JP2023552056A - ビニル末端ポリオレフィンを介した非極性-極性ブロックコポリマーの調製 - Google Patents

ビニル末端ポリオレフィンを介した非極性-極性ブロックコポリマーの調製 Download PDF

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Abstract

本開示は、非極性-極性ジブロックコポリマーを調製する方法を含む。方法は、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合させてポリメリルアルミニウム種を生成し、次いで、これを加熱してビニル末端ポリオレフィンを生成することを含む。チオール化合物をビニル末端ポリオレフィンと反応させて、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を形成する。チオール化合物は、末端ヒドロキシル又は保護された末端アミンを含む。マクロ開始剤は、スルフィド含有ポリオレフィン中間体をリンカーと反応させることによって生成され、当該リンカーは、ハロゲン化アシル及び当該ハロゲン化アシルに対してアルファ炭素に結合したハロゲン原子を含む。マクロ開始剤、ラジカル試薬、及びCH2=CH-(X)モノマー(式中、Xは、-C(O)OR、-CN、又は-C(O)NHRであり、Rは、-H、直鎖(C1~C18)アルキル、又は分岐鎖(C1~C18)アルキルから選択される)を、可逆的不活性化ラジカル重合反応を介して反応させて、非極性-極性ジブロックコポリマーを生成する。

Description

本開示の実施形態は、概して、ビニル末端オレフィンポリマーを使用して非極性-極性ブロックコポリマーを生成するプロセスに関する。
過去数十年にわたって、ブロックコポリマーは、広範囲にわたる技術的用途でポリマー材料のクラスとして登場してきた。その化学構造(すなわち、形態、構造、及びドメインサイズ)が高度に調整可能であることから、ブロックコポリマーは、界面活性剤、熱可塑性エラストマー、ナノテンプレート、膜等として利用されてきた。
ポリオレフィンは、概ね、70×10メートルトン/年の規模で、エチレンと直鎖状α-オレフィンとの触媒挿入(共)重合によって工業的に生産されている。ポリオレフィンの結晶化度を調整して、靭性、弾性、及び耐溶媒性を含むがこれらに限定されない様々な特性を達成することができる。したがって、ポリオレフィンをブロックコポリマーに組み込むことには重要な価値がある。しかしながら、工業的なポリオレフィンの生産において使用される前期遷移元素触媒の親酸素性が高いことから、市販のポリオレフィンブロックコポリマーは、非極性コモノマーのみを含むものに限定されてきた。したがって、ポリオレフィンセグメント及び極性コモノマーに由来するポリマーセグメントの両方を含有する官能化ブロックコポリマーの調製は、依然として合成上の課題である。
ポリオレフィンセグメントを含有するブロックコポリマーを生産するために、一部の研究者によって官能化ビニルポリマーが合成された。官能化ビニルポリマーは、ポリプロピレンの触媒又は過酸化物分解に基づく天然の分子量制御によって生産され得る。しかしながら、官能化ビニルポリマーを生産するために使用される試薬は制御されないので、分子量が広範囲にわたり、ポリオレフィンブロックの分散度が低い官能化ビニル末端ポリオレフィンポリマーが生産される。
例えば非極性-極性ブロックコポリマー等の極性官能基を有する高純度ポリオレフィンを生産する方法を開発することが継続的に必要とされている。この方法は、ポリオレフィンの分子量又は分子量分布を制御する必要があり、ひいてはブロックコポリマーのポリオレフィンブロックを制御する必要がある。更に、この方法は、ブロックコポリマーの極性セグメントを制御する必要がある。
本開示の実施形態は、非極性-極性ジブロックコポリマーを調製する方法を含む。方法は、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合させて、ポリメリルアルミニウム種を生成することを含む。ポリメリル(polymeryl)アルミニウム種を加熱して、ビニル末端ポリオレフィンを生成する。チオール化合物をビニル末端ポリオレフィンと反応させて、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を形成する。当該チオール化合物は末端ヒドロキシル又は保護された末端アミンを含む。スルフィド含有ポリオレフィン中間体をリンカーと反応させて、マクロ開始剤を生成する。リンカーは、ハロゲン化アシル及び当該ハロゲン化アシルに対してアルファ炭素に結合したハロゲン原子を含む。マクロ開始剤、ラジカル試薬、及びCH=CH-(X)モノマーを、可逆的不活性化ラジカル重合反応を介して反応させて、非極性-極性ジブロックコポリマーを生成する。CH=CH-(X)モノマーの式中、Xは、独立して、-C(O)OR、-CN、又は-C(O)NHR(式中、Rは、-H、直鎖(C-C18)アルキル、又は分岐鎖(C-C18)アルキルから選択される)である。
ビニル末端ポリオレフィンのプロトンNMR(H NMR)のスペクトルである。 勾配/1000の関数としての、極性ブロックからのtert-ブチル共鳴又は非極性ブロックからのメチレン(CH)共鳴の、プロトンNMR(H NMR)シグナルの積分のグラフである。 極性ブロックからのtert-ブチル共鳴のプロトンシグナル及び非極性ブロックからのメチレン(CH)共鳴のプロトンシグナルである。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先される。
本明細書で説明するものと類似しているか等価である方法及び材料を様々な実施形態の実施又は試験で使用することができるが、本明細書では好適な方法及び材料について説明する。
特に記載しない限り、全ての百分率、部、比等は、重量基準である。量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい値の低い方及び好ましい値の高い方の列挙のいずれかとして与えられる場合、範囲が別個に開示されているかどうかに関わらず、任意の低い方の範囲の限度又は好ましい値と任意の高い方の範囲の限度又は好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示しているものと理解されるべきである。本明細書で数値の範囲が列挙されている場合、別途明記されない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び分数を含むことを意図する。本発明の範囲は、範囲を定義するときに列挙された特定の値に限定されることを意図するものではない。
値又は範囲の端点を説明する際に「約」という用語が使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は端点を含むと理解されるべきである。
本明細書で使用するとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する」、「を特徴とする」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの他の任意の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素に限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでいてもよい。更に、明示的に逆の記載がない限り、「又は」は、包括的な又はを指し、排他的な又はではない。
「から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲を、指定の材料又は工程、及び本開示の基本的及び新規の特徴に実質的に影響しないものに限定する。出願人が、「含む」等のオープンエンドな用語で実施形態又はその一部分を定義した場合、特に記載しない限り、説明は、「から本質的になる」という用語を使用してそのような実施形態も説明すると解釈されるべきである。
「a」又は「an」の使用は、様々な実施形態の要素及び成分を説明するために採用される。これは、単に便宜上のものであり、様々な実施形態の全般的な意味を与えるものである。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形が他を意味することが明らかでない限り、それには複数形も含まれる。
「ポリマー」という用語は、同じ種類であろうと異なる種類であろうと、モノマーを重合させることによって調製される化合物を指す。したがって、総称であるポリマーは、用語「ホモポリマー、」及び「コポリマー」を包含する。用語「ホモポリマー」は、1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指し、用語「コポリマー」は、2つ以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを指し、本開示の目的のために、「ターポリマー」及び「インターポリマー」を含み得る。
用語「ブロックコポリマー」は、マルチブロックインターポリマーを指し、2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロック又はセグメント(当該ブロック又はセグメントは化学的又は物理的特性が異なる)を特徴とする、重合形態の1つ以上のモノマーを含む。具体的には、用語「ブロックコポリマー」は、直鎖状に結合した2つ以上の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマーを指す。「ジブロックコポリマー」は、2つのブロック又はセグメントのみを含む。例えば、ジブロックコポリマーは、ポリエチレンセグメント及びポリアクリルアミドセグメントを含み得る。ブロックコポリマーは、両ポリマー分散度(D又はMw/Mn)の固有の分布によって特徴付けられ得る。用語「ジブロックコポリマー」は、直鎖状に結合した2つの化学的に異なる領域又はセグメントを有するコポリマーを指す。
1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、2つのブロック又はセグメント、非極性ブロック及び極性ブロックを含む。いくつかの実施形態では、非極性ブロックは、ポリオレフィンである。ポリオレフィンは、エチレンホモポリマー又はエチレン/α-オレフィンコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、極性ブロックは、ポリアクリレートコポリマーを含む。様々な実施形態では、極性ブロックは、アクリレートモノマー、t-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニルに由来する単位を含む。1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、ポリエチレン-ポリアクリレートジブロックコポリマーである。
用語「連鎖移動剤」は、活性触媒部位との可逆的又は不可逆的なポリメリル交換を引き起こすことができる化合物又は化合物の混合物を指す。不可逆的連鎖移動は、成長中のポリマー鎖が活性触媒から、ポリマー鎖成長の停止をもたらす連鎖移動剤に移動することを指す。可逆的連鎖移動とは、成長中のポリマー鎖が活性触媒と連鎖移動剤との間を往復して移動することを指す。用語「ポリメリル」とは、例えば連鎖移動剤からアルミニウムへの結合点において炭素上の水素原子が1つ欠けているポリマーを指す。
本開示の実施形態は、非極性-極性ジブロックコポリマーを調製する方法を含む。方法は、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合させて、ポリメリルアルミニウム種を生成し、次いで、これを加熱してビニル末端ポリオレフィンを生成することを含む。チオール化合物をビニル末端ポリオレフィンと反応させて、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を形成する。スルフィド含有ポリオレフィン中間体をリンカーと反応させることによって、マクロ開始剤を生成する。マクロ開始剤、ラジカル試薬、及びCH=CH-(X)モノマーを、可逆的不活性化ラジカル重合反応を介して反応させて、非極性-極性ジブロックコポリマーを生成する。
1つ以上の実施形態では、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で重合したオレフィンモノマーは、(C-C12)α-オレフィンモノマーを含む。いくつかの実施形態では、オレフィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-デカデンが挙げられる。様々な実施形態では、オレフィンモノマーは、エチレン及び1-オクテン;エチレン及び1-ヘキセン;エチレン及び1-ブテン;又はエチレン及びプロピレンである。
様々な実施形態では、オレフィンモノマーは、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で重合し、当該アルキルアルミニウム連鎖移動剤は、AlR(式中、各Rは、独立して(C-C12)アルキルである)である。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、又はドデシルである。アルキルアルミニウム連鎖移動剤の非限定的な例としては、トリエチルアルミニウム、トリ(i-プロピル)アルミニウム、トリ(i-ブチル)アルミニウム、トリ(n-ヘキシル)アルミニウム、及びトリ(n-オクチル)アルミニウムが挙げられる。
本開示の方法は、アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合させて、ポリメリルアルミニウム種を生成することを含む。アルキルアルミニウムは、連鎖移動剤として機能し、その結果、ポリメリルアルミニウム種が形成される。ポリメリルアルミニウム種を加熱すると、ビニル末端ポリオレフィンが生成される。ビニル末端ポリオレフィンは、β-ヒドリド脱離反応を介して形成され得る。
式Aによるビニル末端ポリオレフィンを含むポリオレフィン成分を調製するためのプロセス。このプロセスは、エチレン及び任意選択的に1つ以上の(C-C12)α-オレフィンモノマー、アルキルアルミニウム連鎖移動剤、並びにプロ触媒を含む触媒成分を合わせて溶液を形成することと、当該溶液中で10モル%超~99モル%以下のエチレン及びα-オレフィンモノマーを重合させることと、を含む。溶液を少なくとも160℃の温度に加熱し、当該溶液を少なくとも160℃の温度で少なくとも30秒間保持し、生成物を回収する。生成物は、Aの不飽和ポリオレフィンを含むポリオレフィン成分を含む。
式A中、Lは、ポリオレフィンであり、Aは、ビニル基、式CH=C(Y)-であるビニリデン基、式YCH=CH-であるビニレン基、ビニル基と式YCH=CH-のビニレン基との混合物、ビニル基と式CH=C(Y)-のビニリデン基との混合物、式CH=C(Y)-のビニリデン基と式YCH=CH-のビニレン基との混合物、及びビニル基と式CH=C(Y)-のビニリデン基と式YCH=CH-のビニレン基との混合物からなる群から選択される。各Yは、C~C30ヒドロカルビル基であり、式Aの不飽和ポリオレフィンは、1,000~10,000,000g/molの重量平均分子量を有する。
特定の理論に束縛されるものではないが、アルキルアルミニウム連鎖移動剤は、式Aの不飽和ポリオレフィンの形成に寄与する。
ジブロックコポリマーの分子量は、ポリオレフィン重合反応に添加される連鎖移動剤の量によって変化する。例えば、連鎖移動剤の量が増加した場合、より少ない量の連鎖移動剤の存在下で重合させたポリマー組成物と比較して分子量が減少する。
スキーム1は、本開示の実施形態による合成手順を示す。スキーム1において、化合物1は、前述の方法によって生成されたビニル末端ポリオレフィンである。化合物1をチオール化合物と混合して、スルフィド含有ポリオレフィン中間体である化合物2を形成する。化合物2は、リンカーと反応してマクロ開始剤である化合物3を形成する。化合物3、ラジカル試薬、及びCH=CH-(X)モノマー(すなわち、t-ブチルアクリレート及びn-ブチルアクリレート)を、可逆的不活性化ラジカル重合を介して反応させて、化合物4、非極性-極性ジブロックコポリマーを生成する。任意選択の反応において、tert-ブチルアクリレートに由来する単位のtert-ブチル基を、反応への酸の添加を介して又は熱反応を介して除去して、酸非極性-極性ジブロックコポリマーを生成する。
スキーム1:ビニル末端ポリオレフィンを介して非極性-極性ジブロックコポリマーを合成するための重合手順
語句「可逆的不活性化ラジカル重合」とは、ラジカル試薬によって制御されるラジカル重合反応を指す。ラジカル試薬は、ポリマー成長速度及びポリマー成長部位に影響を及ぼす。可逆的不活性化ラジカル重合は、成長ラジカルの定常状態濃度を制御する金属錯体の能力から、従来のラジカル重合とは異なる。成長ラジカルの濃度を制御することにより、成長ラジカルの組み合わせによる停止速度が成長速度に不釣り合いなものになる。ラジカル成長の速度及び配置を制御することによって、分岐の量も制御される。
1つ以上の実施形態では、本開示の方法は、熱又は酸性条件下で非極性-極性ジブロックコポリマーを反応させて、非極性-極性酸ジブロックコポリマーを形成することを更に含む。非極性-極性酸ジブロックコポリマーは、スキーム1に示される化合物5である。非極性-極性ジブロックコポリマーを熱又は酸性条件下で反応させることにより、非極性-極性ジブロックコポリマー中のtert-ブチルアクリレートモノマーに由来する単位からtert-ブチル基が除去される。語句「熱条件」とは、吸熱反応において反応生成物をもたらすのに必要なエネルギー(すなわち、熱)の量を指す。いくつかの実施形態では、熱条件は、20℃を超える温度を含む。様々な実施形態では、熱条件は、30℃超、40℃超、又は50℃超の温度を含む。他の実施形態では、熱条件は、20℃~190℃の温度を含む。
スキーム1に示すように、いくつかの実施形態では、チオール化合物は、チオール基(-SH)及び末端ヒドロキシル基(-OH)を含む。他の実施形態では、チオール化合物は、チオール基及び保護された末端アミン-(NHR)を含む。末端アミンは、ビニル基を含む多くの基と反応性である。末端アミンが、チオール基とではなく、ビニル末端ポリオレフィン(例えば、化合物1)中のビニル基と反応することを防ぐために、末端アミンは保護基を含んでいてもよい。保護基が末端アミンの「末端官能性」を変化させるとは考えられないので、本明細書で使用するとき、用語「末端アミン」とは、明確に述べられていない限り、保護基を有する末端アミンを包含すると考えられる。
いくつかの実施形態では、チオール化合物は、式(I)による構造を有する。
式(I)中、下付き文字xは、2~12であり、Yは、-NHR又は-OH(式中、Rは、保護基である)である。保護基は、BOC-保護アミン(-NHBOC)を形成するために、BOC-無水物(ジ-tert-ブチルジカルボネート)に由来していてよい。1つ以上の実施形態では、末端アミン保護基は、FMOC(9-フルオレニルメチルカルバメート)、BOC(t-ブチルカルバメート)、Cbz(ベンジルカルバメート)、トリフルオロアセトアミド、及びフタルイミドを含み得る。
いくつかの実施形態では、チオール化合物が保護された末端アミンを含む場合、方法は、チオール化合物をビニル末端ポリオレフィンと反応させた後に、保護された末端アミンを脱保護することを更に含む。
いくつかの実施形態では、チオール化合物は、ビニル末端ポリオレフィンと反応して、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を形成する。いくつかの実施形態では、チオール化合物のチオール基(-SH)は、ビニル末端ポリオレフィンの末端ビニル基と反応して、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を生成する。
実施形態では、マクロ開始剤は、スルフィド含有ポリオレフィン中間体をリンカーと反応させることによって生成される。いくつかの実施形態では、マクロ開始剤は、リンカーのエステル化又はアミド化反応を介して形成される。1つ以上の実施形態では、リンカーは、ハロゲン化アシル及び当該ハロゲン化アシルに対してアルファ炭素におけるハロゲン原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカーのアルファハロゲン原子は、臭素又はヨウ素である。
いくつかの実施形態では、リンカーは、式(II)による構造を有する:
式(II)中、Xは、ハロゲン原子であり、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素である。R及びRは、独立して(C-C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、R及びRは、独立して(C-C12)アルキルである。様々な実施形態では、R及びRは、独立して、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、又はデシルである。1つ以上の実施形態では、R及びRは、独立して、-(CH[(C-C20)アリール](式中、下付き文字nは、1~10である)である。いくつかの実施形態では、R及びRは、独立して(C-C20)アルキルである。
実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーを調製するための方法は、マクロ開始剤、ラジカル試薬、及びCH=CH-(X)モノマーを、可逆的不活性化ラジカル重合反応を介して反応させて、非極性-極性ジブロックコポリマーを生成することを更に含む。CH=CH-(X)モノマーの式中、Xは、独立して、-C(O)OR、-CN、又は-C(O)NHR(式中、Rは、-H、直鎖(C-C18)アルキル、又は分岐鎖(C-C18)アルキルから選択される)である。
1つ以上の実施形態では、アクリレートモノマーは、CH=CHC(O)(OR)(式中、各Rは、-H、直鎖(C-C18)アルキル、又は分岐鎖(C-C18)アルキルから選択される)、グリシジルアクリレート、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アクリレートモノマーは、少なくとも1つのt-ブチルアクリレートを含む。
様々な実施形態では、ラジカル試薬は、CuX、Fe(III)X、及びRu(III)X(式中、各Xは、2,2’:6’,2”-テルピリジン(tpy)、2,2’-ビピリジン(bpy)、4,4’-ジ(5-ノニル)-2,2’-ビピリジン(dNbpy)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N-プロピル(2-ピリジル)メタンイミン(NPrPMI)、4,4’,4”-トリス(5-ノニル)-2,2’:6’,2”-テルピリジン(tNtpy)、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N、N-ビス(2-ピリジルメチル)オクチルアミン(BPMOA)、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(HMTETA)、トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン(MeTREN)、トリス[(2-ピリジル)メチル]アミン(TPMA)、1,4,8,11-テトラアザ-1,4,8,11-テオラメチルシクロテトラデカン(Me4CYCLAM)、及びN,N,N’,N’-テトラキス(2-ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)からなる群から選択される配位子である)を含む。
1つ以上の実施形態では、ラジカル試薬は、ハロゲン化銅(I)を含み、ハライドは、臭素、塩素、又はヨウ素である。いくつかの実施形態では、ラジカル試薬は、臭化銅(I)である。
1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーの非極性ブロックは、ポリオレフィンである。いくつかの実施形態では、非極性ブロックは、ポリエチレンコポリマーである。様々な実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、少なくとも40重量%(すなわち重量パーセント)の非極性ブロックを含む。いくつかの実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、少なくとも50重量%の非極性ブロックを含む。
1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーの非極性ブロックは、1.0~35kDaの数平均分子量数(M)を有する。いくつかの実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーの非極性ブロックは、1.0~30のMを有する。様々な実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーの非極性ブロックは、1.0~20のMを有する。
1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーの極性ブロックは、ポリアクリレートである。様々な実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、10重量%~60重量%(すなわち重量パーセント)の極性ブロックを含む。
1つ以上の実施形態では、非極性-極性ジブロックコポリマーは、1.0~60kDaの数平均分子量数(M)を有する。
触媒系
本開示の更なる実施形態では、連鎖移動剤及び触媒系の存在下でオレフィンモノマーを重合させて、ビニル末端ポリオレフィンを生成する。触媒系は、1つ以上のプロ触媒を含む。
更なる実施形態では、触媒系は、プロ触媒及び共触媒を含み、それにより、活性触媒は、プロ触媒と共触媒との組み合わせによって形成される。これらの実施形態では、触媒系は、1:2、又は1:1.5、又は1:1.2のプロ触媒対共触媒の比を有し得る。
触媒系は、プロ触媒を含み得る。プロ触媒は、プロ触媒のアニオン及び対カチオンを有する金属活性化剤に錯体を接触させるか、又は当該金属活性化剤を錯体と組み合わせることによって、触媒的に活性にすることができる。プロ触媒は、チタン(Ti)金属-配位子錯体、ジルコニウム(Zr)金属-配位子錯体、又はハフニウム(Hf)金属-配位子錯体等の第IV族金属-配位子錯体(CASによる第IVB族、又はIUPAC命名規則による第4族)から選択してよい。プロ触媒の非限定的な例としては、エチレン系ポリマーを重合させるための触媒、プロ触媒、又は触媒活性化合物が挙げられ、米国特許第8372927号、国際公開第2010022228号、国際公開第2011102989号、米国特許第6953764号、米国特許第6900321号、国際公開第2017173080号、米国特許第7650930号、米国特許第6777509号、国際公開第99/41294号、米国特許第6869904号、又は国際公開第2007136496号のうちの1つ以上に開示されており、これら文書は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
好適なプロ触媒としては、国際公開公報第2005/090426号、国際公開公報第2005/090427号、国際公開公報第2007/035485号、国際公開公報第2009/012215号、国際公開公報第2014/105411号、国際公開公報第2017/173080号、米国特許出願公開番号第2006/0199930号、同第2007/0167578号、同第2008/0311812号、並びに米国特許第7,858,706(B2)号、同第7,355,089(B2)号、同第8,058,373(B2)号、及び同第8,785,554(B2)号に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。以下の段落を参照する場合、「プロ触媒」という用語は、「触媒」、「プレ触媒」、「触媒前駆体」、「遷移金属触媒」、「遷移金属触媒前駆体」、「重合触媒」、「重合触媒前駆体」、「遷移金属錯体」、「遷移金属化合物」、「金属錯体」、「金属化合物」、「錯体」、及び「金属-配位子錯体」等の用語と互換的である。
1つ以上の実施形態では、第IV族金属-配位子プロ触媒錯体としては、ビス(フェニルフェノキシ)第IV族金属-配位子錯体又は拘束構造第IV族金属-配位子錯体が挙げられる。
いくつかの実施形態によれば、第IV族金属-配位子プロ触媒錯体としては、式(X)によるビス(フェニルフェノキシ)化合物を挙げ得る。
式(X)中、Mは、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムから選択された金属であり、金属が、+2、+3、又は+4の式上の的酸化状態にある。(X)の下付き文字nは、0、1、又は2である。下付き文字nが1のとき、Xは、単座配位子又は二座配位子であり、下付き文字nが2のとき、各Xは、単座配位子である。Lは、(C-C40)ヒドロカルビレン、(C-C40)ヘテロヒドロカルビレン、-Si(R-、-Si(ROSi(R-、-Si(RC(R-、-Si(RSi(R-、-Si(RC(RSi(R-、-C(RSi(RC(R-、-N(R)C(R-、-N(R)N(R)-、-C(RN(R)C(R-、-Ge(R-、-P(R)-、-N(R)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-N=C(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R)-、及び-N(R)C(O)-からなる群から選択されるジラジカルである。各Zは、独立して、-O-、-S-、-N(R)-、又は-P(R)-から選択され、R~R、R~R-8、R~R12、及びR13~R15は、独立して、-H、(C-C40)ヒドロカルビル、(C1-40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、-N=C(R、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、及びハロゲンからなる群から選択される。R及びR16は、式(XI)を有するラジカル、式(XII)を有するラジカル、及び式(XIII)を有するラジカルから選択される。
式(XI)、(XII)、及び(XIII)中、R31~R35、R41~R48、及びR51~R59の各々は、独立して、-H、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、又はハロゲンから選択される。
1つ以上の実施形態では、各Xは、任意の他の配位子Xから独立して、ハロゲン、非置換(C-C20)ヒドロカルビル、非置換[(C-C20)ヒドロカルビル]C(O)O-、又はRN-(式中、R及びRの各々は、独立して、非置換(C-C20)ヒドロカルビルである)である単座配位子であってよい。
式(X)による例示的なビス(フェニルフェノキシ)金属-配位子錯体としては、例えば、
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-オクチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-クロロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フルオロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-シアノ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-ジメチルアミノ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3’,5’-ジメチル-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-エチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5’-tert-ブチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フルオロ-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(9H-カルバゾール-9-イル)-5’-クロロ-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5’-トリフルオロメチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(2,2-ジメチル-2-シラプロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3’,5’-ジクロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’2”-(2,2-ジメチル-2-シラプロパン-1-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3’-ブロモ-5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))-(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-フルオロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)-(3”,5”-ジクロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フルオロ-3’-トリフルオロメチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(ブタン-l,4-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(エタン-l,2-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ハフニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-ジルコニウム;
(2’,2”-(プロパン-l,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’,5’-ジクロロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-チタン;及び
(2’,2”-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-クロロ-3-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ビフェニル-2-オール)ジメチル-チタンが挙げられる。
本開示の触媒系において金属活性化剤と組み合わせて使用することができる他のビス(フェニルフェノキシ)金属-配位子錯体は、当業者には明らかであろう。
いくつかの実施形態によれば、第IV族金属-配位子錯体は、式(XIV)によるシクロペンタジエニルプロ触媒を含み得る:
LpMXX’X”、又は(XIV)の二量体。
式(XIV)中、Lpは、最大50個の非水素原子を含有する、Mに結合しているアニオン性の非局在化したπ結合基である。式(XIV)のいくつかの実施形態では、2つのLp基が、一緒に結合して架橋構造を形成してもよく、更に任意選択的に1つのLpが、Xに結合してもよい。
式(XIV)中、Mは、+2、+3、又は+4の形式的酸化状態にある、元素周期表の第4族金属である。Xは、Lpと一緒にMを含む金属環状物を形成する最大50個の非水素原子の任意選択の二価置換基である。X’は、最大20個の非水素原子を有する任意選択の中性配位子であり、各X’’は、独立して、最大40個の非水素原子を有する一価アニオン部分である。任意選択的に、2つのX”基は、一緒に共有結合し、両方の結合価がMに結合している二価ジアニオン部分を形成し得るか、又は任意選択的に、2つのX”基は、一緒に共有結合し、Mが+2酸化状態にある、Mにπ結合した中性、共役、若しくは非共役ジエンを形成し得る。他の実施形態では、1つ以上のX’’及び1つ以上のX’基は、一緒に結合し得、それによってMに共有結合し、かつルイス塩基官能基によって配位している部分を形成し得る。Lpの下付き文字iは、0、1、又は2であり、X’の下付き文字nは、0、1、2、又は3であり、Xの下付き文字mは、0又は1であり、X”の下付き文字pは、0、1、2、又は3である。i+m+pの合計は、Mの式上の酸化状態に等しい。
例示的な第IV族金属-配位子錯体としては、本発明の実施において用いることができるシクロペンタジエニルプロ触媒を挙げることができ、例えば、
シクロペンタジエニルチタントリメチル、シクロペンタジエニルチタントリエチル、シクロペンタジエニルチタントリイソプロピル、シクロペンタジエニルチタントリフェニル、シクロペンタジエニルチタントリベンジル、シクロペンタジエニルチタン-2,4-ジメチルペンタジエニル、シクロペンタジエニルチタン-2,4-ジメチルペンタジエニル・トリエチルホスフィン、シクロペンタジエニルチタン-2,4-ジメチルペンタジエニル・トリメチルホスフィン、シクロペンタジエニルチタンジメチルメトキシド、シクロペンタジエニルチタンジメチルクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメチル、インデニルチタントリメチル、インデニルチタントリエチル、インデニルチタントリプロピル、インデニルチタントリフェニル、テトラヒドロインデニルチタントリベンジル、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリイソプロピル、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリベンジル、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタンジメチルメトキシド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタンジメチルクロリド、ビス(η-2,4-ジメチルペンタジエニル)チタン、ビス(η-2,4-ジメチルペンタジエニル)チタン・トリメチルホスフィン、ビス(η-2,4-ジメチルペンタジエニル)チタン・トリエチルホスフィン、オクタヒドロフルオレニルチタントリメチル、テトラヒドロインデニルチタントリメチル、テトラヒドロフルオレニルチタントリメチル、(tert-ブチルアミド)(1,1-ジメチル-2,3,4,9,10-η-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(1,1,2,3-テトラメチル-2,3,4,9,10-η-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジベンジル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイルチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-インデニル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2-(ジメチルアミノ)ベンジル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)アリル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2,4-ジメチルペンタジエニル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、
(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,3-ペンタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)2,4-ヘキサジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3-ペンタジエン、(tert-ブチルアミド)(2,3-ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3-ペンタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、(tert-ブチルアミド)(2-メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、(tert-ブチルアミド)(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3-ペンタジエン、(tert-ブチルアミド)(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)2,4-ヘキサジエン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチル-シランチタン(IV)1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチル-シランチタン(II)1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)2,4-ヘキサジエン、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)ジメチル-シランチタン(II)3-メチル-1,3-ペンタジエン、(tert-ブチルアミド)(2,4-ジメチルペンタジエン-3-イル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(6,6-ジメチルシクロヘキサジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(1,1-ジメチル-2,3,4,9,10-η-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフタレン-4-イル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(1,1,2,3-テトラメチル-2,3,4,9,10-η-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフタレン-4-イル)ジメチルシランチタンジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニルメチルフェニルシランチタン(IV)ジメチル、(tert-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニルメチルフェニルシランチタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、1-(tert-ブチルアミド)-2-(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)エタンジイルチタン(IV)ジメチル、1-(tert-ブチルアミド)-2-(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)エタンジイル-チタン(II)1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエンが挙げられる。
例示的なシクロペンタジエニルプロ触媒の各々は、シクロペンタジエニルプロ触媒のチタン金属中心の代わりにジルコニウム又はハフニウムを含んでもよい。
他のプロ触媒、特に他の第IV族金属-配位子錯体を含有するプロ触媒は、当業者には明らかであろう。
不均一触媒及び均一触媒の両方が用いられ得る。不均一触媒の例としては、周知のチーグラー・ナッタ組成物、特に第2族金属ハロゲン化物又は混合ハロゲン化物及びアルコキシドに担持された第4族金属ハロゲン化物、並びに周知のクロム又はバナジウム系触媒が挙げられる。好ましくは、本明細書で使用するための触媒は、比較的純粋な有機金属化合物又は金属錯体、特に元素周期律表の第3~10族又はランタニド系列から選択される金属をベースとする化合物又は錯体を含む均一触媒である。
本明細書で使用するための金属錯体は、1つ以上の非局在化π結合配位子又は多価ルイス塩基配位子を含有する元素周期律表の第3~15族から選択してよい。例としては、メタロセン、ハーフメタロセン、拘束構造、及び多価ピリジルアミン、又は他のポリキレート化塩基錯体が挙げられる。錯体は、概して、式:MK(式中、Mは、元素周期律表の第3~15族、好ましくは第3~10族、より好ましくは第4~10族、最も好ましくは第4族から選択される金属である)又はその二量体によって表される。Kは、出現ごとに独立して、非局在化π電子又は1つ以上の電子対を含有する基であり、それを介してKがMに結合され、当該K基は、水素原子の数を入れずに最大50個の原子を含有し、任意選択的に、2つ以上のK基が一緒に結合して架橋構造を形成してもよく、更に任意選択的に、1つ以上のK基がZ、X、又はZ及びXの両方に結合してもよく、Xは、出現ごとに独立して、最大40個の非水素原子を有する一価のアニオン性部分であり、任意選択的に、1つ以上のX基が一緒に結合し、それによって二価若しくは多価のアニオン基を形成してもよく、更に任意選択的に、1つ以上のX基及び1つ以上のZ基が一緒に結合し、それによって、Mに共有結合しそれに配位している部分を形成してもよく、又は2つのX基が、一緒に最大40個の非水素原子の二価アニオン性配位子基を形成するか、若しくは一緒に非局在化π電子によってMに結合している4~30個の非水素原子を有する共役ジエンになり、この場合、Mは、+2の式上の酸化状態にあり、Zは、出現ごとに独立して、少なくとも1つの非共有電子対を含有する最大50個の非水素原子の中性ルイス塩基供与体配位子であり、それを介してZがMに配位し、kは、0~3の整数であり、xは、1~4の整数であり、zは、0~3の数であり、k+xの和は、Mの式上の酸化状態に等しい。
好適な金属錯体としては、環式又は非環式の非局在化π結合アニオン性配位子基であり得る、1~3個のπ結合アニオン性又は中性配位子基を含有する金属錯体が挙げられる。このようなπ結合基の例は、共役又は非共役、環式又は非環式のジエン及びジエニル基、アリル基、ボラタベンゼン基、ホスホール、並びにアレーン基である。用語「π結合」とは、部分的に非局在化したπ結合からの電子を共有することによって配位子基が遷移金属に結合していることを意味する。
非局在化したπ結合基中の各原子は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル置換ヘテロ原子からなる群から選択されるラジカルで置換されていてもよく、当該ヘテロ原子は、元素周期律表の第14~16族から選択され、そのようなヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルは、第15又は第16族のヘテロ原子を含有する部分で更に置換されている。更に、2つ以上のそのようなラジカルが一緒になって、部分的に又は完全に水素化された縮合環系を含む縮合環系を形成してもよく、又はそれらは金属と共に金属環を形成してもよい。用語「ヒドロカルビル」には、C1~20直鎖、分岐鎖、及び環式のアルキルラジカル、C6~20芳香族ラジカル、C7~20アルキル置換芳香族ラジカル、並びにC7~20アリール置換アルキルラジカルが含まれる。好適なヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルとしては、各ヒドロカルビル基が1~20個の炭素原子を含有する、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リン、又は酸素の一置換、二置換、及び三置換ラジカルが挙げられる。例としては、N,N-ジメチルアミノ基、ピロリジニル基、トリメチル-シリル基、トリエチル-シリル基、t-ブチルジメチルシリル基、メチルジ(t-ブチル)シリル基、トリフェニルゲルミル基、及びトリメチルゲルミル基が挙げられる。第15又は16族のヘテロ原子を含有する部分の例としては、アミノ、ホスフィノ、アルコキシ、若しくはアルキルチオ部分、又はそれらの二価誘導体、例えば、遷移金属又はランタニド金属に結合し、かつヒドロカルビル基、π結合基、又はヒドロカルビル置換ヘテロ原子に結合したアミド、ホスフィド、アルキレンオキシ、又はアルキレンチオ基が挙げられる。
好適なアニオン性、非局在化π-結合基の例としては、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基、ホスホール、及びボラタベンジル基、並びにそれらの不活性に置換された誘導体、特にそれらのC1-10ヒドロカルビル置換又はトリス(C1-10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体が挙げられる。好ましいアニオン性非局在化π結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、2,3-ジメチルインデニル、フルオレニル、2-メチルインデニル、2-メチル-4-フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、1-インダセニル、3-ピロリジノインデン-1-イル、3,4-(シクロペンタ(1)フェナントレン-1-イル、及びテトラヒドロインデニルである。
より具体的には、本発明に従って使用されるこのクラスの第4族金属錯体としては、以下の式に対応する「拘束構造触媒」が挙げられる。
上記式中、Mは、チタン又はジルコニウム、好ましくは+2、+3、又は+4の式上の酸化状態のチタンであり、Kは、任意選択的に1~5個のR基で置換された非局在化π結合配位子基であり、Rは、出現ごとに独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、当該Rは、最大20個の非水素原子を有するか、又は隣接するR基が一緒に二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイル、又はゲルマジイル基)を形成し、それによって縮合環系を形成し、各Xは、ハロ、ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、若しくはシリル基であり、該基は最大20個の非水素原子を有するか、又は2つのX基が一緒に中性のC5~30共役ジエン若しくはその二価誘導体を形成し、xは、1又は2であり、Yは、-O-、-S-、-NR’-、-PR’-であり、X’は、SiR’、CR’、SiR’SiR’、CR’CR’、CR’=CR’、CR’SiR’又はGeR’(式中、R’は、出現ごとに独立して、水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、及びそれらの組合せから選択される基であり、当該R’は、最大30個の炭素又はケイ素原子を有する)である。
前述の拘束構造金属錯体の具体例としては、以下の式に対応する化合物が挙げられる。
上記式中、Arは、水素を数に入れずに6~30個の原子のアリール基であり、Rは、出現ごとに独立して、水素、Ar、又はヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、トリヒドロカルビルシロキシ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビルイミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルバジイルホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル、又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルから選択されるAr以外の基であり、該R基は、水素原子の数を入れずに最大40個の原子を有し、任意選択的に、2つの隣接するR基は、一緒に結合し、それによって多環式縮合環基を形成してもよく、Mは、チタンであり、X’は、SiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR 、BR、BRL”、又はGeR であり、Yは、-O-、-S-、-NR-、-PR-、-NR 、又は-PR であり、Rは、出現ごとに独立して、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、該Rは、水素以外の最大20個の原子を有し、任意選択的に、2つのR基が、又はRがY又はZと一緒になって、環系を形成し、Rは、出現ごとに独立して、水素、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、-NR 、及びそれらの組み合わせから選択されるメンバーであり、当該Rは、最大20個の非水素原子を有し、任意選択的に2つのR基が、又はRがZと一緒に環系を形成し、Zは、中性ジエン又は任意選択的にR、R、又はXに結合した単座若しくは多座ルイス塩基であり、Xは、水素、水素を数に入れずに最大60個の原子を有する一価アニオン性配位子基であるか、又は2つのX基が一緒に結合し、それによって二価配位子基を形成し、xは、1又は2であり、zは、0、1、又は2である。
本明細書における好適な金属錯体の更なる例は、以下の式に対応する多環式錯体である。
上記式中、Mは、+2、+3、又は+4の式上の酸化状態のチタンであり、Rは、出現ごとに独立して、ハイドライド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン-ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン-ホスフィノ置換ヒドロカルビル、又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、当該R基は、水素を数に入れずに最大40個の原子を有し、任意選択的に、前述の基のうちの2つ以上が一緒に二価誘導体を形成してもよく、Rは、金属錯体の残りの部分と縮合系を形成する二価ヒドロカルビレン又は置換ヒドロカルビレン基であり、該Rは、水素の数を入れずに1~30個の原子を含み、Xは、二価部分、又は1つのπ結合及びMと配位共有結合を形成することができる中性の2つの電子対を含む部分であり、該Xは、ホウ素、又は元素周期表の14族のメンバーを含み、また更に窒素、リン、硫黄又は酸素を含み、Xは、環式の非局在化π結合配位子基である配位子のクラスを除く最大60個の原子を有する一価のアニオン性配位子基であり、任意選択的に2つのX基が一緒に二価配位子基を形成し、Zは、出現ごとに独立して、最大20個の原子を有する中性配位化合物であり、xは、0、1、又は2であり、zは、0又は1である。
触媒として有用に用いられる金属錯体の更なる例は、多価ルイス塩基の錯体、例えば、以下の式に対応する化合物である。
上記式中、Tは、好ましくは水素以外の2個以上の原子を含む架橋基であり、X及びYは、各々独立して、窒素、硫黄、酸素、及びリンからなる群から選択され、より好ましくは、X及びYは、窒素であり、R及びRb’は、出現ごとに独立して、水素、若しくは任意選択的に1個以上のヘテロ原子を含有するC1~50ヒドロカルビル基、又はそれらの不活性に置換された誘導体である。好適なR及びRb’基の非限定的な例としては、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、(ポリ)アルキルアリール、及びシクロアルキル基、並びにそれらの窒素、リン、酸素、及びハロゲン置換誘導体が挙げられる。好適なR及びRb’基の具体例としては、メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジ(イソプロピル)フェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5-トリフルオロメチルフェニル、及びベンジルが挙げられ、g及びg’は、各々独立して、0又は1であり、Mは、第3~15族から選択される金属元素、又は元素周期表のランタニド系列である。好ましくは、Mは、3~13族金属であり、より好ましくは、Mは、4~10族金属であり、Lは、水素の数を入れずに1~50個の原子を含む一価、二価、又は三価のアニオン性配位子である。好適なL基の例としては、ハライド、ハイドライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ヒドロカルビレンアミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビルオキシ、トリ(ヒドロカルビルシリル)アルキル、及びカルボキシレートが挙げられる。より好ましいL基は、C1-20アルキル、C7-20アラルキル、及びクロリドであり、h及びh’は、各々独立して、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは1~3の整数であり、jは、1又は2であり、h×jの値は、電荷平衡をもたらすように選択され、Zは、Mに配位した中性配位子基であり、水素の数を入れずに原子を最大50個含有する。好ましいZ基としては、脂肪族及び芳香族アミン、ホスフィン、並びにエーテル、アルケン、アルカジエン、並びにそれらの不活性に置換された誘導体が挙げられる。好適な不活性置換基としては、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ジ(ヒドロカルビル)アミン、トリ(ヒドロカルビル)シリル、及びニトリル基が挙げられる。好ましいZ基としては、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロフラン、ピリジン、及び1,4-ジフェニルブタジエンが挙げられる。fは、1~3の整数であり、T、R、及びRb’のうちの2つ又は3つが一緒に結合して、単一又は複数の環構造を形成してもよく、hは、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは1~3の整数である。
一実施形態では、Rは、Xに対する立体障害が比較的小さいことが好ましい。この実施形態では、最も好ましいR基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、最も近接する分岐点がXから除去された少なくとも3個の原子である分岐鎖アルキル基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ、又はトリヒドロカルビルシリル置換誘導体である。この実施形態において極めて好ましいR基は、C1~8直鎖アルキル基である。
同時に、この実施形態では、Rb’は、好ましくは、Yに対する立体障害が比較的大きい。この実施形態に好適なRb’基の非限定的な例としては、1つ以上の二級又は三級炭素中心を含有するアルキル又はアルケニル基、シクロアルキル、アリール、アルカリール、脂肪族又は芳香族複素環式基、有機又は無機のオリゴマー、ポリマー、又は環式基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ、又はトリヒドロカルビルシリル置換誘導体が挙げられる。この実施形態における好ましいRb’基は、水素の数を入れずに3~40個、より好ましくは3~30個、最も好ましくは4~20個の原子を含有し、分岐鎖又は環式である。好ましいT基の例は、以下の式:

(式中、
各Rは、C1-10ヒドロカルビル基、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、ベンジル、又はトリルである。各Rは、C1-10ヒドロカルビル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、ベンジル、又はトリルである)に対応する構造である。更に、2つ以上のR基若しくはR基、又はRd基及びRe基の混合物が一緒になってヒドロカルビル基の二価誘導体又は多価誘導体、例えば1,4-ブチレン、1,5-ペンチレン、又は環状環、又は多環式基、縮合環、多価ヒドロカルビル又はヘテロヒドロカルビル基、例えばナフタレン-1,8-ジイルを形成してもよい。
前述の多価ルイス塩基錯体の好適な例としては、以下が挙げられる。

上記式中、Rd’は、出現ごとに独立して、水素、及び任意選択的に1つ以上のヘテロ原子を含有するC1~50ヒドロカルビル基、若しくはそれらの不活性に置換された誘導体からなる基から独立して選択されるか、又は更に任意選択的に、2つの隣接するRd’基が一緒に二価架橋基を形成してもよく、d’は、4であり、Mb’は、第4族金属、好ましくはチタン若しくはハフニウム、又は第10族金属、好ましくはNi又はPdであり、Lb’は、水素の数を入れずに最大50個の原子の一価配位子、好ましくはハライド若しくはヒドロカルビルであるか、又は2つのLb’基が一緒に二価若しくは中性配位子基、好ましくはC2~50ヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル、若しくはジエン基になる。
本発明において使用するための多価ルイス塩基錯体としては、特に、第4族金属誘導体、特に、以下の式に対応するヒドロカルビルアミン置換ヘテロアリール化合物のハフニウム誘導体が挙げられる。
上記式中、R11は、水素の数を入れずに1~30個の原子を含有する、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、及びそれらの不活性に置換された誘導体、又はそれらの二価誘導体から選択され、Tは、水素以外の1~41個の原子、好ましくは水素以外の1~20個の原子の二価架橋基、最も好ましくはモノ又はジC1~20ヒドロカルビル置換メチレン又はシラン基であり、R12は、ルイス塩基官能基を含有するC5~20ヘテロアリール基、特にピリジン-2-イル若しくは置換ピリジン-2-イル基、又はそれらの二価誘導体であり、Mは、4族金属、好ましくはハフニウムであり、Xは、アニオン性、中性又はジアニオン性の配位子基であり、x’は、そのようなX基の数を示す0~5の数であり、結合、任意選択の結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印で表される。
好適な錯体は、配位子形成が、アミン基からの水素脱離、及び任意選択的に1つ以上の追加の基の喪失、特にR12の喪失から生じるものである。更に、ルイス塩基官能基、好ましくは電子対からの電子供与は、金属中心に追加の安定性を提供する。好適な金属錯体は、以下の式に対応する。
上記式中、M、X、x’、R11、及びTは、既に定義した通りであり、R13、R14、R15、及びR16は、水素、ハロ、又は水素の数を入れずに最大20個の原子のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、若しくはシリル基であり、又は、隣接するR13、R14、R15、又はR16基が、一緒に結合して縮合環誘導体を形成してもよく、結合、任意選択の結合、及び電子対供与性相互作用は、それぞれ線、点線、及び矢印で表される。
前述の金属錯体の好適な例は、以下の式に対応する。
上記式中、M、X、及びx’は、既に定義した通りであり、R13、R14、R15、及びR16は、既に定義した通りであり、好ましくは、R13、R14、及びR15は、水素又はC1~4アルキルであり、R16は、C6~20アリール、最も好ましくはナフタレニルであり、Rは、出現ごとに独立して、C1-4アルキルであり、aは、1~5であり、最も好ましくは、窒素に対して2つのオルト位置にあるRは、イソプロピル又はt-ブチルであり、R17及びR18は、出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、又はC1-20アルキル若しくはアリール基であり、最も好ましくは、R17及びR18の一方が水素であり、他方がC6-20アリール基、特に2-イソプロピル、フェニル又は縮合多環式アリール基、最も好ましくはアントラセニル基であり、結合、任意選択の結合及び電子対供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印で表される。
触媒として本明細書で使用するための例示的な金属錯体は、以下の式に対応する。
式中、Xは、出現ごとに、ハライド、N,N-ジメチルアミド、又はC1~4アルキルであり、好ましくは、出現ごとに、Xは、メチルであり、Rは、出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、C1~20アルキル、若しくはC6~20アリールであるか、又は2つの隣接するR基が一緒に結合し、それによって環を形成し、fは、1~5であり、Rは、出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、C1~20アルキル、若しくはC6~20アリールであるか、又は2つの隣接するR基が一緒に結合し、それによって環を形成し、cは1~5である。
触媒として使用するための金属錯体の好適な例としては、以下の式が挙げられる。
上記式中、Rは、C1~4アルキル又はシクロアルキル、好ましくはメチル、イソプロピル、t-ブチル、又はシクロヘキシルであり、Xは、出現ごとに、ハライド、N,N-ジメチルアミド、又はC1~4アルキル、好ましくはメチルである。
本発明に従って触媒として有用に用いられる金属錯体の例としては、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ジメチルハフニウム、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N-ジメチルアミド)、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ジメチルハフニウム、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N-ジメチルアミド)、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ジメチルハフヒウム(hafhium)、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフヒウム(ジ(N,N-ジメチルアミド)、及び
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリドが挙げられる。
本開示において使用される金属錯体を調製するために使用される反応条件下で、ピリジン-2-イル基の6位で置換されたα-ナフタレン基の2位の水素は、脱離し、それによって、金属が、得られたアミド基及びα-ナフタレニル基の2位の両方に共有結合しておりかつ窒素原子の電子対を通じてピリジニル窒素原子に配位することによって安定化されている金属錯体を一意的に形成する。
好適な更なるプロ触媒としては、国際公開公報第2007/130307号(A2)号、国際公開公報第2007/130306号(A2)号及び米国特許出願号第20090306318号(A1)号に開示されるものに対応するイミダゾールアミン化合物が挙げられ、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。そのようなイミダゾール-アミン化合物としては、以下の式に対応するものが挙げられる。
当該イミダゾール-アミン化合物中、Xは、出現ごとに独立して、アニオン性配位子であるか、又は2つのX基が一緒にジアニオン性配位子基又は中性ジエンを形成し、Tは、1つ以上の環を含有する脂環式基又は芳香族基であり、Rは、出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、若しくは一価の多原子アニオン性配位子であるか、又は2つ以上のR基が一緒に結合し、それによって、多価縮合環系を形成し、Rは、出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、若しくは一価の多原子アニオン性配位子であるか、又は2つ以上のR基が一緒に結合し、それによって、多価縮合環系を形成し、Rは、水素、炭素数1~20の、アルキル、アリール、アラルキル、トリヒドロカルビルシリル、又はトリヒドロカルビルシリルメチルである。
そのようなイミダゾール-アミン化合物の更なる例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。

当該イミダゾール-アミン化合物中、Rは、出現ごとに独立して、フェニル環に結合している炭素が第二級又は第三級置換されているC3~12アルキル基であり、Rは、出現ごとに独立して、水素又はC1~2アルキル基であり、Rは、メチル又はイソプロピルであり、Rは、水素又はC1~6アルキルであり、Rは、水素、C1~6アルキル若しくはシクロアルキルであるか、又は2つの隣接するR基が一緒に縮合芳香環を形成し、T’は、酸素、硫黄、又はC1~20ヒドロカルビル置換窒素若しくはリン基であり、T”は、窒素又はリンであり、Xは、メチル又はベンジルである。
本開示の触媒系は、式(I)のアニオン及び対カチオンを有するイオン性金属活性化剤錯体に加えて、共触媒又は活性化剤を含み得る。そのような追加の共触媒としては、例えば、各ヒドロカルビル基に1~10個の炭素を有するトリ(ヒドロカルビル)アルミニウム化合物、オリゴマー若しくはポリマーのアルモキサン化合物、各ヒドロカルビル若しくはヒドロカルビルオキシ基に1~20個の炭素を有するジ(ヒドロカルビル)(ヒドロカルビルオキシ)アルミニウム化合物、又は前述の化合物の混合物を挙げることができる。重合混合物から酸素、水、アルデヒドなどの不純物を捕捉する有益な能力のため、通常、これらのアルミニウム化合物を用いることが有用である。
本開示に記載の活性化剤と併せて使用され得るジ(ヒドロカルビル)(ヒドロカルビルオキシ)アルミニウム化合物は、式T AlOT又はT Al(OT(式中、Tは、二級又は三級(C~C)アルキル、例えば、イソプロピル、イソブチル、又はtert-ブチルであり、Tは、アルキル置換(C~C30)アリールラジカル又はアリール置換(C~C30)アルキルラジカル、例えば、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェニル、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェニル、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルトリル、又は4-(3’,5’-ジ-tert-ブチルトリル)-2,6-ジ-tert-ブチルフェニルである)に対応する。
アルミニウム化合物の追加の例としては、[C]トリアルキルアルミニウム化合物、具体的には、アルキル基がエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、又はイソペンチルであるもの、アルキル基に1~6個の炭素、及びアリール基に6~18個の炭素を含有するジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム化合物(具体的には、(3,5-ジ(t-ブチル)-4-メチルフェノキシ)ジイソブチルアルミニウム)、メチルアルモキサン、修飾メチルアルモキサン、及びジイソブチルアルモキサンが挙げられる。
本開示の実施形態による触媒系では、イオン性金属活性化剤錯体対第IV族金属-配位子錯体のモル比は、例えば1:10,000~1000:1、例えば、1:5000~100:1、1:100~100:1、1:10~10:1、1:5~1:1、又は1.25:1~1:1であり得る。触媒系は、本開示に記載の1つ以上のイオン性金属活性化剤錯体の組み合わせを含み得る。
ポリオレフィン
前の段落に記載される触媒系は、オレフィン、主にエチレン及びプロピレンの重合に利用される。いくつかの実施形態において、重合スキーム中に単一タイプのオレフィン又はα-オレフィンのみが存在し、ホモポリマーを生成する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよい。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、4-メチル-1-ペンテン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、及び5-ビニル-2-ノルボルネンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から、又は代替として、1-ヘキセン及び1-オクテンからなる群から選択され得る。
エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー及び/又はエチレンと任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーとのインターポリマー(コポリマーを含む)は、エチレンに由来するモノマー単位を少なくとも50モルパーセント(mol%)含み得る。「少なくとも50mol%から」によって包含される全ての個々の値及び部分範囲は、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホモポリマー及び/又はインターポリマー(コポリマーを含む)、並びに任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレン由来の少なくとも60mol%のモノマー単位、エチレン由来の少なくとも70mol%のモノマー単位、エチレン由来の少なくとも80mol%のモノマー単位、又はエチレン由来の50~100mol%のモノマー単位、又はエチレン由来の80~100mol%の単位を含み得る。
いくつかの実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも90モルパーセントの単位を含み得る。少なくとも90モルパーセントからの全ての個々の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも93モルパーセントの単位、少なくとも96モルパーセントの単位、エチレンに由来する少なくとも97モルパーセントの単位、又は代替として、エチレンに由来する90~100モルパーセントの単位、エチレンに由来する90~99.5モルパーセントの単位、若しくはエチレンに由来する97~99.5モルパーセントの単位を含み得る。
エチレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、ある量の(C~C20)α-オレフィンを含み得る。(C~C20)α-オレフィンの量は、50mol%未満である。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、少なくとも0.5mol%~25mol%の(C~C20)αオレフィンを含んでいてよく、更なる実施形態では、エチレン系ポリマーは、少なくとも5mol%~10mol%を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、追加のα-オレフィンは、1-オクテンである。
本開示の実施形態に従った触媒系と組み合わせた任意の従来の重合プロセスを使用して、エチレン系ポリマーを生成することができる。そのような従来の重合プロセスとしては、例えば、並列、直列、又はそれらの任意の組み合わせのループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽反応器、バッチ式反応器などの1つ以上の従来の反応器を使用する、溶液重合プロセス、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合を介して生成することができ、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合を介して生成することができ、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示及び本明細書に記載の触媒系並びに任意選択的に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意選択的に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器又は第2の反応器において使用することができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合を介して生成することができ、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば、単一ループ反応器系での溶液重合を介して生成することができ、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系の存在下で重合される。
ポリマープロセスは、1つ以上の添加剤を組み込むことを更に含み得る。そのような添加剤としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマー及び1つ以上の添加剤の重量に基づいて、約0~約10重量パーセントのそのような添加剤の総量を含み得る。エチレン系ポリマーは、充填剤を更に含み得、その充填剤としては、有機又は無機充填剤を挙げることができるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマー及び全ての添加剤又は充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、又はMg(OH)などの約0~約20重量パーセントの充填剤を含有し得る。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーと更にブレンドされてブレンド物を形成することができる。
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを生成するための重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレン及び少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合することを含み得、当該触媒系には、少なくとも1つの金属-配位子錯体、イオン性金属活性化剤錯体、及び任意選択的に捕捉剤が組み込まれる。金属-配位子錯体及びイオン性金属活性化剤錯体が組み込まれたそのような触媒系から得られるポリマーは、ASTM D792(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によれば、例えば、0.850g/cm~0.950g/cm、0.870g/cm~0.920g/cm、0.870g/cm~0.910g/cm、又は0.870g/cm~0.900g/cmの密度を有し得る。
別の実施形態では、金属-配位子錯体及びイオン性金属活性化剤錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、5~15のメルトフロー比(I10/I)を有し、メルトインデックスIは、190℃及び2.16kgの荷重で、ASTM D1238(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に従って測定され、メルトインデックスI10は、190℃及び10kgの荷重でASTM D1238に従って測定される。他の実施形態において、メルトフロー比(I10/I)は5~10であり、また他の実施形態において、メルトフロー比は5~9である。
いくつかの実施形態では、金属-配位子錯体及びイオン性金属活性化剤錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、1~25の分子量分布(MWD)を有し、MWDは、M/Mとして定義され、Mは、重量平均分子量であり、Mは、数平均分子量である。他の実施形態において、触媒系から得られるポリマーは、1~6のMWDを有する。別の実施形態は、1~3のMWDを有し、他の実施形態は、1.5~2.5のMWDを有する。
バッチ式反応器手順
全ての重合実験に、2LのParr反応器を使用した。反応器を、電気加熱マントルによって加熱し、水を入れた内部蛇行冷却コイルによって冷却した。反応器及び加熱/冷却系の両方を、Camile TGプロセスコンピューターによって制御及び監視した。重合又は触媒構成に使用する全ての化学物質を、精製カラムに通した。1-オクテン、トルエン、及びIsopar-E(ExxonMobil,Inc.から入手可能な混合アルカン溶媒)を、A2アルミナを入れた第1のカラム、及びQ5反応物(Engelhard Chemicals Inc.から入手可能)を入れた第2のカラムの2本のカラムに通した。エチレンガスを、A204アルミナ及び活性化4Åモレキュラーシーブを入れた第1のカラム、及びQ5反応物を入れた第2のカラムの2本のカラムに通した。水素ガスを、Q5反応物及びA2アルミナに通した。窒素ガスを、A204アルミナ、活性4Åモレキュラーシーブ、及びQ5反応物を入れた1本のカラムに通した。触媒及び共触媒(活性化剤とも呼ばれる)溶液を、窒素を充填したグローブボックス内で取り扱った。
Ashcroft差圧セルを使用することによって、ロードカラムにIsopar-Eを充填設定点まで充填し、材料を反応器に移した。1-オクテンをシリンジで測定し、使用量が少ないためショットタンクによって添加した。完了してからすぐに、反応設定点に向けて反応器の加熱を開始する。設定点前の25℃に達してから、ショットタンクによって反応器にスカベンジャー(MMAO-3A、20μmol)溶液を添加した。次に、ショットタンクによって反応器に連鎖移動剤(典型的には、トリ-n-オクチルアルミニウム)を添加した。設定点に達する前の10℃で、マイクロモーション流量計によってモニタリングしながら、指定の圧力になるまでエチレンを添加した。最後に、同時に、触媒及び共触媒(指定の通り)の希釈したトルエン溶液を混合し、ショットタンクに移し、反応器に添加して、重合反応を開始させた。典型的には、20gのエチレン取り込みが達成されるまで指定の圧力を維持するために、オンデマンドで追加のエチレンを添加して、重合条件を維持した。発熱を、内部冷却コイルによって反応容器から継続的に除去した。所望のエチレン取り込みに達した後、反応器を200℃に加熱し、このプロセスは約20分を要した。この温度になってから、反応器を200℃で更に20分間保持して、その場(in situ)で生成されたポリメリルアルミニウムからポリメリル鎖を除去して、ビニル末端エチレン/1-オクテンコポリマーの溶液を得た。典型的な酸化防止剤パッケージ(Irganox1010及びIrgafos168)を添加することなく、得られた溶液を反応器から取り出した。フード内で一晩蒸発させ、次いで、最終設定点が140℃の温度勾配真空オーブン内で約12時間乾燥させることによって、ポリマーを回収した。
重合の実行と実行との間に、少なくとも1回の洗浄サイクルを行い、このサイクル中に、Isopar-E(850g)を添加し、反応器を160℃~190℃の設定点に加熱した。次いで、新たな重合の実行を開始する直前に、反応器の加熱した溶媒を空にした。
反応順序A~Hは、スキーム1に示す重合プロセスのための合成手順の例示である。各反応順序において、ビニル末端ポリオレフィンは異なる。各ビニル末端ポリオレフィンは、分子量及びコモノマーの組み込みに由来する単位に基づいて変化した。本開示の1つ以上の特徴は、以下の実施例を考慮して例示される。
反応順序A~Cでは、ビニル末端ポリオレフィンは、低分子量を有していた。反応順序Dでは、ビニル末端ポリオレフィンは、超低分子量を有していた。反応順序E~Gでは、ビニル末端ポリオレフィンは、高分子量を有していた。反応順序Hでは、チオール化合物は、2-(BOC-アミノ)エタンチオールであった。
実施例1-トリアルキルアルミニウム連鎖移動剤を介したビニル末端ポリオレフィン(ビニル末端ポリオレフィン1、2、3、4、5、6、及び7)の合成
ビニル末端ポリオレフィンを合成するために、エチレン及び任意選択的にオクテンを、Al(オクチル)及びプロ触媒1又はプロ触媒2の存在下で重合させた。アルキルアルミニウムは、ポリメリルアルミニウム種の形成をもたらす連鎖移動剤として機能した。オレフィン重合段階の後、反応混合物を過剰のエチレン及びオクテンの存在下で加熱して、主にビニル末端ポリマー及びトリアルキルアルミニウムを平衡状態で得た。
表1にまとめた結果は、H NMRによって決定され、Mn、有効として表される、生成されたビニル末端ポリオレフィンの分子量を提供する(図1参照)。Mn有効を得るために、ビニル基の数を1に対して正規化し、ビニル基(27g/mol)、脂肪族/ポリオレフィンプロトン(2H=14g/mol)、及び任意の他の識別可能な官能基からの分子量の寄与を合計した。全てのビニル基がポリマーに結合し、全てのポリマーが正確に1個のビニル基を有すると仮定した。Mn、有効を使用することにより、反応化学量論の目的のために官能基の正確な濃度を与えると同時に、単一の値で分子量を表すことが可能になった。表1中、鎖末端官能価がより低い場合、より高いMWポリマーについてはMn,有効とGPC Mとの間に有意な不一致が存在するのみである。
a1H NMRによって決定したときの、全ての鎖が正確に1つのビニル基で終端した場合のポリマーのMとして定義される(考察については本文を参照されたい)。1つの飽和(メチル)末端基及び1つの不飽和(オレフィン)末端基を有する鎖の百分率。ビニルである不飽和鎖末端の百分率。
反応順序A
低MWヒドロキシル末端ポリオレフィン(化合物A2)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン3(M=7.5kDa、15.0g、2.0mmol)を、排気されたガラスジャー内のトルエン33mLに溶解させた。6-メルカプトヘキサノール(1.36mL、10.0mmol、5当量)を一度に添加し、続いて、トルエン2mL中のABCN(248mg、1.0mmol、0.5当量)を添加した。反応物を110℃で4時間撹拌し、次いで、反応物をグローブボックスから取り出した。生成物を500mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分のMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(14.4g、収率94%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.68(q br,J=6.1Hz,2H,a),2.55(m br,4H,c),1.92-0.74(br重複,1125H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
低MWマクロ開始剤[化合物A3]の合成
グローブボックス内で、ヒドロキシル末端ポリエチレン(化合物A2、M=8.0kDa、14.0g、1.75mmol-OH)を、還流させながらジャー内でトルエン48mLに溶解させた。トリエチルアミン(1.22mL、8.80mmol、5当量)を添加し、続いて、2mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(0.87mL、7.0mmol、4当量)を滴下した。反応物を75分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(13.7g、収率96%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.25(t br,2H,a),2.58(m,4H,c),2.01(s,6H,d),1.78(m,2H,b),1.67(m,4H,e),1.92-0.74(br 重複,1143H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
低MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)[化合物A4]の合成
グローブボックス内で、化合物A3(M=8.4kDa、12.5g、1.5mmol-Br)を110℃のトルエン25mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(5.5mL、38mmol、25当量)を添加し、溶液を均質になるまで撹拌した。CuBr(214mg、1.50mmol、1当量)及びPMDETA(0.312mL、1.50mmol、1当量)をベンゾニトリル(1.29mL)中の原液として添加し、反応を1時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。溶液を熱トルエンで200mLに希釈し、水で洗浄し、次いで洗浄液がほぼ無色になるまで0.5M EDTA溶液で洗浄し、次いで、800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(14g、収率88%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.09(t br,J=5.3,2H,a),2.55(t br,J=7.4Hz,4H,c),2.40-2.20(br,13H,f),2.00-1.57(br 重複,35H,d+g/g’),1.51(s br,165H,e),1.47-1.11(br,1193H,ポリオレフィン+他の脂肪族),0.96(t,J=6.7Hz,13H,PEMe).
NMRは、アクリレート共鳴が大きな分子に結合していることを示し、低分子アクリレートの証拠はなかった。親ポリマーと比較してPEでは拡散係数が減少し、約10kDaの分子量(ポリオレフィン等価)のポリマーと一致していた。アクリレートは、PEよりもわずかに大きい拡散係数を有し、MではなくMに比例する官能化と一致していた(拡散シグナルは質量に比例する)。
低MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)[化合物A5]の合成
グローブボックス内で、化合物A4(M=10.7kDa、13.5g、23.2mmol tert-ブチル基)を110℃のトルエン50mLに溶解させた。トリフルオロ酢酸(8.16mL、106mmol、4.6当量)を添加し、溶液を還流させながら10分間撹拌した。次いで、反応混合物をグローブボックスから取り出し、600mLのMeOH中に沈殿させ、濾過した。固形分/ゲルを追加の400mLのMeOHで洗浄し、再び濾過した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(11.4g、収率90%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 9.75-8.60(br,13H,COOH),1.55-0.40(br 重複,1193H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
反応順序B
低MWヒドロキシル末端ポリオレフィン(化合物B2)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン4(M=7.2kDa、23.1g、3.2mmol)を、排気されたガラスジャー内のトルエン60mLに溶解させた。6-メルカプトヘキサノール(2.32mL、17.0mmol、5.3当量)を一度に添加し、続いて、トルエン2mL中のABCN(414mg、1.7mmol、0.5当量)を添加した。反応物を110℃で2時間撹拌し、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分のMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で白色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.68(q br,J=6.1Hz,2H,a),2.55(m br,4H,c),1.92-0.74(br重複,1098H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
低MWマクロ開始剤(化合物B3)の合成
グローブボックス内で、化合物B2(M=7.7kDa、23.0g、3.0mmol-OH)を、還流させながらジャー内でトルエン90mLに溶解させた。トリエチルアミン(2.06mL、14.9mmol、5当量)を添加し、続いて、5mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(1.47mL、11.9mmol、4当量)を滴下した。反応物を75分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で褐色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.25(t br,2H,a),2.58(m,4H,c),2.01(s,6H,d),1.78(m,2H,b),1.67(m,5H,e),1.92-0.74(br 重複,1146H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
低MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)-r-ポリ(nBA)(化合物B4)の合成
グローブボックス内で、化合物B3(M=8.0kDa、10.0g、1.21mmol-Br)を110℃のトルエン28mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(4.42mL、30.2mmol、25当量)及びn-ブチルアクリレート(4.32mL、30.2mmol、25当量)を添加し、添加し、均質になるまで溶液を撹拌した。CuBr(173mg、1.21mmol、1当量)及びPMDETA(209mL、1.21mmol、1当量)をベンゾニトリル(1.04mL)中の原液として添加し、反応を1時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。溶液を熱トルエンで200mLに希釈し、水で洗浄し、次いで、洗浄液がほぼ無色になるまで0.5M EDTA溶液で洗浄し、次いで、800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(12.6g、収率82%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.10(br,32H,a+h),2.50-2.40(br,17H,i+c),2.40-2.20(br,17H,f),2.00-1.57(br 重複,88H,d+g/g’+j/j’+k),1.54-1.43(br,194H,e+l),1.47-1.11(br,1118H,ポリオレフィン+他の脂肪族),1.04-0.92(t,J=6.7Hz,59H,PEMe+nBuMe).
NMRは、アクリレートモノマーが大きな分子に結合していることを示し、低分子アクリレートの証拠はなかった。
低MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物B5)の合成
グローブボックス内で、化合物B4(M=12.0kDa(17重量%tBA)、12.0g、16mmol tert-ブチル基)を110℃のトルエン50mLに溶解させた。トリフルオロ酢酸(5.58mL、73.0mmol、4.6当量)を添加し、溶液を還流させながら10分間撹拌し、次いで、600mLのMeOH中に沈殿させ、濾過した。固形分/ゲルを追加の400mLのMeOHで洗浄し、再び濾過した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(10.3g、収率90%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 7.74-6.63(br,14H,COOH),4.02(br,29H,h),2.60-2.18(DMSO),2.02-1.33(br 重複,81H),1.33-0.99(br 重複,1118H),0.99-0.78(br,54H,PEMe+nBuMe).
反応順序C
低MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)-r-ポリ(nBA)(化合物C4)の合成
グローブボックス内で、化合物B2を合成するためのものと同じ順序を使用して生成された化合物C3(M=8.0kDa、10.0g、1.21mmol-Br)を110℃のトルエン28mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(4.42mL、30.2mmol、25当量)及びn-ブチルアクリレート(10.1mL、70.5mmol、58当量)を添加し、添加し、均質になるまで溶液を撹拌した。CuBr(173mg、1.21mmol、1当量)及びPMDETA(209mL、1.21mmol、1当量)をベンゾニトリル(1.04mL)中の原液として添加し、反応を1時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。溶液を熱トルエンで200mLに希釈し、水で洗浄し、次いで洗浄液がほぼ無色になるまで0.5M EDTA溶液で洗浄し、次いで、800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(17.0g、収率89%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.10(br,79H),2.50-2.40(br,39H),2.40-2.20(br,20H),2.00-1.57(br 重複,175H),1.54-1.43(br,271H),1.47-1.11(br 重複,1118H,ポリオレフィン+他の脂肪族),1.04-0.92(t,J=6.7Hz,128H,PEMe+nBuMe).
NMRは、アクリレート共鳴が大きな分子に結合していることを示し、低分子アクリレートの証拠は存在しなかった。
低MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物C5)の合成
グローブボックス内で、化合物C4(M=15.5kDa(16重量%tBA)、13.0g、16mmol tert-ブチル基)を110℃のトルエン60mLに溶解させた。トリフルオロ酢酸(5.0mL、73.0mmol、4.0当量)を添加し、溶液を還流させながら10分間撹拌し、次いで、600mLのMeOH中に沈殿させ、濾過した。固形分/ゲルを追加の400mLのMeOHで洗浄し、再び濾過した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(11.0g、収率88%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 9.50-8.20(br,11H,COOH),4.02(br,77H,),2.45-2.18(br,62H,),2.02-1.33(br 重複,379H,),1.33-0.99(br 重複,1118H,),0.99-0.78(br,116H).
反応順序D
超低MWヒドロキシル末端ポリオレフィン(化合物D2)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン5(M=1.5kDa、25.3g、16.6mmol)を、110℃の排気されたガラスジャー内でトルエン80mLに溶解させた。6-メルカプトヘキサノール(6.80mL、47.8mmol、3当量)を一度に添加し、続いて、トルエン10mL中のABCN(2.02g、8.3mmol、0.5当量)を添加した。反応物を110℃で2時間撹拌し、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分のMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(26.5g、収率96%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.68(q br,2H,a),2.55(m br,4H,c),1.92-0.74(br 重複,205H,ポリオレフィン+他の脂肪族+PEMe).
超低MWマクロ開始剤(化合物D3)の合成
グローブボックス内で、化合物D2(M=1.5kDa、26.0g、17.6mmol-OH)を、還流させながらジャー内でトルエン120mLに溶解させた。トリエチルアミン(7.30mL、52.7mmol、3当量)を添加し、続いて、10mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(4.35mL、35.1mmol、2当量)を滴下した。反応物を30分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(27.8g、収率97%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.25(t br,2H)2.58(m,4H),2.01(s,6H),1.92-0.74(br 重複,208H).
超低MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)-r-ポリ(nBA)(化合物D4)の合成
グローブボックス内で、化合物D3(M=1.7kDa、26.0g、15.6mmol-Br)を、撹拌子を備えた500mL丸底フラスコ内で110℃のトルエン180mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(11.4mL、77.8mmol、5当量)及びn-ブチルアクリレート(33.4mL、234mmol、15当量)を添加し、添加し、均質になるまで溶液を撹拌した。CuBr(2.23g、15.6mmol、1当量)及びPMDETA(2.70g、15.6mmol、1当量)をベンゾニトリル(13.4mL)中の原液として添加し、反応を30分間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させ、次いで、800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(18.6g、収率35%)[*変換は良好であったが、生成物の大部分は流出により失われた]。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.10(br,25H,a+h),2.50-2.40(br,13H,i+c),2.40-2.20(br,6H,f),2.00-1.57(br 重複,53H),1.54-1.43(br,63H,e+l),1.47-1.11(br,208H,ポリオレフィン+他の脂肪族),1.04-0.92(t,J=6.7Hz,38H).
超低MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物D5)の合成
化合物D4(M=3.6kDa(15重量%tBA)、18.1g、16mmol tert-ブチル基)を、200mLのトルエンを入れた500mLの丸底フラスコに添加し、還流冷却器を取り付け、115℃に設定した加熱マントルを備えたオーバーヘッドスターラーで撹拌した。マントル温度を105℃に下げ、トリフルオロ酢酸(16.1mL、211mmol、10当量)を添加し、溶液を1時間撹拌した。次いで、加熱マントルを取り外し、反応物を室温に冷却し、次いで、各々300mLのMeOHを入れた4つの500mLジャーに少しずつ沈殿させた。合わせた部分を濾過により単離し、得られた固形物をメタノールで洗浄し、濾過し、真空オーブン内にて50℃で18時間乾燥させて、淡褐色の粉状物を得た(13.77g、収率81%)。上清から固形分を沈降させ、同樣に単離することによって追加分を得た(0.90g、収率5.3%)。合計収量は、14.67g(87%)である。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 11.2-9.5(br,2H,COOH),4.02(br,23H),2.60-2.18(br,19H),2.02-1.33(br 重複,87H),1.33-0.99(br 重複,208H),0.99-0.78(br,36H).
反応順序E
高MWヒドロキシル末端ポリオレフィン(化合物E2)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン7(M=26.6kDa、23.1g、0.87mmol)を、排気された丸底フラスコ内で還流させながらトルエン125mLに溶解させた。6-メルカプトヘキサノール(1.20mL、9.0mmol、10当量)を一度に添加し、続いて、トルエン5mL中のABCN(218mg、0.89mmol、1当量)を添加した。反応物を2時間撹拌し、その時点で追加分の6-メルカプトヘキサノール(1.20mL、9.0mmol、10当量)及びABCN(218mg、0.89mmol、1当量)を添加した。更に2時間後、反応物をグローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分のMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(22.6g、収率97%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.68(m br,2H),2.55(m br,4H),1.92-0.74(br 重複,4433H).
高MWマクロ開始剤(化合物E3)の合成
グローブボックス内で、化合物E2(M=31.0kDa、22.5g、0.73mmol-OH)を、還流させながら丸底内でトルエン135mLに溶解させた。トリエチルアミン(1.56mL、11.3mmol、15.6当量)を添加し、続いて、10mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(0.84mL、0.68mmol、9.4当量)を滴下した。反応物を30分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で褐色物を得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.25(t br,2H),2.58(m,4H),2.01(s,6H),1.78-1.74(br 重複,4265H,).
高MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)(化合物E4)の合成
グローブボックス内で、化合物E3(M=30.0kDa、10.0g、0.33mmol-Br)を110℃のトルエン50mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(10.6mL、72.7mmol、218当量)を添加し、溶液を均質になるまで撹拌した。CuBr(48mg、0.33mmol、1当量)及びPMDETA(0.069mL、0.33mmol、1当量)をベンゾニトリル(0.29mL)中の原液として添加し、反応を5時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。次いで、溶液を800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過し、ポリマーが無色になるまで2回の追加分の500mLのMeOHで洗浄した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で白色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.09(t br,J=5.3,2H),2.55(t br,J=7.4,5H),2.40-2.20(br,48H),2.00-1.57(br 重複,93H),1.51(s br,486H),1.47-1.11(br,4234H),0.96(t,J=6.7,39H).
低MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)(化合物E5)の合成
化合物E4(M=36.9kDa、10.8g、19重量%tBA、16.0mmol tert-ブチル基)を、還流冷却器及び機械的撹拌器を備えた500mLの丸底フラスコに添加し、トルエン(200mL)を添加した。透明で粘性の溶液が得られるまで(約20分)、混合物を還流させながら撹拌した(加熱マントルを115℃に設定)。加熱マントル温度を105℃に下げ、トリフルオロ酢酸(12.3mL、160mmol、10当量)を混合物に迅速に添加した。反応物を105℃で1時間撹拌した。加熱マントルを取り外し、反応物を室温に放冷した。得られたゲル/ペーストを、高速で撹拌しているメタノールを入れたジャー(各々350mLの3つのジャー)内に沈殿させたところ、乳白色の懸濁液が形成された。懸濁液を合わせ、濾過し、メタノールで洗浄し、真空オーブン内にて50℃で18時間乾燥させて、白色の粉状物(9.61g、収率97%)を得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 11.50-10.50(br,43H,COOH),1.28-0.99(br,4234H,ポリオレフィン),0.89-0.84(br,52H,PEMe
反応順序F
高MWヒドロキシル末端ポリオレフィン(化合物F2)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン6(M=25.8kDa、25.5g、0.99mmol)を、撹拌子を備えた排気された500mLの丸底フラスコ内で還流させながらトルエン227mLに溶解させた。6-メルカプトヘキサノール(1.11mL、8.13mmol、8.2当量)を一度に添加し、続いて、トルエン5mL中のABCN(132mg、0.54mmol、0.54当量)を添加した。反応物を還流させながら2時間撹拌し、次いで、追加分の6-メルカプトヘキサノール(1.11mL、8.13mmol、8.2当量)及び5mLのトルエン中ABCN(132mg、0.54mmol、0.54当量)を添加し、反応を更に2時間続けた。次いで、反応物をグローブボックスから取り出し、冷却し、750mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分のMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(24.7g、収率96%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.68(br,2H,a),2.55(m br,4H,c),1.92-0.74(br,4264H,ポリオレフィン,重複メチレンs,PEMe).
高MWマクロ開始剤(化合物F3)の合成
グローブボックス内で、化合物F2(M=29.8kDa、24.7g、0.83mmol-OH)を、還流させながら500mLの丸底フラスコ内でトルエン145mLに溶解させた。トリエチルアミン(1.71mL、12.4mmol、15当量)を滴下し、続いて、5mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(0.92mL、7.4mmol、9当量)を滴下した。反応物を75分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(24.7g、収率99%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.25(t br,2H),2.58(br,4H),2.01(s,6H),1.78 -1.74(br 重複,4638H).
高MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)-r-ポリ(nBA)(化合物F4)の合成
グローブボックス内で、化合物F3(M=32.3kDa、10.0g、0.31mmol-Br)を、撹拌子を備えた250mLのガラスジャー内で110℃のトルエン50mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(10.8mL、74mmol、250当量)及びn-ブチルアクリレート(10.6mL、74mmol、250当量)を添加し、添加し、均質になるまで溶液を撹拌した。CuBr(42mg、0.3mmol、1当量)及びPMDETA(51mg、0.3mmol、1当量)をベンゾニトリル(0.255mL)中の原液として添加し、反応を5時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。次いで、スラリーを800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、過剰のMeOHですすいだ。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(15.5g、収率98%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.10(br,149H),2.50-2.40(br,75H),2.40-2.20(br,80H),2.00-1.57(br 重複,434H),1.54-1.43(br,934H),1.47-1.11(br,4621H),1.04-0.92(t,J=6.7,268H).
高MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物F5)の合成
化合物F4(M=51.2kDa、14.0g、18重量%tBA、19.7mmol tert-ブチル基)を、還流冷却器及び機械的撹拌器を備えた500mLの丸底フラスコに添加し、トルエン(200mL)を添加した。透明で粘性の溶液が得られるまで(約20分)、混合物を還流させながら撹拌した(加熱マントルを115℃に設定)。加熱マントル温度を105℃に下げ、トリフルオロ酢酸(15.0mL、196mmol、10当量)を混合物に迅速に添加した。反応物を105℃で1時間撹拌した。加熱マントルを取り外し、反応物を室温に放冷した。得られた懸濁液を、高速で撹拌しているメタノールを入れたジャー(各々350mLの3つのジャー)内に沈殿させたところ、乳白色の懸濁液が形成された。懸濁液を合わせ、濾過し、メタノールで洗浄し、真空オーブンにおいて50℃で18時間乾燥させて、白色の粉状物(12.2g、収率95%)を得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 11.37-9(br,47H,COOH),4.02(br,144H,h),2.45-2.18(br,133H),2.02-1.33(br 重複,678H),1.33-0.99(br,4621H),0.99-0.78(br,259H).
反応順序G
高MWポリオレフィン-b-ポリ(tBA)-r-ポリ(nBA)(化合物G4)の合成
グローブボックス内で、化合物F2を合成するためのものと同じ順序を使用して生成された化合物G3(M=32.3kDa、10.0g、0.31mmol-Br)を、撹拌子を備えた250mLガラスジャー内で110℃のトルエン50mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(10.8mL、74mmol、250当量)及びn-ブチルアクリレート(24.7mL、173mmol、583当量)を添加し、添加し、均質になるまで溶液を撹拌した。CuBr(42mg、0.3mmol、1当量)及びPMDETA(51mg、0.3mmol、1当量)をベンゾニトリル(0.255mL)中の原液として添加し、反応を5時間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。次いで、スラリーを800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、過剰のMeOHで洗浄した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(17.2g、収率97%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.10(br,311H),2.50-2.40(br,127H),2.40-2.20(br,85H),2.00-1.57(br 重複,702H),1.54-1.43(br,1075H,e+l),1.47-1.11(br,4621H),1.04-0.92(t,J=6.7,502H)
高MWポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物G5)の合成
化合物G4(M=60.8kDa、16.7g、14重量%tBA、18.1mmol tert-ブチル基)ブロックコポリマーを、還流冷却器及び機械的撹拌器を備えた500mLの丸底フラスコに添加し、トルエン(200mL)を添加した。透明で粘性の溶液が得られるまで、混合物を還流させながら撹拌した(加熱マントルを115℃で50分間、次いで125℃で30分間に設定)。加熱マントル温度を105℃に下げ、トリフルオロ酢酸(13.9mL、181mmol、10当量)を混合物に迅速に添加した。反応物を105℃で1時間撹拌した。加熱マントルを取り外し、反応物を室温に放冷した。得られたペースト/ゲルを、高速で撹拌しているメタノールを入れたジャー(各々350mLの4つのジャー)中に沈殿させたところ、乳白色の懸濁液が形成された。懸濁液を合わせ、濾過し、メタノールで洗浄し、真空オーブン内にて50℃で18時間乾燥させて、白色の粉状物(14.8g、収率95%)を得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 11.37-9.20(br,38H,COOH),4.02(br,286H,h),2.45-2.18(br,189H,i+f),2.02-1.33(br 重複,1062H,g/g’+j/j’+k+l),1.33-0.99(br,4621H,ポリオレフィン),0.99-0.78(br,471H,PEMe+nBuMe
反応順序H
低MW NH-Boc末端ポリオレフィン(化合物H2-BOC)の合成
グローブボックス内で、ビニル末端ポリオレフィン2(M=4.2kDa、20.4g、5.1mmol)を、排気されたガラスジャー内のトルエン60mLに溶解させた。2-(Boc-アミノ)エタンチオール(4.06mL、24mmol、4.7当量)を一度に添加し、続いて、トルエン2mL中のABCN(588mg、2.40mmol、0.47当量)を添加した。反応物を110℃で4時間撹拌し、次いで、グローブボックスから取り出し、600mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加分の400mLのMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、白色のポリマーを得た(20.8g、収率98%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 4.76(br,1H,NH),3.34(q,J=6.5Hz,2H,a),2.69(t,J=6.6Hz,2H,b),2.58(t,J=7.3Hz,2H,c),1.78(m,2H,d),1.65(s,9H,e),1.49-0.89(br,691H).
低MW NH-TFA末端ポリオレフィン(化合物H2-H)の合成
グローブボックス内で、化合物H2-BOC(M=4.8kDa、20.0g、4.17mmol)を110℃のトルエン40mLに溶解させた。トリフルオロ酢酸(3.0mL、39mmol、9.5当量)を添加し、溶液を還流させながら30分間撹拌し、次いで、500mLのMeOH中に沈殿させ、濾過した。固形分を追加の300mLのMeOHで洗浄し、再び濾過した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で褐色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 5.00(br,3H,NH ),3.23(br,2H,a),2.90(t,J=7.4Hz,2H),2.60(t,J=7.4Hz,2H),1.66(m,2H,d),1.56-0.85(br,772H).
低MWアミン末端ポリオレフィン(化合物H3)の合成
グローブボックス内で、化合物H2-H(M=5.1kDa、17.0g、3.33mmol)を110℃のトルエン80mLに溶解させた。1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)(0.94mL、6.3mmol、1.9当量)を添加し、溶液を還流させながら20分間撹拌し、次いで、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、追加の500mLのMeOHで洗浄した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で褐色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 2.99(br,2H,a),2.71(br,2H,b),2.60(t,J=7.2Hz,2H,c),1.68(m,2H,d),1.61-0.89(br,713H,ポリオレフィン+PEMe).
低MWアミド結合マクロ開始剤(化合物H3)の合成
グローブボックス内で、化合物H2(M=5.0kDa、16.0g、3.2mmol-NH)を、還流させながらジャー内でトルエン48mLに溶解させた。トリエチルアミン(2.63mL、19.0mmol、5.9当量)を添加し、続いて、5mLのトルエンで希釈した2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(1.57mL、12.7mmol、4当量)を滴下した。反応物を75分間還流させ、次いで、グローブボックスから取り出し、800mLのMeOH中に沈殿させ、濾過し、次いで、追加の600mLのMeOHと共にすりつぶし、再び濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、定量的収率で褐色のポリマーを得た。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 6.90(br,1H,NH),3.50(td,J=6.4,6.2Hz,2H,a),2.74(t,J=6.6Hz,2H,b),2.61(t,J=7.3Hz,2H,c),2.01(s,6H,e),1.66(m,2H,d),1.59-0.84(br,750H).
低MWアミド結合ポリオレフィン-b-ポリ(tBA)(化合物H4)の合成
グローブボックス内で、化合物H3(M=5.3kDa、15.0g、2.8mmol-Br)を110℃のトルエン60mLに溶解させた。tert-ブチルアクリレート(19.5mL、133mmol、47当量)を添加し、溶液を均質になるまで撹拌した。CuBr(384mg、2.7mmol、0.95当量)、CuBr(32mg、0.14mmol、0.05当量)、及びPMDETA(0.590mL、2.8mmol、1当量)をベンゾニトリル(2.3mL)中の原液として添加し、反応を75分間進行させた。グローブボックスから取り出し、空気に曝露することによって反応を停止させた。溶液を熱トルエンで200mLに希釈し、水で洗浄し、次いで洗浄液がほぼ無色になるまで0.5M EDTA溶液で洗浄し、次いで、800mLのMeOH中に2回沈殿させ、濾過した。生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(21.4g、収率80%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d)δ 3.44(br,2H,a),2.69(br,2H,b),2.57(br,2H,c),2.32(br,24H,g),2.00-1.58(br 重複48H,h/h’+e),1.51(br s,260H),1.51-0.86(br,750H).
低MWアミド結合ポリオレフィン-b-ポリ(AA)-r-ポリ(nBA)(化合物H5)の合成
グローブボックス内で、化合物H4(M=5.3kDa、41重量%tBA、21.0g、67mmol tert-ブチル基)を110℃のトルエン120mLに溶解させた。トリフルオロ酢酸(26.0mL、336mmol、5当量)を添加し、溶液を還流させながら10分間撹拌し、次いで、600mLのMeOH中に沈殿させ、濾過した。固形分/ゲルを追加の400mLのMeOHで洗浄し、再び濾過した。次いで、生成物をN流下において70℃で一晩乾燥させて、褐色のポリマーを得た(16.2g、収率94%)。H NMR(500MHz,110℃,d1=70s,TCE-d:DMSO-d 10:1 v/v)δ 10.00-8.10(br,25H,COOH),1.46-0.75(br,750H).
反応順序A~Hの各々について、末端が官能化されたポリマー(具体的には、ビニル末端ポリオレフィン)の量を定量的13C NMRによって求めた。
図2Aは、勾配/1000の関数としての、極性ブロックからのtert-ブチル共鳴又は非極性ブロックからのメチレン(CH)共鳴のプロトンNMR(H NMR)シグナルの積分の自然対数のグラフである。図2A中、2本の直線が存在し、一方はポリエチレン中のメチレンに従い、他方は極性ブロック中のtert-ブチル共鳴を示す。両方の直線はほぼ同じ傾きを有し、したがって、制御された機序でマクロ開始剤からアクリレートモノマーが重合したことを示す。したがって、図2は、非極性(ポリエチレン)ブロック及び極性(ポリアクリレート)ブロックが連結されていることを示す。
いくつかの例は、非極性ブロック中のオクテンに由来する単位を含むが、非極性ブロック中のオクテンに由来するメチレンの量は、無視できるとみなされるほど十分に少ない。
図2に示されるグラフの結果は、Crutchfield,C.A.,and Harris,D.J.Journal of Magnetic Resonance,185(2007)179-182による「Molecular mass estimation by PFG NMR spectroscopy」に記載されている手順を用いて計算した。
実施例7-重合結果



Claims (18)

  1. 非極性-極性ジブロックコポリマーを調製する方法であって、
    アルキルアルミニウム連鎖移動剤の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合させて、ポリメリルアルミニウム種を生成し、次いで、これを加熱してビニル末端ポリオレフィンを生成することと、
    チオール化合物を前記ビニル末端ポリオレフィンと反応させて、スルフィド含有ポリオレフィン中間体を形成することであって、前記チオール化合物が末端ヒドロキシル又は保護された末端アミンを含む、ことと、
    前記スルフィド含有ポリオレフィン中間体をリンカーと反応させることによってマクロ開始剤を生成することであって、前記リンカーが、ハロゲン化アシル及び前記ハロゲン化アシルに対してアルファ炭素に結合したハロゲン原子を含む、ことと、
    前記マクロ開始剤、ラジカル試薬、及びCH=CH-(X)モノマー(式中、Xは、-C(O)OR、-CN、又は-C(O)NHRであり、Rは、-H、直鎖(C~C18)アルキル、又は分岐鎖(C~C18)アルキルから選択される)を、可逆的不活性化ラジカル重合反応を介して反応させて、前記非極性-極性ジブロックコポリマーを生成することと、
    を含む、方法。
  2. 前記CH=CH-(X)モノマーが、CH=CHC(O)(OR)(式中、各Rは、-H、直鎖(C~C18)アルキル、又は分岐鎖(C~C18)アルキルから選択される)、グリシジルアクリレート、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記CH2=CH-(X)モノマーが、少なくとも1つのt-ブチルアクリレートを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記非極性-極性ジブロックコポリマーを熱又は酸性条件下で反応させて、非極性-極性酸ジブロックコポリマーを形成することを更に含み、前記熱条件が20℃を超える温度を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記チオール化合物が、以下による構造:

    (式中、xは、2~12であり、Yは、-NHR又は-OHであり、Rは保護基である)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. Yが、-NHRである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記保護された末端アミンを脱保護することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記チオール化合物と前記ビニル末端ポリオレフィンとの反応中に、前記チオール化合物の-SH基が、前記ビニル末端ポリオレフィンの末端ビニル基と反応して、前記スルフィド含有ポリオレフィン中間体を生成する、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ポリオレフィンが、エチレンに由来するモノマーを含み、任意選択的に1つ以上の(C~C12)α-オレフィンモノマーを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記リンカーのアルファ炭素に結合した前記ハロゲン原子が、臭素又はヨウ素である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ラジカル試薬が、CuBr、CuCl、又はCuIから選択されるハロゲン化銅(I)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ラジカル試薬が、CuBrである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ラジカル試薬が、CuX、Fe(III)X、又はRu(III)X(式中、Xは、2,2’:6’,2’’-テルピリジン(tpy)、2,2’-ビピリジン(bpy)、4,4’-ジ(5-ノニル)-2,2’-ビピリジン(dNbpy)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N-プロピル(2-ピリジル)メタンイミン(NPrPMI)、4,4’,4’’-トリス(5-ノニル)-2,2’:6’,2’’-テルピリジン(tNtpy)、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N,N-ビス(2-ピリジルメチル)オクチルアミン(BPMOA)、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(HMTETA)、トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン(MeTREN)、トリス[(2-ピリジル)メチル]アミン(TPMA)、1,4,8,11-テトラアザ-1,4,8,11-テトラメチルシクロテトラデカン(Me4CYCLAM)、及びN,N,N’,N’-テトラキス(2-ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)からなる群から選択される配位子である)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記連鎖移動剤が、AlR(式中、各Rは、独立して(C~C12)アルキルである)である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ポリメリルアルミニウム種を加熱することによって、β脱離反応を介して前記ビニル末端ポリオレフィンが生成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記リンカーが、式(II)による構造:

    (式中、Xは、ハロゲン原子であり、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、R及びRは、独立して(C~C20)ヒドロカルビルである)を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記非極性-極性ジブロックコポリマーが、ポリオレフィン-ポリアクリレートジブロックコポリマーである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記非極性-極性ジブロックコポリマーが、ポリエチレン-ポリアクリレートジブロックコポリマーである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
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