JP2024013791A - 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置 - Google Patents

電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024013791A
JP2024013791A JP2022116152A JP2022116152A JP2024013791A JP 2024013791 A JP2024013791 A JP 2024013791A JP 2022116152 A JP2022116152 A JP 2022116152A JP 2022116152 A JP2022116152 A JP 2022116152A JP 2024013791 A JP2024013791 A JP 2024013791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive member
cell
region
electrochemical cell
module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022116152A
Other languages
English (en)
Inventor
昌彦 東
Masahiko Azuma
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2022116152A priority Critical patent/JP2024013791A/ja
Publication of JP2024013791A publication Critical patent/JP2024013791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】耐久性が高い電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置を提供する。【解決手段】電気化学セル装置は、セルスタックと、導電部材とを備える。セルスタックは、第1方向に並ぶ複数の素子部を有する。導電部材は、複数の素子部の間にそれぞれ位置する。セルスタックは、第1方向の中央部に位置する第1領域と、第1方向の端部に位置する第2領域とを有する。第1領域に位置する導電部材は、第1部位と、第1部位よりも抵抗率が小さい第2部位とを有する。第2領域に位置する導電部材は、第2部位よりも抵抗率が大きい。【選択図】図3

Description

本開示は、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルを複数有する燃料電池セルスタック装置が種々提案されている。燃料電池セルは、水素含有ガス等の燃料ガスと空気等の酸素含有ガスとを用いて電力を得ることができる電気化学セルの一種である。
特開2021-180164号公報 特開2015-220022号公報
しかしながら、従来の燃料電池セルスタック装置では、たとえば、発電時の温度にばらつきが生じる場合があり、耐久性に改善の余地があった。
実施形態の一態様は、耐久性が高い電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る電気化学セル装置は、セルスタックと、導電部材とを備える。セルスタックは、第1方向に並ぶ複数の素子部を有する。導電部材は、前記複数の素子部の間にそれぞれ位置する。前記セルスタックは、前記第1方向の中央部に位置する第1領域と、前記第1方向の端部に位置する第2領域とを有する。前記第1領域に位置する前記導電部材は、第1部位と、前記第1部位よりも抵抗率が小さい第2部位とを有する。前記第2領域に位置する前記導電部材は、前記第2部位よりも抵抗率が大きい。
また、実施形態の一態様に係る電気化学セル装置は、セルスタックと、導電部材とを備える。セルスタックは、第1方向に並ぶ複数の素子部を有する。導電部材は、前記複数の素子部の間にそれぞれ位置する。前記セルスタックは、前記第1方向の中央部に位置する第1領域と、前記第1方向の端部に位置する第2領域とを有する。前記第1領域に位置する前記導電部材は、第1部材と、前記第1部材よりも抵抗率が小さい第2部材とを有する。前記第2領域に位置する前記導電部材は、前記第2部材よりも抵抗率が大きい。
また、本開示のモジュールは、上記に記載の電気化学セル装置と、前記電気化学セル装置を収納する収納容器とを備える。
また、本開示のモジュール収容装置は、上記に記載のモジュールと、前記モジュールの運転を行うための補機と、前記モジュールおよび前記補機を収容する外装ケースとを備える。
実施形態の一態様によれば、耐久性が高い電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置が提供可能となる。
図1Aは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を示す横断面図である。 図1Bは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例を空気極側からみた側面図である。 図1Cは、第1の実施形態に係る電気化学セルの一例をインターコネクタ側からみた側面図である。 図2Aは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図である。 図2Bは、図2Aに示すX-X線の断面図である。 図2Cは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す上面図である。 図3は、電気化学セル装置における温度分布の一例を示す断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る電気化学セル装置を拡大した断面図である。 図5は、第1の実施形態に係る導電部材の一例を示す横断面図である。 図6は、図4に示すA-A線に沿った断面図である。 図7Aは、第1の実施形態に係る導電部材の一例を示す断面図である。 図7Bは、第1の実施形態に係る導電部材の別の一例を示す断面図である。 図7Cは、第1の実施形態に係る導電部材の別の一例を示す断面図である。 図7Dは、第1の実施形態に係る導電部材の別の一例を示す断面図である。 図8は、第1の実施形態に係るモジュールの一例を示す外観斜視図である。 図9は、第1の実施形態に係るモジュール収容装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。 図10は、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の別の一例を示す断面図である。 図11は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図である。 図12は、平板型の電気化学セル装置における温度分布の一例を示す断面図である。 図13は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す断面図である。 図14は、図13に示す第1領域R1の一例を示す断面図である。 図15は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の別の一例を示す断面図である。 図16Aは、第3の実施形態に係る電気化学セル装置を構成する電気化学セルの一例を示す横断面図である。 図16Bは、第3の実施形態に係る電気化学セルの他の一例を示す横断面図である。 図16Cは、第3の実施形態に係る電気化学セルの他の一例を示す横断面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの開示が限定されるものではない。
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係、比率などが異なる部分が含まれている場合がある。
[第1の実施形態]
<電気化学セル>
まず、図1A~図1Cを参照しながら、第1の実施形態に係る電気化学セル装置を構成する電気化学セルとして、固体酸化物形の燃料電池セルの例を用いて説明する。電気化学セル装置は、複数の電気化学セルを有するセルスタックを備えていてもよい。複数の電気化学セルを有する電気化学セル装置を、単にセルスタック装置と称する。
図1Aは、実施形態に係る電気化学セルの一例を示す横断面図であり、図1Bは、実施形態に係る電気化学セルの一例を空気極側からみた側面図であり、図1Cは、実施形態に係る電気化学セルの一例をインターコネクタ側からみた側面図である。なお、図1A~図1Cは、電気化学セルの各構成の一部を拡大して示している。以下、電気化学セルを単にセルという場合もある。
図1A~図1Cに示す例において、セル1は中空平板型で、細長い板状である。図1Bに示すように、セル1の全体を側面から見た形状は、たとえば、長さ方向Lの辺の長さが5cm~50cmで、この長さ方向Lに直交する幅方向Wの長さが、たとえば1cm~10cmの長方形である。このセル1の全体の厚み方向Tの厚さは、たとえば1mm~5mmである。
図1Aに示すように、セル1は、導電性の支持基板2と、素子部3と、インターコネクタ4とを備えている。支持基板2は、一対の対向する平坦面n1、n2、およびかかる平坦面n1、n2を接続する一対の円弧状の側面mを有する柱状である。
素子部3は、支持基板2の平坦面n1上に設けられている。かかる素子部3は、燃料極層5と、固体電解質層6と、空気極層8とを有している。また、図1Aに示す例では、セル1の平坦面n2上にインターコネクタ4が位置している。なお、セル1は、固体電解質層6と空気極層8との間に中間層7を備えていてもよい。
また、図1Bに示すように、空気極層8はセル1の下端まで延びていない。セル1の下端部では、固体電解質層6のみが平坦面n1の表面に露出している。また、図1Cに示すように、インターコネクタ4がセル1の下端まで延びていてもよい。セル1の下端部では、インターコネクタ4および固体電解質層6が表面に露出している。なお、図1Aに示すように、セル1の一対の円弧状の側面mにおける表面では、固体電解質層6が露出している。インターコネクタ4は、セル1の下端まで延びていなくてもよい。
以下、セル1を構成する各構成部材について説明する。
支持基板2は、ガスが流れるガス流路2aを内部に有している。図1Aに示す支持基板2の例は、6つのガス流路2aを有している。支持基板2は、ガス透過性を有し、ガス流路2aを流れる燃料ガスを燃料極層5まで透過させる。支持基板2は、導電性を有していてもよい。導電性を有する支持基板2は、素子部3で生じた電気をインターコネクタ4に集電する。
支持基板2の材料は、たとえば、鉄族金属成分および無機酸化物を含む。鉄族金属成分は、たとえば、Ni(ニッケル)および/またはNiOであってもよい。無機酸化物は、たとえば、特定の希土類元素酸化物であってもよい。希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される1以上の希土類元素を含んでよい。
燃料極層5の材料には、一般的に公知のものを使用することができる。燃料極層5は、多孔質の導電性セラミックス、たとえば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、または希土類元素酸化物が固溶しているZrOと、Niおよび/またはNiOとを含むセラミックスなどを用いてもよい。この希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される複数の希土類元素を含んでもよい。酸化カルシウム、酸化マグネシウム、または希土類元素酸化物が固溶しているZrOを安定化ジルコニアと称する場合もある。安定化ジルコニアは、部分安定化ジルコニアも含む。
固体電解質層6は、電解質であり、燃料極層5と空気極層8との間のイオン受け渡しをする。同時に、固体電解質層6は、ガス遮断性を有し、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを生じにくくする。
固体電解質層6の材料は、たとえば、3モル%~15モル%の希土類元素酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムが固溶したZrOであってもよい。希土類元素酸化物は、たとえば、Sc、Y、La、Nd、Sm、Gd、DyおよびYbから選択される1以上の希土類元素を含んでよい。固体電解質層6は、たとえば、La、Nd、Sm、GdまたはYbが固溶したCeOを含んでもよく、ScまたはYbが固溶したBaZrOを含んでもよく、ScまたはYbが固溶したBaCeOを含んでもよい。
空気極層8は、ガス透過性を有している。空気極層8の開気孔率は、たとえば20%~50%、特に30%~50%の範囲であってもよい。
空気極層8の材料は、一般的に空気極に用いられるものであれば特に制限はない。空気極層8の材料は、たとえば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物など導電性セラミックスでもよい。
空気極層8の材料は、たとえば、AサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存する複合酸化物であってもよい。このような複合酸化物の例としては、LaSr1-xCoFe1-y、LaSr1-xMnO、LaSr1-xFeO、LaSr1-xCoOなどが挙げられる。なお、xは0<x<1、yは0<y<1である。
また、素子部3が中間層7を有する場合、中間層7は、拡散抑制層としての機能を有する。空気極層8に含まれるSr(ストロンチウム)などの元素が固体電解質層6に拡散すると、かかる固体電解質層6にたとえばSrZrOなどの抵抗層が形成される。中間層7は、Srを拡散させにくくすることで、SrZrOその他の電気絶縁性を有する酸化物が形成されにくくする。
中間層7の材料は、一般的に空気極層8と固体電解質層6との間の元素の拡散抑制層に用いられるものであれば特に制限はない。中間層7の材料は、たとえば、Ce(セリウム)を除く希土類元素が固溶した酸化セリウム(CeO)を含んでもよい。かかる希土類元素としては、たとえば、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)などを用いてもよい。
また、インターコネクタ4は、緻密質であり、支持基板2の内部に位置するガス流路2aを流通する燃料ガス、および支持基板2の外側を流通する酸素含有ガスのリークを生じにくくする。インターコネクタ4は、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していてもよい。
インターコネクタ4の材料には、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)、ランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)などを用いてもよい。これらの材料は、導電性を有し、かつ水素含有ガスなどの燃料ガスおよび空気などの酸素含有ガスと接触しても還元も酸化もされにくい。また、インターコネクタ4の材料として金属または合金を用いてもよい。
<電気化学セル装置>
次に、上述したセル1を用いた本実施形態に係る電気化学セル装置について、図2A~図2Cを参照しながら説明する。図2Aは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aに示すX-X線の断面図であり、図2Cは、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す上面図である。
図2Aに示すように、セルスタック装置10は、セル1の厚み方向T(図1A参照)に配列(積層)された複数のセル1を有するセルスタック11と、固定部材12,12aとを備える。
固定部材12は、固定材13と、支持部材14とを有する。支持部材14は、セル1を支持する。固定材13は、セル1を支持部材14に固定する。また、支持部材14は、支持体15と、ガスタンク16とを有する。支持部材14である支持体15およびガスタンク16は、たとえば金属製であり導電性を有している。
図2Bに示すように、支持体15は、複数のセル1の下端部が挿入される挿入孔15aを有している。複数のセル1の下端部と挿入孔15aの内壁とは、固定材13で接合されている。
ガスタンク16は、挿入孔15aを通じて複数のセル1に反応ガスを供給する開口部と、かかる開口部の周囲に位置する凹溝16aとを有する。支持体15の外周の端部は、ガスタンク16の凹溝16aに充填された接合材21によって、ガスタンク16と接合されている。
図2Aに示す例では、支持部材14である支持体15とガスタンク16とで形成される内部空間22に燃料ガスが貯留される。ガスタンク16にはガス流通管20が接続されている。燃料ガスは、このガス流通管20を通してガスタンク16に供給され、ガスタンク16からセル1の内部のガス流路2a(図1A参照)に供給される。ガスタンク16に供給される燃料ガスは、後述する改質器102(図7参照)で生成される。
水素リッチな燃料ガスは、原燃料を水蒸気改質などすることによって生成することができる。水蒸気改質により燃料ガスを生成する場合には、燃料ガスは水蒸気を含む。
図2Aに示す例では、2列のセルスタック11、支持部材14、2つの支持体15、およびガスタンク16を備えている。2列のセルスタック11はそれぞれ、複数のセル1を有する。各セルスタック11は、各支持体15に固定されている。ガスタンク16は上面に2つの貫通孔を有している。各貫通孔には、各支持体15が配置されている。内部空間22は、1つのガスタンク16と、2つの支持体15とで形成される。図2Aでは、2列のセルスタック11を有するセルスタック装置10を示したが、電気化学セル装置は1列のセルスタック11を有してもよいし、3列以上のセルスタック11を有してもよい。
挿入孔15aの形状は、たとえば、上面視で長円形状である。挿入孔15aは、たとえば、セル1の配列方向すなわち厚み方向Tの長さが、セルスタック11の両端に位置する2つの端部集電部材17の間の距離よりも大きい。挿入孔15aの幅は、たとえば、セル1の幅方向W(図1A参照)の長さよりも大きい。
図2Bに示すように、挿入孔15aの内壁とセル1の下端部との接合部は、固定材13が充填され、固化されている。これにより、挿入孔15aの内壁と複数個のセル1の下端部とがそれぞれ接合・固定され、また、セル1の下端部同士が接合・固定されている。各セル1のガス流路2aは、下端部で支持部材14の内部空間22と連通している。
固定材13および接合材21は、ガラスなどの導電性が低いものを用いることができる。固定材13および接合材21の具体的な材料としては、非晶質ガラスなどを用いてもよく、特に結晶化ガラスなどを用いてもよい。
結晶化ガラスとしては、たとえば、SiO-CaO系、MgO-B系、La-B-MgO系、La-B-ZnO系、SiO-CaO-ZnO系などの材料のいずれかを用いてもよく、特にSiO-MgO系の材料を用いてもよい。
また、図2Bに示すように、複数のセル1のうち隣接するセル1の間には、導電部材18が介在している。導電部材18は、隣接する一方のセル1の燃料極層5と他方のセル1の空気極層8とを電気的に直列に接続する。より具体的には、導電部材18は、隣接する一方のセル1の燃料極層5と電気的に接続されたインターコネクタ4と、他方のセル1の空気極層8とを接続している。インターコネクタ4が金属または合金である場合、インターコネクタ4と導電部材18とが一体化していてもよいし、導電部材18がインターコネクタ4を兼ねてもよい。なお、導電部材18の詳細については後述する。
また、図2Bに示すように、複数のセル1の配列方向における最も外側に位置するセル1に、端部集電部材17が電気的に接続されている。端部集電部材17は、セルスタック11の外側に突出する導電部19に接続されている。導電部19は、セル1の発電により生じた電気を集電して外部に引き出す。なお、図2Aでは、端部集電部材17の図示を省略している。
また、図2Cに示すように、セルスタック装置10は、2つのセルスタック11A、11Bが直列に接続され、一つの電池として機能する。そのため、セルスタック装置10の導電部19は、正極端子19Aと、負極端子19Bと、接続端子19Cとに区別される。
正極端子19Aは、セルスタック11が発電した電力を外部に出力する場合の正極であり、セルスタック11Aにおける正極側の端部集電部材17に電気的に接続される。負極端子19Bは、セルスタック11が発電した電力を外部に出力する場合の負極であり、セルスタック11Bにおける負極側の端部集電部材17に電気的に接続される。
接続端子19Cは、セルスタック11Aにおける負極側の端部集電部材17と、セルスタック11Bにおける正極側の端部集電部材17とを電気的に接続する。
<発電時の温度分布>
つづいて、電気化学セル装置における発電時の温度分布について、図3を参照しながら説明する。図3は、電気化学セル装置における温度分布の一例を示す断面図である。図3に示すセルスタック装置10Xは、図2Bに示すセルスタック装置10が有するセルスタック11の一部を拡大視したものに相当する。なお、図3では、たとえばセル1、導電部材18などを単純化して図示している。また、後述する他の図面でも、構成要素を単純化して図示する場合がある。説明を容易にするために、図3および後述する図4では、セルスタック装置が有するセル1の数を8として図示している。
図3に示すように、セル1の厚み方向Tに隣り合うセル1の間には、長さ方向に延びる導電部材18が位置し、隣り合うセル1同士を電気的に接続している。セルスタック装置10Xは、発電時には温度t1~t6が、t1>t2>t3>t4>t5>t6の順にセル1の厚み方向T(第1方向)の中央に位置し、かつ固定材13から離れた長さ方向Lの上端側が高温となる。また、かかる部分から離れた厚み方向Tの端部側、長さ方向Lの下端側に向かって発電時の温度が低下する。このため、セル1の厚み方向T(第1方向)の中央に位置する第1領域R1では、たとえば、セル1の厚み方向T(第1方向)の両端部に位置する第2領域R2よりも高温となり、耐久性が低下しやすくなる。
そこで、本実施形態では、第1領域R1と第2領域R2との間で、抵抗率が互いに異なる導電部材18を適用する。図4は、第1の実施形態に係る電気化学セル装置を拡大した断面図である。
図4に示すように、第1領域R1に位置する導電部材18は、第1部位181と、第1部位181よりも抵抗率が小さい第2部位182とを有する。これにより、高温になりやすい部分である第1部位181に位置する導電部材18の抵抗率を他の部分よりも大きくすることで通電量を低減させ、他の部分である第2部位182に位置する導電部材18は、抵抗率を小さくすることで通電量を上昇させる。このため、発電時における温度のばらつきが低減し、電気化学セル装置の耐久性が高くなる。
また、第2領域R2に位置する導電部材183は、第2部位182よりも抵抗率が大きい。これにより、高温になりにくい第2領域R2において、導電部材183の抵抗発熱により積極的に温度上昇を促進させる。このため、発電時における温度のばらつきが低減し、電池性能が向上する。
導電部材183は、全体として第2部位182より大きい抵抗率を有していればよい。導電部材183は、第1部位181より大きい抵抗率を有していてもよいし、第1部位と同じ、または小さい抵抗率を有していてもよい。導電部材183は、高抵抗部と低抵抗部を有していてもよい。導電部材183が高抵抗部と低抵抗部とを有する場合、高抵抗部と低抵抗部の抵抗率の差は、第1部位181と第2部位182の抵抗率の差よりも小さい。導電部材183の低抵抗部は、第2部位182と同じ抵抗率、または第2部位182より小さい抵抗率を有していてもよい。導電部材183は、低抵抗部を有していなくてもよい。
ここで、導電部材18の具体的な構成の一例につき、図5および図6を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る導電部材の一例を示す横断面図である。
図5に示すように、導電部材18は、隣接するセル1のうち、一方のセル1であるセル1Aに接続される接続部18aと、他方のセル1であるセル1Bに接続される接続部18bとを有する。また、導電部材18は、幅方向Wの両端に連結部18cを有しており、接続部18a,18bを接続する。これにより、導電部材18は、厚み方向Tに隣り合うセル1同士を電気的に接続することができる。
また、接続部18a,18bは、セル1A,1Bと接触する接触部18a1,18b1と、セル1A,1Bとは非接触の非接触部18a2,18b2とを有している。
図6は、図5に示すA-A線に沿った断面図である。導電部材18は、セル1の長さ方向Lに延在している。導電部材18は、断面視で櫛歯状を有しており、接続部18a,18bは、連結部18cからセル1A,1Bに向かって互い違いに伸びている。
次に、第1部位181および第2部位182を有する導電部材18の具体例につき、図7A~図7Dを用いて説明する。図7Aは、第1の実施形態に係る導電部材の一例を示す断面図である。
図7Aに示すように、導電部材18は、基材180と、基材180を覆う被膜30とを有する。基材180は、導電性および耐熱性を有する。基材180は、クロムを含有する。基材180は、たとえば、ステンレス鋼である。基材180は、たとえば、金属酸化物を含有してもよい。
被膜30は、絶縁性または低い絶縁性を有している。被膜30は、たとえば、酸化クロム(Cr)、酸化アルミニウム(Al)、Alおよび/またはSiを含む複合酸化物などを含有する。図7Aに示す導電部材18は、被膜30の厚みを異ならせることにより、抵抗率が異なる第1部位181および第2部位182を有している。すなわち、第2部位182と比較して被膜30の厚みが大きい第1部位181の抵抗率は、第2部位182の抵抗率よりも大きくなる。
図7B~図7Dは、第1の実施形態に係る導電部材の別の一例を示す断面図である。
図7Bに示すように、導電部材18は、被膜30に代えて、基材180を覆う被膜31を有する点で図7Aに示す導電部材18と相違する。
被膜31は、導電性を有している。被膜31は、たとえば、導電性を有する金属材料および/または金属酸化物を含有する。図7Bに示す導電部材18は、被膜31の厚みを異ならせることにより、抵抗率が異なる第1部位181および第2部位182を有している。すなわち、第1部位181と比較して被膜31の厚みが大きい第2部位182の抵抗率は、第1部位181の抵抗率よりも小さくなる。被膜31に含まれる導電性を有する金属酸化物は、たとえばスピネル構造を有する複合酸化物、たとえば、ZnMnCoOなどのZn(CoMn1-x(0<x<1)、Mn1.5Co1.5、MnCo、CoMn、などであってもよい。導電性を有する金属酸化物は、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物であってもよい。
なお、導電部材18は、被膜30および被膜30よりも高い導電性を有する被膜31の両方を有していてもよい。導電部材18は、たとえば、基材180上を覆う被膜30と、さらに被膜30上を覆う被膜31を有していてもよい。このとき、第1部位181と比較して、第2部位182の被膜30の厚みが小さい、および/または第2部位182の被膜31の厚みが大きくてもよい。
また、図7Cに示す導電部材18は、被膜30に代えて、基材180を覆う被膜32,33を有する点で図7Aに示す導電部材18と相違する。
被膜32,33は、導電性または絶縁性を有している。被膜32は、被膜33よりも絶縁性が高い。あるいは、被膜33は、被膜32よりも導電性が高い。
図7Cに示す導電部材18は、被膜32,33の材料を異ならせることにより、抵抗率が異なる第1部位181および第2部位182を有している。すなわち、被膜32と比較して絶縁性が低いまたは導電性が高い被膜33を有する第2部位182の抵抗率は、第1部位181の抵抗率よりも小さくなる。被膜32,33は、気孔率が異なる同じ材料であってもよい。被膜32の気孔率が被膜33の気孔率より大きいと、被膜33と比較して被膜32の絶縁性が高くなる、または導電性が低くなる。被膜32,33の材料は、被膜30,31に含まれるような材料であってもよい。
図7Dに示す導電部材18は、基材180の材料が互いに異なる部位180a,180bを有している。部位180bは、部位180aと比較して導電性が高い。これにより、第2部位182の抵抗率は、第1部位181の抵抗率よりも小さくなる。
このように、本実施形態に係る導電部材18は、いかなる方法により作製されたものであってもよい。なお、図7A、図7Bに示す被膜30,31は、たとえば、ディップ法において塗布回数および/またはディップ液の濃度を変更させて形成してもよく、電着またはめっき法において成膜電極を変更させて形成してもよい。また、図7Cに示す被膜32,33は、たとえば、ディップ法においてディップ液の種類を変更させて形成してもよい。また、図7Dに示す導電部材18は、たとえば、溶接または接合により形成してもよい。
<モジュール>
次に、上述したセルスタック装置10を用いた本実施形態に係るモジュールについて、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係るモジュールを示す外観斜視図である。図8では、収納容器101の一部である前面および後面を取り外し、内部に収納される燃料電池のセルスタック装置10を後方に取り出した状態を示している。
図8に示すように、モジュール100は、収納容器101内に、セルスタック装置10を収納して構成される。また、セルスタック装置10の上方には、セル1に供給する燃料ガスを生成するための改質器102が配置されている。
かかる改質器102では、原燃料供給管103を通じて供給される天然ガスや灯油などの原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器102は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましい。改質器102は、水を気化させるための気化部102aと、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部102bとを備えることで水蒸気改質を行うことができる。
そして、改質器102で生成された燃料ガスは、ガス流通管20を通じて固定部材12に供給され、固定部材12よりセル1の内部に設けられたガス流路2a(図1A参照)に供給される。
また、上述の構成のモジュール100においては、通常発電時においては、上記燃焼、セル1の発電等に伴い、モジュール100内の温度は500℃~1000℃程度となる。
このようなモジュール100においては、上述したように、耐久性が高いセルスタック装置10を収納して構成されることにより、耐久性が高いモジュール100とすることができる。
<モジュール収容装置>
図9は、第1の実施形態に係るモジュール収容装置の一例を示す分解斜視図である。モジュール収容装置110は、外装ケース111と、図8で示したモジュール100と、図示しない補機と、を備えている。補器は、モジュール100の運転を行う。モジュール100および補器は、外装ケース111内に収容されている。なお、図9においては一部構成を省略して示している。
図9に示すモジュール収容装置110の外装ケース111は、支柱112と外装板113とを有する。仕切板114は、外装ケース111内を上下に区画している。外装ケース111内の仕切板114より上側の空間は、モジュール100を収容するモジュール収容室115であり、外装ケース111内の仕切板114より下側の空間は、モジュール100を運転する補機を収容する補機収容室116である。なお、図8では、補機収容室116に収容する補機を省略して示している。
また、仕切板114は、補機収容室116の空気をモジュール収容室115側に流すための空気流通口117を有している。モジュール収容室115を構成する外装板113は、モジュール収容室115内の空気を排気するための排気口118を有している。
このようなモジュール収容装置110においては、上述したように、耐久性が高いモジュール100をモジュール収容室115に備えていることにより、耐久性が高いモジュール収容装置110とすることができる。
図10は、第1の実施形態に係る電気化学セル装置の別の一例を示す断面図である。図10に示すセルスタック装置10は、導電部材18として抵抗率の異なる第1部材18Aと第2部材18Bとを有する点で上記した実施形態に係る導電部材18と相違する。第2部材18Bの抵抗率は、第1部材18Aの抵抗率よりも小さくなるように構成されており、第1部材18Aおよび第2部材18Bは、隣り合うセル1間にそれぞれ配置される。このように、導電部材18として抵抗率の異なる第1部材18Aおよび第2部材18Bを使用した場合であっても、第1領域R1(図4参照)での温度のばらつきが低減される。このため、本変形例によれば、セルスタック装置10の耐久性が高くなる。
第1部材18Aおよび第2部材18Bは、たとえば、図7A~図7Dに示す第1部位181および第2部位182に準じてそれぞれ作製することができる。また、第1部材18Aおよび第2部材18Bは、互いに接触させてもよく、離間させてもよい。第1部材18Aおよび第2部材18Bを離間させると、第1部材18Aを流れる電流をより確実に低下させることができることから、セルスタック装置10の耐久性が高くなる。
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す斜視図である。図11に示すセルスタック装置10Aは、素子部3Aと、素子部3Aを挟む導電部材18とを有する平板型の電気化学セルを積層させた電気化学セル装置である。素子部3Aは、固体電解質層(たとえば、固体電解質層6)と、固体電解質層を挟む第1電極層(たとえば、燃料極層5)および第2電極層(たとえば、空気極層8)を有する。導電部材18は、反応ガスが流れる不図示の流路を有しており、不図示のシール部材等で封止されている。セルスタック装置10Aは、両端部に端部集電部材91,92がそれぞれ位置している。
図12は、平板型の電気化学セルにおける温度分布の一例を示す断面図である。図12に示すように、セルスタック装置10Yは、発電時には温度t11~t15が、t11>t12>t13>t14>t15の順にセルスタック装置10Yの中心部分が高温となる。また、かかる中心部分から離れたY軸方向およびZ軸方向の両端側に向かって発電時の温度が低下する。このため、素子部3Aの厚み方向(Z軸方向)の中央に位置する第1領域R1では、たとえば、素子部3Aの厚み方向(Z軸方向)の両端部に位置する第2領域R2よりも高温となり、耐久性が低下しやすくなる。図12では、YZ平面に沿った断面図を示したが、ZX平面に沿った断面もおおむね図12と同じことが言える。
そこで、本実施形態では、第1領域R1と第2領域R2との間で、抵抗率が互いに異なる導電部材18を適用する。図13は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の一例を示す断面図である。
図13に示すように、第1領域R1に位置する導電部材18は、第1部位181と、第1部位181よりも抵抗率が小さい第2部位182とを有する。これにより、高温になりやすい部分である第1部位181に位置する導電部材18の抵抗率を他の部分よりも大きくすることで通電量を低減させ、他の部分である第2部位182に位置する導電部材18は、抵抗率を小さくすることで通電量を上昇させる。このため、発電時における温度のばらつきが低減し、電気化学セル装置の耐久性が高くなる。
また、第2領域R2に位置する導電部材183は、第2部位182よりも抵抗率が大きい。これにより、高温になりにくい第2領域R2において、導電部材183の抵抗発熱により積極的に温度上昇を促進させる。このため、発電時における温度のばらつきが低減し、電池性能が向上する。
図14は、図13に示す第1領域R1の一例を示す断面図である。セルスタック装置10Aの第1領域R1に位置する導電部材18は、互いに隣り合う一方の素子部3Aに接続された導電部材18-1と他方の素子部3Aに接続された導電部材18-2とが、インターコネクタである導電部材18-3を介して電気的に接続されている。以下、素子部3A間に位置する導電部材18-1~導電部材18-3をまとめて導電部材18と称する場合がある。
上述したように、発電時に高温となったセルスタック装置10Aの中心付近では、温度が低下しにくいことから、セルスタック装置10A内の温度にばらつきが生じる場合がある。具体的には、セルスタック装置10Aの中央部は、セルスタック装置10Aの中心から離れた外縁側よりも温度が上昇し、たとえば、発電に適した温度よりも高温となり、耐久性が低下しやすくなる。
そこで、図14に示すように、セルスタック装置10Aが有する第1領域R1に位置する素子部3A間に、第1部位181と第2部位182とを有する導電部材18を適用することで温度のばらつきを低減させてもよい。具体的には、第1部位181が素子部3A間のX軸方向および/またはY軸方向の中央部分に接続され、第2部位182が素子部3A間のX軸方向および/またはY軸方向の中央部分から離れた部位に接続されるように導電部材18を位置させる。第1部位181の抵抗率は、第2部位182の抵抗率よりも大きい。
これにより、第1部位181では、第2部位182よりも通電量が低減し、第1部位181の温度上昇が低減される。このため、本実施形態によれば、セルスタック装置10Aの耐久性が高くなる。
なお、上記では、導電部材18-1~導電部材18-3をまとめて導電部材18として説明したが、導電部材18-1および導電部材18-2とは異なる導電部材18-3を第3部材として適用し、導電部材18-1および導電部材18-2を直列に接続してもよい。
図15は、第2の実施形態に係る電気化学セル装置の別の一例を示す断面図である。図15に示すセルスタック装置10Bは、第1領域R1に位置する導電部材18として抵抗率の異なる第1部材18Aと第2部材18Bとを有する点で図14に示す導電部材18と相違する。第2部材18Bの抵抗率は、第1部材18Aの抵抗率よりも小さく、第1部材18Aおよび第2部材18Bは、隣り合う素子部3A間にそれぞれ配置される。このように、導電部材18として抵抗率の異なる第1部材18Aおよび第2部材18Bを使用した場合であっても、セルスタック装置10Bの中心部分での温度上昇が低減される。このため、本変形例によれば、セルスタック装置10Bの耐久性が高くなる。
また、第2領域R2(図13参照)に位置する導電部材183は、第2部位182または第2部材18Bよりも抵抗率が大きい。これにより、高温になりにくい第2領域R2において、導電部材183の抵抗発熱により積極的に温度上昇を促進させる。このため、発電時における温度のばらつきが低減し、電池性能が向上する。なお、第2領域R2に位置する導電部材183も、第1領域R1に位置する導電部材18のように、互いに隣り合う一方の素子部3Aに接続された導電部材18-1と他方の素子部3Aに接続された導電部材18-2とが、インターコネクタである導電部材18-3を介して電気的に接続されていてもよい。
[第3の実施形態]
図16Aは、第3の実施形態に係る電気化学セル装置を構成する電気化学セルの一例を示す横断面図である。図16B、図16Cは、第3の実施形態に係る電気化学セルの他の一例を示す横断面図である。本実施形態においては、図2Aまたは図11に示すセルスタック装置10に、図16A~図16Cに示すセル1を適用したものをセルスタック装置10Cとする。
図16A~図16Cに示すように、セル1は、燃料極層5、固体電解質層6、中間層7および空気極層8が積層された素子部3Cと、支持基板2とを有している。支持基板2は、素子部3Cの燃料極層5と接する部位に貫通孔または細孔を有するとともに、ガス流路2aの外側に位置する部材120を有する。支持基板2は、ガス流路2aと素子部3Cとの間でガスを流通させることができる。支持基板2は、例えば、1または2以上の金属部材を含んでもよい。金属部材の材料は、クロムを含有する合金であってもよい。金属部材は、導電性の被覆層を有していてもよい。支持基板2は、隣接するセル1同士を電気的に接続する導電部材である。素子部3Cは、支持基板2上に直接形成されていてもよいし、接合材により支持基板2に接合されていてもよい。
図16Aに示す例では、燃料極層5の側面は固体電解質層6により被覆され、燃料ガスが流れるガス流路2aを気密に封止している。図16Bに示すように、燃料極層5の側面は緻密な封止材9で被覆され、封止されていてもよい。燃料極層5の側面を被覆する封止材9は、電気絶縁性を有していてもよい。封止材9の材料は、例えばガラスまたはセラミックスであってもよい。
また、支持基板2のガス流路2aは、図16Cに示すように凹凸を有する部材120により形成されていてもよい。
本実施形態において、部材120は、隣接する別のセル1の空気極層8と、セル間接続部材などの他の導電部材および接合材を介して接合されている。なお、部材120は、他の導電部材等を介さずに直接別のセル1の空気極層8と接触していてもよい。
本実施形態では、第1部位181と第2部位182とを有する支持基板2(導電部材18)を備えるセル1を、セルスタック装置10Cの第1領域R1に配置する。具体的には、支持基板2(導電部材18)の第1部位181を比較的高温となるセル1の部分1aに位置させ、第2部位182を比較的低温となるセル1の部分1bに位置させる。第1部位181の抵抗率が、第2部位182の抵抗率よりも大きいことにより、第1部位181では、第2部位182よりも通電量が低減し、部分1aでの温度上昇が低減される。このため、本実施形態によれば、支持基板2(導電部材18)およびセルスタック装置10の耐久性が高くなる。なお、図16A~図16Cでは、高温となるセル1の部分1aとして、第2の実施形態のように素子部3Bの中心に近い部分を示したが、第1の実施形態のように燃料ガスの排出口側に近い部分が、高温となるセル1の部分1aとなる場合もある。
なお、第1領域R1および第2領域R2は、図3、4、12、13に示した例に限定されない。第1領域R1および第2領域R2は、セルスタックの構造、特性などに応じて適宜設定することができる。たとえば、セルスタックの中央である第1領域R1に隣接して位置する2つのセル1に挟まれた1つの導電部材18が、第1部位と第2部位を有し、セルスタックの一方の端部である第2領域R2に位置する1つの導電部材18が、第2部位182より大きい抵抗率を有していてもよい。
また、第1領域R1に位置する導電部材18の第1部位181と第2部位182との配置および比率は、第1領域R1に位置するセル1の構造、に応じて適宜設定することができる。
<その他の変形例>
上述の各実施形態では、「電池化学セル」、「電池化学セル装置」、「モジュール」および「モジュール収容装置」の一例として燃料電池セル、燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を示したが、他の例としてはそれぞれ、電解セル、電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置であってもよい。電解セルは、水素極および酸素極を有し、電力の供給により水蒸気を水素と酸素に分解する。また、上記実施形態では電気化学セルの電解質材料の一例として酸化物イオン伝導体または水素イオン伝導体を示したが、水酸化物イオン伝導体であってもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
以上のように、実施形態に係る電気化学セル装置(たとえば、セルスタック装置10)は、セルスタック11と、導電部材18とを備える。セルスタック11は、第1方向に並ぶ複数の素子部3を有する。導電部材18は、複数の素子部3の間にそれぞれ位置する。セルスタック11は、第1方向の中央部に位置する第1領域R1と、第1方向の端部に位置する第2領域R2とを有する。第1領域R1に位置する導電部材18は、第1部位181と、第1部位181よりも抵抗率が小さい第2部位182とを有する。第2領域R2に位置する導電部材183は、第2部位182よりも抵抗率が大きい。これにより、耐久性が高い導電部材18が提供可能となる。
また、本開示の電気化学セル装置(たとえば、セルスタック装置10)は、セルスタック11と、導電部材18とを備える。セルスタック11は、第1方向に並ぶ複数の素子部3を有する。導電部材18は、複数の素子部3の間にそれぞれ位置する。セルスタック11は、第1方向の中央部に位置する第1領域R1と、第1方向の端部に位置する第2領域R2とを有する。第1領域R1に位置する導電部材18は、第1部材18Aと、第1部材18Aよりも抵抗率が小さい第2部材18Bとを有する。第2領域R2に位置する導電部材183は、第2部材18Bよりも抵抗率が大きい。これにより、耐久性が高い電気化学セル装置が提供可能となる。
また、本開示のモジュール100は、上記に記載の電気化学セル装置と、電気化学セル装置を収納する収納容器101とを備える。これにより、耐久性が高いモジュール100とすることができる。
また、本開示のモジュール収容装置110は、上記に記載のモジュール100と、モジュール100の運転を行うための補機と、モジュール100および補機を収容する外装ケース111とを備える。これにより、耐久性が高いモジュール収容装置110とすることができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 セル
3 素子部
10 セルスタック装置
11 セルスタック
12 固定部材
13 固定材
14 支持部材
15 支持体
16 ガスタンク
17 端部集電部材
18 導電部材
100 モジュール
110 モジュール収容装置
181 第1部位
182 第2部位
183 導電部材

Claims (7)

  1. 第1方向に並ぶ複数の素子部を有するセルスタックと、
    前記複数の素子部の間にそれぞれ位置する導電部材と
    を備え、
    前記セルスタックは、前記第1方向の中央部に位置する第1領域と、前記第1方向の端部に位置する第2領域とを有し、
    前記第1領域に位置する前記導電部材は、第1部位と、前記第1部位よりも抵抗率が小さい第2部位とを有し、
    前記第2領域に位置する前記導電部材は、前記第2部位よりも抵抗率が大きい
    電気化学セル装置。
  2. 前記第1領域は、前記第2領域よりも最高温度が高い
    請求項1に記載の電気化学セル装置。
  3. 前記第1部位は、前記第1方向に交差する第2方向の一端側に位置し、
    前記第2部位は、前記第2方向の他端側に位置する
    請求項1に記載の電気化学セル装置。
  4. 前記第1部位は、前記第1方向に交差する第2方向の中央部に位置し、
    前記第2部位は、前記第2方向の端部に位置する
    請求項1に記載の電気化学セル装置。
  5. 第1方向に並ぶ複数の素子部を備えるセルスタックと、
    前記複数の素子部の間にそれぞれ位置する導電部材と
    を備え、
    前記セルスタックは、前記第1方向の中央部に位置する第1領域と、前記第1方向の端部に位置する第2領域とを有し、
    前記第1領域に位置する前記導電部材は、第1部材と、前記第1部材よりも抵抗率が小さい第2部材とを有し、
    前記第2領域に位置する前記導電部材は、前記第2部材よりも抵抗率が大きい
    電気化学セル装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載の電気化学セル装置と、
    前記電気化学セル装置を収納する収納容器と
    を備えるモジュール。
  7. 請求項6に記載のモジュールと、
    前記モジュールの運転を行うための補機と、
    前記モジュールおよび前記補機を収容する外装ケースと
    を備えるモジュール収容装置。
JP2022116152A 2022-07-21 2022-07-21 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置 Pending JP2024013791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022116152A JP2024013791A (ja) 2022-07-21 2022-07-21 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022116152A JP2024013791A (ja) 2022-07-21 2022-07-21 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024013791A true JP2024013791A (ja) 2024-02-01

Family

ID=89718369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022116152A Pending JP2024013791A (ja) 2022-07-21 2022-07-21 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024013791A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106477A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 京セラ株式会社 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106477A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 京セラ株式会社 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018106885A (ja) セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2023200016A1 (ja) 導電部材、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP2024038153A (ja) セルスタック装置、モジュール、モジュール収容装置および導電部材
JP2024013791A (ja) 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP2023139044A (ja) 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP7197747B2 (ja) セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP7027621B1 (ja) セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP7453485B1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024117052A1 (ja) 複合部材、電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2023195520A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024095998A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024071416A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
JP7445097B1 (ja) 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
EP4394958A1 (en) Electrochemical cell, electrochemical cell device, module, and module storage device
JP7433450B2 (ja) セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024143355A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024106477A1 (ja) 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024048629A1 (ja) 電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024071093A1 (ja) 導電部材、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024143416A1 (ja) 導電部材、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024004361A1 (ja) 導電部材、電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2023286749A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2023074702A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2024143512A1 (ja) 電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置
WO2023074807A1 (ja) 導電部材、電気化学セル、電気化学セル装置、モジュールおよびモジュール収容装置