JP2024016759A - アリピプラゾール懸濁液の製造方法 - Google Patents

アリピプラゾール懸濁液の製造方法 Download PDF

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瑞乃 藤田
Mizuno Fujita
慎吉 佐藤
Shinkichi Sato
美友紀 守谷
Miyuki Moriya
直幸 宮永
Naoyuki Miyanaga
圭祐 伊藤
Keisuke Ito
稔 初鹿
Minoru Hatsuka
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Abstract

【課題】湿式粉砕の利用を低減してより効率的な生産を可能とする、アリピプラゾール懸濁液の製造方法を提供すること。【解決手段】アリピプラゾール懸濁液の製造方法を開示する。本発明の方法は、粉体の形態を有するアリピプラゾールと媒体との混合物を脱気して一次懸濁液を調製する工程、および一次懸濁液中の該アリピプラゾールを粉砕して最終懸濁液を形成する工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、アリピプラゾール懸濁液の製造方法に関する。
統合失調症等の治療に使用されるアリピプラゾールは注射剤として投与することが知られている。特に約1μm~約10μmの平均粒子径を有するアリピプラゾールを水性媒体に懸濁させたものは優れた徐放特性を有することが知られている(特許文献1)。
アリピプラゾール懸濁液の作製には、アリピプラゾール原末を無菌下でどのように粉砕するかが重要である。例えば、特許文献2は、アリピプラゾール原末とヒビクルとを混合して一次懸濁液を形成した後、2段階の粉砕工程(第一粉砕および第二粉砕)を経て、最終懸濁液としてのアリピプラゾール懸濁液を作製する方法を記載している。この特許文献2の方法では、第一粉砕および第二粉砕のためにいわゆる湿式粉砕が採用されている。
一般に、湿式粉砕は、水などの液体中で砕料を粉砕するものであり、当該液体を使用しない乾式粉砕と比較して超微粒子の作製が可能であると言われている。しかし、砕料が液体中にあることから処理量が多くならざるを得ず、処理工程自体が煩雑であるとともに、粉砕に要するコストは固体に対して直に粉砕の力を加えることができる乾式粉砕と比較して高価となる傾向がある。
この点において、特許文献2に記載するような方法では、少なくとも2度の湿式粉砕が必須とされ、アリピプラゾール懸濁液の生産効率が十分であるとは言い難い。また、一般に粉砕工程では熱が発生するが、当該方法のように粉砕工程を複数重ねると、発生した熱により砕料(アリピプラゾール)の分解リスクが高まる。さらに、発生した熱により、粉砕粒子が凝集しやすくなる傾向があり、粉砕工程を短時間で簡潔に行うことが求められている。このため、アリピプラゾール懸濁液をより効率よく作製できる新たな技術開発が所望されている。
特表2007-509148号公報 特許第4879349号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、湿式粉砕の利用を低減してより効率的な生産を可能とする、アリピプラゾール懸濁液の製造方法を提供することにある。
本発明は、アリピプラゾール懸濁液の製造方法であって、
(a)粉体の形態を有するアリピプラゾールと媒体との混合物を脱気して一次懸濁液を調製する工程、および
(b)該一次懸濁液中の該アリピプラゾールを粉砕して最終懸濁液を形成する工程、
を含む、方法である。
1つの実施形態では、上記(a)工程の一次懸濁液における上記アリピプラゾールは60μm以下のメディアン径D50を有する。
さらなる実施形態では、上記(a)工程に用いる上記アリピプラゾールは、アリピプラゾール原末の晶析または乾式粉砕によって得られたものである。
1つの実施形態では、上記(b)工程により得られる上記最終懸濁液中の上記アリピプラゾールは2μmから5μmのD50を有する。
1つの実施形態では、上記(b)工程における上記一次懸濁液中の前記アリピプラゾールの粉砕は高圧ホモジナイザーを用いて行われる。
本発明によれば、湿式粉砕の利用を低減して、所望のアリピプラゾール懸濁液を簡便に製造することができる。また、より品質の安定したアリピプラゾール懸濁液を得ることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明では、まず、粉体の形態を有するアリピプラゾールと媒体との混合物を脱気して一次懸濁液を得る。
粉体の形態を有するアリピプラゾール(本明細書では特に断りの無い限り、「アリピプラゾール粉体」と称することもある)はアリピプラゾール原末から構成され、該アリピプラゾール原末は、以下の式:
Figure 2024016759000001
で表される化合物(アリピプラゾール)および/またはその水和物から構成されている(なお、本明細書では特に断りのない限り、アリピプラゾールおよびその水和物をまとめて「アリピプラゾール」という)。こうしたアリピプラゾール原末は非定型抗精神病薬の1種であり、例えば、統合失調症の治療、双極性障害における躁症状の改善のために使用される。
本発明に用いられるアリピプラゾール粉体は、こうしたアリピプラゾール原末から晶析または乾式粉砕のような当業者に周知の方法により粉体の形態に加工されたものである。乾式粉砕には、例えば、超遠心粉砕機などを好ましく用いることができる。
一次懸濁液中のアリピプラゾール粉体のD50は、特に限定されないが、好ましくは60μm以下であり、より好ましくは3μm~60μmであり、さらにより好ましくは11μm~45μmである。得られるアリピプラゾール粉体のD50が60μmを上回ると、後述する一次懸濁液の粉砕で使用する装置(例えば、高圧ホモジナイザー装置)内で粒子が沈降し、流路が詰まって、処理を行うことができない場合がある。
アリピプラゾール粉体のD50は、体積基準のメディアン径であり、レーザ回折式の市販の測定装置(例えば、堀場製作所社製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-950))を用いて測定され得る。
一次懸濁液中の上記アリピプラゾール粉体はまた、所定のD90を有することが好ましい。アリピプラゾール粉体のD90は、体積基準であり、レーザ回折式の市販の測定装置(例えば、堀場製作所社製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-950))を用いて測定され得る。
一次懸濁液中の上記アリピプラゾール粉体のD90は、特に限定されないが、好ましくは115μm以下であり、より好ましくは9μm~115μmであり、さらにより好ましくは24.0μm~112.0μmである。得られるアリピプラゾール粉体のD90が115μmを上回ると、後述する一次懸濁液の粉砕で使用する装置(例えば、高圧ホモジナイザー装置)内で粒子が沈降し、流路が詰まって、処理を行うことができない場合がある。
一次懸濁液中の上記アリピプラゾール粉体はまた、所定のD10を有することが好ましい。アリピプラゾール粉体のD10は、体積基準であり、レーザ回折式の市販の測定装置(例えば、堀場製作所社製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-950))を用いて測定され得る。
一次懸濁液中の上記アリピプラゾール粉体のD10は、特に限定されないが、好ましくは12μm以下であり、より好ましくは2.2μm~12μmであり、さらにより好ましくは3.0μm~11.0μmである。得られるアリピプラゾール粉体のD10が12μmを上回ると、後述する一次懸濁液の粉砕で使用する装置(例えば、高圧ホモジナイザー装置)内で粒子が沈降し、流路が詰まって、処理を行うことができない場合がある。
一次懸濁液を構成する媒体の例としては、水、アルコール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。水の例としては、純水、イオン交換水、およびRO水、ならびにそれらの組み合わせから構成される製薬用水である。アルコールの例としてはエタノールが挙げられる。
一次懸濁液に含まれる媒体の量は特に限定されないが、例えば一次懸濁液の全体質量を基準として、好ましくは60質量%~90質量%、より好ましくは70質量%~90質量%である。一次懸濁液に含まれる媒体の量が60質量%を下回ると、媒体が少なすぎてアリピプラゾールが凝集し易くなることがある。一次懸濁液に含まれる媒体の量が90質量%を上回ると、相対的にアリピプラゾールの含有量が低下することから、最終的に得られるアリピプラゾール懸濁液の液量が多くなり、これを直接、筋肉内あるいは皮下に投与する場合には規定量の有効成分(アリピプラゾールおよび/またはアリピプラゾール水和物)を投与することが困難になり、また、最終的に得られるアリピプラゾール懸濁液を凍結乾燥する場合には乾燥効率が悪くなることがある。
一次懸濁液に含まれるアリピプラゾール粉体の量は特に限定されないが、例えば一次懸濁液の全体質量を基準とし、アリピプラゾールとして(アリピプラゾール水和物の場合はアリピプラゾール無水物として)、好ましくは10質量%~40質量%、より好ましくは10質量%~30質量%である。一次懸濁液に含まれるアリピプラゾール粉体の量が10質量%を下回ると、相対的に媒体量が多くなることから、最終的に得られるアリピプラゾール懸濁液の液量が多くなり、これを直接、筋肉内あるいは皮下に投与する場合には規定量の有効成分(アリピプラゾールおよび/またはアリピプラゾール水和物)を投与することが困難になり、また、最終的に得られるアリピプラゾール懸濁液を凍結乾燥する場合には乾燥効率が悪くなることがある。一次懸濁液に含まれるアリピプラゾール粉体の量が40質量%を上回ると、相対的に媒体量が少なすぎてアリピプラゾール粉体が凝集し易くなることがある。
一次懸濁液はさらにその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例としては、懸濁化剤、賦形剤、緩衝剤、pH調整剤、および凝集防止成分、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
懸濁化剤の例としては、塩化セチルピリジニウム、ゼラチン、カゼイン、レシチン、デキストラン、グリセロール、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール類、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレンステアレート、コロイダル二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非結晶性セルロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、ポロキサマー、ポロキサミン、および荷電リン脂質、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
賦形剤の例としては、マンニトール、スクロース、マルトース、キシリトール、グルコース、スターチ、およびソルビトール、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
緩衝剤の例としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
pH調整剤の例としては、例えば、塩酸、酢酸などの酸性pH調整剤;ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの塩基性pH調整剤;が挙げられる。
凝集防止成分は、例えば界面活性剤であり、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、および3000~13000の平均分子量を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等、ならびにそれらの組み合わせが包含される。
一次懸濁液に含まれる上記その他の成分の含有量は特に限定されず、当業者によって適切な量が選択され得る。また、一次懸濁液へのその他の成分の添加は、上記アリピプラゾール粉体と媒体との混合と一緒に行われてもよく、アリピプラゾール粉体と媒体との混合の後に行われてもよく、あるいはこれらの両方で行われてもよい。
一次懸濁液を得る際には、アリピプラゾール粉体と媒体との混合物を脱気する。脱気することにより、懸濁液中の気泡が除去され、得られる一次懸濁液は均一で、気泡を含む網目構造が形成されにくいものとなる。その結果、一次懸濁液の増粘および増粘による粉砕効率の低下を抑制することができるため、脱気された一次懸濁液は1回の湿式粉砕で効率よく所望の粒子径に粉砕することができる。脱気は、真空ポンプなどを利用する減圧による方法、さらに超音波を使用する方法など、通常の液体の脱気に採用される方法で行えばよく、特に制限はされないが、好ましくは減圧を利用する方法がよい。例えば、好ましくは0.091MPa~0.100MPa、より好ましくは0.093MPa~0.097MPaの減圧下で行われる。なお、脱気は、アリピプラゾール粉体と媒体との混合と同時に行われてもよく、アリピプラゾール粉体と媒体との混合後に行われてもよく、あるいはこれらの両方で行われてもよい。
このようにして一次懸濁液が調製される。
本発明では、次いで、一次懸濁液中の該アリピプラゾールが湿式下で粉砕され、最終懸濁液が形成される。例えば懸濁液は当該粉砕により直接形成されてもよい。本発明によれば、一次懸濁液が脱気されたものであることから、1回の湿式粉砕で、一次懸濁液に含まれる上記アリピプラゾール粉体を所定の粒度にまでさらに粉砕することが可能になる。
このような湿式粉砕には、高圧噴射式乳化分散機を用いることが好ましく、特に、高圧ホモジナイザーが好ましい。他には、高速回転剪断型粉砕機を用いることもできるが、高速回転剪断型粉砕機の多くは、軸封がメカニカルシールになっており、理論上シール水が懸濁液に混入するリスクがある。高圧噴射式乳化分散機を用いることにより、コンタミネーションのリスクを軽減することができる。
本発明において、最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子は、好ましくは2μm~5μm、より好ましくは2.5μm~4.0μmのメディアン径D50を有する。最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子がこのような範囲内のD50を有していることにより、適切な期間の持続溶出を示すアリピプラゾール懸濁液を得ることができる。
上記最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子はまた、所定のD90を有することが好ましい。当該最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子のD90は、特に限定されないが、好ましくは5.7μm~7.0μmであり、より好ましくは5.8μm~6.5μmであり、さらにより好ましくは5.9μm~6.5μmである。得られるアリピプラゾール粉砕物がこのような範囲内のD90を有していることにより、適切な期間の持続溶出を示すより品質の高められたアリピプラゾール懸濁液を得ることができる。
さらに、上記最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子は、所定のD10を有することが好ましい。当該最終懸濁液中のアリピプラゾール粒子のD10は、特に限定されないが、好ましくは0.93μm~1.45μmであり、より好ましくは0.94μm~1.40μmであり、さらにより好ましくは0.95μm~1.35μmである。得られるアリピプラゾール粒子がこのような範囲内のD10を有していることにより、適切な期間の持続溶出を示すより品質の高められたアリピプラゾール懸濁液を得ることができる。
このようにして、上記一次懸濁液から最終懸濁液が形成される。
得られた最終懸濁液は、その後当業者に周知の手段を用いて凍結乾燥が行われ、アリピプラゾールの凍結乾燥物が作製される。アリピプラゾールの凍結乾燥物は、所定の容器(例えばシリンジ)に封入され、必要に応じて使用まで保管される。こうして得られたアリピプラゾールの凍結乾燥物は、使用の際に注射用水で再懸濁が行われ、アリピプラゾール懸濁液でなる注射用製剤として所定の患者に対して筋肉内投与または皮下投与され得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1:アリピプラゾール懸濁液の作製)
D50が116.95μmのアリピプラゾール原末(アリピプラゾール水和物)を、超遠心粉砕機(Retsch社製ZM-200)を用いて、ディスタンススクリーン:0.08mm、ローター:24本刃、18000rpmの条件で粉砕した後、さらにディスタンススクリーン:0.2mm、ローター:24本刃、18000rpmの条件で粉砕することにより、アリピプラゾール粉体を得た。なお、アリピプラゾール原末のD50(μm)は、後述する一次懸濁液と同様の組成の懸濁液を調製し、後述する一次懸濁液と同様の方法・条件で測定した。
次いで、1265gの水に、カルボキシメチルセルロースナトリウム28.70g、マンニトール143.52g、およびリン酸2水素ナトリウム1水和物2.55gを添加し、さらに1mol/mLの水酸化ナトリウム水溶液を適量添加して、さらに水を加えて全量を1582gとした。これを開口孔0.2μmのフィルタでろ過することにより、懸濁用液(ビヒクル)を作製した。その後、懸濁用液206.4gとアリピプラゾール粉体93.6gを混合し、減圧下(0.0095MPa)で脱気して懸濁液中の気泡を取り除き、一次懸濁液を調製した。
得られた一次懸濁液についてレーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製(LA-950)/媒体:水、バッチ式)により、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した(屈折率2.00~0.20i)。結果を表1に示す。
なお、この一次懸濁液における各成分の濃度は以下の通りであった:アリピプラゾール30質量%(アリピプラゾール水和物として31.2質量%)、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.248質量%、マンニトール6.24質量%、およびリン酸二水素ナトリウム1水和物0.111質量%。
上記で得られた一次懸濁液を、高圧ホモジナイザー(GEA Niro Soavi社製、型式:Panda PLUS 2000)を用い、出口冷却管温度を20℃とし、粉砕圧550barにて完全パス方式で12回通過させて、最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E1AK)を得た。
得られたアリピプラゾール懸濁液(E1AK)について、一次懸濁液と同様の方法・条件にて、D10、D50およびD90を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.2mm、ローター:24本刃、18000rpmの1回で行ったこと実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製し、さらに該一次懸濁液から実施例1と同様にして最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E2AK)を得た。
得られた一次懸濁液およびアリピプラゾール懸濁液(E2AK)について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.2mm、ローター:12本刃、12000rpmの1回で行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製し、さらに、高圧ホモジナイザーによるアリピプラゾールの粉砕においてパス回数を20回に変更したこと以外は実施例1と同様にして、該一次懸濁液から最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E3AK)を得た。
得られた一次懸濁液およびアリピプラゾール懸濁液(E3AK)について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.2mm、ローター:24本刃、6000rpmの1回で行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製し、さらに、高圧ホモジナイザーによるアリピプラゾールの粉砕においてパス回数を15回に変更したこと以外は実施例1と同様にして、該一次懸濁液から最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E4AK)を得た。
得られた一次懸濁液およびアリピプラゾール懸濁液(E4AK)について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.5mm、ローター:6本刃、6000rpmの1回で行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製し、さらに、高圧ホモジナイザーによるアリピプラゾールの粉砕においてパス回数を20回に変更したこと以外は実施例1と同様にして、該一次懸濁液から最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E5AK)を得た。
得られた一次懸濁液およびアリピプラゾール懸濁液(E5AK)について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.5mm、ローター:6本刃、6000rpmの1回で行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製し、さらに、該一次懸濁液から実施例1と同様にして最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液(E6AK)を得た。
得られた一次懸濁液およびアリピプラゾール懸濁液(E6AK)について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1:アリピプラゾール懸濁液の作製)
アリピプラゾール原末の粉砕を、超遠心粉砕機による粉砕ではなく、コンパクトブレンダー ラボミル(大阪ケミカル社製OML-1)を用いて8秒間処理することで行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製した。得られた一次懸濁液について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた一次懸濁液を実施例1と同様にして高圧ホモジナイザーで処理することにより最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液を得ようと試みたが、処理中に高圧ホモジナイザーに詰まりが生じ、処理を行うことができなかった。
(比較例2:アリピプラゾール懸濁液の作製)
アリピプラゾール原末の粉砕を、超遠心粉砕機による粉砕ではなく、コンパクトブレンダー ラボミル(大阪ケミカル社製OML-1)を用いて5秒間処理することで行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製した。得られた一次懸濁液について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた一次懸濁液を実施例1と同様にして高圧ホモジナイザーで処理することにより最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液を得ようと試みたが、処理中に高圧ホモジナイザーに詰まりが生じ、処理を行うことができなかった。
(比較例3:アリピプラゾール懸濁液の作製)
実施例1においてアリピプラゾール原末の粉砕を行わないこと(すなわち、アリピプラゾール原末をそのままアリピプラゾール粉末として用いたこと)以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製した。得られた一次懸濁液について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた一次懸濁液を実施例1と同様にして高圧ホモジナイザーで処理することにより最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液を得ようと試みたが、処理中に高圧ホモジナイザーに詰まりが生じ、処理を行うことができなかった。
(比較例4:アリピプラゾール懸濁液の作製)
超遠心粉砕機によるアリピプラゾール原末の粉砕を、ディスタンススクリーン:0.2mm、ローター:24本刃、14000rpmの1回で行い、一次懸濁液の調製にあたり脱気を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の一次懸濁液を調製した。得られた一次懸濁液について、実施例1と同様にして、懸濁液に含まれるアリピプラゾールのD10、D50、D90(μm)を測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた一次懸濁液を実施例1と同様にして高圧ホモジナイザーで処理すること(パス回数は10回)により最終懸濁液であるアリピプラゾール懸濁液を得ようと試みたところ粘性が高い、いわゆるホイップクリーム状の状態となった。
これは、アリピプラゾール粉体と気泡が網目構造(フロキュレート)を形成した状態と考えられた。フロキュレート形成は、分散安定化が不十分なことを示し、貯蔵時のさらなる増粘およびブツ(Seeding)と呼ばれる凝集体の発生につながるため、不都合である。
Figure 2024016759000002
表1に示すように、脱気され、D50が60μm以下であるアリピプラゾール粉体を含む一次懸濁液は、1回の湿式粉砕工程で効率的に、D50が2.0~5.0μmの理想的な粒子径分布を有する最終懸濁液とすることができることがわかる。
本発明は、例えば医薬品の製造分野において有用である。特に、アリピプラゾールを有効成分とする注射剤の製造に有用である。

Claims (5)

  1. アリピプラゾール懸濁液の製造方法であって、
    (a)粉体の形態を有するアリピプラゾールと媒体との混合物を脱気して一次懸濁液を調製する工程、および
    (b)該一次懸濁液中の該アリピプラゾールを湿式下で粉砕して最終懸濁液を形成する工程、
    を含む、方法。
  2. 前記(a)工程の一次懸濁液における前記アリピプラゾールが60μm以下のD50を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記(a)工程に用いる前記アリピプラゾールが、アリピプラゾール原末の晶析または乾式粉砕によって得られたものである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記(b)工程により得られる前記最終懸濁液中の前記アリピプラゾールが2μmから5μmのD50を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記(b)工程における前記一次懸濁液中の前記アリピプラゾールの粉砕が高圧ホモジナイザーを用いて行われる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
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