JP2024018949A - カートリッジ - Google Patents

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Daisuke Baba
正健 田中
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Abstract

【課題】 従来のプロセスカートリッジを発展させる。【解決手段】 回転可能な現像ローラと、現像ローラを回転可能に支持する現像フレームと、トナー粒子及び外添剤を有するトナーと、トナーを収容するトナー収容部と、現像ローラの表面に当接して現像ローラの表面にトナーを供給する供給ローラと、現像ローラの表面に当接して現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制する規制ブレードと、供給ローラと規制ブレードと、に電気的に接続され、外部から電力を受けることが可能な電気接点と、を有し、トナーが、外添剤としてのハイドロタルサイト粒子を有し、トナーのSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在する。【選択図】 図1

Description

本発明は、カートリッジに関する。
電子写真プリンタ等の画像形成装置に使用される現像装置、画像形成装置に着脱可能なカートリッジにおいては、現像剤としてのトナーを現像剤担持体から静電潜像担持体に供給することで画像形成が行われる。一般的に、現像剤担持体へのトナー供給は、一成分非磁性トナーの場合では発泡層内にトナーを含むことが可能な現像剤供給部材を用い、現像剤担持体の表面にトナーの供給を行う。現像剤担持体の表面に供給されたトナーは、現像剤担持体に当接した規制ブレードによりトナーを規制されることにより、適切なトナー量に規制されるとともに、電荷の付与が行われる。このとき、トナーの供給力を上げるために、現像剤供給部材と現像剤担持体との間に電位差を設けることがある。また、トナーに適切な電荷を付与するために規制部材と現像剤担持体との間に電位差を設けることがある。
特許文献1では、現像剤供給部材と規制部材との接点を共通化して、それぞれの部材に電圧を印加する構成が記載されている。
特開2018-124368号公報
本発明の目的は、従来のカートリッジをさらに発展させたカートリッジを提供することである。
以上より、本発明の画像形成装置は、回転可能な現像ローラと、前記現像ローラを回転可能に支持する現像フレームと、トナー粒子及び外添剤を有するトナーと、前記トナーを収容するトナー収容部と、前記現像ローラの表面に当接して前記現像ローラの表面に前記トナーを供給する供給ローラと、前記現像ローラの表面に当接して前記現像ローラの表面に担持される前記トナーの層厚を規制する規制ブレードと、前記供給ローラと前記規制ブレードと、に電気的に接続され、外部から電力を受けることが可能な電気接点と、を有し、前記トナーが、前記外添剤としてのハイドロタルサイト粒子を有し、前記トナーのSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、前記ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在する。
以上説明したように、本発明によれば、従来のカートリッジをさらに発展させたカートリッジを提供することができる。
実施例1の画像形成装置の概略断面図 実施例1の画像形成装置の制御態様を示す概略ブロック図 実施例1のプロセスカートリッジ1に付属する電圧供給部品図 実施例1の画像形成装置からプロセスカートリッジへの電圧供給回路図 実施例1の外添剤のライン分析の模式図 比較例のプロセスカートリッジに付属する電圧供給部品図 比較例の画像形成装置からプロセスカートリッジへの電圧供給回路図 実施例1の変形例における画像形成装置からプロセスカートリッジへの電圧供給回路図 実施例1の変形例における画像形成装置からプロセスカートリッジへの電圧供給回路図 実施例1の変形例における画像形成装置からプロセスカートリッジへの電圧供給回路図 実施例2の画像形成装置の概略断面図 実施例2の画像形成装置の制御態様を示す概略ブロック図 供給ローラバイアス、規制ブレードバイアスが変化したときの関係図 実施例1のプロセスカートリッジの詳細断面図 実施例1の現像ローラの抵抗測定図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
1.画像形成装置
図1は、本発明にかかる第1実施形態としての画像形成装置100の概略構成を示す図である。図1は画像形成時の概略構成図を示す。但し、実施形態における構成部品や寸法、配置等は適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を限定するものではない。
図1を参照して、画像形成装置の全体の構成について説明する。図1は本発明の実施例に係る画像形成装置の概略構成を断面的に示している。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてモノクロ(ブラック単色画像)を形成することが可能なレーザプリンタである。
画像形成装置100は、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(感光ドラム)11を有する。画像形成動作が開始されると、感光体11は、駆動手段を構成する駆動源としての駆動モータ161(図2)から伝達される駆動力により、図中矢印A1方向(時計回り方向)に回転駆動される。本実施例では、感光体11は、アルミニウムなどの導電性材料で形成された導電性の芯金と、導電性の芯金の上に形成された電荷発生層と、電荷発生層の上に形成された電荷輸送層と、を有する有機感光体である。
回転する感光体11の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ21によってトナーの正規極性である所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ21は、その表面(外周面)が感光体11の表面(外周面)に当接されて帯電部N2を形成している。本実施例では、帯電ローラ21は、円筒状の導電性の支持体の表面が所定の電気抵抗特性を有する弾性層で覆われて構成された弾性体ローラである。この帯電ローラ21は、導電性の支持体の回転軸線方向における両端部がバネにより加圧されることで、感光体11の表面に所定の加圧力で当接されている。帯電ローラ21は、感光体11の回転に伴って従動回転する。帯電処理時に、帯電ローラ21には、帯電電圧印加手段(帯電電圧印加部)としての帯電電源171(図2)から、所定のタイミングで所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、帯電ローラ21には、帯電電圧として負極性の直流電圧が印加される。感光体11の一様に帯電処理された表面(非画像部)は、負極性の暗電位になる。
帯電処理された感光体11の表面は、露光手段(静電像形成手段)としての露光装置(レーザ露光ユニット)131によって走査露光され、感光体11上に静電潜像(静電像)が形成される。露光装置131は、画像情報(画像データ)に応じて、感光体11の主走査方向(感光体11の回転軸方向と略平行)に沿って感光体11の表面にレーザビームを走査して露光を行う。また、露光装置131は、画像情報に応じて、上記主走査方向に沿う露光を、副走査方向(感光体11の表面の移動方向と略平行)に沿ってタイミングを合わせて繰り返す。これにより、感光体11上に静電潜像が形成される。感光体11の露光された表面である露光部(画像部、イメージ部)は、明電位になる。
感光体11上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置(現像ユニット)2によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光体11上にトナー像(トナー画像、現像剤像)が形成される。本実施例では、現像装置2に収容される現像剤は、一成分非磁性トナーを用いる。トナーの詳細については後述して説明する。現像装置2は、現像剤担持体(現像部材)としての現像ローラ31を有する。現像時に、現像ローラ31は、その表面(外周面)が感光体11の表面(外周面)に当接され現像部N1を形成する。また、現像時に、現像ローラ31には、現像電圧印加手段(現像電圧印加部)としての現像電源172(図2)から、所定のタイミングで所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像ローラ31には、現像電圧として負極性の直流電圧が印加される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光体11上の露光部(画像部、イメージ部)に、感光体11の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。すなわち、本実施例では、上記したように、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。現像は、現像ローラ31に印加される現像電圧と感光体11上の明電位との間に形成される電位差(現像コントラスト)により行われるため、現像ローラ31には所定の現像電圧が印加される。現像ローラ31の表面に形成される表面電位と現像ローラ31に印加された現像電圧の大きさは略同じであるとする。現像ローラ31は感光体11と逆方向の図中矢印A2方向(反時計回り方向)(接触部における移動方向は順方向)に回転する。また、本実施例では、現像ローラ31の表面の移動速度と感光体11の表面の移動速度との間には速度差(現像ローラ31の表面の移動速度の方が速い)が設けられている。現像装置2についても、後述して更に説明する。ここで、各部材の表面の移動速度は、各部材の回転速度と言い換えてもよい。
感光体11に対向して、転写手段としてのローラ型の転写部材である転写ローラ111が配置されている。転写ローラ111は、感光体11に向けて押圧され、感光体11と転写ローラ111との接触部である転写部(転写ニップ)N3を形成する。感光体11上に形成されたトナー像は、転写部N3において、転写ローラ111の作用によって、感光体11と転写ローラ111とに挟持されて搬送される記録材R上に転写される。転写時に、転写ローラ111には、転写電圧印加手段(転写電圧印加部)としての転写電源174(図2)から、所定のタイミングで所定の転写電圧(転写バイアス)が印加される。本実施例では、転写ローラ111には、転写電圧としてトナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の直流電圧が印加される。紙などのシート状の記録材(転写材、記録媒体、シート)Rは、給紙部(給送部)181から転写部N3へと供給される。給紙部181は、記録材収容部としてのカセット182、搬送部材としての搬送ローラ183などを有する。記録材Rは、カセット182に収容されており、搬送ローラ183などによって感光体11上のトナー像とタイミングが合わされて転写部N3へと搬送される。給紙部181に関しては、後述する図11を参照にされたい。
トナー像が転写された記録材Rは、定着手段としての定着装置121へと搬送される。定着装置121は、未定着のトナー像を担持した記録材Rに熱及び圧力を加えて、トナー像を記録材Rに定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Rは、排紙部(排出部)191から排出(出力)されて、画像形成装置100の上部に設けられたトレイ192上に積載される。
本実施例の構成は所謂クリーナレス構成である。クリーナレス構成であるため、感光体11上に当接したクリーニング部材が存在しない。転写部N3で記録材Rに転写されずに感光体11上に残留したトナー(転写残トナー)は、現像ユニット2と別のトナー収容部(廃トナー収容部)内に収容されるのではなく、現像ユニット2に装着されている現像ローラ31によって現像器2内に収容される。プロセスカートリッジ1を含む画像形成装置100の断面図である図1、図11、ならびにプロセスカートリッジ1の詳細を示す図14に示すように、感光体11の画像形成領域に接触可能に配置されている部材は、帯電ローラ21と現像ローラ31だけである。つまり、感光体11と帯電ローラ21との接触部である帯電部N2を通過した感光体11の表面が何にも接触することなく感光体11と現像ローラ31との接触部である現像部N1を通過することとなる。つまり、画像形成装置100外で、プロセスカートリッジ1の状態で感光体11を回転させると、現像部N1を通過した感光体11の表面は、特に何にも接触することなく帯電部N2を通過することとなる。
続いて、転写残トナーが現像ローラ31によって回収されるプロセスを説明する。トナー像を形成するトナーのうち、逆極性(正帯電)に帯電した電荷や絶対値で低め(0に近い電荷量)の電荷を有しているトナーが主に転写残トナーになる。ここで、トナー像の大部分のトナーは正規極性である負極性に帯電している。転写残トナーが存在している感光体11に対し、前露光手段6によって光を照射することで感光体11に形成される表面電位の絶対値を小さくする。この感光体11表面に形成された電位と帯電ローラ21に印加する帯電電圧との電位差による放電によって、感光体11が暗電位に帯電される。この時、感光体11が帯電されるとともに転写残トナーも同時に負極性に帯電される。転写残トナーは負極性に帯電されると、感光体11と帯電ローラ21との当接部N2においては、その電位関係から感光体11に残留したままで当接部N2を通過する。その後、現像部N1である感光体11と現像ローラ31との当接部で、現像ローラ31と暗部電位との電位関係(バックコントラスト)により、正規極性に帯電した転写残トナーは現像ローラ31に付着し、現像ユニット2に回収される。本実施例のようなクリーナレス構成においては、転写部N3での転写残留トナーを極力少なくすることが肝要である。そのためには、現像されたトナーの電荷が適正な範囲であることが重要であり、すなわち、感光体11上のトナー像を形成するトナーが、逆極性(正帯電)の電荷のものや0に近い電荷のものが少ないことが求められる。
なお、本実施例では、感光体11と、感光体11に作用するプロセス手段としての帯電ローラ21、現像装置2とは、一体的に画像形成装置100に対して着脱可能なプロセスカートリッジ1を構成している。また、転写ローラ111、露光装置131、定着装置121、前露光手段6、制御部141、各種電源などは、画像形成装置100に取り付けられている。
2.プロセスカートリッジ
次に、本実施例におけるプロセスカートリッジ1について更に説明する。
プロセスカートリッジ1は、現像装置(現像ユニット)2と、感光体ユニット3と、を有して構成される。現像装置2は、詳しくは後述するように、現像ローラ31と、供給ローラ32と、現像ブレード33と、現像剤収容部を兼ねる現像容器36と、を有する。現像容器36は、現像ローラ31と、供給ローラ32と、現像ブレード33を支持する現像フレームを兼ねる。感光体ユニット3は、感光体11と、帯電ローラ21と、を有し、それぞれを支持する。そして、現像装置2と感光体ユニット3とは、現像装置2が感光体11の回転軸線方向と略平行な回転軸線を中心として感光体ユニット3に対して揺動可能なように結合されている。より具体的には、現像装置2の現像容器(現像フレーム)36と、感光体ユニット3の感光体支持容器(感光体ユニットフレーム)61とが、揺動可能に結合されることで、プロセスカートリッジ1は一体化されている。これにより、現像装置2は、現像ローラ31が感光体11に当接する当接位置と、現像ローラ31が感光体11から離間する離間位置とに移動することが可能である。現像装置2が当接位置と離間位置と、に移動することが可能な構成とすることで、現像器2や感光体11が無駄に消耗することを抑制している。つまり、離間位置では、現像装置2の駆動を停止させることで現像ローラ31や供給ローラ32の回転を停止させ、トナーが消耗することを抑制し、感光体11は現像ローラ31と接触しなくなることで電荷輸送層の摩耗を抑制している。現像ローラ31の表面移動速度は、感光体11の表面移動速度に対し1.4倍の速さで回転している。
また、プロセスカートリッジ1には、記憶手段としての不揮発性メモリ34が搭載されている。不揮発性メモリ34には、プロセスカートリッジ1の寿命に関する情報である寿命情報や、現像装置2内のトナー量に関する情報であるトナー量情報などの情報が記憶される。ここで、寿命情報とは、感光体1の回転距離や現像ローラ31の回転距離、記録材Rの印刷枚数などが挙げられる。不揮発性メモリ34は、プロセスカートリッジ1が画像形成装置100に装着された際に、画像形成装置100に設けられた制御部141と接続される。この制御部141によって、不揮発性メモリ34に記憶されている情報の読み出し、不揮発性メモリ34への情報の書き込みが行われる。これにより、画像形成装置100の電源が切られた際や、1つのプロセスカートリッジ1を2つ以上の画像形成装置100で使用する際にも、制御部141に適切な情報を提供することができる。
3.現像装置
次に、本実施例における現像装置(現像ユニット)2について更に説明する。
現像装置2は、現像剤としてのトナーを担持して搬送し、感光体11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像する、現像剤担持体(現像部材)としての現像ローラ31を有する。また、現像装置2は、現像ローラ31へのトナーの供給を行うと共に、現像ローラ31からのトナーの剥ぎ取りを行う、現像剤供給部材(現像剤供給剥ぎ取り部材)としての供給ローラ(供給剥ぎ取りローラ)32を有する。また、現像装置2は、現像ローラ31上に供給されたトナーを所定のトナー量に規制する規制部材としての現像ブレード33を有する。また、現像装置2は、内部にトナー収容部37を形成する現像容器36を有する。トナー収容部37内には、現像剤としての一成分非磁性トナーが収容されている。
現像ローラ31及び供給ローラ32は、それぞれ回転可能に現像容器36に支持されている。供給ローラ32は、その表面(外周面)が現像ローラ31の表面(外周面)と接触するように配置されている。現像ローラ31は、供給ローラ32によってトナーが供給されて、その表面にトナーを担持する。現像ローラ31の表面に担持されたトナーは、現像ブレード33によってその量が規制されると共に摩擦帯電されて、感光体11と現像ローラ31との当接部N1(現像部)へと搬送される。また、感光体11と現像ローラ31との当接部N1(現像部)を通過した後に、現像ローラ31の表面に残っているトナーは、供給ローラ32によって現像ローラ31の表面から剥ぎ取られて、トナー収容部37内に戻される。
本実施例では、現像ローラ31及び供給ローラ32は、それぞれ感光体11を駆動する駆動モータ161(図2)からの駆動力が伝達されて回転駆動される。現像ローラ31は、図1中矢印A2方向(反時計回り方向)に回転駆動される。感光体11の回転方向と現像ローラ31の回転方向とは逆方向である。すなわち、現像ローラ31は、感光体11と現像ローラ31との対向部(当接部)において感光体11の表面の移動方向と現像ローラ31の表面の移動方向とが順方向となる方向に回転駆動される。また、供給ローラ32は、図1中矢印A3方向(反時計回り方向)に回転駆動される。現像ローラ31の回転方向と供給ローラ32の回転方向とは同一方向である。すなわち、供給ローラ32は、現像ローラ31と供給ローラ32との対向部(接触部)において、現像ローラ31の表面の移動方向と供給ローラ32の表面の移動方向と逆方向となる方向に回転駆動される。供給ローラの表面移動速度は、現像ローラ31の表面移動速度に対して0.83倍の速度である。
本実施例では、現像ローラ31は、金属製の芯金31aの周囲に、弾性層としての所定の体積抵抗を有する導電性弾性ゴム層が設けられて構成された、弾性体ローラである。本実施例の現像ローラ31は、以下の測定方法においての電流値が1000μAであった。電流値の測定方法を、図15を用いて説明する。温度23℃、湿度50%の環境下において、直径30mmの鏡面金属製円筒部材51と現像ローラ31とを当接荷重500gfで現像ローラ31の長手方向全域にわたって当接させた状態で、該鏡面金属製円筒部材51を1.0rpsの周速度で回転させる。そして、現像ローラ31の芯金と該鏡面金属製円筒部材51の間に50Vの直流電圧を印加して、接地側に接続した100Ωの抵抗の両端電圧を測定し、測定した電圧値から現像ローラ31の電流値を算出する。電圧の計測には、電圧計40(FLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用い、電圧印加後2秒から3秒までの1秒間の平均値から計算される値を用いた。本実施例における現像ローラ31の電流値は100~2000μAが好ましい。現像ローラ31は基層と表層からなる。基層にはシリコーンゴムを用い、表層にはウレタンゴムを用い、表層のウレタンゴム中にはウレタンビーズの粒子を分散させ、所望の粗さを設定している。供給ローラ32は、金属製の芯金32aの周囲に、弾性層としての所定の体積抵抗に調整された発泡ウレタン層が設けられて構成された、発泡弾性体ローラである。この発泡ウレタン層の表層では、発泡セルが開口しており、トナーを保持及び搬送しやすくなっている。また、本実施例では、現像ブレード33は、可撓性を有する板状部材と板状部材を固定する現像ブレード支持体33aとで構成されている。本実施例では、現像ブレード33は、SUS(ステンレス鋼)などを用いて形成された弾性板で構成されている。現像ブレード33は、その長手方向が現像ローラ31の回転軸線方向と略平行に配置されている。また、現像ブレード33は、その短手方向における一方の端部(固定端部)が現像容器36に固定されている。供給ローラ32より現像ローラ31に供給されたトナーは、現像ブレード33により規制されて現像ローラ31上で均一なトナーコートを形成する。現像ブレード33は、その短手方向における他方の端部(自由端部)側の先端に近い板面(現像ブレード33の長手方向に沿って延在する側面)と現像ローラ31の導電性弾性ゴム層の表面とが摺擦するように配置されている。そのため、現像ブレード33によって、現像ローラ31上のトナーコートの形成と同時に、現像ローラ31上のトナーは摩擦帯電されて電荷が付与される。
また、画像形成装置100は、現像ローラ31、供給ローラ32及び現像ブレード33の電位(印加される電圧)を適切に設定することができるように構成されている。現像ローラ31に印加される電圧は、前述の明電位及び暗電位に対するコントラスト(現像コントラスト、バックコントラスト)が適切になるような電圧に設定される。また、供給ローラ32に印加される電圧は、主に現像ローラ31に対するトナーの供給が適切に行われるような電圧に設定される。また、現像ブレード33に印加される電圧は、主にトナーへの電荷付与が適切に行われるような電圧に設定される。そのため、供給ローラ32に印加される電圧及び現像ブレード33に印加される電圧は、それぞれ現像ローラ31に印加される電圧に対して適切となるように設定される。本実施例では、供給ローラ32に印加される電圧及び現像ブレード33に印加される電圧は同一であり、現像ローラ31に印加される電圧に対する電位差が-100Vとなるように設定されている。具体的には、現像ローラ31に印加する電圧が-325Vであり、供給ローラ32に印加される電圧及び現像ブレード33に印加される電圧は、-425Vである。これは、本実施例では負帯電性のトナーを用いていることに起因する。つまり、供給ローラ32の電位及び現像ブレード33の電位は、それぞれ現像ローラ31の電位に対する電位差がマイナス側の電位差となるように設定される。すなわち、供給ローラ32の電位及び現像ブレード33の電位は、それぞれ現像ローラ31の電位よりも、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)側に高い電位となるように設定される。これにより、供給ローラ32から現像ローラ31に向けてトナーを付勢してトナーを現像ローラ31に適切に供給することができる。また、現像ブレード33によりトナーに正規の帯電極性の電荷を適切に付与することができる。また、明部電位は-70Vに設定し、暗部電位は-525Vに設定している。つまり、現像するための現像電位差(現像コントラスト)は255Vで、非画像形成のための電位差(バックコントラスト)は200Vである。
現像ブレード33と供給ローラ32に供給する電圧について、図3、図4を用いてより詳しく述べる。図3は、現像電圧本体接点182及び供給/規制本体接点183から現像ローラ31、現像ブレード33、供給ローラ32に電圧を供給するための電圧供給部品300の斜視図(図3(a))および正面図(図3(b))、背面図(図3(c))である。正面図とは画像形成装置に設置される側から見た図で、背面図とは電圧供給部品300の現像ローラ31や供給ローラ32などと設置する側から見た図である。つまり、正面図とは、現像ローラ31などが配置される側から見た図であり、背面図とは、プロセスカートリッジ1を外側から見た場合に見ることが出来る側から見た図である。図4は、画像形成装置100の現像電圧本体接点182及び供給/規制電圧本体接点183からプロセスカートリッジ1の現像ローラ31、供給ローラ32及び規制ブレード33に電圧を印加するに至るまでの回路図である。電圧供給部品300は画像形成装置100に設けられた現像電源本体接点182と接する現像電圧接点301と、供給/規制電圧本体接点183と接する供給/規制電圧接点302とを有している。現像電圧接点301と現像ローラ31の軸31aを保持する現像ローラ保持部310を導通するように、導通経路311は導電樹脂で形成されている(図3(a)、(b)、(c)の黒塗り部)。同様に、供給/規制電圧接点302から供給ローラ32の軸32aを保持する供給ローラ保持部320と規制ブレード33と接する規制ブレード接点330と、を導通する導通経路321は導電樹脂で形成されている(図3(a)、(b)、(c)の斜線部)。現像電圧接点301から現像ローラ保持部310に至る導電樹脂311と、供給/規制電圧接点302から供給ローラ保持部320および規制ブレード接点330とに至る導電樹脂321とは独立して形成されている。そのため、それぞれ独立の電圧を印加することができる(図4の回路図参照)。前述のように、画像形成装置100から、供給ローラ32及び現像ブレード33に供給される電源は一つであり、供給/規制電源173(図2)である。画像形成装置100に設けられた供給/規制電源173の供給/規制電圧本体接点183と、現像ユニット2に付属した電圧供給部品300の供給/規制電圧接点302とが接すると、画像形成装置100本体の出力電圧が現像ユニット2に供給できるようになる。プロセスカートリッジ1が画像形成装置100に装着されることにより、供給/規制電圧接点302は、供給/規制電圧本体接点183と接続され、供給/規制電源173からの電圧が供給される。同様に、画像形成装置100に設けられた現像電源172の現像電圧本体接点182と、現像ユニット2に付属した電圧供給部品300の現像電圧接点301とが接することで、画像形成装置100本体の出力電圧が現像ユニット2に供給できるようになる。プロセスカートリッジ1が画像形成装置100に装着されることにより、現像電圧接点301は、現像電圧本体接点182と接続され、現像電源172からの電圧が供給される。前述のように、同一電源からの電圧をカートリッジ内で分岐することで、現像ブレード33と供給ローラ32には同一の電圧が印加できる。供給ローラ32に電圧を供給する電源と、現像ブレード33に電圧を供給する電源が別の場合には、供給電圧をそれぞれ同電圧としたとしても、電源の個体差によって、厳密には供給電圧が異なる。そのため、供給ローラ32と現像ブレード33の電位を同じにすることは困難である。一般的に安価な電源を用いた場合に、この電源の個体差による電圧のばらつきは大きくなる。そこで、現像ユニット2を上述のような電圧印加構成にしておくことで、画像形成装置100の電源の個体差に対しても現像ブレード33と供給ローラ32には電位差のない電圧を、安価な構成で供給することができる。本実施例では、画像形成装置100からプロセスカートリッジ1への電圧供給を、電圧供給部品300に設けた導電樹脂を導通経路として用いることにより行っている。電圧供給は必ずしも導電樹脂によって行う必要性はなく、導電樹脂を金属に置き換えたり、導電樹脂の一部を金属に置き換えたりしてもよい。
このように、現像時、現像ローラ31には、現像電圧印加手段(現像電圧印加部)としての現像電源172(図2)から、所定のタイミングで所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像ローラ31には、現像電圧として負極性の直流電圧が印加される。また、現像時に、現像ブレード33と供給ローラ32には、供給/規制電圧印加手段(供給/規制電圧印加部)としての供給/規制電源173(図2)から、所定のタイミングで所定の電圧(供給/規制バイアス)が印加される。本実施例では、現像ブレード33ならびに供給ローラ32には、供給/規制電圧として現像電圧よりもトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)側に高い直流電圧が印加される。
4.トナー
<トナー構成>
次に、本実施例におけるトナーについて更に説明する。
以下、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
本実施例でのトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及びハイドロタルサイト粒子を含有するトナーである。ハイドロタルサイト粒子は、正極性に帯電しやすく、トナー粒子を負極性に帯電させるためのマイクロキャリアとして作用し得る。加えて、本実施例のトナーのハイドロタルサイト粒子はフッ素を含有している。ハイドロタルサイト粒子は正極性への帯電性が高い粒子であるため、強い正極性を持ってしまう。このハイドロタルサイト粒子にフッ素を含有させることで、ハイドロタルサイト粒子の帯電性及びその極性を調整することができる。フッ素を含有させることでハイドロタルサイト粒子が強い正極性に帯電させることを抑制することができるため、トナーが強い負極性になることを抑制することができる。一例として、同じトナー粒子にフッ素を含有しないハイドロタルサイトを外添したトナー(後述のトナー2)と、フッ素を含有するハイドロタルサイトを外添したトナー(後述のトナー1)と、フッ素の有無を問わずハイドロタルサイトを外添しないトナー(後述のトナー2において、ハイドロタルサイトを外添しないもの)を作成し、トナーの帯電量分布の測定を行った。本実施例の画像形成装置100ならびに、プロセスカートリッジ1を用い、無地(ベタ白)の画像形成を1枚行った後の、現像ローラ31上のトナーを採取する。現像ローラ31上のトナー採取位置は、現像ローラ31の回転方向で、現像ブレード33の当接位置より下流、かつ、現像部N1の上流位置のトナーを採取、採取されたトナーの帯電量を測定した。帯電量の測定は、ホソカワミクロン社製E-SpartAnalyzerを用いた。
まず、単位重さ当たりの帯電量Q/Mが正極性の個数割合を比較した。ハイドロタルサイトを外添していないトナーに比べて、フッ素を含有しないハイドロタルサイトを外添したトナーは、正極性のトナーの個数割合が16%、フッ素を含有するトナーのハイドロタルサイトを外添したトナーは、正極性のトナーの個数割合が約22%減少していることが確認できた。すなわち、ハイドロタルサイトが示した、トナーをネガに帯電させるマイクロキャリアとしての作用である。
次に強い負極性のトナーとして、単位重さ当たりの帯電量Q/Mが-30[μC/g]以上(絶対値で評価)のトナーの個数割合を比較した。すると、フッ素を含有しないハイドロタルサイトを外添したトナーに比べ、フッ素を含有するハイドロタルサイトを外添したトナーは、強い負極性のトナーの個数割合が約39%減少していることが確認できた。すなわち、この様なトナーを用いることにより、強い負極性の存在割合を低下させることで、必要な現像コントラストが大きくなることを抑制することが出来る。よって、現像濃度が薄くなることを抑制しながら、正極性に帯電したトナーを極力少なくすることでかぶりを抑制できる。
また、弱い負極性のトナーとして、単位重さ当たりの帯電量Q/Mが-0.75~-2.25[μC/g](絶対値で評価)のトナーの個数割合を比較した。フッ素を含有しないハイドロタルサイトを外添したトナーに比べ、フッ素を含有するハイドロタルサイトを外添したトナーは、弱い負極性のトナーの個数割合が約10%増加していることが確認できた。フッ素を含有するハイドロタルサイトを外添したトナーは、正極性のトナーを減少させているものの、例えば、電荷供給のバランスが崩れるといった外乱により、トナー帯電量が正極性側に振れた場合、帯電量がゼロや正極性になりやすい。
一例として、同じトナー粒子にフッ素を含有しないハイドロタルサイトを含有したトナーと、フッ素を含有するハイドロタルサイトを含有したトナーとを作成し、トナーの帯電量分布の測定を行った。本実施例の画像形成装置100ならびに、プロセスカートリッジ1を用い、無地(ベタ白)の画像形成を1枚行った後の、現像ローラ31上のトナーを採取する。採取されたトナーの帯電量を測定した。帯電量の測定は、ホソカワミクロン社製E-SpartAnalyzerを用いた。強い負極性のトナーとして、単位重さ当たりの帯電量Q/Mが-25[μC/g]以上(絶対値で評価)のトナーの個数割合を比較した。すると、フッ素を含有しないハイドロタルサイトを外添したトナーに比べ、フッ素を含有するハイドロタルサイトを外添したトナーは、強い負極性のトナーの個数割合が約23%減少していることが確認できた。すなわち、この様なトナーを用いることにより、強い負極性の存在割合を低下させることで、必要な現像コントラストが大きくなることを抑制することが出来る。よって、現像濃度が薄くなることを抑制しながら、正極性に帯電したトナーを極力少なくすることでかぶりを抑制できる。
本実施例でのトナーに用いられるハイドロタルサイト粒子について詳しく説明する。ハイドロタルサイト粒子は、フッ素を含有する。ここで、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素含有の有無は、トナーのSTEM-EDSマッピング分析により確認できる。分析条件などに関しては後述する方法を採用する。また、該ハイドロタルサイト粒子は、トナーのSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在する。具体的には、フッ素を含有するハイドロタルサイト粒子の外周に対して法線方向にEDSライン分析を行い、粒子内部に存在するフッ素が検出されることを意味する。上述の分析によってハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が検出されることは、フッ素がハイドロタルサイト粒子の層間にインターカレートされていることを表している。ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在することで、ハイドロタルサイト粒子が過度に正極性に帯電せずに、適度な正極性の帯電量を維持できる。ハイドロタルサイト粒子が適度な正極性の帯電量を維持できるのは、負極性の強いフッ素がハイドロタルサイト粒子の内部に存在することで、ハイドロタルサイト粒子の表面の正極性電荷を粒子の内部へとりこんで中和することができるためである。すなわち、粒子表面の過度の正極性への帯電を抑制できるためであると推定している。
なお、ハイドロタルサイト粒子の内部へのフッ素の導入は、陰イオン交換により、フッ化物イオンを層間へ導入(インターカレーション)することが好ましい。
トナーのSTEM-EDSマッピング分析によるハイドロタルサイト粒子の主成分マッピングから得られた、該ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素のアルミニウムに対する原子数濃度の比の値F/Al(元素比)は、0.01~0.65であることが好ましい。さらに、0.02~0.60であることがより好ましい。
具体的には、F/Alが、0.01以上であることにより、ハイドロタルサイト粒子の表面帯電分布が均一化でき、トナーの帯電安定性が良好となる。
また、F/Alが、0.65以下であることにより、ハイドロタルサイト粒子の表面電荷が過度に中和されることを抑え、ポジ電荷の時間安定性を高められ、トナーの帯電安定性が良好となる。その結果、トナーの電荷が強い負極性になるのを抑制することができる。
ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度は特に限定されないが、ハイドロタルサイト粒子におけるSTEM-EDSマッピング分析により検出される全元素の原子数に対するフッ素の原子数が0.01原子%~5.00原子%であることが好ましく、0.04原子%~3.00原子%であることがより好ましく、0.09原子%~2.00原子%であることがさらに好ましい。この範囲にあることで、ハイドロタルサイト粒子のポジ性が適度なものとなりマイクロキャリア特性が適正範囲となる。
ハイドロタルサイト粒子は、下記組成式(1)で表されるハイドロタルサイトの粒子を用いることができる。なお、組成式(1)では、M及びAをイオンの状態で表している。
2+ 3+ (OH)n- (x/n)・mHO 式(1)
前記M2+、及びM3+は、それぞれ、金属の2価のカチオン及び3価のカチオンを表す。
ハイドロタルサイト粒子は、異なる元素を複数含有する固溶体であっても構わない。また、1価の金属を微量含んでも構わない。
ただし、0<x≦0.5、y=1-x、m≧0であることが好ましい。
2+は、Mg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の2価のカチオンであることが好ましい。
3+は、Al、B、Ga、Fe、Co、及びInからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の3価のカチオンであることが好ましい。
n-は、n価のアニオンであり、少なくともFを含む。An-は、F以外に、CO 2-、OH、Cl、I、Br、SO 2-、HCO 、CHCOO、及びNO 等を含んでいてもよく、異なるアニオンが複数含まれていてもよい。
上記2価のカチオンとなる金属としては、Mg(マグネシウム)であることが好ましく、上記3価のカチオンとなる金属としては、Al(アルミニウム)であることが好ましい。ハイドロタルサイト粒子は、3価のカチオンとなるアルミニウム及び2価のカチオンとなるマグネシウムを含むことが好ましい。
具体的な組成式としては、Mg2+ 8.6Al3+ (OH)25.2 CO 2-・mHO、Mg2+ 12Al3+ (OH)32 CO 2-・mHOなどが挙げられる。
ハイドロタルサイト粒子が3価のカチオンとなるアルミニウム及び2価のカチオンとなるマグネシウムを含む場合、マグネシウムの原子数濃度(原子%)の、アルミニウムに対する原子数濃度(原子%)の比の値(Mg/Al)が、1.50~4.00であることが好ましい。
また、ハイドロタルサイト粒子は、その分子内に水を有していることが好ましく、式(1)において、0.1<m<0.6であることがより好ましい。
ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の個数平均粒径H3は、40nm~1100nmであることが好ましく、60nm~1000nmであることがより好ましい。
ハイドロタルサイト粒子の個数平均粒径が上記範囲にあることで、トナーの帯電立ち上がり性が良好となる。
上記粒径は走査型電子顕微鏡などの公知の手段を用いて測定することができる。また、上記粒径は、ハイドロタルサイト粒子の製造工程における反応工程、粉砕工程、遠心分離工程、分級工程、篩工程の条件を制御することにより、制御することができる。
ハイドロタルサイト粒子は、表面処理剤によって疎水化処理されていてもよい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類、シリコーンオイルのようなオイル類が使用可能である。中でも高級脂肪酸類が好ましく用いられ、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸が例示される。
トナー中のハイドロタルサイト粒子の含有量は、特に制限されない。トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部~3.00質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部~0.50質量部であり、さらに好ましくは0.05質量部~0.30質量部である。ハイドロタルサイト粒子の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
前記ハイドロタルサイト粒子のトナー粒子に対する固着率は、10%~95%であることが好ましい。より好ましくは40%~95%であり、さらに好ましくは50%~70%である。上記範囲であると、上記効果を得られやすい。前記固着率は、公知の外添方法で外添条件を変更することで制御可能である。
トナーのSTEM-EDSマッピング分析により測定される、EDS測定視野に占める前記ハイドロタルサイト粒子の前記トナー粒子に対する面積比率は、0.07%~0.54%であることが好ましい。さらに、0.25%~0.50%であることがより好ましく、0.35%~0.45%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、上記効果が得られやすい。上記面積比率は、前記ハイドロタルサイト粒子の投入量を変更することにより制御することができる。
<トナー粒子の製造方法>
トナー粒子の製造方法は、特に制限されず公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性、コアシェル構造のトナー粒子を得やすいといった観点から湿式製造法が好ましい。湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法などを挙げることができる。
<トナーの製造方法>
トナーは、外添剤としてハイドロタルサイト粒子を含む。必要に応じて、その他の外添剤を添加してもよい。この場合、ハイドロタルサイト粒子を含む無機及び有機の微粒子などの外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、総量で0.50質量部~5.00質量部が好ましい。
トナー粒子に外添剤を外添する混合機としては、特に制限されず、乾式湿式問わず公知の混合機を用いることができる。例えば、FMミキサ(日本コークス工業株式会社製)、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)などが挙げられる。外添剤の被覆状態を制御するために、上記の外添装置の回転数、処理時間、ジャケットの水温・水量を調整してトナーを調製することができる。
以下、トナー及び各材料の物性の測定方法を説明する。
<ハイドロタルサイト粒子の同定方法>
ハイドロタルサイト粒子の同定は、走査型電子顕微鏡(SEM)による形状観察、及びエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素分析を組み合わせることで行うことができる。
走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品名;日立製作所製)を用いて、最大5万倍に拡大した視野において、トナーを観察する。トナー粒子表面にピントを合わせて、判別対象の外添剤を観察する。判別対象の外添剤のEDS分析を行い、元素ピークの種類からハイドロタルサイト粒子の同定を行うことができる。
元素ピークとして、ハイドロタルサイト粒子を構成しうる金属であるMg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu、Feからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の元素ピーク、及び、Al、B、Ga、Fe、Co、Inからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の元素ピークが観察された場合に、前記2種の金属を含むハイドロタルサイト粒子の存在を類推することができる。
EDS分析により類推されたハイドロタルサイト粒子の標品を別途準備して、SEMによる形状観察及びEDS分析を行う。標品の分析結果が、判別対象の粒子の分析結果と一致するか否かを比較し、ハイドロタルサイト粒子であるか否かを判断する。
<ハイドロタルサイト粒子中の各元素比の測定方法>
ハイドロタルサイト粒子中の各元素比の測定は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いた、トナーのEDSマッピング測定により行う。EDSマッピング測定では、分析エリアの各画素(ピクセル)ごとにスペクトルデータをもつ。大きな検出素子面積をもつシリコンドリフト検出器を使用することで、高感度にEDSマッピングを測定することができる。
EDSマッピング測定により得られた各画素のスペクトルデータについて統計解析を行うことにより、スペクトルの似通った画素を抽出した主成分マッピングを得ることができ、成分を特定したマッピングが可能となる。
観察用サンプルの作製は以下の手順で行う。
トナー0.5gを秤量し、直径8mmの円柱形の型により、ニュートンプレスを用いて荷重40kNで2分間静置し、直径8mm、厚さ約1mmの円柱形のトナーペレットを作製する。ウルトラミクロトーム(Leica社、FC7)によりトナーペレットから200nm厚の薄片を作製する。
STEM-EDS分析は下記装置及び条件で行う。
走査透過型電子顕微鏡;日本電子社製 JEM-2800
EDS検出器;日本電子社 JED-2300T ドライSD100GV検出器(検出素子面積:100mm
EDSアナライザー;サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 NORAN System 7
[STEM-EDSの条件]
・STEMの加速電圧:200kV
・倍率:20,000倍
・プローブサイズ 1nm
STEM画像サイズ;1024×1024pixel(同一位置のEDS元素マッピング像を取得する。)
EDSマッピングサイズ;256×256pixel、Dwell Time;30μs、積算回数;100フレーム
多変量解析に基づくハイドロタルサイト粒子中の各元素比率の算出は以下のようにして求める。
上記STEM-EDS分析装置によって、EDSマッピングを得る。次いで、収集したスペクトルマッピングデータを、上述したNORAN System 7の測定コマンドにあるCOMPASS(PCA)モードを用いて多変量解析を行い、主成分マップイメージを抽出する。
その際に、設定値は以下のとおりとした。
・カーネルサイズ:3×3
・定量マップ設定:高(遅い)
・フィルターフィットタイプ:高精度(スロー)
同時に、この操作により、抽出される各主成分のEDS測定視野に占める面積比率が算出される。得られた各主成分マッピングがもつEDSスペクトルに対し、クリフ・ロリマー法により定量分析を実施する。
トナー粒子部分とハイドロタルサイト粒子との区別は、得られたSTEM-EDS主成分マッピングの、上記定量分析結果をもとに行う。粒子サイズ、形状、アルミニウムやマグネシウムのような多価金属の含有量、及びその量比から該当粒子をハイドロタルサイト粒子と同定できる。
<ハイドロタルサイト粒子のフッ素及びアルミニウムの分析方法>
上述の方法で得られたSTEM-EDSマッピング分析によるマッピングデータをもとに、ハイドロタルサイト粒子のフッ素及びアルミニウムの分析を行う。具体的には、ハイドロタルサイト粒子の外周に対して法線方向にEDSライン分析を行い、粒子内部に存在するフッ素及びアルミニウムの分析を行う。
ライン分析の模式図を図5(a)に示す。トナー粒子1T、及びトナー粒子2Tに隣接しているハイドロタルサイト粒子3Tにおいて、ハイドロタルサイト粒子3Tの外周に対して法線方向、すなわち、5Tの方向にライン分析を行う。なお、4Tはトナー粒子の境界を示す。
取得したSTEM像中のハイドロタルサイト粒子が存在する範囲を矩形選択ツールで選択し、以下の条件でライン分析を行う。
ライン解析条件
STEM倍率;800,000倍
ライン長さ;200nm
ライン幅;30nm
ライン分割数;100点(2nmごとに強度測定)
その元素がハイドロタルサイト粒子の内部に含有されていると判断する基準は以下である。ハイドロタルサイト粒子のEDSスペクトルにおいてフッ素又はアルミニウムの元素ピーク強度がバックグラウンド強度の1.5倍以上存在する場合。ライン分析におけるハイドロタルサイト粒子の両端部(図5(a)の点a、点b)におけるフッ素又はアルミニウムの元素ピーク強度が、それぞれ点cにおけるピーク強度の3.0倍を超えない場合。以上を共に満たす場合を、その元素がハイドロタルサイト粒子の内部に含有されていると判断する。なお点cは、線分abの中点(すなわち、上記両端部の中点)とする。
ライン分析で得られたフッ素及びアルミニウムのX線強度の例を、図5(b)及び図5(c)に示す。ハイドロタルサイト粒子が内部にフッ素及びアルミニウムを含む場合、ピーク強度で規格化したX線強度のグラフは図5(b)のような形状を示す。ハイドロタルサイト粒子が表面処理剤由来のフッ素を含む場合、ピーク強度で規格化したX線強度のグラフは図5(c)のように、フッ素のグラフにおいて両端部の点、a、b付近にピークを有する。ライン分析における、フッ素及びアルミニウム由来のX線強度を確認することで、ハイドロタルサイト粒子が内部にフッ素及びアルミニウムを含有していることを確認できる。
<ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素のアルミニウムに対する原子数濃度の比の値(元素比)F/Alの算出方法>
上述のSTEM-EDSマッピング分析によるハイドロタルサイト粒子由来の主成分マッピングから得られた、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素とアルミニウムの原子数濃度の比の値(元素比)F/Alを複数の視野で取得する。そして、該当粒子100個以上についての相加平均をとることで、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素のアルミニウムに対する原子数濃度の比の値(元素比)F/Alとする。
<ハイドロタルサイト粒子におけるマグネシウムのアルミニウムに対する原子数濃度の比の値(元素比)Mg/Alの算出方法>
上述のハイドロタルサイト粒子におけるフッ素のアルミニウムに対する原子数濃度の比(元素比)F/Alの算出方法と同様の方法で、マグネシウムとアルミニウムについて行う。そして、ハイドロタルサイト粒子のマグネシウムのアルミニウムに対する原子数濃度の比(元素比)Mg/Alを算出する。
<ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度の算出方法>
上述の方法で得られたSTEM-EDSマッピング分析によるマッピングデータをもとに、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度を算出する。前述の手法により抽出した、ハイドロタルサイト粒子の主成分マップイメージにおいて、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度(元素量)を定量化する。
前記マッピングデータを複数の視野で取得し、ハイドロタルサイト粒子100個以上について相加平均をハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度とする。
<ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の個数平均粒径の一次粒子の個数平均粒径S3の測定は、走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品名;日立製作所製)及びエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素分析を組み合わせて行う。外添剤としてハイドロタルサイト粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ハイドロタルサイト粒子を撮影する。撮影された画像から、ハイドロタルサイト粒子を選び出し、ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の長径を、それぞれランダムに100個測定して、ハイドロタルサイト粒子の個数平均粒径を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<ハイドロタルサイト粒子のトナー粒子に対する固着率の測定方法>
まず、2種類のサンプル(水洗前トナー、水洗後トナー)を用意する。
(i)水洗前トナー:後述する実施例で作製した各種トナーをそのまま用いる。
(ii)水洗後トナー:イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブをシェイカーにて5.8s-1、20minで振とうする。
振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて58.3s-1,30minの条件で遠心分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、サンプルとする。
これらの水洗前後のサンプルについて、下記条件で無作為で選んだ20個のトナーの中心に合わせた視野について、SEM/EDS観察を行い、ハイドロタルサイト粒子の面積の総和を算出する。以下の式で、ハイドロタルサイト粒子の固着率を算出する。
ハイドロタルサイト粒子の固着率(%)=(水洗後トナーのハイドロタルサイト粒子の面積の総和)/(水洗前トナーのハイドロタルサイト粒子の面積の総和)×100
SEM/EDSの装置及び観察条件は、下記の通りである。
使用装置(SEM):カールツァイスマイクロスコピー株式会社製 ULTRA PLUS
使用装置(EDS):サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 NORAN System 7、Ultra Dry EDS Detecter
加速電圧:5.0kV
WD:7.0mm
Aperture Size:30.0μm
検出信号:SE2(二次電子)
観察倍率:50,000倍
モード:Spectral Imaging
前処理:サンプルのトナーをカーボンテープに散布し、白金スパッタしたもの
以下に実施例及び比較例を挙げて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は何らこれに制約されるものではない。実施例中で使用する「部」は特に断りのない限り質量基準である。
以下、トナーの製造例について説明する。
<トナー粒子の製造例>
<水系分散媒体の調製>
・水 390.0部
・リン酸ナトリウム 4.2部
上記水溶液を調製して、高速撹拌しながら、60℃に保持し、リン酸ナトリウム水溶液を調整した。次に、
・水 17.1部
・塩化カルシウム2.4部
上記水溶液を調製した後、前述のリン酸ナトリウム水溶液に添加し、高速撹拌して、リン酸カルシウム微粒子を含む水系分散媒体を調製した。
<重合性単量体組成物1の調製>
・スチレン 30.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.0部
・荷電制御剤(アルミニウム錯体) 0.5部
上記材料をアトライターで常温にて5時間分散させ、重合性単量体組成物1を得た。
<重合性単量体組成物2の調製>
・重合性単量体組成物1 46.8部
・スチレン 39.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・極性樹脂1 10.0部
(スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸メチル-2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、Mw=15200)
・極性樹脂2 4.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物であるポリエステル樹脂、Mw=9500)
・極性樹脂3 1.0部
(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を10質量%含有するスチレン-2-エチルヘキシルアクリレート共重合体、Mp=18000)
・ベヘン酸ベヘニル 6.0部
・炭化水素ワックス(融点78℃) 3.0部
上記材料を温度調整可能な撹拌槽に投入し、60℃に昇温後、1時間撹拌し重合性単量体組成物2を得た。
<造粒、重合工程>
上記の重合性単量体組成物2を水系分散媒体中に投入し、さらに、重合開始剤7.0部を投入し、温度60℃で高速撹拌を維持しつつ10分間造粒した。その後、撹拌機をプロペラ式撹拌機に変更して、70℃に昇温させ、5時間反応させた。さらに80℃に昇温させ、5時間反応させ、その後、冷却して重合体微粒子分散液を得た。
<洗浄、乾燥、分級工程>
上記の重合体微粒子分散液に10%塩酸を添加してリン酸カルシウム微粒子分散剤を溶解させ、ろ別、洗浄、乾燥して、風力分級機を用いて分級を行い、重量平均粒径が5.8μmのトナー粒子を得た。
<ハイドロタルサイト粒子1の調製>
・フッ化ナトリウム 3.5部
・水 350.0部
上記水溶液を調製し、ハイドロタルサイト(一次粒子の個数平均粒径240nm)3.5部を投入した。室温で10時間撹拌し、濾過、乾燥、解砕してハイドロタルサイト粒子1を得た。STEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、ハイドロタルサイト粒子1の内部にフッ素の存在が確認でき、F/Al=0.11、Mg/Al=2.45であった。
<ハイドロタルサイト粒子2>
ハイドロタルサイト粒子1の調整で用いたハイドロタルサイト(一次粒子の個数平均粒径240nm)をハイドロタルサイト粒子2とした。STEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、ハイドロタルサイト粒子2の内部にフッ素の存在は確認できなかった。
<ハイドロタルサイト粒子3の調整>
・メタノール 50.0部
・フッ素含有シリコーン(X-12-2430C、信越シリコーン社製) 0.3部
・ハイドロタルサイト(一次粒子の個数平均粒径240nm) 5.0部
上記材料を投入し、室温で10時間撹拌後、水500部を投入して、さらに1時間撹拌し、濾過、乾燥、解砕してハイドロタルサイト粒子3を得た。STEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、ハイドロタルサイト粒子3の内部にフッ素の存在は確認できなかったが、ハイドロタルサイト粒子3の表面にフッ素の存在が確認できた。
<トナー1の製造例>
上記で得られたトナー粒子(100.0部)に対して、ハイドロタルサイト粒子1(0.3部)及び疎水化処理シリカ(BET380m/g)(1.0部)を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社)によって外添混合した。外添条件は、所望の固着率となるように撹拌回転数や混合時間を調整した。
その後、目開き200μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。ハイドロタルサイト粒子のトナー粒子に対する固着率は30%であった。
<トナー2の製造例>
トナー1の製造例において、用いるハイドロタルサイト粒子をハイドロタルサイト粒子2に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にしてトナー2を得た。
<トナー3の製造例>
トナー1の製造例において、用いるハイドロタルサイト粒子をハイドロタルサイト粒子3に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にしてトナー3を得た。
5.本発明の効果確認
上記トナーを用い本発明の効果を確認した。キヤノン株式会社製のプリンタであるLBP672Cの改造機を用いて、温度30℃、湿度80%RHの条件で画像形成を行い、かぶり濃度の測定を行った。かぶりの測定には反射濃度計(Model TC-MOR-45型 有限会社東京電色製 グリーンフィルタ使用)を用い、反射率(%)の測定をした。かぶり測定は印刷する用紙の一部にポストイット等を貼り無地の画像形成を行い、用紙を出力する。出力用紙に対し貼り付けたポストイットを取り除いた部分の反射率を紙自体の参照反射率とし、かぶり測定を行った。測定部分によって反射率が異なり、値が最小となる部分の測定値とポストイットを貼り付けた部分の測定値(参照反射率)との差分をかぶり値として測定している。測定したかぶり値の数値が小さいほどかぶり量が少ないことを示すため画質としては良好である。かぶり量として本実施例で作成したトナーにおいては、ハイドロタルサイト粒子を添加しているため、トナーの電荷量が十分であり、かぶり量が良好であった。具体的な良好なかぶり量の数値としては、1%未満の値である。
続いて、上記トナーを用い温度15℃、湿度10%RHの条件で全面ベタ黒の画像形成を行い、画像濃度測定をした。濃度測定には濃度計(eXact x-rite社製)を用い、黒の濃度測定をした。
低温、低湿度環境における全面黒画像において、本実施例のトナーに比べて、トナー2とトナー3において濃度の低下が確認された。濃度の変化量としては、濃度計の値として0.05以上の低下であり、濃度低下が画像上で見られた。トナー2とトナー3において濃度低下してしまったのは、ハイドロタルサイト粒子によって、トナーに過剰の電荷が付与されたためと考えられる。一方、トナー2とトナー3以外のトナーではフッ素含有ハイドロタルサイト粒子によりトナーの表面帯電分布が均一化できたため、トナー2とトナー3のような過剰な電荷付与にならない。そのため、濃度低下が発生しなかったと考えられる。具体的には、トナー2とトナー3以外のトナーではハイドロタルサイト粒子におけるフッ素のアルミニウムに対する原子数濃度の比の値F/Al(元素比)が、適切な範囲内(0.01~0.70)である。そのために、ハイドロタルサイト粒子のミクロキャリアとしての効果が得られ、かぶりが良好であったと考えられる。このように、良好な画像品質にするためには、ハイドロタルサイト粒子のF/Alを適切は範囲にしておく必要がある。
続いて、上記の高温高湿度下でのかぶりならびに低温低湿度下での濃度が良好なトナー1を用い、供給バイアス、規制バイアスそれぞれが変化した際のかぶりへの影響を示す。本プロセスカートリッジでは、供給/規制バイアスが同一の電源から供給されているが、それぞれが別の電源から供給されるときの変化について、図13を用いて述べる。
はじめに、供給ローラ32に印加される電圧の影響に関して説明する。図13(a)は現像バイアスに対する供給バイアスの関係を簡易的に表している。供給ローラ32に印加される電圧が本体の出力バラつきΔにより変化すると、供給ローラ32と現像ローラ31との接触部でのトナー供給量が変化する。ここで、供給ローラ32に印加する電圧が現像ローラ31に対して-100Vの電位差であったものが、-120Vに変化すると、トナーは負極性であるため、供給ローラ32から現像ローラ31へのトナー供給量が多くなる。逆に、現像ローラ31に対する電位差を-80Vにすると、供給ローラ32から現像ローラ31へのトナー供給量が少なくなる。電位差が大きくなると、供給量が多くなり規制ブレード33に突入するトナーが増加する。規制ブレード33に突入するトナーが増加すると、現像ローラ31と規制ブレード33との接触部を通過するトナー量が若干増加する。トナーへの電荷付与は現像ローラ31と規制ブレード33によって一定量行われるため、トナー量が増えると規制ブレード通過後の現像ローラ31上の、トナー重さ当たりの電荷量はトナー量が増える前に比べて小さくなる。逆に、電位差を小さくすると供給ローラ32から現像ローラ31へのトナー供給量が減少する。供給量が減少すると現像ローラ31と規制ブレード33との接触部を通過するトナー量が若干減少するため、トナー重さ当たりの電荷量はトナー量が減る前に比べて大きくなる。
次に、規制ブレード33に印加される電圧の影響に関して説明する。図13(b)は現像バイアスに対する規制ブレードバイアスの関係を簡易的に表している。規制ブレード33に印加する電圧を変化させると、トナー重さ当たりの電荷量が変化する。トナーの電荷は、現像ローラ31と規制ブレード33との接触部をトナーが通過する際に付与されるが、その接触部において形成される電位差によって電荷の付与性が変化する。電荷の付与は、トナーと現像ローラ31、トナーと現像ブレード33との接触による摩擦帯電による付与や、規制ブレード33と現像ローラ31間に形成される電位差によって生じる注入帯電による。このトナーへの帯電付与は使用環境によっても異なるが、一般的に現像ローラ31と規制ブレード33との電位差が大きくなるとトナーの電荷は大きくなる。上記に述べたように、供給ローラ32と規制ブレード33と電位差によってもトナー重さ当たりの電荷量は変化する。
ここで、画像形成装置100の各種電源の電圧を生成するためには、電子部品を組み合わせて生成する。そして、電子部品は公差などのバラつきを含むため、電源電圧に出力のバラつきΔを持つことになる。電源は、この様な出力バラつきを含むため、所望の電圧を設定しても数%程度のズレが生じることがある。例えば、供給/規制バイアスとして現像ローラ31に対して電位差として-100Vを設定しているが、本体の電源バラつきによっては電位差が-80Vになったり、別の本体では-120Vになってしまったりすることがある。このような電源電圧の出力バラつきΔを持つ本体で、本実施例に記載したような、供給ローラ32に印加する電圧と規制ブレード33に印加する電圧とが共通の電源から供給される場合を考える。供給ローラ32に印加する電圧と規制ブレード33に印加する電圧とが共通の電源から供給されるため、供給ローラ32と規制ブレード33それぞれに電圧が印加される場合に発生しうる電源の電圧出力のバラつきを考慮しなくてよい。
より具体的に、比較例として、供給ローラ32と規制ブレード33とに別々の電源からそれぞれ電圧を供給するプロセスカートリッジ1を用いて説明する。比較例の構成において、供給ローラ32と規制ブレード33と、に、設定電圧として現像ローラ31に印加する電圧に対して-100Vの電位差となる電圧が印加される場合を説明する。図7は、比較例で用いられるプロセスカートリッジ1における、現像ユニット2に付属する電圧供給部品400の斜視図(図6(a))および正面図(図6(b))、背面図(図6(c))である。図7は比較例のプロセスカートリッジが装着された際の回路図である。比較例のプロセスカートリッジ1Aでは、供給ローラ32と規制ブレード33にそれぞれに電圧を供給するための2つの電源(173、174)を有する画像形成装置100Aに装着される。現像電源172、現像電圧本体接点182に関しては、実施例1の図4の構成と同一である。プロセスカートリッジ1Aには、供給ローラ32と規制ブレード33と、にそれぞれ個別に電圧を供給するために、供給電圧本体接点193と規制電圧本体接点194とを持つ。画像形成装置100Aにプロセスカートリッジ1Aが装着されると、以下のように導通される。プロセスカートリッジ1Aに付属する電圧供給部品400に配置された接点である供給電圧接点402および規制ブレード電圧接点403と、画像形成装置100Aに配置された供給電圧本体接点193、規制電圧本体接点194と、がそれぞれ接触し導通する。供給電圧接点402は電圧供給部品400内で導電樹脂によって形成されており、供給電圧接点402から供給ローラ保持部420が導通し(図6(a)、(b)、(c)斜線部)、供給ローラ32へ電圧を供給する。同様に、電圧供給部品400内で規制ブレード電圧接点403は規制ブレード33と接する規制ブレード接点430と導通し(図6(a)、(b)、(c)黒塗り部)、規制ブレード33へ電圧を供給する。現像電圧接点401は、図3と同様に現像ローラ保持部410と導通し、現像ローラ31へ電圧を供給する。現像電圧接点401、供給電圧接点402および規制ブレード電圧接点403はそれぞれが絶縁されているため、画像形成装置100Aの各電源出力電圧を個別に印加することができる。
設定中心の電圧を出力する本体は、所望の品質の画像を得ることができる。しかしながら、電源の出力バラつきを持っている本体においては、例えば、以下のような場合が考えられる。上述したように、狙いとして現像電圧に対して-100Vの電位差が付くように供給電圧を印加しようとしても供給ローラ32に印加される電位差(供給バイアス)が現像バイアスに対して-80Vになってしまうような場合がある。もちろん、逆に-100Vよりも電位差が大きくなることも想定される。供給バイアスと現像バイアスとの電位差が所望の電位差よりも絶対値が小さくなると、上述のように、トナー重さ当たりの電荷量が増加する。逆に、供給バイアスと現像バイアスとの電位差が-120Vになってしまうと、トナー重さ当たりの電荷量が減少してしまう。その結果、例えば、かぶりが発生してしまう可能性がある。特に上述したフッ素含有ハイドロタルサイトを外添したトナーにおいてはトナーの電荷分布の偏りが少ない。そのため、供給バイアスと現像バイアスとの電位差がバラついて、トナーの電荷が減少するとかぶりが発生し易い構成になっている。同様に本体の電源の出力バラつきΔによって規制ブレード33に印加される電圧(規制バイアス)の現像バイアスに対する電位差が設定値より小さくなる(絶対値が大きくなる)とトナー重さ当たりの電荷量が減少する。その結果、かぶりが発生する。一方、規制バイアスの現像バイアスに対する電位差が設定値より大きくなる(絶対値が小さくなる)とトナー重さ当たりの電荷量は増加する。このように、供給ローラ32と規制ブレード33とがそれぞれの電源接点402、403を持っている現像ユニット2においては、所望の電圧設定を供給ローラ32と規制ブレード33とで同一に制御しようとしても、出力がバラつくことがある。すなわち、本体の電源の出力バラつきによって、特に、フッ素含有ハイドロタルサイトを外添したトナーにおいては、トナー重さ当たりの電荷量が減少することで予期せずにかぶりが発生する可能性がある。具体的には、本実施例のトナー1においては、供給バイアスだけがバラついて、電位差の設定中心である-100Vから電位差が-120Vに変化することで、予期せぬカブリの悪化が発生した。トナー1で悪化したカブリの値は、トナー2における同じ条件において悪化したカブリの値の約2倍の値であった。
また、本実施例はクリーナレス構成であり、前述したように、感光体11上のトナー像を形成するトナーが、逆極性(正帯電)の電荷のものや0に近い電荷のものが少ないことが求められる。この観点から、フッ素含有ハイドロタルサイトを外添したトナーは、供給バイアスや規制バイアスがバラつくことを鑑みた場合、クリーナレス構成に用いることは容易ではない。フッ素含有ハイドロタルサイトを外添したトナーにおいては、本実施例で説明したように供給/規制バイアスを同一接点で構成すれば、以下のような状況となる。例えば、電源の出力バラつきによって現像ローラ31に対する電位差が所望の-100Vではなく-120Vを出力してしまう場合を想定する。供給ローラ32と現像ローラ31との間の電位差が大きくなることによりトナーの電荷は減少する。しかし、一方で、規制ブレード33と現像ローラ31との間の電位差が大きくなることによりトナーの電荷は増加する。したがって、トータルとしてトナー重さ当たりの電荷量の変動を少なくすることができる。すなわち、電位差のずれによるトナーの電荷量の増減を各プロセスで相殺することが出来るのである。具体的には、本実施例のトナー2とトナー3以外のトナーにおいて、供給バイアスがバラつくことにより電位差の設定中心である-100Vから-120Vに変化する。すると、悪化したカブリの値が、規制バイアスと供給バイアスとを共通化することで安定した電位差を形成したことによってカブリの良化割合として約20%改善した。
上記理由と同じように、現像ローラ31に対する電位差が-80Vになってしまうときは、供給ローラ32と現像ローラ31との間の電位差によりトナーの電荷は増加するが、規制ブレード33と現像ローラ31との間の電位差によりトナーの電荷は減少する。したがって、トータルとしてトナー重さ当たりの電荷量の変動を少なくすることができる。
本実施例の構成において、トナー重さ当たりの電荷量の変動を抑制することができるため、比較例のように供給ローラと規制ブレードとに電圧を印加できる現像ユニットの構成に対し、かぶりの発生を抑制することができる。本実施例の構成は、クリーナレス構成であることを鑑みても望ましい。
本実施例では、画像形成装置100の出力電源バラつきによる影響を抑制する構成として、画像形成装置100の現像ユニット2の供給ローラ32と規制ブレード33とに供給する電圧接点を同一にする。それによって、画像形成装置100本体のバラツキによるトナーの電荷量変動を抑制することが出来る。
現像ユニット2における画像形成装置100との電圧供給接点が同一であれば、供給ローラ32と規制ブレード33とに供給する電圧は同一である必要はない。例えば、画像形成装置100と現像ユニット2との接点は同一であるが、その接点から供給ローラ32もしくは規制ブレード33とに電圧を供給する電圧供給路に、抵抗やダイオード等を挿入してもよい。そのような構成にすることで、現像ローラ31に対する供給ローラ32もしくは規制ブレード33の電位差を変更することもできる。供給ローラ32に至るまでに抵抗340を挿入した回路図を図8に、規制ブレードに至るまでに抵抗341を挿入した回路図を図9に示す。電圧供給路に抵抗340、341を挿入しても、電源バラつきによるトナーの電荷変動への影響を、上記した供給ローラ32と規制ブレード33とトナーへの電荷付与の効果によって低減することができる。ダイオードを挿入した場合も同様の効果を得ることができる。
また、図10には画像形成装置100の電源172A、電圧出力接点182Aが1つであるときの回路図を示す。画像形成装置100からの電圧出力が1つであっても、以下のように電圧を調整することが出来る。プロセスカートリッジ1内で単一接点301Aを介して現像ローラ31に印加する電圧を、抵抗342やダイオード等の挿入により供給ローラ32や規制ブレード33に印加する電圧よりも絶対値の大きさを小さくすることができる。このように、現像ローラ31に印加する電圧よりも供給ローラ32、規制ブレード33に印加する電圧の絶対値を大きくし、かつ、電圧の出力バラつきがあった際も供給ローラ32、規制ブレード33に印加する電圧を上記したように変化させることが出来る。
また、本実施例での画像形成装置100はプロセスカートリッジ1を着脱可能にした構成であった。本実施例の効果はプロセスカートリッジに限らず、現像ユニット2に付属する電圧供給部品とトナー外添に由来する。そのため現像ユニット2と感光体ユニット3とが別々に装着可能な画像形成装置に対しても有効である。
実施例1のカートリッジ構成は、以下の特徴を有する。回転可能な現像ローラ31と、現像ローラ31を回転可能に支持する現像フレーム36と、トナー粒子、および、外添剤、を含有するトナーを収容するトナー収容部37と、を有する。現像ローラ31の表面に当接して現像ローラ31の表面にトナーを供給する供給ローラ32と、現像ローラ31の表面に当接して現像ローラ31の表面に担持されるトナーの層厚を規制する規制ブレード33と、を有する。供給ローラ32と規制ブレード33と、に電気的に接続され、外部から電力を受けることが可能な電気接点302を有する。外添剤は、ハイドロタルサイト粒子を含み、トナーのSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析においてハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在する。
また、ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素及びアルミニウムが存在してもよく、ハイドロタルサイト粒子におけるフッ素の原子数濃度(原子%)の、アルミニウムの原子数濃度(原子%)に対する原子数濃度の比の値(F/Al)が、0.01~0.65である。
ハイドロタルサイト粒子のトナー粒子に対するトナー固着率が10%以上である。
ハイドロタルサイト粒子は、さらにマグネシウムを含んでもよい。そして、ハイドロタルサイト粒子におけるマグネシウムの原子数濃度の、アルミニウムに対する原子数濃度の比の値(Mg/Al)が、1.5~4.0である。
ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の個数平均粒径が、60~1000nmである。
供給電極302と供給ローラ32との間に電気素子340を備えてもよい。供給電極302と規制ブレード33との間に電気素子341を備えてもよい。供給電極301と現像ローラ31との間に電気素子342を備えてもよい。
現像ローラ31は、供給ローラ32と規制ブレード33と電気的に接続されず、供給ローラ32と規制ブレード33と電気的に接続される供給電極である第1の供給電極(電気接点)302とは異なる、第2の供給電極(電気接点)301と電気的に接続される。像担持体である感光ドラム11と、感光ドラム11の表面を帯電する帯電ローラ21とを備える。
感光ドラム11の表面に現像したトナーを外部に転写した後に、感光ドラム11の表面に残ったトナーを現像ローラ31によって回収するクリーナレス構成である。また、感光ドラム11を画像形成装置外で回転させた場合、現像部N1を形成する感光ドラム11の領域が、帯電部N2に移動する間において、感光ドラム11の領域は接触部材と接触しない。接触部材とは、感光ドラム11の表面を清掃するクリーニング部材である。
(実施例2)
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
1.画像形成装置
図11は、本実施例の画像形成装置200の概略断面図である。本実施例の画像形成装置200は電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のフルカラーレーザプリンタである。
本実施例の画像形成装置200は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを有する。各画像形成部PY、PM、PC、PKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。
画像形成部Pは、プロセスカートリッジ1を着脱可能に有する。4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ収容するトナーの色が違い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、の3原色にブラック(K)を加えた4つである。本実施例におけるプロセスカートリッジ1の構成及び動作は、実施例1におけるプロセスカートリッジ1の構成及び動作と同様である。プロセスカートリッジ1は、感光体11、帯電ローラ21、現像装置2を有する。また、画像形成部Pは、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ211を有する。また、本実施例では、画像形成装置200は、4つの画像形成部PY、PM、PC、PKのそれぞれの感光体11を露光する1つのユニットとして構成された露光装置131を有する。
各画像形成部Pの感光体11に対向するように、中間転写体としての回転可能な無端状のベルトで構成された中間転写ベルト213が配置されている。中間転写ベルト213は、複数の張架ローラ(支持ローラ)としての駆動ローラ214及びテンションローラ215に掛け渡され、所定の張力が付与されて張架されている。中間転写ベルト213は、駆動ローラ214が、駆動手段を構成する駆動源としてのベルト駆動モータ(図示せず)から伝達される駆動力により回転駆動されることによって回転(周回移動)する。中間転写ベルト213の内周面側には、各画像形成部Pの感光体11に対応して、上述の一次転写ローラ211が配置されている。一次転写ローラ211は、中間転写ベルト213を感光体11に向けて押圧して、感光体11と中間転写ベルト213との接触部である一次転写部(一次転写ニップ)N3を形成する。また、中間転写ベルト213の外周面側において、二次転写対向ローラを兼ねる駆動ローラ214と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ212が配置されている。二次転写ローラ212は、中間転写ベルト213を介して駆動ローラ214に当接し、中間転写ベルト213と二次転写ローラ212との接触部である二次転写部(二次転写ニップ)N4を形成する。
例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光体11に形成されたY、M、C、Kの各色のトナーが、各一次転写部N3において、各一次転写ローラ213の作用により、回転する中間転写ベルト213上に重ね合わされるようにして順次転写(一次転写)される。中間転写ベルト213上に形成されたトナー像は、二次転写部N4において、二次転写ローラ212の作用によって、中間転写ベルト213と二次転写ローラ212とに挟持されて搬送される記録材R上に転写(二次転写)される。記録材Rは、給紙部181から、中間転写ベルト213上のトナー像とタイミングが合わされて、二次転写部N4へと搬送される。
また、本実施例の画像形成装置200は、画像形成動作に関して大別して1Y、1M、1Cの系統と1Kの系統とに分けられている。これはモノクロ印刷への対応のためであり、モノクロ印刷時にはPKでのみ画像形成動作が実行されるためである。モノクロ印刷時は1Kのみ現像ユニットが感光ドラム11Kに接触し、1Y、1M、1Cは、それぞれ感光ドラム11Y、11M、11Cとは離間状態にある。このような構成にすることで、画像形成に寄与しない1Y、1M、1Cが無駄に消耗してしまうことを抑制している。フルカラー印刷の際は全てのカートリッジに適切なタイミングで画像形成が実行される。
画像形成装置200ではPY、PM、PCの電圧供給系統と、PKの電圧供給系統とに大別される。つまり、1Y、1M、1Cに供給される電圧は同一の電圧が同一のタイミングで供給されるように構成されている(図12)。具体的には、カラー用には、帯電電源171YMC、現像電源172YMC、供給/規制電源173YMCが備えられる。モノクロ用には、帯電電源171K、現像電源172K、供給/規制電源173Kが備えられる。
このようなフルカラーの画像形成装置200において、出力画像のかぶりは4つのプロセスカートリッジそれぞれのかぶりが合算されている。一つのプロセスカートリッジのかぶりは少なくても、最終的な出力画像としてかぶりが多くなってしまう。
実施例1で説明したように、供給ローラ32と規制ブレード33に印加する電圧が本体電源の出力電圧バラつきに起因してトナーの電荷が減少してしまう場合、かぶりが増加する。特に、本実施例の1Y、1M、1Cのようなカラーのプロセスカートリッジに対し、供給ローラ32と規制ブレード33とに、個別に電圧を印加できるプロセスカートリッジ構成と画像形成装置の電源構成である場合、以下のような現象が発生することがある。すなわち、印加する電圧の設定を同一にしていても電圧の出力バラつきによってはいずれのカートリッジもかぶり量が増加してしまい、出力画像としてかぶりがより顕在化してしまうことがある。フッ素含有ハイドロタルサイトを外添したトナーのような偏りの少ないトナーの電荷分布のトナーを用いた際も、かぶりが顕在化しないように供給ローラ32と規制ブレード33との接点をプロセスカートリッジ内で同一にしておくことでかぶりを抑制している。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光ユニット
4 現像ユニット
14 転写ローラ
41 現像ローラ
62 トナー粒子

Claims (14)

  1. 回転可能な現像ローラと、
    前記現像ローラを回転可能に支持する現像フレームと、
    トナー粒子及び外添剤を有するトナーと、
    前記トナーを収容するトナー収容部と、
    前記現像ローラの表面に当接して前記現像ローラの表面に前記トナーを供給する供給ローラと、
    前記現像ローラの表面に当接して前記現像ローラの表面に担持される前記トナーの層厚を規制する規制ブレードと、
    前記供給ローラと前記規制ブレードと、に電気的に接続され、外部から電力を受けることが可能な電気接点と、を有し、
    前記トナーが、前記外添剤としてのハイドロタルサイト粒子を有し、
    前記ハイドロタルサイト粒子のSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、前記ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素が存在する、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記トナーのSTEM-EDSマッピング分析におけるライン分析において、前記ハイドロタルサイト粒子の内部にフッ素及びアルミニウムが存在し、
    前記トナーのSTEM-EDSマッピング分析による前記ハイドロタルサイト粒子の主成分マッピングから得られた、前記ハイドロタルサイト粒子における前記フッ素の原子数濃度(原子%)の、前記アルミニウムの原子数濃度(原子%)に対する比の値(F/Al)が、0.01~0.65である、
    請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記ハイドロタルサイト粒子の前記トナー粒子に対する固着率が、10%以上である、請求項1に記載のカートリッジ。
  4. 前記ハイドロタルサイト粒子が、マグネシウムを含む、請求項2に記載のカートリッジ。
  5. 前記ハイドロタルサイト粒子における前記マグネシウムの原子数濃度(原子%)の、前記アルミニウムに対する原子数濃度(原子%)の比の値(Mg/Al)が、1.50~4.00である、請求項4に記載のカートリッジ。
  6. 前記ハイドロタルサイト粒子の一次粒子の個数平均粒径が、60nm~1000nmであることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  7. 前記電気接点と供給ローラとの間に電気素子を備えることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  8. 前記電気接点と規制ブレードとの間に電気素子を備えることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  9. 前記現像ローラは、前記供給ローラと前記規制ブレードと電気的に接続されず、前記供給ローラと前記規制ブレードと電気的に接続される前記電気接点である第1の電気接点とは異なる、第2の電気接点と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  10. 前記電気接点と現像ローラとの間に電気素子を備えることを特徴とする請求項9に記載のカートリッジ。
  11. 像担持体である感光ドラムと、前記感光ドラム表面を帯電する帯電ローラとを備えることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  12. 前記感光ドラムの表面に現像したトナーを外部に転写した後に、前記感光ドラムの表面に残ったトナーを現像ローラによって回収することを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
  13. 前記感光ドラムを回転させた場合において、前記感光ドラムと前記現像ローラとが接触する現像部を形成する前記感光ドラムの領域が、前記感光ドラムと前記帯電ローラとが接触する帯電部に移動する間において、前記感光ドラムの領域は接触部材と接触しないことを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
  14. 前記接触部材は、前記感光ドラムの表面を清掃するクリーニング部材であることを特徴とする請求項13に記載のカートリッジ。
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