JP2024013064A - 回転電機、および駆動装置 - Google Patents

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Hiroki Akaishi
和志 山本
Kazuyuki Yamamoto
大介 小笠原
Daisuke Ogasawara
祐輔 牧野
Yusuke Makino
愛海 中川
Manami NAKAGAWA
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Abstract

【課題】騒音を低減できる構造を有する回転電機、および駆動装置を提供する。【解決手段】中心軸を中心として回転可能なロータと、ロータと隙間を介して対向するステータと、ロータおよびステータを内部に収容するハウジングと、を備える。ハウジングは、ロータおよびステータを内部に収容する第1収容部20aと、第1収容部20aの外部に位置する第1固定部28kと、を有する。第1収容部20aは、ステータが固定されたステータ固定部25を有する。ステータ固定部25は、第1固定部28kに繋がる第2固定部を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、回転電機、および駆動装置に関する。
従来から、種々の回転電機の振動対策が知られている。例えば、特許文献1には、振動を励起する加振力を低減する方法が開示されている。
特開2007-166710号公報
回転電機においては、ステータコアが中心軸回りにねじれる向きに振動するねじれ共振が生じる場合がある。このねじれ共振が生じると回転電機全体が振動しやすいため、回転電機から生じる騒音が大きくなりやすい問題があった。そのため、より騒音を低減できることが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みて、騒音を低減できる構造を有する回転電機、および駆動装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記ロータおよび前記ステータを内部に収容するハウジングと、を備える。前記ハウジングは、前記ロータおよび前記ステータを内部に収容する第1収容部と、前記第1収容部の外部に位置する第1固定部と、を有する。前記第1収容部は、前記ステータが固定されたステータ固定部を有する。前記ステータ固定部は、前記第1固定部に繋がる第2固定部を含む。
本発明の一つの態様によれば、回転電機および駆動装置において、騒音を低減できる。
図1は、一実施形態における駆動装置を模式的に示す概略構成図である。 図2は、一実施形態における駆動装置を示す断面図であって、図1におけるII-II断面図である。 図3は、一実施形態におけるステータコアを示す斜視図である。 図4は、一実施形態における第1収容本体部を軸方向他方側から見た断面図である。 図5は、一実施形態におけるステータ固定部を示す斜視図である。 図6は、一実施形態における第2収容部の一部を示す斜視図である。 図7は、一実施形態におけるステータ固定部および第1固定部を示す断面図である。 図8は、一実施形態におけるステータ固定部および第1固定部を示す断面図であって、図7とは異なるステータ固定部および第1固定部を示す図である。 図9は、一実施形態における流路部の一部、および図7および図8に示すステータ固定部とは異なるステータ固定部を示す断面図である。 図10は、一実施形態における流路部の一部およびリブの一部を示す斜視図である。
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に関する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
適宜図に示す中心軸Jは、鉛直方向と交差する方向に延びる仮想軸である。より詳細には、中心軸Jは、鉛直方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、つまり中心軸Jの軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。以下の実施形態においては、左側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼び、右側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
適宜図に示す矢印θは、周方向を示している。以下の説明においては、周方向のうち右側(+Y側)から見て中心軸Jを中心として時計回りに進む側、すなわち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼び、周方向のうち右側から見て中心軸Jを中心として反時計回りに進む側、すなわち矢印θが向く側と逆側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸64を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。図1に示すように、駆動装置100は、回転電機10と、ギヤ機構60と、を備える。ギヤ機構60は、回転電機10に接続され、回転電機10の回転、つまり後述するロータ30の回転を車両の車軸64に伝達する。本実施形態のギヤ機構60は、ギヤハウジング61と、回転電機10に接続される減速装置62と、減速装置62に接続される差動装置63と、を有する。
ギヤハウジング61は、減速装置62と差動装置63とオイルOとを内部に収容している。オイルOは、ギヤハウジング61内の下部領域に貯留されている。オイルOは、後述する冷媒流路90内を循環する。オイルOは、回転電機10を冷却する冷媒として使用される。また、オイルOは、減速装置62および差動装置63に対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
差動装置63は、リングギヤ63aを有する。リングギヤ63aには、回転電機10から出力されるトルクが減速装置62を介して伝えられる。リングギヤ63aの下側の端部は、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOに浸漬している。リングギヤ63aが回転することで、オイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置62および差動装置63に潤滑油として供給される。
回転電機10は、駆動装置100を駆動する部分である。回転電機10は、例えば、ギヤ機構60の軸方向他方側(-Y側)に位置する。本実施形態において回転電機10は、モータである。回転電機10は、モータハウジング20と、中心軸Jを中心として回転可能なロータ30と、ステータ40と、管部材50と、インバータ装置80と、を備える。また、図2に示すように、回転電機10は、バスバーアッセンブリ84を備える。
図1に示すように、ロータ30は、シャフト31と、ロータ本体32と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体32は、ロータコアと、ロータコアに固定されたロータマグネットと、を有する。ロータ30のトルクは、ギヤ機構60に伝達される。
シャフト31は、中心軸Jを中心として回転可能である。シャフト31は、モータハウジング20に保持されたベアリング34,35によって回転可能に支持されている。本実施形態においてシャフト31は、中空シャフトである。シャフト31は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。シャフト31には、シャフト31の内部とシャフト31の外部とを繋ぐ孔部33が設けられている。シャフト31は、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とに跨って延びている。シャフト31の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ギヤハウジング61の内部に突出している。シャフト31の軸方向一方側の端部には、減速装置62が接続されている。
ステータ40は、ロータ30と径方向に隙間を介して対向している。より詳細には、ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、モータハウジング20の内部に固定されている。ステータ40は、ステータコア41と、コイルアセンブリ42と、を有する。
ステータコア41は、回転電機10の中心軸Jを囲む環状である。ステータコア41は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータコア41は、ロータ30を囲んでいる。ステータコア41は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。図2および図3に示すように、本実施形態においてステータコア41は、中心軸J回りに4回対称な形状である。
ステータコア41は、ステータコア本体部43と、突出部49と、を有する。ステータコア本体部43は、ロータ30を囲む環状である。より詳細には、ステータコア本体部43は、中心軸Jを中心として軸方向両側に開口する円筒状である。ステータコア本体部43は、ロータ30を囲む円筒状の外周面43cを有する。本実施形態において外周面43cは、中心軸Jを中心とする円筒状である。外周面43cは、ステータコア41の外周面の一部を構成している。本実施形態においてステータコア41の外周面は、外周面43cと、突出部49の径方向外側面と、によって構成されている。図示は省略するが、外周面43cは、モータハウジング20の内周面に設けられた支持部によって径方向外側から支持されている。外周面43cは、モータハウジング20の内周面のうち支持部が設けられていない部分と隙間を介して径方向に対向して配置されている。
ステータコア本体部43は、軸方向に延びる円筒状のコアバック43aと、コアバック43aから径方向内側に延びる複数のティース43bと、を有する。コアバック43aの外周面は、ステータコア本体部43の外周面43cである。複数のティース43bは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。
突出部49は、ステータコア本体部43の外周面43cから径方向外側に突出している。突出部49は、モータハウジング20に固定された固定部である。図3に示すように、突出部49は、軸方向に延びている。突出部49は、例えば、ステータコア本体部43の軸方向一方側の端部からステータコア本体部43の軸方向他方側の端部まで延びている。突出部49は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。突出部49は、例えば、4つ設けられている。
各突出部49は、各突出部49を軸方向に貫通する貫通孔49aを有する。貫通孔49aは、例えば、円形状の孔である。図2に示すように、貫通孔49aには、軸方向に延びるボルト48が通されている。ボルト48は、例えば、軸方向他方側(-Y側)から貫通孔49aに通されて、モータハウジング20に設けられた後述する第2ねじ穴29aに締め込まれている。これにより、突出部49は、ボルト48によってモータハウジング20に固定されている。
突出部49は、第1突出部44と、第2突出部45と、第3突出部46と、第4突出部47と、を含む。第1突出部44と第2突出部45と第3突出部46と第4突出部47とは、互いに周方向に間隔を空けて配置されている。本実施形態において第1突出部44および第2突出部45は、中心軸Jよりも上側に位置する。本実施形態において第3突出部46および第4突出部47は、中心軸Jよりも下側に位置する。第1突出部44と第2突出部45と第3突出部46と第4突出部47とは、例えば、周方向の一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態において第1突出部44と第2突出部45と第3突出部46と第4突出部47とは、周方向位置が互いに異なるが、互いに同じ形状である。そのため、以下の説明においては、第1突出部44以外の突出部49については、形状の説明を省略する場合がある。本実施形態において各突出部49は、周方向に非対称な形状である。
第1突出部44は、ステータコア本体部43の前側部分の上側の端部に設けられている。第1突出部44は、ステータコア本体部43から上側斜め前方に突出している。第2突出部45は、ステータコア本体部43の後側部分の上側の端部に設けられている。第2突出部45は、ステータコア本体部43から上側斜め後方に突出している。第3突出部46は、ステータコア本体部43の後側部分の下側の端部に設けられている。第3突出部46は、ステータコア本体部43から下側斜め後方に突出している。第4突出部47は、ステータコア本体部43の前側部分の下側の端部に設けられている。第4突出部47は、ステータコア本体部43から下側斜め前方に突出している。
第1突出部44は、モータハウジング20の内周面から離れて配置されている。第1突出部44の周方向の寸法は、径方向外側に向かうに従って小さくなっている。第1突出部44の径方向外端部の外形は、軸方向に見て、径方向外側に凸となる円弧状である。第1突出部44のうち周方向他方側(-θ側)を向く第1側面44aは、ステータコア本体部43の外周面43cから径方向外側に向かうに従って周方向一方側(+θ側)に位置する傾斜面である。本実施形態において第1側面44aは、上側斜め前方を向いている。
第1側面44aの径方向内側の端部は、ステータコア本体部43の外周面43cに繋がっている。中心軸Jの軸方向に見て、第1側面44aは、ステータコア本体部43の外周面43cのうち第1側面44aの径方向内側の端部が繋がる部分に接する接線に沿って延びている。第1側面44aは、ステータコア本体部43の外周面43cに滑らかに繋がっている。第1側面44aは、例えば、軸方向に見て、直線状に延びている。第1側面44aは、軸方向に見て、外周面43cから前側斜め下方に延びている。
第1突出部44のうち周方向一方側(+θ側)を向く第2側面44bは、ステータコア本体部43の外周面43cから径方向外側に向かうに従って周方向他方側(-θ側)に位置する傾斜面である。本実施形態において第2側面44bは、前側斜め下方を向いている。第2側面44bの径方向内側の端部は、ステータコア本体部43の外周面43cに繋がっている。中心軸Jの軸方向に見て、第2側面44bは、ステータコア本体部43の外周面43cのうち第2側面44bの径方向内側の端部が繋がる部分に接する接線よりも径方向外側に傾いた向きに延びている。第2側面44bは、ステータコア本体部43の外周面43cに滑らかに繋がっている。第2側面44bは、例えば、軸方向に見て、直線状に延びている。第2側面44bは、軸方向に見て、外周面43cから上側斜め前方に延びている。
図1に示すように、コイルアセンブリ42は、周方向に沿ってステータコア41に取り付けられる複数のコイル42cを有する。複数のコイル42cは、図示しないインシュレータを介してステータコア41の各ティース43bにそれぞれ装着されている。複数のコイル42cは、周方向に沿って配置されている。より詳細には、複数のコイル42cは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。図示は省略するが、コイルアセンブリ42は、各コイル42cを結束する結束部材などを有してもよいし、各コイル42c同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
コイルアセンブリ42は、ステータコア41よりも軸方向に突出するコイルエンド42a,42bを有する。つまり、ステータ40は、ステータコア41よりも軸方向に突出するコイルエンド42a,42bを有する。コイルエンド42aは、ステータコア41よりも軸方向一方側(+Y側)に突出する部分である。コイルエンド42bは、ステータコア41よりも軸方向他方側(-Y側)に突出する部分である。コイルエンド42aは、コイルアセンブリ42に含まれる各コイル42cのうちステータコア41よりも軸方向一方側に突出する部分を含む。コイルエンド42bは、コイルアセンブリ42に含まれる各コイル42cのうちステータコア41よりも軸方向他方側に突出する部分を含む。本実施形態においてコイルエンド42a,42bは、中心軸Jを中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド42a,42bは、各コイル42cを結束する結束部材などを含んでもよいし、各コイル42c同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
モータハウジング20は、ロータ30およびステータ40を内部に収容するハウジングである。モータハウジング20は、ロータ30およびステータ40を内部に収容する第1収容部20aと、インバータ装置80を内部に収容する第2収容部20bと、を有する。モータハウジング20のうち第1収容部20aは、ギヤハウジング61の軸方向他方側(-Y側)に繋がっている。第1収容部20aは、第1収容本体部21と、隔壁部22と、蓋部23と、を有する。第1収容本体部21と隔壁部22とは、例えば、同一の単一部材の一部である。蓋部23は、例えば、第1収容本体部21および隔壁部22とは別体である。
第1収容本体部21は、中心軸Jを囲み、軸方向他方側(-Y側)に開口する筒状である。本実施形態において第1収容本体部21は、略四角筒状である。第1収容本体部21は、ステータ40を囲んでいる。図2に示すように、第1収容本体部21は、周壁部21aと、平面部21bと、枠部21cと、を有する。つまり、第1収容部20aは、周壁部21aと、平面部21bと、枠部21cと、を有する。周壁部21aは、内部にステータ40を収容する筒状の部分である。周壁部21aは、ステータコア41を中心軸J回りに囲んでいる。周壁部21aは、軸方向に延びる略四角筒状である。周壁部21aは、軸方向他方側に開口している。周壁部21aの内周面は、後述するステータコア41の外周面に沿った形状である。図2において、周壁部21aの内周面は、ステータコア41の外周面と隙間を介して対向している。なお、図示は省略するが、周壁部21aの内周面には、ステータコア41の外周面に接触する支持部が設けられている。
平面部21bは、周壁部21aの軸方向他方側(-Y側)の端部から径方向外側に広がる部分である。平面部21bは、中心軸Jを囲む環状である。軸方向に見て、平面部21bの外形は、角丸の四角形状である。平面部21bの上側の縁部は、前後方向(X軸方向)に対して鉛直方向に斜めに傾いている。平面部21bの上側の縁部は、前側(+X側)に向かうに従って上側に位置する向きに直線状に延びている。平面部21bには、平面部21bを軸方向に貫通する接続孔21dが設けられている。接続孔21dは、平面部21bの上側部分における前側(+X側)の端部に設けられている。本実施形態において接続孔21dは、円形状の孔である。接続孔21dは、第1収容部20aの内部と第2収容部20bの内部とを繋いでいる。
接続孔21dには、バスバーアッセンブリ84が軸方向に通されている。バスバーアッセンブリ84は、接続孔21dを介して、第1収容部20aの内部と第2収容部20bの内部とに跨って配置されている。バスバーアッセンブリ84は、軸方向に延びている。バスバーアッセンブリ84は、ステータ40の上側に位置する。バスバーアッセンブリ84は、複数のバスバー84aと、複数のバスバー84aを保持する樹脂製のバスバーホルダ84bと、を有する。
枠部21cは、平面部21bを介して、周壁部21aの軸方向他方側(-Y側)に繋がっている。枠部21cは、平面部21bの径方向外縁部から軸方向他方側に突出している。枠部21cは、周壁部21aよりも径方向外側に位置する。枠部21cは、軸方向に見て、周壁部21aを囲んでいる。本実施形態において枠部21cは、角丸の四角枠状である。
図1に示すように、隔壁部22は、第1収容本体部21の軸方向一方側(+Y側)の端部に繋がっている。隔壁部22は、第1収容部20aの内部とギヤハウジング61の内部とを軸方向に隔てている。隔壁部22は、第1収容部20aの内部とギヤハウジング61の内部とを繋ぐ隔壁開口22aを有する。隔壁部22には、ベアリング34が保持されている。蓋部23は、第1収容本体部21の軸方向他方側(-Y側)の端部に固定されている。蓋部23は、第1収容本体部21の軸方向他方側の開口を塞いでいる。蓋部23には、ベアリング35が保持されている。
図4に示すように、第1収容部20aは、ステータ40が固定されたステータ固定部29を有する。ステータ固定部29は、周壁部21aの内部に位置する。ステータ固定部29は、周壁部21aの軸方向一方側(+Y側)の端部における内周面に設けられている。ステータ固定部29は、周壁部21aの内周面から径方向内側に突出している。ステータ固定部29は、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略三角形状である。ステータ固定部29の径方向内側の面は、中心軸Jを中心とする円弧状の面である。
ステータ固定部29は、ステータ40を固定するボルト48が締め込まれる第2ねじ穴29aを有する。第2ねじ穴29aは、ステータ固定部29のうち軸方向他方側(-Y側)を向く面から軸方向一方側に窪んでいる。第2ねじ穴29aは、例えば、軸方向一方側に底部を有する円形状の穴である。第2ねじ穴29aの内周面には、雌ねじ部が設けられている。第2ねじ穴29aは、ステータ固定部29の周方向の中央部における径方向の中央部に設けられている。
本実施形態においてステータ固定部29は、複数設けられている。複数のステータ固定部29は、ステータ固定部24とステータ固定部25とステータ固定部26とステータ固定部27との4つステータ固定部29を含む。本実施形態において各ステータ固定部29は、略四角筒状の周壁部21aの内部における4つの角部にそれぞれ設けられている。ステータ固定部24とステータ固定部25とステータ固定部26とステータ固定部27とは、互いに周方向に間隔を空けて配置されている。ステータ固定部24とステータ固定部25とステータ固定部26とステータ固定部27とは、例えば、周方向の一周に亘って等間隔に配置されている。
ステータ固定部24は、周壁部21aの内周面のうち前側(+X側)かつ上側に位置する角面部21fに設けられている。ステータ固定部24は、軸方向に見て、上側斜め前方に凸となる略三角形状である。ステータ固定部25は、周壁部21aの内周面のうち後側(-X側)かつ上側に位置する角面部21fに設けられている。ステータ固定部25は、軸方向に見て、上側斜め後方に凸となる略三角形状である。ステータ固定部26は、周壁部21aの内周面のうち後側かつ下側に位置する角面部21fに設けられている。ステータ固定部26は、軸方向に見て、下側斜め後方に凸となる略三角形状である。ステータ固定部27は、周壁部21aの内周面のうち前側かつ下側に位置する角面部21fに設けられている。ステータ固定部27は、軸方向に見て、下側斜め前方に凸となる略三角形状である。
図2に示すように、ステータ固定部24は、第1突出部44の軸方向一方側(+Y側)に位置する。第1突出部44は、ステータ固定部24に軸方向に接触した状態で固定されている。ステータ固定部25は、第2突出部45の軸方向一方側に位置する。第2突出部45は、ステータ固定部25に軸方向に接触した状態で固定されている。ステータ固定部26は、第3突出部46の軸方向一方側に位置する。第3突出部46は、ステータ固定部26に軸方向に接触した状態で固定されている。ステータ固定部27は、第4突出部47の軸方向一方側に位置する。第4突出部47は、ステータ固定部27に軸方向に接触した状態で固定されている。
ステータ固定部24およびステータ固定部25は、中心軸Jよりも上側に位置する。ステータ固定部24の上側の端部は、ステータ固定部25の上側の端部よりも下側に位置する。ステータ固定部24とステータ固定部25とは、前後方向(X軸方向)に対して僅かに鉛直方向に斜めに傾いた方向に互いに間隔を空けて配置されている。ステータ固定部26およびステータ固定部27は、中心軸Jよりも下側に位置する。ステータ固定部26の下側の端部は、ステータ固定部27の下側の端部よりも上側に位置する。ステータ固定部26とステータ固定部27とは、前後方向(X軸方向)に対して僅かに鉛直方向に斜めに傾いた方向に互いに間隔を空けて配置されている。
ステータ固定部24とステータ固定部25とステータ固定部26とステータ固定部27とは、周方向位置が互いに異なるが、互いに同様の形状である。そのため、以下の説明においては、ステータ固定部24以外のステータ固定部29については、形状の説明を省略する場合がある。
図5に示すように、ステータ固定部24は、周壁部21aの内周面に繋がる基部24aと、基部24aから軸方向他方側(-Y側)に突出する支持部24bと、を有する。基部24aおよび支持部24bは、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略三角形状である。基部24aは、周壁部21aの内周面のうち角面部21fに繋がっている。支持部24bは、周壁部21aの内周面のうち角面部21fから径方向内側に離れて配置されている。支持部24bの軸方向他方側の面は、支持面24cである。支持面24cには、第2ねじ穴29aが開口している。支持面24cには、軸方向他方側から第1突出部44が接触している。
図4に示すように、ステータ固定部25は、ステータ固定部24と同様に、基部25aと、支持部25bと、を有する。支持部25bの支持面25cには、軸方向他方側(-Y側)から第2突出部45が接触している。ステータ固定部26は、ステータ固定部24と同様に、基部26aと、支持部26bと、を有する。支持部26bの支持面26cには、軸方向他方側から第3突出部46が接触している。ステータ固定部27は、ステータ固定部24と同様に、基部27aと、支持部27bと、を有する。支持部27bの支持面27cには、軸方向他方側から第4突出部47が接触している。
なお、本実施形態において、ステータ固定部24およびステータ固定部25は「第2固定部」に相当し、ステータ固定部26は「第3固定部」に相当する。つまり、ステータ固定部29は、第2固定部としてのステータ固定部24,25と、第3固定部としてのステータ固定部26と、を含む。
図2に示すように、第2収容部20bは、第1収容部20aの上側に繋がっている。より詳細には、第2収容部20bは、周壁部21aの上側に繋がっている。第2収容部20bは、ギヤハウジング61の上端部と平面部21bの上端部との軸方向の間に位置する。第2収容部20bは、第1収容部20aに繋がる第2収容本体部28aと、第2収容本体部28aに固定されたインバータ蓋部28bと、を有する。
第2収容本体部28aは、第1収容部20aの周壁部21aの上側に繋がっている。第2収容本体部28aと周壁部21aとは、例えば、互いに同一の単一部材の一部である。図6に示すように、第2収容本体部28aは、上側に開口する箱状である。第2収容本体部28aは、第2収容部20bのうち下側の壁部を構成する底壁部28cと、底壁部28cの外周縁部から上側に突出する外壁部28dと、を有する。底壁部28cの一部は、例えば、周壁部21aの上側の部分によって構成されている。
外壁部28dは、側壁部28e,28f,28gを有する。側壁部28eは、外壁部28dを構成する壁部のうち軸方向他方側(-Y側)に位置する壁部である。側壁部28fは、外壁部28dを構成する壁部のうち前側(+X側)に位置する壁部である。側壁部28gは、外壁部28dを構成する壁部のうち軸方向一方側(+Y側)に位置する壁部である。側壁部28eと側壁部28gとは、互いに軸方向に間隔を空けて配置されて、前後方向(X軸方向)に延びている。側壁部28gは、ステータ40における軸方向一方側の端部の上側に位置する。側壁部28fは、軸方向に延びている。側壁部28fは、側壁部28eの前側の端部と側壁部28gの前側の端部とを繋いでいる。本実施形態において第1収容本体部21の平面部21bのうちステータ40よりも上側に位置する部分は、側壁部28eの一部を構成している。平面部21bのうちステータ40よりも上側に位置する部分は、第1収容部20aの内部と第2収容部20bの内部とを隔てている。
第2収容本体部28aには、第1固定部28hが設けられている。つまり、モータハウジング20は、第1固定部28hを有する。第1固定部28hは、第1収容部20aの外部に位置する。本実施形態において第1固定部28hは、第1収容部20aの上側に位置する。本実施形態において第1固定部28hは、外壁部28dに複数設けられている。第1固定部28hは、側壁部28e,28f,28gのそれぞれに複数ずつ設けられている。本実施形態において第1固定部28hは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる略円柱状である。第1固定部28hは、第2収容部20bの内部と第2収容部20bの外部とに突出している。第1固定部28hは、インバータ蓋部28bを固定するボルトが締め込まれる第1ねじ穴28iを有する。第1ねじ穴28iは、第1固定部28hの上側の面から下側に窪む円形状の穴である。第1ねじ穴28iは、鉛直方向に延びている。第1ねじ穴28iは、第1固定部28hを鉛直方向に貫通する孔であってもよいし、下側に底部を有する穴であってもよい。第1ねじ穴28iの内周面には、雌ねじ部が設けられている。
複数の第1固定部28hは、第1固定部28jと、第1固定部28kと、を含む。第1固定部28jは、側壁部28fと側壁部28gとの接続部分に設けられた第1固定部28hである。図7に示すように、第1固定部28jは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる柱部28mと、柱部28mの上側の端部に繋がる本体部28pと、を有する。本体部28pは、柱部28mよりも第2収容部20bの外側に突出している。本体部28pには、第1ねじ穴28iが設けられている。第1固定部28jにおける第1ねじ穴28iは、本体部28pを鉛直方向に貫通している。
図6に示すように、第1固定部28kは、側壁部28gに設けられた第1固定部28hの1つである。第1固定部28kは、第1固定部28jよりも後側(-X側)に位置する。第1固定部28kは、第1固定部28jとの前後方向(X軸方向)の間で、側壁部28gに設けられた他の1つの第1固定部28hを挟んで配置されている。図8に示すように、第1固定部28kにおける第1ねじ穴28iは、下側に底部を有する穴である。
図2に示すように、インバータ蓋部28bは、外壁部28dの上側の端部に固定されている。より詳細には、インバータ蓋部28bは、インバータ蓋部28bの外周縁部を鉛直方向に貫通する複数のボルトが、複数の第1固定部28hの第1ねじ穴28iにそれぞれ締め込まれることで、第2収容本体部28aに固定されている。これにより、インバータ蓋部28bは、外壁部28dに設けられた第1固定部28hに固定されている。インバータ蓋部28bは、第2収容本体部28aの上側の開口を塞いでいる。インバータ蓋部28bは、鉛直方向と直交する方向に広がっており、インバータ装置80を上側から覆っている。本実施形態においてインバータ蓋部28bには、インバータ装置80が固定されている。より詳細には、インバータ蓋部28bの下側の面に、インバータ装置80が固定されている。
第2収容部20bの内部に収容されたインバータ装置80は、ステータ40に電気的に接続されている。本実施形態においてインバータ装置80は、バスバーアッセンブリ84のバスバー84aを介して、ステータ40のコイル42cと電気的に接続されている。パワー素子81と、コンデンサ82と、を有する。パワー素子81は、例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数のトランジスタを有する。当該複数のトランジスタによって、ステータ40に電気的に接続されたインバータ回路が構成されている。本実施形態においてパワー素子81は、第2収容部20bの前側(+X側)の部分における内部に位置する。パワー素子81は、ステータコア41の上側に位置する。パワー素子81の少なくとも一部は、鉛直方向に見て、ステータコア41と重なっている。本実施形態では、パワー素子81の全体が、鉛直方向に見て、ステータコア41と重なっている。パワー素子81は、インバータ蓋部28bの下側の面に固定されている。
コンデンサ82は、例えば、電解コンデンサまたはフィルムコンデンサである。本実施形態においてコンデンサ82は、第2収容部20bの後側(-X側)の部分における内部に位置する。コンデンサ82は、パワー素子81の後側に位置する。コンデンサ82の鉛直方向の寸法は、パワー素子81の鉛直方向の寸法よりも大きい。コンデンサ82は、パワー素子81と電気的に接続されている。コンデンサ82は、インバータ蓋部28bの下側の面に固定されている。
図7に示すように、第2固定部としてのステータ固定部24は、第1固定部28jに繋がっている。第1固定部28jは、インバータ蓋部28bが固定される部分であるため、モータハウジング20の他の部分に比して剛性が大きくなりやすい。そのため、ステータ固定部24が第1固定部28jに繋がることで、ステータ固定部24の剛性を好適に向上させることができる。ここで、ステータコア41が中心軸J回りにねじれ共振する際には、ステータ40が固定された複数のステータ固定部29において特に振動が大きくなることが本発明者らによって明らかになっている。そのため、ステータ固定部24の剛性を好適に向上させることで、ステータ固定部24が振動することを抑制でき、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動を低減できる。これにより、回転電機10から生じる騒音を低減できる。
また、本実施形態では、ステータコア41は、ロータ30を囲むステータコア本体部43と、ステータコア本体部43の外周面43cから径方向外側に突出する突出部49と、を有する。ステータ固定部29は、周壁部21aの内部において突出部49の軸方向一方側(+Y側)に位置する。突出部49は、ステータ固定部29に軸方向に接触した状態で固定されている。ステータコア41の固定構造がこのような構造となっている場合、ステータコア41の共振に伴ってステータ固定部29の振動が大きくなりやすい。したがって、このようなステータコア41の固定構造を有する回転電機10において、上述した振動低減効果をより有用に得られる。
また、本実施形態では、第1固定部28jは、インバータ装置80を内部に収容する第2収容部20bにおける第2収容本体部28aに設けられている。第1固定部28jには、第2収容部20bにおけるインバータ蓋部28bが固定されている。インバータ装置80を内部に収容する第2収容部20bは、例えばインバータ装置80の保護などのために、剛性が比較的大きくなりやすい。そのため、第2収容本体部28aに設けられインバータ蓋部28bが固定される第1固定部28jの剛性も比較的大きくなりやすい。これにより、第1固定部28jに繋がる第2固定部としてのステータ固定部24の剛性をより向上できる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより低減でき、回転電機10から生じる騒音をより低減できる。
また、本実施形態では、インバータ蓋部28bには、インバータ装置80が固定されている。そのため、第1固定部28jに対してインバータ蓋部28bとインバータ装置80とが固定されており、第1固定部28jに固定された部材の質量が比較的大きくなる。したがって、第1固定部28jに対して固定された部材の質量が小さい場合に比べて、第1固定部28jが振動しにくくなる。そのため、第1固定部28jに繋がるステータ固定部24の剛性をより向上できる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより低減でき、回転電機10から生じる騒音をより低減できる。
図7に示すように、本実施形態においてステータ固定部24には、第1固定部28jのうち柱部28mの下側の端部が繋がっている。つまり、ステータ固定部24は、第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向(Z軸方向)において、第1固定部28jの一方側(下側)に繋がっている。ここで、第1固定部28jにおける剛性は、第1ねじ穴28iが延びる方向において特に大きくなりやすい。そのため、第1ねじ穴28iが延びる方向においてステータ固定部24が第1固定部28jに繋がることで、ステータ固定部24の剛性をより向上させることができる。これにより、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより低減でき、回転電機10から生じる騒音をより低減できる。
本実施形態では、ステータ固定部24のうち第2ねじ穴29aの上側に位置する部分に、柱部28mの下側の端部が繋がっている。つまり、第2固定部であるステータ固定部24において、第2ねじ穴29aは、第1固定部28jの第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向に見て、第1固定部28jと重なる位置に配置されている。そのため、ステータ固定部24のうち、ステータコア41から最も力を受けやすい第2ねじ穴29aが設けられた部分の剛性を、第1固定部28jが繋がることによって好適に向上させることができる。これにより、ステータ固定部24の剛性をより好適に向上させることができる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより好適に低減でき、回転電機10から生じる騒音をより好適に低減できる。
ステータ固定部24の第2ねじ穴29aは、第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向に見て、第1固定部28jの第1ねじ穴28iと重ならない位置に配置されている。ステータ固定部24の径方向外側の端部、すなわち前側(+X側)かつ上側の端部は、第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向に見て、第1固定部28jの第1ねじ穴28iと重なる位置に配置されている。ステータ固定部24と第1固定部28jとは、互いに同一の単一部材の一部である。
図8に示すように、第2固定部としてのステータ固定部25は、第1固定部28kに繋がっている。そのため、上述したステータ固定部24と同様に、ステータ固定部25の剛性を向上できる。本実施形態では、ステータ固定部24の剛性とステータ固定部25の剛性とを、第1固定部28jと第1固定部28kとによってそれぞれ向上できるため、モータハウジング20の振動をより好適に低減できる。したがって、回転電機10から生じる騒音をより好適に低減できる。
本実施形態では、ステータ固定部24とステータ固定部25とが前後方向(X軸方向)に対して鉛直方向に斜めに傾いた方向に間隔を空けて配置されている。これにより、ステータ固定部24とステータ固定部25との間の周方向の距離を変えずに、ステータ固定部24とステータ固定部25との間の前後方向の距離を変えることができる。したがって、ステータ固定部24とステータ固定部25との前後方向の間隔を、第1固定部28jと第1固定部28kとの前後方向の間隔に合わせて、ステータ固定部24とステータ固定部25とを第1固定部28j,28kのそれぞれに好適に繋げやすい。そのため、ステータ固定部24の剛性とステータ固定部25の剛性とを、それぞれより好適に向上できる。したがって、モータハウジング20の振動をより好適に低減でき、回転電機10から生じる騒音をより好適に低減できる。なお、以下のステータ固定部25の説明においては、上述したステータ固定部24の説明において述べた効果と同様の効果については説明を省略する場合がある。
第2固定部としてのステータ固定部25は、第1固定部28kの第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向において、第1固定部28kの一方側(下側)に繋がっている。ステータ固定部25において、第2ねじ穴29aは、第1固定部28kの第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向に見て、第1固定部28kと重なる位置に配置されている。これらにより、上述したステータ固定部24と同様に、ステータ固定部25の剛性をより向上させることができる。
第2固定部としてのステータ固定部25において、第2ねじ穴29aは、第1固定部28kの第1ねじ穴28iが延びる鉛直方向に見て、第1ねじ穴28iと重なる位置に配置されている。そのため、ステータ固定部25のうちステータコア41から最も力を受けやすい第2ねじ穴29aが設けられた部分の剛性を、第1固定部28jのうちインバータ蓋部28bが固定されて最も剛性が高くなりやすい第1ねじ穴28iが設けられた部分が繋がることによって、好適に向上させることができる。これにより、ステータ固定部25の剛性をより好適に向上させることができる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより好適に低減でき、回転電機10から生じる騒音をより好適に低減できる。
図9に示すように、第3固定部としてのステータ固定部26は、第1固定部28hから離れて配置されている。つまり、ステータ固定部26は、第1固定部28hに繋がっていない。ステータ固定部26は、第1固定部28hから下側に離れて配置されている。ステータ固定部26は、モータハウジング20が有する流路部20cを構成する壁に繋がっている。モータハウジング20のうち流路部20cが設けられた部分は、肉厚が比較的大きく、剛性が比較的大きい。そのため、流路部20cを構成する壁に第3固定部としてのステータ固定部26を繋げることで、ステータ固定部26の剛性を向上させることができる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより低減でき、回転電機10から生じる騒音をより低減できる。
本実施形態において流路部20cは、周壁部21aの後側(-X側)に繋がっている。流路部20cは、鉛直方向(Z軸方向)に延びている。より詳細には、流路部20cは、鉛直方向に対して僅かに前後方向(X軸方向)に傾いた方向に延びている。流路部20cは、上側に向かうに従って後側に位置する。流路部20cの下側の端部は、周壁部21aから下側に突出している。本実施形態において流路部20cは、後述する第1流路部91の一部を構成する流路部である。流路部20c内には、ギヤハウジング61内から後述するポンプ71へと向かうオイルOが流れる。
図10に示すように、モータハウジング20は、流路部20cを構成する壁に繋がるリブ20eを有する。そのため、流路部20cを構成する壁の剛性をリブ20eによって向上させることができる。これにより、流路部20cを構成する壁に繋がる第3固定部としてのステータ固定部26の剛性もより向上できる。したがって、ステータコア41のねじれ共振に伴うモータハウジング20の振動をより低減でき、回転電機10から生じる騒音をより低減できる。
本実施形態においてリブ20eは、周壁部21aの外周面のうち下側に位置する部分に設けられている。リブ20eは、流路部20cを構成する壁のうち周壁部21aから下側に突出している部分に繋がっている。リブ20eは、流路部20cを構成する壁に繋がる部分から軸方向他方側(-Y側)に延びている。本実施形態においてリブ20eは、複数設けられている。複数のリブ20eは、流路部20cを構成する壁に繋がる部分において互いに繋がっており、流路部20cを構成する壁から軸方向に離れるに従って互いに前後方向(X軸方向)に離れる向きにそれぞれ延びている。
図1に示すように、管部材50は、軸方向に延びる管状である。管部材50は、中空の部材であり、軸方向両側に開口する略円筒状のパイプである。管部材50は、第1収容部20aの内部に収容されている。管部材50の軸方向両端部は、第1収容部20aに支持されている。管部材50の軸方向一方側(+Y側)の端部は、隔壁部22に支持されている。管部材50の軸方向他方側(-Y側)の端部は、蓋部23に支持されている。管部材50は、ステータ40の径方向外側に位置する。本実施形態において管部材50は、ステータ40の上側に位置する。図2に示すように、管部材50は、第2突出部45の周方向一方側(+θ側)の端部の上側に位置する。管部材50は、第2突出部45の周方向一方側に隣り合って配置されている。図1に示すように、管部材50は、ステータ40に向かって開口する複数の開口部56を有する。
本実施形態において駆動装置100には、冷媒としてのオイルOが循環する冷媒流路90が設けられている。冷媒流路90は、モータハウジング20における第1収容部20aの内部とギヤハウジング61の内部とに跨って設けられている。冷媒流路90は、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOが回転電機10に供給されて再びギヤハウジング61内に戻る経路である。冷媒流路90には、ポンプ71と、クーラ72と、管部材50と、が設けられている。冷媒流路90は、第1流路部91と、第2流路部92と、第3流路部93と、第4流路部94と、を有する。
第1流路部91の一部は、上述した流路部20cである。第1流路部91は、例えば、モータハウジング20の壁部とギヤハウジング61の壁部とに跨って設けられている。第2流路部92および第3流路部93は、例えば、ギヤハウジング61の壁部に設けられている。第4流路部94は、例えば、蓋部23に設けられている。第1流路部91は、ギヤハウジング61の内部のうちオイルOが貯留されている部分とポンプ71とを繋いでいる。第2流路部92は、ポンプ71とクーラ72とを繋いでいる。第3流路部93は、クーラ72と管部材50の内部とを繋いでいる。本実施形態において第3流路部93は、管部材50の軸方向一方側(+Y側)の端部に繋がっている。第4流路部94は、管部材50の内部とシャフト31の内部とを繋いでいる。本実施形態において第4流路部94は、管部材50の軸方向他方側(-Y側)の端部とシャフト31の軸方向他方側の端部とに繋がっている。
ポンプ71が駆動されると、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOが第1流路部91を通って吸い上げられ、第2流路部92を通ってクーラ72内に流入する。クーラ72内に流入したオイルOは、クーラ72内で冷却された後、第3流路部93を通って、管部材50の内部へと流れる。管部材50内にオイルOが流入することで、各開口部56からオイルOがそれぞれ噴射される。管部材50内に流入したオイルOの一部は、各開口部56から噴射されて、ステータ40に供給される。管部材50内に流入したオイルOの残りは、第4流路部94を通ってシャフト31の内部に流入する。シャフト31内に流入したオイルOの一部は、孔部33からロータ本体32の内部を通過して、ステータ40に飛散する。シャフト31内に流入したオイルOの他の一部は、シャフト31の軸方向一方側(+Y側)の開口からギヤハウジング61の内部に排出され、再びギヤハウジング61内に貯留される。
各開口部56からステータ40に供給されたオイルO、およびシャフト31内からステータ40に供給されたオイルOは、下側に落下して、モータハウジング20内の下部領域に溜まる。モータハウジング20内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁部22に設けられた隔壁開口22aを介してギヤハウジング61内に戻る。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。第1固定部は、どのような部材が固定される固定部であってもよい。第1固定部は、例えば、ポンプが固定される固定部であってもよいし、オイルクーラが固定される固定部であってもよい。第1固定部の形状は、特に限定されない。第1固定部の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。第1固定部が複数設けられる場合、複数の第1固定部は、固定される部材が互いに異なる2つ以上の第1固定部を含んでもよい。
ステータ固定部は、ステータが固定される部分であれば、どのような構成であってもよい。ステータ固定部は、1つ以上第2固定部を含むならば、いくつ設けられていてもよい。ステータ固定部が複数設けられている場合、複数のステータ固定部の全てが第2固定部であってもよい。第2固定部は、第1固定部と繋がっているならば、第1固定部に対してどのように繋がっていてもよい。第1固定部と第2固定部とは、互いに別体であってもよい。ステータ固定部は、流路部を構成する壁に繋がる第3固定部を含まなくてもよい。第3固定部が繋がる流路部は、どのような流体が流れる流路であってもよい。
なお、本明細書において、「第2固定部が第1固定部に繋がる」とは、第1固定部と第2固定部との間に他の部分が設けられずに、第1固定部と第2固定部とが直接互いに繋がっていることを含む。また、本明細書において「第3固定部が流路部を構成する壁に繋がる」とは、第3固定部と流路部を構成する壁との間に他の部分が設けられずに、第3固定部と流路部を構成する壁とが直接互いに繋がっていることを含む。
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。回転電機が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。回転電機の中心軸は、どのような方向に延びていてもよい。
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸を中心として回転可能なロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記ロータおよび前記ステータを内部に収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記ロータおよび前記ステータを内部に収容する第1収容部と、前記第1収容部の外部に位置する第1固定部と、を有し、前記第1収容部は、前記ステータが固定されたステータ固定部を有し、前記ステータ固定部は、前記第1固定部に繋がる第2固定部を含む、回転電機。
(2) 前記ステータは、前記ロータの径方向外側に位置するステータコアを有し、前記ステータコアは、前記ロータを囲むステータコア本体部と、前記ステータコア本体部の外周面から径方向外側に突出する突出部と、を有し、前記第1収容部は、前記ステータコアを前記中心軸回りに囲む周壁部を有し、前記ステータ固定部は、前記周壁部の内部において前記突出部の軸方向一方側に位置し、前記突出部は、前記ステータ固定部に軸方向に接触した状態で固定されている、(1)に記載の回転電機。
(3) 前記第1固定部は、ボルトが締め込まれる第1ねじ穴を有し、前記第2固定部は、前記第1ねじ穴が延びる方向において、前記第1固定部の一方側に繋がっている、(1)または(2)に記載の回転電機。
(4) 前記第2固定部は、前記ステータを固定するボルトが締め込まれる第2ねじ穴を有し、少なくとも1つの前記第2固定部において、前記第2ねじ穴は、前記第1ねじ穴が延びる方向に見て、前記第1固定部と重なる位置に配置されている、(3)に記載の回転電機。
(5) 少なくとも1つの前記第2固定部において、前記第2ねじ穴は、前記第1ねじ穴が延びる方向に見て、前記第1ねじ穴と重なる位置に配置されている、(4)に記載の回転電機。
(6) 前記ステータに電気的に接続されたインバータ装置を備え、前記ハウジングは、前記インバータ装置を内部に収容する第2収容部を有し、前記第2収容部は、前記第1収容部に繋がる第2収容本体部と、前記第2収容本体部に固定されたインバータ蓋部と、を有し、前記第1固定部は、前記第2収容本体部に設けられ、前記第1固定部には、前記インバータ蓋部が固定されている、(1)から(5)のいずれか一項に記載の回転電機。
(7) 前記インバータ蓋部には、前記インバータ装置が固定されている、(6)に記載の回転電機。
(8) 前記ステータ固定部は、複数設けられ、前記複数のステータ固定部は、前記第1固定部から離れて配置された第3固定部を含み、前記ハウジングは、流路部を有し、前記第3固定部は、前記流路部を構成する壁に繋がっている、(1)から(7)のいずれか一項に記載の回転電機。
(9) 前記ハウジングは、前記流路部を構成する壁に繋がるリブを有する、(8)に記載の回転電機。
(10) (1)から(9)のいずれか一項に記載の回転電機と、前記回転電機に接続されたギヤ機構と、を備える、駆動装置。
以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
10…回転電機、20a…第1収容部、20b…第2収容部、20c…流路部、20e…リブ、21a…周壁部、23…蓋部、24,25…ステータ固定部(第2固定部)、26…ステータ固定部(第3固定部)、27,29…ステータ固定部、28a…第2収容本体部、28b…インバータ蓋部、28h,28j,28k…第1固定部、28i…第1ねじ穴、29a…第2ねじ穴、30…ロータ、40…ステータ、41…ステータコア、43…ステータコア本体部、43c…外周面、48…ボルト、49…突出部、60…ギヤ機構、80…インバータ装置、100…駆動装置、J…中心軸

Claims (10)

  1. 中心軸を中心として回転可能なロータと、
    前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
    前記ロータおよび前記ステータを内部に収容するハウジングと、
    を備え、
    前記ハウジングは、
    前記ロータおよび前記ステータを内部に収容する第1収容部と、
    前記第1収容部の外部に位置する第1固定部と、
    を有し、
    前記第1収容部は、前記ステータが固定されたステータ固定部を有し、
    前記ステータ固定部は、前記第1固定部に繋がる第2固定部を含む、回転電機。
  2. 前記ステータは、前記ロータの径方向外側に位置するステータコアを有し、
    前記ステータコアは、
    前記ロータを囲むステータコア本体部と、
    前記ステータコア本体部の外周面から径方向外側に突出する突出部と、
    を有し、
    前記第1収容部は、前記ステータコアを前記中心軸回りに囲む周壁部を有し、
    前記ステータ固定部は、前記周壁部の内部において前記突出部の軸方向一方側に位置し、
    前記突出部は、前記ステータ固定部に軸方向に接触した状態で固定されている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記第1固定部は、ボルトが締め込まれる第1ねじ穴を有し、
    前記第2固定部は、前記第1ねじ穴が延びる方向において、前記第1固定部の一方側に繋がっている、請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記第2固定部は、前記ステータを固定するボルトが締め込まれる第2ねじ穴を有し、
    少なくとも1つの前記第2固定部において、前記第2ねじ穴は、前記第1ねじ穴が延びる方向に見て、前記第1固定部と重なる位置に配置されている、請求項3に記載の回転電機。
  5. 少なくとも1つの前記第2固定部において、前記第2ねじ穴は、前記第1ねじ穴が延びる方向に見て、前記第1ねじ穴と重なる位置に配置されている、請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記ステータに電気的に接続されたインバータ装置を備え、
    前記ハウジングは、前記インバータ装置を内部に収容する第2収容部を有し、
    前記第2収容部は、
    前記第1収容部に繋がる第2収容本体部と、
    前記第2収容本体部に固定されたインバータ蓋部と、
    を有し、
    前記第1固定部は、前記第2収容本体部に設けられ、
    前記第1固定部には、前記インバータ蓋部が固定されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 前記インバータ蓋部には、前記インバータ装置が固定されている、請求項6に記載の回転電機。
  8. 前記ステータ固定部は、複数設けられ、
    前記複数のステータ固定部は、前記第1固定部から離れて配置された第3固定部を含み、
    前記ハウジングは、流路部を有し、
    前記第3固定部は、前記流路部を構成する壁に繋がっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
  9. 前記ハウジングは、前記流路部を構成する壁に繋がるリブを有する、請求項8に記載の回転電機。
  10. 請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機と、
    前記回転電機に接続されたギヤ機構と、
    を備える、駆動装置。
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