JP2024007459A - 有機物資源の発酵乾燥ユニット - Google Patents

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庸悟 小林
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Abstract

【課題】生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥をより適切に促進させ、悪臭の低減、虫の発生防止や、処理量の増大を、より効果的にできる有機物の発酵乾燥キットを提供する。【解決手段】生ゴミ状の有機物(生ゴミ10)を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で設けられた発酵乾燥用袋と、該発酵乾燥用袋内に予め収納され、投入された生ゴミ10を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材50とを備え、発酵乾燥促進材50の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で袋状に設けられた発酵乾燥用袋と、該発酵乾燥用袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材とを備える有機物の発酵乾燥キットに関する。
適度な通気性と適度な保湿性とが確保できることで、微生物の働きが活発になって分解が早くなり、不快な臭いの発生と、虫の発生を抑えることができる食品残渣物堆肥化装置として、袋食品残渣物が投入される通気性を有する処理用袋と、該処理用袋が収納される通気性を有する外袋と、前記処理用袋に投入され、食品残渣物を発酵させるための基材とを備えている(特許文献1参照)ものが提案されている。
また、有機物の乾燥方法として、有機廃棄物を、腐敗発酵を起させないためのアンモニアを発生しない種菌を添加して、発酵槽内で発酵させて乾燥させる方法であって、腐敗発酵による堆肥化を起させないと共に短時間で発酵させて乾燥させる環境条件とするように、前記発酵槽の床部を、木質板、表面を炭化した木質板の一又は組合せによる床材で設け、該床材と床材の隙間を接着剤で埋めないで空気の通路を作り、該床材による床下を中空とし、ロータリー型回転刃を備える装置や、スクープ式発酵機の有機物の撹拌移動装置で前記床部上の前記有機物の切り返しと移動を同時に行い、該有機物を発酵させて乾燥処理する(特許文献2参照)ものが提案されている。これによれば、大量の有機廃棄物を適切に処理できるが、家庭で生じるような少量の有機廃棄物(生ゴミ)を処理する場合には適しないものとなっている。
また、含水有機物の乾燥方法として、菌床栽培キノコの収穫が終わった後にキノコの栽培瓶から掻き出されることによって菌糸が切断されて生長力が失われた直後の雑菌の侵入が少ない段階での含水有機物であるキノコ廃菌床に、好気性菌の種菌を投入して植え付ける工程と、前記キノコ廃菌床を前記好気性菌によって発酵乾燥させるため、上下又は上側に開放された方形状の外枠ボディによって外形が構成された発酵乾燥用コンテナ装置であって、前記外枠ボディ内に前記キノコ廃菌床が投入される空間を分割するように所要の間隔を置いて起立されて平行に配された複数の仕切壁を備え、該仕切壁は両面の仕切面材を有して内部が上下方向に通気できる中空に設けられると共に、前記仕切面材が線状部と交差する線状部とによって形成される通気性の良好な格子状や網目状に設けられている発酵乾燥用コンテナ装置を用いて、前記キノコ廃菌床を好気性菌の作用によって乾燥させる工程とを有する含水有機物の乾燥方法であって、前記好気性菌の種菌を投入して植え付ける工程では、前記キノコ廃菌床の掻き出し装置から順次排出されてコンベアに乗って順次貯留場所へ移送される間に前記好気性の種菌を投入する(特許文献3参照)ものが提案されている。これによれば、中規模の有機廃棄物を適切に処理できるが、家庭で生じるような少量の有機廃棄物(生ゴミ状の有機物)を処理する場合には適しないものとなっている。
また、含水有機物の乾燥方法として、菌床栽培キノコの収穫が終わった後にキノコの栽培瓶から掻き出されることによって菌糸が切断されて生長力が失われた直後の雑菌の侵入が少ない段階での含水有機物であるキノコ廃菌床に、好気性菌の種菌を投入して植え付ける工程と、前記キノコ廃菌床を好気性菌の作用によって乾燥させる工程とを有し、バイオマス粉末燃料や微生物資材として使用できる乾燥物を製造するための含水有機物の乾燥方法であって、前記好気性菌の種菌を投入して植え付ける工程では、前記キノコ廃菌床の掻き出し装置から順次排出されてコンベアに乗って順次貯留場所へ移送される間に、前記好気性菌の種菌を連続的に投入する(特許文献4参照)ものが提案されている。これによれば、キノコ廃菌床(きのこ廃培地)を、大量に処理する場合には効果的であるが、家庭で生じるような少量の有機廃棄物(生ゴミ状の有機物)を処理する場合には適しないものとなっている。
さらに、上記の有機物の乾燥方法などによって得られる有機物発酵乾燥資材(発酵資材)を利用する物として、きのこの人工栽培における使用済の菌床であるきのこ廃培地を、栽培瓶より掻き出した直後で少なくも雑菌の増殖が始まる前に、該きのこ廃培地にアンモニア臭を発生させないでアミノ酸を生成する発酵を行う有用菌を投入することによって急速に発酵・乾燥させて得られる発酵資材が、きのこ培地の栄養資材の一部として配合されていることを特徴とするきのこ栽培用培地(特許文献5参照)が提案されている。これによれば、きのこ廃培地を原料とする発酵資材が、きのこ栽培用培地として再利用できることが提案されているが、生ゴミを発酵させる発酵乾燥促進材としての利用についての具体的な提案はなされていない。
また、含水有機物の乾燥固形化方法として、粉状や粒状又はそれらの集合物の雑菌に汚染されていない含水有機物に、好気性菌を接種する菌付け工程と、前記含水有機物を、前記好気性菌の繁殖による乾燥作用によって、該好気性菌の生長が鈍化する含水率まで乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程によって水分調整がなされた前記含水有機物を、加圧による成形機によって固形状に成形する成形工程とを有する含水有機物の乾燥固形化方法であって、前記含水有機物がキノコ廃菌床であって、前記菌付け工程が、菌床栽培キノコの収穫が終わった後にキノコの栽培瓶から掻き出されることによって、菌糸が切断されてキノコの生長力が失われた直後の雑菌の侵入が少ない段階で、好気性菌の種菌を投入することで行われることを特徴とする(特許文献6参照)ものが提案されている。
特開2022-60177号公報(第1頁) 特許第5144884号公報(請求項1) 特許第5295754号公報(請求項1) 特許第5730945号公報(請求項1) 特許第5507235号公報(請求項1) 特許第5405774号公報(請求項1)
有機物の発酵乾燥キットに関して解決しようとする問題点は、従来の有機物の発酵乾燥キットでは、生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥を促進させる従来の発酵乾燥促進材が最適ではなく、より優れた発酵乾燥が難しく、悪臭の低減、蠅などの虫の発生防止や処理量の増大を、より効果的に図ることが難しいことにある。
そこで本発明の目的は、生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥をより適切に促進させ、悪臭の低減、虫の発生防止や、処理量の増大を、より効果的に図ることができる有機物の発酵乾燥キットを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で袋状に設けられた発酵乾燥用袋と、該発酵乾燥用袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材とを備える有機物の発酵乾燥キットであって、前記発酵乾燥促進材の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする。
本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で設けられた内袋と、該内袋を収納する袋であって、収納物を出し入れする袋口に開閉手段を備え、通気性のあるシート状の素材で設けられた外袋と、前記内袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材とを備える有機物の発酵乾燥キットであって、前記発酵乾燥促進材の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする。
また、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、前記有用菌が、放線菌と、該放線菌に加えて食用菌である麹菌、納豆菌、酵母菌、乳酸菌のうちの少なくとも一種とを含む複合菌であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、通気性のあるシート状の素材が、不織布であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、前記発酵乾燥促進材として、前記きのこ廃培地の発酵乾燥物に加えて、通気性を高める素材として、乾燥された有機素材や有機素材の炭化物が配合されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットの一形態によれば、前記有機素材が、籾殻であることを特徴とすることができる。
本発明に係る有機物の発酵乾燥キットによれば、生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥をより適切に促進させ、悪臭の低減、虫の発生防止や、処理量の増大を、より効果的に図ることができるという特別有利な効果を奏する。
本発明に係る有機物の発酵乾燥キットの形態例を示す断面端面図である。 図1の形態例のファスナーを閉じた使用状態を示す断面端面図である。
以下、本発明に係る有機物の発酵乾燥キットの形態例を図1に基づいて詳細に説明する。
図1に示した本形態例にかかる有機物の発酵乾燥キットでは、生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で設けられた内袋20と、その内袋20を収納する袋であって、収納物を出し入れする袋口に開閉手段40を備え、通気性のあるシート状の素材で設けられた外袋30と、内袋20内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材50とを備える。
そして、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットでは、発酵乾燥促進材50の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする。なお、本形態例の有用菌は、複合菌であり、好気性の発酵環境で機能できるものになっている
本発明に係る有機物の発酵乾燥キットによれば、生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥をより適切に促進させ、悪臭の低減、虫の発生防止や、処理量の増大を、より効果的に図ることができる。すなわち、きのこ廃培地は、たんぱく質が分解されてアンモニアを発生させる腐敗菌による発酵を防止し、有用菌によって好気性の発酵環境で発酵乾燥を行うと、極めて効率よく、発酵種菌又はボカシ種菌と称される発酵資材(きのこ廃培地の発酵乾燥物)となり、この発酵資材(きのこ廃培地の発酵乾燥物)を利用する本発明に係る有機物の発酵乾燥キットによれば、好気性の発酵環境になるため、生ゴミ状の有機物である水分を含有する有機物の乾燥が進むように発酵を促進させることができ、アンモニア臭を含む不快な悪臭を発生させることなく、虫の発生防止や処理量の増大を実現できる。このように生ゴミ状の有機物を、発酵乾燥させることで、堆肥や土壌改良材に限らず、燃料や飼料などの有機物資材へ適切且つ極めて効率的に変換させることができる。
また、本形態例によれば、前記有用菌が、放線菌と、該放線菌に加えて食用菌である麹菌、納豆菌、酵母菌、乳酸菌のうちの少なくとも一種とを含む複合菌であることで、アンモニアを発生させない発酵乾燥を好適に促進させることができる。すなわち、本発明では、たんぱく質を分解してアンモニアと水を発生させるような腐敗発酵をすることなく、有用菌によって発酵乾燥がなされ、不快な悪臭が発生することを防止できるなどの前述の効果を奏する。
また、本形態例によれば、通気性のあるシート状の素材が、不織布によって構成されていることで、内袋20や外袋30を適切且つ容易に構成できる。なお、この通気性のあるシート状の素材とは、これに限定されるものではなく、紙状や織布状など、袋を形成することができる柔軟性のあるシート状であって、通気性を備えるものであればよい。なお、31は内底材であり、本形態例では段ボールの板状材によって設けられているが、これに限らず、通気性をより積極的に保つことができる台状の部材を用いてもよい。また、外袋30の底面にも通気性が保たれるように、この有機物の発酵乾燥キット全体を浮かすように、通気性のある台座として機能する部材(例えば伏せた状態のかご状の部材)を配置するとよい。さらに、この有機物の発酵乾燥キットを、運搬し易いように、外袋30に持ち手を付けて手提げ袋の形態にするとよい。
また、本形態例によれば、発酵乾燥促進材50として、前記きのこ廃培地の発酵乾燥物に加えて、通気性を高める素材として、乾燥された有機素材や有機素材の炭化物が配合されていることで、カサ比重を低減して通気性を高め、発酵乾燥を促進できる。きのこ廃培地の発酵乾燥物は、水分率が15%程度でカサ比重が0.25程度となり、このきのこ廃培地の発酵乾燥物より軽くてカサ比重が小さい有機素材を用いることで、通気性をより高めることができるが、きのこ廃培地の発酵乾燥物だけでも、遜色のない発酵乾燥が実現できている。
また、本形態例によれば、前記有機素材が、籾殻によって構成されていることで、前記の乾燥された有機素材や有機素材の炭化物を容易且つ安価に得ることができる。特に有機素材の炭化物として籾殻燻炭を用いることで、有用菌の繁殖を促進する効果、及び脱臭効果が得られる共に、入手性が高いため安価に生産できる。また、カサ比重が小さい有機素材としては、入手性が高いバガスを用いることができる。さらに、有用菌を繁殖させるための栄養素として米糠などを混合してもよい。
本発明に係るきのこ廃培地の発酵乾燥物(有用菌によってきのこ廃培地が発酵乾燥された発酵資材)としては、例えば、株式会社森羊土(長野県中野市大字新保877-2)において製造されているキノコーソ(登録商標)を用いることができる。なお、前述の特許文献6に記載されたようなきのこ廃培地の発酵乾燥物をペレット状に成型したものを、発酵乾燥促進材50として用いてもよい。そのペレット状に成型したものは、微細な粉塵状の粒子が少なくなるため、扱い易い利点があり、水分を吸収するなど使用によってほぐれることによって、粉粒状のものと同様に発酵乾燥を促進できる。
なお、この有用菌は低温菌に属すると言えるが、60℃程度に発熱する。このように、有用菌によって発酵熱が生じるため、発酵資材は、その有用菌の発酵自体とそれに伴う発酵熱を利用して自然乾燥によって乾燥される。また、60℃程度に発熱することや、好気性発酵することで、虫の発生を防止することができる。さらに、発酵乾燥促進材50としてキノコーソを用いた場合、冬場で気温や湿分が低下した状況にあっても、前述のように発酵熱を生じ、有機物の発酵乾燥を促進できる。
また、本発明の有用菌を用いた発酵乾燥によれば、生ゴミ状の有機物に係る発酵乾燥の乾燥度は、最終的に放線菌の作用によって、大気中での乾燥度の限界(水分率7%)に近づくまで高まることになる。これによれば、例えば、水分量が多い生ゴミ状の有機物の代表例である家庭で発生する食品廃棄物(生ゴミ)を、極めて多量に処理することができる。すなわち、発酵乾燥による食品廃棄物の減量化によって、例えば発酵乾燥促進材(きのこ廃培地の発酵乾燥物)の重量の10倍程度又は仕様条件によってはそれ以上の食品廃棄物(生ゴミ)を処理することができる。
次に、本発明に係る発酵資材(きのこ廃培地の発酵乾燥物)の特性について説明する。
本発明者(池田久和)は、きのこ廃培地を適切に発酵させることで栄養分が生成される特性を見出した。この特性は、きのこ廃培地の成分である米糠などの栄養資材の残渣及び死滅したきのこ菌糸などが、適切な発酵乾燥処理によって、アンモニアと水を発生する腐敗分解がなされず、複合菌の有用菌が作用して最終的にアミノ酸が生成されることで生じるものと考えられる。
すなわち、例えば、麹菌、納豆菌、酵母や乳酸菌を含む有用菌群は、糖、アミノ酸、たんぱく質や酵素を生成し、例えばきのこの培地として再利用できるように、きのこの生長のための栄養分を作り出すことができる。栄養分析の結果では、発酵資材が使用前の培地と同程度のアミノ酸を有することが明らかになっている。
この発酵資材の製造方法については、前述の特許文献2~4、6などに記載された内容が、本発明者(池田久和)によって既に提案されている。これらの発酵資材の製造方法は、有用菌によって急速に発酵・乾燥することで、雑菌を寄せ付けない発酵方法になっている。つまり、きのこ廃培地を、きのこ栽培瓶から掻き出した直後で少なくも雑菌の増殖が始まる前に、有用菌を投入することで良好な発酵をさせることができる。また、この製造方法は、発酵熱を利用した乾燥であり、加温しない大気中での自然乾燥を基本としている。従って、冬でも好適に発酵できる。発酵自体の生分解作用と発酵熱を利用する乾燥方法となっているため、その乾燥処理コストが低く、発酵資材を安価に提供できる。但し、加温することで、発酵を促進させることができるのは勿論である。
次に、本発明にかかる有機物の発酵乾燥キットを用い、家庭の生ゴミ状の有機物(生ゴミ10)を処理する際の使用方法について説明する。先ず、図1に示すように、外袋30の内底に内底材31を敷き、その内底材31の上に置かれるように内袋20を外袋30内に収納すると共に、内袋20内に発酵乾燥促進材50収納する。発酵乾燥促進材50は、内袋20の内容積の例えば4分の1~2分の1程度を占める量とするとよい。そして、例えば、発酵乾燥促進材50の重量の多くて日量で5分の1程度の生ゴミ10を投入し、主に発酵乾燥促進材50の上層部の部分と混ぜ合わせる。つまり、投入された生ゴミ10に含まれる水分や油分(分解によって生じる水分なども含む)の液体が外部へ垂れて洩れ出ないように吸収しつつ発酵乾燥が行われるように、十分な量の発酵乾燥促進材50が内袋20の内底から十分な厚みとなるように収納された状態に配されると共に、その発酵乾燥促進材50によって適切に受けられることが可能な程度の量の生ゴミ10を投入する。
以上のように生ゴミ10を投入したら、主に虫除けのため、図2に示すように外袋30の開閉手段40を必ず閉じる。この開閉手段40としては、ファスナーを用いることができる。そして、この生ゴミ10の投入を何日も継続的或いは断続的に繰り返す。先に投入されたものは順次発酵乾燥されるため、例えば、2ヶ月程度又はそれ以上の長期に亘って生ゴミ10を投入できる。この生ゴミ10の投入の際には、投入された生ゴミ10を、発酵乾燥促進材50及び先に発酵乾燥がされた生ゴミ10と、スコップ(移植ごて)などで掻き混ぜるようにする。なお、生ゴミ10を投入しない日でも、一日に一回程度は、収納されている生ゴミ10及び発酵乾燥促進材50を掻き混ぜる(切り返しをする)とよい。また、生ゴミの投入量が少ない場合や水分を多く含まないものを投入した場合は、乾燥が進み過ぎるため、その場合は適宜に水を加えれば良い。なお、本発明は、家庭の生ゴミに限定されるものではなく、袋を大型化すれば、業務用にも対応できるのは勿論である。
以上の形態例では、内袋20と外袋30とによる二重袋の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、内袋20を設けず、生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で袋状に設けられた発酵乾燥用袋と、その発酵乾燥用袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材50とを備える有機物の発酵乾燥キットであって、前記発酵乾燥促進材50の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物である場合には、適切に管理することで、前記形態例で得られるものと同等の発酵乾燥による有機物資材を得ることができる。
つまり、内袋20を設けない場合でも、発酵乾燥用袋が厚手に設けられる場合だけでなく、薄手の袋であっても投入された生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないで且つ適切な通気性を備えるものであれば、前述と同様の効果を得ることができる。
さらに、通気性を適宜に保って生ゴミ状の有機物を収納するものとして、外袋30や内袋20に替えて、段ボール箱などの通気性のある収納手段を利用することも可能である。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 生ゴミ
20 内袋
30 外袋
31 内底材
40 開閉手段
50 発酵乾燥促進材

Claims (6)

  1. 生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で袋状に設けられた発酵乾燥用袋と、
    該発酵乾燥用袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材とを備える有機物の発酵乾燥キットであって、
    前記発酵乾燥促進材の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする有機物の発酵乾燥キット。
  2. 生ゴミ状の有機物を収納して発酵乾燥させるように、通気性のあるシート状の素材で設けられた内袋と、
    該内袋を収納する袋であって、収納物を出し入れする袋口に開閉手段を備え、通気性のあるシート状の素材で設けられた外袋と、
    前記内袋内に予め収納され、投入された前記生ゴミ状の有機物を水分や油分の液体が外部へ洩れ出ないように受けて発酵乾燥を促進させることができる発酵乾燥促進材とを備える有機物の発酵乾燥キットであって、
    前記発酵乾燥促進材の少なくとも一部が、きのこ廃培地を、アンモニアを発生させることなくアミノ酸の含有量を高めるように発酵させると共に乾燥させる有用菌によって、発酵乾燥させることで得られるきのこ廃培地の発酵乾燥物であることを特徴とする有機物の発酵乾燥キット。
  3. 前記有用菌が、放線菌と、該放線菌に加えて食用菌である麹菌、納豆菌、酵母菌、乳酸菌のうちの少なくとも一種とを含む複合菌であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機物の発酵乾燥キット。
  4. 通気性のあるシート状の素材が、不織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機物の発酵乾燥キット。
  5. 前記発酵乾燥促進材として、前記きのこ廃培地の発酵乾燥物に加えて、通気性を高める素材として、乾燥された有機素材や有機素材の炭化物が配合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の有機物の発酵乾燥キット。
  6. 前記有機素材が、籾殻であることを特徴とする請求項4記載の有機物の発酵乾燥キット。
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