JP2024003623A - メカニカルシール - Google Patents

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真也 山本
Shinya Yamamoto
祐貴 佐々木
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Abstract

【課題】弾性密封体とケースとの間の密封性を保つことができるメカニカルシールを提供すること。【解決手段】回転機器の回転軸を包囲するハウジング3と、径方向に延びる径方向壁10bを有し、ハウジング3に取り付けられる静止側ケース10と、静止側ケース10にスプリング13を介して保持される静止密封環11と、静止密封環11と対向し回転軸2に取り付けられる回転密封環21と、静止密封環11と静止側ケース11との間を密封するベローズ12と、ベローズ12を静止側ケース11に向かって径方向に押圧するバンド60を備え、ベローズ12は径方向壁10bと当接する当接面157を有し、径方向において、バンド60とベローズ12が接触する最も反被密封流体側(内径側)の位置(例えば、外周面56dの位置)が、当接面157の最も反被密封流体側の位置(境界部158の位置)よりも反被密封流体側(内径側)に位置する。【選択図】図4

Description

本発明は、回転軸を軸封するメカニカルシールに関する。
メカニカルシールは、流体機器のハウジングと該ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、ハウジングに取付けられる静止側ケースに固定される静止密封環の摺動面と、回転軸に取付けられる回転側ケースに固定され回転する回転密封環の摺動面とを周方向に摺接させて、摺動面に生じる摩擦を低減するとともに被密封流体の漏れを防ぐ機能を有している。
この種のメカニカルシールには、密封環の取付け箇所からの漏れを防ぐOリングやベローズ等の二次シールが用いられており、長手方向に伸縮性を有するベローズを用いることで密封環の軸方向移動を円滑になされる。例えば、特許文献1に示されるメカニカルシールは、静止密封環の内周面に沿って軸方向に延びる軸方向壁及び静止密封環から離れた位置で静止密封環の背面に沿って径方向に延びる径方向壁を有するケースと、軸方向の一端側の押え部が静止密封環に外径側から取付けられるとともに、軸方向の他端側の押圧部がケースの軸方向壁に向けて押圧され、ケースと静止密封環との間を密封するベローズと、ベローズの押圧部を外径側から押圧する固定部材と、を備えている。詳しくは、ベローズの押圧部は、ケースの軸方向壁に沿って延びる軸方向部位と、ケースの径方向壁に沿って延びる径方向部位と、を有し、ベローズの押圧部における軸方向部位が前記固定部材によりケースに対して内径方向に向けて押圧されている。
実用新案登録第3210688号(第7-8頁、第2図)
上記特許文献1に記載のメカニカルシールにあっては、ベローズの押圧部における軸方向部位が固定部材により内径方向に向けて押圧される構造であって、被密封流体の高圧によって径方向部位がケースの径方向壁から離れる方向に引っ張られ、径方向部位と径方向壁との間に生じた隙間に被密封流体が進入しやすくなるため、径方向部位とケースの径方向壁との間の密封性が低減するという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ベローズとケースとの間の密封性を保つことができるメカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
回転機器の回転軸を包囲するハウジングと、
径方向に延びる径方向壁を有し前記ハウジングに取り付けられるケースと、
前記ケースに付勢手段を介して保持される一方の密封環と、
前記回転軸に取り付けられ、前記一方の密封環と接触し被密封流体を密封する他方の密封環と、
前記一方の密封環と前記ケースとの間を密封する弾性部材と、
前記弾性部材を前記ケースに向かって径方向に押圧する固定部材と、を備えるメカニカルシールであって、
前記弾性部材は前記径方向壁と当接する当接部を有し、
径方向において、前記固定部材と前記弾性部材が接触する最も反被密封流体側の位置が、前記当接部の最も反被密封流体側の位置よりも反被密封流体側に位置する。
これによれば、被密封流体の圧力が作用した際に弾性部材の当接部にはケース側への力が働くため、弾性部材とケースとの間の密封性を保つことができる。
前記弾性部材の被密封流体側には、前記固定部材が配置されていてもよい。
これによれば、弾性部材がケースから離れる方向への変形を規制できる。
前記固定部材は、軸方向に沿って延びる第1部位と、径方向に沿って延びる第2部位と、を有していてもよい。
これによれば、弾性部材を径方向にも、軸方向にも押し付けることができる。
前記第1部位と前記第2部位との間の角部における前記弾性部材側は曲面状に形成されていてもよい。
これによれば、弾性部材に固定部材を滑らかに接触させることができる。
前記弾性部材には、径方向に押圧された箇所から前記当接部にかけてテーパ形状が形成されていてもよい。
これによれば、ベローズの軸方向部位から径方向部位に至る曲折箇所に均質な応力を作用させることができる。
前記テーパ形状は複数のテーパ面からなっていてもよい。
これによれば、ケースと弾性部材との隙間を小さくしつつ、該隙間内で弾性部材が効率的に弾性変形可能となっている。
前記弾性部材には前記固定部材の軸方向移動を規制する凸部が形成されていてもよい。
これによれば、固定部材の軸方向移動が規制され、安定して弾性部材の径方向部位をケースの径方向壁に当接させてることができ、密封性を確保できる。
本発明に係る実施例のメカニカルシールを示す断面図である。 図1の要部を示す断面図である。 (a)はベローズを示す断面図、(b)は(a)の要部を示す断面図である。 (a)はメカニカルシールの組立状態において被密封流体の圧力が加わっていない状態を示す要部断面図、(b)はバンドを示す断面図である。 メカニカルシールの組立状態において被密封流体の圧力が加わった状態を示す要部断面図である。 ベローズの変形について説明するための模式図である。 本発明の変形例としてのベローズを示す断面図である。 本発明の他の変形例としてのベローズを示す断面図である。
本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る回転機器の回転軸と回転軸を包囲するハウジングとの間に設けられるメカニカルシールにつき、図1~図6を参照して説明する。以下、図1の紙面左側を左側、紙面右側を右側として説明する。
図1に示されるように、メカニカルシール1は、外径側から内径側に向けて漏れようとする被密封流体Fを密封するインサイド型のメカニカルシールである。尚、静止密封環11と回転密封環21の内径側の空間を大気A側、静止密封環11と回転密封環21の外径側の空間を被密封流体F側として説明する。
本実施例のメカニカルシール1は、回転側要素Rと、静止側要素Sと、から構成されており、互いに摺接する回転密封環21と静止密封環11とにより隔離された一方の被密封流体F側から他方の大気A側に被密封流体が漏洩することを抑制する。
回転側要素Rは、回転軸2に固定される回転側ケース20と、回転側ケース20内に配置され、保持される回転密封環21と、回転側ケース20と回転密封環21との間に圧縮状態で配置されるカップガスケット22と、から主に構成されている。
回転側ケース20は、右面側に向けて開口する断面略J字状の環状部材であり、金属薄板をプレス・曲げ加工によって形成されている。尚、回転側ケース20は素材や加工法は限定されることなく、例えば樹脂成型品であってもよい。
回転側ケース20は、軸方向に延びる円筒状の軸方向壁20aと、軸方向壁20aの左側端部から内径方向に延びる円環状の径方向壁20bと、径方向壁20bの内径端から回転軸2に沿って右側に延びる円筒状の軸方向壁20cと、を備えている。尚、本実施例では軸方向壁20aと径方向壁20bとは略90度を成している。
回転密封環21は、断面矩形状をなしており、その右面、すなわち回転密封環21の正面が平坦な摺動面21aとなっている。尚、以下、回転密封環21の右側を正面側、左側を背面側ということもある。
静止側要素Sは、ハウジング3に取り付けられ、固定される静止側ケース10と、該静止側ケース10に非回転状態かつ回転密封環21と対向し相対回転可能かつ軸方向に移動可能な状態で設けられた環状の静止密封環11と、静止側ケース10と静止密封環11との間を密封する弾性部材としてのベローズ12と、静止側ケース10に保持され、静止密封環11を回転密封環21に向けて付勢する付勢手段としてのスプリング13と、ベローズ12を静止側ケース10に径方向に、或いは、径方向かつ軸方向に押圧して固定する固定部材としてのバンド60と、静止側ケース10内に配置される内ケース70と、から主に構成されている。
ここで、静止側ケース10と静止密封環11とはキー嵌合しており、軸方向に相対移動可能、回転方向に移動規制されている。尚、回転方向への移動規制の手段は、係合ピンの利用等他の方法であってもよい。
静止側ケース10は、左側に向けて開口する断面略U字状の環状部材であり、内ケース70は、左側及び右側に向けて開口する環状部材であり、金属薄板をプレス・曲げ加工によって形成されている。尚、静止側ケース10及び内ケース70は素材や加工法は限定されることなく、例えば、樹脂成型品であってもよい。
静止側ケース10は、ハウジング3の内周面に沿って軸方向に延びる筒状の軸方向壁10aと、軸方向壁10aの正面側端部から内径方向に延びる円環状の径方向壁10bと、径方向壁10bの内径端から左側に延びる筒状の軸方向壁10cと、を主に備えている。
静止密封環11は、基部11aと、基部11aの内径側かつ左面側から軸方向に突出する環状の凸部11bと、を備えている。凸部11bにおける左面である回転密封環21との対向面が摺動面11dとなっている。
図2及び図3(a)に示されるように、ベローズ12は、弾性変形可能な合成樹脂材ないしゴム材から構成された環状部材であり、静止密封環11の背面側で軸方向に離れて配置される押圧部51と、静止密封環11の外径側に配置される取付部52と、押圧部51と取付部52とを連結する連結部53と、を有している。
尚、図3に示されるベローズ12は、静止側ケース10に組立けられる前の自然状態(すなわち非変形状態)での形状である。また、ベローズ12は軸方向の両端面が開口する略筒状のシール部材である。
取付部52は、軸方向延在部52Aと径方向延在部52Bとを有し、断面視略L字状に形成されている。取付部52は、組立状態で静止密封環11の外周面や背面に当接する取付部位55を有している。取付部位55は、軸方向延在部52Aから内径側に突出する突条55aと、径方向延在部52Bの内壁55bと、を有している。突条55aは、静止密封環11の外周面11cに外径側から押し付けられる。
押圧部51は、軸方向部位56Aと径方向部位56Bとを有し、断面視略L字形に形成されている。軸方向部位56Aは、静止側ケース10の軸方向壁10cに沿って軸方向に延びており、径方向部位56Bは軸方向部位56Aの右端部から静止側ケース10の径方向壁10bに沿って径方向に延びている。押圧部51は静止側ケース10の軸方向壁10cに外嵌着される。
軸方向部位56Aの内周には、左側の連結部53の内端部53cよりも内径側に向けて突出する環状の内凸条56cが形成されている(図3参照)。図2に示す組立状態では、静止側ケース10の軸方向壁10cの外周面10dと接触している。軸方向部位56Aは固定部材としてのバンド60により静止側ケース10の軸方向壁10cに固定される。これにより、軸方向部位56Aは内径方向に押圧されることで、軸方向部位56Aの内凸条56cは弾性変形して外周面10dに外径側から押し付けられる。
軸方向部位56Aと径方向部位56Bとの内径側の角部には、軸方向右側に向けて先細りするようにテーパ形状部156が形成されている。尚、先細りする形状とすることは必須ではない。このテーパ形状部156は、軸方向部位56Aの内凸条56cから右側に向けて平坦なテーパ面としての第1傾斜面156aと、第1傾斜面156aの右側端部から後述する当接部としての当接面157に向けて延びる平坦なテーパ面としての第2傾斜面156bと、から構成されている。
図3(b)を参照し、第2傾斜面156bと、径方向部位56Bにおける径方向に延びる平坦な当接面157との境界を境界部158と呼ぶ。この境界部158は軸方向部位56Aの外周面56dよりも外径側に配置されている(一点鎖線を参照。)。
また、図4(a)に示されるように、第2傾斜面156bは、組立状態でバンド60の右内径側の角部62に形成された曲面62aと軸方向に重畳する位置まで延びている。
図3(a)に示されるように、押圧部51の軸方向部位56Aの外周面56dの左側には、外径方向に突出する環状のリブ57が形成されている。これにより、図4(a)に示されるように、バンド60は軸方向左方への移動が規制されている。
連結部53は、断面視円弧状に形成、詳しくは径方向に延びる部位とこの部位に連なり四分円弧状の部位により形成されており、取付部52に連なる外径端は径方向延在部52Bよりも肉薄であり、押圧部51に連なる内径端は軸方向部位56Aのリブ57が形成された部位に連なっている。連結部53は、ベローズ12の主なる可撓部となっており、メカニカルシール1の使用状態において押圧部51に対して取付部52が軸方向に移動することが可能となっている。
次いで、バンド60について説明する。
図4(b)に示されるように、バンド60は、例えば、金属材により環状に形成され、ベローズ12の軸方向部位56Aに沿って延びる第1部位61aと、第1部位61aの右端から径方向部位56Bに沿って延びる第2部位61bと、第1部位61aの左端から外径側にて折り返すように形成される第3部位61cと、を有し、断面視略L字形に形成されている。
第1部位61aと第2部位61bとの間の右内径側の角部62には、第1部位61aの内周面63から第2部位61bの右側面64にかけて湾曲する略四分円状の曲面62aが形成されている。この曲面62aは、ベローズ12の軸方向部位56Aと径方向部位56Bとの間の左外径側の角部159の曲面とほぼ同形とされている。
静止側要素Sの組立てについて説明する。ベローズ12にバンド60と内ケース70を取付ける。この状態で、ベローズ12を軸方向に移動させて静止側ケース10に外嵌する、その際、押圧部51の当接面157が径方向壁10bに当接するまでバンド60を軸方向に移動させる。その後、静止密封環11を軸方向に移動させて、静止側ケース10とベローズ12の取付部52との間に取り付ける。尚、組立て手順はこの順に限られない。
次に、メカニカルシール1の使用状態について、図4~図6に基づいて説明する。尚、図4(a)は、被密封流体の圧力が加わっていない状態(以下、非加圧状態ともいう。)を示し、図5は、被密封流体の圧力が加わった状態(以下、加圧状態ともいう。)を示している。
図4(a)に示されるように、ベローズ12の取付部52は、内ケース70の内周面と静止密封環11の外周面11cに挟持されて取付けられている。これにより取付部52と静止密封環11との間が密封される。
一方、ベローズ12の押圧部51は、バンド60の第1部位61aの内周面63と静止側ケース10の軸方向壁10cの外周面10dとの間に軸方向部位56Aが強い挟持力で挟持されている。軸方向部位56Aがバンド60により内径方向に向けて押圧されている。これにより、軸方向部位56Aと静止側ケース10との間が密封される。
また、ベローズ12の径方向部位56Bは、バンド60の第2部位61bの右側面64と静止側ケース10の径方向壁10bの左側面10eとの間に弱い挟持力で挟持されている。詳しくは、当接面157が静止側ケース10の径方向壁10bの左側面10eに押し付けられて当接している。これにより、径方向部位56Bと静止側ケース10との間が密封される。尚、バンド60の第2部位61bは、ベローズ12の径方向部位56Bが静止密封環11側に変形することを規制するいわゆるバックアップリングの機能を奏している。
この状態において、静止側ケース10における径方向壁10bと軸方向壁10cとの間の角部と、ベローズ12のテーパ形状部156と、の間には隙間S1が形成されている。
図5に示されるように、加圧状態では、ベローズ12の連結部53には、左内径方向に向けて被密封流体Fの圧力よる力F1が加わるとともに、取付部52には、右内径方向に向けて被密封流体Fの圧力による力F2が加わる。
このように、力F1により、連結部53は左方への力を受け僅かに左方かつ内径側に膨らむように変形する。力F2により、押圧部51は右方への力を受け僅かに右方かつ内径側に膨らむように変形する。
図6を参照して模式的に説明すると、境界部158がバンド60の第1部位61aの内周面63よりも外径側に位置すること、径方向部位56Bの第2傾斜面156bが形成された部位が内凸条56cが軸方向部位56Aに形成された部位より肉薄であること、及び径方向部位56Bと軸方向部位56Aが略90度屈曲していることから、加圧状態において、境界部158が起点Oとなり、径方向部位56Bは変形しやすくなっている。
また、力F1とF2の内径方向の成分の力Fr(=F1r+F2r)(F1rは図示していない。)により、ベローズ12の軸方向部位56Aは静止側ケース10の軸方向壁10cに押し付けられ、軸方向部位56Aの軸方向壁10cへの取付け力が大きくなる。力F1と力F2の軸方向の成分は合力である力Faは軸方向左側に向かう力としてベローズ12に作用する。
ここで、力F1と力F2の軸方向の成分の力は反対方向を向いているので軸方向の力Fa(=F1a-F2a)(F1aは図示していない。)は小さい。また、力Frの分だけ軸方向部位56Aの軸方向壁10cへの押圧力が大きくなっている。これらのことから、加圧状態においてもベローズ12、特に軸方向部位56Aの軸方向位置は変わらず、内凸条56c及び当接面157による密封性を保つことができる。
このように、力F2は軸方向右側に向かう成分を有しているから、軸方向部位56Aは軸方向の左側に引っ張られて移動しにくくなる。そのため、当接面157が静止側ケース10の径方向壁10bから離れにくくなる。
また、径方向部位56Bは被密封流体によって径方向壁10bに向かう力を受けるととともに径方向部位56Bと軸方向部位56Aが屈曲して連なりかつこの屈曲部位が薄肉で曲げ変形しやすいことから、当接面157が静止側ケース10の径方向壁10bから離れにくくなっている。
以上説明したように、本発明の実施例としてのメカニカルシール1にあっては、静止側ケース10は、静止密封環11の周面に沿って軸方向に延びる軸方向壁10cと、静止密封環11の右側面に沿って径方向に延びる径方向壁10bと、を有する。
また、ベローズ12は、静止密封環11に取付けられる取付部52と、静止側ケース10の軸方向壁10cに沿って延びる軸方向部位56Aと、静止側ケース10の径方向壁10bに沿って延びる径方向部位56Bと、を有し、軸方向部位56Aはバンド60により静止側ケース10に向けて内径方向に向けて押圧されている。
そして、ベローズ12の径方向部位56Bは、静止側ケース10の径方向壁10bと当接する当接面157を有し、当接面157は、静止側ケース10の軸方向壁10cよりも径方向のバンド60側、つまり、外径側に位置する。
言い換えると、メカニカルシール1は、回転機器の回転軸を包囲するハウジング3と、径方向に延びる径方向壁10bを有し、ハウジング3に取り付けられる静止側ケース10と、静止側ケース10にスプリング13を介して保持される静止密封環11と、静止密封環11と対向し回転軸2に取り付けられる回転密封環21と、静止密封環11と静止側ケース11との間を密封するベローズ12と、ベローズ12を静止側ケース11に向かって径方向に押圧するバンド60を備え、ベローズ12は径方向壁10bと当接する当接面157(本発明の当接部に対応する。)を有し、径方向において、バンド60とベローズ12が接触する最も反被密封流体側(すなわち、内径側)の位置(すなわち、外周面56dの位置)が、当接面157の最も反被密封流体側の位置(すなわち、境界部158の位置)よりも反被密封流体側(すなわち、内径側)に位置する。
これによれば、ベローズ12の径方向部位56Bにおける当接面157が、静止側ケース10の径方向壁10bよりも径方向のバンド60側、つまり、軸方向部位56Aの外周面56dよりも外径側に位置することで、被密封流体の圧力が作用した際にベローズ12の当接面157には径方向壁10b側への力が働くため、ベローズ12と静止側ケース10との間の密封性を保つことができる。
また、径方向部位56Bにおける被密封流体F側、つまり、当接面157と反対の左側には、バンド60の第2部位61bが配置されていることで、径方向部位56Bにバンド60の第2部位61bが当接するため、径方向部位56Bが静止側ケース10の径方向壁10bから離れる方向への変形を規制できる。
また、バンド60は、軸方向部位56Aに沿って延びる第1部位61aと、径方向部位56Bに沿って延びる第2部位61bと、を有することで、ベローズ12の軸方向部位56Aを静止側ケース10の軸方向壁10cに押し付けるだけでなく、径方向部位56Bを径方向壁10bに押し付けることができる。
また、第1部位61aと第2部位61bとの間の角部62における内径側には曲面62aが形成されていることで、ベローズ12にバンド60を滑らかに接触させることができる。
また、ベローズ12には、径方向に押圧される軸方向部位56Aの内凸条56cから当接面157にかけてテーパ形状部156が形成されていることで、ベローズ12の軸方向部位56Aから径方向部位56Bに至る曲折箇所に均質な応力を作用させることができる。
また、テーパ形状部156の起点は、バンド60と反対側であることで、簡素な構造によって当接面157を静止側ケース10の軸方向壁10cよりも外径側に位置させることができる。
また、テーパ形状部156は複数のテーパ面(第1傾斜面156aと第2傾斜面156b)からなっていることで、静止側ケース10とベローズ12との隙間S1を小さくしつつ、該隙間S1内でベローズ12が効率的に弾性変形可能となっている。
また、ベローズ12には、バンド60の軸方向移動を規制する凸部としてのリブ57が形成されていることで、バンド60の軸方向移動が規制され、安定してベローズ12の径方向部位56Bを静止側ケース10の径方向壁10bに当接させてることができ、密封性を確保できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、軸方向部位56Aの内凸条56cが平坦状にて形成される形態を例示したが、例えば、図7に示されるように、断面曲面状にて形成されていてもよい。
静止側ケース10にベローズ12が組立けられてなる形態を例示したが、回転側ケース20にベローズ12が組立けられるようにしてもよい。
また、前記実施例では、ベローズ12の当接面157は、軸方向部位56Aの外周面56dよりも外径側に位置する形態を例示したが、当接面157は、バンド60の第1部位61aの内周面63よりも外径側に位置するものであってもよい。
また、前記実施例では、インサイド型のメカニカルシールを例に説明したがこれに限られず、アウトサイド型のメカニカルシールとしてもよい。この場合、ベローズ12の外径側に密封環が設置されるようにし、当接部は、ケースの軸方向壁よりも径方向押圧部材側に位置する、つまり、軸方向部位の内周面よりも内径側に位置していればよい。
また、前記実施例では、テーパ形状部156が2つの第1傾斜面156aおよび第2傾斜面156bにより構成されている形態を例示したが、第2傾斜面156bのみで構成されていてもよいし、3つ以上の傾斜面により構成されていてもよい。
また、前記実施例では、テーパ形状部156は、前記実施例では平坦面にて構成される形態を例示したが、階段状をなす形態でもよいし、図8に示されるテーパ形状部156cのように、断面曲面状に形成されていてもよい。
また、前記実施例では、固定部材として、第1部位61aと第2部位61bと第3部位61cとから構成されるバンド60を適用した形態を例示したが、軸方向部位56Aを径方向に押圧可能な部位を有していれば、必ずしも第2部位61bや第3部位61cを有していなくてもよい。
また、被密封流体Fは、気体、液体または気体と液体の混合状態のいずれであってもよい。また、漏れ側の流体は大気Aに限られず、気体、液体または気体と液体の混合状態のいずれであってもよい。
また、前記実施例では、付勢手段の一例としてスプリングを適用した形態を例示したが、スプリングの種別は種々に変更可能であり、例えば、圧縮コイルバネや板バネなどでもよい。また、回転軸2の外周に挿入される環状のスプリングではなく、回転軸2の周方向に複数のスプリングを配置してもよい。
1 メカニカルシール
2 回転軸
3 ハウジング
10 静止側ケース(ケース)
10a 軸方向壁
10b 径方向壁(径方向壁)
10c 軸方向壁(軸方向壁)
10d 外周面
10e 左側面
11 静止密封環(密封環)
11d 摺動面
12 ベローズ(弾性部材)
13 スプリング(付勢手段)
20 回転側ケース
21 回転密封環(密封環)
21a 摺動面
51 押圧部
52 取付部
52A 軸方向延在部
52B 径方向延在部
53 連結部
55 取付部位
56A 軸方向部位
56B 径方向部位
56c 内凸条
56d 外周面
57 リブ(凸部)
60 バンド(固定部材)
61a 第1部位(第1部位)
61b 第2部位(第2部位)
61c 第3部位
62 角部
62a 曲面
70 内ケース
156 テーパ形状部(テーパ形状)
156a 第1傾斜面(テーパ面)
156b 第2傾斜面(テーパ面)
157 当接面(当接部)
158 境界部(当接部)
A 大気
F 被密封流体
O 起点
R 回転側要素
S 静止側要素
S1 隙間

Claims (7)

  1. 回転機器の回転軸を包囲するハウジングと、
    径方向に延びる径方向壁を有し前記ハウジングに取り付けられるケースと、
    前記ケースに付勢手段を介して保持される一方の密封環と、
    前記回転軸に取り付けられ、前記一方の密封環と接触し被密封流体を密封する他方の密封環と、
    前記一方の密封環と前記ケースとの間を密封する弾性部材と、
    前記弾性部材を前記ケースに向かって径方向に押圧する固定部材と、を備えるメカニカルシールであって、
    前記弾性部材は前記径方向壁と当接する当接部を有し、
    径方向において、前記固定部材と前記弾性部材が接触する最も反被密封流体側の位置が、前記当接部の最も反被密封流体側の位置よりも反被密封流体側に位置するメカニカルシール。
  2. 前記弾性部材の被密封流体側には、前記固定部材が配置されている請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記固定部材は、軸方向に沿って延びる第1部位と、径方向に沿って延びる第2部位と、を有する請求項2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記第1部位と前記第2部位との間の角部における前記弾性部材側は曲面状に形成されている請求項3に記載のメカニカルシール。
  5. 前記弾性部材には、径方向に押圧された箇所から前記当接部にかけてテーパ形状が形成されている請求項1~4のいずれかに記載のメカニカルシール。
  6. 前記テーパ形状は複数のテーパ面からなっている請求項5に記載のメカニカルシール。
  7. 前記弾性部材には前記固定部材の軸方向移動を規制する凸部が形成されている請求項1に記載のメカニカルシール。
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