JP2024013089A - 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体 - Google Patents

発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024013089A
JP2024013089A JP2022115020A JP2022115020A JP2024013089A JP 2024013089 A JP2024013089 A JP 2024013089A JP 2022115020 A JP2022115020 A JP 2022115020A JP 2022115020 A JP2022115020 A JP 2022115020A JP 2024013089 A JP2024013089 A JP 2024013089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam blow
thermoplastic elastomer
mass
blow
molded article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022115020A
Other languages
English (en)
Inventor
正浩 五味渕
Masahiro Gomibuchi
仁一朗 野呂
Jinichiro NORO
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP2022115020A priority Critical patent/JP2024013089A/ja
Priority to PCT/JP2023/026245 priority patent/WO2024019042A1/ja
Publication of JP2024013089A publication Critical patent/JP2024013089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/02Combined blow-moulding and manufacture of the preform or the parison
    • B29C49/04Extrusion blow-moulding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/04Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】耐寒衝撃性と剛性と表面平滑性に優れた発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体を提供する。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂を発泡させた発泡パリソンをブロー成形する工程を有する発泡ブロー成形体の製造方法において、前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体に関する。
基材樹脂を含む発泡性樹脂溶融物から形成された発泡パリソンを賦形した発泡ブロー成形体が知られている。発泡ブロー成形体の中でも、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂として用いた中空状の成形体は、軽量性等の観点から、例えば、自動車等における空調ダクト(以下、ダクトと称呼する)等の様々な用途で使用されてきている。
発泡ブロー成形体については、近年では、軽量性を維持又は向上させつつ、耐寒衝撃性を向上させたものが求められている。なお、耐寒衝撃性とは、低温時における発泡ブロー成形体の耐衝撃性を示す。発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性を向上させるために、特許文献1及び特許文献2には、ポリプロピレン系樹脂に対してエラストマーを添加する技術が開示されている。
国際公開2020/059112号 特開2018-141031号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性や剛性の点で改善の余地があった。また、特許文献1及び特許文献2の技術では、発泡ブロー成形体が中空状の成形体である場合には発泡ブロー成形体の内側周面における表面平滑性(以下、明示しない限り、単に、表面平滑性と称呼する)を向上させる点で改善の余地があった。
本発明の目的は、耐寒衝撃性と剛性と表面平滑性に優れた発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体を提供することにある。
本発明は、次の(1)から(5)に示す発明を要旨とする。
(1)ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂を発泡させた発泡パリソンをブロー成形する工程を含む発泡ブロー成形体の製造方法であって、
前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体の製造方法。
(2)前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が80℃以上100℃以下である、
上記(1)に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
(3)前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1000MPa以上1500MPa以下である、
上記(1)又は(2)に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
(4)前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のメルトフローレイト(230℃、荷重2.16kg)が1g/10min以上10g/10min以下である、
上記(1)又は(2)に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
(5)ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂の発泡ブロー成形体であって、
前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体。
本発明によれば、耐寒衝撃性と剛性と表面平滑性に優れた発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体を提供することができる。
本発明について、1.発泡ブロー成形体の製造方法、2.発泡ブロー成形体の順に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態等に限定されない。
[1 発泡ブロー成形体の製造方法]
本発明にかかる製造方法は、ブロー成形工程を有する発泡ブロー成形体の製造方法である。本発明にかかる発泡ブロー成形体の製造方法の一実施例について説明を続ける。
[1-1 製造方法の内容]
(押出発泡工程)
押出機の内部において、混合樹脂及び発泡剤を混練して発泡性樹脂溶融物が得られる。得られた発泡性樹脂溶融物は、押出機に繋げられたダイから押し出される。ダイとしては、通常、環状ダイが用いられる。ダイの直下には成形型が配置されており、発泡性樹脂溶融物は、成形型の内部に押し出される。このとき発泡パリソンが形成される。なお、成形型は、得ようとする成形体に応じた所望の内部形状を有する。成形型は、通常、分割型の金型となっている。
(プリブロー工程)
発泡パリソンは、押出発泡工程直後では軟化状態にある。ピンチなどを用いて軟化状態の発泡パリソンの下部を閉鎖し、発泡パリソンの内部に気体を吹き込むことで発泡パリソンの内部圧力を高める。このとき発泡パリソンが拡幅する。プリブロー工程の中で又はプリブロー工程の後に、発泡パリソンが成形型に挟み込まれる。
(ブロー成形工程)
ブロー成形工程は、基材樹脂を発泡させた発泡パリソンを成形型に挟み込んだ状態で発泡パリソンの内部に気体を吹き込む工程である。このとき発泡パリソンの外面が成形型の内面に押し付けられ、発泡パリソンが中空状に賦形される。これにより発泡ブロー成形体が得られる。発泡ブロー成形体としては、例えば中空状の成形体を得ることができる。なお、発泡ブロー成形体の製造方法においては、アキュームレーターが押出機とダイとの間、またはダイに設けられることが好ましい。
(混合樹脂の構成)
発泡性樹脂溶融物を形成するための混合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂である。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂(A)は、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とを含む樹脂組成物である。
(分岐状ホモポリプロピレン)
分岐状ホモポリプロピレン(a1)は、分子構造中に分岐構造を有するホモポリプロピレンである。分岐構造としては、分子構造中における枝分かれした部分且つ長鎖状構造部分で自由末端を有する構造部分を例示することができる。なお、分岐構造の確認は高温GPC-MALS測定等を用いて確認することができる。
分岐状ホモポリプロピレン(a1)の230℃、荷重2.16kgの条件にて測定されるメルトフローレイトは0.1g/10分~15g/10分であることが好ましい。前記メルトフローレイトが上記範囲内であれば、樹脂の溶融時の流動性に優れ、発泡パリソンのドローダウンがより抑制される。かかる観点から、分岐状ホモポリプロピレン(a1)のメルトフローレイトは、好ましくは0.5g/10分~10g/10分であり、より好ましくは1g/10分~5g/10分である。なお、前記樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、公知の方法で計測することができ、たとえば、JIS K7210-1:2014(試験方法A法)に基づき測定することができる。
また、分岐状ホモポリプロピレン(a1)の230℃の溶融張力は、発泡ブロー成形における発泡性の観点から、5cN~50cNであることが好ましく、10cN~45cNであることがさらに好ましい。分岐状ホモポリプロピレン(a1)の溶融張力(MT)は、公知の方法で計測することができ、たとえば、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dによって測定することができる。
分岐状ホモポリプロピレン(a1)の融点は、好ましくは155~165℃であり、より好ましくは157~162℃である。前記融点は、JIS K7121:2012に基づき、後述するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点と同様に測定することができる。
分岐状ホモポリプロピレン(a1)は、発泡容易性に優れるため、ポリオレフィン系樹脂(A)が分岐状ホモポリプロピレン(a1)を有することで、軽量性と表面平滑性に優れる発泡ブロー成形体を得ることが容易となる。具体的には、分岐状ホモポリプロピレン(a1)としては、HMS-ポリプロピレンやUMS-ポリプロピレンとして市販されているものを挙げることができる。また、分岐状ホモポリプロピレン(a1)としては、ボレアリス社製の分岐状ホモポリプロピレン(商品名:WB130、WB135、WB140)、サンアロマー社製の分岐状ホモポリプロピレン樹脂(商品名:PF814)等が挙げられる。
(直鎖状ブロックポリプロピレン)
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)は、直鎖状の分子構造を有するブロックポリプロピレンである。ブロックポリプロピレンとしては、プロピレン重合体の存在下、エチレンと1種類以上のC3~C10-αオレフィン(炭素数が3から10のα-オレフィン)を重合して得た重合混合物が挙げられ、JIS K6921-1で規定される耐衝撃性ポリプロピレンポリマーを含み、一般にブロックポリプロピレンとして市販されているものを含む。ただし、ここに示すブロックポリプロピレンの例は一例であり、他の例を排除するものではない。具体的には、ブロックポリプロピレンは、プロピレン・エチレンブロック共重合体を例示することができる。さらに具体的には、プロピレン・エチレンブロック共重合体は、結晶性のプロピレンブロックと、エチレンプロピレンランダムブロックを含有するブロック共重合体が挙げられる。
(直鎖状ブロックポリプロピレンの曲げ弾性率)
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率は、1000MPa以上1500MPa以下であることが好ましい。直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1000MPa以上であることで、発泡ブロー成形体の剛性をより効果的に向上させるとともに、発泡ブロー成形体の緩衝性を確保することができる。この観点からは、直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1100MPa以上1400MPa以下であることがより好ましい。
(曲げ弾性率の測定)
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率は、JIS K7171:2016に基づき測定することができる。
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の樹脂自体の曲げ弾性率は、一般的に、分岐状ホモポリプロピレン(a1)よりも小さい場合が多いが、ポリオレフィン系樹脂(A)が分岐状ホモポリプロピレン(a1)のみならず、直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)を含むことで、発泡ブロー成形体の剛性を向上させることができる。また、ポリオレフィン系樹脂(A)が直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)を有することで、軽量性が良好で且つ表面平滑性に優れる発泡ブロー成形体を得ることが容易となる。
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の230℃、荷重2.16kgの条件にて測定されるメルトフローレイトは1g/10分~40g/10分であることが好ましい。前記メルトフローレイトが上記範囲内であれば、混合樹脂の溶融時の流動性に優れるものとなる。かかる観点から、直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)のメルトフローレイトは、好ましくは2g/10分~35g/10分である。なお、前記樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、公知の方法で計測することができ、たとえば、JIS K7210-1:2014(試験方法A法)に基づき測定することができる。
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の融点は、好ましくは155~169℃である。前記融点は、JIS K7121:2012に基づき、後述するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点と同様に測定することができる。
(質量比[(a1):(a2)])
前記混合樹脂では、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であることが好ましい。質量比[(a1):(a2)]が上記した数値の範囲にあることで、ポリオレフィン系樹脂(A)のうち分岐状ホモポリプロピレン(a1)の配合比率が半分以上となり、質量比[(a1):(a2)]が上記した数値の範囲にあることで、混合樹脂の発泡性が向上して表面平滑性が向上すると共に発泡ブロー成形体の剛性、耐寒衝撃性を良好とする効果を向上させることができる。なお、この効果をさらに向上させる観点からは、質量比[(a1):(a2)]が80:20~90:10であることが好ましい。
(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、結晶性オレフィンの重合体ブロックのハードセグメントと共役ジエン化合物の重合体ブロックのソフトセグメントからなるトリブロック共重合体の水素添加物である。トリブロック共重合体は、いわゆるA-B-A型の構造(サンドイッチ型)となるブロック共重合体であることが好適である。このとき、A-B-A型の構造となるブロック共重合体のうち両端のブロックとしてのAは、結晶性オレフィンの重合体ブロックであり、Aで挟まれたブロックとしてのBは、共役ジエン化合物の重合体ブロックであることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が上記したような構造を有するブロック共重合体の水素添加物であることで、発泡性を阻害せずに耐衝撃性を向上させ、表面平滑性が向上するという効果を発揮させることができる。
結晶性オレフィンの重合体は、エチレンの重合体等を例示することができる。共役ジエン化合物の重合体は、エチレンとブチレンの重合体の他、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエンなどの重合体が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、具体的には、両端のブロック部をエチレン重合体のブロックとし、中央のブロック部を1,3-ブタジエンの重合体のブロックとするトリブロック共重合体の水素添加物等を挙げることができる。オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、水素添加後の状態で、結晶性オレフィン・エチレンブチレン・結晶性オレフィンのブロック共重合体を例示することができる。
(オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点は、80℃以上110℃以下であることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が上記範囲であれば、発泡性に優れるものとなる。この観点からは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が85℃以上105℃以下であることがより好ましく、90℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。
(融点の測定方法)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点は、JIS K7121:2012に記載の熱流束示差走査熱量測定に基づき測定された融解ピーク温度として特定することができる。なお、試験片の状態調節としては「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」を採用し、加熱速度及び冷却速度としては共に10℃/分を採用する。DSC曲線に複数の融解ピークが表れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点温度を融点とする。
(オレフィン系熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率の上限については、50MPaであることが好ましい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率の下限については、おおむね1Maであることが好ましい。すなわち、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率が1MPa以上50MPa以下であることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率が上記の数値範囲にあることで、発泡ブロー成形体として耐寒衝撃性をさらに向上させる効果を得ることが容易となる。この効果をより高める観点からは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率が3MPa以上30MPa以下であることがより好ましく、5MPa以上25MPa以下であることがさらに好ましい。
(曲げ弾性率の測定)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の曲げ弾性率は、JIS K7171:2016に基づき測定することができる。
(オレフィン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレイト(MFR))
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のMFR(230℃、荷重2.16kg)は、1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、1.5g/10分以上5g/10分以下であることがさらに好ましい。
(MFRの測定)
オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のMFR(g/10min(230℃))は、例えばJIS K7210-1:2014(試験方法A法)に基づき求められる。測定条件としては、230℃、荷重2.16kgの条件が採用された。
(混合樹脂の各成分の配合割合)
前記混合樹脂においては、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である。ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が上記範囲であることで、発泡ブロー成形体に求められる耐衝撃性と表面平滑性の両立を実現させることが容易となる。上記観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量は、22質量部以上35質量部以下が好ましく、23質量部以上30質量部以下がより好ましい。
(混合樹脂の他の添加物)
発泡ブロー成形体を製造する際、上記したように混合樹脂と発泡剤が混錬される。物理発泡剤としては、次に示すようなものを挙げることができる。
(発泡剤)
発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2-テトラフロロエタン、1,1-ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等の脂肪族エーテル、メチルアルコール、エチルアルコール等の脂肪族アルコール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートなどの有機系物理発泡剤、二酸化炭素、窒素、空気、水等の無機系物理発泡剤、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド等の化学発泡剤が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で又は混合して用いられる。
無機系物理発泡剤を用いて発泡パリソンを形成すると、発泡が早期に完了し、発泡剤が樹脂中に殆ど或いは全く残存しなくなることにより樹脂が可塑化されることがなく、ドローダウンが防止される。その結果、有機系物理発泡剤を使用して得られたものと比較すると、ブロー成形性に優れた発泡パリソンが得られる。この観点から、前記した発泡剤の中でも無機系物理発泡剤を用いることが好ましく、二酸化炭素を含む無機系物理発泡剤を用いることがより好ましく、二酸化炭素のみからなる物理発泡剤を用いることがさらに好ましい。
本発明において、物理発泡剤として二酸化炭素を含む発泡剤を使用する場合、二酸化炭素を物理発泡剤100モル%に対して20~100モル%配合することが好ましく、50~100モル%配合することがより好ましく、70~100モル%配合することがさらに好ましい。二酸化炭素の含有量が前記範囲内であると、気泡径が小さく、かつ独立気泡率が高い発泡ブロー成形体を容易に得ることができる。
物理発泡剤の添加量は、混合樹脂1kg当たり0.05モル~0.8モルであることが好ましく、0.1モル~0.5モルであることがより好ましい。
(その他の樹脂)
混合樹脂には、ポリオレフィン系樹脂(A)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)とは異なるその他の樹脂を、本発明の目的効果を阻害しない範囲で、配合することができる。その他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(A)以外のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂や、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)以外の熱可塑性エラストマー(TPE)を配合することができる。また、ポリオレフィン系樹脂(A)以外のポリオレフィン系樹脂として、バイオマスポリオレフィン系樹脂、ASR由来のポリオレフィン系樹脂、マスバランスポリオレフィン系樹脂を用いることもできる。その他の樹脂の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下であり、更に好ましくは10質量部以下であり、特に好ましくは5質量部以下である。
(各種の添加剤)
発泡ブロー成形体を製造する際、混合樹脂には、上記した発泡剤の他に各種の添加剤が添加されてよい。添加剤としては、難燃剤、流動調整剤、紫外線吸収剤、導電性付与剤、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料などを例示することができる。上記添加剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下であり、更に好ましくは3質量部以下である。
また、混合樹脂には、添加剤としてカーボンブラックが添加されてよい。混合樹脂におけるカーボンブラックの含有量は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して0.1質量部以上2質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量部以上1質量部以下である。カーボンブラックとしては、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ローラーブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。なお、発泡ブロー成形体を製造する際に、カーボンブラックを含む回収原料を原料の一部として用いる場合、混合樹脂のカーボンブラックの総含有量は回収原料中のカーボンブラックを含む値である。
(回収材の使用)
本発明の発泡ブロー成形体を製造する際には、バリや寸法ズレなどが生じた不良成形品などが発生することが起こりうる。これらのバリや不良成形品は、回収原料として用いることができる。回収原料は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)を含むものであることが好ましい。そして、本発明にかかる発泡ブロー成形体の製造方法では、回収原料を含ませた発泡性樹脂溶融物が形成され、その発泡性樹脂溶融物に基づき発泡ブロー成形体が形成されてよい。なお、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)を含む回収原料が発泡性樹脂溶融物を形成する際の原料の一部として用いられる場合、発泡ブロー成形体を構成する混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量とは、前記回収原料に含まれるポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)を含む値として定められる。
[1-2 発泡ブロー成形体の製造方法による効果]
発泡ブロー成形体においてポリプロピレン系樹脂を用いたものは、耐熱性と軽量性の観点で特に優れるものとなり、例えば自動車等の車両に搭載されるダクトの用途で好適に採用することができる。このような用途で好適に用いられる発泡ブロー成形体については、近年、耐寒衝撃性を向上させたものがさらに要請されている。
しかしながら、発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性を向上させるために、ポリプロピレン系樹脂にエラストマーを添加すると、発泡ブロー成形体の剛性が低下する虞が高まる。発泡ブロー成形体がダクトとして使用された場合、発泡ブロー成形体の剛性が低下すると、エア等の気体がダクト内を通過する際におけるダクト内の負圧によってダクトを形成する発泡ブロー成形体がやや内側に湾曲する虞を生じる。
また、発泡ブロー成形体を中空状に形成してダクトとして用いる場合、ダクトの空気抵抗抑制や通気音(風切り音)抑制の観点から、発泡ブロー成形体の内側表面の表面平滑性の向上が強く要請されている。
本発明にかかる発泡ブロー成形体の製造方法によれば、特定のポリプロピレン系樹脂(ポリオレフィン系樹脂(A))と特定のエラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー(B))とが特定の範囲で用いられることで、耐寒衝撃性と剛性の両方に優れた発泡ブロー成形体を得ることができる。また、特定のエラストマーを用いることで、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を大きく阻害せず、表面平滑性に悪影響を及ぼす虞を抑制することができる。
また、ポリプロピレン系樹脂として、分岐状ホモポリプロピレンのみならず直鎖状ポリプロピレンブロックが特定の範囲で併用されていることで、エラストマーを用いたことによる剛性の低下の虞を抑えることができ、剛性に優れた発泡ブロー成形体が得られる。
また、発泡ブロー成形体としては、用途等の様々な条件に応じて様々な見掛け密度のものが求められる。本発明にかかる発泡ブロー成形体の製造方法によれば、特定のポリプロピレン系樹脂と特定のエラストマーとが特定の範囲で用いられることで、様々な見掛け密度の条件でも表面平滑性に優れた(内側表面平滑性に優れた)発泡ブロー成形体を得ることができる。
次に、本発明にかかる発泡ブロー成形体について述べる。
[2.発泡ブロー成形体]
[2-1 発泡ブロー成形体の構成]
本発明にかかる発泡ブロー成形体は、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂の発泡成形体である。
本発明にかかる発泡ブロー成形体は、上記した発泡ブロー成形体の製造方法により得ることができる。すなわち、発泡ブロー成形体は、上記1.発泡ブロー成形体の製造方法で述べたことと同様に、押出発泡工程、ブリブロー工程、及びブロー成形工程等を行うことで得ることができる。なお、それぞれの工程は上記した[1.発泡ブロー成形体の製造方法]で述べたことと同じであるから説明を省略する。
本発明にかかる発泡ブロー成形体に用いられる混合樹脂に配合されるポリオレフィン系樹脂(A)は、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)を所定の質量比[(a1):(a2)]で含むものである。分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の構造や物性(曲げ弾性率等)及び、質量比[(a1):(a2)]は、[1.発泡ブロー成形体の製造方法]で述べたことと同じであるから説明を省略する。なお、ポリオレフィン系樹脂(A)として、バイオマス由来のポリプロピレンや、マスバランス方式によるポリプロピレンを用いることができる。
また、発泡ブロー成形体に用いられる混合樹脂に配合されるオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の構造や物性(融点等)、及び混合樹脂においての前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量についても、[1.発泡ブロー成形体の製造方法]で述べたことと同じであるから説明を省略する。
(発泡ブロー成形体の形状)
発泡ブロー成形体の形状は、特に限定されないが、中空状の成形体であると、例えば車両等に設けられる空調用のダクトとして発泡ブロー成形体を利用することが容易となる。
(独立気泡率)
発泡ブロー成形体の独立気泡率は、外観性を向上させる観点からは、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
(独立気泡率の測定)
発泡ブロー成形体のおおむね平坦部から25mm×25mm×平坦部の肉厚みに切断した試験片を作製する。厚みの総和が20mmに最も近づくように試験片を複数枚重ねて測定用試験片とする。次に、ASTM-D2856-70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型等を使用して測定用試験片の真の体積Vxを測定し、下記数式(式(1))により独立気泡率S(%)を計算する。上記測定を、5個の測定用試験片を用いて行い、その算術平均値を発泡ブロー成形体の独立気泡率とする。
Figure 2024013089000001
ただし、
Vx:上記方法で測定された試験片の真の体積(cm)であり、発泡ブロー成形体を構成する樹脂の体積と、試験片内の独立気泡部分の気泡全体積との和に相当する、
Va:測定に使用された試験片の外寸から計算された試験片の見掛け体積(cm)、
W:測定に使用された試験片の全質量(g)、そして
ρ:発泡ブロー成形体を構成する樹脂の密度(g/cm)、
である。
(見掛け密度)
発泡ブロー成形体の見掛け密度が100kg/m以上450kg/m以下であることが好ましい。上記見掛け密度を有することで、軽量であるとともに、適度な剛性を有する成形体を安定して得ることができる。軽量性と剛性、更には緩衝性とのバランスの観点からは、発泡ブロー成形体の見掛け密度は、120kg/m以上400kg/m以下であることが好ましく、130kg/m以上350kg/m以下であることがより好ましく、150kg/m以上250kg/m以下であることがさらに好ましい。
(見掛け密度の測定)
発泡ブロー成形体の長手方向中央部および長手方向両端部付近の計3箇所の長手方向に対する垂直断面に対して、各垂直断面の周方向の平坦部分において等間隔な4箇所を選択し、平面視での面積約10cmの試験片を切り出し、そして、各試験片について、その質量Wi[g]を体積Vi[cm]で除し、単位換算することにより各試験片の見掛け密度(Wi/Vi)を求め、それらの値の算術平均値を見掛け密度(D)とした。
(発泡ブロー成形体の曲げ弾性率)
発泡ブロー成形体の曲げ弾性率(MPa)は、140MPa以上250MPa以下であることが好ましい。発泡ブロー成形体の曲げ弾性率が上記の数値範囲にあることで、十分な剛性を確保することが容易となる。この効果をより高める観点からは、発泡ブロー成形体の曲げ弾性率は、150MPa以上200MPa以下であることがより好ましい。
(発泡ブロー成形体の曲げ弾性率の測定)
発泡ブロー成形体の曲げ弾性率については、発泡ブロー成形体の平坦部分からサンプルを切り出し、そのサンプル片の曲げ弾性率を、JIS K7171:2016に基づいて測定することで、特定することができる。
[2-2 発泡ブロー成形体による効果]
本発明にかかる発泡ブロー成形体は、上記の[1.発泡ブロー成形体の製造方法]で説明したことと同様に、特定のポリプロピレン系樹脂(ポリオレフィン系樹脂(A))と特定のエラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー(B))とが特定の範囲で配合された混合樹脂の発泡成形体であることで、耐寒衝撃性と剛性の両方に優れる。また、発泡ブロー成形体は特定のエラストマーを用いられていることで、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を大きく阻害せず、表面平滑性に悪影響を及ぼす虞を抑制することができる。
また、本発明にかかる発泡ブロー成形体は、ポリプロピレン系樹脂として、分岐状ホモポリプロピレンのみならず直鎖状ポリプロピレンブロックが特定の範囲で併用されていることで、エラストマーを用いたことによる剛性の低下の虞を抑えられており、剛性に優れる。
また、発泡ブロー成形体には、用途等の様々な条件に応じて様々な見掛け密度のものを求められる。本発明にかかる発泡ブロー成形体では、特定のポリプロピレン系樹脂と特定のエラストマーとが特定の範囲で用いられており、発泡ブロー成形体の見掛け密度を様々な値としても表面平滑性に優れたものを得ることができる。
なお、発泡ブロー成形体の上述した耐寒衝撃性は、次に示す(-10℃落球試験)で特定することができる。
(-10℃落球試験(1.5m、1kg))
発泡ブロー成形体を-10℃の雰囲気下で24時間載置することで発泡ブロー成形体の状態調節が行われ、状態調節を行った発泡ブロー成形体のうち平坦部分を上に向けて試験台に載置し、1.5m上方から、1kgの鉄球を平らな部分に向けて落下させた。このとき、発泡ブロー成形体の損傷状態が観察された。発泡ブロー成形体の損傷の程度が少ない(損傷がない場合を含む)ほど、発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性に優れる。
なお、鉄球が発泡ブロー成形体に衝突した際、平坦部分から外れた場所に力がかかって発泡ブロー成形体が損傷した場合には、上記した-10℃落球試験が再度実施されることが好ましい。
次に、実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(樹脂の準備)
表1に示すポリオレフィン系樹脂、及びエラストマーを準備した。ただし、ポリオレフィン系樹脂については、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)と直鎖状ホモポリプロピレンが準備された。表1には、準備されたポリオレフィン系樹脂、及びエラストマーの物性(MFR(g/10分(230℃、荷重2.16kg))及び曲げ弾性率(MPa))を合わせて示す。
ポリオレフィン系樹脂、及びエラストマーのMFR(g/10分(230℃、荷重2.16kg))及び曲げ弾性率(MPa)は、ポリオレフィン系樹脂(A)、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)について上記した方法と同様の方法を適用して特定することできる。なお、後述される分岐状ホモポリプロピレン(a1)及びエラストマーの融点(℃)について、それぞれの融点の特定方法は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)について上記した方法を用いられる。また、分岐状ホモポリプロピレン(a1)及びエラストマーの結晶化温度(℃)については、JIS K 7121:1987に基づき、熱流束示差走査熱量計を用いて測定される。なお、示差走査熱量測定(DSC)曲線に複数の結晶化ピークが表れる場合は、ピーク高さの最も高い結晶化ピークのピーク温度を結晶化温度とする。
分岐状ホモポリプロピレン(a1)としては、ボレアリス社(Borealis社)製の商品名「WB140」が準備された(溶融張力(230℃);36cN、融点159℃、結晶化温度129℃)。表2及び表3では、準備された分岐状ホモポリプロピレンをWB140と略称表記する。
直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)としては、表1のL-PP1からL-PP3に示すものが準備された。
L-PP1は、プロピレンとエチレンの共重合体(プロピレン-エチレン共重合体)(日本ポリプロ株式会社製、商品名「ノバテック(商標)PP(型番BC03GS)」)である。
L-PP1のプロピレン-エチレン共重合体は、チーグラー触媒による共重合体(MFRは30g/10分)である。
L-PP2は、日本ポリプロ株式会社製の商品名「ノバテックPP(型番BC6DRF)」(MFRは2.5g/10分)ポリプロピレンブロックコポリマーである。
L-PP3は、エチレン-α-オレフィン共重合体(MFRは15g/10分)を含むプロピレンブロック共重合体(サンアロマー株式会社製、商品名「クオリア(商標)(型番CM688A)」)である。L-PP3のプロピレンブロック共重合体のMFRは9.5g/10分である。
表2及び表3では、L-PP1、L-PP2、及びL-PP3に示す直鎖状ブロックポリプロピレンを、それぞれBC03GS、BC6DRF及びCM688Aと略称表記する。
直鎖状ホモポリプロピレンは、株式会社プライムポリマー製の商品名「プライムポリプロ(商標)(型番J106G)」が準備された。表3では、準備された直鎖状ホモポリプロピレンをJ106Gと略称表記する。
エラストマーとしては、EL1からEL4に示すオレフィン系エラストマー及び、EL5に示すスチレン系エラストマーが準備された。
EL1は、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとからなるトリブロック共重合体の水素添加物である。EL1として、両端のブロック部をエチレン重合体ブロックとし且つ中央のブロック部を共役ジエン化合物の重合体ブロックとするブロック共重合体の水素添加物(JSR株式会社社製、商品名「ダイナロン(商標)6200P」)(ブロック共重合体におけるエチレン由来の成分が30質量%、1,3-ブタジエン由来の成分が70質量%、水添率(水素添加率)が98%以上、融点97℃、結晶化温度64℃)が準備された。EL1は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)に対応している。
EL2は、メタロセン系プロピレン-エチレン共重合体(エクソンモービル社製、商品名「ビスタマックス(商標)6202、融点102℃」)である。EL3は、RPTO(リアクターTPO(Thermoplastic Olefinic Elastomer))(Basell株式会社製、商品名「キャタロイ(型番Q100F)」、融点143℃、結晶化温度96℃)である。RPTOは、チーグラー触媒により逐次重合されたプロピレン系ランダムブロック共重合体である。EL4は、エチレンブテンブロック共重合体(三井化学株式会社製、商品名「タフマー(商標)(型番DF605)」、融点50℃以下)である。
EL5は、スチレンとブタジエンからなるブロック共重合体の二重結合部分を水素添加したスチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物(旭化成株式会社製、商品名「タフテック(商標)(型番H1041)」)
表2及び表3では、EL1、EL2、EL3、EL4及びEL5に示すエラストマーを、それぞれ6200P、6202、Q100F、DF605及びH1041と略称表記する。
Figure 2024013089000002
実施例1から5、比較例1から9
(押出発泡工程)
表2(実施例1から5)、表3(比較例1から9)に示す種類及び配合量(質量%)のポリオレフィン系樹脂、エラストマー、及び添加剤を口径65mmの押出機に供給し、押出機内にて溶融混練して樹脂溶融物とし、さらに押出機に発泡剤として二酸化炭素(CO)を圧入し、さらに混練して発泡性樹脂溶融物とした。発泡性樹脂溶融物は、押出機に連結したアキュームレーターに充填された。そして発泡温度170℃にて、アキュームレーターの先端に配置した環状ダイより発泡性樹脂溶融物を常圧域に押出し且つ発泡させることで、円筒状の発泡パリソンを形成した。
(プリブロー工程)
環状ダイの直下には成形型として2分割式の金型が配置されており、押出発泡工程で形成された円筒状の発泡パリソンが、金型の間に配置された。さらに、ピンチを用いて金型よりも下方側で発泡パリソンの開口部が閉じられた後、発泡パリソン内にプリブローエアが吹き込まれ、さらに2分割式の金型が閉じられることにより、成形型で発泡パリソンが挟み込まれた。
(ブロー成形工程)
成形型で挟み込まれた発泡パリソンの内部にブローピンからブローエアが吹き込まれること、及び、金型に設けた孔より吸引することで発泡パリソンの外側面と金型の内面との間の空間を減圧することにより、発泡パリソンの外面を成形型の内面に押し付けて、発泡パリソンに金型内面に対応した形状が賦形された。賦形及び冷却後、成形型である金型を開いて成形体を取り出し、バリ及びポケット部を取り除いた。これにより発泡ブロー成形体が得られた。得られた発泡ブロー成形体は、中空状に形成されており、断面がおおむね矩形の筒状で最大長さ650mm且つ最大幅180mmのダクトに対応する形状に形成された。
なお、表2及び表3に示すポリオレフィン系樹脂及びエラストマーの種類(「種別」欄)の記載(略称の記載)は、表1に示すポリオレフィン系樹脂及びエラストマーの種類に対応している。表2と3においてポリオレフィン系樹脂の種類の記載の直下欄に示す数値が、ポリオレフィン系樹脂における分岐状ポリプロピレンと直鎖状ポリプロピレンの合計を100とした場合における分岐状ポリプロピレンと直鎖状ポリプロピレンそれぞれの配合比率(質量%)に対応する。また、エラストマーの種類の記載の直下欄に示す数値が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対するエラストマーの配合量(質量部)に対応する。
また、前記混合樹脂には、ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して、添加剤としてカーボンブラック0.9質量部、タルク2質量部が含まれるように、カーボンブラックマスターバッチ(45%マスターバッチ(MB))及びタルクマスターバッチ(20%マスターバッチ(MB))として添加した。カーボンブラックマスターバッチは、B&Tech Corporation製、商品名「PP Black Master Batch,BT920F-JSJ」である。タルクマスターバッチは、松村産業製、商品名「ハイフィラー#12」(タルク濃度20質量%、メジアン径7.5μm)である。なお、タルクは気泡調整剤として機能することができる。
発泡剤の圧入量(mol/kg)は、表2及び表3に示す通りである。なお、表2及び表3に示される発泡剤の圧入量は、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーの混合樹脂1kg当たりの量(mol/kg)である。
(発泡ブロー成形体の物性)
実施例1から5、比較例1から9において得られたそれぞれの発泡ブロー成形体の物性として、見掛け密度(kg/m)、厚み(mm)、独立気泡率(%)、及び曲げ弾性率(MPa)を測定した。結果を表2及び表3に示す。
発泡ブロー成形体の見掛け密度、独立気泡率、及び曲げ弾性率は、上述した方法で測定される。
(発泡ブロー成形体の厚み)
発泡ブロー成形体の厚みは、発泡ブロー成形体の平均厚みを示しており、以下の方法により測定される値である。発泡ブロー成形体の長手方向中央部および長手方向両端部付近、さらに中央部と両端部との中間部の計5部位の長手方向に対する垂直断面を得る。各垂直断面の周方向に等間隔に6箇所の発泡ブロー成形体の厚み(肉厚)の測定を行い、得られた30箇所の厚みの測定値から最大値と最小値を除く28箇所の厚みの算術平均値を発泡ブロー成形体の平均厚みとした。
(発泡ブロー成形体の評価)
実施例1から5、比較例1から9において得られたそれぞれの発泡ブロー成形体について、耐寒衝撃性及び表面平滑性について評価した。結果を表2及び表3に示す。
(耐寒衝撃性)
発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性は、-10℃落球試験(1.5m、1kg)を実施することで評価された。
(-10℃落球試験(1.5m、1kg))
発泡ブロー成形体を-10℃の雰囲気下、24時間載置して状態調節を行った。状態調節を行った発泡ブロー成形体を、平坦部分を上に向けて試験台に載置し、1.5m上方から、1kgの鉄球を平らな部分に向けて落下させ、発泡ブロー成形体の損傷を観察した。落球試験は、5回実施された。なお、発泡ブロー成形体のうち落球が衝突した平らな部分(平坦部分)が撓み、平らな部分以外(平坦部分から外れた場所)に力がかかって発泡ブロー成形体が損傷した場合には、落球試験の回数に計上せずに、落球試験を再度行った。落球試験の結果に基づき、次の基準で発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性を評価した。
◎(きわめて良好):発泡ブロー成形体が割れない。
〇(良好):発泡ブロー成形体に割れが認められるが破片の飛び散りが認められない。
×(不良):発泡ブロー成形体が割れ、且つ、発泡ブロー成形体の割れた破片の飛び散りが認められる。
それぞれの実施例、比較例について、-10℃落球試験を行うための発泡ブロー成形体として、10個のサンプルを準備し、各サンプルを用いて発泡ブロー成形体の耐寒衝撃性を評価し、評価結果が◎又は○となったサンプル数(良好サンプル数)を数えた。結果を表2、表3に示す。
(表面平滑性の評価)
発泡ブロー成形体の表面平滑性とは、発泡ブロー成形体の内面側表面の平滑性を示す。発泡ブロー成形体の表面平滑性は、発泡ブロー成形体の平坦部分を切り出して、その平坦部分における発泡ブロー成形体の内側表面を目視により観察することで、実施された。発泡ブロー成形体の表面平滑性は、次に示す基準で実施された。
〇(良好):発泡ブロー成形体の内側表面を目視した場合に、隣接する凹凸の高低差(凹部の底位置と凸部の先端位置の差)が1mm以上となるような凹凸の形成箇所が、内側表面の100cmの領域当たり1か所以下である(ただし、内側表面に凹凸が認められない場合を含む)
×(不良):発泡ブロー成形体の内側表面を目視した場合に、隣接する凹凸の高低差(凹部の底位置と凸部の先端位置の差)が1mm以上となるような凹凸の形成箇所が、内側表面の100cmの領域当たり2か所以上である。
表2、表3において、表面平滑性の欄には、上記評価結果の他に凹凸の形成箇所の認識箇所数を合わせて記載している。例えば、実施例1から5で得られた発泡ブロー成形体では、凹凸の形成箇所は、0(すなわち内側表面に凹凸が認められない)であった。
実施例1から実施例5では、表2に示すように、耐寒衝撃性及び表面平滑性に優れた発泡ブロー成形体が得られていることが確認された。また、発泡ブロー成形体の曲げ弾性率も一般的にダクト等の用途で求められる剛性に対応する値を有していることが確認された。
比較例1,2では、実施例2に比較して混合樹脂におけるポリオレフィン系樹脂とエラストマーの配合比率を変更しており、表3に示すように、発泡ブロー成形体に求められる耐衝撃性と表面平滑性の両立が得られなかった。
比較例3から比較例6では、実施例1等に比較してエラストマーの種類を変更しており、表3に示すように、発泡ブロー成形体に求められる耐衝撃性と表面平滑性の両立が得られなかった。
比較例7及び比較例8では、実施例1等に比較して直線状ブロックポリプロピレン(a)の配合量を変更しており、表3に示すように、発泡ブロー成形体に求められる耐衝撃性と表面平滑性の両立が得られなかった。また、比較例7及び比較例8では、表3に示すように、実施例1から5に対して曲げ弾性率の値が低く、発泡ブロー成形体の剛性が不十分となっていた。
比較例9では、実施例1等で用いられた直線状ブロックポリプロピレンにかえて直線状ホモポリプロピレンに変更しており、表3に示すように、発泡ブロー成形体に求められる耐衝撃性と表面平滑性の両立が得られなかった。
Figure 2024013089000003
Figure 2024013089000004
上述した本発明の製造方法及び実施例は、一例であり、本発明はこれに限定されない。
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次の[E1]から[E8]に示す構成を採用されてよい。
[E1]
ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂を発泡させた発泡パリソンをブロー成形する工程を有する発泡ブロー成形体の製造方法であって、
前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体の製造方法。
[E2]
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が80℃以上100℃以下である、
上記[E1]に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
[E3]
前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1000MPa以上1500MPa以下である、
上記[E1]又は[E2]のいずれか1つに記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
[E4]
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のメルトフローレイト(230℃、荷重2.16kg)が1g/10min以上10g/10min以下である、
上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
[E5]
ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂の発泡ブロー成形体であって、
前記混合樹脂に配合される前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
前記混合樹脂に配合される前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体。
[E6]
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が80℃以上100℃以下である、
上記[E5]に記載の発泡ブロー成形体。
[E7]
前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1000MPa以上1500MPa以下である、
上記[E5]又は[E6]に記載の発泡ブロー成形体。
[E8]
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のメルトフローレイト(230℃、荷重2.16kg)が1g/10min以上10g/10min以下である、
上記[E5]から[E7]のいずれか1つに記載の発泡ブロー成形体。


Claims (5)

  1. ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂を発泡させた発泡パリソンをブロー成形する工程を含む発泡ブロー成形体の製造方法であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
    前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体の製造方法。
  2. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の融点が80℃以上100℃以下である、
    請求項1に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
  3. 前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)の曲げ弾性率が1000MPa以上1500MPa以下である、
    請求項1又は2に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
  4. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のメルトフローレイト(230℃、荷重2.16kg)が1g/10min以上10g/10min以下である、
    請求項1又は2に記載の発泡ブロー成形体の製造方法。
  5. ポリオレフィン系樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)との混合樹脂の発泡ブロー成形体であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、分岐状ホモポリプロピレン(a1)と直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)とからなり、且つ、前記分岐状ホモポリプロピレン(a1)と前記直鎖状ブロックポリプロピレン(a2)との質量比[(a1):(a2)]が、50:50~93:7であり、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)が、結晶性オレフィン重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物であり、
    前記混合樹脂においては、前記ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対する前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合量が、20質量部以上40質量部以下である、発泡ブロー成形体。


JP2022115020A 2022-07-19 2022-07-19 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体 Pending JP2024013089A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022115020A JP2024013089A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体
PCT/JP2023/026245 WO2024019042A1 (ja) 2022-07-19 2023-07-18 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022115020A JP2024013089A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024013089A true JP2024013089A (ja) 2024-01-31

Family

ID=89617725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022115020A Pending JP2024013089A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024013089A (ja)
WO (1) WO2024019042A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5053907B2 (ja) * 2008-03-31 2012-10-24 キョーラク株式会社 軽量空調ダクト
JP6845426B2 (ja) * 2017-02-27 2021-03-17 キョーラク株式会社 発泡成形用樹脂、発泡成形体及びその製造方法
KR102511653B1 (ko) * 2018-09-21 2023-03-17 가부시키가이샤 제이에스피 폴리프로필렌계 수지 발포 성형체의 제조 방법
JP7331678B2 (ja) * 2019-02-15 2023-08-23 日本ポリプロ株式会社 ポリプロピレン系樹脂組成物および発泡シート
JP2022115508A (ja) * 2021-01-28 2022-08-09 株式会社ジェイエスピー 発泡ブロー成形体
CN115232396A (zh) * 2022-07-12 2022-10-25 广州汽车集团股份有限公司 一种聚丙烯复合材料、汽车风管及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024019042A1 (ja) 2024-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100978771B1 (ko) 폴리프로필렌계 수지 중공형상 발포 성형체 및 이의제조방법
EP3309197B1 (en) Propylene resin foamed particle and foamed particle molded body
US8448671B2 (en) Light-weight air conditioning duct for vehicle
US20060194892A1 (en) Blended foam having improved flexibility at sub-freezing temperatures
US20100279087A1 (en) Polyethylene-based resin foamed blow molded article
WO2017179754A1 (ko) 자동차 부품용 폴리올레핀계 복합 수지 조성물
WO2016068164A1 (ja) ポリプロピレン系発泡成形体およびポリプロピレン系発泡成形体の製造方法
CN112672868B (zh) 聚丙烯系树脂发泡成型体的制造方法
JP5428061B2 (ja) 発泡ブロー成形品
JP2022115508A (ja) 発泡ブロー成形体
JP2024013089A (ja) 発泡ブロー成形体の製造方法、及び発泡ブロー成形体
JP2020093562A (ja) 車両用空調ダクト
JP2006175825A (ja) 複合成形体
JP4963266B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂射出発泡成形体
JP7433116B2 (ja) 射出発泡成形用ポリプロピレン樹脂組成物及びそれを用いた射出発泡ポリプロピレン樹脂組成物成形体
JP4283027B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物及びその発泡成形体
JP7519233B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡ブロー成形体の製造方法
JP2016120677A (ja) ブロー成形方法
JP7191495B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン組成物およびその方法
JP2014058624A (ja) ポリエチレン系発泡中空成形体
JP2024116465A (ja) 発泡ブロー成形体の製造方法
JP7252805B2 (ja) ポリエチレン系無架橋押出発泡体
US20220010084A1 (en) Foam Composition for Vehicle Seat Cushion, Foam for Vehicle Seat Cushion, and Manufacturing Method Therefor
JP5464888B2 (ja) 車両用軽量空調ダクト
JP6174462B2 (ja) 発泡ブロー成形品