JP2024004371A - 乳化組成物 - Google Patents

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Takeshi Yamazaki
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Abstract

【課題】紫外線防御効果を有する化粧料又は外皮用医薬部外品製剤において、少量の紫外線防御剤で、紫外線防御効果(Sun Protection Factor(以下、SPF))を向上させ、乳化状態も安定した組成物を提供すること。【解決手段】少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を含む乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、乳化組成物に関する。
サンゴの白化現象(サンゴに共生する褐虫藻の放出)は、生物多様性やサンゴ礁生態系の機能に悪影響を及ぼすことが指摘されている。近年、日焼け止めを含むパーソナルケア製品が、他の汚染物質と同様に水生生物に影響を与えることが明らかにされている。環境毒物学専門誌「Archives of Environmental Contamination and Toxicology」の研究論文によると、オキシベンゾンは、世界中の3500以上に及ぶ日焼け止め製品に含有されており、紫外線遮へい効果を持つオキシベンゾンは、サンゴのDNAにダメージを与え、白化させると言われている。このような影響からハワイでは、サンゴに有害な成分(オキシベンゾンとオクチノキサート)を配合した日焼け止めの販売と流通を禁止する法案が提出され、2018年5月に州議会で可決され、2021年1月から使用禁止となっている。今後、他国でも同様の動きが出てくると見られており、紫外線吸収剤の使用量の制限などに繋がる可能性もある。
一方、アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上で表面処理された着色顔料を含む水中油型乳化化粧料が知られている(特開2021-8426号公報)。しかしながら、アシルリジンを含む複数の成分の組合せによって、少量の紫外線防御剤で、紫外線防御効果(Sun Protection Factor(以下、SPF))を向上させ、乳化状態も安定した組成物が提供できることは知られていない。
特開2021-8426号公報
本発明は、紫外線防御効果を有する化粧料又は外皮用医薬部外品製剤において、少量の紫外線防御剤で、紫外線防御効果(Sun Protection Factor(以下、SPF))を向上させ、乳化状態も安定した組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、アシルリジンを配合することでSPFを向上させることができることを見出した。すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を含む乳化組成物。
[2]前記SPF向上剤が無機粉体及び生分解性の有機粉体を含む、[1]に記載の乳化組成物。
[3]前記無機粉体がシリカである、[2]に記載の乳化組成物。
[4]前記無機粉体がシリカであり、前記生分解性の有機粉体がセルロースである、[2]記載の乳化組成物。
[5]前記SPF向上剤が、前記アシルリジンと、前記無機粉体と、前記生分解性の有機粉体との複合粉体を含む、[2]に記載の乳化組成物。
[6]前記SPF向上剤が生分解性の有機粉体を含む、[1]に記載の乳化組成物。
[7]前記アシルリジンのアシル基の炭素数が8~22である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の乳化組成物。
[8]前記アシルリジンが、オクタノイルリジン及びラウロイルリジンから選択される1種以上を含む、[1]~[7]のいずれか1項に記載の乳化組成物。
[9]前記アシルリジンがラウロイルリジンを含む、[8]に記載の乳化組成物。
[10]UV吸収剤又はUV散乱剤を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の乳化組成物。
[11][1]~[10]のいずれか1項に記載の乳化組成物であって、前記SPF向上剤を含まないこと以外は前記乳化組成物と同じである対照乳化組成物に対してSPF値が10%向上した、乳化組成物。
[12]少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を添加することによるSPF向上方法。
[13]前記SPF向上剤が無機粉体及び無機粉体以外の粉体生分解性の有機粉体を含む、[12]に記載のSPF向上方法。
[14]前記無機粉体がシリカである、[12]に記載のSPF向上方法。
[15]前記無機粉体がシリカであり、前記生分解性の有機粉体がセルロースである、[12]に記載のSPF向上方法。
[16]前記SPF向上剤が、前記アシルリジンと、前記無機粉体と、前記生分解性の有機粉体との複合粉体を含む、[12]に記載のSPF向上方法。
[17][12]~[16]のいずれか1項に記載のSPF向上方法であって、前記SPF向上剤の添加前に比べて前記SPF向上剤の添加後のSPFが10%以上向上する、SPF向上方法。
本発明の乳化組成物は、少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を含む。SPFは、例えばISO 24444に従って測定することができる。
SPF向上剤は、対照乳化組成物に対して添加することによって、そのSPF値を向上させるものである。SPF向上剤は、好ましくは対照乳化組成物に対してSPF値を10%以上向上させるものであり、より好ましくは15%以上向上させるものであり、更に好ましくは20%以上向上させるものであり、更により好ましくは50%以上向上させるものであり、なお更に好ましくは100%以上向上させるものであり、特に好ましくは150%以上向上させるものである。
SPF向上剤は、好ましい1つの態様として、アシルリジンに加えて、無機粉体及び生分解性の有機粉体を含む態様(第1の態様)が挙げられる。また、SPF向上剤は、別の好ましい態様として、アシルリジンに加えて、生分解性の有機粉体を含む態様(第2の態様)が挙げられる。
第1の態様において使用される無機粉体としては、例えば、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、微粒子酸化鉄、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、群青、紺青、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、微粒子酸化チタン、シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、酸化セリウム、窒化ホウ素、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭化珪素、色素、レーキ、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ベントナイト、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。無機粉体は、さらに、上述のものの複合体(例えば、シリカ被覆酸化チタン、マイカ被覆酸化チタン、チタン被膜マイカ)であってもよく、上述のものにシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理、有機チタネート処理、脂肪酸処理、アシルアミノ酸処理(例えば、ステアロイルグルタミン酸処理)、金属石鹸処理(例えば、ステアリン酸アルミニウム処理)、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理を施したもの(例えば、シリコーン処理タルク、シリコーン処理マイカ、シリコーン処理セリサイト、シリコーン処理酸化チタン、シリコーン処理赤色酸化鉄、シリコーン処理黄酸化鉄、シリコーン処理黒酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理酸化チタン、ステアロイルグルタミン酸処理黄酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理赤色酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理黒酸化鉄、ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン等)でもよい。無機粉体は、好ましくはシリカである。
シリカとしては、球状、不定形状のシリカを使用することができ、それぞれ、多孔質状、非多孔質状、中空状などの態様がある。好ましくは、無孔質球状シリカ、多孔質球状シリカであり、より好ましくは多孔質球状シリカである。シリカの平均粒径は、好ましくは1~50μm、より好ましくは3~20μm、さらに好ましくは5~12μmである。ここでシリカの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。シリカは商業的に入手可能であり、例えば、三好化成株式会社の多孔質シリカビーズSB-300、SB-700、AGCエスアイテック株式会社製サンスフェアH-31、H-51、H-121、L-31、L-51を使用することができる。
第1の態様において使用される生分解性の有機粉体は、生分解性試験において生分解性を示す生分解性ポリマーの粉末である。前記生分解性試験法としては、ASTM D6400の試験法、ISO 17088の試験法、ISO-TG301Fの試験法、又はOCED 306の試験法が用いられる。本発明において「生分解性」とは、少なくともこれらの試験法のいずれかで生分解性を示すことを意味する。
前記生分解性ポリマーとしては、例えばポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸)(PHBV)、ポリグリコール酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられる。生分解性ポリマーの粉末は商業的に入手可能であり、例えばMicro Powders社製エコソフト608XF、エコソフト608、Biosoft 915、Naturematte 31、積水化成品工業社製テクポリマーBIO EF-Aなどを使用することができる。
前記生分解性ポリマー粉末の平均粒径は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1~35μm、さらに好ましくは2~20μmである。ここで生分解性ポリマー粉末の平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
また、前記生分解性ポリマーとしては、例えばタンパク質、ヒドロキシカルボン酸系ポリエステル、ポリヒドロキシアルカン酸、ジオールカルボン酸系ポリエステル、アルギン酸などが挙げられる。
前記タンパク質としては、絹(シルク)、羊毛、羽毛などが挙げられる。タンパク質の粉末としては、絹粉末(シルク粉末)が好ましい。前記絹粉末(シルク粉末)は、特に限定されるものではなく、公知の方法で得られた絹粉末を使用することができる。絹粉末は商業的に入手可能であり、例えばいずみ染工社製絹パウダーやながすな繭社製N-フィブロイン、一丸ファルコス社製シルクゲンGパウダーなどを使用することができる。
前記絹粉末の平均粒径は、球相当径として好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1~35μm、さらに好ましくは2~20μmである。ここで絹粉末の球相当径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
前記ヒドロキシカルボン酸系ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、グリコール酸-カプロラクトンコポリマーなどが挙げられる。
前記ポリヒドロキシアルカン酸としては、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸)(PHBV)、ポリヒドロキシカプロン酸、ポリヒドロキシカプリル酸、R-3-ヒドロキシブタン酸(3HB)とR-3-ヒドロキシヘキサン酸(3HH)から成るPHBH、変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記ジオールカルボン酸系ポリエステルとしては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられる。
前記アルギン酸としては、アルギン酸カルシウムなどが挙げられる。
また、前記生分解性ポリマーとしては、例えばセルロース、デンプン、変性デンプン、セルロース誘導体、キトサンなどが挙げられる。ここで、セルロースとデンプンが好ましく、セルロースがより好ましい。
前記セルロースとしては、板状セルロース、球状セルロース、不定形セルロースなどが挙げられる。板状セルロースとしては、板状結晶セルロース、針状結晶セルロースなどが挙げられ、板状結晶セルロースが好ましい。板状セルロースの平均粒径は、好ましくは2~50μm、より好ましくは5~30μm、更に好ましくは8~20μmである。ここで板状セルロースの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
球状セルロースとしては、球状結晶セルロース、非結晶セルロースが挙げられる。また、球状セルロースとしては、無孔質セルロース、多孔質セルロースが挙げられ、無孔質セルロースが好ましい。ここで球状には真球状、略球状、楕円状が含まれる。球状セルロースの平均粒径は、好ましくは2~30μm、より好ましくは3~20μm、さらに好ましくは5~12μmである。ここで球状セルロースの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
セルロースは、INCI名として、結晶セルロース、セルロースアセテート、リグニンとして登録されているものを使用することができる。セルロースは商業的に入手可能であり、例えば、エボニック社製TEGO Feel Green、大東化成工業株式会社製CELLULOBEADS D-10、CELLULOBEADS D-5を使用することができる。
前記デンプンとしては、ライス、コーン、じゃがいも、タピオカ、大麦などに由来するデンプン、並びにこれらのアルファ化デンプン及び部分アルファ化デンプンなどが挙げられる。好ましくは、タピオカ、大麦、ライスに由来するデンプンである。デンプンの形状は、球状又は不定形な形状でよく、球状が好ましい。ここで球状には真球状、略球状、楕円状が含まれる。
デンプンの平均粒径は、好ましくは5~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは5~20μmである。ここでデンプンの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
デンプンは商業的に入手可能であり、例えば、タピオカ由来デンプンであるAGRANA社製Tapioka Natural 9096、ヌーリオンジャパン社製TAPIOCA PURE、Active Concepts社製A60012 ORGANIC TAPIOCA STARCH POWDER、大麦由来デンプンであるAGRANA社製Barley Natural、米由来デンプンである上越スターチ社製ファインスノウIR、AGRANA社製Resista Naturalなどを使用することができる。
前記変性デンプンとしては、リン酸デンプン、アルキル化デンプンなどがあげられ、セルロース誘導体としてはセルロースアセテートなどがあげられる。
前記キトサンとしては、カニ由来、エビ由来、オキアミ由来などが挙げられる。好ましくはカニ由来、エビ由来のキトサンである。
キトサンの平均粒径は、好ましくは5~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは5~20μmである。ここでキトサンの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
キトサンは商業的に入手可能であり、例えば、ベニズワイガニ甲羅由来キトサンであるいずみ染工社製K45などがある。
第1の態様において、SPF向上剤における無機粉体の配合量は、好ましくは10~90質量%であり、より好ましくは40~90質量%である。また、第1の態様において、SPF向上剤における生分解性の有機粉体の配合量は、好ましくは5~88質量%であり、より好ましくは5~40質量%である。
第1の態様において、無機粉体は、好ましくはシリカであり、生分解性の有機粉体は、好ましくはセルロースである。
第2の態様において使用される生分解性の有機粉体は、生分解性試験において生分解性を示す生分解性ポリマーの粉末である。前記生分解性試験法としては、ASTM D6400の試験法、ISO 17088の試験法、ISO-TG301Fの試験法、又はOCED 306の試験法が用いられる。本発明において「生分解性」とは、少なくともこれらの試験法のいずれかで生分解性を示すことを意味する。
前記生分解性ポリマーとしては、例えばポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸)(PHBV)、ポリグリコール酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられる。生分解性ポリマーの粉末は商業的に入手可能であり、例えばMicro Powders社製エコソフト608XF、エコソフト608、Biosoft 915、Naturematte 31、積水化成品工業社製テクポリマーBIO EF-Aなどを使用することができる。
前記生分解性ポリマー粉末の平均粒径は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1~35μm、さらに好ましくは2~20μmである。ここで生分解性ポリマー粉末の平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
また、前記生分解性ポリマーとしては、例えばタンパク質、ヒドロキシカルボン酸系ポリエステル、ポリヒドロキシアルカン酸、ジオールカルボン酸系ポリエステル、アルギン酸などが挙げられる。
前記タンパク質としては、絹(シルク)、羊毛、羽毛などが挙げられる。タンパク質の粉末としては、絹粉末(シルク粉末)が好ましい。前記絹粉末(シルク粉末)は、特に限定されるものではなく、公知の方法で得られた絹粉末を使用することができる。絹粉末は商業的に入手可能であり、例えばいずみ染工社製絹パウダーやながすな繭社製N-フィブロイン、一丸ファルコス社製シルクゲンGパウダーなどを使用することができる。
前記絹粉末の平均粒径は、球相当径として好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1~35μm、さらに好ましくは2~20μmである。ここで絹粉末の球相当径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
前記ヒドロキシカルボン酸系ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、グリコール酸-カプロラクトンコポリマーなどが挙げられる。
前記ポリヒドロキシアルカン酸としては、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸)(PHBV)、ポリヒドロキシカプロン酸、ポリヒドロキシカプリル酸、R-3-ヒドロキシブタン酸(3HB)とR-3-ヒドロキシヘキサン酸(3HH)から成るPHBH、変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記ジオールカルボン酸系ポリエステルとしては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられる。
前記アルギン酸としては、アルギン酸カルシウムなどが挙げられる。
また、前記生分解性ポリマーとしては、例えばセルロース、デンプン、変性デンプン、セルロース誘導体、キトサンなどが挙げられる。
前記セルロースとしては、板状セルロース、球状セルロース、不定形セルロースなどが挙げられる。板状セルロースとしては、板状結晶セルロース、針状結晶セルロースなどが挙げられ、板状結晶セルロースが好ましい。板状セルロースの平均粒径は、好ましくは2~50μm、より好ましくは5~30μm、更に好ましくは8~20μmである。ここで板状セルロースの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
球状セルロースとしては、球状結晶セルロース、非結晶セルロースが挙げられる。また、球状セルロースとしては、無孔質セルロース、多孔質セルロースが挙げられ、無孔質セルロースが好ましい。ここで球状には真球状、略球状、楕円状が含まれる。球状セルロースの平均粒径は、好ましくは2~30μm、より好ましくは3~20μm、さらに好ましくは5~12μmである。ここで球状セルロースの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
セルロースは、INCI名として、結晶セルロース、セルロースアセテート、リグニンとして登録されているものを使用することができる。セルロースは商業的に入手可能であり、例えば、エボニック社製TEGO Feel Green、大東化成工業株式会社製CELLULOBEADS D-10、CELLULOBEADS D-5を使用することができる。
前記デンプンとしては、ライス、コーン、じゃがいも、タピオカ、大麦などに由来するデンプン、並びにこれらのアルファ化デンプン及び部分アルファ化デンプンなどが挙げられる。好ましくは、タピオカ、大麦、ライスに由来するデンプンである。デンプンの形状は、球状又は不定形な形状でよく、球状が好ましい。ここで球状には真球状、略球状、楕円状が含まれる。
デンプンの平均粒径は、好ましくは5~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは5~20μmである。ここでデンプンの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
デンプンは商業的に入手可能であり、例えば、タピオカ由来デンプンであるAGRANA社製Tapioka Natural 9096、ヌーリオンジャパン社製TAPIOCA PURE、Active Concepts社製A60012 ORGANIC TAPIOCA STARCH POWDER、大麦由来デンプンであるAGRANA社製Barley Natural、米由来デンプンである上越スターチ社製ファインスノウIR、AGRANA社製Resista Naturalなどを使用することができる。
前記変性デンプンとしては、リン酸デンプン、アルキル化デンプンなどがあげられ、セルロース誘導体としてはセルロースアセテートなどがあげられる。
前記キトサンとしては、カニ由来、エビ由来、オキアミ由来などが挙げられる。好ましくはカニ由来、エビ由来のキトサンである。
キトサンの平均粒径は、好ましくは5~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは5~20μmである。ここでキトサンの平均粒径はJIS規格(Z8819-2:2019)のように特定する。
キトサンは商業的に入手可能であり、例えば、ベニズワイガニ甲羅由来キトサンであるいずみ染工社製K45などがある。
第2の態様において、SPF向上剤における生分解性の有機粉体の配合量は、好ましくは3~98質量%であり、より好ましくは25~95質量%である。
SPF向上剤に含まれるアシルリジンは、好ましくは体積基準分布のメジアン径が9μm以下であり、密着性向上の観点から、より好ましくは6μm以下、更なる密着性向上および感触向上の観点から、より好ましくは5μm以下、密着性向上および製造時間の短縮の観点からさらに好ましくは4μm以下である。
アシルリジンの個数基準分布のメジアン径は、4μm以下が好ましい。
アシルリジンのメジアン径は、レーザー回折/散乱式の粒子径分布測定装置を使用し、個数基準又は体積基準の粒子径分布を測定することによって求めることができる。メジアン径とは、通過分積算%の分布曲線が50%の横軸と交差するポイントの粒子径を意味する。「個数基準分布」とは、粒子径分布のそれぞれの粒径の頻度を計算するとき、粒子の数を計数してその個数を基準に計算している粒子径分布を表し、「体積基準分布」とは、粒子径分布のそれぞれの粒径の頻度を計算するとき、球状として仮定した粒子の体積を計数してその値を基準に計算している粒子径分布を表す。
アシルリジンのかさ密度は、好ましくは0.38g/mL以下である。また、前記かさ密度は、好ましくは0.01~0.38g/mLであり、0.05~0.38g/mLがより好ましく、0.1~0.36g/mLが更に好ましい。
アシルリジンのかさ密度は、以下の測定方法で測定することができる。
アシルリジンをミキサーで2分以上攪拌させ解砕し、得られた結晶のかさ密度を粉体流動性分析装置(例えば、パウダーレオメータFT-4(フリーマンテクノロジーTM社製))を用いて測定する。具体的には、一定量のアシルリジンをホルダーに測り取った後、利用手順に沿ってコンディショニングを行い、コンディショニング後の体積及びアシルリジンの質量から下記式よりかさ密度を測定する。
かさ密度=コンディショニング後の質量/コンディショニング後の体積 (g/mL)
アシルリジンの製造方法は、アシルリジンの塩基性溶液を塩酸等の溶液に滴下し晶析する製法又は機械等を用いた粉砕方法によって得られることができる。体積基準分布のメジアン径が9μm以下であるアシルリジンは、例えばWO2020/262367に記載の方法によって得ることができる。
アシルリジンのアシル基は、好ましくは炭素数が8~22であり、より好ましくは炭素数8~22の飽和又は不飽和脂肪酸アシルであり、例えばオクタノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、オクチルドデシル、オレイル、ベヘニル、ヤシ油脂肪酸アシル、パーム核油脂肪酸アシル、牛脂脂肪酸アシル等が挙げられるが、汎用的に入手できるという点でラウロイル及びオクタノイルからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。すなわち、アシルリジンはラウロイルリジン又はオクタノイルリジンであることが好ましく、ラウロイルリジンであることが更に好ましい。
SPF向上剤におけるアシルリジンの配合量は、好ましくは2~50質量%であり、より好ましくは5~40質量%である。
SPF向上剤を構成する成分は、本発明の乳化組成物中に存在していればよい。すなわち、SPF向上剤を構成する成分を、それぞれ別個に乳化組成物に配合してもよいし、SPF向上剤を構成する成分のすべて又は一部を、予め混合して乳化組成物に配合してもよい。あるいは、例えば第1の態様においては、無機粉体及び生分解性の有機粉体の少なくとも一部をアシルリジンで表面処理して乳化組成物に加えてもよく、また第2の態様においては、生分解性の有機粉体の少なくとも一部をアシルリジンで表面処理して乳化組成物に加えてもよい。第1の態様においては、SPF向上剤の少なくとも一部を、アシルリジンと、無機粉体と、生分解性の有機粉体とを予め混合した複合粉体として乳化組成物に配合することが好ましく、SPF向上剤を、アシルリジンと、無機粉体と、生分解性の有機粉体とを予め混合した複合粉体として乳化組成物に配合することがより好ましく、SPF向上剤を、アシルリジンと、シリカと、セルロースとを予め混合した複合粉体として乳化組成物に配合することが更に好ましい。
SPF向上剤の成分を予め混合して複合粉体として調製する方法としては、例えば、SPF向上剤の成分を混合機で混合することが挙げられる。前記混合としては、乾式混合や湿式混合が挙げられる。前記混合機としては、ヘンシェルミキサー、家庭用ミキサー、ハイシェアミキサーなどの高速攪拌型混合機;W型混合機、CV型混合機、V型混合機、ロッキングミキサーなどの容器回転型混合機又は攪拌機付容器回転型混合機;リボン攪拌型、複軸パドル型、二軸遊星攪拌型、円錐スクリュー型の機械攪拌式混合機;気流攪拌式混合機、ジュリアミキサー、ナウターミキサー、ノビルタなどの圧縮・せん断・衝撃型混合機などを使用することができ、安価な生産及び汎用性の観点からは高速攪拌型混合機が好ましい。
本発明の乳化組成物は、好ましくはUV吸収剤又はUV散乱剤を含む。
UV(紫外線)吸収剤としては、UVA(320~400nm付近の長波長紫外線)を吸収するUVA吸収剤と、UVB(280~320nm付近の中波長紫外線)を吸収するUVB吸収剤が挙げられ、いずれも使用することができるが、UVB吸収剤が好ましい。UV(紫外線)吸収剤には、油溶性のものと水溶性のものがあるが、いずれも使用することができる。前記UV(紫外線)吸収剤としては、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
また、UV(紫外線)散乱剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、紫外線防御効果及び透明感の点から平均粒子径が0.1μm以下である微粒子酸化チタン、平均粒子径が0.1μm以下である微粒子酸化亜鉛等が好適に用いられ、特に微粒子酸化チタンを用いることが好ましい。また酸化チタン、酸化亜鉛の形状は、板状、針状、球状等のいずれでも良く、Al、Si、Zr、Ti、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物及び/又は酸化物で被覆されたものや、更にシリコーン処理、シラン処理、金属石鹸処理、フッ素系処理、アミノ酸系処理、有機チタネート処理等の表面処理がなされていても良い。
UV(紫外線)吸収剤及びUV(紫外線)散乱剤は、1種のみを使用しても良く、2種以上を併用しても良い。前記UV(紫外線)吸収剤の内、吸収波長域の異なるUVA吸収剤とUVB吸収剤を組み合わせて使用しても良い。また、UV(紫外線)吸収剤とUV(紫外線)散乱剤を組み合わせて使用しても良い。
本発明の乳化組成物は、化粧料又は皮膚外用剤として用いることができる。前記化粧料又は皮膚外用剤は、常法に従って、例えば所望の部位(例、皮膚、毛髪、頭皮、口唇、目元、まつげ、瞼、爪)に適用可能な任意の形態の製剤とすることができる。皮膚、口唇、まつげ、爪に対する化粧料または外用剤としては、例えば、サンスクリーン、ボディーパウダー、スプレーなどの日焼け止め、ファンデーション、おしろい、プライマー、BBクリーム、ボディカラー、ブロンザー、フェイスパウダー、ルースパウダー、マニキュア、チークカラー、化粧下地、コンシーラーなどのメイクアップ化粧料、リップカラー、リップライナー、リップスティックなどの口唇用化粧料、アイライナー、アイシャドウ、アイブロー、マスカラなどアイメイク化粧料、乳液、化粧水、クリーム、ジェル、美容液などのリーブオン化粧料、フェイスマスクが挙げられる。毛髪に対する化粧料または外用剤としては、例えば、整髪剤、毛髪用乳液、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアローションが挙げられる。頭皮に対する化粧料または外用剤としては、例えば、育毛剤が挙げられる。好ましい化粧料としては、例えば、メイクアップ化粧料、アイメメイク化粧料、口唇用化粧料、リーブオン化粧料が挙げられる。好ましい外用剤としては、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ムース剤、ゲルが挙げられる。本発明の特に好ましい用途としては、メイクアップ化粧料が挙げられる。
化粧料又は皮膚外用剤として使用する場合、当該化粧料には通常、化粧料(医薬外用剤、医薬部外品を含む)に使用し得る成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合しても良い。例えば、油剤、無機粉体、水、界面活性剤、アミノ酸、アミノ酸誘導体、低級アルコール(例えば、エタノール)、多価アルコール(例えば、グリセリン、ブチレングリコール)、糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物、水溶性高分子(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、被膜形成性高分子、ゲル化剤(例えば、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド)、保湿剤(例えば、ピロリドンカルボン酸ナトリウム)、殺菌剤および抗菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、皮膚着色剤、ホルモン剤、紫外線吸収剤、育毛剤、発汗防止剤および収斂活性成分(例えば、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩)、汗防臭剤、ビタミン剤、血流促進剤(血管拡張剤、血行促進剤)、生薬、植物抽出物、pH調整剤、キレート剤(例えば、EDTA-2Na)、粘度調整剤、パール化剤、天然香料、合成香料、色素および顔料(例えば、赤202号、青1号)、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ペンタガロイルグルコシド)、防腐剤(例えば、メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール)、乳化剤、増粘剤、脂肪およびワックス、シリコーン化合物、香油等が挙げられる。
油剤としては、例えば、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等の高級アルコール;スクワラン、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、イソドデカン等の炭化水素油;ホホバ種子油、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、安息香酸アルキル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2、ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルサルコシンイソプロピル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ミリストイルメチルベータ-アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)、カプリン酸グリセリル等の天然または合成のエステル油;ジグリセリド;コーン油、オリーブオイル、ヒマワリ油、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン等の天然または合成のトリグリセリド;ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、リンゴ酸ジイソステアリル、水添ポリデセン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等の高粘性油;ジメチコン、メチコン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、フェニルトリメチコン、PEG-10 ジメチコン等のシリコーン油;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤;ミネラルオイル;等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
無機粉体としては、例えば、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、微粒子酸化鉄、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、群青、紺青、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、微粒子酸化チタン、シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、酸化セリウム、窒化ホウ素、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭化珪素、色素、レーキ、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ベントナイト、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。無機粉体は、さらに、上述のものの複合体(例えば、シリカ被覆酸化チタン、マイカ被覆酸化チタン、チタン被膜マイカ)であってもよく、上述のものにシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理、有機チタネート処理、脂肪酸処理(例えば、ステアロイルグルタミン酸処理)、金属石鹸処理(例えば、ステアリン酸アルミニウム処理)、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理を施したもの(例えば、シリコーン処理タルク、シリコーン処理マイカ、シリコーン処理セリサイト、シリコーン処理酸化チタン、シリコーン処理赤色酸化鉄、シリコーン処理黄酸化鉄、シリコーン処理黒酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理酸化チタン、ステアロイルグルタミン酸処理黄酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理赤色酸化鉄、ステアロイルグルタミン酸処理黒酸化鉄、ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン等)でもよい。
界面活性剤としては特に制限はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を使用することができるが、乳化安定性等の観点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。非イオン性界面活性剤として、一般的な化粧料の製造に通常用いられる非イオン性界面活性剤であれば、特に限定されることなく使用できる。具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)(5~10モル)ヘキサデシルエーテル、POE(6~9モル)オレイルエーテル、POE(5~7モル)ラウリルエーテル、POE(5~10モル)イソステアリルエーテル、POE(8~12モル)ジラウレート、POE(6~12モル)モノイソステアレート、POE(8~20モル)ジイソステアレート、POE(5~12モル)モノオレエート、POE(3~60モル)グリセリルモノステアレート、POE(3~20モル)グリセリルトリステアレート、POE(3~60モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10~60モル)グリセリルジイソステアレート、POE(3~60モル)グリセリルトリイソステアレート、POE(20~50モル)グリセリルトリオレエート、POE(4~25モル)ソルビタンモノラウレート、POE(5~25モル)ソルビタンモノココエート、POE(5~25モル)ソルビタンモノパルミテート、POE(5~25モル)ソルビタンモノステアレート、POE(5~25モル)ソルビタンモノオレエート、POE(5~25モル)ソルビタントリステアレート、POE(5~25モル)ソルビタントリオレエート、POE(20~40モル)トリメチロールプロパントリミリステート、POE(20~50モル)トリメチロールプロパントリイソステアレート、POE(5~100モル)硬化ヒマシ油、POE(15~50モル)ヒマシ油、POE(10~60モル)硬化ヒマシ油モノラウレート、POE(5~60モル)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE(3~60モル)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、モノイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ソルビタン、セキスイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸テトラグリセリル、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸ヘキサグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また本発明は、少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を添加することによるSPFの向上方法に関する。前記SPF向上方法は、好ましくは、乳化組成物にSPF向上剤を添加することによって、乳化組成物のSPFを向上させることを含む。前記のSPF向上方法において添加されるSPF向上剤の特徴は、前段落までの乳化組成物におけるSPF向上剤についての記載が適用される。前記SPF向上方法は、対照組成物にSPF向上剤を添加することによってSPFを向上させる方法であり、SPF向上剤を添加する前の対照組成物に対して、好ましくはSPF向上剤を添加した後の組成物のSPFを10%以上向上させるものであり、より好ましくは15%以上向上させるものであり、更に好ましくは20%以上向上させるものであり、更により好ましくは50%以上向上させるものであり、なお更に好ましくは100%以上向上させるものであり、特に好ましくは150%以上向上させるものである。前記対照組成物は、好ましくは乳化組成物である。
(実施例1及び2並びに比較例1~8)
表1及び表2に示す成分を用いてリキッドファンデーションを以下のようにして調製した。
B相を、ラボミキサー(テスコム社 ミル&ミキサー TML162)を用いて室温にて均一に混合した(20,000rpm 20秒×5回)。
A相を80℃で溶解し、80℃に加熱したままスターラーにて均一に混合した。
B相をA相に加え、ホモミキサーを用いて80℃で均一に混合した(5,000rpm)。
C相を80℃で溶解し、80℃に加熱したままスターラーにて均一に混合した。
A相及びB相の混合物を80℃に加熱したままホモミキサーで撹拌しながら、C相を5分間かけて少しずつ添加した。添加後の乳化物を80℃に加熱したままホモミキサーでさらに3~5分間撹拌した(5,000rpm)。
加熱を止め、パドルミキサーで撹拌しながら(150rpm)室温に戻した。
得られた乳化物サンプルを小分けし、D相を添加してペンシルミキサーにて混合した後、脱泡し、リキッドファンデーションを得た。実施例のリキッドファンデーションは、乳化状態の安定した組成物であった。得られたリキッドファンデーションのSPFを測定した。結果を表3に示す。
表中のD相の成分の内、複合粉体1は以下の方法で調製した。WO2020/262367に記載の方法に従い、体積基準分布のメジアン径が3.9μmのラウロイルリジン結晶を調製した。得られたラウロイルリジンと、シリカ、セルロースを1:6:3の重量比でラボミキサー(テスコム社 ミル&ミキサー TML162)に投入して乾式混合し(20,000rpm 20秒×5回)、複合粉体を得た。
同様に、複合粉体2は以下の方法で調製した。WO2020/262367に記載の方法に従い、体積基準分布のメジアン径が3.9μmのラウロイルリジン結晶を調製した。得られたラウロイルリジンと、コーンスターチ、セルロースを1:9:0.5の重量比でラボミキサー(テスコム社 ミル&ミキサー TML162)に投入して乾式混合し(20,000rpm 20秒×5回)、複合粉体を得た。
紫外線防御効果(Sun Protection Factor:SPF)測定
SPF値はSPFアナライザー(Labsphere社製 UV-2000S SPFアナライザー)を用いてPMMAプレート(HELIOPLATE HD6(50mm×50mm))に各乳化組成物32mgを均一に塗布して測定(n=10)した。
Figure 2024004371000001

Figure 2024004371000002

Figure 2024004371000003

Figure 2024004371000004
(実施例3並びに比較例9~16)
表4及び表5に示す成分を用いてリキッドファンデーションを以下のようにして調製した。
C相の油原料を加熱溶解し、粉体原料を加えて手混合した後、ローラー処理を3回行った。
B相の油原料を加熱溶解し、75℃に保温した。
A相を計量して加熱混合し、75℃に保温した。
加熱溶解したB相の油原料にローラー処理したC相およびB相の粉体を加えて、ホモミキサーにて3000rpmで5分間混合し、75℃に保温した。
A相を徐々に加えながら、3000rpmから4000rpmに徐々に回転数を上げ、すべて入れ終わったところで5分間回した。パドルミキサー最小rpmでまわしながら冷水にて40℃まで冷却してリキッドファンデーションを得た。得られたリキッドファンデーションのSPFを測定した。結果を表6に示す。
Figure 2024004371000005

Figure 2024004371000006

Figure 2024004371000007

Figure 2024004371000008
(実施例4~6並びに比較例17~18)
表1からメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを除いた成分を用いて、実施例1と同様の方法でリキッドファンデーションのベース処方を調製した。このベース処方に対して、表7に示す成分を以下の方法で添加、混合し、リキッドファンデーションを調製した。
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸を添加する際は、33%テレフタリリデンジカンフルスルホン酸水溶液(ECAM H2O UV、SHINSUNG MATERIALS CO.,LTD.)に18%となるようにアルギニンを添加し、これを前記ベース処方に添加して表7に記載の濃度に調製した。
実施例のリキッドファンデーションは、乳化状態の安定した組成物であった。得られたリキッドファンデーションのSPFを前記と同様の方法で測定した。結果を表8に示す。
Figure 2024004371000009

Figure 2024004371000010
(実施例7~10並びに比較例19~20)
表1からメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを除いた成分を用いて、実施例1と同様の方法でリキッドファンデーションのベース処方を調製した。このベース処方に対して、表9に示す成分を以下の方法で添加、混合し、リキッドファンデーションを調製した。
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを添加する際は、まずラウロイルサルコシンイソプロピル(味の素社製エルデュウ(R)SL-205)にジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを溶解し、これを前記ベース処方に添加して表9に記載の濃度に調製した。
実施例のリキッドファンデーションは、乳化状態の安定した組成物であった。得られたリキッドファンデーションのSPFを前記と同様の方法で測定した。結果を表10に示す。
Figure 2024004371000011

Figure 2024004371000012
原料:
上記表1から表10までの各実施例及び比較例で用いたラウロイルリジンの情報を以下に記載する。

ラウロイルリジン ※1: ラウロイルリジン(体積基準分布のメジアン径 3.9 μm、かさ密度 0.36 g/mL)

ラウロイルリジン ※2: ラウロイルリジン(味の素株式会社AMIHOPE(登録商標)LL、積基準分布のメジアン径 14.3 μm、かさ密度 0.42 g/mL)

Claims (17)

  1. 少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を含む乳化組成物。
  2. 前記SPF向上剤が無機粉体及び生分解性の有機粉体を含む、請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 前記無機粉体がシリカである、請求項2に記載の乳化組成物
  4. 前記無機粉体がシリカであり、前記生分解性の有機粉体がセルロースである、請求項2に記載の乳化組成物。
  5. 前記SPF向上剤が、前記アシルリジンと、前記無機粉体と、前記生分解性の有機粉体との複合粉体を含む、請求項2に記載の乳化組成物。
  6. 前記SPF向上剤が生分解性の有機粉体を含む、請求項1に記載の乳化組成物。
  7. 前記アシルリジンのアシル基の炭素数が8~22である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  8. 前記アシルリジンが、オクタノイルリジン及びラウロイルリジンから選択される1種以上を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  9. 前記アシルリジンがラウロイルリジンを含む、請求項8に記載の乳化組成物。
  10. UV吸収剤又はUV散乱剤を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  11. 請求項1~6のいずれか1項に記載の乳化組成物であって、前記SPF向上剤を含まないこと以外は前記乳化組成物と同じである対照乳化組成物に対してSPF値が10%向上した、乳化組成物。
  12. 少なくともアシルリジンを含有するSPF向上剤を添加することによるSPF向上方法。
  13. 前記SPF向上剤が無機粉体及び無機粉体以外の粉体生分解性の有機粉体を含む、請求項12に記載のSPF向上方法。
  14. 前記無機粉体がシリカである、請求項12に記載のSPF向上方法。
  15. 前記無機粉体がシリカであり、前記生分解性の有機粉体がセルロースである、請求項12に記載のSPF向上方法。
  16. 前記SPF向上剤が、前記アシルリジンと、前記無機粉体と、前記生分解性の有機粉体との複合粉体を含む、請求項12に記載のSPF向上方法。
  17. 請求項12~16のいずれか1項に記載のSPF向上方法であって、前記SPF向上剤の添加前に比べて前記SPF向上剤の添加後のSPFが10%以上向上する、SPF向上方法。
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