JP2024011184A - 作業機械を制御するためのシステム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】掘削壁を除去するための作業において、作業機械への負荷を軽減すると共に、作業の仕上がりの品質を向上させる。
【解決手段】システムは、機械位置センサとコントローラとを備える。機械位置センサは、作業機械の位置を示す現在位置データを出力する。コントローラは、現況地形データを取得する。現況地形データは、所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、第1スロットと第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む。コントローラは、第1掘削パスを決定する。第1掘削パスは、第1スロットから、第2スロット上の第1位置まで延び、第1掘削壁を横断する。コントローラは、運搬パスを決定する。運搬パスは、作業方向に向かって第1位置よりも後方から、第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる。コントローラは、第1掘削パスと運搬パスとに従って移動するように作業機械を制御する。
【選択図】図23
【解決手段】システムは、機械位置センサとコントローラとを備える。機械位置センサは、作業機械の位置を示す現在位置データを出力する。コントローラは、現況地形データを取得する。現況地形データは、所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、第1スロットと第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む。コントローラは、第1掘削パスを決定する。第1掘削パスは、第1スロットから、第2スロット上の第1位置まで延び、第1掘削壁を横断する。コントローラは、運搬パスを決定する。運搬パスは、作業方向に向かって第1位置よりも後方から、第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる。コントローラは、第1掘削パスと運搬パスとに従って移動するように作業機械を制御する。
【選択図】図23
Description
本発明は、作業機械を制御するためのシステム及び方法に関する。
作業機械によって行われる作業に、スロットドージングがある。スロットドージングでは、作業現場の現況地形が作業機によって掘削されることで、現況地形上に複数のスロットが形成される。また、複数のスロットの間には、掘削壁が形成される。掘削壁は、スロットに沿って残された土の山(windrow)である。
特許文献1では、掘削壁を掘削して除去するための作業機械の制御について記載されている。例えば、第1スロットと第2スロットとの間の掘削壁を除去するために、コントローラは、作業パスを決定する。作業パスは、掘削パスと運土パスと後退パスとを含む。掘削パスは、第1スロット上のスタート位置から第2スロット上の位置まで延びており、掘削壁を横断している。運土パスは、掘削パスから排土位置まで延びている。後退パスは排土位置から第2スロット上の次のスタート位置まで延びている。コントローラは、作業パスに従って作業機械を移動させることで、掘削壁を掘削する。
作業機械は、掘削パスに従って第1スロットから第2スロットへ移動することで、掘削壁から掘削された土を保持する。作業機械は、土を保持したまま、第2スロット上において向きを変えて、運土パスに従って移動する。そのため、作業機械は、土を保持したまま旋回することになり、作業機械には大きな負荷がかかる。また、旋回により作業機械から土がこぼれることで、作業の仕上がりの品質が低下してしまう。本発明の目的は、掘削壁を除去するための作業において、作業機械への負荷を軽減すると共に、作業の仕上がりの品質を向上させることにある。
本発明の一態様に係るシステムは、作業機械を制御するためのシステムである。当該システムは、機械位置センサとコントローラとを備える。機械位置センサは、作業機械の位置を示す現在位置データを出力する。コントローラは、現在位置データを取得する。コントローラは、現況地形データを取得する。現況地形データは、所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、第1スロットと第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む。コントローラは、第1掘削パスを決定する。第1掘削パスは、第1スロットから、第2スロット上の第1位置まで延び、第1掘削壁を横断する。コントローラは、運搬パスを決定する。運搬パスは、作業方向に向かって第1位置よりも後方から、第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる。コントローラは、第1掘削パスと運搬パスとに従って移動するように作業機械を制御する。
本発明の他の態様に係る方法は、作業機械を制御するための方法である。当該方法は、現在位置データを取得することと、現況地形データを取得することと、第1掘削パスを決定することと、運搬パスを決定することと、第1掘削パスと運搬パスとに従って移動するように作業機械を制御すること、を備える。現在位置データは、作業機械の位置を示す。現況地形データは、所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、第1スロットと第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む。第1掘削パスは、第1スロットから、第2スロット上の第1位置まで延び、第1掘削壁を横断する。運搬パスは、作業方向に向かって第1位置よりも後方から、第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる。
本発明によれば、作業機械は、第1掘削パスに従って第1位置まで移動することで、第1掘削壁を掘削する。その後、作業機械は、運搬パスに従って移動することで、第1掘削壁から掘削された土を、排土位置へ運ぶ。運搬パスは、第1位置よりも後方から、第2スロットに沿って、排土位置に向かって延びている。そのため、作業機械は、第1掘削壁から掘削された土を第1位置に置いた後、第1位置よりも後方の位置から、運搬パスに従って、排土位置まで移動する。そのため、作業機械は、土を保持していない状態で旋回することで、向きを変えることができる。それにより、第1掘削壁を除去するための作業において、作業機械への負荷が軽減されると共に、作業の仕上がりの品質が向上する。
以下、実施形態に係る作業機械1の制御システムおよび制御方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る作業機械1を示す側面図である。本実施形態に係る作業機械1は、ブルドーザである。作業機械1は、車体11と、走行装置12と、作業機13と、を備えている。
車体11は、運転室14と動力室15とを有する。運転室14には、図示しない運転席が配置されている。動力室15は、運転室14の前方に配置されている。走行装置12は、車体11の下部に取り付けられている。走行装置12は、左右一対の履帯16を有している。なお、図1では、左側の履帯16のみが図示されている。履帯16が回転することによって、作業機械1が走行する。
作業機13は、車体11に取り付けられている。作業機13は、リフトフレーム17と、ブレード18と、リフトシリンダ19と、チルトシリンダ20とを有する。リフトフレーム17は、上下に動作可能に車体11に取り付けられている。リフトフレーム17は、ブレード18を支持している。
ブレード18は、車体11の前方に配置されている。ブレード18は、リフトフレーム17の上下動に伴って上下に動作する。リフトシリンダ19は、車体11とブレード18とに連結されている。リフトシリンダ19が伸縮することによって、リフトフレーム17は、上下に動作する。チルトシリンダ20は、リフトフレーム17とブレード18とに連結されている。チルトシリンダ20が伸縮することで、ブレード18の左右の端部が上下にチルト動作する。
図2は、作業機械1の駆動系2と制御システム3との構成を示すブロック図である。図2に示すように、駆動系2は、駆動源22と、油圧ポンプ23と、動力伝達装置24と、を備えている。
駆動源22は、例えば内燃エンジンを含む。或いは、駆動源22は、電動モータを含んでもよい。油圧ポンプ23は、駆動源22によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ23から吐出された作動油は、油圧アクチュエータ25に供給される。油圧アクチュエータ25は、上述したリフトシリンダ19とチルトシリンダ20とを含む。なお、図2では、1つの油圧ポンプ23が図示されているが、複数の油圧ポンプが設けられてもよい。
油圧アクチュエータ25と油圧ポンプ23との間には、制御弁26が配置されている。制御弁26は、比例制御弁であり、油圧ポンプ23からリフトシリンダ19に供給される作動油の流量を制御する。なお、制御弁26は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、制御弁26は、電磁比例制御弁であってもよい。
動力伝達装置24は、駆動源22の駆動力を走行装置12に伝達する。動力伝達装置24は、例えば、トルクコンバーター、或いは複数の変速ギアを有するトランスミッションであってもよい。或いは、動力伝達装置24は、HST(Hydro Static Transmission)などの他の方式の動力伝達装置であってもよい。
制御システム3は、コントローラ31と、機械位置センサ32と、通信装置33と、ストレージ34と、入力装置35とを備える。コントローラ31は、取得したデータに基づいて作業機械1を制御するようにプログラムされている。コントローラ31は、メモリ38とプロセッサ39とを含む。メモリ38は、例えばRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを含む。ストレージ34は、例えば、半導体メモリ、或いはハードディスクなどを含む。メモリ38とストレージ34とは、作業機械1を制御するためのコンピュータ指令およびデータを記録している。
プロセッサ39は、例えばCPUであるが、他の種類のプロセッサであってもよい。プロセッサ39は、メモリ38或いはストレージ34に記憶されたコンピュータ指令およびデータに基づいて、作業機械1を制御するための処理を実行する。通信装置33は、例えば無線通信用のモジュールであり、作業機械1の外部の機器と通信を行う。通信装置33は、モバイル通信ネットワークを利用するものであってもよい。或いは、通信装置33は、LAN(Local Area Network)、或いはインターネットなどの他のネットワークを利用するものであってもよい。
機械位置センサ32は、作業機械1の位置を検出する。機械位置センサ32は、例えば、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバを含む。機械位置センサ32は、車体11に搭載されている。或いは、機械位置センサ32は、作業機13などの他の位置に搭載されてもよい。コントローラ31は、作業機械1の現在位置を示す現在位置データを機械位置センサ32から取得する。
入力装置35は、オペレータによって操作可能である。入力装置35は、例えばタッチスクリーンを含む。或いは、入力装置35は、ハードキーなどの他の操作子を含んでもよい。入力装置35は、オペレータによる操作を受け付け、オペレータの操作を示す信号をコントローラ31に出力する。
コントローラ31は、駆動源22、油圧ポンプ23、動力伝達装置24、及び制御弁26に指令信号を出力することで、これらの装置を制御する。例えば、コントローラ31は、油圧ポンプ23の容量、及び、制御弁26の開度を制御することで、油圧アクチュエータ25を動作させる。これにより、作業機13を動作させることができる。
コントローラ31は、駆動源22の回転速度、及び、動力伝達装置24を制御することで、作業機械1を走行させる。例えば、動力伝達装置24がHSTの場合、コントローラ31は、HSTの油圧ポンプの容量と油圧モータの容量とを制御する。動力伝達装置24が複数の変速ギアを有するトランスミッションの場合、コントローラ31は、ギアシフト用のアクチュエータを制御する。また、コントローラ31は、左右の履帯16に速度差が生じるように、動力伝達装置24を制御することで、作業機械1を旋回させる。
次に、コントローラ31によって実行される、作業機械1の自動制御について説明する。コントローラ31は、駆動源22及び動力伝達装置24を制御することで、作業機械1を自動的に走行させる。また、コントローラ31は、駆動源22、油圧ポンプ23、及び制御弁26を制御することで、作業機13を自動的に制御する。
図3は、ワークサイトの現況地形40の側面図である。図3に示すように、作業機械1は、目標設計面41を決定する。目標設計面41の少なくとも一部は、現況地形40よりも下方に位置する。目標設計面41は、所定の第1作業方向Y1に延びている。目標設計面41は、予め決定されて、ストレージ34に保存されていてもよい。コントローラ31は、現況地形40から目標設計面41を決定してもよい。或いは、目標設計面41は、入力装置35を介してオペレータによって入力されてもよい。
コントローラ31は、現況地形40上に、掘削の開始位置101を決定する。例えば、コントローラ31は、掘削される土量に基づいて、開始位置101を決定してもよい。コントローラ31は、作業機械1を制御して、開始位置101から排土位置D1まで移動させる。それにより、開始位置101から現況地形40が掘削され、掘削された土砂が排土位置D1まで運ばれる。コントローラ31は、作業機械1が排土位置D1に到達したと判定した場合に、作業機械1の後退を開始させる。
なお、排土位置D1は、目標設計面41の終端であってもよい。コントローラ31は、作業機械1が目標設計面41の終端に到達したと判定した場合に、作業機械1の後退を開始させてもよい。コントローラ31は、作業機械1が目標設計面41の終端に到達する前に、目標設計面41と作業機械1との高低差が閾値以上であると判定した場合に、作業機械1の後退を開始させてもよい。
次に、コントローラ31は、前の開始位置101よりも後方に位置する次の開始位置102に作業機械1を移動させる。そして、コントローラ31は、作業機械1を制御して、開始位置102から排土位置D1まで移動させる。それにより、開始位置102から現況地形40が掘削され、掘削された土砂が排土位置D1まで運ばれる。以上のような動作が繰り返されることで、図4に示すように、第1作業方向Y1に延びる第1スロットS1が現況地形40に形成される。なお、第1スロットS1を生成するための制御は、上述したものに限らず、変更されてもよい。
コントローラ31は、作業機械1を制御して、現況地形40上に、複数のスロットS1,S2を順次、形成する。複数のスロットS1,S2は、横方向X1,X2に互いに並んでいる。横方向X1,X2は、第1作業方向Y1に交差する方向である。複数のスロットS1,S2は、互いに間隔をおいて配置される。そのため、複数のスロットS1,S2の間には、掘削壁W1が形成される。同様に、スロットS2,S3の間には掘削壁W2が形成され、スロットS3,S4の間には掘削壁W3が形成される。掘削壁W1-W3を形成することによって、ブレード18横からの土こぼれを抑制でき、更に直進安定性の効果も得られる。以下、ワークサイトにおいて作業機械1によって行われる掘削壁W1-W3の掘削作業の自動制御について説明する。
図5は、作業機械1の自動制御の処理を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS101では、コントローラ31は、現在位置データを取得する。コントローラ31は、機械位置センサ32から現在位置データを取得する。
ステップS102では、コントローラ31は、現況地形データを取得する。現況地形データは、ワークサイトの現況地形40を示すデータである。例えば、現況地形データは、現況地形40の表面の平面座標と高さとを含む。現況地形データは、上述したスロットS1-S4の位置と、掘削壁W1-W3の位置とを含む。
図4に示すように、コントローラ31は、ワークサイトにおける作業範囲100において、掘削壁W1-W3の掘削を行う。作業範囲100は、予め決定されて、ストレージ34に記憶されていてもよい。作業範囲100は、コントローラ31によって自動的に決定されてもよい。或いは、作業範囲100は、入力装置35を介して、オペレータによって入力されてもよい。
図4に示す例では、作業範囲100内の現況地形40は、第1~第4スロットS1-S4を含む。第1~第4スロットS1-S4は、第1作業方向Y1に延びている。第1~第4スロットS1-S4は、横方向X1,X2に互いに並んでいる。第1~第4スロットS1-S4は、互いに間隔をおいて配置されている。作業範囲100内の現況地形40は、第1~第3掘削壁W1-W3を含む。第1掘削壁W1は、第1スロットS1と第2スロットS2との間に位置する。第2掘削壁W2は、第2スロットS2と第3スロットS3との間に位置する。第3掘削壁W3は、第3スロットS3と第4スロットS4との間に位置する。第1~第3掘削壁W1-W3は、第1作業方向Y1に延びている。
現況地形データは、予めストレージ34に記憶されていてもよい。コントローラ31は、作業機13、或いは走行装置12の底部の軌跡を記録することで、現況地形データを取得してもよい。或いは、現況地形データは、ライダ(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)或いは、カメラなどの測定機器によって測定されてもよい。コントローラ31は、測定機器から現況地形データを取得してもよい。測定機器は、作業機械1に搭載されてもよい。測定機器は、作業機械1の外部に配置されてもよい。
ステップS103では、コントローラ31は、排土位置D1-D4を取得する。排土位置D1-D4は、第1作業方向Y1において、スロットS1-S4の前方に位置する。図6に示す例では、排土位置D1-D4は、第1~第4排土位置D1-D4を含む。第1~第4排土位置D1-D4は、それぞれ、第1作業方向Y1に向かって、第1~第4スロットS1-S4の前方に位置する。
ステップS104では、コントローラ31は、スロットS1-S4と掘削壁W1-W3を掘削するための作業パスを決定する。作業パスは、スロットS1-S4と掘削壁W1-W3を掘削するために作業機械1が移動する目標軌跡である。コントローラ31は、第1スロットS1,第2スロットS2,第1掘削壁W1,第3スロットS3,第2掘削壁W2,第4スロットS4,第3掘削壁W3の順に掘削を行うように、作業パスを決定する。作業パスの決定の処理については後述する。
ステップS105では、コントローラ31は、作業パスに従って作業機械1を走行させる。それにより、第1スロットS1,第2スロットS2,第1掘削壁W1,第3スロットS3,第2掘削壁W2,第4スロットS4,第3掘削壁W3が、順に掘削される。
例えば、図6に示すように、コントローラ31は、まず第1スロットS1を掘削し、次に、第2スロットS2を掘削する。それにより、現況地形40上に、第1掘削壁W1が形成される。次に、コントローラ31は、第1掘削壁W1を掘削する。それにより、図7に示すように、第1掘削壁W1が現況地形40上から除去される。
次に、コントローラ31は、第3スロットS3を掘削する。それにより、図8に示すように、現況地形40上に、第2掘削壁W2が形成される。次に、コントローラ31は、第2掘削壁W2を掘削する。それにより、図9に示すように、第2掘削壁W2が現況地形40上から除去される。以下、同様に、コントローラ31は、第4スロットS4を掘削する。それにより、現況地形40上に、第3掘削壁W3が形成される。次に、コントローラ31は、第3掘削壁W3を掘削する。それにより、第3掘削壁W3が現況地形40上から除去される。
次に、掘削壁W1-W3を掘削するための作業パスを決定する処理について、詳細に説明する。図10は、掘削壁W1-W3を掘削するための作業パスを決定する処理を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS201では、コントローラ31は、掘削壁W1-W3上に基準点を決定する。
図11は、第1掘削壁W1上に配置される基準点B1-B4の一例を示す図である。図11に示すように、コントローラ31は、第1掘削壁W1の始端に第1基準点B1を配置する。コントローラ31は、第1基準点B1から第1作業方向Y1に向かって、第1掘削壁W1上に、所定の第1距離A1ごとに、基準点B2,B3,B4を配置する。ただし、コントローラ31は、スロットS1,S2の終端から後方へ所定の第2距離A2の範囲C1内には、基準点を配置しない。
なお、図12に示す例のように、スロットS1,S2の終端の位置が異なる場合には、コントローラ31は、第1掘削壁W1が隣接する2つのスロットS1,S2のうち終端の位置が第1掘削壁W1の始端に近い方のスロットS2の終端に基づいて、範囲C1を決定する。基準点B1-B4の配置は、掘削壁に隣接するスロットを掘削した後の現況地形40に基づいて決定されてもよい。或いは、基準点B1-B4の配置は、スロットの掘削開始前に、予め決定されてもよい。
第1距離A1は、以下の式(1)により決定される。
A1=2*(WL/2)/sinθ (1)
第2距離A2は、以下の式(2)により決定される。
A2=(WL/2+Ww+a1)/tanθ+(WL/2)/sinθ+a2 (2)
図11に示すように、WLは、各スロットS1,S2の幅である。Wwは、各掘削壁W1-W3の幅である。θは、後述する掘削パスの第1作業方向Y1に対する傾斜角である。a1,a2は、所定の定数である。a1,a2,θは変更可能であってもよい。a1,a2,θは、例えば、入力装置35によってオペレータによって変更可能であってもよい。
A1=2*(WL/2)/sinθ (1)
第2距離A2は、以下の式(2)により決定される。
A2=(WL/2+Ww+a1)/tanθ+(WL/2)/sinθ+a2 (2)
図11に示すように、WLは、各スロットS1,S2の幅である。Wwは、各掘削壁W1-W3の幅である。θは、後述する掘削パスの第1作業方向Y1に対する傾斜角である。a1,a2は、所定の定数である。a1,a2,θは変更可能であってもよい。a1,a2,θは、例えば、入力装置35によってオペレータによって変更可能であってもよい。
ステップS202では、コントローラ31は、第1走行パスを決定する。第1走行パスは、第2スロットS2の掘削の完了後、後述する第1掘削パスPA7の第1開始位置F1まで、作業機械1が移動するための目標経路である。第1走行パスは、図13~図16に示すパスPA1-PA6を含む。コントローラ31は、図13から図16に示すように、車体11に含まれる第1座標点O1がパスPA1-PA6に追従するように、作業機械1を移動させる。第1座標点O1は、例えば、作業機械1の設計上の重心位置である。或いは、第1座標点O1は、車体11の中心位置であってもよい。或いは、第1座標点O1は、車体11と走行装置12とを含めた中心位置であってもよい。
図13は、第2スロットS2の掘削の完了後の作業機械1の位置PO1を示している。位置PO1では、作業機械1は第1作業方向Y1を向いており、ブレード18の刃先が第2スロットS2の始端に置かれている。コントローラ31は、位置PO1から位置PO2まで延びるパスPA1を決定する。位置PO2は、位置PO1から第1横方向X1へ距離L1だけ離れた位置である。第1横方向X1は、第1作業方向Y1に対して垂直であり、第1スロットS1から第2スロットS2へ向かう方向である。
コントローラ31は、パスPA1に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図14に示すように、作業機械1は、第2横方向X2を向いて、位置PO1から位置PO2へ移動する。第2横方向X2は、第1横方向X1と反対の方向である。第2横方向X2は、第1作業方向Y1に対して垂直であり、第2スロットS2から第1スロットS1へ向かう方向である。なお、図面において、実線の矢印は、前進のパスを示している。また、破線の矢印は、後進のパスを示している。
図14に示すように、コントローラ31は、位置PO2から位置PO3へ延びるパスPA2と、位置PO3から位置PO4へ延びるパスPA3とを決定する。位置PO3は、第1基準点B1から第1後退方向Y2に距離L2だけ離れ、第1スロットS1の横方向X1,X2における中心を通る直線E1上の位置である。第1後退方向Y2は、第1作業方向Y1と反対の方向である。位置PO4は、第1基準点B1から第1作業方向Y1に距離L3だけ離れた直線E1上の位置である。コントローラ31は、パスPA2、PA3に沿って、作業機械1を前進させる。それにより、図15に示すように、作業機械1は、位置PO2から位置PO3を通り位置PO4へ移動する。
図15に示すように、コントローラ31は、位置PO4から位置PO5へ延びるパスPA4と、位置PO5から位置PO6へ延びるパスPA5とを決定する。位置PO5は、第1開始位置F1から第2後退方向Z2に、距離L5だけ離れた位置である。第1開始位置F1は、第1基準点B1から第2横方向X2に距離L4だけ離れた位置であり、第1スロットS1上に位置する。第2後退方向Z2は、第2作業方向Z1と反対の方向である。第2作業方向Z1は、第1作業方向Y1を角度θだけ回転させた方向である。位置PO6は、位置PO5から第2後退方向Z2に距離L6だけ離れた位置である。コントローラ31は、パスPA4,PA5に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図16に示すように、作業機械1は、位置PO4から位置PO5を通り、第2作業方向Z1を向いて位置PO6へ移動する。
図16に示すように、コントローラ31は、位置PO6から位置PO7へ延びるパスPA6を決定する。位置PO7は、第1開始位置F1から第2後退方向Z2に距離L7だけ離れた位置である。位置PO7は、第2作業方向Z1において、後述するブレード18に含まれる第2座標点O2が第1開始位置F1に位置している場合の第1座標点O1の位置である。コントローラ31は、パスPA6に沿って、作業機械1を前進させる。それにより、図17に示すように、作業機械1は、位置PO6から位置PO7へ移動する。
ステップS203では、コントローラ31は、第1掘削パスPA7を決定する。第1掘削パスPA7は、第1掘削壁W1を掘削するための目標経路である。第1掘削パスPA7は、第1開始位置F1から第2スロットS2上の第1目標位置G1まで延びており、第1掘削壁W1を横断している。第1掘削パスPA7は、第1作業方向Y1に対して角度θで傾斜している。第1目標位置G1は、第1開始位置F1から第2作業方向Z1に延びる直線E3と、第2スロットS2の横方向X1,X2における中心を通る直線E2との交点である。コントローラ31は、第1掘削パスPA7に沿って、作業機械1を前進させる。図17に示すように、コントローラ31は、ブレード18の刃先に含まれる第2座標点O2が第1掘削パスPA7に追従するように、作業機械1を移動させる。それにより、図18に示すように、第1掘削壁W1が掘削され、第1掘削壁W1から掘削された第1の土の山H1が第2スロットS2上に置かれる。例えば、第2座標点O2は、ブレード18の刃先の下端の幅方向における中心位置である。
ステップS204では、コントローラ31は、第2走行パスを決定する。第2走行パスは、第1目標位置G1から、後述する第2掘削パスPA12の第2開始位置F2まで移動するための目標経路である。図18及び図19に示すように、第2走行パスは、パスPA8-PA11を含む。コントローラ31は、上述した第1座標点O1がパスPA8-PA11に追従するように、作業機械1を移動させる。
図18に示すように、コントローラ31は、位置PO8から位置PO9まで延びるパスPA8と、位置PO9から位置PO10まで延びるパスPA9と、位置PO10から位置PO11まで延びるパスPA10を決定する。位置PO8は、上述した第2座標点O2が第1目標位置G1に位置している状態での第1座標点O1の位置である。位置PO9は、位置PO8から第2後退方向Z2に距離L8だけ離れた位置である。位置PO10は、第2開始位置F2から第2後退方向Z2に距離L9だけ離れた位置である。位置PO11は、位置PO10から第2後退方向Z2に距離L10だけ離れた位置である。なお、距離L9,L10は、上述したL5,L6とそれぞれ同じであってもよい。
第2開始位置F2は、第1開始位置F1から第1作業方向Y1に距離A3だけ離れた位置である。距離A3は、以下の式(3)により決定される。
A3=(WL/2)/sinθ (3)
コントローラ31は、パスPA8-PA10に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図19に示すように、作業機械1は、位置PO8から位置PO9,PO10を通り、位置PO11へ移動する。
A3=(WL/2)/sinθ (3)
コントローラ31は、パスPA8-PA10に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図19に示すように、作業機械1は、位置PO8から位置PO9,PO10を通り、位置PO11へ移動する。
図19に示すように、コントローラ31は、位置PO11から位置PO12まで延びるパスPA11を決定する。位置PO12は、第2開始位置F2から第2後退方向Z2に距離L11だけ離れた位置である。なお、距離L11は、上述した距離L7と同じであってもよい。位置PO12は、第2作業方向Z1において、第2座標点O2が第2開始位置F2に位置している場合の第1座標点O1の位置である。コントローラ31は、パスPA11に沿って、作業機械1を前進させる。それにより、図20に示すように、作業機械1は、位置PO11から位置PO12へ移動する。
ステップS205では、コントローラ31は、第2掘削パスPA12を決定する。第2掘削パスPA12は、第1掘削壁W1を掘削するための目標経路である。第2掘削パスPA12は、第1作業方向Y1に向かって第1掘削パスPA7よりも前方に位置する。第2掘削パスPA12は、第2開始位置F2から第2スロットS2上の第2目標位置G2まで延びており、第1掘削壁W1を横断している。第2掘削パスPA12は、第1作業方向Y1に対して角度θで傾斜している。
第2目標位置G2は、第2開始位置F2から第2作業方向Z1に延びる直線E4と、第2スロットS2の横方向X1,X2における中心を通る直線E2との交点である。第2目標位置G2は、第1作業方向Y1に向かって、第1目標位置G1よりも前方に位置する。コントローラ31は、第2掘削パスPA12に沿って、作業機械1を前進させる。コントローラ31は、上述した第2座標点O2が第2掘削パスPA12に追従するように、作業機械1を移動させる。それにより、図21に示すように、第1掘削壁W1が掘削され、第1掘削壁W1から掘削された第2の土の山H2が第2スロットS2上に置かれる。
図22は、第1掘削パスPA7に従うブレード18の第1移動範囲R1と、第2掘削パスPA12に従うブレード18の第2移動範囲R2とを示す図である。図22に示すように、第2移動範囲R2は、第1移動範囲R1と部分的に重なる。
ステップS206では、コントローラ31は、第3走行パスを決定する。第3走行パスは、第2目標位置G2から、後述する運搬パスPA16の第3開始位置F3まで移動するための目標経路である。図21に示すように、第3走行パスは、パスPA13-PA15を含む。コントローラ31は、上述した第1座標点O1がパスPA13-PA15に追従するように、作業機械1を移動させる。
図21に示すように、コントローラ31は、位置PO13から位置PO14まで延びるパスPA13と、位置PO14から位置PO15まで延びるパスPA14と、位置PO15から位置PO16まで延びるパスPA15を決定する。位置PO13は、第2座標点O2が第2目標位置G2に位置している状態での第1座標点O1の位置である。位置PO14は、位置PO13から第2後退方向Z2に距離L12だけ離れた位置である。位置PO15は、第1目標位置G1から第1後退方向Y2に距離L13だけ離れた位置である。位置PO16は、位置PO15から第1後退方向Y2に距離L14だけ離れた位置である。なお、距離L12は、上述した距離L8と同じであってもよい。
コントローラ31は、パスPA13-PA15に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図21に示すように、作業機械1は、位置PO13から位置PO14,PO15を通り、第1作業方向Y1を向いて位置PO16へ移動する。
ステップS207では、コントローラ31は、運搬パスPA16を決定する。図23に示すように、運搬パスPA16は、第3開始位置F3から、第2スロットS2に沿って、排土位置D2まで延びる。第3開始位置F3は、第1作業方向Y1に向かって、第1目標位置G1よりも後方に位置する。コントローラ31は、第1目標位置G1と第2目標位置G2とを通るように、運搬パスPA16を決定する。
コントローラ31は、第3開始位置F3から排土位置D2まで延びる運搬パスPA16を決定する。第3開始位置F3は、位置PO16から第1作業方向Y1に距離L15だけ離れた位置である。なお、距離L15は、上述した距離L7、或いは距離L11と同じであってもよい。位置PO16は、第1作業方向Y1において、第2座標点O2が第3開始位置F3に位置している場合の第1座標点O1の位置である。コントローラ31は、上述した第2座標点O2が運搬パスPA16に追従するように、作業機械1を移動させる。それにより、第2スロットS2上の第1の土の山H1と第2の土の山H2とが、排土位置D2に運搬される。
ステップS208では、コントローラ31は、第4走行パスを決定する。第4走行パスは、排土位置D2から、第2基準点B2に基づく次の第1掘削パスの第1開始位置まで、作業機械1が移動するための目標経路である。第4走行パスは、図24及び図25に示すパスPA17-PA20を含む。コントローラ31は、上述した第1座標点O1がパスPA17-PA20に追従するように、作業機械1を移動させる。
図24に示すように、コントローラ31は、位置PO17から位置PO18まで延びるパスPA17を決定する。位置PO17は、上述した第2座標点O2が排土位置D2に位置している状態での第1座標点O1の位置である。位置PO18は、第1基準点B1を通り、横方向X1,X2に延びる直線E5と、第2スロットS2の横方向X1,X2における中心を通る直線E2との交点である。コントローラ31は、パスPA17に沿って、作業機械1を後進させる。それにより、図25に示すように、作業機械1は、位置PO17から位置PO18へ移動する。
コントローラ31は、位置PO18から位置PO19まで延びるパスPA18と、位置PO19から位置PO20まで延びるパスPA19と、位置PO20から位置PO21まで延びるパスPA20とを決定する。位置PO19は、履帯16全体がスロット2の始端より前方にあるときの第1座標点O1の位置である。位置PO19は、作業機械1が安定して旋回可能な位置である。なお、作業機械1は、パスPA17において、必ずしも位置PO18まで戻る必要は無く、位置PO19まで後退してもよい。或いは、コントローラ31は、次の基準点の位置に基づいて、パスPA17における後退の到達位置を決定してもよい。位置PO20は、第2基準点B2から第1後退方向Y2に距離L16だけ離れ、第1スロットS1の横方向X1,X2における中心を通る直線E1上の位置である。位置PO21は、第2基準点B2から第1作業方向Y1に距離L17だけ離れた直線E1上の位置である。距離L16,17は、それぞれ上述した距離L2,L3と同じであってもよい。
コントローラ31は、パスPA18、PA19、PA20に沿って、作業機械1を前進させる。それにより、作業機械1は、位置PO19から位置PO20を通り、図26に示すように位置PO21へ移動する。その後、コントローラ31は、上述したパスPA4-PA6と同様のパスに沿って、作業機械1を移動させる。それにより作業機械1は、第2基準点B2に基づく次の第1掘削パスの第1開始位置に移動する。
以降、コントローラ31は、第2基準点B2に基づいて、上述したステップS203-S208と同様の処理を実行する。それにより、コントローラ31は、第1基準点B1と同様に、第2基準点B2に基づく第1掘削パスと第2掘削パスとに従って作業機械1を移動させることで、第1掘削壁W1を掘削する。そして、第2基準点B2に基づく運搬パスに従って作業機械1を移動させる。
コントローラ31は、第1掘削壁W1上の全ての基準点B1-B4に対して、上述した処理を繰り返す。それにより、第1掘削壁W1が掘削される。コントローラ31は、第1掘削壁W1上の最後の基準点B4に対する処理が完了すると、第3スロットS3の掘削を行う。そして、第3スロットと第2スロットS2との間に形成された第2掘削壁W2に対して、上述した第1掘削壁W1と同様の処理を実行する。それにより、第2掘削壁W2が掘削される。以降、コントローラ31は、残りのスロットS4と掘削壁W3に対しても、同様の処理を繰り返す。それにより、作業範囲100における全てのスロットS1-S4と掘削壁W1-W3の掘削が完了する。
なお、上述した距離L1-L17は、変更可能であってもよい。例えば、距離L1-L17は、オペレータによる入力装置35の操作に応じて、変更可能であってもよい。
以上説明した本実施形態に係る作業機械1の制御システムおよび制御方法では、作業機械1は、第1掘削パスPA7に従って移動することで、第1掘削壁W1を掘削する。その後、作業機械1は、運搬パスPA16に従って移動することで、第1掘削壁W1から掘削された土の山H1を、排土位置D2へ運ぶ。運搬パスPA16は、第1目標位置G1よりも後方から、第2スロットS2に沿って、排土位置D2まで延びている。そのため、作業機械1は、第1掘削壁W1から掘削された土の山H1を第1目標位置G1に置いた後、負荷がかかっていない状態で旋回して、第1目標位置G1よりも後方に位置する、運搬パスの第3開始位置F3へ移動する。その後、作業機械1は、運搬パスPA16に従って、排土位置D2まで移動する。作業機械1は、土の山H1を保持した状態で旋回しないので、第1掘削壁W1を除去するための作業において、作業機械1への負荷が軽減されると共に、作業の仕上がりの品質が向上する。
また、作業機械1は、第1掘削パスPA7に従う掘削と第2掘削パスPA12に従う掘削との後に、運搬パスPA16による土の山H1,H2の運搬を行う。そのため、各掘削における作業機械1への負荷が軽減される。それにより、自動制御時の掘削時の作業機械1の移動方向のズレが抑えられる。
各掘削パスPA7,PA12に従う掘削時において、作業機械1の移動方向に、まだ掘削されていない掘削壁W2が位置している。そのため、掘削時において、ブレード18の横から土がこぼれることが抑えられる。また、運搬時において、作業機械1の両側方に掘削壁W1,W2が位置している。それにより、運搬時において、ブレード18から土がこぼれることが抑えられる。それにより、作業の品質が向上する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。作業機械1は、ブルドーザに限らず、ホイールローダ等の他の機械であってもよい。走行装置12は、履帯に限らず、タイヤを含んでもよい。作業機械1は、遠隔操縦可能な車両であってもよい。その場合、作業機械1から運転室が省略されてもよい。
制御システム3の一部は、作業機械1の外部に配置されてもよい。例えば、コントローラ31は、互いに別体の複数のコントローラを有してもよい。図27に示すように、コントローラ31は、作業機械1の外部に配置されるリモートコントローラ311と、作業機械1に搭載される車載コントローラ312とを含んでもよい。リモートコントローラ311と車載コントローラ312とは通信装置33,36を介して無線により通信可能であってもよい。そして、上述したコントローラ31の機能の一部がリモートコントローラ311によって実行され、残りの機能が車載コントローラ312によって実行されてもよい。例えば、作業パスを決定する処理がリモートコントローラ311によって実行され、作業機械1を動作させる処理が車載コントローラ312によって実行されてもよい。
作業機械1の自動制御は、オペレータによる手動操作と合わせて行われる半自動制御であってもよい。或いは、自動制御は、オペレータによる手動操作無しで行われる完全自動制御であってもよい。例えば、図27に示すように、作業機械1の外部に配置された操作装置37をオペレータが操作することによって作業機械1が遠隔操作されてもよい。
掘削壁の掘削を行うための処理は、上述した処理に限らず、変更されてもよい。例えば、上記の処理の一部が、変更、或いは省略されてもよい。掘削壁の掘削を行うための処理に、上記の処理と異なる処理が追加されてもよい。例えば、スロットと掘削壁との掘削の順序は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。図28は、変形例にかかる作業機械1の自動制御による作業手順を示す図である。
図28に示すように、コントローラ31は、第1~第4スロットS1-S4を順次、掘削してもよい。その後、コントローラ31は、第3掘削壁W3、第2掘削壁W2、第1掘削壁W1の順に、掘削を行ってもよい。その場合、コントローラ31は、上述した走行パス、掘削パス、及び運搬パスを、横方向X1,X2において反転させるように、走行パス、掘削パス、及び運搬パスを決定してもよい。変形例における他の処理については、上述した実施形態の処理と概ね同様である。
スロットの数は、4つに限られない。スロットの数は、4つより少なくてもよく、或いは4つより多くてもよい。掘削壁の数は、3つに限られない。掘削壁の数は、3つより少なくてもよく、或いは3つより多くてもよい。
上記の実施形態では、コントローラ31は、第1掘削パスPA7と第2掘削パスPA12とによる2回の掘削の後に、運搬パスPA16による運搬を作業機械1に行わせる。しかし、コントローラ31は、2回以上の掘削の後に、運搬パスPA16による運搬を作業機械1に行わせてもよい。或いは、コントローラ31は、1回の掘削の後に、運搬パスPA16による運搬を作業機械1に行わせてもよい。
上記の実施形態では、コントローラ31は、車体11に含まれる第1座標点O1が、第1~第4走行パスに追従するように、作業機械1を移動させる。また、コントローラ31は、ブレード18に含まれる第2座標点O2が、第1、第2掘削パスと運搬パスとに追従するように、作業機械1を移動させる。すなわち、コントローラ31は、ブレード18に掘削、或いは運搬による負荷がかかっているときには、ブレード18に含まれる第2座標点O2を基準として、作業機械1を移動させる。一方、コントローラ31は、ブレード18に掘削、或いは運搬による負荷がかかっていないときには、車体11に含まれる第1座標点O1を基準として、作業機械1を移動させる。ただし、作業機械1を移動させる場合に基準となる座標点は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、コントローラ31は、第2座標点O2が、第1~第4走行パスに追従するように、作業機械1を移動させてもよい。
本発明によれば、掘削壁を除去するための作業において、作業機械への負荷が軽減されると共に、作業の仕上がりの品質が向上する。
1・・・作業機械、 13・・・作業機、 32・・・機械位置センサ、 31・・・コントローラ、 Y1・・・第1作業方向、 S1・・・第1スロット、 S2・・・第2スロット、 S3・・・第3スロット、 W1・・・第1掘削壁、 W2・・・第1掘削壁、 D2・・・排土位置、 PA7・・・第1掘削パス、 PA12・・・第2掘削パス、 PA16・・・運搬パス、 B1-B4・・・基準点、 G1・・・第1目標位置(第1位置)、 G2・・・第2目標位置(第2位置)、 F1・・・第1開始位置(第3位置)、 F2・・・第2開始位置(第4位置)、 O2・・・第2座標点
Claims (20)
- 作業機械を制御するためのシステムであって、
前記作業機械の位置を示す現在位置データを出力する機械位置センサと、
前記現在位置データを取得するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、前記第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、前記第1スロットと前記第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む現況地形データを取得し、
前記第1スロットから、前記第2スロット上の第1位置まで延び、前記第1掘削壁を横断する第1掘削パスを決定し、
前記作業方向に向かって前記第1位置よりも後方から、前記第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる運搬パスを決定し、
前記第1掘削パスと前記運搬パスとに従って移動するように前記作業機械を制御する、
システム。 - 前記コントローラは、
前記第1スロットから、前記第2スロット上の第2位置まで延び、前記第1掘削壁を横断する第2掘削パスを決定し、
前記第1位置と前記第2位置とを通るように前記運搬パスを決定する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記第2掘削パスは、前記作業方向に向かって前記第1掘削パスよりも前方に位置する、
請求項2に記載のシステム。 - 前記コントローラは、前記第1掘削パスに従って前記作業機械を移動させた後、前記第2掘削パスに従って前記作業機械を移動させる、
請求項2に記載のシステム。 - 前記第1掘削パスは、前記第1スロット上の第3位置を含み、
前記第2掘削パスは、前記第1スロット上の第4位置を含み、
前記コントローラは、
前記第1掘削パスに従って、前記第3位置から前記第1位置に前記作業機械を移動させて前記第1掘削壁を掘削し、
前記第1位置から前記第4位置に前記作業機械を移動させ、
前記第2掘削パスに従って、前記第4位置から前記第2位置に前記作業機械を移動させて前記第1掘削壁を掘削する、
請求項4に記載のシステム。 - 前記コントローラは、前記第1掘削パスと前記第2掘削パスとを含む複数の掘削パスに従って前記作業機械を移動させた後、前記運搬パスに従って前記作業機械を移動させる、
請求項2に記載のシステム。 - 前記作業機械は、掘削用の作業機を含み、
前記第2掘削パスに従う前記作業機の移動範囲は、前記第1掘削パスに従う前記作業機の移動範囲と部分的に重なる、
請求項2に記載のシステム。 - 前記作業機械は、掘削用の作業機を含み、
前記コントローラは、前記作業機に含まれる座標点が前記第1掘削パスと前記運搬パスとに追従するように前記作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記コントローラは、
前記第1掘削壁上に所定距離ごとに配置される複数の基準点を決定し、
前記複数の基準点のそれぞれに基づいて、前記第1掘削パスを含む複数の掘削パスを決定する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記現況地形データは、前記第2スロットの側方に位置する第3スロットの位置と、前記第2スロットと前記第3スロットとの間に位置する第2掘削壁の位置とを含み、
前記コントローラは、前記第1スロット、前記第2スロット、前記第1掘削壁、前記第3スロット、前記第2掘削壁の順に、掘削を行うよう前記作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。 - 作業機械を制御するための方法であって、
前記作業機械の位置を示す現在位置データを取得することと、
所定の作業方向に延びる第1スロットの位置と、前記第1スロットの側方に位置する第2スロットの位置と、前記第1スロットと前記第2スロットとの間に位置する第1掘削壁の位置とを含む現況地形データを取得することと、
前記第1スロットから、前記第2スロット上の第1位置まで延び、前記第1掘削壁を横断する第1掘削パスを決定することと、
前記作業方向に向かって前記第1位置よりも後方から、前記第2スロットに沿って、所定の排土位置に向かって延びる運搬パスを決定することと、
前記第1掘削パスと前記運搬パスとに従って移動するように前記作業機械を制御すること、
を備える方法。 - 前記第1スロットから、前記第2スロット上の第2位置まで延び、前記第1掘削壁を横断する第2掘削パスを決定することと、
前記第1位置と前記第2位置とを通るように前記運搬パスを決定すること、
を備える請求項11に記載の方法。 - 前記第2掘削パスは、前記作業方向に向かって前記第1掘削パスよりも前方に位置する、
請求項12に記載の方法。 - 前記第1掘削パスに従って前記作業機械を移動させた後、前記第2掘削パスに従って前記作業機械を移動させること、
をさらに備える請求項12に記載の方法。 - 前記第1掘削パスは、前記第1スロット上の第3位置を含み、
前記第2掘削パスは、前記第1スロット上の第4位置を含み、
前記第1掘削パスに従って、前記第3位置から前記第1位置に前記作業機械を移動させて前記第1掘削壁を掘削することと、
前記第1位置から前記第4位置に前記作業機械を移動させることと、
前記第2掘削パスに従って、前記第4位置から前記第2位置に前記作業機械を移動させて前記第1掘削壁を掘削すること、
をさらに備える請求項14に記載の方法。 - 前記第1掘削パスと前記第2掘削パスとを含む複数の掘削パスに従って、前記作業機械を移動させた後、前記運搬パスに従って前記作業機械を移動させること、
をさらに備える請求項12に記載の方法。 - 前記作業機械は、掘削用の作業機を含み、
前記第2掘削パスに従う前記作業機の移動範囲は、前記第1掘削パスに従う前記作業機の移動範囲と部分的に重なる、
請求項12に記載の方法。 - 前記作業機械は、掘削用の作業機を含み、
前記作業機に含まれる座標点が前記第1掘削パスと前記運搬パスとに追従するように、前記作業機械を制御すること、
をさらに備える請求項11に記載の方法。 - 前記第1掘削壁上に所定距離ごとに配置される複数の基準点を決定することと、
前記複数の基準点のそれぞれに基づいて、前記第1掘削パスを含む複数の掘削パスを決定すること、
をさらに備える請求項11に記載の方法。 - 前記現況地形データは、前記第2スロットの側方に位置する第3スロットの位置と、前記第2スロットと前記第3スロットとの間に位置する第2掘削壁の位置とを含み、
前記第1スロット、前記第2スロット、前記第1掘削壁、前記第3スロット、前記第2掘削壁の順に、掘削を行うよう前記作業機械を制御すること、
をさらに備える請求項11に記載の方法。
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