガイドユニット82の大きさを小型化することが、さらに容易になる。
第2実施形態における4つのリニアガイド部83,93、および4つのスライド部84,94は、粗動操作部70のXZ方向における中央部を取り囲むように、中央部よりも+X方向、-X方向、+Z方向、および-Z方向の各々に配置される。従って、ガイドユニット82が、粗動操作部70の中央部に対していずれかの方向に片寄って配置されている場合に比べて、粗動操作部70からガイドユニット82に掛かる負荷が分散され易くなる。よって、粗動操作部70のXZ平面上における移動が、より円滑にガイドされ易くなる。特に、第2実施形態のガイドユニット82では、4つのリニアガイド部83,93は、粗動操作部70におけるXZ方向の中心を軸として、4回回転対称となる位置に配置されている。その結果、粗動操作部70からガイドユニット82に掛かる負荷が、さらに均等に分散され易くなる。よって、粗動操作部70のXZ平面上における移動が、より円滑にガイドされ易くなる。
図9に示すように、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bの各々には、X方向付勢部85A,85Bが設けられている。X方向付勢部85A,85Bは、X方向スライド部84A,84Bに対するX方向リニアガイド部83A,83Bの位置を、粗動操作部70がX方向に操作されていない状態のX初期位置(図9および図10に示す粗動操作部70の位置)に向けて付勢する。従って、X方向への粗動操作が終了した後の粗動操作部70の位置が、X方向付勢部85A,85Bによって自動的にX初期位置に戻り易くなる。
本実施形態では、粗動操作部70の位置がX初期位置である場合に、連結部97A(詳細は後述する)の図9における左端とX方向スライド部84Aの右端の間、および、連結部97D(詳細は後述する)の右端とX方向スライド部84Aの左端の間の各々の距離が等しくなる。連結部97Aの左端とX方向スライド部84A右端の間、および、連結部97Dの右端とX方向スライド部84Aの左端の間の各々に、X方向付勢部85A(本実施形態では、X方向リニアガイド部83Aに挿通されるバネ)が設けられている。2つのX方向付勢部85Aの付勢力は略同一である。同様に、粗動操作部70の位置がX初期位置である場合に、連結部97B(詳細は後述する)の左端とX方向スライド部84Bの右端の間、および、連結部97Cの右端とX方向スライド部84Bの左端の間の各々の距離が等しくなる。連結部97Bの左端とX方向スライド部84B右端の間、および、連結部97Cの右端とX方向スライド部84Bの右端の間の各々に、X方向付勢部85B(本実施形態では、X方向リニアガイド部83Bに挿通されるバネ)が設けられている。2つのX方向付勢部85Bの付勢力は略同一である。以上の構成によって、粗動操作部70の位置は、より適切にX初期位置に戻り易くなる。
また、一対のZ方向リニアガイド部93A,93Bの各々には、Z方向付勢部95A,95Bが設けられている。Z方向付勢部95A,95Bは、Z方向リニアガイド部93A,93Bに対するZ方向スライド部94A,94Bの位置を、粗動操作部70がZ方向に操作されていない状態のZ初期位置に向けて付勢する。従って、Z方向への粗動操作が終了した後の粗動操作部70の位置が、Z方向付勢部95A,95Bによって自動的にZ初期位置に戻り易くなる。
本実施形態では、粗動操作部70の位置がZ初期位置である場合に、連結部97A(詳細は後述する)の図9における下端とZ方向スライド部94Aの上端の間、および、連結部97B(詳細は後述する)の上端とZ方向スライド部94Aの下端の間の各々の距離が等しくなる。連結部97Aの下端とZ方向スライド部94Aの上端の間、および、連結部97Bの上端とZ方向スライド部94Aの下端の間の各々に、Z方向付勢部95A(本実施形態では、Z方向リニアガイド部93Aに挿通されるバネ)が設けられている。なお、図9では、2つのZ方向付勢部95Aのうち、+Z方向のZ方向付勢部95Aが、粗動操作連動部81によって隠されている。2つのZ方向付勢部95Aの付勢力は略同一である。同様に、粗動操作部70の位置がZ初期位置である場合に、連結部97D(詳細は後述する)の図9における下端とZ方向スライド部94Bの上端の間、および、連結部97C(詳細は後述する)の上端とZ方向スライド部94Bの下端の間の各々の距離が等しくなる。連結部97Dの下端とZ方向スライド部94Bの上端の間、および、連結部97Cの上端とZ方向スライド部94Bの下端の間の各々に、Z方向付勢部95B(本実施形態では、Z方向リニアガイド部93Bに挿通されるバネ)が設けられている。なお、図9では、2つのZ方向付勢部95Bのうち、+Z方向のZ方向付勢部95Bが、粗動操作連動部81によって隠されている。2つのZ方向付勢部95Bの付勢力は略同一である。以上の構成によって、粗動操作部70の位置は、より適切にZ初期位置に戻り易くなる。
図9に示すように、X方向リニアガイド部83Bには、X方向移動量規制部86が設けられている。X方向リニアガイド部83Bが、+X方向および-X方向の各々の可動範囲の限界まで到達すると、X方向移動量規制部86がX方向スライド部84Bに接触する。その結果、粗動操作部70のX方向における移動量が、X方向移動量規制部86によって適切に規制される。なお、X方向リニアガイド部83Aにも同様のX方向移動量規制部が設けられてもよいことは言うまでもない。
また、Z方向スライド部94A,94Bが、+Z方向および-Z方向の各々の可動範囲の限界まで到達すると、Z方向スライド部94A,94Bが、連結部97A,97B,97C,97D(詳細は後述する)に接触する。その結果、粗動操作部70のZ方向における移動量が適切に規制される。
図7に示すように、本実施形態では、粗動操作部70が一対のZ方向スライド部94A,94Bの各々に連結されることで、粗動操作部70のXZ平面上における移動に同期して、一対のZ方向スライド部94A,94BもXZ平面上で移動する。一例として、本実施形態の粗動操作部70は、粗動操作連動部81を介して一対のZ方向スライド部94A,94Bの各々に連結されている。また、本実施形態では、4つのリニアガイド部83,93(つまり、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bと、一対のZ方向リニアガイド部93A,93B)は、互いに連結されることで、X方向に一体で移動する。図9に示すように、本実施形態では、X方向リニアガイド部83Aの+X方向側と、Z方向リニアガイド部93Aの+Z方向側が、連結部97Aによって連結されている。Z方向リニアガイド部93Aの-Z方向側と、X方向リニアガイド部83Bの+X方向側が、連結部97Bによって連結されている。X方向リニアガイド部83Bの-X方向側と、Z方向リニアガイド部93Bの-Z方向側が、連結部97Cによって連結されている。Z方向リニアガイド部93Bの+Z方向側と、X方向リニアガイド部83Aの-X方向側が、連結部97Dによって連結されている。また、一対のX方向スライド部84A,84Bは、土台であるベース部90(図7~図9参照)に固定されている。
以上の構成を備えたガイドユニット82の動作について説明する。図10の(0)および(2)に示すように、粗動操作部70がZ方向に移動されると、粗動操作部70に連結された一対のZ方向スライド部94A,94BもZ方向に移動する。その結果、一対のZ方向スライド部94A,94Bが、一対のZ方向リニアガイド部93A,93Bに対してZ方向にスライドするので、粗動操作部70のZ方向の移動が適切にガイドされる。また、図10の(0)および(1)に示すように、粗動操作部70がX方向に移動されると、一対のZ方向スライド部94A,94BもX方向に移動するので、互いに連結された4つのリニアガイド部83,93も、Z方向スライド部94A,94Bと共にX方向に移動する。4つのリニアガイド部83,93がX方向に一体で移動すると、一対のX方向リニアガイド部83A,83Bが、一対のX方向スライド部84A,84Bに対して同期してX方向に移動するので、粗動操作部70のX方向の移動も適切にガイドされる。よって、粗動操作部70のXZ平面上における移動が適切にガイドされる(図10の(3)参照)。
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態の操作桿61は、傾倒角度が所定範囲を超えると、環状である粗動操作部70に接触することで、粗動操作部70をスライドさせつつ傾倒される。しかし、操作桿61と粗動操作部70を接触させる構成を採用しなくても、操作桿61の所定範囲を超える傾倒操作と、粗動操作部70の操作の両方による粗動の指示の入力を受け付けることも可能である。例えば、操作桿61の傾倒角度が所定範囲を超えたことが、傾倒検出部68によって検出されてもよい。また、操作桿61の傾倒角度が所定範囲を超えた場合に、操作桿61の傾倒操作に連動して移動する部材が検出部(センサ等)によって別途検出されてもよい。
また、第2実施形態で例示した操作ユニット80は、一対(2つ)のX方向リニアガイド部83A,83Bと、一対のX方向スライド部84A,84Bを備える。しかし、X方向リニアガイド部およびX方向スライド部の各々の数を1つとすることも可能である。また、第2実施形態で例示した操作ユニット80は、一対(2つ)のZ方向リニアガイド部93A,93Bと、一対のZ方向スライド部94A,94Bを備える。しかし、Z方向リニアガイド部およびZ方向スライド部の各々の数を1つとすることも可能である。これらの場合でも、本開示のガイドユニットは、狭いスペースへの設置が容易であり、且つ、粗動操作部の移動を円滑にガイドすることができる。
なお、図6のS4,S5で検眼ユニット2の位置を微動させる処理は、「微動ステップ」の一例である。図6のS7,S8で検眼ユニット2の位置を粗動させる処理は、「粗動ステップ」の一例である。
1 眼科装置
2 検眼ユニット
3 筐体
4 駆動部
50 制御部
51 CPU
60,80 操作ユニット
61 操作桿
62 把持部
65 球部
66 作用部
68 傾倒検出部
69 軸受け部
70 粗動操作部
71,81 粗動操作連動部
77XP +X粗動操作検出部
77XM -X粗動操作検出部
77ZP +Z粗動操作検出部
77ZM -Z粗動操作検出部
79 付勢部
82 ガイドユニット
83A,83B X方向リニアガイド部
84A,84B X方向スライド部
85A,85B X方向付勢部
93A,93B Z方向リニアガイド部
94A,94B Z方向スライド部
95A,95B X方向付勢部
99 粗動操作検出部

Claims (12)

  1. 被検眼を検査するための検眼ユニットと、
    前記被検眼に対する前記検眼ユニットの相対位置を移動させる駆動部と、
    任意の方向に傾倒可能に支持される操作桿と、
    前記検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される粗動操作部と、
    前記操作桿および前記粗動操作部の操作を検出する操作検出ユニットと、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記操作桿の所定範囲内における傾倒操作が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて前記駆動部を制御することで、前記検眼ユニットの位置を微動させる微動ステップと、
    前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作、および、前記粗動操作部の操作の少なくとも一方が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて前記駆動部を制御することで、前記検眼ユニットの位置を粗動させる粗動ステップと、
    を実行することを特徴とする眼科装置。
  2. 請求項1に記載の眼科装置であって、
    前記粗動操作部は、略棒状である前記操作桿の外周を取り囲んで配置される環状の部材であり、二次元方向にスライド可能に支持されることを特徴とする眼科装置。
  3. 請求項1または2に記載の眼科装置であって、
    前記操作桿は、
    傾倒角度が前記所定範囲内である場合に、前記粗動操作部とは独立して傾倒され、
    傾倒角度が前記所定範囲を超える場合に、前記粗動操作部に接触して前記粗動操作部を操作させつつ傾倒されることを特徴とする眼科装置。
  4. 請求項3に記載の眼科装置であって、
    前記操作検出ユニットは、前記粗動操作部が操作されたことを検出する粗動操作検出部を備え、
    前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作、および、前記粗動操作部の操作の両方が、前記粗動操作検出部によって検出されることを特徴とする眼科装置。
  5. 請求項3または4に記載の眼科装置であって、
    前記粗動操作部を、傾倒角度が前記所定範囲の境界に達した状態の前記操作桿に接触する位置である初期位置に向けて付勢する付勢部をさらに備え、
    前記付勢部は、前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作が終了すると、前記粗動操作部を前記初期位置に移動させると共に、前記粗動操作部に接触している前記操作桿の傾倒角度を前記所定範囲内に戻すことを特徴とする眼科装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の眼科装置であって、
    前記操作検出ユニットは、前記粗動操作部の操作量が規定量を超えた場合に、前記粗動操作部が操作されたことを検出することを特徴とする眼科装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の眼科装置であって、
    前記粗動操作部がスライドされる二次元平面であるスライド平面上の一方向をX方向、前記スライド平面上でX方向に交差する方向をZ方向、前記スライド平面に対して交差する方向をY方向とした場合に、
    前記粗動操作部の前記スライド平面上における移動をガイドするガイドユニットをさらに備え、
    前記ガイドユニットは、
    X方向に直線状に延びるX方向リニアガイド部と、
    Z方向に直線状に延びるZ方向リニアガイド部と、
    前記X方向リニアガイド部に装着され、装着された前記X方向リニアガイド部に対して相対的にX方向にスライドするX方向スライド部と、
    前記Z方向リニアガイド部に装着され、装着された前記Z方向リニアガイド部に対して相対的にZ方向にスライドするZ方向スライド部と、
    を備え、
    前記X方向リニアガイド部が、前記X方向スライド部に対してX方向にスライドすることで、前記粗動操作部のX方向の移動がガイドされ、
    前記Z方向スライド部が、前記Z方向リニアガイド部に対してZ方向にスライドすることで、前記粗動操作部のZ方向の移動がガイドされることを特徴とする眼科装置。
  8. 請求項7に記載の眼科装置であって、
    一対の前記X方向リニアガイド部が、前記粗動操作部におけるXZ方向の中央部よりも+Z方向側と-Z方向側の各々に配置され、且つ、互いに平行な状態でX方向に直線状に延びており、
    一対の前記Z方向リニアガイド部が、前記粗動操作部におけるXZ方向の中央部よりも+X方向側と-X方向側の各々に配置され、且つ、互いに平行な状態でZ方向に直線状に延びており、
    一対の前記X方向スライド部が、前記一対のX方向リニアガイド部の各々に装着されており、
    一対の前記Z方向スライド部が、前記一対のZ方向リニアガイド部の各々に装着されていることを特徴とする眼科装置。
  9. 請求項7または8に記載の眼科装置であって、
    前記X方向リニアガイド部には、前記X方向スライド部に対する前記X方向リニアガイド部の位置を、前記粗動操作部がX方向に操作されていない状態のX初期位置に向けて付勢するX方向付勢部が設けられており、
    前記Z方向スライド部には、前記Z方向リニアガイド部に対する前記Z方向スライド部の位置を、前記粗動操作部がZ方向に操作されていない状態のZ初期位置に向けて付勢するZ方向付勢部が設けられていることを特徴とする眼科装置。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の眼科装置であって、
    前記X方向リニアガイド部と前記Z方向リニアガイド部が、同一のXZ平面上に配置されていることを特徴とする眼科装置。
  11. 請求項7から10のいずれかに記載の眼科装置であって、
    前記粗動操作部が前記Z方向スライド部に連結されることで、前記粗動操作部のXZ平面上における移動に同期して、前記Z方向スライド部もXZ平面上で移動し、
    前記X方向リニアガイド部と前記Z方向リニアガイド部は、互いに連結されることで、X方向に一体で移動することを特徴とする眼科装置。
  12. 被検眼に対する眼科装置の検眼ユニットの相対位置を移動させるために、検者によって操作される操作ユニットであって、
    任意の方向に傾倒可能に支持される操作桿と、
    前記検眼ユニットを粗動させるために検者によって操作される粗動操作部と、
    前記操作桿および前記粗動操作部の操作を検出する操作検出ユニットと、
    を備え、
    前記操作桿の所定範囲内における傾倒操作が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された傾倒操作に応じて前記検眼ユニットの位置が微動され、
    前記操作桿の前記所定範囲を超える傾倒操作、および、前記粗動操作部の操作の少なくとも一方が前記操作検出ユニットによって検出された場合に、検出された操作に応じて前記検眼ユニットの位置が粗動されることを特徴とする操作ユニット。
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