JP5244692B2 - スラリー処理用プラント - Google Patents

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Description

本発明は、スラリー処理用プラントに関する。
スラリー処理プラントは、スラリーに含まれる固体部分を液体部分から分離するために使用される。スラリー処理プラントは、例えば、工業用プロセス(金属酸化物(酸化チタン、亜鉛、ビスマス、フェライト等)、染料、顔料、ファインケミカル、食品飲料業界など)、工業用スラッジ(半導体工場廃水(CMP廃水等)、金属水酸化物スラリー、その他の各種工場廃水)の脱水乾燥処理、都市の水処理、上下水・し尿のスラッジの脱水乾燥処理に用いられる。スラリー処理プラントは、例えば、フィルタプレス、加熱ユニット、吸引ポンプ又は真空ポンプ等を備える。
例えば、特許文献1には、スラリーをフィルタプレスによって機械的に脱水したフィルタケーキをフィルタプレスから除去せずに乾燥することが可能な技術が開示されている。
また、特許文献2には、下水処理設備というスラリー処理プラントより大きいプラントに関わる技術が開示されている。そして、特許文献2の技術では、下水処理設備の中の一部分である脱水・乾燥装置の熱源として、脱水・乾燥装置以外の設備に発生する余熱を活用している。
また、非特許文献1には、重合トナーの製造工程において、乾燥には蒸発潜熱を与える必要があるため、乾燥工程の前段に脱水工程を設ける点について開示されている。更に、非特許文献2には、乾燥装置にヒートポンプを利用する技術が開示されている。また、関連する技術として、圧縮機及び蒸発(濃縮)器兼凝縮器を用いた技術(VRC(Vapor Re-Compression:蒸気再圧縮式)濃縮装置)がある。例えば、高温の蒸気を圧縮して、高温加熱源として熱交換器で発生蒸気を凝縮する。
特許第3040478号公報 特開平2−214559号公報
中村正秋、立元雄治、「重合トナーの乾燥技術」、日本画像学会誌、日本画像学会、平成17年、第44巻、第5号、p.57−63 久保田濃監修、「省エネルギー技術実践シリーズ 改訂/乾燥装置」、財団法人省エネルギーセンター、1995年10月12日、p.83−88
ところで、プラントでは同一装置内で投入した大きな蒸発潜熱を凝縮潜熱として回収することによってエネルギーの有効利用が図られる。しかし、特許文献2の技術は、脱水・乾燥装置以外の所で発生した余熱を、ヒートポンプを用いて利用したに過ぎない。また、特許文献2の技術は、脱水・乾燥装置以外に余熱がある設備を有する下水処理設備等のプラントしか適用できなかった。
一方、特許文献1の技術では、図4に示すように、脱水後の乾燥過程において、凝縮潜熱の回収は行われていない。図4は、従来のスラリー処理プラントの乾燥過程を示す説明図である。従来のスラリー処理プラントは、フィルタプレス10に接続されたろ過液ラインを通じてフィルタプレス10のチャンバー内を真空に保つため、真空ポンプ18を有する。この真空ポンプ18は、フィルタプレス10内で発生する蒸気のうち、フィルタプレス10と真空ポンプ18の間に設けられている凝縮器14内で凝縮しなかった蒸気と、フィルタプレス10のフィルタプレート(ろ板)間の隙間から流入する空気を合わせて吸引し、大気へ放出する。
凝縮器14は、吸引した蒸気を凝縮させてその体積を減少させる。凝縮器14には、冷却水ポンプ16によって冷却水が供給される。
図4に示すように、フィルタプレス10によるスラリー処理時に熱交換器12への流入蒸気によって投入された蒸発潜熱の大部分は、凝縮器14の出口冷却水の温度を高めて、系外に排出されている。これらの構成から分かるように、特許文献1の技術では、脱水後の乾燥過程において、凝縮潜熱による回収は行われていない。また、凝縮器14からの温排水(ドレン)は、温度や量によって、場合によりプラントの立地地域に反対されることがある。その場合、温排水は更に冷却して排出されなければならない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、乾燥過程中の加熱過程に投入した蒸発潜熱を凝縮潜熱として回収することができ、乾燥過程で投入する熱量を減少させることが可能であり、エネルギーの有効利用を図ることが可能な、新規かつ改良されたスラリー処理用プラントを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一の観点によれば、スラリーをろ過、圧搾するためのフィルタプレスと、フィルタプレスに設けられたフィルタプレートと、スラリーを供給するための供給ラインと、ろ過液を排出するためのろ過液ラインと、スラリーをろ過した後のケーキを乾燥処理するために必要な熱を提供する高温熱源と、フィルタプレスから発生した蒸気を吸引する真空ポンプと、を備えたスラリー処理用プラントにおいて、真空ポンプの下流側に設けられた蒸気を昇温し昇圧するブロワ又は圧縮機と、フィルタプレスにおいてケーキを乾燥処理する加熱用温水のフィルタプレスからの温排水を冷却水として用いて、ブロワ又は圧縮機で昇温された蒸気を凝縮する凝縮器と、凝縮器で凝縮潜熱を与えられ昇温された温水と、凝縮器で凝縮された100℃に近い熱水とが熱交換する熱交換器と、を更に備え、熱交換器で熱交換してさらに昇温された温水を高温熱源に供給し、加熱用温水として再利用するスラリー処理用プラントが提供される。
上記のスラリー処理用プラントにおいて、高温熱源は、供給された温水を80℃まで加熱してもよい。
上記真空ポンプと、ブロワ又は圧縮機との間に設けられたバッファータンクを更に備えてもよい。
上記ブロワ又は前記圧縮機の代わりに、真空ポンプの下流側に設けられた蒸気を昇温する加熱ユニットを備えてもよい。
本発明によれば、乾燥過程中の加熱過程に投入した蒸発潜熱を凝縮潜熱として回収することができ、乾燥過程で投入する熱量を減少させることが可能であり、エネルギーの有効利用を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るスラリー処理プラントの乾燥過程を示す説明図である。 同実施形態のプラントと従来例のプラントのシミュレーション結果を示す表である。 同実施形態に係るスラリー処理プラントの乾燥過程の変更例を示す説明図である。 従来のスラリー処理プラントの乾燥過程を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程について説明する。図1は、本実施形態に係るスラリー処理プラントの乾燥過程を示す説明図である。
本実施形態の乾燥過程は、例えば、フィルタプレス110と、凝縮器112と、熱水ポンプ114と、第1熱交換器116と、第2熱交換器118と、温水タンク120と、温水ポンプ122と、真空ポンプ132と、バッファータンク134と、インバータ付ブロワ136と、TIC138と、などからなる。
スラリー処理プラントは、例えばチャンバー型フィルタプレート(ろ板)を有するフィルタプレス110を備える。フィルタプレス110はスラリー供給システム(図示せず。)に接続され、供給システムによってスラリーがフィルタプレス110に供給される。スラリーがフィルタプレス110に充填されることによって生じるろ過液は、フィルタプレス110からろ過液ラインを経由して排出される。
フィルタプレス110がスラリーをろ過、洗浄、圧搾によって機械的に脱水した後、フィルタプレス110内にケーキが形成される。真空ポンプ132は、ケーキがフィルタプレス110のチャンバー内に蓄積された状態で、ろ過液ラインを通じて空気及び発生蒸気を吸引してチャンバー内を真空とする。そして、真空状態とすることによって水の沸点を下げた状態にして、チャンバーに接するフィルタプレス110のダイヤフラムの裏側に温水を通してケーキを加熱し、ケーキ中の水分を蒸発させる。発生した蒸気は、真空ポンプ132によって吸引されて、ケーキが乾燥する。
従って、フィルタプレス110においては、機械的脱水後もケーキ内に残っている水分が、乾燥プロセスにおいて、真空中(即ち、沸点が下がった状態)で加熱され、蒸気となり、吸引されケーキは乾燥する。
真空ポンプ132は、フィルタプレス110から発生した蒸気と、フィルタプレス110のフィルタプレートの隙間からフィルタプレス110の内部に流入した空気を併せた混合気体を吸引する。チャンバー内の水の沸点は、フィルタプレス110のチャンバー内の真空度を約10kPaとすると、約46℃である。ブロワ136は、吸引された気体を圧力調整用のバッファータンク134を経て、約90〜95℃まで昇温、昇圧する。ブロワ136が設置されることにより、圧縮熱による昇温ができる。TIC138(温度指示調整器:Temperature Indicating Controller)は、ブロワ136の回転数を制御することで、昇温、昇圧する気体の温度制御をする。なお、本実施形態は、ブロワ136の代わりに、圧縮機を用いてもよい。また、ブロワ136、圧縮機の代わりに電気ヒータ等の加熱ユニットを用いてもよい。
一方、温水タンク120から排出される温水は、乾燥運転中80℃でフィルタプレス110に供給され、ケーキに熱を与える。その後、温水は、約76℃でフィルタプレス110から排出される。温水温度を沸点近くの90℃ではなく約80℃とすることによって、インバータ付ブロワ136のTIC138の変動による凝縮器112近傍の相変化の変動を避けることができる。なお、80℃とすることで90℃の場合に比べてケーキの乾燥性能が僅かに低下するが、フィルタプレス110内の真空度を少し下げることによって補償できる。
凝縮器112は、蒸気を凝縮させ、凝縮潜熱を回収する。上述したブロワ136で約90〜95℃に昇温された混合気体は、凝縮器112において、上述したフィルタプレス110から排出された約76℃の温水によって、冷却されて凝縮する。その結果、混合気体の蒸気が保有していた蒸発潜熱が凝縮潜熱として回収される。フィルタプレス110から排出された約76℃の温水は、約78℃の温水となって凝縮器112から排出される。
凝縮器112で凝縮されて排出された高温排水は、熱水ポンプ114によって第1熱交換器116に供給される。第1熱交換器116は、凝縮器112からの高温排水(100℃に近い熱水)と、凝縮器112で凝縮潜熱を与えられ昇温した温水との熱交換をする。凝縮器112から供給された高温排水は、第1熱交換器116において、凝縮器112から排出された約78℃の温水によって、冷却される。その結果、高温排水が保有していた熱は、第1熱交換器116においてその多くが回収される。第1熱交換器116で凝縮器112から排出された温水に熱を与えた後の温度の下がった高温排水は、循環中に若干減量する温水量を補うため、温水タンク120に入れてもよい。凝縮器112から排出された約78℃の温水は、約79.2℃の温水となって第1熱交換器116から第2熱交換器118へと入る。上述したとおり、潜熱回収は、凝縮器112及び第1熱交換器116によって行われる。
第2熱交換器118は、温水を蒸気と熱交換し昇温する。図1に示す例では、第2熱交換器118は、第1熱交換器116から排出された温水を、外部の蒸気で80℃まで加熱する。第2熱交換器118は、外部の蒸気によって、本実施形態の乾燥工程に顕熱と蒸発潜熱を供給する。ろ過、(洗浄、)圧搾後のケーキ温度が例えば20℃と仮定すると、20℃から46℃まで上昇させる顕熱と、46℃の水を46℃の蒸気に変える潜熱を供給する(なお、潜熱のほうが顕熱より約1桁大きい)。
そして、加熱された温水は温水タンク120に戻され、再びフィルタプレス110に供給される。凝縮器112及び第2熱交換器118で加熱されることによって、それらの加熱分だけ、第2熱交換器118で新たに与える熱は少なくて済む。本実施形態では、凝縮器112及び第1熱交換器116によって熱を回収しているため、第2熱交換器118では、79.2℃から80℃に上昇するだけの熱量が与えられるだけでよい。
次に、本実施形態のスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程と、従来のスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程を比較する。以下では、工場廃水スラッジの脱水・乾燥の場合について説明する。
まず、図4を参照して、従来のスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程について説明する。図4は、従来のスラリー処理プラントの乾燥過程を示す説明図である。
従来の乾燥過程は、例えば、フィルタプレス10と、熱交換器12と、凝縮器14と、冷却水ポンプ16と、真空ポンプ18と、温水タンク20と、温水ポンプ22などからなる。
温水タンク20は、フィルタプレス110から約86℃で排出された温水が流入される。そして、温水タンク20は、場合によって補給水によって水が補給される。そして、温水タンク20から排出された温水は、温水ポンプ22によって熱交換器12を介してフィルタプレス10に供給される。熱交換器12は、温水を外部の蒸気で90℃に加熱し、加熱された温水がフィルタプレス10に供給され、ケーキに熱を与える。乾燥過程を開始するとき、温水タンク20内の温度は90℃であるが、フィルタプレス10内のケーキの乾燥が進行するにつれて、温水は86℃に向かって低下する。熱交換器12は、86℃に近づく温水を90℃に昇温する。
また、従来の乾燥過程は、真空ポンプ18の前に凝縮器14を設置しており、凝縮器14で凝縮しなかった蒸気等を真空ポンプ18で吸引している。真空ポンプ18は、フィルタプレス10から発生した蒸気のうち凝縮器14で凝縮しなかった蒸気と、フィルタプレス10のフィルタプレート(ろ板)の隙間からフィルタプレス10の内部に流入した空気を併せた混合気体を吸引する。フィルタプレス10から吸引された混合気体の温度は、フィルタプレス10内の真空度を約10kPaとすると、約46℃である。
凝縮器14は、冷却水ポンプ16によって、外部(例えば冷却塔)から冷却水が供給される。凝縮器14は、内部で供給された混合気体中の蒸気の約70〜95%を凝縮し、残りの気体は真空ポンプ18によって吸引される。蒸気中の蒸発潜熱は、凝縮器14を通過する冷却水によって外部に捨て去られる。温度が上昇した冷却水は、連続運転を可能とするため、例えば、冷却塔又はチラー等(図示せず。)で冷却され、再び凝縮器14へ供給される。温度が上昇した冷却水を循環せず外部へ放出する場合、先の明細書段落[0011]に記載した問題が発生する恐れがある。未凝縮の蒸気と空気の混合気体は、真空ポンプ18の吐出口から例えば約60〜65℃で大気放出される。その結果、従来の乾燥過程では、蒸発潜熱は凝縮潜熱として回収が行われていない。
次に、図2を参照して、本実施形態のスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程と、従来のスラリー処理プラントにおける脱水・乾燥過程の所要エネルギーに関するシミュレーション結果の比較をする。図2は、本実施形態のプラントと従来例のプラントのシミュレーション結果を示す表である。単位が1バッチあたりの電力量[kWh/バッチ]となるように所要エネルギーを算出した。図2に示したフィルタプレス補機類とは、油圧装置、ろ板移動装置、ろ過ポンプ、圧搾ポンプ、コンプレッサなどである。また、図2に示した、加熱用エネルギー及び加熱エネルギーの潜熱回収分は、熱量を電力量に換算した値である。
本実施形態(図2の(2))の真空ポンプ132では、フィルタプレス110から排出された混合気体は凝縮器112を通過する前であり、混合気体中の蒸気は凝縮前である。一方、従来の真空ポンプ18では、フィルタプレス10から排出された混合気体は凝縮器14を通過した後であり、混合気体中の蒸気は相当程度凝縮されている。従って、本実施形態の真空ポンプ132は、吸い込み風量が大きくなるため、真空ポンプ動力が従来過程に比べて大きくなっている。
また、本実施形態(図2の(2))の温水ポンプ122について、本実施形態は、従来過程と異なり、温水が凝縮器112及び第1熱交換器116を通過するため、ヘッドが大きくなっている。そのため、本実施形態の温水ポンプ動力は、従来に比べて少し大きくなっている。
本実施形態のプラントと、従来のプラントにおける脱水・乾燥過程の1バッチ当たりのトータル所要エネルギーはそれぞれ、図2に示すように、本実施形態が426.9kWh/バッチであり、従来が573.5kWh/バッチである。従って、本実施形態は、従来に比べて所要エネルギーが25%ほど低減している(426.9/573.5=0.7446)。
従来のプラントの運転に要する全エネルギーの約3/4は、加熱に必要な熱量である。熱量の一部は、ケーキ中の水分、ケーキ自体、フィルタプレス110本体の温度上昇など顕熱に用いられる。しかし、熱量の約80%は、ケーキ中の水分の蒸発など蒸発潜熱に用いられる。ところで、比熱1のもの1kgを1℃上昇させる顕熱は、1kcalであるが、100℃の水1kgを100℃の蒸気にするための蒸発潜熱は、約500数十kcalである。従来のプラントでは、このように大きな蒸発潜熱が熱量の多くを占める温水を生成するために、熱源から熱を受けて、凝縮器で発生する凝縮潜熱を凝縮器の冷却水の温度上昇という形で捨てている。更に、連続的な安定運転のために温度上昇した冷却水を冷却塔で冷やすために、その冷却塔の運転によってエネルギーを消費している。
以下、従来技術と本実施形態とを対比して、本実施形態の効果を説明する。
上述した特許文献1の技術では、図4に示すように、脱水後の乾燥過程において、凝縮潜熱による回収は行なわれていない。フィルタプレス10によるスラリー処理時に熱交換器12への流入蒸気によって投入された蒸発潜熱の大部分は、凝縮器14の出口冷却水の温度を高めて、系外に排出される。また、凝縮器14からの温排水(ドレン)は、温度や量によって、場合によりプラントの立地地域に反対されることがある。その場合、温排水は更に冷却して排出されなければならない。
一方、本実施形態は、上述した通り、凝縮器112によって凝縮潜熱を回収しているため、第2熱交換器118では、79.2℃から80℃に上昇するだけの熱量が与えられるだけでよい。従って、従来の熱交換器12に比べて、第2熱交換器118の使用蒸気量を低減できる。また、本実施形態は、凝縮器112で凝縮潜熱を回収し、且つ、顕熱分、即ち凝縮器112で発生した100℃近い熱水も、第1熱交換器116によってその相当量が熱回収されるため、温度の下がった高温排水を温水タンクに入れる場合は、大気放熱分を除くほぼ全ての熱が回収され、別途冷却塔の設置が不要であり、余分なエネルギー消費を行うことなく、従来の凝縮器14から排出される温排水に比べて、排出される排水の排熱量を低減できる。その結果、周辺環境に与える影響も低減することができる。
相変化(例えば、液体としての水→気体としての蒸気→液体としての水(その繰り返し))を伴う過程では、潜熱(latent heat)の大きな熱の出入りがある。例えば、1kgの水を1℃上昇させるには、1kcalの熱(顕熱)が必要であるが、100℃の水1kgを100℃の蒸気にするには、約500数十kcalの熱(潜熱、蒸発潜熱)を投入しなければならない。同様に、100℃の蒸気が100℃の水になるときは、約500数十kcalの凝縮潜熱を吐出する。
非特許文献1において、「ろ過、圧搾等の機械的脱水と比べて、蒸発を伴う乾燥は250倍のエネルギーを必要とする」という旨の記載があるが、これは、蒸発を伴う乾燥には、上述した大きな蒸発潜熱を与えなければならないことに基づいている。一方、本実施形態では、凝縮潜熱という形で、蒸発潜熱を回収することができる。そして、本実施形態の構成により、ブロワの設置やブロワ運転動力等の従来にはないエネルギー消費が発生したとしても、蒸発潜熱を凝縮潜熱として回収することによって、本実施形態は省エネルギーを図ることができる。
相変化をうまく利用することで、
熱効率=(投入した結果得られた利用可能なエネルギー)/(投入したエネルギー)
が、100%を超える場合がある。上記比は、成績係数ともいう。本実施形態においては、昇温を目的として、ブロワ、圧縮機などが必要となる。そのため、本実施形態のブロワ、圧縮機は、昇圧を目的として使用するブロワ、圧縮機と違って、通常使用されるブロワ効率、圧縮機効率が比較的低く安価なもの(流れの内部損失は熱となる。)でよい。一方、本実施形態においては、冷却塔、冷却水ポンプなどは不要となるか、又は著しく小型となる。そのため、初期の設備費はほぼ相殺され、ランニングコストとしてのエネルギー代が大幅に低減する。
上述した特許文献2の技術は、脱水・乾燥装置以外の所で発生した余熱を、ヒートポンプを用いて利用したに過ぎない。また、特許文献2の技術は、脱水・乾燥装置以外に余熱がある設備を有する下水処理設備等のプラントしか適用できなかった。即ち、投入した蒸発潜熱を同一装置内で凝縮潜熱として回収する視点はなかった。
非特許文献2には、乾燥装置にヒートポンプを利用する技術が開示されている。また、非特許文献2の125ページ3行目からは、蒸気濃縮装置が開示されている。また、関連する技術として、圧縮機及び蒸発(濃縮)器兼凝縮器を用いた技術(VRC(Vapor Re-Compression:蒸気再圧縮式)濃縮装置)がある。例えば、蒸気を圧縮して高温化し、より低温の熱源で凝縮させるものである。
これらの技術のうち、特許文献2の技術は、下水処理設備という同一プラント内ではあるが、他の設備の余熱を活用し、圧縮式ヒートポンプを用い、高温化する手段が圧縮機を用いて昇温する場合であっても、低温熱源として大気を用い冷媒を凝縮させている。非特許文献2の技術に記載されている第1の例は、脱水・乾燥装置以外の他の設備である直火型高温高湿乾燥機の排気を蒸発濃縮装置の熱源に利用したものである。第2の例は、潜熱回収の場合であっても、他の低温の温水を吸収式ヒートポンプの熱源水として利用し、高温の温水を作るものである。
一方、本実施形態は、他の設備からの余熱の利用ではなく、相変化を活用して、脱水・乾燥装置という同一装置内で与えた蒸発潜熱を同一装置内で凝縮潜熱として回収するために、フィルタプレス110内で蒸発した蒸気を吸引し、昇温している。同一装置内でサイクルが完了しているため、周囲又は周辺の設備の余熱の有無に関わりなく、本脱水・乾燥装置設備を設置するときに広く常に利用可能な技術である。
以上、本実施形態は、1つの装置の中に蒸発と凝縮を含む装置であり、本実施形態によれば、蒸発に用いた蒸発潜熱を凝縮潜熱として回収することができ、省エネルギーに優れたスラリー処理プラントを実現できる。即ち、乾燥工程で投入した熱量(従来技術では廃熱としていた熱量)の或る部分を回収して再活用するので、乾燥工程で投入する熱量を低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、図1に示すように、第2熱交換器118は、第1熱交換器116と温水タンク120の間に設置されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図3に示すように、第3熱交換器218が温水ポンプ122とフィルタプレス110の間に設置されるとしてもよい。そして、第3熱交換器218は、第1熱交換器116から排出された温水を、外部の蒸気で80℃まで加熱する。図3は、本実施形態に係るスラリー処理プラントの乾燥過程の変更例を示す説明図である。
また、図3に示すように、第3熱交換器218とフィルタプレス110の間から温水タンク120に接続されるバイパス配管が設けられてもよい。そして、フィルタプレス110に80℃の温水が供給されるようになるまで、バルブ224を閉、バルブ226を開として、温水を循環する。
また、図1に示した本実施形態のスラリー処理プラントのブロワ136又は圧縮機の代わりに、真空ポンプ132の下流側に、蒸気を昇温する加熱ユニットを更に備えてもよい。加熱ユニットは、例えば電気ヒータなどである。
また、例えば、図1に示すインバータ付ブロワ136に代えて、ブロワ136の性能を可変にする制御装置、例えばバルブ制御、インレットベーン等を備えたブロワ、圧縮機であってもよい。
10、110 フィルタプレス
12 熱交換器
14、112 凝縮器
16 冷却水ポンプ
18、132 真空ポンプ
20、120 温水タンク
22、122 温水ポンプ
114 熱水ポンプ
116 第1熱交換器
118 第2熱交換器
134 バッファータンク
136 ブロワ
138 TIC
218 第3熱交換器
224、226 バルブ

Claims (4)

  1. スラリーをろ過、圧搾するためのフィルタプレスと、前記フィルタプレスに設けられたフィルタプレートと、前記スラリーを供給するための供給ラインと、ろ過液を排出するためのろ過液ラインと、前記スラリーをろ過した後のケーキを乾燥処理するために必要な熱を提供する高温熱源と、前記フィルタプレスから発生した蒸気を吸引する真空ポンプとを備えたスラリー処理用プラントにおいて、
    前記真空ポンプの下流側に設けられた前記蒸気を昇温し昇圧するブロワ又は圧縮機と、
    前記フィルタプレスにおいて前記ケーキを乾燥処理する加熱用温水の前記フィルタプレスからの温排水を冷却水として用いて、前記ブロワ又は前記圧縮機で昇温された前記蒸気を凝縮する凝縮器と
    前記凝縮器で凝縮潜熱を与えられ昇温された温水と、前記凝縮器で凝縮された100℃に近い熱水とが熱交換する熱交換器と、
    を更に備え
    前記熱交換器で熱交換してさらに昇温された温水を前記高温熱源に供給し、前記加熱用温水として再利用する、スラリー処理用プラント。
  2. 前記高温熱源は、前記供給された温水を80℃まで加熱する、請求項1に記載のスラリー処理用プラント。
  3. 前記真空ポンプと、前記ブロワ又は前記圧縮機との間に設けられたバッファータンクを更に備える、請求項1に記載のスラリー処理用プラント。
  4. 前記ブロワ又は前記圧縮機の代わりに、前記真空ポンプの下流側に設けられた前記蒸気を昇温する加熱ユニットを備える、請求項1に記載のスラリー処理用プラント。
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