JP2024008084A - 階段の構造 - Google Patents
階段の構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2024008084A JP2024008084A JP2022109638A JP2022109638A JP2024008084A JP 2024008084 A JP2024008084 A JP 2024008084A JP 2022109638 A JP2022109638 A JP 2022109638A JP 2022109638 A JP2022109638 A JP 2022109638A JP 2024008084 A JP2024008084 A JP 2024008084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stairs
- floor
- staircase
- riser
- behind
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 claims abstract description 108
- 238000009434 installation Methods 0.000 abstract description 9
- 238000007789 sealing Methods 0.000 abstract description 5
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 46
- 238000004140 cleaning Methods 0.000 description 15
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 15
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 12
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 10
- 238000000638 solvent extraction Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 8
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 6
- 238000013461 design Methods 0.000 description 6
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 6
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 6
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 6
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 4
- 230000000903 blocking effect Effects 0.000 description 4
- 238000007664 blowing Methods 0.000 description 4
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 4
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 4
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 4
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 4
- 239000000779 smoke Substances 0.000 description 4
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 4
- 238000012800 visualization Methods 0.000 description 4
- 239000002023 wood Substances 0.000 description 4
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 3
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 2
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
Images
Landscapes
- Steps, Ramps, And Handrails (AREA)
- Duct Arrangements (AREA)
Abstract
Description
すなわち、
・リビング階段の解放感がなくなる。
・ロールスクリーンと階段の隙間から冷気が落ちてくる。
・階段を使う際に、ロールスクリーンを上げると、ロールスクリーン奥(ロールスクリーンよりも上階側)に溜まっていた冷気が急に落ちてくる。
つまり、リビングに上階へ続く空間を構築して、リビングを広く見せ、動線とコミュニケーションを得られるものであるが、冬季などの暖房使用時に上記のようなデメリットが発生する。
また、ロールスクリーンを使用せずに、階段裏空間に大きなダクト構造を構築したり、空調機などを設置して冷気の下降を抑制したりすれば、イニシャルコストと、ランニングコストとが共に増大した。
本発明の請求項1記載の階段の構造は、下階と上階とに渡って設けられ、少なくとも隣接する下段部13と上段部15とを有する階段の構造であって、
前記下段部13と前記上段部15とは、それぞれが踏板31と蹴込板33とにより構成されるとともに、前記上段部15における前記踏板31の後端から前記蹴込板33と平行に垂下する背壁47と、前記下段部13における前記蹴込板33の下端から前記踏板31と平行に延在して前記背壁47の下端と直交する板材75(または床板材49)と、両側を塞いで前記背壁47および前記板材75(または床板材49)とで階段裏空間51を密閉するとともに前記下段部13の両側から上階へと続く一対の側壁27と、を有し、
前記下段部13の前記踏板31には複数の孔35よりなる吹出口37が段鼻32に沿って穿設され、
前記吹出口37よりも後方の前記板材75(または床板材49)には、熱源器53が設置され、
前記熱源器53よりも後方の前記側壁27または前記背壁47には外からの空気57を前記階段裏空間51に供給する送風機59が設けられることを特徴とする。
階段裏空間51は、送風機59と吹出口37との間の床板材49または板材75に、熱源器53が設置されている。送風機59によって外から取り込まれた空気57は、熱源器53で加熱されて、高温となって吹出口37より吹き出される。この際の吹き出し温度は、少なくとも階段を下降する冷気よりも高温に設定される。このため、吹出口37からの高温空気は、送風機59の駆動によって生じた階段裏空間51の正圧力と、暖気による浮力との双方の作用により、少ないエネルギーで上昇暖気流77を発生させることができる。すなわち、送風機59の出力を抑え、消費電力の省力化を図ることができる。
また、吹出口37よりも熱源器53、送風機59を順に奥側に設置するので、電源OFF時に吹出口37から落ちた埃を、始動時の送風により生じる空気57の流れで、前面に押し出し、熱源器53への接触を抑えつつ、内部の清掃をしやすくできる。
また、段鼻32に沿って吹き出される上昇暖気流77は、一対の側壁27の間に渡って面状となって上昇する。この面状の上昇暖気流77には、上階より階段を落ちる下降冷気65が当たる。上昇暖気流77に当たった下降冷気65は、一部が上昇暖気流77と混ざり合い、上昇暖気流77に加熱されながら上昇する。これにより、階段の構造では、上階から階段を落ちる下降冷気65が、下階の床面19に直接的に到達することを抑制できる。
その結果、この階段の構造によれば、下降冷気65が人体に直接当たることによる不快感、すなわち、コールドドラフトによって生じる温度ストレスを軽減できる。
また、ロールスクリーンなどの仕切材を使用しないので、リビング階段17の解放感を損ねることがない。そして、ロールスクリーンを上げることによってロールスクリーン奥に溜まっていた冷気が急に落ちてくることもない。
また、複数の段部のうち、隣接する下段部13と上段部15の2つの段部のみを使用すればよいので、階段裏空間51の殆どを使用するようなダクト構造等に比べ、省スペースで構成することができる。
さらに、階段裏空間51に、熱源器53と送風機59のみを設ければよいので、高価な空調機などを設置する構成に比べ、イニシャルコストと、ランニングコストとを安価にできる。
前記複数の孔35のそれぞれが、前記段鼻32に沿う方向に長いスリット形状で形成され、
前記吹出口37は、前記孔35と非穿孔部41とを交互に配置した直線状の一列が、平行な複数列で形成され、かつ隣接する列の前記孔35と前記非穿孔部41とが互い違いに配置されることを特徴とする。
これに加え、吹出口37は、スリット形状の孔35と非穿孔部41とを交互に配置した直線状の一列が、平行な複数列で形成されるので、蹴込板33とほぼ平行となる面状の上昇暖気流77を両側の側壁27に渡ってエアカーテン状に吹き出すことができる。そして、上昇暖気流77は、エアカーテンの厚み方向に複数層(孔35の列数分の層)で重ねられるので、整流作用が働いてより面状にちかづけることができ、上階からの下降冷気65を堰き止めやすくできる。
前記下段部13が、前記下階の床面19から1段目であり、前記板材75が、床板材49であることを特徴とする。
この階段の構造では、階段室側開口が、床面19から起立する壁面に開口することになる。このため、床面19から1段目の踏板31に吹出口37が設けられる階段の構造では、上昇暖気流77が階段の最下段からエアカーテン状となって吹き上げられる。これにより、下階の床面近傍に溜まろうとする最も温度の低い下降冷気65を、上昇暖気流77によって加熱しながら上昇させることができ、コールドドラフトをより効果的に抑制することができる。
また、階段としての1段目と2段目は、床面19に近く、階段裏空間51の全高が低すぎるとともに、スペース(空間)としては小さく、この空間を使用するには屈まなくてはならないため、収納には不向きとなる。そのため、デッドスペースとなることが多い。本発明の階段の構造では、このような小さなデッドスペースを有効利用することで、他のスペースにも有用なスペースを侵食することもなく、階段下収納の設置を妨げることもない。
前記下段部13の前記蹴込板33が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする。
この蹴込板33は、例えばマグネット71の吸着力により脱着自在に取り付けることができる。このため、この階段の構造によれば、意匠的に目立たせることなく、メンテナンスや清掃用の点検口を簡便に設けることができる。
前記下段部13の前記蹴込板33が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る階段の構造を備えるリビング11の斜視図である。
本実施形態に係る階段の構造は、下階と上階とに渡って設けられ、少なくとも隣接する下段部13と上段部15とからなる2つの段部を有する。本実施形態において、下階を1階、上階を2階とし、下階はリビング11であるので、階段はリビング階段17と称す。なお、本発明に係る階段の構造は、下階がリビング11に限定されず、階段もリビング階段17に限定されない。すなわち、本発明に係る階段の構造は、メゾネットや一般的な階段など上階から下階に渡って設けられて下降するコールドドラフトの生ずる階段であれば好適に用いることができ、効果を奏するものである。
本実施形態に係る階段の構造は、下段部13が、下階であるリビング11の床面19から1段目となっている。なお、後述するように、下段部13は、リビング階段17の1段目に限定されない。下段部13における踏板31の手前下面からは、蹴込板33が垂下する。この下段部13の蹴込板33は、リビング11の床面19に下端が接する。上段部15における踏板31の手前下面からは、蹴込板33が垂下する。この上段部15の蹴込板33は、下段部13における踏板31の奥側上面と交わる。下段部13と上段部15の両側は、一対の側壁27により挟まれることで塞がれる。
吹出口37は、複数の孔35のそれぞれが、段鼻32に沿う方向に長いスリット形状で形成される。スリット形状の幅は、幼児の指が挟まらないような最小限の幅が好ましく、例えば6mm程度することができる。また、スリット形状の長さは、短く設定されることが好ましく、段鼻32に沿って連続する1つの長尺なスリットではなく、所定の長さの孔35と非穿孔部41とが交互に直線状に形成され、例えば、スリット形状の孔35の長さを200mm程度、非穿孔部41の長さは70mm程度とすることができ、非穿孔部41である木部分を残すことで、踏板31歩行時の感触を和らげることが可能となる。
この階段の構造は、上段部15における踏板31の後端から背壁47が蹴込板33と平行に垂下する。垂下した背壁47の下端は、床板材49の床面19に当接する。階段の構造は、下段部13における蹴込板33の下端から踏板31と平行に延在して背壁47の下端と直交する板材を有する。本実施形態に係る階段の構造において、この板材は、床板材49となる。
なお、熱源器53自体に空気57の取込みや吹き出しを行うようなファンが設けられる構成としてもよく、また吹出口37近傍にファンを設け、熱源器53を通過する暖められた空気を吹き出すような構成としてもよい。
階段の構造は、下段部13の蹴込板33が、脱着自在に取り付けられている。下段部13の蹴込板取付開口67には、縁材69が左右と上部とに設けられる。この縁材69と蹴込板33の背面とには、互いが着脱可能となる固定具が設けられる。例えば、マグネット71と磁性板73の組み合わせなどであり、縁材69に複数のマグネット71を固定し、蹴込板33の背面にこれらマグネット71に吸着する磁性板73が固定されるような構成である。また、固定具に替えて締結金具などで構成し、蹴込板33を脱着自在にすることとしてもよい。これにより、下段部13の蹴込板33は、蹴込板取付開口67に対して容易に脱着が可能となっている。下段部13の蹴込板33が取り外された階段の構造は、階段裏空間51に対する清掃や熱源器53などのメンテナンスのための容易なアクセスが可能となる。
本発明に係る階段の構造は、下段部13がリビング階段17の1段目以外であってもよい。この場合、下段部13は、一対の側壁27に挟まれる階段室開口23の位置の段部となる。階段裏空間51は、背壁47と、板材75と、一対の側壁27とにより階段裏の一部分が密閉される。図6に示す階段の構造では、リビング階段17がリビング11の床面19から3段目で階段室開口23に入る。したがって、この3段目が、下段部13となり、吹出口37が位置する。
本発明に係る階段の構造は、一方の側壁27がリビング階段17の途中から階段室25を開放する構造であってもよい。この場合、下段部13は、一対の側壁27に挟まれる階段室開口23の位置の段部となる。図7に示す階段の構造では、リビング階段17がリビング11の床面19から4段目で階段室開口23に入る。したがって、この4段目が、下段部13となり、吹出口37が位置する。
階段裏空間51は、送風機59と吹出口37との間の床板材49または板材75に、熱源器53が設置されている。送風機59によって外から取り込まれた空気57は、熱源器53で加熱されて、高温となって吹出口37より吹き出される。この際の吹き出し温度は、少なくともリビング階段17を下降する冷気よりも高温に設定される。このため、吹出口37からの高温空気は、送風機59の駆動によって生じた階段裏空間51の正圧力と、暖気による浮力との双方の作用により、少ないエネルギーで上昇暖気流77を発生させることができる。すなわち、送風機59の出力を抑え、消費電力の省力化を図ることができる。
図9の左図は、実施形態の構成である階段の構造を採用しない、すなわち無対策の場合である。リビング階段17からリビング11に冷気が落ちてきて、冷気が床面近傍での低い位置で広がっていた。なお、実験では、上階で緑色の煙をだし、その流れ方を可視化によっても確認した。
ここで、熱源器53と送風機59の出力を階段裏空間51の温度が30℃程度になるように調整し、各部の温度を実測した。
送風機59および熱源器53をONにすると、床面19にはリビング階段17からの下降冷気65(可視化実験による緑色の煙)がほとんど落ちてこなくなることが視覚的に確認できた。無対策の場合と同様に上階である2Fの温度が15.6℃のとき、リビング階段17からの冷気が減り、下階(1F)のリビング11における床面近傍での低い位置の温度が下がらなくなっていることが確認できた。下段部13の踏板31直上では、無対策の17.8℃から21.7℃の温度上昇があった(図9中四角枠内)。また、床面19から1段目の踏板31の高さ位置でも17.8℃から20.9℃の温度上昇があった(図9中破線長丸内上段)。また、床面19からほぼ3段目の踏板31の高さ位置でも18.8℃から20.2℃の温度上昇があった(同破線長丸内下段)。
15…上段部
17…階段(リビング階段)
19…床面
27…側壁
31…踏板
32…段鼻
33…蹴込板
35…孔
37…吹出口
41…非穿孔部
47…背壁
49…床板材
51…階段裏空間
53…熱源器
57…空気
59…送風機
75…板材
すなわち、
・リビング階段の解放感がなくなる。
・ロールスクリーンと階段の隙間から冷気が落ちてくる。
・階段を使う際に、ロールスクリーンを上げると、ロールスクリーン奥(ロールスクリーンよりも上階側)に溜まっていた冷気が急に落ちてくる。
つまり、リビングに上階へ続く空間を構築して、リビングを広く見せ、動線とコミュニケーションを得られるものであるが、冬季などの暖房使用時に上記のようなデメリットが発生する。
また、ロールスクリーンを使用せずに、階段裏空間に大きなダクト構造を構築したり、空調機などを設置して冷気の下降を抑制したりすれば、イニシャルコストと、ランニングコストとが共に増大した。
本発明に係る階段の構造は、下階と上階とに渡って設けられ、少なくとも隣接する下段部13と上段部15とを有する階段の構造であって、
前記下段部13と前記上段部15とは、それぞれが踏板31と蹴込板33とにより構成されるとともに、前記上段部15における前記踏板31の後端から前記蹴込板33と平行に垂下する背壁47と、前記下段部13における前記蹴込板33の下端から前記踏板31と平行に延在して前記背壁47の下端と直交する板材75(または床板材49)と、両側を塞いで前記背壁47および前記板材75(または床板材49)とで階段裏空間51を密閉するとともに前記下段部13の両側から上階へと続く一対の側壁27と、を有し、
前記下段部13の前記踏板31には、スリット孔35の途中に非穿孔部41を有するスリット形状の吹出口37が段鼻に沿って穿設され、
密閉された前記階段裏空間の内部における前記吹出口37よりも後方の前記板材75(または床板材49)の上部には、熱源器53が設置され、
前記熱源器53よりも後方の前記側壁47または前記背壁47には外からの空気を密閉された前記階段裏空間に供給する吸入口が設けられ、この吸入口には送風機59が設けられることを特徴とする。
階段裏空間51は、送風機59と吹出口37との間の床板材49または板材75に、熱源器53が設置されている。送風機59によって外から取り込まれた空気57は、熱源器53で加熱されて、高温となって吹出口37より吹き出される。この際の吹き出し温度は、少なくとも階段を下降する冷気よりも高温に設定される。このため、吹出口37からの高温空気は、送風機59の駆動によって生じた階段裏空間51の正圧力と、暖気による浮力との双方の作用により、少ないエネルギーで上昇暖気流77を発生させることができる。すなわち、送風機59の出力を抑え、消費電力の省力化を図ることができる。
また、吹出口37よりも熱源器53、送風機59を順に奥側に設置するので、電源OFF時に吹出口37から落ちた埃を、始動時の送風により生じる空気57の流れで、前面に押し出し、熱源器53への接触を抑えつつ、内部の清掃をしやすくできる。
また、段鼻32に沿って吹き出される上昇暖気流77は、一対の側壁27の間に渡って面状となって上昇する。この面状の上昇暖気流77には、上階より階段を落ちる下降冷気65が当たる。上昇暖気流77に当たった下降冷気65は、一部が上昇暖気流77と混ざり合い、上昇暖気流77に加熱されながら上昇する。これにより、階段の構造では、上階から階段を落ちる下降冷気65が、下階の床面19に直接的に到達することを抑制できる。
その結果、この階段の構造によれば、下降冷気65が人体に直接当たることによる不快感、すなわち、コールドドラフトによって生じる温度ストレスを軽減できる。
また、ロールスクリーンなどの仕切材を使用しないので、リビング階段17の解放感を損ねることがない。そして、ロールスクリーンを上げることによってロールスクリーン奥に溜まっていた冷気が急に落ちてくることもない。
また、複数の段部のうち、隣接する下段部13と上段部15の2つの段部のみを使用すればよいので、階段裏空間51の殆どを使用するようなダクト構造等に比べ、省スペースで構成することができる。
さらに、階段裏空間51に、熱源器53と送風機59のみを設ければよいので、高価な空調機などを設置する構成に比べ、イニシャルコストと、ランニングコストとを安価にできる。
前記複数の孔35のそれぞれが、前記段鼻32に沿う方向に長いスリット形状で形成され、
前記吹出口37は、前記孔35と非穿孔部41とを交互に配置した直線状の一列が、平行な複数列で形成され、かつ隣接する列の前記孔35と前記非穿孔部41とが前後左右にずれた位置に互い違いに配置されることを特徴とする。
これに加え、吹出口37は、スリット形状の孔35と非穿孔部41とを交互に配置した直線状の一列が、平行な複数列で形成されるので、蹴込板33とほぼ平行となる面状の上昇暖気流77を両側の側壁27に渡ってエアカーテン状に吹き出すことができる。そして、上昇暖気流77は、エアカーテンの厚み方向に複数層(孔35の列数分の層)で重ねられるので、整流作用が働いてより面状にちかづけることができ、上階からの下降冷気65を堰き止めやすくできる。
前記下段部13が、前記下階の床面19から1段目であり、前記板材75が、床板材49であることを特徴とする。
この階段の構造では、階段室側開口が、床面19から起立する壁面に開口することになる。このため、床面19から1段目の踏板31に吹出口37が設けられる階段の構造では、上昇暖気流77が階段の最下段からエアカーテン状となって吹き上げられる。これにより、下階の床面近傍に溜まろうとする最も温度の低い下降冷気65を、上昇暖気流77によって加熱しながら上昇させることができ、コールドドラフトをより効果的に抑制することができる。
また、階段としての1段目と2段目は、床面19に近く、階段裏空間51の全高が低すぎるとともに、スペース(空間)としては小さく、この空間を使用するには屈まなくてはならないため、収納には不向きとなる。そのため、デッドスペースとなることが多い。本発明の階段の構造では、このような小さなデッドスペースを有効利用することで、他のスペースにも有用なスペースを侵食することもなく、階段下収納の設置を妨げることもない。
前記下段部13の前記蹴込板33が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする。
この蹴込板33は、例えばマグネット71の吸着力により脱着自在に取り付けることができる。このため、この階段の構造によれば、意匠的に目立たせることなく、メンテナンスや清掃用の点検口を簡便に設けることができる。
前記下段部13の前記蹴込板33が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る階段の構造を備えるリビング11の斜視図である。
本実施形態に係る階段の構造は、下階と上階とに渡って設けられ、少なくとも隣接する下段部13と上段部15とからなる2つの段部を有する。本実施形態において、下階を1階、上階を2階とし、下階はリビング11であるので、階段はリビング階段17と称す。なお、本発明に係る階段の構造は、下階がリビング11に限定されず、階段もリビング階段17に限定されない。すなわち、本発明に係る階段の構造は、メゾネットや一般的な階段など上階から下階に渡って設けられて下降するコールドドラフトの生ずる階段であれば好適に用いることができ、効果を奏するものである。
本実施形態に係る階段の構造は、下段部13が、下階であるリビング11の床面19から1段目となっている。なお、後述するように、下段部13は、リビング階段17の1段目に限定されない。下段部13における踏板31の手前下面からは、蹴込板33が垂下する。この下段部13の蹴込板33は、リビング11の床面19に下端が接する。上段部15における踏板31の手前下面からは、蹴込板33が垂下する。この上段部15の蹴込板33は、下段部13における踏板31の奥側上面と交わる。下段部13と上段部15の両側は、一対の側壁27により挟まれることで塞がれる。
吹出口37は、複数の孔35のそれぞれが、段鼻32に沿う方向に長いスリット形状で形成される。スリット形状の幅は、幼児の指が挟まらないような最小限の幅が好ましく、例えば6mm程度することができる。また、スリット形状の長さは、短く設定されることが好ましく、段鼻32に沿って連続する1つの長尺なスリットではなく、所定の長さの孔35と非穿孔部41とが交互に直線状に形成され、例えば、スリット形状の孔35の長さを200mm程度、非穿孔部41の長さは70mm程度とすることができ、非穿孔部41である木部分を残すことで、踏板31歩行時の感触を和らげることが可能となる。
この階段の構造は、上段部15における踏板31の後端から背壁47が蹴込板33と平行に垂下する。垂下した背壁47の下端は、床板材49の床面19に当接する。階段の構造は、下段部13における蹴込板33の下端から踏板31と平行に延在して背壁47の下端と直交する板材を有する。本実施形態に係る階段の構造において、この板材は、床板材49となる。
なお、熱源器53自体に空気57の取込みや吹き出しを行うようなファンが設けられる構成としてもよく、また吹出口37近傍にファンを設け、熱源器53を通過する暖められた空気を吹き出すような構成としてもよい。
階段の構造は、下段部13の蹴込板33が、脱着自在に取り付けられている。下段部13の蹴込板取付開口67には、縁材69が左右と上部とに設けられる。この縁材69と蹴込板33の背面とには、互いが着脱可能となる固定具が設けられる。例えば、マグネット71と磁性板73の組み合わせなどであり、縁材69に複数のマグネット71を固定し、蹴込板33の背面にこれらマグネット71に吸着する磁性板73が固定されるような構成である。また、固定具に替えて締結金具などで構成し、蹴込板33を脱着自在にすることとしてもよい。これにより、下段部13の蹴込板33は、蹴込板取付開口67に対して容易に脱着が可能となっている。下段部13の蹴込板33が取り外された階段の構造は、階段裏空間51に対する清掃や熱源器53などのメンテナンスのための容易なアクセスが可能となる。
本発明に係る階段の構造は、下段部13がリビング階段17の1段目以外であってもよい。この場合、下段部13は、一対の側壁27に挟まれる階段室開口23の位置の段部となる。階段裏空間51は、背壁47と、板材75と、一対の側壁27とにより階段裏の一部分が密閉される。図6に示す階段の構造では、リビング階段17がリビング11の床面19から3段目で階段室開口23に入る。したがって、この3段目が、下段部13となり、吹出口37が位置する。
本発明に係る階段の構造は、一方の側壁27がリビング階段17の途中から階段室25を開放する構造であってもよい。この場合、下段部13は、一対の側壁27に挟まれる階段室開口23の位置の段部となる。図7に示す階段の構造では、リビング階段17がリビング11の床面19から4段目で階段室開口23に入る。したがって、この4段目が、下段部13となり、吹出口37が位置する。
階段裏空間51は、送風機59と吹出口37との間の床板材49または板材75に、熱源器53が設置されている。送風機59によって外から取り込まれた空気57は、熱源器53で加熱されて、高温となって吹出口37より吹き出される。この際の吹き出し温度は、少なくともリビング階段17を下降する冷気よりも高温に設定される。このため、吹出口37からの高温空気は、送風機59の駆動によって生じた階段裏空間51の正圧力と、暖気による浮力との双方の作用により、少ないエネルギーで上昇暖気流77を発生させることができる。すなわち、送風機59の出力を抑え、消費電力の省力化を図ることができる。
図9の左図は、実施形態の構成である階段の構造を採用しない、すなわち無対策の場合である。リビング階段17からリビング11に冷気が落ちてきて、冷気が床面近傍での低い位置で広がっていた。なお、実験では、上階で緑色の煙をだし、その流れ方を可視化によっても確認した。
ここで、熱源器53と送風機59の出力を階段裏空間51の温度が30℃程度になるように調整し、各部の温度を実測した。
送風機59および熱源器53をONにすると、床面19にはリビング階段17からの下降冷気65(可視化実験による緑色の煙)がほとんど落ちてこなくなることが視覚的に確認できた。無対策の場合と同様に上階である2Fの温度が15.6℃のとき、リビング階段17からの冷気が減り、下階(1F)のリビング11における床面近傍での低い位置の温度が下がらなくなっていることが確認できた。下段部13の踏板31直上では、無対策の17.8℃から21.7℃の温度上昇があった(図9中四角枠内)。また、床面19から1段目の踏板31の高さ位置でも17.8℃から20.9℃の温度上昇があった(図9中破線長丸内上段)。また、床面19からほぼ3段目の踏板31の高さ位置でも18.8℃から20.2℃の温度上昇があった(同破線長丸内下段)。
15…上段部
17…階段(リビング階段)
19…床面
27…側壁
31…踏板
32…段鼻
33…蹴込板
35…孔
37…吹出口
41…非穿孔部
47…背壁
49…床板材
51…階段裏空間
53…熱源器
57…空気
59…送風機
75…板材
Claims (5)
- 下階と上階とに渡って設けられ、少なくとも隣接する下段部と上段部とを有する階段の構造であって、
前記下段部と前記上段部とは、それぞれが踏板と蹴込板とにより構成されるとともに、前記上段部における前記踏板の後端から前記蹴込板と平行に垂下する背壁と、前記下段部における前記蹴込板の下端から前記踏板と平行に延在して前記背壁の下端と直交する板材と、両側を塞いで前記背壁および前記板材とで階段裏空間を密閉するとともに前記下段部の両側から上階へと続く一対の側壁と、を有し、
前記下段部の前記踏板には複数の孔よりなる吹出口が段鼻に沿って穿設され、
前記吹出口よりも後方の前記板材には、熱源器が設置され、
前記熱源器よりも後方の前記側壁または前記背壁には外からの空気を前記階段裏空間に供給する送風機が設けられることを特徴とする階段の構造。 - 前記複数の孔のそれぞれが、前記段鼻に沿う方向に長いスリット形状で形成され、
前記吹出口は、前記孔と非穿孔部とを交互に配置した直線状の一列が、平行な複数列で形成され、かつ隣接する列の前記孔と前記非穿孔部とが互い違いに配置されることを特徴とする請求項1に記載の階段の構造。 - 前記下段部が、前記下階の床面から1段目であり、前記板材が、床板材であることを特徴とする請求項1または2に記載の階段の構造。
- 前記下段部の前記蹴込板が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の階段の構造。
- 前記下段部の前記蹴込板が、脱着自在に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の階段の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022109638A JP7399223B1 (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 階段の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022109638A JP7399223B1 (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 階段の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP7399223B1 JP7399223B1 (ja) | 2023-12-15 |
JP2024008084A true JP2024008084A (ja) | 2024-01-19 |
Family
ID=89122243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022109638A Active JP7399223B1 (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 階段の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7399223B1 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4268544B2 (ja) | 2004-03-23 | 2009-05-27 | 積水ハウス株式会社 | 段板支持構造 |
JP2008039216A (ja) | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Sekisui House Ltd | 建物の階段暖房システム及び建物の階段暖房方法 |
JP5225638B2 (ja) | 2007-09-06 | 2013-07-03 | トヨタホーム株式会社 | 建物の吸音構造、それを備えた建物及び吸音構造の製造方法 |
JP6181929B2 (ja) | 2013-01-17 | 2017-08-16 | 大和ハウス工業株式会社 | 屋内空調システム |
CN215291054U (zh) | 2021-04-15 | 2021-12-24 | 山东恒诺建设工程咨询有限公司 | 一种楼梯结构 |
-
2022
- 2022-07-07 JP JP2022109638A patent/JP7399223B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7399223B1 (ja) | 2023-12-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4662371B2 (ja) | 建具 | |
IT201800010686A1 (it) | Ventilconvettore | |
KR102541638B1 (ko) | 전염차단을 위한 대면용 에어커튼기 | |
KR101273861B1 (ko) | 흡입식 신발털이장치 | |
JP7399223B1 (ja) | 階段の構造 | |
KR101145604B1 (ko) | 에어커튼 | |
JP6208448B2 (ja) | 建物の自然換気システム | |
JP4695196B2 (ja) | 換気扉 | |
KR101411922B1 (ko) | 애견 분양장 및 호텔장 | |
JP6181929B2 (ja) | 屋内空調システム | |
JP6679180B2 (ja) | トイレのドアからの外気を強制吸引による臭気対策装置 | |
JP5849225B2 (ja) | 屋内用階段 | |
JP4852657B1 (ja) | 建物の排熱システム | |
US20060060311A1 (en) | Slat structure for venetian blinds | |
JP5327602B2 (ja) | 喫煙ブース | |
KR100745011B1 (ko) | 환기시스템의 통풍용 루버 배기가이드장치 | |
JP6352657B2 (ja) | 階段下空調構造 | |
JP2663219B2 (ja) | 防災排煙設備 | |
JP2000146239A (ja) | 建物の換気構造 | |
KR102524341B1 (ko) | 전염차단 대면용 에어커튼기 | |
JP2005077045A (ja) | 換気・輻射暖房装置と換気・輻射暖房システム | |
JP2009235688A (ja) | 玄関構造 | |
KR20130138710A (ko) | 실내공기 순환기 | |
FR2842284B1 (fr) | Radiateur seche-serviettes soufflant | |
KR102072847B1 (ko) | 에어텐트 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220707 |
|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20220707 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230815 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231013 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20231114 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7399223 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |