JP2024008251A - フィルム状接着剤、半導体加工用シート及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

フィルム状接着剤、半導体加工用シート及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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卓生 西田
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Abstract

【課題】長期間の保存で腐食するおそれがなく、かつ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができるフィルム状接着剤、該フィルム状接着剤が設けられた半導体加工用シート、及び、該半導体加工用シートを用いた半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】硬化性エポキシ樹脂(b)を含有する、フィルム状接着剤(13)であって、前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有する、フィルム状接着剤(13)。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状接着剤、半導体加工用シート及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造時には、半導体チップの回路が形成されている面(以下、「回路形成面」と略記することがある)とは反対側の面(すなわち、裏面)に切断後のフィルム状接着剤を備えた半導体チップ(本明細書においては「フィルム状接着剤付き半導体チップ」と称することがある)を、このフィルム状接着剤によりリードフレーム等の導体を備える基板にダイボンディングする。場合によっては、このダイボンディングされた半導体チップの回路形成面にさらに半導体チップを積層した後、半導体チップの回路形成面の電極部を基板上の導体と金属ワイヤで接続して、これらを電気的に接続するワイヤボンディングを行う。その後、得られた半導体チップの全体を樹脂で覆い、加圧及び加熱して封止することにより、半導体パッケージとなる。
裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体チップは、例えば、裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体ウエハを分割するとともに、フィルム状接着剤も切断することによって作製される。このように半導体ウエハを半導体チップへと分割する方法としては、例えば、ダイシングブレードを用いて、半導体ウエハをフィルム状接着剤ごとダイシングする方法が広く利用されている。この場合、切断前のフィルム状接着剤は、ダイシング時に半導体ウエハを固定するために使用される支持シートに積層されて一体化された、ダイシングダイボンディングシートとして使用される。
ダイシング終了後、フィルム状接着剤付き半導体チップは、支持シートから引き離されてピックアップされる。
例えば、特許文献1には、基材と、該基材上に剥離可能に形成された接着剤層とからなる接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材からピックアップした後、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法が開示されている。
ここで、接着剤層(すなわち、フィルム状接着剤)の硬化性樹脂成分としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、O-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂などのエポキシ系熱硬化性樹脂が用いられている。
特開2012-169364号公報
フィルム状接着剤付き半導体チップを基板の導体形成面にダイボンディングし、さらに、樹脂により封止することで、半導体パッケージを作製し長期間保存したとき、フィルム状接着剤の塩素成分によって基板の導体形成面に腐食が生じるおそれがあった。また、走査型超音波探傷装置を用いてIRリフロー後の半導体パッケージを解析したとき、フィルム状接着剤からの発ガスに起因するボイドが発見されることがあり、半導体パッケージの信頼性を損ねることがあった。また、発ガスはリフロー炉の内部を汚染するおそれがある。
そこで、本発明は、長期間の保存で腐食するおそれがなく、かつ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができるフィルム状接着剤、該フィルム状接着剤が設けられた半導体加工用シート、及び、該半導体加工用シートを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 硬化性エポキシ樹脂(b)を含有する、フィルム状接着剤であって、
前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有する、フィルム状接着剤。
[2] 前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、熱硬化剤(b2)としてフェノール樹脂を含有する、[1]に記載のフィルム状接着剤。
[3] 前記フィルム状接着剤の総質量に対する塩素含有量が100ppm以下である、[1]又は[2]に記載のフィルム状接着剤。
[4] 前記フィルム状接着剤の総質量に対するフッ素含有量が100ppm以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載のフィルム状接着剤。
[5] 基材を有する支持シート上に、[1]~[4]のいずれか一項に記載のフィルム状接着剤が設けられた、半導体加工用シート。
[6] [1]~[4]のいずれか一項に記載のフィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法であって、
基材を有する支持シート上に、前記フィルム状接着剤が設けられた半導体加工用シートの前記フィルム状接着剤の露出面に半導体ウエハの裏面を貼付する工程と、
前記半導体ウエハを分割することにより半導体チップを作製し、前記半導体ウエハの分割箇所に沿って前記フィルム状接着剤を切断してフィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程と、
前記支持シートから、前記フィルム状接着剤付き半導体チップを引き離して、ピックアップする工程と、
ピックアップされた前記フィルム状接着剤付き半導体チップを、前記フィルム状接着剤付き半導体チップ中のフィルム状接着剤によって、基板の導体形成面にダイボンディングする工程を含む、半導体装置の製造方法。
[7] さらに、基板の導体形成面上にダイボンディングされたフィルム状接着剤付き半導体チップの全体を、樹脂封止する工程を含む、[6]に記載の半導体装置の製造方法。
本発明によれば、長期間の保存で腐食するおそれがなく、かつ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができるフィルム状接着剤、該フィルム状接着剤が設けられた半導体加工用シート、及び、該半導体加工用シートを用いた半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。 実施例において、腐食性試験に用いた基板の上面図である。
<フィルム状接着剤>
本発明のフィルム状接着剤は、硬化性エポキシ樹脂(b)を含有し、前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有する。
環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物とは、分子内に環式の脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物をいう。
非環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物とは、分子内に非環式の脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物をいう。
従来のフィルム状接着剤では、硬化性樹脂成分として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、O-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂などの芳香環を有するエポキシ系熱硬化性樹脂が用いられていたが、これらのエポキシ系熱硬化性樹脂の多くは、不純物として塩素成分を含有している。一方、本発明のフィルム状接着剤は、硬化性エポキシ樹脂(b)として、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を用いる。そのため、本発明のフィルム状接着剤は、不純物としての塩素成分の含有量を低減させることができ、本発明のフィルム状接着剤を用いることにより、長期間の保存で基板の導体形成面が腐食するおそれがない半導体装置を作製することができる。
硬化性エポキシ樹脂(b)として、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500未満の多官能エポキシ化合物を用いたフィルム状接着剤では、加熱硬化により発ガスすることがある。一方、本発明のフィルム状接着剤は、前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有するので、本発明のフィルム状接着剤を用いることにより、IRリフローの高温条件下での発ガスを抑えることができ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができる。
前記フィルム状接着剤は熱硬化性を有するとともに、感圧接着性を有するものが好ましい。熱硬化性及び感圧接着性をともに有するフィルム状接着剤は、未硬化状態では各種被着体に軽く押圧することで貼付できる。また、フィルム状接着剤は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。フィルム状接着剤は、硬化によって最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、この硬化物は、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
フィルム状接着剤は1層(すなわち、単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。フィルム状接着剤が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
また、フィルム状接着剤が複数層からなる場合、全層のうち、少なくとも一層が前記態様のフィルム状接着剤であってよく、全層が前記態様のフィルム状接着剤であることが好ましい。
なお、本明細書においては、フィルム状接着剤の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
前記フィルム状接着剤の厚さは、特に限定されないが、1μm~50μmであることが好ましく、3μm~40μmであることがより好ましい。フィルム状接着剤の厚さが前記下限値以上であることにより、被着体(すなわち、半導体チップ)に対してより高い接着力が得られる。また、フィルム状接着剤の厚さが前記上限値以下であることにより、後述するエキスパンドによって、フィルム状接着剤をより容易に切断できる。
ここで、「フィルム状接着剤の厚さ」とは、フィルム状接着剤全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるフィルム状接着剤の厚さとは、フィルム状接着剤を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。なお、フィルム状接着剤の厚さの測定方法としては、例えば、任意の5箇所において、接触式厚み計を用いて厚さを測定し、測定値の平均を算出する方法等が挙げられる。
硬化前の前記フィルム状接着剤の半導体ウエハに対する接着力は、例えば、フィルム状接着剤の含有成分の種類及び量等を調節することで、適宜調節できる。
例えば、後述する重合体成分(a)の分子量、重合体成分(a)を構成する各モノマー成分の比率、硬化性エポキシ樹脂(b)を構成する成分の軟化点、及びフィルム状接着剤の各含有成分の含有量等を調節することで、フィルム状接着剤の前記接着力を容易に調節できる。
ただし、これら調節方法は一例に過ぎない。
[接着剤組成物]
フィルム状接着剤は、硬化性エポキシ樹脂(b)及び溶媒等の構成材料を含有する接着剤組成物から形成できる。例えば、フィルム状接着剤の形成対象面に接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にフィルム状接着剤を形成できる。接着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、フィルム状接着剤の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
接着剤組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
接着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、接着剤組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましい。溶媒を含有する接着剤組成物は、例えば、70~130℃で10秒~5分の条件で乾燥させることが好ましい。
以下、フィルム状接着剤及び接着剤組成物の含有成分について、詳細に説明する。
好ましい接着剤組成物としては、例えば、重合体成分(a)及び硬化性エポキシ樹脂(b)を含有するものが挙げられる。以下、各成分について説明する。
(重合体成分(a))
重合体成分(a)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、フィルム状接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、半導体チップ等の接着対象への接着性(すなわち、貼付性)を向上させるための重合体化合物である。また、重合体成分(a)は、後述するエポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)に該当しない成分でもある。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する重合体成分(a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
重合体成分(a)としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、フェノキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、アクリル樹脂が好ましい。
重合体成分(a)における前記アクリル樹脂としては、公知のアクリル重合体が挙げられる。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000~2000000であることが好ましく、100000~1500000であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量がこのような範囲内であることで、フィルム状接着剤又は積層体の前記破断伸度及びフィルム状接着剤の前記接着力を上述した範囲に調節することが容易となる。
一方、アクリル樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の形状安定性(すなわち、保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状接着剤との間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、「数平均分子量」及び「重量平均分子量」は、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-60~70℃であることが好ましく、-30~50℃であることがより好ましい。アクリル樹脂のTgが前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤と後述する支持シートとの接着力が抑制されて、ピックアップ時において、フィルム状接着剤を備えた半導体チップの支持シートからの引き離しがより容易となる。また、アクリル樹脂のTgが前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤と半導体チップとの接着力が向上する。なお、本明細書において「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量計を用いて、試料のDSC曲線を測定し、得られたDSC曲線の変曲点の温度で表される。
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーから導かれる構成単位を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここでアクリル樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1~18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに官能基含有モノマーとして、水酸基を有するヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;その他、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アクリル樹脂は、水酸基を有している構成単位を含有しているアクリル重合体が、後述する硬化性成分との相溶性が良いため好ましい。また、上記アクリル重合体は、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどが共重合されていてもよい。ただし、アクリロニトリルは、環境を配慮した点からは実質的に含有しないことが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
アクリル樹脂は、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステル以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN-メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーが共重合してなるものでもよい。
アクリル樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル樹脂は、上述の水酸基以外に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。アクリル樹脂の水酸基をはじめとするこれら官能基は、後述する架橋剤(f)を介して他の化合物と結合してもよいし、架橋剤(f)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する傾向がある。
本発明においては、重合体成分(a)として、アクリル樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を、アクリル樹脂を用いずに単独で用いてもよいし、アクリル樹脂と併用してもよい。前記熱可塑性樹脂を含有することで、ピックアップ時において、フィルム状接着剤を備えた半導体チップの支持シートからの引き離しがより容易となったり、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状接着剤との間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する前記熱可塑性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する重合体成分(a)の含有量の割合(すなわち、フィルム状接着剤の重合体成分(a)の含有量)は、重合体成分(a)の種類によらず、20~75質量%であることが好ましく、30~65質量%であることがより好ましい。
(硬化性エポキシ樹脂(b))
硬化性エポキシ樹脂(b)は、エポキシ樹脂(b1)を含有する。
・エポキシ樹脂(b1)
エポキシ樹脂(b1)は、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含む。
環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物としては、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン(株式会社ダイセル製「エポリード(登録商標)GT401」、エポキシ当量200~240g/eq、分子量788.94、液状)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(株式会社ダイセル製「EHPE3150」、エポキシ当量170~190g/eq、軟化点:70~90℃)等が挙げられる。
非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物としては、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(日本曹達株式会社製「JP-200」、分子量2000~2600、エポキシ当量210~240g/eq)等が挙げられる。
芳香環を有するエポキシ系熱硬化性樹脂の多くは、不純物として塩素成分を含有しているのに対して、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物は、不純物としての塩素成分の含有量を低減させることができる。そのため、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を用いることで、長期間の保存で基板の導体形成面が腐食するおそれがない半導体装置を作製することができる。
長期間の保存で基板の導体形成面が腐食するおそれがない半導体装置を作製することができることから、フィルム状接着剤の総質量に対する塩素含有量は100ppm以下であることが好ましく、80ppm以下であることがより好ましく、60ppm以下であることがさらに好ましく、40ppm以下であることが特に好ましい。
信頼性の高い半導体装置を作製することができることから、フィルム状接着剤の総質量に対するフッ素含有量は100ppm以下であることが好ましく、80ppm以下であることがより好ましく、60ppm以下であることがさらに好ましく、40ppm以下であることが特に好ましい。
硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有するので、本発明のフィルム状接着剤を用いることにより、IRリフローの高温条件下での発ガスを抑えることができ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができる。
エポキシ樹脂(b1)は液状であってもよく、固形であってもよい。多くの固形の脂環式エポキシ樹脂は、フッ素が含まれる。そのため、フッ素が含まれない液状の脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂(b1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル樹脂との相溶性が高い。そのため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を含有することで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有するエポキシ樹脂(b1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ樹脂(b1)において、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する多官能エポキシ化合物の分子量は、500以上であり、600以上が好ましく、700以上がより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)は、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物のみからなるものであってもよく、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物の混合物等であって、分子量分布を有するものであってもよい。
エポキシ樹脂(b1)の数平均分子量は、フィルム状接着剤の硬化性、並びに硬化後のフィルム状接着剤の強度及び耐熱性の点から、500~30000であることが好ましく、600~10000であることがより好ましく、700~3000であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量は、100~1000g/eqであることが好ましく、150~800g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)は、単独で、硬化性エポキシ樹脂(b)を構成していてもよく、熱硬化剤(b2)と共に、硬化性エポキシ樹脂(b)を構成していてもよい。
硬化性エポキシ樹脂(b)が、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)を含有する、熱硬化性のフィルム状接着剤は、特に、不透明な半導体装置の製造に好適である。
・熱硬化剤(b2)
熱硬化剤(b2)は、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(b2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
硬化性エポキシ樹脂(b)は、熱硬化剤(b2)としてフェノール樹脂を含有することが好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(b2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱カチオン重合開始剤を用いるエポキシ系熱硬化性樹脂では、残存する酸により、基板の導体形成面に腐食が生じるおそれがある。そのため、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)を含有し、酸が発生しない硬化性エポキシ樹脂(b)が好ましい。この懸念がないことから、硬化性エポキシ樹脂(b)が、熱硬化剤(b2)としてフェノール樹脂を含有することが好ましい。
熱硬化剤(b2)としてフェノール系硬化剤を用いる場合には、フィルム状接着剤の前記接着力を上述の範囲に調節することが容易となる点から、熱硬化剤(b2)は軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、例えば、多官能フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等の樹脂成分の数平均分子量は、300~30000であることが好ましく、400~10000であることがより好ましく、500~3000であることが特に好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60~500であることが好ましい。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する熱硬化剤(b2)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、熱硬化剤(b2)の含有量は、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、0.1~500質量部であることが好ましく、1~200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の硬化がより進行し易くなる。また、熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤の吸湿率が低減されて、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、硬化性エポキシ樹脂(b)の含有量(すなわち、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)の総含有量)は、重合体成分(a)の含有量を100質量部としたとき、15~300質量部であることが好ましく、21~270質量部であることがより好ましく、27~240質量部であることが特に好ましく、例えば、30~210質量部、60~240質量部、100~220質量部、及び140~200質量部等のいずれかであってもよい。硬化性エポキシ樹脂(b)の前記含有量がこのような範囲であることで、フィルム状接着剤又は積層体の前記破断伸度及びフィルム状接着剤の接着力を好適な範囲に調節することが容易となる。
前記フィルム状接着剤は、その各種物性を改良するために、重合体成分(a)及び硬化性エポキシ樹脂(b)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
前記フィルム状接着剤が含有する他の成分で好ましいものとしては、例えば、硬化促進剤(c)、充填材(d)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、エネルギー線硬化性樹脂(g)、光重合開始剤(h)、汎用添加剤(i)等が挙げられる。
(硬化促進剤(c))
硬化促進剤(c)は、接着剤組成物の硬化速度を調節するための成分である。
好ましい硬化促進剤(c)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(すなわち、1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(すなわち、1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する硬化促進剤(c)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
硬化促進剤(c)を用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、硬化促進剤(c)の含有量は、硬化性エポキシ樹脂(b)の含有量を100質量部としたとき、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(c)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(c)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、硬化促進剤(c)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(c)が、高温・高湿度条件下でフィルム状接着剤中において被着体との接着界面側に移動して偏析することを抑制する効果が高くなり、半導体加工用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
(充填材(d))
フィルム状接着剤は、充填材(d)を含有することにより、その熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数をフィルム状接着剤の貼付対象物に対して最適化することで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、フィルム状接着剤が充填材(d)を含有することにより、硬化後のフィルム状接着剤の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
充填材(d)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよいが、無機充填材であることが好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカフィラー、アルミナフィラー、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
硬化後の弾性率を向上させることができることから、これらの中でも、充填材(d)は、シリカフィラーであることがより好ましい。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する充填材(d)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
充填材(d)を用いる場合、接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材(d)の含有量の割合(すなわち、フィルム状接着剤の充填材(d)の含有量)は、5~80質量%であることが好ましく、7~60質量%であることがより好ましい。充填材(d)の含有量がこのような範囲であることで、上記の熱膨張係数の調整がより容易となる。
(カップリング剤(e))
フィルム状接着剤は、カップリング剤(e)を含有することにより、被着体に対する接着性及び密着性が向上する。また、フィルム状接着剤がカップリング剤(e)を含有することにより、その硬化物は耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。カップリング剤(e)は、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものである。
カップリング剤(e)は、重合体成分(a)、硬化性エポキシ樹脂(b)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有するカップリング剤(e)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
カップリング剤(e)を用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、カップリング剤(e)の含有量は、重合体成分(a)及び硬化性エポキシ樹脂(b)の総含有量を100質量部としたとき、0.03~20質量部であることが好ましく、0.05~10質量部であることがより好ましく、0.1~5質量部であることが特に好ましい。
カップリング剤(e)の前記含有量が前記下限値以上であることで、充填材(d)の樹脂への分散性の向上や、フィルム状接着剤の被着体との接着性の向上など、カップリング剤(e)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、カップリング剤(e)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
(架橋剤(f))
重合体成分(a)として、上述のアクリル樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(f)を含有していてもよい。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(f)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤(すなわち、金属キレート構造を有する架橋剤)、アジリジン系架橋剤(すなわち、アジリジニル基を有する架橋剤)等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物及び脂環族多価イソシアネート化合物(以下、これら化合物をまとめて「芳香族多価イソシアネート化合物等」と略記することがある);前記芳香族多価イソシアネート化合物等の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体;前記芳香族多価イソシアネート化合物等とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記「アダクト体」は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味し、その例としては、後述するようなトリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等が挙げられる。また、「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、先に説明したとおりである。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート;2,6-トリレンジイソシアネート;1,3-キシリレンジイソシアネート;1,4-キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート;3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて又は一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートのいずれか1種又は2種以上が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(f)として有機多価イソシアネート化合物を用いる場合、重合体成分(a)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(f)がイソシアネート基を有し、重合体成分(a)が水酸基を有する場合、架橋剤(f)と重合体成分(a)との反応によって、フィルム状接着剤に架橋構造を簡便に導入できる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する架橋剤(f)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
架橋剤(f)を用いる場合、接着剤組成物において、架橋剤(f)の含有量は、重合体成分(a)の含有量を100質量部としたとき、0.01~20質量部であることが好ましく、0.1~10質量部であることがより好ましく、0.3~5質量部であることが特に好ましい。架橋剤(f)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(f)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、架橋剤(f)の前記含有量が前記上限値以下であることで、架橋剤(f)の過剰使用が抑制される。
(エネルギー線硬化性樹脂(g))
フィルム状接着剤は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)は、エネルギー線硬化性化合物を重合(硬化)して得られたものである。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;エポキシ変性(メタ)アクリレート;前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート;イタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)の重量平均分子量は、100~30000であることが好ましく、300~10000であることがより好ましい。
接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂(g)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)を用いる場合、接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対するエネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量の割合は、1~95質量%であることが好ましく、5~90質量%であることがより好ましく、10~85質量%であることが特に好ましい。
(光重合開始剤(h))
接着剤組成物は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(g)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(h)を含有していてもよい。
接着剤組成物における光重合開始剤(h)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα-ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;2,4-ジエチルチオキサントン;1,2-ジフェニルメタン;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン;1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン等のキノン化合物等が挙げられる。
また、光重合開始剤(h)としては、例えば、アミン等の光増感剤等も挙げられる。
接着剤組成物が含有する光重合開始剤(h)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
光重合開始剤(h)を用いる場合、接着剤組成物において、光重合開始剤(h)の含有量は、エネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量を100質量部としたとき、0.1~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましく、2~5質量部であることが特に好ましい。
(汎用添加剤(i))
汎用添加剤(I)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(すなわち、染料又は顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する汎用添加剤(i)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
接着剤組成物及びフィルム状接着剤においては、フィルム状接着剤の表面状態が良好になるなど、造膜性が向上する点では、重合体成分(a)の含有量は、重合体成分(a)、硬化性エポキシ樹脂(b)及び充填材(d)の総含有量(すなわち、重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)及び充填材(d)の総含有量)を100質量部としたとき、30質量部以上であることが好ましく、38質量部以上であることがより好ましい。また、上述の点で、重合体成分(a)の前記含有量の上限値は、特に限定されないが、65質量部であることが好ましい。
一方、接着剤組成物及びフィルム状接着剤においては、フィルム状接着剤の信頼性が向上する点では、重合体成分(a)の含有量は、重合体成分(a)、硬化性エポキシ樹脂(b)及び充填材(d)の総含有量(すなわち、重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)及び充填材(d)の総含有量)を100質量部としたとき、45質量部以上であることが好ましい。また、上述の点で、重合体成分(a)の前記含有量の上限値は、特に限定されないが、65質量部であることが好ましい。
(溶媒)
接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する接着剤組成物は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2-プロパノール、イソブチルアルコール(2-メチルプロパン-1-オール)、1-ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド(すなわち、アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、接着剤組成物中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等のケトンであることが好ましい。
[接着剤組成物の製造方法]
接着剤組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示すフィルム状接着剤13は、その一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)13a上に第1剥離フィルム151を備え、前記第1面13aとは反対側の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)13b上に第2剥離フィルム152を備えている。
このようなフィルム状接着剤13は、例えば、ロール状として保存するのに好適である。
フィルム状接着剤13は、上述の接着剤組成物を用いて形成できる。
第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152は、いずれも公知のものでよい。 第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152は、互いに同じものであってもよいし、例えば、フィルム状接着剤13から剥離させるときに必要な剥離力が互いに異なるなど、互いに異なるものであってもよい。
図1に示すフィルム状接着剤13は、第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152のいずれか一方が取り除かれ、生じた露出面が、半導体ウエハ(図示略)の裏面の貼付面となる。そして、第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152の残りの他方が取り除かれ、生じた露出面が、後述する支持シート又はダイシングシートの貼付面となる。
◎半導体加工用シート
本発明の半導体加工用シートは、支持シート上に、上述の本発明のフィルム状接着剤が設けられたものである。
本発明の半導体加工用シートは、そのフィルム状接着剤上に、あらかじめ分割済みの複数個の半導体チップを設けておき、支持シートとともにフィルム状接着剤を、このフィルム状接着剤の表面に沿った方向において拡張させる、所謂エキスパンドを低温下で行うことにより、フィルム状接着剤を半導体チップの外形にあわせて切断する工程で用いるのに好適である。これにより形成されたフィルム状接着剤付き半導体チップは、ピックアップした後に、半導体装置の製造に使用される。
本発明の半導体加工用シートを用いることで、長期間の保存で腐食するおそれがなく、かつ、IRリフロー後の信頼性に優れる半導体装置を作製することができる。
上述のような、フィルム状接着剤のエキスパンドによる切断は、例えば、厚さが薄い半導体チップを備えたフィルム状接着剤付き半導体チップを製造するときに、適用するのに好適である。
分割済みの複数個の半導体チップは、例えば、半導体ウエハの前記フィルム状接着剤の貼付面(すなわち、裏面)とは反対側の回路形成面(すなわち、表面)から溝を形成し、この溝に到達するまで前記裏面を研削することで作製できる。このように、半導体ウエハを分割することなく、溝の底部を残すように半導体ウエハを切り込む操作は、ハーフカットとよばれる。ただし、本発明において「ハーフカット」とは、溝の深さが、例えば、半導体ウエハの厚さの半分等、特定の値となるように半導体ウエハを切り込む操作だけを意味するものではなく、上記のように溝の底部を残すように半導体ウエハを切り込む操作全般を意味する。
前記溝を形成する方法としては、例えば、ブレードを用いて半導体ウエハを切り込むことで溝を形成する方法(すなわち、ブレードダイシング)、レーザー照射により半導体ウエハを切り込むことで溝を形成する方法(すなわち、レーザーダイシング)、研磨剤を含む水の吹き付けにより半導体ウエハを切り込むことで溝を形成する方法(すなわち、ウオーターダイシング)等が挙げられる。しかし、これらのように、半導体ウエハの一部を削り取ることによって半導体チップを製造する場合には、半導体ウエハの一部を削り取った(すなわち、半導体ウエハに溝を形成した)分だけ、半導体ウエハの損失が生じ、1枚の半導体ウエハから得られる半導体チップの数が少なくなる。また、最終的に半導体チップよりも切断後のフィルム状接着剤の方が大きくなるため、フィルム状接着剤の切断時や、後述するフィルム状接着剤付き半導体チップのピックアップ時に、切断後のフィルム状接着剤が半導体チップの側面等に巻き付いたりすることがある。
一方、分割済みの複数個の半導体チップは、半導体ウエハの内部に設定された焦点に集束されるように、赤外域のレーザー光を照射して、半導体ウエハの内部に改質層を形成した後、半導体ウエハの前記裏面を研削するとともに、さらに、前記裏面を研削中の半導体ウエハに対して、研削時の力を加えることによって、前記改質層の形成部位において半導体ウエハを分割することでも作製できる。この方法では、半導体ウエハの一部を削り取る工程が存在しないため、上述のような半導体チップの作製数の低下、切断後のフィルム状接着剤の半導体チップの側面等への巻き付き等が抑制される点で有利である。
<<支持シート>>
前記支持シートとしては、基材を有するものが挙げられる。このような支持シートは、例えば、基材からなる(すなわち、基材のみを有する)ものであってもよいし、基材と基材以外の他の層とを有するものであってもよい。前記他の層を有する支持シートとしては、例えば、基材上に粘着剤層を備えたものが挙げられる。
本発明の半導体加工用シートにおいて、前記フィルム状接着剤は、支持シート上に設けられる。したがって、例えば、支持シートが、基材上に粘着剤層を備えたものである場合には、粘着剤層上にフィルム状接着剤が設けられ、支持シートが基材からなるものである場合には、基材にフィルム状接着剤が直接接触して設けられる。
前記支持シートは、1層(すなわち、単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
<基材>
前記基材の構成材料は、各種樹脂であることが好ましく、具体的には、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPEと略すことがある)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPEと略すことがある)、高密度ポリエチレン(HDPEと略すことがある)等)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が挙げられる。
基材を構成する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
基材は1層(すなわち、単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
単層からなる基材は、その表面が公知の方法で剥離処理されていてもよい。
基材の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、50μm~300μmであることが好ましく、70μm~150μmであることがより好ましい。
ここで、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。なお、基材の厚さの測定方法としては、例えば、任意の5箇所において、接触式厚み計を用いて厚さを測定し、測定値の平均を算出する方法等が挙げられる。
基材は、その上に設けられる、後述する粘着剤層等の他の層との密着性を向上させるために、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が表面に施されたものであってもよい。
また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
また、基材は、帯電防止コート層、半導体加工用シートを重ね合わせて保存する際に、基材が他のシートに接着することや、基材が吸着テーブルに接着することを防止する層等を有するものであってもよい。
<粘着剤層>
前記粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
前記粘着剤層は、公知のものであってもよい。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル樹脂が好ましい。
なお、本発明において、「粘着性樹脂」とは、粘着性を有する樹脂と、接着性を有する樹脂と、の両方を含む概念であり、例えば、樹脂自体が粘着性を有するものだけでなく、添加剤等の他の成分との併用により粘着性を示す樹脂や、熱又は水等のトリガーの存在によって接着性を示す樹脂等も含む。
粘着剤層は、エネルギー線硬化性及び非エネルギー線硬化性のいずれであってもよいが、非エネルギー線硬化性であることが好ましい。
本発明における粘着剤層で好ましいものとしては、例えば、厚さが200μmである粘着剤層の、0℃における貯蔵弾性率が1000MPa以下であり、半導体ウエハのミラー面に対する前記粘着剤層の粘着力が200mN/25mm以下であるものが挙げられる。
ただし、好ましい粘着剤層はこれに限定されない。
前記粘着剤層の半導体ウエハに対する粘着力は、例えば、粘着剤層の含有成分の種類及び量等を調節することで、適宜調節できる。
例えば、粘着性樹脂を構成しているモノマーの組み合わせ、前記モノマーの比率、架橋剤の配合量、充填剤の含有量等を調節することで、粘着剤層の前記接着力を容易に調節できる。
ただし、これら調節方法は一例に過ぎない。
粘着剤層は1層(すなわち、単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。粘着剤層が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1μm~100μmであることが好ましく、1μm~60μmであることがより好ましく、1μm~30μmであることが特に好ましい。
ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる粘着剤層の厚さとは、粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。なお、粘着剤層の厚さの測定方法としては、例えば、任意の5箇所において、接触式厚み計を用いて厚さを測定し、測定値の平均を算出する方法等が挙げられる。
粘着剤層は、粘着剤を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。例えば、粘着剤層の形成対象面に粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に粘着剤層を形成できる。粘着剤組成物における、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層における前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
粘着剤組成物は、上述の接着剤組成物の場合と同じ方法で、塗工できる。
粘着剤層がエネルギー線硬化性である場合、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-1a)(以下、「粘着性樹脂(I-1a)」と略記することがある)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する粘着剤組成物(I-1);前記粘着性樹脂(I-1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-2a)(以下、「粘着性樹脂(I-2a)」と略記することがある)を含有する粘着剤組成物(I-2);前記粘着性樹脂(I-2a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する粘着剤組成物(I-3)等が挙げられる。
粘着剤層が非エネルギー線硬化性である場合、非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、前記粘着性樹脂(I-1a)を含有する粘着剤組成物(I-4)等が挙げられる。
粘着剤組成物(I-1)~(I-4)等の粘着剤組成物は、配合成分が異なる点以外は、上述の接着剤組成物の場合と同じ方法で、製造できる。
次に、本実施形態の半導体加工用シートの例を、支持シートの種類ごとに、以下、図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す半導体加工用シート101は、支持シート10を備え、支持シート10の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)10a上に、フィルム状接着剤13を備えている。支持シート10は、基材11のみからなり、半導体加工用シート101は、換言すると、基材11の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)11a上にフィルム状接着剤13が積層された構成を有する。また、半導体加工用シート101は、さらにフィルム状接着剤13上に剥離フィルム15を備えている。
半導体加工用シート101においては、基材11の第1面11aにフィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の、基材11を備えている側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)13aの一部、すなわち、周縁部近傍の領域に治具用接着剤層16が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16のうち、フィルム状接着剤13と接触していない面16a(上面及び側面)に、剥離フィルム15が積層されている。
ここで、基材11の第1面11aは、支持シート10の第1面10aとも称する。
剥離フィルム15は、図1に示す第1剥離フィルム151又は第2剥離フィルム152と同様のものである。
治具用接着剤層16は、例えば、接着剤成分を含有する単層構造であってもよいし、芯材となるシートの両面に接着剤成分を含有する層が積層された複数層構造であってもよい。
半導体加工用シート101は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図3は、本発明の他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
ここに示す半導体加工用シート102は、治具用接着剤層16を備えていない点以外は、図2に示す半導体加工用シート101と同じである。すなわち、半導体加工用シート102においては、基材11の第1面11a(支持シート10の第1面10a)にフィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aの全面に、剥離フィルム15が積層されている。
換言すると、半導体加工用シート102は、基材11、フィルム状接着剤13及び剥離フィルム15がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
図3に示す半導体加工用シート102は、図2に示す半導体加工用シート101の場合と同様に、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、中央側の一部の領域に、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、フィルム状接着剤13の周縁部近傍の領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
ここに示す半導体加工用シート103は、基材11と、フィルム状接着剤13と、の間に、さらに、粘着剤層12を備えている点以外は、図2に示す半導体加工用シート101と同じである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、半導体加工用シート103も、支持シート10の第1面10a上にフィルム状接着剤13が積層された構成を有する。
半導体加工用シート103においては、基材11の第1面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の、基材11側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)12aの全面に、フィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aの一部、すなわち、周縁部近傍の領域に、治具用接着剤層16が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16のうち、フィルム状接着剤13と接触していない面16a(上面及び側面)に、剥離フィルム15が積層されている。
図4に示す半導体加工用シート103は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
ここに示す半導体加工用シート104は、治具用接着剤層16を備えておらず、かつフィルム状接着剤の形状が異なる点以外は、図4に示す半導体加工用シート103と同じである。すなわち、半導体加工用シート104は、基材11を備え、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上にフィルム状接着剤23を備えている。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、半導体加工用シート104も、支持シート10の第1面10a上にフィルム状接着剤23が積層された構成を有する。
半導体加工用シート104においては、基材11の第1面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の第1面12aの一部、すなわち、中央側の領域に、フィルム状接着剤23が積層されている。そして、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域と、フィルム状接着剤23のうち、粘着剤層12側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)23a上に、剥離フィルム15が積層されている。図5中、符号23bは、フィルム状接着剤23の、前記第1面23aとは反対側の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)を示している。
半導体加工用シート104を、その剥離フィルム15側の上方から見下ろして平面視したときに、フィルム状接着剤23は粘着剤層12よりも表面積が小さく、例えば、円形状等の形状を有する。
図5に示す半導体加工用シート104は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤23の第1面23aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
なお、図5に示す半導体加工用シート104においては、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域に、図2及び図4に示すものと同様に治具用接着剤層が積層されていてもよい(図示略)。このような治具用接着剤層を備えた半導体加工用シート104は、図2及び図4に示す半導体加工用シートの場合と同様に、治具用接着剤層の面のうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
このように、半導体加工用シートは、支持シート及びフィルム状接着剤がどのような形態であっても、治具用接着剤層を備えたものであってもよい。ただし、通常は、図2及び図4に示すように、治具用接着剤層を備えた半導体加工用シートとしては、フィルム状接着剤上に治具用接着剤層を備えたものが好ましい。
本実施形態の半導体加工用シートは、図2~図5に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図2~図5に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図2~図5に示す半導体加工用シートは、基材、粘着剤層、フィルム状接着剤及び剥離フィルム以外の層が、任意の箇所に設けられていてもよい。
また、半導体加工用シートにおいては、剥離フィルムと、この剥離フィルムと直接接触している層との間に、一部隙間が生じていてもよい。
また、半導体加工用シートにおいては、各層の大きさや形状は、目的に応じて任意に調節できる。
前記半導体加工用シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、基材上に粘着剤層又はフィルム状接着剤を積層する場合には、剥離フィルム上に粘着剤組成物又は接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に粘着剤層又はフィルム状接着剤をあらかじめ形成しておき、この形成済みの粘着剤層又はフィルム状接着剤の前記剥離フィルムと接触している側とは反対側の露出面を、基材の表面と貼り合わせればよい。このとき、粘着剤組成物又は接着剤組成物は、剥離フィルムの剥離処理面に塗工することが好ましい。剥離フィルムは、積層構造の形成後、必要に応じて取り除けばよい。
例えば、基材上に粘着剤層が積層され、前記粘着剤層上にフィルム状接着剤が積層されてなる半導体加工用シート(すなわち、支持シートが基材及び粘着剤層の積層物である半導体加工用シート)を製造する場合には、上述の方法で、基材上に粘着剤層を積層しておき、別途、剥離フィルム上に接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上にフィルム状接着剤を形成しておき、このフィルム状接着剤の露出面を、基材上に積層済みの粘着剤層の露出面と貼り合わせて、フィルム状接着剤を粘着剤層上に積層することで、半導体加工用シートが得られる。剥離フィルム上にフィルム状接着剤を形成する場合も、接着剤組成物は、剥離フィルムの剥離処理面に塗工することが好ましく、剥離フィルムは、積層構造の形成後、必要に応じて取り除けばよい。
このように、半導体加工用シートを構成する基材以外の層はいずれも、剥離フィルム上にあらかじめ形成しておき、目的とする層の表面に貼り合わせる方法で積層できるため、必要に応じてこのような工程を採用する層を適宜選択して、半導体加工用シートを製造すればよい。
なお、半導体加工用シートは、通常、これをダイシング用リングフレーム等の治具に固定するための治具用接着剤層など、必要な層をすべて設けた後、その支持シートとは反対側の最表層の表面に、剥離フィルムが貼り合わされた状態で保管される。
◇半導体装置の製造方法
本実施形態の半導体装置の製造方法は、上述の実施形態の半導体加工用シートの前記フィルム状接着剤の露出面に半導体ウエハの裏面を貼付する工程と、
前記半導体ウエハを分割することにより半導体チップを作製し、前記半導体ウエハの分割箇所に沿って前記フィルム状接着剤を切断してフィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程と、
前記支持シートから、前記フィルム状接着剤付き半導体チップを引き離して、ピックアップする工程と、
ピックアップされた前記フィルム状接着剤付き半導体チップを、前記フィルム状接着剤付き半導体チップ中のフィルム状接着剤によって、基板の導体形成面にダイボンディングする工程を含む。
<フィルム状接着剤の露出面に半導体ウエハの裏面を貼付する工程>
フィルム状接着剤の露出面に半導体ウエハの裏面を貼付する工程においては、例えば、前記半導体加工用シート中の前記フィルム状接着剤のうち、前記支持シート側とは反対側の面(すなわち第1面)を、半導体ウエハの裏面に貼付することにより、半導体ウエハを備え、前記半導体ウエハの裏面に、前記半導体加工用シート中の前記フィルム状接着剤によって、前記半導体加工用シートが貼付されて構成された積層体を作製する。
本工程は、従来のダイシングダイボンディングシートに代えて、上述の本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートを用いる点を除けば、ダイシングダイボンディングシートを半導体ウエハの裏面に貼付する従来の方法と同じ方法で、行うことができる。
<フィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程>
フィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程においては、前記積層体中の半導体ウエハの分割(半導体チップの作製)と、前記積層体中のフィルム状接着剤の切断と、を行う順番は、特に限定されず、半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断の順で行ってもよいし、フィルム状接着剤の切断及び半導体ウエハの分割の順で行ってもよいし、半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断を同時に行ってもよい。また、半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断を同時に行わない場合には、半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断を、連続的に行って行ってもよいし、段階的に行ってもよい。
半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断は、いずれも公知の方法で行うことができる。
例えば、ブレードダイシング、レーザー照射によるレーザーダイシング、又は研磨剤を含む水の吹き付けによるウォーターダイシング等の各ダイシングによって、半導体ウエハの分割及びフィルム状接着剤の切断を連続的に行うことができる。ただし、これは、半導体ウエハの分割方法、及びフィルム状接着剤の切断方法の一例である。
フィルム状接着剤の切断は、半導体ウエハの分割箇所に沿って行うが、この場合、半導体ウエハの分割後にフィルム状接着剤を切断する場合には、フィルム状接着剤の切断は、半導体ウエハの分割された箇所、すなわち、半導体チップの周縁部に沿って行う。一方、半導体ウエハの分割前にフィルム状接着剤を切断する場合、及び半導体ウエハの分割と同時にフィルム状接着剤を切断する場合には、フィルム状接着剤の切断は、半導体ウエハの分割予定箇所に沿って行う。
フィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程においては、半導体チップと、前記半導体チップの裏面に設けられた、切断後の前記フィルム状接着剤と、を備えた複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップが、前記支持シート上で保持されて構成された、フィルム状接着剤付き半導体チップ集合体が作製される。フィルム状接着剤付き半導体チップ集合体においては、前記半導体加工用シートを構成していた1枚の前記支持シート上で、複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップが、整列した状態で保持(固定)されている。
<ピックアップする工程>
ピックアップする工程においては、公知の方法で、フィルム状接着剤付き半導体チップ集合体中のフィルム状接着剤付き半導体チップを、支持シートから引き離して、ピックアップできる。
<ダイボンディングする工程>
ダイボンディングする工程においては、公知の方法で、ピックアップされた前記フィルム状接着剤付き半導体チップを、前記フィルム状接着剤付き半導体チップ中のフィルム状接着剤によって、基板の導体形成面にダイボンディングできる。
<樹脂封止する工程>
ダイボンディングする工程の後も、従来の方法と同じ方法で、半導体装置を製造できる。例えば、必要に応じて、基板の導体形成面上にダイボンディングされた半導体チップに、さらに半導体チップを1個以上積層した後、ワイヤボンディングを行う。次いで、フィルム状接着剤を熱硬化させ、さらに、基板の導体形成面上にダイボンディングされたフィルム状接着剤付き半導体チップの全体を、樹脂により封止する。
図6A~図6Dは、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に説明するための断面図である。ここでは、図2に示す半導体加工用シート101を用いた場合の製造方法について示している。
図6Aは、貼付する工程で得られる積層体119Aを示している。積層体119Aは、半導体ウエハ9と、半導体ウエハ9の裏面9bに設けられた半導体加工用シート101と、を備えている。
図6Bは、フィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程で得られるフィルム状接着剤付き半導体チップ集合体119Bを示している。フィルム状接着剤付き半導体チップ集合体119Bは、半導体チップ9’と、半導体チップ9’の裏面9b’に設けられた、切断後のフィルム状接着剤130と、を備えた複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップ139’が、支持フィルム(基材11からなる支持シート10)上で保持されて、構成されている。
図6Cは、ピックアップする工程において、引き離し手段7を用いて、矢印I方向に、フィルム状接着剤付き半導体チップ139’を支持フィルム(基材11からなる支持シート10)から引き離して、ピックアップしている状態を示している。引き離し手段7としては、真空コレット等が挙げられる。なお、ここでは、引き離し手段7は、断面表示していない。
図6Dは、ダイボンディングする工程において、半導体チップ9’をフィルム状接着剤130によって、基板5の導体形成面5aにダイボンディングした状態を示している。
図6A~図6Dでは、半導体加工用シート101を用いた場合の半導体装置の製造方法について示しているが、他の半導体加工用シート102~104等を用いた場合も、同様のものが得られる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
接着剤組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
[重合体成分(a)]
(a)-1:アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(85質量部)及びアクリル酸-2-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル樹脂(重量平均分子量400,000、ガラス転移温度6℃)。
[エポキシ樹脂(b1)]
(b1)-1:4官能脂環式エポキシ樹脂、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン(株式会社ダイセル製「エポリード(登録商標)GT401」、エポキシ当量200~240g/eq、分子量788.94、液状)
(b1)-2:多官能脂環式エポキシ樹脂、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(株式会社ダイセル製「EHPE3150」、エポキシ当量170~190g/eq、分子量2200、軟化点:70~90℃)
(b1)-3:アクリルゴム微粒子分散ビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社日本触媒製「アクリセット(登録商標)BPA328」、エポキシ当量220~240g/eq、軟化点:70~90℃、白色粘稠液体)
(b1)-4:2官能脂環式エポキシ樹脂(株式会社ダイセル製「セロキサイド(登録商標)2021P」、エポキシ当量128~133g/eq、分子量252.3、液状)
(b1)-5:2官能脂環式エポキシ樹脂(1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、昭和電工株式会社製「ショウフリー(登録商標)CDMDG」、エポキシ当量136g/eq、分子量256.34、液状)
[熱硬化剤(b2)]
(b2)-1:ノボラック型フェノール樹脂(昭和電工株式会社製「BRG556」)
[硬化促進剤(c)]
(c)-1:2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製「キュアゾール(登録商標)2PHZ-PW」)
[充填材(d)]
(d)-1:シリカフィラー(株式会社アドマテックス製「SC2050MA」、平均粒子径500nm、エポキシ基修飾処理品)
[カップリング剤(e)]
(e)-1:エポキシ基、メチル基及びメトキシ基を有するオリゴマー型シランカップリング剤(信越シリコーン社製「X-41-1056」、エポキシ当量280g/eq)
<フィルム状接着剤及び半導体加工用シートの製造>
[実施例1]
(接着剤組成物の製造)
重合体成分(a)-1、エポキシ樹脂(b1)-1、熱硬化剤(b2)-1、硬化促進剤(c)、充填材(d)-1及びカップリング剤(e)-1を、これらの含有量(質量部)が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、濃度50質量%の接着剤組成物を得た。
(フィルム状接着剤の製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(SP-PET381031、リンテック株式会社製)の前記剥離処理面に、上記で得られた接着剤組成物を塗工し、100℃で1分間加熱乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤を形成した。
次いで、このフィルム状接着剤の露出面に、別途、前記剥離フィルムの剥離処理面を貼付し、フィルム状接着剤の両面に前記剥離フィルムが貼付されたフィルム状接着剤積層物を得た。
(半導体加工用シートの製造)
前記フィルム状接着剤積層物から、一方の剥離フィルムを取り除き、フィルム状接着剤の一方の表面を露出させた。そして、フィルム状接着剤の露出面と、基材(ファンクレア(登録商標)LLD♯80、グンゼ株式会社製)とを貼り合わせることで、基材、フィルム状接着剤及び剥離フィルムがこの順に積層されてなる半導体加工用シートを得た。
[実施例2、比較例1~3]
接着剤組成物の含有成分を表1に示す通りとした点以外は、実施例1と同じ方法で、フィルム状接着剤及び半導体加工用シートを製造した。
<フィルム状接着剤及び半導体加工用シートの評価>
上記で得られたフィルム状接着剤及び半導体加工用シートについて、下記項目を評価した。
[塩素含有量及びフッ素含有量の評価]
(塩素含有量及びフッ素含有量の測定)
上記で作製したフィルム状接着剤積層物から剥離フィルムを取り除いて、フィルム状接着剤を100mg採取した。採取したフィルム状接着剤を磁性ボートに載せて、自動試料燃焼装置(日東精工アナリテック株式会社製、AQF-2100H)に取り付けた。1000℃に設定した自動試料燃焼装置内の反応管で10分間、フィルム状接着剤を燃焼させた。発生したガスを、下記の方法で調製した吸収液10mLに吸収させ、試料溶液を得た。次いで、イオンクロマトグラフ(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、ICS2100)を用いて、下記のイオンクロマトグラフィー測定条件で、試料溶液に含まれるイオン種を分離し、塩素イオン及びフッ素イオンのピークを定量分析し、フィルム状接着剤の総質量に対する塩素含有量[ppm]及びフッ素含有量[ppm]に換算した。なお、N.D.は、検出限界未満であったことを示す。
(吸収液作製方法)
0.4gのKHPO(富士フイルム和光純薬株式会社製)を超純水に溶解して100mLとし、次いで、この溶液の1mL、及び、30wt%のH水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)の150mLを採取し、超純水を加えて500mLとしたものを吸収液とした。
(イオンクロマトグラフィー測定条件)
分離カラム :IonPac AS19(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
ガードカラム:IonPac AG19(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
溶離液:5.0mmol/L KOH
流量 :1.0 mL/min
温度 :30℃(カラム温度)
検出器:電気伝導度検出器
注入量:25μL
塩素含有量の測定結果を表1に示した。
フィルム状接着剤の総質量に対する塩素含有量が100ppm未満の場合をAと示し、100ppm以上の場合をBと示した。
[腐食性試験]
30mm×30mm×0.5mmのガラス基板上にCu電極が形成されている基板を用意した。
図7に、腐食性試験に用いた上記基板の概略構成図を示す。このガラス基板30には、ガラス基板30上に、ライン幅/スペース間隔(L/S)が100μm/100μm、電極厚さが10μmで、図7に示す配線パターンのくし型電極32,33が形成されている。なお、図7に示す配線パターンの寸法及び数は、実際とは異なっている。
上記で作製した半導体加工用シートから剥離フィルムを取り除いて、フィルム状接着剤の露出面を、ガラス基板30のくし型電極32,33の側の面のうち、図中のBの位置(10mm×10mm)が充分隠れるように、ラミネーター(エム・シー・ケー社製、MCL-650)で貼付し、次に、基材を取り除いて腐食性試験用基板とした。
その後、恒温槽(条件:85℃、85%RH)に腐食性試験用基板を入れて、168時間、促進させた。促進後の腐食性試験用基板のフィルム状接着剤を取り除いて、くし型電極32,33の側の面の、図7に示す1.1mm×5.0mmの領域(図中のMの領域、すなわち、貼付位置Bの中央部分)の電極部分をデジタル顕微鏡(キーエンス株式会社製、VHX-7000)で観察し、腐食の有無を確認して以下の基準で腐食性を評価した。
腐食性の評価結果を表1に示した。
腐食箇所が確認されない場合をAと示し、腐食箇所が確認された場合をBと示した。
[発ガス量の測定]
上記で作製したフィルム状接着剤積層物から剥離フィルムを取り除いて、試料としてフィルム状接着剤を10mg程度採取した。採取したフィルム状接着剤をアルミニウム製のパンに入れ、示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島津製作所製、DTG-60)に取り付けた。装置内部を空気雰囲気下で、昇温速度10℃/minで160℃まで試料の温度を上昇させ、160℃で1時間保持させた。以下の計算式で、160℃、1時間後の試料の重量減少割合R[%]を測定し、この値を発ガス量[%]とした。
R[%]=(W-W)/W×100
式中、Wは、初期の試料の重量であり、Wは、160℃、1時間後の試料の重量である。
発ガス量の測定結果を表1に示した。
発ガス量が3%未満の場合をAと示し、発ガス量が3%以上の場合をBと示した。
[半導体パッケージの信頼性の評価]
(シリコンチップの製造)
上記で得られた半導体加工用シートから剥離フィルムを剥離し、ラミネーター(株式会社エム・シー・ケー製、MCL-650)を用いて、シリコンウエハ(200mm径、厚さ75μm)に、上記で得られた半導体加工用シートのフィルム状接着剤の露出面を60℃に加熱して貼付し、リングフレームに固定した。
次いで、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD6362」)を用いて、前記シリコンウエハを8mm×8mmの大きさのシリコンチップに個片化した。このときのダイシングは、ブレード速度:30mm/s、ブレード回転数:30000rpmの条件で行った。また、ダイシングの際の基材への切り込み量は、20μmとなるようにした。ダイシングブレードはディスコ社製のZ05-SD2000-N1-90 CCを使用した。
基板として、銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製「CCL-HL830」)の銅箔(厚さ15μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製「PSR-4000 AUS308」)の層が形成されている基板(シーマ電子株式会社製「SM15-031-10A」、サイズ:157.0mm×70.0mm×0.2mm)を用意した。
ピックアップ・ダイボンディング装置(キャノンマシナリー株式会社製「BESTEM D-0510)を用い、フィルム状接着剤付きシリコンチップを、基材からピックアップした。次いで、このピックアップしたフィルム状接着剤付きシリコンチップを、その中のフィルム状接着剤を前記基板上に圧着することにより、フィルム状接着剤付きシリコンチップを前記基板上にダイボンディングした。このときのダイボンディングは、120℃に加熱したフィルム状接着剤付きシリコンチップに対して、その前記基板への接触面に対して直交する方向に、2.45N(250gf)の力を0.5秒加えることで行った。
以上により、フィルム状接着剤付き半導体チップがダイボンディングされた基板を得た。
(半導体パッケージの製造)
上記で得られた、ダイボンディング後の基板を、160℃で1時間オーブンに投入して加熱することにより、この基板上のフィルム状接着剤を熱硬化させた。
次いで、封止装置(アピックヤマダ株式会社製「GTM-S 120T」)を用いて、このダイボンディング後及び熱硬化後の基板上に封止樹脂(京セラケミカル株式会社製「KE-1100AS3」)を載せ、この封止樹脂を175℃に加熱し、さらにこの状態の封止樹脂に7MPaの圧力を2分加えることにより、厚さ400μmの封止樹脂からなる層(封止層)を形成した。次いで、この封止層を形成している封止樹脂を、175℃で5時間オーブンに投入して加熱することにより、熱硬化させ、封止基板を得た。
次いで、この封止基板にダイシングテープ(リンテック社製「Adwill D-510T」)を貼付し、ダイシング装置(株式会社ディスコ製「DFD6362」)を用いて、この封止基板をダイシングすることにより、大きさが15mm×15mmの半導体パッケージを得た。このときのダイシングは、ダイシングブレードの移動速度を30mm/s、ダイシングブレードの回転数を30000rpmとし、ダイシングテープに対して、その封止基板の貼付面から20μmの深さまでダイシングブレードで切り込むことにより行った。ダイシングブレードとしては、ディスコ社製「ZHDG-SD400-D1-60 56×0.17A3×40-L-S3」を用いた。
(半導体パッケージの信頼性の評価)
上記で得られた9個の半導体パッケージについて、UV照射装置(リンテック株式会社製 RAD-2000)を用いて照度220mW/cm、光量200mJ/cmの条件下でUV照射してから、ダイシングテープから半導体パッケージを剥離した。次いで125℃のオーブンに、20時間投入して、ダイシング時の水分を蒸発させた。IRリフロー装置(千住金属工業株式会社製、STR-2010M)を使用し、260℃、10秒の条件で、3回、IRリフローを行った。
次いで、走査型超音波探傷装置(SAT(Scanning Acoustic Tomography)、Sonoscan社製「D-9600」)を用いて、このIRリフロー後の半導体パッケージを解析した。封止済みのパッケージ内に0.5mm以上のボイドが認められた場合を「パッケージボイドあり」と判定し、認められなかった場合を「パッケージボイドなし」と判定した。さらにこの判定結果に基づいて、下記基準により、半導体パッケージの信頼性を評価した。
(評価基準)
A:9個の半導体パッケージのうち、「パッケージボイドあり」と判定された半導体パッケージの個数が0個である。
B:9個の半導体パッケージのうち、「パッケージボイドあり」と判定された半導体パッケージの個数が1個以上である。
Figure 2024008251000002
実施例1~2のフィルム状接着剤は、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有する。上記結果から明らかなように、実施例1~2のフィルム状接着剤では、腐食性試験用基板の導体形成面に腐食箇所が確認されず、良好であり、発ガス量が3%未満であり、半導体パッケージの信頼性も良好であった。
これに対して、比較例1のフィルム状接着剤では、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いており、発ガスは抑えられていたが、塩素含有量が多く、腐食性が劣っていた。
さらに、比較例2及び3のフィルム状接着剤では、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)として脂環式エポキシ樹脂を用いており、塩素含有量が抑えられて腐食性は良好であったが、発ガス量が多く、半導体パッケージにボイドが生じ、信頼性が劣っていた。
なお、現状の評価結果では、フッ素含有量は腐食性の評価に影響を与えなかったが、半導体パッケージの種類によってはフッ素の汚染を嫌う場合があり、その様な場合には、フッ素含有量の少ないフィルム状接着剤を用いることが好ましい。
本発明は、半導体装置の製造に好適に利用可能であるので、産業上極めて重要である。
101,102,103,104・・・半導体加工用シート、10・・・支持シート、10a・・・支持シートの第1面、11・・・基材、11a・・・基材の第1面、12・・・粘着剤層、13,23・・・フィルム状接着剤、13a,23a・・・フィルム状接着剤の第1面、13b,23b・・・フィルム状接着剤の第2面、5・・・基板、30・・・ガラス基板、32,33・・・電極、L・・・ライン、S・・・スペース、B・・・フィルム状接着剤の貼付位置、M・・・腐食性試験評価領域

Claims (7)

  1. 硬化性エポキシ樹脂(b)を含有する、フィルム状接着剤であって、
    前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、環式又は非環式の脂肪族骨格を有する分子量500以上の多官能エポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(b1)を含有する、フィルム状接着剤。
  2. 前記硬化性エポキシ樹脂(b)が、熱硬化剤(b2)としてフェノール樹脂を含有する、請求項1に記載のフィルム状接着剤。
  3. 前記フィルム状接着剤の総質量に対する塩素含有量が100ppm以下である、請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤。
  4. 前記フィルム状接着剤の総質量に対するフッ素含有量が100ppm以下である、請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤。
  5. 基材を有する支持シート上に、請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤が設けられた、半導体加工用シート。
  6. 請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法であって、
    基材を有する支持シート上に、前記フィルム状接着剤が設けられた半導体加工用シートの前記フィルム状接着剤の露出面に半導体ウエハの裏面を貼付する工程と、
    前記半導体ウエハを分割することにより半導体チップを作製し、前記半導体ウエハの分割箇所に沿って前記フィルム状接着剤を切断してフィルム状接着剤付き半導体チップを作製する工程と、
    前記支持シートから、前記フィルム状接着剤付き半導体チップを引き離して、ピックアップする工程と、
    ピックアップされた前記フィルム状接着剤付き半導体チップを、前記フィルム状接着剤付き半導体チップ中のフィルム状接着剤によって、基板の導体形成面にダイボンディングする工程を含む、半導体装置の製造方法。
  7. さらに、基板の導体形成面上にダイボンディングされたフィルム状接着剤付き半導体チップの全体を、樹脂封止する工程を含む、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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