JP2024010710A - 研削ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】研削砥石の破損を防止しつつ研削砥石の研削面に研削液を適切に供給することを可能にする研削ホイールを提供する。【解決手段】被加工物を研削する研削ホイールであって、基台と、基台に固定され被加工物と接触する研削面を有する研削砥石と、を備え、研削砥石の研削面側には、凹部が設けられ、凹部には、研削砥石よりも破壊靱性が低く研削砥石の研削面側を補強する補強部材が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、被加工物を研削する研削ホイールに関する。
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスを備えるデバイスチップが製造される。また、所定の基板上に複数のデバイスチップを実装し、デバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆して封止することにより、パッケージ基板が形成される。このパッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップやパッケージデバイスの薄型化が求められている。そこで、分割前のウェーハやパッケージ基板を研削装置で研削して薄化する処理が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に研削加工を施す研削ユニットとを備える。研削ユニットはスピンドルを備えており、スピンドルの先端部には複数の研削砥石を備える環状の研削ホイールが装着される。被加工物をチャックテーブルで保持し、チャックテーブル及び研削ホイールを回転させつつ研削砥石の研削面を被加工物に接触させることにより、被加工物が研削される(特許文献1参照)。
研削ホイールで被加工物を研削すると、研削砥石の研削面と被加工物との間の摩擦によって研削砥石が発熱し、研削砥石の消耗が早まる。また、研削加工によって発生した屑(研削屑)が研削砥石の研削面と被加工物との間に入り込むと、研削砥石が研削屑によって削られて消耗しやすくなる。そのため、研削加工中は、被加工物及び研削砥石に純水等の液体(研削液)が供給される。これにより、被加工物及び研削砥石が冷却されるとともに、研削屑が洗い流される。
しかしながら、被加工物の研削中は、研削砥石の研削面の全体が被加工物に接触するため、研削面と被加工物との間には研削液が供給されにくい。そこで、研削面側に研削液の流路として機能する凹部が形成された研削砥石が提案されている(特許文献2参照)。研削砥石の研削面側に凹部を形成すると、被加工物の研削中に研削液が凹部に入り込み、研削面に研削液が供給されやすくなる。これにより、被加工物及び研削砥石が効率的に冷却されるとともに、被加工物の研削によって発生した研削屑が適切に排出される。
特開2000-288881号公報 特開2020-1123号公報
上記のように、研削砥石の研削面側に凹部を設けることにより、研削面への研削液の供給が促進される。しかしながら、研削砥石に凹部が形成されると、研削砥石の研削面側が複数の突起部(凸部)に分割され、研削砥石の研削面側の強度が低下する。これにより、被加工物の研削中に研削砥石の研削面側が破損して加工不良が発生するリスクが高まる。また、研削砥石の破損の程度によっては研削ホイールの交換が必要となり、加工効率の低下やコストの増大を招く。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、研削砥石の破損を防止しつつ研削砥石の研削面に研削液を適切に供給することを可能にする研削ホイールの提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物を研削する研削ホイールであって、基台と、該基台に固定され該被加工物と接触する研削面を有する研削砥石と、を備え、該研削砥石の該研削面側には、凹部が設けられ、該凹部には、該研削砥石よりも破壊靱性が低く該研削砥石の該研削面側を補強する補強部材が設けられている研削ホイールが提供される。
なお、好ましくは、該補強部材は、樹脂でなる。また、好ましくは、該補強部材には、フィラーが含有されている。また、好ましくは、該研削砥石は、該凹部が該研削砥石の回転経路の接線方向に沿うように配置されている。
本発明の一態様に係る研削ホイールは、研削面側に凹部が設けられた研削砥石を備え、凹部には研削砥石よりも破壊靱性が低く研削砥石の研削面側を補強する補強部材が設けられている。これにより、凹部が設けられた研削砥石の研削面側を補強部材で補強しつつ、補強部材の消耗を利用して研削砥石の研削面側に研削液の流路を形成できる。その結果、研削砥石の破損が防止されるとともに、研削砥石の研削面に研削液が適切に供給されやすくなる。
研削装置を示す斜視図である。 研削ホイールを示す斜視図である。 研削砥石を示す斜視図である。 被加工物を研削する研削砥石の一部を示す断面図である。 研削砥石の第1の変形例を示す斜視図である。 研削砥石の第2の変形例を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る研削ホイールを用いて被加工物を研削可能な研削装置の構成例について説明する。図1は、被加工物11を研削する研削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、鉛直方向、上下方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
例えば被加工物11は、単結晶シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、ストリートによって区画された複数の領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス(不図示)が形成されている。
被加工物11をストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。被加工物11の分割には、環状の切削ブレードで被加工物11を切削する切削装置、レーザービームの照射によって被加工物11を加工するレーザー加工装置等、各種の加工装置を用いることができる。また、被加工物11の分割前に、研削装置2で被加工物11の裏面11b側を研削して被加工物11を薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ただし、被加工物11の種類、材質、大きさ、形状、構造等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなるウェーハ(基板)であってもよい。また、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、長手方向がX軸方向に沿うように形成された矩形状の開口4aが設けられている。また、基台4の後端部の上面側には、直方体状の支持構造6がZ軸方向に沿って設けられている。
開口4aの内側には、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)8が設けられている。チャックテーブル8の上面は、水平面(XY平面)と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面8aを構成している。保持面8aは、チャックテーブル8の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
チャックテーブル8には、チャックテーブル8をX軸方向に沿って移動させるX軸移動ユニット10が連結されている。X軸移動ユニット10は、例えばボールねじ式の移動機構であり、開口4aの内側に設けられている。具体的には、X軸移動ユニット10は、X軸方向に沿って配置されたX軸ボールねじ(不図示)と、X軸ボールねじを回転させるX軸パルスモータ(不図示)とを備える。
X軸移動ユニット10は、チャックテーブル8を囲むように設けられた平板状のテーブルカバー12を備える。テーブルカバー12の前方及び後方には、X軸方向に沿って伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー14が設けられている。テーブルカバー12及び防塵防滴カバー14は、開口4aの内側に収容されているX軸移動ユニット10の構成要素(X軸ボールねじ、X軸パルスモータ等)を覆うように設置される。
X軸移動ユニット10を作動させると、チャックテーブル8がテーブルカバー12とともにX軸方向に沿って移動し、開口4aの前端部(搬送位置)又は後端部(研削位置)に位置付けられる。また、チャックテーブル8には、チャックテーブル8をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
支持構造6の前面側には、Z軸移動ユニット16が設けられている。Z軸移動ユニット16は、Z軸方向に沿って配置された一対のZ軸ガイドレール18を備える。一対のZ軸ガイドレール18には、平板状のZ軸移動プレート20がZ軸ガイドレール18に沿ってスライド可能に装着されている。
Z軸移動プレート20の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のZ軸ガイドレール18の間にZ軸方向に沿って配置されたZ軸ボールねじ22が螺合されている。また、Z軸ボールねじ22の端部には、Z軸ボールねじ22を回転させるZ軸パルスモータ24が連結されている。Z軸パルスモータ24でZ軸ボールねじ22を回転させると、Z軸移動プレート20がZ軸ガイドレール18に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
Z軸移動プレート20の表面(前面)側には、支持部材26が固定されている。支持部材26は、被加工物11に研削加工を施す研削ユニット28を支持している。研削ユニット28は、支持部材26によって支持された円柱状のハウジング30を備える。ハウジング30には、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル32が収容されている。スピンドル32の先端部(下端部)は、ハウジング30の下面から下方に突出している。また、スピンドル32の基端部(上端部)には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
スピンドル32の先端部には、金属等でなる円盤状のホイールマウント34が固定されている。ホイールマウント34の下面側には、被加工物11を研削する環状の研削ホイール36が着脱可能に装着される。研削ホイール36は、回転駆動源からスピンドル32及びホイールマウント34を介して伝達される動力により、Z軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。なお、研削ホイール36の構成及び機能については後述する(図2参照)。
また、研削装置2は、研削装置2を制御する制御ユニット(制御部、制御装置)38を備える。制御ユニット38は、研削装置2の各構成要素(チャックテーブル8、X軸移動ユニット10、Z軸移動ユニット16、研削ユニット28等)に接続されている。制御ユニット38は、研削装置2の各構成要素に制御信号を出力することにより、研削装置2の動作を制御する。
例えば制御ユニット38は、コンピュータによって構成される。具体的には、制御ユニット38は、研削装置2を稼働させるための演算等を行う処理部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを備える。処理部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
研削装置2で被加工物11を研削する際は、まず、被加工物11がチャックテーブル8によって保持される。例えば被加工物11は、表面11a側が保持面8aに対面し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル8上に配置される。この状態で、保持面8aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がチャックテーブル8によって吸引保持される。その後、チャックテーブル8をX軸移動ユニット10で移動させ、研削ホイール36の下方(研削位置)に位置付ける。
その後、チャックテーブル8とスピンドル32とをそれぞれ所定の方向に所定の回転数で回転させながら、研削ホイール36をZ軸移動ユニット16によって所定の速度で下降させ、被加工物11に接触させる。これにより、被加工物11の裏面11b側が削り取られ、被加工物11が研削、薄化される。
次に、研削装置2の研削ユニット28に装着される研削ホイール36の構成例について説明する。図2は、研削ホイール36を示す斜視図である。
研削ユニット28は、環状の基台40と、基台40に固定された複数の研削砥石42とを備える。例えば研削ホイール36は、締結ボルト等の固定具(不図示)によってホイールマウント34(図1参照)に固定される。これにより、研削ホイール36がホイールマウント34を介してスピンドル32の先端部に装着される。
例えば基台40は、アルミニウム合金等の金属でなり、ホイールマウント34(図1参照)と概ね同径に形成される。また、基台40は、互いに概ね平行な第1面40a及び第2面40bを備える。第1面40aはホイールマウント34に固定される固定端面に相当し、第2面40bはホイールマウント34に固定されない自由端面に相当する。
基台40の中央部には、第1面40aから第2面40bに至り基台40を厚さ方向に貫通する開口40cが設けられている。例えば開口40cは、第1面40aから第2面40bに向かって径が拡大する円錐台状に形成される。
基台40の第2面40b側には、環状の溝40dが設けられている。溝40dは、開口40cよりも基台40の外周縁側に、基台40と同心円状に形成されている。溝40dの内側には、複数の研削砥石42が固定されている。
研削砥石42は、砥粒と、砥粒を固定する結合材(ボンド材)とを含んで構成される。例えば結合材として、SiO等を主成分とするガラス質のビトリファイドボンド等を用いることができる。また、砥粒としては、平均粒径が0.5μm以上0.6μm以下のダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等を用いることができる。ただし、結合材の材質、砥粒の材質、砥粒の粒径に制限はない。
複数の研削砥石42は、例えば直方体状に形成され、溝40dに沿って概ね等間隔で環状に配列されている。なお、研削砥石42の幅と溝40dの幅とは概ね等しく、研削砥石42は長さ方向(長手方向)が溝40dの接線方向(周方向)に沿うように配置される。また、研削砥石42は、基台40とは反対側に向かって露出する矩形状の研削面42aを備える。研削面42aは、研削加工時に被加工物11と接触する面であり、研削面42aによって被加工物11が研削される。
また、基台40は、第1面40aから第2面40bに至り基台40を貫通する複数の研削液供給路40eを備える。研削液供給路40eの一端側は第1面40aで開口し、研削液供給路40eの他端側は第2面40bのうち開口40cと溝40dとの間の領域で開口している。第2面40bで露出する複数の研削液供給路40eの開口は、基台40の周方向に沿って概ね等間隔で環状に配列されている。
研削ホイール36は、スピンドル32の先端部に固定されたホイールマウント34に装着される(図1参照)。この状態でスピンドル32を回転させると、研削ホイール36がZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。これにより、複数の研削砥石42がそれぞれ、研削ホイール36の回転軸を中心とする環状の回転経路に沿って回転(旋回)する。そして、回転する研削砥石を42の研削面42aを被加工物11に接触させることにより、被加工物11が研削される。
研削ホイール36で被加工物11を研削する際には、研削液供給路40eの一端側(基台40の第1面40a側)に純水等の液体(研削液)が供給され、研削液供給路40eの他端側から被加工物11及び複数の研削砥石42に研削液が供給される。これにより、被加工物11及び研削砥石42が冷却されるとともに、被加工物11の研削によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
しかしながら、被加工物11の研削中は、研削砥石42の研削面42aの全体が被加工物11に接触するため、研削面42aに研削液が供給されにくい。そして、研削面42aへの研削液の供給が不足すると、研削砥石42の冷却が不十分となる。その結果、研削面42aと被加工物11との間の摩擦によって研削砥石42が発熱し、研削砥石42の消耗が早まる。また、被加工物11と研削面42aとの間に入り込んだ研削屑が適切に排出されず、研削砥石42が研削屑によって削られて消耗しやすくなる。
そこで、本実施形態においては、研削砥石42の研削面42a側に凹部を設けるとともに、研削砥石42の研削面42a側を補強可能で破壊靭性が低い補強部材を凹部に設ける。これにより、研削砥石42の強度が維持されて研削砥石42の破損が防止されるとともに、研削面42aの全体に研削液が供給されやすくなる。以下、研削砥石42の詳細について説明する。
図3は、研削砥石42を示す斜視図である。例えば研削砥石42は、長さと幅が異なる直方体状に形成され、互いに概ね平行な矩形状の研削面42a及び固定面42bを備える。なお、固定面42bは、基台40に設けられた溝40d(図2参照)の内部に固定される固定端面に相当する。
また、研削砥石42は、研削面42a及び固定面42bと概ね垂直な側面42c,42d,42e,42fを備える。一対の側面42c,42dは、研削砥石42の長さ方向(長手方向)に沿って互いに概ね平行に配置され、研削面42a及び固定面42bの長辺に接続されている。一方、一対の側面42e,42fは、研削砥石42の幅方向(短手方向)に沿って互いに概ね平行に配置され、研削面42a及び固定面42bの短辺に接続されている。ただし、研削砥石42の形状に制限はない。例えば研削砥石42は、基台40の溝40dに沿うように緩やかな円弧状に形成されてもよい。
研削砥石42の研削面42a側には、研削面42aで露出する複数の凹部(溝)44が設けられている。例えば凹部44は、研削砥石42の長さ方向に沿って直線状(帯状)に形成され、側面42e及び側面42fで露出している。また、複数の凹部44は、互いに概ね平行であり、研削砥石42の幅方向に所定の間隔で配列されている。
なお、凹部44の深さは、研削砥石42の高さ(研削面42aから固定面42bまでの距離)未満である。例えば、凹部44の深さは1mm以上、好ましくは4mm以上に設定され、凹部44の幅は120μm以上に設定される。ただし、凹部44の数、寸法、間隔は、被加工物11の材質、研削砥石42の材質、研削液の供給量等の種々の加工条件を考慮して適宜設定できる。
凹部44は、互いに対面する一対の側壁44a,44bと、側壁44a及び側壁44bの下端に接続された底面44cとを含む。また、研削砥石42の研削面42a側のうち凹部44が形成されていない領域は、被加工物11の研削に寄与する柱状の研削領域(突起部、凸部)46を構成している。
凹部44の形成には、例えば環状の切削ブレードで対象物を切削する切削装置が用いられる。切削ブレードを回転させて研削砥石42の研削面42a側に切り込ませることによって、凹部44が形成される。この場合、凹部44の幅は切削ブレードの幅と概ね同一となる。ただし、凹部44の形成方法に制限はない。
研削砥石42の研削面42a側は、交互に配列された凹部44と研削領域46とによって構成されているため、凹部44が形成されない場合と比較して強度が低い。そこで、本実施形態においては、凹部44に研削砥石42の研削面42a側を補強する補強部材(補強層)48が設けられる。
補強部材48の形状は凹部44の形状と概ね同一であり、補強部材48は、凹部44の側壁44a,44b及び底面44cに接触して凹部44を埋めるように形成される。補強部材48のうち研削面42a側で露出する面は、被加工物11の研削時に研削面42aとともに被加工物11に接触する接触面48aを構成している。
凹部44に補強部材48を設けると、研削領域46が補強部材48によって支持、補強され、研削領域46の変形(撓み)が生じにくくなる。これにより、研削砥石42の研削面42a側の強度が向上し、研削砥石42が破損しにくくなる。
また、補強部材48は、研削砥石42よりも破壊靭性が低い部材によって構成される。そのため、研削砥石42で被加工物11を研削すると、補強部材48が研削領域46よりも早く消耗し、補強部材48の接触面48aが研削面42aよりも研削砥石42の内側に入り込んだ状態となる。
例えば、補強部材48は樹脂でなる。特に、補強部材48が熱硬化性樹脂であると、被加工物11の研削中に補強部材48が摩擦によって発熱しても補強部材48の形状が崩れにくくなるため、好ましい。樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。凹部44に樹脂を充填した後、加熱処理(例えば180℃程度)によって樹脂を硬化させることにより、凹部44に補強部材48が形成される。そして、補強部材48は、凹部44の側壁44a,44b及び底面44cによって支持される。
また、補強部材48が樹脂でなる場合、樹脂にはフィラー(骨材)が含有されていることが好ましい。樹脂にフィラーを添加すると、樹脂の剛性及び脆性が高まる。これにより、研削砥石42で被加工物11を研削した際に補強部材48の接触面48aで摩耗が生じやすくなる。フィラーとしては、シリカ粒子、ガラス球等を用いることができる。例えば、補強部材48における樹脂の含有率は15wt%以上25wt%以下であり、補強部材48におけるフィラーの含有率は75wt%以上85wt%以下である。ただし、樹脂及びフィラーの材質、含有比率は適宜変更できる。
上記では補強部材48が樹脂でなる例を説明したが、補強部材48の破壊靭性が研削砥石42よりも低ければ、補強部材48の材質に制限はない。また、補強部材48は、板状に成形された後、接着剤等を介して凹部44の内部に固定されてもよい。
研削砥石42の固定面42bに接着剤を塗布して基台40の溝40d(図2参照)に挿入することにより、研削砥石42が基台40に固定され、研削ホイール36が得られる。そして、研削ホイール36は研削装置2のホイールマウント34(図1参照)に装着され、被加工物11を研削する。
図4は、被加工物11を研削する研削砥石42の一部を示す断面図である。研削砥石42で被加工物11を研削する際には、被加工物11をチャックテーブル8で保持した状態で、チャックテーブル8と研削ホイール36を回転させ、研削砥石42を被加工物11に接触させる。これにより、環状の回転経路に沿って旋回する複数の研削砥石42の研削面42aが被加工物11の裏面11b側を研削し、被加工物11が薄化される。また、被加工物11の研削中は、研削液供給路40e(図2参照)から被加工物11及び研削砥石42に研削液が供給される。
なお、前述のように、補強部材48は、研削砥石42よりも破壊靭性が低い部材によって構成されている。そのため、研削砥石42の研削面42aと補強部材48の接触面48aとが被加工物11の裏面11bに接触すると、補強部材48の接触面48a側が研削砥石42の研削面42a側よりも早く摩耗する。その結果、研削砥石42の研削面42a側に溝50が形成される。この溝50は、隣接する一対の研削領域46の先端部の側面と、補強部材48の接触面48aとによって構成される窪みであり、被加工物11と補強部材48の接触面48aとの間の隙間に相当する。
被加工物11の研削中に供給される研削液は、補強部材48の消耗によって形成された溝50に流れ込む。すなわち、溝50は研削液が流れる流路として機能する。これにより、研削砥石42の研削面42aの全体に研削液が供給されやすくなる。
なお、研削砥石42は、長さ方向が基台40の外周縁の接線方向(周方向)に沿うように固定されている(図2参照)。そのため、互いに隣接する2個の研削砥石42は、一方の研削砥石42の側面42eと他方の研削砥石42の側面42fとが対面するように配置される。また、研削砥石42はそれぞれ、凹部44及び補強部材48が研削砥石42の回転経路の接線方向(周方向)に沿うように配置される。これにより、隣接する研削砥石42間に供給された研削液が溝50に効率良く取り込まれる。
以上の通り、本実施形態に係る研削ホイール36は、研削面42a側に凹部44が設けられた研削砥石42を備え、凹部44には研削砥石42よりも破壊靱性が低く研削砥石42の研削面42a側を補強する補強部材48が設けられている。これにより、凹部44が設けられた研削砥石42の研削面42a側を補強部材48で補強しつつ、補強部材48の消耗を利用して研削砥石42の研削面42a側に研削液の流路を形成できる。その結果、研削砥石42の破損が防止されるとともに、研削砥石42の研削面42aに研削液が適切に供給されやすくなる。
なお、上記実施形態では、凹部44及び補強部材48が研削砥石42の長さ方向に沿って設けられた例について説明したが(図3参照)、凹部44及び補強部材48の態様はこれに限定されない。研削砥石42の変形例を、図5及び図6に示す。
図5は、研削砥石42の第1の変形例に相当する研削砥石52を示す斜視図である。研削砥石52は、例えば直方体状に形成され、研削面52a、固定面52b、側面52c,52d,52e,52fを備える。なお、研削面52a、固定面52b、側面52c,52d,52e,52fはそれぞれ、研削砥石42(図3参照)の研削面42a、固定面42b、側面42c,42d,42e,42fに対応する。
研削砥石52の研削面52a側には、研削面52aで露出する複数の凹部(溝)54が設けられている。凹部54はそれぞれ、研削砥石52の幅方向(短手方向)に沿って直線状(帯状)に形成され、側面52c及び側面52dで露出している。また、複数の凹部54は、互いに概ね平行であり、研削砥石52の長さ方向(長手方向)に沿って所定の間隔で配列されている。
凹部54は、互いに対面する一対の側壁54a,54bと、側壁54a及び側壁54bの下端に接続された底面54cとを含む。また、研削砥石52の研削面52a側のうち凹部54が形成されていない領域は、被加工物11の研削に寄与する研削領域(突起部、凸部)56を構成している。なお、凹部54及び研削領域56の寸法は、研削砥石42の凹部44及び研削領域46(図3参照)と同様に設定できる。
凹部54には、研削砥石52の研削面52a側を補強する補強部材(補強層)58が設けられる。補強部材58は、研削砥石52よりも破壊靭性が低い部材によって構成される。なお、補強部材58の材質、形状、機能等は、研削砥石42に設けられる補強部材48(図3参照)と同様である。
研削砥石52は、長さ方向が基台40の溝40d(図2参照)の接線方向に沿うように固定される(図2参照)。これにより、研削砥石52は、凹部54及び補強部材58が研削砥石52の回転経路の法線方向(径方向)に沿うように配置される。
図6は、研削砥石42の第2の変形例に相当する研削砥石60を示す斜視図である。研削砥石60は、例えば直方体状に形成され、研削面60a、固定面60b、側面60c,60d,60e,60fを備える。なお、研削面60a、固定面60b、側面60c,60d,60e,60fの態様はそれぞれ、研削砥石42(図3参照)の研削面42a、固定面42b、側面42c,42d,42e,42fと同様である。
研削砥石60の研削面60a側には、研削面60aで露出する複数の凹部(溝)62が設けられている。凹部62はそれぞれ、研削砥石60の長さ方向(長手方向)に沿って直線状(帯状)に形成され、側面60e及び側面60fで露出している。また、複数の凹部62は、互いに概ね平行であり、研削砥石60の幅方向(短手方向)に所定の間隔で配列されている。
さらに、研削砥石60の研削面60a側には、研削面60aで露出する複数の凹部(溝)64が設けられている。凹部64はそれぞれ、研削砥石60の幅方向(短手方向)に沿って直線状(帯状)に形成され、側面60c及び側面60dで露出している。また、複数の凹部64は、互いに概ね平行であり、研削砥石60の長さ方向(長手方向)に所定の間隔で配列されている。
凹部62は、互いに対面する一対の側壁62a,62bと、側壁62a及び側壁62bの下端に接続された底面62cとを含む。また、凹部64は、互いに対面する一対の側壁64a,64bと、側壁64a及び側壁64bの下端に接続された底面64cとを含む。凹部62と凹部64とは、交差点において互いに連結されている。
上記のように、研削砥石60の研削面60a側には、凹部62及び凹部64が互いに交差するように格子状に形成されている。また、研削砥石60の研削面60a側のうち凹部62及び凹部64が形成されていない領域は、被加工物11の研削に寄与する研削領域(突起部、凸部)66を構成している。なお、凹部62,64及び研削領域66の寸法は、研削砥石42の凹部44及び研削領域46(図3参照)と同様に設定できる。
凹部62及び凹部64には、研削砥石60の研削面60a側を補強する補強部材(補強層)68が設けられる。補強部材68は、研削砥石60よりも破壊靭性が低い部材によって構成される。なお、補強部材68の材質、形状、機能等は、研削砥石42に設けられる補強部材48(図3参照)と同様である。
研削砥石60は、長さ方向が基台40の溝40d(図2参照)の接線方向に沿うように固定される(図2参照)。これにより、研削砥石60は、凹部62及び凹部62に形成された補強部材68が研削砥石60の回転経路の接線方向(周方向)に沿い、凹部64及び凹部64に形成された補強部材68が研削砥石60の回転経路の法線方向(径方向)に沿うように配置される。
なお、研削砥石60で被加工物11を研削する場合、研削砥石60にはその長手方向に沿って摩擦力が作用する。そのため、研削領域66の長さは、研削領域66の幅よりも大きいことが好ましい。これにより、摩擦による研削領域66の破損が生じにくくなる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 支持構造
8 チャックテーブル(保持テーブル)
8a 保持面
10 X軸移動ユニット
12 テーブルカバー
14 防塵防滴カバー
16 Z軸移動ユニット
18 Z軸ガイドレール
20 Z軸移動プレート
22 Z軸ボールねじ
24 Z軸パルスモータ
26 支持部材
28 研削ユニット
30 ハウジング
32 スピンドル
34 ホイールマウント
36 研削ホイール
38 制御ユニット(制御部、制御装置)
40 基台
40a 第1面
40b 第2面
40c 開口
40d 溝
40e 研削液供給路
42 研削砥石
42a 研削面
42b 固定面
42c,42d,42e,42f 側面
44 凹部(溝)
44a,44b 側壁
44c 底面
46 研削領域(突起部、凸部)
48 補強部材(補強層)
48a 接触面
50 溝
52 研削砥石
52a 研削面
52b 固定面
52c,52d,52e,52f 側面
54 凹部(溝)
54a,54b 側壁
54c 底面
56 研削領域(突起部、凸部)
58 補強部材
60 研削砥石
60a 研削面
60b 固定面
60c,60d,60e,60f 側面
62 凹部(溝)
62a,62b 側壁
62c 底面
64 凹部(溝)
64a,64b 側壁
64c 底面
66 研削領域(突起部、凸部)
68 補強部材

Claims (4)

  1. 被加工物を研削する研削ホイールであって、
    基台と、該基台に固定され該被加工物と接触する研削面を有する研削砥石と、を備え、
    該研削砥石の該研削面側には、凹部が設けられ、
    該凹部には、該研削砥石よりも破壊靱性が低く該研削砥石の該研削面側を補強する補強部材が設けられていることを特徴とする研削ホイール。
  2. 該補強部材は、樹脂でなることを特徴とする、請求項1記載の研削ホイール。
  3. 該補強部材には、フィラーが含有されていることを特徴とする、請求項2記載の研削ホイール。
  4. 該研削砥石は、該凹部が該研削砥石の回転経路の接線方向に沿うように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の研削ホイール。
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