JP2024015858A - インナーライナー用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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    • C08L23/283Halogenated homo- or copolymers of iso-olefins

Abstract

【課題】成形加工性および耐空気透過性に優れたインナーライナー用ゴム組成物を提供すること。【解決手段】ゴム成分と、カーボンブラックと、脂肪酸化合物とを含むインナーライナー用ゴム組成物であって、前記カーボンブラックがリサイクルカーボンブラックを含む、インナーライナー用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、インナーライナー用ゴム組成物およびタイヤに関する。
タイヤの内面には、空気透過防止性能に優れたブチル系ゴムを主成分とするインナーライナーが設けられており、これにより、空気圧が保持されている。したがって、インナーライナー用ゴム組成物には優れた耐空気透過性が要求される。また、タイヤの製造に際しては、未加硫の段階で各タイヤ部材を貼り合わせて生タイヤを成形する必要がある。したがって、インナーライナー用ゴム組成物には、高い経時タック性(経時粘着力)を有し、成形加工が容易であることが求められる。
特許文献1には、所定のテルペン系樹脂を用いることにより、耐空気透過性、成形加工性および耐久性が向上したインナーライナー用ゴム組成物が記載されている。
国際公開第2017/018386号
近年高まる環境への配慮の必要性から、タイヤに関して、使用済み原料の再利用が種々試みられている。カーボンブラックについては、使用済みタイヤの熱分解から得られるカーボンブラック(リサイクルカーボンブラック)が知られているが、通常のカーボンブラックと比較した場合、補強性の面で劣ることが懸念される。
本開示は、リサイクルカーボンブラックを使用しつつ、成形加工性および耐空気透過性に優れたインナーライナー用ゴム組成物、および、当該インナーライナー用ゴム組成物からなるインナーライナーを有するタイヤを提供することを目的とする。
本開示は、下記インナーライナー用ゴム組成物に関する。
ゴム成分と、カーボンブラックと、脂肪酸化合物とを含むインナーライナー用ゴム組成物であって、
前記カーボンブラックがリサイクルカーボンブラックを含む、インナーライナー用ゴム組成物。
本開示によれば、成形加工性および耐空気透過性に優れたインナーライナー用ゴム組成物を提供することができる。
本開示の一実施形態によるタイヤの、タイヤ回転軸を通る平面で切断した断面(断面の右上部分のみ)の概略図である。
本開示のインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックと、脂肪酸化合物とを含み、前記カーボンブラックがリサイクルカーボンブラックを含む。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示において、インナーライナー用ゴム組成物が耐空気透過性と成形加工性とを両立するメカニズムとしては、以下が考えられる。まず、(1)脂肪酸化合物は脂肪酸部分を有することから、それ自体、ゴムに対する可塑効果がある。また、(2)脂肪酸化合物は、リサイクルカーボンブラックを含むカーボンブラックと相互作用して、当該カーボンブラックの分散性を向上させることができると考えられる。ここで、ゴム組成物中のカーボンブラックは、気体分子の透過を阻害することができるので、カーボンブラックが均一に分散すればするほど、気体分子の透過を阻害する効果は大きくなると推察される。そして、上記(1)と(2)が協働することで、本開示のインナーライナー用ゴム組成物において、耐空気透過性と成形加工性との両立が達成されているものと考えられる。
前記脂肪酸化合物は脂肪酸アミド、脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
このような脂肪酸化合物は、カーボンブラックとの比較的強い相互作用が期待できるからである。
前記ゴム成分はブチル系ゴムを含み、前記ブチル系ゴムの、ゴム成分中の含有量は70質量%超90質量%未満であることが好ましい。
ブチル系ゴム比率が高いほど空気透過性の向上が見込める一方、その比率が高すぎると成形加工性との両立が困難になるからである。
前記リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック中の含有量は5質量%超40質量%未満であることが好ましい。
リサイクルカーボンブラックを実質的に含むとの観点から、所定値超の含有率とすることが好ましい一方、リサイクルカーボンは一般的なカーボンブラックと比べて補強性の観点で懸念があるため、所定値未満の含有率とすることが好ましいからである。
前記脂肪酸化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。
脂肪酸化合物の量は、本開示の効果の観点から所定量以上であることが好ましい一方、ゴムとの粘着性が低下しない観点からは、所定量以下であることが好ましい。
前記ゴム組成物は炭化水素樹脂を含み、前記炭化水素樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。
炭化水素樹脂を適量含有することで、ゴム同士の粘着性が向上し、成形加工性の点でより有利になるからである。
前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記脂肪酸化合物のゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をBとするとき、AとBとは下記の式(1)を満たすことが好ましい。
B/A×100>1.5 (1)
カーボンブラックの含有量に対して、所定量以上の脂肪酸化合物を含有せしめることで、カーボンブラックの分散性向上が期待できるからである。一方、カーボンブラックの分散性向上の観点からは、式(1)の左辺の値の上限は特に限定されない。
本開示の他の形態は、前記インナーライナー用ゴム組成物からなるインナーライナーを有するタイヤである。
当該インナーライナー用ゴム組成物は、タイヤのインナーライナーとして好適に用いられるものだからである。
前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記インナーライナーの厚み(mm)をDとするとき、AとDとは下記の式(2)を満たすことが好ましい。
A×D>50 (2)
本開示ではカーボンブラックの分散性が向上しているため、カーボンブラックの量(A)に比例して耐空気透過性が向上する一方、耐空気透過性はインナーライナーの厚み(D)にも比例して向上するので、AとDとの積が所定値超であることで、望ましい耐空気透過性が達成できると考えられるからである。
<定義>
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMA(日本自動車タイヤ協会)であれば「JATMA YEAR BOOK」に記載されている適用サイズにおける標準リム、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば「STANDARDS MANUAL」に記載されている「Measuring Rim」、TRA(The Tire and Rim Association, Inc.)であれば「YEAR BOOK」に記載されている「Design Rim」を指す。そして、規格に定められていないタイヤの場合には、リム組み可能であって、内圧が保持できるリム、即ちリム/タイヤ間からエア漏れを生じさせないリムの内、最もリム径が小さく、次いでリム幅が最も狭いものを指す。
「リサイクルカーボンブラック」とは、カーボンブラックを含む使用済みのタイヤ等の製品の熱分解プロセスから得られるカーボンブラックであって、JIS K 6226-2:2003に準拠した熱重量測定法で、空気中の加熱で酸化燃焼させたとき、燃焼しない成分である灰分の質量(灰分量)の割合が13質量%以上であるカーボンブラックをいう。すなわち、前記酸化燃焼による減量分の質量(カーボン量)が87質量%未満である。リサイクルカーボンブラックは、リサイクルカーボンともいい、rCBで表すこともある。
「インナーライナーの厚み(D)」とは、タイヤ赤道面におけるインナーライナーの厚み(mm)であって、タイヤを、タイヤ回転軸と通る平面で切断したものを、正規リムに保持した状態で計測する。
<測定方法>
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される。
「ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。
「リサイクルカーボンブラックの灰分量」は、JIS K 6226-2:2003の熱重量測定法によって測定される。
「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017によって求められる値である。
「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
「樹脂等の軟化点」は、特に断りのない限り、JIS K 6220-1:2015に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。他の方法で測定された軟化点は、その旨、記載される。
[ゴム組成物]
本開示のインナーライナー用ゴム組成物について説明する。
<ゴム成分>
本開示のゴム成分は、ブチル系ゴムを含むことが好ましい。
(ブチル系ゴム)
ブチル系ゴムとは、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体(Br-IPSM、Exxon Mobil Chemical社製のもの等)などを含むものである。ブチル系ゴムは、1種または2種以上を使用することができる。なお、共重合体としては、ランダム共重合体やブロック共重合体などのいずれの態様も含み得るものであるが、このうち、ランダム共重合体であるものが好ましい。
ブチルゴム(IIR)は、いわゆるレギュラーブチルゴムとして知られる非ハロゲン化ブチルゴムや再生ブチル系ゴムをいう。IIRとしては、通常、タイヤ工業で使用されるものをいずれも好適に使用することができる。再生ブチル系ゴムの市販品としては、例えば、村岡ゴム(株)製のチューブ再生ゴムなどが挙げられる。村岡ゴム(株)製のチューブ再生ゴムは、ブチルチューブを加圧条件下で加熱処理して製造された再生ゴムである。
ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)とは、レギュラーブチルゴムの分子内にハロゲンを導入したものである。当該ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)などを好適に使用することができる。ハロゲン化ブチルゴムの市販品としては、エクソン化学(株)製、Exxon Mobil Chemical社製のものなどが挙げられる。
ブチル系ゴムは、ブチルゴム(IIR)およびハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものであることが好ましい。なかでも、十分な加硫反応が得られるという理由から、X-IIRが好ましい。
(他のゴム成分)
ブチル系ゴム以外に含まれる他のゴム成分としては、例えば、イソプレン系ゴム(IR系ゴム)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリノルボルネンゴム等のジエン系ゴムや、水素化ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、ジエン系ゴムが好ましく、なかでも、隣接するタイヤ部材との粘着性、接着性の向上等の観点から、イソプレン系ゴムが好ましい。
前記イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられ、なかでもNRが好ましい。改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
(含有量)
ブチル系ゴムのゴム成分100質量%中の含有量は、耐空気透過性の観点から、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%超、さらに好ましくは80質量%以上であり、100質量%とすることもできる。一方、該含有量は、成形加工性との両立の観点から、好ましくは95質量%未満、より好ましくは90質%未満、さらに好ましくは85質量%未満、さらに好ましくは80質量%以下である。
IR系ゴムを含む場合のゴム成分100質量%中の含有量は、成形加工性の観点から、5質量%超が好ましく、より好ましくは10質量%超、さらに好ましくは15質量%超、さらに好ましくは20質量%以上である。一方、該含有量は、耐空気透過性の観点から30質量%未満が好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%未満である。
<カーボンブラック>
本開示のカーボンブラックは、リサイクルカーボンブラック(rCB)を含む。
(rCB)
本開示において、リサイクルカーボンブラックとは、カーボンブラックを含む使用済みのタイヤ等の製品の熱分解プロセスから得られるカーボンブラックであって、JIS K 6226-2:2003に準拠した熱重量測定法で、空気中の加熱で酸化燃焼させたとき、燃焼しない成分である灰分の質量(灰分量)の割合が13質量%以上であるカーボンブラックをいう。リサイクルカーボンブラックの灰分量は、好ましくは14質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは16質量%以上、さらに好ましくは17質量%以上である。
リサイクルカーボンブラックは、使用済みタイヤの熱分解プロセスから得ることができる。例えば、欧州特許出願公開第3427975号明細書では、「ゴム化学と技術」、Vol.85、No.3、408~449頁(2012)、特に、438、440、442頁に言及し、酸素を排除した550~800℃での有機材料の熱分解、または、比較的低い温度での真空熱分解により得られることが記載されている([0027])。このような熱分解プロセスから得られるカーボンブラックは、特許第6856781号公報の[0004]で言及されているように、通常、その表面に官能基を欠くものである(熱分解カーボンブラックと市販のカーボンブラックとの表面形態および化学の比較、Powder Technology 160(2005)190~193)。
本開示のリサイクルカーボンブラックは、その表面に官能基を欠くものであってもよく、あるいは、その表面に官能基を含むように処理されたものであってもよい。このうち、本開示の効果の観点から、表面に官能基を含むように処理されたリサイクルカーボンブラックが好ましい。この場合、リサイクルカーボンブラックは、付加された官能基によって、脂肪酸化合物とより相互作用し易くなるので、リサイクルカーボンブラックの分散性が向上し、好ましい。
リサイクルカーボンブラックの表面に官能基を含むように行う処理は、常法により実施することができる。例えば、欧州特許出願公開第3173251号明細書では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、酸性条件下で、過マンガン酸カリウムで処理することにより、その表面にヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基を含むカーボンブラックを得ている。また、特許第6856781号公報では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、少なくとも1つのチオール基またはジスルフィド基を含むアミノ酸化合物で処理して、その表面を活性化したカーボンブラックを得ている。本開示のリサイクルカーボンブラックは、これらの表面に官能基を含むように処理されたカーボンブラックをも含むものである。
(rCB以外のカーボンブラック)
rCB以外のカーボンブラックとしては特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N600、N660、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
当該カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐空気透過性および耐久性の観点から、50m2/g未満であることが好ましく、より好ましくは45m2/g未満、さらに好ましくは40m2/g未満である。N2SAの小さいカーボンブラックは、一般に、大粒径カーボンブラックと呼ばれるものである。カーボンブラックのN2SAの下限は特に限定されないが、例えば、20m2/g超である。カーボンブラックのN2SAとしては、例えば、キャボットジャパン(株)製のショウブラックN762ではN2SA:29m2/g、Jiangix Black Cat社製のStatexN660ではN2SA:35m2/g、キャボットジャパン(株)製のショウブラックN660ではN2SA:35m2/gなどである。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記方法で測定される値である。
(含有量)
リサイクルカーボンブラックを含むカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、補強性、耐亀裂成長性の観点から、20質量部超が好ましく、25質量部超がより好ましく、30質量部超がさらに好ましく、35質量部超がさらに好ましい。また、該カーボンブラックの含有量は、補強効果の観点から、100質量部未満が好ましく、90質量部未満がより好ましく、80質量部未満がさらに好ましく、75質量部未満がさらに好ましい。
リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック100質量%中の含有量は、本開示の効果の観点から、好ましくは50質量%未満、より好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%未満である。また、リサイクルカーボンブラックは、環境負荷低減の観点から、好ましくは5質量%超、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは15質量%超、さらに好ましくは20質量%超、さらに好ましくは25質量%以上である。
<脂肪酸化合物>
脂肪酸化合物は、脂肪酸の塩、または、脂肪酸と脂肪酸以外の物質とが化合した化合物である。脂肪酸化合物としては、例えば、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸塩などが挙げあれる。脂肪酸化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸化合物のうち、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸塩等は、カーボンブラックとの間で水素結合を形成することができるので、その比較的強い相互作用によって、カーボンブラックの分散性を向上させることができると考えられる。ここで、ゴム組成物中のカーボンブラックは、気体分子の透過を阻害することができるので、カーボンブラックが均一に分散すればするほど、気体分子の透過を阻害する効果は大きくなると推察される。したがって、脂肪酸化合物は、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸塩等のように、カーボンブラックとの間で水素結合等を形成することができるものであることが好ましい。
脂肪酸化合物としては、脂肪酸塩や、脂肪酸塩と脂肪酸アミドとの混合物等を好適に用いることができる。
脂肪酸化合物としては、ラインケミー社、Schill+Seilacher社製のもの等を用いることができる。
(脂肪酸アミド)
脂肪酸アミドは、脂肪酸とアミンとがアミド結合を形成した化合物である。脂肪酸アミドについて、その脂肪酸部分としては、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれをも用いることができる。
これら脂肪酸の炭素数は、例えば、4以上が好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上である。一方、該脂肪酸の炭素数は、30以下が好ましく、より好ましくは24以下、さらに好ましくは20以下である。これらの脂肪酸の具体的としては、飽和脂肪酸としては、ブタン酸、ブチル酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、パルミトイル酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、ヘキサドコサン酸、オクタドコサン酸等が挙げられる。また、不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸、リノール酸等のジ不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸等のトリ不飽和脂肪酸、ステアリドン酸、アラキドン酸等のテトラ不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸等のペンタ不飽和脂肪酸、ドコサヘキサエン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸アミドを構成する脂肪酸部分は、ステアリン酸アミドのように脂肪酸残基を1つのみ持つものだけでなく、アルキレンビス脂肪酸アミドのように2つものものでもよく、さらに、3つ以上もつものでもよい。脂肪酸アミドを構成する脂肪酸部分が脂肪酸残基を複数もつ場合において、上記脂肪酸の炭素数はアミド基1つ当たりの炭素数に相当する。
脂肪酸アミドの具体例としては、上記脂肪酸部分の脂肪酸残基とアミンとが反応してアミドを形成した化合物が挙げられる。脂肪酸アミドは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(脂肪酸エステル)
脂肪酸エステルは、脂肪酸とアルコールとがエステル結合を形成した化合物である。脂肪酸エステルを構成する脂肪酸部分としては、上記脂肪酸アミドで説明した脂肪酸部分と同様のものを用いることができる。
脂肪酸エステルを構成するアルコール部分としては、脂肪族アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールの炭化水素部分としては、飽和および不飽和のいずれをも用いることができる。
脂肪族アルコールの炭素数は、例えば、4以上が好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上である。一方、該脂肪族アルコールの炭素数は、30以下が好ましく、より好ましくは24以下、さらに好ましくは20以下である。具体的には、1-オクタノール(C8)、1-デカノール(C10)、ラウリルアルコール(C12)、ミリスチルアルコール(C14)、パルミトレイルアルコール(C16)、ステアリルアルコール(C18)、オレイルアルコール(C18)、リノレニルアルコール(C18)、ベヘニルアルコール(C22)、ミリシルアルコール(C30)などが挙げられる。脂肪族アルコールとしては、1価のアルコールの他、2価以上のアルコールであってもよく、例えば、グリコール、グリセリン、エリスリトール、ソルビトールなども用いることができる。
脂肪酸エステルの具体例としては、上記脂肪酸部分の脂肪酸残基と脂肪族アルコールとが反応してエステルを形成した化合物が挙げられる。脂肪酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(脂肪酸塩)
脂肪酸塩は、脂肪酸と金属とが塩を形成した化合物が挙げられる。脂肪酸塩を構成する脂肪酸部分としては、上記脂肪酸アミドで説明した脂肪酸部分と同様のものを用いることができる。
脂肪酸塩を構成する金属成分の具体例としては、Na、K、Mg、Ag、Ca、Ti、Cu、Fe、Zn、Co、Al等が挙げられる。これらの中では、Zn、Caが好ましい。
脂肪酸塩の具体例としては、上記脂肪酸部分の脂肪酸残基と上記金属成分とが塩を形成した化合物が挙げられる。脂肪酸塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(含有量)
脂肪酸化合物の含有量は、本開示の効果の観点から、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部超、さらに好ましくは1.5質量部超である。一方、該含有量は、粘着性確保の観点から、5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは4.0質量部未満、さらに好ましくは3.0質量部以下である。
(式(1))
前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記脂肪酸化合物のゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが下記の式(1)を満たすことが好ましい。
B/A×100>1.5 (1)
式(1)の右辺は、好ましくは2.0、より好ましくは3.7、さらに好ましくは4.9、さらに好ましくは8.0である。一方、式(1)の左辺の値は、通常、16.0以下程度であり、12.0以下であってもよい。
式(1)のAにおいて、リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック100質量%中の含有量は、補強性の観点から、好ましくは50質量%未満、より好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%未満である。また、リサイクルカーボンブラックは、環境負荷低減の観点から、好ましくは5質量%超、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは15質量%超、さらに好ましくは20質量%超、さらに好ましくは25質量%以上である。
<炭化水素樹脂>
本開示のゴム組成物は、炭化水素樹脂を含有することができる。炭化水素樹脂としては、常温常圧で固体状態の、芳香族炭化水素および/または脂肪族炭化水素を含む樹脂が挙げられる。脂肪族炭化水素樹脂には、鎖式脂肪族炭化水素樹脂および環式脂肪族炭化水素樹脂が含まれる。炭化水素樹脂としては、例えば、インデン系芳香族炭化水素樹脂、スチレン系芳香族炭化水素樹脂、C5系脂肪族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、C5系脂肪族炭化水素が好ましい。
(インデン系芳香族炭化水素樹脂)
インデン系芳香族炭化水素樹脂は、インデンを構成モノマーとして含むポリマーであり、樹脂の骨格を構成するモノマー成分として、インデンおよび/またはクマロンを主成分(50質量%以上)として含むものである。該樹脂は、さらに、インデンとクマロン以外にも、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどのモノマー成分を含むことができる。より具体的には、インデンを単独で重合した単独重合体の他、インデンと他のモノマーであるクマロン、スチレン、α-メチルスチレンの少なくとも一つと共重合したものが挙げられる。なかでも、インデンとクマロンとの共重合体であるクマロンインデン樹脂が好ましい。インデン系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C5系脂肪族炭化水素樹脂)
C5系脂肪族炭化水素樹脂は、C5留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、C5留分を主成分(50質量%超)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、C5留分である1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン等のオレフィン系炭化水素、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン等のジオレフィン系炭化水素等を、それぞれ、単独で重合した単独重合体、2種以上の前記C5留分を共重合した共重合体の他、C5留分とこれと共重合し得る他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ここで、他のモノマーとしては、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等のC9留分等が例示できる。C5系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(スチレン系芳香族炭化水素樹脂)
スチレン系芳香族炭化水素樹脂は、スチレン系モノマーを構成モノマーとして含むポリマーであり、スチレン系モノマーを主成分(50質量%超)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系モノマーであるスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等を、それぞれ、単独で重合した単独重合体、2種以上の前記スチレン系モノマーを共重合した共重合体の他、スチレン系モノマーとこれと共重合し得る他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ここで、他のモノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル類、テルペン、クロロプレン、ブタジエンイソプレン等の共役ジエン類、1-ブテン、1-ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物等が例示できる。スチレン系樹脂としては、例えば、α-メチルスチレン系樹脂(AMS)が好適に用いられる。α-メチルスチレン系樹脂としては、α-メチルスチレンのホモポリマー(ポリ-α-メチルスチレン)や、α-メチルスチレンと、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つとのコポリマー等が挙げられる。スチレン系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭化水素樹脂としては、東ソー(株)製のもの、丸善石油化学(株)製のもの、クレイトン社製のものなどを用いることができる。
(含有量)
炭化水素樹脂の含有量は、粘着性確保の観点から、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.8質量部超、さらに好ましくは1.0質量部超である。一方、該含有量は、5.0質量部未満であることが好ましく、より好ましくは4.0質量部未満、さらに好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部未満である。
(軟化点)
炭化水素樹脂の軟化点は、本開示の効果の観点から、好ましくは80℃超、より好ましくは100℃超、さらに好ましくは120℃超であり、また、該軟化点は、好ましくは160℃未満、より好ましくは150℃未満、さらに好ましくは140℃未満である。なお、炭化水素樹脂の軟化点は、前記方法により測定される値である。
炭化水素樹脂の市販品としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、ExxonMobil社、CrayValley社等の製品を使用できる。
<相溶化樹脂>
本開示のゴム組成物は、相溶化樹脂を含有させることができる。相溶化樹脂とは、ゴムとフィラーの両方に親和性が良く、フィラー周囲の空隙を少なくできることで、耐空気透過性や耐久性の向上に寄与するものをいう。相溶化樹脂は特に限定されない。相溶化樹脂としては、例えば、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂等が挙げられる。相溶化樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、スチレンモノマーと、エチレンモノマーおよびプロピレンモノマーとを重合した共重合樹脂であり、以下の一般式(式中、m、n、oは、いずれも1以上の整数である)で示される構成単位を含む。
Figure 2024015858000001
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂における、エチレン由来の構成単位およびプロピレン由来の構成単位の合計量(EP含有量、全構成単位の個数に対する上記式のmとnとの和)は特に限定されない。一例を挙げると、合計量は、ブチル系ゴムとフィラーとの空隙を無くし、耐空気透過性を向上させる観点から、構成単位100mol%に対し、60mol%超であることが好ましく、65mol%超であることがより好ましく、70mol%超であることがさらに好ましい。また、合計量は、引張り特性の観点から、構成単位100mol%に対し、98mol%未満であることが好ましく、95mol%未満であることがより好ましく、93mol%未満であることがさらに好ましい。
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、市販品が用いられてもよい。このような市販品は、ストラクトール社、performance additive社、ランクセス社等によって製造販売されるものが例示される。
<その他の配合剤>
本開示のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、シリカ、その他の無機フィラー等のカーボンブラック以外の充填剤、オイル、酸化亜鉛、老化防止剤、ステアリン酸、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
(シリカ)
前記シリカとしては、タイヤ工業において一般的に用いられるものを配合してもよい。しかし、シリカと共にシランカップリング剤を配合するためコストが高くなる、押出しシート作成時にシランカップリング剤に覆われていないシリカが再凝集してシート加工性が悪化することから、使用しないことが好ましい。
(その他の無機フィラー)
前記その他の無機フィラーは、ゴム工業で一般的に使用される無機フィラーであってカーボンブラックおよびシリカ以外のものをいう。該「その他の無機フィラー」としては、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、グラファイト、マイカなどが挙げられる。なかでも、空気透過経路を遮ることで耐空気透過性に優れることから偏平無機フィラーが好ましく、さらに成形加工性においても優れるという理由から偏平水酸化アルミニウム、偏平タルクが好ましく、偏平タルクが特に好ましい。その他の無機フィラーとしては、1種または2種以上を使用することができる。
その他の無機フィラーを含有させる場合の含有量は、耐空気透過性、成形加工性、および耐久性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部超、より好ましくは10質量部超、さらに好ましくは15質量部超である。また、同含有量は、カーボンブラックを含有することによる補強性、耐亀裂成長性の効果を悪化させないという理由、および、ゴム組成物のガラス転移温度が高くなり、耐クラック性、特に耐低温クラック性が悪化することを防ぐという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部未満、より好ましくは40質量部未満、さらに好ましくは30質量部未満である。
(オイル)
オイルとしては、特に限定されず、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしては、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系プロセスオイル等のプロセスオイルが挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルが挙げられる。低PCA含量プロセスオイルとしては、芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイル、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvates)(MES)、および重ナフテン系オイル等が挙げられる。なかでも、芳香族系プロセスオイルが好ましく、TDAEオイルがより好ましい。オイルは、例えば、H&R社、ENEOS(株)、出光興産(株)、三共油化工業(株)等によって製造販売されるものなどを用いることができる。オイルは、1種または2種以上を組み合せて使用することができる。
オイルのゴム成分100質量部に対する含有量は、本開示の効果の観点から、1質量部超が好ましく、2質量部超がより好ましく、3質量部超がさらに好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、該含有量は、20質量部未満が好ましく、15質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。なお、オイルの含有量は、油展オイルとしてゴム成分に含まれるオイルや、硫黄などの他成分に含まれるオイルの量も含むものである。
(酸化亜鉛)
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、0.7質量部超がより好ましく、1質量部以超がさらに好ましい。一方、該含有量は、耐摩耗性の観点から、10質量部以下が好ましく、7質量部未満がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができる。老化防止剤としては、例えば、キノリン系老化防止剤、キノン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤や、カルバミン酸金属塩等が挙げられる。なかでも、耐オゾン性能の向上効果をより良好に発揮できるという理由から、フェニレンジアミン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部超が好ましく、0.8質量部超がより好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましい。一方、該含有量は、7.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましい。
(ステアリン酸)
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、0.7質量部超がより好ましく、1.0質量部超がさらに好ましい。一方、該含有量は、加硫速度の観点から、10質量部未満が好ましく、5質量部未満がより好ましく、3質量部未満がさらに好ましい。
(ワックス)
ワックスとしては、特に限定されず、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、石油系ワックス、鉱物系ワックス、合成ワックスなどが挙げられる。なかでも、石油系ワックスが好ましい。石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、これらの精選特殊ワックス等が挙げられ、なかでも、パラフィンワックスが好ましい。ワックスは、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、パラメルト社等によって製造販売されるものなどを用いることができる。ワックスは、1種または2種以上を組み合せて使用することができる。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.3質量部超が好ましく、0.7質量部超がより好ましく、1.0質量部超がさらに好ましい。一方、該含有量は、4.0質量部未満が好ましく、3.0質量部未満がより好ましく、2.5質量部未満がさらに好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては、特に限定されず、公知の加硫剤を用いることができ、例えば、有機過酸化物、硫黄系加硫剤、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物などが挙げられる。なかでも、硫黄系加硫剤が好ましい。硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等の硫黄供与体等を用いることができる。これらのなかでも、硫黄を用いることが好ましい。加硫剤は、1種または2種以上を組み合せて使用することができる。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄(オイル処理硫黄、分散剤で処理された特殊硫黄、マスターバッチタイプの硫黄など)、不溶性硫黄(オイル処理不溶性硫黄など)などが挙げられ、いずれも好適に用いられる。なかでも、粉末硫黄が好ましい。硫黄は、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等によって製造販売されるものなどを用いることができる。
加硫剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.3質量部超が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部超がさらに好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。一方、該含有量は、6.0質量未満が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、4.0質量部未満がさらに好ましい。加硫剤の含有量が上記範囲内であると、適切な補強効果が得られる傾向があり、本開示の効果をより良好に発揮できる傾向がある。なお、加硫剤がオイル処理硫黄などのように硫黄以外の成分を含む場合、加硫剤の含有量は、硫黄成分自体の含有量を意味する。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、特に限定されず、公知の加硫促進剤を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系もしくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系、チウラム系、グアニジン系が好ましく、スルフェンアミド系がより好ましい。加硫促進剤は、例えば、大内新興化学工業(株)、三新化学工業(株)等によって製造販売されるものなどを用いることができる。これらの加硫促進剤は、1種または2種以上を組み合せて使用することができる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)などが挙げられる。チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等が挙げられる。グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどが挙げられる。
加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.3質量部超が好ましく、0.5質量部超がより好ましく、1.0質量部超がさらに好ましく、1.2質量部以上がさらに好ましい。一方、該含有量は、4.0質量部未満が好ましく、3.0質量部未満がより好ましく、2.0質量部未満がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量が上記範囲内であると、破壊強度および伸びが確保できる傾向があり、本開示の効果をより良好に発揮できる傾向がある。
[タイヤ]
本開示のタイヤについて、適宜、図面を参照しながら説明する。但し、本開示のタイヤは当該図面によって限定されない。
図1は、タイヤ1を、タイヤ回転軸を通る平面で切断した断面(断面の右上部分のみ)の概略図である。タイヤ1は、その内面に、本開示のゴム組成物からなるインナーライナー2を有している。当該インナーライナー2の厚みD(mm)は、タイヤ赤道面におけるインナーライナーの厚みである。
(式(2))
前記Aと前記Dとは下記の式(2)を満たすことが好ましい。
A×D>50 (2)
式(2)の右辺は、好ましくは55、より好ましくは59、さらに好ましくは70、さらに好ましくは79である。一方、式(2)の左辺の値は、通常、150以下程度であり、120以下または100以下であってもよい。
式(2)のAにおいて、リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック100質量%中の含有量は、補強性の観点から、好ましくは50質量%未満、より好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%未満である。また、リサイクルカーボンブラックは、環境負荷低減の観点から、好ましくは5質量%超、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは15質量%超、さらに好ましくは20質量%超、さらに好ましくは25質量%以上である。
[製法]
本開示のインナーライナー用ゴム組成物は、一般的な公知の方法で製造できる例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、50~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。
上記で得られるゴム組成物は、未加硫の段階で、インナーライナーとして使用できるようにシート状に押出し加工した上で、これを用いてインナーライナーとし、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤとすることができる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧(加硫)することにより、本開示のタイヤを得ることができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で5~30分間加硫する方法が挙げられる。
[用途]
本開示のインナーライナーを有するタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤなどの高性能タイヤ等さまざまな用途のタイヤとして使用することができる。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本開示の範囲は実施例に限られない。以下に示す各種薬品を用いて、各表に従って得られるゴム組成物およびタイヤを検討して、下記評価方法に基づいて算出した結果を、性能指数として示す。
<各種薬品>
天然ゴム(NR):TSR20
ハロゲン化ブチルゴム(Cl-IIR):エクソン化学(株)製のクロロブチルゴムHT1066(塩素化ブチルゴム)
カーボンブラック(CB):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN660(N2SA:35m2/g)
リサイクルカーボンブラック(rCB):タイヤの熱分解プロセスから得られたカーボンブラック(灰分量:17質量%)
脂肪酸化合物1:Schill+Seilacher社製のストラクトールWB16(脂肪酸カルシウムと脂肪酸アミドとの混合物、カルシウム元素量:約5質量%)
脂肪酸化合物2:PERFORMANCE ADDITIVE社製のULTRA FLOW500(脂肪酸亜鉛塩)
炭化水素樹脂:丸善石油化学(株)製のマルカレッツT-100AS(C5系脂肪族炭化水素樹脂、軟化点:97~103℃)
相溶化樹脂:ストラクトール社製の40MS(エチレン/プロピレン/スチレンからなる三元共重合体、SP値:8.9、軟化点:101℃、Tg:58℃)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(6PPD、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーM(2-メルカプトベンゾチアゾール)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)
<実施例および比較例>
表1に示す配合処方に従い、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、5分間、排出温度160℃になるまで混練りし、混練り物を得る。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。
未加硫ゴム組成物を所定の形状に押し出し成形し、170℃12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得る。
(成形加工性)
前記ゴム組成物を、シート状試料(幅10mm×長さ200mm×厚さ2mm)に未加硫のまま成形し、これを金属円盤にセットした。さらに同じゴム組成物で被圧着用試料(幅70mm×長さ100mm×厚さ2mm)を未加硫のまま成形する。この被圧着用試料にシート状試料を4.9Nで圧着し、30℃の雰囲気下で168時間経過後、貼り付けたシート状試料(未加硫)を剥がし、剥がすのに必要な粘着力をPICMA式タックメーター((株)東洋精機製作所製)により測定する。得られた結果は、基準比較例の値を100として指数表示する。この指数が大きいほど経時タック性(経時粘着力)が高く、各部材の貼り合わせを容易となすことができるため、成形加工性に優れていることを意味する。
(耐空気透過性)
前記加硫ゴム組成物の40℃での空気透過係数を、JIS K 7126-1:2006に従い、ガス透過率測定装置(GTRテック(株)製のGTR-11A/31A)を用いて測定した結果から、それぞれ、算出する。そして、下記計算式により基準比較例の空気透過係数の値を100として、それぞれ、指数表示する。空気透過係数が小さいほど、加硫ゴム組成物の空気透過量が小さく、耐空気透過性に優れることを示す。
耐空気透過性指数=
(基準比較例の空気透過係数)/(各配合の空気透過係数)×100
Figure 2024015858000002
<実施形態>
以下に、好ましい実施形態を示す。
[1]ゴム成分と、カーボンブラックと、脂肪酸化合物とを含むインナーライナー用ゴム組成物であって、
前記カーボンブラックがリサイクルカーボンブラックを含む、インナーライナー用ゴム組成物。
[2]前記脂肪酸化合物が脂肪酸アミド、脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも一つを含む、上記[1]のインナーライナー用ゴム組成物。
[3]前記ゴム成分がブチル系ゴムを含み、
前記ブチル系ゴムの、ゴム成分中の含有量が70質量%超90質量%未満、好ましくは70質量%超85質量%未満、または、好ましくは70質量%超80質量%以下、または、好ましくは80質量%以上90質量%未満、または、好ましくは80質量%以上85質量%未満である、上記[1]または上記[2]記載のインナーライナー用ゴム組成物。
[4]前記リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック中の含有量が5質量%超40質量%未満、好ましくは8質量%以上30質量%未満、より好ましくは15質量%超25質量%以下、さらに好ましくは20質量%超25質量%以下である上記[1]~上記[3]のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
[5]前記脂肪酸化合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下、好ましくは1.0質量部超3.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部超3.0質量部以下である上記[1]~上記[4]記載のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
[6]前記ゴム組成物が、炭化水素樹脂を含み、
前記炭化水素樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下、好ましくは0.8質量部超3.0質量部以下、より好ましくは1.0質量部超2.5質量部未満である上記[1]~上記[5]記載のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
[7]前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記脂肪酸化合物のゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが下記の式(1)を満たす、さらに、式(1)の右辺が好ましくは2.0、より好ましくは3.7、さらに好ましくは4.9、さらに好ましくは8.0である、上記[1]~上記[6]のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
B/A×100>1.5 (1)
[8]上記[1]~上記[7]のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物からなるインナーライナーを有するタイヤ。
[9]前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記インナーライナーの厚み(mm)をDとするとき、AとDとが下記の式(2)を満たす、さらに、式(2)の右辺が好ましくは55、より好ましくは59、さらに好ましくは70、さらに好ましくは79である、上記[8]記載のタイヤ。
A×D>50 (2)
1 タイヤ
2 インナーライナー
D インナーライナーの厚み
EP タイヤ赤道面

Claims (9)

  1. ゴム成分と、カーボンブラックと、脂肪酸化合物とを含むインナーライナー用ゴム組成物であって、
    前記カーボンブラックがリサイクルカーボンブラックを含む、インナーライナー用ゴム組成物。
  2. 前記脂肪酸化合物が脂肪酸アミド、脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分がブチル系ゴムを含み、
    前記ブチル系ゴムの、ゴム成分中の含有量が70質量%超90質量%未満である、請求項1または2記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  4. 前記リサイクルカーボンブラックの、カーボンブラック中の含有量が5質量%超40質量%未満である請求項1~3のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  5. 前記脂肪酸化合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下である請求項1~4記載のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム組成物が、炭化水素樹脂を含み、
    前記炭化水素樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下である請求項1~5記載のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  7. 前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記脂肪酸化合物のゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが下記の式(1)を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物。
    B/A×100>1.5 (1)
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のインナーライナー用ゴム組成物からなるインナーライナーを有するタイヤ。
  9. 前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)をAとし、前記インナーライナーの厚み(mm)をDとするとき、AとDとが下記の式(2)を満たす、請求項8記載のタイヤ。
    A×D>50 (2)
JP2022118204A 2022-07-25 2022-07-25 インナーライナー用ゴム組成物およびタイヤ Pending JP2024015858A (ja)

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