JP2024001725A - 間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法 - Google Patents

間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧縮機を二段構成として具えた間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置において、乾燥機から排出されたキャリアガスからドレン状態の熱媒体への熱回収を行う熱交換器における熱交換の状態を良好なものにすることにより、装置全体の効率を著しく向上することのできる、新規な間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法の開発を技術課題とした。【解決手段】 一段目の圧縮機5Aの一次側の圧力が所定の値となるよう、一段目の圧縮機機5Aの回転数を制御して、熱交換器45における熱媒体の蒸発量を制御するものであり、条件部を「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機吸込圧」とし、結論部を「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」とするファジィ推論を行うことを特徴として成る。【選択図】図1

Description

本発明は泥状・ケーク状・粉粒状等の材料や液体材料の乾燥・濃縮方法並びにその装置に関するものであって、特に伝導伝熱乾燥機において、排気口から排出された、被処理物から蒸発した水蒸気を含んだキャリアガスの熱により、温度が低下してドレン状態で加熱装置から排出された熱媒体の再蒸発を行い、被処理物の乾燥熱源として循環使用する乾燥・濃縮方法並びにその装置に係るものである。
近時、環境保全の取り組みが盛んになってきており、企業等にあっては、生ごみ、食品加工残渣等の一般廃棄物や、下水汚泥等を乾燥して、減量・腐敗防止を図ったうえで再資源化や処分を行っている。そしてこのような乾燥に供される装置の一つに、被処理物から生じた蒸気そのものを被処理物の加熱源として供するヒートポンプ式処理装置があり、この装置は直接加圧型(蒸気再圧縮型)と呼ばれる。
一方、間接加圧式のヒートポンプ式処理装置は、熱媒体にフロンなどを使用した冷凍システムを応用したものが多く、乾燥機から真空排気装置までの一連のシステムを真空下で操作する必要があり、乾燥機は真空乾燥機となり、外圧に耐える頑丈な本体と、乾燥製品を排出するための特別なシステムが必要となる。
このため従来は、伝導伝熱乾燥機で間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプを実用化した例は見当たらなかった。
そこで本出願人は、装置全体を小規模に構成することができ、また被処理物の乾燥・濃縮操作を連続的に行うことができ、更にまた消費電力を低減することができ、更にまた凝縮水の汚染を招いてしまうことのない、新規な蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置を開発し、既に特許出願に及んでおり、この発明は評価され登録に至っている(特許文献1参照)。
また本出願人は、蒸気再圧縮型のヒートポンプ式処理装置についての研究開発を継続して種々の改良を試みており、従来、斯界の常識としてキャリアガスとして外気が用いられていたところを、過熱蒸気を用いるという着想に基づいて、被処理物の乾燥を常圧下において連続的に行うことができるとともに、装置の製造コストを大幅に低減することができる発明を案出し、既に特許出願に及んでおり、この発明も評価され登録に至っている(特許文献2参照)。
更にまた本出願人は、キャリアガスとして過熱蒸気を用いることを特徴とした上記発明を、直接加圧式蒸気再圧縮型とは異なる、間接加圧式蒸気再圧縮型のヒートポンプ式処理装置に適用することにより、前述した圧縮機の故障等の問題を解消することのできる装置を開発し、既に特許出願に及んでおり、この発明もまた評価され登録に至っている(特許文献3参照)。
そしてその後も本出願人は、このような間接加圧式蒸気再圧縮型のヒートポンプ式処理装置の研究・開発を継続しており、下記の点において改善の余地があることを認識するに至った。
まず第一に、加熱装置から排出される熱媒体がドレン状態となる装置の場合、このドレンの再蒸発が不十分となってしまう点であり、また第二に、圧縮機の吸入側が、大気圧よりも低圧側である負圧になることにより、効率の低下を引き起こしている点であって、更にはこの場合、圧縮機の吐出圧力が下がり装置全体の効率が低下してしまう点である。
このような問題を解決すべく、本出願人は圧縮機を二段構成として、一段目の圧縮機を専らその上流側(吸引側)の減圧のために用いて、ドレン状態の熱媒体の蒸発を良好にするとともに、その下流側(吐出側)を正圧とすることにより、二段目の圧縮機の効率低下を回避して、装置全体の効率を著しく向上することのできる、新規な乾燥・濃縮方法並びにその装置を開発し、既に特許出願に及んでおり、この発明もまた評価され登録に至っている(特許文献4並びに本件図8参照)。
その後、上記特許文献4に開示されている連続式伝導伝熱乾燥機が具えられたヒートポンプ式処理装置の実用化と運用が進むにつれて、以下に示すような点で改善の余地があることが顕在化してきた。
具体的には図8に示すように、排気口104′から排気されたキャリアガスS5 から、熱媒体のドレンD0(飽和蒸気S1)に回収される熱量は、被処理物の種類、状態、投入量等の要因により変動するものであり、乾燥機1′で必要とされる熱量を上回ってしまう場合がある。
このため現状では、1 段目の圧縮機5A′の一次側の圧力が所定の値(大気圧より20~40kPaG程度低い値)となるよう、1 段目の圧縮機5A′の回転数をPID制御して、熱交換器45′における熱媒体の蒸発量を制御するとともに、以下に示すような制御が行われている。
まず熱交換器45′での熱回収量が二段目の圧縮機5B′の処理能力を上回った場合、一段目の圧縮機5A′と二段目の圧縮機5B′との間の圧力が上昇してしまうため、余剰な飽和蒸気S2を系外へ排出するためのベント機構(放出弁47′)を設け、飽和蒸気S2の一部を外部に放出して二段目の圧縮機5B′が吸引する飽和蒸気S2の量を低下させる制御が行われている。
また乾燥機1′で必要とされる熱量が少なくなった場合、2 段目の圧縮機5B′から排出される飽和蒸気S3の熱エネルギーが余剰となってしまうため、熱交換器45′におけるキャリアガスに対して外気S10を微量加えることにより、熱媒体たるドレンD0(飽和蒸気S1)への熱回収を低下させるような制御が行われている。
しかしながらこれらの操作は、系全体で見ると省エネルギーに反する操作であり、前記熱交換器45′におけるキャリアガスS5への外気の導入量及び一段目の圧縮機5A′と二段目の圧縮機5B′との間における飽和蒸気S2の外部放出量については、できる限り少なくすることが、省エネルギーの観点からは好ましい。
そしてそのための手法としては、交換器45′におけるドレンD1(飽和蒸気S1)への熱回収量を適宜調整することが考えられるが、1 段目の圧縮機5A′は、一次側の圧力が所定の値となるよう回転数がPID制御されるものであり、オペレータが前記飽和蒸気S2の余剰量及び乾燥機1′で必要とされる熱量を把握して、一次側の圧力所定値の変更を手動で行うことは困難を極めるものであり、またできたとしてもオペレータにかかる負担は多大なものとなってしまう。
特開2005-331210号公報(特許第4420737号) 特開2014-6017号公報(特許第6008609号) 特開2014-70886号公報(特許第6063196号) 特開2015-81712号公報( 特許第6291211号)
本発明はこのような背景からなされたものであって、圧縮機を二段構成として具えた間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置において、乾燥機から排出されたキャリアガスからドレン状態の熱媒体への熱回収を行う熱交換器における熱交換の状態を良好なものにすることにより、装置全体の効率を著しく向上することのできる、新規な間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法の開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法は、本体シェル内に加熱装置が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物を接触させて水分を蒸発させるように構成された連続式伝導伝熱乾燥機が具えられたヒートポンプ式処理装置を用いた乾燥・濃縮方法であって、前記ヒートポンプ式処理装置は、温度が低下してドレンの状態で前記加熱装置から排出される熱媒体を再蒸発させ、その後、圧縮機を用いて昇圧・昇温した後、再度加熱装置に供給して循環使用するように構成されたものであり、前記本体シェルに形成された排気口から排出される、被処理物から蒸発した水蒸気を含むキャリアガスの熱を、熱交換器において前記ドレン状態の熱媒体に取り込むことにより再蒸発させるものであり、且つ、前記圧縮機は、二基の圧縮機が直列状態で具えられるものであり、初めに一段目の圧縮機によって、ドレン状態の熱媒体の再蒸発を促すように、一段目の圧縮機の上流側の減圧を行うとともに二段目の圧縮機の吸引側の圧力を正圧とし、引き続いて二段目の圧縮機によって、熱媒体の温度が所望の値となるように昇圧を行う間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法において、前記一段目の圧縮機の一次側の圧力が所定の値となるよう、一段目の圧縮機の回転数を制御して、熱交換器における熱媒体の蒸発量を制御するものであり、条件部を「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機吸込圧」とし、結論部を「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」とするファジィ推論を行うことを特徴として成るものである。
また請求項2記載の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法は、前記要件に加え、前記一段目の圧縮機と二段目の圧縮機との間には、熱媒体を外部に放出するための機構が具えられており、一段目の圧縮機と二段目の圧縮機との間における加熱媒体の圧力が所定の値を超えたときには、熱媒体の一部を外部に放出することを特徴して成るものである。
更にまた請求項3記載の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法は、前記要件に加え、前記熱交換器に供給されるキャリアガスに対して、外気を導入することができるように構成されており、2段目の圧縮機から排出される熱媒体の熱エネルギーが余剰となったときには、熱交換器に供給されるキャリアガスに対して外気を導入することにより、熱媒体への熱回収を低下させることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、一段目の圧縮機の一次側の圧力を適正な設定に変更し、飽和蒸気(キャリアガス)からの熱回収を過不足なく行って飽和蒸気の生成量をコントロールし、乾燥機で必要とされる熱量を過不足なく有する飽和蒸気を得ることができる、乾燥・濃縮装置の運転が可能となる。
その結果、圧縮機の運転を、乾燥・濃縮装置の運転状況に応じて、圧縮比が最適化されたものとすることができるため、消費電力を抑えた運転が可能となる。
またヒートポンプサイクルを最大限生かす運転が可能となるため、補助蒸気の所要量を削減して、蒸気発生装置の消費エネルギーを削減することができる。
更に上述のような複雑な制御をファジィ制御によって行うため、オペレータの負担を大幅に削減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、飽和蒸気の系外放出を行う場合であっても、飽和蒸気の系外放出を抑制することにより、エネルギーロスを削減することができる。
更にまた請求項3記載の発明によれば、熱交換器へ外気を導入する場合であっても、熱交換器への外気導入が抑制されるため、脱臭設備の負荷を削減することができる。
本発明の適用対象である乾燥・濃縮装置(間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置)を示すブロック図である。 乾燥機を一部破断して示す側面図である。 乾燥機を一部透視して示す正面図及び背面図である。 圧縮機を示す断面図である。 ファジィ推論の条件部(前件部)のメンバーシップ関数を示すグラフである。 ファジィ推論の結論部(後件部)を示すグラフである。 ファジィ推論のルールを示す表である。 ファジィ推論のルールを示す表である。 ファジィ推論のルールを示す表である。 ファジィ推論のルールを示す表である。 既存の乾燥・濃縮装置を示すブロック図である。
本発明の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法の最良の形態は以下の実施例に示すとおりであるが、この実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
本発明の適用対象である間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hは一例として図1に示すように、乾燥機1と、投入装置2と、循環路4と、この循環路4に具えられるヘッダ3及び圧縮機5とを主たる構成要素として成るものである。
ここで間接加圧式蒸気再圧縮型とは、乾燥機1における加熱装置に対して供給され、温度が低下してドレンの状態で排出される熱媒体を再蒸発させ、その後、圧縮機を用いて昇圧・昇温した後、熱媒体を再度加熱装置に供給して循環使用するように構成されたものであり、一方、直接加圧式蒸気再圧縮型とは、乾燥機1において被処理物から放出された水分を含んだ排気を、圧縮機を用いて昇圧・昇温した後、加熱媒体として加熱装置に供給するように構成されたものであり、凝縮した加熱媒体はドレンとして外部に放出され、循環使用されることはない。
以下、間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hの構成要素について詳しく説明し、次いでこの装置を用いて被処理物の乾燥・濃縮を行う本発明の運転方法について説明する。
まず前記乾燥機1について説明すると、このものは、図2、3に示すようにいわゆる伝導伝熱式の機器が採用されるものであり、機枠F上に具えられた処理室たる本体シェル10と、その内部に具えられた加熱装置の一例であり、この実施例において凝縮器として機能する多管式加熱管11とが具えられて成るものである。
そして多管式加熱管11を、その内部に熱媒体たる飽和蒸気S4を流すとともに回転させ、被処理物を多管式加熱管11の管外面(伝熱面)に接触させることにより、被処理物に飽和蒸気S4の熱を伝導させて乾燥を行うものである。
また前記本体シェル10は図3に示すように、この実施例では楕円状の横断面を有する中空部材であり、投入口101、溢出口102、キャリアガス口103、排気口104が形成される。ここで前記投入口101は、本体シェル10の端部付近に形成されるものであり、この投入口101付近に排気口104が形成される。更に本体シェル10における前記排気口104よりも中央寄りの部分に第二の投入口101が形成されるものであり、この実施例では投入口101を、排気口104を挟んで二個所に形成するようにした。もちろん、後述する多管式加熱管11の長手方向に沿って更に複数の個所に投入口101を形成するようにしてもよい。なお前記溢出口102の下方に形成される排出口109にはロータリーバルブ105を具えるようにしたが、二重ダンパ式排出装置等を具えるようにしてもよい。
また本体シェル10及び多管式加熱管11は、水平または投入口101側が溢出口102側よりも幾分か高くなるように傾斜して機枠Fに設置される。
更にまた前記本体シェル10は二重ジャケット構造とされ、図1には表されていないが、図2に示されているように、蒸気供給口106からドレン口107に至る加熱媒体の通過経路が形成され、本体シェル10内を昇温することができるような構成が採られている。なお、このような二重ジャケット構造に替えてトレース配管を設置することもできる。
また前記本体シェル10は常圧下での使用を前提に構成されるものであり、このため厳密な気密性が求められることがなく、複雑な投入・排出機構、給・排気機構を要しないものである。このため、乾燥機1及び間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hを低コストで構築することができる。
因みに特許文献1に開示された乾燥・濃縮装置では、100~120℃の飽和蒸気(101~199kPa‐abs)を多管式加熱管に供給するものであるため、被処理物からの水分の蒸発を促進するためには、沸点を降下させる必要があり、このため本体シェル内を真空にして運転されるものであり、本体シェルは厳密な気密性を維持できることが要求されるものであった。
また前記多管式加熱管11は、円筒状のチューブ束116の両側部に鏡板112を具えるとともに、この鏡板112の中心に軸体113を具えて成り、前記機枠Fに具えた軸受ブロック114によって軸体113を回転可能に支持して成るものである。なお多管式加熱管11を回転させるための動力源として機枠F上にモータMが具えられる。
そして前記軸体113の両端にはロータリージョイント115a、115bが取り付けられ、チューブ束116と接続される。また軸体113と本体シェル10との間には、外気との遮断のためのシール機構が設けられている。
またチューブ束116の側周部には、複数のリフタ117及び適宜の角度を持たせた送り羽根118が取り付けられたアングル111が多数(この実施例では12本)具えられるものであり、これらよって被処理物は掻き上げられて前記チューブ束116に接触するとともに投入口101側から溢出口102側に進むこととなる。
また前記溢出口102側の鏡板112内には温度センサ74が具えられており(詳しくは温度センサ74のセンシングを行う先端部分のみが鏡板112内に挿入されている。)、上記多管式加熱管11の温度が測定可能とされている。この温度センサ74は、後述するドレン排出管(図示省略)と共に、ロータリージョイント115bを経由して軸体113の内部を通り、溢出口102側の鏡板112内に配置されるものである。
次に前記投入装置2について説明すると、このものは一例としてホッパ20を具えたモーノポンプ(登録商標)が適用されるものであり、その排出口は前記乾燥機1における投入口101に適宜の経路で接続される。
なお特許文献1に開示された乾燥・濃縮装置では、ホッパは真空脱気可能な構造とされ、乾燥機における本体シェル内への空気の混入防止が図られているが、前述したように本発明の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hにおいてはこのような構造は必要とされない。
なお図示は省略するが、前記本体シェル10における排気口104からはキャリアガス(飽和蒸気S5)が排出され、このものはいわゆる乾燥排ガスであることから、後述する熱交換器45との間に、各種バグフィルタや、サイクロン式の集塵機を具えることが好ましい。
次に前記循環路4について説明すると、この経路は図1中、太線で示すように、前記多管式加熱管11におけるロータリージョイント115aとロータリージョイント115bとの間を、乾燥機1の外部において管路で結ぶように形成された閉路であって、その途中に複数の機器が具えられて成るものである。具体的にはロータリージョイント115bに近い側から、ドレンタンク41、ポンプP、熱交換器45、圧縮機5、ヘッダ3が具えられる。
そしてこのような構成が採られることにより、循環路4内に位置する熱媒体としての飽和蒸気S1を、圧縮機5によって昇圧・昇温し、ヘッダ3により補助蒸気S0を必要に応じて供給した後、多管式加熱管11に飽和蒸気S4として供給するとともに、多管式加熱管11から排出された後、ドレンタンク41から排出されるドレンD0を熱交換器45において再蒸発させて飽和蒸気S1とし、再度圧縮機5によって昇圧・昇温することにより、循環使用することが可能とされている。
また前記ドレンタンク41には、ドレン排出弁49が具えられた管路が接続されており、この管路が、投入装置2のジャケット等に接続されることにより、ドレンタンク41から排出されるドレンD0の熱を、これら機器の熱源として供することが可能となっている。
なおこの実施例では、前記熱交換器45として、筐体内に複数の管路が配されるとともに、この管路の内側を流れる流体と、外側を流れる流体との間で熱交換が行われる、いわゆるシェル&チューブタイプのものが採用されるが、もちろんこの他にも、いわゆる満液式熱交換器等、種々のタイプのものを採用することができる。
また前記圧縮機5は、専ら熱交換器45におけるドレンD0の存在する伝熱管の外側の空間の減圧のために用いられる一段目の圧縮機5Aと、昇圧・昇温のために用いられる二段目の圧縮機5Bとが、循環路4中に直列状態に具えられて構成されるものである。
まず一段目の圧縮機5Aは、一例としてルーツ式圧縮機が適用されるものでり、吸引側(一次側)の圧力を-0.02~-0.04MPaG程度とすることができ、吐出側(二次側)の圧力を0.00~0.6MPaG程度とすることができるものが採用される。
また前記二段目の圧縮機5Bは、一例としてスクリュー式蒸気圧縮機が採用されるものであり、このものは低消費電力でありながらも、圧縮比が高い機器である。またこの実施例では圧縮機5Bの一例として、吸引側(一次側)の圧力が0.00~0.10MPaGの場合、吐出側(二次側)の圧力を0.1~0.8MPaGとすることができるものが採用される。
このような構成が採られることにより、飽和蒸気S3の温度(一例として158.8℃(0.5MPaG))と、被処理物の温度との差を大きくとることができるため、乾燥効率を高くすることができ、乾燥機1を小型化することが可能となるものである。
また圧縮機5Aにより吸引側の圧力が負圧とされることにより、例えば-0.025MPaGのときの飽和温度は92.2℃となるため、前記熱交換器45において、被処理物から蒸発した水蒸気を含むキャリアガスS5の蒸気潜熱の多くを回収することができる。
更に圧縮機5Bにおいては、吸引側の圧力は圧縮機5Aによって正圧とされるため、効率の低下が回避されることとなる。
なお前記循環路4における圧縮機5Aの前段には圧力センサ43が具えられており、この圧力センサ43の検出値に基づいて圧縮機5Aの回転数をPID制御して、圧縮機5Aの一次側の圧力が所定の値(大気圧より20~40kPaG程度低い値)とすることができるように構成されている。
また圧縮機5Aと圧縮機5Bとの間には、圧力センサ46が具えられており、この圧力センサ46の検出値に基づいて、循環路4から分岐した管路に具えられた放出弁47を制御して、飽和蒸気S2の一部を外部に放出することができるように構成されている。
更に圧縮機5Bの後段には、蒸気流量計44が具えられており、この蒸気流量計44の検出値に基づいて、熱交換器45におけるキャリアガス(飽和蒸気S5)の供給部に対して接続された管路に具えらえた導入弁48を制御して、外気を導入することができるように構成されている。
ここで前記圧縮機5Aとしてのルーツ式圧縮機は図4(a)に示すように、ケーシング52に形成されたロータ室52a内に一対のロータ53が咬み合わせ状態で具えられ、給気口55からロータ室52a内に流入した飽和蒸気S1をロータ53によって圧縮し、昇圧・昇温された飽和蒸気S2として排気口56から排出するように構成されて成るものである。
また前記ロータ室52aには、注水口57が連通状態で形成されており、この注水口57からロータ室52a内に冷却水を供給することにより、ロータ室52a内において圧縮される飽和蒸気S1の過熱度を制御することが可能となるものである。
なお図4(a)には、ロータ53として三葉のものを示したが、二葉のものとしてもよい。
そして圧縮機5Aとしてのルーツ式圧縮機が採用されることにより、この圧縮機5Aの吸引作用による、吸引側の低圧化を、余裕をもって所望の状態とすることができる。
また前記圧縮機5Aとしては前記圧縮能力を実現することができるものであれば、多段ルーツ型圧縮機、多段ターボブロワ等を採用することもできる。
次に前記圧縮機5Bとしてのスクリュー式蒸気圧縮機について説明すると、このものは図4(b)に示すように、ケーシング52に形成されたスクリュー室52b内に一対のスクリュー54が咬み合わせ状態で具えられ、給気口55からスクリュー室52b内に流入した飽和蒸気S2をスクリュー54によって圧縮し、昇圧・昇温された飽和蒸気S3として排気口56から排出するように構成されて成るものである。
また前記スクリュー室52bには、注水口57が連通状態で形成されており、この注水口57からスクリュー室52b内に冷却水を供給することにより、スクリュー室52b内において圧縮される飽和蒸気S2の過熱度を制御することが可能となるものである。
また前記圧縮機5Bとしては前記圧縮能力を実現することができるものであれば、多段ルーツ型圧縮機、多段ターボブロワ等を採用することもできる。
またヘッダ3には蒸気発生装置30が接続されており、蒸気発生装置30から供給される補助蒸気S0はヘッダ3において飽和蒸気S3と混合され、飽和蒸気S4として乾燥機1におけるロータリージョイント115aに供給される。
また飽和蒸気S4の一部は、循環路4から分岐した管路を通じてキャリアガス口103にも供給される。
また前記本体シェル10は常圧下での使用を前提に構成されるものであるが、ここでいう常圧とは、概ね大気圧(1気圧)を意味するものであり、気象条件や地理的条件によって変動するものである。
そして本体シェル10内の圧力が、大気圧に対して-0.02~+0.1kPaGの範囲であれば、一般的且つ簡易なシール材あるいはシール機構により、外気の吸い込みあるいは外気側への内部雰囲気(キャリアガスとしての飽和蒸気S4)のリークを防止することが可能となる。なお本明細書中において「常圧」とは、前記大気圧に対して-0.02~+0.1kPaGの範囲を含むものである。
もちろんより気密性を高めることができるシール材あるいはシール機構を採用すれば、本体シェル10の内部雰囲気(キャリアガスとしての飽和蒸気S4)の圧力を、より広い範囲で許容することが可能となる。
本発明の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hは一例として上述したように構成されるものであり、以下この装置の運転方法と併せて本発明の運転方法について説明する。
(1)乾燥機の準備
まず被処理物の投入に先立って、乾燥機1における多管式加熱管11及び本体シェル10を昇温しておくものであり、蒸気発生装置30からロータリージョイント115a及び蒸気供給口106に加熱用の蒸気を供給した後、モータMを起動して多管式加熱管11を回転させる。そしてロータリージョイント115aに供給された加熱用の蒸気はチューブ束116を通過しながら多管式加熱管11を昇温し、やがてドレンD0となって他端側のロータリージョイント115bから排出される。また蒸気供給口106に供給された加熱用の蒸気は本体シェル10を昇温し、やがてドレンとなってドレン口107から外部に排出される。
なお、ロータリージョイント115b側の鏡板112内には図示していないサイホン管が具えられ、ロータリージョイント115bから排出されるドレンの流れる経路には図示していないスチームトラップが具えられる。また、ドレン口107から排出されるドレンの流れる経路にも図示していないスチームトラップが具えられる。
また、上記の乾燥機1の準備に際しては、多管式加熱管11内に生じたドレンD0を、ドレン排出弁49を開いて循環路4から排出させておく。同様に多管式加熱管11内にリークにより入り込んだ空気などの非凝縮性ガスを、放出弁47等を通じて循環路4から排出させておく。
(2)熱媒体の循環
次いで圧縮機5すなわち圧縮機5A及び圧縮機5Bを起動して、循環路4内に位置する飽和蒸気S1を昇圧・昇温し、飽和蒸気S3としてヘッダ3に送り、ここで蒸気発生装置30から供給される補助蒸気S0を適量混合し、飽和蒸気S4として多管式加熱管11に供給する。
そして多管式加熱管11からドレンD0として排出された熱媒体は、ポンプPによって熱交換器45に送られ、熱交換器45おいて排気口104から排出されるキャリアガス(飽和蒸気S5)の熱により再蒸発させられて飽和蒸気S1となる。
この際、後述するように圧縮機5Aの吸引側(一次側)の圧力は、圧縮機5Aによって減圧されているため、飽和温度が90.6~94.0℃となっており、このためキャリアガス(飽和蒸気S5)から熱媒体(ドレンD0)への熱伝導効率が向上し、再蒸発が良好に行われることとなる。
次いで飽和蒸気S1は圧縮機5Aに供給され、ロータ53の作用によって昇圧・昇温され、飽和蒸気S2として圧縮機5Bに供給される。
なお圧縮機5Aの回転数は、圧力センサ43の検出値と、この一次側の圧力設定値とに基づいてPID制御されるものであり、圧縮機5Aの一次側の圧力が所定の値、一例として-0.02~-0.04MPaGすなわち60~80kPaA程度となるように回転数が制御される。
またこのときの圧力センサ46の検出値すなわち飽和蒸気S2の圧力は、一例として0.05~0.06MPaGとされるものであり、飽和蒸気S2の圧力がこれよりも上昇したときには、放出弁47の開度を調節して飽和蒸気S2の一部を外部に放出することが行われる。
次いで飽和蒸気S2は圧縮機5Bにおいて、スクリュー54の作用によって昇圧・昇温され、飽和蒸気S3とされる。
なお圧縮機5Bにおけるスクリュー54の回転数の制御は、圧力センサ46による飽和蒸気S2の圧力検出値が所望の値となるように行われる。この際、圧縮機5Bの吸引側の圧力は正圧側とされていることにより、圧縮機5Bの効率低下を回避することが可能となっている。
そしてヘッダ3に至った飽和蒸気S3には、適宜補助蒸気S0が運転制御上の要求信号に応じて供給され、所望の温度とされた飽和蒸気S4としてロータリージョイント115aに供給される。なおヘッダ3における飽和蒸気S3への補助蒸気S0の供給は、後述するように本体シェル10の外部に排出されて循環路4から失われることとなるキャリアガス(飽和蒸気S5)やドレン排出弁49を通過するドレンD0の分を補充する為にも行われるものである。
その後、飽和蒸気S4は、軸体113内を通過して鏡板112に入り、チューブ束116内を通過するものであり、この過程で後述するように、多管式加熱管11の管外面に接触する被処理物に対して、飽和蒸気S4の潜熱が伝熱されるため、被処理物からの水分の蒸発が促進されることとなる。
(3)被処理物の乾燥
次いで投入装置2から投入口101を通じて本体シェル10内に被処理物を投入するものであり、このものは送り羽根118の作用によって投入口101側から溢出口102側に移動し、更にリフタ117によって掻き上げられてチューブ束116等と接触し、この際、熱を受けて水分が蒸発するものである。
このとき投入口101は多管式加熱管11の長手方向に沿って複数個所に形成されているため、多管式加熱管11の熱伝導面を有効に使用することができ、乾燥効率が高められる。
そして被処理物から蒸発した水蒸気は、キャリアガス(飽和蒸気S4)に速やかに取り込まれることとなる。なおキャリアガス(飽和蒸気S4)によっても被処理物が加熱されるため、水分蒸発が促進されるものである。
そして溢出口102から排出口109に達した被処理物は乾燥品となった状態で排出され、次工程に移送される。
(4)キャリアガスの排気
一方、被処理物から蒸発した水蒸気を取り込んだキャリアガス(飽和蒸気S5)は、排気口104から本体シェル10の外部に排気されるものであり、この排気(飽和蒸気S5)はいわゆる乾燥排ガスであり、熱交換器45に至り、ドレンD0との間で熱交換を行ってこれを昇温して再蒸発させ飽和蒸気S1が得られる。なおドレンD0との間で熱交換を行った後の排気(飽和蒸気S5)は、コンデンサや脱臭設備を経て外部に排出される。
(5)ドレンの活用
なお前記ドレンタンク41においては、適宜設けられた水位計によってタンク内の液量が検出されるものであり、上限の液高が検出された場合にはドレン排出弁49が開かれて、ドレンD0が投入装置2のジャケット等に供給され、これら機器の熱源として供されるものである。
(6)外気の導入
更に上述したように間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hの運転が継続されるなかで、乾燥機1で必要とされる熱量が少なくなった場合、2 段目の圧縮機5Bから排出される飽和蒸気S3の熱エネルギーが余剰となってしまうケースがある。
ここで熱エネルギーが余剰とは、具体的には飽和蒸気S3の蒸気流量が余剰な状態であり、これは蒸気流量計44により計測されるものであり、蒸気流量計44に設定されている適正な蒸気流量設定値を超えた蒸気量が流れた場合に、その偏差に応じた信号により外気の導入弁48の開度が制御されて、熱交換器45におけるキャリアガス(飽和蒸気S4)の供給部に対して外気を導入することにより、熱媒体たるドレンD0(飽和蒸気S1)への熱回収を低下させる制御が行われ、その結果としてドレンD0から飽和蒸気S1への再蒸発が抑制される。
(7)ファジィ制御
そして本発明は、上述したような間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hの運転に際し、ファジィ制御を適用するものであり、飽和蒸気S2の系外放出、すなわち循環路4から放出弁47を経て放出される蒸気量と、熱交換器45への外気の導入量と、後述する再生蒸気の割合の最適化がなされ、被処理物からの蒸発水分に変動を生じたとしても間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hとしてエネルギー効率の最適化がなされるものである。
具体的には、「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機吸込圧」とを条件部(前件部)とし、「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」を結論部(後件部)とし、これらが図7に示した制御ルール、図5に示したメンバーシップ関数、および図6に示した結論部(後件部)のファジィ集合を用いてファジィ推論が行われるものである。
まず前記条件部の「再生蒸気割合」とは、循環路4において、ヘッダ3から排出される飽和蒸気S4に含まれる飽和蒸気S3(再生蒸気)の割合を意味するものであって、一例としてヘッダ3に具えられる不図示の流量計によって計測された値から求められるものである。
また前記「二段目圧縮機速度」とは、圧縮機5Bの回転速度を意味するものであり、一例として事前に設定したインバータの最適周波数を100%とし、これに対する計測時の出力値を意味するものである。
また前記「一段目圧縮機速度」とは、圧縮機5Aの回転速度を意味するものであり、一例として事前に設定したインバータの最適周波数を100%とし、これに対する計測時の出力値を意味するものである。
また前記「一段目圧縮機吸込圧」とは、循環路4における一段目の圧縮機5Aの一次側の圧力を意味するものであり、圧力センサ43によって検出されるものである。
また前記結論部(後件部)の「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」とは、一段目の圧縮機5Aの一次側の圧力の設定値に対する操作量を意味するものであり、この実施例では一例として図6に-1kPa、-0.3kPa、0kPa、+0.3kPa、+1kPaのシングルトンとして示されている。
(i)メンバーシップ関数の作成
まず、ファジィ推論の条件部とされる、「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」及び「一段目圧縮機吸込圧」それぞれに対して、各項目の言語変数と属性に対するメンバーシップ関数が、図5(a)~図5(d)に示すように決定される。
このような属性の言語変数(ラベル)の数、及びこの言語変数に対するメンバーシップ関数は、経験則に基づいて決定されるものであり、被処理物の種類、物性、システムの規模や構成等によって適宜チューニングが行われる。
(ii)属性と適合度の導出とファジィ推論
そして前記メンバーシップ関数を用いて、属性毎の適合度が導出されるものであり、続いて図7-1~図7-4に示すルールに従って「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」及び一段目圧縮機吸込圧」を条件部(前件部)とし、「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」を結論部(後件部)とし、図6に示すファジィ集合を用いてファジィ推論を行うものである。
そしてファジィ推論による計算の結果として求められた操作量を、一段目の圧縮機5Aの一次側の圧力の設定値に加算して、新しい設定値として変更されるものである。
そして上述のようなファジィ制御が行われることにより、被処理物からの蒸発水分に変動を生じたとしても、一段目の圧縮機5Aの一次側の圧力を適正な設定に変更し、飽和蒸気S5(キャリアガス)からの熱回収を過不足なく行って飽和蒸気S1の生成量をコントロールし、乾燥機1で必要とされる熱量を過不足なく有する飽和蒸気S4を得ることができる間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hの運転が可能となる。
その結果、圧縮機5A、5Bの運転を、間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置Hの運転状況に応じて、圧縮比が最適化されたものとすることができるため、消費電力を抑えた運転が可能となる。
またこのため飽和蒸気S2の系外放出を抑制することにより、エネルギーロスを削減することができる。
またヒートポンプサイクルを最大限生かす運転が可能となるため、補助蒸気S0の所要量を削減して、蒸気発生装置30の消費エネルギーを削減することができる。
またキャリアガスS5への外気導入が抑制されるため、脱臭設備の負荷を削減することができる。
更に上述のような複雑な制御をファジィ制御によって行うため、オペレータの負担を大幅に削減することができる。
1 乾燥機
10 本体シェル
101 投入口
102 溢出口
103 キャリアガス口
104 排気口
105 ロータリーバルブ
106 蒸気供給口
107 ドレン口
109 排出口
11 多管式加熱管(加熱装置)
111 アングル
112 鏡板
113 軸体
114 軸受ブロック
115a ロータリージョイント
115b ロータリージョイント
116 チューブ束
117 リフタ
118 送り羽根
2 投入装置
20 ホッパ
3 ヘッダ
30 蒸気発生装置
4 循環路
41 ドレンタンク
43 圧力センサ
44 蒸気流量計
45 熱交換器
46 圧力センサ
47 放出弁
48 導入弁
49 ドレン排出弁
5 圧縮機
5A 圧縮機
5B 圧縮機
52 ケーシング
52a ロータ室
52b スクリュー室
53 ロータ
54 スクリュー
55 給気口
56 排気口
57 注水口

74 温度センサ

D0 ドレン
F 機枠
H 乾燥・濃縮装置(間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置)
M モータ
P ポンプ
S0 補助蒸気
S1 飽和蒸気
S2 飽和蒸気
S3 飽和蒸気
S4 飽和蒸気
S5 飽和蒸気(キャリアガス)
S10 外気

Claims (3)

  1. 本体シェル内に加熱装置が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物を接触させて水分を蒸発させるように構成された連続式伝導伝熱乾燥機が具えられたヒートポンプ式処理装置を用いた乾燥・濃縮方法であって、
    前記ヒートポンプ式処理装置は、温度が低下してドレンの状態で前記加熱装置から排出される熱媒体を再蒸発させ、その後、圧縮機を用いて昇圧・昇温した後、再度加熱装置に供給して循環使用するように構成されたものであり、
    前記本体シェルに形成された排気口から排出される、被処理物から蒸発した水蒸気を含むキャリアガスの熱を、熱交換器において前記ドレン状態の熱媒体に取り込むことにより再蒸発させるものであり、
    且つ、前記圧縮機は、二基の圧縮機が直列状態で具えられるものであり、
    初めに一段目の圧縮機によって、ドレン状態の熱媒体の再蒸発を促すように、一段目の圧縮機の上流側の減圧を行うとともに二段目の圧縮機の吸引側の圧力を正圧とし、
    引き続いて二段目の圧縮機によって、熱媒体の温度が所望の値となるように昇圧を行う間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法において、
    前記一段目の圧縮機の一次側の圧力が所定の値となるよう、一段目の圧縮機の回転数を制御して、熱交換器における熱媒体の蒸発量を制御するものであり、
    条件部を「再生蒸気割合」と、「二段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機速度」と、「一段目圧縮機吸込圧」とし、
    結論部を「一段目圧縮機の吸込圧設定値操作量」とするファジィ推論を行うことを特徴とする間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法。
  2. 前記一段目の圧縮機と二段目の圧縮機との間には、熱媒体を外部に放出するための機構が具えられており、一段目の圧縮機と二段目の圧縮機との間における加熱媒体の圧力が所定の値を超えたときには、熱媒体の一部を外部に放出することを特徴とする請求項1記載の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法。
  3. 前記熱交換器に供給されるキャリアガスに対して、外気を導入することができるように構成されており、
    2 段目の圧縮機から排出される熱媒体の熱エネルギーが余剰となったときには、
    熱交換器に供給されるキャリアガスに対して外気を導入することにより、熱媒体への熱回収を低下させることを特徴とする請求項1または2記載の間接加圧式蒸気再圧縮型ヒートポンプ式処理装置の運転方法。
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