JP2024006490A - 自動車用合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】二重像現象による不快感を抑制することができる、ウインドシールドを提供する。
【解決手段】本発明は、車内に取り付けられたヘッドアップディスプレイ装置からの映像光が傾斜方向から入射されるように構成された、ウインドシールドであって、車内側に配置される内側ガラス板と、前記内側ガラス板と対向して配置され、車外側に配置される外側ガラス板と、前記外側ガラス板と内側ガラス板とを接着する中間膜と、を備え、前記中間膜は、前記映像光を反射可能な反射面を有する反射フィルムを備え、前記反射面で反射された前記映像光の輝度が大きくなるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用合わせガラスに関する。
従来より、車両のウインドシールドに映像光を照射することで、車速等の情報を投影するヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)が提案されている。このHUD装置を用いると、運転者は、スピードメータなどの車内の計器の代わりに、ウインドシールドに投影された情報を見ることで車速を確認できるため、運転中に前方への視線を大きく動かす必要がない。したがって、運転時の安全性を向上できるという利点がある。
特開2007-223883号公報
HUD装置を用いる場合、ウインドシールドの中間膜に映像光を反射可能な反射フィルムを配置し、映像光の視認性を向上するという試みがなされている。しかしながら、図6に示すように、ウインドシールド1に照射された映像光は、反射フィルム135で反射することにより視認される主像Aと、ウインドシールド1の車内側の面で反射することにより視認される副像Bを生成するため、これら2つの像A,Bがずれて見え、映像光が見えづらくなる二重像現象が生じるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、二重像現象による不快感を抑制することができる、ウインドシールドを提供することを目的とする。
項1.車内に取り付けられたヘッドアップディスプレイ装置からの可視光を含む映像光が傾斜方向から入射されるように構成された、ウインドシールドであって、
車内側に配置される内側ガラス板と、
前記内側ガラス板と対向して配置され、車外側に配置される外側ガラス板と、
前記外側ガラス板と内側ガラス板とを接着する中間膜と、
を備え、
前記中間膜は、前記映像光を反射可能な反射面を有する反射フィルムを備え、
前記反射面で反射された前記映像光の輝度が大きくなるように構成されている、
ウインドシールド。
項2.前記内側ガラス板の可視光透過率が、前記外側ガラス板の可視光透過率よりも大きく、項1に記載のウインドシールド。
項3.前記内側ガラス板の厚みが、前記外側ガラス板の厚みよりも小さい、項1または2に記載のウインドシールド。
項4.前記内側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、前記外側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄よりも小さい、項1から3のいずれかに記載のウインドシールド。
項5.前記内側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、0.6wt%よりも小さい、項4に記載のウインドシールド。
項6.前記外側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、0.3wt%よりも大きい、項4に記載のウインドシールド。
項7.前記内側ガラス板の車内側の面に、低反射層が配置されている、項1から6のいずれかに記載のウインドシールド。
項8.前記中間膜は、
前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
をさらに備え、
前記第1接着層および第2接着層に紫外線吸収剤または/および赤外線吸収剤を少なくとも一方を含み、
前記第2接着層における添加量よりも第1接着層における添加量が多い、
項1から7のいずれかに記載のウインドシールド。
項9.前記中間膜は、
前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
をさらに備え、
前記第1接着層に紫外線吸収剤または/および赤外線吸収剤を少なくとも一方を含み、第2接着層に紫外線吸収剤および赤外線吸収剤を含まない、
項1から8のいずかれに記載のウインドシールド。
項10.前記反射フィルムよりも車外側に配置される赤外線反射層をさらに備えている、
項1から9のいずれかに記載のウインドシールド。
項11.前記赤外線反射層は前記外側ガラス板に設けられる、
項10記載のウインドシールド。
項12.前記中間膜は、
前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
をさらに備え、
前記赤外線反射フィルムは、前記第1接着層内に配置されている、
項10に記載のウインドシールド
項13.前記赤外線反射層は多積層より構成されている、
項10記載のウインドシールド
本発明によれば、二重像現象による不快感を抑制することができる。
本発明に係る自動車用合わせガラスをウインドシールドに適用した一実施形態を示す平面図である。 図1の断面図である。 第1態様の中間膜を示す断面図である。 第2態様の中間膜を示す断面図である。 車載システムのブロック図の例である。 HUD装置による二重像を説明する図である。 実施例及び比較例に係るウインドシールドの組成及び物性を示す表である。 実施例1及び比較例1における反射光の写真、及びその階調値を示すグラフである。
以下、本発明のウインドシールドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1はウインドシールドの平面図、図2は図1の断面図である。なお、説明の便宜のため、図1の上下方向を「上下」、「垂直」、「縦」と、図1の左右方向を「左右」と称することとする。図1は、車内側から見たウインドシールドを例示している。すなわち、図1の紙面奥側が車外側であり、図1の紙面手前側が車内側である。
図1及び図2に示すように、このウインドシールドは、略矩形状の合わせガラス10を備えており、傾斜状態で車体に設置されている。そして、この合わせガラス10の車内側を向く内面には、車外からの視野を遮蔽するマスク層110が積層されている。また、このマスク層110には、車外の状況を撮影するためのカメラが内蔵された撮影装置2がブラケット(図示省略)を介して取り付けられている。マスク層110には撮影装置2と対応する位置に撮影窓113が設けられ、この撮影窓113を介して、撮影装置2は、車外の状況を撮影可能となっている。
撮影装置2には画像処理装置3が接続されており、撮影装置2により取得された撮影画像はこの画像処理装置3で処理される。撮影装置2及び画像処理装置3は車載システム5を構成しており、この車載システム5は、画像処理装置3の処理に応じて様々な情報を乗車者に提供することができる。
さらに、車内には、ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置という)500が設けられている。このHUD装置500は、ウインドシールドに、車速等の情報を投射するために、車速、その他の文字、図形などの映像光を照射するものである。以下、各構成要素について説明する。
<1.合わせガラス>
<1-1.ガラス板>
まず、外側ガラス板11及び内側ガラス板12から説明する。外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラス、グリーンガラス、ダークグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11、12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70~73質量%
Al23:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.08~0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT-Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65~80質量%
Al23:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
23:0~5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.02~0.03質量%
(グリーンガラス)
SiO2:65~80質量%
Al23:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
23:0~5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.4~0.6質量%
(ダークグリーンガラス)
SiO2:65~80質量%
Al23:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
23:0~5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.7~1.3質量%
各ガラス板11,12においては、可視光透過率を調整することもできる。そのためには、例えば、Fe23の含有量を調整することで、ガラス板11,12に着色を行い、これによって、可視光透過率を調整することができる。例えば、Fe23の含有量が多くなると、緑色に着色され、上述したグリーンガラス、またはダークグリーンガラスとなる。一方、Fe23の含有量が少ないと、上述したクリアガラスとなる。
本実施形態に係る合わせガラス10の厚みは特には限定されないが、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、例として2.1~6mmとすることができ、軽量化の観点からは、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、2.4~3.8mmとすることが好ましく、2.6~3.4mmとすることがさらに好ましく、2.7~3.2mmとすることが特に好ましい。
外側ガラス板11は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、自動車のウインドシールドとしては、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板11の厚みは1.8~2.3mmとすることが好ましく、1.9~2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板12の厚みは、外側ガラス板11と同等にすることができるが、例えば、合わせガラス10の軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6~2.0mmであることが好ましく、0.8~1.6mmであることが好ましく、1.0~1.4mmであることが特に好ましい。更には、0.8~1.3mmであることが好ましい。各ガラス板11,12の厚みをいずれにするか、後述する。
また、この合わせガラス10は、後に詳述するように車外側に凸となるように湾曲しているが、その場合の厚みの測定位置は、合わせガラス10の左右方向の中央を上下方向に延びる中央線(後述する曲線OP)の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM-112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面に合わせガラス10の湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージで合わせガラス1の端部を挟持して測定する。
<1-2.中間膜>
本実施形態において、中間膜13は種々の態様で形成することができる。以下、2つの態様について説明する。
<1-2-1.第1態様>
図3に示すように、第1態様の中間膜13は、外側ガラス板11に接着される透明の第1接着層131と、内側ガラス板12に接着される透明の第2接着層132と、これら両接着層131,132の間に配置される反射フィルム135と、を備えている。
第1接着層131及び第2接着層132は、融着により各ガラス板11,12に接着されるものであれば、特には限定されないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)などによって形成することができる。一般に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。
各ガラス板11,12への接着前の第1接着層131及び第2接着層132には、反射フィルム135と接着する際、あるいは各ガラス板11,12と接着する際に、空気を容易に押し出すために、その表面にエンボス加工を行うことがある。
第1接着層131及び第2接着層132の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.001~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.0mmであることがさらに好ましい。但し、両接着層131,132の厚みは同じであっても、相違していてもよい。
また、両接着層131,132の厚みの合計は、0.76mm以上であることが好ましい。これは、ウインドシールドにおいて、例えば、JIS R3211,R3212で規定するような耐貫通性能等を確保するためである。
反射フィルム135は、車内側を向く面が反射面を構成し、HUD装置からウインドシールドに向かって照射される映像光を車内側に反射し、反射像の視認性を向上可能なフィルムであれば特に限定されない。本実施形態で用いられる反射フィルム135としては、例えば、ホログラムフィルム、散乱反射系の透明スクリーン、散乱透過系の透明スクリーン、散乱反射系の調光フィルム、散乱透過系の調光フィルム、HUD向け増反射フィルム、P偏光反射フィルム等を挙げることができる。また、この中間膜は、反射フィルム135の反射面は、内側ガラス板12の車内側の面と概ね平行となるように構成されている。この点は、次に説明する第2態様でも同じである。
<1-2-2.第2態様>
図4に示すように、第2態様の中間膜13は、第1態様の第1接着層131の代わりに、遮音層133が配置されている。遮音層133は、軟質のコア層136を、これよりも硬質の一対のアウター層137,138で挟持した3層で構成することができる。但し、この構成に限定されるものではなく、コア層136と、外側ガラス板11側に配置される少なくとも1つのアウター層とを有する複数層で形成されていればよい。
コア層136はアウター層137,138よりも軟質であるかぎり、その硬さは特には限定されない。各層136~138を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、ヤング率を基準として材料を選択することができる。具体的には、コア層136のヤング率は、周波数100Hz,温度20度において、1~20MPaであることが好ましく、1~18MPaであることがさらに好ましく、1~14MPaであることが特に好ましい。このような範囲にすると、概ね3500Hz以下の低周波数域で、音響透過損失(STL)が低下するのを防止することができる。一方、アウター層137,138のヤング率は、高周波域における遮音性能の向上のために、大きいことが好ましく、周波数100Hz,温度20度において560MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、880MPa以上、または1300MPa以上とすることができる。アウター層522のヤング率の上限は特には限定されないが、例えば、加工性の観点から設定することができる。例えば、1750MPa以上となると、加工性、特に切断が困難になることが経験的に知られている。
具体的な材料としては、アウター層137,138は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、外側ガラス板11との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層136は、例えば、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
コア層136の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層137,138の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.0mmであることがさらに好ましい。
なお、第1態様及び第2態様のいずれの場合でも、反射フィルム135の大きさはガラス板11,12と同じでもよいが、ガラス板11,12よりも小さく形成することもできる。例えば、反射フィルム135の縁部が、ガラス板11,12の縁部よりも10~20mm内側に位置するように形成することができる。この場合、後述するオートクレーブにより、第1接着層131(または遮音層133、以下同じ)と第2接着層132の周縁部同士が接着して一体化するため、この周縁部においては、第1接着層131と第2接着層132とを識別できない可能性がある。このような場合であっても、周縁部以外では、反射フィルム135よりも外側ガラス板11側に第1接着層131が配置され、反射フィルムよりも内側ガラス板12側に第2接着層132が配置されることには変わりがない。
また、両ガラス板11,12のガラス板210とガラス板220との間に、後述する本実施形態の効果を損なわない範囲で、中間膜13のほかに、あるいは中間膜13の内部に、赤外線反射、発光、発電、調光、可視光反射、散乱、加 飾、吸収、電熱等の機能を持つフィルムやデバイスを有していてもよい。また、少なくとも一方のガラス板11,12の表面に防曇、撥水、遮熱、低反射等の機能を有する膜を配置してもよい。
<1-2-3.第3態様>
第1態様の中間膜13に、赤外線反射層を設けることができる。赤外線反射層は、反射フィルム135よりも車外側に配置することができる。例えば、反射フィルム135と第1接着層131の間、第1接着層131と外側ガラス板11との間、第1接着層131内、あるいは外側ガラス板11の車外側の面の少なくとも一箇所に配置することができる。赤外線反射層を第1接着層131内に配置する場合には、例えば、第1接着層131を複数層により構成し、隣接するいずれかの層に間に赤外線反射層を配置することができる。赤外線反射層は、熱線を反射するフィルムであれば特に限定されない。例えばPETなどの基材となる樹脂フィルム上に、酸化物層と金属層(Ag、酸化物積層)とを交互に積層することにより多積層の赤外線反射層を形成することができる。但し、赤外線反射層を一層で形成することもできる。なお、樹脂フィルムと接していない主面上には、例えば保護層などの別の機能を有する層が形成されていてもよい。
可視光透過率を上げるべく、内側ガラス板12の板厚を薄くする、あるいは内側ガラス板12のFe23量を少なくすると、ウインドシールド全体の赤外線透過率が高くなってしまう。このため赤外線の透過を抑えるべく上記の構成をとることは技術的意義がある。
<1-2-4.第4態様>
第1態様の第1接着層131及び第2接着層132のうち、少なくとも第1接着層131に、赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方が含有されている。
中間膜13においては、遮熱性を付与するため、第1接着層131に、例えば、熱線カット機能を有する酸化物微粒子を含有することができる。酸化物微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等が好適に用いられる。これら酸化物微粒子の含有量は、第1接着層131を構成するポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、0.13~3.0重量部が好ましい。含有量が0.13重量部未満では、赤外線カット効果が出にくくなることがあり、逆に、3.0重量部を超えると、可視光線の透過性が低下することがある。
このように、第2接着層132に至る赤外線の量を低減できる結果、第2接着層132の劣化を抑えることができ、中間膜13全体での耐光性が高くなる。このため、高い可視光線透過率を長期間に渡り維持できる。さらに、例えば、第2接着層132が遮熱粒子などの遮熱性化合物を含む場合には、遮熱性化合物の劣化も抑制でき、高い遮熱性を長期間に渡り維持することができる。
また、反射フィルム135に紫外線が当たると短時間に著しく変色するなどの劣化が発生するが、この理由は、反射フィルム135に含まれる樹脂組成物を構成する原子の一部が紫外線などのエネルギにより解離し、解離した原子が分子化したものが、その原因の一つであると考えられる。そこで、中間膜13は、紫外線遮蔽材料を含むことが好ましい。紫外線遮蔽材料としては、白金粒子、パラジウム粒子、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾフェノン構造を有する化合物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムが挙げられる。
中間膜13には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着力調整剤、界面活性剤、着色剤等の、合わせガラス用中間膜に一般的に用いられている各種の添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていてもよい。
紫外線吸収剤は、特に限定されず、例えば、チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チヌビン328」等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。上記紫外線吸収剤の添加量は、各接着層131,132中、通常、0.01~2質量%程度であり、0.1~1質量%であることが好ましい。
なお、紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤は、第1接着層131のみに含有させることができる。あるいは、両接着層131,132に含有させることができるが、第1接着層131の含有量を第2接着層132の含有量よりも大きくすることができる。
可視光透過率を上げるべく、内側ガラス板12の板厚を薄くする、あるいは内側ガラス板12のFe23量を少なくすると、ウインドシールド全体の赤外線透過率、紫外線透過率が高くなってしまう。このため紫外線および赤外線の透過を抑えるべく上記の構成をとることは技術的意義がある。また、紫外線を透過させないことによりP偏光反射フィルムをはじめとする反射フィルムの劣化を抑制することができる。
<2.マスク層>
次に、マスク層110について説明する。図1及び図2に例示されるように、本実施形態では、マスク層110は、合わせガラス10の車内側の内面(内側ガラス板12の内面)130に積層され、合わせガラス10の周縁部に沿って形成されている。具体的には、図1に示すように、このマスク層110は、合わせガラス10の周縁部に沿う周縁領域111と、合わせガラス10の上辺部から下方に矩形状に突出した突出領域112とに分けることができる。周縁領域111は、ウインドシールドの周縁部からの光の入射を遮蔽する。また、反射フィルム135が、ガラス板11,12よりも小さい場合には、その周縁部分を周縁領域111によって隠すことができる。これにより、反射フィルム135が配置されていない領域から車内に入る太陽光などによって運転者が眩しさを感じるのを低減することができる。一方、突出領域112は、車内に配置される撮影装置2を車外から見えないようにする。
但し、撮影装置2の撮影範囲をマスク層110が遮蔽してしまうと、撮影装置2によって車外前方の状況を撮影することができなくなってしまう。そのため、本実施形態では、マスク層110の突出領域112に、撮影装置2が車外の状況を撮影可能なように、当該撮影装置2に対応する位置に矩形状の撮影窓113が設けられている。
マスク層110は、上記のように、内側ガラス板12の内面に積層する以外に、例えば、外側ガラス板11の内面、内側ガラス板12の外面に積層することもできる。また、外側ガラス板11の内面と内側ガラス板12の内面の2箇所に積層することもできる。
次に、マスク層110の材料について説明する。このマスク層110の材料は、車外からの視野を遮蔽可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されても良く、例えば、黒色、茶色、灰色、濃紺等の濃色のセラミックを用いてもよい。
マスク層110の材料に黒色のセラミックが選択された場合、例えば、内側ガラス板12の内面130上の周縁部にスクリーン印刷等で黒色のセラミックを積層し、内側ガラス板12と共に積層したセラミックを加熱する。これによって、内側ガラス板12の周縁部にマスク層110を形成することができる。また、黒色のセラミックを印刷する際に、黒色のセラミックを部分的に印刷しない領域を設ける。これによって、撮影窓113を形成することができる。なお、マスク層110に利用するセラミックは、種々の材料を利用することができる。例えば、以下の表1に示す組成のセラミックをマスク層110に利用することができる。
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
<3.車載システム>
次に、図5を参照しつつ、撮影装置2及び画像処理装置3を備える車載システム5について説明する。図5は、車載システム5の構成を例示する。図5に示すように、本実施形態に係る車載システム5は、上記撮影装置2と、当該撮影装置2に接続される画像処理装置3と、を備えている。
画像処理装置3は、撮影装置2により取得された撮影画像を処理する装置である。この画像処理装置3は、例えば、ハードウェア構成として、バスで接続される、記憶部31、制御部32、入出力部33等の一般的なハードウェアを有している。ただし、画像処理装置3のハードウェア構成はこのような例に限定されなくてよく、画像処理装置3の具体的なハードウェア構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の追加、省略及び追加が可能である。
記憶部31は、制御部32で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部31は、例えば、ハードディスクによって実現されてもよいし、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。また、記憶部31が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から取得されてもよい。更に、記憶部31は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
上記のとおり、合わせガラス10は、垂直方向に対して傾斜姿勢で配置され、かつ、湾曲している。そして、撮影装置2は、そのような合わせガラス10を介して車外の状況を撮影する。そのため、撮影装置2により取得される撮影画像は、合わせガラス10の姿勢、形状、屈折率、光学的欠陥等に応じて、変形している。また、撮影装置2のカメラレンズに固有の収差も加わる。そこで、記憶部31には、このような合わせガラス10およびカメラレンズの収差によって変形した画像を補正するための補正データが記憶されていてもよい。
制御部32は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。ROM、RAM等は、制御部32内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼ばれてもよい。制御部32は、記憶部31に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、画像処理部321として機能する。
画像処理部321は、撮影装置2により取得される撮影画像を処理する。撮影画像の処理は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、画像処理部321は、パターンマッチング等によって当該撮影画像を解析することで、撮影画像に写る被写体の認識を行ってもよい。本実施形態では、撮影装置2は車両前方の状況を撮影するため、画像処理部321は、更に、当該被写体認識に基づいて、車両前方に人間等の生物が写っていないかどうかを判定してもよい。そして、車両前方に人物が写っている場合には、画像処理部321は、所定の方法で警告メッセージを出力してもよい。また、例えば、画像処理部321は、所定の加工処理を撮影画像に施してもよい。そして、画像処理部321は、画像処理装置3に接続されるディスプレイ等の表示装置(不図示)に当該加工した撮影画像を出力してもよい。
入出力部33は、画像処理装置3の外部に存在する装置とデータの送受信を行うための1又は複数のインタフェースである。入出力部33は、例えば、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースである。なお、本実施形態では、画像処理装置3は、当該入出力部33を介して、撮影装置2と接続し、当該撮影装置2により撮影された撮影画像を取得する。
このような画像処理装置3は、提供されるサービス専用に設計された装置の他、PC(Personal Computer)、タブレット端末等の汎用の装置が用いられてもよい。
また、上記情報取得装置は、図示を省略するブラケットに取り付けられ、このブラケットが、マスク層110に取り付けられる。したがって、この状態で、情報取得装置のカメラの光軸が撮影窓113を通過するように、情報取得装置のブラケットへの取付、及びブラケットのマスク層への取付を調整する。また、ブラケットには撮影装置2を覆うように、図示を省略するカバーが取り付けられる。したがって、撮影装置2は、合わせガラス10、ブラケット、及びカバーで囲まれた空間内に配置され、車内側から見えないようなるとともに、車外側からも撮影窓113を通して撮影装置2の一部しか見えないようになっている。そして、撮影装置2と上述した入出力部33とは、図示を省略するケーブルで接続され、このケーブルはカバーから引き出され、車内の所定の位置に配置された画像処理装置3に接続されている。
<4.HUD装置の映像光による二重像を抑制する方策>
次に、HUD装置の映像光による二重像を抑制する方策について説明する。本実施形態では、その方策として、反射面で反射された映像光の輝度を大きくし(あるいは輝度の低下を抑制し)、図6に示す主像Aを副像Bよりも視認しやすくするようにしている。以下、説明する。
<4-1.方策1>
内側ガラス板12の厚みを、外側ガラス板11の厚みよりも小さくする。ガラス板は、一般的に映像光等の光の一部を吸収するため、内側ガラス板12の厚みを小さくすれば、反射フィルム135に至る映像光の減衰を低減することができる。これにより、反射面で反射された映像光の輝度を大きくすることができる。例えば、一般的な内側ガラス板12の厚みが2.3mmであるところ、例えば、2.0mm程度以下の厚みにすることで、二重像が低減されたことを本発明者は確認している。
<4-2.方策2>
内側ガラス板12の可視光透過率を、外側ガラス板11の可視光透過率よりも大きくする。内側ガラス板12の可視光透過率を大きくすれば、反射フィルム135に至る映像光の減衰を低減することができる。これにより、反射面で反射された映像光の輝度を大きくすることができる。例えば、一般的なガラス板12の可視光透過率が84%であるところ、例えば、90%程度以上(修正)の可視光透過率にすることで、二重像が低減されたことを本発明者は確認している。このようなガラス板の組合せとしては、例えば、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を、それぞれグリーンガラスで構成し、このうち、内側ガラス板12を酸化鉄の含有量を低減したグリーンガラスとするとすることができる。あるいは、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を、それぞれグリーンガラス(またはダークグリーンガラス)及びクリアガラスで構成することができる。
<4-3.方策3>
反射フィルム135の反射面と内側ガラス板12の車外側の面との距離を、反射面と外側ガラス板12の車内側の面との距離よりも小さくする。例えば、上述した第1態様の中間膜13において、第2接着層132の厚みを第1接着層131の厚みよりも小さくすることができる。樹脂製の接着層は、一般的に映像光等の光の一部を吸収するため、第2接着層132の厚みを小さくすれば、反射フィルム135に至る映像光の減衰を低減することができる。これにより、反射面で反射された映像光の輝度を大きくすることができる。例えば、第2接着層132の厚みを、0.1mm程度以下の厚みにすることで、二重像が低減されたことを本発明者は確認している。
<4-4.方策4>
内側ガラス板12の車内側の面に、低反射層(図示省略)を配置する。これにより、副像を形成する内側ガラス板12からの反射光が減衰され、副像が視認しがたくなる。よって、相対的に反射面で反射された映像光の輝度を大きくなる。このような低反射層は特には限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、中空微粒子膜、多層膜、低屈折率膜等によって構成された低反射層を採用することができる。
<4-5.方策5>
中間膜13として、上述した第2態様を採用する。第2態様では、複数層からなる遮音層133を反射フィルム135よりも外側ガラス板11側に配置している。このような遮音層133は、映像光の減衰の原因になり得るため、反射フィルム135よりも内側ガラス板12側に配置せず、外側ガラス板11側に配置すれば、反射面で反射された映像光の輝度の低減を抑制することができる。
なお、上記方策1~5は、適宜組み合わせることができる。
<5.ウインドシールドの製造方法>
次に、上記のように構成されたウインドシールドの製造方法の一例について説明する。まず、合わせガラス1の製造方法について説明する。
まず、平板状の外側ガラス板11及び内側ガラス板12の少なくとも一方、上述したマスク層110を積層する。次に、これらのガラス板11,12が湾曲するように成形する。成形の方法は、特には限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、平板状のガラス板が加熱炉を通過した後、上型と下型によってプレスすることで、湾曲した形状に成形することができる。あるいは、平板状の外側ガラス板と内側ガラス板とを重ね、枠型の成形型上に配置し、加熱炉を通過させる。これにより、両ガラス板が軟化し、自重によって湾曲した形状に成形される。
こうして、外側ガラス板11及び内側ガラス板12が湾曲状に成形されると、これに続いて、上述した中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70~110℃で予備接着する。このとき、中間膜13を構成する反射フィルム135、接着層131,132を構成するフィルム等を重ねて両ガラス板11,12の間に配置する。予備接着の方法は、これ以外でも可能である。例えば、中間膜13を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟み、オーブンにより45~65℃で加熱する。続いて、この合わせガラスを0.45~0.55MPaでロールにより押圧する。次に、この合わせガラスを、再度オーブンにより80~105℃で加熱した後、0.45~0.55MPaでロールにより再度押圧する。こうして、予備接着が完了する。
次に、本接着を行う。予備接着がなされた合わせガラスを、オートクレーブにより、例えば、8~15気圧で、100~150℃によって、本接着を行う。具体的には、例えば、14気圧で145℃の条件で本接着を行うことができる。こうして、本実施形態に係る合わせガラス1が製造される。
<6.特徴>
以上説明したウインドシールドによれば、反射面で反射された映像光の輝度を大きくすることができるため(あるいは輝度の低減を抑制できるため)、主像Aを副像Bよりも視認しやすくすることができる。その結果、HUD装置により、反射面に写る像を見えやすくすし、不快感を軽減することができる。
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
<7-1>
反射フィルム135は、HDU装置500から映像光が照射される領域にのみ配置してもよいし、それ以外のガラス板11,12の大半の領域に配置することもできる。
<7-2>
マスク層110の形状は、一例であり、構成は特には限定されず、設けられる機器などによって適宜形状を変更することができる。
<7-3>
上記実施形態では、マスク層110に撮影窓113を形成し、撮像装置2を配置しているが、このような撮影窓113や撮影装置5が設けられていなくてもよい。
<7-4>
反射フィルム135がガラス板11,12よりも小さい場合、ガラス板11,12の周縁部において反射フィルム135が配置されていない領域から車内に入る太陽光によって、運転者が眩しさを感じる可能性がある。これを抑制するため、外側ガラス板11の厚みを厚くしたり、濃色にすることで、法定範囲内において可視光透過率を下げることができる。例えば、外側ガラス板11の可視光透過率を73~82%程度にすることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は,以下の実施例に限定されない。
図7に示すような組成及び物性を有する実施例1~17及び比較例1~7に係るウインドシールドを作製した。図7における各ガラス板の鉄濃度の単位はwt%、厚みの単位はmmである。また、Tvisは可視光透過率(%)、Teは日射透過率(JIS3106:2019で規定)である。なお、Teが高いガラス板の方が赤外線をカットする性能が高い。また、赤外線によって反射フィルムは劣化するため、Teが高いガラス板を外側ガラス板に使用すると反射フィルムの性能を長期で維持できるというメリットがある。
これら実施例1~17及び比較例1~7について、反射輝度を測定した。反射輝度は、次のように測定した。内側ガラス板の反射光(副像B)と、反射フィルムの反射光(主像A)を撮影し、撮影した反射光の明るさ256階調によって規定した。なお、副像Cは、外側ガラス板の車外側の面での反射光であるため、本発明における評価の対象ではない。図8に示すように、実施例1及び比較例1を比べると、撮影した写真では、実施例1の主像Aは、比較例1の主像Aよりもはっきりと写っている。また、これらの明るさを比較すると、実施例1では、主像の階調値が150以上であるのに対し、比較例1では、150未満程度になっている。この傾向は、他の実施例及び比較例でも同様であった。すなわち、全ての実施例において主像Aの階調値が100以上であり、全ての比較例において主像Aの階調値が80以下であった。また、撮影した写真でも、比較例の主像は見にくかったため、反射輝度を不合格とした。
1 ウインドシールド
11 外側ガラス板
12 内側ガラス板
13 中間膜
131 第1接着層
132 第2接着層
135 反射フィルム

Claims (13)

  1. 車内に取り付けられたヘッドアップディスプレイ装置からの可視光を含む映像光が傾斜方向から入射されるように構成された、ウインドシールドであって、
    車内側に配置される内側ガラス板と、
    前記内側ガラス板と対向して配置され、車外側に配置される外側ガラス板と、
    前記外側ガラス板と内側ガラス板とを接着する中間膜と、
    を備え、
    前記中間膜は、前記映像光を反射可能な反射面を有する反射フィルムを備え、
    前記反射面で反射された前記映像光の輝度が大きくなるように構成されている、
    ウインドシールド。
  2. 前記内側ガラス板の可視光透過率が、前記外側ガラス板の可視光透過率よりも大きく、請求項1に記載のウインドシールド。
  3. 前記内側ガラス板の厚みが、前記外側ガラス板の厚みよりも小さい、請求項1に記載のウインドシールド。
  4. 前記内側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、前記外側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄よりも小さい、請求項1に記載のウインドシールド。
  5. 前記内側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、0.6wt%よりも小さい、請求項4に記載のウインドシールド。
  6. 前記外側ガラス板の組成におけるFe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)が、0.3wt%よりも大きい、請求項4に記載のウインドシールド。
  7. 前記内側ガラス板の車内側の面に、低反射層が配置されている、請求項1に記載のウインドシールド。
  8. 前記中間膜は、
    前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
    前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
    をさらに備え、
    前記第1接着層および第2接着層に紫外線吸収剤または/および赤外線吸収剤を少なくとも一方を含み、
    前記第2接着層における添加量よりも第1接着層における添加量が多い、
    請求項1に記載のウインドシールド。
  9. 前記中間膜は、
    前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
    前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
    をさらに備え、
    前記第1接着層に紫外線吸収剤または/および赤外線吸収剤を少なくとも一方を含み、第2接着層に紫外線吸収剤および赤外線吸収剤を含まない、
    請求項1に記載のウインドシールド。
  10. 前記反射フィルムよりも車外側に配置される赤外線反射層をさらに備えている、
    請求項1に記載のウインドシールド。
  11. 前記赤外線反射層は前記外側ガラス板に設けられる、
    請求項10に記載のウインドシールド。
  12. 前記中間膜は、
    前記反射フィルムと前記外側ガラス板との間に配置される第1接着層と、
    前記反射フィルムと前記内側ガラス板との間に配置される第2接着層と、
    をさらに備え、
    前記赤外線反射フィルムは、前記第1接着層内に配置されている、
    請求項10に記載のウインドシールド。
  13. 前記赤外線反射層は多積層より構成されている、
    請求項10に記載のウインドシールド。
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