JP2024003718A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チューブ閉塞手段が解除された後、チューブによるインクの供給を必要とする動作開始時間までを短縮することを目的とする。【解決手段】 チューブ閉塞状態における経過時間や、記録装置の温度に基づいて、チューブ閉塞状態を解除してからインクの供給を必要とする動作を開始する前の待機時間を決定する。【選択図】 図5
Description
本発明は記録装置に関する。
インクを記録媒体に吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、装置内に配置したインクタンクから記録ヘッドへのインク供給をチューブによって行うものが知られている。このような構成のインクジェット記録装置において、初期設置時のインク充填動作、装置輸送時の外部へのインク漏れ防止、チューブ内の泡抜きといった動作のためにインク供給のためのチューブを押し潰して閉塞させることがある。押し潰されたチューブは開放されると復元し、インクの供給が可能な状態になる。
特許文献1には、押し潰した際には潰れやすく、開放した際には復元しやすくするためにチューブの素材としてエラストマやシリコーンゴムといった弾性材を用いることが開示されている。
しかし、エラストマやシリコンなどの弾性材からなるチューブであっても、押し潰して閉塞された状態で長時間放置された場合にはチューブに貼り付きが発生し、閉塞手段を解除された後も十分にインクが流れない状態が継続することがある。この状態でインク吐出を行った場合、十分なインクが供給されず不吐出や印字かすれ等の問題が発生する虞がある。
また、チューブ素材の特性上、この貼り付き状態から完全に開放された状態に戻るのに必要な時間は、閉塞状態における経過時間と周囲温度、及び、閉塞手段を解除した時の周囲温度に依存し、条件によってはほぼ0秒で戻る場合もあるが、長時間にわたる場合もある。
閉塞手段解除後にチューブ内部の貼り付きが解消しインクが十分に流れる状態になると推定されるワースト条件まで待つやり方も考えられる。しかし、既に貼り付きが解消しているのに待つ場合があり、チューブによるインクの供給を必要とする動作開始まで必要のない待ち時間が発生することとなる。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、チューブ閉塞手段が解除された後、チューブによるインクの供給を必要とする動作開始時間までを短縮することを目的とする。
本発明は、記録ヘッドへインクを供給するためのチューブと、前記チューブを押しつぶし、前記チューブ内のインクの流れを止める閉塞状態にする閉塞手段と、前記閉塞手段を閉塞状態にしてから閉塞状態を解除するまでの経過時間を取得する経過時間取得手段と、前記経過時間に基づいて、前記閉塞手段による前記チューブの閉塞状態が解除されてからインクの供給を必要とする動作を開始するまでの待機時間を決定する決定手段と、を有する記録装置。
本発明により、チューブ閉塞手段が解除された後、チューブによるインクの供給を必要とする動作開始時間までを短縮することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る記録装置について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1の実施形態>
(インクジェット記録装置の構成)
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を示す模式図である。インクタンク101は、装置本体に設けられたインクタンクホルダ102に着脱自在に装着される。インクタンクホルダ102には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクの4色の顔料インクをそれぞれ収容するインクタンク101が個別に装着される。インクタンク101は、供給チューブ106を介してキャリッジ108に搭載された記録ヘッド107に各色のインクを供給する。キャリッジ108は、記録ヘッド107を着脱自在に搭載する。搬送機構109は、プラテンに支持された記録シート(記録媒体)111を搬送方向Aに搬送する。キャリッジ108は、搬送方向Aと交差する方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ108は、記録ヘッド107は、各色のインクを吐出可能な吐出口(ノズル)が複数配された吐出口面(ノズル面)を有している。記録シート111の搬送が停止している間にキャリッジ108が記録シート111上を移動し、記録ヘッド107はキャリッジ108の移動中に吐出口からインクを吐出することで記録シート111に画像を記録する記録動作を行う。本実施形態ではインクタンク101が装置本体に対して着脱可能な形態であるが、インクタンクが本体に固定され、インクボトル等からインクタンク内にインクを注入するような形態であっても良い。
(インクジェット記録装置の構成)
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を示す模式図である。インクタンク101は、装置本体に設けられたインクタンクホルダ102に着脱自在に装着される。インクタンクホルダ102には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクの4色の顔料インクをそれぞれ収容するインクタンク101が個別に装着される。インクタンク101は、供給チューブ106を介してキャリッジ108に搭載された記録ヘッド107に各色のインクを供給する。キャリッジ108は、記録ヘッド107を着脱自在に搭載する。搬送機構109は、プラテンに支持された記録シート(記録媒体)111を搬送方向Aに搬送する。キャリッジ108は、搬送方向Aと交差する方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ108は、記録ヘッド107は、各色のインクを吐出可能な吐出口(ノズル)が複数配された吐出口面(ノズル面)を有している。記録シート111の搬送が停止している間にキャリッジ108が記録シート111上を移動し、記録ヘッド107はキャリッジ108の移動中に吐出口からインクを吐出することで記録シート111に画像を記録する記録動作を行う。本実施形態ではインクタンク101が装置本体に対して着脱可能な形態であるが、インクタンクが本体に固定され、インクボトル等からインクタンク内にインクを注入するような形態であっても良い。
図2は、インクタンク、供給チューブ、記録ヘッドの構成を模式的に示す図である。インクタンク101と記録ヘッド107は供給チューブ106で接続され、供給チューブ106の途中には供給チューブ106を押し潰すことで供給チューブ106の中を閉塞させインクの流れを止めるためのチューブ閉塞機構212を備えている。
次にチューブ閉塞機構212について説明する。図3(a)、図3(b)はチューブ閉塞機構212の概略を示す断面図である。図3に示すようにカバー部材162及び保持部材169は、供給チューブ106を保持しており、前述のように供給チューブ106は、一方を記録ヘッド107に接続し、他方がインクタンク101に接続されている。
図3に示すように変位部材164は、供給チューブ106を押圧する押圧部164aを含み、カム165に対してばね(不図示)で付勢されており、カム165の回転に連動する。受け部材163は、供給チューブ106に対して干渉する方向に変位する変位部材164を受けるための部材であり、当接部163aを含む。受け部材163は供給チューブ106に対して変位部材164が設けられている側と反対側に設けられている。図3(b)に示すように変位部材164の押圧部164aが受け部材163の当接部163aに対して供給チューブ106を押し付けながら潰すことにより、供給チューブ106内が閉塞され、インクタンク101から記録ヘッド107へのインク供給が遮断される。カム165を回転させるのは不図示のモータであり、チューブ閉塞機構制御回路211(図4参照)によって制御される。
供給チューブ106の素材はエラストマやシリコンなどの弾性材からなるが、押し潰され閉塞された状態で長時間放置された場合にはチューブに貼り付きが発生することがある。貼り付きが発生すると、閉塞機構による閉塞状態が解除された開放状態になった後も供給チューブ106が貼り付き、インクが正常に流れることができない状態が継続する。その継続時間は閉塞状態の経過時間や閉塞状態における温度や閉塞状態から開放状態になった後の温度によって変化する。これはチューブ素材の特性上、押し潰された状態が長く経過するほど元に戻りにくく、また、閉塞状態における温度が高いほどチューブが貼り付きやすくなるためである。
図4は、本実施形態の記録装置における制御部の構成を示すブロック図である。CPU202は、メインバスライン209を介して装置各部の制御およびデータ処理を実行する。CPU202は、ROM203に格納されるプログラムに従い、データ処理、記録ヘッドの駆動、キャリッジの駆動等を以下の各部を介して制御することにより、記録動作や回復動作(予備吐出、吸引動作を含む)等を実行する。また、CPU202は、インターフェース201を介して、ホスト装置との通信処理を行う。RAM204は、CPU202によるデータ処理等のワークエリアとして用いられ、一時的に記録データを保存する。
画像入力部207は、インターフェース201を介してホスト装置から入力された画像を一時的に保持することができる。ヘッド駆動制御回路216は、記録ヘッド107によるインク吐出のための駆動を制御し、記録ヘッド107に予備吐出動作や記録動作におけるインク吐出を行わせる。キャリッジ駆動回路230は、画像信号処理部206で処理されたプリントデータに従いキャリッジ108の往復移動動作を制御する。搬送制御回路232は、搬送機構109による記録シート111の搬送動作を制御する。チューブ閉塞機構制御回路211は供給チューブ106を押し潰すことで閉塞状態にし、インクの流れを止めるチューブ閉塞機構212を制御する。
また、温度センサ210は、装置内部のプリント基板に実装されているサーミスタであり、装置内部の雰囲気温度の検出に用いられる。温度センサ210はプリント基板内の回路により検出した温度に応じてサーミスタが接続される信号線がGND~Vccの間の電圧レベルを示すように構成されている。この信号線はCPU202のA/Dポートに入力され、デジタル値に変換されたのち、ROM203に格納されているサーミスタ用のA/D値―温度テーブルを参照することで温度に換算される。不揮発性メモリ205は、温度センサ210により取得された装置本体内部の温度に関する情報やタイマ208により取得されたチューブ閉塞状態の経過時間に関する情報等を記憶する。また、後述する閉塞状態における経過時間及び機内温度とチューブ内部の貼り付きが解消するまでの推定待機時間の関係を示すプロファイルデータも不揮発性メモリ205もしくはROM203に保持する。また、不揮発性メモリ205は、装置本体の電源がOFFにされても情報を保持することができる。本実施形態では、温度センサ210は装置内部の温度を検出するように設けられているが、温度センサを装置の周囲の温度を検出するように設けても良い。装置の周囲の温度でも推定待機時間を決定するのに用いることができる。
次に、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置における供給チューブ106(以下チューブ106とも称する)を閉塞状態にし、しばらく放置した後、チューブ106を開放状態に戻してから印字開始までの待機時間を決定するまでのフローについて説明する。このフローチャートを図5に示す。この処理はROM203に格納されたプログラムに従ってCPU202が各制御部を制御することによって実施される。
まず、ユーザの操作によって、もしくは最後に記録を行ってから所定時間経つことで自動的に、記録装置がすぐに記録を開始できるような状態から消費電力を下げた状態であるスタンバイ状態(スリーブ状態ともいう)以降する。スタンバイ状態になってから規定の時間が経過すると、チューブ106を閉塞状態にするための処理が開始される。
記録装置内のタイマ208により時刻Time Aを取得(ステップS401)した後、温度センサ210によって機内温度Temp Aを取得(ステップS402)し、時刻Time Aと機内温度Temp Aを不揮発性メモリ205に格納する。
その後、チューブ閉塞機構制御回路211によってチューブ閉塞機構212を制御することで変位部材164によってチューブ106を押し潰し、閉塞状態にする(ステップS403)。チューブ106を閉塞状態にするとタイマ208のカウントを開始し、タイマ208は経過時間取得手段として機能する。チューブ閉塞機構212によってチューブ106の閉塞状態が維持されている間はタイマ208によって経過時間をカウント(ステップS405)する。タイマ208は現在時刻だけを取得し、経過時間はCPU202によって計算して求めるようにしてもよい。
規定時間が経過すると(例えば4時間)に(ステップS406)タイマ208によって時刻Time Bを取得し、温度センサ210によってその時刻における機内温度Temp Bを取得し、不揮発性メモリ205に格納する。(ステップS407)。さらに規定時間経過するとタイマ208によって時刻Time Cを取得し、温度センサ210によってその時刻における機内温度Temp Cを取得し、不揮発性メモリ205に格納する。以降、規定時間が経過する毎にタイマ208によって時刻Time D、E…を取得し、温度センサ210によってその時刻における機内温度Temp D、E…を取得し、不揮発性メモリ205に格納する。
チューブ106の閉塞状態において、ユーザの操作によって、もしくは記録装置がホスト装置から印字ジョブを受けると、スタンバイ状態から記録を行える状態に状態遷移するために、チューブ106開放状態にするための処理が開始される(ステップS404)。チューブ閉塞機構制御回路211によってチューブ閉塞機構212を制御することで変位部材164のチューブ106の押しつぶしを開放し、チューブ106を閉塞状態から開放状態できるにする(ステップS408)。
次に、タイマ208により時刻Time Zを取得(ステップS409)した後、温度センサ210によって機内温度Temp Zを取得(ステップS410)し、時刻Time Zと機内温度Temp Zを不揮発性メモリ205に格納する。ここで、時刻 Time Z及び機内温度Temp Zの取得は、前記チューブ106を閉塞状態から開放状態にする動作の前に実施しても良い。
次に、時刻Time A及びTime Zから閉塞状態における総経過時間 Time Prgを算出する(ステップS411)。また、時刻Time A~Time Zにおける機内温度Temp A~Temp Zから、閉塞状態中の平均温度Temp Aveを算出する(ステップS412)。ステップS413では、図6に例示する関係表(プロファイル)を不揮発性メモリ205もしくはROM203から呼び出す。そして、前記総経過時間Time Prg及び平均温度Temp Aveから、チューブ内部の貼り付きが解消するまでの推定待機時間を選択し、印字開始までの待機時間を決定する(ステップS413)。
以下に閉塞状態中の総経過時間及び平均温度の1事例を示す。
Time A:1日目06時、Temp A:22℃
Time B:1日目11時(4時間後)、Temp B:25℃
Time C:1日目16時(8時間後)、Temp: C:35℃
Time D:1日目21時(12時間後)、Temp: D:28℃
Time E:2日目02時(16時間後)、Temp: E:25℃
Time F:2日目07時(20時間後)、Temp: F:22℃
Time F:2日目12時(24時間後)、Temp: F:35℃
Time Z:2日目16時(28時間後)、Temp: Z:30℃
であった場合、総経過時間Time Prgは28時間であり
平均温度Temp Aveは (22+25+35+28+25+22+35+30)/7=31.7℃となる。
Time A:1日目06時、Temp A:22℃
Time B:1日目11時(4時間後)、Temp B:25℃
Time C:1日目16時(8時間後)、Temp: C:35℃
Time D:1日目21時(12時間後)、Temp: D:28℃
Time E:2日目02時(16時間後)、Temp: E:25℃
Time F:2日目07時(20時間後)、Temp: F:22℃
Time F:2日目12時(24時間後)、Temp: F:35℃
Time Z:2日目16時(28時間後)、Temp: Z:30℃
であった場合、総経過時間Time Prgは28時間であり
平均温度Temp Aveは (22+25+35+28+25+22+35+30)/7=31.7℃となる。
この総経過時間28時間=1日+4時間、及び平均温度31.7℃を総経過時間及び平均温度と推定待機時間の関係表図6に適用し180秒の待機時間が選択される。
選択した待機時間が経過するまでの間は、印字開始命令が出されても印字動作を開始せず、待機中である旨をユーザに告知する。また、待機時間中はユーザに待ち時間を告知しても良い。
また、チューブ106の閉塞部より記録ヘッド107側にある程度の量のインクを貯留できる系においてはそのインク量分だけの枚数の印字は待機時間中であっても印字するような形態であってもよい。
また、上述の閉塞状態における経過時間と平均機内温度に加えて、チューブ106を開放した際の温度を待機時間選択のパラメータとして追加してもよい。チューブ106の内部貼り付きの解消速度はチューブ106が開放状態になった時の温度にも依存することがあり、チューブ106を開放した際の温度をパラメータに追加することによりさらに最適な待機時間を選択することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。この実施形態は、チューブ閉塞状態において、温度センサ210への電源供給がされない等により、機内温度取得ができない場合の形態である。第1の実施形態と同様の部分については省略する。
第2の実施形態について説明する。この実施形態は、チューブ閉塞状態において、温度センサ210への電源供給がされない等により、機内温度取得ができない場合の形態である。第1の実施形態と同様の部分については省略する。
機内温度が取得できない場合、閉塞状態における機内温度取得ができないため、Temp AveはTemp AとTemp Zのみから待機時間が算出される。ここで、待機時間選択のための機内温度Temp Aveとして、Temp AとTemp Zの平均値を使用しても良いし、Temp AとTemp Zの高い方を用いても良い。また、Temp AとTemp Zの温度差が例えば10℃以下だった場合はTemp Aveを待機時間選択の判断に使用する。しかし、それ以上の温度差があった場合は閉塞状態中に場所の移動や大きな環境の変化が生じたと判断し、待機時間判断のための機内温度としてワースト条件(図6のプロファイルを使用する場合には600秒)を適用するようにしても良い。
また、チューブ閉塞状態において機内温度が取得できない場合の別の機内温度の取得方法として、閉塞状態になる前の機内温度を定期的に取得しておき、それらの規定された時間内の平均温度を待機時間判断のための機内温度Temp Aveとして用いても良い。
<その他の実施形態>
上記の実施形態では、チューブ閉塞状態における経過時間とその状態における平均機内温度の両方を用いて待機時間を選択したが、チューブ閉塞状態における経過時間のみから待機時間を選択しても良い。この場合、機体内温度情報は取得せず、タイマ208から取得した時刻Time A及びTime Zから閉塞状態における総経過時間 Time Prgを算出する。そして、不図示の経過時間とチューブ内部の貼り付きが解消するまでの推定待機時間の関係を示すプロファイルデータから待機時間を選択する。
上記の実施形態では、チューブ閉塞状態における経過時間とその状態における平均機内温度の両方を用いて待機時間を選択したが、チューブ閉塞状態における経過時間のみから待機時間を選択しても良い。この場合、機体内温度情報は取得せず、タイマ208から取得した時刻Time A及びTime Zから閉塞状態における総経過時間 Time Prgを算出する。そして、不図示の経過時間とチューブ内部の貼り付きが解消するまでの推定待機時間の関係を示すプロファイルデータから待機時間を選択する。
また、チューブ閉塞状態における機内温度のみから待機時間を選択しても良い。この場合、上述の平均温度Temp Aveもしくは、前記実施例のTemp AとTempZの高い方、またはTemp Zを用いて不図示の機内温度とチューブ内部の貼り付きが解消するまでの推定待機時間の関係を示すプロファイルデータから待機時間を選択する。このように、待機時間を決定するための条件を減らすことで、スタンバイ状態のときに駆動する制御部を減らすことができ、省電力化することができる。
また、上記実施形態では、印字開始のみを待機時間を決定する処理の対象としているが、例えば記録ヘッド107の状態を回復するための回復動作を開始するときの待機時間の決定にも適用することができる。回復動作は、記録ヘッドの吐出口内で固着したインクやごみを取り除くことによって記録ヘッド107の吐出状態を回復させる動作であり、例えば画像を記録するインクの吐出ではない予備吐出や、吐出口内のインクを吸い出す吸引等がある。こうした回復動作は、印字を開始できるまで待たなくとも開始することができるので、待機時間を短く設定できる。そのため、印字開始までの待機時間と、回復動作開始までの待機時間の2種類のプロファイルを用意しても良い。
また、時刻や機内温度の取得は記録装置内のタイマ208、温度センサ210ではなく、外部装置の、例えば記録装置本体とUSBや無線通信等で通信可能に接続されたPCから取得しても良いし、無線で接続されたスマートスピーカーなどから取得しても良い。これにより、チューブ閉塞状態では記録装置はほとんど電力を消費しない状態とすることができる。また、機内温度と室温に大きな差は無いと推定できるため、制御にもさほど誤差は出ないと思われる。
以上説明した実施形態により、閉塞機構によりチューブが閉塞された状態を解除した際のチューブ内の貼り付き状態が解消されるまでの待機時間を適切に設定することができる。それにより、貼り付きによるチューブによるインクの供給を必要とする動作での不具合の発生を抑制しつつ、過剰にユーザを待機させることを防ぐことができる。
Claims (14)
- 記録ヘッドへインクを供給するためのチューブと、
前記チューブを押しつぶし、前記チューブ内のインクの流れを止める閉塞状態にする閉塞手段と、
前記閉塞手段を閉塞状態にしてから閉塞状態を解除するまでの経過時間を取得する経過時間取得手段と、
前記経過時間に基づいて、前記閉塞手段による前記チューブの閉塞状態が解除されてからインクの供給を必要とする動作を開始するまでの待機時間を決定する決定手段と、
を有する記録装置。 - 記録装置内の温度情報または記録装置の周囲の温度情報を取得する温度取得手段をさらに有し、
前記決定手段は、前記経過時間と前記温度情報とに基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 記録ヘッドへインクを供給するためのチューブと、
前記チューブを押しつぶし、前記チューブ内のインクの流れを止める閉塞状態にする閉塞手段と、
記録装置内の温度情報または記録装置の周囲の温度情報を取得する温度取得手段と、
前記温度情報に基づいて、前記閉塞手段による前記チューブの閉塞状態が解除されてからインクの供給を必要とする動作を開始するまでの待機時間を決定する決定手段と、
を有する記録装置。 - 前記閉塞手段を閉塞状態にしてから閉塞状態を解除するまでの経過時間を取得する経過時間取得手段をさらに有し、
前記決定手段は、前記温度情報と前記経過時間とに基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。 - 前記決定手段は、前記閉塞手段により前記チューブが閉塞状態となっているときに前記温度取得手段が取得した温度情報の平均に基づいて、前記待機時間を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記決定手段は、前記閉塞手段により前記チューブが閉塞状態となっているときに前記温度取得手段が取得した温度と、前記閉塞手段が閉塞状態を解除した後に前記温度取得手段が取得した温度情報に基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
- 前記決定手段は、前記閉塞手段により前記チューブを閉塞状態とする前に前記温度取得手段が取得した温度情報と、前記閉塞手段が閉塞状態を解除したときに前記温度取得手段が取得した温度情報のうち、高い温度を示す温度情報に基づいて、前記待機時間を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記決定手段は、前記閉塞手段により前記チューブを閉塞する前の規定の時間内における前記温度取得手段が取得した温度情報の平均の温度情報に基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記決定手段は、前記閉塞手段により前記チューブを閉塞する前に前記温度取得手段が取得した温度と、前記閉塞手段が閉塞状態を解除した後に前記温度取得手段が取得した温度情報に基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
- インクの供給を必要とする動作は、前記記録ヘッドによる印字動作または前記記録ヘッドのインクの吐出状態を回復させるための回復動作であることを特徴とする請求項1または3に記載の記録装置。
- 前記回復動作は、予備吐出または吸引動作であることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
- 前記温度取得手段は、前記記録装置内に設けられた温度センサであることを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
- 前記温度取得手段は、外部装置と通信可能に接続し、前記外部装置から前記温度情報を取得することを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
- 前記経過時間と前記温度情報と、前記待機時間との関係を規定したプロファイルを保持する保持手段を有し、
前記決定手段は、前記保持手段に保持された前記プロファイルに基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項2または4のいずれか1項に記載の記録装置。
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2022
- 2022-06-27 JP JP2022103068A patent/JP2024003718A/ja active Pending
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