JP2024000121A - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents

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佳祐 平原
Keisuke Hirahara
正信 高沢
Masanobu Takazawa
政行 豊川
Masayuki Toyokawa
泰彦 関
Yasuhiko Seki
大地 石田
Daichi Ishida
大樹 山▲崎▼
Daiki Yamazaki
航大 河西
Kodai Kasai
山上 和彦
Kazuhiko Yamagami
寛之 相緒
Hiroyuki Aio
竜昇 佐竹
Ryusho Satake
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Abstract

【課題】内燃機関の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができる内燃機関の冷却制御装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、冷却水によって内燃機関2を冷却する冷却回路3と、冷却回路3に接続され冷却回路3に冷却水を循環させる電動ウォーターポンプ4と、を有する内燃機関の冷却制御装置1であって、冷却水の水温を取得する水温取得手段と、内燃機関2の回転数NEを取得する回転数取得手段と、内燃機関2の将来の負荷である予測負荷を推定する予測負荷推定手段と、取得された水温が所定の第1しきい値以上であり、かつ、推定された予測負荷が所定の第2しきい値以上である場合に、取得された回転数NEに応じた出力で電動ウォーターポンプ4を駆動するポンプ制御手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、冷却回路を循環する冷却水の流量を制御することにより内燃機関の冷却を制御する内燃機関の冷却制御装置に関する。
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する燃費向上に関する研究開発が行われている。
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、高負荷領域での運転などで燃焼室の温度が上昇するとノッキングが発生する可能性が高まる。そのため、内燃機関の冷却を行う冷媒(冷却水)が高温となった場合には、内燃機関の点火時期を最大トルクが得られる最適点火時期よりも遅角させる制御を行うことにより、燃焼室の圧力を下げ、ノッキングの発生を抑制している。
例えば特許文献1では、内燃機関の点火時期を進角させる制御の実行中にノッキングを検出した場合、点火時期を遅角させる制御を行うとともに、ウォーターポンプにより冷却水の流速を増加する制御を行うことで、異常燃焼を防止する技術が開示されている。
特開2004-116310号公報
こうした従来の技術には、以下のような課題が残されている。すなわち、高負荷領域での運転において、冷却水が高温になることにより点火時期を遅角させる制御が実行される場合、それにより燃費が悪化するという問題がある。燃費の悪化を防ぐためには、高負荷領域での運転においてノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に防止し、それにより遅角制御の実行を可能な限り回避する必要がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、内燃機関の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができる内燃機関の冷却制御装置を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、冷却水によって内燃機関(実施形態における(以下、本項において同じ。)エンジン2)を冷却する冷却回路3と、冷却回路3に接続され冷却回路3に冷却水を循環させる電動ウォーターポンプ4と、を有する車両の内燃機関の冷却制御装置であって、冷却水の水温(第1水温Tw1、第2水温Tw2)を取得する水温取得手段(第1水温センサ6、第2水温センサ7)と、内燃機関の回転数NEを取得する回転数取得手段(回転数センサ13)と、内燃機関の将来の負荷である予測負荷を推定する予測負荷推定手段(ECU10、予測負荷推定部11)と、取得された水温が所定の第1しきい値(第2しきい値水温Tref2)以上であり、かつ、推定された予測負荷が所定の第2しきい値以上である場合に、取得された回転数NEに応じた出力で電動ウォーターポンプ4を駆動する(図3のステップ302,313,319)ポンプ制御手段(ECU10、ポンプ制御部12)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の冷却制御装置によれば、ポンプ制御手段により、冷却水の水温と、内燃機関の予測負荷のいずれもが所定のしきい値以上となった場合に、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプが駆動される。したがって、内燃機関の運転状態が所定の高負荷領域にあると予測されるとともに、冷却水の水温が所定の高温となることで、近い未来においてノッキングの発生が予測される状況下で、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプを駆動することにより、冷却水の水温を低下させ、ノッキングの発生前に燃焼室の圧力を低下させることができる。
なお、電動ウォーターポンプの駆動から実際に冷却水温が低下するまでにはある程度の時間差が生じるが、上述のように、ノッキングの発生が確認されてからではなく、ノッキングの発生が予測される状況になった段階であらかじめ電動ウォーターポンプを駆動させるので、冷却水がノッキングを誘発するような高温状態となることを効果的に防止することができる。したがって、本発明によれば、内燃機関の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置において、車両のアクセル開度APを取得するアクセル開度取得手段(アクセル開度センサ14)を更に備え、予測負荷推定手段は、取得されたアクセル開度AP及び取得された回転数NEに基づき車両の要求出力PRQを算出するとともに、直近の所定時間内に算出された要求出力の平均値PRQMを予測負荷として算出し、ポンプ制御手段は、取得された水温が第1しきい値以上であり、かつ、算出された予測負荷が所定の第3しきい値(しきい値出力Pref)以上である場合に、取得された回転数NEに応じた出力で電動ウォーターポンプ4を駆動する(図3のステップ302,313,319)ことを特徴とする。
この構成によれば、予測負荷推定手段により、直近の所定時間内に算出された車両の要求出力の平均値が予測負荷として算出され、ポンプ制御手段により、冷却水の水温と、車両の要求出力の平均値のいずれもが所定のしきい値以上となった場合に、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプが駆動される。電動ウォーターポンプを駆動して内燃機関を冷却する場合、必要以上の冷却により却って燃費が悪化してしまうことを防止するためには、内燃機関の予測負荷を高い精度で予測することが重要である。本構成では、運転条件には一定の継続性があることに着目し、直近の所定時間内の要求出力の平均値を予測負荷として算出するので、予測負荷を高精度で推定することができる。
したがって、本構成によれば、内燃機関の運転状態が所定の高負荷領域にあると予測されるとともに、冷却水の水温が所定の高温となることで、近い未来においてノッキングの発生が予測される状況下で、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプを駆動することにより、あらかじめ冷却水の水温を低下させ、燃焼室の圧力を低下させることができる。これにより、内燃機関の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置において、ポンプ制御手段は、電動ウォーターポンプ4を駆動した後に予測負荷が第2しきい値を下回った場合に、所定の駆動維持時間が経過するまでの間、電動ウォーターポンプ4の駆動を維持する(図3のステップ315,316)ことを特徴とする。
この構成によれば、高負荷運転かつ高水温の状況下で電動ウォーターポンプを駆動した後に、予測負荷が所定のしきい値を下回った場合、すなわち近い未来に低負荷の運転状態となることが予測された場合であっても、所定時間が経過するまでは電動ウォーターポンプの駆動が維持される。内燃機関の運転状態が高負荷から低負荷に移行した場合、それに伴い冷却水の水温も徐々に低下することが見込まれるが、低負荷の運転状態となってから水温が低下し始めるまでにはある程度の時間差が生じる。本構成では、上述のとおり、所定時間が経過するまで電動ウォーターポンプの駆動を維持するので、高負荷運転から低負荷運転に移行した場合の水温低下速度の応答性を向上させることができる。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置において、外気の温度を表す外気温度パラメータを取得する外気温度パラメータ取得手段(第1水温センサ6、第2水温センサ7)を更に備え、ポンプ制御手段は、取得された外気温度パラメータ(水温差分ΔTw)が所定の第4しきい値以上である場合には、電動ウォーターポンプ4の出力を低減する(図8のステップ817,811)ことを特徴とする。
この構成によれば、ポンプ制御手段により、外気温度パラメータが所定のしきい値以上である場合に、電動ウォーターポンプの出力が低減される。外気温度が高い場合、冷却水の放熱効率が下がり、冷却水の温度が下がりにくくなる場合がある。このような場合、電動ウォーターポンプを高い出力で駆動しても、内燃機関に対して期待されるような冷却効果が得られず、燃費の向上よりも電費の悪化の方が上回ってしまうことがある。本構成によれば、このような高い外気温の状況下において、電動ウォーターポンプの出力を抑制することにより、電費の悪化を防止することができる。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置において、冷却回路には、冷却水を冷却するためのラジエータ5が接続されており、水温取得手段は、冷却回路の内燃機関の下流側の水温を第1水温Tw1、ラジエータ5の下流側の水温を第2水温Tw2としてそれぞれ取得し、ポンプ制御手段は、第1水温Tw1と第2水温Tw2の差分(水温差分ΔTw)が所定の第5しきい値(しきい値Tref)を下回る場合には、電動ウォーターポンプ4の出力を低減する(図8のステップ817,811)ことを特徴とする。
この構成によれば、ポンプ制御手段により、第1水温と第2水温の差分が所定のしきい値を下回る場合に、電動ウォーターポンプの出力が低減される。外気温度が高い場合などにおいて、ラジエータによる冷却水の放熱効率が低下し、冷却水の温度が下がりにくくなる場合がある。こうした場合には、内燃機関を通過した直後の冷却水の水温と、ラジエータを通過した直後の冷却水の水温の差が小さくなる。このような場合、電動ウォーターポンプを高い出力で駆動しても、内燃機関に対して期待されるような冷却効果が得られず、燃費の向上よりも電費の悪化の方が上回ってしまうことがある。本構成によれば、ラジエータによる冷却水の冷却効果が低下している状況下において、電動ウォーターポンプの出力を抑制することにより、電費の悪化を防止することができる。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置において、地図情報MIを取得する地図情報取得手段を更に備え、予測負荷推定手段は、取得された地図情報MIに基づき予測負荷を推定する(図9のステップ913,914、図10)ことを特徴とする。
この構成によれば、予測負荷推定手段により、地図情報に基づき予測負荷が推定され、ポンプ制御手段により、冷却水の水温と、内燃機関の予測負荷のいずれもが所定のしきい値以上となった場合に、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプが駆動される。したがって、内燃機関の運転状態が所定の高負荷領域にあると予測されるとともに、冷却水の水温が所定の高温となることで、近い未来においてノッキングの発生が予測される状況下で、内燃機関の回転数に応じた出力で電動ウォーターポンプを駆動することにより、冷却水の水温を低下させ、燃焼室の圧力を低下させることができる。これにより、内燃機関の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却制御装置の構成を内燃機関とともに概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却制御装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却制御処理を示すフローチャートである。 暖機完了後の内燃機関の回転数と電動ウォーターポンプの回転数の関係を示すテーブル(ベーステーブル)である。 予冷制御実行中の内燃機関の回転数と電動ウォーターポンプの回転数の関係を示すテーブル(予冷テーブル)である。 高水温時の内燃機関の回転数と電動ウォーターポンプの回転数の関係を示すテーブル(高水温テーブル)である。 通常制御と予冷制御の切替え時の動作例を示すタイミングチャートである。 別の実施形態に係る内燃機関の冷却制御処理を示すフローチャートである。 別の実施形態に係る内燃機関の冷却制御処理を示すフローチャートである。 地形判定制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却制御装置1を、内燃機関(以下「エンジン」という)2とともに概略的に示している。本実施形態のエンジン2は、ハイブリッド車両(以下「車両」という)に動力源として備えられるものである。この車両には、動力源としてエンジン2の他に不図示の電動機(以下「モータ」という)が備えられており、車両の走行状態に応じてエンジン2とモータのいずれか、又は両方が車両の動力源として用いられる。
図1に示すように、エンジン2には、エンジン2を冷却するための冷却回路3が接続されている。冷却回路3は、電動ウォーターポンプ(以下、「EWP」という)4及びラジエータ5を通る回路であり、その内部を冷却水が満たしている。冷却水は、EWP4により送出されることによって冷却回路3内を循環し、エンジン2と熱交換を行うことによってエンジン2を冷却し、ラジエータ5と熱交換を行うことにより熱を外部に放出する。また、冷却回路3にはサーモスタット8が設けられており、冷却水の温度に応じて冷却水の通路の切替え(ラジエータ5を通る通路と通らない通路)を行うことにより、冷却水の温度を所定の温度範囲(例えば75~85℃)に安定的に保つように構成されている。
EWP4は、バッテリ(図示せず)等から電力を供給されるアクチュエータ(モータ)によって駆動され、内蔵するインペラーの回転により冷却水を冷却回路3内で循環させる。EWP4のインペラーの回転数(以下、「EWP回転数」という)が上がると、循環する冷却水の流速が上昇することにより、エンジン2に対する冷却効果が上昇する。EWP4のアクチュエータは、後述するECU10の制御により駆動される。すなわち、EWP4の動作は、ECU10によって制御される。
冷却回路3のエンジン2の下流側には、第1水温センサ6が設けられており、ラジエータ5の下流側には、第2水温センサ7が設けられている。第1及び第2水温センサ6、7は、それらの設置位置における冷却水の温度を、第1水温Tw1、第2水温Tw2としてそれぞれ検出する。それらの検出信号は、ECU10に出力される。
図2は、本実施形態に係る冷却制御装置1の制御系の構成を示す。ECU10は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU10には、上述した第1水温センサ6、第2水温センサ7の他、エンジン2の回転数NEを検出する回転数センサ13、車両のアクセルペダルの操作量(アクセル開度AP)を検出するアクセル開度センサ14などが接続されており、それらの検出信号が逐次、入力される。
ECU10は、ROM又はRAMに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、予測負荷推定部11及びポンプ制御部12の機能を実現する。予測負荷推定部11は、検出されたエンジン2の回転数NE及びアクセル開度APに基づき、車両の現在の要求出力PRQを算出する。また、後述するように、所定の水温条件が満たされた場合に、直近の所定時間内に算出された要求出力PRQの平均値PRQMを、エンジン2の近い未来の負荷である予測負荷として算出する。また、ポンプ制御部12は、後述するように、予測負荷推定部11が推定した予測負荷及び上述した各種センサの検出信号に応じて、EWP4の駆動を制御することにより、エンジン2の冷却制御を実行する。
以上のように構成される本実施形態に係る冷却制御装置1の動作について、図3から図7を参照して説明する。本実施形態に係る冷却制御装置1は、主に冷却水の水温(第1水温Tw1)に応じて、計4種類のマップ及びテーブル(冷間時マップ、暖機時テーブル、予冷テーブル、高水温テーブル)に従ってEWP4の駆動を制御する。
図3は、本実施形態に係る冷却制御処理を示すフローチャートである。本処理は、エンジン2の通常運転状態において、所定時間ごとに繰り返し実行される。本処理では、まずステップ301(「S301」と図示。以下同じ)において、エンジン2の下流側の水温である第1水温Tw1が、所定の第1しきい値水温Tref1より低いか否かを判別する。第1しきい値水温Tref1は、第1水温Tw1が当該温度以上である場合には、直ちに冷却水を冷却する必要があるような高水温として設定される。本実施形態では、第1しきい値水温Tref1は、例えば98℃に設定される。
ステップ301の判別結果がYESの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第1しきい値水温Tref1よりも低い場合、ステップ302に進む。ステップ302では、第1水温Tw1が、所定の第2しきい値水温Tref2より低いか否かを判別する。第2しきい値水温Tref2は、第1水温Tw1が当該温度以上である場合には、車両が高負荷走行を行った場合にノッキングが誘発される可能性が高いと判断される高水温として設定される。本実施形態では、第2しきい値水温Tref2は、例えば85℃に設定される。
ステップ302の判別結果がYESの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2よりも低い場合、ステップ303に進む。ステップ303では、第1水温Tw1が、所定の第3しきい値水温Tref3より低いか否かを判別する。第3しきい値水温Tref3は、第1水温Tw1が当該温度以上である場合には、機関の暖機が完了していると判断される水温として設定される。本実施形態では、第3しきい値水温Tref3は、例えば75℃に設定される。
ステップ303の判別結果がYESの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第3しきい値水温Tref3よりも低い場合、未だエンジン2の暖機が完了していないと判断し、ステップ304に進む。ステップ304では、後述する予冷制御継続タイマーの値をリセットし、その後、ステップ305に進む。ステップ305では、後述する要求出力平均値算出フラグF_PRQMの値を「0」にセットする。次いで、ステップ306に進み、後述する予冷制御実行フラグF_予冷制御の値を「0」にセットし、その後、ステップ307に進む。
ステップ307では、ECU10のポンプ制御部12により、冷間時マップ(不図示)を検索してEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。冷間時マップは、例えばエンジン2の回転数NEと吸入空気量に基づきEWP回転数を定めるものとすることができる。冷間時マップは、エンジン2の暖機完了前の低水温の場合に用いられるマップであるため、エンジン2の早期暖機を妨げることがないよう、EWP回転数は抑制されたものとなる。
一方、ステップ303の判別結果がNOの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第3しきい値水温Tref3以上である場合、エンジン2の暖機は完了したと判断し、ステップ308に進む。ステップ308では、後述する要求出力平均値算出フラグF_PRQMの値を「0」にセットし、その後、ステップ309に進む。ステップ309では、後述する予冷制御継続タイマーの値をリセットする。次いで、ステップ310に進み、後述する予冷制御実行フラグF_予冷制御の値を「0」にセットし、その後、ステップ311に進む。
ステップ311では、ECU10のポンプ制御部12により、図4に示すベーステーブルを検索してEWP4の駆動を制御する通常制御を実行し、本処理を終了する。ベーステーブルは、エンジン2の回転数NEに応じてEWP回転数を定めるものであり、回転数NEが所定値を超えると、回転数NEが上がるほどEWP回転数が大きくなるように設定されている。この通常制御は、冷却水の温度を所定の温度範囲(例えば、75~85℃)に維持することを目的として実行されるものである。
次に、ステップ302の判別結果がNOの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2以上である場合、車両が高負荷走行を行った場合にノッキングが誘発される可能性が高いと判断し、ステップ312に進む。ステップ312では、要求出力平均値算出フラグF_PRQMの値を「1」にセットする。これにより、ECU10の予測負荷推定部11が、エンジン2の近い未来の負荷である予測負荷の推定を開始する。具体的には、直近の所定時間(例えば、10秒)内に算出された車両の要求出力PRQの平均値PRQMを、エンジン2の予測負荷として算出する。
次いで、ステップ313では、算出された要求出力平均値PRQMが、所定のしきい値出力Pref以上であるか否かを判別する。しきい値出力Prefは、任意の高い要求出力の値として設定することができる。本実施形態では、しきい値出力Prefは、例えば20kWに設定される。
ステップ313の判別結果がYESの場合、すなわち要求出力平均値PRQMがしきい値出力Pref以上である場合、エンジン2においてノッキングが誘発される可能性が高いと判断し、ステップ317に進む。ステップ317では、後述する予冷制御継続タイマーの値をリセットする。次いで、ステップ318に進み、予冷制御実行フラグF_予冷制御の値を「1」にセットし、その後、ステップ319に進む。予冷制御実行フラグF_予冷制御は、後述する予冷テーブルに基づくEWP4の駆動制御が実行される場合に「1」にセットされるものである。
ステップ319では、ECU10のポンプ制御部12により、図5に示す予冷テーブルを検索してEWP4の駆動を制御する予冷制御を実行し、本処理を終了する。図5では、比較のため、図4に示したベーステーブルの値を破線で示している。予冷テーブルは、ベーステーブルと同様にエンジン2の回転数NEに応じてEWP回転数を定めるものであるが、ベーステーブルと比較すると、低い回転数NEであっても一定以上のEWP回転数が保持され、回転数NEの上昇に対してより大きな傾きでEWP回転数が上昇するように設定されている。
上述のとおり、予冷制御を実行するのは、冷却水の水温が高く、かつ、予測負荷が大きい場合であり、すなわち、近い未来においてエンジン2におけるノッキングが発生しやすいと判断される場合である。したがって、予冷テーブルは、ベーステーブルと比べると、回転数NEの全域においてEWP回転数がより大きく、エンジン2に対してより高い冷却効果が得られるように設定されている。これにより、エンジン2の燃焼室の温度を速やかに低下させ、ノッキングの発生を未然に防止することで、ノッキング回避のための遅角制御の実行回数を低減し、燃費の向上に寄与するものである。
続いて、ステップ313の判別結果がNOである場合について説明する。ステップ313の判別結果がNOである場合、すなわち、要求出力平均値PRQMがしきい値出力Prefより低い場合、車両は高負荷走行を行っていないと判断し、ステップ314に進む。ステップ314では、予冷制御実行フラグF_予冷制御の値が「1」であるか否かを判別する。これにより、直前に行われた冷却制御が予冷テーブルを用いた予冷制御であったかどうかを判定する。ステップ314の判別結果がNOであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御ではない場合、ステップ309、ステップ310を経てステップ311に進み、ベーステーブルを用いてEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。
一方、ステップ314の判別結果がYESであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御である場合は、エンジン2の運転状態が高負荷から低負荷に移行した直後の状態であると判断できるため、続くステップ315及び316により、所定の予冷制御継続時間が経過するまでの間は予冷制御を維持し続けることにより、速やかに冷却水の水温を低下させる。これにより、エンジン2が高負荷運転から低負荷運転に移行した場合の水温低下速度の応答性を向上させることができる。
ステップ315では、上述した予冷制御継続時間の経過を判定するための予冷制御継続タイマーをスタートさせる。予冷制御継続時間は、例えば10秒に設定され、予冷制御継続タイマーは、設定された時間(10秒)をカウントダウンにより計測するものとすることができる。
ステップ316では、予冷制御継続タイマーの値が0以下となったか否かを判別する。この判別結果がNOの場合は、未だ予冷制御継続時間が経過していないと判定し、ステップ318を経てステップ319に進み、予冷制御を実行して本処理を終了する。
一方、ステップ316の判別結果がYESの場合には、予冷制御継続時間が経過したと判定し、ステップ310を経てステップ311に進み、通常制御を実行して本処理を終了する。
続いて、ステップ301の判別結果がNOである場合について説明する。ステップ301の判別結果がNOの場合、すなわち検出された第1水温Tw1が第1しきい値水温Tref1以上である場合、冷却水は、直ちに冷却されることが必要な高温状態であると判定し、ステップ320に進む。ステップ320では、予冷制御継続タイマーの値をリセットし、その後、ステップ321に進む。ステップ321では、要求出力平均値算出フラグF_PRQMの値を「0」にセットする。次いで、ステップ322に進み、予冷制御実行フラグF_予冷制御の値を「0」にセットし、その後、ステップ323に進む。
ステップ323では、ECU10のポンプ制御部12により、図6に示す高水温テーブルを検索してEWP4の駆動を制御する高水温制御を実行し、本処理を終了する。図6では、比較のため、図5に示した予冷テーブルの値を破線で示している。高水温テーブルは、ベーステーブル及び予冷テーブルと同様に、エンジン2の回転数NEに応じてEWP回転数を定めるものであるが、予冷テーブルと比較すると、より低い回転数NEからEWP回転数が最大に近い値となるように設定されている。これにより、冷却水の流速を最大化することで冷却水の冷却を促進し、エンジン2に対してもより高い冷却効果が得られるようにされている。
次に、図7を参照しながら、通常制御と予冷制御の切替え時の動作例について説明する。同図のタイミングチャートは、上述した通常制御から予冷制御への移行、及び予冷制御から通常制御への移行の際の各部の動作例を示すものである。なお、EVモードフラグF_EVは、車両の動力源としてのエンジン2とモータの切替えを示すフラグであり、EVモードフラグF_EVが「1」のときにはモータが動力源として用いられ、「0」のときにはエンジン2が動力源として用いられることを示す。
同図の時刻t0においては、EVモードフラグF_EVが「1」であり、モータが車両の動力源として用いられている。このとき、第1水温Tw1は第2しきい値水温Tref2よりも低く、EWP4に対して通常制御が実行されている。その後、EVモードフラグF_EVが「0」となり、エンジン2が動力源として使用され始めると、回転数NEが上昇し、第1水温Tw1も上昇を開始する。
その後、第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2以上となったタイミング(時刻t1)で、要求出力平均値PRQMがしきい値出力Prefを超えたか否かの判定が開始される。その後、要求出力平均値PRQMの上昇に伴い、PRQM≧Prefが成立したタイミング(時刻t2)で、予冷制御実行フラグF_予冷制御が「1」にセットされ、予冷制御が実行されることにより、EWP回転数が上昇する。なお、時刻t2から時刻t7の間において、予冷制御を実行せず通常制御を継続した場合のEWP回転数の変化及び第1水温Tw1の変化を示す仮想線をそれぞれ破線で示している。予冷制御が実行されることにより、通常制御の場合よりもEWP回転数が上昇し、それにより、第1水温Tw1が徐々に低下する。
その後、時刻t3において、再びEVモードフラグF_EVが「1」となり、モータが動力源として使用され始めると、回転数NEは0となるが、EWP4は予冷制御により駆動を続ける。その後、要求出力平均値PRQMが低下し、PRQM≧Prefが成立しなくなったタイミング(時刻t4)で、予冷制御継続タイマーがカウントダウンを開始する。その後、所定の予冷制御継続時間(10秒)が経過したタイミング(時刻t5)で、予冷制御実行フラグF_予冷制御が「0」にセットされ、予冷制御を終了して通常制御へと切り替わる。
その後、再び要求出力平均値PRQMが上昇し、時刻t6において、再度PRQM≧Prefが成立すると、同じタイミングでEVモードフラグF_EVが「0」に切り替わり、エンジン2が動力源として使用開始される。このとき、第1水温Tw1は依然として第2しきい値水温Tref2以上であり、PRQM≧Prefが成立しているので、予冷制御実行フラグF_予冷制御が再び「1」にセットされ、予冷制御が実行されると同時に、予冷制御継続タイマーがリセットされる。
次いで、時刻t7において、第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2を下回ったことにより、予冷制御実行フラグF_予冷制御が「0」にセットされ、予冷制御から通常制御に移行する。
以上のように、本実施形態の冷却制御装置1によれば、第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2以上であり、エンジン2の将来の負荷として算出される車両の要求出力平均値PRQMがしきい値出力Pref以上である場合に、エンジン2の回転数NEに応じて、通常制御よりも高い出力でEWP4を駆動する予冷制御を実行する。これにより、近い未来にエンジン2においてノッキングが発生する可能性が高い「高水温、高負荷」の運転状態において、冷却水の水温を低下させることでエンジン2を冷却し、ノッキングの発生前に燃焼室の圧力を低下させることができる。
このように、実際にノッキングの発生が確認された後ではなく、近い未来にノッキングが誘発される運転状態となることを高い精度で予測し、あらかじめ、より高い回転数でEWP4を駆動する予冷制御を実行することで、冷却水の温度が上昇しエンジン2がノッキングが誘発される高温状態となることを事前に回避することができるので、エンジン2に対して遅角制御を実行する必要が生じる状況を回避することが可能となる。したがって、本実施形態の冷却制御装置1を用いることで、エンジン2の高負荷領域での運転時に、ノッキングを誘発しやすい高温状態となることを効果的に抑制し、それにより遅角制御の実行を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
また、予冷制御の実行が開始された後、エンジン2の予測負荷である要求出力平均値PRQMがしきい値出力Prefを下回った場合には、所定の予冷制御継続時間が経過するまでの間は予冷制御の実行を継続することにより、速やかに冷却水の水温を低下させることができる。これにより、エンジン2が高負荷運転から低負荷運転に移行した場合の水温低下速度の応答性を向上させることができる。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る冷却制御装置21について説明する。冷却制御装置21の構成は、上述した実施形態の冷却制御装置1と同様であるが、第2実施形態に係る冷却制御においては、予冷制御を実行するまでの判定処理において上述の実施形態と異なる点がある。以下、具体的に説明する。
図8のステップ801からステップ812までの制御処理は、図3のステップ301からステップ312までの制御処理と同様であるが、第2実施形態では、ステップ813において、要求出力平均値PRQMがしきい値出力Pref以上であるか否かの判別結果がYESであった場合に、さらにステップ817で水温差分ΔTwが所定のしきい値Trefより低いか否かの判別を行う点を特徴としている。ここで、水温差分ΔTwは、第1水温Tw1と第2水温Tw2の差として定義されるパラメータである。
上述のとおり、第1水温Tw1は、エンジン2の下流側の水温であり、第2水温Tw2は、ラジエータ5の下流側の水温である。通常の運転時であれば、第1水温Tw1は、高温のエンジン2と熱交換を行った直後の水温であり、第2水温Tw2は、熱を外部に放出するラジエータ5と熱交換を行った直後の水温であるため、第1水温Tw1は第2水温Tw2よりも高温となる。したがって、「Tw1-Tw2」で定義される水温差分ΔTwは、比較的大きな値となる。ところが、外気温が高い場合などにおいて、ラジエータ5による放熱効率が低下し、冷却水の温度が下がりにくくなると、第2水温Tw2が高温となり、第1水温Tw1と第2水温Tw2の差が小さくなるため、水温差分ΔTwは、比較的小さな値となる。
このような場合、EWP4を高い出力で駆動し、冷却水の流速を上昇させても、エンジン2に対して期待されるような冷却効果が得られず、ノッキングの回避効果も得にくくなる場合がある。したがって、このような場合には、予冷制御を実行しても燃費の向上が望めず、むしろ電費の悪化が大きくなってしまうことが想定される。そこで、本実施形態においては、ステップ817において、水温差分ΔTwがしきい値Trefより低いか否かの判別ステップを入れることにより、予冷制御による効果が見込める場合のみ予冷制御を実行するようにしている。ここで、しきい値Trefは、水温差分ΔTwが当該値を下回る場合には、冷却水の放熱効率が低下しており、予冷制御による効果が小さいと判断できる値に設定される。
ステップ817の判別結果がNOの場合、冷却水による冷却効果は通常どおり発揮されており、予冷制御実行による効果が見込めると判定し、図3のステップ317、318と同様の処理であるステップ818、819を経てステップ820へと進み、図3のステップ319と同様に予冷制御を実行して本処理を終了する。
一方、ステップ817の判別結果がYESの場合、冷却水による冷却効果は小さくなっており、予冷制御実行による効果は小さいと判定し、ステップ814に進む。ステップ814では、図3のステップ314と同様に、直前に行われた冷却制御が予冷テーブルを用いた予冷制御であったかどうかを判定する。ステップ814の判別結果がNOであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御ではない場合、ステップ809、ステップ810を経てステップ811に進み、ベーステーブルを用いてEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。
また、ステップ814の判別結果がYESであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御である場合は、図3のステップ315、316と同様の処理をステップ815、816で行い、所定の予冷制御継続時間が経過した後に、ステップ810を経てステップ811に進み、ベーステーブルを用いてEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の冷却制御装置21によれば、第1水温Tw1が第2しきい値水温Tref2以上であり、エンジン2の将来の負荷として算出される車両の要求出力平均値PRQMがしきい値出力Pref以上である場合であっても、水温差分ΔTwがしきい値Trefを下回っている場合には、高い外気温等の要因により冷却水による冷却効果が小さくなっており、予冷制御実行による効果が小さいと判定し、予冷制御の実行を回避し、通常制御を実行することによってEWP4の出力を抑制するので、電費の悪化を防止することができる。
なお、本実施形態において、高い外気温等による冷却水の冷却効果及び予冷制御実行による効果の有無を判定するためのパラメータとして、「Tw1-Tw2」で定義される水温差分ΔTwを用いたが、同パラメータとして異なる値を用いることも可能である。例えば、別の水温センサを用いてエンジン2の上流側の水温(又はEWP4の上流側の水温)を第3水温Tw3として取得し、「Tw1-Tw3」で定義される値を水温差分として使用してもよい。また、より簡易な構成としては、上記のパラメータとして、第1水温Tw1や第3水温Tw3の値自体を所定のしきい値と比較するようにしてもよい。さらに、外気温そのものや、吸気温度、吸気マニホルド内の温度(インマニ温度)などを検出し、これを上記のパラメータとして用いる構成とすることも可能である。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る冷却制御装置31について説明する。冷却制御装置31の構成は、上述した実施形態の冷却制御装置1とほぼ同様であるが、ECU10が、インターネットや車両に搭載されたGPS及びカーナビゲーションシステムを介して地図情報MIを取得し、これを予測負荷の推定に用いる点で上述の実施形態と相違している。以下、具体的に説明する。
図9のステップ901からステップ912までの制御処理は、図3のステップ301からステップ312までの制御処理と同様であるが、第3実施形態では、ステップ913において、近い未来の車両の経路上の地形がエンジン2の高負荷運転を必要とするものであるか否かを判定する地形判定を行い、その判定結果(高負荷地形フラグF_高負荷地形)に基づき予冷制御を行うか否かの判定を行う点を特徴としている。
図10は、図9のステップ913で行う地形判定のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ101において、インターネットや車両に搭載されたGPS及びカーナビゲーションシステムを介して地図情報MIを取得する。地図情報MIは、例えば、GPSを用いて取得した車両の現在位置と、進行方向上の道路情報(直線状か曲線状か、勾配の有無、渋滞情報など)を含むものとすることができる。
次いで、ステップ102では、車両の要求出力平均値PRQMがしきい値出力Pref以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESの場合、ステップ103に進む。ステップ103では、ステップ101で取得した地図情報MIを参照し、車両の進行方向上の道路が直線状であるか否かを判定する。この判定結果がYESの場合、冷却水が高温であり、車両の直近の運転状態が高負荷運転であり、かつ、進行方向上の道路が直線状であることから、エンジン2の予測負荷が大きいと判断し、ステップ104で高負荷地形フラグF_高負荷地形の値を「1」にセットし、本処理を終了する。
一方、ステップ103の判定結果がNOであり、車両の進行方向上の道路が直線状ではない場合は、エンジン2の予測負荷は大きくないと判断し、ステップ106で高負荷地形フラグF_高負荷地形の値を「0」にセットし、本処理を終了する。
また、ステップ102の判別結果がNOの場合、すなわち車両の要求出力平均値PRQMがしきい値出力Prefより低い場合、ステップ105に進む。ステップ105では、ステップ101で取得した地図情報MIを参照し、車両の進行方向上の道路が上り勾配であるか否かを判定する。この判定結果がYESの場合、直近の運転状態が高負荷運転ではなくても、近い未来の負荷が大きくなる可能性があるとの判断の下、ステップ103に進み、進行方向上の道路が直線状であるか否かの判定が行われる。一方、ステップ105の判別結果がNOの場合、エンジン2の予測負荷は大きくないと判断し、ステップ106に進み、高負荷地形フラグF_高負荷地形の値を「0」にセットし、本処理を終了する。
図9に戻り、ステップ913で上述の地形判定が行われた後は、ステップ914に進み、高負荷地形フラグF_高負荷地形の値が「1」であるか否かの判別を行う。この判別結果がYESの場合、エンジン2の予測負荷が大きいとの判断の下、図3のステップ317、318と同様の処理であるステップ918、919を経てステップ920へと進み、図3のステップ319と同様に予冷制御を実行して本処理を終了する。
一方、ステップ914の判別結果がNOの場合、エンジン2の予測負荷は大きくないとの判断の下、ステップ915に進む。ステップ915では、図3のステップ314と同様に、直前に行われた冷却制御が予冷テーブルを用いた予冷制御であったかどうかを判別する。ステップ915の判別結果がNOであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御ではない場合、ステップ909、ステップ910を経てステップ911に進み、ベーステーブルを用いてEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。
また、ステップ915の判別結果がYESであり、直前に行われた冷却制御が予冷制御である場合は、図3のステップ315、316と同様の処理をステップ916、917で行い、所定の予冷制御継続時間が経過した後に、ステップ910を経てステップ911に進み、ベーステーブルを用いてEWP4の駆動を制御し、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の冷却制御装置31によれば、車両の要求出力に加え、地図情報MIに基づき進行方向上の地形を考慮して、エンジン2の予測負荷が大きいか否かを推定するので、より高い精度で予測負荷の推定を行うことができる。また、予測負荷が大きいと判定した場合、エンジン2の回転数NEに応じて、通常制御時よりも高い出力でEWP4を駆動する予冷制御を実行するので、冷却水の水温を低下させることでエンジン2を効果的に冷却し、ノッキングの発生前に燃焼室の圧力を低下させることができる。これにより、エンジン2に対して遅角制御を実行する必要が生じる状況を回避することが可能となるので、燃費の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、車両の要求出力と地図情報MIの両方に基づき予測負荷の推定を行う構成としたが、より簡易な構成として、地図情報MIのみに基づき予測負荷の推定を行う構成とすることも可能である。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 冷却制御装置
2 エンジン(内燃機関)
3 冷却回路
4 EWP(電動ウォーターポンプ)
5 ラジエータ
6 第1水温センサ(水温取得手段)
7 第2水温センサ(水温取得手段)
10 ECU(予測負荷推定手段、ポンプ制御手段)
11 予測負荷推定部(予測負荷推定手段)
12 ポンプ制御部(ポンプ制御手段)
13 回転数センサ(回転数取得手段)
14 アクセル開度センサ(アクセル開度取得手段)
AP アクセル開度
MI 地図情報
NE 回転数
Pref しきい値出力(第3しきい値)
PRQ 要求出力
PRQM 要求出力平均値
Tref1 第1しきい値水温
Tref2 第2しきい値水温(第1しきい値)
Tref3 第3しきい値水温
Tw1 第1水温
Tw2 第2水温
ΔTw 水温差分(第1水温と第2水温の差分)

Claims (6)

  1. 冷却水によって内燃機関を冷却する冷却回路と、前記冷却回路に接続され前記冷却回路に前記冷却水を循環させる電動ウォーターポンプと、を有する車両の内燃機関の冷却制御装置であって、
    前記冷却水の水温を取得する水温取得手段と、
    前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記内燃機関の将来の負荷である予測負荷を推定する予測負荷推定手段と、
    前記取得された水温が所定の第1しきい値以上であり、かつ、前記推定された予測負荷が所定の第2しきい値以上である場合に、前記取得された回転数に応じた出力で前記電動ウォーターポンプを駆動するポンプ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の冷却制御装置。
  2. 前記車両のアクセル開度を取得するアクセル開度取得手段を更に備え、
    前記予測負荷推定手段は、前記取得されたアクセル開度及び前記取得された回転数に基づき前記車両の要求出力を算出するとともに、直近の所定時間内に算出された前記要求出力の平均値を前記予測負荷として算出し、
    前記ポンプ制御手段は、前記取得された水温が前記第1しきい値以上であり、かつ、前記算出された予測負荷が所定の第3しきい値以上である場合に、前記取得された回転数に応じた出力で前記電動ウォーターポンプを駆動することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  3. 前記ポンプ制御手段は、前記電動ウォーターポンプを駆動した後に前記予測負荷が前記第2しきい値を下回った場合に、所定の駆動維持時間が経過するまでの間、前記電動ウォーターポンプの駆動を維持することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  4. 外気の温度を表す外気温度パラメータを取得する外気温度パラメータ取得手段を更に備え、
    前記ポンプ制御手段は、前記取得された外気温度パラメータが所定の第4しきい値以上である場合には、前記電動ウォーターポンプの出力を低減することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  5. 前記冷却回路には、前記冷却水を冷却するためのラジエータが接続されており、
    前記水温取得手段は、前記冷却回路の前記内燃機関の下流側の水温を第1水温、前記ラジエータの下流側の水温を第2水温としてそれぞれ取得し、
    前記ポンプ制御手段は、前記第1水温と前記第2水温の差分が所定の第5しきい値を下回る場合には、前記電動ウォーターポンプの出力を低減することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  6. 地図情報を取得する地図情報取得手段を更に備え、
    前記予測負荷推定手段は、前記取得された地図情報に基づき前記予測負荷を推定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
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