JP2023551402A - より長いミキサーオープンタイムを有する速硬化性2成分系シリコーン組成物 - Google Patents

より長いミキサーオープンタイムを有する速硬化性2成分系シリコーン組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下のものからなる2成分系シリコーン組成物に関する:以下を含む成分(A):少なくとも1種のヒドロキシル基末端ポリジオルガノシロキサン(P);好ましくは少なくとも1種の充填剤;成分(A)を基準にして0.05~5.0重量%の間のエマルション水;及び以下を含む成分(B):可塑剤としての少なくとも1種の非縮合性ポリジオルガノシロキサン(W)、架橋剤としての少なくとも1種のオルガノシラン(V)、ポリジオルガノシロキサンを架橋させるための少なくとも1種の触媒(K);ここで、すべてのオルガノシラン(V)が、好ましくは、同一の加水分解可能なアルコキシシラン基、好ましくはメトキシシラン基を有し;かつ触媒(K)が、式(V)の2個のメルカプチド配位子を有するスズ錯体であり、配位子(L1)が、互いに独立して、硫黄を介して配位したアルキルメルカプチド、特にC6~C16アルキルメルカプチドであり、ここで、配位子(L1)が、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有していてもよく、かつ配位子(L2)が、互いに独立して、アルキル配位子、特にはC6~C14アルキル配位子であり;かつ成分(B)が、成分(B)を基準にして、5重量%未満のカーボンブラックを含むことを特徴とする。本発明における組成物は、非常に長いポットライフ及びミキサーオープンタイムを有し、かつ同時に極めて迅速な硬化と優れた貯蔵安定性とを有する。JPEG2023551402000027.jpg21160

Description

本発明は、2成分系シリコーン組成物の分野に関する。
2成分系シリコーン組成物は、すでに以前から公知であり、各種の用途において、特に接着剤及びシーラントとして使用されている。広く使用されている製品は、特には、2成分系シリコーン組成物であり、このものは、室温で架橋され、RTV-2シリコーンとして知られている(RTV-2:「room temperature vulcanizing,2-part silicones」)。
そのような2成分系シリコーン組成物は、たとえば、欧州特許出願公開第0 787 766A1号明細書に記載されている。そこに記載されている組成物の貯蔵安定性を低下させないため、すなわち、早まった、望ましくない硬化を防止するために、主成分すなわち、α,ω-ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンと、ポリジオルガノシロキサンを架橋させるための触媒及び架橋剤とを、二つの別々の構成成分の形で貯蔵している。そのような組成物の適用においては、次いでそれら二つの成分を、目的の重量比又は体積比で互いに混合するが、その比率は、その組成物を架橋させたり、硬化させたりするためには重要である。硬化が早々と進行するより前に、その混合物を加工し、適用することが可能な時間は、ポットライフ又はオープンタイムと呼ばれる。
欧州特許出願公開第0 787 766A1号明細書に記載されているような2成分系シリコーン組成物の主たる欠点は、ポットライフと硬化速度との間の相互依存性である。それらの性質は、その2成分系シリコーン組成物の配合、特には存在している反応性物質たとえば架橋剤のタイプと量、並びに触媒の量によって決まる。この場合、典型的には、短いポットライフ且つ早い硬化、又は長いポットライフ且つ遅い硬化を有する2成分系シリコーン組成物を達成することが可能である。これらの組成物はいずれも、さらに、遅いか又は早いかいずれかではあるが、開始時から一定である、架橋を伴う典型的な硬化特性を有しており、したがって、複数の成分を混合した後で、粘度が上昇する。このことは、工業的な製造においては特に問題である。そのような場合で望ましいのは、製造された構成成分が速やかに次工程へ送れるように、待機時間なしであるが、適用後には極めて迅速な硬化を有する、任意に決められるポットライフである。ポットライフが極めて短い場合での他の問題は、その混合物があまりにも早く硬化しはじめ、そのために不良品が発生し、望ましくないクリーニング操作となることである。ポットライフが過剰に長く、その後での硬化が遅い場合には、待機時間のために、その製造サイクルが長くなり、これも同様に望ましくない。したがって、理想的な2成分系シリコーン組成物は、ポットライフが長いが、極めて速やかに硬化するものである。しかしながら、これを達成するのは、極めて困難である。
速硬化性の2成分系シリコーン組成物の、また別な主たる欠点は、オープン時間の問題として知られている。これは、主として、スタティックミキサーなどを使用して2種の成分を混合する場合に起きる。ここで起きることは、その2種の成分がスタティックミキサーに入って互いにぶつかると、ポリジオルガノシロキサン含有成分に対する、触媒含有成分の相対的な濃度が局所的に過剰となることが起こり得て、その結果、スタティックミキサーの内部で組成物が急速に硬化し、それにより、そのミキサーが閉塞を起こしたり、或いは、適用の途中又は後でのポットライフがかなり短くなったりしてしまう可能性がある。このことは、そのポリジオルガノシロキサン含有成分が、その触媒含有成分に対して、(≧1:1)の重量比で使用される場合(これは、実務では頻繁にある)に特に問題となる。
この欠点に対する対策の選択肢としては、たとえば、実際に触媒含量を低下させるか、又は触媒をもっと希釈するかのいずれかにあり、触媒含有成分の中の触媒濃度を下げることが挙げられる。しかしながら、触媒含量を低下させると、必然的に、硬化時間、すなわち、ポットライフも長くなり、このことは、通常、望ましくない。その一方で、触媒の希釈度を上げるということは、追加の希釈剤を使用する必要がある、或いは非反応性成分を、ポリジオルガノシロキサン含有成分から触媒含有成分へ移す必要があるということを意味していて、このことには、加工性の低下、及び/又は硬化させた組成物の機械的性質の低下が伴う可能性があり、さらには、その組成物の配置的選択肢(configurational options)が限定される。
したがって、長いポットライフ及びそれと同時に長いミキサーオープンタイムを有する、すなわち上で述べたような望ましくない混合現象を受けにくいが、ポットライフの終了後には極めて迅速に硬化して、その組成物を適用して製造している構成部品が、可能な限り早く次工程を送る(move onward)ことができるような、2成分系シリコーン組成物が必要とされている。
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、混合比とは関係なく、長いミキサーオープンタイム及び長いポットライフを有し、そしてポットライフの終了後には極めて迅速に硬化する、2成分系シリコーン組成物を提供することである。それに加えて、その組成物は、低い架橋剤濃度で配合することが処方であって、それにより脱離するアルコールからのVOC汚染レベルが低く、並外れた貯蔵安定性が高く、そして硬化後には良好な機械的性質を有しているべきである。
驚くべきことには、請求項1で特許請求されている2成分系シリコーン組成物によって、この目的が達成されることが見出された。
2個のチオレ-ト配位子を有する特定の触媒(これは、決して当業者に自明ではない)を、好ましくは架橋剤としての特定のオルガノシランを組み合わせて使用することによって、長いポットライフ、及び、なかんずく長いミキサーオープンタイムを有し、そしてそれら2成分を、広い定義域の混合比で使用することが可能な、2成分系シリコーン組成物を得ることが可能である。本発明による2成分系シリコーン組成物は、堅牢な(robust)混合プロファイルを有している、すなわち、それらは、広く選択することが可能な、ポリマー成分対硬化成分の混合比で使用することができる。それに加えて、本発明による2成分系シリコーン組成物は、特に触媒を含む硬化性成分の点で、並外れて良好な貯蔵安定性を有している。このことは、並外れて低い相分離傾向を示し、したがって、長い貯蔵期間の後であってさえも、何の制約もなしで使用することができる。本発明による2成分系シリコーン組成物は、たとえば、25分のポットライフを達成し、それと同時にたとえば、7~8分のミキサーオープンタイムが可能となるように、調製することができる。それと同時に、本発明による2成分系シリコーン組成物は、満足のいく速度で硬化し、好ましい実施態様においては、その混合物が、30分までのポットライフを有しながらも、適用終了4時間後には80%硬化する。本発明による2成分系シリコーン組成物はさらに、各種の基材に対して、極めて良好な接着性を示す。
本発明のさらなる態様が、さらなる独立請求項の主題である。本発明の特に好ましい実施態様が、従属請求項の主題である。
本発明は、以下のものからなる2成分系シリコーン組成物であって:
以下を含む成分A:
(i)少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP;
(ii)好ましくは少なくとも1種の充填剤;
(iii)成分Aを基準にして、0.05重量%~5.0重量%のエマルション水;及び
以下を含む成分B:
(i)可塑剤としての少なくとも1種の非縮合性ポリジオルガノシロキサンW;
(ii)架橋剤としての少なくとも1種のオルガノシランV;
(iii)ポリジオルガノシロキサンを架橋するための少なくとも1種の触媒K;
ここで、
すべてのオルガノシランVが、好ましくは、同一の加水分解性アルコキシシラン基、好ましくはメトキシシラン基を有し;かつ
触媒Kが、2個のメルカプチド配位子を有する式(V)のスズ錯体であり:
式中、配位子Lは、それぞれ独立して、硫黄を介して配位したアルキルメルカプチド、特にC~C16アルキルメルカプチドであり、ここで、配位子Lは、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有していてもよく、かつ配位子Lは、それぞれ独立して、アルキル配位子、特にC~C14アルキル配位子である;かつ
成分Bが、成分Bを基準にして、5重量%未満のカーボンブラックを含む
ことを特徴とする、
2成分系シリコーン組成物を提供する。
本明細書においては、「シラン基」という用語は、有機基又はポリオルガノシロキサン基に結合され、そのケイ素原子の上に1~3個、特には2個又は3個の、加水分解可能な置換基を有するシリル基を指している。特に好ましい一般的な加水分解性置換基は、アルコキシ基である。それらのシラン基は、「アルコキシシラン基」とも呼ばれている。シラン基が、部分的又は全面的に加水分解された形であってもよい。
「アミノシラン」及び「グリシドキシシラン」は、その有機基の上に、シラン基に加えて、それぞれ1個又は複数のアミノ基又はグリシドキシ基を有するオルガノアルコキシシランを指している。
「第一級アミノ基」及び「第一級アミン窒素」は、それぞれ、有機基に結合されたNH基及びその窒素原子を指しており、そして「第二級アミノ基」及び「第二級アミン窒素は、それぞれ、2個の有機基に結合されたNH基及びその窒素原子(それらがさらに合体して環の一部となっていてもよい)を指しており、そして、「第三級アミノ基」及び「第三級アミン窒素」は、それぞれ、3個の有機基に結合されたN基及びその窒素原子(そのうちの2個又は3個が一緒になって1個又は複数の環の一部になることもある)を指している。
「有機ポリマー」という用語には、重合反応(重合、重付加、重縮合)により形成され、そのポリマー骨格の内の大半が炭素原子である、化学的には均一であるが、それらの重合度、モル質量、及び鎖長の点で異なる、一団のマクロモレキュール、並びにそのような一団のマクロモレキュールの反応生成物が包含される。ポリオルガノシロキサン主鎖を有するポリマー(一般的には、「シリコーン」と呼ばれる)は、本明細書の文脈においては、有機ポリマーではない。
本明細書においては、「分子量」という用語は、分子、又は分子の一部(「ラジカル」と呼ぶこともある)のモル質量(単位;グラム/モル)を意味していると理解されたい。「平均分子量」という用語は、分子又は基のオリゴマー性又はポリマー性の混合物の数平均Mを表しているが、これは、典型的には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準としてのポリスチレンを用いて測定される。
物質又は組成物を、室温で、適切な容器の中で、長期間、典型的には少なくとも6ヶ月から9ヶ月以上まで貯蔵したときに、その貯蔵の結果として、その適用性能又は使用性能、特には粘度及び架橋速度に、その使用に関わるほどの変化が起きない場合には、それが「貯蔵安定性が高い(storage-stable)」又は「貯蔵可能である(storable)」と記述される。
本明細書においては、たとえばポリオールのように、「ポリ」で始まる名称の物質は、1分子あたり2個以上の、その名の由来の官能基を形式的に含む物質を指している。
本明細書においては、「ポリマー」という用語には、第一には、化学的には均質であるが、それらの重合度、モル質量、及び鎖長が異なるマクロモレキュールの集合体が包含されるが、前記集合体は、重合反応(重合、重付加、重縮合)によって調製されたものである。その用語には、第二には、重合反応からのマクロモレキュールのそのような集合体の誘導体、すなわち、規定されたマクロモレキュールの中の官能基の反応、たとえば付加又は置換反応によって得られ、化学的に均質であるか、又は不均質であってもよい化合物も包含される。その用語にはさらに、いわゆるプレポリマー、すなわちその官能基が、マクロモレキュールの形成に与る、反応性のオリゴマー性の初期アダクトもまた包含される。
「ポットライフ」又はその別名である「オープンタイム」は、反応性組成物を適用した後での、それの加工性のウィンドウを意味していると理解されたい。ポットライフの終了(end of the pot life)には、ほとんどの場合、その組成物をさらに有用に加工することが不可能となるような、組成物の粘度の上昇が伴っている。
「ミキサーオープンタイム(mixer open time)」という用語は、オープンタイム、すなわち、スタティックミキサーの内部での反応性組成物の加工時間を意味していると理解されたい。この時間の内では、その物質は、その加工特性における顕著な変化はなく、そしてその操作を続けるために、反応生成物をパージしたり、押し出したりすることを必要とせずに、そのミキサーの中に留めておくことができる。
本明細書における式での点線は、それぞれの場合において、置換基と関連する分子基との間の結合を表している。
「室温」は、約23℃の温度を指している。
特に断らない限り、本明細書で記述されるすべての工業標準規格又は規格は、その工業標準規格又は規格の、本特許出願がなされた時点で有効である版に関連している。
「質量(mass)」と「重量(weight)」とは、本明細書においては、同義語として使用されている。したがって、「重量パーセント」(重量%)は、特に断らない限り、全組成物、又はその文脈に依存して、その分子全体の質量(重量)に関連して記述された、パーセント質量分率である。
成分A
2成分系シリコーン組成物の第一の成分Aには、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP、及び成分Aを基準にして、0.05重量%~5.0重量%の間のエマルション水、及びさらには、好ましくは少なくとも1種の充填剤が含まれる。
ポリジオルガノシロキサンP
2成分系シリコーン組成物の成分Aには、ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンPが含まれ、それは、特には式(IV)のポリジオルガノシロキサンP’である。
この場合の、基R及びRは、それぞれ独立して、1~12個の炭素原子を有し、場合によっては1個又は複数のヘテロ原子、かつ場合によっては、1個又は複数のC-C多重結合、かつ/又は場合によっては脂環族及び/又は芳香族成分を含む、直鎖状又は分岐状の、一価のヒドロカルビル基である。
具体的には、その基R及びRは、1~5個、特には1~3個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基である。
指数nは、そのポリジオルガノシロキサンPの、ポリスチレンを標準とした重量平均分子量Mが、500~250,000g/molとなるように選択する。
より具体的には、そのヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP’が、
式(I)のポリジオルガノシロキサンP1(ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP1の重量平均分子量Mが、30,000~80,000g/mol、特には35,000~60,000g/molとなるように選択される)であるか、又は、
使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、以下のものの混合物であるか、
(i’)少なくとも1種の式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP2(ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP2の重量平均分子量Mが、80,000超~250,000g/mol、特には90,000~150,000g/molになるように選択される);及び
(ii’)少なくとも1種の式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3(ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP3の重量平均分子量Mが、500~≦30,000g/mol、特には500~25,000g/mol、好ましくは1000~20,000g/molになるように選択される);
又は、
使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、以下のものの混合物である:
(i”)少なくとも1種の式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP1(ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP1の重量平均分子量Mが、30,000~80,000g/mol、特には35,000~60,000g/molになるように選択される);及び
(ii”)少なくとも1種の式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3(ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP3の重量平均分子量Mが、500~≦30,000g/mol、特には500~25,000g/mol、好ましくは1000~20,000g/molになるように選択される)。
ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサン、特に式(I)で表されるものは、公知であり、市場で入手可能である。このタイプのポリジオルガノシロキサンは、公知の方法でも調製される。たとえば、それらの調製方法は、米国特許第4,962,152号明細書に記載されている(この特許の開示を、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
上述のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンPは、好ましくは23℃で、1~500,000mPa・sの間、特には10~250,000mPa・sの間の粘度を有している。
さらに好ましくは、そのポリジオルガノシロキサンP1が、23℃で、5000~100,000mPa・sの間、特には7500~50,000mPa・sの間の粘度を有している。
そのポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP2と少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、そのポリジオルガノシロキサンP2が、好ましくは、23℃で、100,000~500,000mPa・sの間、特には150,000~250,000mPa・sの間の粘度を有し、そしてそのポリジオルガノシロキサンP3が、好ましくは、23℃で、1~5000mPa・sの間、特には10~2500mPa・sの間、好ましくは20~1000mPa・sの間の粘度を有している。
上で記載した粘度は、DIN 53018に従って測定したものである。
複数の異なったポリジオルガノシロキサンP2及び/又はP3を、混合物の形態で使用するのが有利となり得る。
そのポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP1と少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、そのポリジオルガノシロキサンP1が、好ましくは、23℃で、100,000~500,000mPa・sの間、特には7,500~50,000mPa・sの間の粘度を有し、そしてそのポリジオルガノシロキサンP3が、好ましくは、23℃で、1~5000mPa・sの間、特には10~2500mPa・sの間、好ましくは20~1000mPa・sの間の粘度を有している。
上で記載した粘度は、DIN 53018に従って測定したものである。
複数の異なったポリジオルガノシロキサンP1及び/又はP3を、混合物の形態で使用するのが有利となり得る。
その使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンP2と少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、ポリジオルガノシロキサンP2の重量比が、一般的には、ポリジオルガノシロキサンP3の重量比よりも大きい。しかしながら、それぞれの比率は、それぞれのポリジオルガノシロキサンの分子量に依存するということは、考慮に入れておくべきである。
その使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンP1と少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、ポリジオルガノシロキサンP1の重量比が、一般的には、ポリジオルガノシロキサンP3の重量比よりも大きい。しかしながら、それぞれの比率は、それぞれのポリジオルガノシロキサンの分子量に依存するということは、考慮に入れておくべきである。
成分Aは、ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP又はヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP’を、成分Aを基準にして、30重量%~70重量%の間、好ましくは30重量%~50重量%の間の量で含んでいるのが好ましい。
そのポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP2と少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、成分Aが、成分Aを基準にして、20重量%~60重量%の間、好ましくは30重量%~50重量%の間の量のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP2、及び、成分Aを基準にして、1重量%~15重量%の間、好ましくは2重量%~10重量%の間の量のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3を含んでいるのが好ましい。
そのポリジオルガノシロキサンP’が、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP1と少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3との混合物である場合には、成分Aが、成分Aを基準にして、20重量%~60重量%の間、好ましくは30重量%~50重量%の間の量のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP1、及び、成分Aを基準にして、0.5重量%~15重量%の間、好ましくは0.75重量%~10重量%の間の量のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3を含んでいるのが好ましい。
記述されているポリジオルガノシロキサンPは、各種の実施態様において、側鎖の上にSi-OH基を担持する分枝(いわゆる、Tユニット)をある程度の割合でさらに含んでいてもよい。しかしながら、そのポリジオルガノシロキサンが、主として直鎖状であって、Si-OH-反応性側鎖なしで形成されているのが好ましい。しかしながら、記述されているポリジオルガノシロキサンP2の場合、特に硬化された組成物の機械的性質に関しては、そのポリジオルガノシロキサンP2のポリジオルガノシロキサンユニットの一部分が、ポリジオルガノシロキサンP2のシロキサンユニットの、好ましくは0~10%、特には0.01%~5%、最も好ましくは0.02%~1%のTユニットから成っているのが有利であることもあり得る。残りのシロキサンユニットは、すべての場合において、Dユニット、すなわち、Si-OH基を含まない、厳密に直鎖状のシロキサンユニットである。

その2成分系シリコーン組成物の成分Aにはさらに、成分Aを基準にして、0.05重量%~5.0重量%の間のエマルション水が含まれる。成分Aの中の水は、その混合された2成分組成物の迅速且つ均一な硬化をもたらし、本発明における迅速且つ均一な硬化を可能とするには、不可欠である。水は、成分Aを基準にして、好ましくは0.1重量%~2.5重量%の間、特には0.1重量%~1.5重量%の間の量で存在させる。
その水は、この場合、遊離の形態又は(たとえば、充填剤上への)吸着水として存在させるのではなく、(たとえばシリコーン油中の)エマルションとして混合される。このことにより、その混合組成物の、低濃度勾配でのより均一な混ぜ込み、及び適用後での、より均一な硬化が可能となる。たとえば40重量%~60重量%の水を含む水/油エマルションが有利であることが見いだされた。
その2成分系シリコーン組成物の成分Aにはさらに、追加の添加剤たとえば、充填剤、可塑剤、顔料、及び配合添加物たとえば、分散添加剤又はチクソトロープ剤が含まれていてもよい。そのような添加剤は、シリコーン配合物の当業者には公知である。それらの添加剤は、成分A及び/又は混合された2成分系シリコーン組成物の、加工性及び混和性を改良することができる。しかしながら、それらは、本発明の効果にとって必須という訳ではない。
成分B
2成分系シリコーン組成物の第二の成分Bには、以下のものが含まれる:
(i)可塑剤Wとしての少なくとも1種の非縮合性ポリジオルガノシロキサン;
(ii)架橋剤としての少なくとも1種のオルガノシランV;
(iii)ポリジオルガノシロキサンを架橋させるための少なくとも1種の触媒K;
ここで、
すべてのオルガノシランVが、好ましくは、同一の加水分解性アルコキシシラン基、好ましくはメトキシシラン基を有し;かつ
触媒Kが、2個のメルカプチド配位子を有する、下記式(V)のスズ錯体であり:
式中、配位子Lは、それぞれ独立して、硫黄を介して配位したアルキルメルカプチド、特にC~C16アルキルメルカプチドであり、ここで、配位子Lは、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有していてもよく、かつ配位子Lは、それぞれ独立して、アルキル配位子、特にC~C14アルキル配位子である;かつ
成分Bには、成分Bを基準にして、5重量%未満のカーボンブラックを含む
ことを特徴としている。
可塑剤W
成分B、及び好ましくはさらに成分Aには、少なくとも1種の非縮合性ポリジオルガノシロキサンが、可塑剤Wとして含まれる。このものは、典型的には、その末端基が、アルキル基又はビニル基を用いてキャップされたポリジオルガノシロキサンであって、そのため、そのポリジオルガノシロキサンは、いかなる縮合反応又は架橋反応にも与ることはできない。
特に好適な可塑剤Wは、トリアルキルシリル末端ポリジアルキルシロキサン、特には、本明細書で先に既に説明したトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンである。しかしながら、その中で、メチル基のいくぶんかが、他の有機基たとえば、フェニル、ビニル又はトリフルオロプロピルで置換されたようなトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンを使用することもまた可能である。直鎖状のトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンを使用するのが特に好ましくはあるものの、分岐状である化合物を使用することもまた可能ではある。そのような分岐状の化合物は、それらを調製する際に、その出発物質の中で、少量の三官能又は四官能のシランを使用すれば得られる。ポリシロキサン可塑剤に代えて、他の有機化合物たとえば、特定の炭化水素、ヒドロキシルフリーのポリエーテル、又はそれらの混合物を可塑剤Wとして使用することもまた可能である。このタイプの炭化水素は、芳香族又は脂肪族であってよい。選択の際に特に注意すべきは、前記炭化水素が、低い揮発度、及びシリコーン組成物の他の成分との十分な相容性を有していることの確認である。
可塑剤Wとして好ましいのは、1~200,000mPa・sの間の粘度を有するポリジメチルシロキサンである。特に好ましいのは、10~150,000mPa・sの間の粘度である。
成分Aの中で、可塑剤Wとして、1~10,000mPa・sの間、好ましくは10~1000mPa・sの間の粘度を有する、トリアルキルシリル末端ポリジメチルシロキサンを使用するのが、特に有利であり、且つ好ましい。そのことにより、成分Aに特に有利な粘度が設定可能となり、それにより混合が容易となる。
それに加えて、成分Bの中で、可塑剤Wとして、10,000~200,000mPa・sの間、好ましくは20,000~150,000mPa・sの間の粘度を有するトリアルキルシリル末端ポリジメチルシロキサンを使用するのが、特に有利であり、且つ好ましい。そのことにより、成分Bの中で、特に良好な貯蔵安定性及び特に低い相分離傾向が達成可能となる。
そのような可塑剤Wは、シリコーン配合物の当業者には極めて周知であり、それらは、たとえば、Wacker Chemie(Germany)から、Wacker(登録商標)AK商品名シリーズとして、販売されており、以下においてさらに詳しく説明する。それらの非反応性のポリジオルガノシロキサンは、シリコーン油とも呼ばれている。それらは、各種の鎖長、従って粘度で得ることが可能であり、それらの主たる目的は、固体の構成成分たとえば、他の成分に混ぜ込んで均質化することが容易であり、そしてその組成物の機械的性質及び流動性を改良する充填剤を作成することにある。
成分Bが30重量%~50重量%の間の可塑剤Wを含んでいるのが好ましい。
成分Aが1重量%~15重量%の間の可塑剤Wを含んでいるのが好ましい。成分Aでは、より少ない可塑剤Wが必要か、又は全く無くてもよいが、その理由は、成分Aには既に、液状のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンが含まれているからである。
たとえば、粘度が異なるか又は末端基が異なる、各種のこのタイプの可塑剤Wを組み合わせるのが有利となりうる。
成分Bが,ビニルシラン末端基又はメチルシラン末端基を有する、少なくとも1種の可塑剤Wを含んでいるのが好ましい。
触媒K
2成分系シリコーン組成物の成分Bにはさらに、ポリジオルガノシロキサンを架橋させるための少なくとも1種の触媒Kが含まれる。
触媒Kは、2個のメルカプチド配位子を有する、式(V):
(式中、配位子Lは、それぞれ独立して、硫黄を介して配位したアルキルメルカプチド、特にC~C16アルキルメルカプチド、好ましくはC~C14アルキルメルカプチド、最も好ましくはC10~C12アルキルメルカプチドであるが、ここで、配位子Lが、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有していてもよく、かつ配位子Lは、それぞれ独立して、C~C18アルキル配位子、特にC~C14アルキル配位子、好ましくはC~C12アルキル配位子である)のスズ錯体である。
したがって、触媒Kは、2個のC~C18アルキル配位子L、特には2個のC~C14アルキル配位子Lを有するSn(IV)錯体である。
極めて短いアルキル配位子、たとえばメチル配位子は、貧弱な成分Bの貯蔵安定性をもたらすことが見いだされたので、配位子Lとしては不適切である。
配位子Lは、好ましくはC~C14アルキル配位子、特にはフェニル、ヘキシル、オクチル、又はドデシル配位子、最も好ましくはオクチル配位子である。それらは、特に貯蔵安定性が高く、本発明において、組成物の中で特に良好な活性を有する錯体を形成する。
それに加えて、触媒Kは、2個の、硫黄原子を介して配位されたメルカプチド配位子L、特にはC~C16アルキルメルカプチドを有し、ここで配位子Lは、場合によっては、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有している。「メルカプチド」という用語は、「チオレ-ト」という用語と同義語として使用され、脱プロトン化されたRS配位子(ここで、Rは、有機基である)と記述される。
それら2個の配位子Lが、2個のチオレ-ト基を有する単一の二座配位子を構成することができないことが見いだされたが、その理由は、そのキレート化効果が、本発明による効果を低減させる可能性があるからである。したがって、配位子Lは、2個の個別の配位されたアルキルメルカプチド配位子でなければならない。これらの配位子が、スズに配位されることが可能な他のヘテロ原子、たとえば、アミノ基又はカルボキシレート基をまったく含まないのが好ましい。配位子Lが、メチルジアルコキシシラン基は別として、ヘテロ原子を有する官能基を一切含まないのが好ましい。
その一方で、メチルジアルコキシシラン基、特にメチルジメトキシシラン基は、有利となりうるが、その理由は、それらがポリマー骨格の中に組み込まれることが可能であり、それによって、硫黄配位子の移動度が制限されるからである。このことは、望ましくない移行効果及び/又は各種の黄変が防止されるという利点も有している。しかしながら、そのメチルアルコキシシラン基が、存在している場合、架橋剤Vとして、同一のアルコキシシラン基を有しているのが好ましい。
さらには、トリアルコキシシラン基を有する配位子Lが、不適切であることが見いだされたが、その理由は、それらが、触媒の効果及び組成物の貯蔵安定性を低下させるからである。
配位子Lは、好ましくは、硫黄原子を介して配位された、ドデシルチオレート配位子、オクタデシルチオレート配位子、又は3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン配位子である。
特に好ましいのは、ドデシルチオレート配位子である。それらは、特に有効な、特に貯蔵安定性が高い触媒Kを与える。ドデシルチオ配位子は、より短いアルキル鎖を有する配位子に比較して、ほとんど臭気を感じることはないが、それでも室温では液状であり、そのために、より長いアルキル鎖を有する配位子に比較して、扱いやすいというさらなる利点を有している。
特に好ましいのは、さらに、硫黄原子を介して配位された、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン配位子である。
それらは、特に効果が高い触媒Kを与え、硬化された組成物における黄変傾向が特に低い。
触媒Kの特に好ましい実施態様においては、その式(V)の中において、配位子Lの両方がドデシルメルカプチドであり、そして配位子Lの両方がオクチルである。
触媒Kのさらなる特に好ましい実施態様においては、その式(V)の中において、配位子Lの両方が3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランであり、そして配位子Lの両方がオクチルである。
触媒Kは、たとえば、ジアルキルスズジアセテートを適切なメルカプタン配位子と、約(2:1)のモル比(配位子:スズ錯体)で、空気を排除して、23℃で24時間攪拌することにより、容易に調製することができる。そのプロセスにおいて、配位子交換によって生成する副生物、たとえば酢酸は、たとえば、減圧下で蒸留することによって、有利に除去することができる。
言うまでもないことであるが、各種の触媒の混合物を使用することも可能であり、いくつかの場合においては、好ましくもある。
ポリジオルガノシロキサンを架橋させるための触媒Kの比率は、2成分系シリコーン組成物の成分Bを基準にして、好ましくは0.05重量%~10重量%、特には0.1重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~4重量%である。
触媒Kの量が、ポットライフ及びポットライフの範囲に影響するが、それらは、混合した2成分組成物で確認することができる。触媒含量が高いほど、その傾向が確認可能なポットライフが、より短くなり、そしてその後での硬化が、より早くなるであろう。しかしながら、それらの影響はさらに、架橋剤の選択の影響も強く受ける。これについては、以下において、さらに詳しく説明する。
2成分系シリコーン組成物の成分Bにはさらに、シリコーン組成物のための、少なくとも1種の架橋剤、好ましくは2種以上の異なった架橋剤が含まれる。この場合、架橋剤とは、加水分解性アルコキシシラン基を有する有機ケイ素化合物を指している。本発明では、3種の異なったタイプの架橋剤V1、V2、及びV3を区別しているが、それらについては、以下でより詳しく説明する。
組成物の中のすべての架橋剤が、同一のアルコキシシラン基を担持しているのが、本発明の効果のためには、有利であり、且つ好ましい。たとえば、すべての架橋剤が、メトキシシラン基を有していてもよいし、或いはすべての架橋剤がエトキシシラン基を有していてもよい。異なったアルコキシシラン基の混合物は、通常は、有利ではなく、本発明の効果を、妨げたり、さらには妨害したりする可能性がある。
しかしながら、メトキシ基を有する架橋剤とエトキシ基を有する架橋剤との混合物を使用することもまったく可能であり、たとえば、最もゆっくりと加水分解する架橋剤Vが、メトキシシラン基やその他のものではなく、エトキシシラン基を有している場合には、より早い架橋剤Vは、メトキシシラン基を有している。同様にして、複数の架橋剤Vの混合物を使用する場合、その混合物の極めて少ない部分を構成する架橋剤が、残りの架橋剤とは異なって、アルコキシシラン基を有することができるが、その場合それらは、アルコキシシラン基に関しては、同一のタイプであるべきである。そのような混合物においても、本発明の効果は低下しない。
架橋剤V1
本発明の組成物の成分Bには、成分Bを基準にして、0重量%~50重量%の間の、少なくとも1種の、式(I)の第一のオルガノシランV1が含まれる:
(式中、
は、水素原子又は、一価の、1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、
は、二価の、2~20個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基である)。
が、水素原子又はメチル基若しくはエチル基であるのが好ましい。Rが、水素原子又はメチル基であるのが最も好ましい。
として、加水分解の後では水素原子に転換されるエチル基を含むシランV1は、特に有利であるが、その理由は、それらは、第一には、ポットライフを特に良好な制御性で調節することを可能としながらも、それにも関わらず、極めて迅速に硬化し、そしてそれに加えて、毒性のあるメタノールの放出を起こすことがないからである。
として、加水分解の後では水素原子に転換されるメチル基を含むシランV1は、特に有利であるが、その理由は、それらは、ポットライフの終了後に、特に迅速に硬化しながらも、それにも関わらず、長いポットライフ及び長いミキサーオープンタイムを可能とするからである。
が、2~12個の炭素原子を有する、好ましくは2~6個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基又はアルケニル基、最も好ましくはエチル基、プロピル基、エチレン基、又はプロペニル基であるのが好ましい。
オルガノシランV1は、本発明の効果のために、絶対的に必要という訳ではないが、オルガノシランV2と組み合わせることで、配合物の中に存在させたときに、ポットライフの、より良好な調節機能を可能とするからである。オルガノシランV1を使用することによって、その組成物の最大限に可能なポットライフを長引かせることが可能となるが、これを使用しないと、ポットライフの終了後での硬化速度が、顕著に遅くなる。
本発明の組成物の好ましい実施態様には、成分Bを基準にして、10重量%~30重量%の間、好ましくは12重量%~20重量%の間のオルガノシランV1が含まれる。
架橋剤V2
本発明の組成物の成分Bには、成分Bを基準にして、2重量%~60重量%の間の、少なくとも1種の、式(II)の第二のオルガノシランV2が含まれる:
(式中、
は、オルガノシランV1で定義されたものであり、かつ
は、2~20個の炭素原子を有し、そして少なくとも1種の第二級アミノ基並びに場合によっては、ヒドロキシル基及びエーテル酸素を含む、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基である)。
オルガノシランV2が、式(IIa)で記述される構造を有しているのが好ましい:
(式中、
は、2~10個の炭素原子を有し、そして場合によってはヒドロキシル基及びエーテル酸素を含む、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、かつ
は、2~10個の炭素原子を有し、場合によっては第二級アミノ基を含む、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基である)。
本発明の組成物の好ましい実施態様には、成分Bを基準にして、5重量%~50重量%の間、好ましくは10重量%~45重量%の間のオルガノシランV2が含まれる。
一つの好ましい実施態様においては、そのオルガノシランV2が、その中で、式(IIa)中の基R及びRが、両方とも、2~10個の炭素原子を有する二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にはプロピル基である、オルガノシランV2aである。
また別の特に好ましい実施態様においては、そのオルガノシランV2が、その中で、式(IIa)中の基Rが、場合によっては第二級アミノ基を含む2~10個の炭素原子を有する二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にはプロピル基又は、その炭素鎖の中に第二級アミノ基を有するCアルキル基であり、そして基Rが、2~10個の炭素原子を有する二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にはプロピル基を含み、さらには、式(IIb)で示された二つの構造要素の内の一つを含む、オルガノシランV2bである。この場合、式(IIb)の中のNH基は、式(IIa)の中のNH基であり、酸素原子のところの点線は、2~10個の炭素原子を有する二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にはプロピル基への結合を表している。
オルガノシランV2aは、たとえばDynasylan(登録商標)1122及びDynasylan(登録商標)1124の商品名(Evonik)として市場で入手可能である。Dynasylan(登録商標)1124は、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり、そしてDynasylan(登録商標)1122は、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンである。
オルガノシランV2bは、市場で入手可能であるオルガノシランから、たとえば、等モル量の3-アミノプロピルトリエトキシシランを3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランと、水の非存在下で、エポキシ基が完全に反応するまで反応させることにより、容易に調製することができる。
オルガノシランV2bの特に好ましい実施態様においては、式(IIa)の中の基Rが、その炭素鎖の中に第二級アミノ基を有する二価のCアルキル基であり、そして基Rが、その炭素鎖の中にエーテル酸素を有し、さらにはヒドロキシル基も有する、直鎖状の二価のCアルキル基である。このものが、アルコキシシラン基として、もっぱらメトキシシラン基を有しているのが好ましい。そのようなオルガノシランは、たとえば、等モル量のN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(たとえば、Geniosil(登録商標)GF91、Wacker)を3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(たとえば、Geniosil(登録商標)GF80、Wacker)と、水の非存在下で、エポキシ基が完全に反応するまで反応させることにより、調製することができる。
本発明による組成物の好ましい実施態様においては、オルガノシランV2が、先に述べたようなオルガノシランV2aを含み、オルガノシランV2aが、成分Bを基準にして、5重量%~20重量%の間の量で存在し、そしてそれに加えて、オルガノシランV2が、先に述べたようなオルガノシランV2bを含み、オルガノシランV2bが、成分Bを基準にして、5重量%~20重量%の間の量で存在し、そしてその組成物にはさらに、少なくとも1種のオルガノシランV3が、成分Bを基準にして、2.5重量%~20重量%の間の量で含まれ、そして触媒Kが、成分Bの中に、成分Bを基準にして、0.1重量%~1.5重量%の間の量で存在している。
この実施態様により、特に好適な、十分に長いポットライフ及びミキサーオープンタイム、ポットライフ終了後の特に迅速な硬化性、並びに特に成分Bの場合の特に良好な貯蔵安定性が可能となる。
本発明の組成物の好ましい実施態様においては、オルガノシランV2aとオルガノシランV2bとの混合物が、オルガノシランV2として使用される。これらの実施態様においては、触媒Kの含量は、成分Bを基準にして、好ましくは0.1重量%~2重量%の間、特には0.2重量%~1重量%の間である。このことにより、極めて精確に調節可能で、ユーザーフレンドリーであるが、平均よりは短いポットライフ、及び極めて迅速な硬化が可能となり、そしてこれは、特に、短いサイクル時間での機械による、自動化適用には好適であり、そしてさらには、成分A及び成分Bの混合比を変化させることによる、自由に選択することが可能なポットライフには特に好適である。このことは、ポットライフを変化させても、硬化された組成物における最終的な性能が常に同じであることが望まれる、フレキシブルな適用又は複雑な適用には特に有利である。
この実施態様においては、オルガノシランのV2aとV2bは、(1:2)~(2:1)の間の重量比での配合で使用するのが好ましい。
本発明の組成物のこの実施態様の好ましい実施態様には、成分Bを基準にして、5重量%~25重量%の間、好ましくは7.5重量%~22.5重量%の間のオルガノシランV2a、及び成分Bを基準にして、0重量%~25重量%の間、好ましくは5重量%~22.5重量%の間のオルガノシランV2bが含まれる。
架橋剤V3
2成分系シリコーン組成物の成分Bにはさらに、好ましくは、成分Bを基準にして0重量%~25重量%の間の、式(I)及び(II)ではカバーされない、加水分解性アルコキシシラン基Si-ORを有するさらなるオルガノシランV3が含まれる。これらも、架橋剤として同様に役立つが、任意成分である。
その追加のオルガノシランV3は、特には、式(III)のシランである。
この場合の、基Rは、それぞれ独立して、1~12個の炭素原子を有し、場合によっては1個又は複数のヘテロ原子、そして場合によっては、1個又は複数のC-C多重結合、及び/又は場合によっては脂環族及び/又は芳香族成分を含む、直鎖状又は分岐状の、一価のヒドロカルビル基である。
基Rは、本明細書において先にさらに説明した基Rである。
その指数pは、0~4の値を有するが、ただし、pが3又は4の値を有する場合には、少なくとも(p-2)個の基Rがそれぞれ、ポリジオルガノシロキサンPのヒドロキシル基と反応性があり、特には縮合可能な少なくとも1個の基、すなわちたとえば、ヒドロキシル基を有している。特には、pが0、1又は2の値、好ましくは0の値を有している。
ポリジオルガノシロキサンのための架橋剤としての式(III)のシランを選択するための、2成分系シリコーン組成物に対する各種の要求は、シビアである可能性がある。そのシランの反応性が重要な役割を果たすことだけではなく、毒性的な理由もまた、架橋剤の選択においてはシビアであり得る。
好適な式(III)のシランの例としては、以下のもの挙げられる:メチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、又はテトラ-n-ブトキシシラン。
より好ましくは、式(III)のシランが、メチルトリメトキシシラン、ジメチルトリメトキシシラン、若しくはテトラメトキシシラン、又はそれらの混合物であり、極めて特に好ましくは、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラ、又はそれらの混合物である。
ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランが架橋剤としては不適切であることが見いだされていたが、その理由は、ビニル基が、貯蔵安定性に対して、極めて強い悪影響を及ぼすからである。
メチルトリメトキシシラン及びオクチルトリメトキシシランの混合物を架橋剤V3として使用することによって、本発明によるシリコーン組成物のポットライフ及びミキサーオープンタイムの調節が可能となり、オクチルトリメトキシシランの使用量が多いほど、ポットライフ及びミキサーオープンタイムが長くなる。
それに加えて、成分Bの中に存在するシランは、さらに、部分的(全部のRの幾分かがHである)又は全面的(全部のRがHである)に、既に加水分解された形で存在していてもよい。部分的又は全面的に加水分解されたシランが、特に高い反応性を有しているということは、それらを架橋剤として使用することが有利となりうるということを意味している。ここで、当業者は、部分的又は全面的に加水分解されたシランを使用すると、加水分解されたシランの縮合によって形成された、オリゴマー性のシロキサン、特にはダイマー及び/又はトリマーの形成がもたらされるということに気付いている。したがって、2成分系シリコーン組成物のために使用される架橋剤は、オリゴマー性のシロキサンであってもよい。
適切なオリゴマー性のシロキサンの例としては、以下のものが挙げられる:ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサ-n-プロポキシジシロキサン、ヘキサ-n-ブトキシジシロキサン、オクタメトキシトリシロキサン、オクタエトキシトリシロキサン、オクタ-n-ブトキシトリシロキサン、デカメトキシテトラシロキサン、及びデカエトキシテトラシロキサン。
2成分系シリコーン組成物のために使用される架橋剤、言うまでもなく、上述のシランの各種所望の混合物であってよい。
オルガノシランV3の比率は、2成分系シリコーン組成物の成分Bを基準にして、好ましくは0.1重量%~25重量%、特には0.5重量%~20重量%、好ましくは1重量%~15重量%である。
その2成分系シリコーン組成物には、場合によっては、成分A及びBの一方又は両方の中に、さらなる成分を含んでいてもよい。
そのような追加の成分は、以下のものである:特には、成分Bの中での必須成分である、先に記載された可塑剤W、無機及び/又は有機の充填剤、硬化促進剤、顔料、接着促進剤、加工助剤、レオロジー調節剤、安定剤、染料、禁止剤、熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、殺虫剤、ワックス、レベリング剤、チクソトロープ剤、及びさらなる標準的な原料、並びに当業者に公知の添加剤。
そのような任意成分を使用する場合、相互に、又は他の成分と反応することによってその組成物の貯蔵安定性を損なう可能性がある成分は、確実に相互に分離して貯蔵することが重要である。
それに加えて、その2成分系シリコーン組成物の中に、場合によっては存在させる、先に述べた各種の成分を選択する場合、そのような成分の存在が、2成分系シリコーン組成物のそれら二つの成分の、貯蔵安定性に悪影響を及ぼさないこと、別の言い方をすれば、貯蔵の間に、その組成物の性能、特には適用性能及び硬化性能が、ほとんど変化しないか、又はまったく変化しないことが有利である。このことは、述べてきた2成分系シリコーン組成物の化学的硬化をもたらす成分が、貯蔵の間に、顕著な程度に発生しないということを意味している。したがって、述べてきた成分が、貯蔵の間に、水、又は多くとも痕跡量の水が、含まれたり、放出されたりすることがないのが、特に有利である。したがって、ある種の成分は、組成物の中に混ぜ込む前に、化学的又は物理的に乾燥させておくことが、推奨される。
その組成物がさらに、成分A及びBの一方又は両方、特には成分Aの中に少なくとも1種の充填剤を含んでいるのが好ましい。その充填剤は、未硬化の組成物のレオロジー的性質と、硬化された組成物の機械的性質及び表面特性との両方に影響する。その2成分系シリコーン組成物の中で、能動的又は受動的、いずれかの充填剤を使用することが可能である。能動的充填剤の場合においては、ポリマーとの化学的又は物理的相互作用が起きるし、受動的充填剤の場合においては、それらが、ほんのわずかしか起きないか、又はまったく起きない。
好適な充填剤は、無機及び有機の充填剤であって、たとえば以下のものである:場合によっては、脂肪酸、特にはステアリン酸を用いるか又は、好ましくは疎水性のシラン又はシロキサンを用いてコーティングされた、天然、摩砕又は沈降炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、特には熱分解プロセスかの微粉化シリカ、カーボンブラック、特には工業生産されたカーボンブラック(それらは、しかしながら、成分Bにおいては限られた量でしか使用できない)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、石英粉、クリストバライト粉、珪藻土、マイカ、酸化鉄、酸化チタン、酸化ジルコニウム、セッコウ、アンナリン(annaline)、硫酸バリウム(BaSO、バライト又は重晶石とも呼ばれる)、炭化ホウ素、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維、場合によってはその表面を疎水化剤を用いて処理された、ガラス繊維又は空胴ガラスビーズ。好ましい充填剤は、以下のものである:炭酸カルシウム、焼成カオリン、カーボンブラック、微粉化シリカ、及び難燃性充填剤たとえば、水酸化物又は水和物、特にはアルミニウムの水酸化物又は水和物、好ましくは水酸化アルミニウム。
一つの好ましい実施態様においては、そのシリコーン組成物には、充填剤として、熱分解プロセスからの微粉化シリカ又は沈降及び/又は摩砕炭酸カルシウム、特には疎水性コーティングを有するものが含まれる。
成分Aに、少なくとも1種の充填剤、特には沈降及び/又は摩砕炭酸カルシウム、好ましくは疎水性コーティングした炭酸カルシウムを含んでいるのが好ましい。
成分Bに、熱分解プロセスからの微粉化シリカを含んでいるのが好ましい。成分Bには、成分Bを基準にして、5重量%未満のカーボンブラックを含んでいなければならない。成分Bがカーボンブラックを含まないのが好ましい。カーボンブラックは、触媒Kの、本発明における効果を妨げる。
複数の充填剤の混合物を使用することは完全に可能であり、むしろ有利である。
好適な充填剤の量は、その2成分系シリコーン組成物全体を基準にして、たとえば10重量%~70重量%、特には15重量%~60重量%、好ましくは30重量%~60重量%の範囲である。
特に好適な接着促進剤は、好ましくは官能基によって置換されている、アルコキシシランである。その官能基は、たとえば、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、又はメルカプトプロピル基である。好ましいのは、アミノ官能基である。これらの接着促進剤の内のあるものは、すでに、架橋剤V3の定義に入っており、そのため、この点で、考慮に入れなければならない。そのようなシランのアルコキシ基は、通常は、メトキシ基又はエトキシ基である。特に好ましいのは、アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、及び3-メルカプトプロピルトリエトキシシランである。複数の接着促進剤の混合物を使用することもまた可能である。接着促進剤として好適なものをさらに挙げれば、たとえば以下のものである:アミノ官能性アルキルシルセスキオキサン、たとえばアミノ官能性メチルシルセスキオキサン又はアミノ官能性プロピルシルセスキオキサン、アルコキシル化アルキレンアミン、特にはエトキシル化及び/又はプロポキシル化アルキレンジアミン、並びにさらには、ポリアルキレングリコールをベースとする、特には置換された、オリゴマー、ポリマー、又はコポリマー。
しかしながら、このことは、その組成物が、オルガノシランV2の量を基準にして、10mol%の、エポキシ基又はグリシドキシ基を有するオルガノシランを含むとの但し書きに従ったものである。好ましくは、その組成物が、オルガノシランV2の量を基準にして、5mol%未満、特には1mol%未満の、エポキシ基を有するオルガノシランを含んでいるのが好ましい。上述のこれらの範囲を超えた量で、エポキシ基を有するオルガノシランを存在させると、本発明の効果が著しく妨げられ、その組成物がもはや正常に硬化しなくなる可能性がある。
それらのための接着促進剤としてシランを使用した場合、条件たとえば湿度に依存して、部分的又は全面的に加水分解された形態とすることが可能であるということは、当業者には明らかである。当業者はさらに、そのような部分的又は全面的に加水分解されたシランを存在させることによって、オリゴマー性のシロキサン、特にはダイマー及び/又はトリマーの生成をもたらす、縮合反応をさせることが可能となるということにも気付いている。
好ましくは架橋剤V3又はV2bの定義には入らない、接着促進剤の比率は、その2成分系シリコーン組成物全体の、好ましくは0.1重量%~15重量%、特には1重量%~10重量%、好ましくは1重量%~5重量%である。しかしながら、好ましい実施態様、特には接着促進剤効果を有する可能性があるオルガノシランV2及び/又は架橋剤V3を使用したときには、その組成物が、さらなる接着促進剤をまったく含まないのが好ましい。
成分、たとえばこれまでに特に記述してきたものが、たった一つの単一の機能又はそれに帰着される効果しか有していない訳ではないということは当業者には極めて周知である。むしろ、単一の成分又は単一の化合物が、二つ以上の機能を有しているのが普通である。たとえば、いくつかの接着促進剤が、さらには架橋剤であったり、或いは充填剤が、同時にレオロジー調節剤であったりしたりする。たとえば、オルガノシランV2よるか、V2bによってある程度、同様にある種の架橋剤V3によって、良好な接着促進効果が示される。
本発明のシリコーン組成物の成分Aの特に好ましい実施態様には、以下のものが含まれる:
成分Aを基準にして、25重量%~60重量%の間、好ましくは30重量%~50重量%の間の、上で述べた、少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP;
成分Aを基準にして、0.05重量%~5.0重量%の間、好ましくは0.1重量%~2重量%の間の、エマルション水;及び
場合によっては、可塑剤W、充填剤、配合添加物、顔料、及び上で述べたようなさらなる添加剤。
この実施態様の特に好ましい実施態様には、ポリマーPとして、以下のものの混合物が含まれる:
成分Aを基準にして、25重量%~50重量%の間、好ましくは30重量%~45重量%の間の、上で述べたポリマーP1;及び
成分Aを基準にして、0重量%~10重量%の間、好ましくは0.5重量%~5重量%の間の、上で述べたポリマーP3。
本発明のシリコーン組成物の成分Bの特に好ましい実施態様には、以下のものが含まれる:
成分Bを基準にして、0.1重量%~4重量%の間、好ましくは0.25重量%~3重量%の間の、上で述べた触媒K;及び
成分Bを基準にして、25重量%~80重量%、好ましくは50重量%~70重量%の、上で述べた可塑剤W;及び
成分Bを基準にして、0重量%~25重量%、好ましくは0重量%~15重量%の、上で述べたオルガノシランV1;及び
成分Bを基準にして、5重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%の、上で述べたオルガノシランV2a;及び
成分Bを基準にして、0重量%~25重量%、好ましくは1重量%~20重量%の、上で述べたオルガノシランV2b;及び
成分Bを基準にして、0.5重量%~25重量%、好ましくは1重量%~20重量%の、上で述べたオルガノシランV3;及び
場合によっては、充填剤、配合添加物、顔料、及び上で述べたようなさらなる添加剤。
本発明の2成分系シリコーン組成物は、典型的には、二つの分離された区画を有するパッケージの中に保存される。この場合、成分Aをそのパッケージの一つの区画の中に存在させ、そして成分Bを、他の区画の中に存在させる。好適なパッケージとしては、ダブルカートリッジ、たとえばツイン若しくはコアキシャルカートリッジ、又はアダプターを備えた多区画チューブ状パウチが挙げられる。二つの区画を有するパッケージに取り付けることが可能なスタティックミキサーを使用して、二つの成分のA及びBを混合するのが好ましい。
そのような好適なパッケージは、たとえば、米国特許出願公開第2006/0155045A1号明細書、国際公開第2007/096355A1号パンフレット、及び米国特許出願公開第2003/0051610A1号明細書に記載されている。
工業的なスケールのプラントにおいては、それら二つの成分A及びBは、典型的には、相互に別々にバット又はホボックの中に貯蔵し、適用時には、たとえば、ギヤポンプの手段によって、吐出、混合させる。この場合、その組成物は、基材に対して、手作業、又はロボットの手段により自動的に適用させるのがよい。
より詳しくは、本発明の2成分系シリコーン組成物は、成分A対成分Bの重量比が、(≧1:1)、特には(3:1)~(15:1)、好ましくは(10:1)~(14:1)となるようにし、使用される。
記載されたような好ましい重量比で成分A及びBを使用することの利点は、この方法で2成分系シリコーン組成物を吐出及び適用するための既存のプラントは、広く普及していて、成分A及びBを、たとえば、(1:1)の重量比で適用するためにユーザーがプラントを改装工事することには、高レベルのコストと不便さが伴うであろうという点にある。
同一又は他の好ましい実施態様においては、その混合比が、成分A及びBの体積を介して制御又は設定される。これは、実際的であり、それら二つの成分が、個別にポンプ輸送され、スタティックミキサー又はダイナミックミキサ-にフィードされるような、自動化された適用の場合には特に有利である。そのような場合においては、成分A対成分Bの体積による混合比が、好ましくは(≧1:1)、特には(1.5:1)~(15:1)、好ましくは(2:1)~(10:1)である。
自動化されたポンピング及び混合の場合においては、いくつかの実施態様においては、可能な限り均一な混合物を確保するためには、成分A及びBの体積比率が、過剰に異なっていないのが有利である。いくつかのそのような実施態様においては、成分A対成分Bの体積混合が、好ましくは(1.1:1)~(5:1)、特には(1.5:1)~(3:1)、最も好ましくは(1.8:1)~(2.5:1)である。
さらに好ましくは、成分Bには、架橋性のポリジオルガノシロキサンが一切含まれない。このことの利点は、成分Bの貯蔵安定性がより良好であることである。
特には、上述の2成分系シリコーン組成物の成分Bは、水分を排除して製造及び貯蔵される。互いに別々に保存すれば、その二つの成分は貯蔵安定性が高く、このことは、水分を排除して、上で述べたような適切なパッケージ又は配置の中では、数ヶ月から最高1年又はそれ以上の期間、使用性能又は硬化後での性能において、それらの使用に関わる程度の変化を起こすことなく、それらを保存できるということを意味している。典型的には、その貯蔵安定性は、粘度又は反応性の時間経過を測定することにより、求められる。
その2成分系シリコーン組成物の適用においては、たとえば、撹拌法、混練法、ロール法などによって、しかし特にはスタティックミキサーの手段によって、成分A及びBを互いに混合する。この場合、ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンPのヒドロキシル基が、架橋剤の加水分解性の基、又はそれらの各種のすでに加水分解された基と接触状態となり、それにより、縮合反応を介してその組成物が硬化する。適用状態では、そのシリコーン組成物の水との接触、特には架橋剤Vを含む成分Aの中に存在する水との接触が、同様に架橋を促進させることができるが、その理由は、水が架橋剤の加水分解性の基と反応することによって、シラノール基が生成し、それが、ポリジオルガノシロキサンPのヒドロキシル基と比較して、より高い反応性を有しているからである。2成分系シリコーン組成物の硬化は、特には、室温で起きる。
その縮合反応の反応生成物として、2成分系シリコーン組成物が架橋すると、具体的には、式HO-R(ここでRは、既に上で述べたものである)の化合物も生成する。これらの縮合反応の副生物が、その組成物にも、その組成物が適用される基材にも悪影響を与えない化合物であるのが好ましい。式HO-Rの反応生成物が、その架橋物やすでに架橋されている組成物から、容易に揮発する化合物であるのが、最も好ましい。
本発明はさらに、上述の2成分系シリコーン組成物から、成分Aを成分Bと混合することにより得ることが可能な、硬化されたシリコーン組成物にも関する。
本発明はさらに、上で述べたような2成分系シリコーン組成物の、接着剤として、シーラントとして、コーティングとして、又はキャスティングコンパウンドとしての使用にも関する。本発明の組成物を接着剤として使用するのが好ましい。
本発明の2成分系シリコーン組成物は、特には、二つの基材S1及びS2を接着させる方法において使用されるが、それには、以下の工程が含まれる:
(a)上で述べた2成分系シリコーン組成物を、基材S1及び/又は基材S2に適用すること;
(b)その組成物のオープンタイムの間に、適用した組成物を介して、基材S1と基材S2とを接触させること;
(c)成分AとBとを反応させることによって、その組成物を硬化させること;
(ここで、基材S1と基材S2は、同じであっても、異なっていてもよい)。
本発明の組成物を、シーリング法又はコーティング法において使用することもまた好ましく、それには、以下の工程が含まれる:
(a’)上で述べた2成分系シリコーン組成物を、基材S1、及び/又は二つの基材のS1とS2との間に適用すること;
(b’)成分AとBとを反応させることによって、その組成物を硬化させること;
(ここで、基材S1と基材S2は、同じであっても、異なっていてもよい)。
言うまでもないことであるが、その2成分組成物を適用する直前又は途中で、それら二つの成分A及びBを共に混合しなければならないということは当業者には自明である。
本発明の2成分系シリコーン組成物が、構造的に粘稠な性質を有するペースト状のコンシステンシーを有しているのが好ましい。そのような組成物を、好ましくは、有利には、実質的に円状又は三角状の断面を有するビーズの形態で、適切な器具を用いて基材に適用する。
良好な適用性を有する本発明の組成物は、高い耐クリープ性とショートスレッド性とを有している。このことは、適用した後で、それが適用された形状に留まっている、すなわち流れず、そしてその適用器具を外した後では、あるとしても、極めて短いスレッドしか形成せず、それによって、その基材が汚れないということを意味している。
適切な基材S1及び/又はS2は、特には、以下のものからなる群より選択される基材である:コンクリート、モルタル、れんが、タイル、セラミック、セッコウ、天然の石たとえば、花こう岩又は大理石、ガラス、ガラスセラミック、金属又は金属合金たとえば、アルミニウム、鋼、非鉄金属、亜鉛メッキした金属、木材、プラスチックたとえば、PVC、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリエステル、エポキシ樹脂、ペイント、及びワニス。
その2成分系シリコーン組成物は、特には工業製品、特には以下のものに用途を見いだしている:車両、及び日用用途のための消費者物品、さらには、建設分野、特には、地下及び地上での土木工事。
その2成分系シリコーン組成物を、窓の構造物及びファサードの構造物、特にはファサードの構造物において使用するのが好ましい。
それに加えて、本発明は、少なくとも部分的に硬化された、上で述べたようなシリコーン組成物を含む物品にも関するが、前記物品は、特には、建築構造物、工業商品又は輸送モード(mode of transport)、特にはビルディング又はその一部である。
そのような物品を説明のために列記すると、以下のものが挙げられる:家屋、ガラスファサード、窓、浴槽、浴室、キッチン、屋根、橋梁、トンネル、道路、自動車、トラック、鉄道車両、バス、船舶、鏡、窓ガラス、タンク、白物家電、家電製品、食器洗浄機、洗濯機、オーブン、ヘッドランプ、フォグランプ、又はソーラーパネル。
本発明はさらに、上で述べたような2成分系シリコーン組成物を硬化させた後での機械的性質が変化しないようにポットライフを調節するための方法にも関するが、それが特徴としているのは、成分A対成分Bの重量基準の混合比が、成分A対成分Bが、(1:1)~(25:1)、特には(5:1)~(20:1)、好ましくは(7:1)~(16:1)の範囲にあるように、任意に選択されることである。
この方法を使用することにより、その二つの成分A及びBの混合比を介するだけで、本発明の2成分系シリコーン組成物のポットライフを広い範囲の内で調節することが可能となる。そのようにして決められたポットライフの終了後では、その組成物が、並外れて迅速且つ極めて均質に硬化する。選択された混合比とは無関係に、その硬化された組成物の最終性能、特に機械的性質は、ほとんど同一である。このことは、極めて有利であって、その組成物の成分A及びBを変更する必要もなく、混合比を単に調節するだけ、たとえば、ポンプの送出出力を変更するだけで、ユーザーが、フレキシブル且つ極めて精密に調節することが可能なポットライフを、決めたり、変更したりすることが可能となる。
したがって、プロセス条件が変化した場合でも、シリコーン原料を変更する必要なく、サイクル時間の最適化を維持することができる。
本発明の組成物は、ポットライフの終了後には、並外れて迅速に硬化する。本発明のシリコーン組成物の好ましい実施態様においては、ポットライフの、タックフリー時間(適用されたシリコーン組成物の表面が、硬化が十分に進行した結果として、タックフリーとなるまでの時間)に対する比率が、2.5未満、特には1.1~2.3の間、好ましくは1.2~2.1の間である。このことにより、極めて効率的なプロセス制御が可能となるが、その理由は、その組成物が、適用した後に、極めて迅速に硬化し、その組成物を適用した基材を、直後にさらなる加工をしたり、移送させたりすることが可能であるからである。
それとは対照的に、従来技術の2成分系シリコーン組成物は、典型的には、極めて長いポットライフ及びそれと同時に極めて長い硬化時間の両方を有しているか、そうでなければ、極めて急速な硬化及びそのための極端に短い、ユーザーフレンドリーではないポットライフを有している。本発明によれば、必要に応じて、ポットライフを長くも短くもすることが可能であるが、すべての場合において、適用した後では、極めて迅速な硬化が可能である。
作業実施例を以下に示すが、それらは、記述された本発明をさらに説明するためのものである。言うまでもないことであるが、本発明は、それら記述された作業実施例に限定されることはない。
シリコーン組成物の調製
次の組成物を作成した:
成分A及びBとして、表2~5に列記した成分を、ディソルバー中、室温、不活性雰囲気下で、所定の重量%で互いに混合し、肉眼で見て均一なペーストが得られるまで攪拌した。
そのようにして調製した成分A及びBは、別々の容器の中に、気密状態で封入した。適用に際しては、成分A及びBを、高速ミキサー(Hauschild & Co.KG,Germany)を使用して、必要とされる重量比で混合した。
試験方法の説明
組成物のポットライフ(さらにはオープンタイム)を測定するために、成分A及びBを、最初に、密閉したカートリッジ中で、23℃で24時間かけてコンディショニングさせた後で、タンブリングミキサーの手段により、表6~9に規定された重量比(A:B=13:1、又はA:B=3:1)で共に混合した。次いで、木製のスパーテルを、その物質の中に挿入した。そのスパーテルを使用して、1分間隔で、その混合した物質が、依然としてペースト状態の性質にあるか否かを調べた。その物質が、部分的にでも、弾性挙動を示すようになったら直ぐに、ポットライフに達したものと考える。人為的に老化させた組成物を用いた測定もまた、実施した。上述の試験プログラムを実施するより前に、最初にそれらを、密閉容器中で、7日間、70℃で加熱したが、それぞれの成分A及び成分Bは、密閉状態で、それぞれ別々に加熱した。
破断時伸び及び引張強度の測定方法、並びにその目的のために必要となる試験片の作成法は、ISO 527に記載されている。
測定は、23℃、50%相対湿度で、タイプIB試験片(ISO 527-2)について、200mm/分の歪み速度で実施した。
架橋剤V2bの調製
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF91、Wacker)を、等モル量の3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF80、Wacker)と、ガラス容器中、窒素雰囲気下で混合した。その容器を密閉し、23℃で7日間、放置した。そのようにして得られた、検出可能なエポキシ基を含まない混合物を、手を加えることなく、オルガノシランV2bとして使用した。
触媒K1~K8の入手先又は調製
K1:Fomrez(登録商標)UL-32(Galata Chemicals)
K2:TIB KAT(登録商標)318(TIB Chemicals)
K3:Fomrez(登録商標)UL-22(Galata Chemicals)
K4:Fomrez(登録商標)UL-21(Galata Chemicals)
K5:0.012molのジオクチルスズジアセテート(TIB KAT(登録商標)229、TIB Chemicals)を、0.025molの3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(Gelest)と、密閉したガラス容器中、窒素雰囲気下、23℃で24時間、攪拌した。
K6:0.012molのジオクチルスズジアセテート(TIB KAT(登録商標)229、TIB Chemicals)を、0.025molの3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Gelest)と、密閉したガラス容器中、窒素雰囲気下、23℃で24時間、攪拌した。
K7:0.012molのジオクチルスズジアセテート(TIB KAT(登録商標)229、TIB Chemicals)を、0.025molのオクタデシルメルカプタン(Aldrich)と、密閉したガラス容器中、窒素雰囲気下、23℃で24時間、攪拌した。
K8:0.012molのブチルスズトリアセテート(TIB KAT(登録商標)220、TIB Chemicals)を、0.037molのドデシルメルカプタン(Aldrich)と、密閉したガラス容器中、窒素雰囲気下、23℃で24時間、攪拌した。

Claims (15)

  1. 以下を含む2成分系シリコーン組成物であって:
    以下を含む成分A:
    (i)少なくとも1種のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP;
    (ii)好ましくは少なくとも1種の充填剤;
    (iii)前記成分Aを基準にして、0.05重量%~5.0重量%のエマルション水;及び
    以下を含む成分B:
    (i)可塑剤としての少なくとも1種の非縮合性ポリジオルガノシロキサンW;
    (ii)架橋剤としての少なくとも1種のオルガノシランV;
    (iii)ポリジオルガノシロキサンを架橋するための少なくとも1種の触媒K;
    ここで、
    すべての前記オルガノシランVが、好ましくは、同一の加水分解性アルコキシシラン基、好ましくはメトキシシラン基を有し;かつ
    前記触媒Kが、2個のメルカプチド配位子を有する式(V)のスズ錯体であり:
    式中、配位子Lは、それぞれ独立して、硫黄を介して配位したアルキルメルカプチド、特にC~C16アルキルメルカプチドであり、ここで、配位子Lは、メチルジアルコキシシラン基、好ましくはメチルジメトキシシラン基を有していてもよく、かつ配位子Lは、それぞれ独立して、アルキル配位子、特にC~C14アルキル配位子である;かつ
    前記成分Bが、前記成分Bを基準にして、5重量%未満のカーボンブラックを含む
    ことを特徴とする、
    2成分系シリコーン組成物。
  2. 前記ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンPが、下記式(I)のポリジオルガノシロキサンP’であることを特徴とする、請求項1に記載の2成分系シリコーン組成物:
    式中、
    基R及びRは、それぞれ独立して、1~12個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の一価のヒドロカルビル基であって、1個又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ1個又は複数のC-C多重結合を含んでいてもよく、かつ/又は脂環式及び/又は芳香族成分を含んでいてもよい、一価のヒドロカルビル基であり;かつ
    nは、ポリスチレンを標準とした前記ポリジオルガノシロキサンP’の重量平均分子量Mが、500~250,000g/molとなるように選択される。
  3. 請求項2に記載の2成分系シリコーン組成物であって:
    前記ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP’が、前記式(I)のポリジオルガノシロキサンP1であり、ここで、nは、ポリスチレンを標準とした前記ポリジオルガノシロキサンP1の重量平均分子量Mが、30,000~80,000g/molとなるように選択されるか;あるいは
    使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、以下の混合物であるか:
    (i’)少なくとも1種の前記式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP2、ここで、nは、ポリスチレンを標準とした前記ポリジオルガノシロキサンP2の重量平均分子量Mが、80,000g/mol超~250,000g/molになるように選択される;及び
    (ii’)少なくとも1種の前記式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3、ここで、nは、ポリスチレンを標準とした前記ポリジオルガノシロキサンP3の重量平均分子量Mが、500~≦30,000g/molとなるように選択される;あるいは
    使用されるポリジオルガノシロキサンP’が、以下の混合物である:
    (i”)少なくとも1種の前記式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP1、ここで、nは、ポリスチレンを標準としたポリジオルガノシロキサンP1の重量平均分子量Mが、30,000~80,000g/mol、になるように選択される;及び
    (ii”)少なくとも1種の前記式(I)のヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンP3、ここで、nは、ポリスチレンを標準とした前記ポリジオルガノシロキサンP3の重量平均分子量Mが、500~≦30,000g/molとなるように選択される;
    2成分系シリコーン組成物。
  4. 前記基R及びRが、1~5個、特に1~3個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の2成分系シリコーン組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物であって、
    前記オルガノシランVが、
    前記成分Bを基準にして、0重量%~50重量%の少なくとも1種の下記式(I)の第一のオルガノシランV1を含み;
    かつ
    前記成分Bを基準にして、2重量%~60重量%の少なくとも1種の下記式(II)の第二のオルガノシランV2を含み;

    かつ
    前記成分Bを基準にして、25重量%までの、前記式(I)及び(II)には該当しない、加水分解性アルコキシシラン基Si-ORを有するさらなるオルガノシランV3を含み;
    ここで、
    が、水素原子又はエチル基又はメチル基、特にメチル基であり;
    が、二価の、2~20個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基であり、かつ
    が、2~20個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1種の第二級アミノ基を含む、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり;
    ただし、前記組成物が、前記オルガノシランV2の量を基準にして、10mol%未満の、エポキシ基を有するオルガノシランを含む
    ことを特徴とする、
    2成分系シリコーン組成物。
  6. 請求項5に記載の2成分系シリコーン組成物であって、前記オルガノシランV3が、少なくとも1種の下記式(III)のシランを含むことを特徴とする、2成分系シリコーン組成物:
    式中、
    基Rは、それぞれ独立して、1~12個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の一価のヒドロカルビル基であって、1個又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ1個又は複数のC-C多重結合を含んでいてもよく、かつ/又は脂環式及び/又は芳香族成分を含んでいてもよい、一価のヒドロカルビル基であり;
    基Rは、基Rであり;かつ
    pは、0~4の値を有し、ただし、pが3又は4の値を有するとき、少なくとも(p-2)個の基Rがそれぞれ、前記ポリジオルガノシロキサンPのヒドロキシル基と、反応性があり、特に縮合可能な少なくとも1個の基を有している。
  7. 前記オルガノシランV2が、少なくとも1種の下記式(IIa)のオルガノシランを含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の2成分系シリコーン組成物:
    式中、
    は、2~10個の炭素原子を有し、かつヒドロキシル基及びエーテル酸素を含んでいてもよい、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、かつ
    は、2~10個の炭素原子を有し、かつ第二級アミノ基を含んでいてもよい、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
  8. 請求項7に記載の2成分系シリコーン組成物であって、
    前記オルガノシランV2が、
    - 前記式(IIa)の中の前記基R及びRがいずれも、2~10個の炭素原子を有する、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にプロピル基である、オルガノシランV2a;あるいは
    - 前記式(IIa)の中の前記基Rが、2~10個の炭素原子を有し、第二級アミノ基を含んでいてもよい、二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、かつ前記基Rが、2~10個の炭素原子を有する二価の直鎖状又は分岐状のアルキル基、特にプロピル基を含み、かつ下記式(IIb)で示された二つの構造要素のうちの一つをさらに含む、オルガノシランV2b;
    あるいは
    - 前記オルガノシランV2a及び前記オルガノシランV2bの混合物、ここで、上記のオルガノシランV2a及びV2bが、好ましくは、前記成分B中に、1:2~2:1の重量比で存在する;
    のいずれかであることを特徴とする、
    2成分系シリコーン組成物。
  9. 前記オルガノシランV2が、前記オルガノシランV2aを含み、前記オルガノシランV2aが、前記成分Bを基準にして、5重量%~20重量%の量で存在し、かつ
    前記オルガノシランV2が、前記オルガノシランV2bを含み、前記オルガノシランV2bが、前記成分Bを基準にして、5重量%~20重量%の量で存在し、かつ
    少なくとも1種の前記オルガノシランV3が、前記成分Bを基準にして、2.5重量%~20重量%の量で存在し、かつ
    前記触媒Kが、前記成分B中に、前記成分Bを基準にして、0.1重量%~1.5重量%の量で存在する
    ことを特徴とする、
    請求項8に記載の2成分系シリコーン組成物。
  10. 前記オルガノシランV2bにおける前記基Rが、炭素鎖中に第二級アミノ基を有する二価のCアルキル基であり、かつ前記基Rが、炭素鎖の中にエーテル酸素を有し、かつヒドロキシル基も有する、直鎖状の二価のCアルキル基であることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物。
  11. 前記式(V)の前記触媒Kにおいて、前記配位子Lの両方がドデシルメルカプチドであり、かつ前記配位子Lの両方がオクチルであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物。
  12. 前記成分A対前記成分Bの重量比が、≧1:1、特に、5:1~20:1、好ましくは、7:1~16:1であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物の使用であって、接着剤、シーラント、コーティングとして、又はキャスティングコンパウンドとしての使用。
  14. 前記2成分系シリコーン組成物が、ウィンドウ構造物又はファサード構造物で使用されることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 前記成分Aを前記成分Bと混合することによって、請求項1~12のいずれか一項に記載の2成分系シリコーン組成物から得られることを特徴とする、硬化したシリコーン組成物。
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