JP2024018607A - シリコン単結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入するカウンタードープを実施し、要求される規格範囲が狭い範囲であっても、軸方向に沿った抵抗率を規格範囲に収めることのできるシリコン単結晶を提供する。【解決手段】直胴部を有し、該直胴部からシリコンウェーハが製造されるシリコン単結晶であって、前記直胴部の結晶軸方向において、規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン単結晶に関し、特にチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入し、軸方向における抵抗率を制御するカウンタードープにより育成されたシリコン単結晶に関する。
チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の育成は、チャンバ内に設置した石英ルツボに原料であるポリシリコンを充填し、前記石英ルツボの周囲に設けられたヒータによってポリシリコンを加熱して溶融し、シリコン溶融液とする。その後、シードチャックに取り付けた種結晶(シード)を当該シリコン溶融液に浸漬し、シードチャックおよび石英ルツボを同方向または逆方向に回転させながらシードチャックを引上げることにより行う。
このようなCZ法により製造されたシリコン単結晶の多くは、半導体材料として使用される。育成されるシリコン単結晶の抵抗率は、シリコン溶融液に添加されるドーパントにより調整される。ドーパントは、n型とp型とに分類され、n型結晶を育成する場合のドーパントとしては、P(リン)が多く用いられている。
CZ法によるシリコン単結晶の育成において、ドーパントを添加した際、結晶成長方向に抵抗率が変化する現象が見られる。これは、ドーパントの偏析によるものであり、単結晶成長に伴うルツボ内のシリコン溶融液の減少に応じ、徐々に残液中のドーパント濃度が高くなり、それに伴い単結晶の抵抗率も連続的に低下していくためである。P(リン)の偏析係数は、0.35であるが、p型結晶のドーパントとして広く用いられているB(ボロン)の偏析係数0.8よりも低く、p型結晶と比べてトップ部からボトム部にかけての抵抗率の低下が顕著である。そのため、製品として使用できる部分が少なくなり、歩留の向上が厳しいという課題がある。
このような課題に対し、例えば特許文献1には、主ドーパントと、この主ドーパントとは反対極性で偏析係数のより小さい副ドーパントとを結晶引上前に添加する(すなわち、コドープする)方法が開示されている。この方法を用いることによって、主ドーパントによる抵抗率の低下が副ドーパントによって相殺され、単結晶の軸方向の抵抗率分布を改善することが可能である。
しかしながら、前記したようにn型単結晶の製造において最も良く用いられるドーパントはP(リン)であり、その偏析係数は0.35程度であるが、反対極性の元素としてデバイスを作製する上で広く用いられているB(ボロン)は、その偏析係数が0.8程度と、P(リン)より偏析係数が大きく、上述の技術をそのまま用いることができない。
このような課題を解決するものとして特許文献2には、単結晶の引き上げ中において、主ドーパントのP(リン)に対してB(ボロン)を連続的に添加する方法(すなわち、カウンタードープする)が開示されている。この方法を用いれば主ドーパントをP(リン)とし、副ドーパントをB(ボロン)としたカウンタードープにより軸方向抵抗率分布を改善したn型単結晶を製造することができる。
ところで、シリコン単結晶の用途として、ダイオードまたはIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などがあるが、耐圧Vb特性のばらつきを抑えるために、要求される抵抗の規格範囲(ばらつき幅)が狭く、材料となるウェーハを得るための単結晶を製造する際に、単にカウンタードープによる抵抗率の制御を行っても容易ではなかった。
そのため、特許文献3においては、デバイス製造の際、ベースバンドの濃度3.0×1013atoms/cmのドリフト層の内部に、2.5×1014atoms/cmの高濃度層を形成し、それにより耐圧Vbのばらつきやスイッチング特性のばらつきを抑えることが開示されている。
特開2004-307305号公報 特開平3-247585号公報 特開2021-93541号公報
特許文献3に開示されるようにデバイス製造の段階で、ドリフト層内に高濃度層を形成し、特性のばらつきを抑制する方法があるが、シリコンウェーハの段階で、その厚さ方向に抵抗率分布を管理して出荷することができれば、デバイスメーカにとってメリットが大きい。例えば、シリコンウェーハの厚さによらず、狭い規格範囲内(例えば5Ωcm内)に抵抗率が収まるようなシリコン単結晶を提供できることが望ましい。
上記事情のもと、本願発明者は、シリコン単結晶の引上中において副ドーパントを投入し、軸方向の抵抗率を制御するカウンタードープを行うことを前提に鋭意検討を行い、本発明をするに至った。
本発明の目的は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入するカウンタードープを実施し、要求される規格範囲が狭い範囲であっても、軸方向に沿った抵抗率を規格範囲に収めることのできるシリコン単結晶を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた、本発明に係るシリコン単結晶は、直胴部を有し、該直胴部からシリコンウェーハが製造されるシリコン単結晶であって、前記直胴部の結晶軸方向において、規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有することに特徴を有する。
尚、前記直胴部において、軸方向に沿って2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することが望ましい。
或いは、前記直胴部において、軸方向に沿って3~100mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することが望ましい。
或いは、前記直胴部において、軸方向に沿って100~200mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することが望ましい。
また、前記直胴部は、p型ドーパントにより80%以上補償されたn型ドーパントを含むことが望ましい。
このようにシリコン単結晶は、結晶軸方向に規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有する。望ましくは、単結晶中に軸方向に沿って、結晶長2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で上下に1回ずつ周期変化をする抵抗率が形成される。
このようなシリコン単結晶によれば、例えばシリコンウェーハにスライスした際に、ウェーハの厚さによらず、ウェーハ厚さ方向の抵抗率変動を狭い規格範囲に収めることができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入するカウンタードープを実施し、要求される規格範囲が狭い範囲であっても、軸方向に沿った抵抗率を規格範囲に収めることのできるシリコン単結晶を提供することができる。
図1は、本発明のシリコン単結晶の外周面における結晶軸方向に沿った抵抗率の変化の一例を示す模式的なグラフである。 図2は、シリコン単結晶を製造するための単結晶引上装置の一例を示す断面図である。 図3は、本発明に係るシリコン単結晶を製造する方法の一例を示すフロー図である。 図4は、実施例の結果を示すグラフである。 図5は、実施例の結果を示すグラフである。 図6(a)、図6(b)は、実施例の結果を示すグラフである。 図7(a)、図7(b)は、実施例の結果を示すグラフである。
以下、本発明に係るシリコン単結晶について図面を用いながら説明する。ただし、本発明の一例として本実施形態を説明するものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明のシリコン単結晶の外周面における結晶軸方向に沿った抵抗率の変化の一例を示す模式的なグラフである。図1のグラフの縦軸は抵抗率、横軸は結晶長である。
本発明に係るシリコン単結晶は、チョクラルスキー法により引上げ中に、溶融液に対し断続的に複数回の副ドーパント投入を行うカウンタードープにより育成されたものである。このシリコン単結晶は、結晶軸方向に規格範囲の変動幅(R1(例えば53Ωcm)-R2(例えば55Ωcm))で周期変化する抵抗率を有する。
より具体的には、単結晶中に軸方向に沿って、例えば結晶長(ウェーハ厚さ方向)2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で上下に1回ずつ周期変化(1周期の変化)をする抵抗率が形成されている。
これにより、このシリコン単結晶をウェーハ状にスライスした際に、ウェーハの厚さによらず、ウェーハ厚さ方向の抵抗率変動を狭い規格範囲に収めることができる。
このようなシリコン単結晶を育成するには、カウンタードープによる副ドーパントの投入が必要である。本実施の形態において、n型単結晶を製造する場合、初期のドーパント剤として、n型ドーパントである例えばP(リン)を投入し、抵抗率調整のためにp型ドーパントである例えばB(ボロン)を投入する。
これは、抵抗率を同じ目標値とした場合であっても、初期ドーパントとしてP(リン)のみを投入すると、結晶軸に沿った抵抗率の変動は緩いが、B(ボロン)で抵抗率を調整した場合には、抵抗率の変動が急峻となるためである。抵抗率の変動が急峻であることにより、結晶軸方向の短いピッチ(例えば2mm)での抵抗率制御が可能となる。
図2は、シリコン単結晶Cを製造するための単結晶引上装置の一例を示す断面図である。この単結晶引上装置100は、円筒形状のメインチャンバ10aの上にプルチャンバ10bを重ねて形成された炉体10を備え、この炉体10内に鉛直軸回りに回転可能、且つ昇降可能に設けられたカーボンルツボ(或いは黒鉛ルツボ)20と、前記カーボンルツボ20によって保持された石英ガラスルツボ3(以下、単にルツボ3と称する)とを具備している。このルツボ3は、カーボンルツボ20の回転とともに鉛直軸回りに回転可能となされている。
また、カーボンルツボ20の下方には、このカーボンルツボ20を鉛直軸回りに回転させる回転モータなどの回転駆動部14と、カーボンルツボ20を昇降移動させる昇降駆動部15とが設けられている。
尚、回転駆動部14には回転駆動制御部14aが接続され、昇降駆動部15には昇降駆動制御部15aが接続されている。
また単結晶引上装置100は、ルツボ3に装填された半導体原料(原料ポリシリコン)を溶融してシリコン溶融液M(以下、単に溶融液Mと呼ぶ)とする抵抗加熱によるサイドヒータ4と、ワイヤ6を巻き上げ、育成される単結晶Cを引き上げる引き上げ機構9とを備えている。前記引き上げ機構9が有するワイヤ6の先端には、種結晶Pが取り付けられている。
尚、サイドヒータ4には供給電力量を制御するヒータ制御部4aが接続され、引き上げ機構9には、その回転駆動の制御を行う回転駆動制御部9aが接続されている。
また、本実施の形態において、この単結晶引上装置100においては、例えば、炉体10の外側に磁場印加用電磁コイル8(水平磁場印加手段)が設置される。この磁場印加用電磁コイル8に所定の電流が印加されると、ルツボ3内のシリコン溶融液Mに対し所定強度(1000~4000Gauss)の水平磁場が印加されるようになっている。磁場印加用電磁コイル8には、その動作制御を行う電磁コイル制御部8aが接続されている。
即ち、本実施形態においては、溶融液M内に横磁場を印加して単結晶を育成するMCZ法(Magnetic field applied CZ法)が実施され、それによりシリコン溶融液Mの対流を制御し、単結晶化の安定を図るようになされる。
また、ルツボ3内に形成される溶融液Mの上方には、単結晶Cの周囲を包囲する輻射シールド7が配置されている。この輻射シールド7は、上部と下部が開口形成され、育成中の単結晶Cに対するサイドヒータ4や溶融液M等からの余計な輻射熱を遮蔽すると共に、炉内のガス流を整流するものである。
尚、輻射シールド7の下端と融液面M1との間のギャップは、育成する単結晶の所望の特性に応じて所定の距離を一定(例えば50mm)に維持するよう制御される。
また、単結晶引上装置100は、シリコン単結晶の径及び結晶長(固化率)を測定するためのCCDカメラ等の光学式の測定センサ16を備える。メインチャンバ10aの上面部には、観測用の小窓10a1が設けられており、この小窓10a1の外側から固液界面の位置変化を検出するようになされている。測定された単結晶径及び結晶長さから、単結晶重量/初期シリコン原料の重量で表される固化率が求められる。
ドーパント濃度と抵抗率との関係について説明すると、単結晶は、その長さ方向(引上げ時の鉛直方向)にドーパントの濃度分布が生じる。
シリコンの固化率をgとした時のドーパントの濃度分布Csは、次式(1)で表される。
Cs=k×C0×(1-g)k-1 ・・・(1)
(式(1)において、kは平衡偏析係数、C0はシリコン溶融液における初期ドーパント濃度である。尚、p型ドーパントとして最も一般的に使用されるボロン(B)の平衡偏析係数は0.8、n型ドーパントとして最も一般的に使用されるリン(P)の平衡偏析係数は0.35である。)
抵抗率を規定範囲とするには、シリコン単結晶の育成においてドーパント濃度と固化率との関係を求めておき、これらの関係からドーパント濃度の調整により、単結晶の抵抗率が所望の範囲となるように調整すればよい。例えば、リンをドーパントとし、単結晶ヘッド部の抵抗率を20~100Ω・cmの範囲で設定した場合、1ロット150kg程度のシリコンにドーパント0.1~3.5g(抵抗率1~5mΩ・cmの高濃度(10 19cm-3台)でリンを含んだシリコンの破片)を投入すればよい。
また、単結晶引上装置100は、溶融液Mに例えばチップ状(或いは粉末状、顆粒状など)のドーパント(副ドーパント)を供給するためのドーパント供給治具17を備える。ドーパント供給治具17は、投入するドーパントを一時的に収容する投入容器18と、この投入容器18に連接され、下方に延びる管状部(石英チューブなど)19を有する。メインチャンバ10aの上面部には、開口10a2が設けられており、この開口10a2に前記ドーパント供給治具17の管状部19が貫通されている。この管状部19の先端は、ドーパントの投入によって液面振動やドーパントの結晶への付着がなされない位置に配置されている。
また、本実施の形態において、溶融液Mに投入されるチップ状ドーパントは、高純度(99.9%以上)のドーパント、或いは、副ドーパントを含むシリコン単結晶、または主ドーパントを含むシリコン単結晶のそれぞれからスライスした厚さ500μm以上1000μm以下のシリコンウェーハをへき開して得られるチップであり、これを添加材として用いる。ドーパント用チップとして使用するシリコン単結晶は、抵抗率を測定し、所望のサイズに加工する。抵抗率からドーパント濃度を算出し、チップの重量にて添加されるドーパント量を管理することができる。
より具体的には、チップ状ドーパントは、融液面M1への投入時に、融液面M1直上を通過する不活性ガスによりチャンバ外に排出されないよう、最低限の重量が必要である。そのため、チップ1個当たりの表面積は4mm以上が望ましい。但し、チップのサイズが大きすぎると、溶融に時間がかかり、育成中の単結晶に付着するリスクが増加することから、25mm以下が望ましい。同じく、チップの厚さも、重量、および溶解しやすさの観点から、500μm以上1000μm以下が望ましい。
また、この単結晶引上装置100は、記憶装置11aと演算制御装置11bとを有するコンピュータ11を備え、回転駆動制御部14a、昇降駆動制御部15a、電磁コイル制御部8a、回転駆動制御部9a、測定センサ16、エアシリンダ駆動部21a、回転駆動制御部25aは、それぞれ演算制御装置11bに接続されている。
このように構成された単結晶引上装置100において、例えば、直径300mmの単結晶Cを育成する場合、次のように引き上げが行われる。
即ち、最初にルツボ3に原料ポリシリコン(例えば460kg)とドーパント添加用シリコンチップとを装填し、コンピュータ11の記憶装置11aに記憶されたプログラムに基づき結晶育成工程が開始される。
次いで、炉体10内が所定の雰囲気(主にアルゴンガスなどの不活性ガス)となされる。例えば、炉内圧60~110torr、アルゴンガス流量40~110l/minの炉内雰囲気が形成される。
そして、ルツボ3が所定の回転速度(rpm)で所定方向に回転動作された状態で、ルツボ3内に装填された原料ポリシリコンとドーパントとが、サイドヒータ4による加熱によって溶融され、溶融液Mとされる(図3のステップS1)。
尚、n型シリコン単結晶を製造する場合には、例えば、n型の主ドーパントとして、P(リン)を含むシリコンチップを用いる(初期融液におけるP濃度は例えば5E16atoms/cmとする)。更に、抵抗率を調整するために、p型ドーパントとしてB(ボロン)を投入する(初期融液におけるB濃度は例えば2.4E16atoms/cmとする)。このステップS1においては、原料ポリシリコンを溶融しながら、ドーパント添加用シリコンチップをルツボ3内に投入してもよい。
次いで、磁場印加用電磁コイル8に所定の電流が流され、溶融液M内に例えば2500Gaussの磁束密度で水平磁場が印加開始される(図3のステップS2)。この磁場印加によって、溶融液の対流が抑制される。
また、サイドヒータ4への供給電力や、引き上げ速度、磁場印加強度などをパラメータとして、溶融液撹拌を緩やかとなるように単結晶酸素濃度が低酸素濃度(例えば、0.8E18atoms/cm)、直胴部直径310mm、となる引き上げ条件に調整され、種結晶Pが軸回りに所定の回転速度で回転開始される。回転方向はルツボ3の回転方向とは逆方向になされる。そして、ワイヤ6が降ろされて種結晶Scが溶融液Mに接触され、種結晶Scの先端部を溶解した後、ネッキングが行われ、ネック部Sc1が形成される。
そして、単結晶引上工程が開始される。すなわち、結晶径が徐々に拡径されて肩部C1が形成され、製品部分となる直胴部C2を形成する工程に移行する(図3のステップS3)。
単結晶Cの育成が開始されると、コンピュータ11は、測定センサ16の測定結果を用いてシリコン単結晶の固化率を求め、直胴部C2の結晶長の管理を開始する。
また、コンピュータ11は、例えば抵抗率の規格範囲の上限値が55Ωcm、下限値が53Ωcmの場合、引上げ条件により求めた抵抗率に基づき、引上げにともない抵抗率が規格下限値の53Ωcmまで下がると(図3のステップS5)、カウンタードープを行い、所定量のB(ボロン)を溶融液Mに投入する(図3のステップS6)。これにより抵抗率を規格上限値の55Ωcmまで上昇させ、その後、抵抗率はドーパントの偏析に従い規格下限値の53Ωcmに向かって下降することになる。
ここで、コンピュータ11は、抵抗率の上昇率は、カウンタードープの際のドーパント剤のフィード時間とその濃度で管理する。また、下降率は、ドーパント種に応じた偏析係数に従うため、引上げ前のP(リン)とB(ボロン)の初期チャージ時の配合に基づき管理する。
また、コンピュータ11は、上記したステップS5、S6の動作を、直胴部C2が所定の長さになるまで繰り返す。単結晶Cが有転位することなく所望の長さまで単結晶が引き上げられると(図3のステップS7)、単結晶育成が完了する。
即ち、所定の長さまで直胴部C2が形成されると、最終のテール部工程に移行し、このテール部工程において、結晶下端と溶融液Mとの接触面積が徐々に小さくされ、単結晶Cと溶融液Mとが切り離されてシリコン単結晶が製造される。
以上のように、シリコン単結晶Cの形成においては、複数回、主ドーパントの導電型とは反対の極性を持つ副ドーパントを投入するカウンタードープを行うにあたり、初期ドーパントとして主ドーパントと副ドーパントを同時に投入し、抵抗率の変化を急峻なものとして、抵抗率の変動率の管理を行う。
これによりシリコン単結晶Cは、結晶軸方向に狭い規格範囲の変動幅(R1(例えば53Ωcm)-R2(例えば55Ωcm))で周期変化する抵抗率を有する。より具体的には、単結晶中に軸方向に沿って、例えば結晶長2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で上下に1回ずつ周期変化をする抵抗率が形成される。
このようなシリコン単結晶によれば、例えばシリコンウェーハにスライスした際に、ウェーハの厚さによらず、ウェーハ厚さ方向の抵抗率変動を狭い規格範囲に収めることができる。
尚、前記実施の形態においては、本発明のシリコン単結晶を製造する場合の説明として、n型ドーパントを主ドーパントとしてn型シリコン単結晶を製造する場合を例に説明したが、本発明にあっては、それに限定されるものではなく、p型ドーパントを主ドーパントとしたp型シリコン単結晶でもよい。
本発明に係るシリコン単結晶について、実施例に基づきさらに説明する。
(実施例1)
実施例1では、直径32インチの石英ルツボ内に460kgのシリコン原料を充填し、主ドーパントとしてP(リン)、副ドーパントとしてB(ボロン)を添加して溶融した。初期の溶融液におけるP(リン)濃度は、5E16atoms/cmとした。また、初期の溶融液におけるB(リン)濃度は、2.4E16atoms/cmとした。
また、輻射シールドと融液面との距離を50mmとし、炉内圧65torr、アルゴンガスを流量90l/minで流し、横磁場の強度を2500Gaussの炉内環境を作った。
そして、ルツボ回転数を1rpm、結晶回転数を7rpm(ルツボ回転とは逆方向)とし、引上げ速度1.5mm/minで結晶径300mmを目標として単結晶育成を行った。また、抵抗率規格は、53.7~55.7Ωcmとした。
単結晶引上げを開始し、断続的に副ドーパントであるB(ボロン)のカウンタードープを実施して、抵抗率の変化が53.7~55.7Ωcmの間となるよう制御した。
引き上げた単結晶を冷却した後、直胴部の側面から四探針法による抵抗率測定を行った。図4、図5に、その測定結果のグラフを示す。図4、図5のグラフの縦軸は抵抗率(Ω・cm)、横軸は結晶長(mm)固化率である。図5は、図4の一部を拡大したものである。抵抗率の測定は結晶軸に沿って0.5mmピッチで測定した。
図4、図5のグラフに示すように結晶長2~10mmの間で抵抗率が1周期(上下に一回ずつ周期的に)変動する単結晶を得ることができた。
また、抵抗率の変動幅が2Ωcmの設定であったため、抵抗率の変動率は4%以下であった。カウンタードープを行わない場合の抵抗率の変動に対して、カウンタードープにより80%以上の補償率で引き上げることができた。即ち、引き上げたシリコン単結晶は、p型ドーパントであるB(ボロン)により80%以上補償されたn型ドーパントのP(リン)を含むものである。
(実施例2)
実施例2では、直径32インチの石英ルツボ内に460kgのシリコン原料を充填し、主ドーパントとしてP(リン)、副ドーパントとしてB(ボロン)を添加して溶融した。初期の溶融液におけるP(リン)濃度、初期の溶融液におけるB(リン)濃度に関して4種類の組み合わせについて生産性の難易度の調査を行った。
パターンAは、初期融液中のP(リン)濃度が5E16/cm、B(ボロン)濃度が2.4E16/cmとした。
パターンBは、初期融液中のP(リン)濃度が1.0E17/cm、B(ボロン)濃度が4.79E16/cmとした。
パターンCは、初期融液中のP(リン)濃度が6.8E14/cm、B(ボロン)濃度が2.52E14/cmとした。
パターンDは、初期融液中のP(リン)濃度が1.8E14/cm、B(ボロン)濃度が2.25E13/cmとした。
また、輻射シールドと融液面との距離を50mmとし、炉内圧65torr、アルゴンガスを流量90l/minで流し、横磁場の強度を2500Gaussの炉内環境を作った。そして、ルツボ回転数を1rpm、結晶回転数を7rpm(ルツボ回転とは逆方向)とし、引上げ速度1.5mm/minで結晶径300mmを目標として単結晶育成を行った。また、抵抗率の狙いは55.7Ωcmとした。
単結晶引上げを開始し、断続的に副ドーパントであるB(ボロン)のカウンタードープを実施した。カウンタードープを行わない場合の抵抗率の変動に対して、カウンタードープによりどれだけ抵抗率を補償したかを補償率として算出し、この補償率をそれぞれパターンAは95%、パターンBは80%、パターンCは90%、パターンDは90%を狙った。
引き上げた単結晶を冷却した後、直胴部の側面から四探針法による抵抗率測定を行った。図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)に、その測定結果のグラフを示す。
図6、図7のグラフの縦軸は抵抗率(Ω・cm)を最大値で規格化したもの、横軸は結晶長(mm)である。抵抗率の測定は結晶軸に沿って、パターンA~Dに対して、0.5mm、1mm、25mm、50mmピッチでそれぞれ測定した。
図6、図7に示すように、それぞれ周期的な抵抗率の変動が見られた。パターンAは2mm周期、パターンBは3mm周期、パターンCは100mm周期、パターンDは200mm周期を示した。
Figure 2024018607000002
また、表1に評価結果をまとめた。補償率はカウンタードープを行わない場合の抵抗率の変動に対して、カウンタードープによりどれだけ抵抗率を補償したかを試算した。即ち、引き上げたシリコン単結晶は、p型ドーパントであるB(ボロン)により80%以上補償されたn型ドーパントのP(リン)を含むものである。パターンA、Bの結果から、ボロンとリンの初期融液濃度を高めることで結晶長方向の抵抗率の傾きを2.3Ωcm/mm以上、補償率を80%近傍に合わせ込むことができた。ただし、急峻な抵抗率の変動ではカウンタードープによる抵抗率変動が若干安定にかけた。一方で、周期の長いパターンC、Dでは抵抗率の結晶長方向の変動は安定しているが、結晶長方向の抵抗率の傾きが小さくなった。
3 石英ガラスルツボ
4 サイドヒータ
6 ワイヤ
7 輻射シールド
100 単結晶引上装置
C シリコン単結晶
C2 直胴部
M シリコン溶融液
M1 融液面

Claims (5)

  1. 直胴部を有し、該直胴部からシリコンウェーハが製造されるシリコン単結晶であって、
    前記直胴部の結晶軸方向において、規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有することを特徴とするシリコン単結晶。
  2. 前記直胴部において、軸方向に沿って2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
  3. 前記直胴部において、軸方向に沿って3~100mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
  4. 前記直胴部において、軸方向に沿って100~200mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
  5. 前記直胴部は、p型ドーパントにより80%以上補償されたn型ドーパントを含むことを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
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