JP2024018548A - 照明制御装置、照明制御システム及び照明装置 - Google Patents

照明制御装置、照明制御システム及び照明装置 Download PDF

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Kazuhiro Hatta
達清 内田
Tatsukiyo Uchida
俊靖 田中
Toshiyasu Tanaka
和樹 原田
Kazuki Harada
太一 市川
Taichi Ichikawa
祐輝 小川
Yuki Ogawa
史弥 三橋
Fumiya Mihashi
俊泰 大佛
Toshihiro Osaragi
まき 岸本
Maki Kishimoto
なつみ 田中
Natsumi Tanaka
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Abstract

【課題】足元を明るくし、かつ、光の出力の動的な制御によって人の経路選択率を高めることができる照明制御装置、照明制御システム及び照明装置を提供する。【解決手段】照明制御装置2は、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれを制御する制御信号を出力する制御部20を備える。また、制御信号は、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力が増減を繰り返すような動的な信号である。また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bが発する光の被照射面から第1照明装置10a及び第2照明装置10bまでの距離を距離Tとする。また、第1照明装置10aが発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とする。また、第2照明装置10bが発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とする。また、L1からL2までの間隔を間隔Pとする。このとき、T×Pの値は、14未満である。【選択図】図2A

Description

本開示は、照明制御装置、照明制御システム及び照明装置に関する。
特許文献1には、演出を実行することで人の行動を誘導する誘導演出システムが開示されている。誘導演出システムは、照射光を用いた演出によって人の行動を誘導する出入口照明装置及び陳列棚照明装置を備える。出入口照明装置は、出入口に出射する光の照度を調節する。陳列棚照明装置は、陳列棚に出射する光の照度を調節する。
特許第6998547号公報
従来の誘導演出システムでは、出入口照明装置及び陳列棚照明装置が出射する光の照度を変えることで人を誘導することができるが、被照射面の照度分布にバラつきがあり、人を十分に誘導することができず、経路選択率を高め難い場合がある。
そこで、本開示では、足元を明るくし、かつ、光の出力の動的な制御によって人の経路選択率を高めることができる照明制御装置、照明制御システム及び照明装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る照明制御装置は、第1光源部及び第2光源部のそれぞれを制御する制御信号を出力する制御部を備え、前記制御信号は、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力が増減を繰り返すような動的な信号であり、前記第1光源部及び前記第2光源部が発する光の被照射面から前記第1光源部及び前記第2光源部までの距離を距離Tとし、前記第1光源部が発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とし、前記第2光源部が発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とし、L1からL2までの間隔を間隔Pとすると、T×Pの値は、14未満である。
また、本開示の一態様に係る照明制御システムは、照明制御装置を備え、前記第1光源部から出力される光の出力値の最大値をP1とし、前記最大値P1の直後であり、前記第2光源部から出力される光の出力値の最大値をP2とし、前記第1光源部から出力される光の出力値において、前記最大値P1の直後の最大値をP3とし、前記最大値P1の時点と前記最大値P2の時点との時間差をt1とし、前記最大値P2の時点と前記最大値P3の時点との時間差をt2とすると、前記制御部が光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが通路の一方側から他方側に沿ってこの順で並んで配置されている場合に、t2>t1となるとき、前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、t1が基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する。
また、本開示の一態様に係る照明制御システムは、照明制御装置を備え、前記制御信号は、前記制御信号の最小値を含む低出力領域と、前記低出力領域よりも前記制御信号の出力が高く前記低出力領域と異なる領域であって、前記制御信号の最大値を含む高出力領域とを有し、前記低出力領域と前記高出力領域とを繰り返すように動的な信号であり、前記低出力領域における第1極小値を1.03倍した値をP1’とし、前記第1極小値から経時的に直後の前記高出力領域における極大値を0.97倍した値をP2’とし、前記極大値を0.97倍した値であって、前記値P2’よりも経時的に直後の値をP3’とし、前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における第2極小値を1.03倍した値をP4’とし、前記値P1’と前記値P2’とは、前記第1極小値と前記極大値との間に存在し、前記値P3’と前記値P4’とは、前記極大値と前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における前記第2極小値との間に存在し、前記値P1’から前記値P2’までの遷移時間をta’とし、前記値P3’から前記値P4’までの遷移時間をtb’とすると、前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、ta’及びtb’の少なくとも一つが基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する。
また、本開示の一態様に係る照明装置は、照明制御装置と、被照射面に対して光を発することができる第1光源部及び第2光源部とを備える。
本開示の照明制御装置等によれば、足元を明るくし、かつ、光の出力の動的な制御によって人の経路選択率を高めることができる。
図1は、実施の形態に係る照明システムを示すブロック図である。 図2Aは、複数の照明装置のそれぞれが被照射面に光を照射した場合を示した模式図である。 図2Bは、複数の光源を有する照明装置のそれぞれが被照射面に光を照射した場合を示した別の模式図である。 図3は、制御信号を示す図である。 図4は、複数の照明装置のそれぞれが被照射面に光を照射した場合において、被照射面に照射された光を示す図である。 図5は、被験者が通行を選択するための2つに分岐する通路を例示した図である。 図6は、間隔、照明装置の高さ、高さ×間隔、及び、効果を例示した図である。 図7は、効果と高さ×間隔との関係を例示した図である。 図8は、照明装置が設置された被照射面からの高さと、隣り合う2つの照明装置10の間隔との関係を示した図である。 図9は、光の出力値を示す図である。 図10Aは、出力パターンを示す図である。 図10Bは、出力パターンを示す別の図である。 図11は、制御信号を示す図である。 図12Aは、制御信号を示す別の図である。 図12Bは、制御信号を示すさらに別の図である。 図13は、その他変形例における照明システムを示した模式図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
<構成及び機能>
まず、以下の実施の形態に係る照明システム1について、図1~図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明システム1を示すブロック図である。図2Aは、複数の照明装置10のそれぞれが被照射面に光を照射した場合を示した模式図である。図2Bは、複数の光源11を有する照明装置10のそれぞれが被照射面に光を照射した場合を示した別の模式図である。図3は、制御信号を示す図である。図4は、複数の照明装置10のそれぞれが被照射面に光を照射した場合において、被照射面に照射された光を示す図である。
図1に示すように、照明システム1では、照明装置10から出射する光の照明態様を調整することによって人を誘導することができるアフォーダンス照明システムである。例えば、本実施の形態の照明システム1は、照明態様を調整することによって、人を所定方向に誘導したり、誘導した人を所定領域内に集めたり、所定領域内に集まっている人を分散するように誘導したりすることができる。例えば、人は、鉛直面照度が暗いところよりも明るいところに誘導されるというサバンナ効果が知られている。このため、照明システム1では、地面を照射するものであるため、厳密には鉛直面照度に関係するサバンナ効果とは異なるが、このサバンナ効果と類似の効果を狙って光の明暗を遷移させて、サバンナ効果によって人の感情に働きかけることで、人を誘導することができる。光の出力が増減とは、照明装置10が出射する光の光度、照度が増減すること、照明装置10が出射する光の色温度又は色度が変化することを含む。
このような照明システム1は、例えば、公園、遊園地、駅、大規模施設等のように、多くの人を誘導する必要のある個所に用いられる。
図1及び図2Aに示すように、照明システム1は、照明支持体40と、複数の照明装置10と、照明制御装置2と、電源部30とを備えている。
[照明支持体40]
照明支持体40は、地面に設置され、照明装置10を設置面から1(m)以内の高さに取り付けることができる。
なお、照明支持体40には、複数の照明装置が取り付けられていてもよい。具体的には、照明支持体40は、複数の照明装置10を水平方向に並ばせた状態で取り付けることができてもよい。
[照明装置10]
複数の照明装置10のそれぞれは、例えば街路灯等の屋外用の照明装置、施設内に設置される施設用の照明装置等である。本実施の形態の複数の照明装置10のそれぞれは、通路に沿って配置されている。図2Aでは、複数の照明装置10として、第1照明装置10a及び第2照明装置10bを例示している。第1照明装置10a及び第2照明装置10bは、複数の照明装置10に含まれる隣り合う2つの任意の照明装置10である。なお、図2Aでは、2つの照明装置10を例示している。第1照明装置10a及び第2照明装置10bは、第1光源部及び第2光源部の一例である。照明装置10は、第1照明装置10a及び第2照明装置10bの総称である。
このような複数の照明装置10のそれぞれは、光源11、図示しない発光制御回路等で構成される。光源11は、複数のLED(Light Emitting Diode)素子が実装された発光モジュールである。複数のLED素子のそれぞれは、赤色LEDチップ、青色LEDチップ、緑色LEDチップ、白色LEDチップ、及び、黄色LEDチップを含んでいる。また、光源11は、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせることで白色光を出射する構成であってもよい。さらに、光源11は、これら2以上のLED素子を選択的に組み合わせることで種々の光色を発するようにしてもよい。なお、これらに限定されるものではなく、一般的に実用されている構成を用いてもよい。発光制御回路が各LEDチップを独立して制御することで、複数の照明装置10のそれぞれは、被照射面に対して光を発し、被照射面に光を照射する。光源11は、1つの照明装置10に複数搭載されていてもよい。ここで、被照射面は、例えば、床面、壁面等である。また、光源11は、第1光源部、第2光源部及び第3光源部の一例であってもよい。
複数の照明装置10のそれぞれは、照明制御装置2から制御信号を取得すると、制御信号に応じた照明態様で点灯する。複数の照明装置10のそれぞれは、調光機能、及び、調色機能を備えている。
例えば、複数の照明装置10のそれぞれは、調光機能として、光源11が出力する光の明るさを複数の段階に調節することで、出力する光の明るさを暗くしたり、明るくしたりすることができる。つまり、複数の照明装置10のそれぞれは、出力する光の明暗を周期的に揺らがせることができる。ここで、周期的とは、同一の周期であってもよく、異なる周期であってもよい。
また、複数の照明装置10のそれぞれは、調色機能として、電球色等の低い色温度から温白色、昼白色又は昼光色等の高い色温度までの白色光を発することができる。つまり、複数の照明装置10のそれぞれは、出力する光の色合いを周期的に揺らがせることもできる。例えば、照明演出では、複数の照明装置10のそれぞれは、出力する光の赤みを増したり赤みを減らしたりを繰り返すように、周期的に色温度を変更してもよい。
なお、複数の照明装置10のそれぞれは、照明演出として、出力する光の波長を変更することによって、出力する光の色を変更してもよい。
また、複数の照明装置10のそれぞれは、出力した光を通路における被照射面の異なる個所に光を照射することができるように、通路に沿って並んで配置されている。
複数の照明装置10のそれぞれは、所定距離以下離れた位置に配置されている。具体的には、複数の照明装置10のうちの隣り合う2つの照明装置10である第1照明装置10a及び第2照明装置10bが発する光の被照射面から第1照明装置10a及び第2照明装置10bまでの距離をTとする。このとき、距離Tは、1.5(m)以下である。また、第1照明装置10aが発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とする。また、第2照明装置10bが発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とする。また、最大出力地点L1から最大出力地点L2までの間隔をPとする。このとき、T×Pの値は、14未満である。好ましくは、T×Pの値は、12未満である。より好ましくは、T×Pの値は、9未満である。また、間隔Pは、20(m)以下である。
なお、本実施の形態では、被照射面が造営材等の壁面の場合、距離Tは、光の被照射面から照明装置10の中心又は最短点までの距離であってもよく、光の被照射面から光源11の中心又は最短点までの距離であってもよい。
なお、本実施の形態では、被照射面が地面又は造営材等の床面等の場合、距離Tは、光の被照射面から照明装置10の中心又は最下点までの高さであってもよく、光の被照射面から光源11の中心又は最下点までの高さであってもよい。
また、照明支持体40に複数の照明装置10が配置されている場合、複数の照明装置10は、水平方向かつ通路に沿って並んで配置されてもよい。この場合、複数の照明装置10のそれぞれは、光を出力する方向が異なるように照明支持体40に取付けられているが、光を出力する方向が同様となるように照明支持体40に取付けられていてもよい。ここで、光を出力する方向とは、照明装置10が出射する光の光軸に沿った方向、つまり主たる光の方向である。
図2Aにおける複数の照明装置10のうちの第1照明装置10a及び第2照明装置10bと、第1光照射領域及び第2光照射領域との関係について説明する。
第1照明装置10aは、光を出力した場合、通路の被照射面に第1光照射領域を形成する。第2照明装置10bは、光を出力した場合、被照射面に第2光照射領域を形成する。
第1光照射領域及び第2光照射領域は、被照射面においてそれぞれ異なる個所である。図2Aでは、第1照明装置10a及び第2照明装置10bがこの順で並んで配置されているため、第1光照射領域及び第2光照射領域もこの順で並んで形成される。
また、図2Aでは、2つの照明装置10を用いて例示しているが、3つ以上の照明装置10を用いた場合も同様である。図2Bでは、1つの照明支持体40に3つの照明装置10が設けられている場合を例示したが、照明装置10は照明支持体40に4つ以上設けられてもよく、2つ設けられてもよい。
図2Bにおける複数の照明装置10のうちの第1照明装置10a1、第1照明装置10a2、第1照明装置10a3、第2照明装置10b1、第2照明装置10b2及び第2照明装置10b3と、第1a光照射領域、第1b光照射領域、第1c光照射領域、第2a光照射領域、第2b光照射領域及び第2c光照射領域との関係について説明する。
第1照明装置10a1は、光を発することで通路の被照射面に第1a光照射領域を形成する。第1照明装置10a2は、光を発することで被照射面に第1b光照射領域を形成する。第1照明装置10a3は、光を発することで被照射面に第1c光照射領域を形成する。第2照明装置10b1は、光を発することで被照射面に第2a光照射領域を形成する。第2照明装置10b2は、光を発することで被照射面に第2b光照射領域を形成する。第2照明装置10b3は、光を発することで被照射面に第2c光照射領域を形成する。
第1a光照射領域、第1b光照射領域、第1c光照射領域、第2a光照射領域、第2b光照射領域及び第2c光照射領域は、被照射面においてそれぞれ異なる個所である。図2Bでは、第1照明装置10a1、第1照明装置10a2、第1照明装置10a3、第2照明装置10b1、第2照明装置10b2及び第2照明装置10b3がこの順で並んで配置されており、第1a光照射領域、第1b光照射領域、第1b光照射領域、第2a光照射領域、第2b光照射領域及び第2c光照射領域は、隣り合う2つの光照射領域の一部が重ならないように形成されている。
このように、複数の照明装置10のそれぞれが同一の高さとなるように通路に沿って配置されるため、例えば、第1照明装置10aが発した光によって形成された第1光照射領域と、第2照明装置10bが発した光によって形成された第2光照射領域とは同一の大きさとなる。これにより、通路の被照射面に照射された光によって形成されるそれぞれの光照射領域の大きさを揃えることができる。また、複数の照明装置10に含まれる図4の第3照明装置10cが発した光によって形成された第3光照射領域もこれらと同一の大きさとなる。この場合、複数の照明装置10のそれぞれの配光角は同様であってもよく、異なっていてもよい。
また、複数の照明装置10のそれぞれは、設置された高さに応じて配光角を変更することができてもよい。これにより、被照射面に照射された光によって形成されるそれぞれの光照射領域の大きさを揃えることができる。
また、本実施の形態では、複数の照明装置10のそれぞれが1(m)以下の高さに配置されるため、人の目に光が入射しないように、複数の照明装置10のそれぞれの出射方向は、複数の照明装置10を通過する水平面よりも鉛直下方に向いていてもよい。つまり、複数の照明装置10の光は水平面よりも上に照射されなくてもよい。なお、複数の照明装置10のそれぞれの出射方向は、複数の照明装置10を通過する水平面よりも数度程度、鉛直上方に向いていてもよい。
[照明制御装置2]
照明制御装置2は、複数の照明装置10を個別に又は一括して制御することができる。また、照明制御装置2は、複数の照明装置10のそれぞれを所定の演出で照明させるための制御信号を、複数の照明装置10のそれぞれへ出力することで、複数の照明装置10を制御信号に応じた所定の演出で照明させることができる。つまり、照明制御装置2は、複数の照明装置10のそれぞれを、制御信号に示される所定の演出で照明させるように制御する。
照明制御装置2は、制御部20を備えている。
制御部20は、通路における被照射面の複数箇所に光が照射されるように、光を発する複数の照明装置10のそれぞれを制御することができる制御信号を複数の照明装置10のそれぞれへ出力する。制御信号は、複数の照明装置10のそれぞれが発する光の光度、又は、複数の照明装置10のそれぞれが発する光の照度が時間の経過とともに増減を繰り返すような動的な信号である。
制御信号は、図3に示すように、1周期あたりの制御信号は、1回だけ増加する波形の信号と、1回だけ減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。また、1周期あたりの制御信号は、2回以上増加する波形の信号と、2回以上減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。このため、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する1周期あたりの光の照度も、1回だけ照度が増加する光と、1回だけ照度が減少する光とからなる動的な光である。また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する1周期あたりの光の照度も、2回以上照度が増加する光と、2回以上照度が減少する光とからなる動的な光であってもよい。なお、制御信号には、照明装置10の出力をOFFにしたり、ONにしたりするものも含まれていてもよい。
なお、図3で示した制御信号はあくまでも一例であり、制御信号は、図3に限定されない。
また、複数の照明装置10へ出力されるそれぞれの制御信号の周期は、同一である。また、制御信号は、複数の照明装置10のそれぞれに対して異なる位相で出力されてもよい。
ここで、被照射面に照射された複数の光照射領域が直線状に形成されたときに変化する光の様子について、図4を用いて説明する。図4では、照明システム1として、複数の照明装置10の一例として第1照明装置10a、第2照明装置10b及び第3照明装置10cを通路に沿ってこの順番で配置した場合を例示している。
通路の一方側から1つ目の第1照明装置10aは、被照射面へ光を照射することで、光照射領域A1を形成する。また、一方側から2つ目の第2照明装置10bは、被照射面へ光を照射することで、光照射領域B1を形成する。また、一方側から3つ目の第3照明装置10cは、被照射面へ光を照射することで、光照射領域C1を形成する。このように、光照射領域A1~A3は、通路の一方側から他方側にこの順で並んで形成される。
例えば、図4の第1段階では、制御信号に基づいて第1照明装置10a、第2照明装置10b及び第3照明装置10cが連動して光を発することで、光照射領域A1~A3の照度は、最も低い第3照度となっている。
次に、第2段階では、制御信号に基づいて第1照明装置10a、第2照明装置10b及び第3照明装置10cが連動して光を発することで、光照射領域A1~A3の照度が2番目に高い第2照度となっている。
次に、第3段階では、制御信号に基づいて第1照明装置10a、第2照明装置10b及び第3照明装置10cが連動して光を発することで、光照射領域A1~A3の照度が1番目に高い第1照度となっている。
このように、本実施の形態では複数の照明装置10が一括して連動することで、例えば通路に存在する人には、被照射面に照射された光によって、被照射面が次第に明るくなったり、被照射面が次第に暗くなったりするように見える。
なお、例えば、光照射領域A1~A3のこの順番に沿って次第に明るく又は暗くなるように光を遷移させてもよい。具体的には、制御部20が複数の照明装置10のそれぞれに対して位相の異なる制御信号を送信することで、複数の照明装置10のそれぞれが出射する光の出力波形の位相を異ならせてもよい。この場合、通路の一方側から他方側に向かって次第に明るくなったり、暗くなったりする。このような、光の遷移速度は、人が歩く時の速度と同様の速度(時速数Km程度の速度)であってもよい。
また、被照射面に照射された光による複数の光照射領域は、曲線状、鋸歯状、円形状、多角形状、L字状、又は、斜線状に形成されてもよく、自由自在に形成されてもよい。
[電源部30]
図1に示すように、電源部30は、複数の照明装置10及び照明制御装置2に電力を供給する機能を有する。電源部30は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部30は、例えば、複数の光源11のそれぞれを発光させるための駆動電力を生成する。具体的には、電源部30は、光源11を発光させるための駆動電力を生成し、この駆動電力をそれぞれの光源11に供給する。つまり、電源部30は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって光源11を発光させるための駆動電力としてそれぞれの光源11に供給して、光源11の発光素子を発光させる。なお、電源部30は、複数の照明装置10のそれぞれに設けられていてもよい。
<実験結果>
次に、本実施の形態の照明システムについての実験結果を、図5~図8を用いて説明する。
図5は、被験者が通行を選択するための2つに分岐する通路を例示した図である。図6は、間隔、照明装置の高さ(距離の一例)、高さ×間隔、及び、効果を例示した図である。図7は、効果と高さ×間隔との関係を例示した図である。図8は、照明装置10が設置された被照射面からの高さと、隣り合う2つの照明装置10の間隔との関係を示した図である。
図5に示すように、被験者には、矢印の方向に直線の通路を歩いて貰い、直線の通路の先端に二方向に分岐のある通路を選択させて、さらに歩いて貰う。二方向のうちの一方側の第1通路には、本実施の形態の照明システム1における複数の照明装置10が第1通路に沿って配置されている。二方向のうちの他方側の第2通路には、アフォーダンス照明を行わない従来の照明システムにおける従来の複数の照明装置が第2通路に沿って配置されている。被験者が分岐地点において、第1通路を選択して歩いた人数と、第2通路を選択して歩いた人数との統計をとった。
間隔Pが7(m)の場合では、被験者60名中、42名(70%)が本実施の形態の複数の照明装置10が配置されている第1通路を選択した。このときの有意差p=0.0013となった。
間隔Pが10(m)の場合では、被験者60名中、38名(約63.3%)が本実施の形態の複数の照明装置10が配置されている第2通路を選択した。このときの有意差p=0.0259となった。
被験者nがいずれかの通路を選択する確率P(i)について、例えば次の式(1)のロジットモデルを用いて算出することができる。
Figure 2024018548000002
被験者nが第1通路を選択して得られる効果はU1nであり(i=1)、第2通路を選択して得られる効果はU2nである(i=2)。Uinは、通路i(i=1または2)を選択した際に得られる効果である。
inは、次の式(2)で算出される。
in=Σakin 式(2)
kinは、選択肢のk番目の説明変数である。aは未知のパラメータである。kは、1:「道が明るい」、2:「光に動きを感じる」、3:「安全」、4:「見通しが良い」、5:「歩きやすい」、6:「道以外が明るい」、7:「植物が多い」、8:「視覚的に静か」、及び、9:「賑やか」のように、1~9のこの順番に並べられた被験者の主観評価と、10:「経路確認回数」、11:「性別」、12:「歩き始めの足」、13:「歩行速度」、14:「出発地点から分岐地点まで距離」、15:「分岐地点までの左右移動」、16:「分岐地点までの足元確認」、17:「通路選択後の振り返り」、及び、18:「通路選択直前の減速有無」等のように、10~18のこの順番に並べられた個人特定とを含んだ説明変数である。
次に、複数の照明装置10の隣り合う2つの間隔T=5、7、9、10(m)となるように設置したそれぞれの場合の誘目性及び誘導性について、被験者による主観評価を行った。被験者による主観評価は、効果1は「非常にそう思う」、効果2は「かなりそう思う」、効果3は「そう思う」、効果4は「ややそう思う」、効果5は「少しそう思う」、効果6は「思わない」、効果7は「全く思わない」の7段階の評価である。また、照明の条件を変更して評価した。通常の照明条件、最低照度を0.5倍にした照明条件、最低照度を0.75倍にした照明条件、最高照度及び最低照度のそれぞれを0.5倍にした4つの照明条件で、5、7、9、10(m)とそれぞれ間隔Tを変更して評価を行った。
このとき、図6に示すように、間隔が5(m)、高さが0.7(m)、高さ×間隔が3.5の場合では、中央値が効果2.37であった。また、間隔が7(m)、高さが0.7(m)、高さ×間隔が4.9の場合では、中央値が効果2.75であった。また、間隔が9(m)、高さが0.7(m)、高さ×間隔が6.3の場合では、中央値が効果3.62であった。また、間隔が10(m)、高さが0.7(m)、高さ×間隔が7の場合では、中央値が効果3.37であった。
図7に示すように、効果と高さ×間隔との関係は、図6に基づいて、式(3)で示される。
効果=0.3416(高さ×間隔)+1.1741 式(3)
これにより、照明装置10を設置する高さ、つまり被照射面からの(距離×間隔)を設定することで、期待される効果を明らかにできる。
次に、効果の誤差を考慮した。上述の主観評価から、効果1~4については、誘目性及び誘導性の効果ありと考えられる。効果5については、「少しそう思う」という主観評価のため、効果がある場合を含んでいると考えられる。そこで、効果5について、誤差を考慮した。この場合、高さ×間隔の標準誤差は、0.9269と算出された。このため、効果5.9未満が効果ありとした。
図8では、実線が効果4.0で高さ×間隔が8.3のとき、破線が効果5.0で高さ×間隔が11.2のとき、一点鎖線が効果5.9で高さ×間隔が13.9のときを例示した。
図8では、横軸の間隔の上限値を20(m)、下限値を0.1(m)、縦軸の高さの上限値を1.5(m)、下限値を0(m)としたときの枠を破線で示した。照明装置10の設置の観点から、破線の枠内に収まるように高さと間隔とを設定することが好ましい。5.9未満の効果を得たい場合は、図8の破線の枠内に収まるように間隔と高さとを設定することで、所望の効果を得ることが期待できる。
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明制御装置2及び照明装置10の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態の照明制御装置2は、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれを制御する制御信号を出力する制御部20を備える。また、制御信号は、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力が増減を繰り返すような動的な信号である。また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bが発する光の被照射面から第1照明装置10a及び第2照明装置10bまでの距離を距離Tとする。また、第1照明装置10aが発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とする。また、第2照明装置10bが発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とする。また、L1からL2までの間隔を間隔Pとする。このとき、T×Pの値は、14未満である。
これによれば、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれは、制御信号に基づいて、光度又は照度が変化するように、増減を周期的に繰り返すような動的な光を発する。このため、被照射面に光の明るさの増減が周期的に繰り返された光が照射されることで、人は、明るい光に注目するようになる。
また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bをT×Pの値が14未満を満たすように所定の高さに設置して、第1照明装置10a及び第2照明装置10bが光を発すれば、被照射面に光が照射され、足元を明るくすることができる。また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bが発した光は、人の目に直接的に入り難くなるため、眩しさによる人への不快感を与え難い。また、T×Pの値が14未満であれば、人の経路選択率を期待することができる。
したがって、足元を明るくし、かつ、光の出力の動的な制御によって人の経路選択率を高めることができる。特に、照明装置10の距離Tが被照射面から近づくほど、隣り合う2つの第1照明装置10a及び第2照明装置10bの間隔が小さいほど、被照射面に略均一な光が照射されることとなる。T×Pの値を14未満にすれば、効果5.9未満を実現することができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、本実施の形態の照明装置10は、照明制御装置2と、被照射面に対して光を発することができる第1光源部(光源11)及び第2光源部(別の光源11)とを備える。
この場合においても上述と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態の照明制御装置2において、T×Pの値は、12未満である。
これによれば、足元を明るくすることで、より人の経路選択率を高めることができる。
また、T×Pの値を12未満にすれば、効果5.0以下を確保することができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、本実施の形態の照明制御装置2において、T×Pの値は、9未満である。
これによれば、足元を明るくすることで、より人の経路選択率を高めることができる。
また、T×Pの値を9未満にすれば、効果4.0以下を確保することができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、本実施の形態の照明制御装置2において、距離Tは、1.5(m)以下。
これによれば、足元を明るくすることで、より人の経路選択率を高めることができる。
また、被照射面から照明装置10までの距離Tを1.5(m)以下に設定することで、間隔Pを10(m)以下に設定されるため、所定の効果を確保することができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、本実施の形態の照明制御装置2において、間隔Pは、20(m)以下である。
これによれば、間隔Pを20(m)以下に設定することで、距離Tが1.5(m)以下に設定されるため、人の経路選択率を50%以上、確保することができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、本実施の形態の照明制御装置2において、制御部20は、さらに、第3照明装置10cを制御する制御信号を出力する。そして、第1照明装置10a、第2照明装置10b及び第3照明装置10cは、この順で並んで配置されている。
これによれば、足元を明るくすることで、より人の経路選択率を高めることができる。
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、制御信号の変化させる点で実施の形態と相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
本変形例では、図9を用いて説明する。図9は、光の出力値を示す図である。
図9に示すように、制御部20は、光のシーンを実現するための第1照明装置10a及び第2照明装置10bの出力パターンを変化させる際に、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのうちの少なくとも一つの照明装置10から出力される光の出力値の最大値P、最小値B、最大値Pと最小値Bの平均値((P+B)/2)、又は、最小値Bから最大値Pに至るまでの出力値の平均値(出力値の積分値/最小値Bから最大値Pに至るまでの時間)が基準値よりも大きくなる、又は、基準値よりも小さくなるように少なくとも一つの照明装置10が発する光の出力を制御する。つまり、制御部20は、最大値Pが第1基準値よりも大きくなる、又は、第1基準値よりも小さくなるように少なくとも一つの照明装置10が発する光の出力を制御することがある。また、制御部20は、最小値Bが第2基準値よりも大きくなる、又は、第2基準値よりも小さくなるように少なくとも一つの照明装置10が発する光の出力を制御することがある。また、制御部20は、平均値((P+B)/2)が第3基準値よりも大きくなる、又は、第3基準値よりも小さくなるように少なくとも一つの照明装置10が発する光の出力を制御することがある。また、制御部20は、出力値の平均値(出力値の積分値/最小値Bから最大値Pに至るまでの時間)が第4基準値よりも大きくなる、又は、第4基準値よりも小さくなるように少なくとも一つの照明装置10が発する光の出力を制御することがある。第1基準値、第2基準値、第3基準値及び第4基準値は、基準値の一例であり、それぞれが異なる値であってもよい。光の出力値とは、制御信号、照明装置10が出力する光の光度、照度、色温度、及び、色度を含む。ここで、出力パターンの変化には、照明装置10が出力する光の光度、光束、照度、色温度、及び、色度の変化を含む。
ここで、出力パターンの変化について図10A及び図10Bを用いて説明する。図10Aは、出力パターンを示す図である。図10Bは、出力パターンを示す別の図である。
図10Aでは、赤色、青色、緑色及び黄色のそれぞれの出力パターンを例示している。例えば、図10Aでは、最大値となる出力パターン1、2の出力値は100である。このため、赤色、青色、緑色及び黄色の少なくともいずれかの出力パターンに含まれる光色が変化しても光束は変化しない。しかし、出力パターン1の赤色の出力値100、他の色の出力値0のときであっても、出力パターン2の青色の出力値100、他の色の出力値0のときでは、光色が変化する。このように、光色が変化する場合も出力パターンの変化に含まれる。
別の例として、図10Bでは、赤色、青色、緑色及び黄色のそれぞれの出力パターンを例示している。例えば、図10Bでは、最大値となる出力パターン1の出力値は100、出力パターン2の出力値は50である。このため、赤色、青色、緑色及び黄色の少なくともいずれかの出力パターンに含まれる光色が変化すると、光束は変化する。加えて、出力パターン1は赤色であるが、出力パターン2は青色であるため、光色が変化している。このように、出力値と光色が変化する場合も出力パターンの変化に含まれる。
このような本変形例では、被照射面に光の明るさの増減が周期的に繰り返された光が照射されることで、人は、変化する明るい光に注目するようになる。したがって、光によって人に対する誘目性及び誘導性を高めることができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
また、制御部20は、光のシーンを実現するための第1照明装置10a及び第2照明装置10bの出力パターンを変化させる際に、少なくとも一つの照明装置10から出力される光の色度が異なるように少なくとも一つの照明装置10を制御する。この場合も、光によって人に対する誘目性及び誘導性をより高めることができる。
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、制御信号の変化させる点で実施の形態と相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
本変形例では、図11を用いて説明する。図11は、制御信号を示す図である。また、本変形例の照明制御システムは、上述の照明制御装置を備えていてもよい。
図11に示すように、本変形例では、第1照明装置10aから出力される光の出力値の最大値をP1とする。また、最大値P1の直後であり、第2照明装置10bから出力される光の出力値の最大値をP2とする。また、第1照明装置10aから出力される光の出力値において、最大値P1の直後の最大値をP3とする。また、最大値P1の時点と最大値P2の時点との時間差をt1とする。また、最大値P2の時点と最大値P3の時点との時間差をt2とする。制御部20が光のシーンを実現するための第1照明装置10a及び第2照明装置10bの出力パターンを変化させる際、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが通路の一方側から他方側に沿ってこの順で並んで配置されている場合に、t2>t1となるとき、制御部20は、照明装置10が発する光の出力を制御する。具体的には、t2>t1となるとき、制御部20は、光のシーンを実現するための照明装置10の出力パターンを変化させる際に、t1が基準値より短くなるように、又は、基準値より長くなるように第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力を制御する。
このような本変形例では、t1が基準値より短くなるようにすれば、隣り合う2つの照明装置10(第1照明装置10a及び第2照明装置10b)では位相差が小さくなる。このとき、通路における被照射面に照射されたそれぞれの光照射領域では、隣り合う2つの照明装置10の発した光による遷移速度が速く見える。
また、t1が基準値より長くなるようにすれば、隣り合う2つの照明装置10(第1照明装置10a及び第2照明装置10b)では位相差が大きくなり、t1の長さがt2の長さに近づく。このとき、通路における被照射面に照射されたそれぞれの光照射領域では、隣り合う2つの照明装置10の発した光による遷移速度が遅く見える。
したがって、この照明制御装置2によれば、光によって人に対する誘目性及び誘導性を高めることができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
(実施の形態の変形例3)
本変形例では、制御信号の変化させる点で実施の形態と相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
本変形例では、図12A及び図12Bを用いて説明する。図12Aは、制御信号を示す別の図である。図12Bは、制御信号を示すさらに別の図である。また、本変形例の照明制御システムは、上述の照明制御装置を備えていてもよい。
制御信号は、制御信号の最小値を含む低出力領域と、低出力領域よりも制御信号の出力が高く低出力領域と異なる領域であって、制御信号の最大値を含む高出力領域とを有している。また、制御信号は、低出力領域と高出力領域とを繰り返すように動的な信号である。この場合、低出力領域における第1極小値を1.03倍した値をP1’とする。また、第1極小値から経時的に直後の高出力領域における極大値を0.97倍した値をP2’とする。また、極大値を0.97倍した値であって、値P2’よりも経時的に直後の値をP3’とする。また、極大値から経時的に直後の低出力領域における第2極小値を1.03倍した値をP4’とする。また、値P1’と値P2’とは、第1極小値と極大値との間に存在する。また、値P3’と値P4’とは、極大値と極大値から経時的に直後の低出力領域における第2極小値との間に存在する。また、値P1’から値P2’までの遷移時間をta’とする。また、値P3’から値P4’までの遷移時間をtb’とする。これらの場合、制御部20は、光のシーンを実現するための照明装置10の出力パターンを変化させる際に、ta’及びtb’の少なくとも一つが基準値より短くなるように、又は、基準値より長くなるように、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力を制御する。
つまり、制御部20は、照明装置10の出力パターンを変化させる際に、ta’が第1基準値より短くなるように、又は、第1基準値より長くなるように第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力を制御する。また、制御部20は、照明装置10の出力パターンを変化させる際に、tb’が第2基準値より短くなるように、又は、第2基準値より長くなるように第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれが発する光の出力を制御する。
具体的には、照明装置10の出力パターンの変化には以下の場合がある。(1)ta’が短くなり、tb’が変化しない場合、(2)ta’及びtb’が短くなる場合、(3)ta’が短くなり、tb’が長くなる場合、(4)ta’が長くなり、tb’が変化しない場合、(5)ta’が長くなり、tb’が短くなる場合、(6)ta’及びtb’が長くなる場合、(7)ta’が変化せず、tb’が短くなる場合、(8)ta’が変化せず、tb’が長くなる場合がある。なお、第1基準値及び第2基準値は、基準値の一例であり、それぞれが異なる値であってもよい。
このような本変形例では、第1照明装置10a及び第2照明装置10bのそれぞれは、低出力領域と高出力領域とを繰り返すように動的な制御信号に基づいて、光の出力が変化するように、増減を周期的に繰り返すように動的な光を発する。このため、被照射面には、光の明るさの増減が周期的に繰り返された光が照射される。
例えば、第1照明装置10a及び第2照明装置10bの少なくとも一方がフェードインにおいて急に明るくなる光を発し、フェードアウトにおいて次第に明るさが暗くなる光を発する。このため、被照射面に照射された光は、連続的に変化する。これにより、人は、この変化に応じて移動しようとする意識が働く。
また、第1照明装置10a及び第2照明装置10bの少なくとも一方がフェードインにおいて次第に明るくなる光を発し、フェードアウトにおいて急に明るさが暗くなる光を発する。このため、被照射面に照射された光は、光の変化が激しくなく、景観を損なわずに人を誘導することができる。
したがって、この照明制御装置2によれば、光によって人の誘導性を高めることができる。その結果、この照明制御装置2では、アフォーダンス照明を実現することができる。
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態の変形例1~3における照明制御装置、照明制御システム及び照明装置等において、出力パターンを二つ以上組み合わせて実行してもよい。つまり、制御部20は、光度、照度、色温度及び色度のうちの少なくとも2つ以上の出力パターンを組み合わせることで、複数の照明装置10からそれぞれの光を出射させてもよい。
また、本実施の形態における照明制御装置及び照明装置において、図13に示すように、台座41に光源11が配置されていてもよい。図13は、その他変形例における照明システム1aを示した模式図である。この場合、照明システム1aは、照明支持体40と、反射板10hと、照明制御装置2と、電源部30とを備えていてもよい。また、照明支持体40は、台座41と、支柱42とを備えていてもよい。反射板10hは支柱42の先端に設けられていてもよい。支柱42の内部には、光源11が出射した光が通過する導光路が形成されていてもよい。反射板10hでは、光源11が出射した光であり、導光路を通過した光が入射して反射することで、被照射面に反射した光が入射する。反射板10hは、第1光源部、第2光源部及び第3光源部の一例である。なお、被照射面が造営材等の壁面の場合、距離Tは、光の被照射面から反射板10hの中心又は最短点までの距離であってもよい。なお、被照射面が地面又は造営材等の床面等の場合、距離Tは、光の被照射面から反射板10hの中心又は最下点までの高さであってもよい。
また、本実施の形態における照明制御装置、照明制御システム及び照明装置等に含まれる制御部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
以下に、上記実施の形態に基づいて説明した照明制御装置、照明制御システム及び照明装置の特徴を示す。
<技術1>
第1光源部及び第2光源部のそれぞれを制御する制御信号を出力する制御部を備え、
前記制御信号は、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力が増減を繰り返すような動的な信号であり、
前記第1光源部及び前記第2光源部が発する光の被照射面から前記第1光源部及び前記第2光源部までの距離を距離Tとし、
前記第1光源部が発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とし、
前記第2光源部が発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とし、
L1からL2までの間隔を間隔Pとすると、
T×Pの値は、14未満である
照明制御装置。
<技術2>
前記T×Pの値は、12未満である
技術1に記載の照明制御装置。
<技術3>
前記T×Pの値は、9未満である
技術1に記載の照明制御装置。
<技術4>
前記距離Tは、1.5(m)以下である
技術1に記載の照明制御装置。
<技術5>
前記間隔Pは、20(m)以下である
技術1に記載の照明制御装置。
<技術6>
前記制御部は、さらに、第3光源部を制御する制御信号を出力し、
前記第1光源部、前記第2光源部及び前記第3光源部は、この順で並んで配置されている
技術1~5のいずれか1つに記載の照明制御装置。
<技術7>
前記制御部は、光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際に、
前記第1光源部及び前記第2光源部のうちの少なくとも一つの光源部から出力される光の出力値の最大値P、最小値B、最大値Pと最小値Bの平均値((P+B)/2)、又は、最小値Bから最大値Pに至るまでの出力値の平均値(出力値の積分値/最小値Bから最大値Pに至るまでの時間)が基準値よりも大きくなる、又は、前記基準値よりも小さくなるように前記少なくとも一つの光源部が発する光の出力を制御する
技術1に記載の照明制御装置。
<技術8>
前記制御部は、光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際に、前記少なくとも一つの光源部から出力される光の色度が異なるように前記少なくとも一つの光源部を制御する
技術7に記載の照明制御装置。
<技術9>
出力パターンを二つ以上組み合わせて実行する
技術7又は8に記載の照明制御装置。
<技術10>
技術1~9のいずれか1つに記載の照明制御装置を備え、
前記第1光源部から出力される光の出力値の最大値をP1とし、
前記最大値P1の直後であり、前記第2光源部から出力される光の出力値の最大値をP2とし、
前記第1光源部から出力される光の出力値において、前記最大値P1の直後の最大値をP3とし、
前記最大値P1の時点と前記最大値P2の時点との時間差をt1とし、
前記最大値P2の時点と前記最大値P3の時点との時間差をt2とすると、
前記制御部が光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが通路の一方側から他方側に沿ってこの順で並んで配置されている場合に、t2>t1となるとき、前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、t1が基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する
照明制御システム。
<技術11>
技術1~9のいずれか1つに記載の照明制御装置を備え、
前記制御信号は、
前記制御信号の最小値を含む低出力領域と、前記低出力領域よりも前記制御信号の出力が高く前記低出力領域と異なる領域であって、前記制御信号の最大値を含む高出力領域とを有し、
前記低出力領域と前記高出力領域とを繰り返すように動的な信号であり、
前記低出力領域における第1極小値を1.03倍した値をP1’とし、
前記第1極小値から経時的に直後の前記高出力領域における極大値を0.97倍した値をP2’とし、
前記極大値を0.97倍した値であって、前記値P2’よりも経時的に直後の値をP3’とし、
前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における第2極小値を1.03倍した値をP4’とし、
前記値P1’と前記値P2’とは、前記第1極小値と前記極大値との間に存在し、
前記値P3’と前記値P4’とは、前記極大値と前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における前記第2極小値との間に存在し、
前記値P1’から前記値P2’までの遷移時間をta’とし、
前記値P3’から前記値P4’までの遷移時間をtb’とすると、
前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、ta’及びtb’の少なくとも一つが基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する
照明制御システム。
<技術12>
出力パターンを二つ以上組み合わせて実行する
技術10又は11に記載の照明制御システム。
<技術13>
技術1~9のいずれか1つに記載の照明制御装置と、
被照射面に対して光を発することができる第1光源部及び第2光源部とを備える
照明装置。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつくそれぞれの種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
2 照明制御装置
10 照明装置(第1光源部、第2光源部及び第3光源部)
10a、10a1、10a2、10a3 第1照明装置(第1光源部)
10b、10b1、10b2、10b3 第2照明装置(第2光源部)
10c 第3照明装置(第3光源部)
11 光源(第1光源部、第2光源部及び第3光源部)
20 制御部

Claims (13)

  1. 第1光源部及び第2光源部のそれぞれを制御する制御信号を出力する制御部を備え、
    前記制御信号は、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力が増減を繰り返すような動的な信号であり、
    前記第1光源部及び前記第2光源部が発する光の被照射面から前記第1光源部及び前記第2光源部までの距離を距離Tとし、
    前記第1光源部が発した光が被照射面に照射されたときの最大出力地点をL1とし、
    前記第2光源部が発した光の被照射面に照射されたときの最大出力地点をL2とし、
    L1からL2までの間隔を間隔Pとすると、
    T×Pの値は、14未満である
    照明制御装置。
  2. 前記T×Pの値は、12未満である
    請求項1に記載の照明制御装置。
  3. 前記T×Pの値は、9未満である
    請求項1に記載の照明制御装置。
  4. 前記距離Tは、1.5(m)以下である
    請求項1に記載の照明制御装置。
  5. 前記間隔Pは、20(m)以下である
    請求項1に記載の照明制御装置。
  6. 前記制御部は、さらに、第3光源部を制御する制御信号を出力し、
    前記第1光源部、前記第2光源部及び前記第3光源部は、この順で並んで配置されている
    請求項1~5のいずれか1項に記載の照明制御装置。
  7. 前記制御部は、光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際に、
    前記第1光源部及び前記第2光源部のうちの少なくとも一つの光源部から出力される光の出力値の最大値P、最小値B、最大値Pと最小値Bの平均値((P+B)/2)、又は、最小値Bから最大値Pに至るまでの出力値の平均値(出力値の積分値/最小値Bから最大値Pに至るまでの時間)が基準値よりも大きくなる、又は、前記基準値よりも小さくなるように前記少なくとも一つの光源部が発する光の出力を制御する
    請求項1に記載の照明制御装置。
  8. 前記制御部は、光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際に、前記少なくとも一つの光源部から出力される光の色度が異なるように前記少なくとも一つの光源部を制御する
    請求項7に記載の照明制御装置。
  9. 出力パターンを二つ以上組み合わせて実行する
    請求項7又は8に記載の照明制御装置。
  10. 請求項1に記載の照明制御装置を備え、
    前記第1光源部から出力される光の出力値の最大値をP1とし、
    前記最大値P1の直後であり、前記第2光源部から出力される光の出力値の最大値をP2とし、
    前記第1光源部から出力される光の出力値において、前記最大値P1の直後の最大値をP3とし、
    前記最大値P1の時点と前記最大値P2の時点との時間差をt1とし、
    前記最大値P2の時点と前記最大値P3の時点との時間差をt2とすると、
    前記制御部が光のシーンを実現するための前記第1光源部及び前記第2光源部の出力パターンを変化させる際、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが通路の一方側から他方側に沿ってこの順で並んで配置されている場合に、t2>t1となるとき、前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、t1が基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する
    照明制御システム。
  11. 請求項1に記載の照明制御装置を備え、
    前記制御信号は、
    前記制御信号の最小値を含む低出力領域と、前記低出力領域よりも前記制御信号の出力が高く前記低出力領域と異なる領域であって、前記制御信号の最大値を含む高出力領域とを有し、
    前記低出力領域と前記高出力領域とを繰り返すように動的な信号であり、
    前記低出力領域における第1極小値を1.03倍した値をP1’とし、
    前記第1極小値から経時的に直後の前記高出力領域における極大値を0.97倍した値をP2’とし、
    前記極大値を0.97倍した値であって、前記値P2’よりも経時的に直後の値をP3’とし、
    前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における第2極小値を1.03倍した値をP4’とし、
    前記値P1’と前記値P2’とは、前記第1極小値と前記極大値との間に存在し、
    前記値P3’と前記値P4’とは、前記極大値と前記極大値から経時的に直後の前記低出力領域における前記第2極小値との間に存在し、
    前記値P1’から前記値P2’までの遷移時間をta’とし、
    前記値P3’から前記値P4’までの遷移時間をtb’とすると、
    前記制御部は、光のシーンを実現するための光源部の出力パターンを変化させる際に、ta’及びtb’の少なくとも一つが基準値より短くなるように、又は、前記基準値より長くなるように、前記第1光源部及び前記第2光源部のそれぞれが発する光の出力を制御する
    照明制御システム。
  12. 出力パターンを二つ以上組み合わせて実行する
    請求項10又は11に記載の照明制御システム。
  13. 請求項1~5、7、8のいずれか1項に記載の照明制御装置と、
    被照射面に対して光を発することができる第1光源部及び第2光源部とを備える
    照明装置。
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