JP2024014586A - 塩化ビニル樹脂組成物、それを用いた電線およびケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼時の塩化水素ガス発生を高度に抑制しながら、電線やケーブルの被覆材料に要求される高い耐油性と電気特性を兼ね備えた塩化ビニル樹脂組成物を提供する。【解決手段】重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物、それを用いた電線およびケーブルに関する。
塩化ビニル樹脂は安価であり、生産量も多く、モノマーである塩化ビニル(クロロエチレン)の重合度や可塑剤の調整により硬質から軟質まで広い範囲での物性制御が可能である。このことから、配管・パイプ部材や建設資材、自動車用部材、接着剤、各種フィルム、壁紙やレザーの表層材、チューブ、電線やケーブルの被覆材など産業用樹脂材料として汎用的に使用されている。
電線やケーブルの被覆材においても、経済性はもとより高い電気絶縁性、難燃性、耐薬品性、耐水性、着色性といった多くの塩化ビニル樹脂の特長を生かして、古くから絶縁体やシース(外層)のベース材料として幅広い用途に適用されている。このような被覆材として、重要な物性の一つに柔軟性を挙げることができ、塩化ビニル樹脂には比較的多量の可塑剤を添加することで所望の柔らかさを付与している。
このような被覆材に適用される塩化ビニル樹脂として、例えば、可塑剤として、トリメリット酸エステルとフタル酸エステルとを所定の割合で混合した塩化ビニル樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、環境への配慮が求められるようになり、塩化ビニル樹脂用可塑剤として広く使用されているフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)をはじめとするフタル酸系エステル類は発がん性や生殖毒性などヒトへの悪影響が懸念され、欧州REACH規則においても規制対象とする化合物の種類や使用用途を拡大する傾向にある。また、塩化ビニル樹脂は燃焼時に有毒な塩化水素ガスを発生するため、電線やケーブルではその用途に応じて塩化水素ガスの発生量が規定されている。
このような流れをうけて、フタル酸系エステルを代替する塩化ビニル樹脂用可塑剤や各種添加材の適用が検討されており、環境への影響を抑制する取り組みが継続して進められてきている。
特開2013-129776号公報
環境への影響を抑制するために、特に、燃焼時の塩化水素ガス発生を抑制する取り組みにおいては、微細な無機充填剤を多量に添加する方法などが報告されている。しかしながら、電線やケーブルへの適用においては、塩化水素ガス発生を高度に抑制することに加えて、被覆材料としての様々な要求特性をも満たす必要があり、無機充填剤を多量に配合すると、中でも耐油性や電気特性の低下が問題となりやすいことが分かった。
本発明の目的は、燃焼時の塩化水素ガス発生を高度に抑制しながら、電線やケーブルの被覆材料に要求される高い耐油性と電気特性を兼ね備えた塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む。
本発明の電線は、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、を備える電線であって、前記絶縁層が、重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物から構成される。
本発明のケーブルは、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、前記絶縁層の周囲に被覆される被覆層と、を備えるケーブルであって、前記被覆層が、重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物から構成される。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物により、燃焼時の塩化水素ガス発生を高度に抑制しながら、電線やケーブルの被覆材料に要求される高い耐油性と電気特性を兼ね備えた材料を提供できる。
本発明の電線およびケーブルにより、燃焼時の塩化水素ガス発生を高度に抑制しながら、高い耐油性と電気特性を兼ね備えたものとできる。
本発明の一実施の形態である、電線の断面模式図である。 本発明の一実施の形態である、ケーブルの断面模式図である。 実施例で用いた、ケーブル製造(押出)工程を実施する押出機の概略構成を示した図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
<塩化ビニル樹脂組成物>
本実施の形態の塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、安定剤と、を必須成分として含有する。以下、各成分について詳細に説明する。
(塩化ビニル樹脂)
ここで用いられる塩化ビニル樹脂は、この種の樹脂に用いられる公知の塩化ビニル樹脂であって、単量体である塩化ビニル(CH=CHCl)が重合したポリマである。本実施の形態においては、その数平均重合度として1300以上のものを用いる。なお、数平均重合度は、JIS K 6720-2に規定する方法で算出される。
一般に、電線被覆用のコンパウンドは、ニーダやバンバリーミキサー、押出機などにより混練し、電線やケーブルとする際にはこれを押出機にて導体または電線の周囲に押出して被覆成形される。このとき、塩化ビニル樹脂の数平均重合度を1300以上とすることで、上記した混練や被覆成形の作業を問題なく実施することが可能となる。この数平均重合度が1300よりも小さくなると、材料粘度が下がり、添加材の分散性の低下や装置への粘着物が増加するなど加工性が低下し、電線やケーブルの製造操作ができないという不具合が生じやすくなる。
塩化ビニル樹脂の数平均重合度を1700以上2500以下にすることで適度な材料粘度を付与することができ、混練加工性に優れる塩化ビニル樹脂組成物とすることができる。
(可塑剤)
ここで用いられる可塑剤は、塩化ビニル樹脂組成物に柔軟性を付与し、加工をしやすくするための成分である。本実施形態においては、可塑剤として、トリメリット酸エステルとピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を併用する。
トリメリット酸エステルとピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含むことで、環境懸念のあるフタル酸系エステルの使用を回避できるとともに、電気絶縁性や耐熱老化性が向上できることから電線被覆用として特に有用である。
トリメリット酸エステルとしては、例えば、トリメリット酸トリス-2-エチルヘキシルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸混合直鎖アルキルエステルが挙げられ、ピロメリット酸エステルとしては、例えば、ピロメリット酸-2-エチルヘキシルエステル、ピロメリット酸混合直鎖アルキルエステルが挙げられ、これらを混合してもよい。
なお、トリメリット酸エステルとしてトリメリット酸トリス-2-エチルヘキシルエステル(TOTM)を用いることで、可塑剤としてフタル酸系エステルを汎用の非フタル酸系エステルに代替することができ、特に経済的に有効である。
また、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤(非フタル酸系)を含むことで、樹脂組成物の燃焼時の塩化水素ガス発生量の抑制効果と耐油特性、電気絶縁性を高いレベルで付与できるものである。このポリエステル系可塑剤の粘度は、1000~5000mPa・sが好ましく、1500~3500mPa・sがより好ましい。
ポリエステル系可塑剤は25℃での粘度が100~10000mPa・s程度までの幅広い種類がある可塑剤であって、高粘度であるほど耐油性が向上することが知られている。ただし、他の可塑剤と比べて電気絶縁性が十分ではなく、過剰量の添加には注意が必要であるため、この成分は粘度と添加量のバランスの見極めが重要となる。このポリエステル系可塑剤(非フタル酸系)としては、アジピン酸系、セバシン酸系、芳香族系などの適用が可能であって、特にアジピン酸系が有用である。
ここで、上記トリメリット酸エステルとピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含む可塑剤としては、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、35~58質量部配合することが好ましく、40~55質量部配合することがより好ましく、40~50質量部配合することがさらに好ましい。
上記ポリエステル系可塑剤としては、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、5質量部以上30質量部未満添加することが好ましく、10質量部以上20質量部以下配合することがより好ましい。
ポリエステル系可塑剤の含有量を上記範囲とすることにより、樹脂組成物の燃焼時における塩化水素ガス発生量を抑制し、高い耐油性と電気特性を兼ね備えた樹脂組成物とできる。特に、ポリエステル系可塑剤の配合量を10質量部以上20質量部以下とすることで、燃焼時の塩化水素ガス発生量を80mg/g以下、かつ、IRM902号油に85℃、4h浸漬後の引張伸び残率を70%以上と極めて高いレベルで両立しながら、電気特性をも兼ね備えた塩化ビニル樹脂組成物を得ることができる。
(安定剤)
ここで用いられる安定剤は、主として、樹脂組成物の燃焼時に塩化水素ガスの発生量を抑制するためのものである。本実施形態においては、安定剤として錫酸亜鉛またはホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを併用するものである。
錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を配合することにより、樹脂組成物の燃焼中に、材料全体を覆う殻(チャー)を生成し、塩化水素ガスが系外に排出されるのを防ぐことができる。これらの配合量としては、塩化水素ガス発生量の抑制と耐油性のバランスから、塩化ビニル樹脂100質量部に対して10~20質量部程度が好ましい。なお、ヒドロキシ錫酸亜鉛のように水酸基を多く含むものは電気絶縁性が低下しやすいため、電線被覆材用途としては配合を避けることが好ましい。
また、表面処理された炭酸カルシウムを添加することで、燃焼時に発生した塩化水素ガスを効率よく捕捉できる。この炭酸カルシウムとしては、その粒子径が0.5~1.5μmが好ましく、特に、粒子径が1.0μm以下程度の微粒子炭酸カルシウムを用いることが有効で、燃焼時に発生した塩化水素ガスを効率よく捕捉できる。なお、ここで粒子径は、空気透過法によって求めた比表面積から下記式により計算された平均粒子径のことである(炭酸カルシウムの密度は2.71g/cm)。
平均粒子径[μm]=6/(比表面積[m/g]×密度[g/cm])
ただし、粒子が小さい(比表面積が大きい)と炭酸カルシウム粒子間にて凝集しやすくなり塩化水素ガス捕捉能や耐油性の低下につながることから、表面処理することによりこれらの特性低下を抑制している。
この炭酸カルシウムは、例えば脂肪酸により表面処理されたものが挙げられる。ここで用いる脂肪酸としては、飽和または不飽和の中鎖(炭素数6~12)、長鎖脂肪酸(炭素数13以上)であって、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、パルチミン酸、ミリスチン酸、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられ、これらとアルコールを反応させた脂肪酸エステルとしてもよい。また、脂肪酸以外(例えば、シランカップリング剤)の表面処理剤でも凝集防止効果が得られるのであれば適用可能である。
この炭酸カルシウムの配合量としては、塩化ビニル樹脂100質量部に対して45~75質量部が好ましく、50~70質量部がより好ましい。75質量部を超えると耐油性が著しく低下するおそれがあり、45質量部未満であると塩化水素ガスの捕捉能が十分に得られないおそれがある。
(添加剤)
本実施の形態の塩化ビニル樹脂組成物には、その他、本発明の効果を阻害しない範囲で各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、絶縁性向上剤、難燃剤や、その他添加剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が好適であり、フェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](CAS No.6683-19-8)、2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](CAS No.41484-35-9)、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸(CAS No.2082-79-3)、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸(CAS No.125643-61-0)、2,4-ビス[(ドデシルチオ)メチル]-6-メチルフェノール(CAS No.110675-26-8)、3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジイル=ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオナート](CAS No.36443-68-2)、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(CAS No.27676-62-6)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン(CAS No.1843-03-4)、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)(CAS No.85-60-9)、3-(4’-ヒドロキシ-3’、5’-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸-n-オクタデシル(CAS No.2082-79-3)、2,2’-ジメチル-2,2’-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ジプロパン-1,1’-ジイル=ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノアート](CAS No.90498-90-1)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-’4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン(CAS No.1709-70-2)、4,4’,4’’,4’’’-メタンテトライルテトラフェノール(CAS No.53184-78-4)、N,N’-(1,3-プロパンジイル)ビス[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド](CAS No.69851-61-2)、N,N’-ビス3-(3’5’ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン(CAS No.23128-74-7)、2-メチル-4,6-ビス[(n-オクチルチオ)メチル]フェノール(CAS No.110553-27-0)、イソシアヌル酸トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)(CAS No.40601-76-1)、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](CAS No.36443-68-2)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS No.128-37-0)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-N’-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノイル]プロパンヒドラジド(CAS No.32687-78-8)、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド(CAS No.70331-94-1)、の化合物を挙げることができ、さらに硫黄含有化合物としてペンタエリスリトールテトラキス[3-(ドデシルチオ)プロピオン酸](CAS No.29598-76-3)、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル(CAS No.10595-72-9)等の化合物を併用することで優れた酸化防止機能を発現することもできる。
アミン系酸化防止剤としては、ポリ(1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン)(CAS No.26780-96-1)、エトキシキン(CAS No.91-53-2)、ジフェニルアミンとアセトンの反応物(CAS No.68412-48-6)、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-1,4-フェニレンジアミン(CAS No.793-24-8)、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン(CAS No.101-72-4)、N,N’-ジ-2-ナフチル-1,4-フェニレンジアミン(CAS No.93-46-9)、4’-アニリノトルエン-4-スルホンアニリド(CAS No.100-93-6)、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CAS No.10081-67-1)、ジ(4-オクチルフェニル)アミン(CAS No.101-67-7)、N-フェニル-1-ナフチルアミン(CAS No.90-30-2)、の化合物を挙げることができ、特にフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が有用である。これらは、単独での使用、2種類以上の併用や混合物、樹脂と混合したマスターバッチなどその添加方法に制限を受けない。
絶縁性向上剤としてはクレー含有化合物である水沢化学工業製のインシュライトLHMシリーズを挙げることができる。
難燃剤としては塩化ビニル樹脂が含有するハロゲン元素との併用による難燃性向上作用が期待できる酸化アンチモンが好適である。具体的には酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンを挙げることができ、特に三酸化アンチモンが有用である。
電線被覆材としての機能を発現させるために、その他添加剤として滑剤、界面活性剤、無機・有機フィラー、補強材、充填剤、架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、相溶化剤、銅害劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを用いてもよい。
(塩化ビニル樹脂組成物の調製)
塩化ビニル樹脂組成物は、上記説明した各成分を混合して溶融混練させることで調製することができる。混練は、例えばバンバリーミキサーや加圧ニーダなどのバッチ式混練機、二軸押出機などの連続式混練機などの公知の混練装置を用いて行うことができる。
上記のようにして得られる塩化ビニル樹脂組成物は、JCS 7397-4で規定される塩化水素ガス発生量が85mg/g以下、IRM902号油に85℃、4時間浸漬後の引張伸び残率が65%以上、60℃雰囲気での体積抵抗率が2.0×1012Ω・cm以上の特性が付与された塩化ビニル樹脂組成物とでき、このような樹脂組成物とすることで、塩化水素ガス発生量の抑制と耐油性を高いレベルで達成しながら電気特性に優れる電線被覆材の提供が可能となる。
<電線>
本実施の形態における電線は、上記塩化ビニル樹脂組成物から構成される絶縁層を有する。この電線としては、例えば、図1に示すように、導体2の外周を、絶縁層3で被覆した電線1が例示でき、このとき、絶縁層3は、上記説明した塩化ビニル樹脂組成物で構成されている。
ここで、導体2は、通常用いられる金属線であればよく、例えば、銅線、銅合金線、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、導体2として、金属線の周囲にニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、導体2として、金属線を撚り合わせた撚り導体を用いることもできる。
図3は、本実施の形態における電線を作製する押出機の一例として、その概略構成を示した図である。図3に示すように、押出機11は、シリンダ20と、シリンダ20内に軸回転可能に設けられたスクリュ13と、シリンダ20内に材料を供給するホッパ12とクロスヘッド16とを備えている。また、押出機11は、クロスヘッド16とスクリュ13との間のネック15と、ネック15とスクリュ13との間のブレーカプレート14とを備えている。クロスヘッド16は、ダイス17を有しており、クロスヘッド16内を通過する導体18(導体2)が、クロスヘッド16内にて絶縁層により被覆され、ダイス17を通過して電線19(電線1)としてクロスヘッド16内から引き出される。
<ケーブル>
また、図1に示す電線1を単数でまたは複数本束ねて、ケーブルとすることもできる。このケーブルとしては、例えば、図2に示すように、導体2の外周を、絶縁層3で被覆した電線の外周を、さらに被覆層(シース)4で被覆したケーブル10が例示できる。
このケーブル10においては、絶縁層3は、通常電線の絶縁層として用いられる絶縁材料から構成されていればよく、例えば、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、架橋ポリエチレン、天然ゴム・合成ゴム等が挙げられる。また、この絶縁層3として、上記説明した塩化ビニル樹脂組成物で構成してもよい。
被覆層(シース)4は、上記説明した塩化ビニル樹脂組成物で構成されている。このとき、電線の複数本を束ねる場合、介在とともに束ね、その外周に押え巻きテープを施して、最外層に被覆層(シース)4を形成すればよい。
このケーブルの製造方法としては、上記電線の製造方法において導体2を電線1に替えて、同様の手法により、押出機を用いて、電線1の外周に上記説明した塩化ビニル樹脂組成物で被覆することにより被覆層(シース)を形成することでケーブル10を製造できる。
次に、本実施の形態について、実施例および比較例を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1~6、比較例1~5)
塩化ビニル樹脂と各種添加材の混練、塩化ビニル樹脂組成物の特性評価用シートの作製、塩化ビニル樹脂組成物を用いた電線やケーブルの作製は以下のとおりに実施した。なお、以下の条件は一例であり、何ら限定されるものではない。
[塩化ビニル樹脂と各種添加剤の混練]
SUS製容器に、表2および表3に示した配合となるように、塩化ビニル樹脂および各種添加剤を全て秤量し、可塑剤が十分に含浸されるまで(全体が乾いた状態となるまで)室温放置した。SUS製容器内の材料を撹拌し、ロール表面温度175℃に加熱した6インチ径の二軸ロール機に投入、ロール間ギャップ約1mmで5分間混練することで塩化ビニル樹脂組成物を作製した。
[特性評価用シートの作製]
プレス成型機を用いて、180℃、5分の条件で加熱・加圧することで、混練後の塩化ビニル樹脂組成物を1mmの厚さに成形し、特性評価用のシートを得た。
[電線の作製]
65mm単軸押出機を用いて電線を作製した。押出機の設定条件は表1に示した通りである。スズめっき軟銅線を複数本撚り合わせた導体断面積1.25mmの導体上に、絶縁体として塩化ビニル樹脂組成物を厚さ0.78mmで押出被覆した。
上記の混練を達成するためには、ロール機以外でも押出機やニーダ、ミキサー、オートクレーブなど一般に使用される混練装置であれば特に限定されることなく、これらの混練条件についても何ら上記に限定されるものではない。同様に電線の作製についても一例であり、電線(導体に絶縁体が被覆したもの)の上に押出被覆を行うことでケーブル形状としてもよく、これらの押出条件、導体・絶縁体の材料、電線・ケーブルの構造については何ら上記に限定されるものではない。
Figure 2024014586000001
Figure 2024014586000002
Figure 2024014586000003
なお、表2および表3で使用した材料は、以下の通りである。
*1:TH-1000(軟質用)(大洋塩ビ社製)、*2:TH-1300(大洋塩ビ社製)、*3:TH-1700(大洋塩ビ社製)、*4:TH-2500(大洋塩ビ社製)、*5:トリメックスT-08(花王社製)、*6:アデカイザーPN170(粘度800mPa・s(25℃))(ADEKA社製)、*7::アデカイザーPN1020(粘度2000mPa・s(25℃))(ADEKA社製)、*8:アデカイザーPN1030(粘度3000mPa・s(25℃))(ADEKA社製)、*9:イルガノックス1010(BASF社製)、*10:三酸化アンチモン(Twinling Star社製)、*11:インシュライトLHM-103HP(水澤化学社製)、*12:脂肪酸カルシウムおよび脂肪酸亜鉛混合物、*13:アルカネックスZS(水澤化学社製)、*14:アルカネックスZHS(水澤化学社製)、*15:ライトン32X(備北粉化工業社製)
[特性]
塩化ビニル樹脂組成物の燃焼時のガス発生量、引張特性、耐油特性、電気特性は上記特性評価用シートを用いて以下の通りに行った。得られた結果は、表2および表3に示した。
[塩化水素ガス発生量]
JCS 7397-4に規定された塩化水素ガス発生量試験を行った。約1mm角に切断したシート片0.5gを加熱管に入れて800℃、30分の条件で燃焼した際に発生する塩化水素ガスを次のように定量滴定した。4.4.3のJ項に従い50mLの水を張ったガス吸引管(フィルタなし)を5本連結し、発生した塩化水素ガスを捕集した。捕集後の水250mLと各吸収管を洗浄した水50mLの計300mLと滴定試薬(鉄および銀イオン試薬)、イソアミルアルコールを三角フラスコに入れて、チオシアン酸アンモニウムにて滴定を行った。チオシアン酸アンモニウムを入れて撹拌し、3秒間呈色(チオシアン酸鉄の生成により赤色に呈色)が継続したところを終点とした。試験はn=1で行い、下記式にて塩化ビニル樹脂組成物の単位量あたりの塩化水素ガス発生量を求めた。
塩化水素ガス発生量(mg/g)=3.65(B-A)×(300/50)/C
なお、式中、記号A、BおよびCは以下の通りの内容を示す。
A:塩化ビニル樹脂組成物を燃焼した際のチオシアン酸アンモニウム滴定量(mL)
B:空焼き(試料なし)した際のチオシアン酸アンモニウム滴定量(mL)
C:塩化ビニル樹脂組成物の仕込み量(g)
ここで、塩化水素ガス発生量が85mg/g以下で80mg/gを超えるものを合格(○)、85mg/gを超えるものを不合格(×)とした。また、塩化水素ガス発生量が80mg/g以下であるものを特に塩化水素ガスの発生が高度に抑制されたもの(◎)とした。
[引張特性]
テンシロン型小型引張試験機STA-1225(オリエンテック社製)を用いて、JIS K6723に記載の2号形ダンベル試験片(25mm間隔に標線を付した)の形状としたシートを200mm/minの速度で引張り、下記式にて、破断した際の標線間長さから伸びを求めた。試験はn=3で行い、その平均値を特性値とした。
伸び(%)=((破断時の標線間長さ(mm)-25)/25)×100
[耐油特性]
85℃に加熱した試験油(IRM902号油:日本サン石油製)にJIS K 6723に記載の2号形ダンベル試験片の形状としたシートを4時間浸漬した。表面に付着した試験油を拭き取って室温(23℃)で24時間保管し、上記引張試験と同様に標線を付した後に200mm/minの速度で引張り、破断した際の標線間長さから伸びを求めた。試験はn=3で行い、その平均値を特性値とし、下記式にて、耐油特性(伸び残率)を求めた。
伸び残率(%)=(試験油浸漬後の伸び(%)/引張特性で求めた伸び(%))×100
耐油特性としての伸び残率が65%以上70%未満であるものを合格(〇)、65%未満であるものを不合格(×)とした。また、伸び残率が70%以上であるものを特に優れるもの(◎)とした。
[電気特性]
60℃に設定した恒温装置内にて、直流電圧500Vをシートに印加した1分後の電流値を超高絶縁抵抗測定器R8340A(ADVANTEST社製)にて計測することで体積抵抗率を算出した。
電線被覆材への適用可能性を考慮して、体積抵抗率2.0×1012Ω・cm以上のものを合格(〇)、2.0×1012Ω・cm未満のものを不合格(×)とした。
[加工性]
また、ロール混練時の加工性を各作業の際に官能評価した。混練作業に全く問題が見られなかったもの(◎)、一部に懸念があったが作業可能であったもの(〇)、加工性が悪く作業困難(中止)であったもの(×)に分類し、◎または〇を合格、×を不合格とした。
電線作製では被覆押出時の作業不具合の有無、作製した電線表面の外観を目視確認した。
[特性の評価]
表2,3に示す材料配合で塩化ビニル樹脂組成物を作製し、上記のように得られた特性から評価を次のように行った。
燃焼時の塩化水素ガス発生量、耐油性(試験油浸漬後の伸び残率)、電気特性、混練時の加工性を判定項目として、総合的な判定として、すべての項目において合格であったものを合格、一項目でも不合格であれば不合格とした。
実施例に示した配合における電線の作製では、通常、塩化ビニル樹脂組成物を押出被覆する作業と同様に、作業性には問題が見られないことと、本実施の形態の塩化ビニル樹脂組成物が押出被覆された電線保有面の外観は平滑でありブツなどの異常も確認されなかった。
実施例から、塩化ビニル樹脂の重合度を1300以上、粘度800mPa・s(25℃)を超えるポリエステル系可塑剤の添加量を10質量部以上20質量部以下とすれば、より高度な領域で特性を満足できることがわかった。
本実施例にて使用した塩化ビニル樹脂や配合添加剤においては何ら限定されるものではない。
<最適条件についての根拠>
比較例1から、ポリエステル系可塑剤を添加しないと燃焼時の塩化水素ガス発生量が多く、要求を満足できないことがわかった。ポリエステル系可塑剤を添加したものと比べ、燃焼時に塩化ビニル樹脂の塩化水素脱離が起こりやすくなるため、系外に排出される塩化水素ガスが増えたものと考える。
また、比較例2よりポリエステル系可塑剤を30質量部まで増やすと、電気絶縁性が著しく低下し不合格となった。ポリエステル系可塑剤の粘度についても、小さすぎると耐油特性が著しく低下し不合格となった(比較例3)。
比較例4から、錫酸亜鉛の代替としてヒドロキシ錫酸亜鉛を用いると、電気絶縁性が著しく低下してしまい要求を満足できないことが示された。ヒドロキシ錫酸亜鉛がもつ水酸基は親水性であるため、大気中の水分を吸着しやすくなり電気絶縁性が下がったものと推測される。
比較例5から、重合度が1000の塩化ビニル樹脂をベース材に用いると、塩化ビニル樹脂組成物の粘度が低く、配合添加剤を十分に混練(分散)させることが困難となってしまい、特性評価用シートや電線の作製を行うことができなかった。
上記結果より、燃焼時の塩化水素ガス発生を高度に抑制しながら、電線やケーブルの被覆材料に要求される高い耐油性と電気特性を兼ね備えた材料が、ベースとなる塩化ビニル樹脂の重合度、可塑剤の種類、ポリエステル系可塑剤の分子量と添加量、錫酸亜鉛またはホウ酸亜鉛の添加、表面処理された炭酸カルシウムの添加、などを調整し、最適化することで得られることがわかった。
本実施の形態により、環境性に配慮しながらも、電線やケーブルの被覆材に要求される高度な特性を満足できる塩化ビニル樹脂組成物を得ることができることがわかった。この塩化ビニル樹脂組成物によれば、燃焼時の塩化水素ガス発生量を大幅に低減でき、さらに極めて高い耐油特性を発現できることから、特に、燃焼・発煙に対する安全性が強く要求される用途や、機械油などへの接触可能性の高い用途に好適と言える。電線被覆材への用途を見据えた材料ではあるものの、同様の要求がある他の製品用途への幅広い展開も可能である。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 電線
2 導体
3 絶縁層
4 被覆層(シース)
10 ケーブル
11 押出機
12 ホッパ
13 スクリュ
14 ブレーカプレート
15 ネック
16 クロスヘッド
17 ダイス
18 導体
19 電線
20 シリンダ

Claims (9)

  1. 重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、
    トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、
    錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、
    前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    前記トリメリット酸エステルが、トリメリットトリス-2-エチルヘキシルエステルである、塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    前記ポリエステル系可塑剤の含有量が、10質量部以上20質量部以下である、塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    前記塩化ビニル樹脂の重合度は、1700以上2500以下である、塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    さらに、酸化防止剤としてフェノール系化合物、絶縁性向上剤としてクレー含有化合物および難燃剤として酸化アンチモン化合物を含む、塩化ビニル樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    前記塩化ビニル樹脂組成物の、JCS 7397-4で規定される塩化水素ガス発生量が85mg/g以下、IRM902号油に85℃で4時間浸漬後の引張伸び残率が65%以上、60℃雰囲気での体積抵抗率が2.0×1012Ω・cm以上の特性を有する、塩化ビニル樹脂組成物。
  7. 請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物において、
    電線またはケーブルの被覆用である、塩化ビニル樹脂組成物。
  8. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、を備える電線であって、
    前記絶縁層が、重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物から構成される、電線。
  9. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層と、前記絶縁層の周囲に被覆される被覆層と、を備えるケーブルであって、
    前記被覆層が、重合度が1300以上である塩化ビニル樹脂と、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの少なくとも一方を含み、かつ、25℃における粘度が800mPa・sよりも大きいポリエステル系可塑剤を含む可塑剤と、錫酸亜鉛およびホウ酸亜鉛の少なくとも一方を含み、かつ、表面処理された炭酸カルシウムを含む安定剤と、を含有し、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記ポリエステル系可塑剤を5質量部以上30質量部未満含む、塩化ビニル樹脂組成物から構成される、ケーブル。
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