JP2024011536A - ポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの接合物及びその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの接合物及びその製造方法 Download PDF

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Masakatsu Hotta
正 荒木
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Abstract

【課題】ポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムとが強固に接合された接合物と、その製造方法との提供。【解決手段】乾式処理されたポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムがプライマー組成物により接合された接合物であって、該プライマー組成物が、(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、(C)白金族金属触媒を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である、接合物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの接合物及びその製造方法に関するものである。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性、安全性等に優れることから多くの分野に使用されており、有機樹脂や金属等と組み合わせた部品として使用される事例も少なくない。また、ポリオレフィン樹脂の一種であるポリプロピレン樹脂は、合成樹脂の中でポリエチレン樹脂に次ぐ生産量があり、低比重で機械強度、加工性、耐擦傷性に優れている。しかし、ポリプロピレン樹脂は難接着性材料として知られており、ポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの間に、確実に凝集破壊するような強力な接着性を発現させる手法は未だに見出されていない。
ポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの接着を検討した例として、特開昭60-084335号公報(特許文献1)には、加硫シリコーンゴム上にアミノシランとビニルシランを含有するシランカップリング剤層を設けて、そこにシリコーン/ポリオレフィン共重合体、さらに熱可塑性樹脂を同時に加熱加硫させるとの記載があるが、この手法ではポリプロピレン樹脂上にシリコーンゴムを成型させることは難しい。
また、一般的にポリプロピレン樹脂には酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤が添加されている。これら添加剤の中でも窒素、硫黄、リン等を含む有機化合物や重金属のイオン性化合物も白金族金属触媒を用いる付加硬化型シリコーンゴムに対して硬化阻害を引き起こす場合がある。
特開昭60-084335号公報
したがって、本発明は、ポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムとが強固に接合された接合物を提供することを目的とする。また、圧縮成型、圧入成型、射出成型等の金型内での加熱成型工程においてもポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムとを強固に接合できる接合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、プラズマ処理あるいは酸化ケイ素皮膜処理を行ったポリプロピレン樹脂基材に、ケイ素原子にγ-アミノプロピル基が結合したシラン化合物と、エポキシ基を含むシラン化合物と、白金族金属化合物とを必須成分として含むプライマー組成物を塗布し、そこにシリコーンゴム組成物を加熱硬化させることで、金型内においてもポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムとの間に強固な接着が得られることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は下記のポリプロピレン樹脂とシリコーンゴムの接合物及びその製造方法を提供する。
<1>
乾式処理されたポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムがプライマー組成物により接合された接合物であって、該プライマー組成物が、
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
(C)白金族金属触媒
を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である、接合物。

<2>
(A)成分が、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン及び3-アミノプロピルメチルジエトキシシランから選ばれる1種以上であることを特徴とする<1>に記載の接合物。

<3>
ポリプロピレン樹脂基材の表面に乾式処理を行う第一工程と、
第一工程の後に、プライマー組成物を、第一工程で乾式処理された基材表面に塗布し、乾燥してプライマー層を形成する第二工程と、
該プライマー層の表面にシリコーンゴム組成物を適用し、加熱硬化して付加硬化型シリコーンゴム層を形成する第三工程とを有する接合物の製造方法であって、
該プライマー組成物が、
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
(C)白金族金属触媒
を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である接合物の製造方法。

<4>
乾式処理が、プラズマ処理又は酸化ケイ素皮膜処理であることを特徴とする<3>に記載の接合物の製造方法。

<5>
プライマー組成物を塗布し、乾燥して形成されるプライマー層の乾燥後の量が、0.05~5g/m2であることを特徴とする<3>又は<4>に記載の接合物の製造方法。

<6>
シリコーンゴム組成物が、下記(D)~(I)成分を含有するものである<3>~<5>のいずれか1項に記載の接合物の製造方法。
(D)重合度が100~10,000であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部
(E)BET法で測定した比表面積が50~500m2/gである補強性シリカ:(D)成分100質量部に対して、10~100質量部
(F)1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1モルに対して(F)成分中のヒドロシリル基が0.5~5モルとなる量
(G)白金族金属触媒:(D)成分に対し、白金族金属質量に換算して0.5~1,000ppm

<7>
プライマー層の表面にシリコーンゴム組成物を適用し、加熱硬化してシリコーンゴム層を形成する第三工程において、シリコーンゴム組成物が、圧縮成型、圧入成型、射出成型から選択されるいずれかにより加熱成型される<3>~<6>のいずれか1項に記載の接合物の製造方法。
本発明の製造方法を用いれば、圧縮成型、圧入成型、射出成型等の金型内での加熱成型工程においても、乾式処理されたポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムが強固に接合された接合物が安定的に得られる。ポリプロピレン樹脂は、家電製品、文房具、自動車部品、おもちゃ、スポーツ用品、食器等の様々な用途に使用されており、そこに硬度やカラーの異なるシリコーンゴムが強固に接合できると、触感調整(滑り止め等)や意匠性付与に有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、乾式処理されたポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムが、下記プライマー組成物により接合された接合物である。
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
(C)白金族金属触媒
を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1であるプライマー組成物。

また、本発明の接合物の製造方法は、
ポリプロピレン樹脂基材の表面に乾式処理を行う第一工程と、
第一工程の後に、プライマー組成物を、第一工程で乾式処理された基材表面に塗布し、乾燥してプライマー層を形成する第二工程と、
該プライマー層の表面にシリコーンゴム組成物を適用し、加熱硬化して付加硬化型シリコーンゴム層を形成する第三工程とを有し、
該プライマー組成物が、
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
(C)白金族金属触媒
を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1の接合物の製造方法である。
ポリプロピレン樹脂
本発明で用いるポリプロピレン樹脂基材は、特に限定されるものではなく、種々の融点および分子量のポリプロピレン樹脂を用いることができる。一般的にポリプロピレン樹脂は共重合の形態によって、プロピレンだけによる単独の重合体であるホモポリマー、エチレンを4.5重量%以下の割合で含むランダムコポリマー、ホモポリマーの重合後にエチレンが共重合されたエチレン-プロピレン共重合体を含むブロックコポリマーの3種類に分類されるが、いずれも用いることができる。
付加硬化型シリコーンゴム
本発明で用いる付加硬化型シリコーンゴムは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、補強性シリカ、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属触媒を含有するものである。練りロール機や密閉式混合機で可塑化・混合できるミラブル型ゴムと硬化前の状態が液状またはペースト状の液状ゴムのいずれも用いることができる。
[本発明の接合物の製造方法]
ポリプロピレン樹脂基材の表面に乾式処理を行う第一工程
乾式処理
本発明では、プライマー層を形成する前のポリプロピレン樹脂表面への乾式処理が必須工程となる。一般的に乾式処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、酸化ケイ素皮膜処理(イトロ処理)、UV処理及びエキシマ処理を挙げることができる。該乾式処理を行うと、例えば酸素原子を有する親水基が生成される等して親水性が発現する。これによりプロピレン樹脂とプライマー組成物との反応性を向上させることができる。本発明においては、これら乾式処理の中でも特にプラズマ処理又は酸化ケイ素皮膜処理が、強固な接着が安定して得られるため好ましい。
本発明で用いるプラズマ処理は、アルゴンまたは酸素プラズマを用いて減圧下で基材表面処理を行う手法であり、プラズマ出力、ガス流量、真空度、処理時間等を調整することができる。その処理条件はプライマー組成物の濡れ性や広がり具合、水等の液体の接触角に基づいて調整できる。
本発明で用いる酸化ケイ素皮膜処理は、イトロ処理とも称され、火炎を形成するための燃料ガス中にシラン化合物等を導入し、その火炎を用いて基材表面を処理する手法である。処理後には、二酸化ケイ素を主成分とする微小な粒子が基材表面に多数形成され、プライマー組成物との反応性が向上する。表面処理は、火炎の大きさや形状、バーナーと基材との距離、バーナーの移動速度、処理時間等により処理度を調整することができる。その処理条件はプライマー組成物の濡れ性や広がり具合、水等の液体の接触角に基づいて調整できる。また、この酸化ケイ素皮膜処理の効果的な手順に関しては、特開2003-238710号公報に詳しく記載されている。
第一工程で乾式処理された基材表面にプライマー層を形成する第二工程
本発明で用いる、第一工程で乾式処理された基材表面にプライマー層を形成するためのプライマー組成物は、
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
(B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
(C)白金族金属触媒
を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である組成物である。
以下各成分について詳述する。
(A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物
(A)成分のケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物とは、ケイ素原子に結合した3-アミノプロピル基を1分子中に1個以上有するものであり、好ましくは1個または2個、より好ましくは1個有するものである。
また、3-アミノプロピル基以外のケイ素原子に結合する基としては、炭素数1~10のアルキル基、及び炭素数1~6のアルコキシ基から選ばれる基が挙げられ、1分子中、1個以上アルコキシ基を有するものが好ましい。
(A)成分のシラン化合物としては、具体的には、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジ(3-アミノプロピル)ジメトキシシラン、及びジ(3-アミノプロピル)ジエトキシシランを例示することができる。(A)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
公知のアミノシランとしては、ケイ素原子にN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピル基、N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミノ基、又はN-フェニル-3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物があるが、いずれを用いても強い接着性が得られない。
(B)エポキシ基含有有機基を有するシラン化合物
(B)成分のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物としては、公知の化合物を使用することができる。前記シラン化合物は、ケイ素原子に結合したエポキシ基含有有機基を1分子中に1個以上有するものであり、好ましくは1個または2個、より好ましくは1個有するものである。
また、エポキシ基含有有機基以外のケイ素原子に結合する基としては、炭素数1~10のアルキル基、及び炭素数1~6のアルコキシ基から選ばれる基が挙げられ、1分子中、1個以上アルコキシ基を有するものが好ましい。
(B)成分のシラン化合物としては、具体的には、入手の容易さと反応性の高さから3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを例示することができる。(B)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(C)白金族金属触媒
(C)成分の白金族金属触媒としては、付加硬化型シリコーンゴムの触媒として広く使用されている白金(0)-1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体に代表されるカルシュテット触媒、ヘキサクロロ白金(IV)酸、テトラクロロ白金(II)酸等の塩化白金酸類が好適であるが、他に白金黒、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等も用いることができる。
プライマー組成物における(A)成分と(B)成分の混合比は、アミノ基とエポキシ基のモル比が2:8~8:2が好ましく、3:7~7:3がより好ましく、4:6~6:4が更に好ましい。
さらにプライマー組成物における(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比(窒素:白金)が、50:1~1:1であることが好ましく、35:1~1:1がより好ましく、20:1~1:1が更に好ましい。モル比(窒素:白金)が50を超えると十分な接着性が得られなくなり、1より下回ると接着性能は保たれるもののコスト面での負担が大きくなる。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分は溶剤で希釈して用いることもできる。溶剤としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分及びその他の任意成分が溶けるものであれば限定されるものではなく、公知の溶剤を使用できる。溶剤は、プライマー組成物の塗布及び乾燥時の蒸発速度に応じて、1種単独又は2種以上を組合せて用いてもよい。溶剤としては、具体的には、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、リグロイン、ゴム揮発油等の芳香族/脂肪族混合系炭化水素;トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレン等の塩化炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;及びシリコーン系溶剤等が挙げられる。中でも、脂肪族アルコール類が好ましく、さらには乾燥が容易な炭素数1~6の脂肪族アルコール類が特に好ましい。この理由としては、プライマー組成物において、シラン化合物中の、アミノ基とエポキシ基が反応してエポキシ基が開環し水酸基が生じ得るが、脂肪族アルコール中ではこの水酸基と、シラン化合物中のケイ素原子との反応が抑制され、プライマー溶液の保存安定性を高めることができるためである。
溶剤の配合量としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分及びその他の任意成分が、プライマー組成物中0.1~20質量%となる量が好ましく、0.5質量%~10質量%となる量がより好ましい。
プライマー組成物の塗布方法としては、刷毛塗り及びスプレー装置等が挙げられる。塗布量は塗布方法、塗工回数、プライマー組成物の濃度等により調整され、乾燥後の重量変化からその量を見積もることができる。プライマー組成物の乾燥後の量は、0.05~5g/m2となる量が好ましく、0.1~3g/m2となる量が好ましい。塗布量が0.05g/m2未満だと、十分な接着力が得られないおそれがあり、5g/m2を超えると、外部応力によりプライマー層が破壊されやすくなる場合がある。
プライマー組成物の乾燥、硬化方法は、室温で放置してもよいし、恒温器や恒温恒湿器に投入してもよい。ポリプロピレン樹脂の耐熱温度を鑑みると、恒温器の設定温度は160℃以下が好ましく、130℃以下がさらに好ましい。
また、工程が増えるが、(A)成分及び(B)成分を塗布、乾燥し、その上に(C)成分を塗布、乾燥してもよい。その際、(A)成分と(B)成分の比は、アミノ基とエポキシ基のモル比が2:8~8:2が好ましく、3:7~7:3がより好ましく、4:6~6:4が更に好ましい。また、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比(窒素:白金)が、50:1~1:1であることが好ましく、35:1~1:1がより好ましく、20:1~1:1が更に好ましい。
プライマー層の表面に付加硬化型シリコーンゴム層を形成する第三工程
本発明で用いる、プライマー層の表面にシリコーンゴム層を形成するためのシリコーンゴム組成物としては、特に限定されないが、例えば、下記(D)~(G)成分を含有するものが好ましいものとして挙げられる。
(D)重合度が100~10,000であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部
(E)BET法で測定した比表面積が50~500m2/gである補強性シリカ:(D)成分100質量部に対して、10~100質量部
(F)1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1モルに対して(F)成分中のヒドロシリル基が0.5~5モルとなる量
(G)白金族金属触媒:(D)成分に対し、白金金属質量に換算して0.5~1,000ppm
以下、各成分について詳述する。
(D)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用することが好ましい(D)成分は、重合度(又は分子中のケイ素原子数)が100~10,000であって、1分子中にケイ素原子に結合した2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。この(D)成分は、この組成物の主剤(ベースポリマー)として用いるものである。また、(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、好適には、室温(25℃)で生ゴム状(即ち、高粘度で自己流動性のない非液状)の成分である。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを主剤として配合する付加硬化型シリコーンゴム組成物は、通常、ミラブル型の(即ち、生ゴム状であって、ロールミル等の混練機により、せん断応力下に均一に混練することが可能な)組成物となるものである。(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(I)で表されるものが代表的である。
Figure 2024011536000001
(式(I)中、Rは同一又は異種の炭素数1~12の1価炭化水素基を示し、aは1.95~2.05の数である。)
上記平均組成式(I)中、Rは同一又は異種の炭素数1~12、好ましくは1~8の1価炭化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;3,3,3-トリフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。メチル基はR中の80%以上、特に90%以上であることが好ましく、更にはアルケニル基を除く全てのR基がメチル基であることが好ましい。
(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、又はこのジメチルポリシロキサンの主鎖の一部に、フェニル基、ビニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等を有するジフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルシロキサン単位等を導入したもの等が好適である。
(D)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上(通常、2~50個、特には2~20個)のアルケニル基、好ましくはビニル基を有する必要があり、例えば、上記平均組成式(I)中の全R基に対して、0.01~10%、特に0.02~5%がアルケニル基であることが好ましい。
なお、このアルケニル基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有していることが好ましい。具体的には分子鎖末端がジメチルビニルシリル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものが好ましい。
上記平均組成式(I)において、aは1.95~2.05の数であり、好ましくは1.98~2.02、より好ましくは1.99~2.01の数である。(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの分子構造は、基本的には、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2)の繰返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3SiO1/2)で封鎖された直鎖状構造であることが一般的であるが、ゴム弾性を損なわない範囲において主鎖中に少量の分岐単位(RSiO3/2)を含有した分岐状構造であってもよい(Rは上記と同一である)。
(D)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は100~10,000であり、好ましくは1,000~10,000であり、より好ましくは2,000~10,000、更に好ましくは3,000~8,000、特に好ましくは5,000~8,000である。重合度が100未満であると十分なゴム強度が得られない場合がある。
なお、本明細書中で重合度とは下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量から重量平均重合度として求めた値である。
[GPC測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-H
TSKgel SuperH5000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50μL(濃度0.5質量%のトルエン溶液)
(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても、分子構造や重合度の異なる2種以上を併用してもよい。
(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、公知の方法、例えばオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解し、縮合することにより、或いは環状ポリシロキサンをアルカリ性又は酸性触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
(E)補強性シリカ
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用することが好ましい(E)成分の補強性シリカは、通常シリコーンゴム組成物に使用される補強性シリカ微粉末を用いることができる。(E)成分の補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、焼成シリカ等の乾式シリカ、沈降性シリカ等の湿式シリカ等が挙げられ、中でも耐熱性の観点から煙霧質シリカが好ましい。
BET法で測定した比表面積は50~500m2/gであり、好ましくは100~400m2/g、より好ましくは100~300m2/gである。比表面積が50m2/g未満では機械的強度の付与が不十分となる場合がある。また、500m2/gよりも大きいものは工業的な生産が難しくなる場合がある。
この補強性シリカは、必要に応じ、表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等の公知の処理剤で疎水化処理してもよい。
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物への(E)成分の補強性シリカの添加量は、(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100質量部に対して、10~100質量部であり、好ましくは20~70質量部、より好ましくは30~60質量部である。10質量部未満だと、添加量が少なすぎて十分な補強効果が得られず、100質量部を超えると加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまう場合がある。
(F)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用することが好ましい(F)成分は、1分子中にケイ素原子に結合する水素原子(ヒドロシリル基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、下記平均組成式(II)で示される常温で液状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2024011536000002
(式(II)中、R2は互いに独立に同一又は異種の炭素数1~10の1価炭化水素基である。bは0.7~2.1、cは0.001~1で、かつb+cは0.8~3を満足する数である。)
式(II)中、R2は互いに独立に同一又は異種の炭素数1~10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基を挙げることができる。
また、式(II)中、bは0.7~2.1、好ましくは0.8~2、cは0.001~1、好ましくは0.01~1で、かつb+cは0.8~3、好ましくは0.9~2.7を満足する数である。
(F)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個(2~300個)、好ましくは3個以上(例えば3~200個)、より好ましくは4個以上(例えば4~100個)有するが、これらは分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中(非末端)にあっても、その両方にあってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中のケイ素原子数(又は重合度)が通常2~300個、好ましくは3~200個、より好ましくは4~100個のものであればよく、また25℃における粘度が0.5~1,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは1~500mPa・s、特に5~300mPa・sであることが好ましい。なお、この粘度はJIS K 7117-1:1999記載の回転粘度計により25℃で測定した値を指す。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(D)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1~30質量部が好ましく、0.3~10質量部がより好ましい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(D)成分のアルケニル基の合計に対するヒドロシリル基のモル比が、0.5~5の範囲であり、0.8~3の範囲が好ましく、1~2.5の範囲がより好ましい範囲となるように配合することもできる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用する場合、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量が少なすぎると、架橋が不十分で強度、伸び等のゴム物性に劣るおそれがあり、多すぎると架橋点が多すぎて(架橋密度が高すぎて)、同様にゴム物性に劣るおそれがある。
(G)白金族金属触媒
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用することが好ましい(G)成分は、(C)成分と同様に定義される。
(G)成分の配合量は触媒量とすることができ、通常、(D)成分に対し、白金金属質量に換算して0.5~1,000ppmであり、1~500ppmの範囲が好ましい。
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物を、プライマー層の表面に適用し、加熱硬化して付加硬化型シリコーンゴム層を形成する(第三工程)。
付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化条件は、100~180℃で10秒~30分間が好ましく、120~160℃で20秒~20分間がより好ましい。付加硬化型シリコーンゴム組成物をプライマー層上に成型後(即ち、1次硬化後)に、接着性や硬化物の圧縮永久歪向上を目的にポストキュア(2次硬化)を実施することが好ましい。ポストキュアの条件は、ポリプロピレン樹脂の耐熱温度や融点も鑑みて、100~180℃で30分~100時間が好ましく、120~160℃で1~8時間がより好ましい。
付加硬化型シリコーンゴム組成物の成形方法は、圧縮成型(プレス成型)、圧入成型、射出成型、押出成形等いずれの方法を採用してもよいが、本発明は特に圧縮成型、圧入成型、射出成型といった金型内での成型において優れた接着性能を発揮する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[溶液P1(シラン)]
イソプロピルアルコール中に、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE-903、信越化学工業株式会社製)、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-403、信越化学工業株式会社製)を各5質量%になるように調製した(窒素原子含有量:0.32質量%)。調製後に1時間震盪機にて攪拌後、翌日以降に、下記溶液P2又は溶液P3と混合した。
[溶液P2(カルシュテット触媒)]
ノルマルヘプタン中に、白金(0)-1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量が0.1質量%となるように調製した。調製後に1時間震盪機にて攪拌した。
[溶液P3(塩化白金酸)]
イソプロピルアルコール中に、ヘキサクロロ白金(IV)酸を白金原子含有量が0.1質量%となるように調製した。調製後に1時間震盪機にて攪拌した。
プライマー塗布は、溶液P1と、溶液P2または溶液P3とを表1に記載の組み合わせで、窒素原子量と白金原子量が表1に記載の割合になる様に混合し、1時間震盪機にて攪拌してプライマー組成物を調製した後に、刷毛塗りにて実施した。乾燥は室温で30分間放置した後に、120℃で30分間加熱した。乾燥後の量は1.5g/m2となった。
[ベースシリコーンゴムコンパウンド]
ジメチルシロキサン単位99.9mol%、メチルビニルシロキサン単位0.075mol%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025mol%からなり、重量平均重合度が8,000、ビニル基量が1.3×10-5mol/gであり、前記式(I)のaが2.00であるオルガノポリシロキサン100質量部、BET法による比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製)25質量部、表面処理剤としてジメチルジメトキシシラン4質量部、メチルビニルジメトキシシラン0.15質量部、塩酸(pH=3)1質量部をニーダーにて混練し、180℃で1時間熱処理して、シリコーンベースコンパウンドを得た。
[シリコーンゴム組成物(付加架橋)]
ベースシリコーンゴムコンパウンド100質量部に、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.05質量部、エチニルシクロヘキサノール0.025質量部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され側鎖にヒドロシリル基を平均20個有し、前記式(II)のbが1.5であり、cが0.50であり、b+cが2.05であるメチルハイドロジェンジメチルポリシロキサン(重量平均重合度40、ヒドロシリル基量0.014mol/g)0.8質量部を2本ロールミルにて配合した。
[接着基材]
幅25mm、長さ100mm、厚さ2mmのポリプロピレン樹脂基材を用いた。
[プラズマ処理]
ポリプロピレン樹脂基材の表面をエタノールで洗浄、乾燥後に、プラズマドライクリーナー(ODC210、ヤマト科学株式会社製)を用いて表面処理を実施した。高周波出力100W、酸素流量100mL/分、真空度60Paの条件で、1分間の表面処理を実施した。
[酸化ケイ素皮膜処理]
ポリプロピレン樹脂基材の表面をエタノールで洗浄、乾燥後に、酸化ケイ素皮膜処理装置(フレイムボンド FB-5、株式会社ソフト99コーポレーション製)を用いて表面処理を実施した。火炎の大きさを4cm程度に調整し、火口と基材の距離を3cm、バーナーの移動速度を40cm/秒として、基材上を3回往復した。基材表面の光沢が失われたことから、処理されたことが確認できた。
[試験片の作製(プレス成型)]
プラズマ処理又は酸化ケイ素皮膜処理されたポリプロピレン樹脂基材の端部に、25mm×12.5mmの範囲でプライマー処理を行った。50mm×70mm×2mmの金型内の底にプライマー処理基材を置き、そこに10gのシリコーンゴム組成物を乗せ、圧力10MPaで120℃、10分間プレス成型を行った。ポリプロピレン樹脂基材とシリコーンゴム組成物が一体となった試験片を金型から取り外し、120℃のオーブンに投入し、さらに1時間加熱した。
[接着試験]
接着試験はシリコーンゴムを成型した翌日に実施した。上記の方法で得られた試験片の評価は、ゴムと基材を引っ張る180度ピール試験を行い、以下の基準で評価した。
A:接着面が全く剥がれない(あるいは他の部分でゴムが切れる)
B:ゴム破壊と界面剥離が混在
C:100%界面剥離
試験結果を表1に示す。乾式表面処理を行ったポリプロピレン樹脂基材に、ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、及び、1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物の混合物に一定量の白金族金属化合物を添加したプライマー組成物からなるプライマー層を設けた場合、金型内での成型においても強力な接着力が得られることが示された。
Figure 2024011536000003

Claims (7)

  1. 乾式処理されたポリプロピレン樹脂と付加硬化型シリコーンゴムがプライマー組成物により接合された接合物であって、該プライマー組成物が、
    (A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
    (B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
    (C)白金族金属触媒
    を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である、接合物。
  2. (A)成分が、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン及び3-アミノプロピルメチルジエトキシシランから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の接合物。
  3. ポリプロピレン樹脂基材の表面に乾式処理を行う第一工程と、
    第一工程の後に、プライマー組成物を、第一工程で乾式処理された基材表面に塗布し、乾燥してプライマー層を形成する第二工程と、
    該プライマー層の表面にシリコーンゴム組成物を適用し、加熱硬化して付加硬化型シリコーンゴム層を形成する第三工程とを有する接合物の製造方法であって、
    該プライマー組成物が、
    (A)ケイ素原子に3-アミノプロピル基が結合したシラン化合物、
    (B)1分子中に1個以上のエポキシ基含有有機基を有するシラン化合物、及び、
    (C)白金族金属触媒
    を含有し、(A)成分に含まれる窒素原子と(C)成分に含まれる白金原子のモル比が、50:1~1:1である接合物の製造方法。
  4. 乾式処理が、プラズマ処理又は酸化ケイ素皮膜処理であることを特徴とする請求項3に記載の接合物の製造方法。
  5. プライマー組成物を塗布し、乾燥して形成されるプライマー層の乾燥後の量が、0.05~5g/m2であることを特徴とする請求項3に記載の接合物の製造方法。
  6. シリコーンゴム組成物が、下記(D)~(I)成分を含有するものである請求項3に記載の接合物の製造方法。
    (D)重合度が100~10,000であって、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン:100質量部
    (E)BET法で測定した比表面積が50~500m2/gである補強性シリカ:(D)成分100質量部に対して、10~100質量部
    (F)1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1モルに対して(F)成分中のヒドロシリル基が0.5~5モルとなる量
    (G)白金族金属触媒:(D)成分に対し、白金族金属質量に換算して0.5~1,000ppm
  7. プライマー層の表面にシリコーンゴム組成物を適用し、加熱硬化してシリコーンゴム層を形成する第三工程において、シリコーンゴム組成物が、圧縮成型、圧入成型、射出成型から選択されるいずれかにより加熱成型される請求項3に記載の接合物の製造方法。
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