JP2024018123A - 半導体レーザユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性が高められた半導体レーザユニットを提供する。【解決手段】半導体レーザユニット1のパッケージ5は、パッケージ本体10と窓部材20と光軸補正部材30とを有する。パッケージ本体10の表面11には、レーザ光が通過する光通過開口11aが形成されており、X方向における光通過開口11aの長さLX1はZ方向における光通過開口の長さLZ1よりも長い。窓部材20は、表面11に固定されており、X方向における窓部材20の長さLX3はZ方向における窓部材20の長さLZ3よりも長い。光軸補正部材30は、窓部材20と面接触した状態で窓部材20に固定されており、X方向における光軸補正部材30の長さLX4はZ方向における光軸補正部材30の長さLZ4よりも長い。光軸補正部材30の表面32は、Y方向における光軸補正部材30の厚さが少なくともX方向に沿って変化するように傾斜している。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体レーザユニットに関する。
特許文献1には、半導体レーザ素子を備える電子モジュールが記載されている。この電子モジュールでは、半導体レーザ素子を収容するパッケージが半田を介して実装基板上に実装されている。
上述したような構成において実装基板上にパッケージを実装する際には、例えば、実装基板に半田を塗布し、当該実装基板上にパッケージを配置し、その後に半田を溶融させてパッケージを実装基板に接合するリフロー工程が実施される。このリフロー工程においては、半田の溶融及び凝固(収縮)や半田の濡れ状態に起因してパッケージの角度が目標角度からずれてしまい、その結果、パッケージから出射されるレーザ光の光軸の角度が目標角度からずれてしまうおそれがある。信頼性の観点から、そのようなレーザ光の光軸のずれを抑制することが求められる。
本発明は、信頼性が高められた半導体レーザユニットを提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザユニットは、[1]「半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子を収容するパッケージと、前記パッケージが実装される実装基板と、を備え、前記半導体レーザ素子は、第1方向に沿って並んだ複数の発光部を有し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿ってレーザ光を出力し、前記パッケージは、パッケージ本体と、窓部材と、光軸補正部材と、を有し、前記パッケージ本体は、前記第2方向と交差するように延在する第1表面と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向と交差するように延在する第2表面と、を含み、前記半導体レーザ素子を収容する収容空間を内部に画定しており、前記第1表面には、前記レーザ光が通過する光通過開口が形成されており、前記第1方向における前記光通過開口の長さは、前記第3方向における前記光通過開口の長さよりも長く、前記窓部材は、第3表面と前記第3表面とは反対側の第4表面とを含み、前記光通過開口を覆うように前記第3表面において前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されており、前記第1方向における前記窓部材の長さは、前記第3方向における前記窓部材の長さよりも長く、前記光軸補正部材は、第5表面と前記第5表面とは反対側の第6表面とを含み、前記第5表面が前記窓部材の前記第4表面と面接触した状態で前記窓部材に固定されており、前記第1方向における前記光軸補正部材の長さは、前記第3方向における前記光軸補正部材の長さよりも長く、前記第6表面は、前記第2方向における前記光軸補正部材の厚さが少なくとも前記第1方向に沿って変化するように、前記第5表面に対して傾斜しており、前記パッケージ本体の前記第2表面上には、前記第2表面に沿って延在し、前記半導体レーザ素子と電気的に接続された電極が形成されており、前記パッケージ本体は、前記第2表面において前記実装基板に実装されている、半導体レーザユニット。」である。
この半導体レーザユニットでは、パッケージ本体の第2表面上に、第2表面に沿って延在し、半導体レーザ素子と電気的に接続された電極が形成されており、パッケージ本体が第2表面において実装基板に実装(表面実装)されている。これにより、パッケージの放熱性を高めることができる。一方、パッケージ本体が第3方向と交差するように延在する第2表面において実装基板に実装される場合、第3方向にはパッケージ本体の角度はずれにくいが、第1方向及び第2方向に平行な平面(第3方向に垂直な平面)内において実装時にパッケージ本体の角度がずれることがある。この点、この半導体レーザユニットでは、パッケージが光軸補正部材を有しており、光軸補正部材の第6表面が、第2方向における光軸補正部材の厚さが少なくとも第1方向に沿って変化するように第5表面に対して傾斜している。これにより、例えば、第6表面の傾斜角度が互いに異なる複数の光軸補正部材を用意しておき、パッケージ本体の実装後に、レーザ光の光軸のずれ量に応じた傾斜角度を有する光軸補正部材を窓部材に固定することにより、パッケージから出射されるレーザ光の光軸を目標角度となるように補正することができる。また、この半導体レーザユニットでは、光軸補正部材がパッケージ本体の第1表面に直接に固定されておらず、第1表面に固定された窓部材上に固定されている。これにより、実装基板にパッケージ本体を実装する際に発生する光軸のずれ、及び、パッケージ本体に半導体レーザ素子を固定する際に発生する光軸のずれを精度良く補正することが可能となる。また、この半導体レーザユニットでは、半導体レーザ素子が、第1方向に沿って並んだ複数の発光部を有しており、光通過開口、窓部材及び光軸補正部材が、第3方向よりも第1方向に長くなるように形成されている。これにより、複数の発光部から出力されるレーザ光がパッケージによって遮られることを抑制することができ、レーザ光の光軸を確実に補正することができる。一方、光軸補正部材が第1方向に長い形状を有している場合、光軸補正部材における厚さの差(例えば最も厚い部分と最も薄い部分との間の差)が大きくなるため、環境温度の変化により光軸補正部材に撓み又は破損が生じやすくなる。また、例えば、窓部材を省略して光通過開口を覆うように光軸補正部材をパッケージ本体の第1表面に直接に固定した場合、光軸補正部材が光通過開口内の空間と隣接することになり、光軸補正部材におけるパッケージ本体に固定された部分と固定されていない部分との間の応力差により、光軸補正部材に温度変化に伴う撓み又は破損が生じるおそれがある。これに対し、この半導体レーザユニットでは、光軸補正部材の第5表面が窓部材の第4表面と面接触した状態で光軸補正部材が窓部材に固定されている。このように光軸補正部材が窓部材と面接触していることにより、上述したような光軸補正部材の撓み又は破損の発生を抑制することができる。以上より、この半導体レーザユニットによれば、信頼性を高めることができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[2]「前記第3方向における前記パッケージ本体の長さは、前記第1方向及び前記第2方向の各々における前記パッケージ本体の長さよりも短い、[1]に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、パッケージの重心を実装基板に近づけることができ、実装の安定性を高めることができる。また、実装の際にパッケージ本体の角度が第3方向にずれた場合における発光部の移動量を少なくすることができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[3]「前記窓部材は、接合材により前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されており、前記窓部材の側面と前記第1表面との間の境界部には、前記接合材によりフィレットが形成されている、[1]又は[2]に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、窓部材をパッケージ本体に強固に固定することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[4]「前記フィレットは、前記窓部材の前記第4表面に至らないように形成されている、[3]に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、窓部材の第4表面の平坦性を確保することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[5]「前記半導体レーザ素子は、半導体基板と、前記第1方向に沿って並ぶように前記半導体基板上に形成された複数のメサ部と、を有し、前記複数のメサ部の各々は、活性層を含んでいる、[1]~[4]のいずれかに記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、メサ構造により活性層が空間的に分離されるため、メサ部間及び発光部間の光学的及び電気的なクロストークの発生を抑制することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[6]「前記複数のメサ部の各々は、前記第3方向に沿って並んだ複数の活性層を含んでいる、[5]に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、半導体レーザ素子の出力を高めることができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[7]「前記パッケージ本体の前記第2表面上には、前記電極として、前記半導体レーザ素子のカソードに電気的に接続されたカソード電極と、前記半導体レーザ素子のアノードに電気的に接続されたアノード電極と、が形成されている、[1]~[6]のいずれかに記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、パッケージ本体を第2表面において実装基板に実装しさえすれば半導体レーザ素子の電気的な接続を実現することができるため、例えばワイヤによる接続工程を省略することができ、実装工程を簡易化することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[8]「前記カソード電極及び前記アノード電極の一方は、前記複数の発光部に電気的に接続された1つの電極部分を含み、前記カソード電極及び前記アノード電極の他方は、前記複数の発光部にそれぞれ電気的に接続された複数の電極部分を含む、[7]に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、アノード電極及びアノード電極の他方の複数の電極部分に入力される信号を調整することで複数の発光部を独立して駆動することができ、配線を簡易化することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[9]「前記第2表面の面積は、前記第1表面の面積よりも大きい、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、電極の形成領域の面積を大きくすることができると共に、パッケージの放熱性を高めることができる。また、パッケージ本体を実装した後の安定性を確保することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[10]「前記パッケージ本体は、複数のセラミック層が積層されることにより形成されており、前記半導体レーザ素子は、前記複数のセラミック層に含まれる一のセラミック層上に配置されている、[1]~[9]のいずれかに記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、半導体レーザ素子において発生する熱をパッケージを介して実装基板に効率的に逃がす(伝達する)ことができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[11]「前記パッケージ本体内の前記収容空間は、前記窓部材が接合材により前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されることによって気密に封止されている、[1]~[10]のいずれかに記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、半導体レーザ素子の外部環境に対する安定性を確保することができる。また、この半導体レーザユニットは上述したとおり光軸補正部材を備えているため、接合材による固定時に窓部材の角度が目標角度からずれ、それに起因してレーザ光の光軸にずれが発生した場合でも、光軸補正部材によりレーザ光の光軸を目標角度となるように補正することができる。
本発明の半導体レーザユニットは、[12]「前記第6表面は、前記第2方向における前記光軸補正部材の厚さが前記第1方向及び前記第3方向の各々に沿って変化するように、前記第5表面に対して傾斜している、[1]~[11]のいずれかに記載の半導体レーザユニット」であってもよい。この場合、第1方向及び第2方向に平行な平面内のパッケージ本体の角度ずれに加えて、第3方向におけるパッケージ本体の角度ずれが発生した場合にも、光軸補正部材によりレーザ光の光軸を目標角度となるように補正することができる。
本発明によれば、信頼性が高められた半導体レーザユニットを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[半導体レーザユニット]
[半導体レーザユニット]
図1~図4に示されるように、半導体レーザユニット1は、半導体レーザ装置2と、半導体レーザ装置2が実装された実装基板3と、を備えている。半導体レーザ装置2は、半導体レーザ素子4と、半導体レーザ素子4を収容するパッケージ5と、を有している。以下、各図に示されるようにX方向(第1方向)、Y方向(第2方向)及びZ方向(第3方向)を設定して説明する。X方向、Y方向及びZ方向は互いに垂直である。
半導体レーザ素子4は、例えばパルスレーザダイオードであり、パルス光を出力する。半導体レーザ素子4は、光出射面がY方向を向くように配置されており、Y方向に沿ってレーザ光Aを出力する。この例では、半導体レーザ素子4は、扁平な直方体状に形成されており、Z方向における半導体レーザ素子4の長さは、X方向及びY方向の各々における半導体レーザ素子4の長さよりも短くなっている。
図2及び図5に示されるように、半導体レーザ素子4は、X方向に沿って並んだ複数(この例では4つ)の発光部(発光点)41を有しており、各発光部41からレーザ光Aが出力される。すなわち、この例の半導体レーザ素子4は、4つの発光部41を有するレーザダイオードアレイとして構成されている。半導体レーザ素子4は、4つの発光部41にそれぞれ対応付けられた4つのチャンネルを有するマルチチャンネルの半導体レーザ素子であり、4つの発光部41の各々を独立して(個別に)駆動して発光させることが可能となっている。チャンネルは、互いに電気的に接続された、独立駆動が可能な1つの駆動単位(系統)である。
図5に示されるように、半導体レーザ素子4は、半導体基板42と、複数(この例では4つ)のメサ部43と、を有している。複数のメサ部43は、所定の間隔を空けてX方向に沿って並ぶように半導体基板42上に形成されている。すなわち、隣り合うメサ部43は、互いに空間的に分離されている。各メサ部43は、半導体基板42の表面からZ方向に沿って突出しており、Y方向から見た場合に例えば台形状に形成されている。
各メサ部43は、Z方向に沿って並んだ複数(この例では3つ)の活性層44を有している。各活性層44は、誘導放出によりレーザ光Aを発生させる。各活性層44は、例えば、Z方向に沿って複数の量子井戸層と複数の障壁層が交互に積層された多重量子井戸構造を有している。各メサ部43は、発光部41を構成している。この例では、3つの活性層44を有するメサ部43によって1つの発光部41が構成されている。各メサ部43は、Z方向に沿って並んだ複数の発光領域を有している。Z方向における各メサ部43の厚さは、Z方向における半導体基板42の厚さよりも薄い。メサ部43の配列ピッチ(X方向における隣り合うメサ部43の中心間の距離)は、例えば約250μm程度である。X方向における隣り合うメサ部43間の隙間は、例えば30μm程度である。Z方向におけるメサ部43の厚さは、例えば10μm程度である。各活性層44は、Z方向と垂直な平面に沿って延在している。図示は省略されているが、例えば、半導体基板42におけるメサ部43とは反対側の表面にはカソード電極が形成されており、各メサ部43の頂面(半導体基板42とは反対側の表面)にはアノード電極が形成されている。
図1~図4に示されるように、パッケージ5は、パッケージ本体10と、窓部材20と、光軸補正部材30と、を有している。パッケージ本体10は、直方体状の外形を有する箱状に形成されており、半導体レーザ素子4を収容する収容空間Sを内部に画定している。Z方向におけるパッケージ本体10の長さL3は、X方向におけるパッケージ本体10の長さL1及びY方向におけるパッケージ本体10の長さL2の各々よりも短い。なお、本明細書において、「或る方向における或る部材の長さ」とは、当該方向における当該部材の最大長さを意味する。長さL1は例えば5mm程度であり、長さL2は例えば3mm程度であり、長さL3は例えば2mm程度である。
パッケージ本体10は、表面11(第1表面)、表面12(第2表面)及び表面13を有している。表面11は、Y方向と垂直に延在する平坦面である。表面12は、Z方向と垂直に延在する平坦面である。表面13は、Z方向と垂直に延在する平坦面であり、Z方向における表面12とは反対側の表面である。表面12の面積は、表面11の面積よりも大きい。表面11の面積とは、表面11の外縁により画定される領域の面積を意味し、光通過開口11aが形成された領域の面積を含む。
表面11には、レーザ光Aが通過する光通過開口11aが形成されている。光通過開口11aは、表面11においてパッケージ本体10を貫通しており、パッケージ本体10内の収容空間Sとパッケージ本体10の外部とに接続されている。この例では、光通過開口11aは、X方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。すなわち、X方向における光通過開口11aの長さLX1は、Z方向における光通過開口11aの長さLZ1よりも長い。長さLX1は、X方向における半導体レーザ素子4の長さLX2よりも長く、長さLZ1は、Z方向における半導体レーザ素子4の長さLZ2よりも長い。
図1、図2及び図6に示されるように、表面12上には電極50が形成されている。電極50は、表面12に沿って延在するように層状に形成されており、半導体レーザ素子4と電気的に接続されている。この例では、電極50は、図6に示されるように、カソード電極51と、アノード電極52と、を含んでいる。
カソード電極51は、例えばパッケージ本体10内を通る配線等を介して半導体レーザ素子4のカソード電極に電気的に接続されている。この例では、カソード電極51は、半導体レーザ素子4の複数の発光部41に電気的に接続された1つの電極部分51aにより構成されている。すなわち、カソード電極51は、複数の発光部41に共通のコモン電極として構成されている。電極部分51aは、例えばX方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。
アノード電極52は、例えばワイヤW、及びパッケージ本体10内を通る配線等を介して半導体レーザ素子4のアノード電極に電気的に接続されている。ワイヤWは、例えば半導体レーザ素子4のアノード電極とパッケージ本体10に設けられた配線とに接続されている(図4)。この例では、アノード電極52は、複数の発光部41にそれぞれ電気的に接続された複数の電極部分52aにより構成されている。すなわち、アノード電極52は、互いに独立した複数の電極部分52aからなる独立電極として構成されている。各電極部分52aは例えば矩形状に形成されている。複数の電極部分52aは、X方向に沿って並んで配置されており、Y方向においてカソード電極51(電極部分51a)と向かい合っている。
図1~図4に示されるように、表面13には開口13aが形成されている。開口13aは、表面13においてパッケージ本体10を貫通しており、パッケージ本体10内の収容空間Sとパッケージ本体10の外部とに接続されている。この例では、開口13aは、X方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている。開口13aは、表面13上に固定された平板状の蓋部材61により覆われて塞がれている。蓋部材61は、半田材、接着剤などの接合材、又はシーム溶接等により表面13に固定されており、これにより蓋部材61と表面13との間は気密に封止されている。
図4に示されるように、パッケージ本体10は、複数(この例では6つ)のセラミック層15がZ方向に沿って積層されることにより形成されている。セラミック層15は、例えば窒化アルミニウムの焼結体からなる。複数のセラミック層15は部分的に除去されており、これによりパッケージ本体10の内部に半導体レーザ素子4を収容する収容空間Sが画定されている。半導体レーザ素子4は、複数のセラミック層15に含まれる一のセラミック層15A上に配置及び固定されている。
窓部材20は、例えば、レーザ光Aに対して透過性を有する材料により矩形板状に形成れている。窓部材20の材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。窓部材20は、表面21(第3表面)と、表面21とは反対側の表面22(第4表面)(第1基準面)を有している。この例では、表面21,22はY方向と垂直に延在する平坦面である。窓部材20は、光通過開口11aを覆って塞ぐように表面21においてパッケージ本体10の表面11に固定されている。この例では、窓部材20は、X方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されており、光通過開口11aの全体を覆っている。X方向における窓部材20の長さLX3は、Z方向における窓部材20の長さLZ3よりも長い。長さLX3は、X方向における光通過開口11aの長さLX1よりも長く、長さLZ3は、Z方向における光通過開口11aの長さLZ1よりも長い。すなわち、長さLX3は、X方向における半導体レーザ素子4の長さLX2よりも長く、長さLZ3は、Z方向における半導体レーザ素子4の長さLZ2よりも長い。長さLX3は例えば4mm程度であり、長さLZ3は例えば1.5mm程度である。
窓部材20は、接合材63によりパッケージ本体10の表面11に固定されている。接合材63は、例えば低融点ガラスである。接合材63は、窓部材20の表面21とパッケージ本体10の表面11との間に介在している。また、窓部材20の側面23と表面11との間の境界部には、接合材63によりフィレット64が形成されている。フィレット64は、表面21と表面11との間に配置された接合材63が表面21と表面11との間から外側にはみ出すことにより形成されている。フィレット64は、側面23における表面11側の一部のみに接触するように形成されており、表面22には至っていない。フィレット64は、例えば窓部材20におけるY方向と平行な一対の短辺に沿って形成されている。フィレット64は、例えば窓部材20におけるX方向と平行な一対の長辺に沿って形成されていてもよい。或いは、フィレット64は、窓部材20の各辺に沿って非連続に形成されていてもよい。なお、図3等において、窓部材20の表面21とパッケージ本体10の表面11との間に介在している接合材63の図示は省略されている。
窓部材20が接合材63によりパッケージ本体10の表面11に固定されていることで、窓部材20と表面11との間は気密に封止されている。すなわち、パッケージ本体10内の収容空間Sは、窓部材20が接合材63により表面11に固定されていることによって気密に封止されている。
光軸補正部材30は、レーザ光Aの光軸を補正するための部材であり、この例ではウェッジプリズムである。光軸補正部材30は、例えば、レーザ光Aに対して透過性を有する材料により略板状に形成されている。光軸補正部材30の材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。光軸補正部材30は、表面31(第5表面)(第2基準面)と、表面31とは反対側の表面32(第6表面)と、を有している。この例では、表面31はY方向と垂直に延在する平坦面である。
表面32は、表面31(Y方向と垂直な平面)に対して傾斜した傾斜面である。表面32は、Y方向における光軸補正部材30の厚さがX方向に沿って変化するように、表面31に対して傾斜している。この例では、Y方向における光軸補正部材30の厚さが、X方向における光軸補正部材30の一端30aにおいて略ゼロとなっており、X方向における光軸補正部材30の他端30bに近づくにつれて直線的に増加している。これにより、光軸補正部材30は、Z方向から見た場合に三角形状(くさび状)に形成されている(図3)。Y方向における光軸補正部材30の厚さはZ方向に沿っては変化しておらず、光軸補正部材30はZ方向に関して一様な断面形状を有している。
光軸補正部材30は、表面31が窓部材20の表面22と面接触した状態で、窓部材20に固定されている。光軸補正部材30は、接合材(図示省略)により窓部材20に固定されている。この接合材は、例えばエポキシ系の接着剤である。例えば、接合材は、光軸補正部材30の側面33と窓部材20の側面23とにわたって塗布される。これにより接合材が表面31と表面22との間に入り込むことが抑制され、表面31と表面22とを隙間無く面接触させることが可能となる。接合材は、光軸補正部材30の全周にわたって塗布されてもよいし、或いは断続的に塗布されてもよい。なお、実際には、光軸補正部材30の表面31と窓部材20の表面22との間には、僅かな隙間が存在し得る。当該隙間は、例えば1μm以上100μm以下である。後述するとおり当該隙間は光学的には無視できないが、当該隙間が存在する場合も、表面31が表面22と面接触している状態に含まれる。
この例では、光軸補正部材30は、Y方向から見た場合に、X方向と平行な長辺を有する長方形状に形成されている(図2)。Y方向から見た場合に、光軸補正部材30の外縁は窓部材20の外縁と一致している。X方向における光軸補正部材30の長さLX4は、Z方向における光軸補正部材30の長さLZ4よりも長い。長さLX4は、X方向における光通過開口11aの長さLX1よりも長く、長さLZ4は、Z方向における光通過開口11aの長さLZ1よりも長い。すなわち、長さLX4は、X方向における半導体レーザ素子4の長さLX2よりも長く、長さLZ4は、Z方向における半導体レーザ素子4の長さLZ2よりも長い。なお、Y方向から見た場合に光軸補正部材30の外縁は窓部材20の外縁よりも内側に位置していてもよい。Y方向から見た場合に光軸補正部材30の外縁は光通過開口11aの外縁よりも内側に位置していてもよい。Y方向から見た場合に光軸補正部材30の外縁は半導体レーザ素子4の外縁よりも外側に位置していればよい。
実装基板3は、例えば矩形板状に形成されている。実装基板3の表面3aには、パッケージ本体10の表面12に形成された電極50のカソード電極51及びアノード電極52に対応した位置に、複数の基板電極(図示省略)が設けられている。パッケージ本体10は、表面12において実装基板3に実装(表面実装)されている。具体的には、半田67により電極50が実装基板3の基板電極に接続され、これにより半導体レーザ装置2が実装基板3に電気的に接続されると共に固定されている。パッケージ本体10の実装基板3への実装は、例えばリフロー工程により行われる。リフロー工程では、まず、実装基板3の基板電極上に半田67を塗布する。続いて、電極50が対応する基板電極上に位置するように、実装基板3上にパッケージ本体10を配置する。その後、例えば加熱炉内で加熱することにより半田67を溶融させ、パッケージ本体10を実装基板3に接合する。なお、実装基板3の基板電極上に半田67を塗布することに代えて、パッケージ本体10の表面12上に形成された電極50のカソード電極51及びアノード電極52上に予め半田67を塗布しておき、その後に実装基板3上にパッケージ本体10を配置して加熱炉内で加熱してもよい。
[光軸補正方法]
[光軸補正方法]
上述したリフロー工程においては、半田67の溶融及び凝固(収縮)や半田の濡れ状態に起因してパッケージ本体10の角度が目標角度からずれてしまい、その結果、出射されるレーザ光Aの光軸の角度が目標角度からずれてしまうおそれがある。また、実装基板3の基板電極上に塗布される半田67の量のばらつきによっても、パッケージ本体10の角度がずれてしまうおそれがある。特に、実施形態のパッケージ本体10のように各辺が数mm程度となる程度に小型化されている場合、実装時に半田67の量をコントロールすることが難しくなり、リフロー時の光軸ずれを完全に制御することが困難となる。また、実装基板3上において半導体レーザ素子4の周辺に配置される電子部品の種類及び配置等によってリフロー時の半田67への熱の加わり方が変化し、そのことに起因してパッケージ本体10の角度がずれてしまうおそれもある。さらに、リフロー工程により実装基板3に半導体レーザ素子4を実装する際だけでなく、パッケージ本体10に半導体レーザ素子4を固定する際にも、レーザ光Aの光軸のずれが発生するおそれがある。そこで、半導体レーザユニット1では、光軸補正部材30を用いてレーザ光Aの光軸のずれを補正する。以下、図7~図9を参照しつつ、半導体レーザユニット1における光軸補正方法について説明する。
図7には、光軸補正部材30による補正前のレーザ光Aの出射方向D1、光軸補正部材30の固定面(貼付面)である表面31の垂線N1(窓部材20の表面22の垂線)、光軸補正部材30による補正後のレーザ光Aの出射方向D2が示されている。光軸補正部材30における表面31,32との間の角度をウェッジ角α(傾斜角度)とし、出射方向D1と垂線N1との間の角度をβとし、出射方向D2と垂線N1との間の角度をγとする。角度βは、パッケージ本体10に半導体レーザ素子4を固定する際の光軸のずれに相当する。角度γは、実装基板3にパッケージ本体10を実装する際に発生する光軸のずれに相当する。
図8に示されるように、光軸補正部材30内を進行するレーザ光Aの垂線N1に対する角度をXとすると、表面31(光入射面)でのスネルの法則は、下記式(1)で表される。
nsin(X)=sin(β) …(1)
nは光軸補正部材30の屈折率である。上述したとおり、光軸補正部材30の表面31と窓部材20の表面22との間には、光学的に無視できない僅かな隙間(空間)が存在し得る。そのため、図8に示されるように、光軸補正部材30の光入射側の屈折率は1とされている。
nsin(X)=sin(β) …(1)
nは光軸補正部材30の屈折率である。上述したとおり、光軸補正部材30の表面31と窓部材20の表面22との間には、光学的に無視できない僅かな隙間(空間)が存在し得る。そのため、図8に示されるように、光軸補正部材30の光入射側の屈折率は1とされている。
光軸補正部材30の表面32でのスネルの法則は、下記式(2)で表される。
nsin(α-X)=sin(α+γ) …(2)
したがって、光軸のずれを補正するための光軸補正部材30のウェッジ角αを算出するためには、角度γ及び角度βの2つの角度を測定する必要がある。角度(β+γ)は、光軸補正部材30を取り付ける前の状態において半導体レーザ素子4からレーザ光Aを出射させて出射方向D1と出射方向D2との間の角度を測定することにより測定することができる。図8には、光軸補正部材30の表面32の垂線N2が示されている。垂線N1,N2の間の角度はウェッジ角αに等しい。
nsin(α-X)=sin(α+γ) …(2)
したがって、光軸のずれを補正するための光軸補正部材30のウェッジ角αを算出するためには、角度γ及び角度βの2つの角度を測定する必要がある。角度(β+γ)は、光軸補正部材30を取り付ける前の状態において半導体レーザ素子4からレーザ光Aを出射させて出射方向D1と出射方向D2との間の角度を測定することにより測定することができる。図8には、光軸補正部材30の表面32の垂線N2が示されている。垂線N1,N2の間の角度はウェッジ角αに等しい。
角度γを測定する方法として、光軸補正部材30を取り付ける前の状態において窓部材20に対してパッケージ本体10とは反対側から光を入射させてその戻り光(反射光)を測定する方法が考えられる。この場合、パッケージ本体10を反射体とすると、例えばパッケージ本体10が窒化アルミニウムの焼結体からなる場合には光が散乱されてしまう。あるいは、パッケージ本体10が樹脂製である場合には、光が反射されにくい。また、パッケージ本体10からの反射光を検出することができる場合でも、レーザダイオードアレイ用のパッケージ本体10では光通過開口11aの幅が広いため、光通過開口11aの周辺部における反射光が光軸補正部材30の貼付面の位置を示すとは限らない。
そのため、本実施形態に係る光軸補正方法では、図9に示されるように、パッケージ本体10の表面11に固定された窓部材20の表面22(基準面)で反射した戻り光を測定する。例えば、参照光R(例えば633nmの波長を有するHeNeレーザ光)を表面22に入射させてその戻り光を測定することにより角度γを算出することができる。表面22に反射防止コーティングが施されている場合、参照光Rの波長として反射防止コーティングを透過する光の波長が選択される。その後、角度γ及び測定された角度(β+γ)から角度βを算出し、角度β,γ及び上記式(1),(2)からウェッジ角αを算出する。そして、算出されたウェッジ角αに対応するウェッジ角αを有する光軸補正部材30を窓部材20に固定する。これにより、パッケージ5から出射されるレーザ光Aの光軸を目標角度となるように補正することができる。本実施形態に係る光軸補正方法では、実際にレーザ光Aが透過する窓部材20からの戻り光に基づいて角度γが算出されることから、光軸補正部材30を用いて光軸のずれを精度良く補正することができる。光軸補正部材30のウェッジ角α(傾斜角度)は、例えば0.5°~10°程度である。例えばウェッジ角αが0.5°刻みで異なる複数の光軸補正部材30を用意しておき、算出されたウェッジ角αに最も近い傾斜角度を有する光軸補正部材30を複数の光軸補正部材30の中から選択することで、光軸ずれを精度良く補正することができる。
なお、半導体レーザ素子4のパッケージ本体10への固定精度が十分に確保されている場合には角度β及び角度Xはゼロであるとみなすことができ、ウェッジ角αと角度γの関係は下記式(3)のとおり簡略化され得る。
nsin(α)=sin(α+γ)・・・(3)
この場合は上述したような戻り光の測定は不要であり、出射方向D1と出射方向D2との間の角度を測定することで角度γが算出され、上記式(3)からウェッジ角αを算出することができる。
nsin(α)=sin(α+γ)・・・(3)
この場合は上述したような戻り光の測定は不要であり、出射方向D1と出射方向D2との間の角度を測定することで角度γが算出され、上記式(3)からウェッジ角αを算出することができる。
また、上記実施形態とは異なり、窓部材20がパッケージ本体10内に配置されている場合、すなわち窓部材20が光通過開口11aを覆うようにパッケージ本体10の内面(表面11の裏面)に固定されている場合でも戻り光を測定することは可能ではあるが、窓部材20は気密封止のために低融点ガラス等の接合材によりパッケージ本体10に固定されることから、パッケージ本体10の外部において固定される光軸補正部材30に対する平行性が確保されるとは限らない。そのため、上記実施形態のように窓部材20をパッケージ本体10の外側において表面11に固定し、当該窓部材20上に光軸補正部材30を固定することが好ましい。
[作用及び効果]
[作用及び効果]
半導体レーザユニット1では、パッケージ本体10の表面12(第2表面)上に、表面12に沿って延在し、半導体レーザ素子4と電気的に接続された電極50が形成されており、パッケージ本体10が表面12において実装基板3に実装(表面実装)されている。これにより、パッケージ5の放熱性を高めることができる。一方、パッケージ本体10がZ方向(第3方向)と交差するように延在する表面12において実装基板3に実装される場合、Z方向にはパッケージ本体10の角度はずれにくいが、X方向(第1方向)及びY方向(第2方向)に平行な平面(Z方向に垂直な平面)内において実装時にパッケージ本体10の角度がずれることがある。この点、半導体レーザユニット1では、パッケージ5が光軸補正部材30を有しており、光軸補正部材30の表面32(第6表面)が、Y方向における光軸補正部材30の厚さがX方向に沿って変化するように表面31(第5表面)に対して傾斜している。これにより、例えば、表面32の傾斜角度(ウェッジ角α)が互いに異なる複数の光軸補正部材30を用意しておき、パッケージ本体10の実装後に、レーザ光Aの光軸のずれ量に応じた傾斜角度を有する光軸補正部材30を窓部材20に固定することにより、パッケージ5から出射されるレーザ光Aの光軸を目標角度となるように補正することができる。また、半導体レーザユニット1では、光軸補正部材30がパッケージ本体10の表面11(第1表面)に直接に固定されておらず、表面11に固定された窓部材20上に固定されている。これにより、実装基板3にパッケージ本体10を実装する際に発生する光軸のずれ(角度γ)、及び、パッケージ本体10に半導体レーザ素子4を固定する際に発生する光軸のずれ(角度β)を精度良く補正することが可能となる。また、パッケージ本体10の表面11に窓部材20を固定する際に発生する光軸のずれ(窓部材20の角度のずれ)を補正することも可能となる。また、半導体レーザユニット1では、半導体レーザ素子4が、X方向に沿って並んだ複数の発光部41を有しており、光通過開口11a、窓部材20及び光軸補正部材30が、Z方向よりもX方向に長くなるように(X方向に長尺に)形成されている。これにより、複数の発光部41から出力されるレーザ光Aがパッケージ5によって遮られることを抑制することができ、レーザ光Aの光軸を確実に補正することができる。一方、光軸補正部材30がX方向に長い形状を有している(光軸補正部材30のアスペクト比が高い)場合、光軸補正部材30における厚さの差(例えば最も厚い部分と最も薄い部分との間の差)が大きくなるため、環境温度の変化により光軸補正部材30に撓み又は破損が生じやすくなる。また、例えば、窓部材20を省略して光通過開口11aを覆うように光軸補正部材30をパッケージ本体10の表面11に直接に固定した場合、光軸補正部材30が光通過開口11a内の空間と隣接することになり、光軸補正部材30におけるパッケージ本体10に固定された部分と固定されていない部分との間の応力差により、光軸補正部材30に温度変化に伴う撓み又は破損が生じるおそれがある。これに対し、半導体レーザユニット1では、光軸補正部材30の表面31が窓部材20の表面22(第4表面)と面接触した状態で光軸補正部材30が窓部材20に固定されている。このように光軸補正部材30が窓部材20と面接触していることにより、上述したような光軸補正部材30の撓み又は破損の発生を抑制することができる。以上より、半導体レーザユニット1によれば、信頼性を高めることができる。なお、半導体レーザユニットは例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)に用いられ得るが、LiDARではレーザ光の光軸のずれに対する要求が厳しくなる。LiDARの光学系では発散角を抑えるために焦点距離が長いレンズが用いられるためである。この点、本実施形態の半導体レーザユニット1ではレーザ光Aの光軸のずれを精度良く補正することができるため、LiDARに好適に用いることができる。
Z方向におけるパッケージ本体10の長さL3が、X方向及びY方向におけるパッケージ本体10の長さL1,L2よりも短い。これにより、パッケージ5の重心を実装基板3に近づけることができ、実装の安定性を高めることができる。また、実装の際にパッケージ本体10の角度がZ方向にずれた場合における発光部41の移動量を少なくすることができる。
窓部材20が接合材63によりパッケージ本体10の表面11に固定されており、窓部材20の側面23と表面11との間の境界部に、接合材63によりフィレット64が形成されている。これにより、窓部材20をパッケージ本体10に強固に固定することができる。
フィレット64が、窓部材20の表面22に至らないように形成されている。これにより、窓部材20の表面22の平坦性を確保することができる。
半導体レーザ素子4が、半導体基板42と、X方向に沿って並ぶように半導体基板42上に形成された複数のメサ部43と、を有し、各メサ部43が活性層44を含んでいる。これにより、メサ構造により活性層44が空間的に分離されるため、メサ部43間及び発光部41間の光学的及び電気的なクロストークの発生を抑制することができる。
各メサ部43が、Z方向に沿って並んだ複数の活性層44を含んでいる。これにより、半導体レーザ素子4の出力を高めることができる。
パッケージ本体10の表面12上に、電極50として、半導体レーザ素子4のカソードに電気的に接続されたカソード電極51と、半導体レーザ素子4のアノードに電気的に接続されたアノード電極52と、が形成されている。これにより、パッケージ本体10を表面12において実装基板3に実装しさえすれば半導体レーザ素子4の電気的な接続を実現することができるため、例えばワイヤによる接続工程を省略することができ、実装工程を簡易化することができる。
カソード電極51が、複数の発光部41に電気的に接続された1つの電極部分51aを含み、アノード電極52が、複数の発光部41にそれぞれ電気的に接続された複数の電極部分52aを含んでいる。これにより、アノード電極52の複数の電極部分52aに入力される信号を調整することで複数の発光部41を独立して駆動することができ、配線を簡易化することができる。
パッケージ本体10において表面12の面積が表面11の面積よりも大きい。これにより、電極50の形成領域の面積を大きくすることができると共に、パッケージ5の放熱性を高めることができる。また、パッケージ本体を実装した後の安定性を確保することができる。
パッケージ本体10が、複数のセラミック層15が積層されることにより形成されており、半導体レーザ素子4が、複数のセラミック層15に含まれる一のセラミック層15A上に配置されている。これにより、半導体レーザ素子4において発生する熱をパッケージ5を介して実装基板3に効率的に逃がす(伝達する)ことができる。
パッケージ本体10内の収容空間Sが、窓部材20が接合材63によりパッケージ本体10の表面11に固定されることによって気密に封止されている。これにより、半導体レーザ素子4の外部環境に対する安定性を確保することができる。また、半導体レーザユニット1は上述したように光軸補正部材30を備えているため、接合材63による固定時に窓部材20の角度が目標角度からずれ、それに起因してレーザ光Aの光軸にずれが発生した場合でも、光軸補正部材30によりレーザ光Aの光軸を目標角度となるように補正することができる。
[変形例]
[変形例]
本発明は上記実施形態に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。接合材63は低融点ガラスに限られず、接着剤等であってもよい。
上記実施形態では光軸補正部材30の表面32が、Y方向における光軸補正部材30の厚さがX方向に沿って変化するように表面31に対して傾斜していたが、表面32は、Y方向における光軸補正部材30の厚さがX方向及びZ方向の各々に沿って変化するように、表面31に対して傾斜していてもよい。例えば、上記実施形態において、Y方向から見た場合における一の角部から、当該角部と対角に位置する角部に近づくにつれて、Y方向における光軸補正部材30の厚さが増加していてもよい。光軸補正部材30の厚さがX方向及びZ方向の各々に沿って変化している場合、X方向及びY方向に平行な平面内のパッケージ本体10の角度ずれに加えて、Z方向におけるパッケージ本体10の角度ずれが発生した場合にも、光軸補正部材30によりレーザ光Aの光軸を目標角度となるように補正することができる。
パッケージ本体10の表面11は、Y方向と交差するように延在していればよく、直角以外の角度でY方向と交差していてもよい。パッケージ本体10の表面12は、Z方向と交差するように延在していればよく、直角以外の角度でZ方向と交差していてもよい。パッケージ本体10は直方体状でなくてもよい。光通過開口11a、窓部材20及び光軸補正部材30の形状は長方形状に限られず、他の形状であってもよい。光通過開口11a、窓部材20及び光軸補正部材30の形状は互いに相似でなくてもよい。
Z方向におけるパッケージ本体10の長さL3は、X方向及びY方向におけるパッケージ本体10の長さL1,L2よりも長くてもよく、長さL1,L2と等しくてもよい。パッケージ本体10は立方体状でもよい。パッケージ本体10の表面12の面積は表面11の面積よりも小さくてもよく、表面11の面積と等しくてもよい。窓部材20の側面23とパッケージ本体10の表面11との間の境界部にフィレット64が形成されていなくてもよい。上記実施形態において、フィレット64は窓部材20の表面22に至るように形成されていてもよい。半導体レーザ素子4の各メサ部43は、1つの活性層44のみを有していてもよい。パッケージ本体10の表面12上にカソード電極51及びアノード電極52の一方のみが形成されていてもよい。パッケージ本体10は樹脂製であってもよい。パッケージ本体10内の収容空間Sは気密に封止されていなくてもよい。
上記実施形態ではカソード電極51(カソード電極51及びアノード電極52の一方)が1つの電極部分51aを含み、アノード電極52(カソード電極51及びアノード電極52の他方)が複数の電極部分52aを含んでいたが、カソード電極51が複数の電極部分を含み、アノード電極52が1つの電極部分を含んでいてもよい。この場合、カソード電極51の複数の電極部分に入力される信号を調整することで複数の発光部41を独立して駆動することができ、配線を簡易化することができる。上記実施形態では半導体レーザ素子4が、複数(4つ)の発光部41にそれぞれ対応付けられた複数(4つ)のチャンネルを有するマルチチャンネルの半導体レーザ素子であったが、半導体レーザ素子4は、複数の発光部41に対応付けられた1つのチャンネルを有するシングルチャンネルの半導体レーザ素子であってもよい。この場合、カソード電極51及びアノード電極52の両方が1つの電極部分のみからなり、4つの発光部41が一括して(共通に)駆動される。
1…半導体レーザユニット、3…実装基板、4…半導体レーザ素子、5…パッケージ、11…表面(第1表面)、11a…光通過開口、12…表面(第2表面)、15,15A…セラミック層、20…窓部材、21…表面(第3表面)、22…表面(第4表面)、23…側面、30…光軸補正部材、31…表面(第5表面)、32…表面(第6表面)、41…発光部(発光点)、42…半導体基板、43…メサ部、44…活性層、50…電極、51…カソード電極、51a…電極部分、52…アノード電極、52a…電極部分、63…接合材、64…フィレット、A…レーザ光、S…収容空間。
Claims (12)
- 半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子を収容するパッケージと、
前記パッケージが実装される実装基板と、を備え、
前記半導体レーザ素子は、第1方向に沿って並んだ複数の発光部を有し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿ってレーザ光を出力し、
前記パッケージは、パッケージ本体と、窓部材と、光軸補正部材と、を有し、
前記パッケージ本体は、前記第2方向と交差するように延在する第1表面と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向と交差するように延在する第2表面と、を含み、前記半導体レーザ素子を収容する収容空間を内部に画定しており、
前記第1表面には、前記レーザ光が通過する光通過開口が形成されており、前記第1方向における前記光通過開口の長さは、前記第3方向における前記光通過開口の長さよりも長く、
前記窓部材は、第3表面と前記第3表面とは反対側の第4表面とを含み、前記光通過開口を覆うように前記第3表面において前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されており、前記第1方向における前記窓部材の長さは、前記第3方向における前記窓部材の長さよりも長く、
前記光軸補正部材は、第5表面と前記第5表面とは反対側の第6表面とを含み、前記第5表面が前記窓部材の前記第4表面と面接触した状態で前記窓部材に固定されており、前記第1方向における前記光軸補正部材の長さは、前記第3方向における前記光軸補正部材の長さよりも長く、
前記第6表面は、前記第2方向における前記光軸補正部材の厚さが少なくとも前記第1方向に沿って変化するように、前記第5表面に対して傾斜しており、
前記パッケージ本体の前記第2表面上には、前記第2表面に沿って延在し、前記半導体レーザ素子と電気的に接続された電極が形成されており、
前記パッケージ本体は、前記第2表面において前記実装基板に実装されている、半導体レーザユニット。 - 前記第3方向における前記パッケージ本体の長さは、前記第1方向及び前記第2方向の各々における前記パッケージ本体の長さよりも短い、請求項1に記載の半導体レーザユニット。
- 前記窓部材は、接合材により前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されており、
前記窓部材の側面と前記第1表面との間の境界部には、前記接合材によりフィレットが形成されている、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。 - 前記フィレットは、前記窓部材の前記第4表面に至らないように形成されている、請求項3に記載の半導体レーザユニット。
- 前記半導体レーザ素子は、半導体基板と、前記第1方向に沿って並ぶように前記半導体基板上に形成された複数のメサ部と、を有し、
前記複数のメサ部の各々は、活性層を含んでいる、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。 - 前記複数のメサ部の各々は、前記第3方向に沿って並んだ複数の活性層を含んでいる、請求項5に記載の半導体レーザユニット。
- 前記パッケージ本体の前記第2表面上には、前記電極として、前記半導体レーザ素子のカソードに電気的に接続されたカソード電極と、前記半導体レーザ素子のアノードに電気的に接続されたアノード電極と、が形成されている、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。
- 前記カソード電極及び前記アノード電極の一方は、前記複数の発光部に電気的に接続された1つの電極部分を含み、前記カソード電極及び前記アノード電極の他方は、前記複数の発光部にそれぞれ電気的に接続された複数の電極部分を含む、請求項7に記載の半導体レーザユニット。
- 前記第2表面の面積は、前記第1表面の面積よりも大きい、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。
- 前記パッケージ本体は、複数のセラミック層が積層されることにより形成されており、
前記半導体レーザ素子は、前記複数のセラミック層に含まれる一のセラミック層上に配置されている、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。 - 前記パッケージ本体内の前記収容空間は、前記窓部材が接合材により前記パッケージ本体の前記第1表面に固定されることによって気密に封止されている、請求項1又は2に記載の半導体レーザユニット。
- 前記第6表面は、前記第2方向における前記光軸補正部材の厚さが前記第1方向及び前記第3方向の各々に沿って変化するように、前記第5表面に対して傾斜している、請求項1又2に記載の半導体レーザユニット。
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JP2024018123A true JP2024018123A (ja) | 2024-02-08 |
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Family Applications (1)
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-
2022
- 2022-07-29 JP JP2022121232A patent/JP2024018123A/ja active Pending
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