JP2024014756A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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浩一 下津
Koichi Shimozu
愛信 星野
Yoshinobu Hoshino
隼人 奥
Hayato OKU
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Abstract

【課題】製品ガラス板を製造するにあたり、ホイールカッターによりガラス板にスクライブ線を形成する工程が含まれる場合に、製品ガラス板の品質の向上とホイールカッターの損傷の防止とを実現すること。【解決手段】ガラス板1上をホイールカッター3に走行させ、切断予定線4に沿ってスクライブ線2を形成するスクライブ工程P1を備えたガラス板の製造方法において、切断予定線4の始端4aおよび終端4bが位置したガラス板1の端縁をそれぞれ第1端縁1aおよび第2端縁1bとして、第1端縁1aおよび第2端縁1bとそれぞれ隙間7,8を介して隣り合う第1補助部材5および第2補助部材6を配置し、スクライブ工程P1では、第1補助部材5から第1端縁1aに乗り移った後、第1端縁1aから第2端縁1bまで移動しつつスクライブ線2を形成し、その後に第2端縁1bから第2補助部材6に乗り移るように、ホイールカッター3を走行させる。【選択図】図2

Description

本開示はガラス板の製造方法に関する。
周知のように、製品ガラス板を製造するための工程には、製品ガラス板の元となるガラス板を切断する工程が含まれるのが通例である。ガラス板を切断する形態の一例としては、ガラス板に切断の起点となるスクライブ線を形成した後、ガラス板をスクライブ線に沿って折割って切断するものが挙げられる。特許文献1には、ガラス板にスクライブ線を形成するための手法の一例が開示されている。
同手法では、ガラス板の側方に案内板を配置すると共に、案内板の表面をガラス板の表面よりも上方に位置させることで、案内板の表面とガラス板の表面との間に段差を形成する。そして、案内板の表面上からガラス板側に向かってホイールカッターの走行を開始させ、ホイールカッターに段差を通過させて案内板の表面からガラス板の表面に乗り移らせる。その後、ガラス板の表面上をホイールカッターに走行させてスクライブ線を形成する。
上記の手法では、段差が設けられていることから、ホイールカッターが案内板からガラス板に乗り移る際には、ガラス板の端縁(案内板に隣接した端縁)から所定の距離を置いた位置で、ホイールカッターがガラス板の表面に着地する。これにより、上記の手法においては、ガラス板に対してスクライブ線の形成が開始される位置が、ガラス板の端縁から離間した位置となる。
特開2012-166970号公報
上記の手法によりガラス板にスクライブ線を形成した場合、スクライブ線の形成が開始される位置(以下、形成開始位置と表記)が、ガラス板の端縁から離間していることに起因して、ガラス板から切り出される製品ガラス板の品質が低下する問題がある。詳述すると、ガラス板の端縁から形成開始位置までの箇所では、スクライブ線が非形成であることから、当該箇所を所望のとおりに切断できない場合がある。その結果、製品ガラス板の形状が悪化し、その品質が低下してしまう可能性がある。
上述の問題に加え、ガラス板にスクライブ線を形成するに際しては、以下の問題が存在する。すなわち、ガラス板上を走行するホイールカッターは、スクライブ線の形成が完了したのち、ガラス板の端縁を通過してガラス板の外側に抜けていく。このとき、外側に抜けたホイールカッターと、ガラス板を支持している定盤等の支持台とが衝突し、ホイールカッターが損傷する可能性がある。なお、両者が衝突するのは、スクライブ線の形成時にはホイールカッターでガラス板を押圧しているために、ホイールカッターがガラス板の外側に抜けた瞬間に、支持台に対して強く押し付けられるためである。
上述の事情に鑑みて解決すべき技術的課題は、製品ガラス板を製造するにあたり、ホイールカッターによりガラス板にスクライブ線を形成する工程が含まれる場合に、製品ガラス板の品質の向上とホイールカッターの損傷の防止とを実現することである。
上記の課題を解決するための第1のガラス板の製造方法は、ガラス板上をホイールカッターに走行させることで、ガラス板の切断予定線に沿ってスクライブ線を形成するスクライブ工程を備えた製造方法であって、切断予定線の始端が位置したガラス板の端縁を第1端縁とし、且つ、切断予定線の終端が位置したガラス板の端縁を第2端縁として、第1端縁および第2端縁とそれぞれ隙間を介して隣り合う第1補助部材および第2補助部材を配置し、スクライブ工程では、第1補助部材から第1端縁に乗り移ったのち、第1端縁から第2端縁まで移動しながらスクライブ線を形成し、その後に第2端縁から第2補助部材に乗り移るように、ホイールカッターを走行させることを特徴とする。
第1のガラス板の製造方法では、ホイールカッターが第1補助部材からガラス板の第1端縁に乗り移ったのち、第1端縁から第2端縁まで移動しながらスクライブ線を形成する。これにより、スクライブ線の形成が開始される位置、及び、形成が終了する位置が、ガラス板の端縁(第1端縁あるいは第2端縁)から離間した位置となることが回避される。言い換えれば、ガラス板の切断予定線の略全長に対して確実にスクライブ線を形成することができる。そのため、ガラス板から製品ガラス板を切り出すにあたり、スクライブ線に沿ってガラス板を折割って切断する際に、切断予定線の全長を所望のとおりに(切断予定線から逸れることなく)切断することが可能となる。その結果、製品ガラス板の形状の悪化が抑制され、その品質を向上させることができる。さらに、本製造方法では、ガラス板の第1端縁および第2端縁と、これらと隣り合う第1補助部材および第2補助部材との間にそれぞれ隙間を設けている。そのため、スクライブ工程の実行中における、第1端縁と第1補助部材との接触、及び、第2端縁と第2補助部材との接触についても防止することができる。これにより、接触に伴うガラス板の欠けやガラス粉の発生が抑制され、製品ガラス板の品質を更に向上させることが可能となる。加えて、本製造方法では、スクライブ線の形成が完了した後のホイールカッターが、ガラス板の第2端縁を通過してガラス板の外側に抜けるに際し、第2補助部材に乗り移る。これにより、外側に抜けたホイールカッターと、ガラス板を支持している定盤等の支持台とが衝突することも防げる。その結果、ホイールカッターの損傷を防止できる。以上のとおり、本製造方法によれば、製品ガラス板の品質の向上とホイールカッターの損傷の防止とを実現できる。
第2のガラス板の製造方法は、上記の第1のガラス板の製造方法において、第1端縁と第1補助部材との間の隙間を2mm以下にしたものであってもよい。
第2のガラス板の製造方法によれば、隙間を2mm以下としたことで、ホイールカッターが第1補助部材からガラス板の第1端縁に乗り移る際に、第1端縁に欠けが発生する等の可能性を大幅に抑制することが可能となる。
第3のガラス板の製造方法は、上記の第1又は第2のガラス板の製造方法において、ガラス板と第1補助部材との間におけるホイールカッターの走行面の高低差、及び、ガラス板と第2補助部材との間におけるホイールカッターの走行面の高低差を、それぞれガラス板の厚みに対して10%以下にしたものであってもよい。
第3のガラス板の製造方法によれば、走行面の高低差がガラス板の厚みに対し10%以下とされていることで、スクライブ線の形成が開始される位置、及び、形成が終了する位置が、ガラス板の端縁(第1端縁あるいは第2端縁)から離間した位置となることを一層好適に防げる。
第4のガラス板の製造方法は、上記の第1~第3のいずれかのガラス板の製造方法において、ガラス板、第1補助部材、および第2補助部材の厚みを同一にしたものであってもよい。ここで、「ガラス板、第1補助部材、および第2補助部材の厚みが同一」とは、三者の厚みが完全に同一である場合のみでなく、ガラス板の厚みを基準として、第1補助部材および第2補助部材の厚みが、±1%の範囲内に収まる場合も含む。
第4のガラス板の製造方法によれば、上述した走行面の高低差を小さくする上で好適である。これは、例えばガラス板、第1補助部材、および第2補助部材の三者を同一の支持台上(定盤等)に載置した場合に、三者の厚みが同一であれば走行面の高さが揃うためである。
第5のガラス板の製造方法は、上記の第1~第4のいずれかのガラス板の製造方法において、第1端縁から第2端縁までスクライブ線を形成するものであってもよい。
第5のガラス板の製造方法によれば、ガラス板の切断予定線の全長に対して確実にスクライブ線を形成することが可能となる。
第6のガラス板の製造方法は、上記の第1~第5のいずれかのガラス板の製造方法において、ホイールカッターと、ガラス板の厚み方向に沿って延びる軸部と、軸部の軸線を中心として揺動が可能な状態でホイールカッターを保持するホルダーと、を備えたスクライブユニットを用いると共に、ホイールカッターの回転軸を、軸部の軸線から軸径方向にオフセットさせて位置させたものであってもよい。
第7のガラス板の製造方法は、上記の第6のガラス板の製造方法において、ホイールカッターが第1補助部材上を走行する距離を5mm以上にしたものであってもよい。
第7のガラス板の製造方法によれば、上記のスクライブユニットを用いてスクライブ工程を実行した場合でも、ガラス板に形成されるスクライブ線の蛇行を防止することが可能となる。詳述すると、上記のスクライブユニットでは、ホイールカッターを保持するホルダーが軸部の軸線を中心として揺動が可能であると共に、ホイールカッターの回転軸が軸部の軸線から軸径方向にオフセットして位置している。このため、ホイールカッターが走行を開始した直後の時点では、ホイールカッターが蛇行しやすい状態にある。しかしながら、走行の開始後にホイールカッターが所定の距離(おおよそ1mm以上)を走行し終えると、ホイールカッターは真っ直ぐに走行する状態となる。そのため、第1補助部材上で5mm以上の距離をホイールカッターに走行させた後、ガラス板の第1端縁に乗り移らせてスクライブ線を形成するようにすれば、ホイールカッターが真っ直ぐ走行する状態の下でスクライブ線を形成できる。従って、ガラス板に形成されるスクライブ線の蛇行を防止できる。
第8のガラス板の製造方法は、上記の第1~第7のいずれかのガラス板の製造方法において、第2端縁から第2補助部材に乗り移らせたホイールカッターを、第2補助部材から離反する方向に移動させるものであってもよい。
第8のガラス板の製造方法によれば、ガラス板の第2端縁から第2補助部材に乗り移ったホイールカッターが、第2補助部材を通過したのちに、当該第2補助部材を支持している定盤等の支持台と衝突することを抑制できる。その結果、ホイールカッターの損傷を一層好適に防止することが可能となる。
本開示に係るガラス板の製造方法によれば、製品ガラス板を製造するにあたり、ホイールカッターによりガラス板にスクライブ線を形成する工程が含まれる場合に、製品ガラス板の品質の向上とホイールカッターの損傷の防止とを実現することが可能となる。
ガラス板の製造方法に含まれるスクライブ工程を示す側面図である。 ガラス板の製造方法に含まれるスクライブ工程(スクライブ線の形成前の状態)を示す平面図である。 ガラス板の製造方法に含まれるスクライブ工程(スクライブ線の形成後の状態)を示す平面図である。 スクライブ工程に用いるスクライブユニットを示す側面図である。 スクライブ工程に用いるスクライブユニットを示す部分断面図である。 ガラス板の製造方法に含まれるスクライブ工程(スクライブ線の形成前の状態)を示す平面図である。 ガラス板の製造方法に含まれるスクライブ工程(スクライブ線の形成後の状態)を示す平面図である。
以下、実施形態に係るガラス板の製造方法について添付の図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の説明で参照する各図面に表示したX方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する方向である。
<第一実施形態>
図1~図3に示すように、本製造方法は、ガラス板1から後に製品ガラス板となる部位1x(図2及び図3に斜線を施して示す部位)を切り出すために、ガラス板1に切断の起点となるスクライブ線2を形成するスクライブ工程P1を備えている。
スクライブ工程P1では、平置き姿勢とされたガラス板1上をホイールカッター3に走行させることで、ガラス板1の切断予定線4に沿ってスクライブ線2を形成する。後に詳述するが、本スクライブ工程P1では、ホイールカッター3を第1補助部材5からガラス板1、ガラス板1から第2補助部材6へと順番に乗り移らせながらスクライブ線2を形成する。なお、図1はスクライブ工程P1におけるホイールカッター3の動作を示し、図2はスクライブ線2の形成前の状態を示し、図3はスクライブ線2の形成後の状態を示している。
ガラス板1の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態のガラス板1は、X方向に延びた長辺と、Y方向に延びた短辺とを有する矩形状をなしている。ガラス板1のサイズ(長辺×短辺)は、一例として200mm×200mm~4000mm×4000mmである。また、ガラス板1の厚みは、一例として0.20mm~3.0mmである。なお、後に製品ガラス板となる部位1xの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では帯状の形状をなしている。部位1xの幅(ガラス板1の長辺と切断予定線4との距離に等しい)は、一例として10mm~150mmである。
切断予定線4はX方向に延びた状態でガラス板1を横断している。切断予定線4の始端4a及び終端4bは、それぞれガラス板1の第1端縁1aおよび第2端縁1bに位置している。ここで言う「ガラス板の端縁」とは、ガラス板1を平面視した場合(Z方向から視た場合)に、ガラス板1の外周輪郭を形成する箇所である。なお、本実施形態では、第1端縁1aおよび第2端縁1bがそれぞれガラス板1の短辺に該当する。勿論であるが、本実施形態の変形例として、第1端縁1aおよび第2端縁1bがそれぞれガラス板1の長辺に該当するものであってもよい。
切断予定線4が延びる方向(X方向)において、ガラス板1の一方側の側方には第1補助部材5が配置されており、他方側の側方には第2補助部材6が配置されている。詳細には、ガラス板1の第1端縁1aおよび第2端縁1bとそれぞれ隙間7,8を介して隣り合うように第1補助部材5および第2補助部材6が配置されている。本実施形態では、第1補助部材5および第2補助部材6が共に板で構成されている。板の材質は特に限定されるものではないが、本実施形態ではガラス板である。
ガラス板1、第1補助部材5、および第2補助部材6の厚みT1,T2,T3は同一となっている。これにより、ガラス板1と第1補助部材5との間で、ホイールカッター3が走行する走行面1s,5sの高低差がゼロとなっている。同様にして、ガラス板1と第2補助部材6との間で、ホイールカッター3の走行面1s,6sの高低差がゼロとなっている。しかしながらこの限りではなく、上記の2つの高低差はそれぞれガラス板1の厚みに対して10%以下であればよい。すなわち、ガラス板1、第1補助部材5、および第2補助部材6の厚みT1,T2,T3は異なっていてもよい。
切断予定線4が延びる方向(X方向)に沿った第1補助部材5の幅は、100mm以上とすることが好ましい。これは、第1補助部材5において、後述の距離Lを確保するためである。切断予定線4が延びる方向(X方向)に沿った第2補助部材6の幅も、100mm以上とすることが好ましい。これは、ガラス板1から第2補助部材6に乗り移ったホイールカッター3が、第2補助部材6を通過したのちに、後述の支持部材と衝突する事態を回避するためである。
ガラス板1の第1端縁1aと第1補助部材5の端縁5aとの間に形成された隙間7の幅W1は2mm以下とされている。しかしながらこの限りではなく、幅W1は2mm超であってもよい。ただし、ホイールカッター3が第1補助部材5からガラス板1に乗り移る際に、ガラス板1の第1端縁1aに欠けが発生する等の可能性を抑制するため、幅W1の上限は、ホイールカッター3の直径に対して80%とすることが好ましい。
ガラス板1の第2端縁1bと第2補助部材6の端縁6bとの間に形成された隙間8の幅W2は、本実施形態において隙間7の幅W1よりも幅広とされている。しかしながらこの限りではなく、幅W2は幅W1と同一幅であってもよいし、幅W1と比較して幅狭であってもよい。
ガラス板1、第1補助部材5、および第2補助部材6の三者は、図示省略の支持部材上に配置されている。支持部材の一例としては、三者1,5,6を支持する支持面を有する定盤や、三者1,5,6を搬送する搬送面を有するコンベア等を用いることが可能である。定盤やコンベアは、三者1,5,6を支持面あるいは搬送面に吸着して固定するための機構を備えている。そして、スクライブ工程P1の実行中には、三者1,5,6の相対的な位置関係が変化することを抑制する目的のため、三者1,5,6を定盤の支持面やコンベアの搬送面に吸着して固定する。なお、三者1,5,6と支持面又は搬送面との間には保護シート(例えばPFS、合紙等)を介在させることが好ましい。
ここで、上記の隙間7の幅W1および隙間8の幅W2を調節する形態の一例としては、例えば目視により第1補助部材5、および第2補助部材6の位置を調節する、ガラス板1の第1端縁1a及び第2端縁1bに、厚みW1及びW2、幅がガラス板1の厚みT1よりも僅かに広い幅のゴムバンドを当接させ、その後第1補助部材5、および第2補助部材6をゴムバンドに当接させることで幅W1および幅W2を調節する形態が挙げられる。
以下、図4及び図5に基づいてスクライブ工程P1の実行に用いるスクライブユニット9について説明する。
図4及び図5に示すように、スクライブユニット9は、ホイールカッター3と、ガラス板1の厚み方向(Z方向)に沿って延びる軸部10(図5では軸線10aのみを図示)と、軸部10の軸線10aを中心として揺動が可能な状態でホイールカッター3を保持するホルダー11とを備えている。
ホイールカッター3は回転軸3aを備え、回転軸3aはホルダー11に支持されている。ホイールカッター3の径は、一例として2.5mm~6mmである。また、ホイールカッター3の刃先角は、一例として25°~80°である。ホルダー11は、軸部10の軸線10aを中心として揺動することで、ホルダー11と共にホイールカッター3を揺動させる。ここで、一例として平面視で±30°の範囲内でホイールカッター3が揺動する(θ=30°)。ホイールカッター3の回転軸3aは、軸部10の軸線10aから軸径方向にオフセットして位置している。なお、オフセット量Gは、一例として1mm~10mmである。
本スクライブユニット9では、ホイールカッター3が走行を開始した直後の時点においては、ホイールカッター3が蛇行しやすい状態となる。しかし、走行の開始後にホイールカッター3が所定の距離(おおよそ1mm以上)を走行し終えると、ホイールカッター3は真っ直ぐに走行する状態となる。
本スクライブユニット9は、ホルダー11、及び、ホルダー11に保持されたホイールカッター3を上下方向に移動させるためのシリンダー機構(詳細は図示省略)を更に備えている。
シリンダー機構の稼働によりホルダー11が下方に移動しようとすると、ホイールカッター3により、第1補助部材5、ガラス板1、および第2補助部材6のそれぞれの走行面5s,1s,6sを押圧することが可能である。一方、シリンダー機構の稼働によりホルダー11が上方に移動すると、ホイールカッター3は、第2補助部材6の走行面6sから上方に離反することが可能である。
以下、既述の説明を踏まえ、図1~図3に基づいてスクライブ工程P1を実行する際の具体的な流れを時系列の順で説明する。
スクライブ工程P1では、まず、第1補助部材5上からガラス板1側に向かってホイールカッター3の走行を開始させる(図1及び図2に実線で示した位置から走行開始)。第1補助部材5上を走行中のホイールカッター3は、第1補助部材5の走行面5sを押圧しながら走行する。次に、ホイールカッター3が第1補助部材5の端縁5aまで到達すると、隙間7を通過させて第1補助部材5の端縁5aからガラス板1の第1端縁1aにホイールカッター3を乗り移らせる。なお、本実施形態では第1補助部材5がガラス板であるため、ホイールカッター3の走行に伴って第1補助部材5の走行面5sにはスクライブ線2aが形成される。
ここで、第1補助部材5の端縁5aからガラス板1の第1端縁1aに乗り移る前に、ホイールカッター3が第1補助部材5上を走行する距離Lは50mm以上とする。これは、50mm以上の距離を走行させることで、ホイールカッター3を蛇行しやすい状態から真っ直ぐ走行する状態に切り替えてから、ガラス板1の第1端縁1aに乗り移らせるためである。
次に、ガラス板1の第1端縁1aから第2端縁1bまでホイールカッター3を移動させることにより、切断予定線4の始端4aから終端4bまでの全長(第1端縁1aから第2端縁1bまでの全長)に対して真っ直ぐにスクライブ線2を形成する。このとき、ホイールカッター3によりガラス板1の走行面1sを押圧しながらスクライブ線2を形成していく。次に、ホイールカッター3がガラス板1の第2端縁1bに到達すると、隙間8を通過させて第2端縁1bから第2補助部材6の端縁6bにホイールカッター3を乗り移らせる。
最後に、ホイールカッター3を、第2補助部材6上から上方に移動させることで、当該第2補助部材6の走行面6sから離反させる(図1に離反したホイールカッター3を二点鎖線で表示)。なお、本実施形態では第2補助部材6がガラス板であるため、ホイールカッター3の走行に伴って第2補助部材6の走行面6sにはスクライブ線2bが形成される。以上によりスクライブ工程P1が完了する。
スクライブ工程P1の完了後には、スクライブ線2が形成されたガラス板1を、当該スクライブ線2に沿って折割って切断する。これにより、ガラス板1から後に製品ガラス板となる部位1xが切り出される。このとき、ガラス板1の切断予定線4の全長に対して確実かつ真っ直ぐにスクライブ線2が形成されているため、切断予定線4の全長を所望のとおりに(切断予定線4から逸れることなく)切断することが可能となる。その結果、後に製品ガラス板となる部位1xの形状の悪化が阻止され、製品ガラス板の品質を向上させることができる。このとおり、本製造方法では、いわゆる捨て切り(ガラス板1の外周端部を含んだ部位を製品ガラス板とせずに廃棄)が不要となる。
<第二実施形態>
第二実施形態については上記の第一実施形態との相違点のみを説明し、第一実施形態で説明済みの要素と実質的に同一の要素については同一の符号を付すことで重複する説明を省略する。
図6及び図7に示すように、本実施形態では、スクライブ工程P1でスクライブ線2を形成する対象となるガラス板1が複数枚(ここでは三枚)となっている。以下、三枚のガラス板1をそれぞれガラス板12,13,14と表記して区別する場合がある。なお、本実施形態では、ガラス板1の枚数が三枚となっているが、枚数は二枚あるいは四枚以上であってもよい。
三枚のガラス板1について、隣り合う二枚のガラス板1の相互間(ガラス板12とガラス板13との相互間、及び、ガラス板13とガラス板14との相互間)には、それぞれ隙間15が形成されている。各隙間15の幅は、上記の隙間7の幅W1と同様にして設定されることが好ましい。
スクライブ工程P1では、ホイールカッター3を第1補助部材5からガラス板12、ガラス板12からガラス板13、ガラス板13からガラス板14、ガラス板14から第2補助部材6へと順番に乗り移らせながらスクライブ線2を形成する。隣り合う二枚のガラス板1の間をホイールカッター3が乗り移る際には、隙間15の通過に伴って上流側のガラス板1の第2端縁1bから下流側のガラス板1の第1端縁1aに乗り移る。
本実施形態では、ガラス板13がガラス板12にとっての第2補助部材として機能する。また、ガラス板12およびガラス板14がガラス板13にとっての第1補助部材および第2補助部材としてそれぞれ機能する。さらに、ガラス板13がガラス板14にとっての第1補助部材として機能する。
1 ガラス板
1a ガラス板の第1端縁
1b ガラス板の第2端縁
2 スクライブ線
3 ホイールカッター
3a ホイールカッターの回転軸
4 切断予定線
4a 切断予定線の始端
4b 切断予定線の終端
5 第1補助部材
5s 第1補助部材の走行面
6 第2補助部材
6s 第2補助部材の走行面
7 隙間
8 隙間
9 スクライブユニット
10 軸部
10a 軸部の軸線
11 ホルダー
12 ガラス板
13 ガラス板
14 ガラス板
15 隙間
G オフセット量
L 距離
P1 スクライブ工程
T1 ガラス板の厚み
T2 第1補助部材の厚み
T3 第2補助部材の厚み

Claims (8)

  1. ガラス板上をホイールカッターに走行させることで、前記ガラス板の切断予定線に沿ってスクライブ線を形成するスクライブ工程を備えたガラス板の製造方法であって、
    前記切断予定線の始端が位置した前記ガラス板の端縁を第1端縁とし、且つ、前記切断予定線の終端が位置した前記ガラス板の端縁を第2端縁として、前記第1端縁および前記第2端縁とそれぞれ隙間を介して隣り合う第1補助部材および第2補助部材を配置し、
    前記スクライブ工程では、前記第1補助部材から前記第1端縁に乗り移ったのち、前記第1端縁から前記第2端縁まで移動しながら前記スクライブ線を形成し、その後に前記第2端縁から前記第2補助部材に乗り移るように、前記ホイールカッターを走行させることを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記第1端縁と前記第1補助部材との間の隙間を2mm以下にしたことを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記ガラス板と前記第1補助部材との間における前記ホイールカッターの走行面の高低差、及び、前記ガラス板と前記第2補助部材との間における前記ホイールカッターの走行面の高低差を、それぞれ前記ガラス板の厚みに対して10%以下にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ガラス板、前記第1補助部材、および前記第2補助部材の厚みを同一にしたことを特徴とする請求項3に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記第1端縁から前記第2端縁まで前記スクライブ線を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記ホイールカッターと、前記ガラス板の厚み方向に沿って延びる軸部と、前記軸部の軸線を中心として揺動が可能な状態で前記ホイールカッターを保持するホルダーと、を備えたスクライブユニットを用いると共に、
    前記ホイールカッターの回転軸を、前記軸部の軸線から軸径方向にオフセットさせて位置させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記ホイールカッターが前記第1補助部材上を走行する距離を5mm以上にしたことを特徴とする請求項6に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記第2端縁から前記第2補助部材に乗り移らせた前記ホイールカッターを、前記第2補助部材から離反する方向に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
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