JP2023552936A - 核酸配列決定のための方法及び組成物 - Google Patents

核酸配列決定のための方法及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023552936A
JP2023552936A JP2022580798A JP2022580798A JP2023552936A JP 2023552936 A JP2023552936 A JP 2023552936A JP 2022580798 A JP2022580798 A JP 2022580798A JP 2022580798 A JP2022580798 A JP 2022580798A JP 2023552936 A JP2023552936 A JP 2023552936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
nucleotide
light source
detectable
excitation light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022580798A
Other languages
English (en)
Inventor
ウー,シャオリン
アナスタシ,キャロル
エバンズ,ジェレイント
リウ,シャオハイ
Original Assignee
イルミナ ケンブリッジ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イルミナ ケンブリッジ リミテッド filed Critical イルミナ ケンブリッジ リミテッド
Publication of JP2023552936A publication Critical patent/JP2023552936A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6869Methods for sequencing
    • C12Q1/6874Methods for sequencing involving nucleic acid arrays, e.g. sequencing by hybridisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6869Methods for sequencing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2563/00Nucleic acid detection characterized by the use of physical, structural and functional properties
    • C12Q2563/103Nucleic acid detection characterized by the use of physical, structural and functional properties luminescence
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2563/00Nucleic acid detection characterized by the use of physical, structural and functional properties
    • C12Q2563/131Nucleic acid detection characterized by the use of physical, structural and functional properties the label being a member of a cognate binding pair, i.e. extends to antibodies, haptens, avidin

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

本開示の実施形態は、青色及び紫色光励起(例えば、それぞれ450~460nm及び400~405nmのレーザー)を使用した2チャネル核酸配列決定のための方法、キット、及び組成物に関する。特に、ヌクレオチドは、青色色素、紫色色素、又は青色色素及び紫色色素の両方で直接的に標識され得る。代替的に、組み込みのための1つ以上のヌクレオチドは、非標識であり得、青色色素、紫色色素、又は青色色素及び紫色色素の両方を含有する親和性試薬を使用して、組み込まれた各タイプのヌクレオチドに特異的に結合し得る。

Description

本開示は、一般に、核酸配列決定用途のための方法、システム、キット、及び組成物に関する。
DNA配列決定について、複数の空間的に重複する分析物の独立した検出を達成するために、複数のスペクトル的に区別可能な蛍光標識を用いることが望ましい。かかる多重方法では、反応容器の数を低減して、実験プロトコルを簡素化し、適用特異的試薬キットの生成を容易にすることができる。例えば、多色の自動化されたDNA配列決定システムでは、多重蛍光検出は、単一の電気泳動レーンにおける複数のヌクレオチド塩基の分析を可能にし、それによって、単色の方法と比較してスループットを増加させ、レーン間電気泳動移動度の変動に関連する不確実性を低減する。
しかしながら、多重蛍光検出は、問題となり得、適切な蛍光標識の選択を制約するいくつかの重要な要因がある。第1に、所与の用途において、実質的に分解された吸収及び発光スペクトルで色素化合物を見つけることは困難であり得る。加えて、いくつかの蛍光色素が一緒に使用される場合、色素の吸収バンドが通常広く分離されているため、同時励起によって区別可能なスペクトル領域で蛍光シグナルを生成することは複雑であり得、そのため2つの色素に対してでも同等の蛍光励起効率を達成することは、困難である。多くの励起方法は、レーザーのような高電力光源を使用し、したがって、色素は、かかる励起に耐えるのに十分な光安定性を有しなければならない。分子生物学方法にとって特に重要な最終的な考慮事項は、蛍光色素が、例えば、DNA合成溶媒及び試薬、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、並びにリガーゼ酵素などの試薬化学物質と適合性でなければならない程度である。
蛍光バンドの好適な蛍光強度、形状、及び波長最大値のような蛍光特性を改善した蛍光色素分子は、核酸配列決定の速度及び精度を改善することができる。蛍光シグナルが強いことは、測定が、水性の生物学的緩衝液中かつ高温下で行われる場合には、大部分の有機色素の蛍光強度がそのような条件下で著しく低いため、特に重要である。更に、色素が付着している塩基の性質はまた、蛍光最大値、蛍光強度、及び色素の他のスペクトル特性に影響を及ぼす。核酸塩基と蛍光色素との間の、配列特異的相互作用は、蛍光色素の具体的な設計によって調整することができる。蛍光色素の構造を最適化することにより、ヌクレオチドの組み込み効率を改善し、シークエンシング(配列決定)エラーのレベルを低減させ、核酸シークエンシングにおける試薬の使用量を減少させ、その結果、核酸シークエンシングのコストを低減させることができる。
いくつかの光学的及び技術的開発は、既に、画質を大幅に向上させてきたが、最終的には、不十分な光学解像度によって制限された。光学解像度は、アッベの法則によって規定される。一般に、光学顕微鏡の光学解像度は、使用される光の波長のおよそ半分の距離で離間した物体どうしを見分けるレベルに限定される。実際的に、互いに非常に遠く離れた(少なくとも200~350nm)物体どうしのみが、光学顕微鏡法によって見分けることができる。画像解像度を改善し、単位表面積当たりで見分けることができるオブジェクトの数を増加させる1つの方法は、より短い波長の励起光を使用することである。例えば、同じ光学系を用いて、波長がΔλ約100nmだけ短縮されると、解像度がより良好になり(約Δ50nm/(約15%))、歪みの少ない画像が記録され、認識可能な領域上の物体の密度が約35%増加する。
しかしながら、広範囲のレーザー照射は、特に青色及び紫色におけるより短い領域で、波長溶液中/フローセルの表面上で蛍光色素の漂白及びヌクレオチド試料を損傷させるか、又は蛍光色素がコンジュゲート化されているものをそのようにする場合がある。そのような光への曝露はまた、DNA試料の損傷を引き起こし得る。光漂白及び光損傷の種類及び程度は、例えば、化合物化学構造、並びにレドックス電位、特定の生体標識の励起スペクトル、特定の光源照射の強度、及び特定の測定における曝露時間のようないくつかの物理化学的特性に応じて異なり得る。より低い波長光源は、より高いエネルギー光子を送達しているため、より短い波長を有する紫色LED/レーザーは、色素の光漂白及びDNA損傷を引き起こす可能性が高い。蛍光検出における照射中に核酸損傷が生じ得るいくつかの化学経路が存在する。例えば、紫外線(ultraviolet、UV)放射線への曝露は、チミン又はシトシンの直接光化学物質[2+2]光シクロ付加反応によるDNA損傷を引き起こして、TT、TC、及びCCなどのシクロブタン含有縮合ピリミジン二量体を提供することができることが示されている。そのような直接光シクロ付加反応は、約100nm~約315nmに延在するUV B及びUV C領域で起こり得る。約315nm~約500nmにわたる可視領域の一部分を通るUV A領域では、間接的な機構の複雑な混合によっても、他の成分の光感作によるDNA損傷が引き起こされ得る。そのような間接的な機構は、異なる光誘発反応種、例えば、一重項酸素、スーパーオキシドアニオン、及びヒドロキシルラジカルなどの反応性酸素種(Reactive Oxygen Species、ROS)との相互作用を介して酸化DNA修飾をもたらし得る。
シーケンシング効率を高め、ゲノム当たりのコストを減少させるために、良好な光学解像度を維持しながら、より多くのクラスターを同じ必要な表面積に詰めることができるように、ピッチ密度を増加させることが不可欠であり、より短い波長を有する光の使用を必要とする(紫色及び青色レーザーなど)。核酸配列決定用途のための波長(青色から紫色領域)の非常に密集した領域における色素の好適なセットを選択し、より短い波長励起によって引き起こされるDNA損傷を軽減する課題が依然として存在する。
本開示は、青色及び紫色光励起(例えば、450~460nm及び400~405nmのレーザー)を使用した2チャネル核酸配列決定用途のための方法、キット、及び組成物に関する。
本開示のいくつかの態様は、標的ポリヌクレオチドの配列を決定するための方法に関するものであり、方法は、
(a)プライマーポリヌクレオチドを、第1のタイプのヌクレオチド、第2のタイプのヌクレオチド、第3のタイプのヌクレオチド、及び第4のタイプのヌクレオチドのうちの1つ以上を含む混合物と接触させることであって、プライマーポリヌクレオチドが、標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である、接触させることと、
(b)混合物からプライマーポリヌクレオチドに1つのタイプのヌクレオチドを組み込んで、伸長したプライマーポリヌクレオチドを生成することと、
(c)第1の励起光源を使用して第1の撮像イベントを行い、第1の発光フィルタで伸長したプライマーポリヌクレオチドから第1の発光シグナルを収集することと、
(d)第2の励起光源を使用して第2の撮像イベントを行い、第2の発光フィルタで伸長したプライマーポリヌクレオチドから第2の発光シグナルを収集することと、を含み、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの実施形態において、第1のタイプ、第2のタイプ、及び第3のタイプのヌクレオチドの各々は、検出可能な標識で標識されている。他の実施形態において、第1のタイプ、第2のタイプ、及び第3のタイプのヌクレオチドのうちの1つ以上は、非標識であり、方法は、プライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体に組み込まれた非標識ヌクレオチドに特異的に結合する1つ以上の親和性試薬の使用を含む第2の標識ステップを利用する。更なる実施形態において、第4のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第1の撮像イベント及び第2の撮像イベント中にいかなるシグナルも放出しない。
本開示のいくつかの態様は、配列決定用途のためのキットに関するものであり、キットは、
第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
第1の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、
第2の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。
本開示のいくつかの態様は、配列決定用途のためのキットに関するものであり、キットは、
第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
第3の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、
第4の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第3の検出可能な標識及び第4の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第3の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の放出フィルタによって検出可能であり、第4の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。
本開示のいくつかの他の態様は、配列決定用途のためのキットに関するものであり、キットは、
第1のタイプの非標識ヌクレオチドと、
第2のタイプの非標識ヌクレオチドと、
第3のタイプの非標識ヌクレオチドと、
親和性試薬のセットであって、
第1のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、及び
第2のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬を含み、
第1の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第2の親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である、親和性試薬のセットと、を含み、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの実施形態において、第1の親和性試薬及び第2の親和性試薬の両方は、第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。他の実施形態において、親和性試薬のセットは、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含み、第3の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第3の検出可能な標識と、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識と、を含む。
本開示のいくつかの他の態様は、配列決定用途のためのキットに関するものであり、キットは、
非標識又は第1の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第1のタイプのヌクレオチドと、
非標識又は第2の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第2のタイプのヌクレオチドとであって、第1のタイプのヌクレオチド及び第2のタイプのヌクレオチドのうちの1つが非標識である、第1のタイプのヌクレオチドと、第2のタイプのヌクレオチドと、
第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第1又は第2のタイプのヌクレオチドのいずれかと同じ検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドであって、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識が、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、第3のタイプのヌクレオチドと、
第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第1のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、又は第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第2のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬のいずれかを含む親和性試薬であって、第1の親和性試薬が、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第2の親和性試薬が、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む、親和性試薬と、を含み、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。
紫色光曝露によって引き起こされるDNA光損傷を、時間の関数としての示す線グラフである。 実施例2に記載の合成方法による二次標識配列決定で得られた散布図である。
本開示は、核酸配列決定用途のための方法、システム、キット、及び組成物、具体的には、青色及び紫色光励起(例えば、450~460nm及び400~405nmのレーザー)並びに約415~450nm及び約480~525nmのフィルタバンドを使用した2チャネル検出を使用する合成による配列決定に関する。本明細書に記載の方法、キット、及び組成物は、青色及び紫色色素を含む色素セット(すなわち、青色光及び紫色光領域で最大吸収を有する色素)を利用する。この方法は、親和性試薬を更に利用して、青色及び紫色の励起によって引き起こされるDNA損傷及び光漂白を低減する。より短い波長光源を有する本明細書に記載の配列決定法は、赤色/緑色光源励起又は緑色/青色光源励起を使用するIlluminaのMiniSeq(登録商標)、NextSeq(登録商標)、及びNovaSeq(登録商標)システムで使用される現在の2チャネル配列決定と比較して、パターン化されたアレイ又はフローセルにおけるピッチ若しくはクラスター密度を増加させることができる。本明細書で使用される「ピッチ」という用語は、パターン化された固体支持体の2つのナノパターンの間の距離(例えば、パターン化されたフローセルにおける2つのナノウェル間の距離)を指す。赤色/緑色光源励起を使用するIllumina2チャネル配列決定に関する詳細な説明は、米国特許公開第2013/0079232号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、緑色/赤色又は青色/緑色の励起を使用するシステムでは、光学解像度は、それぞれ赤色蛍光色素又は緑色蛍光色素発光(例えば、緑色/赤色系では約715nm、青色/緑色系では約590nm)によって制限される。紫色/青色光励起を使用することによって、光学解像度は、青色色素発光(すなわち、480~525nm)によって制限される。したがって、本開示の方法及びシステムは、ピッチ密度の最大50%の増加を提供し得る。
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語「含む(including)」、並びに他の形態、例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」の使用は、限定的ではない。更に、用語「有する(having)」、並びに他の形態、例えば、「有する(have)」、「有する(has)」、及び「有した(had)」の使用は、限定的ではない。本明細書で使用されるとき、移行句又は請求項の本文において、用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、上記の用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義であると解釈されるべきである。例えば、プロセスの文脈において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、プロセスが少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含み得ることを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含み得ることを意味する。
本明細書で使用される場合、一般的な有機略語は、以下のように定義される。
℃ 摂氏温度
dATP デオキシアデノシン三リン酸
dCTP デオキシシチジン三リン酸
dGTP デオキシグアノシン三リン酸
dTTP デオキシチミジン三リン酸
ddNTP ジデオキシヌクレオチド三リン酸
ffA 完全官能化Aヌクレオチド
ffC 完全官能化Cヌクレオチド
ffG 完全官能化Gヌクレオチド
ffN 完全官能化ヌクレオチド
ffT 完全官能化Tヌクレオチド
LED 発光ダイオード
SBS 合成による配列決定
本明細書で使用される場合、「アレイ」という用語は、異なるプローブ分子を相対的な位置に従って互いに区別することができるように、1つ以上の基材に結合されている異なるプローブ分子の集団を指す。アレイは、基材上の異なるアドレス可能な位置に各々配置されるプローブ分子を含むことができる。代替的に、又は追加的に、アレイは、各々が異なるプローブ分子を担持する別個の基材を含むことができ、異なるプローブ分子は、基材が結合される表面上の基材の位置に従って、又は液体中の基材の位置に従って特定することができる。別個の基材が表面上に位置する例示的なアレイには、例えば、米国特許第6,355,431B1号、US2002/0102578、及びPCT公開第WO00/63437号に記載されているように、ウェル中のビーズを含むものが挙げられるが、これらに限定されない。液体アレイ中のビーズを区別するために本発明に使用することができる例示的な形式は、例えば、蛍光活性化細胞選別装置(FACS)などのマイクロ流体デバイスを使用し、例えば、米国特許第6,524,793号に記載されている。本発明に使用することができるアレイの更なる例には、米国特許第5,429,807号、同第5,436,327号、同第5,561,071号、同第5,583,211号、同第5,658,734号、同第5,837,858号、同第5,874,219号、同第5,919,523号、同第6,136,269号、同第6,287,768号、同第6,287,776号、同第6,288,220号、同第6,297,006号、同第6,291,193号、同第6,346,413号、同第6,416,949号、同第6,482,591号、同第6,514,751号、及び同第6,610,482号、並びにWO93/17126、WO95/11995、WO95/35505、EP0 742 287、及びEP0 799 897が含まれる。
本明細書で使用するとき、用語「共有結合した(「covalently attached」又は「covalently bonded」)」は、原子間の電子対の共有によって特徴付けられる化学結合の形成を指す。例えば、共有結合したポリマーコーティングとは、他の手段、例えば、接着又は静電相互作用による表面への付着と比較して、基材の官能化表面と化学結合を形成するポリマーコーティングを指す。表面に共有結合したポリマーは、共有結合に加えて、手段によって結合され得ることが理解されるであろう。
本明細書に記載される化合物の単一のメソメリー形態が示されている各事例においては、代替のメソメリー形態も同様に企図される。
本明細書に使用されるとき、「ヌクレオチド」は、窒素含有複素環式塩基、糖、及び1つ以上のリン酸基を含む。それらは、核酸配列のモノマー単位である。RNA中では、糖は、リボースであり、DNA中では、デオキシリボース、すなわち、リボース中に存在するヒドロキシル基を欠く糖である。窒素含有複素環式塩基は、プリン、デアザプリン、又はピリミジン塩基であることができる。プリン塩基には、アデニン(A)及びグアニン(G)、並びに7-デアザアデニン若しくは7-デアザグアニンなどの、それらの修飾された誘導体又は類似体が含まれる。ピリミジン塩基としては、シトシン(C)、チミン(T)、及びウラシル(U)、並びにそれらの修飾された誘導体又は類似体が挙げられる。デオキシリボースのC-1原子は、ピリミジンのN-1又はプリンのN-9に結合される。いくつかの例では、「ヌクレオチド」という用語はまた、本明細書に記載されるように、任意選択的に、裂リンカーを介して、蛍光部分で標識されたヌクレオチドであるヌクレオチドコンジュゲートを包含し得る。
本明細書で使用される場合、「非標識ヌクレオチド」は、蛍光部分を含まないヌクレオチドを指す。いくつかの例では、非標識ヌクレオチドは、それが本明細書に記載の親和性試薬に結合することを可能にする開裂可能なリンカー及び/又は官能性部分(例えば、ハプテン)を含み得る。他の例では、非標識ヌクレオチドは、それを本明細書に記載の親和性試薬に結合することを可能にする開裂可能なリンカー又は官能性部分を有しない。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドと構造的に類似しているが、リン酸部分を欠いている。ヌクレオシド類似体の例は、標識が塩基に連結され、糖分子に結合したリン酸基が存在しないものである。用語「ヌクレオシド」は、当業者によって理解される通常の意味で、本明細書で使用される。例としては、リボース部分を含むリボヌクレオシド、及びデオキシリボース部分を含むデオキシリボヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。修飾されたペントース部分は、酸素原子が炭素で置き換えられている、かつ/又は炭素が硫黄又は酸素原子で置き換えられている、ペントース部分である。「ヌクレオシド」は、置換塩基及び/又は糖部分を有し得るモノマーである。更に、ヌクレオシドは、より大きなDNA及び/又はRNAポリマー及びオリゴマーに組み込まれ得る。
用語「プリン塩基」は、当業者によって理解される通常の意味で、本明細書で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、当業者によって理解される通常の意味で、本明細書で使用され、その互変異性体を含む。任意選択的に置換されたプリン塩基の非限定的なリストとしては、プリン、アデニン、グアニン、デアザプリン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7-アルキルグアニン(例えば、7-メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸、及びイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例としては、シトシン、チミン、ウラシル、5,6-ジヒドロウラシル、及び5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが、本明細書に記載のヌクレオシド又はヌクレオチドを「含む」として記載される場合、それは、本明細書に記載のヌクレオシド又はヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと共有結合を形成することを意味する。同様に、ヌクレオシド又はヌクレオチドが、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに「組み込まれた」など、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの一部として記載される場合、それは、本明細書に記載のヌクレオシド又はヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと共有結合を形成することを意味する。いくつかのそのような実施形態では、共有結合は、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの3’ヒドロキシ基と、本明細書に記載のヌクレオチドの5’リン酸基との間で、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの3’炭素原子とヌクレオチドの5’炭素原子との間のホスホジエステル結合として形成される。
本明細書で使用される場合、「開裂可能なリンカー」という用語は、リンカー全体を除去する必要があることを意味するものではない。開裂部位は、リンカーの一部が、開裂後に検出可能な標識及び/又はヌクレオシド若しくはヌクレオチド部分に結合したままであることを確実にするリンカー上の位置に配置することができる。
本明細書で使用される場合、「誘導体」又は「類似体」は、修飾された塩基部分及び/又は修飾された糖部分を有する合成ヌクレオチド又はヌクレオシド誘導体を意味する。そのような誘導体及び類似体は、例えば、Scheit,Nucleotide Analogs(John Wiley & Son,1980)及びUhlman et al.,Chemical Reviews 90:543-584,1990に考察されている。ヌクレオチド類似体はまた、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキル-ホスホネート、ホスホラニリデート(phosphoranilidate)、及びホスホラミデート連結を含む修飾されたホスホジエステルリンケージを含むことができる。本明細書で使用される「誘導体」、「類似体」、及び「修飾された」は、互換的に使用され得、本明細書で定義される用語「ヌクレオチド」及び「ヌクレオシド」に包含される。
本明細書で使用される場合、用語「リン酸塩」は、当業者によって理解される通常の意味で使用され、そのプロトン化形態(例えば、
Figure 2023552936000001
を含む。本明細書で使用される場合、用語「一リン酸」、「二リン酸」、及び「三リン酸」は、当業者によって理解される通常の意味で使用され、プロトン化形態を含む。
当業者には理解されるように、本明細書に記載のヌクレオチドなどの化合物は、例えば、-CO 、-SO 、又は-Oを含む、イオン化形態で存在し得る。化合物が、正又は負に帯電した置換基、例えば、Sを含有する場合、化合物が全体として中性であるように、負又は正に帯電した対イオンを含有してもよい。他の態様では、化合物は塩形態で存在してもよく、対イオンは、共役酸又は塩基によって提供される。
本明細書で使用される場合、用語「フェージング」は、3’ターミネーター及びフルオロフォアの不完全な除去、及び/又は所与の配列決定サイクルにおけるポリメラーゼによるクラスター内のDNA鎖の一部の組み込みを完了不良によって引き起こされる、SBSにおける現象を指す。プリフェージングは、効果的な3’ターミネーターなしでヌクレオチドを組み込むことによって引き起こされ、取り込みイベントは、終了不良により1サイクル前に進む。フェージング及びプリフェージングは、特定のサイクルで測定されたシグナル強度が、現在のサイクルからのシグナル、並びに前及び次のサイクルからのノイズからなるようにさせる。サイクル数が増加するにつれて、フェージング及びプリフェージングによって影響を受けた1つのクラスター当たりの配列の割合は増加し、正しい塩基の識別を妨げる。プリフェージングは、合成による配列決定(SBS)中の微量の保護又はブロックされていない3’-OHヌクレオチドの存在によって引き起こされ得る。保護されていない3’-OHヌクレオチドは、製造プロセス中、又は場合によっては、保存及び試薬処理プロセス中に生成され得る。
本明細書で使用される場合、「スペクトル的に区別可能な蛍光色素」という用語は、2つ以上のかかる色素が1つの試料中に存在するとき、蛍光検出装置によって区別することができる波長で、蛍光エネルギーを放射する蛍光色素を指す。
青色/紫色2チャネル配列決定法
本開示のいくつかの態様は、標的ポリヌクレオチド(例えば、一本鎖標的ポリヌクレオチド)の配列を決定するための方法に関するものであり、方法は、
(a)プライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体を、第1のタイプのヌクレオチド、第2のタイプのヌクレオチド、第3のタイプのヌクレオチド、及び第4のタイプのヌクレオチドのうちの1つ以上を含む混合物と接触させることであって、プライマーポリヌクレオチドが、一本鎖標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である、接触させることと、
(b)混合物からプライマーポリヌクレオチドに1つのタイプのヌクレオチドを組み込んで、伸長したプライマーポリヌクレオチド(すなわち、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体)を生成することと、
(c)第1の励起光源を使用して第1の撮像イベントを行い、第1の発光フィルタで伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体から第1の発光シグナルを収集することと、
(d)第2の励起光源を使用して第2の撮像イベントを行い、第2の発光フィルタで伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体から第2の発光シグナルを収集することと、を含み、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、第1の励起光源は、約350nm~約410nm(例えば、約405nm)の波長を有し、第1の発光フィルタは、約415nm~約450nmの検出波長を有する。第2の励起光源は、約450nm~約460nm(例えば、約460nm)の波長を有し、第2の発光フィルタは、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの他の実施形態において、第1の励起光源は、約450nm~約460nm(例えば、約460nm)の波長を有し、第1の発光フィルタは、約480nm~約525nmの検出波長を有する。第2の励起光源は、約350nm~約410nm(例えば、約405nm)の波長を有し、第2の発光フィルタは、約415nm~約450nmの検出波長を有する。
組み込み混合物中の標識ヌクレオチド
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、組み込み混合物中の各タイプのヌクレオチドは、標識されている。いくつかのかかる実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、第1の検出可能な標識で標識されている。いくつかの更なる実施形態において、第2のタイプのヌクレオチドは、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、第2の検出可能な標識で標識されており、第2のタイプの検出可能な標識は、第1のタイプの検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である。いくつかの更なる実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識の両方で標識されており、第3のタイプのヌクレオチドは、第1の励起光源及び第2の励起光源の両方によって励起可能である。いくつかの他の実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第3の標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、第4の標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドとの混合物を含み、第3の標識は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第4の標識は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である。更なる実施形態において、第4のタイプのヌクレオチドは、非標識でないか、又は第1若しくは第2の撮像イベントのいずれの発光も有さない蛍光部分で標識されている。いくつかの例では、第4のタイプのヌクレオチドは、G塩基(例えば、dGTP)を含む。
ヌクレオチドのタイプが、2つの異なる標識で標識されているように記載される場合、それは、以下の2つのシナリオを含む。第1のシナリオでは、ヌクレオチドは、第1の標識で標識されたヌクレオチドと、第2の標識で標識された同じタイプのヌクレオチドとの混合物である。第2のシナリオでは、ヌクレオチドは、第1の標識及びそれに共有結合した第2の標識の両方を有する(すなわち、同じ分子に2つの標識)。加えて、第1及び第2の標識で標識されているとして記載されるヌクレオチドのタイプはまた、第1の標識及び第2の標識とは異なる1つ以上の追加の検出可能な標識を含み得る。
第1の例として、第1のタイプのヌクレオチドは、青色光源によって約450~460nmで励起可能であり(すなわち、第1の色素は青色色素である)、かつ発光波長を480~525nmの範囲に有する、第1の色素で標識され得る。第2のタイプのヌクレオチドは、約400~405nmの紫色光源によって励起可能であり(すなわち、第2の色素は紫色色素である)、かつ発光波長を415~450nmの範囲に有する、第2の色素で標識され得る。第3のタイプのヌクレオチドは、第1の色素で標識された第3のヌクレオチドと第2の色素で標識された第3のヌクレオチドとの混合物であり得る。第4のタイプのヌクレオチドは、非標識である。第1の撮像イベントは、約450~460nmの波長を有する青色光源を使用し、第1のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は、480~525nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第2の撮像イベントは、約400~405nmの波長を有する紫色光源を使用し、第2のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は、415~450nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第4のタイプのヌクレオチドは、標識されていないため、第1又は第2の撮像イベントのいずれでもシグナルは検出されない。本明細書に記載のシグナル検出パターンに基づいて、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体に組み込まれたヌクレオチドの同一性が決定され得る。更なる実施形態において、組み込み混合物は、以下:青色色素Aで標識されたdATP、紫色色素Bで標識されたdTTP、青色色素Aで標識されたdCTP、紫色色素Bで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含む。一実施形態において、青色色素で標識されたdATPは、以下の構造:
Figure 2023552936000002
を有し得る。かかるヌクレオチド色素コンジュゲートは、完全官能化Aヌクレオチド(ffA)とも呼ばれる。
第2の例として、第1のタイプの標識ヌクレオチド、第2のタイプの標識ヌクレオチド、及び第4のタイプの非標識ヌクレオチドは、第1の例に記載されたものと同じである。第3のタイプのヌクレオチドは、第3の色素及び第4の色素の両方で標識され得る(例えば、第3の色素で標識された第3のタイプのヌクレオチドと第4の色素で標識された第3のタイプのヌクレオチドとの混合物)。第3の色素は、第1の色素と同様の蛍光プロファイル(すなわち、吸収及び発光スペクトル)を有するが、発光強度の点で異なり得る。第4の色素は、第2の色素と同様の蛍光プロファイル(すなわち、吸収及び発光スペクトル)を有するが、発光強度の点で異なり得る。更なる実施形態において、組み込み混合物は、以下:青色色素Aで標識されたdATP、紫色色素Bで標識されたdTTP、青色色素Cで標識されたdCTP、紫色色素Dで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含む。
紫色色素
約350~405nmの波長を有する紫色光源によって励起可能である蛍光色素は、本明細書に記載の第1又は第2の検出可能な標識として使用され得る。更なる実施形態において、特に有用な紫色色素は、発光スペクトルを410~460nm又は415~450nmの範囲に有し得る。紫色色素の非限定的な例には、
Figure 2023552936000003
BD Horizon(商標)V450、及びBD Horizon(商標)V500が含まれる。
青色色素
約450~460nmの波長を有する青色光源によって励起可能である蛍光色素は、本明細書に記載の第1又は第2の検出可能な標識として使用され得る。更なる実施形態において、特に有用な青色色素は、発光スペクトルを475~530nm又は480~525nmの範囲に有し得る。青色色素の非限定的な例には、参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第2018/0094140A1号、同第2018/0201981A1号、同第2020/0277529A1号、及び同第2020/0277670A1号に開示されているクマリン色素が含まれる。
いくつかの実施形態において、非限定的な例示的な青色色素には、以下:
Figure 2023552936000004
Figure 2023552936000005
Figure 2023552936000006
Figure 2023552936000007
Figure 2023552936000008
Figure 2023552936000009
が含まれる。一例では、配列決定法で使用される青色色素は、
Figure 2023552936000010
である。追加の例示的な色素化合物は、参照により本明細書に組み込まれる、米国出願第17/385232号に開示されている。
抗酸化剤/ラジカルスカベンジャー
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、1つ以上の抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーを含むスキャン混合物を利用して、青色及び紫色の励起によって引き起こされる光損傷化を低減させる。特に、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体は、第1の撮像イベント及び第2の撮像イベント中に1つ以上の抗酸化剤を含む緩衝液中にある。有用な抗酸化剤には、限定されないが、シクロオクタテトラエン(cyclooctatetraene、COT)、タキシフォリン、ケルセチン、アリルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、シリビニン、アスコルビン酸若しくはその塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)、ポリフェノール化合物(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(トロロック)、没食子酸及びその低級アルキルエステル、そのモノメチルエーテル、及びその低級アルキルエステルとモノメチルエステルとの組み合わせ、ピロガロール、及びt-ブチルヒドロキノン(t-butyl hydroquinone、TBHQ)、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン(trihydroxybutyrophenone、THBP)などのヒドロキノン、並びにそれらの任意選択的に置換された誘導体及び組み合わせが含まれる。いくつかの更なる実施形態では、組成物は、シクロオクタテトラエン及びケルセチン、並びにそれらの任意に置換された誘導体及び組み合わせを含む。
代替的に、本明細書に記載の青色/紫色色素はまた、シクロオクタテトラエン光保護部分に共有結合され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の青色又は紫色色素に共有結合され得るCOT部分は、構造:
Figure 2023552936000011
を含み、式中、R1A及びR2Aの各々が、独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アジド、チオール、ニトロ、シアノ、任意選択的に置換されたアミノ、カルボキシル、-C(O)OR5A、-C(O)NR6A7A、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC1~6アルコキシ、任意選択的に置換されたC1~6ハロアルキル、任意選択的に置換されたC2~6ハロアルコキシ、任意選択的に置換されたC2~6アルケニル、任意選択的に置換されたC2~6アルキニル、任意選択的に置換されたC6~10アリール、任意選択的に置換されたC7~14アラルキル、任意選択的に置換されたC3~7カルボシクリル、任意選択的に置換された5~10員ヘテロアリール、又は任意選択的に置換された3~10員ヘテロシクリルであり、
及びYが、各々独立して、結合、-O-、-S-、-NR3A-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-C(=O)-NR4A-、-(O)-、-NR3A-C(=O)-NR4A、-NR3A-C(=S)-NR4A-、任意選択的に置換されたC1~6アルキレン、又は少なくとも1個の炭素原子がO、S、又はNで置換されている任意選択的に置換されたヘテロアルキレンであり、
Zが、存在しないか、任意に置換されたC2~6アルケニレン、又は任意に置換されたC2~6アルキニレンであり、
3A及びR4Aの各々が、独立して、H、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、又は任意に置換されたC6~10アリールであり、
5Aが、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC6~10アリール、任意選択的に置換されたC7~14アラルキル、任意選択的に置換されたC3~7カルボシクリル、任意選択的に置換された5~10員ヘテロアリール、又は任意選択的に置換された3~10員ヘテロシクリルであり、
6A及びR7Aの各々が、独立して、H、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC6~10アリール、任意選択的に置換されたC7~14アラルキル、任意選択的に置換されたC3~7カルボシクリル、任意選択的に置換された5~10員ヘテロアリール、又は任意選択的に置換された3~10員ヘテロシクリルであり、
Figure 2023552936000012
において、R1A及びR2Aが結合している炭素原子が、O、S、又はNで任意選択的に置換されているが、但し、炭素原子が、O又はSで置換されている場合、R1A及びR2Aは、両方とも存在せず、該炭素原子がNで置換されている場合、R2Aは、存在しないことを条件とし、mは、0~10の整数である。いくつかの実施形態では、X及びYは、両方とも結合ではない。
いくつかの実施形態において、シクロオクタテトラエン部分は、構造
Figure 2023552936000013
を含む。いくつかのかかる実施形態において、R1A及びR2Aのうちの少なくとも1つは、水素である。いくつかの更なる実施形態において、R1A及びR2Aの両方が、水素である。いくつかの他の実施形態において、R1Aは、Hであり、R2Aは、任意選択的に置換されたアミノ、カルボキシル、又は-C(O)NR6A7Aである。いくつかの実施形態において、mは、1、2、3、4、5、又は6であり、R1A及びR2Aの各々は、独立して、水素、任意選択的に置換されたアミノ、カルボキシル、-C(O)NR6A7A、又はそれらの組み合わせである。いくつかの更なる実施形態において、mは、2、3、4、5、又は6である場合、1つのR1Aは、アミノ、カルボキシル、又は-C(O)NR6A7Aであり、残りのR1A及びR2Aは、水素である。いくつかの実施形態において、R1A及びR2A
Figure 2023552936000014
で結合している少なくとも1つの炭素原子は、O、S、又はNで置換されている。いくつかのかかる実施形態において、
Figure 2023552936000015
における少なくとも1つの炭素原子は、酸素原子によって置換されており、当該置換された炭素原子に結合しているR1A及びR2Aの両方が、存在しない。いくつかの他の実施形態において、
Figure 2023552936000016
における1つの
炭素原子が窒素原子で置換されている場合、当該置換された炭素原子に結合しているR2Aは、存在せず、当該置換された炭素原子に結合しているR1Aは、水素又はC1~6アルキルである。R1A及びR2Aの任意の実施形態において、R1A又はR2Aが、-C(O)NR6A7Aである場合、R6A及びR7Aは、独立して、H、C1~6アルキル、又は置換C1~6アルキル(例えば、-COH、-NH、-SOH、又は-SO で置換されたC1~6アルキル)であり得る。
いくつかの更なる実施形態において、本明細書に記載の蛍光色素は、以下の構造:
Figure 2023552936000017
のシクロオクタテトラエン部分を含む。本明細書に記載のCOT部分は、本明細書に記載の蛍光色素の官能基(例えば、カルボキシル基)とCOT誘導体のアミノ基との間の反応に起因して、アミド結合を形成し得る(アミド結合のカルボニル基は示されていない)。SBS化学において使用されるCOT関連抗酸化剤における追加の開示は、米国公開第2021/0155983A1号に認められ得、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
親和性試薬と組み合わせた組み込み混合物中の非標識ヌクレオチド
上記の実施形態に対する代替として、本明細書に記載の配列方法の第2の態様は、青色/紫色励起によって引き起こされるDNA損傷及び色素の光漂白を低減するために使用され得る二次標識ステップを含む。いくつかの実施形態において、二次標識は、標準的な配列決定法に対する修飾を指し、最初に非標識ヌクレオチドがプライマーポリヌクレオチドに組み込まれ、次いで組み込まれた非標識ヌクレオチドが、組み込まれたタイプのヌクレオチドに特異的な親和性試薬に結合し、親和性試薬は、青色光又は紫色光によって励起することができ、発光検出チャネルによって検出することができるシグナルを放出する1つ以上の検出可能な標識を含有する。特定の理論に拘束されるものではないが、親和性試薬のサイズは、ROSからDNAを遮蔽することができ、したがって、青色/紫色光によって引き起こされる光損傷を低減又は軽減することができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、第1のタイプ、第2のタイプ、及び第3のタイプのヌクレオチドのうちの1つ以上は、非標識であり得る。一実施形態において、組み込み混合物中の第1のタイプ、第2のタイプ、及び第3のタイプのヌクレオチドの各々は、非標識であり、方法は、第1の撮像イベントの前に、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体を親和性試薬のセットと接触させることを更に含み、セット中の少なくとも1つの親和性試薬は、組み込まれた第1のタイプ、第2のタイプ、又は第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する。いくつかのかかる実施形態において、親和性試薬のセットは、第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬を含む。いくつかの更なる実施形態において、第1の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第2の親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である。いくつかのかかる実施形態において、第1の親和性試薬及び第2の親和性試薬の両方は、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する。他の実施形態において、親和性試薬のセットは、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含み、第3の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第3の検出可能な標識と、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識と、を含む。第3の色素は、第1の色素と同様の蛍光プロファイル(すなわち、吸収及び発光スペクトル)を有するが、発光強度の点で異なり得る。第4の色素は、第2の色素と同様の蛍光プロファイル(すなわち、吸収及び発光スペクトル)を有するが、発光強度の点で異なり得る。
検出可能な標識を含有する親和性試薬が組み込まれたヌクレオチドに結合する場合、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体は、第1及び/又は第2の撮像イベントで検出することができる標識された伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体になる。本明細書に記載の紫色色素及び青色色素は、本明細書に記載の修飾方法の任意の実施形態において使用され得る。加えて、標識された伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体は、本明細書に記載の抗酸化剤及びROSスカベンジャーのうちの1つ以上を含むスキャン混合物中に存在し得る。親和性試薬中の検出可能な標識はまた、本明細書に記載の共有結合した光保護部分を含み得る。
親和性試薬
本明細書で使用される場合、「親和性試薬」という用語は、伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体における組み込まれたヌクレオチドに特異的に結合する、タンパク質又は抗体などの巨大分子を指す。いくつかの実施形態において、親和性試薬は、タンパク質タグ、抗体(限定されないが、抗体の結合断片、単鎖抗体、二重特異性抗体などを含む)、アプタマー、ノッチン、アフィマー、又は組み込まれたヌクレオチドに好適な特異性及び親和性で結合する任意の他の既知の薬剤を含む。本明細書に記載の各親和性試薬は、特定のタイプのヌクレオチドに対して、他のタイプのヌクレオチドに対するよりも実質的に高い親和性を有し得る。また、親和性試薬は、成長するDNA鎖(すなわち、伸長したプライマーポリヌクレオチド)の3’末端で組み込まれたヌクレオチドに結合するが、DNA鎖上の他の位置のヌクレオチドには結合するべきではない。本明細書に記載の親和性試薬は、本明細書に記載の青色色素及び紫色色素などの1つ以上の検出可能な標識で直接的又は間接的に標識され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の検出可能な標識は、開裂可能なリンカーを介して親和性試薬に共有結合されている。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1のハプテンを含み、第1の親和性試薬は、第1のハプテンに特異的に結合する第1のハプテン結合パートナーを含む。いくつかのかかる実施形態において、第2のタイプのヌクレオチドは、第2のハプテンを含み、第2の親和性試薬は、第2のハプテンに特異的に結合する第2のハプテン結合パートナーを含む。第1のハプテン及び第2のハプテンの各々は、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノール、若しくはクロロアルキル基を含むか、又はそれらから選択され得る。親和性試薬の各々は、1つ以上の蛍光部分とコンジュゲート化された抗ハプテン抗体であり得る特異的ハプテン結合パートナーを含む。いくつかの更なる実施形態において、第1のハプテンは、ビオチン部分を含み、第1のハプテン結合パートナーは、ストレプトアビジンを含み、ストレプトアビジンは、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む。いくつかの更なる実施形態において、第2のハプテンは、クロロアルキル基を含み、第2のハプテン結合パートナーは、HaloTag(登録商標)を含み、HaloTag(登録商標)は、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む。第1又は第2の検出可能な標識は、本明細書に記載の1つ以上の開裂可能なリンカーを介して親和性試薬(例えば、ハプテン結合パートナー)にコンジュゲート化され得る。いくつかのかかる実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第1のハプテン及び第2のハプテンの両方を含み(例えば、第1のハプテンを含む第3のタイプのヌクレオチドと、第2のハプテンを含む第3のタイプのヌクレオチドとの混合物)、その結果、第1の親和性試薬及び第2の親和性試薬の両方が、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合し得る。
他の実施形態において、セット親和性試薬が、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含む場合、第3のタイプのヌクレオチドは、第3のハプテンを含み得、第3の親和性試薬は、第3のハプテン結合パートナーを含む。第3の親和性試薬は、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の第3の検出可能な標識を含む第3の親和性試薬と、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の第4の検出可能な標識を含む第3の親和性試薬との混合物であり得る。
例えば、第1のタイプの非標識ヌクレオチドは、ビオチン部分を含む第1のハプテンを含み得るが、第1の親和性試薬は、1つ以上の第1の検出可能な標識とコンジュゲート化されたストレプトアビジンを含み得、標識は、約450~460nmの青色光源によって励起可能である青色色素であり(すなわち、第1の色素は、青色色素である)、480~525nmの範囲の発光波長を有する。第2のタイプの非標識ヌクレオチドは、クロロアルキル基(例えば、CHCl)を含む第2のハプテンを含み得、一方、第2の親和性試薬は、1つ以上の第2の検出可能な標識とコンジュゲート化されたHaloTag(登録商標)を含み得、色素は、約400~405nmの紫色光源によって励起可能であり、415~450nmの範囲の発光波長を有する紫色色素である。第3のタイプの非標識ヌクレオチドは、第1の親和性試薬及び第2の親和性試薬の両方に結合する第1のハプテン及び第2のハプテンの両方を含み得る。いくつかの実施形態において、第4のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、いずれの親和性試薬にも結合しない。伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ヌクレオチド複合体を親和性試薬のセットと接触させた後、未結合の親和性試薬を洗い流す。第1の撮像イベントは、約450~460nmの波長を有する青色光源を使用し、第1のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は、480~525nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第2の撮像イベントは、約400~405nmの波長を有する紫色光源を使用し、第2のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は(親和性試薬とコンジュゲート化された検出可能な標識を通して)、415~450nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第4のタイプのヌクレオチドについて、第1又は第2の撮像イベントのいずれでもシグナルは検出されない。本明細書に記載のシグナル検出パターンに基づいて、伸長したプライマーポリヌクレオチドに組み込まれたヌクレオチドの同一性が決定され得る。更なる実施形態において、組み込み混合物は、以下:クロロアルキル基を含むdATP、ビオチン部分を含むdTTP、ビオチン部分を含むdCTP、クロロアルキル基を含むdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)、を含む。例示的なビオチン部分を含むffC及びクロロアルキル基を含むffAは、
Figure 2023552936000018
を含み、式中、nは、1、2、又は3である。
本明細書に記載の配列決定法の第3の態様はまた、親和性試薬を用いた二次標識の使用を含むが、第1のタイプ、第2のタイプ、又は第3のタイプのヌクレオチドのうちの1つのみが非標識である。いくつかの実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1の検出可能な標識で標識されており、第2のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第1の検出可能な標識で標識されているの両方であり、第1の検出可能な標識は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である。方法は、第1の撮像イベントの前に、伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬と接触させることを更に含み、親和性試薬は、第2のタイプの非標識ヌクレオチド及び/又は第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。いくつかのかかる実施形態において、親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む。いくつかの更なる実施形態において、親和性試薬は、1つ以上の第2の検出可能な標識にコンジュゲート化されたストレプトアビジンを含み、第2のタイプのヌクレオチド及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドの両方は、ビオチン部分を含む。いくつかの他の実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第2のタイプのヌクレオチドは、第2の検出可能な標識で標識されており、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、第2の検出可能な標識は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である。方法は、第1の撮像イベントの前に、伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬と接触させることを更に含み、親和性試薬は、第1のタイプの非標識ヌクレオチド及び/又は第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。いくつかのかかる実施形態において、親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む。いくつかの更なる実施形態において、親和性試薬は、1つ以上の第1の検出可能な標識にコンジュゲート化されたストレプトアビジンを含み、第1のタイプのヌクレオチド及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドの両方は、ビオチン部分を含む。任意のかかる実施形態において、第4のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、親和性試薬と結合しないか、又は第1の撮像イベント及び第2の撮像イベント中にいずれのシグナルも放出しない。
別の例として、第1のタイプのヌクレオチドは、青色光源によって約450~460nmで励起可能であり、発光波長を480~525nmの範囲に有する、青色色素で標識されている。第2のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、ビオチン部分を含む。親和性試薬は、紫色光源によって約400~405nmで励起可能であり、発光波長を415~450nmの範囲に有する、1つ以上の紫色色素とコンジュゲート化されたストレプトアビジンを含む。第3のタイプのヌクレオチドは、ビオチン部分を含む非標識の第3のタイプのヌクレオチドと、第1のタイプのヌクレオチドと同じ青色色素で標識された第3のタイプのヌクレオチドとの両方の混合物である。第4のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、いずれの親和性試薬とも結合しないか、又は第1/第2の撮像イベントでいずれのシグナルも放出しない。伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ヌクレオチド複合体を親和性試薬と接触させた後、未結合の親和性試薬を洗い流す。第1の撮像イベントは、約450~460nmの波長を有する青色光源を使用し、第1のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は、480~525nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第2の撮像イベントは、約400~405nmの波長を有する紫色光源を使用し、第2のタイプ及び第3のタイプのヌクレオチドの両方は(ストレプトアビジンに結合された紫色色素を介して)、415~450nmを包含するフィルタバンドを有する発光フィルタによって検出又は収集することができるシグナルを放出する。第4のタイプのヌクレオチドについて、第1又は第2の撮像イベントのいずれでもシグナルは検出されない。本明細書に記載のシグナル検出パターンに基づいて、伸長したプライマーポリヌクレオチドに組み込まれたヌクレオチドの同一性が決定され得る。更なる実施形態において、組み込み混合物は、以下:青色色素で標識されたdATP、ビオチン部分を含むdTTP、ビオチン部分を含むdCTP、青色色素で標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含む。
本明細書に記載の配列決定法の第3の態様の代替的な実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1の検出可能な標識で標識されており、第2のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第3の検出可能な標識で標識されているの両方であり、第1及び第3の検出可能な標識の両方は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である(例えば、第3の標識は、第1の標識と同様の蛍光プロファイルを有するが、発光強度で異なり得る)。方法は、第1の撮像イベントの前に、伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬のセットと接触させることを更に含み、少なくとも1つの親和性試薬は、第2のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合し、少なくとも1つの親和性試薬は、第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。いくつかのかかる実施形態において、第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む。第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識を含む(例えば、第4の標識は、第2の標識と同様の蛍光プロファイルを有するが、発光強度で異なり得る)。いくつかの更なる実施形態において、セット親和性試薬は、1つ以上の第2の検出可能な標識にコンジュゲート化されたストレプトアビジン、及び1つ以上の第4の検出可能な標識にコンジュゲート化された第2の抗体/タンパク質を含み得る。第2のタイプの非標識ヌクレオチドは、ビオチン部分を含み、第3のタイプの非標識ヌクレオチドは、第4の標識にコンジュゲート化された第2の抗体/タンパク質に特異的であるハプテンを含む。
本明細書に記載の配列決定法の第3の態様に対する別の代替的な実施形態は、組み込み混合物を使用することを含み、第1のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第2のタイプのヌクレオチドは、第2の検出可能な標識で標識されており、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第4の検出可能な標識で標識されているの両方であり、第2及び第4の検出可能な標識の両方は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である(例えば、第3の標識は、第1の標識と同様の蛍光プロファイルを有するが、発光強度で異なり得る)。方法は、第1の撮像イベントの前に、伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬のセットと接触させることを更に含み、少なくとも1つの親和性試薬は、第1のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合し、少なくとも1つの親和性試薬は、第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。いくつかのかかる実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する親和性試薬は、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む。第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する親和性試薬は、1つ以上の第3の検出可能な標識を含む。第1及び第3の検出可能な標識の両方は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である(例えば、第3の標識は、第1の標識と同様の蛍光プロファイルを有するが、発光強度で異なり得る)。
本明細書に記載の方法の任意の実施形態において、ステップ(a)における混合物中のヌクレオチドは、4つの異なるタイプのヌクレオチド(A、C、G、及びT又はU)、又はそれらの非天然ヌクレオチド類似体を含む。更なる実施形態において、4つの異なるタイプのヌクレオチドは、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTP若しくはdUTP、又はそれらの非天然ヌクレオチド類似体である。いくつかの更なる実施形態において、4つのタイプのヌクレオチドのうちの3つは、検出可能な標識で各々標識されており、ヌクレオチドのうちの1つは、フルオロフォアで標識されていないか、又はフルオロフォアで標識されているが、第1の撮像イベント若しくは第2の撮像イベントのいずれかで励起されてシグナルを放出することはできない。他の実施形態において、4つのタイプのヌクレオチドのうちの1つ、2つ、又は3つにおける検出可能な標識は、本明細書に記載の二次標識ステップを使用して添加され、非標識ヌクレオチドが最初にプライマーポリヌクレオチドに組み込まれ、次いで組み込まれたタイプのヌクレオチドに特異的な親和性試薬がプライマーヌクレオチドに導入され、親和性試薬は、第1及び/又は第2の撮像イベント中に、シグナルを放出することができる1つ以上の検出可能な標識を含む。更なる実施形態において、組み込み混合物中の4つのタイプのヌクレオチドの各々は、3’ヒドロキシル遮断(ブロッキング)基を含有する。かかる3’ヒドロキシル遮断基は、単一塩基のみがプライマーポリヌクレオチドの3’末端にポリメラーゼによって付加され得ることを確実にする。ステップ(b)におけるヌクレオチドの組み込み後、残存する組み込まれていないヌクレオチドが洗い流される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、方法は、ステップ(e):第2の撮像イベントの後、及び次の配列決定サイクルの前に、組み込まれたヌクレオチドから3’ヒドロキシル遮断基を除去することを更に含む。更なる実施形態において、組み込まれたヌクレオチドに結合した任意の検出可能な標識(開裂可能なリンカーを介して組み込まれたヌクレオチドに直接的に、又は親和性試薬を介して間接的に、のいずれか)も、次の配列決定サイクルの前に除去される。いくつかのかかる実施形態において、検出可能な標識及び3’ヒドロキシ遮断基は、単一のステップで(例えば、同じ化学反応条件下で)除去される。他の実施形態において、標識及び3’ヒドロキシ遮断基は、2つの別個のステップで除去される(例えば、標識及び3’遮断基は、2つの別個の化学反応条件下で除去される)。いくつかの更なる実施形態において、切断後洗浄ステップが、標識及び3’遮断基が除去された後に使用される。更なる実施形態において、ステップ(a)~(e)は、繰り返しサイクル(例えば、少なくとも30、50、100、150、200、250、300、400、又は500回)で行われ、方法は、各々連続的に組み込まれたヌクレオチドの同一性に基づいて、一本鎖標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部の配列を順次決定することを更に含む。いくつかのかかる実施形態において、ステップ(a)~(e)は、少なくとも50サイクル繰り返される。いくつかの更なる実施形態において、組み込み混合物からのヌクレオチドの組み込みは、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)によって行われる。例示的なポリメラーゼには、Pol812、Pol1901、Pol1558、又はPol963が含まれるが、これらに限定されない。Pol812、Pol1901、Pol1558、又はPol963 DNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、例えば、米国特許公開第2020/0131484A1号及び同第2020/0181587A1号に記載されており、それらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、第1の撮像イベントで使用される第1の励起光源及び第2の撮像イベントで使用される第2の励起光源の各々は、レーザー、発光ダイオード(LED)、又はそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、第1の撮像イベント及び第2の撮像イベントからの発光検出の組み合わせは、画像分析ソフトウェアによって処理されて、固定された各プライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体位置で組み込まれた塩基の同一性を決定する。いくつかのかかる実施形態において、画像分析は、取り込みの繰り返しサイクル(少なくとも50、100、150、200、250、又は300回の実行後)の後に処理される。
本明細書に記載の方法の任意の実施形態において、一本鎖標的ポリヌクレオチドは、固体支持体に固定され得る。いくつかのかかる実施形態において、固体支持体は、複数の固定化一本鎖標的ポリヌクレオチドを含む。プライマーポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である。いくつかのかかる実施形態において、プライマーポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部とハイブリダイズして、プライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体を形成する。固体支持体は、クラスター化プライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体を含み得る。いくつかの実施形態において、固体支持体は、フローセル、例えば、複数のナノウェルを含み、各々が離れているパターン化フローセルを含む。いくつかの更なる実施形態において、各ナノウェルは、そこに1つの固定されたクラスターを含む。いくつかの実施形態において、パターン化フローセル上のナノウェルの密度は、約100K/mm~約500K/mm、約200K/mm~約400K/mm、又は約250K/mm~約350K/mmである。いくつかの実施形態において、固体支持体上の固定化一本鎖標的ポリヌクレオチド(又はプライマーポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションから形成されたクラスター)の密度は、約80K/mm~約400K/mm、約100K/mm~約300K/mm、又は約150K/mm~約250K/mmである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の配列決定法は、同様又は同等な光学解像度を有する赤色/緑色又は緑色/青色の励起を使用する2チャネル配列決定法と比較して、クラスター密度に最大10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%の増加を可能にする。
方法の追加の例示的な実施形態を以下に記載する。
特定の実施形態において、合成工程が実行され、かつ任意選択的に、鋳型又は標的ポリヌクレオチド鎖を本開示の蛍光標識ヌクレオチドを含む反応混合物とインキュベートする工程を含み得る。ポリメラーゼはまた、鋳型又は標的ポリヌクレオチド鎖にアニーリングされたポリヌクレオチド鎖上の遊離3’OH基と標識ヌクレオチド上の5’リン酸基との間のリン酸ジエステル結合の形成を可能にする条件下で提供されることもできる。したがって、合成工程は、ヌクレオチドの鋳型/標的鎖への相補的塩基対形成によって実現されるポリヌクレオチド鎖の形成を含むことができる。
本方法の全ての実施形態において、検出工程は、標識ヌクレオチドが組み込まれるポリヌクレオチド鎖が標的鎖にアニーリングされている間、又は2つの鎖が分離される変性工程の後に実行され得る。合成工程と検出工程との間に、例えば化学的又は酵素的反応工程又は精製工程といった更なる工程が含まれてもよい。具体的には、標識ヌクレオチドを組み込むポリヌクレオチド鎖は、単離されても精製されてもよく、その後、更に処理されるか、又はその後の解析に使用されてもよい。例として、合成工程において本明細書に記載される標識ヌクレオチドを組み込んでいる標的ポリヌクレオチドは、その後、標識化プローブ又はプライマーとして使用され得る。他の実施形態において、本明細書に記載される合成工程の生成物は、更なる反応工程に供され得、所望であれば、これらの後続工程の生成物は精製又は単離され得る。
合成工程に好適な条件は、標準的な分子生物学的技術に精通しているものにはよく知られている。一実施形態において、合成工程は、本明細書に記載される標識ヌクレオチドを含むヌクレオチド前駆体を使用する標準的なプライマー伸長反応と類似し、好適なポリメラーゼ酵素の存在下で標的鎖に相補的な伸長したポリヌクレオチド鎖(プライマーヌクレオチド鎖)を形成し得る。他の実施形態において、合成工程は、それ自体が、プライマー標的ポリヌクレオチド鎖をコピーすることに由来するアニーリングされた相補鎖からなる、標識二本鎖増幅産物を生成する、増幅反応の一部をなし得る。他の提示的な合成工程としては、ニックトランスレーション、鎖置換重合、ランダムプライミングDNA標識化などが挙げられる。合成工程に特に有用なポリメラーゼ酵素は、本明細書に記載される標識ヌクレオチドの組み込みを触媒することができるものである。様々な天然由来の又は変異体/改変されたポリメラーゼを使用することができる。例として、熱安定性ポリメラーゼは、熱サイクリング条件を使用して実施される合成反応に使用することができるが、熱安定性ポリメラーゼは、等温プライマー伸長反応には望ましくない場合がある。本開示による標識ヌクレオチドを組み込むことができる好適な熱安定性ポリメラーゼには、WO2005/024010又はWO06/120433に記載されるものが含まれ、それらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。37℃などの低温で実施される合成反応では、ポリメラーゼ酵素は、必ずしも熱安定性ポリメラーゼである必要はなく、したがって、ポリメラーゼの選択は、反応温度、pH、鎖置換活性などのいくつかの要因に依存する。
特定の非限定的な実施形態において、本開示は、核酸シークエンシング、再シークエンシング、全ゲノムシークエンシング、単一ヌクレオチド多型性スコアリングの方法に加えて、ポリヌクレオチドに組み込まれたときに本明細書に記載される色素で標識化された修飾ヌクレオチド又はヌクレオシドの検出を伴う任意の他の用途の方法を含む。
特定の実施形態において、本開示は、本開示による色素部分を含む標識ヌクレオチドを、ポリヌクレオチドの合成によるシークエンシング反応に使用することを提供する。合成による配列決定は、一般に、配列決定される鋳型/標的核酸に相補的な伸長ポリヌクレオチド鎖を形成するために、ポリメラーゼ又はリガーゼを使用して、成長しつつあるポリヌクレオチド鎖に対し、5’から3’方向に1つ以上のヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを逐次的に付加することを含む。付加されたヌクレオチドのうちの1つ以上に存在する塩基が何であるかは、検出又は「撮像」工程で決定することができる。添加された塩基が何であるかは、各ヌクレオチド組み込み工程後に決定され得る。次いで、鋳型の配列は、従来式のワトソン・クリック塩基対合ルールを使用して推測され得る。単一の塩基が何であるかを決定するために本明細書に記載される色素で標識化されたヌクレオチドを使用することは、例えば、単一ヌクレオチド多型性のスコアリングにおいて有用であり得るが、そのような単一塩基伸長反応は、本開示の範囲内である。
本開示の実施形態において、標的ポリヌクレオチドの配列は、組み込まれたヌクレオチドに結合した蛍光標識の検出を通して配列決定される標的ポリヌクレオチドに相補的な新生鎖への、1つ以上のヌクレオチドの組み込みを検出することによって決定される。標的ポリヌクレオチドの配列決定は、好適なプライマー(又は、ヘアピンの一部としてプライマーを含有するヘアピン構造体として調製されたプライマー)でプライミングすることができ、新生鎖は、ポリマー触媒反応において、プライマーの3’末端にヌクレオチドを付加することにより、段階的に伸長される。
特定の実施形態において、異なるヌクレオチド三リン酸(A、T、G、及びC)の各々は、固有のフルオロフォアで標識されてもよく、また、制御不可能な重合を防止するために、3’位置に遮断基を含む。代替的に、4つのヌクレオチドのうちの1つは、標識されていなくてもよい(暗色)。ポリメラーゼ酵素は、鋳型/標的ポリヌクレオチドに相補的な新生鎖にヌクレオチドを組み込むが、遮断基は、ヌクレオチドの更なる組み込みを防止する。任意の組み込まれていないヌクレオチドを洗い流すことができ、各組み込まれたヌクレオチドからの蛍光シグナルパターンは、光励起及び好適な発光フィルタを使用する電荷結合素子などの好適な手段によって、光学的に「読み取る」ことができる。次いで、3’-遮断基及び蛍光色素化合物を除去(開裂)して(同時に又は逐次的に)、更なるヌクレオチドの組み込みのために新生鎖をさらすことができる。典型的には、組み込まれたヌクレオチドが何であるかは、各組み込み工程後に決定されるが、これは厳密に必須というわけではない。同様に、米国特許第5,302,509号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、固体支持体上に固定化されたポリヌクレオチドを配列決定する方法を開示している。
上記に例示したようなその方法は、3’ブロックされたヌクレオチドA、G、C、及びTを、DNAポリメラーゼの存在下で、固定化されたポリヌクレオチドに相補的な成長鎖に組み込む。ポリメラーゼは、標的ポリヌクレオチドに相補的な塩基を組み込むが、3’-ヒドロキシル遮断基による更なる付加から防止される。次いで、組み込まれたヌクレオチドの標識を判定し、その後、更なる重合を可能にするために、化学的開裂によってブロッキング基が除去され得る。合成による配列決定反応において配列決定される核酸鋳型は、配列決定が所望される任意のポリヌクレオチドであってもよい。配列決定反応用の核酸鋳型は、典型的には、配列決定反応における更なるヌクレオチドの付加のためのプライマー又は開始点として機能する遊離3’OH基を有する二本鎖領域を含む。配列決定される鋳型の領域は、この遊離3’OH基を相補鎖上にオーバーハングする。配列決定される鋳型のオーバーハング領域は、一本鎖であってもよいが、配列決定される標的鎖に相補的な鎖上に「切れ目が存在」して、配列決定反応を開始するための遊離3’OH基を提供する限りにおいて、二本鎖であることも可能である。かかる実施形態において、配列決定は、鎖置換によって進行し得る。特定の実施形態において、遊離3’OH基を有するプライマーが、配列決定される鋳型の一本鎖領域にハイブリダイズする別個の成分(例えば、短いオリゴヌクレオチド)として付加されてもよい。代替的に、配列決定されるプライマー及び鋳型鎖はそれぞれ、例えばヘアピンループ構造などの分子内二重鎖を形成することができる部分的に自己相補的な核酸鎖の一部を形成してもよい。ヘアピンポリヌクレオチド及びそれらが固体支持体に結合され得る方法は、PCT公開WO01/57248及び同WO2005/047301に開示され、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。ヌクレオチドは、成長するプライマーに連続的に付加され、5’から3’方向にポリヌクレオチド鎖を合成することができる。添加された塩基の性質は、特に各ヌクレオチド添加後に判定されてよいが、必ずしもそうでなくてもよい。その判定によって、核酸鋳型についての配列情報が提供される。したがって、ヌクレオチドは、ヌクレオチドの5’リン酸基とのリン酸ジエステル結合の形成を介して、核酸鎖の遊離3’OH基にヌクレオチドを結合することにより、核酸鎖(又はポリヌクレオチド)に組み込まれる。
配列決定される核酸鋳型は、DNA若しくはRNA、又は更にはデオキシヌクレオチド及びリボヌクレオチドからなるハイブリッド分子であってもよい。核酸鋳型は、配列決定反応における鋳型のコピーを防止しない限り、天然由来のヌクレオチド及び/又は非天然由来のヌクレオチドと、天然由来又は非天然由来の骨格連結を含んでよい。
ある特定の実施形態において、配列決定される標的ポリヌクレオチドは、当該技術分野において既知の任意の好適な連結方法、例えば、共有結合を介して、固体支持体に結合され得る。ある特定の実施形態において、標的ポリヌクレオチドは、固体支持体(例えば、シリカベースの支持体)に直接結合されてもよい。しかしながら、本開示の他の実施形態において、固体支持体の表面は、標的ポリヌクレオチドの直接的共有結合、又は標的ポリヌクレオチドのヒドロゲル若しくは多電解質層(それ自体は固体支持体に共有結合以外の方法で付着される)を通しての固定化のいずれかを可能にするように、何らかの方法で修飾されてもよい。
ポリヌクレオチドが支持体(例えば、WO00/006770(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものなどのシリカベース支持体)に直接結合しているアレイは、ガラス上のペンダントエポキシド基と、ポリヌクレオチドの内部アミノ基との間の反応によって、ガラス支持体に固定化される。加えて、ポリヌクレオチドは、例えば、WO2005/047301(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、硫黄系求核試薬と固体担体との反応によって固体支持体に結合することができる。固体支持型鋳型ポリヌクレオチドのまた更なる例は、鋳型ポリヌクレオチドが、シリカ系又は他の固体担体上に支持されたヒドロゲルに取り付けられるものであり、例えば、WO00/31148、WO01/01143、WO02/12566号、WO03/014392、米国特許第6,465,178号、及びWO00/53812に記載されており、それらの各々が、参照により本明細書に組み込まれる。
鋳型ポリヌクレオチドが固定化され得る具体的な表面としては、ポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられる。ポリアクリルアミドヒドロゲルは、上記に引用した参考文献及び参照により本明細書に組み込まれるWO2005/065814に記載されている。使用され得る特定のヒドロゲルには、WO2005/065814及び米国公開第2014/0079923号に記載されるものが含まれる。一実施形態では、ヒドロゲルは、PAZAM(ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド))である。
DNA鋳型分子は、例えば、米国特許第6,172,218号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、ビーズ又は微小粒子に付着させることができる。ビーズ又は微小粒子への付着は、シークエンシング用途に有用であり得る。各ビーズが異なるDNA配列を含むビーズライブラリを調製することができる。それらの作成のための例示的なライブラリ及び方法は、Nature,437,376-380(2005)、Science,309,5741,1728-1732(2005),に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるヌクレオチドを使用したかかるビーズのアレイのシークエンシングは、本開示の範囲内である。
配列決定される鋳型は、固体支持体上に「アレイ」の一部を形成してもよく、この場合、アレイは任意の便利な形態をとることができる。したがって、本開示の方法は、単一分子アレイ、クラスター化アレイ、及びビーズアレイを含む全ての種類の高密度アレイに適用可能である。本開示の色素化合物で標識化されたヌクレオチドは、基本的に任意の種類のアレイ上で鋳型を配列決定するために使用されてもよく、そのようなアレイには、固体支持体上の核酸分子の固定化によって形成されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
しかしながら、本開示の色素化合物で標識化されたヌクレオチドは、クラスター化アレイの配列決定の文脈において特に有利である。クラスター化アレイでは、アレイ上の別個の領域(多くの場合、部位又は特徴部と呼ばれる)は、複数のポリヌクレオチド鋳型分子を含む。一般に、複数のポリヌクレオチド分子は、光学的手段によって個別に分解可能ではなく、代わりに、アンサンブル(集合体)として検出される。アレイがどのように形成されるかに応じて、アレイ上の各部位は、1つの個々のポリヌクレオチド分子の複数のコピー(例えば、部位は、特定の一本鎖若しくは二本鎖核酸種に対して均質である)、又は更には少数の異なるポリヌクレオチド分子の複数のコピー(例えば、2つの異なる核酸種の複数のコピー)を含んでもよい。核酸分子のクラスター化アレイは、当該技術分野において一般的に知られている技術を使用して生成され得る。例として、WO98/44151及びWO00/18957は、各々が参照により本明細書に組み込まれ、核酸の増幅方法を記載しており、鋳型及び増幅産物の両方は、固定化された核酸分子のクラスター又は「コロニー」からなるアレイを形成するために、固体支持体上に固定化されたままである。これらの方法に従って調製されたクラスター化アレイ上に存在する核酸分子は、本開示の色素化合物で標識されたヌクレオチドを使用する配列決定に好適な鋳型である。
本出願の色素化合物で標識されたヌクレオチドは、単一分子アレイ上の鋳型の配列決定にも有用である。本明細書で使用するとき、用語「単一分子アレイ」又は「SMA」は、固体支持体の上に分布(又は配列)されたポリヌクレオチド分子の集団を指し、いかなる個々のポリヌクレオチドの、集団の全ての他のポリヌクレオチドからの離間距離は、個々のポリヌクレオチド分子を個々に見分けることが可能であるようになっている。したがって、固体支持体の表面上に固定化された標的核酸分子は、いくつかの実施形態において、光学的手段によって見分けることができる。これは、1つのポリヌクレオチドをそれぞれ表す1つ以上の別個のシグナルが、使用される特定の撮像装置が、見分けることができるエリア内で発生することを意味する。
アレイ上の隣接するポリヌクレオチド分子間の間隔が、少なくとも100nm、より具体的には少なくとも250nm、更により具体的には少なくとも300nm、更により具体的には少なくとも350nmである、単一分子検出が達成され得る。したがって、各分子は個別に分解可能(見分けることが可能)であり、単一分子蛍光点として検出可能であり、この単一分子蛍光点からの蛍光はまた、単一工程でのフォトブリーチを呈する。
用語「個々に分解された」及び「個々の解像度」は、本明細書では、可視化されたときに、アレイ上の1つの分子をその隣接する分子と区別することが可能であることを指定するために使用される。アレイ上の個々の分子間の分離は、個々の分子を分解するために使用される特定の技術によって、部分的に決定される。単一分子アレイの一般的な特徴は、各々が参照により本明細書に組み込まれる、WO00/06770及びWO01/57248を参照することによって理解されるであろう。本開示の標識ヌクレオチドの1つの用途は合成による配列決定反応であるが、各ヌクレオチドの有用性は、かかる方法に限定されない。実際に、本明細書に記載の標識ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドに組み込まれたヌクレオチドに結合した蛍光標識の検出を必要とする任意の配列決定法において有利に使用され得る。
キット
本開示のいくつかの態様は、本明細書に記載の青色/紫色2チャネル配列決定法のためのキットに関する。いくつかの実施形態において、配列決定用途のためのキットは、
第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第1の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチド、及び第2の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドの混合物である。特定の例として、キットは、青色色素で標識されたdATP、ビオチン部分を含むdTTP、ビオチン部分を含むdCTP、青色色素で標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。
配列決定用途のためのキットの第2の態様において、キットは、
第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
第3の検出可能な標識及び第4の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第3の検出可能な標識及び第4の検出可能な標識は、互いにスペクトル的に区別可能であり、第3の検出可能な標識は、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第4の検出可能な標識は、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの一方は、約350nm~約410nmの波長を有し、第1の励起光源及び第2の励起光源のうちの他方は、約450nm~約460nmの波長を有し、
第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの一方は、約415nm~約450nmの検出波長を有し、第1の発光フィルタ及び第2の発光フィルタのうちの他方は、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第3の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、第4の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドとの混合物である。
本明細書に記載のキットの第3の態様において、1つ以上のタイプのヌクレオチドは、非標識であり得る。いくつかの例では、配列決定用途のためのキットは、
第1のタイプの非標識ヌクレオチドと、
第2のタイプの非標識ヌクレオチドと、
第3のタイプの非標識ヌクレオチドと、
第1のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、及び第2のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬を含む、親和性試薬のセットと、を含み、第1の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第2の親和性試薬は、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である。いくつかのかかる実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1のハプテンを含み、第1の親和性試薬は、第1のハプテンに特異的に結合する第1のハプテン結合パートナーを含む。更なる実施形態において、第1のハプテンは、ビオチン部分を含むか、又はそれからなり、第1のハプテン結合パートナーは、ストレプトアビジンを含むか、又はそれからなり、ストレプトアビジンは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の第1の検出可能な標識とコンジュゲート化される。いくつかの更なる実施形態において、第2のタイプのヌクレオチドは、第2のハプテンを含み、第2の親和性試薬は、第2のハプテンに特異的に結合する第2のハプテン結合パートナーを含む。更なる実施形態において、第2のハプテンは、クロロアルキル基(例えば、-(CHCl)を含み、第2のハプテン結合パートナーは、HaloTag(登録商標)を含むか、又はそれからなり、HaloTag(登録商標)は、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の第2の検出可能な標識とコンジュゲート化される。いくつかの更なる実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第1のハプテン及び第2のハプテンの混合物を含む。追加のハプテンはまた、本明細書に記載の非標識ヌクレオチドに使用され得、例えば、ジオキシゲニン及びジニトロフェノールを含むが、これらに限定されない。対応する親和性試薬は、抗ジゴキシゲニン結合パートナー又は抗ジニトロフェノール結合パートナーを含有する。いくつかの実施形態において、第1の親和性試薬及び第2の親和性試薬の両方は、第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する。他の実施形態において、親和性試薬のセットは、第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含み、第3の親和性試薬は、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第3の検出可能な標識と、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識と、を含む。いくつかのかかる実施形態において、第3のタイプのヌクレオチドは、第1のハプテンを含み、第3の親和性試薬は、第3のハプテン結合パートナーを含む。更なる実施形態において、第3の親和性試薬は、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の第3の検出可能標識を含む第3の親和性試薬と、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の第4の検出可能な標識を含む第3の親和性試薬と、の混合物を含む。
配列決定用途のためのキットの第4の態様において、キットは、
非標識又は第1の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第1のタイプのヌクレオチドと、
非標識又は第2の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第2のタイプのヌクレオチドであって、第1のタイプのヌクレオチド及び第2のタイプのヌクレオチドのうちの1つが、非標識である、第2のタイプのヌクレオチドと、
第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第1又は第2のタイプのヌクレオチドのいずれかと同じ検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドであって、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1の検出可能な標識が、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、第2の検出可能な標識が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、第3のタイプのヌクレオチドと、
親和性試薬であって、第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第1のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、又は第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び第2のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬のいずれかを含み、第1の親和性試薬が、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第2の親和性試薬が、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む、親和性試薬と、を含む。いくつかの実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第2のタイプのヌクレオチドは、第2の検出可能な標識で標識されており、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、親和性試薬は、第1のタイプのヌクレオチド及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬であり、第1の親和性試薬は、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む。他の実施形態において、第1のタイプのヌクレオチドは、第1の検出可能な標識で標識されており、第2のタイプのヌクレオチドは、非標識であり、第3のタイプのヌクレオチドは、非標識及び第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、親和性試薬は、第2のタイプのヌクレオチド及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬であり、第2の親和性試薬は、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む。更なる実施形態において、第1のタイプ又は第2のタイプのヌクレオチドのいずれかが非標識である場合、かかる非標識ヌクレオチドは、独立してハプテンを含む。更なる実施形態において、親和性試薬は、非標識ヌクレオチドにおけるハプテンに特異的に結合するハプテン結合パートナーを含む。一例において、ハプテンは、ビオチン部分を含み、ハプテン結合パートナーは、ストレプトアビジンを含む。かかるストレプトアビジンは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の第1の検出可能な標識とコンジュゲート化される。別の例では、ハプテンは、クロロアルキル基を含み、ハプテン結合パートナーは、HaloTag(登録商標)を含む。HaloTag(登録商標)は、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の第2の検出可能な標識とコンジュゲート化される。
本明細書に記載のキットの第4の態様の代替として、キットは、
非標識又は第1の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第1のタイプのヌクレオチドと、
非標識又は第2の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第2のタイプのヌクレオチドとであって、第1のタイプのヌクレオチド及び第2のタイプのヌクレオチドのうちの1つが、非標識である、第1のタイプのヌクレオチドと、第2のタイプのヌクレオチドと、
(i)非標識の第3のタイプのヌクレオチド、及び第2のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第3の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドの混合物、又は(ii)非標識の第3のタイプのヌクレオチド、及び第1のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に第4の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドの混合物を含み得る、第3のタイプのヌクレオチドであって、
第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、第1及び第3の検出可能な標識の両方が、第1の光源によって励起可能かつ第1の放出フィルタによって検出可能であり、第2及び第4の検出可能な標識の両方が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、第3のタイプのヌクレオチドと、
(iii)第1のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に、第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬の混合物、又は(iv)第2のタイプのヌクレオチドが非標識である場合、第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬、及び第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬の混合物を含み得る、親和性試薬のセットであって、
(iii)に記載の混合物中で、第1の親和性試薬が、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、第3の親和性試薬が、1つ以上の第3の検出可能な標識を含み、
(iv)に記載の混合物中で、第2の親和性試薬が、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、第3の親和性試薬が、1つ以上の第4の検出可能な標識を含む、親和性試薬のセットと、を含む。
本明細書に記載のキットの任意の実施形態において、キットは、第4のタイプのヌクレオチドを更に含み得、第4のタイプのヌクレオチドは、非標識である(暗色)。加えて、本明細書に開示の青色及び紫色色素のうちのいずれかは、このセクションに記載されているヌクレオチド又は親和性試薬の第1若しくは第2の標識として使用され得る。
1つの特定の例として、キットは、以下のヌクレオチドセット:青色色素Aで標識されたdATP、紫色色素Bで標識されたdTTP、青色色素Aで標識されたdCTP、紫色色素Bで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。
別の特定の例として、キットは、以下のヌクレオチドセット:青色色素Aで標識されたdATP、紫色色素Bで標識されたdTTP、青色色素Cで標識されたdCTP、紫色色素Dで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。
別の特定の例として、キットは、以下のヌクレオチドセット:青色色素Aで標識されたdATP、ビオチン部分を含むdTTP、ビオチン部分を含むdCTP、青色色素Aで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。追加的に、キットは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを介して、1つ以上の紫色色素Bで標識されたストレプトアビジンを含む、親和性試薬を更に含み得る。
別の特定の例として、キットは、以下のヌクレオチドセット:青色色素Aで標識されたdATP、ビオチン部分である第1のハプテンを含むdTTP、第二のハプテン部分を含むdCTP、青色色素Bで標識されたdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。追加的に、キットは、1つ以上の紫色色素Cとコンジュゲート化されたストレプトアビジンと、各々任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の紫色色素Dとコンジュゲート化された第2のハプテン結合パートナーと、を含む親和性試薬のセットを更に含み得る。
更に別の例では、キットは、以下のヌクレオチドセット:クロロアルキル基(例えば、-(CHCl)を含むdATP、ビオチン部分を含むdTTP、ビオチン部分を含むdCTP、クロロアルキル基を含むdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。キットは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の紫色色素で標識されたストレプトアビジンを含む、第1の親和性試薬を更に含み得る。キットは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の青色色素で標識されたHaloTag(登録商標)を含む、第2の親和性試薬を更に含み得る。
更に別の例では、キットは、以下のヌクレオチドセット:クロロアルキル基(例えば、-(CHCl)を含む第1のハプテンを含むdATP、ビオチン部分を含む第2のハプテンを含むdTTP、第3のハプテンを含むdCTP、及び非標識dGTP(暗色G)を含み得る。キットは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の紫色色素Bで標識されたストレプトアビジンを含む、第1の親和性試薬を更に含み得る。キットは、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、1つ以上の青色色素Aで標識されたHaloTag(登録商標)を含む、第2の親和性試薬を更に含み得る。キットは、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の青色色素Cを含む、第3の親和性試薬を更に含み得る。キットは、第3のハプテン結合パートナー及び1つ以上の紫色色素Dを含む、第3の親和性試薬を更に含み得る。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態において、第1の励起光源は、約350nm~約410nm(例えば、約405nm)の波長を有し、第1の発光フィルタは、約415nm~約450nmの検出波長を有する。第2の励起光源は、約450nm~約460nm(例えば、約460nm)の波長を有し、第2の発光フィルタは、約480nm~約525nmの検出波長を有する。いくつかの他の実施形態において、第1の励起光源は、約450nm~約460nm(例えば、約460nm)の波長を有し、第1の発光フィルタは、約480nm~約525nmの検出波長を有する。第2の励起光源は、約350nm~約410nm(例えば、約405nm)の波長を有し、第2の発光フィルタは、約415nm~約450nmの検出波長を有する。
上記の例に加えて、キットは、少なくとも1つの追加の構成要素を一緒に含み得る。更なる成分は、本明細書に記載される方法又は以下の実施例のセクションで特定される成分のうちの1つ以上であってもよい。本開示のキットに組み合わせることができる成分のいくつかの非限定的な例を以下に記載する。いくつかの実施形態において、キットは、DNAポリメラーゼ(変異体DNAポリメラーゼなど)及び1つ以上の緩衝組成物を更に含む。キットはまた、本明細書に記載の1つ以上の抗酸化剤及び/又はROSスカベンジャーを含み得る。抗酸化剤及び/又はROSスカベンジャーは、検出中にDNA(標的ポリヌクレオチド及び/又はプライマーポリヌクレオチド)及び色素を光損傷から保護するために使用することができる緩衝液又は組成物中にあり得る。追加の緩衝組成物は、3’ヒドロキシル遮断基及び/又は開裂可能なリンカーを切断するために使用することができる試薬を含み得る。例えば、パラジウム錯体などの、遷移金属及び少なくとも部分的に水溶性の配位子から形成された水溶性ホスフィン又は水溶性遷移金属触媒。キットの様々な構成要素は、使用前に希釈される濃縮形態で提供され得る。そのような実施形態では、好適な希釈緩衝液も含まれ得る。更なる実施形態において、キットは、1つ以上の固体支持体を含み得る。いくつかのかかる実施形態において、固体支持体は、そこに固定された複数のオリゴヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態において、固体支持体は、フローセル、例えば、複数のナノウェルを含むパターン化フローセルを含む。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態において、検出可能な標識(例えば、青色及び紫色色素)は、ヌクレオチド塩基を介してヌクレオチドに共有結合され得る。いくつかのかかる実施形態において、標識ヌクレオチドは、ピリミジン塩基のC5位置に結合された標識、又は7デアザプリン塩基のC7位置に、任意選択的にリンカー部分を通して結合された標識を有し得る。例えば、核酸塩基は、7-デアザアデニンであり得、色素は、任意選択的にリンカーを通して、C7位置で7-デアザアデニンに結合している。核酸塩基は、7-デアザグアニンであり得、色素は、任意選択的にリンカーを通して、C7位置で7-デアザグアニンに結合されている。核酸塩基は、シトシンであり得、色素は、任意選択的にリンカーを通して、C5位置でシトシンに結合されている。別の例として、核酸塩基は、チミン又はウラシルであり得、色素は、任意選択的にリンカーを通して、C5位置でチミン又はウラシルに結合されている。本明細書に記載のヌクレオチド又はヌクレオチドコンジュゲートの任意の実施形態において、ヌクレオチド又はヌクレオチドコンジュゲートは、3’ヒドロキシル遮断基を含み得る。他の実施形態において、ヌクレオチドが非標識であり、二次標識方法が使用される場合、1つ以上の青色色素又は紫色色素は、任意選択的に、開裂可能なリンカーを通して、本明細書に記載の親和性試薬にコンジュゲート化され得る。例えば、1つのストレプトアビジンは、検出されるべき組み込まれたヌクレオチドの蛍光強度を増加させるために、同じ紫色色素の2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの分子で標識され得る。
本明細書に記載の方法及びキットの任意の実施形態において、標識が光源によって励起可能かつ発光フィルタによって検出可能である場合、それは、かかる光源によって励起可能かつかかる発光フィルタによって検出可能である、かかる標識とコンジュゲート化された(直接的な標識化又は親和性試薬を通した二次標識化のいずれか)ヌクレオチドも指す。
3’ヒドロキシル遮断基
本明細書に記載の方法及びキットの任意の実施形態において、組み込み混合物で使用されるヌクレオチドは、ヌクレオチドのリボース又はデオキシリボース糖に共有結合された遮断基を有し得る。特定の実施形態において、遮断基は、ヌクレオチドのデオキシリボース糖の3’OH位置にある。様々な3’OH遮断基が、WO2004/018497及びWO2014/139596に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、遮断基は、アジドメチル(-CH)若しくは置換アジドメチル(例えば、-CH(CHF)N又はCH(CHF)N)、又はリボース若しくはデオキシリボース糖の3’酸素原子に接続しているアリルであり得る。いくつかの実施形態において、3’遮断基は、アジドメチルであり、リボース又はデオキシリボースの3’炭素を用いて3’-OCHを形成する。
いくつかの他の実施形態において、3’遮断基及び3’酸素原子は、リボース又はデオキシリボースの3’炭素に
Figure 2023552936000019
共有結合した上記構造のアセタール基を形成し、
式中、各R1a及びR1bは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、シアノ、ハロゲン、任意に置換されたフェニル、又は任意に置換されたアラルキルであり、
各R2a及びR2bは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、シアノ、又はハロゲンであり、
代替として、R1a及びR2aは、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換された5~8員ヘテロシクリル基を形成し、
は、H、任意に置換されたC~Cアルケニル、任意に置換されたC~Cシクロアルケニル、任意に置換されたC~Cアルキニル、又は任意に置換された(C~Cアルキレン)Si(R3aであり、
各R3aは、独立して、H、C~Cアルキル、又は任意に置換されたC~C10アリールである。
追加の3’OH遮断基は、米国公開第2020/0216891A1号に開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。アセタールブロッキング基
Figure 2023552936000020
の非限定的な例であり、各々、リボース又はデオキシリボースの3’炭素に共有結合している。
3’ヒドロキシル遮断基の脱保護
いくつかの実施形態において、アジドメチル3’ヒドロキシル保護基は、水溶性ホスフィン試薬を使用することによって除去又は脱保護され得る。非限定的な例としては、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THMP)、トリス(ヒドロキシエチル)ホスフィン(THEP)、又はトリス(ヒドロキシルプロピル)ホスフィン(THP又はTHPP)が挙げられる。本明細書に記載の3’-アセタールブロッキング基は、様々な化学条件下で除去又は切断され得る。ビニル又はアルケニル部分を含むアセタール遮断基
Figure 2023552936000021
では、非限定的な切断条件には、ホスフィン配位子、例えばトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THMP)、又はトリス(ヒドロキシルプロピル)ホスフィン(THP又はTHPP)の存在下での、Pd(OAc)又はアリルPd(II)クロリド二量体などのPd(II)錯体が含まれる。アルキニル基(例えば、エチニル)を含有するこれらのブロッキング基の場合、それらはまた、ホスフィン配位子(例えば、THP又はTHMP)の存在下でのPd(II)錯体(例えば、Pd(OAc)又はアリルPd(II)クロリド二量体)によって除去され得る。
パラジウム切断試薬
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の3’ヒドロキシル遮断基は、パラジウム触媒によって切断され得る。いくつかのそのような実施形態では、Pd触媒は、水溶性である。いくつかのかかる実施形態において、Pd(0)錯体(例えば、トリス(3,3’,3”ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホナト)パラジウム(0)九ナトリウム塩九水和物)である。場合によっては、Pd(0)は、アルケン、アルコール、アミン、ホスフィン、又は金属水素化物などの試薬によるPd(II)錯体の還元からその場で生成され得る。好適なパラジウム源としては、NaPdCl、Pd(CHCN)Cl、(PdCl(C))、[Pd(C)(THP)]Cl、[Pd(C)(THP)]Cl、Pd(OAc)、Pd(Ph、Pd(dba)、Pd(Acac)、PdCl(COD)、及びPd(TFA)が挙げられる。そのような一実施形態では、Pd(0)錯体は、NaPdClからその場で生成される。別の実施形態では、パラジウム源は、アリルパラジウム(II)クロリド二量体[(PdCl(C))]である。いくつかの実施形態では、Pd(0)錯体は、Pd(II)錯体をホスフィンと混合することによって水溶液中で生成される。好適なホスフィンとしては、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(THP)、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THMP)、1,3,5-トリアザ-7-ホスファアダマンタン(PTA)、ビス(p-スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二水和物カリウム塩、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、及びトリフェニルホスフィン-3,3’,3”-トリスルホン酸三ナトリウム塩などの水溶性ホスフィンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、Pd(0)は、Pd(II)錯体[(PdCl(C))]をTHPとその場で混合することによって調製される。Pd(II)錯体とTHPとのモル比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、又は1:10であり得る。いくつかの更なる実施形態では、アスコルビン酸又はその塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)などの1つ以上の還元剤を添加してもよい。いくつかの実施形態では、切断混合物は、一級アミン、二級アミン、三級アミン、炭酸塩、リン酸塩、若しくはホウ酸塩、又はそれらの組み合わせなどの追加の緩衝試薬を含有し得る。いくつかの更なる実施形態では、緩衝剤試薬は、エタノールアミン(ethanolamine、EA)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、グリシン、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、2-ジメチルエタノールアミン(dimethylethanolamine、DMEA)、2-ジエチルエタノールアミン(diethylethanolamine、DEEA)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(tetramethylethylenediamine、TEMED)、若しくはN,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジアミン(tetraethylethylenediamine、TEEDA)、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、緩衝剤試薬は、DEEAである。別の実施形態では、緩衝剤試薬は、炭酸塩、リン酸塩、若しくはホウ酸塩、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の無機塩を含有する。一実施形態では、無機塩は、ナトリウム塩である。
リンカー
蛍光標識は、開裂可能なリンカーを介してヌクレオチドに共有結合され得る。用語「開裂可能なリンカー」の使用は、リンカー全体を除去する必要があることを意味するものではない。開裂部位は、リンカーの一部が、開裂後に色素及び/又は基材部分に付着したままであることを確実にするリンカー上の位置に配置され得る。開裂可能なリンカーは、非限定的な例として、求電子的に開裂可能なリンカー、求核的に開裂可能なリンカー、光開裂可能リンカー、還元条件下で開裂可能なリンカー(例えば、ジスルフィド又はアジド含有リンカー)、酸化的条件で開裂可能なリンカー、安全装置リンカーの使用によって開裂可能なリンカー、除去機構によって開裂可能であるリンカーであり得る。色素化合物を基材部分に付着させるために開裂可能なリンカーを使用することにより、必要に応じて、検出後に標識を除去することができ、下流の工程においていかなる干渉シグナルも回避することができる。
有用なリンカー基は、PTC公開第WO2004/018493号(参照により本明細書において組み込まれる)に記載されており、その例としては、遷移金属及び少なくとも部分的に水溶性リガンドから形成された水溶性ホスフィン又は水溶性遷移金属触媒を使用して開裂され得るリンカーが挙げられる。水溶液中で、後者は、少なくとも部分的に水溶性の遷移金属錯体を形成する。このような開裂可能なリンカーは、ヌクレオチドの塩基を、本明細書に記載される色素などの標識に接続するために使用することができる。
特定のリンカーには、PCT公開第WO2004/018493号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものが含まれ、式:
Figure 2023552936000022
(式中、Xは、O、S、NH、及びNQを含む基から選択され、Qは、C1~10の置換又は非置換アルキル基であり、Yは、O、S、NH、及びN(アリル)を含む基から選択され、Tは、水素又はC~C10置換又は非置換アルキル基であり、は、その部分がヌクレオチドの残りの部分に接続される位置を示す)の部分を含むものなどが挙げられる。いくつかの態様において、リンカーは、ヌクレオチドの塩基を標識に接続する。
リンカーの追加の例としては、以下の式の部分を含むものなど、米国特許出願公開第2016/0040225号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものが挙げられる
Figure 2023552936000023
(式中、は、その部分がヌクレオチドの残りの部分に接続される位置を示す)。本明細書に示されるリンカー部分は、ヌクレオチドと標識との間の全体又は部分的なリンカー構造を含み得る。本明細書に示されるリンカー部分は、ヌクレオチドと標識との間の全体又は部分的なリンカー構造を含み得る。
リンカーの追加の例には、以下の式:
Figure 2023552936000024
の部分が含まれ、式中、Bは、核酸塩基であり、Zは、-N(アジド)、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cアルケニル、又は-O-C-Cアルキニルであり、Flは、追加のリンカー構造を含有し得る色素部分を含む。当業者は、本明細書に記載の色素化合物が、色素化合物の官能基(例えば、カルボキシル)をリンカーの官能基(例えば、アミノ)と反応させることによってリンカーに共有結合していることを理解する。一実施形態では、切断可能なリンカーは、
Figure 2023552936000025
(「AOL」リンカー部分)を含み、式中、Zは、-O-アリルである。
色素は、例えばリンカーを介してヌクレオチド塩基上の任意の位置に取り付けられてもよい。特定の実施形態において、ワトソン・クリック塩基対合が、得られた類似体に対して依然として実行され得る。特定の核塩基標識部位としては、ピリミジン塩基のC5位置、又は7-デアザプリン塩基のC7位置が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドが組み込み時に非標識であり、親和性試薬に依存して、検出可能な標識を伸長したプライマーポリヌクレオチドに付加する場合、非標識ヌクレオチドは、ハプテンを結合するための開裂可能なリンカーを依然として含み得る。本明細書に記載の開裂可能なリンカーはまた、二次標識方法が親和性試薬を使用して伸長したプライマーポリヌクレオチド/標的ポリヌクレオチド複合体に標識を付加するために使用される場合、色素を親和性試薬に結合させるために使用され得る。
標識ヌクレオチド
本明細書に記載の色素で標識されたヌクレオチドは、式:
Figure 2023552936000026
を有し、式中、Dyeは、本明細書に記載の色素化合物(標識)部分であり(色素の官能基とリンカー「L」の官能基との間の共有結合後)、Bは、例えばウラシル、チミン、シトシン、アデニン、7-デアザアデニン、グアニン、7-デアザグアニンなどの核酸塩基であり、Lは、存在し得るか又は存在し得ない、任意選択的なリンカー基であり、R’は、Hであることができ、-OR’は、一リン酸、二リン酸、三リン酸、チオリン酸、リン酸エステル類似体、反応性リン含有基に結合した-O-、又は遮断基によって保護された-O-であり、R”は、H又はOHであり、R’’’は、H、本明細書に記載の3’OH遮断基であるか、又は-OR’’’は、ホスホラミダイトを形成する。式中、-OR’’’は、ホスホラミダイトであり、R’は、自動合成条件下でその後のモノマーカップリングを可能にする酸開裂可能なヒドロキシル保護基である。いくつかの更なる実施形態において、Bは、
Figure 2023552936000027
又はそれらの任意選択的に置換された誘導体及び類似体を含む。いくつかの更なる実施形態では、標識核酸塩基は、構造
Figure 2023552936000028
を含む。
特定の実施形態において、遮断基は、色素化合物とは別個かつ独立しており、すなわち、色素化合物には結合していない。代替的に、色素は、3’-OH遮断基の全て又は一部を含んでもよい。したがって、R’’’は、色素化合物を含んでも含まなくてもよい3’-OH遮断基であり得る。
更に別の代替的な実施形態において、ペントース糖の3’炭素上に遮断基は存在せず、例えば、塩基に結合した色素(又は色素及びリンカー構造物)が、更なるヌクレオチドの組み込みに対するブロックとして作用するのに十分なサイズ又は構造であり得る。したがって、色素が糖の3’位置に結合されているかどうかに関わらず、ブロックは立体的妨害物に起因し得るか、又は、サイズ、電荷、及び構造の組み合わせに起因し得る。
更に別の代替的な実施形態において、遮断基はペントース糖の2’又は4’炭素上に存在し、更なるヌクレオチドの組み込みに対してブロックとして作用するのに十分なサイズ又は構造であることができる。
いくつかの実施形態において、リンカー(色素とヌクレオチドとの間)及び遮断基が両方とも存在し、互いに別個の部分である。特定の実施形態において、リンカー及び遮断基は、同じ又は実質的に同様の条件下で両方とも開裂可能である。したがって、脱保護及び脱ブロッキングプロセスは、色素化合物及びブロッキング基の両方を除去するために単一の処理のみが必要となるため、より効率的であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、リンカー及び遮断基は、別個の条件下で個別に開裂可能である代わりに、同様の条件下で開裂可能である必要はない。
本開示はまた、色素化合物を組み込むポリヌクレオチドも包含する。このようなポリヌクレオチドは、ホスホジエステル連結で接合されたデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドからそれぞれなるDNA又はRNAであってもよい。ポリヌクレオチドは、自然由来のヌクレオチド、本明細書に記載される標識化されたヌクレオチド以外の非自然由来(又は修飾)ヌクレオチド、又はこれらの任意の組み合わせを、本明細書に記載されるような少なくとも1つの修飾ヌクレオチド(例えば、色素化合物で標識化されたもの)と組み合わせて含むことができる。本開示によるポリヌクレオチドは、非自然由来の骨格結合及び/又は非ヌクレオチド化学修飾も含み得る。少なくとも1つの標識ヌクレオチドを含むリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドの混合物からなるキメラ構造も想到される。
本明細書に記載される非限定的な標識ヌクレオチドコンジュゲートには:
Figure 2023552936000029
が含まれ、式中、Lは、リンカーを表し、Rは、上記のリボース若しくはデオキシリボース部分、又は5’位置が一リン酸、二リン酸、若しくは三リン酸で置換されたリボース若しくはデオキシリボース部分を表す。
いくつかの実施形態において、開裂可能なリンカー及び蛍光部分を含む非限定的な例示的な完全官能化ヌクレオチドコンジュゲートは、以下:
Figure 2023552936000030
Figure 2023552936000031
Figure 2023552936000032
に示され、式中、PGは、本明細書に記載の3’OH遮断基を表し、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の整数であり、kは、0、1、2、3、4、又は5である。一実施形態では、-O-PGは、AOMである。別の実施形態では、-O-PGは、-O-アジドメチルである。一実施形態において、kは、5である。いくつかの更なる実施形態において、pは、1、2、又は3であり、kは、5である。
Figure 2023552936000033
は、リンカー部分のアミノ基とDye(すなわち、本明細書に記載の青色色素又は紫色色素)のカルボキシル基との間の反応の結果として、開裂可能なリンカーを有するDyeの接続点を指す。本明細書に記載の標識ヌクレオチドの任意の実施形態では、ヌクレオチドは、ヌクレオチド三リン酸である。代替的に、ffNが標識されていない場合、Dye部分は、非標識ヌクレオチドと本明細書に記載の親和性試薬との結合を可能にすることができる官能部分(例えば、ハプテン)で置き換えられ得る。
実施例
追加的実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示されるが、これらの実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
実施例1.紫色照射を405nmで使用したDNA光損傷の評価
この実施例では、405nmの紫色光によって引き起こされた、損傷したDNAを評価した。トリス緩衝液(pH=8、100mM)中の一本鎖DNAを、紫色色素DY405に共有結合したか、又は緩衝液中のDY405の存在下で、紫色LED下で2時間照射した。DY405がDNAの5’末端に共有結合されていた場合、照射によって引き起こされたDNAに対する光損傷は、DY405を添加した緩衝液中にDNAを混合した場合と比較して、実質的に増加されたことが観察された。結果を、図1に示した。
実施例2.青色/紫色2チャネルMiSeq(登録商標)システムを使用した合成による配列決定
この実施例では、合成による配列決定は、2チャネル青色/紫色として構成されたMiSeq(登録商標)装置で行われた。標準配列決定試薬を使用した。標準SBSにおける組み込み混合物を表1に要約する。これらのデータに示される配列決定したライブラリは、PhiXである。
標準SBS取り込み混合物では、使用した紫色色素は、DY405である。ffT及びffCの両方とも、DY405で標識した。ffA及びffCを標識するために、青色DyeAを使用した。緑色ffNもまた、紫色及び青色チャネルにおけるシグナル強度を低下させるために導入し、正方形の散布プロットを分析後に好ましい形状で得た。ffGは、非標識だった(「暗色G」)。組み込み混合物中のヌクレオチドの構造を、以下に示す。ffC-sPA-DY405及びffT-LN3-DY405の両方とも、pppC-sPA-NH又はpppT-LN3-NHをDy405-NHS(5mg)と反応させることによる標準ffNカップリング反応を使用することによって調製した。
Figure 2023552936000034
Figure 2023552936000035
Figure 2023552936000036
DY405標識ストレプトアビジンの調製。第1に、無水DMA中でヒューニッヒ塩基及びTSTUの存在下、DY405をN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロホウ酸塩)(1.5当量)と30分間反応させることによって、DY405をDY405-NHSに変換した。第2に、ストレプトアビジン粉末を水及びNaHCO緩衝液に溶解した。第1のステップから調製されたDY405-NHSをストレプトアビジン溶液に移し、時折混合しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、5M NaCl溶液を反応混合物に添加した。Thermo Fisher Dye除去カラムを使用して過剰な色素を除去することによって、反応生成物を精製した。反応生成物の定量化は、最終色素/タンパク質比が約3.1~3.4だったことを示した。
二次標識SBSでは、dTTP及びdCTPについて二次標識を使用した。二次標識SBS取り込み混合物において、ffTは、非標識であり、ビオチン部分を含んだ。ffCは、非標識及び青色色素Aで標識されているの両方であり、ffAは、青色色素Aで標識されていた。組み込み混合物を、表2に要約する。二次標識SBSにおいて、追加のステップが、標準的な組み込み後に配列決定法で必要とされた。1つのヌクレオチドの組み込み後、DY405標識ストレプトアビジンの溶液を、フローセルでフラッシュして60℃で25秒間インキュベートし、続いて、第1及び第2の撮像イベントを行う前に緩衝液洗浄を行った。ストレプトアビジン-DY405溶液は、5mM Tris、pH7.5中に5ug/mlのストレプトアビジン-DY405、NaCl、EDTA、Tween(登録商標)20(ポリソルベート20)を含有した。市販のMiSeq(登録商標)フローセルをこの実験に使用した。図2は、二次標識SBSを用いて得られた散布図を示し、この配列決定法の有用性を実証する。
Figure 2023552936000037
Figure 2023552936000038
Figure 2023552936000039
表3は、二次標識SBS及び標準SBSの両方における一次配列決定メトリクスを示す(R1=二次標識SBS及びR2=標準SBS)。結果は、青色/紫色2チャネル配列決定が、紫色色素の二次標識を伴う修飾方法に匹敵することを示す。
しかしながら、青色/紫色(B/V)チャネルを使用する50サイクル実行について観察されたフェージング%及びシグナル減衰%は、標準的な青色/緑色(B/G)配列決定におけるよりもはるかに高い(表4)。
Figure 2023552936000040
更なる実験を行って、ヌクレオチド取り込み時間及び紫色照光時間に関連するシグナル減衰の原因を理解した。紫色光の照射量の増加及び紫色光曝露時間の増加の両方が、シグナル減衰を悪化させることが発見された。しかしながら、ヌクレオチド取り込み時間を増加させることによって、フェージング%が実質的に減少し、結果として、シグナル減衰も改善された。更に、シグナル減衰もまた、紫色光の減少した損失及びより短い曝露時間(例えば、紫色曝露時間を250msから170msに短縮させる)を用いた、より明るいフローセルを使用することによって改善した。

Claims (59)

  1. 標的ポリヌクレオチドの配列を決定するための方法であって、
    (a)プライマーポリヌクレオチドを、第1のタイプのヌクレオチド、第2のタイプのヌクレオチド、第3のタイプのヌクレオチド、及び第4のタイプのヌクレオチドのうちの1つ以上を含む混合物と接触させることであって、前記プライマーポリヌクレオチドが、前記標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部に相補的である、接触させることと、
    (b)前記混合物から前記プライマーポリヌクレオチドに1つのタイプのヌクレオチドを組み込んで、伸長したプライマーポリヌクレオチドを生成することと、
    (c)第1の励起光源を使用して第1の撮像イベントを行い、第1の発光フィルタで前記伸長したプライマーポリヌクレオチドから第1の発光シグナルを収集することと、
    (d)第2の励起光源を使用して第2の撮像イベントを行い、第2の発光フィルタで前記伸長したプライマーポリヌクレオチドから第2の発光シグナルを収集することと、を含み、
    前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの一方が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの他方が、約450nm~約460nmの波長を有し、
    前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの一方が、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの他方が、約480nm~約525nmの検出波長を有する、方法。
  2. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能である、第1の検出可能な標識で標識されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のタイプのヌクレオチドが、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、第2の検出可能な標識で標識されており、前記第2のタイプの検出可能な標識が、前記第1のタイプの検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第3のタイプのヌクレオチドが、第1の検出可能な標識及び第2の検出可能な標識の両方で標識されており、前記第3のタイプのヌクレオチドが、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源の両方によって励起可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第3のタイプのヌクレオチドが、第3の標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、第4の標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドとの混合物を含み、前記第3の標識が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記第4の標識が、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のタイプ、前記第2のタイプ、及び前記第3のタイプのヌクレオチドの各々が、非標識であり、前記方法が、前記第1の撮像イベントの前に、前記伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬のセットと接触させることを含み、前記セット中の少なくとも1つの親和性試薬が、前記組み込まれた第1のタイプ、第2のタイプ、又は第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記親和性試薬のセットが、前記第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬と、前記第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬と、を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の親和性試薬が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、前記第2の親和性試薬が、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、前記第1の検出可能な標識が、前記第2の検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1の親和性試薬及び前記第2の親和性試薬の両方が、前記第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記親和性試薬のセットが、前記第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含み、前記第3の親和性試薬が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第3の検出可能な標識と、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識と、を含む、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、第1のハプテンを含み、前記第1の親和性試薬が、前記第1のハプテンに特異的に結合する第1のハプテン結合パートナーを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1のハプテンが、ビオチン部分を含み、前記第1のハプテン結合パートナーが、ストレプトアビジンを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2のタイプのヌクレオチドが、第2のハプテンを含み、前記第2の親和性試薬が、前記第2のハプテンに特異的に結合する第2のハプテン結合パートナーを含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第2のハプテンが、クロロアルキル基を含み、前記第2のハプテン結合パートナーが、HaloTag(登録商標)を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、第1の検出可能な標識で標識されており、前記第2のタイプのヌクレオチドが、非標識であり、前記第3のタイプのヌクレオチドが、非標識及び前記第1の検出可能な標識で標識されているの両方であり、前記第1の標識が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記方法が、前記第1の撮像イベントの前に、前記伸長したプライマーヌクレオチドを親和性試薬と接触させることを含み、前記親和性試薬が、前記第2のタイプの非標識ヌクレオチド又は前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記親和性試薬が、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記親和性試薬が、ストレプトアビジンを含み、前記第2のタイプのヌクレオチド及び前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドの両方が、ビオチン部分を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、非標識であり、前記第2のタイプのヌクレオチドが、前記第2の検出可能な標識で標識されており、前記第3のタイプのヌクレオチドが、非標識及び前記第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、前記第2の検出可能な標識が、前記第2の励起抗原によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能であり、前記方法が、前記第1の撮像イベント前に、前記伸長したプライマーポリヌクレオチドを親和性試薬と接触させることを含み、前記親和性試薬が、前記第1のタイプの非標識ヌクレオチド又は前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記親和性試薬が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記親和性試薬が、ストレプトアビジンを含み、前記第1のタイプのヌクレオチド及び前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドの両方が、ビオチン部分を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第4のタイプのヌクレオチドが、非標識(暗色)であるか、又は前記第1の撮像イベント若しくは前記第2の撮像イベントのいずれからも発光を有しない蛍光部分で標識されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記4つのタイプのヌクレオチドが、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTP若しくはdUTP、又はそれらの非天然ヌクレオチド類似体を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記混合物中の前記4つのタイプのヌクレオチドの各々が、3’ヒドロキシル遮断基を有する、請求項22に記載の方法。
  24. (e)前記第2の撮像イベントの後、及び次の配列決定サイクルの前に、前記組み込まれたヌクレオチドから前記3’ヒドロキシル遮断基を除去することを更に含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 複数のサイクルについてステップ(a)~(e)を繰り返すことと、
    連続的に組み込まれたヌクレオチドに基づいて、前記標的ポリヌクレオチドの配列を決定することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
  26. ステップ(a)~(e)が、少なくとも50サイクル繰り返される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源の各々が、レーザー、発光ダイオード(LED)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記第1の励起光源が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の発光フィルタが、約415nm~約450nmの検出波長を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記第2の励起光源が、約450nm~約460nmの波長を有し、前記第2の発光フィルタが、約480nm~約525nmの検出波長を有する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1の励起光源が、約450nm~約460nmの波長を有し、前記第1の発光フィルタが、約480nm~約525nmの検出波長を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第2の励起光源が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第2の発光フィルタが、約415nm~約450nmの検出波長を有する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記伸長したプライマーポリヌクレオチドが、前記第1の撮像イベント及び前記第2の撮像イベント中に1つ以上の抗酸化剤を含む緩衝溶液中にある、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記標的ポリヌクレオチドが、固体支持体に固定されている、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記固体支持体が、複数の固定された標的ポリヌクレオチドを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記固体支持体が、フローセルを含む、請求項33又は34に記載の方法。
  36. 前記フローセルが、複数のナノウェルを含むパターン化されたフローセルであり、各ナノウェルが、1つの固定された標的ポリヌクレオチドを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記固体支持体上の前記固定された標的ポリヌクレオチドの密度が、約100k/mm~約300k/mmである、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 配列決定用途のためのキットであって、
    第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
    第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
    前記第1の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、
    前記第2の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
    前記第1の検出可能な標識及び前記第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、前記第1の検出可能な標識が、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記第2の検出可能な標識が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
    前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの一方が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの他方が、約450nm~約460nmの波長を有し、
    前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの一方が、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの他方が、約480nm~約525nmの検出波長を有する、キット。
  39. 配列決定用途のためのキットであって、
    第1の検出可能な標識で標識された第1のタイプのヌクレオチドと、
    第2の検出可能な標識で標識された第2のタイプのヌクレオチドと、
    第3の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、
    第4の検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドと、を含み、
    前記第1の検出可能な標識及び前記第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、前記第1の検出可能な標識が、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記第2の検出可能な標識が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能であり、
    前記第3の検出可能な標識及び前記第4の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、前記第3の検出可能な標識が、前記第1の光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記第4の検出可能な標識が、前記第2の光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能であり、
    前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの一方が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの他方が、約450nm~約460nmの波長を有し、
    前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの一方が、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの他方が、約480nm~約525nmの検出波長を有する、キット。
  40. 配列決定用途のためのキットであって、
    第1のタイプの非標識ヌクレオチドと、
    第2のタイプの非標識ヌクレオチドと、
    第3のタイプの非標識ヌクレオチドと、
    親和性試薬のセットであって、
    前記第1のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、及び
    前記第2のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬を含み、
    前記第1の親和性試薬が、第1の励起光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、前記第2の親和性試薬が、第2の励起光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第2の検出可能な標識を含み、前記第1の検出可能な標識が、前記第2の検出可能な標識とスペクトル的に区別可能である、親和性試薬のセットと、を含み、
    前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの一方が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの他方が、約450nm~約460nmの波長を有し、
    前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの一方が、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの他方が、約480nm~約525nmの検出波長を有する、キット。
  41. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、第1のハプテンを含み、前記第1の親和性試薬が、前記第1のハプテンに特異的に結合する第1のハプテン結合パートナーを含む、請求項40に記載のキット。
  42. 前記第1のハプテンが、ビオチン部分を含み、前記第1のハプテン結合パートナーが、ストレプトアビジンを含む、請求項41に記載のキット。
  43. 前記第2のタイプのヌクレオチドが、第2のハプテンを含み、前記第2の親和性試薬が、前記第2のハプテンに特異的に結合する第2のハプテン結合パートナーを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載のキット。
  44. 前記第2のハプテンが、クロロアルキル基を含み、前記第2のハプテン結合パートナーが、HaloTag(登録商標)を含む、請求項43に記載のキット。
  45. 前記第3のタイプのヌクレオチドが、第1のハプテン及び第2のハプテンの両方を含み、前記第1の親和性試薬及び前記第2の親和性試薬の両方が、前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する、請求項39~44のいずれか一項に記載のキット。
  46. 前記親和性試薬のセットが、前記第3のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第3の親和性試薬を更に含み、前記第3の親和性試薬が、前記第1の励起光源によって励起可能かつ前記第1の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第3の検出可能な標識と、前記第2の励起光源によって励起可能かつ前記第2の発光フィルタによって検出可能である、1つ以上の第4の検出可能な標識と、を含む、請求項40~44のいずれか一項に記載のキット。
  47. 配列決定用途のためのキットであって、
    非標識又は第1の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第1のタイプのヌクレオチドと、
    非標識又は第2の検出可能な標識で標識されているのいずれかの第2のタイプのヌクレオチドとであって、前記第1のタイプのヌクレオチド及び前記第2のタイプのヌクレオチドのうちの一方が、非標識である、第1のタイプのヌクレオチドと、第2のタイプのヌクレオチドと、
    第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び前記第1又は前記第2のタイプのヌクレオチドのいずれかと同じ検出可能な標識で標識された第3のタイプのヌクレオチドであって、前記第1の検出可能な標識及び前記第2の検出可能な標識が、互いにスペクトル的に区別可能であり、前記第1の検出可能な標識が、第1の光源によって励起可能かつ第1の発光フィルタによって検出可能であり、前記第2の検出可能な標識が、第2の光源によって励起可能かつ第2の発光フィルタによって検出可能である、第3のタイプのヌクレオチドと、
    親和性試薬であって、前記第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び前記第1のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に前記第1のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬、又は前記第3のタイプの非標識ヌクレオチド、及び前記第2のタイプのヌクレオチドが非標識である場合に前記第2のタイプのヌクレオチドに特異的に結合する第2の親和性試薬のいずれかを含み、前記第1の親和性試薬が、1つ以上の第1の検出可能な標識を含み、前記第2の親和性試薬が、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む、親和性試薬と、を含み、
    前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの一方が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の励起光源及び前記第2の励起光源のうちの他方が、約450nm~約460nmの波長を有し、
    前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの一方が、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第1の発光フィルタ及び前記第2の発光フィルタのうちの他方が、約480nm~約525nmの検出波長を有する、キット。
  48. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、非標識であり、前記第2のタイプのヌクレオチドが、第2の検出可能な標識で標識されており、前記第3のタイプのヌクレオチドが、非標識及び第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、前記親和性試薬が、前記第1のタイプのヌクレオチド及び前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する第1の親和性試薬であり、前記第1の親和性試薬が、1つ以上の第1の検出可能な標識を含む、請求項47に記載のキット。
  49. 前記第1のタイプのヌクレオチドが、第1の検出可能な標識で標識されており、前記第2のタイプのヌクレオチドが、非標識であり、前記第3のタイプのヌクレオチドが、非標識及び第2の検出可能な標識で標識されているの両方であり、前記親和性試薬が、前記第2のタイプのヌクレオチド及び前記第3のタイプの非標識ヌクレオチドに特異的に結合する前記第2の親和性試薬であり、前記第2の親和性試薬が、1つ以上の第2の検出可能な標識を含む、請求項47に記載のキット。
  50. 前記第1のタイプ又は前記第2のタイプのヌクレオチドのいずれかが非標識である場合、前記非標識ヌクレオチドが、独立してハプテンを含む、請求項47~49のいずれか一項に記載のキット。
  51. 前記親和性試薬が、前記非標識ヌクレオチドにおける前記ハプテンに特異的に結合するハプテン結合パートナーを含む、請求項50に記載のキット。
  52. 前記ハプテンが、ビオチン部分又はクロロアルキル基を含む、請求項50又は51に記載のキット。
  53. 前記ハプテン結合パートナーが、ストレプトアビジン又はHaloTag(登録商標)を含む、請求項51又は52に記載のキット。
  54. 前記第1の励起光源が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第1の発光フィルタが、約415nm~約450nmの検出波長を有し、前記第2の励起光源が、約450nm~約460nmの波長を有し、前記第2の発光フィルタが、約480nm~約525nmの検出波長を有する、請求項38~53のいずれか一項に記載のキット。
  55. 前記第1の励起光源が、約450nm~約460nmの波長を有し、前記第1の発光フィルタが、約480nm~約525nmの検出波長を有し、前記第2の励起光源が、約350nm~約410nmの波長を有し、前記第2の発光フィルタが、約415nm~約450nmの検出波長を有する、請求項38~53のいずれか一項に記載のキット。
  56. 第4のタイプのヌクレオチドを更に含み、前記第4のタイプのヌクレオチドが、非標識(暗色)である、請求項38~55のいずれか一項に記載のキット。
  57. DNAポリメラーゼ及び1つ以上の緩衝組成物を更に含む、請求項38~56のいずれか一項に記載のキット。
  58. 少なくとも1つの緩衝組成物が、前記第1の励起光源及び/又は前記第2の励起光源によって引き起こされるDNA光損傷を低減するための1つ以上の抗酸化剤を含む、請求項57に記載のキット。
  59. 複数の固定されたオリゴヌクレオチドを含む1つ以上の固体支持体を更に含み、前記固体支持体上の前記固定されたオリゴヌクレオチドの密度が、約100k/mm~約300k/mmである、請求項38~58のいずれか一項に記載のキット。
JP2022580798A 2020-12-22 2021-12-21 核酸配列決定のための方法及び組成物 Pending JP2023552936A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063129137P 2020-12-22 2020-12-22
US63/129,137 2020-12-22
PCT/EP2021/087044 WO2022136402A1 (en) 2020-12-22 2021-12-21 Methods and compositions for nucleic acid sequencing

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023552936A true JP2023552936A (ja) 2023-12-20

Family

ID=79686924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022580798A Pending JP2023552936A (ja) 2020-12-22 2021-12-21 核酸配列決定のための方法及び組成物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20220195518A1 (ja)
EP (1) EP4267765A1 (ja)
JP (1) JP2023552936A (ja)
KR (1) KR20230123871A (ja)
CN (1) CN115803458A (ja)
AU (1) AU2021406375A1 (ja)
CA (1) CA3182311A1 (ja)
WO (1) WO2022136402A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230383342A1 (en) * 2022-05-31 2023-11-30 Illumina Cambridge Limited Compositions and methods for nucleic acid sequencing
US20240327909A1 (en) * 2023-03-30 2024-10-03 Illumina, Inc. Compositions and methods for nucleic acid sequencing

Family Cites Families (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8822228D0 (en) 1988-09-21 1988-10-26 Southern E M Support-bound oligonucleotides
US5800992A (en) 1989-06-07 1998-09-01 Fodor; Stephen P.A. Method of detecting nucleic acids
US6346413B1 (en) 1989-06-07 2002-02-12 Affymetrix, Inc. Polymer arrays
DE3924454A1 (de) 1989-07-24 1991-02-07 Cornelis P Prof Dr Hollenberg Die anwendung von dna und dna-technologie fuer die konstruktion von netzwerken zur verwendung in der chip-konstruktion und chip-produktion (dna chips)
US5302509A (en) 1989-08-14 1994-04-12 Beckman Instruments, Inc. Method for sequencing polynucleotides
ES2097925T3 (es) 1991-09-18 1997-04-16 Affymax Tech Nv Metodo para sintetizar diversas colecciones de oligomeros.
ATE241426T1 (de) 1991-11-22 2003-06-15 Affymetrix Inc A Delaware Corp Verfahren zur herstellung von polymerarrays
EP1382386A3 (en) 1992-02-19 2004-12-01 The Public Health Research Institute Of The City Of New York, Inc. Novel oligonucleotide arrays and their use for sorting, isolating, sequencing, and manipulating nucleic acids
US5583211A (en) 1992-10-29 1996-12-10 Beckman Instruments, Inc. Surface activated organic polymers useful for location - specific attachment of nucleic acids, peptides, proteins and oligosaccharides
US5472672A (en) 1993-10-22 1995-12-05 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Apparatus and method for polymer synthesis using arrays
US6156501A (en) 1993-10-26 2000-12-05 Affymetrix, Inc. Arrays of modified nucleic acid probes and methods of use
EP0730663B1 (en) 1993-10-26 2003-09-24 Affymetrix, Inc. Arrays of nucleic acid probes on biological chips
US5429807A (en) 1993-10-28 1995-07-04 Beckman Instruments, Inc. Method and apparatus for creating biopolymer arrays on a solid support surface
US5807522A (en) 1994-06-17 1998-09-15 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for fabricating microarrays of biological samples
US5846719A (en) 1994-10-13 1998-12-08 Lynx Therapeutics, Inc. Oligonucleotide tags for sorting and identification
US5556752A (en) 1994-10-24 1996-09-17 Affymetrix, Inc. Surface-bound, unimolecular, double-stranded DNA
US5624711A (en) 1995-04-27 1997-04-29 Affymax Technologies, N.V. Derivatization of solid supports and methods for oligomer synthesis
US5545531A (en) 1995-06-07 1996-08-13 Affymax Technologies N.V. Methods for making a device for concurrently processing multiple biological chip assays
ATE496288T1 (de) 1995-10-11 2011-02-15 Luminex Corp Gleichzeitige mehrfachanalyse klinischer proben
US5658734A (en) 1995-10-17 1997-08-19 International Business Machines Corporation Process for synthesizing chemical compounds
US6458530B1 (en) 1996-04-04 2002-10-01 Affymetrix Inc. Selecting tag nucleic acids
US6297006B1 (en) 1997-01-16 2001-10-02 Hyseq, Inc. Methods for sequencing repetitive sequences and for determining the order of sequence subfragments
AU6846698A (en) 1997-04-01 1998-10-22 Glaxo Group Limited Method of nucleic acid amplification
US6465178B2 (en) 1997-09-30 2002-10-15 Surmodics, Inc. Target molecule attachment to surfaces
US6485944B1 (en) 1997-10-10 2002-11-26 President And Fellows Of Harvard College Replica amplification of nucleic acid arrays
US6087102A (en) 1998-01-07 2000-07-11 Clontech Laboratories, Inc. Polymeric arrays and methods for their use in binding assays
US6287776B1 (en) 1998-02-02 2001-09-11 Signature Bioscience, Inc. Method for detecting and classifying nucleic acid hybridization
JP3944996B2 (ja) 1998-03-05 2007-07-18 株式会社日立製作所 Dnaプローブアレー
US6031078A (en) 1998-06-16 2000-02-29 Millennium Pharmaceuticals, Inc. MTbx protein and nucleic acid molecules and uses therefor
IL141148A0 (en) 1998-07-30 2002-02-10 Solexa Ltd Arrayed biomolecules and their use in sequencing
GB0002310D0 (en) 2000-02-01 2000-03-22 Solexa Ltd Polynucleotide sequencing
AR021833A1 (es) 1998-09-30 2002-08-07 Applied Research Systems Metodos de amplificacion y secuenciacion de acido nucleico
US6277628B1 (en) 1998-10-02 2001-08-21 Incyte Genomics, Inc. Linear microarrays
US6391937B1 (en) 1998-11-25 2002-05-21 Motorola, Inc. Polyacrylamide hydrogels and hydrogel arrays made from polyacrylamide reactive prepolymers
WO2000063437A2 (en) 1999-04-20 2000-10-26 Illumina, Inc. Detection of nucleic acid reactions on bead arrays
US6372813B1 (en) 1999-06-25 2002-04-16 Motorola Methods and compositions for attachment of biomolecules to solid supports, hydrogels, and hydrogel arrays
US6664061B2 (en) 1999-06-25 2003-12-16 Amersham Biosciences Ab Use and evaluation of a [2+2] photoaddition in immobilization of oligonucleotides on a three-dimensional hydrogel matrix
US6770441B2 (en) 2000-02-10 2004-08-03 Illumina, Inc. Array compositions and methods of making same
AU2001279244A1 (en) 2000-08-09 2002-02-18 Motorola, Inc. The use and evaluation of a (2+2) photocycloaddition in immobilization of oligonucleotides on a three-dimensional hydrogel matrix
SI3363809T1 (sl) 2002-08-23 2020-08-31 Illumina Cambridge Limited Modificirani nukleotidi za polinukleotidno sekvenciranje
PT2119722T (pt) 2002-08-23 2016-12-12 Illumina Cambridge Ltd Nucleótidos marcados
GB0321306D0 (en) 2003-09-11 2003-10-15 Solexa Ltd Modified polymerases for improved incorporation of nucleotide analogues
GB0326073D0 (en) 2003-11-07 2003-12-10 Solexa Ltd Improvements in or relating to polynucleotide arrays
EP3175914A1 (en) 2004-01-07 2017-06-07 Illumina Cambridge Limited Improvements in or relating to molecular arrays
EP1888743B1 (en) 2005-05-10 2011-08-03 Illumina Cambridge Limited Improved polymerases
JPWO2008090760A1 (ja) * 2007-01-26 2010-05-20 コニカミノルタエムジー株式会社 蛍光検出装置、マイクロチップ、及び検査システム
PT3623481T (pt) 2011-09-23 2021-10-15 Illumina Inc Composições para sequenciação de ácidos nucleicos
JP6522339B2 (ja) * 2011-11-21 2019-05-29 プロメガ コーポレイションPromega Corporation カルボキシxローダミン類似体
US9012022B2 (en) 2012-06-08 2015-04-21 Illumina, Inc. Polymer coatings
US20140065628A1 (en) * 2012-08-28 2014-03-06 Integenx Inc. Methods and Devices for Multi-Color, Out-of-Phase Detection in Electrophoresis
KR102230831B1 (ko) 2013-03-15 2021-03-22 일루미나 케임브리지 리미티드 변형된 뉴클레오사이드 또는 뉴클레오타이드
GB201414098D0 (en) 2014-08-08 2014-09-24 Illumina Cambridge Ltd Modified nucleotide linkers
US10385214B2 (en) 2016-09-30 2019-08-20 Illumina Cambridge Limited Fluorescent dyes and their uses as biomarkers
EP4257596A3 (en) 2016-12-22 2023-12-06 Illumina Cambridge Limited Coumarin compounds and their uses as fluorescent labels
WO2018129214A1 (en) * 2017-01-04 2018-07-12 Complete Genomics, Inc. Stepwise sequencing by non-labeled reversible terminators or natural nucleotides
MX2020013347A (es) 2018-10-31 2021-04-28 Illumina Inc Polimerasas, composiciones y metodos de uso.
BR112020026655A2 (pt) 2018-12-05 2021-04-06 Illumina, Inc. Polimerases, composições e métodos de uso
US11293061B2 (en) 2018-12-26 2022-04-05 Illumina Cambridge Limited Sequencing methods using nucleotides with 3′ AOM blocking group
KR20210134210A (ko) 2019-03-01 2021-11-09 일루미나 케임브리지 리미티드 삼차 아민 치환된 쿠마린 화합물 및 형광 표지로서의 이의 용도
MX2020013384A (es) 2019-03-01 2021-04-28 Illumina Cambridge Ltd Compuestos de comarina sustituidos con amina exocíclica y sus usos como etiquetas fluorescentes.
EP4065646A1 (en) 2019-11-27 2022-10-05 Illumina Cambridge Limited Cyclooctatetraene containing dyes and compositions

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021406375A1 (en) 2023-01-05
WO2022136402A1 (en) 2022-06-30
US20220195518A1 (en) 2022-06-23
KR20230123871A (ko) 2023-08-24
CA3182311A1 (en) 2022-06-30
EP4267765A1 (en) 2023-11-01
CN115803458A (zh) 2023-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102053108B1 (ko) 폴리메틴 화합물 및 형광 표지로서의 이의 용도
AU2016266981B2 (en) Polymethine compounds with long stokes shifts and their use as fluorescent labels
KR20230121556A (ko) 긴 스토크스 이동 크로메노퀴놀린 염료 및 서열분석 응용에서의 용도
CN111094315B (zh) 用于测序应用中的核苷酸的短悬垂臂连接基
JP2024516191A (ja) ビス-ホウ素縮合複素環を含有する蛍光色素及び配列決定における使用
JP2023552936A (ja) 核酸配列決定のための方法及び組成物
US20230383342A1 (en) Compositions and methods for nucleic acid sequencing
KR20230121555A (ko) 알킬피리디늄 쿠마린 염료 및 서열분석 응용에서의 용도
US20230357845A1 (en) Compositions and methods for improving sequencing signals
US20230304086A1 (en) Labeled avidin and methods for sequencing
JP2023552935A (ja) 核酸配列決定のための方法、システム、及び組成物