JP2024006640A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】推力検出センサの検出精度を低下させることなく、摩擦パッドの軸方向に沿う全体の長さを短縮できる電動ブレーキ装置を提供する。【解決手段】電動ブレーキ装置としてのディスクブレーキ1Aは、電動モータ50と、電動モータ50が設けられたキャリパ本体30と、電動モータ50の駆動により、ディスクロータDの軸方向に直動してインナブレーキパッド2を移動させるナット部材135と、ナット部材135と螺合し、キャリパ本体30に対する相対回転が規制され、ディスクロータDの軸方向に沿って延びるセンターボルト95と、センターボルト95のインナブレーキパッド2側とは反対側の軸方向端部に設けられ、ディスクロータDからの反力を検出する推力検出センサ215と、を備えている。そして、推力検出センサ215の検出精度を低下させず、インナブレーキパッド2の軸方向に沿う全体の長さを短縮できる。【選択図】図5

Description

本発明は、電動ブレーキ装置に関するものである。
特許文献1には、ピストンと、モータと該モータの回転を直線運動に変換してピストンに伝達するボールランプ機構とをキャリパ本体に内装してなるキャリパを備え、モータの回転に応じてボールランプ機構を作動させてピストンを推進し、ブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生する電動ブレーキ装置が開示されている。特許文献1に記載の電動ブレーキ装置に採用されたボールランプ機構は、回転体の内側にスプライン結合された回動部材である第1ディスクと、この第1ディスクに複数のボールを介して配置された直動部材である第2ディスクと、を備えている。また、キャリパ本体のハウジングの底板部には、ピストンに発生する推力を検出する推力検出センサが配設されており、この推力検出センサは、ロードセルからなり、これは、ボールランプ機構を構成する第1ディスクから回転体、スラスト軸受 、受座を介して、キャリパ本体のハウジングの底板部に突当てられている。
特開2006-105170号公報
上述したように、特許文献1に記載の推力検出センサは、ボールランプ機構を構成する第1ディスクから回転体、スラスト軸受、受座を介して、キャリパ本体のハウジングの底板部に突当てられているので、電動ブレーキ装置が摩擦パッドの軸方向に沿って長くなる虞があり、車両への搭載性が悪化する。
そして、本発明の目的の一つは、推力検出センサの検出精度を低下させることなく、摩擦パッドの軸方向に沿う全体の長さを短縮できる電動ブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明に係る電動ブレーキ装置は、電動モータと、該電動モータが設けられたキャリパ本体と、前記電動モータの駆動により、ディスクの軸方向に沿って直動して摩擦パッドを移動させる第1部材と、該第1部材と螺合し、かつ前記キャリパ本体に対する相対回転が規制され、前記ディスクの軸方向に沿って延びる第2部材と、該第2部材の軸方向両端部のうち前記摩擦パッド側とは反対の端部に設けられ、前記ディスクへの押圧力に対する反力を検出する推力検出センサと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、推力検出センサの検出精度を低下させることなく、摩擦パッドの軸方向に沿う全体の長さを短縮することができる。
第1実施形態に係るディスクブレーキの斜視図。 第1実施形態に係るディスクブレーキの断面図。 図2のA部拡大図。 図2のB部拡大図。 図2のC部拡大図。 第1実施形態に係るディスクブレーキに採用したモータギヤハウジングの断面。 第2実施形態に係るディスクブレーキの断面図。 図7のD部拡大図。
以下、本実施形態を図1~図8に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1及び第2実施形態に係るディスクブレーキ1A、1Bは、通常走行時、電動モータ50の駆動によって制動力を発生させる電動ブレーキ装置である。なお、以下の説明において、車両内側(インナ側)を一端側(ハウジングカバー92側)と称し、車両外側(アウタ側)を他端側(ディスクロータD側)と称して、適宜説明する。
まず、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aを、図1~図6に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aは、車両の回転部に取り付けられたディスクロータDを挟んで軸方向両側に配置された、摩擦パッドである一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4と、が設けられている。本ディスクブレーキ1Aは、キャリパ浮動型として構成されている。一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4とは、車両のナックル等の非回転部に固定されたキャリア5に、該キャリア5に対してディスクロータDの軸方向へ移動可能に支持されている。
図1を参照して、キャリア5は、スライドピン10A、10Bがそれぞれ支持される一対のピン支持部12A、12Bと、一対のピン支持部12A、12Bに一体的に接続され、インナ及びアウタブレーキパッド2、3をそれぞれ独立して支持するインナ側及びアウタ側支持部14、15と、を備えている。一対のピン支持部12A、12Bは、ディスクロータDの回転方向に沿って間隔を置いて配置され、共にディスクロータDの軸方向に沿ってそれぞれ延びている。各ピン支持部12A、12Bは、略円柱状に形成される。各ピン支持部12A、12のインナ側端面からスライドピン10A、10Bが一端側に向かって一体的に延びている。ピン支持部12A、12Bのインナ側にインナ側支持部14が一体的に接続される。各ピン支持部12A、12Bの、インナ側支持部14からディスクロータDの軸方向に沿ってアウタ側に間隔を置いてアウタ側支持部15が一体的に接続される。
インナ側支持部14は、各ピン支持部12A、12Bから略直交する方向にそれぞれ延びる一対のインナ側腕部20、20(図1では1箇所しか図示されていない)と、該一対のインナ側腕部20、20の端部を連結するインナ側ビーム部21と、から構成される。インナブレーキパッド2は、一対のインナ側腕部20、20の内側にディスクロータDの軸方向に沿って移動自在に支持される。インナ側ビーム部21のディスクロータDの回転方向両端には、ディスクロータDの軸方向に沿って貫通する貫通孔22、22がそれぞれ形成される(図1では1箇所しか図示されていない)。
キャリア5は、インナ側支持部14(インナ側ビーム部21)に設けた各貫通孔22、22を介して車両の非回転部分に取り付けられる。アウタ側支持部15は、各ピン支持部12A、12Bから略直交する方向に延びる一対のアウタ側腕部23、23と、該一対のアウタ側腕部23、23の端部を連結するアウタ側ビーム部24と、から構成される。アウタブレーキパッド3は、一対のアウタ側腕部23、23の内側にディスクロータDの軸方向に沿って移動自在に支持される。
図1及び図2を参照して、キャリパ4は、キャリパ4の主体であるキャリパ本体30と、駆動機構31と、を備えている。キャリパ本体30には、車両内側のインナブレーキパッド2に対向する基端側に配置され、該インナブレーキパッド2に対向して開口する筒状のシリンダ部34と、シリンダ部34からディスクロータDを跨いでアウタ側へ延び、アウタ側のアウタブレーキパッド3に対向する先端側に配置される一対の爪部35、35と、シリンダ部34から径方向外方に延びる一対のキャリパ腕部36A、36Bと、が一体的に形成される。
図2を参照して、シリンダ部34のシリンダボア内には、ピストン40が軸方向に沿って移動可能に支持されている。制動時には、駆動機構31からの駆動力がピストン40に伝達されて、該ピストン40がディスクロータDに向かって前進してインナブレーキパッド2を押圧する。一方、制動解除時においても、駆動機構31からの駆動力がピストン40に伝達されて、ピストン40がインナブレーキパッド2から後退するようになる。
なお、シリンダ部34のシリンダボアには、その他端側の内周面にシール部材37が配置されている。ピストン40は、このシール部材37に接触した状態で軸方向に沿って移動自在にシリンダボアに収容される。ピストン40の底部側の外周面と、大径となっているシリンダボアの他端側の内周面との間にダストブーツ38が介装されている。これらシール部材37及びダストブーツ38により、シリンダ部34のシリンダボア内への異物の侵入を防ぐようにしている。図1を参照して、一対のキャリパ腕部36A,36Bのうち、一方のキャリパ腕部36Aの先端には、インナ側に向かって有底円筒状のボス部42が一体的に突設される。該ボス部42は、ディスクロータDの軸方向に沿って延びている。ボス部42内に一方のスライドピン10Aが軸方向に沿って摺動自在に挿通される。
また、一対のキャリパ腕部36A、36Bのうち、他方のキャリパ腕部36Bの先端には、ディスクロータDの軸方向に貫通する貫通孔44が形成される。他方のスライドピン10Bは、六角頭部を有する六角ボルトにて構成される。そして、スライドピン10Bである六角ボルトが、他方のキャリパ腕部36Bの貫通孔44に挿通されつつ、他方のピン支持部12Bのインナ側端面に螺合される。他方のキャリパ腕部36Bの貫通孔44周辺のインナ側端面と、他方のスライドピン10B(六角ボルト)の六角頭部との間には、軸方向に沿う隙間が設けられ、この隙間を覆うように伸縮自在な蛇腹部を有するピンブーツ45が設けられている。
そして、一対のスライドピン10A、10Bにより、キャリパ本体30をキャリア5に対してディスクロータD(車輪)の軸方向に沿って摺動自在に支持することができる。なお、一対の爪部35、35は、シリンダ部34内のピストン40を避けるように設けられているが、本実施形態では、ピストン40と後述する推力付与機構52とは一端側からシリンダ部34内に組み付ける構成であるので、図2に示す通り一体的に形成しても良い。
図2を参照して、駆動機構31は、電動モータ50と、電動モータ50からの回転トルクを増力する減速機構51と、当該減速機構51からの回転運動を直線運動に変換してピストン40に推力を付与する推力付与機構52と、が備えられている。電動モータ50は、その本体部53の軸方向がキャリパ本体30のシリンダ部34の長手方向と略平行になるように配置されている。電動モータ50は、その本体部53が後述するモータギヤハウジング75の第1収容室78に収容される。減速機構51は、モータギヤハウジング75の第2収容室79に収容される。
図1を参照して、電動モータ50の本体部53は、一方のキャリパ腕部36Aに設けたボス部42に対して軸方向に沿う延長線上に配置される。電動モータ50の本体部53は、その径方向に沿ってシリンダ部34と並ぶように配置されている。図2を参照して、電動モータ50の本体部53は、複数の締結部材56により、モータギヤハウジング75の第1収容室78に固定される。電動モータ50の回転軸54は、一端側、すなわちインナ及びアウタブレーキパッド2、3とは反対側に延び、モータギヤハウジング75の第2収容室79に至る。回転軸54の先端には、回転角検出手段58を構成するリング状の磁石部材59が取り付けられている。
図2を参照して、回転角検出手段58は、電動モータ50の回転軸54の回転角度を検出するものである。回転角検出手段58は、前記磁石部材59と、磁気検出ICチップ(図示略)と、を備えている。磁気検出ICチップは、回転軸54の先端面と対向する位置に配置された制御基板230に電気的に接続される。詳しくは、磁気検出ICチップは、制御基板230の他端面に取り付けられている。磁気検出ICチップは、磁石部材59から発生する磁界の変化を検出するものである。そして、電動モータ50の回転軸54の回転に伴って回転する磁石部材59からの磁束の変化を磁気検出ICチップにより検出することで、制御基板230により、電動モータ50の回転軸54の回転角度を演算して検出する。また、電動モータ50の本体部53から一端側に端子部55が延びている。当該端子部55は制御基板230に電気的に接続される。制御基板230からの指令に基づいて、電動モータ50に給電される。
図2及び図3に参照して、減速機構51は、多段多軸歯車減速機構で構成される。歯車の形式は、平歯車またははすば歯車である。減速機構51は、電動モータ50の回転軸54に固定されるピニオンギヤ62と、該ピニオンギヤ62に噛み合う第1減速歯車63と、当該第1減速歯車63に噛み合う第2減速歯車64と、を備えている。ピニオンギヤ62は、電動モータ50の回転軸54に圧入固定される。第1減速歯車63は、第1シャフト66により回転自在に支持される。第1シャフト66は、モータギヤハウジング75とインナプレート76との間に固定される。第1減速歯車63は、一端側に配置される小歯車69と、該小歯車69と同心状に一体的に接続され、他端側に配置される大歯車70と、を備えている。そして、第1減速歯車63の大歯車70が、ピニオンギヤ62に噛み合っている。第1減速歯車63は、モータギヤハウジング75とインナプレート76との間に配置され、その軸方向の移動が規制される。
第2減速歯車64は、第2シャフト67により回転自在に支持される。第2シャフト67は、モータギヤハウジング75とインナプレート76との間に固定される。第2減速歯車64は、一端側に配置される大歯車72と、該大歯車72と同心状に一体的に接続され、他端側に配置される小歯車73と、を備えている。そして、第2減速歯車64の大歯車72が、第1減速歯車63の小歯車69に噛み合っている。第2減速歯車64の小歯車73が、後述のギヤプレート94に噛み合っている。第2減速歯車64は、モータギヤハウジング75とインナプレート76との間に配置され、その軸方向の移動が規制される。なお、本実施形態では、減速機構51を多段多軸歯車減速機構として構成したが、摩擦伝動車、ベルト及びプーリ、チェーン及びスプロケットなど、他の公知の減速機構を採用してもよい。
図2及び図6を参照して、モータギヤハウジング75は、後述する推力付与機構52からの反力(一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力)を後述する推力検出センサ215を介して受けるべく、例えば、鋳鉄やアルミダイキャスト等の金属製で構成される。モータギヤハウジング75は、シリンダ部34にボルト(図示略)等により連結される。モータギヤハウジング75は、第1収容室78と、第2収容室79と、第3収容室80と、を備えている。第1収容室78と第2収容室79とは、電動モータ50の回転軸54の軸方向に沿って並んで配置される。第1収容室78には、電動モータ50の本体部53が収容される。第1収容室78の他端側は開放される。第1収容室78の他端側開口は、シール部材87を介して、モータカバー部材86により気密的に閉塞される。
第2収容室79は、第1収容室78よりも一端側に配置される。第2収容室79には、減速機構51が収容され、インナプレート76が適宜位置に配置される。インナプレート76の第2収容室79に対する相対位置は、第1シャフト66の配置と、第2シャフト67の配置と、第2収容室79の底面とにより決定される。第3収容室80は、第1及び第2収容室78、79に対して、電動モータ50の回転軸54(本体部53)の径方向に沿って並ぶように配置される。図4も参照して、第3収容室には、後述する、推力検出センサ215、センターボルト95の一部、ベアリングプレート100及びギヤプレート94等が収容される。第3収容室80は、一端側から他端側に向かって、第3小径収容室83、第3中間径収容室84、第3大径収容室85の順で配置されて構成される。
第3小径収容室83の一端面は開放される。第3小径収容室83には、推力検出センサ215の本体部217が収容される。第3小径収容室83と第3中間径収容室84との間の段差部82に推力検出センサ215の環状鍔部218が当接される。第3中間径収容室84には、後述するベアリングプレート100が収容される。第3中間径収容室84の内周面には係止凹部88が形成される。ベアリングプレート100の外周面から突出する係止凸部109が第3中間径収容室84の係止凹部88に係合することで、ベアリングプレート100のモータギヤハウジング75に対する相対回転が規制される。第3大径収容室85の他端面は開放される。第3大径収容室85の一端寄りには、後述するギヤプレート94が収容される。第3大径収容室85の他端側内部にシール部材90を介してシリンダ部34が固定される。図2を参照して、モータギヤハウジング75の一端側開口は、シール部材91を介して、ハウジングカバー92により気密的に閉塞される。その結果、モータギヤハウジング75内は気密的に閉塞される。
図4及び図5を参照して、推力付与機構52は、ギヤプレート94と、センターボルト95と、滑りねじ係合部96と、ローラねじ機構97と、を備えている。ギヤプレート94は、第1スラストベアリング99の一構成である。第1スラストベアリング99は、ベアリングプレート100と、ギヤプレート94と、複数個のスラストボール101と、リテーナ102と、を備えている。ベアリングプレート100は、円環状に形成される。ベアリングプレート100には、径方向中心に、センターボルト95が挿通される小径孔105及び大径孔106が形成される。大径孔106が一端側に、小径孔105が他端側に形成される。大径孔106の内周面と小径孔105の内周面との間に環状の段差部107が形成される。ベアリングプレート100の外周面には、径方向外方に突出される係止凸部109が形成される。そして、上述したように、ベアリングプレート100の係止凸部109が、モータギヤハウジング75の第3中間径収容室84の係止凹部88に係合することで、ベアリングプレート100のモータギヤハウジング75に対する相対回転が規制される。ベアリングプレート100の他端面には、複数のスラストボール101が転動する環状の軌道輪111が形成される。
減速機構51の第2減速歯車64の小歯車73がギヤプレート94に噛み合っている。当該ギヤプレート94に、電動モータ50の回転軸54からの回転が減速機構51を介して伝達される。ギヤプレート94は円環状に形成される。ギヤプレート94には、センターボルト95が挿通される挿通孔113が形成される。ギヤプレート94の他端面には、環状凹部114が形成される。ギヤプレート94の一端面には、複数のスラストボール101が転動する環状の軌道輪115が形成される。そして、ベアリングプレート100の軌道輪111と、ギヤプレート94の軌道輪115との間に複数のスラストボール101が転動自在に配置される。リテーナ102は、各スラストボール101の周方向の位置を規制するものである。その結果、複数のスラストボール101は、リテーナ102によって、周方向へ一定の間隔をあけて保持される。ギヤプレート94には、その環状凹部114の底面から他端側に向かってピン118が突設される。
センターボルト95が第2部材に相当する。センターボルト95は、シリンダ部34内からモータギヤハウジング75の第3収容室80の第3中間径収容室84内に至る。図2を参照して、電動モータ50の本体部53と、センターボルト95とは、該センターボルト95の径方向から見て互いに重なるように配置される。図4及び図5を参照して、センターボルト95は、一端側から他端側に向かって、大径軸部121、中間径軸部122、小径軸部123、雄ねじ部124の順で一体的に接続されて構成される。センターボルト95の大径軸部121が、ベアリングプレート100の大径孔106に収容される。センターボルト95の中間径軸部122が、ベアリングプレート100小径孔105に収容される。センターボルト95の大径軸部121と中間径軸部122との間に環状鍔部126が形成される。この環状鍔部126が、ベアリングプレート100の大径孔106と小径孔105との間の段差部107に当接される。その結果、ベアリングプレート100のセンターボルト95に対する一端側への相対移動が規制される。
センターボルト95の中間径軸部122と、ベアリングプレート100の小径孔105とは、スプラインやセレーション等の係合、あるいは圧入固定される。その結果、センターボルト95とベアリングプレート100とは、径方向に沿う相対移動が規制されると共に、互いの相対回転が規制される。そして、ベアリングプレート100のモータギヤハウジング75に対する相対回転が規制されるので、センターボルト95のモータギヤハウジング75に対する相対回転も規制される。センターボルト95の小径軸部123と、ギヤプレート94の挿通孔113との間には、ラジアルベアリング128が配置される。その結果、ギヤプレート94は、センターボルト95に対して回転自在に支持される。
シリンダ部34の一端面には、ワッシャ130が配置される。当該ワッシャ130とギヤプレート94の他端面との間にはスプリング131が配置される。このスプリング131の付勢力により、ギヤプレート94をシリンダ部34に対して一端側に付勢して、第1スラストベアリング99、センターボルト95の大径軸部121及び推力検出センサ215の間の離間を抑制している。また、このスプリング131の付勢力により、センターボルト95は、第1スラストベアリング99を介して、モータギヤハウジング75に固定された推力検出センサ215に向かって付勢される。そして、上述のように、モータギヤハウジング75はシリンダ部34に固定されているために、その結果として、センターボルト95は、推力検出センサ215に向かって付勢されつつ、キャリパ本体30に対して相対回転不能に支持される。ワッシャ130の内周面には、径方向内側に突出する係合凸部133が形成される。このワッシャ130の係合凸部133は、後述するローラねじ機構97のローラナット部材137に設けた係合溝部205に係合される。その結果、ワッシャ130は、ローラナット部材137に対して軸方向に沿う移動は許容されるが、相対回転は規制される。
滑りねじ係合部96は、センターボルト95の雄ねじ部124と、後述するナット部材135の雌ねじ部143との間の螺合部で構成される。この滑りねじ係合部96により、ナット部材135がアプライ方向またはリリース方向へ回転されると、ナット部材135がセンターボルト95に対して相対回転、及び軸方向へ相対移動自在となる。なお、滑りねじ係合部96は、逆効率が0より大きく設定されている。その結果、ナット部材135に作用する軸方向への推力によって、当該ナット部材135を回転させながら進退させることが可能になる。ギヤプレート94よりも他端側でセンターボルト95の雄ねじ部124の周りにローラねじ機構97が配置される。
図4及び図5を参照して、ローラねじ機構97は、ナット部材135と、複数のプラネタリローラ136と、ローラナット部材137と、を備えている。ナット部材135が第1部材に相当する。ナット部材135は、センターボルト95の雄ねじ部124の周りに配置される。ナット部材135は、円筒状本体部140と、該円筒状本体部140の他端側に一体的に接続される円錐台状部141と、を備えている。ナット部材135の円筒状本体部140の一端寄り内周面に雌ねじ部143が形成される。その結果、上述したように、センターボルト95の雄ねじ部124と、ナット部材135の雌ねじ部143との間に滑りねじ係合部96が形成される。ナット部材135の円筒状本体部140の一端側外周面には、軸方向に沿って円環状溝部145が所定ピッチで形成される。当該各円環状溝部145が、各プラネタリローラ136の外周面に設けられた各円環状山部178に係合される。
ナット部材135の円錐台状部141は、その外周面が他端側に向かって拡径されて構成される。第2スラストベアリング147は、ナット部材135の円錐台状部141と、複数のスラストボール148と、プッシュプレート149と、リテーナ150と、を備えている。ナット部材135の円錐台状部141の他端面には、複数のスラストボール148が転動する環状の軌道輪152が形成される。円錐台状部141には、雌ねじ部143よりも大径のホルダ嵌合孔154が形成される。当該ホルダ嵌合孔154の内周面には、環状の係止溝部156が形成される。円錐台状部141の他端面と対向するように、プッシュプレート149が配置される。プッシュプレート149は、センターボルト95の雄ねじ部124が挿通される挿通孔158を有する円環状に形成される。
プッシュプレート149の挿通孔158の内径は、ナット部材135のホルダ嵌合孔154の内径に略一致する。プッシュプレート149の他端面には、その挿通孔158周辺に係止凹部160が形成される。プッシュプレート149の外周面とピストン40の内周面との間には、抜け防止のための止め輪162が配置される。プッシュプレート149の一端面には、複数のスラストボール148が転動する環状の軌道輪164が形成される。そして、複数のスラストボール148が、プッシュプレート149の軌道輪164とナット部材135の軌道輪152との間に転動自在に配置される。リテーナ150は、各スラストボール148の周方向の位置を規制するものである。その結果、複数のスラストボール148は、リテーナ150によって、周方向へ一定の間隔をあけて保持される。
プッシュプレート149の挿通孔158の内周面からナット部材135(円錐台状部141)のホルダ嵌合孔154内に亘って、ベアリングホルダ168が挿通される。ベアリングホルダ168は、円筒状に形成される。ベアリングホルダ168の他端外周面には、径方向外方に突設される環状係止部170が形成される。ベアリングホルダ168は、その外周部に弾性片172が周方向に沿って所定間隔をあけて複数設けられている。各弾性片172は、ベアリングホルダ168の外周壁を切り込んで形成される。各弾性片172は、その外周壁から径方向内側に没入するように弾性変形するものである。各弾性片172の先端には、係止爪部174が径方向外方に向かって突設される。
係止爪部174は、弾性片172が弾性変形することにより、ベアリングホルダ168の外周面から径方向に沿って出没可能となる。そして、ベアリングホルダ168は、その環状係止部170が、プッシュプレート149の係止凹部160に係合されると共に、各弾性片172の係止爪部174が、ナット部材135の円錐台状部141の係止溝部156に内側から係合される。その結果、ベアリングホルダ168により、プッシュプレート149を、リテーナ150を含むスラストボール148と共にナット部材135の円錐台状部141の他端に一体的に保持することができる。
ナット部材135の円筒状本体部140の外周には、周方向に沿って間隔を置いて複数のプラネタリローラ136が係合される。プラネタリローラ136には、その外周面に軸方向に沿って所定ピッチで円環状山部178が形成される。プラネタリローラ136の各円環状山部178が、ナット部材135(円筒状本体部140)の外周面に設けた各円環状溝部145に係合される。これにより、ナット部材135と各プラネタリローラ136とは、互いの軸方向への相対移動が規制される。これらプラネタリローラ136は、ローラ保持ユニット180によって保持される。
ローラ保持ユニット180は、隣接するプラネタリローラ136を互いに干渉しないように保持する保持機能と、各プラネタリローラ136に対して、一端側及び他端側に向かう軸方向荷重(接触圧、摩擦力)を付与する与圧機能と、を有するものである。言い換えれば、ローラ保持ユニット180は、ナット部材135の円筒状本体部140の外周面に係合される各プラネタリローラ136を、カバー部材182及び圧縮コイルバネ184と共にローラケージ186に一体化して保持するものである。
ローラ保持ユニット180は、ナット部材135の周りに該ナット部材135と共に回転自在で、且つナット部材135と共に軸方向に移動自在に支持される。ローラケージ186は、全体として円筒状に形成される。ローラケージ186の周壁部には、各プラネタリローラ136を収容するローラ収容孔190が周方向に沿って間隔をあけて複数形成される。各ローラ収容孔190は、軸方向に長い平面視略矩形状に形成される。各ローラ収容孔190の周方向の長さ(幅長)は、プラネタリローラ136を収容できる寸法であり、プラネタリローラ136の外径と略一致する。各ローラ収容孔190の軸方向の長さは、プラネタリローラ136の長さより若干大きくなる。
ローラケージ186の径方向外側にカバー部材182が配置される。カバー部材182は、円筒状のカバー本体部193と、該カバー本体部193から他端側に突設される複数のバネ受支持部194と、を備えている。カバー本体部193は、その軸方向の長さがローラケージ186の軸方向の長さと略一致する。カバー本体部193の周壁部には、各プラネタリローラ136が挿入されるローラ挿入孔196が周方向に沿って間隔を開けて複数形成される。各ローラ挿入孔196は、ローラケージ186に設けた各ローラ収容孔190に対応して形成される。各ローラ挿入孔196は、軸方向に長い平面視略矩形状に形成される。各ローラ挿入孔196の周方向の長さ(幅長)は、ローラケージ186に設けた各ローラ収容孔190の周方向の長さ(幅長)より若干大きい。各ローラ挿入孔196の軸方向の長さは、プラネタリローラ136の長さより若干大きくなる。
バネ受支持部194は、カバー本体部193の他端面から他端側に向けて複数突設される。これらバネ受支持部194は、周方向に間隔を置いて複数突設される。各バネ受支持部194の先端(他端)には、内方に突設するバネ受け部195が形成される。ローラケージ186の他端側で、カバー部材182の各バネ受支持部194内に、圧縮コイルバネ184が配置される。圧縮コイルバネ184の一端は、ローラケージ186の他端面に当接されると共に、その他端はカバー部材182の各バネ受支持部194のバネ受け部195に当接される。
なお、ローラケージ186とカバー部材182とは、互いに相対回転不能に連結される。このとき、カバー部材182の各ローラ挿入孔196と、ローラケージ186の各ローラ収容孔190とが対向するように圧縮コイルバネ184を圧縮させて、圧縮コイルバネ184の一端をローラケージ186の他端面に当接させる。また、対向する、カバー部材182の各ローラ挿入孔196及びローラケージ186の各ローラ収容孔190内にプラネタリローラ136がそれぞれ収容されて、各プラネタリローラ136の各円環状山部178が、ナット部材135の各円環状溝部145に係合される。
そして、カバー部材182の各ローラ挿入孔196と、ローラケージ186の各ローラ収容孔190との間の微妙な配置のズレや、これらの大きさの違いにより、複数のプラネタリローラ136のうち半数のプラネタリローラ136の各円環状山部178と、ナット部材135の各円環状溝部145との係合部においては、圧縮コイルバネ184の付勢力により、一端側に向かう荷重(接触圧、摩擦力)が付与される一方、残り半数のプラネタリローラ136の各円環状山部178と、ナット部材135の各円環状溝部145との係合部においては、圧縮コイルバネ184の付勢力により、他端側に向かう軸方向荷重(接触圧、摩擦力)が付与される与圧機能として作用する。
ローラナット部材137は、一端側に開口される大径ローラナット部200と、他端側に開口される小径ローラナット部201とが一体的に接続されて構成される。大径ローラナット部200の一端面には、係合凹部203が形成される。大径ローラナット部200には、軸方向中間位置から他端側に向かって延びる係合溝部205が形成される。この大形ローラナット部200の係合溝部205にワッシャ130の係合凸部133が係合されて、互いの相対回転が規制される。そして、大径ローラナット部200の一端部は、ギヤプレート94の環状凹部114内に配置される。大径ローラナット部200の一端面が環状凹部114の底面に当接される。大径ローラナット部200の外周面が環状凹部114の内周面に当接される。また、大径ローラナット部200の係合凹部203にギヤプレート94のピン118が係合する。
その結果、ローラナット部材137と、ギヤプレート94とは互いの相対回転が規制される。大径ローラナット部200の一端外周面と、ギヤプレート94の環状凹部114の内周面との間には止め輪207が介装される。この止め輪207が、ローラナット部材137のギヤプレート94の環状凹部114への組み付け後の抜け止めとして機能する。また、大径ローラナット部200の他端外周面にも止め輪209が設けれている。この止め輪209により、推力付与機構52にワッシャ130及びスプリング131を加えた構成で、サブアッセンブリ化することができ、シリンダ部34への組付性が向上する。
図5を参照して、ローラナット部材137の内周面には、雌ねじ部212が形成される。この雌ねじ部212は、ローラナット部材137の軸方向略全域に亘って設けられている。このローラナット部材137の雌ねじ部212が、各プラネタリローラ136の各円環状山部178と係合される(噛み合わされる)。ローラナット部材137の雌ねじ部212とプラネタリローラ136の各円環状山部178とは、雌ねじ部212のピッチと各円環状山部178のピッチ(軸方向間隔)とが同一で、かつ雌ねじ部212の条数をプラネタリローラ136の数量の整数倍に設定することにより、相互に噛み合わされる。
図4を参照して、推力検出センサ215は、ピストン40からインナ及びアウタブレーキパッド2、3への推力(押圧力)に対する反力を検出するものである。推力検出センサ215は、中実形状のロードセルにて構成される。推力検出センサ215は、円柱状の本体部217と、該本体部217の他端に一体的に設けられ、径方向外方に突設される環状鍔部218と、を備えている。環状鍔部218の他端面は球面状に形成される。本体部217の軸方向に沿う長さは、モータギヤハウジング75(第3収容室80)の第3小径収容室83の軸方向に沿う長さと略同じであり、本体部217は、モータギヤハウジング75(第3収容室80)の第3小径収容室83全域に亘って収容される。
推力検出センサ215の環状鍔部218は、モータギヤハウジング75(第3収容室80)第3小径収容室83と第3中間径収容室84との間の段差部82に当接される。環状鍔部218は、図示しない締結部材により、モータギヤハウジング75に固定される。推力検出センサ215の環状鍔部218の他端面(球面状)が、センターボルト95の大径軸部121の一端面に、センターボルト95の中心軸上にて点当たりしている。このように、推力検出センサ215は、受座など、ピストン40からインナ及びアウタブレーキパッド2、3への推力(押圧力)に対する反力を伝達するための部材を介さず,推力付与機構52のセンターボルト95と直接当接するため、本ディスクブレーキ1Aの軸長(ディスクロータDの軸方向に沿う長さ)を短縮でき,車両搭載性を向上させることができる。推力検出センサ215から一端側へ延びる端子部222の先端は、制御基板230と電気的に接続される。
推力検出センサ215から延びる端子部222には可歪部223が設けれる。なお、ピストン40からインナ及びアウタブレーキパッド2、3への推力(押圧力)に対する反力によって,モータギヤハウジング75の推力検出センサ215を収容する第3収容室80が一端側へ微小変位する(たわむ)。しかしながら、端子部222の可歪部223により,推力検出センサ215と制御基板230との間の軸方向変位を吸収し、端子部222の先端と制御基板230との接続部に発生する応力を抑え,折損を防ぐようにしている。
図2を参照して、電動モータ50は、端子部55により制御基板230に電気的に接続されており、制御基板230からの指令により電動モータ50の駆動が制御される。該制御基板230は、第2収容室79と第3収容室80とを跨ぐように、第2収容室79と第3収容室80よりも一端側で、ハウジングカバー92に近接して配置される。制御基板230は、締結部材231によりインナプレート76に固定される。制御基板230は,コネクタ233の一端側に設けられた端子部234と電気的に接続される。制御基板230には、車両側からの電力供給と、制動指令等の通信とに用いるハーネス(図示なし)がコネクタ233を介して気密的に接続される。コネクタ233は、モータギヤハウジング75に対し、シール部材235を介して、気密的に固定される。なお、図1では、コネクタ233の図示を省略している。
要するに、制動指令等の通信として、制御基板230には、図示しないブレーキペダルのストロークを検知するストロークセンサ等の運転者の要求を検出する検出センサや、運転者が要求することなく、ブレーキが必要な様々な状況を検出する種々の検出センサが、ハーネス及びコネクタ233を介して電気的に接続される。制御基板230は、回転角検出手段58の磁気検出ICチップと電気的に接続される。制御基板230は、推力検出センサ215と電気的に接続される。そして、通常走行における制動時には、当該制御基板230により、運転者の要求に対応した検出センサやブレーキが必要な様々な状況を検出する種々の検出センサ等からの検出信号、回転角検出手段58の磁気検出ICチップからの検出信号、及び推力検出センサ215からの検出信号等に基づき、電動モータ50の駆動を制御する。
次に、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aの作用、特に、本ディスクブレーキ1Aによって制動する際の作用を説明する。
通常走行における制動時には、運転者の要求に対応した検出センサやブレーキが必要な様々な状況を検出する検出センサからの検出信号などが、ハーネス及びコネクタ233を介して制御基板230に入力される。また、制御基板230には、電動モータ50の回転軸54の回転角度を検出する回転角検出手段58からの検出信号、及びインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの推力(押圧力に対する反力)を検出する推力検出センサ215からの検出信号などが入力される。さらにまた、図示しない電源装置から、ハーネス及びコネクタ233を経由し、制御基板230を介して電動モータ50に給電される。
制御基板230では、これらの検出信号に基づいて、駆動機構31を作動させる。すなわち、車両側からの制動指令に基づき、また制御基板230からの給電により電動モータ50が回転駆動される。電動モータ50が回転駆動されて、その正方向、すなわち制動方向の回転が、減速機構51を介してギヤプレート94に伝達される。このように、電動モータ50からの回転が、減速機構51を経由することで所定の減速比で減速、増力されてギヤプレート94に伝達される。
次に、ギヤプレート94の回転に伴って、ローラナット部材137が回転する。ローラナット部材137に伝達された回転トルクは、各プラネタリローラ136の各円環状山部178とローラナット部材137の各雌ねじ部212との係合部(噛み合い部)を介して、各プラネタリローラ136へ伝達される。各プラネタリローラに伝達された回転トルクは、プラネタリローラ136の各円環状山部178とナット部材135の各円環状溝部145との係合部を介して、ナット部材135へ伝達される。
ナット部材135に伝達された回転トルクは、ナット部材135の雌ねじ部143とセンターボルト95の雄ねじ部124との滑りねじ係合部96を介して、センターボルト95へ伝達される。ところで、センターボルト95は、シリンダ部34(キャリパ本体30)に対して相対回転不能に支持されているために、ナット部材135が回転しながら他端側に移動する。このとき、各プラネタリローラ136は、自身の回転軸を中心に自転しながらローラナット部材137の軸線を中心にアプライ方向へ公転しつつ、ナット部材135と共に他端側に移動する。なお、各プラネタリローラ136を含むローラ保持ユニット180も、ナット部材135と共に他端側に移動する。
そして、ナット部材135の他端側へ移動に伴って、複数のスラストボール148を介してプッシュプレート149がピストン40の底部に押し付けられる。そして、ピストン40は、シール部材37を弾性変形させながら、非制動時の原位置から他端側へ移動し、インナブレーキパッド2をディスクロータDに押し付ける。これと略同時に、キャリパ4は、ピストン40によるインナブレーキパッド2への押圧力に対する反力によって、キャリア5に対して一端側へ移動し、爪部35、35に当接されたアウタブレーキパッド3がディスクロータDに押し付けられる。その結果、ディスクロータDが一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3によって挟み付けられて摩擦力が発生して、車両の制動力が発生する。
そこで、制動の際の、ピストン40の移動による一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力は、プッシュプレート149→各スラストボール148→ナット部材135→滑りねじ係合部96→センターボルト95の順で推力検出センサ215に付与される一方、プッシュプレート149→各スラストボール148→ナット部材135→各プラネタリローラ136→ローラナット部材137→ギヤプレート94→各スラストボール101→ベアリングプレート100→センターボルト95の大径軸部121の順で推力検出センサ215に付与される。そして、推力検出センサ215による検出結果が制御基板230に伝達され、当該制御基板230では、推力検出センサ215による検出結果が目標値に到達するように、電動モータ50への給電を制御する。
以上説明したように、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aは、電動モータ50の駆動により、ディスクロータDの軸方向に直動してインナブレーキパッド2を移動させるナット部材135(第1部材)と、該ナット部材135と螺合し、かつキャリパ本体30に対する相対回転が規制され、ディスクロータDの軸方向に沿って延びるセンターボルト95(第2部材)と、該センターボルト95の軸方向両端部のうちインナブレーキパッド2側とは反対の端部に設けられ、ディスクロータDへの押圧力を検出する推力検出センサ215と、を備えている。
これにより、ナット部材135(ピストン40)の他端側への移動による一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力が付与されるセンターボルト95の軸方向一端部が、推力検出センサ215に直接当接するので、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aにおける、ディスクロータDの軸方向に沿う長さを短縮することができる。
なお、従来技術によれば,動力伝達部品の外周に推力検出センサをレイアウトできるよう,中空形状のセンターホール型ロードセルを用いるのが一般的である。しかしながら、このセンサ形状における短所は,荷重を受ける部位が「点」ではなく「面」(あるいは「複数の点」)となることである。一般的に電動ブレーキ装置(ディスクブレーキ)は、ブリッジや爪部が推力によって傾くため,ディスクロータDの位置によって付与される荷重が異なる。その傾向として,ディスクロータDの外周側は荷重が高く、反対に車軸中心側は荷重が低くなる。このような荷重分布の偏りを補正し、精度良く推力を計測するためには,推力検出センサの円周方向に検出部を複数(例えば3箇所)設けなければならず,コスト面で不利となっていた。
要するに、従来技術では,一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力の動力伝達経路上にある部品,例えばキャリパ本体30に形成される爪部35等の形状寸法誤差や弾性変形によって,推力付与機構52内に付与される荷重分布が不均一(偏荷重)となりやすい。このような事情に鑑みて、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、推力検出センサ215を中実状のロードセルにて構成して、推力検出センサ215の環状鍔部218における球面状の他端面が、センターボルト95の大径軸部121の一端面に、センターボルト95の中心軸上にて点当たりするように構成される。その結果、推力検出センサ215では、上述の偏荷重の影響を抑えつつ、精度良く反力(推力)を検出することができる。しかも、推力の検出精度を上げるための高剛性化(厚肉化)や、構成部品の高精度化が不要となり、前述の軸長短縮だけでなく,小形軽量化、低コスト化も可能となる。
また、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、推力検出センサ215と制御基板230とを電気的に接続する端子部222に可歪部223を設けることで,一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力によって生ずる推力検出センサ215と制御基板230との間の軸方向に沿う変位を吸収し,端子部222の先端と制御基板230との接続部の折損を防ぐことができる。
さらに、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、推力付与機構52に、センターボルト95の雄ねじ部124とナット部材135の雌ねじ部143との間の滑りねじ係合部96、及びローラねじ機構97を併用しているので,回転直動変換機構としてのリード(ギヤプレート94が1回転したときのプッシュプレート149の進み量)を小さくすることができる。その結果,減速機構51に求められる減速比及び出力トルクが緩和され、減速機構51を小形軽量化することができる。
さらにまた、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力を、センターボルト95の雄ねじ部124とナット部材135の雌ねじ部143との間の滑りねじ係合部96、及びローラねじ機構97で分担することができるので、それぞれへの負荷を低減することができ,この点からも大型化を抑制でき、耐久性を向上させることができる。
さらにまた、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、センターボルト95は、推力検出センサ215に付勢されつつ、キャリパ本体30に対して相対回転不能に支持されているので、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力(推力)を精度良く検出することができる。
さらにまた、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aでは、電動モータ50と、センターボルト95とは、該センターボルト95の径方向から見て互いに重なるように配置され、電動モータ50の回転軸54は、一端側、すなわちインナプレーキパッド2とは反対側に延出している。これにより、さらに、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aをコンパクトにすることができ、車両搭載性を向上させることができる。
次に、第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bを図7及び図8に基づいて説明する。第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bを説明する際には、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aとの相違点のみを説明する。
第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bでは、推力付与機構52として、ギヤプレート94と、センターボルト95と、ボールねじ係合部301と、を備えている。第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bでは、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aに採用されたベアリングプレート100に代わって支持プレート300が配置される。支持プレート300は、円環状に形成される。支持プレート300には、径方向中心に、センターボルト95が挿通される小径孔303及び大径孔304が形成される。大径孔304が一端側に、小径孔303が他端側に形成される。
大径孔304の内周面と小径孔303の内周面との間に環状の段差部307が形成される。この段差部307にセンターボルト95の大径軸部121と中間径軸部122との間の環状鍔部126が当接される。支持プレート300の外周面には、径方向外方に突出される係止凸部308が形成される。そして、支持プレート300の係止凸部308が、モータギヤハウジング75の第3中間径収容室84の係止凹部88に係合することで、支持プレート300のモータギヤハウジング75に対する相対回転が規制される。
モータギヤハウジング75の第3収容室80の第3中間径収容室84内にて、その他端寄りに止め輪310が固定されている。当該止め輪310と支持プレート300との間にスプリング311が介装される。当該スプリング311により、支持プレート300を介してセンターボルト95を一端側、言い換えれば、推力検出センサ215に向かって付勢している。なお、本実施形態では、当該スプリング311はウェーブワッシャにて構成されているが,コイルスプリング等,他の公知の付勢手段を用いても良い。
センターボルト95の中間径軸部123の外周面には、ギヤプレート94を軸方向両方から挟む位置に一対の止め輪314、314がそれぞれ配置されている。これにより、ギヤプレート94はセンターボルト95に対して軸方向に沿う移動が規制される。ギヤプレート94の他端側で、ナット部材135の周りに円筒状の回転伝達部材316が配置される。回転伝達部材316の一端面には、係合凹部318が形成される。回転伝達部材316の他端内周面には、内方に突出する係合凸部319が形成される。係合凸部319は周方向に間隔を置いて複数形成される。
そして、回転伝達部材316の一端部は、ギヤプレート94の環状凹部114内に配置される。回転伝達部材316の一端面が環状凹部114の底面に当接される。回転伝達部材316の外周面が環状凹部114の内周面に当接される。回転伝達部材316の係合凹部318内にギヤプレート94からのピン118が係合される。その結果、回転伝達部材316と、ギヤプレート94とはその互いの相対回転が規制される。回転伝達部材316の一端外周面と、ギヤプレート94の環状凹部114の内周面との間には止め輪321が介装される。この止め輪321が、回転伝達部材316の、ギヤプレート94の環状凹部114への組み付け後の抜け止めとして機能する。
センターボルト95は、一端側から他端側に向かって、大径軸部121、中間径軸部122、小径軸部123、ボールねじ軸部325の順で一体的に接続されて構成される。ボールねじ軸部325には、その外周面に、ボール329が転動する螺旋状溝部327が軸方向略全域に形成される。回転伝達部材316の内側であって、その他端から突出するようにナット部材135が配置される。ナット部材135は、円筒状本体部140と、該円筒状本体部140の他端側に一体的に接続される円錐台状部141と、を備えている。ナット部材135の円筒状本体部140の内周面には、センターボルト95の螺旋状溝部327と対向する位置にボール329が転動する螺旋状溝部328が形成される。ナット部材135の円筒状本体部140の外周面には、軸方向に延びるスリット溝部335が周方向に間隔を置いて複数形成される。
そして、ナット部材135の円筒状本体部140の螺旋状溝部328と、センターボルト95の螺旋状溝部327とが複数のボール329、329を介して係合され、ボールねじ係合部301が構成される。なお、ナット部材135とセンターボルト95とは,ローラを転動体とするローラねじ機構や,ボールを用いない送りねじ機構など,他の公知の回転直動変換機構を用いても良い。回転伝達部材316の他端に設けた各係合凸部319が、ナット部材135の円筒状本体部140に設けた各スリット溝部335にそれぞれ係合される。その結果、回転伝達部材316とナット部材135とは互いの相対回転が規制される。
なお、第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bにおいて、ナット部材135の円錐台状部141から他端側の構造は、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aと同様の構造であるので、ここでの説明を省略する。
次に、第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bの作用、特に、本ディスクブレーキ1Bによって制動する際の作用を説明する。
制御基板230からの指令により電動モータ50が回転駆動される。電動モータ50の回転駆動に伴って、その正方向、すなわち制動方向の回転が、減速機構51を介してギヤプレート94に伝達される。ギヤプレート94の回転に伴って、回転伝達部材316が回転する。当該回転伝達部材316の回転に伴って、ナット部材135が回転する。ナット部材135に伝達された回転トルクは、ナット部材135とセンターボルト95との間のボールねじ係合部301、すなわち、ナット部材135の螺旋状溝部328とセンターボルト95の螺旋状溝部327との間の複数のボール329を介して、センターボルト95へ伝達される。ところで、センターボルト95は、シリンダ部34に対して相対回転不能に支持されているために、ナット部材135が回転しながら他端側に移動する。
そして、ナット部材135の他端側へ移動に伴って、ピストン40がインナブレーキパッド2をディスクロータDに押し付けると共に、キャリパ4の爪部35、35に当接されたアウタブレーキパッド3がディスクロータDに押し付けられる。その結果、ディスクロータDが一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3によって挟み付けられて摩擦力が発生して、車両の制動力が発生する。
そこで、制動の際の、ピストン40の移動による一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力に対する反力は、プッシュプレート149→各スラストボール148→ナット部材135→ボールねじ係合部301→センターボルト95の順で推力検出センサ215に付与される。そして、推力検出センサ215による検出結果が制御基板230に伝達され、当該制御基板230では、推力検出センサ215により検出結果が目標値に到達するように、電動モータ50への給電を制御する。
以上説明した、第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bにおいても、上述した第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aと同様の作用効果を奏することができる。また、第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bでは、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aに採用したローラねじ機構97を採用していないので、第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aに比べて、部品点数を削減することができ,製造コストの低減を図ることができる。
1A、1B ディスクブレーキ(電動ブレーキ装置),2 インナブレーキパッド(摩擦パッド),3 アウタブレーキパッド(摩擦パッド),30 キャリパ本体,50 電動モータ,95 センターボルト(第2部材),135 ナット部材(第1部材),215 推力検出センサ,D ディスクロータ(ディスク)

Claims (5)

  1. 電動モータと、
    該電動モータが設けられたキャリパ本体と、
    前記電動モータの駆動により、ディスクの軸方向に沿って直動して摩擦パッドを移動させる第1部材と、
    該第1部材と螺合し、かつ前記キャリパ本体に対する相対回転が規制され、前記ディスクの軸方向に沿って延びる第2部材と、
    該第2部材の軸方向両端部のうち前記摩擦パッド側とは反対の端部に設けられ、前記ディスクへの押圧力に対する反力を検出する推力検出センサと、
    を備える、電動ブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の電動ブレーキ装置であって、
    前記推力検出センサは、ロードセルからなり、前記第2部材の軸方向両端部のうち前記摩擦パッド側とは反対側の端面に当接して設けられている、電動ブレーキ装置。
  3. 請求項2に記載の電動ブレーキ装置であって、
    前記推力検出センサは、中実形状のロードセルからなる、電動ブレーキ装置。
  4. 請求項2に記載の電動ブレーキ装置であって、
    前記第2部材は、前記推力検出センサに向かって付勢されつつ、前記キャリパ本体に対して相対回転不能に支持される、電動ブレーキ装置。
  5. 請求項1に記載の電動ブレーキ装置であって、
    前記電動モータと、前記第2部材とは、前記第2部材の径方向から見て互いに重なるように配置され、
    前記電動モータの回転軸は、前記摩擦パッドとは反対側に延出している、電動ブレーキ装置。
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