JP2024016352A - 情報処理装置、プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】 ユーザが明示的に拡張アプリケーションの画面の表示指示をすることなく、必要な情報を確認することが可能となる技術を提供することを目的とする。【解決手段】 情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、異なる複数の印刷装置に対して利用可能な印刷データ生成ソフトウェアと関連付けられて機能の拡張を行うプログラムが、コンピュータに、印刷装置から情報を取得する取得処理と、印刷装置から取得した情報に基づいて、情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報を決定する決定処理と、表示すべき情報を定義した画面定義情報を情報処理装置のオペレーティングシステムに通知する通知処理を実行させる。【選択図】 図３

Description

本発明は、印刷の機能を拡張する技術に関する。

近年、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）などにおいて、複数のベンダが提供する印刷装置に対して共通で利用することが可能な標準的なクラスドライバ（以下、「標準ドライバ」とも呼ぶ）が提供されている。このような標準ドライバは、オペレーティングシステム（以下、「ＯＳ」という）のパッケージに同梱されている。標準ドライバは、接続した印刷装置から取得した情報に基づき生成されたＰｒｉｎｔＣａｐａｂｉｌｉｔｉｅｓに応じて印刷機能を指定可能に構成される。これにより、標準ドライバを利用するユーザは、接続した印刷装置の能力に応じた印刷機能を指定することができる。標準ドライバには、機能拡張用のアプリケーション（以下、「拡張アプリケーション」とも呼ぶ）を関連付けることができる。拡張アプリケーションは、印刷装置を提供するベンダにより提供される。ベンダは、拡張アプリケーションを提供することにより、標準ドライバのみでは実現できない機能（拡張機能）を提供することができる。特許文献１には、拡張アプリケーションにより、スタンプ機能等の機能を拡張する技術が開示されている。

特開２０１９－７４９０６号公報

拡張アプリケーションの拡張機能を利用するためには、ユーザは明示的に拡張アプリケーション自体の画面を表示する操作を行う必要がある。これによりユーザの操作数が増加するため、利便性を損なう恐れがある。また、拡張アプリケーションの提供する一部の情報（印刷装置のステータス情報など）は、任意のタイミングではユーザが確認できないものも存在する。

本発明は、上述のような状況を鑑みてなされたものである。すなわち、ユーザが明示的に拡張アプリケーションの画面の表示指示をすることなく、必要な情報を確認することが可能となる技術を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明における情報処理装置は、異なる複数の印刷装置で利用可能な印刷データ生成ソフトウェアと、前記印刷データ生成ソフトウェアと関連付けられて機能の拡張を行う拡張アプリケーションとを備える情報処理装置であって、前記拡張アプリケーションが、印刷装置から情報を取得する取得手段と、前記印刷装置から取得した情報に基づいて、前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報を決定する決定手段と、前記表示すべき情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知する通知手段を有することを特徴とする。

本発明によれば、ユーザが、明示的に拡張アプリケーションの画面の表示指示することなく必要な情報を確認することが可能となる。

印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図 印刷システムの構成を模式的に示す図 印刷処理の一例を示すシーケンス図 印刷設定画面拡張ユニットの表示項目決定処理の一例を示すフローチャート 画面定義情報の一例を示す図 印刷設定画面の一例を示す図 印刷設定画面拡張ユニットの表示項目決定処理の一例を示すフローチャート 画面定義情報の一例を示す図 印刷設定画面の一例を示す図 印刷設定画面拡張ユニットの処理の一例を示すフローチャート 印刷設定画面の一例を示す図 印刷設定画面拡張ユニットの処理の一例を示すフローチャート 画面定義情報の一例を示す図 印刷設定画面の一例を示す図 印刷処理の一例を示すシーケンス図 印刷データ編集ユニットの処理の一例を示すフローチャート 印刷設定画面拡張ユニットの処理の一例を示すフローチャート 印刷設定画面拡張ユニットの処理の一例を示すフローチャート 画面定義情報の一例を示す図 印刷設定画面の一例を示す図 印刷設定画面拡張ユニットの処理の一例を示すフローチャート 画面定義情報の一例を示す図 画面定義情報に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図

以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。

＜＜第１実施形態＞＞
図１は、本実施形態における印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。印刷システムは、ホストコンピュータ１０１を含み、図１では、主にホストコンピュータのブロック構成を示している。ホストコンピュータ１０１は、情報処理装置の一例である。ホストコンピュータ１０１は、入力インターフェース１１０、ＣＰＵ１１１、ＲＯＭ１１２、ＲＡＭ１１３、外部記憶装置１１４、出力インターフェース１１５、入出力インターフェース１１６、及びネットワークインターフェース（ＮＥＴＩＦ）１２０を有する。入力インターフェース１１０には、キーボード１１８およびポインティングデバイス１１７などの入力デバイスが接続され、出力インターフェース１１５には、表示部１１９などの表示デバイスが接続されている。ＮＥＴＩＦ１２０は、ネットワークを介して外部機器との間でデータ転送を行うための制御を行う。尚、図１の例では、表示部１１９、ポインティングデバイス１１７、およびキーボード１１８は、ホストコンピュータ１０１とは別のデバイスの例として記載されているが、これらがホストコンピュータ１０１に含まれていてもよい。また、表示部１１９は、入出力デバイスの機能を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。

ＲＯＭ１１２には、初期化プログラムが格納されている。外部記憶装置１１４には、アプリケーションプログラム群、オペレーティングシステム（ＯＳ）、印刷データ生成ソフトウェア、およびその他の各種のデータが格納されている。ＲＡＭ１１３は、外部記憶装置１１４に格納される各種のプログラムを実行する際のワークメモリ等として使用され、これにより、各種プログラムがホストコンピュータ１０１内で動作することが可能となっている。

なお、本実施形態では、ＰＵ１１１が、ＲＯＭ１１２に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、ホストコンピュータ１０１における後述の機能及び処理を実行する。

出力デバイスである印刷装置１０２は、入出力インターフェース１１６を介して、ホストコンピュータ１０１と接続されている。図１の例では、ホストコンピュータ１０１と印刷装置１０２が分かれた例を示しているが、これらが一つの情報処理装置として構成されていてもよい。なお、印刷装置は、インクを紙面上に吐出することで印刷するインクジェット印刷装置を例に説明するが、他の方法（例えば電子写真方式）で印刷が実行されてもよい。また、ホストコンピュータ１０１は、デスクトップパソコンでも、スマートフォンでも、タブレット端末でも、ノートパソコンでもよい。入出力インターフェース１１６は、有線であっても無線であってもよい。また、ホストコンピュータ１０１と印刷装置１０２とは、ＬＡＮまたはインターネットなどのＷＡＮを介して接続されていてもよい。

図２は、印刷システムの構成を模式的に示す図である。ここでは、ＯＳとしてＭｉｃｒｏｓｏｆｔ（登録商標）のＷｉｎｄｏｗｓ（登録商標）１０を搭載したホストコンピュータ１０１を用いた印刷システムを前提として説明する。図２（ａ）は、拡張アプリケーション２０４が、印刷データ生成ソフトウェア２０２および印刷装置１０２と関連付けられていない場合の一般的な構成を示す図である。つまり、拡張アプリケーション２０４が用いられていない印刷システムの構成を示す図である。一方、図２（ｂ）は、拡張アプリケーション２０４が、印刷データ生成ソフトウェア２０２および印刷装置１０２と関連付けられている本実施形態の印刷システムの構成を示す図である。まず、図２（ａ）を用いて、一般的な構成の印刷システムの例を説明する。一般的な構成の印刷システムは、描画アプリケーション２０１および印刷データ生成ソフトウェア２０２を備えている。また、印刷機能情報２０３が、ＲＡＭ１１３または外部記憶装置１１４に記憶されている。描画アプリケーション２０１および印刷データ生成ソフトウェア２０２は、ホストコンピュータ１０１で動作可能なプログラムである。描画アプリケーション２０１は、印刷されるコンテンツ（描画データ）を作成するソフトウェアである。描画アプリケーション２０１の例としては、文書作成アプリケーションまたは表計算アプリケーションなどの、ユーザが操作する各種のアプリケーションが挙げられる。描画アプリケーション２０１は、ユーザから印刷要求を受けると、印刷指示をＯＳに発行する。印刷指示には、印刷データ生成ソフトウェア２０２及び印刷装置１０２の動作を指示するための印刷設定情報が含まれる。印刷設定情報はＰｒｉｎｔＴｉｃｋｅｔ（以下、「ＰＴ」と略す）とも呼ばれる。描画アプリケーション２０１は、印刷設定情報（ＰＴ）を設定するために、印刷データ生成ソフトウェア２０２、ＯＳ、および描画アプリケーション２０１のうち、いずれかが提供する印刷設定画面を表示させることができる。印刷設定画面は、設定可能な印刷機能を示す設定アイテム（以下、「コントロールアイテム」とも呼ぶ）と、その設定値を示すコントロールアイテムとを含む。印刷設定画面には、印刷データ生成ソフトウェア２０２から取得する能力情報（印刷設定として設定可能な情報）に従いコントロールアイテムが表示される。能力情報は、ＰｒｉｎｔＣａｐａｂｉｌｉｔｉｅｓ（以下、「ＰＣ」と略す）とも呼ばれる。印刷データ生成ソフトウェア２０２は、印刷機能情報２０３に基づき、ＰＣを決定する。印刷機能情報２０３は、設定可能なすべての印刷機能、その設定値、および、設定値同士の排他関係が記載されている印刷機能を示すデータである。印刷機能情報２０３は、ＰＤＣ（ＰｒｉｎｔＤｅｖｉｃｅＣａｐａｂｉｌｉｔｉｅｓ）とも呼ばれる。印刷機能情報２０３は、印刷データ生成ソフトウェア２０２の構成ファイルに含まれ、変更不可能なファイルとして外部記憶装置１１４に配置される。あるいは、印刷機能情報２０３は、印刷データ生成ソフトウェア２０２により、動的に生成されることもできる。具体的には、印刷データ生成ソフトウェア２０２またはＯＳは、印刷装置１０２から印刷装置の属性データを取得し、取得した属性データ内の属性情報に応じて印刷機能情報２０３を生成するよう構成することができる。動的に印刷機能情報２０３が生成される場合、生成された印刷機能情報２０３は編集可能である。なお、印刷装置１０２から取得される印刷装置の属性データとは、印刷装置に対してＩＰＰのＧｅｔ－Ｐｒｉｎｔｅｒ－Ａｔｔｒｉｂｕｔｅｓオペレーションを発行することにより取得するレスポンスのデータである。ＩＰＰとは、ＩｎｔｅｒｎｅｔＰｒｉｎｔＰｒｏｔｏｃｏｌのことである。レスポンスの中には、印刷装置１０２で指定可能な機能（印刷装置の能力）を示す属性情報と、その属性情報に関連する設定値と、が含まれる。このレスポンスのデータはＲＡＭ１１３に保存される。このように構成することで、印刷データ生成ソフトウェア２０２は、接続された印刷装置１０２に応じて、それぞれの印刷装置１０２で利用可能な印刷機能をユーザが指定可能に構成することができる。すなわち、異なる機能を持つ印刷装置、または、異なるベンダが開発した印刷装置を接続した場合であっても、印刷データ生成ソフトウェア２０２は、接続した印刷装置に応じて利用可能な印刷機能をユーザが指定可能に構成することができる。ここでは、印刷データ生成ソフトウェア２０２として、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）１０に搭載されている、ＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒを利用した構成について説明する。ＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒは、ＩＰＰと呼ばれる標準的な印刷プロトコルの仕様に従って印刷処理を実行する印刷装置ドライバであり、ＯＳのパッケージの中に同梱されている。ＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒは、印刷装置１０２の機種に応じた固有の印刷装置ドライバではなく、複数の印刷装置に対して共通で利用することが可能な標準的なクラスドライバである。また、ＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒは、接続した印刷装置１０２でサポートする印刷機能をユーザが指定できるように、接続した印刷装置１０２の属性情報を取得し、その情報を元に印刷機能情報２０３を生成する。このように、印刷データ生成ソフトウェア２０２であるＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒは、動的に印刷機能情報２０３（ＰＤＣ）を生成することができる。このような印刷機能情報２０３（ＰＤＣ）に基づくＰＣに基づいて表示される印刷設定画面を通じて指定された印刷設定情報（ＰＴ）が、描画アプリケーション２０１から出力される印刷指示に含まれる。なお、描画アプリケーション２０１から出力される印刷指示には、印刷設定情報（ＰＴ）のほか、描画すべきデータが含まれる。ＯＳは、描画アプリケーション２０１から出力された印刷指示に基づき中間データ（入力データとも呼ぶ）を生成して、印刷データ生成ソフトウェア２０２に渡す。なお、描画アプリケーション２０１が印刷用に出力するデータは、ＧｒａｐｈｉｃＤｅｖｉｃｅＩｎｔｅｒｆａｃｅ形式のデータ（ＧＤＩ形式データ）またはＸＭＬＰａｐｅｒＳｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ形式のデータ（ＸＰＳ形式のデータ）である。印刷データ生成ソフトウェア２０２として、ＩＰＰＣｌａｓｓＤｒｉｖｅｒを利用する場合、描画アプリケーション２０１が出力するデータがＧＤＩ形式のデータなら、ＯＳは、データ形式の変換を行う。即ち、ＯＳは、描画アプリケーション２０１から出力されたＧＤＩ形式のデータをＸＰＳ形式のデータに変換する。そして、変換したＸＰＳ形式のデータを中間データとして印刷データ生成ソフトウェア２０２に渡す。一方、描画アプリケーション２０１が出力するデータがＸＰＳ形式のデータなら、ＯＳは、ＸＰＳ形式のデータを中間データとして印刷データ生成ソフトウェア２０２に渡す。なお、中間データには、紙面上に形成する画像の情報である描画データと、ユーザにより設定された印刷設定情報（ＰＴ）と、が含まれる。印刷データ生成ソフトウェア２０２は、取得した中間データを印刷装置１０２が解釈可能な印刷データに変換し、印刷装置１０２に送信する。なお、印刷データには、紙面上に形成する画像の情報である描画データと、ユーザにより設定された印刷設定情報に基づき生成された印刷設定属性情報（印刷設定を指定する属性情報）とが含まれる。印刷設定属性情報は、印刷装置１０２で指定可能な機能（印刷装置の能力）を示す属性情報とその属性情報に関連する設定値とを含む。印刷装置１０２は、印刷データ生成ソフトウェア２０２から送られた印刷データに基づき紙面への印刷を行う。このとき、印刷装置１０２は、印刷データに含まれる印刷設定属性情報に従った動作で、印刷データに含まれる描画データを紙面上に形成する。印刷設定属性情報には、印刷品位（画質優先または速度優先等）、および、両面印刷等を指定するための属性情報とその設定値などが含まれている。例えば、印刷設定属性情報に、両面印刷を指定する属性情報が含まれる場合、印刷装置１０２は、両面印刷を実行する。

図２（ｂ）は、拡張アプリケーション２０４が、印刷データ生成ソフトウェア２０２および印刷装置１０２と関連付けられている場合の本実施形態の構成を示す図である。なお、以下において特に言及しない構成および処理は、図２（ａ）の構成および処理と同等である。拡張アプリケーション２０４は、印刷データ生成ソフトウェア２０２の機能を拡張するためのソフトウェアであり、ＯＳに予め含まれていない（同梱されていない）ソフトウェアである。そのためユーザがホストコンピュータ１０１を操作して拡張アプリケーション２０４を、インターネットを介してサーバからダウンロードして、ホストコンピュータ１０１にインストールする。あるいは、ホストコンピュータ１０１に印刷装置１０２が接続されたことに基づき、拡張アプリケーション２０４が自動的にホストコンピュータ１０１にインストールされてもよい。具体的には、ホストコンピュータ１０１に印刷装置１０２が接続された場合、ＯＳは印刷装置１０２からデバイス識別情報を取得する。ＯＳは、取得されたデバイス識別情報に対応する拡張アプリケーション２０４を、インターネットを介してサーバからダウンロードし、ホストコンピュータ１０１にインストールしてもよい。このように、印刷データ生成ソフトウェア２０２と、拡張アプリケーション２０４とは、別ファイルとしてホストコンピュータ１０１に保持される。なお、印刷データ生成ソフトウェア２０２および拡張アプリケーション２０４は、更新されてバージョンアップされることもあるが、この更新処理も別々のタイミングで行われる。つまり、ホストコンピュータ１０１により印刷データ生成ソフトウェア２０２が取得されるタイミングと、拡張アプリケーション２０４が取得されるタイミングとは異なる。また、ホストコンピュータ１０１により印刷データ生成ソフトウェア２０２が取得されるトリガーと、拡張アプリケーション２０４が取得されるトリガーも異なる。なお、拡張アプリケーション２０４がインストールされた場合、ＯＳが、拡張アプリケーション２０４を、印刷データ生成ソフトウェア２０２および対応する印刷装置１０２に関連付ける。本実施形態で説明する拡張アプリケーション２０４は、印刷設定画面拡張ユニット２０５と、スキップ制御ユニット２０６と、印刷機能拡張ユニット２０７と、印刷データ編集ユニット２０８と、通知ユニット２０９と、を備える。また、拡張アプリケーション２０４は、各ユニットから共通してアクセス可能な共有情報２１０を備える。共有情報２１０の実体は、外部記憶装置１１４に保存されたファイル、または、ＲＡＭ１１３上に格納された情報である。拡張アプリケーション２０４は、ＯＳが提供するＡＰＩ（ＡｐｐｌｉｃａｔｉｏｎＰｒｏｇｒａｍＩｎｔｅｒｆａｃｅ）を利用することで、共有情報２１０への情報の書き込み及び読み出しを行う。なお、拡張アプリケーション２０４は、各ユニットの処理が終わるたびに動作を終了してもよい。その場合、各ユニットを使う要求を受ける度にＯＳが拡張アプリケーション２０４を起動することになる。また、別の形態も考えられる。例えば印刷設定画面拡張ユニット２０５の処理が終了するとＯＳは拡張アプリケーション２０４の動作を終了させるが、スキップ制御ユニット２０６の処理が終了してもＯＳは拡張アプリケーション２０４を起動させたままにしてもよい。さらに、拡張アプリケーション２０４は、各ユニットの処理の中で、処理をキャンセルしてもよい。拡張アプリケーション２０４が処理をキャンセルした場合、印刷キュー上の処理中のジョブがＯＳにより削除される。印刷サポートシステム２１１は、ＯＳにより提供されるコンポーネントである。印刷サポートシステム２１１は、描画アプリケーション２０１、印刷データ生成ソフトウェア２０２、印刷装置１０２と拡張アプリケーション２０４との間で交わされる各種指示や情報伝達の仲介を行う。描画アプリケーション２０１は、ユーザから印刷要求を受けると、印刷サポートシステム２１１に対して印刷指示を発行する。印刷指示には、図２（ａ）の構成と同様に、印刷設定情報（ＰＴ）が含まれる。図２（ｂ）の構成下でも、図２（ａ）の構成と同様、描画アプリケーション２０１は、印刷設定情報（ＰＴ）を指定するための印刷設定画面を表示させることができる。図２（ｂ）の構成下では、拡張アプリケーション２０４が提供する印刷設定画面が表示される。具体的には、拡張アプリケーション２０４が備える印刷設定画面拡張ユニット２０５が提供する印刷設定画面が表示される。即ち、印刷設定画面拡張ユニット２０５による印刷設定画面の表示制御が行われる。なお、印刷設定画面拡張ユニット２０５により提供される印刷設定画面が表示されるか否かはユーザの操作に依存する。また、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２から取得した情報や描画アプリケーション２０１に関する情報からＯＳの提供する印刷設定画面の表示項目を拡張することも可能である。本機能については図３を用いて後述する。描画アプリケーション２０１がユーザから印刷要求を受け付け、印刷指示が印刷サポートシステム２１１に発行されると、印刷サポートシステム２１１はスキップ制御ユニット２０６を起動する。スキップ制御ユニット２０６は、印刷データ生成ソフトウェア２０２の処理をスキップするスキップ処理を行うか否かの制御処理を行う。スキップ制御ユニット２０６は、中間データおよび印刷設定情報を取得することはできない。スキップ制御ユニット２０６のスキップ制御処理の後、印刷サポートシステム２１１は、描画アプリケーション２０１から出力された印刷指示に基づき中間データを生成し、中間データを印刷データ生成ソフトウェア２０２に渡す。ここで、スキップ制御ユニット２０６でスキップ処理が行われない場合、中間データは印刷データ生成ソフトウェア２０２で印刷装置１０２が解釈可能な印刷データへ処理され、印刷データ編集ユニット２０８へ渡される。一方、印刷データ生成ソフトウェア２０２のスキップ処理が行われる場合、中間データは印刷データ生成ソフトウェア２０２で処理されずに、印刷データ編集ユニット２０８に渡される。これにより、中間データを印刷データ編集ユニット２０８で処理することが可能となる。印刷データ生成ソフトウェア２０２の処理をスキップした方が好ましい例として、拡大縮小処理を印刷データ編集ユニット２０８で行いたい場合が挙げられる。中間データはベクター形式でデータを保持可能である。ベクター形式のデータは、ラスター形式のデータに比べて拡大縮小時の劣化が少ない。そのため、印刷データ生成ソフトウェア２０２がラスター形式で画像を出力するような形態においては、印刷データ生成ソフトウェア２０２の処理をスキップし、中間データを印刷データ編集ユニット２０８で処理するのが一般的に好ましい。印刷データ編集ユニット２０８は、印刷データ生成ソフトウェア２０２から印刷サポートシステム２１１を介して渡される中間データまたは印刷データ生成ソフトウェア２０２により処理された印刷データの編集を行う。編集内容として、割り付け印刷を例にすると、印刷データ編集ユニット２０８は、ＯＳから受け取った割り付け印刷の印刷設定情報に基づいて、中間データまたは印刷データのレイアウトを変更する。割り付け印刷は、例えばＮページ分のデータを１ページに割り付けて印刷することであり、Ｎｉｎ１またはＮアップなどと呼ばれる（Ｎはページ数を示す）。また、印刷データ編集ユニット２０８は、表示部１１９にＵＩ画面を表示することが可能であり、中間データまたは印刷データのレイアウト結果をプレビュー画面として表示することができる。印刷データ編集ユニット２０８が印刷データを編集した後、印刷データは、印刷サポートシステム２１１を経由して印刷装置１０２へ渡される。印刷装置１０２は、受け付けた印刷データに基づき紙面への印刷を行う。なお、スキップ制御ユニット２０６で印刷データ生成ソフトウェア２０２がスキップされた場合、印刷データ編集ユニット２０８が、受け取った中間データを印刷装置１０２が解釈可能な印刷データへ変換してもよい。また、拡張アプリケーション２０４は、印刷機能拡張ユニット２０７を有する。印刷機能拡張ユニット２０７は、印刷データ生成ソフトウェア２０２またはＯＳが生成した印刷機能情報２０３（ＰＤＣ）を編集することができる。つまり、印刷機能拡張ユニット２０７は、印刷機能情報２０３が変更不可能なファイルとして外部記憶装置１１４に配置されていても、その印刷機能情報２０３を変更することが可能である。このように、拡張アプリケーション２０４は、印刷機能情報２０３（ＰＤＣ）の編集機能を有している。印刷機能拡張ユニット２０７は、拡張アプリケーション２０４が提供する機能の追加が可能である。また、印刷機能拡張ユニット２０７は、印刷装置１０２はサポートしているが印刷データ生成ソフトウェア２０２がサポートしていない機能の追加、および、印刷機能の設定値同士の排他関係の追加、等も行うことができる。ＯＳは、拡張アプリケーション２０４が印刷装置１０２と印刷データ生成ソフトウェア２０２とに最初に関連付けられた時に、印刷機能拡張ユニット２０７を起動する。さらに、ＯＳは、ＯＳ起動時等、その他の任意のタイミングで印刷機能拡張ユニット２０７を起動してもよい。これにより、印刷装置１０２に後からオプション装置（例えば、フィニッシャー等）が追加され、印刷に関わる機能が拡張されるようなケースにおいて、印刷機能拡張ユニット２０７は、拡張機能を検知し、印刷機能情報２０３に追加することができる。また、拡張アプリケーション２０４は、通知ユニット２０９を有する。通知ユニット２０９は、印刷装置１０２のエラー発生に呼応してユーザに対して通知を表示することが可能である。例えば、印刷装置１０２で用紙なしエラーが発生すると、そのエラーを印刷サポートシステム２１１が検知する。すると、印刷サポートシステム２１１は、ＯＳの機能であるトースト通知と呼ばれる通知機能を使って、メッセージを表示部１１９に表示させる。ユーザがこのトースト通知を押下することで、拡張アプリケーション２０４の通知ユニット２０９がＯＳにより呼び出され、通知ユニット２０９のＵＩ画面が表示される。通知ユニット２０９のＵＩ画面では、例えば用紙なしエラーの詳細メッセージまたは用紙充填方法などの表示を行うことができる。尚、押下とは、マウス等のクリック動作のほか、タッチパネルディスプレイにおけるタッチまたはタップ動作を含むものとする。なお、本実施形態を実現するための拡張アプリケーション２０４の構成は、前述の機能（ユニット）を全て備えるものに限定されず、機能の一部のみを有するもの、または、他の機能を有するものでもよい。また、拡張アプリケーション２０４は、単に印刷ソフトウェアと呼ばれることもある。以上説明したように、拡張アプリケーション２０４は、以下の各機能のうちの少なくとも１つを備えている。各機能とは、印刷設定画面を表示する機能（印刷設定画面拡張ユニット２０５）、印刷データ生成ソフトウェア２０２の処理をスキップするか否かを制御する機能（スキップ制御ユニット２０６）である。また、印刷装置に入力される印刷データを編集する機能（印刷データ編集ユニット２０８）、印刷データ生成ソフトウェア２０２で指定可能な機能を拡張する機能（印刷機能拡張ユニット２０７）である。また、印刷装置１０２のエラー発生に呼応して画面を表示する機能（通知ユニット２０９）である。

図３は本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５によるＯＳの印刷設定画面の表示項目拡張処理の処理フローについて示す図である。初めに描画アプリケーション２０１はユーザからの指示を受けて処理を開始する（Ｓ３０１）。次に、描画アプリケーション２０１はユーザから印刷対象ファイルの指定を受け付け（Ｓ３０２）、指定されたファイルをアプリケーションの画面上に描画することで選択されたファイルの内容をユーザに表示する（Ｓ３０３）。続いて、描画アプリケーション２０１はＳ３０３で表示したファイルの印刷を行うために、ユーザから印刷設定画面表示指示を受け付ける（Ｓ３０４）。Ｓ３０４に続いて、描画アプリケーション２０１はＯＳにより提供される印刷サポートシステム２１１に対してＯＳの印刷設定画面表示指示を行う（Ｓ３０５）。さらに、印刷サポートシステム２１１は印刷設定画面拡張ユニット２０５から通知された画面定義情報に基づいて、ＯＳの印刷設定画面に表示項目を追加する役割も備えている。その後、印刷サポートシステム２１１は印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理を実行する（Ｓ３０６）。表示項目決定処理とはＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目を印刷設定画面拡張ユニット２０５が決定する処理である。Ｓ３０６の指示を受け付けた印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目を決定する（Ｓ３０７）。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ３０７にて決定した表示項目に基づいて画面定義情報を生成し（Ｓ３０８）、生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（通知処理）（Ｓ３０９）。なお、Ｓ３０７、Ｓ３０８の詳細については図４を用いて後述する。Ｓ３０９にて画面定義情報を通知された印刷サポートシステム２１１は、通知された情報に従ってＯＳの印刷設定画面に表示項目を追加し、ユーザに印刷設定画面を表示する（Ｓ３１０）。ユーザは所望の印刷結果を得るために、印刷サポートシステム２１１により表示された印刷設定画面上で印刷設定の操作を行う（Ｓ３１１）。操作の一例としては、用紙サイズや用紙種の変更などが挙げられる。Ｓ３１１が完了するとユーザは、印刷サポートシステム２１１に対して印刷実行指示を行う（Ｓ３１２）。印刷実行指示を受け付けた印刷サポートシステム２１１は、印刷データ生成ソフトウェア２０２により生成された印刷データを入力として印刷データ編集ユニット２０８に対し印刷データ編集処理を実行する（Ｓ３１３）。印刷データ編集ユニット２０８は、ユーザがＳ３１１にて指定した印刷設定に基づき印刷データの編集を行い（Ｓ３１４）、編集した印刷データを印刷装置１０２へ送信する（Ｓ３１５）。なお、印刷設定画面拡張ユニット２０５により実行されるＳ３０７，Ｓ３０８の処理は印刷設定画面拡張ユニット２０５自体の画面は表示せずに、バックグラウンド処理として実行される。

図４は、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される通信インターフェースを取得する（Ｓ４０１）。通信インターフェースは印刷装置１０２に関連付けされており、印刷装置１０２のサポートする通信プロトコル（例えばＩＰＰ）を用いて任意情報の送受信を行う機能を印刷設定画面拡張ユニット２０５に提供するものである。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置通信インターフェースを介して印刷装置１０２に対しステータス情報を取得する（Ｓ４０２）。Ｓ４０２においては、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量情報とエラー情報を取得するものとする。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ４０２において情報取得に成功したか否かを判定する（Ｓ４０３）。Ｓ４０３においてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ４０２にて取得した情報から印刷装置１０２に装着されたインクの中で残量値が少ないインクの有無を確認する（Ｓ４０４）。Ｓ４０４の具体的な判定方法の一例としては、印刷装置１０２に装着された各インクの残量値が所定の基準値を下回るものが存在するか否かで判定する方法が挙げられる。別の方法としては、印刷装置１０２から取得したステータス情報の中で明示的にどのインクの残量が少なくなっているかを示す情報があれば、その情報を参照しても良い。Ｓ４０４にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量画面定義情報の生成を行う（Ｓ４０５）。一方、Ｓ４０４にてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２において印刷実行の不可能なエラーの発生有無を確認する（Ｓ４０６）。Ｓ４０６の具体的な判定方法の一例としては、Ｓ４０２にて取得した情報からエラー発生を意味する文字列や数値の有無を確認する方法が挙げられる。Ｓ４０６にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は発生しているエラーに関する情報を含むエラー画面定義情報の生成を行う（Ｓ４０７）。他方、Ｓ４０６にてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２の操作方法を説明したマニュアル画面定義情報の生成を行う（Ｓ４０８）。他方、Ｓ４０３においてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２との通信に失敗したことを示す情報を含む通信失敗画面定義情報の生成を行う（Ｓ４０９）。印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ４０５，Ｓ４０７，Ｓ４０８、Ｓ４０９の何れかの処理により生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ４１０）。その後印刷サポートシステム２１１は、印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報に従ってＯＳの印刷設定画面に表示項目を追加する。なお、Ｓ４０５，Ｓ４０７，Ｓ４０８、Ｓ４０９で生成する画面定義情報の具体例は図５で例示する。

図５（ａ）～（ｄ）は、それぞれ印刷設定画面拡張ユニット２０５がＳ４０５，Ｓ４０７，Ｓ４０８、Ｓ４０９で生成する画面定義情報の具体例を示す図である。画面定義情報はＪａｖａＳｃｒｉｐｔ Ｏｂｊｅｃｔ Ｎｏｔａｔｉｏｎ（以降、ＪＳＯＮとも称す）形式により表現され、「ｄｉｓｐｌａｙ」タグ内に印刷サポートシステム２１１がＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目が記載されている。図５（ａ）においては、「ｉｎｋＢａｒ」タグ内の情報により印刷装置１０２に装着されているインクと各インクの残量値が表現されている。「ｎａｍｅ」タグでは各インクの名称、「ｖａｌｕｅ」タグには各インクの残量値が表現されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するインク購入ページのＵＲＬが示されている。なお、「ｕｒｌ」タグで示すＵＲＬには印刷装置１０２から取得したインク残量値が反映されていてもよい。図５（ａ）の画面定義情報により表示される印刷設定画面については図６（ａ）により具体的に例示する。図５（ｂ）においては、「ｐｒｉｎｔｅｒＥｒｒｏｒ」タグ内の情報により印刷装置１０２で発生しているエラーに関する情報が表現されている。「ｅｒｒｏｒＣｏｄｅ」タグにはエラーを識別する数値、「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグには発生しているエラーに関する説明が示されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するエラーの解決方法を示すＷｅｂページのＵＲＬが示されている。図５（ｂ）の画面定義情報により表示される印刷設定画面については図６（ｂ）により具体的に例示する。図５（ｃ）においては、「ｔｅｘｔ」タグ内の情報により印刷装置１０２の操作方法マニュアルに関わる情報が表現されている。「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグには、操作方法が示されるＷｅｂ上のマニュアルページの参照を誘導する説明文が表現されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するＷｅｂ上のマニュアルページのＵＲＬが示されている。図５（ｃ）の画面定義情報により表示される印刷設定画面については図６（ｃ）により具体的に例示する。図５（ｄ）においては、「ｔｅｘｔ」タグ内の情報により印刷装置１０２と情報処理装置との間の通信ができなかった旨を示す説明文が表現されている。図５（ｄ）の画面定義情報により表示される印刷設定画面については図６（ｄ）により具体的に例示する。なお、画面定義情報はＪＳＯＮ形式とは異なる形式により表現されていてもよい。例えばＥｘｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ（以降、ＸＭＬとも称す）など異なる形式により表示項目を定義することも可能である。

図６（ａ）～（ｄ）は、図５（ａ）～（ｄ）のそれぞれの画面定義情報に従って、印刷サポートシステム２１１のＳ３１０において表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。図６（ａ）は、図５（ａ）の画面定義情報に従ってインク残量情報がＯＳの印刷設定画面上に表現されている様子を示している。領域６０１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。その他の印刷設定項目として、以下が配置されている。
・印刷処理を行う印刷装置の名称（領域６０３）
・印刷の向き（領域６０４）
・印刷部数（領域６０５）
・用紙サイズ（領域６０６）
・用紙の種類（領域６０７）
・印刷品質（領域６０８）
・印刷実行ボタン（ボタン６０９）
・印刷設定画面表示を終了させるボタン（ボタン６１０）
・印刷データのプレビュー画像（領域６１１）
さらに、領域６１２は印刷設定画面拡張ユニット２０５の提供するＧＵＩ画面を表示するためのリンクである。ユーザは領域６１２を選択することで印刷設定画面拡張ユニット２０５のＧＵＩ表示処理が動作する。領域６０１の中には図５（ａ）の画面定義情報に含まれる各インクの残量情報とインク購入ページを表示するボタン（ボタン６０２）が表示されている。領域６０２を押下することで、図５（ａ）の「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。図６（ｂ）は、図５（ｂ）の画面定義情報に従って印刷装置１０２で発生しているエラーに関する情報が表現されている様子を示している。領域６１３は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。その他、図６（ａ）と同様の構成のものは説明を省略する。領域６１３の中には図５（ｂ）の画面定義情報に含まれるエラーを識別する数値とエラーに関する説明文が表示されている。また、エラーの解決方法を示すＷｅｂページを開くボタン（ボタン６１４）も表示されている。領域６１４を押下することで、図５（ｂ）の「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。図６（ｃ）は、図５（ｃ）の画面定義情報に従って印刷装置１０２の操作方法を示すマニュアルに関する情報が表現されている様子を示している。領域６１５は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。その他、図６（ａ）と同様の構成のものは説明を省略する。領域６１５の中には図５（ｃ）の画面定義情報に含まれるＷｅｂ上のマニュアルページの参照を誘導する説明文とＷｅｂマニュアルページを表示するボタン（ボタン６１６）が表示されている。ボタン６１６を押下することで、図５（ｃ）の「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。図６（ｄ）は、図５（ｄ）の画面定義情報に従って、印刷装置１０２と情報処理装置との間の通信ができなかった旨を示す説明文が表現されている様子を示している。領域６１７は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域６１７の中には図５（ｄ）の画面定義情報に含まれる説明文が表示されている。ユーザは本表示を確認することで、印刷処理を実行する前に印刷装置１０２と情報処理装置との接続に不備があることをＯＳの印刷設定画面上で認識することが可能となる。

本実施形態によれば、印刷設定画面拡張ユニット２０５が印刷装置１０２から取得したステータス情報に応じて画面定義情報を生成し、ＯＳに該情報を通知することでＯＳの印刷設定画面に重要度の高い情報を表示させることが可能となる。これにより、ユーザは複雑な操作を行うことなく重要度の高い情報を確認することが可能となる。

＜＜第２実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において複数情報をＯＳの印刷設定画面に表示する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図７は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される通信インターフェースを取得する（Ｓ７０１）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は通信インターフェースを介して印刷装置１０２に対しステータス情報を取得する（Ｓ７０２）。Ｓ７０２においては、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量情報とエラー情報を取得するものとする。続いて印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ７０２にて取得した情報から印刷装置１０２に装着されたインクの中で残量値が少ないインクの有無を確認する（Ｓ７０３）。Ｓ７０３にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量画面定義情報の生成を行う（Ｓ７０４）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ７０２にて取得した情報から印刷装置１０２において印刷実行の不可能なエラーの発生有無を確認する（Ｓ７０５）。Ｓ７０５にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は発生しているエラーに関する情報を含むエラー画面定義情報の生成を行う（Ｓ７０６）。他方、Ｓ７０３およびＳ７０５の判定において、Ｎｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ７０４およびＳ７０６の処理をスキップする。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、印刷装置１０２の操作方法を説明したマニュアル画面定義情報の生成を行う（Ｓ７０７）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ７０７に至るまでに生成した画面定義情報がＯＳの印刷設定画面の表示領域に表示可能か否かを判定する（Ｓ７０８）。具体的な判定方法の一例としては、生成した画面定義情報の個数が所定の個数以下であるか否かにより判定する方法が挙げられる。他にも、生成した画面定義情報の全てを表示するために必要な領域のサイズを求めることで、その値がＯＳの印刷設定画面の表示領域に収まるか否かにより判定する方法も考えられる。Ｓ７０８において、Ｎｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はこれまでに生成した画面定義情報の一部を削除する（Ｓ７０９）。削除対象となる画面定義情報の決定方法の一例としては、画面定義情報の内容から優先度を判定し、優先度の低い画面定義情報からＯＳの印刷設定画面の表示領域に収まるまで削除する方法が挙げられる。具体的には画面定義情報内に優先度を示す数値が記されており、印刷設定画面拡張ユニット２０５は当該情報を参照し、その値の大小から優先度を判定する。一方、Ｓ７０８においてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ７０９をスキップする。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ７０９に至るまでに生成した画面定義情報を合成し（Ｓ７１０）、生成した新たな画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ７１１）。なお、Ｓ７１０にて合成された画面定義情報の具体例は図８で例示する。

図８は、印刷設定画面拡張ユニット２０５がＳ７１０で合成した画面定義情報の具体例を示す図である。なお、本実施形態ではＳ７０４およびＳ７０６で生成された画面定義情報を合成したものと仮定する。「ｄｉｓｐｌａｙ」タグ内に印刷サポートシステム２１１がＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目として「ｉｎｋＢａｒ」タグで示されるインク残量情報と「ｐｒｉｎｔｅｒＥｒｒｏｒ」で示されるエラー情報が記載されている。「ｉｎｋＢａｒ」タグ内の情報により印刷装置１０２に装着されているインクと各インクの残量値が表現されている。「ｎａｍｅ」タグでは各インクの名称、「ｖａｌｕｅ」タグには各インクの残量値が表現されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するインク購入ページのＵＲＬが示されている。「ｐｒｉｎｔｅｒＥｒｒｏｒ」タグ内の情報により印刷装置１０２で発生しているエラーに関する情報が表現されている。「ｅｒｒｏｒＣｏｄｅ」タグにはエラーを識別する数値、「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグには発生しているエラーに関する説明が示されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するエラーの解決方法を示すＷｅｂページのＵＲＬが示されている。また、「ｐｒｉｏｒｉｔｙ」タグには各画面の優先度を示す数値が示されている。

図９は、図８で示した画面定義情報に従って表示される、Ｓ３１０におけるＯＳの印刷設定画面の表示令を示す図である。領域９０１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域９０１の中には図８の画面定義情報に含まれる各インクの残量情報とインク購入ページを表示するボタン（ボタン９０２）が表示されている。ボタン９０２を押下することで、図８の「ｉｎｋＢａｒ」タグと同階層に配置された「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。さらに、領域９０１の中には図８の画面定義情報に含まれるエラーを識別する数値とエラーに関する説明文が表示されている。また、エラーの解決方法を示すＷｅｂページを開くボタン（ボタン９０３）も表示されている。ボタン９０３を押下することで、図８の「ｐｒｉｎｔｅｒＥｒｒｏｒ」タグと同階層に配置された「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。

本実施形態によれば、印刷設定画面拡張ユニット２０５が印刷装置１０２から取得したステータス情報に応じて、ＯＳの印刷設定画面の所定の表示領域に収まる範囲で複数の画面定義情報を生成する。そのため、ＯＳの印刷設定画面に重要度の高い情報をより多く表示させることが可能となる。これにより、ユーザは複雑な操作を行うことなく重要度の高い情報を網羅的に確認することが可能となる。なお、本実施形態においては印刷設定画面拡張ユニット２０５により追加される各画面の優先度は画面毎に固定されていることを前提に説明したが、ユーザによって任意の優先度を指定できる構成であってもよい。例えば、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＯＳの印刷設定画面や印刷設定画面拡張ユニット２０５自身の提供する印刷設定画面において、ユーザによって画面毎の優先度を指定できる手段を提供する。そして、該手段を用いてユーザにより入力された優先度に従って優先度判定を行ってもよい。

＜＜第３実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において印刷装置１０２から取得した情報に基づいて適切な印刷設定のデフォルト値を選択する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図１０は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される通信インターフェースを取得する（Ｓ１００１）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される印刷設定変更インターフェースを取得する（Ｓ１００２）。印刷設定変更インターフェースはＯＳの印刷設定画面上に表示される各印刷設定の表示項目の追加または削除や、各印刷設定のデフォルト値の変更機能を印刷設定画面拡張ユニット２０５に提供するものである。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は通信インターフェースを介して印刷装置１０２に対しステータス情報を取得する（Ｓ１００３）。Ｓ１００３においては、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量情報とエラー情報、および現在印刷装置１０２にセットされている用紙情報を取得するものとする。また用紙情報には、印刷装置１０２に装着されている各給紙口前にセットされている用紙の残量情報が含まれている。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１００３の情報取得処理が成功したか否かを判定する（Ｓ１００４）。Ｓ１００４においてＹｅｓと判定された場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１００３にて取得した情報から印刷装置１０２に装着されたインクの中で残量値が少ないインクの有無を確認する（Ｓ１００５）。Ｓ１００５にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はインク残量画面定義情報の生成を行う（Ｓ１００６）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１００２にて取得した印刷設定変更インターフェースを介してデフォルトの印刷品質として「低品質」を指定する（Ｓ１００７）。さらに、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷設定変更インターフェースを介して、両面印刷設定を指定する（Ｓ１００８）。一方、Ｓ１００５にてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１００３で取得した情報から印刷装置１０２においてエラー発生の有無を判定する（Ｓ１００９）。Ｓ１００９においてＹｅｓと判定された場合、続いて印刷設定画面拡張ユニット２０５は発生しているエラーに関する情報を含むエラー画面定義情報の生成を行う（Ｓ１０１０）。さらに印刷設定画面拡張ユニット２０５は発生しているエラーが特定の給紙口において用紙なしエラーが発生しているか否かを判定する（Ｓ１０１１）。Ｓ１０１１の判定においてＹｅｓと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は用紙残量が十分に残っている給紙口（所定の用紙残量を有する給紙口）をデフォルト値として指定する（Ｓ１０１２）。一方、Ｓ１００９の判定においてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２の操作方法を説明したマニュアル画面定義情報の生成を行う（Ｓ１０１３）。他方、Ｓ１００４においてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２との通信に失敗したことを示す情報を含む通信失敗画面定義情報の生成を行う（Ｓ１０１４）。最後に印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１００６、Ｓ１０１０、Ｓ１０１３、Ｓ１０１４の何れかで生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ１０１５）。

図１１（ａ）～（ｂ）は、それぞれＳ１００６～Ｓ１００８、Ｓ１０１０～Ｓ１０１２のそれぞれの処理を経て生成される画面定義情報に従って、印刷サポートシステム２１１のＳ３１０において表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。なお、Ｓ１０１３、Ｓ１０１４で生成される画面定義情報による表示例は、それぞれ図６（ｃ）、図６（ｄ）と同様なため説明を省略する。図１１（ａ）は、印刷装置１０２のインク残量値が少ないと判断した場合に、Ｓ１００６～Ｓ１００８の処理により生成された画面定義情報および印刷設定のデフォルト設定値に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。領域１１０１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域１１０１の中には図８の画面定義情報に含まれる各インクの残量情報とインク購入ページを表示するボタン（ボタン１１０４）が表示されている。また、「両面印刷」（領域１１０３）および「品質」（領域１１０４）の値には図１０のＳ１００６およびＳ１００７で指定された値がデフォルトとして設定されている。図１１（ｂ）は、印刷装置１０２の特定の給紙口において用紙なしエラーが発生したと判断した場合に、Ｓ１０１０～Ｓ１０１２の処理により生成された画面定義情報および印刷設定のデフォルト値に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。領域１１０５の中には用紙なしエラーを識別する数値とエラーに関する説明文が表示されている。また、エラーの解決方法を示すＷｅｂページを開くボタンも表示されている。さらに、「給紙口」（領域１１０６）の値にはＳ１０１２で指定した給紙口がデフォルト値として設定されている。

本実施形態によれば、印刷設定画面拡張ユニット２０５が印刷装置１０２から取得したステータス情報からインク残量が少ないと判断した場合は、インク消費量を抑制するように一部の印刷設定のデフォルト値を変更する。これにより、ユーザは自身で印刷設定を変更することなく、インク消費量を抑えつつ印刷を継続可能な適切な印刷設定を適用することが可能となる。さらに、印刷設定画面拡張ユニット２０５が印刷装置１０２から取得したステータス情報から特定の給紙口において用紙残量が少ないと判断した場合は、用紙残量が十分に残っている給紙口をデフォルト値として設定する。これによりユーザは自身で印刷設定を変更することなく、用紙残量が十分に残っている給紙口を選択することが可能となる。なお、本実施形態においては「両面印刷」と「品質」の設定を変更したが、変更対象の項目はこれら２つに限定されない。また、本実施形態においては、印刷装置１０２のインク残量情報のみに基づいて印刷設定のデフォルト値を変更したが、インク残量値情報のみならず印刷対象のコンテンツに応じてデフォルト値を決定しても良い。一例としてはインク残量値が少なく、かつ印刷対象が比較的少ないインク消費量でも印刷可能な文章である場合にインク消費量を抑制する印刷設定に変更する方法が挙げられる。さらに、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷設定のデフォルト値を変更した場合、領域１１０１の領域内に印刷設定のデフォルト値を変更した旨の説明を表示してもよい。

＜＜第４実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において印刷装置１０２から取得した情報に基づいて適切な印刷設定のデフォルト値を選択する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図１２は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される印刷設定変更インターフェースを取得する（Ｓ１２０１）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷サポートシステム２１１により提供される描画アプリケーション２０１に関する情報を取得する（Ｓ１２０２）。Ｓ１２０２で取得する情報の一例としては、描画アプリケーション２０１の名称や、描画アプリケーション２０１を識別するためのアプリケーション識別子または描画アプリケーションのサポートするファイル種別などが挙げられる。続いて印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１２０２にて取得した情報から描画アプリケーションがはがき印刷用途のアプリケーションであるか否かを判定する（Ｓ１２０３）。Ｓ１２０３の判定方法の一例としては、Ｓ１２０２にて取得したアプリケーション名称に「はがき」が含まれているか否かによって判定する方法が挙げられる。別の方法としては、Ｓ１２０２にて取得したアプリケーション識別子がはがき印刷アプリケーションを示す識別子と一致するか否かによって判定する方法も考えられる。Ｓ１２０３にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５ははがき用紙のセット方法を案内する画面定義情報を生成する（Ｓ１２０４）。Ｓ１２０４にて生成する画面定義情報の具体例は図１３で例示する。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１２０１にて取得した印刷設定変更インターフェースを介してデフォルトの用紙サイズとして「はがき」を指定する（Ｓ１２０５）。さらに、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷設定変更インターフェースを介して、デフォルトの用紙種類として「はがき」を指定する（Ｓ１２０６）。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１２０４で生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ１２０７）。一方、Ｓ１２０３にてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１２０４～Ｓ１２０７までの処理をスキップする。

図１３は、描画アプリケーション２０１がはがき印刷用途向けのアプリケーションである場合に、図１２に記載の処理により生成された画面定義情報を示す図である。「ｄｉｓｐｌａｙ」タグ内に印刷サポートシステム２１１がＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目が記載されている。また「ｔｅｘｔ」タグ内の情報によりはがき用紙のセット方法を案内する情報が表現されている。「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグには、はがき用紙のセット方法が示されるＷｅｂページの参照を誘導する説明文が表現されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時に表示するＷｅｂ上のページのＵＲＬが示されている。

図１４は、図１３の示す画面定義情報に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。領域１４０１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域１４０１の中には図１３の画面定義情報に含まれるはがき用紙のセット方法が示されるＷｅｂページの参照を誘導する説明文とはがき用紙のセット方法が示されるＷｅｂページを表示するボタン（ボタン１４０２）が表示されている。ボタン１４０２を押下することで、図１３の「ｕｒｌ」タグで定義されたＵＲＬがＷｅｂブラウザにより表示される。なお、はがき用紙のセット方法の案内としてＷｅｂブラウザによるＷｅｂページの表示を例示したが、これ以外の手法も考えられる。その他の例としては、はがき用紙のセット方法を図示した画像を用いて案内を行なってもよい。その場合は、印刷設定画面拡張ユニット２０５の生成する画面定義情報内に表示すべき画像情報を設定することで、ＯＳの印刷設定画面上の領域１４０１の領域内に指定した画像を表示してもよい。

本実施形態によれば、印刷サポートシステム２１１により提供される描画アプリケーション２０１に関する情報から、描画アプリケーション２０１の用途に応じて適切な印刷設定のデフォルト値を設定することが可能となる。これにより、ユーザは特定用途（本実施形態でははがき印刷）向けの描画アプリケーションから印刷を実行する際には、ＯＳの印刷設定画面上で特定用途に関する情報が参照可能となる。加えて、特定用途に最適な印刷設定が自動で選択されることで意図しない印刷結果が生じることを防止する。なお、本実施形態では特定用途の一例として、描画アプリケーション２０１がはがき印刷用途のアプリケーションであることを前提としたが、これ以外の用途も考えられる。その他の例としては、描画アプリケーション２０１が写真印刷用途のアプリケーションである場合は、印刷設定画面拡張ユニット２０５は写真印刷に最適な印刷設定をデフォルト値として反映しても良い。

＜＜第５実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理においてユーザの印刷履歴情報に基づいて適切な印刷設定のデフォルト値を選択する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図１５は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５によるＯＳの印刷設定画面の表示項目拡張処理の処理フローについて示す図である。Ｓ１５０１～Ｓ１５０６は図３のＳ３０１～Ｓ３０６と同様であるため、説明を省略する。Ｓ１５０６に続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は後述する印刷データ編集ユニット２０８により更新される印刷設定履歴情報からＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目を決定する（Ｓ１５０７）。その後印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１５０７にて決定した表示項目に基づいて画面定義情報を生成し（Ｓ１５０８）、生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ１５０９）。なお、Ｓ１５０７、Ｓ１５０８の詳細については図１７を用いて後述する。Ｓ１５１０～Ｓ１５１３は図３のＳ３１０～Ｓ３１３と同様であるため、説明を省略する。Ｓ１５１４において印刷データ編集ユニット２０８は、印刷データに設定された各種印刷設定項目の値を取得し、取得した情報を用いて印刷設定履歴情報の更新を行う。その後、印刷データ編集ユニット２０８は、ユーザがＳ１５１１にて指定した印刷設定に基づき印刷データの編集を行い（Ｓ１５１５）、編集した印刷データを印刷装置１０２へ送信する（Ｓ１５１６）。なお、Ｓ１５１４～Ｓ１５１６の詳細については図１６を用いて後述する。

図１６は、図１５における印刷データ編集ユニット２０８のＳ１５１４～Ｓ１５１６の処理の詳細について示す図である。印刷サポートシステム２１１により印刷データ編集ユニット２０８の印刷データ編集処理が開始されると、初めに印刷データ編集ユニット２０８はＯＳから提供される印刷設定情報取得インターフェースを取得する（Ｓ１６０１）。印刷設定情報取得インターフェースは、印刷データに対して設定された各種印刷設定を取得する機能を印刷データ編集ユニット２０８に提供するものである。続いて、印刷データ編集ユニット２０８は印刷設定情報取得インターフェースを介して印刷データに設定された各種印刷設定項目の値を取得する（Ｓ１６０２）。取得する印刷設定の具体例としては、用紙サイズ、用紙種類、両面印刷の有効有無、印刷品質などが挙げられる。その後、印刷データ編集ユニット２０８はＳ１６０２にて取得した各種印刷設定を用いて、印刷設定履歴情報の更新を行う（Ｓ１６０３）。印刷設定履歴情報は、各印刷設定項目における各設定項目の設定頻度をユーザ毎に管理するものである。本情報を参照することで、ユーザ毎に利用頻度の高い印刷設定項目を判定することが可能となる。印刷設定履歴情報は共有情報２１０に保存される。続いて、印刷データ編集ユニット２０８は、ユーザがＳ１５１１にて指定した印刷設定に基づき印刷データの編集を行い（Ｓ１６０４）、編集した印刷データを印刷装置１０２へ送信する（Ｓ１６０５）。

図１７は、図１５における印刷設定画面拡張ユニット２０５のＳ１５０７、Ｓ１５０８の処理の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される印刷設定変更インターフェースを取得する（Ｓ１７０１）。続いて印刷設定画面拡張ユニット２０５は、印刷データ編集ユニット２０８がＳ１６０３において更新した印刷設定履歴情報を共有情報１２０から取得する（Ｓ１７０２）。印刷設定画面拡張ユニット２０５は、Ｓ１７０２にて取得した情報からユーザの利用頻度が高い印刷設定の組み合わせを決定する（Ｓ１７０３）。印刷設定画面拡張ユニット２０５は、決定した印刷設定の組み合わせを、印刷設定変更インターフェースを介してデフォルト値として設定する（Ｓ１７０４）。

本実施形態によれば、印刷データ編集ユニット２０８が印刷実行毎に印刷データに設定された各印刷設定項目の履歴情報を更新する。印刷設定画面拡張ユニット２０５が該情報を参照することで利用頻度の高い印刷設定項目をＯＳの印刷設定画面に表示するデフォルト値として設定する。これにより、印刷を重ねることで利用頻度の高い印刷設定の組み合わせが自動的にＯＳの印刷設定項目に反映され、ユーザは利用頻度の高い印刷設定を手動入力で設定する必要がなくなる。また、印刷設定画面拡張ユニット２０５は各印刷設定項目の中で利用頻度の高い印刷項目をＯＳの印刷設定画面の上部に表示してもよい。これにより、ＯＳの印刷設定画面の表示領域が狭く全ての印刷設定項目が画面内に表示しきれない場合においても、ユーザは利用頻度の高い重要な印刷設定項目を確認することが容易になる。

＜＜第６実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において印刷データの属性情報に基づいて印刷完了までに要する時間を推定し、推定した時間をＯＳの印刷設定画面に表示する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図１８は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される印刷データ属性情報取得インターフェースを取得する（Ｓ１８０１）。印刷データ属性情報取得インターフェースは、ユーザが印刷を実行した印刷データに関わる属性情報の取得機能を印刷設定画面拡張ユニット２０５に提供するものである。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１８０１で取得した印刷データ属性情報取得インターフェースを介して、印刷データの属性情報を取得する（Ｓ１８０２）。取得する属性情報の具体例としては、印刷データのサイズ、コンテンツの内容（文章または写真）、ページ数、印刷データの元となるファイルのファイル名などが挙げられる。次に、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１８０２で取得した属性情報に基づいて、印刷完了までの推定時間を計算する（Ｓ１８０３）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ１８０３にて推定した印刷完了時間を含む画面定義情報を生成（Ｓ１８０４）し、生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ１８０５）。その後印刷サポートシステム２１１は、印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報に従ってＯＳの印刷設定画面に表示項目を追加する。なお、Ｓ１８０４で生成する画面定義情報の具体例は図１９で例示する。

図１９は、印刷設定画面拡張ユニット２０５がＳ１８０４で生成する画面定義情報の具体例を示す図である。「ｄｉｓｐｌａｙ」タグ内に印刷サポートシステム２１１がＯＳの印刷設定画面上に表示すべき項目が記載されている。また「ｔｅｘｔ」タグ内の「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグには、印刷設定画面拡張ユニット２０５がＳ１８０３で推定した印刷完了時間が文字列として表現されている。

図２０は、図１９の示す画面定義情報に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。領域２００１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域２００１の中には図１９の画面定義情報に含まれる推定印刷完了時間が表現されている。

本実施形態によれば、印刷データ編集ユニット２０８が印刷データの属性情報に基づいて印刷完了までに要する時間を推定し、推定した印刷完了時刻をＯＳの印刷設定画面に表示することが可能となる。これにより、ユーザは印刷実行の前に印刷完了までに要する時間を予測することが可能となる。また、印刷完了時間は、印刷データの属性情報とユーザが選択した各印刷設定に基づくその他の情報（例えば印刷に必要となる物理用紙枚数など）から推定してもよい。

＜＜第７実施形態＞＞
本実施形態では、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において印刷装置１０２から取得した情報に基づいて、印刷装置１０２に対する初期設定処理実行の案内を表示する構成について説明する。尚、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は、第１実施形態で説明した例と同様であるので、説明を省略する。

図２１は、本実施形態における印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理（Ｓ３０７、Ｓ３０８）の詳細について示す図である。初めに印刷設定画面拡張ユニット２０５は、ＯＳから提供される通信インターフェースを取得する（Ｓ２１０１）。続いて、印刷設定画面拡張ユニット２０５は通信インターフェースを介して印刷装置１０２に対しステータス情報を取得する（Ｓ２１０２）。Ｓ２１０２においては、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２に対する初期設定処理（梱包材の除去やインク装着など）の完了有無情報を取得するものとする。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ２１０２で取得した情報に基づいて印刷装置１０２の初期設定処理が未完了であるか否かを判定する（Ｓ２１０３）。Ｓ２１０３にてＹｅｓと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は印刷装置１０２の初期設定処理のガイダンスを行うアプリケーション（以降、初期設定処理アプリと称す）が情報処理装置にインストール済みであるいか否かを判定する（Ｓ２１０４）。Ｓ２１０４にてＹｅｓと判定した場合、続いて印刷設定画面拡張ユニット２０５は初期設定処理アプリの起動を誘導する画面定義情報を生成する（Ｓ２１０５）。他方、Ｓ２１０４にてＮｏと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット２０５は初期設定処理アプリのインストールを誘導する画面定義情報を生成する（Ｓ２１０６）。その後、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ２１０５またはＳ２１０６で生成した画面定義情報を印刷サポートシステム２１１に通知する（Ｓ２１０７）。一方、Ｓ２１０３にてＮｏと判定した場合は、印刷設定画面拡張ユニット２０５はＳ２１０４～Ｓ２１０７までの処理をスキップする。なお、Ｓ２１０５またはＳ２１０６で生成される画面定義情報の具体例は図２２で例示する。

図２２（ａ）、（ｂ）は、それぞれ印刷設定画面拡張ユニット２０５がＳ２１０５またはＳ２１０６で生成する画面定義情報の具体例を示す図である。図２２（ａ）においては、「ｔｅｘｔ」タグ内の「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグに印刷装置１０２の初期設定処理が未完了であり、初期設定処理の実行を案内する文言が記載されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されており、「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時により起動する初期設定処理アプリの情報が記載されている。他方、図２２（ｂ）においては、「ｔｅｘｔ」タグ内の「ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ」タグに印刷装置１０２の初期設定処理が未完了であり、初期設定処理アプリのインストールと初期設定処理の実行を案内する文言が記載されている。また、「ｂｕｔｔｏｎ」タグ内にはＯＳの印刷設定画面上に表示するボタンの構成が定義されている。「ｔｉｔｌｅ」タグにはボタン名称、「ｕｒｌ」タグにはボタン押下時により表示する初期設定処理アプリケーションが配布されているＷｅｂページへのリンクが記載されている。

図２３は、図２２（ａ）の示す画面定義情報に従って表示されるＯＳの印刷設定画面の表示例を示す図である。領域２３０１は印刷設定画面拡張ユニット２０５により通知された画面定義情報が示す項目を表示する領域である。領域２３０１の中には図２２（ａ）の画面定義情報に含まれる初期設定処理の実行を案内する文言と初期設定処理を開始するボタン（ボタン２３０２）が表示されている。ボタン２３０２を押下することで、図２３（ａ）の「ｕｒｌ」タグで示された初期設定処理アプリケーションが起動する。なお、図２２（ｂ）の示す画面定義情報が適用された場合は、ボタン２３０２のボタンを押下することで図２３（ｂ）の「ｕｒｌ」タグで示されたる初期設定処理アプリケーションが配布されているＷｅｂページがＷｅｂブラウザにより表示される。

本実施形態によれば、印刷設定画面拡張ユニット２０５の表示項目決定処理において印刷装置１０２から取得した情報に基づいて、印刷装置１０２に対する初期設定処理実行の案内をＯＳの印刷設定画面に表現することが可能となる。これにより、ユーザは印刷実行前に印刷装置１０２の初期設定処理が未完了であることを認識することが可能となる。

＜＜その他の実施形態＞＞
本発明は、上述の実施形態の１以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける１つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、１以上の機能を実現する回路（例えば、ＡＳＩＣ）によっても実現可能である。

Claims (11)

1. 異なる複数の印刷装置で利用可能な印刷データ生成ソフトウェアと、前記印刷データ生成ソフトウェアと関連付けられて機能の拡張を行う拡張アプリケーションとを備える情報処理装置であって、
   前記拡張アプリケーションが、
   印刷装置から情報を取得する取得手段と、
   前記印刷装置から取得した情報に基づいて、前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報を決定する決定手段と、
   前記表示すべき情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知する通知手段を有することを特徴とする情報処理装置。
2. 前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報は、前記印刷装置の消耗品の情報であることを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
3. 前記取得手段が、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を取得した場合、前記決定手段は、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を、表示すべき情報であると決定し、前記通知手段は、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
4. 前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報は、前記印刷装置のエラーの情報であることを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
5. 前記取得手段が、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を取得した場合、前記決定手段は、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を、表示すべき情報であると決定し、前記通知手段は、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
6. 情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、異なる複数の印刷装置に対して利用可能な印刷データ生成ソフトウェアと関連付けられて機能の拡張を行うプログラムであって、
   前記コンピュータに、
   印刷装置から情報を取得する取得処理と、
   前記印刷装置から取得した情報に基づいて、前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報を決定する決定処理と、
   前記表示すべき情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知する通知処理
   を実行させることを特徴とするプログラム。
7. 前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報は、前記印刷装置の消耗品の情報であることを特徴とする請求項６に記載のプログラム。
8. 前記取得処理が、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を取得した場合、前記決定処理は、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を、表示すべき情報であると決定し、前記通知処理は、前記印刷装置の消耗品の残量が少ないことを示す情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項６に記載のプログラム。
9. 前記情報処理装置のオペレーティングシステムの印刷設定画面に表示すべき情報は、前記印刷装置のエラーの情報であることを特徴とする請求項６に記載のプログラム。
10. 前記取得処理が、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を取得した場合、前記決定処理は、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を、表示すべき情報であると決定し、前記通知処理は、前記印刷装置がエラーであることを示す情報を定義した画面定義情報を前記情報処理装置のオペレーティングシステムに通知することを特徴とする請求項６に記載のプログラム。
11. 請求項６に記載のプログラムを格納した記憶媒体。

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