JP2023554186A - 光音響効果を介してレーザー放射を計測する装置 - Google Patents

光音響効果を介してレーザー放射を計測する装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、光音響効果を介してレーザー放射のパワー及び波長を計測する装置(D)に関し、これは、-中心波長λcを有する吸収線を有する少なくとも1つのガス(G)を収容しているセル(C)と、-セル内において配置された且つセル内の光音響信号を表す信号(Si)を生成するのに適した電気-音響トランスデューサ(MP)と、-電気-音響トランスデューサによって生成された信号を処理する手段(UT)であって、1つ又は複数のガスの濃度の推定値が保存されている手段と、-セル内に、セル内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射(LL)を放出するのに適した少なくとも1つのレーザーソース(L)であって、前記レーザー放射は、レーザー放射とセル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が電気-音響トランスデューサの検出周波数において光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数(f1)において平均波長λmoyを中心として発振方式で可変である波長を有する、レーザーソースと、を有し、前記セルは、セル内において収容されている1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するようにメンブレイン(MB)によって封止され、且つ、レーザー放射に対して透明である光学アパーチャを有し、前記処理手段は、前記光音響信号に基づいて光音響信号の位相Φ(t)の変動を判定するように構成されており、前記処理手段は、光音響信号に基づいて放射の波長を計測するのに適している。

Description

本発明は、光音響法の分野に関し、且つ、更に詳しくは、光音響法を介したレーザー放射のパワー及び波長の計測に関する。
本発明は、使用されているレーザーのパワー及び波長を知ること又はこれらを正確に制御することが必要とされているレーザー分光法の方法に関する。
これらの技法のうちで、光音響分光法(PA)は、当業者には周知の方法である。この定性的且つ定量的な分析技法は、様々な固体、液体、及びガスの組成の判定を許容している。この技法は、材料との間のレーザー放射の相互作用に基づいており、前記相互作用は、音波を生成し、次いで、これが、検討対象の材料を特徴付けするために分析されている。これは、ガス原子の線吸収スペクトルの自然な選択性に起因して、単色ソースを使用してガスを検出するのに特に適している。過去十年間におけるコンパクトな赤外線レーザーソース(例えば、レーザーダイオード)の迅速な開発は、PAを介したガス検出を安定した、コンパクトな、且つ、簡単な解決策に変換している。PAに基づいたガス分析は、振幅及び/又は波長変調されたパルス化又は連続波レーザーソース、分析対象のガスを収容する音響共振器を形成しているセル、及び検出マイクロフォンを必要としている。ガス検出において、PA効果は、(1)レーザー放射がガスによって吸収され、これにより、回転的、電子的、且つ、振動的エネルギーレベルが励起される、(2)ro-振動励起のケースにおいては、ガスが好ましくは分子衝突を介して逆励起され、これが、回転/振動エネルギー及び運動エネルギーの伝達を結果的にもたらし、これにより、ガスの局所化された加熱が生成される、という4つのステージに分離され得る。放射放出は、PAにおいて通常使用されている圧力(約1バール)においては、非放射的なものとの比較において、ro-振動放射レベルの長寿命に起因して、ro-振動励起のケースにおいては支配的ではない。実際に、ガスによって吸収されたエネルギーは、ガス原子に対する運動エネルギーの伝達を介して完全に熱に変換されている;(3)ガスの加熱に起因した膨張によってもたらされる音波及び熱波の生成、(4)音響信号のマイクロフォンによる検出。マイクロフォンの振動の振幅は、ガスの濃度を表し、且つ、ガスによって吸収されるレーザー放射の波長は、その組成を通知している。
ほとんどのケースにおいて、ガスが分析されている最中に、レーザーと検討対象のガスとの間の相互作用によって生成されるPA信号は、検出の前に、特定の周波数において共振を提示する音響セルを使用して増幅されている。当然のことながら、これは、PA信号がセルの共振周波数と同一の周波数において生成されることを必要としている。例えば、デュアルヘルムホルツ共振器タイプのセルなどの従来技術において既知の1つの共振セルは、検出マイクロフォンにリンクされた2つの第1空洞を有する。
増幅の終了時点まで、セルの共振周波数におけるレーザー放射の振幅を変調することが知られており、この場合に、これは、同一周波数におけるPA信号の変調をもたらしている。レーザー放射の振幅変調は、多くの形態を有するが、関連する技法は、連続波光音響法及びパルス化光音響法、という2つのカテゴリに分割され得る。
パルス化光音響法は、外部の機械的又は電子光学的変調器を有するパルス化光源又は連続波ソースを使用している。セルの共振周波数においてPA信号を生成するために、準連続波(QCW)方式で動作するソースを使用することが知られている。このケースにおいては、レーザーの振幅は、セルの共振のものよりも格段に大きい反復レートと呼称される周波数において変調され、且つ、従って、レーザー放射は、音響共振に対応する変調周波数の視点においては、連続的なものとして出現する。
また、光音響法においては、J.Saarela et al,“Wavelength modulation waveforms in laser photoacoustic spectroscopy”,Appl.Opt.48,743-747(2009)において示されているように、レーザー放射の波長を変調することが知られている。このケースにおいては、レーザー波長は、検討対象のガスの吸収ピークを中心として変調されている。レーザー波長の変調は、理論的には、レーザー放射とセルの壁との間の相互作用に起因したノイズが検討対象のガスの濃度の判定を妨げることの防止を可能にしている。
レーザー分光法の技法の欠点の1つは、正確なガス計測値の取得には、レーザー波長及び時間に伴うそのパワーの変動に関する完全な知識が必要とされるという点にある。具体的には、波長の誤差は、例えば、検出対象のガスの濃度の推定値の誤差に結び付き得る。しばしば、このようなインスツルメントは、パワー検出器を内蔵しており、この結果、組立が複雑化し、且つ、装置の費用が増大している。波長を判定するために、スキャニング方法が利用され得るが、これらは、インスツルメントの感度限度に近接したガス濃度を計測する際には、効率が相対的に低いことがわかっている。いずれの場合にも、レーザーの特性の時間に伴う変動は、非常にわずかなものであり得るが、ガスを検出するインスツルメントの調節を必要とするには十分なものである。
J.Saarela et al,"Wavelength modulation waveforms in laser photoacoustic spectroscopy",Appl.Opt.48,743-747(2009)
本発明は、従来技術の上述の問題点のいくつかを軽減することを狙いとしている。更に正確には、本発明は、レーザー放射の波長及びパワーが簡単且つ廉価な組立体を使用して光音響法を介して判定又は制御されることを許容する装置に関する。
これを目的として、本発明の1つの主題は、光音響効果を介してレーザー放射を計測する装置であり、これは、
-中心波長λを有する吸収線を有する少なくとも1つのガスを収容するセルと、
-セル内において配置された且つセル内の光音響信号を表す電気信号を生成するのに適した電気-音響トランスデューサと、
-電気-音響トランスデューサによって生成された電気信号を処理する手段であって、1つ又は複数のガスの濃度の推定値が保存されている処理手段と、
-セル内に、セル内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射を放出するのに適した少なくとも1つのレーザーソースであって、前記レーザー放射は、レーザー放射とセル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が電気-音響トランスデューサの検出周波数における光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数において平均波長λmoyを中心として発振方式で可変である波長又は前記変調周波数において平均パワーを中心として発振方式で可変である光学パワーを有する、レーザーソースと、
を有し、
-前記セルは、セル内において収容されている1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するようにメンブレインによって封止されており、且つ、レーザー放射に対して透明である光学アパーチャを有し、
-前記処理手段は、光音響信号からレーザー放射の波長を判定するのに適している。
本発明の特定の実施形態によれば、
-1つ又は複数のレーザーソースは、前記平均波長が時間に伴って変化するように且つ平均波長における偏位が前記中心波長を含むように、更に構成されており、これにより、前記処理手段は、
-前記電気信号に基づいた時間に伴う光音響信号の位相Φ(t)の変動、
-光音響信号の前記位相の時間に伴う変動に基づいたレーザー放射の波長、
を判定するのに更に適しており、
-前記処理手段は、電気信号及び前記推定値に基づいてレーザー放射のパワーPを判定するのに更に適しており、
-セルは、複数の別個のガスを収容しており、このそれぞれは、その他のものとはスペクトル的に別個である少なくとも1つの吸収線を有し、前記装置は、セルの外側においてそれぞれが配置された且つ1つの関連するガスを励起するのに適した複数のレーザーソースを更に有し、
-処理手段は、1つ又は複数のレーザーソースのサーボ波長と呼称される波長λASに対して取得された光音響信号をサーボ制御するためのサーボ位相と呼称される位相ΦASを判定するように構成されており、
-1つ又は複数のレーザーソースは、電子的にポンピングされているレーザーを有し、前記装置は、1つ又は複数のレーザーソースがパルス化モードにおいて動作するようにするために、1つ又は複数のレーザーソースをポンピングする生成電流と呼称されるパルス化電流を生成する電源回路を有し、処理手段は、電源回路に接続されており、前記電源回路は、レーザーパルスの間において非ゼロ値を有する且つレーザーパルスの際に生成電流の振幅未満である振幅を有するベース電流と呼称される電流を更に生成するように構成されており、ベース電流は、波長の前記発振変動を生成するために振幅変調されており、
-電源回路は、前記サーボ位相に対して光音響信号の位相をサーボ制御するようにベース電流が振幅変調されるように、構成されており、
-装置は、1つ又は複数のレーザーソースの活性領域の温度を制御する装置を有し、前記温度を制御する装置は、処理手段に接続されており、且つ、前記サーボ位相に対して光音響信号の位相をサーボ制御するように、1つ又は複数のレーザーソースの活性領域の温度を調節するように構成されており、
-温度を制御する装置は、抵抗器、熱電気システム、又は前記電源回路であり、
-1つ又は複数のガスの濃度は、1ppm超であり、且つ、好ましくは100ppm超であり、
-トランスデューサは、1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するパッケージを有するマイクロフォンであり、その内部には、光音響信号を検出するのに適したダイアフラムが含まれており、この場合に、セルは、前記パッケージによって形成されている。
本発明の別の主題は、光音響システムであり、これは、
-本発明による計測装置と、
-レーザー入口面を有する光音響ガス検出装置であって、少なくとも1つのレーザーソースによって放出されたレーザー放射の第1部分が光音響ガス検出システムの前記入口面を照明するように構成された装置と、
を有する。
このシステムの特定の実施形態によれば、前記セルは、レーザー出口面を有し、少なくとも1つのレーザーソース及び前記光音響ガス検出装置は、前記第1部分が前記レーザー出口面を通過するレーザー放射に対応するように構成されており、或いは、これは、前記光音響システムの前記レーザー入口面に向かって導かれる前記第1部分と前記セル内に導かれる第2部分に前記レーザー放射を分割するのに適した光学コンポーネントを有する。
本発明の別の手段は、光音響効果を介してレーザー放射の波長及びパワーを判定する方法であって、これは、
-中心波長λを有する吸収線を有する少なくとも1つのガスを収容しているセルC内において、セル内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射を生成するステップであって、前記レーザー放射は、レーザー放射とセル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数において平均波長λmoyを中心として発振方式で変化する波長を有し、レーザー放射の平均波長偏位は、前記中心波長を含み、前記平均波長は、時間に伴って変化しており、前記セルは、セル内において収容されている1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するように、メンブレインによって封止されている、ステップと、
-前記光音響信号を検出し、且つ、セル内の光音響信号を表す電気信号(Si)を生成するステップと、
-前記光音響信号に基づいて光音響信号の位相Φ(t)の時間に伴う変動を判定するステップと、
-光音響信号の前記位相の時間に伴う変動に基づいて放射の波長を計測するステップと、
-電気信号及び1つ又は複数のガスの濃度の推定値に基づいてレーザー放射のパワーPを計測するステップと、
を有する。
本発明の方法の特定の一実施形態によれば、波長は、光音響信号の位相の前記変動の導関数の最大値の演算に基づいて計測されている。
本発明のその他の特徴、詳細、及び利点については、例として付与された且つ以下の図をそれぞれが示す添付図面を参照して付与されている説明を参照した際に明らかとなろう。
本発明による光音響効果を介してレーザー放射LLのパワー及び波長を計測する装置の概略図である。 本発明による光音響効果を介してレーザー放射の波長及びパワーを判定する方法の概略図である。 本発明の第1実施形態による装置の概略図である。 本発明の第2実施形態による装置の概略図である。 本発明による装置Dを有する光音響検出システムの概略図である。 本発明の一代替肢による光音響検出システムの概略図である。 本発明の一実施形態による光音響検出システムの概略図である。 本発明の別の実施形態による光音響検出システムの概略図である。
図における参照符号は、それらが同一である際には、同一の要素に対応している。
図においては、そうではない旨が通知されていない限り、要素は正確な縮尺で示されてはいない。
図1は、本発明による光音響効果を介してレーザー放射LLのパワー及び波長を計測する装置Dを概略的に示している。装置Dは、中心波長λを有する吸収線を有する少なくとも1つのガスGを収容するセルCを有する。これに加えて、装置は、セルC内に、セル内において収容されているガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射LLを放出するのに適した少なくとも1つのレーザーソースLを有する。
また、装置Dは、セル内において配置された且つセル内において生成された光音響信号を表す信号Siを生成するのに適した電気-音響トランスデューサMPを有する。トランスデューサは、音波の振幅と、従って、レーザー放射のパワーと、の判定を許容しており、この場合に、検討対象のガス種の濃度は、既知である(以下を参照されたい)。このトランスデューサは、例えば、マイクロフォン、或いは、場合によっては、チューニングフォーク、であってよい。別の実施形態においては、これは、音響-光-電気トランスデューサであってよい。
それ自体が既知の方式において、レーザーソースは、レーザー放射とセル内において収容されているガスとの間の相互作用が電気-音響トランスデューサの検出周波数における光音響(PA)信号の生成を誘発するように(第1条件)、レーザー放射LLが変調周波数fにおいて平均波長λmoyを中心として発振方式で変化する波長を有するように、構成されている。
これに加えて、本発明によるレーザーソースLは、平均波長λmoy(t)が周期Tによって時間に伴って変化するように且つ平均波長偏位が中心波長λを含むような方式で(第2条件)、構成されている。従って、これは、λmoy(t)<λとなるように第1の複数の値が存在するように且つλmoy(t)>λとなるように第2の複数の値が存在するように、平均波長が、周期Tによって変化し且つ複数の別個の値を取得することを意味している。
具体的には、上述の2つの条件下においてレーザーソースLによって放出される波長は、λ(t)=λmoy(t)+λPA(t)という式において表現されてもよく、この場合に、λmoy(t)は、放射の波長の平均値に対応する関数であり、且つ、λPAは、周波数fにおける波長の発振部分を表す関数であり、その平均値は、0に等しく、且つ、これは、PA信号がセル内において生成されることを許容している。関数λmoyは、例えば、ランプ関数であり、且つ、関数λPAは、例えば、三角波又は方形波又は正弦波関数である。後述するように、これらの条件の両方を充足することにより、PA信号の位相に基づいた放射の波長の正確な判定が可能となる。これらの波形は、非限定的な例として付与されており、且つ、当業者には既知の且つ波長との関係における上述の条件の充足を許容する任意のその他の波形が使用され得る。
別の実施形態によれば、レーザーソースは、レーザー放射とセル内において収容されているガスとの間の相互作用が電気-音響トランスデューサの検出周波数における光音響信号の生成を誘発するように、レーザー放射LLが変調周波数fにおいて平均パワーを中心として発振方式で変化する光学パワーを有するように、構成されている。この実施形態においては、レーザーソースは、次いで、放出された波長が単純にλ(t)=λPA(t)という形態を取得するように構成されている。
特に、本発明のすべての実施形態において、セルCは、セル内において収容されているガスに対して不透過性を有するように、メンブレインMBによって封止されている。このメンブレインMBは、1つ又は複数のレーザーソースLによって放出されたレーザー放射に対して透明である光学アパーチャを有する。透明とは、本明細書においては、メンブレインの透過率が、トランスデューサMPによって生成された信号Siの信号対雑音比が1超となるのに十分なものであることを意味している。このメンブレインは、ビームが伝播するのに伴ってビームの幾何学的プロパティを変更しない又は無視可能な方式で変更する、のいずれかである透明壁である。従来技術の光音響ガス検出装置とは対照的に、装置は、1つ又は複数の既知のガスの存在を保証するために且つ装置が光音響センサとして動作することを許容するために空洞を封止するメンブレインMBを有する。従って、セル内の様々なガスの濃度は、設定されており、且つ、既知であり、且つ、波長が正確性を伴って判定されたら、PA信号の振幅によって放射のパワーを判定することができる(以下を参照されたい)。
装置Dは、トランスデューサMPによって生成された電気信号Siを処理するための手段UTを更に有する。処理手段は、放射LLの波長の計測値を判定し、これにより、PA信号を生成するのに適している。これを実行するために、処理手段は、平均波長の変動の一周期Tにわたって時間に伴うPA信号の変動を判定するように構成されている。この変動に基づいて、手段UTは、信号Si(t)によって表されるPA信号の位相Φ(t)の変動を判定するように構成されている。例えば、位相Φ(t)は、以下の方式(式1)において演算されてもよく、
Figure 2023554186000002
ここで、T=1/fであり、且つ、PA信号Si(t)のGabor変換であるG(S(t))は、次式のとおりである。
Figure 2023554186000003
或いは、この代わりに、トランスデューサMPによって生成された電気信号Siを処理する手段UTは、PA信号及びPA信号の位相の変動を表す信号を同時に生成するのに適した同期検出器を有する。
一実施形態によれば、次いで、処理手段は、周期Tにわたって位相Φ(t)の変動の導関数を演算するように且つこの期間にわたって導関数の最大値を判定するように、構成されている。それ自体が既知であるように、この最大値には、ガスの吸収ピークの中心波長λに等しい波長において到達している。従って、位相の変動の導関数の最大値の判定は、レーザー放射の波長の値がλ=λとなる時点が正確に判定されることを許容している。電気的にポンピングされているレーザーソースのケースにおいては、次いで、レーザー放射がこの波長λ=λにおいて生成されることを許容する供給電流の値を判定することができる。以下においては、この供給電流の値は、この波長に対してレーザーをサーボ制御するために使用されることになる(以下を参照されたい)。
これに加えて、λ=λであることが判定された時点の後に、時間に伴う波長λ(t)の既知の変動とPA信号の位相Φ(t)の計測された変動を比較することにより、PA信号の位相が時点tにおけるレーザー放射の波長λ(t)と関連付けられている。従って、PA信号の位相Φ(t)の後続の計測は、対応するレーザー放射の波長の瞬間的な判定を許容している。
以下においては、サーボ位相と呼称される位相ΦASに対応するサーボ波長と呼称される波長λASが処理手段によって選択されている。
この波長計測は、通常、幅0.15cm-1の吸収ピークの場合に且つ100というトランスデューサMPによって検出されたPA信号の信号対雑音比の場合に、0.01cm-1内において正確である。これらの値は、非限定的な例として付与されている。この計測精度は、主には、封止された空洞内のガス濃度、空洞内に入力されたレーザーパワー、及び空洞の性能(品質係数及びノイズ)に依存している。
一実施形態によれば、波長の変動のシーケンスは、処理手段がそれぞれの反復において得られたPA信号の変動の平均を取得し得るように、複数回にわたって反復されている。これは、相対的に安定した平均PA信号が得られることを許容し、且つ、従って、信号対雑音比の改善を許容し、且つ、従って、波長計測の精度の改善を許容している。
重要なことには、本発明の装置Dにおいて、様々なガス種G(i)の濃度C(i)は、既知であり、且つ、手段UT内において保存されている。時点tASにおけるレーザー長λAS=λの場合には、レーザー放射のパワーPは、PA信号を表す信号Siの振幅の最大値Simax及びPA信号が生成されるガスの濃度Cに基づいて演算されている。
以下の式が得られ、
=A×C×Simax
この場合に、Aは、インスツルメントの事前の較正によって判定された変換係数である。
レーザー長λAS≠λの場合には、レーザーパワーPは、PA信号を表す信号Siの振幅のSimax、波長λとの関係における長さλASの一部分に関係する係数K、及び吸収ピークの形状に基づいて推定されている。
以下の式が得られる。
=A×K×C×Simax
従って、これは、波長の正確な判定であり、且つ、対応するレーザー放射のパワーが判定されることを許容している、セルCが既知のガス濃度を有するように封止されているという事実。従って、本発明による装置Dは、パワーセンサに対する且つ従来技術のその他の波長判定技法に対する一代替肢である低費用の光音響センサである。
好ましくは、セル内の1つ又は複数のガスGの濃度は、1ppm超である。これは、波長及びパワーPの十分に正確な判定を許容するのに十分なPA信号を取得するために必要とされている。好ましくは、セル内の1つ又は複数のガスの濃度は、レーザー放射LLの波長のわずかな変動を計測することができるように、100ppm超である。
本発明の一実施形態によれば、セルCは、複数の別個のガスを収容しており、そのそれぞれは、その他のものとはスペクトル的に別個である少なくとも1つの吸収線を有しており、且つ、装置は、セルの外側においてそれぞれが配置された、且つ、セルを照射するのに、且つ、従って、1つの関連するガスを励起するのに、適した複数の単色レーザーソースを有する。従って、この実施形態においては、装置は、複数のレーザーソースのパワー及び波長を計測することを可能にしている。説明の残りの部分においては、簡潔性を目的として、1つのレーザーソース及びセル内の単一のガスについてのみが言及することとする。これは、1つの単一の例であるに過ぎず、且つ、本発明による装置の実施形態のすべては、複数のレーザーソース及びセルC内の複数のガスを装置が有するケースにも適用されることを理解されたい。或いは、この代わりに、レーザーソースは、周波数コムを放出するのにも適しており、この場合に、このコムの周波数のそれぞれは、セルを照射するために且つ1つの関連するガスを励起するために適している。
図2は、光音響効果を介してレーザー放射の波長及びパワーを判定するのに適した本発明の方法を示している。この方法は、図1及び図3~図6の装置によって実装されている。
この方法は、1つ又は複数のレーザーソースLによって実装された、且つ、セルC内において、セルC内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するに適した波長においてレーザー放射LLを生成するステップを有する、第1ステップAを有する。上述のように、生成されるレーザー放射LLは、レーザー放射とセル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が電気-音響トランスデューサMPの検出周波数における光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数fにおいて平均波長λmoyを中心として発振方式で可変である波長λ(t)を有する。これに加えて、生成される放射は、セル内のガスの吸収線の中心波長を含む平均レーザー放射波長偏位を有し、且つ、平均波長は、周期Tによって時間に伴って変化している。波長偏位は、吸収線をスキャニングするために放射の波長の中心波長λを含むことが必要とされ、且つ、従って、PA信号の最大値を吸収線の中心波長と関連付けることにより、波長を正確に較正することが可能となることが必要とされている。
図2の方法は、ステップAの後に、セル内において生成されたPA信号を電気-音響トランスデューサを利用して検出するステップBを有する。ステップBは、セル内の光音響信号を表す信号Siを生成するステップを有する。
ステップBの後に、方法は、周期Tの全体を通じて、検出された光音響信号に基づいて光音響信号の位相Φ(t)の時間に伴う変動を判定するステップCを有する。以上において理解されるように、位相は、変調周波数fにおけるPA信号のGabor変換を演算する予備ステップを介して、且つ、式1により、判定することができる。或いは、この代わりに、この位相計測は、PA信号及びPA信号の位相の変動を表す信号を同時に生成するのに適した同期検出器を利用して実行されている。別の代替肢によれば、位相Φ(t)は、当業者には既知の任意の方法を使用することにより、トランスデューサMPによって生成された信号に基づいて処理手段UTによって判定されている。
ステップCの後に、方法は、周期Tにわたる光音響信号の位相の時間に伴う変動に基づいて放射の波長を判定するステップDを有する。上述のように、これは、周期Tにわたる光音響信号の位相の変動の導関数の最大値を演算することにより、実行されており、この場合に、この最大値は、中心波長λに等しい放射波長について得られている。
最後に、図2の方法は、光音響信号及びガスの濃度の推定値に基づいてレーザー放射のパワーPを判定する最終ステップEを有する。具体的には、セル内のガスの濃度が既知であることから、処理手段は、式P=A×C×Smaxを使用することにより、中心波長λと等しい波長について取得されたレーザー放射のパワーPを演算するように構成されている。
ステップC、D、及びEは、処理手段UTによって実装されている。
従って、図2の方法は、PA信号を生成するレーザー放射の波長と、次いで、レーザーパワーPと、が正確に判定されることを許容している。
図3は、本発明の第1実施形態による装置を示しており、この場合に、1つ又は複数のレーザーソースは、電源回路CAによって電気的にポンピングされているソースである。例えば、レーザーソースは、量子カスケードレーザーであるか、或いは、場合によってはレーザーダイオードである。この電源回路は、処理手段UTに接続されており、且つ、1つ又は複数のレーザーソースがパルス化モードにおいて動作するようにするためにレーザーソースをポンピングする生成電流と呼称されるパルス化電流を生成している。
レーザーソースは、I(t)=I+g.t+h.sin(2πft)という形態の生成電流を周期Tによって反復された状態においてレーザーソースLに印加する電源回路CAによってパワー供給されており、ここで、0≦t≦Tであり、且つ、Iは、電流のオフセットであり、gは、電流のスロープであり、且つ、hは、変調電流の振幅である。この波形は、非限定的な例として付与されており、且つ、当業者には既知の且つ波長との関係における上述の条件が充足されることを許容する任意のその他の波形が使用され得る(例えば、J.Saarela et al,“Wavelength modulation waveforms in laser photoacoustic spectroscopy”,Appl.Opt.48,743-747(2009)を参照されたい)。
更には、それ自体が既知の方式により、電源回路CAは、生成電流の印加に加えて、レーザーパルスの間において非ゼロ値を取得する且つレーザーパルスの際に生成電流の振幅未満の振幅を有するベース電流と呼称される電流を生成するようにも構成されている。このベース電流は、波長の発振変動を生成するために、且つ、従って、PA信号を生成するために、振幅変調されている。
或いは、この代わりに、別の実施形態によれば、周期Tによって反復される波形を担持しているのは、生成電流ではなく、ベース電流である。従って、例えば、ベース電流は、上述の波形g.t+h.sin(2πft)を担持しており、この場合に、0≦t≦Tであり、且つ、生成電流は、I(t)=Iという形態を単純に有する。
第一変形による図3の装置においては、電源回路は、処理手段によって更に制御されており、且つ、中心波長λに対してレーザー放射LLの波長をサーボ制御するようにベース電流が振幅変調されるように、構成されている。このサーボ制御は、PA信号の位相の変動を介して実現されており、これが誤差信号を形成している。具体的には、位相は、大きなスロープ(最大導関数)と、中心波長λを中心とした線形振る舞い、即ち、サーボ誤差信号用の理想的な特性、と、を有する。従って、電源回路を制御する処理手段は、波長λが取得されることを許容する生成電流の値を回路CAが注入するように、構成されている。
サーボ制御は、従来のサーボ制御方法を使用することにより、フィードバック電子回路を介して、且つ、非限定的に、例えば、PI又はPIDフィードバック電子回路を使用することにより、処理手段によって実行されている(PIDは、Proportional Integral Derivativeの略号であり、これらの用語は、フィードバック電子回路の誤差信号に対する3つの動作モードを示唆している)。誤差信号が設定値に収束するようにすることを許容しているこのタイプのフィードバックについては、自動制御の技術分野において周知である。
第2変形によれば、処理手段は、選択されたサーボ制御波長λAS≠λをサーボ制御するように構成されている。この結果、処理手段は、サーボ位相において光音響信号の位相を維持するように、且つ、従って、サーボ波長においてレーザーソースの波長を維持するように、電源回路CA又は制御装置Temp(図4を参照されたい)をサーボ制御するように構成されている。
有利には、処理手段は、波長が常に波長λASに対してサーボ制御されるように、サーボ位相ΦASがドリフトした際に(このドリフトは、恐らくは、多くの実験的パラメータによってもたらされる)時間に伴ってサーボ位相ΦASを調節するのに適している。
図4は、ここでは、サーボ制御が、レーザーLの活性領域の温度を制御するために装置Tempを使用して処理手段によって実行されているという例外を伴って、図3の実施形態と同一である本発明の第2実施形態を概略的に示している。具体的には、それ自体が既知の方式により、電気的にポンピングされているレーザーにおいて、レーザーに印加される電流が注入閾値超である際には、レーザーLによって放出される波長は、次式として表現されてもよく、
λ(I,T)=λ+aT+bI
ここで、λは、0Kにおける且つ電流の0mAの下におけるレーザーの理論長であり、aは、波長の温度係数であり、bは、波長の電流係数であり、Tは、レーザーの温度であり、且つ、Iは、レーザーに印加される電流である。
従って、処理手段UTによって活性領域の温度Tを制御することは、サーボ位相ΦASにおいて光音響信号の位相を維持することにより、且つ、従って、レーザーソースの波長をサーボ波長λASにおいて維持することにより、レーザーがサーボ制御されることを許容している。
一実施形態によれば、制御装置Tempは、その温度を制御し得るように、活性領域に装着された又はこれに近接して配置された抵抗器である。或いは、この代わりに、別の実施形態によれば、装置Tempは、レーザーLを有する且つ活性領域の温度Tが正確に調節されることを許容する熱電気システムである。
或いは、この代わりに、第3の実施形態によれば、温度を制御する装置は、レーザーLの電源回路CAである。具体的には、相対的に大きな注入電流は、活性領域を加熱することになり、且つ、従って、放出される波長を変更することになる。従って、電源回路を通じて活性領域の温度を制御することにより、レーザーをサーボ制御することができる。
本発明による装置の1つの適用例は、光音響ガス検出装置との組合せにおいてレーザーの波長及びパワーの制御を許容するというものである。従って、図5は、光音響法を介してレーザー放射の波長及びパワーを計測するのに適した本発明による装置Dを有する光音響検出システムDPを概略的に示している。これに加えて、システムDPは、レーザー入口面ELを有する従来の光音響ガス検出装置DPAを有する。装置DPAは、従来の光音響ガス検出装置である。図5の実施形態において、装置Dは、レーザー出口面FLと呼称される光学ウィンドウを有しており、これは、セル内にソースLによって放出されたレーザー放射の第1部分によって通過されている。装置DPAは、この第1部分が、面ELを通過するように、且つ、ガス検出が発生することを許容するように、構成されている。セル内の既知のガスの存在が保証されることを許容し且つ装置Dが光音響センサとして機能することを許容しているのは、セルCが封止されているという事実である。従って、装置Dは、光音響組立体内に容易に統合可能である且つレーザー放射のパワー及び波長が計測されることを許容するセンサである。これに加えて、装置Dは、装置DPAによるガス検出に有害である任意のドリフトを回避するために、レーザー波長がターゲット値λASに対して正確にサーボ制御されることを許容している。
図6は、ビームスプリッタLSがソースLによって放出された放射をレーザー入口面ELに向かう且つDPA装置内へのソースLによって放出された第1レーザー放射部分と、セルC内に導かれる第2部分と、に分割している図5の実施形態に対する一代替肢である。図5の実施形態との関係において、この実施形態は、装置DPAに向かって導かれるレーザービームの光学プロパティを劣化させず且つコンポーネントのアーキテクチャに対する制約を低減しているという利点を有する。
図5の実施形態に対する別の代替肢において、装置DPAは、レーザー出口面を有しており、且つ、装置Dは、装置DPAのレーザー出口面によって透過された放射がセルCに進入するように、構成されている。この実施形態は、レーザー進入面の妨害などの、装置DPAのガスセル内において発生し得るレーザーパワーの可能な更なる劣化を考慮しているという利点を有する。別の実施形態によれば、波長が計測されており、且つ、トランスデューサMPによって検出されるPA信号に基づいたサーボ制御は、当業者には既知の任意の方法を使用して実行されている。
本発明においては、トランスデューサMPは、例えば、MEMSマイクロフォン(MEMSは、Micro-ElectroMechanical Systemの略号である)又はECMマイクロフォン(ECMは、Electret Condenser Microphoneの略号である)などのマイクロフォンである。マイクロフォンは、ダイアフラムDP(例えば、MEMS又はECMダイアフラム)によって検出されるように音波がパッケージ内に貫通するようにするのに適した音響進入ゾーンを有する外部保護パッケージ(或いは、空洞)を有する。本発明においては、マイクロフォンMPを取り囲むパッケージは、セルCを形成しており、且つ、ガスに対して不透過性を有する。従って、セル内において収容されている1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するようにセルCを封止しているメンブレインMBは、音響進入ゾーンを形成している。性能の過大な劣化をもたらすことなしに、この特徴は、装置のコンパクトさの改善を許容している。従って、重要なことには、本発明においては、セルCは、この結果、共振音響空洞ではない。具体的には、本発明者らは、約1000ppmのH2Oの濃度及び1mWの光学パワーの場合には、PA信号を増幅するために共振音響セルを使用する必要がないことを観察した。これらの値は、例として付与されており、且つ、別の濃度を有する別のガスが、匹敵する光学パワーと共に使用され得ることを理解されたい。これは、通常従来技術において使用されている共振音響空洞よりも格段に小さなサイズのセルCの使用を可能にしている。非限定的な例として、本発明の好適な実施形態において、マイクロフォンMPのパッケージによって形成されたセルCは、3mm×4mm×1.2mm未満の、且つ、場合によっては更に好ましくは900μm×300μm×900μm未満の、寸法を有する。従って、本発明の装置は、非常にコンパクトである。
図7は、マイクロフォンMPが、ダイアフラムDPを有するMEMSマイクロフォンである一実施形態を概略的に示している。図7の装置は、ダイアフラムDPを保護するための外部パッケージBEを有する。このパッケージBEは、ガスGを収容しており、且つ、セルCを形成するためにメンブレインMBによって封止されている。更には、装置は、マイクロフォンの電気接点と、マイクロフォンを処理手段UTに接続する接続ケーブルCCと、を有する印刷回路基板PCBを有する。処理手段UTは、例えば、用途固有の集積回路(ASIC)である。これに加えて、装置は、セルCの封止密封性を保証するために基板PCB上において配置された任意選択の封止層CEを有する。この実施形態は、非常にコンパクトである。
図8は、本発明の好適な一実施形態を示している。この実施形態においては、空洞Cを封止しているメンブレインMBは、印刷回路基板PCB上において堆積されたレーザー放射LLに対して透明である基材Subを有する組立体によって形成されている。印刷回路基板PCBは、マイクロフォンMPの電気接点を有しており、これは、接続ケーブルCCによって処理手段UTに接続されている。これに加えて、基板PCBは、光音響信号が生成されることを許容するために放射LLが空洞C内に送られることを許容するギャップHを有する。このメンブレインの構造は、封止密封性を有する且つ処理手段UTの電気接点の両方をマイクロフォン及び任意選択によってレーザーLの電気接点に再分配する能力を有するメンブレインを得ることを可能にしている。具体的には、任意選択により、図8に示されているように、レーザーLは、装置のコンパクトさを向上させるために、基材Subに装着されている。
好ましくは、図8の実施形態において、装置は、セルCの封止密封性を保証するために、基材と基板PCBの間において且つ基板PCBとダイアフラムDPの間においてはんだ結合部を有する。有利には、基板PCBとダイアフラムDPの間のはんだ結合部には、マイクロフォンの電気接点を生成するような機能を持たせることができる。

Claims (15)

  1. 光音響効果を介してレーザー放射を計測する装置(D)であって、
    -中心波長λを有する吸収線を有する少なくとも1つのガス(G)を収容しているセル(C)と、
    -ダイアフラム(DP)と、前記1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するパッケージ(BE)と、を有するマイクロフォンである電気-音響トランスデューサ(MP)であって、前記ダイアフラムは、前記セル内において配置されており、且つ、前記セル内の前記光音響信号を表す電気信号(Si)を生成するのに適しており、前記セル(C)は、前記パッケージによって形成されている、電気-音響トランスデューサと、
    -前記電気-音響トランスデューサによって生成された前記電気信号を処理する手段(UT)であって、前記1つ又は複数のガスの濃度の推定値が保存される処理手段と、
    -前記セル内に、前記セル内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射(LL)を放出するのに適した少なくとも1つのレーザーソース(L)であって、前記レーザー放射は、前記レーザー放射と前記セル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が前記電気-音響トランスデューサの検出周波数における光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数(f)において平均波長λmoyを中心として発振方式で変化する波長又は前記変調周波数(f)において平均パワーを中心として発振方式で変化する光学パワーを有する、レーザーソースと、
    を有し、
    前記セルは、前記セル内において収容されている前記1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するようにメンブレイン(MB)によって封止されており、且つ、前記レーザー放射に対して透明である光学アパーチャを有し、
    前記処理手段は、前記光音響信号から前記レーザー放射の前記波長を判定するのに適している、装置。
  2. 前記1つ又は複数のレーザーソースは、前記平均波長が時間に伴って変化するように且つ平均波長における偏位が前記中心波長を含むように、更に構成されており、前記処理手段は、
    -前記電気信号(Si)に基づいた前記光音響信号の時間に伴う位相Φ(t)の変動、
    -前記光音響信号の前記位相の時間に伴う変動に基づいた前記レーザー放射の前記波長、
    を判定するのに更に適している請求項1に記載の装置。
  3. 前記処理手段は、前記電気信号(Si)及び前記推定値に基づいて前記レーザー放射のパワーPを判定するのに更に適している請求項2に記載の装置。
  4. 前記セルは、複数の別個のガスを収容しており、そのそれぞれは、その他のものとはスペクトル的に別個である少なくとも1つの吸収線を有し、前記装置は、前記セルの外側においてそれぞれが配置された且つ1つの関連するガスを励起するのに適した複数のレーザーソースを更に有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記処理手段は、前記1つ又は複数のレーザーソースのサーボ波長と呼称される波長λASに対して前記得られた光音響信号をサーボ制御するために、サーボ位相と呼称される位相ΦASを判定するように構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記1つ又は複数のレーザーソースは、電気的にポンピングされているレーザーを有し、前記装置は、前記1つ又は複数のレーザーソースがパルス化モードにおいて動作するようにするために、前記1つ又は複数のレーザーソースをポンピングする生成電流と呼称されるパルス化電流(CG)を生成する電源回路(CA)を有し、
    前記処理手段は、前記電源回路に接続されており、前記電源回路は、レーザーパルスの間において非ゼロ値を有する且つ前記レーザーパルスの際に前記生成電流の振幅未満の振幅を有するベース電流と呼称される電流(CB)を更に生成するように構成され、前記ベース電流は、前記波長の前記発振変動を生成するために、振幅変調されている請求項5に記載の装置。
  7. 前記電源回路は、前記サーボ位相に対して前記光音響信号の前記位相をサーボ制御するように、前記ベース電流が振幅変調されるように、構成されている請求項6に記載の装置。
  8. 前記1つ又は複数のレーザーソースの活性領域の温度を制御する装置(Temp)を有し、前記温度を制御する装置は、前記処理手段に接続されており、且つ、前記サーボ位相に対して前記光音響信号の前記位相をサーボ制御するように、前記1つ又は複数のレーザーソースの前記活性領域の前記温度を調節するように構成されている請求項6に記載の装置。
  9. 前記温度を制御する装置は、抵抗器、熱電気システム、又は前記電源回路である請求項8に記載の装置。
  10. 前記1つ又は複数のガスの前記濃度は、1ppm超であり、且つ、好ましくは100ppm超である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 光音響検出システム(DP)であって、
    -請求項1乃至10のいずれか1項に記載の計測装置と、
    -レーザー入口面(EL)を有する光音響ガス検出装置(DPA)であって、少なくとも1つのレーザーソースによって放出された前記レーザー放射の第1部分が前記光音響ガス検出システムの前記入口面を照明するように構成されている、光音響ガス検出装置と、
    を有するシステム。
  12. 前記セルは、レーザー出口面(SL)を有し、前記少なくとも1つのレーザーソース及び前記光音響ガス検出装置は、前記第1部分が前記レーザー出口面を通過した前記レーザー放射に対応するように構成されている請求項11に記載のシステム。
  13. 前記光音響システムの前記レーザー入口面に向かって導かれる前記第1部分と、前記セル内に導かれる第2部分と、に前記レーザー放射を分割するのに適した光学コンポーネント(LS)を有する請求項11に記載のシステム。
  14. 光音響効果を介してレーザー放射の波長及びパワーを判定する方法であって、
    A.中心波長λを有する吸収線を有する少なくとも1つのガス(G)を収容しているセルC内において、前記セル内において収容されている少なくとも1つのガスを励起するのに適した波長においてレーザー放射(LL)を生成するステップであって、前記レーザー放射は、前記レーザー放射と前記セル内において収容されている少なくとも1つのガスとの間の相互作用が光音響信号の生成を誘発するように、変調周波数(f)において平均波長λmoyを中心として発振方式で変化する波長を有し、前記レーザー放射の平均波長偏位は、前記中心波長を含み、前記平均波長は、時間に伴って変化し、前記セルは、前記セル内において収容されている前記1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するように、メンブレイン(MB)によって封止されている、ステップと、
    B.ダイアフラム(DP)と、1つ又は複数のガスに対して不透過性を有するパッケージ(BE)と、を有するマイクロフォンによって前記光音響信号を検出するステップであって、前記ダイアフラムは、前記セル内において配置され、前記セル(C)は、前記パッケージによって形成されており、前記ダイアフラムは、前記セル内の前記光音響信号を表す電気信号(Si)を生成するのに適している、ステップと、
    C.前記光音響信号に基づいて前記光音響信号の位相Φ(t)の時間に伴う変動を判定するステップと、
    D.前記光音響信号の前記位相の時間に伴う変動に基づいて前記放射の前記波長を計測するステップと、
    E.前記電気信号及び前記1つ又は複数のガスの濃度の推定値に基づいて前記レーザー放射のパワーPを計測するステップと、
    を有する方法。
  15. 前記波長は、前記光音響信号の前記位相の前記変動の導関数の最大値の演算に基づいて計測されている請求項14に記載の方法。
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