JP2024017459A - 交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法 - Google Patents

交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転子の引き抜きを行わずに楔の緩みを精度よく点検することができる交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法を提供すること。【解決手段】本発明の交流電動機の点検装置は、交流電動機の固定子を固定する楔に打撃を与える打撃装置と、打撃装置が与える打撃の加速度を測定する第一の測定装置と、楔の加速度を測定する第二の測定装置と、打撃装置、第一の測定装置、及び、第二の測定装置を収納する筐体と、を備えた緩み測定装置を有し、打撃装置は、板バネ、回転することによって板バネを押し上げて弾性変形させるカム、カムを回転させる回転付与装置、及び、板バネから与えられる打撃を楔に伝える当てビシを備えており、筐体は、弾性体を介して筐体に接続されており、筐体の内部に格納可能な磁石車輪、及び、筐体を固定子の内周面に吸着可能な電磁石を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法に関する。
従来、交流電動機において、固定子のスロットに挿入されたコイルを機械的に固定する楔が緩んでいるか否かについて点検する技術が知られている。例えば、特許文献1には、回転電機の固定子であるステータと回転子であるロータとの隙間に装入可能であって、スロット内に挿入された楔のコイルの押しつけ状態を検出する計測ヘッドと、この計測ヘッドをステータの長手方向(軸方向)及び円周方向に移動可能な移動機構とからなる楔計測装置が開示されている。また、特許文献2には、回転電機の回転子と固定子との隙間に挿入されて回転電機のウェッジ(楔)を打撃する回転電機のウェッジ打撃装置、並びに、このウェッジ打撃装置を用いてウェッジを打撃した時の打撃入力波形、及び、ウェッジの振動波形を用いて、ウェッジの検査を行うウェッジの検査システムが開示されている。
特開平1-214244号公報 特許第6250241号公報
特許文献1には、回転子の引き抜きを行わずに楔の緩みを点検する技術が開示されているが、楔計測装置が自走式ではなく、計測ヘッドを電動機の軸方向に移動させる機構として、電動機の軸に平行なレールおよび移動用ワイヤを使用するものである。このため、電動機に楔計測装置を装着する際には、レールの両端部のうち少なくとも一端部の部品を外して、電動機のロータとステータとの間にレールを挿入し、しかる後に、先に部品を外したレール端部に部品を再装着する、という煩雑な作業を必須とする。また、このレールは、楔計測装置を所望の方向へ移動させるガイドの役割とともに、楔計測装置を保持する役割も兼ねている。そのため、楔計測装置の荷重に耐えるべく、レールを頑丈なものとする必要がある。このため、レールが自重で撓むことによって、レール上の楔計測装置による楔の緩み測定の測定位置に位置ずれが発生することも懸念され、楔の緩みを精度よく点検することができないおそれがある。
また、特許文献2にも、回転子の引き抜きを行わずに楔の緩みを点検する技術が開示されている。これは、打撃腕を回転可能に支持する固定された支点を必要とし、さらに、エネルギー供給部や吸収部を打撃腕や打撃部以外に備える必要があり、ウェッジ打撃装置の機構が複雑となることが避けられない。このため、ウェッジ打撃装置の重量が増加し、固定子の内周面に対するウェッジ打撃装置の吸着状態も安定せず、その結果、測定データも不安定となり楔の緩みを精度よく点検することができないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転子の引き抜きを行わずに楔の緩みを精度よく点検することができる交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る交流電動機の点検装置は、交流電動機の固定子を固定する楔に打撃を与える打撃装置と、前記打撃装置が与える打撃の加速度を測定する第一の測定装置と、前記楔の加速度を測定する第二の測定装置と、前記打撃装置、前記第一の測定装置、及び、前記第二の測定装置を収納する筐体と、を備えた緩み測定装置を有し、前記打撃装置は、板バネ、回転することによって前記板バネを押し上げて弾性変形させるカム、前記カムを回転させる回転付与装置、及び、前記板バネから与えられる打撃を前記楔に伝える当てビシを備えており、前記筐体は、弾性体を介して前記筐体に接続されており、前記筐体の内部に格納可能な磁石車輪、及び、前記筐体を前記固定子の内周面に吸着可能な電磁石を備える、ことを特徴とするものである。
また、本発明に係る交流電動機の点検装置は、上記の発明において、前記打撃装置が前記楔に与える打撃の加速度に対する前記楔の加速度の比である加速度比を計算する計算装置と、前記計算装置の計算結果を用いて前記楔の緩み度合いを判定する判定装置と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る交流電動機の点検方法は、上記の発明の交流電動機の点検装置が有する前記緩み測定装置を、前記交流電動機の回転子と前記固定子との間に形成された隙間に入れ、前記緩み測定装置によって前記楔に打撃を与えて、その与えた打撃の加速度に対する前記楔の加速度との関係から、前記楔の緩み度合を判定することを特徴とするものである。
また、本発明に係る交流電動機の点検方法は、上記の発明において、前記楔の緩み度合を判定する方法が、前記楔に与えた打撃の加速度の波形にローパスフィルタをかけた後にピークホールドした値A1を求める工程と、前記楔の加速度の波形にローパスフィルタをかけた後にピークホールドした値A2を求める工程と、A2/A1の比を打撃する毎に計算して加速度比を求める工程と、測定箇所ごとに複数回の打撃を実施し、その初期の打撃に係るデータを排除した上で平均値を計算する工程と、求められた加速度比の平均値をもとに、予め用意された加速度比と緩み度合との関係から前記楔の緩み度合を判定する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明に係る交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法は、回転子の引き抜きを行わずに楔の緩みを精度よく点検することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る点検装置の概略構成を示したブロック図である。 図2は、交流電動機の固定子と回転子との間に形成された隙間に緩み測定装置を挿入した状態を示した図である。 図3は、交流電動機の固定子の断面の一部を示した図である。 図4は、実施形態に係る緩み測定装置の概略構成を示した側面図である。 図5は、実施形態に係る緩み測定装置の概略構成を示した上面図である。 図6は、カムによって板バネを弾性変形させた状態を示した図である。 図7は、板バネの打撃部が当てビシに打撃を与えた状態を示した図である。 図8は、第二の測定装置の概略構成を示した側面図である。 図9は、電磁石を作動させていない状態の緩み測定装置を示した図である。 図10は、電磁石を作動させた状態の緩み測定装置を示した図である。
以下に、本発明に係る交流電動機の点検装置、及び、交流電動機の点検方法の実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る点検装置10の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、実施形態に係る点検装置10は、交流電動機の点検、具体的には、交流電動機の固定子に設けられた楔の緩み度合を点検する装置であって、緩み測定装置1、制御装置7、計算装置8、及び、判定装置9などを有している。また、緩み測定装置1は、前記楔に打撃を与えて当該楔の緩みを測定する装置であって、打撃装置2、第一の測定装置3、第二の測定装置4、及び、吸着装置5などを備えている。なお、緩み測定装置1、打撃装置2、第一の測定装置3、第二の測定装置4、吸着装置5、制御装置7、計算装置8、及び、判定装置9などについての具体的な説明は後述する。
図2は、交流電動機100の固定子110と回転子120との間に形成された隙間に緩み測定装置1を挿入した状態を示した図である。図2に示すように、実施形態に係る点検装置10においては、交流電動機100の回転子120を引き抜かずに、交流電動機100の固定子110と回転子120との間に形成された隙間に緩み測定装置1を挿入して、固定子110に設けられた後述する楔112(図3参照)の緩み度合を点検する。
図3は、交流電動機100の固定子110の断面の一部を示した図である。図3に示すように、交流電動機100の固定子110においては、鉄心111に形成されたスロット114内にコイル113が配置されている。そして、スロット114の開口部に設置された楔112によってコイル113を押し付けて、コイル113が機械的に固定されている。楔112としては、例えば、エポキシ樹脂製のものを用いることができる。なお、図3において、鉄心111と楔112の上方は、固定子110と回転子120との隙間の空間の一部である。
ここで、楔112は、交流電動機100の長期間の使用に伴う、鉄心111とコイル113とを電気的に絶縁している不図示の絶縁物の熱劣化による摩耗や、電磁振動による機械的摩耗などによって緩むため、コイル113の固定が不十分となる。そのため、交流電動機100の動作中に発生するコイル113の振動が大きくなると、鉄心111とコイル113とを電気的に絶縁している不図示の絶縁物を機械的に損傷して電気的短絡が発生するおそれがある。そのため、実施形態に係る点検装置10では、緩み測定装置1を用いて楔112の緩み度合を点検する。
図4は、実施形態に係る緩み測定装置1の概略構成を示した側面図である。図5は、実施形態に係る緩み測定装置1の概略構成を示した上面図である。図4及び図5に示すように、実施形態に係る緩み測定装置1は、打撃装置2と、第一の測定装置3と、第二の測定装置4と、吸着装置5と、これらの緩み測定装置1の各構成要素を内部に収容する筐体6とを備えている。筐体6は、交流電動機100の回転子120と固定子110との間に形成された隙間に入るサイズとなっており、筐体6の天板部6aが回転子120側に位置し、筐体6の底板部6bが固定子110側に位置するように前記隙間に挿入される。
打撃装置2は、固定子110に設けられた楔112に打撃を与える装置である。打撃装置2は、板バネ21と、回転することにより板バネ21を持ち上げて弾性変形させるカム22と、カム22を回転させるモータなどの回転付与装置23と、板バネ21から与えられる打撃を楔112に伝える当てビシ24と、を備えている。板バネ21は、長手方向の一端側が固定台座25上に固定された固定端となっており、長手方向の他端側が自由端となっている。筐体6の底板部6bに形成された開口部61を介して、板バネ21の当てビシ24と対向する側の面には、当てビシ24に対応する位置で当てビシ24側に突出した凸形状の打撃部21aが設けられている。また、板バネ21の自由端側の先端部分には、カム22の外周に形成されたカム面と接触可能なカム接触部21bが設けられている。当てビシ24は、筐体6の底板部6bに形成された開口部61を介して板バネ21の打撃部21aが打撃可能な位置に、弾性体26を介して筐体6の底板部6b(開口部61の縁)と接続されている。なお、打撃部21a及び当てビシ24は、楔112よりも硬ければよい。打撃部21a及び当てビシ24の材質としては、例えば、各種の金属材料を用いることができる。
図6は、カム22によって板バネ21を弾性変形させた状態を示した図である。図7は、板バネ21の打撃部21aが当てビシ24に打撃を与えた状態を示した図である。図6に示すように、打撃装置2は、回転付与装置23によってカム22を回転させることにより、カム接触部21bをカム22によって押し上げて板バネ21を弾性変形させる。そして、図7に示すように、さらに回転付与装置23によってカム22を回転させて、カム22からカム接触部21bを解放することにより、板バネ21の弾性力による打撃力が発生し、板バネ21の打撃部21aが当てビシ24に打撃を与える。
ここで、図3に示したような、固定子110の内周面110aを形成する鉄心111の内周面111aと楔112の内周面112aとは、必ずしも一定の位置関係にあるとは限らない。そのため、板バネ21の打撃部21aが楔112を直に打撃する構成の場合には、板バネ21のカム接触部21bがカム22から解放されて、板バネ21の打撃部21aが楔112を打撃するまでの移動距離も大きく変動することが懸念される。このような前記移動距離の大きな変動は、測定結果のばらつきの原因となる。
そのため、実施形態に係る緩み測定装置1においては、板バネ21の打撃部21aが、楔112に直に接触して打撃を与えるのではなく、予め楔112に接触させた当てビシ24に、板バネ21の打撃部21aが打撃を与えて、当てビシ24を介して楔112に打撃を与える構造を採用している。これにより、上述したような、板バネ21の打撃部21aが楔112を打撃するまでの移動距離の大きな変動の影響を抑制することができる。よって、実施形態に係る緩み測定装置1では、打撃装置2によって安定した打撃力を楔112に与えることが可能となり、前記移動距離の大きな変動に起因した測定結果のばらつきを抑制することができる。
実施形態に係る緩み測定装置1が備える第一の測定装置3は、楔112に対して打撃装置2が与える打撃の加速度を測定する装置であり、例えば、加速度計を用いて構成される。
第一の測定装置3が有する加速度計を板バネ21の打撃部21a付近に取り付け、打撃部21aの加速度を測定する。
実施形態に係る緩み測定装置1が備える第二の測定装置4は、打撃装置2から打撃を受けた被打撃物である楔112の加速度(応答の加速度)を測定する装置であり、例えば加速度計を用いて構成される。
図8は、第二の測定装置4の概略構成を示した側面図である。図8に示すように、第二の測定装置4は、接触部材41、樹脂部材42a,42b、防振ゴム43a,43b,43c,43d、及び、加速度計44などによって構成されている。接触部材41は、筐体6の底板部6bに形成された開口部62を介して楔112に対応する位置に配置されている。接触部材41は、楔112と対向する側が楔112側に突出した凸形状となっている。接触部材41は、2つの樹脂部材42a,42bが挟み込み圧迫することによって保持されている。樹脂部材で接触部材41を挟み込んで圧迫することにより保持する方法としては、図8に示されるように接触部材41を相対する外側から2つの樹脂部材42a,42bで挟み込む方法のほか、例えば、接触部材41を取り囲む1つの樹脂部材を用いて、接触部材41を周囲から圧迫して保持する方法でもよい。接触部材41の材質は、楔112よりも硬いものであればよく、例えば、各種の金属材料を用いることができる。樹脂部材42a,42bは、それぞれ防振ゴム43a,43bを介して筐体6の底板部6bに載置されている。また、筐体6の天板部6aと樹脂部材42a,42bとの間には防振ゴム43c,43dが介在している。加速度計44は、L字状の板状部材441と、接触部材41を介して板状部材441に伝わった楔112の振動を測定するセンサ442とによって構成されている。板状部材441の長尺部441aは、接触部材41の上面に取り付けられている。板状部材441の短尺部441bには、センサ442が取り付けられている。また、板状部材441は、樹脂部材42a,42bや防振ゴム43a,43b,43c,43dに挟まれたり固定されたりしておらず、振動可能に配置されている。このため、例えば、防振ゴム43c,43dが板状部材441の長尺部441aに接触しないような切り込みを備えていてもよい。第二の測定装置4は、加速度計44を楔112に接する接触部材41に取り付け、打撃部21aの打撃が当てビシ24を介して楔112に加えられた時の楔112の振動を測定する。
図9は、電磁石52を作動させていない状態の緩み測定装置1を示した図である。図10は、電磁石52を作動させた状態の緩み測定装置1を示した図である。図9及び図10に示すように、吸着装置5は、移動用の磁石車輪51、及び、緩み測定時に筐体6を固定子110の内周面110aに吸着可能な電磁石52が設けられている。磁石車輪51は、筐体6内に配置された弾性体53を介して筐体6の天板部6aに接続され、筐体6の底板部6bに形成された不図示の車輪用開口部から筐体6の内部に格納可能に構成されている。筐体6と磁石車輪51とを接続する弾性体53としては、例えば、板バネなどを使用することができる。弾性体53を介して筐体6と磁石車輪51とを接続することにより、弾性体53の弾性力によって固定子110の内周面110aから筐体6を浮かして、緩み測定装置1をスムーズに移動させることができる。なお、緩み測定装置1を交流電動機100(固定子110)の長手方向に移動させるには、例えば、筐体6にワイヤを取り付けて、そのワイヤを交流電動機100の外部から引っ張る方法などを採用することができる。
また、交流電動機100(固定子110)の長手方向に緩み測定装置1を移動させるための車輪として、磁石車輪51を採用することによって、固定子110の内周面110a(鉄心111の内周面111a)に磁石車輪51が磁力で吸着する。これにより、固定子110の内周面110aに対して緩み測定装置1がどのような角度の場合にも、固定子110の内周面110aに緩み測定装置1を保持することが可能となる。よって、例えば、固定子110の内周面110aが回転子120の外周面120aよりも上方となるような、固定子110と回転子120との間に形成された隙間に緩み測定装置1がある場合でも、固定子110の内周面110aに緩み測定装置1を保持しつつ、緩み測定装置1を交流電動機100(固定子110)の長手方向に緩み測定装置1を移動させることが可能となる。
実施形態に係る緩み測定装置1においては、所定の測定位置に緩み測定装置1を移動させた後に、打撃装置2による楔112の打撃と、第一の測定装置3及び第二の測定装置4による測定とを実施する。また、打撃時及び測定時には、磁石車輪51を筐体6の内部に格納して、交流電動機100の固定子110の内周面110aに筐体6を密着させる。
ここで、実施形態に係る緩み測定装置1は、筐体6の長手方向と直交する幅方向の両側にそれぞれ配置された電磁石52の磁力によって、固定子110の内周面110a(鉄心111の内周面111a)と筐体6とを密着させることが可能となっている。この電磁石52は、図9に示すように、緩み測定装置1を移動させるときなどの緩み測定時(打撃時及び測定時)以外には作動させず、図10に示すように、緩み測定時(打撃時及び測定時)にのみ作動させて、固定子110の内周面110aを磁力によって吸着するものである。
電磁石52としては、例えば、図9に示すような、コの字型のヨーク52aの両側の先端部521a,521bを、固定子110の内周面110aと対向する部位とするとともに、ヨーク52aの長手方向の中央部に励磁用コイル52bを備えた電磁石を用いることができる。このような電磁石52を用いた場合には、固定子110の内周面110a上における所定の測定位置に緩み測定装置1を移動させた状態で、励磁用コイル52bに電流を流す。これにより、筐体6を介してヨーク52aの先端部521a,521bが固定子110の内周面110aを吸着し、その結果、固定子110の内周面110aに筐体6が密着して固定される。そのため、固定子110の内周面110aに対する緩み測定装置1の吸着状態が安定し、その結果、安定した測定データを得ることが可能となり、楔112の緩みを精度よく点検することができる。
なお、交流電動機100の固定子110の長手方向に沿って緩み測定装置1をスムーズに移動させるために、磁石車輪51を載せて磁石車輪51の移動をガイドするガイドレールを固定子110の内周面110aに設けてもよい。このようにガイドレールを設けることによって、磁石車輪51の接する部位を平滑とすることが可能となるため、固定子110の長手方向へ緩み測定装置1を移動させる動作を、よりスムーズに実施することが可能となる。また、ガイドレールは、固定子110の内周面110aにガイドレールを介して磁石車輪51が十分に磁力によって吸着するとともに、ガイドレールを介さずに打撃装置2の当てビシ24が楔112に直に接する構造を備えていればよい。
また、交流電動機100の長手方向に緩み測定装置1を移動させるために、ガイドレールを用意する場合も、磁石車輪51を採用することによって、ガイドレールに緩み測定装置1の荷重を担わせる必要がない。そのため、ガイドレールの構造を簡素化し、軽量化することができ、作業性を改善するという効果を得ることが可能である。また、ガイドレールを軽量化することができるため、ガイドレールが自重で撓むことを抑制し、ガイドレール上の緩み測定装置1による楔112の緩み測定の測定位置に位置ずれが発生することも抑制できるため、楔112の緩みを精度よく点検することができる。
ここで、磁石車輪51は、交流電動機100の軸方向に沿って緩み測定装置1が移動可能に構成されている。そのため、交流電動機100の周方向の別の位置について、楔112の点検を実施する場合には、手動で緩み測定装置1を前記別の位置に移動させて行うことになる。なお、磁石車輪51は、交流電動機100の軸方向に沿って緩み測定装置1を移動可能に構成したものに限定されず、交流電動機100の周方向にも緩み測定装置1を移動可能なように構成してもよい。
計算装置8は、被打撃物である楔112に対して打撃装置2が与える打撃の加速度に対する楔112の加速度の比である加速度比を計算する。具体的に、計算装置8は、第一の測定装置3及び第二の測定装置4から有線または無線で受信した、第一の測定装置3で測定された打撃の加速度のデータ、及び、第二の測定装置4で測定された楔112の加速度(応答の加速度)のデータから、加速度比を計算する。計算装置8の計算で得られた加速度比のデータは、有線または無線で判定装置9に送信される。
判定装置9は、計算装置8から受信した計算結果(加速度比)をもとに、楔112の緩み度合いを判定する。楔112の緩みがない場合には、楔112の振動は小さい。一方、楔112に緩みが生じている場合、打撃を受けた際の楔112は、与えられた打撃の通りには振動せず、加速度比は大きくなる。加速度比と楔112の緩みとの関係は、予め予備試験を実施して求めておくことができる。また、形状や構造が類似する交流電動機100に対する測定結果を蓄積することによって、予備試験なしで楔112の緩み度合を判定することも可能である。
制御装置7は、緩み測定装置1が備える、打撃装置2(回転付与装置23)、第一の測定装置3、第二の測定装置4、及び、吸着装置5(電磁石52)などに、有線または無線で制御信号を送信することによって、これら各装置の動作を制御する。
実施形態に係る点検装置10を用いた交流電動機100の点検方法は、交流電動機100の固定子110と回転子120との間に形成された隙間に緩み測定装置1を入れ、固定子110のスロット114内に配置されたコイル113を固定する楔112に打撃を与え、その与えた打撃の加速度に対する被打撃物である楔112の加速度の比である加速度比から、楔112の緩み度合いを判定するものである。
具体的には、まず、点検を実施する交流電動機100のカバーなどを外し、図2に示すような固定子110及び回転子120の断面が見える状態にしたうえで、固定子110の内周面110aと回転子120の外周面120aとの間に形成された隙間に緩み測定装置1を挿入する。そして、交流電動機100の回転軸と平行な方向に緩み測定装置1を移動させ、所定の測定位置に到着したら停止させる。次に、制御装置7によって電磁石52を制御して、所定の測定位置で緩み測定装置1の電磁石52を作動させ、固定子110の内周面110a(鉄心111の内周面111a)に筐体6を磁力によって吸着させて固定する。なお、この状態では、当てビシ24が楔112に接触している。
次いで、緩み測定装置1の打撃装置2による楔112の緩み測定を開始する。具体的には、制御装置7によって回転付与装置23を制御して、回転付与装置23によりカム22を回転させ、板バネ21のカム接触部21bを持ち上げて板バネ21を弾性変形させた後に解放する。このように解放された板バネ21の打撃部21aが、予め楔112に接触している当てビシ24を打撃することによって、当てビシ24を介して楔112に打撃が与えられる。
また、打撃装置2による打撃と合わせて、制御装置7によって第一の測定装置3を制御し、楔112に与えた打撃の加速度を第一の測定装置3によって測定する。第一の測定装置3が測定した打撃の加速度の測定結果は、計算装置8に送信される。計算装置8では、第一の測定装置3で測定された打撃の加速度のデータである打撃の加速度の波形にローパスフィルタをかけた後、ピークホールドした値A1を求める。また、第一の測定装置3による測定と同時に、制御装置7によって第二の測定装置4を制御し、楔112の振動から楔112の加速度(応答の加速度)を第二の測定装置4によって測定する。第二の測定装置4が測定した楔112の加速度(応答の加速度)の測定結果は、計算装置8に送信される。計算装置8では、第二の測定装置4で測定された楔112の加速度(応答の加速度)のデータである楔112の加速度(応答の加速度)の波形にローパスフィルタをかけた後、ピークホールドした値A2を求める。そして、計算装置8は、値A2を値A1で除すること(A2/A1)によって、打撃装置2が楔112に与える打撃の加速度に対する楔112の加速度(応答の加速度)の比である加速度比を求める。
なお、緩み測定装置1による打撃及び各加速度の測定は、一つに測定箇所について複数回実施し、各打撃に対して得られたそれぞれの加速度比の平均値を、楔112の緩み度合いの判定材料とすることが好ましい。ここで、複数回の打撃で得られたそれぞれの加速度比の平均値を求めるにあたり、複数回のうちの初めの数回の打撃で得られた各加速度比を除いた残りの回数分の各加速度比のみの平均値を求めることが好ましい。例えば、3回目以降の打撃で得られた各加速度比の平均値を求めることが好ましい。これは、以下の理由による。固定子110の内周面110aの表面粗さのバラつきなどに起因して、固定子110の内周面110a(鉄心111の内周面111a)に対する筐体6の当初の吸着状態が不安定となっていることがある。しかしながら、2回程度の打撃により、安定した吸着状態が実現するからである。
計算装置8で計算した加速度比(加速度比の平均値)のデータは、判定装置9に送信される。判定装置9は、計算装置8の計算結果である加速度比(加速度比の平均値)をもとに、事前に測定した、あるいは、過去の実績に基づいて知見した、加速度比(加速度比の平均値)と楔112の緩み度合いとの関係から楔112の緩み度合いを判定する。
これにより、実施形態に係る点検装置10においては、回転子120の引き抜きを行わずに楔112の緩みを精度よく点検することができ、工事費用の削減及び工事期間の削減に繋げることができる。また、実施形態に係る点検装置10においては、板バネ21の打撃部21aの打撃力を、予め楔112に接触させた当てビシ24を介して楔112に与えるため、安定した打撃力を楔112に与えて測定結果のばらつきを抑えることができ、楔112の緩み度合の判定精度を向上させることができる。
1 緩み測定装置
2 打撃装置
3 第一の測定装置
4 第二の測定装置
5 吸着装置
6 筐体
6a 天板部
6b 底板部
7 制御装置
8 計算装置
9 判定装置
10 点検装置
21 板バネ
21a 打撃部
21b カム接触部
22 カム
23 回転付与装置
24 当てビシ
25 固定台座
26 弾性体
41 接触部材
42a,42b 樹脂部材
43a,43b,43c,43d 防振ゴム
44 加速度計
51 磁石車輪
52 電磁石
52a ヨーク
52b 励磁用コイル
53 弾性体
61 開口部
62 開口部
100 交流電動機
110 固定子
110a 内周面
111 鉄心
112 楔
120 回転子
120a 外周面
441 板状部材
441a 長尺部
441b 短尺部
442 センサ
521a,521b 先端部

Claims (4)

  1. 交流電動機の固定子を固定する楔に打撃を与える打撃装置と、
    前記打撃装置が与える打撃の加速度を測定する第一の測定装置と、
    前記楔の加速度を測定する第二の測定装置と、
    前記打撃装置、前記第一の測定装置、及び、前記第二の測定装置を収納する筐体と、
    を備えた緩み測定装置を有し、
    前記打撃装置は、板バネ、回転することによって前記板バネを押し上げて弾性変形させるカム、前記カムを回転させる回転付与装置、及び、前記板バネから与えられる打撃を前記楔に伝える当てビシを備えており、
    前記筐体は、弾性体を介して前記筐体に接続されており、前記筐体の内部に格納可能な磁石車輪、及び、前記筐体を前記固定子の内周面に吸着可能な電磁石を備える、
    ことを特徴とする交流電動機の点検装置。
  2. 前記打撃装置が前記楔に与える打撃の加速度に対する前記楔の加速度の比である加速度比を計算する計算装置と、
    前記計算装置の計算結果を用いて前記楔の緩み度合いを判定する判定装置と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の点検装置。
  3. 請求項1または2に記載の交流電動機の点検装置が有する前記緩み測定装置を、前記交流電動機の回転子と前記固定子との間に形成された隙間に入れ、前記緩み測定装置によって前記楔に打撃を与えて、その与えた打撃の加速度に対する前記楔の加速度との関係から、前記楔の緩み度合を判定することを特徴とする交流電動機の点検方法。
  4. 前記楔の緩み度合を判定する方法が、
    前記楔に与えた打撃の加速度の波形にローパスフィルタをかけた後にピークホールドした値A1を求める工程と、
    前記楔の加速度の波形にローパスフィルタをかけた後にピークホールドした値A2を求める工程と、
    A2/A1の比を打撃する毎に計算して加速度比を求める工程と、
    測定箇所ごとに複数回の打撃を実施し、その初期の打撃に係るデータを排除した上で平均値を計算する工程と、
    求められた加速度比の平均値をもとに、予め用意された加速度比と緩み度合との関係から前記楔の緩み度合を判定する工程と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の交流電動機の点検方法。
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