JP2024010561A - 床下配線構造および床下配線方法 - Google Patents

床下配線構造および床下配線方法 Download PDF

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Yasutaka Eguchi
智広 坂口
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Abstract

【課題】床下の配線への耐火性能を向上すること。【解決手段】耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbが厚さ方向に積層されてコンクリート床101に立てて設けられ、複数系統のケーブルを区画可能な耐火壁1AAと、耐火壁1AAの上に配置される上床板103と耐火壁1AAとの間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材1ABと、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、床下配線構造および床下配線方法に関する。
例えば、特許文献1、2に、コンクリート床の上面側に一定間隔をおいて床パネルを設けた二重床構造とし、二重床の内部空間に隔壁で区画されたダクト(溝)を設け、室内に配置される電子機器のケーブルを溝内に配置する構造について記載されている。上記隔壁は、コンクリート床と一体に形成されたコンクリート製の隔壁として構成される。
特開昭60-156204号公報 特開昭61-101420号公報
近年では、床下の配線への耐火性能のさらなる改善が望まれている。
本開示は上述した課題を解決するものであり、床下の配線への耐火性能を向上することのできる床下配線構造および床下配線方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る床下配線構造は、耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて床に立てて設けられ、複数系統のケーブルを区画可能な耐火壁と、前記耐火壁の上に配置される蓋材と前記耐火壁との間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材と、を備える。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る床下配線方法は、耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層された耐火壁を床に立てて設ける工程と、前記耐火壁の上端に耐熱性を有する遮蔽部材を配置する工程と、前記耐火壁との間に前記遮蔽部材を弾性変形させて挟むように蓋材を配置する工程と、を含む。
本開示は、床下の配線への耐火性能を向上できる。
図1は、実施形態に係る床下配線構造の構成図である。 図2は、実施形態に係る床下配線構造の拡大構成図である。 図3は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。 図4は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。 図5は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。 図6は、実施形態に係る床下配線構造の部分断面図である。 図7は、実施形態に係る床下配線構造の交差部の構成図である。 図8は、実施形態に係る床下配線方法のフローチャート図である。 図9は、実施形態に係る床下配線方法のフローチャート図である。 図10は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の構成図である。 図11は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の拡大構成図である。 図12は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の拡大正面図である。 図13は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の部分断面図である。 図14は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の交差部の構成図である。
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態に係る床下配線構造の構成図である。図2は、実施形態に係る床下配線構造の拡大構成図である。
図1に示すように、実施形態の床下配線構造100は、例えば、原子力施設などのプラント施設内の中央制御室において、制御盤である電子機器50に接続されるケーブル51の配線に関わる。原子力施設内の中央制御室は、堅牢なコンクリート製のコンクリート床(「床」ともいう)101と、図には明示しないが、コンクリート壁と、コンクリート天井とに囲まれる。床下配線構造100は、コンクリート床101の床面101aに固定された複数の支持脚102によって、床面101aよりも上側に所定間隔をおいて上床板103が支持されることで、床下空間である床部104を備える。ケーブル51は、床部104に配線される。なお、実施形態の電子機器50は、コンクリート床101の床面101aから、上床板103と同じレベルに嵩上げされたコンクリート製の基台101bに固定される。基台101bは、ケーブル51を通す開口部が防火シール52で封止される。
ケーブル51は、系統分離が要求される。例えば、ケーブル51は、異常発生時に原子炉を緊急停止させ、原子炉の炉心冷却を行うシステムである安全系(ケーブル51A,51B)の系統と、発電をするためのシステムである常用系(ケーブル51C)の系統とがある。また、安全系のケーブル51A,51Bは、多重性、独立性が要求され、電気的、物理的に分離された独立の複数(実施形態では2つ)のトレンから構成され、1つのトレンの故障によって他のトレンの機能に影響が及ばないように配置する必要がある。従って、実施形態の床下配線構造100は、安全系のケーブル51A,51B同士、の系統分離を区画し、信頼性を確保する。
床下配線構造100は、上述したように系統分離が要求される複数系統のケーブル51(51A,51B)を区画可能な耐火区画部材1を備える。図2に示すように、耐火区画部材1は、耐火材1A、および耐火材1Aを支持する支持部材1Bで壁部が構成される。なお、図面において、第一方向(耐火材1Aの高さ方向)X、第一方向Xに直交しコンクリート床101に沿う第二方向(耐火材1Aの厚さ方向(幅方向))Y、第一方向Xおよび第二方向Yに直交しコンクリート床101に沿う第三方向(耐火材1Aの長さ方向)Zを示す。
耐火材1Aは、耐火性を有する。実施形態の耐火材1Aは、厚さ方向で区画を行い、当該厚さ方向において耐火性能を確保する。耐火材1Aは、コンクリート床101の床面101aに高さ方向に立てて設けられて区画壁を構成する。耐火材1Aは、配線するケーブル51の延在方向に沿ってコンクリート床101の床面101aに沿う長さ方向に連続して設けられる。
支持部材1Bは、板状の鋼板からなり、耐火材1Aの壁の少なくとも一側面に沿って配置される。図2では、支持部材1Bは、耐火材1Aの壁の両側面に沿って配置されている。支持部材1Bは、耐火材1Aの壁の側面に沿う支持部1Baと、当該支持部1Baから連続して屈曲して設けられてコンクリート床101の床面101aに固定される固定部1Bbと、で構成される。支持部1Baは、耐火材1Aの壁の側面に配置される。固定部1Bbは、コンクリート床101の床面101aに設置された固定金具への溶接や、コンクリート床101に設置されたアンカーボルトへの締め付けによってコンクリート床101の床面101aに固定される。従って、支持部材1Bは、支持部1Baによって耐火材1Aを支持し、固定部1Bbによって耐火材1Aをコンクリート床101の床面101aに固定する。
また、耐火区画部材1は、必要に応じて補強部材1Cを備える。補強部材1Cは、耐火材1Aを支持し、コンクリート床101の床面101aに固定することを補強する。補強部材1Cは、鋼材で形成された角形鋼板からなり、コンクリート床101の床面101aに立設して固定される脚部1Caと、コンクリート床101の床面101aに沿って設けられて脚部1Caに溶接などによって接合される梁部1Cbと、を有する。脚部1Caは、コンクリート床101の床面101aに設置された固定金具への溶接や、コンクリート床101に設置されたアンカーボルトへの締め付けによってコンクリート床101の床面101aに固定される。また、脚部1Caは、支持部材1Bの板面に溶接などによって接合される。梁部1Cbは、支持部材1Bの板面に溶接などによって接合される。また、梁部1Cbは、複数本がコンクリート床101の床面101aに沿って設けられていてもよい。梁部1Cbは、図2では2本設けられている。従って、補強部材1Cは、耐火材1Aを支持する支持部材1Bを補強し、耐震性の向上を図る。
このような耐火区画部材1は、耐火材1Aがコンクリート床101の床面101aに立設された区画壁を構成する。耐火区画部材1は、支持脚102とは独立して干渉しないように設けられる。また、耐火材1Aは、コンクリート床101の床面101aから立ち上がった上端が上床板103の底面と隙間なく接触する。
上述した耐火区画部材1は、図1に示すように、安全系の各ケーブル51A,51Bのルートの両側に各ケーブル51A,51Bを挟むように1対配置され、かつ各ケーブル51A,51Bの延在方向に連続することで、安全系の各ケーブル51A,51Bを配置する各領域10A,10Bを系統分離する。
ここで、耐火材1Aの詳細を説明する。図3は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。図4は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。図5は、実施形態に係る床下配線構造の部分正面図である。図6は、実施形態に係る床下配線構造の部分断面図である。
耐火材1Aは、図2に示すように、耐火壁1AAと、遮蔽部材1ABとを含む。
耐火壁1AAは、耐火材1Aにおいて、コンクリート床101の床面101aに立てて設けられるものである。耐火壁1AAは、耐熱材1AAaと、断熱材1AAbとを含む。耐火壁1AAは、厚さ方向で耐熱材1AAaの層と、断熱材1AAbの層とが積層されて構成される。実施形態では、耐火壁1AAは、厚さ方向において耐熱材1AAaの2層間に断熱材1AAbの1層を配置して構成される。耐熱材1AAaは、最高耐熱温度が1300℃以上のもので、例えば、ファインフレックスBIO(登録商標)が適用できる。断熱材1AAbは、断熱性能の優れた、例えば、シリカ製ナノ粒子の断熱材が適用できる。耐火壁1AAは、断熱材1AAbの最高使用温度が、例えば、1時間耐火試験の最高温度945.3℃に耐えられない温度である場合、耐熱材1AAaによって耐熱性能が確保される。耐火壁1AAは、当該1時間耐火試験に耐え、かつ占有領域を極力抑える。このように、実施形態の耐火壁1AAは、厚さ方向において耐熱材1AAaの2層間に断熱材1AAbの1層を配置して構成されることで、火炎が厚さ方向のどちら側から至っても耐火性能を確保できる。なお、図には明示しないが、耐火壁1AAは、火炎が厚さ方向の一方からのみ至ることが想定できる場合、耐熱材1AAaの1層を一方側に配置し、断熱材1AAbの1層を他方側に配置した2層の構成としてもよい。
遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAと、蓋材である上床板103との間を塞ぐものである。遮蔽部材1ABは、耐熱性を有する、例えば、ファインフレックスBIO(登録商標)が適用できる。遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAの上端に配置され、上床板103の設置によって図3から図5に示す圧縮部1AB’が圧縮されることで変形し、自身の弾性力によって耐火壁1AAおよび上床板103に密着する。即ち、遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAの上端に配置された状態で圧縮部1AB’および耐火壁1AAを含むコンクリート床101の床面101aから高さ方向の寸法が支持脚102のコンクリート床101の床面101aから高さ方向の寸法よりも大きくなるように設定される。これにより、遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAと上床板103との間を塞ぐ。従って、耐火材1Aは、耐火壁1AAの断熱材1AAbが耐熱材1AAaおよび耐熱性を有する遮蔽部材1ABで覆われた形態で、コンクリート床101の床面101aと上床板103の底面との間を塞ぐように設けられる。このため、耐火材1Aは、例えば、1時間耐火試験に耐え得る耐火性能を確保できる。
遮蔽部材1ABは、図3および図4に示すように、耐火壁1AAとは別体で構成される。遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAとは別体で構成される場合、支持構造1Dによって支持される。図3では、支持構造1Dは、支持部材1Bからなる。支持構造1Dである支持部材1Bは、コンクリート床101の床面101aからの高さ方向の寸法が耐火壁1AAよりも大きく形成され、耐火壁1AAの上端から突出して設けられる。支持部材1Bは、この突出した部分によって遮蔽部材1ABを幅方向で挟むようにして耐火壁1AAの上端に設置された遮蔽部材1ABを支持する。支持部材1Bは、上床板103を設置した状態で上床板103に干渉しない高さ方向の寸法に設定される。図4では、支持構造1Dは、耐火壁1AAからなる。支持構造1Dである耐火壁1AAは、耐熱材1AAaと断熱材1AAbとのコンクリート床101の床面101aからの高さ方向の寸法が異なる凹凸で構成される。支持部材1Bは、この凹凸に遮蔽部材1ABを嵌めることによって耐火壁1AAの上端に設置された遮蔽部材1ABを支持する。
また、遮蔽部材1ABは、図5に示すように、耐火壁1AAと一体で構成される。即ち、遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAの一部で構成される。耐火壁1AAは、コンクリート床101の床面101aからの高さ方向の寸法が耐熱材1AAaと断熱材1AAbとで異なり、耐熱材1AAaが断熱材1AAbよりも高さ方向を大きく設定される。この高さ方向を大きく設定された耐熱材1AAaが遮蔽部材1ABを構成する。耐熱材1AAaからなる遮蔽部材1ABは、上床板103の設置によって上から図5に示す圧縮部1AB’が圧縮されることで変形し、自身の弾性力によって上床板103に密着する。即ち、遮蔽部材1ABは、圧縮部1AB’を含み、耐熱材1AAaのコンクリート床101の床面101aからの高さ方向の寸法が支持脚102のコンクリート床101の床面101aから高さ方向の寸法よりも大きくなるように設定される。これにより、遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAと上床板103との間を塞ぐ。
また、図6に示すように、耐火壁1AAは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐火壁1AAの耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbの層がずれた凹凸部1Eが形成される。そして、耐火壁1AAは、耐火壁1AAの複数が凹凸部1E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる。従って、実施形態の床下配線構造100では、耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbの層がずれた凹凸部1Eで嵌め合わされることで、耐熱材1AAa同士の継ぎ目と、断熱材1AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁1AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。また、耐火壁1AAは、耐熱材1AAaの継ぎ目に対して支持部材1Bの長さ方向の継ぎ目がずれて設けられる。
図7は、実施形態に係る床下配線構造の交差部の構成図である。実施形態の床下配線構造100では、図1に示すように、安全系の各ケーブル51A,51Bの各領域10A,10Bが交差する交差部Cを有する。かかる交差部Cにおいて、耐火区画部材1は、図7に示すように構成される。なお、図7では、耐火区画部材1は、耐火材1Aのみの簡素化した形態として示している。よって、ここでは、耐火区画部材1を耐火材1Aとして説明する。
領域10Aを区画する1対の耐火材1Aは、交差部Cにおいて下側を通過する。この耐火材1Aは、交差部Cにおいて、上側の略半分が切り欠かれた切欠11Aを有する。切欠11Aは、矩形状に切り欠かれ、1対の耐火材1Aにおいて交差方向(実施形態では領域10Aを区画する耐火材1Aに直交する方向)の同じ位置に同じ大きさに形成される。よって、領域10Aを区画する耐火材1Aは、切欠11Aによって上側が交差方向で貫通して形成される。各切欠11Aは、矩形状の各縦辺の間に板状の耐火材11Bが立てて架け渡される。耐火材11Bは、必要に応じて支持部材1Bが設けられる。また、各切欠11Aは、矩形状の横辺の間に板状の耐火材11Cが横にして架け渡される。耐火材11Cは、必要に応じて支持部材1Bが設けられる。よって、貫通する切欠11Aは、耐火材11Bおよび耐火材11Cによって上方を塞がれる。
一方、領域10Bを区画する1対の耐火材1Aは、交差部Cにおいて上側を通過する。この耐火材1Aは、交差部Cの位置で、領域10Aを区画する1対の耐火材1Aを間に途切れて設けられる。この途切れた部分に、交差部材12が設けられる。交差部材12は、交差方向に沿って途切れた部分を繋ぐ一対の板状の耐火材12Aを有する。この耐火材12Aは、交差部Cにおいて、下側の略半分が切り欠かれた切欠12Aaを有する。切欠12Aaは、矩形状に切り欠かれ、1対の耐火材12Aにおいて、領域10Aを区画する耐火材1Aが連続する方向の同じ位置に同じ大きさに形成される。よって、耐火材12Aは、切欠12Aaによって下側が領域10Aを区画する耐火材1Aが連続する方向で貫通して形成される。また、切欠12Aaは、横にして架け渡された耐火材11Cの上側を跨ぐように設けられる。各切欠12Aaは、矩形状の各縦辺の間に板状の耐火材12Bが立てて架け渡される。耐火材12Bは、必要に応じて支持部材1Bが設けられる。また、各切欠12Aaは、矩形状の横辺の間に板状の耐火材12Cが横にして架け渡される。耐火材12Cは、必要に応じて支持部材1Bが設けられる。よって、貫通する切欠12Aaは、耐火材12Bおよび耐火材12Cによって上方を除き塞がれる。
そして、耐火材1A,11B,11Cで区画された交差部Cの下側の領域10Aにケーブル51Aが配線される。また、耐火材12A,12B,12Cで区画された交差部Cの上側の領域10Bにケーブル51Bが配線される。よって、ケーブル51Aとケーブル51Bとが系統分離された形態で交差される。
図8および図9は、実施形態に係る床下配線方法のフローチャート図である。
図8に示すように、実施形態の床下配線方法では、ステップS1からステップS4の工程を含む。ステップS1の工程は、原子力施設内のコンクリート床101に、耐火区画部材1を取り付ける。次に、ステップS2の工程は、耐火区画部材1で区画された領域10A,10B,10Cにケーブル51を配置(敷設)する。次に、ステップS3の工程は、領域10A,10B,10Cに、火災感知器35A,35B,35Cおよびガス消火設備30A,30B,30Cを設置する。次に、ステップS4の工程は、支持脚102に上床板103を配置する。
図9に示すように、ステップS1は、ステップS11からステップS13の工程を含み、ステップS4は、ステップS14の工程を含む。ステップS11の工程は、耐火壁1AAをコンクリート床101に立てて設ける。上述したように、耐火壁1AAは、厚さ方向で耐熱材1AAaの層と、断熱材1AAbの層とが積層されて構成される。従って、ステップS11の工程は、耐熱材1AAaの層と、断熱材1AAbの層とをそれぞれコンクリート床101に立てて設ける。または、ステップS11の工程は、耐熱材1AAaの層および断熱材1AAbの層を予め積層した耐火壁1AAを、コンクリート床101に立てて設ける。ステップS12の工程は、上述したように、耐火壁1AAに凹凸部1Eが形成されている場合に、この凹凸部1E同士を嵌め合わせて耐火壁1AAを長さ方向に連続して設ける。ステップS13の工程は、耐火壁1AAの上端に遮蔽部材1ABを配置する。遮蔽部材1ABが耐火壁1AAと別体の場合は、コンクリート床101に立てて設けた耐火壁1AAの上端に遮蔽部材1ABを配置する。または、遮蔽部材1ABが耐火壁1AAと一体の場合は、耐火壁1AAをコンクリート床101に立てて設けることで、耐火壁1AAの上端に遮蔽部材1ABが配置される。ステップS41の工程は、蓋材である上床板103を配置すること、即ち、コンクリート床101と耐火壁1AAとの間に遮蔽部材1ABを挟むように蓋材である上床板103を配置する。
このように、実施形態の床下配線構造100は、耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbが厚さ方向に積層されて床(コンクリート床101)に立てて設けられ、複数系統のケーブル51を区画可能な耐火壁1AAと、耐火壁1AAの上に配置される蓋材(上床板103)と耐火壁1AAとの間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材1ABと、を備える。
この床下配線構造100によれば、コンクリート床101と上床板103との間において、耐熱性の部材を隙間なく配置しつつ、断熱性の部材を厚さ方向に積層して配置するため、耐火性能を向上できる。
また、実施形態の床下配線構造100では、遮蔽部材1ABは、耐火壁1AAと別体で設けられる。この床下配線構造100によれば、耐火壁1AAと上床板103との間の寸法誤差を遮蔽部材1ABで吸収し、コンクリート床101と上床板103との間において、耐熱性の部材を隙間なく配置できる。
また、実施形態の床下配線構造100では、遮蔽部材1ABが耐火壁1AAと別体で設けられる場合、遮蔽部材1ABを支持する支持構造1Dを備える。この床下配線構造100によれば、耐火壁1AAに対する遮蔽部材1ABの配置を容易に行うことができる。
また、実施形態の床下配線構造100では、耐火壁1AAは、厚さ方向において耐熱材1AAaの2層間に断熱材1AAbの層を配置してなる。この床下配線構造100によれば、耐火壁1AAの厚さ方向の両側のどちらの火災に対して耐火性能を確保できる。
また、実施形態の床下配線構造100では、耐火壁1AAは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbの層がずれた凹凸部1Eが形成され、複数が凹凸部1E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる。この床下配線構造100によれば、耐熱材1AAa同士の継ぎ目と、断熱材1AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁1AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。この結果、実施形態の床下配線構造100は、耐火壁1AAの長さ方向の継ぎ目部分で火炎の通過を防ぐため、耐火性能を向上できる。
また、実施形態の床下配線方法は、耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbが厚さ方向に積層された耐火壁1AAを床(コンクリート床101)に立てて設ける工程と、耐火壁1AAの上端に耐熱性を有する遮蔽部材1ABを配置する工程と、耐火壁1AAとの間に遮蔽部材1ABを弾性変形させて挟むように蓋材(上床板103)を配置する工程と、を含む。
この床下配線方法によれば、耐火性能を向上できる実施形態の床下配線構造100を設置できる。
また、実施形態の床下配線方法では、耐火壁1AAは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐熱材1AAaおよび断熱材1AAbの層がずれた凹凸部1Eが形成され、複数の耐火壁1AAの凹凸部1E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設ける工程をさらに含む。この床下配線方法によれば、耐熱材1AAa同士の継ぎ目と、断熱材1AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁1AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。この結果、実施形態の床下配線方法は、耐火壁1AAの長さ方向の継ぎ目部分で火炎の通過を防いで耐火性能を向上できる。
[実施形態2]
図10は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の構成図である。図11は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の拡大構成図である。
実施形態の床下配線構造200において、上述した床下配線構造100と同等の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10において、実施形態の床下配線構造200は、床下空間である床部104を備える。床下配線構造200は、系統分離が要求されるケーブル51(51A,51B)を区画可能な耐火区画部材2を備える。図11に示すように、耐火区画部材2は、耐火材2A、および耐火材2Aを支持する支持部材2Bで管部が構成される。なお、図面において、第一方向(底部耐火材2Aaの厚さ方向、側部耐火材2Abの高さ方向、蓋部耐火材2Acの厚さ方向)X、第一方向Xに直交しコンクリート床101に沿う第二方向(底部耐火材2Aaの幅方向、側部耐火材2Abの厚さ方向、蓋部耐火材2Acの幅方向)Y、第一方向Xおよび第二方向Yに直交しコンクリート床101に沿う第三方向(底部耐火材2Aa、側部耐火材2Ab、蓋部耐火材2Acの長さ方向)Zを示す。
耐火材2Aは、耐火性を有する。耐火材2Aは、底部耐火材2Aaと、側部耐火材2Abと、蓋部耐火材2Acと、を有する。底部耐火材2Aaは、コンクリート床101の床面101aに伏せて配置される。底部耐火材2Aaは、高さ方向で区画を行い、当該高さ方向において耐火性能を確保する。側部耐火材2Abは、1対設けられ、底部耐火材2Aaの両端に当接してコンクリート床101の床面101aに立てて、互いに対向して設けられる。側部耐火材2Abは、厚さ方向で区画を行い、当該厚さ方向において耐火性能を確保する。蓋部耐火材2Acは、各側部耐火材2Abの上端に架け渡されて、底部耐火材2Aaと対向して設けられる。蓋部耐火材2Acは、高さ方向で区画を行い、当該高さ方向において耐火性能を確保する。この耐火材2Aは、底部耐火材2Aaと、各側部耐火材2Abと、蓋部耐火材2Acとで、矩形状の筒を構成する。耐火材2Aは、配線するケーブル51の延在方向に沿ってコンクリート床101の床面101aに連続して設けられる。
支持部材2Bは、板状の鋼板からなり、耐火材2Aがなす筒の外周を囲むように配置される。支持部材2Bは、耐火材2Aの底部耐火材2Aaの外周面に沿ってコンクリート床101の床面101aとの間に配置される固定部2Baと、固定部2Baの両側から連続して屈曲して立ち上がり各側部耐火材2Abの外周面に沿って配置される支持部2Bbと、固定部2Baおよび支持部2Bbとは別体で構成されて、蓋部耐火材2Acの外周面に沿って配置され、支持部2Bbの上端に接合される蓋部2Bcと、で構成される。固定部2Baは、底部耐火材2Aaの外周面に接着によって取り付けられる。固定部2Baは、コンクリート床101の床面101aに設置された固定金具への溶接や、コンクリート床101に設置されたアンカーボルトへの締め付けによってコンクリート床101の床面101aに固定される。各支持部2Bbは、各側部耐火材2Abの外周面に配置される。蓋部2Bcは、蓋部耐火材2Acの外周面に接着によって取り付けられ、かつ支持部2Bbの上端に溶接によって接合される。従って、支持部材2Bは、耐火材2Aの外周を囲って支持し、固定部2Baによって耐火材2Aをコンクリート床101の床面101aに固定する。
また、耐火区画部材2は、耐火区画部材1と同様に、必要に応じて補強部材1Cを備えてもよい。
このような耐火区画部材2は、耐火材2Aが筒状の区画壁を構成する。耐火区画部材2は、支持脚102とは独立して干渉しないように設けられる。また、耐火区画部材2は、上床板103の底面と干渉しないことが好ましい。
上述した耐火区画部材2は、図10に示すように、安全系の各ケーブル51A,51Bのルートを耐火材2Aの筒状の内部に通すように配置され、かつ各ケーブル51A,51Bの延在方向に連続することで、安全系の各ケーブル51A,51Bを配置する各領域20A,20Bを系統分離する。
ここで、耐火材2Aの詳細を説明する。図12は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の拡大正面図である。図13は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の部分断面図である。
耐火材2Aの底部耐火材2Aaは、耐熱材2AAaと、断熱材2AAbとを含む。底部耐火材2Aaは、高さ方向で耐熱材2AAaの層と、断熱材2AAbの層とが積層されて構成される。実施形態では、耐火壁2AAは、高さ方向において耐熱材2AAaの2層間に断熱材2AAbの1層を配置して構成される。耐熱材2AAaは、実施形態1の耐熱材1AAaと同様である。断熱材2AAbは、実施形態1の断熱材1AAbと同様である。なお、図には明示しないが、底部耐火材2Aaは、火炎が高さ方向の一方からのみ至ることが想定できる場合、耐熱材2AAaの1層を一方側に配置し、断熱材2AAbの1層を他方側に配置した2層の構成としてもよい。
耐火材2Aの側部耐火材2Abは、耐熱材2AAaと、断熱材2AAbとを含む。側部耐火材2Abは、厚さ方向で耐熱材2AAaの層と、断熱材2AAbの層とが積層されて構成される。実施形態では、耐火壁2AAは、厚さ方向において耐熱材2AAaの2層間に断熱材2AAbの1層を配置して構成される。耐熱材2AAaは、実施形態1の耐熱材1AAaと同様である。断熱材2AAbは、実施形態1の断熱材1AAbと同様である。なお、図には明示しないが、側部耐火材2Abは、火炎が高さ方向の一方からのみ至ることが想定できる場合、耐熱材2AAaの1層を一方側に配置し、断熱材2AAbの1層を他方側に配置した2層の構成としてもよい。この側部耐火材2Abは、耐火壁2AAとして用いられる。また、側部耐火材2Abは、耐熱材2AAaが高さ方向に延長される部分が遮蔽部材2ABとして用いられる。
耐火材2Aの蓋部耐火材2Acは、耐熱材2AAaと、断熱材2AAbとを含む。蓋部耐火材2Acは、高さ方向で耐熱材2AAaの層と、断熱材2AAbの層とが積層されて構成される。実施形態では、耐火壁2AAは、高さ方向において耐熱材2AAaの2層間に断熱材2AAbの1層を配置して構成される。耐熱材2AAaは、実施形態1の耐熱材1AAaと同様である。断熱材2AAbは、実施形態1の断熱材1AAbと同様である。
また、蓋部耐火材2Acは、側部耐火材2Abの耐熱材2AAaが高さ方向に延長されることで、幅方向の端が塞がって設けられる。即ち、蓋部耐火材2Acは、断熱材2AAbが耐熱材2AAaで覆われる。なお、図には明示しないが、蓋部耐火材2Acは、火炎が高さ方向の一方からのみ至ることが想定できる場合、耐熱材2AAaの1層を一方側に配置し、断熱材2AAbの1層を他方側に配置した2層の構成としてもよい。この蓋部耐火材2Acは、遮蔽部材2ABとして用いられる。
遮蔽部材2ABは、耐火壁2AA(側部耐火材2Ab)と、蓋材である蓋部2Bcとの間を塞ぐものである。遮蔽部材2ABは、耐火壁2AAの上端に配置され、蓋部2Bcの設置によって図12に示す圧縮部2AB’が圧縮されることで変形し、自身の弾性力によって耐火壁2AAおよび蓋部2Bcに密着する。圧縮部2AB’は、遮蔽部材2ABおよび耐火壁2AAの耐熱材2AAa(耐火壁2AA(側部耐火材2Ab)の耐熱材2AAaが高さ方向に延長された部分)からなる。即ち、遮蔽部材2ABは、耐火壁2AAの上端に配置された状態で圧縮部2AB’および耐火壁2AAを含むコンクリート床101の床面101aから高さ方向の寸法が支持部2Bbのコンクリート床101の床面101aから高さ方向の寸法よりも大きくなるように設定される。これにより、遮蔽部材2ABは、耐火壁2AAと蓋部2Bcとの間を塞ぐ。従って、耐火材2Aは、耐火壁2AAおよび遮蔽部材2ABの断熱材2AAbが耐熱材2AAaで覆われた形態で、コンクリート床101の床面101aと蓋部2Bcの底面との間を塞ぐように設けられる。このため、耐火材2Aは、例えば、1時間耐火試験に耐え得る耐火性能を確保できる。
遮蔽部材2ABは、耐火壁2AAとは別体で構成される。遮蔽部材2ABは、支持構造2Dによって支持される。支持構造2Dは、支持部2Bbからなる。また、支持構造2Dは、耐火壁2AA(側部耐火材2Ab)の耐熱材2AAaが高さ方向に延長された部分からなる。支持構造2Dは、遮蔽部材2ABを幅方向で挟むようにして耐火壁2AAの上端に設置された遮蔽部材2ABを支持する。
また、図13に示すように、耐火材2Aは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbの層がずれた凹凸部2Eが形成される。そして、耐火材2Aは、複数が凹凸部2E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる。従って、実施形態の床下配線構造200では、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbの層がずれた凹凸部2Eで嵌め合わされることで、耐熱材2AAa同士の継ぎ目と、断熱材2AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁2AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。また、耐火材2Aは、耐熱材2AAaの継ぎ目に対して支持部材2Bの長さ方向の継ぎ目がずれて設けられる。
図14は、実施形態に係る床下配線構造の他の例の交差部の構成図である。実施形態の床下配線構造200では、図10および図14に示すように、安全系の各ケーブル51A,51Bの各領域20A,20Bが交差する交差部Cを有する。かかる交差部Cにおいて、耐火区画部材2は、図10および図14に示すように構成される。
領域20Aを区画する耐火区画部材2は、交差部Cにおいて下側を通過する。即ち、耐火区画部材2は、コンクリート床101の床面101aに沿って配置される。一方、領域20Bを区画する耐火区画部材2は、交差部Cにおいて上側を通過する。耐火区画部材2は、交差部Cの位置で領域20Aを区画する耐火区画部材2の上側を跨ぐ橋の部分が、橋脚21で支持される。橋脚21は、鋼材で形成された角形鋼板からなる脚部21Aが、コンクリート床101の床面101aにアンカー21Cで固定された固定金具21Bに対して溶接で固定される。脚部21Aは、端の部分の耐火区画部材2における支持部材2Bの固定部2Baを溶接によって接合する。
そして、領域20Aを区画する耐火区画部材2にケーブル51Aが配線される。また、領域20Bを区画する耐火区画部材2にケーブル51Bが配線される。よって、ケーブル51Aとケーブル51Bとが系統分離された形態で交差される。
実施形態の床下配線方法は、実施形態1の床下配線方法と同様である。図8に示すように、実施形態の床下配線方法では、ステップS1からステップS4の工程を含む。ステップS1の工程は、原子力施設内のコンクリート床101に、耐火区画部材2を取り付ける。次に、ステップS2の工程は、耐火区画部材2で区画された領域20A,20B,20Cにケーブル51を配置(敷設)する。次に、ステップS3の工程は、領域20A,20B,20Cに、火災感知器35A,35B,35Cおよびガス消火設備30A,30B,30Cを設置する。次に、ステップS4の工程は、支持脚102に上床板103を配置する。
図9に示すように、ステップS1は、ステップS11からステップS13の工程を含み、ステップS4は、ステップS14の工程を含む。ステップS11の工程は、耐火壁2AAをコンクリート床101に立てて設ける。上述したように、耐火壁2AAは、厚さ方向で耐熱材2AAaの層と、断熱材2AAbの層とが積層されて構成される。従って、ステップS11の工程は、耐熱材2AAaの層と、断熱材2AAbの層とをそれぞれコンクリート床101に立てて設ける。または、ステップS11の工程は、耐熱材2AAaの層および断熱材2AAbの層を予め積層した耐火壁2AAを、コンクリート床101に立てて設ける。ステップS12の工程は、上述したように、耐火壁2AAに凹凸部2Eが形成されている場合に、この凹凸部2E同士を嵌め合わせて耐火壁2AAを長さ方向に連続して設ける。ステップS13の工程は、耐火壁2AAの上端に遮蔽部材2ABを配置する。ステップS41の工程は、蓋材である蓋部2Bcを配置すること、即ち、コンクリート床101と耐火壁2AAとの間に遮蔽部材2ABを挟むように蓋材である蓋部2Bcを配置する。
このように、実施形態の床下配線構造200は、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbが厚さ方向に積層されて床(コンクリート床101)に立てて設けられ、複数系統のケーブル51を区画可能な耐火壁2AAと、耐火壁2AAの上に配置される蓋材(蓋部2Bc)と耐火壁2AAとの間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材2ABと、を備える。
この床下配線構造200によれば、コンクリート床101と蓋部2Bcとの間において、耐熱性の部材を隙間なく配置しつつ、断熱性の部材を厚さ方向積層して配置するため、耐火性能を向上できる。
また、実施形態の床下配線構造200では、遮蔽部材2ABは、耐火壁2AAと別体で設けられる。この床下配線構造200によれば、耐火壁2AAと蓋部2Bcとの間の寸法誤差を遮蔽部材2ABで吸収し、コンクリート床101と蓋部2Bcとの間において、耐熱性の部材を隙間なく配置できる。
また、実施形態の床下配線構造200では、遮蔽部材2ABを支持する支持構造2Dを備える。この床下配線構造200によれば、耐火壁2AAに対する遮蔽部材2ABの配置を容易に行うことができる。
また、実施形態の床下配線構造200では、耐火壁2AAは、厚さ方向において耐熱材2AAaの2層間に断熱材2AAbの層を配置してなる。この床下配線構造200によれば、耐火壁2AAの厚さ方向の両側のどちらの火災に対して耐火性能を確保できる。
また、実施形態の床下配線構造200では、耐火壁2AAは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbの層がずれた凹凸部2Eが形成され、複数が凹凸部2E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる。この床下配線構造200によれば、耐熱材2AAa同士の継ぎ目と、断熱材2AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁2AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。この結果、実施形態の床下配線構造200は、耐火壁2AAの長さ方向の継ぎ目部分で火炎の通過を防ぐため、耐火性能を向上できる。
また、実施形態の床下配線方法は、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbが厚さ方向に積層された耐火壁2AAを床(コンクリート床101)に立てて設ける工程と、耐火壁2AAの上端に耐熱性を有する遮蔽部材2ABを配置する工程と、耐火壁2AAとの間に遮蔽部材2ABを弾性変形させて挟むように蓋材(蓋部2Bc)を配置する工程と、を含む。
この床下配線方法によれば、耐火性能を向上できる実施形態の床下配線構造200を設置できる。
また、実施形態の床下配線方法では、耐火壁2AAは、コンクリート床101に沿う長さ方向において、耐熱材2AAaおよび断熱材2AAbの層がずれた凹凸部2Eが形成され、複数の耐火壁2AAの凹凸部2E同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設ける工程をさらに含む。この床下配線方法によれば、耐熱材2AAa同士の継ぎ目と、断熱材2AAb同士の継ぎ目が長さ方向で位置が異なるため、耐火壁2AAの全体が長さ方向の同位置で継ぎ目が一致することを防ぐ。この結果、実施形態の床下配線方法は、耐火壁2AAの長さ方向の継ぎ目部分で火炎の通過を防いで耐火性能を向上できる。
上述した実施形態1,2の床下配線構造100(200)は、図1および図10に示すように、床部104の内部において耐火区画部材1(2)で区画された領域10A(20A),10B(20B),10C(20C)に、ガス消火設備30A,30B,30Cと、火災感知器35A,35B,35Cと、を有する。
ガス消火設備30A,30B,30Cは、それぞれ消火ガス貯蔵容器31A,31B,31Cと、チューブ32A,32B,32Cと、噴射ヘッド33A,33B,33Cと、を有する。消火ガス貯蔵容器31A,31B,31Cは、消火ガスが貯蔵される。消火ガス貯蔵容器31A,31B,31Cは、チューブ32A,32B,32Cが接続される。チューブ32A,32B,32Cは、各領域10A(20A),10B(20B),10C(20C)の所定箇所に延びた先に噴射ヘッド33A,33B,33Cが設けられる。チューブ32A,32B,32Cは、各領域10A(20A),10B(20B),10C(20C)で複数に分岐し、分岐した先端に噴射ヘッド33A,33B,33Cが設けられる。
火災感知器35A,35B,35Cは、火災感知センサを含む。火災感知器35A,35B,35Cは、煙や熱を検出することで火災を感知する。火災感知器35A,35B,35Cは、各領域10A(20A),10B(20B),10C(20C)の所定箇所に複数配置できる。
そして、火災感知器35A,35B,35Cから感知信号を取得した図示しない制御装置は、ガス消火設備30A,30B,30Cの消火ガス貯蔵容器31A,31B,31Cの消火ガスをチューブ32A,32B,32Cを介して噴射ヘッド33A,33B,33Cから噴射させる。
上述した実施形態1,2において、床下配線構造100(200)は、原子力施設内のコンクリート床101の上側に間隔をおいて上床板103が配置された床部104と、コンクリート床101に取り付けられて床部104の内部に設けられ、耐火材1A(2A)および耐火材1A(2A)を支持する支持部材1B(2B)で構成され、複数系統のケーブル51を区画可能な耐火区画部材1(2)と、床部104の内部において耐火区画部材1(2)で区画された領域10A,10B,10C(20A,20B,20C)に設けられる火災感知器35A,35B,35Cおよびガス消火設備30A,30B,30Cと、を備える。
この床下配線構造100(200)によれば、従来、コンクリートで区画分離していたが、区画分離に耐火材1A(2A)および支持部材1B(2B)からなる耐火区画部材1(2)を用いることで、設置や撤去が容易であり、将来的なケーブルルート変更の際の拡張性を有する。しかも、この床下配線構造100(200)によれば、火災感知器35A,35B,35Cおよびガス消火設備30A,30B,30Cによって耐火区画部材1(2)による区画分離に応じた消火対策を講じることができる。
また、実施形態1の床下配線構造100では、耐火区画部材1は、コンクリート床101に固定される板状の支持部材1Bに耐火材1Aの少なくとも一側面が支持された壁部を構成する。
この床下配線構造100によれば、壁構造によって、区画分離を構成する物量を低減できる。
また、実施形態2の床下配線構造200では、耐火区画部材2は、コンクリート床101に固定される筒状の支持部材2Bの内側に筒状の耐火材2Aが支持されてケーブル51を通す管部を構成する。
この床下配線構造200によれば、管構造によって、区画分離を確実に行える。
また、実施形態1,2の床下配線構造100(200)では、耐火区画部材1(2)の外部に取り付けられてコンクリート床101に接合される補強部材1Cをさらに備える。
この床下配線構造100(200)によれば、補強部材1Cによって耐火区画部材1(2)の耐震性を向上できる。
また、実施形態1,2の床下配線構造100(200)では、ケーブル51は、安全系と常用系の系統を含み、耐火区画部材1(2)は、複数の安全系間を区画する。
この床下配線構造100(200)によれば、安全系のケーブル51A,51Bを完全に分離し、一方の安全系ケーブルの故障が他方の安全系ケーブルの機能に影響が及ばないように配置できる。
また、実施形態1,2の床下配線構造100(200)では、コンクリート床101の上側に間隔をおいて上床板103が配置され、コンクリート床101に固定されて上床板103を支持する支持脚102が設けられ、耐火区画部材1(2)は、支持脚102とは独立して設けられる。
この床下配線構造100(200)によれば、床部104の構成と耐火区画部材1(2)を独立することで、床部104の設計変更などを行うことなく耐火区画部材1(2)の設置および撤去を行える。
また、実施形態1,2の床下配線方法は、原子力施設内のコンクリート床101に、耐火材1A(2A)および耐火材1A(2A)を支持する支持部材1B(2B)で構成されて系統分離が要求されるケーブル51を区画可能な耐火区画部材1(2)を取り付ける工程と、耐火区画部材1(2)で区画された領域10A,10B,10C(20A,20B,20C)にケーブル51を配置する工程と、耐火区画部材1(2)およびケーブル51を覆うようにコンクリート床101の上側に間隔をおいて上床板103を配置する工程と、を含む。
この床下配線方法によれば、従来、コンクリートで区画分離していたが、区画分離に耐火材1A(2A)および支持部材1B(2B)からなる耐火区画部材1(2)を用いることで、設置や撤去を容易に行え、将来的なケーブルルート変更の際の拡張性を有する。
なお、実施形態1,2の床下配線構造100,200は、原子力施設に限らず、火力プラント、化学プラントなどのプラント施設や、プラント施設以外の建屋(例えば、研究所やオフィス)にも適用できる。
本開示は以下の発明を包含する。
[発明1]
耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて床に立てて設けられ、複数系統のケーブルを区画可能な耐火壁と、
前記耐火壁の上に配置される蓋材と前記耐火壁との間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材と、
を備える、床下配線構造。
[発明2]
前記遮蔽部材は、前記耐火壁と別体で設けられる、発明1に記載の床下配線構造。
[発明3]
前記遮蔽部材を支持する支持構造をさらに備える、発明2に記載の床下配線構造。
[発明4]
前記耐火壁は、厚さ方向において前記耐熱材の2層間に断熱材の層を配置してなる、発明1から3のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明5]
前記耐火壁は、前記床に沿う長さ方向において、前記耐熱材および前記断熱材の層がずれた凹凸部が形成され、複数が前記凹凸部同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる、発明1から4のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明6]
前記床の上側に間隔をおいて上床板が配置され、
前記遮蔽部材は、前記上床板で構成される前記蓋材と前記耐火壁との間に設けられる、発明1から5のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明7]
前記耐火壁を構成し前記床に立てて対向して設けられる各側部耐火材と、
耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて各前記側部耐火材の間で前記床の床面に伏せて設けられる底部耐火材と、
耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて各前記側部耐火材の上端に架け渡されて前記底部耐火材と対向して設けられる蓋部耐火材と、
によって構成される筒状の内部に前記ケーブルが通され、
前記蓋部耐火材が前記蓋材と各前記側部耐火材との間を弾性変形によって塞ぐ前記遮蔽部材を構成する、発明1から5のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明8]
前記床の上側に間隔をおいて上床板が配置され、
前記床に固定されて前記上床板を支持する支持脚が設けられ、
前記耐火壁は、前記支持脚とは独立して設けられる、発明1から7のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明9]
前記ケーブルは、安全系と常用系の系統を含み、前記耐火壁は、複数の前記安全系間を区画する、発明1から8のいずれか1つに記載の床下配線構造。
[発明10]
耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層された耐火壁を床に立てて設ける工程と、
前記耐火壁の上端に耐熱性を有する遮蔽部材を配置する工程と、
前記耐火壁との間に前記遮蔽部材を弾性変形させて挟むように蓋材を配置する工程と、
を含む、床下配線方法。
[発明11]
前記耐火壁は、前記床に沿う長さ方向において、前記耐熱材および前記断熱材の層がずれた凹凸部が形成され、複数の前記耐火壁の前記凹凸部同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設ける工程をさらに含む、発明10に記載の床下配線方法。
1AA 耐火壁
1AAa 耐熱材
1AAb 断熱材
1AB 遮蔽部材
1D 支持構造
1E 凹凸部
2AA 耐火壁
2AAa 耐熱材
2AAb 断熱材
2AB 遮蔽部材
2Bc 蓋部(蓋材)
2D 支持構造
2E 凹凸部
100,200 床下配線構造
101 コンクリート床(床)
103 上床板(蓋材)

Claims (11)

  1. 耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて床に立てて設けられ、複数系統のケーブルを区画可能な耐火壁と、
    前記耐火壁の上に配置される蓋材と前記耐火壁との間を弾性変形によって塞ぐ耐熱性を有する遮蔽部材と、
    を備える、床下配線構造。
  2. 前記遮蔽部材は、前記耐火壁と別体で設けられる、請求項1に記載の床下配線構造。
  3. 前記遮蔽部材を支持する支持構造をさらに備える、請求項2に記載の床下配線構造。
  4. 前記耐火壁は、厚さ方向において前記耐熱材の2層間に断熱材の層を配置してなる、請求項1に記載の床下配線構造。
  5. 前記耐火壁は、前記床に沿う長さ方向において、前記耐熱材および前記断熱材の層がずれた凹凸部が形成され、複数が前記凹凸部同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設けられる、請求項1に記載の床下配線構造。
  6. 前記床の上側に間隔をおいて上床板が配置され、
    前記遮蔽部材は、前記上床板で構成される前記蓋材と前記耐火壁との間に設けられる、請求項1に記載の床下配線構造。
  7. 前記耐火壁を構成し前記床に立てて対向して設けられる各側部耐火材と、
    耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて各前記側部耐火材の間で前記床の床面に伏せて設けられる底部耐火材と、
    耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層されて各前記側部耐火材の上端に架け渡されて前記底部耐火材と対向して設けられる蓋部耐火材と、
    によって構成される筒状の内部に前記ケーブルが通され、
    前記蓋部耐火材が前記蓋材と各前記側部耐火材との間を弾性変形によって塞ぐ前記遮蔽部材を構成する、請求項1に記載の床下配線構造。
  8. 前記床の上側に間隔をおいて上床板が配置され、
    前記床に固定されて前記上床板を支持する支持脚が設けられ、
    前記耐火壁は、前記支持脚とは独立して設けられる、請求項1に記載の床下配線構造。
  9. 前記ケーブルは、安全系と常用系の系統を含み、前記耐火壁は、複数の前記安全系間を区画する、請求項1に記載の床下配線構造。
  10. 耐熱材および断熱材が厚さ方向に積層された耐火壁を床に立てて設ける工程と、
    前記耐火壁の上端に耐熱性を有する遮蔽部材を配置する工程と、
    前記耐火壁との間に前記遮蔽部材を弾性変形させて挟むように蓋材を配置する工程と、
    を含む、床下配線方法。
  11. 前記耐火壁は、前記床に沿う長さ方向において、前記耐熱材および前記断熱材の層がずれた凹凸部が形成され、複数の前記耐火壁の前記凹凸部同士を嵌め合わせて長さ方向に連続して設ける工程をさらに含む、請求項10に記載の床下配線方法。
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