JP2024017497A - 電気的接続装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電気的接続装置に関し、例えば、半導体集積回路の通電試験等に用いられる電気的接続装置に適用し得るものである。
半導体ウェハ上の半導体集積回路(被検査体)の電気的検査では、テストヘッドに、複数のプローブ(電気的接触子)を有するプローブカードを取り付けた検査装置(テスター)が用いられる。そして、半導体集積回路の電極端子とプローブとを電気的に接触させて、テスターがプローブを介して半導体集積回路に電気信号を供給したり、半導体集積回路がプローブを介してテスター側に出力したりして、半導体集積回路の電気的検査を行なう。
プローブカードには様々な種類があるが、その1つの種類として、特許文献1に記載されているものや、図9に例示するようなプローブカードなどがある。ここでは、説明便宜上、図9を用いて、従来のプローブカード100の構造を説明する。
図9のプローブカード100は、配線基板11と、当該配線基板11の下側に複数のプローブを有する多層配線基板12とを備え、多数の接合部材(はんだボール)31によって配線基板11と多層配線基板12とを接合している。また、プローブカード100の配線基板11の上面には、補強部材13と、カバー部材94とが設けられており、プローブの荷重を支えるため、多層配線基板12のプローブパッドエリア121に対応する位置にブロック部材95が設けられている。
しかしながら、多層配線基板12と配線基板11とを接合部材31で接合する際に、熱を加えることにより、多層配線基板12に反りが生じてしまうことがある。また、多層配線基板12が傾いた状態で配線基板11に接合してしまうことがある。そのような場合、多層配線基板12のプローブパッドエリアに実装されるプローブの高さにばらつきが生じるため、電極端子に対するプローブのコンタクトが正常にできないことが生じ得る。
そのため、被検査体の電極端子に対するプローブの電気的接触性を向上させるため、複数のプローブを実装する基板(例えば、多層配線基板など)の平面度を調整することができる電気的接続装置が求められている。
かかる課題を解決するために、本発明の電気的接続装置は、(1)検査装置側と電気的に接続する配線基板と、(2)配線基板の下面側に設けられ、1又は複数の電極端子を有する被検査体の電極端子毎に、対応する電極端子と電気的に接触させる複数のプローブを搭載する1又は複数のプローブ取付部を有するプローブ基板と、(3)プローブ基板の平面度を調整する部材であって、少なくとも、プローブ基板のそれぞれのプローブ取付部に対応させて設けた1又は複数の平面度調整機構を有するカバー部材とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、被検査体の電極端子に対するプローブの電気的接触性を向上させるため、複数のプローブを実装する基板の平面度を調整することができる。
(A)実施形態
以下では、本発明に係る電気的接続装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下では、本発明に係る電気的接続装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態では、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体集積回路のそれぞれを被検査体とする。また、そのような被検査体の電気的特性を検査する検査装置に用いられるプローブカードに、本発明の電気的接続装置を適用する場合を例示する。
「平面度」とは、一般的に、平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさをいう。つまり、平面度は、平面の滑らかさ(均一性)を示す数値であり、どれくらい正確に平らな面であるべきかを示す値である。例えば、平面形体で最も出っ張った部分を含む平面と、最もへこんだ部分を含む平面との間の上下の距離の値などを平面度とすることができる。例えば、この開示では、「平面度」が、プローブ基板の全体の平坦度だけでなく、プローブ基板のうち、複数のプローブが配置されている一部領域(例えば、プローブ領域)の平坦度も含む意図である。
(A-1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る電気的接続装置の主な構成の概略を示す図である。図2は、電気的接続装置の平面図であり、図3は、電気的接続装置の底面図である。
図1は、実施形態に係る電気的接続装置の主な構成の概略を示す図である。図2は、電気的接続装置の平面図であり、図3は、電気的接続装置の底面図である。
図1~図3において、実施形態に係る電気的接続装置10は、配線基板11、多層配線基板12、補強部材13、平面度調整機構20を有するカバー部材14を備える。
電気的接続装置10は、半導体ウェハに形成された複数の被検査体43の電気的な検査を行なう際に、検査装置のテストヘッダに備えられる。電気的接続装置10の多層配線基板12は、複数の電気的接触子(プローブ)を有している。そして、電気的な検査を行なう際、電気的接続装置10の各プローブと、被検査体43の対応する電極端子とを電気的接触させて、検査装置が被検査体43の電気的検査を行なう。
被検査体43は、ウェハを保持するチャック42の上面に置かれてチャック42により保持される。チャック42は例えば多軸ステージの検査ステージ41と接続しており、検査ステージ41の駆動により、チャック42に保持されている被検査体43の位置が調整可能となっている。
[多層配線基板12]
多層配線基板12は、複数の電気的接触子(プローブ)を実装するプローブ基板である。
多層配線基板12は、複数の電気的接触子(プローブ)を実装するプローブ基板である。
多層配線基板12は、配線基板11の下面中央部に、多数のはんだボール等の接合部材31によって接合される。多層配線基板12は、例えば、ポリイミド樹脂等の電気的絶縁材料で形成された略正方形の基板である。多層配線基板12は、微細配線を可能とするため、例えばMLO(Multi-Layer Organic)基材として樹脂を用いた基板を用いることができる。
多層配線基板12の下面には、複数のプローブを取り付け可能なプローブパッドエリア121が形成されており、更に多層配線基板12の内部には、複数の配線路が形成されている。多層配線基板12の各配線路は、プローブパッドエリア121の各プローブと、多層配線基板12上に設けた、配線基板11と接続する接続端子とを接続している。
プローブパッドエリア121は、被検査体43としての対象デバイス(DUT:Device Under Test)毎に、複数のプローブを取り付け可能となっている。例えば、図3では、6個のプローブパッドエリア121が多層配線基板12に形成されている場合を例示している。これは、被検査体43として6個のDUTがあり、それぞれのDUTに複数のプローブを電気的に接触させるために、各プローブパッドエリア121は、対応するDUTの位置となるように配置されている。このように、プローブパッドエリア121は対応するDUTの位置に配置され、各プローブパッドエリア121の複数のプローブは、対応するDUTに対して電気的に接触できるように配置される。なお、プローブパッドエリア121をプローブヘッドとも呼ぶ。
なお、図3では、6個のプローブパッドエリア121を多層配線基板12が備える場合を例示しているが、プローブパッドエリア121の数はこれに限定されない。プローブパッドエリア121はDUT毎に設けられるため、DUTの数だけ、プローブパッドエリア121が設けられる。
[配線基板11]
配線基板11は、テスターのテストヘッドと接続して、電気信号を授受するための基板である。配線基板11の上面には、多数の電極があり、配線基板11の上面の電極を介してテストヘッドと接続している。配線基板11の下面には、配線パターンが形成されており、配線パターンを介して多層配線基板12と接続している。さらに、配線基板11の内部には、配線基板11の上面の各端子と、配線基板11の下面の各端子とを接続する配線路が形成されている。従って、配線基板11は、内部の配線路を介して、上面の各端子と下面の各端子とが電気的に接続可能な構造となっている。
配線基板11は、テスターのテストヘッドと接続して、電気信号を授受するための基板である。配線基板11の上面には、多数の電極があり、配線基板11の上面の電極を介してテストヘッドと接続している。配線基板11の下面には、配線パターンが形成されており、配線パターンを介して多層配線基板12と接続している。さらに、配線基板11の内部には、配線基板11の上面の各端子と、配線基板11の下面の各端子とを接続する配線路が形成されている。従って、配線基板11は、内部の配線路を介して、上面の各端子と下面の各端子とが電気的に接続可能な構造となっている。
配線基板11の上面には、配線基板11の変形を抑制するため、補強部材13と、平面度調整機構20を有するカバー部材14とが配置されている。
配線基板11に補強部材13を組み立てるため、配線基板11及び補強部材13のそれぞれには、固定部材53と結合するネジ穴等の貫通孔531及び貫通孔532がある。組み立てる際に、配線基板11の貫通孔531と、補強部材13の貫通孔532との位置を合わせ、貫通孔531及び貫通孔532に、ネジ等の固定部材53を差し込み結合することで固定できる。
[補強部材13]
補強部材13は、配線基板11の撓み等の変形を抑えるために、配線基板11の上面側に取り付けられる部材である。補強部材13は、スティフナとも呼ばれる。
補強部材13は、配線基板11の撓み等の変形を抑えるために、配線基板11の上面側に取り付けられる部材である。補強部材13は、スティフナとも呼ばれる。
補強部材13は、Z方向に厚みを持つ部材である。補強部材13は、様々な形状を取り得るが、この実施形態では、例えば図3のように、1個の環状部分と、環状部分の中心から環状部分に向けて放射状に延びる複数の放射状部分とを有する。さらに、複数の放射状部分は、環状部分の中心から環状部分に向けて放射状に延びる4個の内側放射状部分と、環状部分から外側に向けて放射状に延びる8個の外側放射状部分とを有する。
なお、補強部材13の中央部分には、後述するカバー部材14が設けるため、正方形のカバー部材14と連結する正方形のフレームが設けられている。また、補強部材13の形状は図3に示す形状に限定されない。
[カバー部材14]
カバー部材14は、補強部材13の上側に取り付けられる部材である。カバー部材14は、補強部材13に対して取り外し可能な部材である。
カバー部材14は、補強部材13の上側に取り付けられる部材である。カバー部材14は、補強部材13に対して取り外し可能な部材である。
また、カバー部材14は、配線基板11に下面にある多層配線基板12の平面度を調整する平面度調整機構20を有する。また、カバー部材14は、多層配線基板12に設けられるプローブのコンタクト時(被検査体43の電極端子に対するプローブの接触時)の荷重を支持する機能も有する。
図2に例示するように、カバー部材14は、配線基板11の中央部に配置され、正方形の形状をした板状部材である。正方形のカバー部材14のサイズは、配線基板11下面の多層配線基板12のサイズよりもわずかに大きい。なお、カバー部材14の形状は、正方形に限定されない。
補強部材13にカバー部材14を組み立てるため、補強部材13及びカバー部材14のそれぞれには、ネジ穴等の貫通孔511及び貫通孔512があり、組み立てる際に、補強部材13の貫通孔511と、カバー部材14の貫通孔512との位置を合わせて、ネジ等の固定部材51を、貫通孔511及び貫通孔512に差し込むことで固定できる。
[平面度調整機構20]
カバー部材14の平面度調整機構20は、配線基板11下面の多層配線基板12の平面度を調整するものである。
カバー部材14の平面度調整機構20は、配線基板11下面の多層配線基板12の平面度を調整するものである。
従来、多層配線基板12を配線基板11の下面に取り付ける際、配線基板11の下面中央部に、多数のはんだボール等の接合部材31を配置し、それら多数の接合部材31の上に多層配線基板12を載せて接合する。はんだボールなどの接合部材31で多層配線基板12を接合する際、熱を印加するため、多層配線基板12に反りが生じてしまうことがある。また、多層配線基板12によっては、接合前であっても基板が反っているものもある。
配線基板11への接合後、基板が反っていて平面度が良好でない多層配線基板12を検査に用いると、複数の電気的接触子(プローブ)の先端位置がばらつき(すなわち、プローブの高さがばらつき)、被検査体43の電極端子に対するプローブの接触性が良好でなくなることがある。そうすると、被検査体43の電気的検査の精度にも影響が生じることになる。
そこで、この実施形態では、カバー部材14に、多層配線基板12の平面度を調整する平面度調整機構20を備える。
平面度調整機構20は、配線基板11下面に多層配線基板12を接合後、配線基板11を介して多層配線基板12に対して集中荷重を加えて、反りを矯正する。これにより、配線基板11及び多層配線基板12の反りが抑えられ、複数のプローブの先端位置のばらつきを抑えることができる。その結果、被検査体43の電極端子に対するプローブの接触性も良好にでき、被検査体43の電気的検査も高精度となる。
カバー部材14の平面度調整機構20は、配線基板11を介して多層配線基板12に荷重を加える1又は複数の圧子22と、1又は複数の圧子22のそれぞれの荷重を調整する調整部材21とを有する。
圧子22は、配線基板11の上面に置かれる接触部材である。圧子22は、調整部材21による荷重調整を受けて、配線基板11及び多層配線基板12に荷重を加える部材である。つまり、配線基板11及び多層配線基板12の反りの程度に応じて、調整部材21が圧子22の押し込み量を調整し、調整部材21により調整された押し込み量に応じた荷重を、圧子22が配線基板11及び多層配線基板12に加える。荷重の大きさが変わることで、配線基板11及び多層配線基板12の基板が変形し、反りが矯正される。
圧子22を設ける位置は、配線基板11及び多層配線基板12の平面度を良好にする位置、及び又は、プローブとDUTとの接触性を良好にできる位置が望ましい。
例えば、多層配線基板12の中央部の位置(例えば重心位置)に対応する位置と、各プローブパッドエリア121の中央部の位置に対応する位置とに、圧子22を配置する。前者のように、多層配線基板12の中央部に対応する位置に圧子22を配置することで、バランスをとるべき多層配線基板12を中央部で支持できる。また、後者のように、プローブパッドエリア121の位置に対応する位置に圧子22を配置する(言い換えると、被検査体43のDUT毎に圧子22を備える)ことで、対応するプローブパッドエリア121に圧子22が荷重を加えることができるので、平面度の制御を安定させることができ、DUTに対するプローブの接触性も向上できる。
例えば、図2及び図3のように、被検査体43が6個のDUTを持ち、多層配線基板12が6個のプローブパッドエリア121を備える場合、多層配線基板12の中央部に配置する1個の圧子22と、6個のプローブパッドエリア121用のそれぞれの位置に配置する6個の圧子22とを合わせて、7個の圧子22を設ける。
圧子22には、平坦円柱圧子、平坦角柱圧子、球形圧子、円錐圧子など様々な形状(種類)があるが、配線基板11を介して多層配線基板12に荷重を加えることができるものであれば、様々な種類の圧子を用いることができる。この実施形態では、プローブパッドエリア121の面に略均等な荷重を加えるようにするため圧子22を設ける。なお圧子22の材質も特に限定されない。
調整部材21は、対応する圧子22の押し込み量を調整するものである。調整部材21は圧子22毎に設ける。調整部材21は、圧子22の上部を固定して、圧子22の上下方向の押し込み量を調整するものであり、例えば、クランピングスクリュー、ネジ等を用いることができる。例えば、調整部材21として、クラインピングスクリューやネジ等を用いる場合、どれだけの回転量で、圧子22に対してどれだけの押し込み荷重を加えることができるか等の調整が可能となる。
[平面度調整機構20における圧子22の位置合わせ]
次に、カバー部材14の平面度調整機構20のうち、圧子22の位置合わせについて説明する。
次に、カバー部材14の平面度調整機構20のうち、圧子22の位置合わせについて説明する。
図4は、配線基板11下面の多層配線基板12の構成を示す構成図である。図5は、配線基板11上の圧子22の配置を示す図である。図6は、実施形態に係るカバー部材14の上面を示す構成図である。
ここでは、被検査体43が6個のDUTを備えるものとする。そのため、図4に示すように、多層配線基板12は、6個のプローブパッドエリア121(121a~121f)を有するものを用いる。なお、プローブパッドエリア121について、特定のプローブパッドエリア121を指すときには、プローブパッドエリア121a等のように表記する。
圧子22は、図7に示すような平坦角柱圧子を用いるものとする。図7は、圧子22を下側から見たときの斜視構成図である。なお、圧子22について、特定の圧子22を指すときには、圧子22a等のように表記する。
図7において、圧子22(22a~22g)は、調整部材21から押し込み圧力を受ける圧力受け部222と、配線基板11及び多層配線基板12に対して荷重を加える平坦角柱形の接触部221とを有する。
配線基板11に接触している接触部221の形状はプローブパッドエリア121の形状と同じ形状とし、接触部221のサイズもプローブパッドエリア121のサイズと同じサイズとしている。これにより、確実にプローブパッドエリア121に荷重を加えることができ、その結果、被検査体43の電極端子に対するプローブの接触性を向上できる。
また、圧子22が配線基板11及び多層配線基板12に荷重を加える際に、配線基板11及び多層配線基板12の破損を回避するため、圧子22の接触部221の先端を平坦にして荷重を分散させている。
圧子22の配置例を説明する。この例の場合、図5に示すように、7個の圧子22のうち、1個の圧子22gは、バランスをとるため、多層配線基板12の中央部の位置(すなわち重心の位置)に対応する位置に配置する。また、残りの6個の圧子22a~22fのそれぞれは、多層配線基板12の6個のプローブパッドエリア121a~121fのそれぞれの中央部の位置に対応する位置に配置する。
図6に示すように、カバー部材14は、圧子22(22a~22g)毎に、調整部材21を受け入れるネジ穴等の調整孔211と、2個の位置決め孔23とを有する。
各圧子22の位置合わせをするため、カバー部材14の各位置決め孔23と、対応する圧子22の位置決め孔24との位置を合わせて、ネジ等の固定部材を、カバー部材14の位置決め孔23及び圧子22の位置決め孔23に挿通する。このようにして、各圧子22の位置合わせを行なう。なお、圧子22の位置決めが可能であれば、位置決め孔24及び位置決め孔23の数は2個に限定されず1個又は3個以上でもよい。
圧子22が加える荷重の大きさを調整する際、カバー部材14の調整孔211に調整部材21を挿入する。
ここで、圧子22の位置合わせに関して、圧子22の接触部221が、目標通りの荷重を、配線基板11及び多層配線基板12に加えることができるようにするため、圧子22の圧力受け部222の中央部(すなわち、接触部221の中心位置に相当する位置)に、調整部材21の先端部(下端部)が当たるようにする。
[平面度調整機構20を用いた平面度調整方法]
次に、カバー部材14の平面度調整機構20を用いた平面度調整方法を説明する。
次に、カバー部材14の平面度調整機構20を用いた平面度調整方法を説明する。
ここでは、多数の半田ボール等の接合部材31を用いて、配線基板11の下面に、多層配線基板12が接合されているものとする。多層配線基板12の各プローブパッドエリア121に複数のプローブが取り付けられ、配線基板11に必要な電子部品がセットされている状態で、補強部材13が配線基板11の上側に取り付けられているものとする。そして、平面度調整機構20の位置合わせが行なわれて、カバー部材14が補強部材13に取り付けられているものとする。
このような状態で、配線基板11に接合している多層配線基板12の平面度を測定し、その測定した平面度の値が目標値以下となるか否かを判断しながら、平面度調整機構20を用いた平面度調整を行なう。なお、平面度の測定方法は、既存の平面度測定機を用いて、多層配線基板12の平面度を測定する。
より具体的に、例えば、多層配線基板12において、あるプローブパッドエリア121の基板領域で、複数の任意の点の平面度の値を測定し、平面度の値のパッド平均値を求める。さらに、多層配線基板12の基板全面で平面度を測定していき、最も偏差が大きい値を最大値とする。そして、最大値とエリア平均値との差分値が目標値以下となるように調整する。
図8は、多層配線基板12の平面度測定結果を可視化した図である。図8Aは、平面度調整機構20による調整前の多層配線基板12の平面度を図示しており、図8Bは、調整後の多層配線基板12の平面度を図示している。
図8Aにおいて、調整前の多層配線基板12の基板全体の平面度を観察すると、右側の端部付近の差分値(上述した最大値とエリア平均値との差分値)が、中央部から左側の差分値よりも大きくなっていることがわかる。
したがって、多層配線基板12の基板全体の反りを矯正するため、例えば図8Bのように、多層配線基板12の左側に存在しているプローブパッドエリア121c及び121fに対して設けて、平面度調整機構20を用いる。つまり、プローブパッドエリア121c及び121fに対する圧子22c及び22fの荷重を大きくするため、圧子22c及び22fのそれぞれの調整部材21の押し込み量が大きくなるように調整する。
これにより、圧子22c及び22fが多層配線基板12の左側に対して大きな荷重を加えることで、多層配線基板12が変形して、基板全体の反りが抑えられ、基板全体として平面度の値が小さくすることができる(図8B参照)。
また、図8Aの調整前の多層配線基板12に設けたプローブ高さの差(プローブの高さのばらつき)と、図8Bの調整後の多層配線基板12に設けたプローブ高さの差とを比較した。その結果、図8Bの調整後のプローブ高さの差は、図8Aの調整前のプローブ高さの差よりも小さくなくっていることを確認できた。
(A-2)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、カバー部材14が、多層配線基板12に対して複数の集中荷重を加えることができる平面度調整機構20を備えることにより、多層配線基板12の平面度の値を調整できる。
以上のように、この実施形態によれば、カバー部材14が、多層配線基板12に対して複数の集中荷重を加えることができる平面度調整機構20を備えることにより、多層配線基板12の平面度の値を調整できる。
その結果、多層配線基板12に設けられる複数のプローブのそれぞれの先端位置を揃えることができるので、被検査体43の端子(DUT)に対する接触性を向上させ、検査精度を高くすることができる。
この実施形態によれば、カバー部材14は、補強部材13に対して取り外し可能なので、平面度調整機構20を備えたカバー部材14を載置可能であれば、様々な形状の補強部材13に設けることができる。
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態においても本開示の種々の変形例を言及したが、本開示は、以下の変形実施形態にも適用できる。
上述した第1の実施形態においても本開示の種々の変形例を言及したが、本開示は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(B-1)上述した第1の実施形態では、圧子22の接触部221の形状が、対応するプローブパッドエリア121の形状に対応している場合を例示した。しかし、圧子22の接触部221の形状は、これに限らない。
例えば、配線基板11の上面には、コンデンサ等のような電子部品6が多数設けられるのが一般的である。そのため、圧子22が配置される、配線基板11の上面であって、プローブパッドエリア121に対応する位置に、電子部品6が存在してしまうことがある。そうすると、圧子22と電子部品6とが抵触してしまう。そこで、配線基板11上の電子部品6への抵触を回避し、圧子22が、配線基板11及び多層配線基板12のプローブパッドエリア121に荷重を加えられるようにしてもよい。
例えば、図10(B)に例示するように、電子部品6との抵触を回避するため、圧子22の接触部221の中央部に、凹部(抵触回避部)2211を設けるようにしても良い。これにより、図10(A)に示すように、圧子22の接触部221と、電子部品6との抵触を回避しながら、配線基板11及び多層配線基板12への荷重を加えることができる。この場合でも配線基板11(複数のプローブが配置されているプローブパッドエリア)の平面度を調整可能である。
また別の変形例として、図11(B)に例示するように、圧子22の接触部221の抵触面の一部領域(この例は、接触部221の正方形の抵触面の端部を含む領域)に、凹部(抵触回避部)2212を設けるようにしても良い。この場合も同様の効果を得ることができる。
なお、図10(B)及び図11(B)の凹部(抵触回避部)2211及び2212は、四角柱の凹部とする場合を例示したが、電子部品6との抵触を回避できるのであれば、形状は限定されず、例えば円柱形、多角柱等でもよい。
また、図10(B)及び図11(B)の例では、圧子22の接触部221に、1個の凹部2211及び2212を設ける場合を例示したが、2個以上でもよい。さらに、全ての圧子22に、凹部2211、2212を設ける必要はなく、電子部品6と抵触する一部の圧子22に、凹部2211、2212を設けたものを適用してよい。
(B-2)上述した第1の実施形態では、カバー部材14が、補強部材13に設けられる場合を例示した。しかし、カバー部材14の配置はこれに限らない。例えば、カバー部材14が、プローブ基板としての多層配線基板12の平面度(又は多層配線基板12の各プローブパッドエリア121の平面度)を調整可能であれば、多層配線基板12の上面に配置されてもよい。
10…電気的接続装置、11…配線基板、12…多層配線基板、13…補強部材、14…カバー部材、20…平面度調整機構、21…調整部材、22(22a~22g)…圧子、211…調整孔、221…接触部、2211及び2212…凹部(抵触回避部)、222…圧力受け部、23…位置決め孔、24…位置決め孔、31…接合部材、41…検査ステージ、42…チャック、43…被検査体、51…固定部材、53…固定部材、100…プローブカード、121(121a~121f)…プローブパッドエリア、511…貫通孔、512…貫通孔、531…貫通孔、532…貫通孔。
Claims (8)
- 検査装置側と電気的に接続する配線基板と、
前記配線基板の下面側に設けられ、1又は複数の電極端子を有する被検査体の前記電極端子毎に、対応する前記電極端子と電気的に接触させる複数のプローブを搭載する1又は複数のプローブ取付部を有するプローブ基板と、
前記プローブ基板の平面度を調整する部材であって、少なくとも、前記プローブ基板のそれぞれの前記プローブ取付部に対応させて設けた1又は複数の平面度調整機構を有するカバー部材と
を備えることを特徴とする電気的接続装置。 - それぞれの前記平面度調整機構が、
前記配線基板の上面に置かれて、前記配線基板を介して前記プローブ基板に荷重を加える接触部材と、
前記接触部材が前記プローブ基板に対して加える荷重を調整する調整部材と
を有することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。 - 前記調整部材が、前記配線基板上の前記接触部材への圧力を調整することにより、前記接触部材の荷重を調整することを特徴とする請求項2に記載の電気的接続装置。
- 前記接触部材が、前記配線基板と接触する接触部と、前記調整部材からの圧力を前記接触部に伝達する圧力受け部とを有し、
前記接触部の形状が、前記プローブ取付部の形状に対応している
ことを特徴とする請求項2に記載の電気的接続装置。 - 前記接触部材が、前記配線基板と接触する接触部と、前記調整部材からの圧力を前記接触部に伝達する圧力受け部とを有し、
前記接触部が、前記配線基板上の電子部品との抵触を回避する抵触回避部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気的接続装置。 - 前記配線基板の上面側に補強部材を備え、
前記配線基板上の前記補強部材の中央部に空間があり、前記補強部材の中央部に、1又は複数の前記平面度調整機構を有する前記カバー部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。 - 前記平面度調整機構を有する前記カバー部材が、前記補強部材に対して取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
- 前記カバー部材は、それぞれの前記プローブ取付部の対応位置に、前記プローブ取付部毎の前記平面度調整機構を設けることに加えて、前記プローブ基板の重心位置に対応する位置に、前記平面度調整機構を設けることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
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