JP2023550742A - エリスロポエチンバリアント及びその使用 - Google Patents

エリスロポエチンバリアント及びその使用 Download PDF

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チュラポーン ファンデーション
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Abstract

ヒトエリスロポエチン(EPO)バリアントが開示される。EPOバリアントは、免疫原性を低下させる1つ以上の変異を含む。EPOバリアントは、EPOに関連する障害、例えば貧血を治療又は予防するために使用され得る。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月18日に出願された米国仮出願第63/115,208号の優先権を主張する。前述の出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2021年11月12日に作成された当該ASCIIコピーの名称はC2238-7000WO_SL.txtであり、サイズは51,498バイトである。
エリスロポエチン(EPO)は、腎臓によって産生されるタンパク質ホルモンであり、肺から体の残りの部分に酸素を運ぶ赤血球(RBC)の産生及び成熟において必須の役割を果たす。組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)は、ヘモグロビンレベルが不十分な対象、例えば貧血を有する対象及び/又は十分な量の内因性EPOを産生することができない対象、例えば慢性腎臓疾患(CKD)、HIV感染症又は悪性腫瘍を有する対象、及び透析に依存する対象に投与することができる。rHuEPOはまた、手術、化学療法後及び移植後の赤血球生成を促進するために使用されている(Ng,T.et al.Postgrad.Med.J.(2003)79:367-376)。rHuEPOによる治療は、貧血を有する対象の生活の質(QoL)を改善することが示されている(Horl,et al.Nephrol.Dial.Transplant(1996)11:246-250;Kaneko,Y.et al.Kidney Int.(2003)63:1086-1093)。しかしながら、rHuEPOを用いた貧血の治療の進歩にもかかわらず、EPO欠乏に関連する貧血又は関連障害を含む貧血を治療及び予防するための新しい薬剤(例えば、EPOポリペプチドバリアント)を含む新しいアプローチを開発する必要性が満たされていない。
一態様では、本開示は、本明細書に開示される位置に変異を含むEPO分子、例えば本明細書に開示される1つ以上の機能的特性を有するEPO分子を特徴とする。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の12~152位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74~82位、102~116位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74~82位又は102~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74~82位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の102~116位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74~82位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の102~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の102~110位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の108~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の142~150位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の145~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152、又は153位のいずれかに対応する位置に変異を含む。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の12、15、67、70、74、102、105、106、109、114、146、149、又は152位のいずれかに対応する位置に変異を含む。
一実施形態では、EPO分子は、複数の位置(例えば、本明細書に開示される複数の変異)に複数の変異(例えば、本明細書に開示される複数の変異)を含む。一実施形態では、EPO分子は、本明細書に開示される第2の位置に第2の変異を更に含む。一実施形態では、EPO分子は、本明細書に開示される第3の位置に第3の変異を更に含む。一実施形態では、EPO分子は、本明細書に開示される第4の位置に第4の変異を更に含む。一実施形態では、EPO分子は、本明細書に開示される第5の位置に第5の変異を更に含む。一実施形態では、EPO分子は、本明細書に開示される第6の位置に第6の変異を更に含む。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の12位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL12A置換である。一実施形態では、変異はL12I置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の15位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はY15I置換である。一実施形態では、変異はY15W置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の67位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL67D置換である。一実施形態では、変異はL67N置換である。一実施形態では、変異はL67V置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の70位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL70V置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の74位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はV74D置換である。一実施形態では、変異はV74L置換である。一実施形態では、変異はV74N置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の102位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL102D置換である。一実施形態では、変異はL102N置換である。一実施形態では、変異はL102I置換である。一実施形態では、変異はL102T置換である。一実施形態では、変異はL102V置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の105位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL105F置換である。一実施形態では、変異はL105S置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の106位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はT106A置換である。一実施形態では、変異はT106G置換である。一実施形態では、変異はT106H置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の109位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL109A置換である。一実施形態では、変異はL109C置換である。一実施形態では、変異はL109W置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の114位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はA114C置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の146位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はS146N置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の149位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はL149V置換である。一実施形態では、変異はL149W置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の152位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異はK152Q置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1の67及び102位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、L67V及びL102V置換である。一実施形態では、EPO分子は、70、74、及び102位に対応する位置に変異を含む。
一実施形態では、変異は、L70V、V74L及びL102I置換である。
一実施形態では、EPO分子は、67、74、及び102位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、L67N、V74N及びL102D置換である。一実施形態では、変異は、L67D、V74D及びL102N置換である。
一実施形態では、EPO分子は、12、15,105、及び149位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、L12A、Y15I、L105F及びL149W置換である。一実施形態では、変異は、L12I、Y15W、L105S及びL149V置換である。一実施形態では、EPO分子は、109及び114位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、L109C及びA114C置換である。
一実施形態では、EPO分子は、102、105、106及び109位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、L102T、L105S、T106H及びL109W置換である。一実施形態では、変異はL102T、L105S、T106G及びL109W置換である。
一実施形態では、EPO分子は、146及び152位に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、変異は、S146N及びK152Q置換である。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも96%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも97%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも98%の相同性を有する。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99%の相同性を有する。
一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる。一実施形態では、本明細書に開示される位置(単数又は複数)における変異(単数又は複数)以外に、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33若しくは35のいずれかのアミノ酸配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるか、又はそれと1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10個以下のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33又は35のいずれかのアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、EPO分子は、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号5のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号7のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号11のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号13のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号15のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号17のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号19のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号21のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号23のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号25のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号27のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号31のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号33のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。一実施形態では、EPO分子は、配列番号35のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。
一実施形態では、EPO分子は、例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、対象において低下した免疫原性を有する。一実施形態では、免疫原性は、参照EPO分子と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低下している。一実施形態では、対象はHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有する。
一実施形態では、EPO分子は、例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ生物学的活性を有する。一実施形態では、EPO分子は、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、25%、20%、15%、10%、5%、又は2%以下低下した生物学的活性を有する。一実施形態では、生物学的活性は、in vitro TF-1増殖アッセイで決定される。
一実施形態では、EPO分子は、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、より多くのグリコフォーム、例えば、少なくとも1個、2個、3個、4個、又は5個多いグリコフォームを有することができる。一実施形態では、EPO分子は、6個、7個、8個、9個、10個又はより多くのグリコフォームを有することができる。一実施形態では、EPO分子は、7個、8個又はより多くのグリコフォームを有することができる。
一実施形態では、EPO分子は、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ血清半減期を有する。一実施形態では、EPO分子は、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、増加した血清半減期、例えば少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%若しくは90%、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10倍増加した血清半減期を有する。一実施形態では、EPO分子は、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、低下した血清半減期、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以下に低下した血清半減期を有する。
一実施形態では、EPO分子は、EPOポリペプチドの血清半減期を延長する部分を含む。一実施形態では、EPO分子は融合タンパク質である。一実施形態では、EPO分子はIgGのFcドメインを含む。一実施形態では、Fcドメインは、EPOポリペプチドに共有結合的に融合されている。一実施形態では、FcドメインのN末端は、EPOポリペプチドのC末端に直接的又は間接的に共有結合的に融合されている。
一実施形態では、EPO分子は単離されたEPO分子である。一実施形態では、EPO分子は組換えEPO分子である。一実施形態では、EPO分子は合成EPO分子である。
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるEPO分子と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるEPO分子を含む調製物を特徴とする。一実施形態では、調製物は治療的使用に適している。
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるEPO分子と、使用説明書とを含むキットを特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に開示されるEPO分子をコードする核酸を特徴とする。
一態様では、本開示は、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34若しくは36のいずれかのヌクレオチド配列、又はそれらと5、10、15、20、25、30、35、40、45若しくは50ヌクレオチド以下で異なるか、又はそれらと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸を特徴とする。一実施形態では、核酸は、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36のいずれかのヌクレオチド配列を含む。
一態様では、本開示は、本明細書に開示される核酸を含むベクターを特徴とする。一実施形態では、ベクターは、核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む。
一態様では、本開示は、本明細書に開示される核酸又は本明細書に開示されるベクターを含む細胞を特徴とする。
一態様では、本開示は、EPOポリペプチドの発現を可能にする条件下で本明細書に開示される細胞を培養し、それによってEPO分子を産生することを含む、EPO分子を産生する方法を特徴とする。
一態様では、本開示は、有効量の本明細書に開示されるEPO分子を対象に投与し、それにより障害を治療することを含む、対象の障害を治療する方法を特徴とする。
一実施形態では、障害は、EPOに関連する障害、例えばEPOの欠乏又は異常である。一実施形態では、障害は貧血である。一実施形態では、貧血は、慢性腎臓疾患(例えば、慢性腎不全)、ジドブジン治療、化学療法、又は手術に関連するか、又はそれに起因する。
一実施形態では、方法は、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在は、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する。一実施形態では、EPO分子は、遺伝子型情報の取得に応答して投与される。
一実施形態では、対象は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている。一実施形態では、対象は、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する。一実施形態では、対象は、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている。一実施形態では、対象は、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある。一実施形態では、異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する。
一態様では、本開示は、対象における免疫原性応答を低下させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の本明細書に開示されるEPO分子を投与し、それにより免疫原性応答を低下させることを含む方法を特徴とする。
一実施形態では、方法は、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在は、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する。一実施形態では、EPO分子は、遺伝子型情報の取得に応答して投与される。
一実施形態では、対象は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている。一実施形態では、対象は、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する。一実施形態では、対象は、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている。一実施形態では、対象は、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある。一実施形態では、異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する。
一態様では、本開示は、対象の赤芽球癆(PRCA)を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本明細書に開示されるEPO分子を投与し、それによりPRCAを治療又は予防することを含む方法を特徴とする。
一実施形態では、方法は、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在は、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する。一実施形態では、EPO分子は、遺伝子型情報の取得に応答して投与される。
一実施形態では、対象は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている。一実施形態では、対象は、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する。一実施形態では、対象は、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている。一実施形態では、対象は、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある。一実施形態では、異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する。
一態様では、本開示は、対象における同種異系赤血球(RBC)輸血を減少させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の本明細書に開示されるEPO分子を投与し、それにより同種異系RBC輸血を減少させることを含む方法を特徴とする。
一実施形態では、方法は、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在は、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する。一実施形態では、EPO分子は、遺伝子型情報の取得に応答して投与される。
一実施形態では、対象は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている。一実施形態では、対象は、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する。一実施形態では、対象は、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている。一実施形態では、対象は、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある。一実施形態では、異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する。
一態様では、本開示は、対象を評価する方法であって、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを含み、HLA遺伝子型の存在は、対象がEPO分子を含む治療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する方法を特徴とする。
一実施形態では、方法は、本明細書に開示されるEPO分子による治療の候補として対象を分類することを更に含む。一実施形態では、方法は、有効量の本明細書に開示されるEPO分子を対象に投与することを更に含む。
一実施形態では、対象は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている。一実施形態では、対象は、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する。一実施形態では、対象は、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある。一実施形態では、対象は、抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている。一実施形態では、対象は、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある。一実施形態では、異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する。
一態様では、本開示は、医薬として使用するための本明細書に記載のEPO分子を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)の障害を治療する際に使用するための本明細書に記載のEPO分子を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)における免疫原性応答を低下させるのに使用するための本明細書に記載のEPO分子を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って、対象(例えば、本明細書に記載される対象)における赤芽球癆(PRCA)の治療又は予防に使用するための本明細書に記載のEPO分子を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)における同種異系赤血球(RBC)輸血を減少させるのに使用するための本明細書に記載のEPO分子を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)の障害を治療するための医薬品の製造における本明細書に記載のEPO分子の使用を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)における免疫原性応答を低下させるための医薬の製造における本明細書に記載のEPO分子の使用を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)の純粋な赤芽球癆(PRCA)を治療又は予防するための薬剤の製造における本明細書に記載のEPO分子の使用を特徴とする。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法に従って対象(例えば、本明細書に記載される対象)における同種異系赤血球(RBC)輸血を減少させるための薬剤の製造における本明細書に記載のEPO分子の使用を特徴とする。
列挙される実施形態
1.本明細書に開示される位置に変異を含むEPO分子。
2.配列番号1の12~152位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1のEPO分子。
3.配列番号1の74~82、102~116、又は142~153のいずれかの位置に対応する位置に変異を含む、実施形態1又は2のEPO分子。
4.配列番号1の74~82又は102~116のいずれかの位置に対応する位置に変異を含む、実施形態1~3のいずれかのEPO分子。
5.配列番号1の74~82位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~4のいずれかのEPO分子。
6.配列番号1の102~116位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~5のいずれかのEPO分子。
7.配列番号1の74~82位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~6のいずれかのEPO分子。
8.配列番号1の102~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~7のいずれかのEPO分子。
9.配列番号1の102~110位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~8のいずれかのEPO分子。
10.配列番号1の108~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~9のいずれかのEPO分子。
11.配列番号1の142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~10のいずれかのEPO分子。
12.配列番号1の142~150位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~11のいずれかのEPO分子。
13.配列番号1の145~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~12のいずれかのEPO分子。
14.配列番号1の74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152、又は153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~13のいずれかのEPO分子。
15.配列番号1の12、15、67、70、74、102、105、106、109、114、146、149、又は152位のいずれかに対応する位置に変異を含む、実施形態1~14のいずれかのEPO分子。
16.複数の位置(例えば、本明細書に開示される複数の位置)に複数の変異(例えば、本明細書に開示される複数の変異)を含む、実施形態1~15のいずれかのEPO分子。
17.本明細書に開示される第2の位置に第2の変異を更に含む、実施形態16のEPO分子。
18.本明細書に開示される第3の位置に第3の変異を更に含む、実施形態17のEPO分子。
19.本明細書に開示される第4の位置に第4の変異を更に含む、実施形態18のEPO分子。
20.本明細書に開示される第5の位置に第5の変異を更に含む、実施形態19のEPO分子。
21.配列番号1の12位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~20のいずれかのEPO分子。
22.変異がL12A置換である、実施形態21のEPO分子。
23.変異がL12I置換である、実施形態21のEPO分子。
24.配列番号1の15位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~23のいずれかのEPO分子。
25.変異がY15I置換である、実施形態24のEPO分子。
26.変異がY15W置換である、実施形態24のEPO分子。
27.配列番号1の67位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~26のいずれかのEPO分子。
28.変異がL67D置換である、実施形態27のEPO分子。
29.変異がL67N置換である、実施形態27のEPO分子。
30.変異がL67V置換である、実施形態27のEPO分子。
31.配列番号1の70位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~30のいずれかのEPO分子。
32.変異がL70V置換である、実施形態31のEPO分子。
33.配列番号1の74位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~32のいずれかのEPO分子。
34.変異がV74D置換である、実施形態33のEPO分子。
35.変異がV74L置換である、実施形態33のEPO分子。
36.変異がV74N置換である、実施形態33のEPO分子。
37.配列番号1の102位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~36のいずれかのEPO分子。
38.変異がL102D置換である、実施形態37のEPO分子。
39.変異がL102N置換である、実施形態37のEPO分子。
40.変異がL102I置換である、実施形態37のEPO分子。
41.変異がL102T置換である、実施形態37のEPO分子。
42.変異がL102V置換である、実施形態37のEPO分子。
43.配列番号1の105位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~42のいずれかのEPO分子。
44.変異がL105F置換である、実施形態43のEPO分子。
45.変異がL105S置換である、実施形態43のEPO分子。
46.配列番号1の106位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~45のいずれかのEPO分子。
47.変異がT106A置換である、実施形態46のEPO分子。
48.変異がT106G置換である、実施形態46のEPO分子。
49.変異がT106H置換である、実施形態46のEPO分子。
50.配列番号1の109位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~49のいずれかのEPO分子。
51.変異がL109A置換である、実施形態50のEPO分子。
52.変異がL109C置換である、実施形態50のEPO分子。
53.変異がL109W置換である、実施形態50のEPO分子。
54.配列番号1の114位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~53のいずれかのEPO分子。
55.変異がA114C置換である、実施形態54のEPO分子。
56.配列番号1の146位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~55のいずれかのEPO分子。
57.変異がS146N置換である、実施形態56のEPO分子。
58.配列番号1の149位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~57のいずれかのEPO分子。
59.変異がL149V置換である、実施形態58のEPO分子。
60.変異がL149W置換である、実施形態58のEPO分子。
61.配列番号1の152位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~60のいずれかのEPO分子。
62.変異がK152Q置換である、実施形態61のEPO分子。
63.配列番号1の67及び102位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~62のいずれかのEPO分子。
64.変異が、L67V及びL102V置換である、実施形態63のEPO分子。
65.70、74及び102位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~64のいずれかのEPO分子。
66.変異がL70V、V74L及びL102I置換である、実施形態65のEPO分子。
67.67、74及び102位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~66のいずれかのEPO分子。
68.変異がL67N、V74N及びL102D置換である、実施形態67のEPO分子。
69.変異が、L67D、V74D及びL102N置換である、実施形態67のEPO分子。
70.12、15、105、及び149位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~69のいずれかのEPO分子。
71.変異が、L12A、Y15I、L105F及びL149W置換である、実施形態70のEPO分子。
72.変異が、L12I、Y15W、L105S及びL149V置換である、実施形態70のEPO分子。
73.109及び114位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~72のいずれかのEPO分子。
74.変異が、L109C及びA114C置換である、実施形態73のEPO分子。
75.102、105、106及び109位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~74のいずれかのEPO分子。
76.変異が、L102T、L105S、T106H及びL109W置換である、実施形態75のEPO分子。
77.変異がL102T、L105S、T106G及びL109W置換である、実施形態75のEPO分子。
78.146及び152位に対応する位置に変異を含む、実施形態1~77のいずれかのEPO分子。
79.変異が、S146N及びK152Q置換である、実施形態78のEPO分子。
80.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、実施形態1~79のいずれかのEPO分子。
81.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%の相同性を有する、実施形態1~80のいずれかのEPO分子。
82.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する、実施形態1~81のいずれかのEPO分子。
83.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の相同性を有する、実施形態1~82のいずれかのEPO分子。
84.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも96%の相同性を有する、実施形態1~83のいずれかのEPO分子。
85.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも97%の相同性を有する、実施形態1~84のいずれかのEPO分子。
86.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも98%の相同性を有する、実施形態1~85のいずれかのEPO分子。
87.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99%の相同性を有する、実施形態1~86のいずれかのEPO分子。
88.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる、実施形態1~87のいずれかのEPO分子。
89.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる、実施形態1~88のいずれかのEPO分子。
90.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる、実施形態1~89のいずれかのEPO分子。
91.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる、実施形態1~90のいずれかのEPO分子。
92.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる、実施形態1~91のいずれかのEPO分子。
93.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる、実施形態1~92のいずれかのEPO分子。
94.本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる、実施形態1~93のいずれかのEPO分子。
95.配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる、実施形態1~94のいずれかのEPO分子。
96.配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる、実施形態1~95のいずれかのEPO分子。
97.配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる、実施形態1~96のいずれかのEPO分子。
98.配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる、実施形態1~97のいずれかのEPO分子。
99.配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる、実施形態1~98のいずれかのEPO分子。
100.配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる、実施形態1~99のいずれかのEPO分子。
101.配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる、実施形態1~100のいずれかのEPO分子。
102.配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33若しくは35のいずれかのアミノ酸配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるか、又はそれと1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10個以下のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、実施形態1~101のいずれかのEPO分子。
103.配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33又は35のいずれかのアミノ酸配列を含む、実施形態1~102のいずれかのEPO分子。
104.配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
105.配列番号5のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
106.配列番号7のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
107.配列番号9のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
108.配列番号11のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
109.配列番号13のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
110.配列番号15のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
111.配列番号17のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
112.配列番号19のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
113.配列番号21のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
114.配列番号23のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
115.配列番号25のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
116.配列番号27のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
117.配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
118.配列番号31のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
119.配列番号33のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
120.配列番号35のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、実施形態1~103のいずれかのEPO分子。
121.例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、対象において低下した免疫原性を有する、実施形態1~120のいずれかのEPO分子。
122.免疫原性が、参照EPO分子と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低下している、実施形態121のEPO分子。
123.対象がHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有する、実施形態121又は122のEPO分子。
124.例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ生物学的活性を有する、実施形態1~123のいずれかのEPO分子。
125.例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、25%、20%、15%、10%、5%、又は2%以下低下した生物学的活性を有する、実施形態1~124のいずれかのEPO分子。
126.生物学的活性がin vitro TF-1増殖アッセイにおいて測定される、実施形態124又は125のいずれかのEPO分子。
127.参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、より多くのグリコフォーム、例えば、少なくとも1個、2個、3個、4個、又は5個多いグリコフォームを有することができる、実施形態1~126のいずれかのEPO分子。
128.6個、7個、8個、9個、10個又はより多くのグリコフォームを有することができる、実施形態1~127のいずれかのEPO分子。
129.7個、8個又はより多くのグリコフォームを有することができる、実施形態1~128のいずれかのEPO分子。
130.参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ血清半減期を有する、実施形態1~129のいずれかのEPO分子。
131.参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、増加した血清半減期、例えば少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%若しくは90%、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10倍増加した血清半減期を有する、実施形態1~130のいずれかのEPO分子。
132.参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、低下した血清半減期、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以下に低下した血清半減期を有する、実施形態1~131のいずれかのEPO分子。
133.EPOポリペプチドの血清半減期を延長する部分を含む、実施形態1~132のいずれかのEPO分子。
134.融合タンパク質である、実施形態1~133のいずれかのEPO分子。
135.IgGのFcドメインを含む、実施形態1~134のいずれかのEPO分子。
136.Fcドメインが、EPOポリペプチドに共有結合的に融合されている、実施形態135のEPO分子。
137.FcドメインのN末端が、EPOポリペプチドのC末端に直接的又は間接的に共有結合的に融合されている、実施形態136のEPO分子。
138.実施形態1~137のいずれかのEPO分子と、薬学的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物。
139.実施形態1~137のいずれかのEPO分子を含む、調製物。
140.治療的使用に適している、実施形態139の調製物。
141.実施形態1~137のいずれかのEPO分子と、使用説明書とを含む、キット。
142.実施形態1~137のいずれか一項のEPO分子をコードする、核酸。
143.配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34若しくは36のいずれかのヌクレオチド配列、又はそれらと5、10、15、20、25、30、35、40、45若しくは50ヌクレオチド以下で異なるか、又はそれらと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、核酸。
144.配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36のいずれかのヌクレオチド配列を含む、実施形態143の核酸。
145.実施形態142~144のいずれかの核酸を含む、ベクター。
146.核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む、実施形態145のベクター。
147.実施形態142~144のいずれかの核酸を含む、細胞。
148.EPOポリペプチドの発現を可能にする条件下で、実施形態147の細胞を培養し、それによりEPO分子を産生することを含む、EPO分子を産生する方法。
149.対象において障害を治療する方法であって、有効量の実施形態1~137のいずれかのEPO分子を対象に投与し、それにより障害を治療することを含む、上記方法。
150.障害が、EPOに関連する障害、例えば、EPOの欠乏又は異常である、実施形態149の方法。
151.障害が貧血である、実施形態150の方法。
152.貧血が、慢性腎臓疾患(例えば、慢性腎不全)、ジドブジン治療、化学療法、又は手術に関連するか、又はそれに起因する、実施形態151の方法。
153.対象において免疫原性応答を低下させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の実施形態1~137のいずれかのEPO分子を投与し、それにより免疫原性応答を低下させることを含む、上記方法。
154.対象において赤芽球癆(PRCA)を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に有効量の実施形態1~137のいずれかのEPO分子を投与し、それによりPRCAを治療又は予防することを含む、上記方法。
155.対象において同種異系赤血球(RBC)輸血を減少させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の実施形態1~137のいずれかのEPO分子を投与し、それにより同種異系RBC輸血を減少させることを含む、上記方法。
156.対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報又は配列を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在が、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する、実施形態148~155のいずれかの方法。
157.EPO分子が、遺伝子型情報の取得に応答して投与される、実施形態156の方法。
158.対象を評価する方法であって、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを含み、HLA遺伝子型の存在が、対象がEPO分子を含む治療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する、上記方法。
159.本明細書に開示されるEPO分子による治療の候補として対象を分類することを更に含む、実施形態158の方法。
160.有効量の本明細書に開示されるEPO分子を対象に投与することを更に含む、実施形態158又は159の方法。
161.対象がHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている、実施形態148~160のいずれかの方法。
162.対象が、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する、実施形態148~161のいずれかの方法。
163.対象が、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある、実施形態148~162のいずれかの方法。
164.対象が、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある、実施形態148~163のいずれかの方法。
165.対象が抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている、実施形態148~164のいずれかの方法。
166.対象が、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されたことがある、実施形態148~165のいずれかの方法。
167.異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する、実施形態166の方法。
図1Aは、EPOのアミノ酸配列の図であり、EPO受容体(EPO-R)が接触すると予測される(太字);HLA-DRB1*09-DQB1*03:09アレル(対立遺伝子)(網掛け)への結合について、中和抗体によって認識される(下線);アミノ酸修飾(上にアスタリスクを付した)について考慮される例示的な部位を示す。図1Aは、配列番号46を開示する。 図1Bは、例示的なアレル(対立遺伝子)結合部位を含む相互作用する疎水性アミノ酸のネットワークを示すEPO-R結合界面の構造を示す。 図2A~2Bは、クーマシーブルー染色(図2A)及びウエスタン免疫ブロッティング(図2B)後の、例示的EPOポリペプチドのドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)分離の画像である。 図3は、例示的なEPOポリペプチドの等電点電気泳動(IEF)ゲル分離の画像であり、それぞれのアイソフォームの数を示す。 図4は、TF-1細胞における例示的なEPOポリペプチドのin vitro生物活性を示す対数用量応答曲線である。 図5A~5Cは、ELISAを使用したインターフェロンガンマ(IFN-γ)放出の測定によって決定される例示的なEPOポリペプチドのex vivo免疫原性を示す棒グラフであり、相対応答(図5A)のパーセンテージを提供し、アスタリスクは、t検定による有意差を示す(*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001)。HLA-DRB1*09陽性ボランティアのIFN-γレベル(図5B);HLA-DRB1*09陰性ボランティアのIFN-γレベル(図5C)。棒グラフは平均±標準誤差として示される。
組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)は、低レベルのヘモグロビンを有する対象、例えば、慢性腎臓疾患、がん、HIV感染症又は貧血を有する対象に投与される生物医薬品として使用することができる。しかしながら、rHuEPOを繰り返し投与された一部の対象は、rHuEPOに対する免疫応答及び抗rHuEPO中和抗体の形成を発症し得、これにより、赤芽球癆(PRCA)を発症し得る。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、EPOに対する免疫原性応答は、抗原提示細胞(APC)の細胞表面に提示される主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合したEPOエピトープを認識するT細胞によって引き起こされると考えられる。一実施形態では、抗rHuEPO関連PRCAの発現とHLA-DRB1*09遺伝子との間に関連性があり、これはいくつかの集団、例えばタイ人集団に組み込まれていると更に考えられる。例えば、タイのバンコクに住むボランティアにおけるHLA-DRB1*09のスクリーニングにより、22%のボランティアがHLA-DRB1*09を有することが見出され、タイにおけるこの特定のHLAの高頻度が確認された。
本開示は、少なくとも部分的に、EPOポリペプチドのアミノ酸配列を改変することにより、EPOポリペプチドの構造的完全性又は生物活性を破壊することなく、EPOポリペプチドの免疫原性を低下させることができるという発見に基づく。免疫原性が低下した改変EPOポリペプチド又はEPOバリアントを本明細書に開示する。有利には、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、天然EPOの1つ以上の生物学的機能を模倣することができ、例えば、対象における内因性EPOを補足又は置換し、及び/又は対象における貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)を治療又は予防することができ、組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)の他の形態で起こり得る免疫反応をもたらすことはない。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、rHuEPOに対する免疫原性のリスクが高い対象、例えばrHuEPOに依存する対象及び/又はHLA-DRB1*09等の特定のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)を発現する対象に使用することができると考えられる。例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチドを使用して、rHuEPOに対する免疫原性のリスクが高い集団、例えばタイ人集団の患者を治療することができる。
MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09)によって認識されるEPOポリペプチド中の免疫原性ホットスポットの同定及び特性決定のためにEPOポリペプチド(例えば、計算的及び/又は実験的に)をスクリーニングする方法も本明細書に記載される。これらの方法を、例えばアレル(対立遺伝子)に対する親和性を低下させる1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)の変異を有する突然変異体を予測するために更に使用することができる。さらに、EPOポリペプチドをコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、組成物(例えば、医薬組成物)、キット、容器、デバイス、及びEPOポリペプチドの作製方法も本開示で提供される。本明細書に開示されるEPOポリペプチド及び医薬組成物は、単独で、又は他の薬剤若しくは治療様式と組み合わせて使用して、障害及び状態、例えば、EPO欠乏に関連する貧血又は状態、例えば、赤芽球癆(PRCA)を治療及び/又は予防することができる。
定義
本明細書で使用される場合、冠詞1つの(a)」及び「1つの(an)」は、冠詞の文法的対象の1つ又は2つ以上(例えば、少なくとも1まで)を指す。
「又は」という用語は、文脈上他に明確に示されない限り、本明細書では「及び/又は」という用語を意味するために使用され、これと互換的に使用される。
「約(About)」及び「およそ(approximately)」は、一般に、測定の性質又は精度を考慮して、測定された量の許容可能な程度の誤差を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20%(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%(例えば、4%、3%、2%、又は1%以内)以内である。
本明細書で使用される「取得する」又は「取得すること」は、物理的実体又は値を「直接取得する」又は「間接的に取得する」ことによって、物理的実体又は値、例えば数値の所有を得ることを指す。「直接取得すること」は、物理的実体又は値を得るためのプロセス(例えば、合成又は分析方法を実行すること)を行うことを意味する。「間接的に取得する」とは、別の団体又は供給源(例えば、物理的実体又は価値を直接取得した第三者の研究所)から物理的実体又は値を受け取ることを指す。物理的実体を直接得ることは、物理的物質、例えば出発物質の物理的変化を含むプロセスを行うことを含む。例示的な変化には、2つ以上の出発物質から物理的実体を作製すること、物質を剪断又は断片化すること、物質を分離又は精製すること、2つ以上の別個の実体を混合物に組み合わせること、共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することを含む化学反応を行うことが含まれる。値を直接取得することは、試料又は別の物質の物理的変化を含むプロセスを実行すること、例えば、物質、例えば試料、分析物、又は試薬の物理的変化を含む分析プロセスを実行すること(本明細書では「物理的分析」と呼ぶこともある)、分析方法、例えば、物質、例えば分析物、又はその断片若しくは他の誘導体を別の物質から分離又は精製することのうちの1つ以上を含む方法を実行すること;分析物、又はその断片若しくは他の誘導体を別の物質、例えば緩衝液、溶媒、又は反応物と組み合わせること;又は、例えば、分析物の第1の原子と第2の原子との間の共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することによって、分析物、又はその断片若しくは他の誘導体の構造を変化させること;又は、例えば、試薬の第1の原子と第2の原子との間の共有結合若しくは非共有結合を破壊若しくは形成することによって、試薬、又はその断片若しくは他の誘導体の構造を変化させること、を含む。
「配列を取得する」は、この用語が本明細書で使用される場合、配列を「直接取得する」又は「間接的に取得する」ことによって、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の所有を得ることを指す。「配列を直接得る」とは、配列決定方法(例えば、次世代シーケンシング(NGS)方法)を行う等、配列を得るためのプロセス(例えば、合成又は分析方法を実行すること)を行うことを意味する。「配列を間接的に取得する」とは、別の団体又は供給源(例えば、配列を直接取得した第三者の研究所)から配列の情報若しくは知識を受け取ること、又は配列を受け取ることを指す。取得される配列は、完全な配列である必要はなく、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドの配列決定、又は対象に存在するとして本明細書に開示される融合分子を同定する情報若しくは知識を得ることは、配列を取得することを構成する。
配列を直接取得することは、物理的物質、例えば出発物質、例えば組織試料、例えば生検物又は核酸(例えば、DNA又はRNA)試料の物理的変化を含むプロセスを行うことを含む。例示的な変化には、2つ以上の出発物質から物理的実体を作製すること、物質を剪断又は断片化すること(ゲノムDNA断片等)、物質を分離又は精製すること(例えば、組織から核酸試料を単離すること)、2つ以上の別個の実体を混合物に組み合わせること、共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することを含む化学反応を行うことが含まれる。
本明細書に開示される組成物及び方法は、指定された配列、又はそれと実質的に同一若しくは類似の配列、例えば指定された配列と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%又はそれ以上の配列を有するポリペプチド及び核酸を包含する。
アミノ酸配列と関連して、「実質的に同一」という用語は、本明細書では、第1及び第2のアミノ酸配列が共通の構造ドメイン及び/又は共通の機能活性を有することができるように、a)第2のアミノ酸配列と同一である、又はb)第2のアミノ酸配列中の整列したアミノ酸残基の保存的置換である十分な又は最小数のアミノ酸残基を含む第1のアミノ酸を指すために使用される。例えば、参照配列、例えば本明細書で提供される配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%の同一性を有する共通の構造ドメインを含むアミノ酸配列。
ヌクレオチド配列と関連して、「実質的に同一」という用語は、第1及び第2のヌクレオチド配列が共通の機能活性を有するポリペプチドをコードするか、又は共通の構造ポリペプチドドメイン若しくは共通の機能性ポリペプチド活性をコードするように、第2の核酸配列中の整列したヌクレオチドと同一である十分な又は最小数のヌクレオチドを含む第1の核酸配列を指すために本明細書で使用される。例えば、参照配列、例えば本明細書で提供される配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%の同一性を有するヌクレオチド配列。
「機能的バリアント」という用語は、天然に存在する配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するか、又は実質的に同一のヌクレオチド配列によってコードされ、天然に存在する配列の1つ以上の活性を有することができるポリペプチドを指す。
配列間の相同性又は配列同一性の計算(これらの用語は、本明細書では交換可能に使用される)は、以下のように行われる。
2つのアミノ酸配列又は2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するために、最適な比較目的で配列をアライメントする(例えば、最適なアラインメントのために第1及び第2のアミノ酸又は核酸配列の一方又は両方にギャップを導入することができ、比較目的のために非相同配列を無視することができる)。典型的な実施形態では、比較目的でアラインメントされた参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、例えば、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%である。次いで、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置にあるアミノ酸残基又はヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドによって占められている場合、分子はその位置で同一である。
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。
配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。一実施形態では、2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、lustal Omega(Sievers et al.Mol Syst Biol.2011;7:539)を使用して決定される。一実施形態では、2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、Kalign2(Lassmann et al.Nucleic Acids Res.2009;37(3):858-65;Lassmann and Sonnhammer BMC Bioinformatics.2005;6:298)を使用して決定される。一実施形態では、2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、MAFFT(Katoh and Standley Mol Biol Evol.2013;30(4):772-80)を使用して決定される。一実施形態では、2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、MUSCLE(Edgar Nucleic Acids Res.2004;32(5):1792-7;Edgar BMC Bioinformatics.2004;5:113)を使用して決定される。一実施形態では、2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、MView(Brown et al.Bioinformatics.1998;14(4):380-1)を使用して決定される。2つの配列間の同一性パーセントを決定するための他の方法も、例えば、Li et al.Nucleic Acids Res.2015;43(W1):W580-4;McWilliam et al.Nucleic Acids Res.2013;41(Web Server issue):W597-600に記載されている。
一実施形態では、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、Blossum 62マトリックス又はPAM 250マトリックスのいずれかと、16、14、12、10、8、6、又は4のギャップ重み付けと、1、2、3、4、5、又は6の長さ重み付けとを使用して、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれている、Needleman and Wunsch(J Mol Biol.1970;48(3):443-53)アルゴリズムを使用して決定される。一実施形態では、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、NWSgapdnaを使用して、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用して決定される。CMPマトリックス及び40、50、60、70、又は80のギャップ重み付け、及び1、2、3、4、5、又は6の長さ重み付け。パラメータの1つの適切なセット(及び特に指定されない限り使用されるべきもの)は、ギャップペナルティが12、ギャップ拡張ペナルティが4、フレームシフトギャップペナルティが5のBlossum 62スコアリングマトリックスである。
2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、PAM120重み付け残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用して、ALIGNプログラム(version 2.0)に組み込まれているMeyers and Miller(Comput.Appl.Biosci.1988;4(1):11-7)のアルゴリズムを使用して決定することができる。
本明細書に記載の核酸及びタンパク質配列は、例えば、他のファミリーメンバー又は関連配列を同定するために、公開データベースに対して検索を実行するための「クエリ配列」として使用することができる。そのような検索は、Altschul,et al.1990;J.Mol.Biol.215:403-10のNBLAST及びXBLAST programs(version 2.0)を使用して行うことができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実施して、本明細書に記載の核酸に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実施して、本明細書に記載のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップのあるアラインメントを得るために、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.1997;25:3389-3402.に記載されるような、ギャップBLASTを利用することができる。BLAST及びギャップBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(例えば、XBLAST及びNBLAST)を使用することができる。www.ncbi.nlm.nih.gov.を参照されたい。
本明細書に記載される分子は、それらの機能に実質的な影響を及ぼさない追加の保存的又は非必須アミノ酸置換を有し得ることが理解される。
本明細書で使用される場合、「アレル(対立遺伝子)」という用語は、遺伝子の代替形態を指す。例えば、本明細書に記載のアレル(対立遺伝子)は、ヒト遺伝子の天然に存在する配列バリアントであり得る。一実施形態では、ヒト遺伝子は、ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子、例えばHLA-A、-B、-DR、又は-DQアレル(対立遺伝子)、例えばDRA、DRB1、DRB3/4/5、DQA-I、DQB1、DPA-I、又はDPB1アレル(対立遺伝子)、例えばHLA-DRB1*09である。
「アミノ酸」という用語は、天然又は合成にかかわらず、アミノ官能性及び酸官能性の両方を含み、天然に存在するアミノ酸のポリマーに含めることができる全ての分子を包含することを意図している。例示的なアミノ酸としては、天然に存在するアミノ酸;その類似体、誘導体及び同族体;変異型側鎖を有するアミノ酸類似体;並びに前述のいずれかの全ての立体異性体が挙げられる。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、D-又はL-光学異性体とペプチド模倣体の両方を含む。
「抗原提示細胞」又は「APC」という用語は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)、例えばMHC-II-エピトープ複合体と複合体形成した抗原をその表面に提示するアクセサリー細胞等(例えば、B細胞、樹状細胞等)の免疫系細胞を指す。T細胞は、それらのT細胞受容体(TCR)を使用してこれらの複合体を認識し得る。APCは、抗原を内部移行及び(例えば、ペプチド(エピトープ)へと)プロセシングし、それらをT細胞に提示する。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。
本明細書で使用される場合、「免疫原性」という用語は、対象において免疫応答(例えば、体液性及び/又は細胞性の免疫応答)を誘発する分子(例えば抗原、エピトープ又はタンパク質、例えばEPOポリペプチド)の能力を指す。免疫応答は、とりわけ、抗体(例えば、中和抗体又は非中和抗体)の産生、免疫複合体の形成、補体活性化、肥満細胞活性化、炎症、及び/又はアナフィラキシーを含み得る。当業者は、物質の免疫原性を容易に測定又は決定することができる。例えば、体液性媒介免疫学的応答は、とりわけウエスタンブロット、ELISA又は同様の技術を使用して、生物学的試料(例えば、血液)中の抗体のレベルを測定することによって決定することができる。細胞媒介性免疫学的応答は、例えば、増殖アッセイ(CD4T細胞)、細胞傷害性Tリンパ球アッセイ、又は免疫組織化学法を使用して決定することができる。
本明細書で使用される場合、「免疫原性の低下」という用語は、参照分子(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)の免疫原性と比較して、免疫応答を誘発する能力の低下を指す。例えば、分子(例えば、タンパク質、例えば、EPOポリペプチド)は、参照分子(例えば、野生型EPO)と比較して、例えば、抗体価によって決定される場合には、より少ない中和抗体又は非中和抗体を誘発する場合;1つ以上のMHCアレル(対立遺伝子)に対する結合の減少を示す場合;又はより少ないT細胞活性化を誘導するか、若しくは数が減少した対象においてT細胞活性化を誘導する場合、免疫原性が低下し得る。
本明細書で使用される場合、「MHC結合エピトープ」という用語は、MHCエピトープ-T細胞受容体複合体の形成を可能にし、T細胞活性化を開始するのに十分な親和性で1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)に結合することができるエピトープ(例えば、ペプチド)を指す。本明細書に記載のMHC結合エピトープは、少なくとも約9アミノ酸残基、例えば少なくとも約9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18アミノ酸残基を含むペプチド配列(例えば、直鎖状ペプチド配列)であり得る。一実施形態では、MHC結合エピトープは、約9アミノ酸残基を含むペプチド配列である。
「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」(一本鎖の場合)という用語は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、改変アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸によって中断されてもよい。この用語はまた、改変されたアミノ酸ポリマー、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は標識成分とのコンジュゲーション等の任意の他の操作を包含する。ポリペプチドは、天然源から単離することができ、真核生物若しくは原核生物宿主から組換え技術によって産生することができ、又は合成手順の産物とすることができる。
「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、又は「ポリヌクレオチド配列」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド、又はそれらの類似体のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖のいずれかであり得、一本鎖の場合、コード鎖又は非コード(アンチセンス)鎖であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体等の改変ヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、標識成分とのコンジュゲーション等によって、重合後に更に改変され得る。核酸は、組換えポリヌクレオチド、又は天然に存在しないか若しくは非天然配列で別のポリヌクレオチドに連結されているゲノム、cDNA、半合成若しくは合成起源のポリヌクレオチドであり得る。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、その元の環境又はネイティブ環境(例えば、天然に存在する場合、自然環境)から除去された材料を指す。例えば、生きている動物に存在する天然に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されておらず、ヒトの介入によって天然系中の共存物質の一部又は全部から分離された同じポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されている。そのようなポリヌクレオチドはベクターの一部であり得、及び/又はそのようなポリヌクレオチド又はポリペプチドは組成物の一部であり得、そのようなベクター又は組成物が自然界で見出される環境の一部ではないという点で依然として単離されているものとなり得る。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト又は動物を指す。動物は、典型的には、脊椎動物、例えば霊長類、げっ歯類、家畜、又は遊戯用動物である。霊長類には、チンパンジー、カニクイザル、クモサル、及びマカク(例えば、アカゲザル)が含まれる。齧歯動物には、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ及びハムスターが含まれる。家畜及び遊戯用動物には、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ種(例えば、家庭用ネコ)、イヌ種(例えば、イヌ、キツネ、オオカミ)、鳥類種(例えば、ニワトリ、エムー、ダチョウ)、及び魚類(例えば、マス、ナマズ及びサケ)が含まれる。本開示の特定の実施形態では、対象は哺乳動物(例えば霊長類、例えばヒト)である。対象は雄性又は雌性であり得る。特定の実施形態では、対象は哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、又はウシであり得るが、これらの例に限定されない。一実施形態では、「対象」という用語は、免疫応答が誘発され得る(例えば、哺乳動物、例えばヒト対象)生物を含むことを意図している。
本明細書で使用される場合、例えば、貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)(例えば、赤芽球癆)を「治療する」という用語は、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)を有する及び/又は障害、例えば貧血又はEPO関連(例えば、EPO欠乏関連)障害の症状を経験する対象(例えば、ヒト)が、一実施形態では、EPOポリペプチド(例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチド)が投与された場合、EPOポリペプチドが全く投与されなかった場合よりも、より重篤でない症状を患い、及び/又はより速く回復するであろうことを意味する。一実施形態では、貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)が治療される場合、ヘモグロビンのレベル又は活性は、同等の未治療の対象と比較して、治療された対象において増加し得る。ヘモグロビンレベルを決定する方法が記載されている(例えば、Billett H.H.(1990)Hemoglobin and Hematocrit.(Walker HK,Hall WD,Hurst JW,editors).Clinical Methods:The History,Physical,and Laboratory Examinations.3rd edition,Chapter 151.Boston:Butterworths)を参照されたい)。治療は、例えば、部分的又は完全に、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)の効果若しくは症状、特徴及び/又は原因の1つ以上の症状発現を緩和、改善、軽減、阻害、又は重症度を低下及び/又は発生率を低下、並びに任意に、その発症を遅延させることができる。
一実施形態では、治療は、対象において、EPOポリペプチド(例えば、組換えヒトEPO又は内因性ヒトEPO)に対する免疫原性を部分的又は完全に緩和し、改善し、軽減し、阻害し、若しくは重症度を低下させ、及び/又は発生率を低下させ、任意に、発症を遅延させることができる。一実施形態では、貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)がEPOポリペプチド(例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチド)で治療される場合、対象における免疫応答は、異なるEPOポリペプチド(例えば、rHuEPO、例えば、エポエチンアルファ、ベータ、デルタ又はオメガ)で治療された同等の対象における免疫応答と比較して減少又は排除され得る。例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用する診断方法は、EPOポリペプチドの免疫原性の尺度として、異なるEPOポリペプチドに起因するT細胞応答のレベルを検出することができる(例えば、インターフェロンガンマ(IFN-γ)放出のレベルを定量することによる)。他のアッセイ、例えば抗体力価を使用して、患者の治療を監視するか、又は免疫応答の存在を検出することができる。
一実施形態では、治療は、障害、例えば貧血若しくはEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)の特定の徴候を示さない対象、及び/又は障害、例えば貧血若しくはEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)の初期徴候のみを示す対象の治療である。一実施形態では、治療は、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)の1つ以上の確立された徴候を示す対象の治療である。一実施形態では、治療は、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)を患っていると診断された対象の治療である。一実施形態では、障害は、本明細書に記載のEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)である。一実施形態では、障害は赤芽球癆である。
本明細書で使用される場合、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)(例えば、赤芽球癆)を「予防する」という用語は、対象がEPOポリペプチド(例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチド)を投与された場合、対象(例えば、ヒト)が障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)を有する可能性が低いことを意味する。一実施形態では、対象は、障害、例えば貧血又はEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)を発症するリスクがある。一実施形態では、対象は、赤芽球癆を発症するリスクがある。一実施形態では、障害は、本明細書に記載のEPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)である。一実施形態では、障害は赤芽球癆である。
「バリアントエリスロポエチン(EPO)ポリペプチド」、「改変EPOポリペプチド」、「EPOバリアント」、「EPO突然変異体」、及び「EPOムテイン」は、本明細書において互換的に使用され、参照EPOポリペプチド、例えば野生型又は親EPOポリペプチドと少なくとも1つの残基が異なる(例えば、少なくとも1つのアミノ酸の挿入、欠失又は置換によって異なる)天然に存在しないポリペプチドを指す。EPOバリアントは、タンパク質をEPOポリペプチド配列の天然に存在するアレル(対立遺伝子)又は種間変異から区別する変異の所定の性質を特徴とする。本明細書に記載のEPOバリアントは、天然に存在するEPOに匹敵する1つ以上の生物学的特性(例えば、1つ以上の生物学的活性)を示し得る。さらに、本明細書に記載のEPOバリアントは、参照EPOポリペプチド、例えば野生型又は天然に存在するEPOと比較して、1つ以上の異なる生物学的特性(例えば、免疫原性の低下)を有するように操作されていてもよい。一実施形態では、EPOバリアントは、アミノ酸配列の任意の位置、例えばN末端、C末端又は内部にあり得る挿入、欠失及び/又は置換を含む。一実施形態では、EPOバリアントは、参照EPOポリペプチド、例えば野生型又は天然に存在するEPOポリペプチドとは異なる少なくとも1つの残基、例えば少なくとも1、2、3、4、5、又はそれ以上のアミノ酸残基の差異を含む。一実施形態では、EPOバリアントは、参照EPOポリペプチド、例えば野生型又は天然に存在するEPOポリペプチドとは異なる1、2、3又は4個のアミノ酸残基を含む。一実施形態では、EPOバリアントは、同時翻訳又は翻訳後修飾、例えば、1つ以上のアミノ酸側鎖又は末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、環状置換、環化、タンパク質又はタンパク質ドメイン(例えば、免疫グロブリン)への融合、又はペプチドタグ若しくは標識の付加に供される。
本明細書で使用される場合、「エリスロポエチン分子」又は「EPO分子」という用語は、全長EPOポリペプチド又はその機能的断片を含む分子を指すことができる。
本明細書で使用される場合、「バリアントエリスロポエチン(EPO)核酸」、「改変EPO核酸」及び「バリアントEPO核酸」という用語は、本明細書で互換的に使用され、エリスロポエチンタンパク質バリアント(又は改変EPOポリペプチド)をコードする核酸を指す。遺伝暗号の縮重のために、多数の核酸が、例えば、対応するバリアントエリスロポエチンタンパク質のアミノ酸配列を変化させないように1つ以上のコドンの配列を改変することによって、本開示のバリアントエリスロポエチンタンパク質をコードし得る。
本明細書で使用される場合、「野生型(wild type)」、「野生型(wild-type)」又は「WT」という用語は、改変又は操作されていないアミノ酸配列又はヌクレオチド配列等のアレル(対立遺伝子)バリエーションを含む、天然に存在するアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を含むポリペプチド、タンパク質又は核酸を指す。例えば、野生型EPOポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸配列を含む任意のEPOポリペプチド(単離されたEPOポリペプチド、組換えEPOポリペプチド、又は天然に存在するアミノ酸配列を含む合成EPOポリペプチドを含む)を指し得る。
範囲:本開示を通して、様々な実施形態を範囲形式で提示することができる。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔さのためのものであり、本開示の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、全ての可能な部分範囲並びにその範囲内の個々の数値を具体的に開示したとみなされるべきである。例えば、1~6等の範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば1、2、3.7、3、4、5、5.6、及び6を具体的に開示しているとみなされるべきである。別の例として、95~99%の同一性等の範囲は、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するものを含み、96~99%、96~98%、96~97%、97~99%、97~98%、及び98~99%の同一性等の部分範囲を含む。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
本明細書の組成物及び方法の様々な実施形態を以下に更に詳細に記載する。更なる定義は、本明細書全体を通して示されている。
エリスロポエチン(EPO)
ヒトエリスロポエチン(EPO)
エリスロポエチン(EPO)は、腎臓で産生される糖タンパク質ホルモンであり、赤血球(RBC)の産生及び成熟において必須の役割を果たす。ヒトEPOの成熟アミノ酸配列は、典型的には165アミノ酸残基を含み、約30,600ダルトンの相対分子量を有する。EPO構造は、ヘリックスA、B、C及びDを含む4らせん束トポロジーを有する。EPOのグリコシル化は、翻訳後修飾中に起こり、3つのN結合炭水化物鎖及び1つのO結合炭水化物鎖の付加、並びに元の分子量のおよそ40%の増加を伴う。EPOのグリコシル化は、タンパク質の安定性、溶解性、及び生物活性に影響を及ぼすことが知られている。
ヒトEPOのアミノ酸及びヌクレオチド配列は当技術分野で公知である。野生型ヒトEPOの例示的なアミノ酸配列を以下に提供する。
本明細書で使用されるEPOアミノ酸位置のナンバリングは、通常、配列番号1のアミノ酸配列に基づく。
組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)
赤血球生成促進剤(ESA)として知られることもある組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO又はrhEPO)は、例えば、ヒトEPOと同じ又は変化したアミノ酸配列を有する、EPOの操作された形態を含む生物医薬品であり得る。rHuEPOは、例えば、基礎疾患又は治療法のために、ヘモグロビンレベルが低い(貧血)対象に一般的に投与される。rHuEPO等の外因性EPOポリペプチドには、いくつかの疾患領域及び関連する用途がある。例えば、慢性腎臓疾患(CKD)を有する対象は、一般に、関連する貧血を治療するためにrHuEPOを投与される。rHuEPO治療に一般的に関連する他の疾患には、HIV感染症、AIDS、及びがんが含まれる。さらに、透析に依存しているか、又は化学療法、放射線、若しくはAIDS若しくはHIV療法を受けている対象は、一般にrHuEPOで治療される。さらに、rHuEPOは、赤血球生成を促進するために、手術又は移植(例えば、骨髄移植)を受けている又は受けたことがある対象に投与することができる。rHuEPOは、パフォーマンス向上薬としても使用することができ、いくつかの形態のEPOは、World Anti-Doping Agencyによってスポーツでの使用が禁止されている。rHuEPOの非限定的な例としては、エポエチンアルファ(例えば、EPOGEN(登録商標)、EPOADE(登録商標)、EPOPEN(登録商標)、EPOXITIN(登録商標)、EPREX(登録商標)、ERYPRO(登録商標)、ESPO(登録商標)、GLOBUREN(登録商標)、PROCRIT(登録商標))、エポエチンベータ(例えば、EPOCH,EPOGIN(登録商標)、ERANTIN(登録商標)、ERITROGEN(登録商標)、MAROGEN(登録商標)、NEORECORMON(登録商標)、RECORMON(登録商標)、)、エポエチンデルタ(例えば、DYNEPO(登録商標)、)及びエポエチンオメガ(例えばEPOMAX(登録商標)、HEMAX(登録商標)、)が挙げられる。
本明細書でより詳細に記載されるように、rHuEPOは、医薬製剤(例えば、凝集物の存在)及び/又は投与頻度(例えば、rHuEPO依存性対象において)に関連する因子に加えて、特に遺伝的因子に起因して、一部の個体において免疫反応をもたらし得る。rHuEPOの免疫原性は、例えば、赤芽球癆(PRCA)を引き起こす等、深刻な結果をもたらし得る。実際、慢性腎臓疾患(CKD)を有する患者の貧血の治療のためのrHuEPOの使用がより普及しているため、以前にrHuEPOを使用したことがある又は現在使用している一部のCKD患者は、疑われる又は確認されたPRCAを示すことが報告されている。例えば、2005年の報告は、rHuEPO療法を受けたタイ人患者4人が確認された抗rHuEPO関連PRCAを有し、各対象がHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)も示したことを示した(Praditpornsilpa et al.,前出)。本明細書に記載されるように、DRB1*09アレル(対立遺伝子)は、東南アジア諸国の間で高い頻度を有する。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、EPOエピトープとHLA-DRB1*09分子との間の破壊は、HLA-DRB1*09を有する患者における免疫原性を低下させ得ると考えられる。
EPOバリアント
本明細書には、例えば、EPOに関連する貧血及び/又は障害、例えば、EPO欠乏、又はその症状を治療又は予防するために使用することができるバリアントEPOポリペプチドが開示される。例えば、EPOポリペプチドは、本明細書に記載の1つ以上の構造的及び/又は機能的特性を有することができる。一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、1つ以上の変異、例えば本明細書に記載の1つ以上の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、例えば参照EPOポリペプチド又は調製物、例えば野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対する生物学的参照調製物(BRP:Biological Reference Preparation)、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチドと比較して、より低い免疫原性を有する。EPOに対するBRPは、例えば、Ferguson et al.Pharmeur Bio Sci Notes.2019;2019:27-33;Burns et al.Pharmeur Bio Sci Notes.2015;2015:246-53;Behr-Gross et al.Pharmeuropa Bio.2007 Dec;2007(1):49-66;Behr-Gross et al.Pharmeuropa Bio.2004 Dec;2004(1):23-33に記載されている。
一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、例えば、rHuEPOに典型的に関連する免疫原性を回避若しくは低減するため、及び/又は内因性EPOを補うために、例えば内因性EPOが欠損している対象において、従来のrHuEPOの代替物として使用することができる。一実施形態では、EPOポリペプチドを、赤芽球癆(例えば、rHuEPO誘発性PRCA)を有する、又は有するリスクがある対象に投与する。一実施形態では、EPOポリペプチドを使用して、対象、例えばヒト対象における赤芽球癆(例えば、rHuEPO誘発性PRCA)を治療又は予防する。
クラスII MHCアレル(対立遺伝子)結合部位
一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、対象における免疫原性を低下させるように調整されたアミノ酸配列を含む。例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチドを対象に投与して、参照rHuEPOを投与した同等の対象において誘発される免疫応答と比較して、対象における免疫応答を低下させる(例えば、排除する)ことができる。一実施形態では、対象は、rHuEPOに対する免疫原性に感受性であり、例えば、本明細書に記載の遺伝的背景を有する対象、例えばHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を有する対象である。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOバリアントがクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子))に対してより低い親和性を示すように、改変された結合部位を含む。結合部位は、約9アミノ酸残基の領域を含み得る。例えば、本明細書に記載される方法によって予測される結合部位は、EPOアミノ酸配列の74~82位、102~110位、108~116位、142~150位又は145~153位の1つ以上に存在し得る。一実施形態では、結合部位は、表1に提供されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号37~41のうち1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)において1つ以上(例えば、2、3、4、又は全て)の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号37において1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号38において1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号39において1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号40において1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号41において1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。
EPO変異
変異をEPOポリペプチドアミノ酸配列に導入して、その生物学的特性、例えば生物活性及び/又は免疫原性に影響を及ぼすことができる。例えば、EPO配列の結合部位(例えば、本明細書に記載の方法によって予測される)を、例えば、EPO結合部位と1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)との間の結合を破壊する、又は親和性を低下させるために、例えばアミノ酸の置換、挿入、又は欠失によって改変することができる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、結合側の1つ以上の残基に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列の12~152位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列の74~82、102~116、又は142~153位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、74~82位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、102~110位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドが、108~116位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、142~150位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、145~153位から選択される1つ以上のアミノ酸位置に変異を含む。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列の74、75、76、77、78、79、80、81、又は82位から選択される1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115又は116位から選択される1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列の142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、又は153位から選択される1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOアミノ酸配列の74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152及び153位から選択される1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)のアミノ酸位置に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、12、15、67、70、74、102、105、106、109、114、146、149、又は152位から選択される1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)のアミノ酸残基に変異を含む。
一実施形態では、EPOバリアントは、ヒトEPOアミノ酸配列の1つ以上の位置に置換を含むアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ポリペプチドは、12位の置換、例えばL12A又はL12I置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、15位の置換、例えばY15I又はY15W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、67位の置換、例えばL67D、L67N、又はL67V置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、70位の置換、例えばL70V置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、74位の置換、例えばV74D、V74L、又はV74N置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、102位に置換、例えばL102D、L102I、L102N、L102T又はL102V置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、105位の置換、例えばL105F又はL105S置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、106位の置換、例えばT106A、T106G、又はT106H置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、109位の置換、例えばL109A、L109C又はL109W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、114位の置換、例えばA114C置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、146位の置換、例えばS146N置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、149位の置換、例えばL149V又はL149W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、152位の置換、例えばK152Q置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドは、67及び102位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、70、74、及び102位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、102位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、67、74、及び102位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、12、15、105、及び149位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、105位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、106位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、109位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、109及び114位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、102、105、106及び109位に変異(例えば、置換)を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、146及び152位に変異(例えば、置換)を含む。
一実施形態では、ポリペプチドは、例えば、67、70、102、及び/又は149位におけるロイシンのバリンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば74位におけるバリンのロイシンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば12及び/又は102位におけるロイシンのイソロイシンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば102位におけるロイシンのトレオニンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば67及び/又は102位におけるアスパラギンへのロイシンの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば67及び/又は102位におけるアスパラギン酸へのロイシンの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば12及び/又は109位におけるロイシンのアラニンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば105位におけるロイシンのフェニルアラニンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば105位におけるロイシンのセリンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば109及び/又は149位におけるトリプトファンへのロイシンの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば109位におけるロイシンのシステインへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば106位におけるトレオニンのアラニンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば106位におけるトレオニンのグリシンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば106位におけるトレオニンのヒスチジンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば74位におけるバリンのアスパラギンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば74位におけるバリンのアスパラギン酸への置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば15位におけるチロシンのイソロイシンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば15位におけるチロシンのトリプトファンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば114位におけるアラニンからシステインへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば146位におけるセリンからアスパラギンへの置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、例えば152位におけるリジンのグルタミンへの置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドは、L67V及びL102V置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L70V、V74L、及びL102I置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはL102T置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L67N、V74N、及びL102D置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L67D、V74D及びL102N置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L12A、Y15I、L105F及びL149W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L12I、Y15W、L105S及びL149V置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはL105F置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはT106A置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはT106G置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはT106H置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはL109A置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドはL109W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L109C及びA114C置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L102T、L105S、T106H及びL109W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、L102T、L105S、T106G及びL109W置換を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、S146N及びK152Q置換を含む。
本明細書に記載のEPOポリペプチド(例えば、EPOバリアント)は、4つのヘリックスのいずれか1つに変異を含み得る。一実施形態では、EPOポリペプチドは、1つ以上A、B、C及びDヘリックス内に変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、ヘリックスA内の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、ヘリックスB内の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドはヘリックスC内の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドはヘリックスD内の変異を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドはヘリックスB及びC内の変異を含む。一実施形態では、例えばin vitro生物活性(例えば、表2に示すEPO-1.2、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3又はEPO-4.1)を有するEPOバリアントが有する変異は、ヘリックスB及び/又はヘリックスC内に位置する。
理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、アミノ酸位置74、102、106及び109は、HLA-DR-B1のエピトープであると考えられる。一実施形態では、70位でのロイシンのバリンへの置換、74位でのバリンのロイシンへの置換、102位でのロイシンのイソロイシンへの置換(EPO-1.2)、及び109位でのロイシンのアラニンへの置換(EPO-4.1)は、EPOの疎水性ネットワークを維持する。非極性アミノ酸基間の任意の適切な置換を、EPOポリペプチド、例えばアラニン、ロイシン、バリンとイソロイシンとの間に組み込むことができる。
一実施形態では、単一の変異(例えば、表2のEPO-3.1、EPO-3.2及びEPO-3.3におけるように)がネイティブアミノ酸特性を変化させる。例えば、トレオニン、例えば106位のトレオニン等の極性ヒドロキシル含有アミノ酸を、アラニン(例えば、EPO-3.1において)又はグリシン(例えば、EPO-3.2において)等のより小さい及び/又は非極性アミノ酸に置換することができる。さらに、MHC IIアレル(対立遺伝子)(例えば、EPO-3.3において)による認識を回避又は低減するために、例えば位置106にヘテロ芳香族部分(例えば、イミダゾール)を導入することができる。例えば、これらの変異配列を含む本明細書に記載のEPOポリペプチドは、MHC II分子による認識を回避又は低減し、当該EPOポリペプチドを受容するMHC II分子を有する対象における免疫原性応答を低下させ得る。
一実施形態では、変異は、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、HLA結合親和性が低下したEPOポリペプチドをもたらす。一実施形態では、変異は、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)に対する結合親和性が低下したEPOポリペプチドをもたらす。一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)のHLA結合親和性に対して、約0.01%、0.02%、0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%のHLA結合親和性(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)結合親和性)を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)のHLA結合親和性に対して約90%未満、例えば約80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%又はそれ未満のHLA結合親和性を有する。
EPOアイソフォーム
本明細書に記載のEPO調製物は、本明細書に記載のEPOポリペプチドの1つ以上のアイソフォーム(例えば、グリコフォーム)を含むことができる。例えば、rHuEPOポリペプチドは、一般に複雑なグリコシル化パターンを有し、いくつかの異なるアイソフォームとして存在し、完全にグリコシル化されたEPOは、14個ものアイソフォームを含むことが知られている。一実施形態では、EPOの生物学的参照調製物(Burns,C.et al.Pharmeur.Bio.Sci.Notes(2015)246-253)は、6個の異なるアイソフォームを含む。一実施形態では、EPO調製物は、6個以上の異なるアイソフォーム、例えば6~8個のアイソフォームを含む。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、このアイソフォーム(例えば、グリコフォーム)プロファイルの変動は、例えばトランスフェクト細胞の異なる継代による、グリカン部分のタンパク質配列及び/又は翻訳後修飾の違いに起因し得ると考えられる。
一実施形態では、EPO調製物は単一アイソフォームを含む。一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、アイソフォーム、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14個又はそれ以上のアイソフォームの混合物を含む。一実施形態では、EPO調製物は、未改変EPOポリペプチド(例えば、野生型又は天然に存在するEPOポリペプチド)を含むEPO調製物と比較して、より多くのアイソフォームを含む。一実施形態では、EPO調製物は6個のアイソフォームを含む。一実施形態では、EPO調製物は7個のアイソフォームを含む。一実施形態では、EPO調製物は8個のアイソフォームを含む。
一実施形態では、EPO調製物はグリコフォームの混合物を含み、各グリコフォームは様々なグリカン部分、例えばグリカンの分岐度、グリカン構造(例えば、異なる炭水化物又はグリコシド結合)、N-及びO-結合グリカンの数、及び/又はシアル酸部分の数の変動を有する。
EPOポリペプチドのアイソフォーム(例えば、グリコフォーム)分布は、公知の技術を使用して、例えば等電点電気泳動(IEF)ゲルを使用した分離によって決定することができる。例えば、アイソフォームの混合物を含むEPO調製物をIEFゲルによって分離することができ、ゲル上に可視化された異なるバンドの数を使用して、アイソフォームの数を決定することができる。異なるアイソフォームは、例えば、それらの相対的な酸性度又は塩基性度に従って分離することができる。
理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、アイソフォーム分布は、EPOポリペプチド間のグリコシル化の微小不均一性の違いによって引き起こされ得ると考えられる。EPOポリペプチドのグリコフォーム、例えばシアル酸分子の数の変動は、受容体結合親和性及び血清クリアランスを含むEPOポリペプチドの生物学的活性に大きく影響することがある。したがって、望ましい特徴は、例えば、EPOポリペプチドの生物活性を増加させ、及び/又は血清クリアランスを減少させるために、特定のグリコシル化プロファイルを有するEPOポリペプチドを選択することによって得ることができる。そのような利点は、従来の治療法(例えば、rHuEPOを使用する)と比較して、より低い頻度でEPOポリペプチドを投与する機会を提供し得る。一実施形態では、EPOポリペプチドは、未改変EPOポリペプチド(例えば、野生型又は天然に存在するEPO)、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOと比較して、同じ血清半減期を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、未改変EPOポリペプチド(例えば、野生型又は天然に存在するEPO)、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOと比較して、血清半減期が減少している。一実施形態では、EPOポリペプチドは、未改変EPOポリペプチド(例えば、野生型又は天然に存在するEPO)、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOと比較して、血清半減期が増加している。
追加のEPOポリペプチド
一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、例えば翻訳後修飾によって改変される。一実施形態では、改変は、グリコシル化、脱グリコシル化、カルボキシル化、ヒドロキシル化、カルバミル化、硫酸化、プレニル化、ファルネシル化、又は別の分子、例えばポリマー、ポリペプチド若しくはタンパク質(例えば、アルブミン、免疫グロブリン、ポリエチレングリコール(PEG)、又はヒドロキシアルキルデンプン)へのコンジュゲーションを含む。例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、タンパク質又はタンパク質ドメインにコンジュゲート(例えば、共有結合している)され得る。一実施形態では、EPOポリペプチドはアルブミンにコンジュゲートされる。一実施形態では、EPOポリペプチドはヒスチジンタグ(例えば、6×Hisタグ(配列番号43))にコンジュゲートされる。一実施形態では、EPOポリペプチドは、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、ヘマグルチニン、FLAGエピトープ、ベータ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質等の1つ以上にコンジュゲートされる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、抗体(例えば、免疫グロブリン(IgG)分子)に共有結合している。一実施形態では、EPOポリペプチドはIgG分子に共有結合している。一実施形態では、EPOポリペプチドは、IgG分子のFc部分に共有結合している。
EPOポリペプチドは、任意の適切な化学的手段によって別の分子(例えば、タンパク質、ポリペプチド又はポリマー)に連結することができる。EPOポリペプチドは、他の分子に直接(例えば、共有結合によって)又はリンカーによって連結され得る。例えば、EPOポリペプチドの別の分子(例えば、タンパク質)への連結は、例えばトレオニン、セリン、プロリン、グリシン、アスパラギン酸、リジン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アルギニン、フェニルアラニン、若しくはアラニン、又はそれらの組み合わせを含むアミノ酸又はポリペプチドリンカー等の適切なリンカーの使用を含み得る。EPOポリペプチドは、チオール結合(例えば、ジスルフィド又はチオエーテル結合)によって、又はアミン若しくはアルコール基を介して、別の分子(例えば、タンパク質)に結合することができる。EPOポリペプチドの別の分子への連結は、任意の適切な連結部分、例えば、アリールアジド、マレイミド、カルボジイミド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドラジド、PFP-エステル、ホスフィン又はヒドロキシメチルホスフィン、ソラレン、イミドエステル、ピリジルジスルフィド、イソシアネート又はビニルスルホンを介したものであり得る。
理論に拘束されることを望むものではないが、EPOポリペプチドを別の分子(例えば、アルブミン又はIgG分子等のタンパク質)にコンジュゲートすることにより、EPOポリペプチドの血清半減期を延長し、精製又は単離を容易にし、細胞からのEPOポリペプチドの分泌を修飾(例えば、改善する)し、エピトープタグを提供し、検出可能なシグナルを提供し、及び/又は二量体化若しくは多量体化を提供することができると考えられる。
例示的なEPO配列
一実施形態では、EPOポリペプチドは、以下の1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、又は全て)を達成するように適合されたアミノ酸配列を含む:(i)参照EPOポリペプチド又は調製物と比較したクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子))に対する結合親和性の低下;(ii)EPO受容体に対する結合親和性の維持;(iii)保存された構造的完全性;(iv)参照EPOポリペプチド又は調製物と比較して、血清半減期が維持されるか、又は増加する;及び/又は(v)参照EPOポリペプチド又は調製物と比較して、生物活性が維持されているか、又は改善されている(例えば、細胞増殖アッセイによって、又は対象におけるヘモグロビンの増加によって測定される場合)。一実施形態では、参照EPOポリペプチドは、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチドを含むか、又はそれからなる。一実施形態では、参照EPO調製物は、EPOに対するBRPである。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、表2に提供されるアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%又はそれ以上同一のアミノ酸配列)、又はそれに対する機能的断片を含む。





一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号1と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列、又は配列番号3と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドが配列番号3のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列、又は配列番号5と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号5のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列、又は配列番号7と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号7のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列、又は配列番号9と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号9のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列、又は配列番号11と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号11のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列、又は配列番号13と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号13のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列、又は配列番号15と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号15のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号17のアミノ酸配列、又は配列番号17と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号17のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号19のアミノ酸配列、又は配列番号19と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号19のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列、又は配列番号21と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号21のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列、又は配列番号23と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号23のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号25のアミノ酸配列、又は配列番号25と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号25のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列、又は配列番号27と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号27のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号29のアミノ酸配列、又は配列番号29と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号29のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号31のアミノ酸配列、又は配列番号31と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号31のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号33のアミノ酸配列、又は配列番号33と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号33のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号35のアミノ酸配列、又は配列番号35と1、2、5、10、15若しくは20個以下のアミノ酸が異なるか、又は少なくとも85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるそのバリアント、又はその機能的断片を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは配列番号35のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列又はその機能性断片からなる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、

のアミノ酸配列(X12はL、A、又はIであり、X15はY、I、又はWであり、X67はL、D、N、又はVであり、X70はL又はVであり、X74はV、D、L、又はNであり、X102はL、D、I、N、T、又はVであり、X105はL、F、又はSであり、X106はT、A、G、又はHであり、X109はL、A、C、又はWであり、X114はA又はCであり、X146はS又はNであり、X149はL、V、又はWであり、X152はK又はQである、但し、EPOポリペプチドは配列番号1を含まない)を含む。
EPOバリアントの計算設計
本開示の別の態様は、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較してより低い免疫原性を有するEPOポリペプチドを設計する方法を特徴とする。例えば、計算研究を行って、1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09又はHLA-DRB1*09-DQB1*03:09アレル(対立遺伝子))と結合すると予測されるヒトEPOアミノ配列中の部位を同定することができる。これらの予測された結合部位を使用して、結合部位に1つ以上の変異を有するEPOバリアントを、クラスII MHCアレル(対立遺伝子)に対するEPOポリペプチドバリアントの結合の親和性を低下させる(例えば、排除する)ように設計することができる。計算ツールはまた、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、EPOポリペプチドの生物活性又は血清半減期の減少を回避するために、構造的完全性を保存するタンパク質を設計するために使用することができる。一実施形態では、in silicoツール(例えば、NetMHCII 2.2)を使用して、MHCIIアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子))への結合に有利なEPO上の部位を予測する。一実施形態では、in silicoツール(例えば、NetMHCII 2.2)を使用して、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、MHCIIアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子))に対する親和性が低いために、免疫原性が低下したEPOポリペプチドをもたらすEPOポリペプチド配列を設計する。
EPOバリアントの発現及び精製
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、公知の技術を使用して、例えば宿主細胞、例えば本明細書に記載の細胞における組換え発現によって産生され得る。一実施形態では、EPOポリペプチドの発現は、EPOポリペプチドをコードする配列を含む適切な発現ベクターを調製することを含む。ベクターは、本明細書に記載の任意のベクターであり得る。例えば、EPOポリペプチドをコードする配列を含むpcDNA発現ベクター(例えば、pcDNA 3.3発現ベクター)又は適切な代替物を使用することができる。生成され、任意に精製されると、発現ベクターはその後、適切な細胞にトランスフェクトされ得る。任意の適切な宿主細胞を使用することができ、とりわけ、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、又はヒト細胞であり得る。一実施形態では、宿主細胞はヒト細胞である。一実施形態では、宿主細胞はFreeStyle(商標)293-F細胞である。一実施形態では、トランスフェクトされた細胞を、例えば細胞の要件に従って培養して、EPOポリペプチドを産生する。次いで、培養物から産生されたEPOポリペプチドを、公知の技術を使用して、例えば陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して単離及び精製してもよい。
EPOバリアントの生物活性
エリスロポエチン(天然型及び組換え型の両方)は、EPO応答性細胞の表面に見出されるタンパク質であるEPO受容体(EPO-R)と結合し、これを活性化することができる。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、EPOポリペプチドによるEPO-Rの結合及び活性化は、赤血球生成の刺激に関与すると考えられる。より具体的には、EPOポリペプチドは、EPO-Rの細胞外ドメインに結合して、受容体の立体配座変化をもたらし、細胞内シグナル伝達事象、すなわち受容体のリン酸化並びにJAK-STAT、RAS及びP13キナーゼ経路の活性化を引き起こすことができる。これらの事象は、赤血球前駆細胞の赤血球への促進及び分化をもたらし、ヘモグロビンC合成を刺激し、ヘマトクリット値を増加させることができる。
EPO-Rは、赤血球細胞並びにいくつかの種類の非赤血球細胞、例えば骨髄細胞、リンパ球、巨核球、内皮細胞、メサンギウム細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、神経細胞、前立腺細胞及び腎細胞において(例えば、それらの表面に)見出すことができる。したがって、EPOは、赤血球生成の促進に加えて、とりわけ、新しい血管の発達、並びに脳、卵巣、卵管、子宮及び精巣を含む他の重要な過程を含むいくつかの生物学的過程に関連し、腫瘍に影響を及ぼし得る。
一部には、EPOポリペプチドの構造的変異及び確認のために、異なるアイソフォームの効果に加えて、EPOポリペプチドは様々な生物活性を有することができる。例えば、EPOポリペプチドバリアントは、未改変EPOポリペプチド(例えば、野生型又は天然に存在するEPO)と比較して、異なる結合親和性及び/又はEPO-Rを活性化する能力を有し得る、及び/又は異なる血清半減期を有し得る。
in vitro、ex vivo及びin vivoの両方でEPOポリペプチドの生物活性を測定する方法が記載されている。例えば、EPOポリペプチドの生物活性は、細胞増殖アッセイを使用して、例えばEPO受容体を発現する細胞株を使用して決定することができる。一実施形態では、EPOポリペプチドの生物活性は、例えばTF-1細胞増殖アッセイを含むin vitroアッセイを使用して決定される。赤白血病患者に由来するTF-1細胞株は、EPOと接触すると刺激され、成熟赤血球に分化することができ、したがって、EPOポリペプチドのin vitro生物活性をスクリーニングするための有用なプラットフォームを提供する。特に、この細胞型は、その表面にEPO受容体を示し、赤血球系統への関与を示し、無傷のJAK2/STAT5経路を有し、EPOを含む様々な成長因子に応答して細胞増殖を媒介する(例えば、Broudy,V.C.et al.PNAS(1988)85:6513-6517;Chretien,S.et al.Blood(1994)83:1813-1821を参照)。
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、例えば、TF-1細胞株アッセイによって決定されるように、様々な程度の生物活性を有し得る。EPOポリペプチドの生物活性は、野生型EPOと比較した相対的生物活性に関して表すことができる。一実施形態では、本明細書に記載のEPOポリペプチド(例えば、表2に示されるようなEPO-1.2、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3及びEPO-4.1)は、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、同じ又は実質的に同じin vitro生物活性を示す。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、TF-1細胞上の生物活性の変動は、タンパク質配列、全体的なタンパク質立体配座及び/又はグリコシル化パターンの違いに起因し得ると考えられる。本明細書でより詳細に記載されるように、EPOポリペプチドのアイソフォームパターンは、生物活性、効力及び/又は安定性において重要な役割を有することができる(例えば、Egrie,J.C.et.al.Oncology(Williston Park)(2002)16:13-22を参照)。例えば、非グリコシル化EPOのin vivo活性は低下するが、高レベルのグリコシル化はEPOの持続性を増加させ、血清半減期の延長をもたらすと考えられている(例えば、Elliott,S.et al.Exp.Hematol.(2004)32:1146-1155;Kaushik,S.et al.Protein Sci.(2011)20:465-481;Li,H.et al.Curr Opin Biotechnol(2009)20:678-684;Sinclair,A.M.et al..J.Pharm.Sci.(2005)94:1626-1635;and Su,D.,et al.Int J Hematol(2010)91:238-244を参照)。理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、各EPOポリペプチド中のアイソフォーム分布及びアイソフォーム存在量の変動もまた、本明細書に記載のEPOポリペプチド間の生物活性の変動を説明し得ると考えられる。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して実質的に同じ生物活性を有する。一実施形態では、EPOバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPO、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、より大きな(例えば、少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10倍大きい)生物活性を有する。一実施形態では、EPOバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して低い(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以下低い)生物活性を有する。一実施形態では、EPOバリアントは、本明細書に記載の方法、例えば細胞増殖アッセイ(例えば、TF-1細胞増殖アッセイ)によって決定される場合、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と実質的に同じ生物活性を有する。
一実施形態では、EPOポリペプチドバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して少なくとも2%の生物活性、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して少なくとも3%、4%、5%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は少なくとも99.9%の生物活性を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド。)に対して約1~10%、約10~20%、約30~40%、約40~50%、約50~60%、約60~70%、約70~80%、約80~90%、約90~100%、約40~45%、約20~25%、約2~4%、又は約5~7%の生物活性を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型EPO)と比較してより大きな生物活性、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、40%、60%、80%、100%、150%、200%、300%、400%、又は500%又はそれを超える生物活性を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して同じ又は実質的に同じ生物活性を有する。
一実施形態では、EPOバリアントは、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、in vivo又はin vitroでの半減期の増加によって決定される安定性の増加を有する。一実施形態では、EPOバリアントは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、より大きい血清半減期、例えば、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、40%、60%、80%、100%、150%、200%、300%、400%、又は500%又はそれを超える血清半減期を有する。
EPOポリペプチドの免疫原性
一態様では、本開示は、例えば参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、対象における免疫応答を減少させる(例えば、排除する)ように調整されたアミノ酸配列を含むEPOポリペプチドを特徴とする。
外因性タンパク質の投与は、対象の免疫系を刺激し、免疫反応を引き起こすことがある。例えば、従来のrHuEPO処置(例えば、エポエチンアルファの投与)の投与は、免疫反応及び内因性EPOと交差反応し得る抗rHuEPO中和抗体の発生をもたらし得る。EPOに対する免疫原性の結果は重度であり得、罹患した対象において赤芽球癆をもたらし得る。そのような有害事象は、特定の危険因子に関連している。特に、遺伝的要因は、例えば、rHuEPO誘発性赤芽球癆(PRCA)を発症するリスクと関連している対象における特定のクラスII MHC-アレル(対立遺伝子)の発現に起因して、rHuEPOに対する免疫原性のリスクを大幅に増加させ得る。さらに、rHuEPOの医薬製剤等の他の因子は、例えば免疫反応を誘発し得るタンパク質凝集体に起因して、免疫原性のリスクを増加させ得る。さらに、投与の頻度は、免疫反応を形成するリスクを高め、EPO依存性対象(例えば、慢性腎臓疾患を有する対象)を赤芽球癆等のrHuEPO誘発障害を発症するリスクをより高する可能性がある。
理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、EPOポリペプチドに対する免疫原性の原因は、対象において免疫原性抗体応答を誘因するAPCの細胞表面に提示されたMHC分子による特定のEPOエピトープの認識によって引き起こされ得ると考えられる。特定のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)、例えばHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)は、rHuEPO誘導性PRCAを発症するより高いリスクに関連している。例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)は、rHuEPO誘発性の赤芽球癆を発症するリスクが高いタイ人集団において高頻度で発現される。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を有する対象において低い免疫応答を回避又は誘発するように調整されたアミノ酸配列を含む。一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、低下したHLA結合親和性(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)結合親和性の低下)を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、rHuEPOと比較してより低い免疫原性を有する。一実施形態では、EPOポリペプチドを対象に投与して、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)を投与した同等の対象において誘発される免疫原性と比較して、対象における免疫原性を低下させる(例えば、排除する)。一実施形態では、対象は、rHuEPOに対する免疫原性に対して感受性であり、例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を有する対象である。
EPOポリペプチドの免疫原性は、公知の方法を用いて決定することができる。例えば、in vitro 又はex vivoアッセイを使用して、例えば、EPOポリペプチドによって誘発されるT細胞応答を測定することができる。一実施形態では、ex vivoヒト初代モデルが使用される。例えば、血液を対象(例えば、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)について陽性又は陰性であることが知られている対象)から得て、処理して前駆樹状細胞及び/又はT細胞(例えば、CD4T細胞)を得ることができる。一実施形態では、前駆樹状細胞を培養物中で未成熟樹状細胞に変換し、次いで、EPOポリペプチドと接触させて(例えば、パルス)抗原提示細胞を得る。一実施形態では、EPOポリペプチドと接触させた樹状細胞と、血液試料から得られたT細胞(例えば、CD4T細胞)とを共培養する。樹状細胞及びT細胞を、任意の適切な比、例えば、それぞれ約1:40、1:30、1:20又は1:10の比で共培養することができる。一実施形態では、樹状細胞及びT細胞は、それぞれ約1:20の比で共培養される。T細胞応答は、共培養物から放出されたインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の量を定量することによって測定することができる。一実施形態では、非パルスDC細胞とCD4T細胞との間の共培養からのIFN-γのレベルを、T細胞応答のバックグラウンド尺度として使用する。一実施形態では、T細胞を抗CD3/抗CD28抗体とインキュベートして、活性化T細胞応答の陽性対照を得る。次いで、参照タンパク質(例えば、野生型EPO又は生物学的基準調製物(BRP))と比較したEPOポリペプチドの相対的T細胞応答の統計的比較を使用して、EPOポリペプチドの相対的免疫原性を決定し得る。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して低下したT細胞応答を誘発する。一実施形態では、EPOは、例えばIFN-γ放出の大きさによって測定される場合、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)によって誘発される応答の約90%、例えば、IFN-γ放出によって決定される場合、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)によって誘発されるT細胞応答と比較して、約80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%又はそれ未満であるT細胞応答を示す。
一実施形態では、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)は、EPOバリアント(例えば、本明細書に記載のEPOバリアント)によって誘発されるT細胞応答よりも約1倍大きい、例えばEPOポリペプチドによって誘発されるT細胞応答よりも約2倍、5倍、10倍、100倍、1000倍、10,000倍又は100,000倍大きいT細胞応答を誘発する。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、約100~約50,000pg/mL、例えば約150~約45,000pg/mL又は約200~約40,000pg/mLのIFN-γ放出をもたらすT細胞応答を誘発する。一実施形態では、EPOバリアントは、約200,220,240,260,280,300,400,500、1000、2000、3000、4000、5000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、又は40,000pg/mLのIFN-γ放出をもたらすT細胞応答を誘発する。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、アミノ酸配列の74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152、又は153位に1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は全て)のアミノ酸変異を有し、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して免疫原性の低下をもたらす。
一実施形態では、EPOポリペプチドで観察される免疫原性の大きさは、HLA-DRB1*09陰性対象と比較した場合、HLA-DRB1*09陽性対象で有意に減少する。一実施形態では、免疫原性が低下したEPOポリペプチドは、低下したHLA-DRB1*09結合親和性に関連する。一実施形態では、EPOポリペプチドが有する変異は、EPOエピトープとHLA-DRB1*09パラトープとの間の結合を減少させるように調整される。一実施形態では、免疫原性が低下したEPOポリペプチドは、野生型EPOポリペプチドに関して、同様の生物作用能及び/又は影響を受けない生物学的機能を示す。
動物モデル
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、例えば様々な動物モデルを使用して、in vivoで評価することができる。例えば、動物モデルを使用して、EPO受容体を活性化すること、及び/又は本明細書に記載の障害、例えば貧血又はEPO欠乏関連障害、例えば赤芽球癆を治療又は予防することにおける本明細書に記載のEPOポリペプチドの薬物動態学的及び/又は薬力学的特性を試験することができる。動物モデルはまた、例えば、副作用を調査するため、EPOポリペプチドの濃度をin situで測定するため、又はEPOポリペプチドの免疫原性を測定するために使用することができる。
本明細書に記載のEPOポリペプチドを評価するために使用することができる、本明細書に記載のEPO欠乏関連障害の例示的な動物モデルには、げっ歯類(例えば、マウス又はラット、例えば、Sprague-Dawleyラット)が含まれるが、これらに限定されない。例えば、慢性腎臓疾患に関連する貧血のラットモデルは、例えば、Landau,D.et al.PLoS One(2018)13(5):e0196684に記載されており、rHuEPO誘発性赤芽球癆(PRCA)のラットモデルは、例えば、Woodburn,K.W.et.al.Exp.Hematol.(2007)35(8):1201-1208に記載されている。
本明細書に記載の障害の例示的な動物モデルも当技術分野で公知である。本明細書に記載のEPOポリペプチドを評価するために使用することができる例示的な種類の動物には、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ及びサルが含まれるが、これらに限定されない。
核酸及びベクター
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のEPOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本明細書に記載の核酸は、本明細書に記載のアミノ酸配列のいずれか1つをコードするヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の配列(例えば、本明細書に記載される配列と少なくとも約85%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%若しくはそれ以上同一であるか、又は3、6、15、30若しくは45ヌクレオチド以下異なる配列)を含み得る。一実施形態では、核酸は、表2に記載のEPOポリペプチド又はその断片をコードする。一実施形態では、本明細書に記載される核酸は、EPO-1.1、EPO-1.2、EPO-1.3、EPO-1.4、EPO-1.5、EPO-2.1、EPO-2.2、EPO-2.3、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3、EPO-4.1、EPO-4.2、EPO-4.3、EPO-5.1、EPO-5.2若しくはEPO-6.1、又はそれらの機能的断片をコードする。
一実施形態では、核酸は、表2に示されるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、核酸は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34及び配列番号36からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、核酸は、表2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33及び配列番号35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。
本明細書に記載される核酸は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、又はそれらの類似体を含み得る。核酸は、一本鎖又は二本鎖であり得、一本鎖の場合、コード鎖又は非コード(アンチセンス)鎖であり得る。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含む。本明細書に記載の核酸中のヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。一実施形態では、核酸は、標識成分とのコンジュゲーション等によって、重合後に更に改変される。核酸は、組換えポリヌクレオチド、又はゲノム、cDNA、半合成若しくは合成起源のポリヌクレオチドであり得る。一実施形態では、本明細書に記載の核酸は、計算方法(例えば、in silicoツール)を使用して設計される。一実施形態では、核酸は、遺伝子合成を使用して生成され、宿主細胞における形質転換のために発現ベクター(例えば、pcDNA 3.3発現ベクター)にクローニングされる。
本開示は更に、本明細書に記載のEPOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターを特徴とする。一実施形態では、ベクターは、表2に提供されるEPOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。本明細書に記載のベクターには、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージ、又は酵母人工染色体(YAC)が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ベクターは、発現ベクター、例えばpcDNA(商標)発現ベクター、例えばpcDNA(商標)3.3である。多数のベクター系、例えばサイトメガロウイルス、ウシパピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(例えば、ラウス肉腫ウイルス、MMTV又はMOMLV)又はSV40ウイルス等の動物ウイルスに由来するDNA要素を利用するベクターを用いることができる。RNAウイルスに由来するRNA要素は、セムリキ森林ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、及びフラビウイルス等、本明細書に記載のベクターによって利用され得る。
さらに、DNAをその染色体に安定に組み込んだ細胞(すなわち、トランスフェクトされた宿主細胞)の選択を可能にするマーカーが導入され得る。マーカーは、例えば、栄養要求性宿主に対するプロトトロピー、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)、又は銅等の重金属に対する耐性等を提供し得る。選択マーカー遺伝子は、発現されるDNA配列に直接連結され得るか、又は共形質転換によって同じ細胞に導入され得る。mRNAの最適な合成のために、追加の要素も必要とされ得る。これらの要素は、スプライスシグナル、並びに転写プロモーター、エンハンサー及び終結シグナルを含み得る。
コンストラクトを含む発現ベクター又は核酸配列(例えば、DNA配列)を、適切な宿主細胞にトランスフェクト又は導入してもよい。様々なトランスフェクション技術、例えば、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、レトロウイルス形質導入、ウイルストランスフェクション、遺伝子銃、脂質ベースのトランスフェクション又は他の従来技術を使用してもよい。プロトプラスト融合の場合、細胞を培地中で増殖させ、適切な活性についてスクリーニングしてもよい。得られたトランスフェクト細胞を培養し、所望のタンパク質(例えば、EPOポリペプチド)を回収するための方法及び条件は当業者に公知であり、本明細書に基づいて、使用される特定の発現ベクター及び哺乳動物宿主細胞に応じて変更又は最適化され得る。
細胞
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のEPOポリペプチドをコードする核酸を含む細胞(例えば、宿主細胞)を特徴とする。一実施形態では、宿主細胞は、表2に提供されるアミノ酸配列、又はそれに実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約80%、85%、90%、95%、又は99%以上同一の配列)、又は当該配列の1つの一部をコードする核酸を含む。一実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載のEPOポリペプチドをコードする核酸を含むように遺伝子操作される。一実施形態では、宿主細胞は、EPO-1.1、EPO-1.2、EPO-1.3、EPO-1.4、EPO-1.5、EPO-2.1、EPO-2.2、EPO-2.3、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3、EPO-4.1、EPO-4.2、EPO-4.3、EPO-5.1、EPO-5.2若しくはEPO-6.1、又はそれらの機能的断片をコードする核酸を含むように遺伝子操作される。
一実施形態では、宿主細胞は、発現カセットを使用して遺伝子操作される。「発現カセット」という語句は、そのような配列に適合する宿主細胞において遺伝子の発現を行うことができるヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、プロモーター、イントロンを含む又は含まないオープンリーディングフレーム、及び終結シグナルを含み得る。発現を行うのに必要又は有用な追加の因子、例えば誘導性プロモーターも使用され得る。一実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載のベクターを含む。
細胞(例えば、宿主細胞)は、とりわけ、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、又はヒト細胞であり得る。適切な真核細胞としては、とりわけ、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK 293細胞、BHK細胞及びMDCKII細胞が挙げられる。適切な昆虫細胞としては、限定されないが、Sf9細胞が挙げられる。適切な細菌細胞としては、とりわけ、大腸菌(Escherichia coli:E.coli)細胞が挙げられる。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)は単離された細胞である。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)は(E.coli)細胞である。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)は哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)である。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)はヒト細胞である。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)は、初代胚性ヒト腎臓に由来する。一実施形態では、細胞(例えば、宿主細胞)はFreeStyle 293-F細胞である。
EPOバリアントの使用
本明細書に開示されるEPOポリペプチド、並びに本明細書に開示される医薬組成物は、in vitro、ex vivo、及びin vivoでの治療的、予防的、及び/又は診断的有用性を有する。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、例えば赤血球生成を刺激するために、1つ以上のEPO受容体を調節する(例えば、活性化する)。例えば、これらのEPOポリペプチドは、1つ以上のEPO受容体を調節(例えば、活性化する)するために、培養中の細胞に、in vitro若しくはex vivoで、又は対象、例えばヒト対象に、例えばin vivoで投与することができる。一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPO受容体、例えばヒトEPO受容体を活性化又は実質的に活性化して赤血球生成を刺激し、例えば赤血球を形成し、ヘモグロビンC合成を刺激し、及び/又はヘマトクリット値を増加させる。したがって、一態様では、本開示は、対象において障害、例えば本明細書に記載の障害(例えば、貧血)を治療又は予防する方法であって、障害が治療又は予防されるように、本明細書に記載のEPOポリペプチドを対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、本開示は、障害、例えば本明細書に記載の障害、例えばEPOに関連する障害(例えば、EPO欠乏)又は貧血、例えばEPOに関連する貧血又は障害(例えば、EPO欠乏)を治療又は予防するために、本明細書に記載のEPOポリペプチドを培養中の細胞と、例えばin vitro 又はex vivoで接触させること、又は本明細書に記載のEPOポリペプチドを対象に、例えばin vivoで投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、参照EPOポリペプチド又は調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09)に対する結合親和性が低下している。例えば、1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09)に対する結合親和性は、参照EPOポリペプチド(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又はそれ以上低下する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、1つ以上のクラスII MHCアレル(対立遺伝子)(例えば、HLA-DRB1*09)に対して結合親和性を有さない。例えば、これらのEPOポリペプチドは、免疫応答を誘導することなく、又は参照EPOポリペプチド若しくは調製物(例えば、野生型若しくは天然に存在するEPOポリペプチド、EPOに対するBRP、又は本明細書に記載の1つ以上(例えば、全て)の変異を欠く改変EPOポリペプチド)と比較して低下した免疫応答を誘導する、培養中、in vitro若しくはex vivoで免疫細胞(例えば、抗原提示細胞及び/又はT細胞)に、又は対象、例えばヒト対象に、例えばin vivoで投与することができる。したがって、一態様では、本開示は、対象において障害、例えば本明細書に記載の障害(例えば、赤芽球癆)を治療又は予防する方法であって、本明細書に記載のEPOポリペプチドを対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、本開示は、障害、例えば本明細書に記載の障害、例えばEPOに関連する障害(例えば、EPO欠乏)、例えば赤芽球癆を治療又は予防するために、本明細書に記載のEPOポリペプチドを培養中の細胞と、例えば in vitro若しくはex vivoで接触させること、又は本明細書に記載のEPOポリペプチドを対象に、例えばin vivoで投与することを含む方法を提供する。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を含むことを意図している。一実施形態では、対象は、ヒト対象、例えば、EPOに関連する貧血若しくは障害(例えば、EPO欠乏)を有するか、或いはEPOに関連する貧血、又は障害(例えば、本明細書に記載のEPO欠乏症)を有するリスクがあるヒト患者である。「非ヒト動物」という用語は、哺乳動物及び非哺乳動物、例えば非ヒト霊長類を含む。一実施形態では、対象はヒトである。本明細書に記載の方法及び組成物は、本明細書に記載のEPOに関連する貧血又は障害(例えば、EPO欠乏)を有するヒト患者を治療するのに適している。本明細書に記載のEPOに関連する貧血又は障害(例えば、EPO欠乏)を有する患者には、本明細書に記載のEPOに関連する貧血若しくは障害(例えば、EPO欠乏)を発症したが(少なくとも一時的に)無症候性である患者、本明細書に記載のEPOに関連する貧血若しくは障害(例えば、EPO欠乏)の症状を呈した患者、又は本明細書に記載の貧血に関連する障害若しくはEPOに関連する障害(例えば、EPO欠乏)を有する患者が含まれる。
一実施形態では、EPO関連障害(例えば、EPO欠乏関連障害)は、赤芽球癆(PRCA)、例えば抗体陽性PRCAである。
一実施形態では、対象は、貧血を有するか、又は貧血を有するリスクがある。一実施形態では、対象を貧血について治療する。一実施形態では、対象は、赤芽球癆(PRCA)、例えば抗体陽性PRCAを有するか、又は有するリスクがある。一実施形態では、対象は、赤芽球癆(PRCA)、例えば、抗体陽性PRCAについて治療される。
障害を治療又は予防する方法
本明細書に記載のEPOポリペプチド(例えば、EPOバリアント)を、EPOに関連する障害、例えば貧血及び/又はEPO欠乏に関連する障害、又はその症状を治療又は予防するために使用することができる。
一実施形態では、障害はEPO欠乏に関連する。一実施形態では、障害は、EPOに関連するか又はEPOによって媒介される。一実施形態では、EPOポリペプチドは、本明細書に記載の障害を有するか、又は本明細書に記載の障害を発症するリスクがある対象を治療するために使用される。
例示的な障害、例えば、EPOに関連する又はEPOによって媒介される障害には、貧血(例えば、腎不全に関連する貧血;慢性腎臓疾患;慢性炎症;がん;HIV又はAIDS;化学療法(例えば、シス-白金誘発性貧血)AIDS又はHIV療法(例えば、AZT治療);放射線治療;及び骨髄移植)、赤芽球癆(PRCA)、鉄貯蔵障害、非リチウム性貧血、過剰な血球破壊、過剰な失血、サラセミア、鎌状赤血球症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、嚢胞性線維症、糖尿病性腎症、敗血症、脳の低酸素症又は虚血、リウマチ性疾患、骨髄異形成症候群、うっ血性心不全、ゴーシェ病、又はキャッスルマン病が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、典型的には、患者が回復するまで患者の系におけるEPOポリペプチドの治療有効レベル及び/又は活性を維持する頻度で投与される。一実施形態では、EPOポリペプチドは、患者の生存期間中、患者の系内で治療有効レベルのEPOポリペプチドを維持する頻度で投与される。一実施形態では、EPOポリペプチドは、患者の血液中のヘモグロビンの十分なレベル(例えば、10g/dL超、例えば、11、12、13、14又は15g/dL超、例えば、女性では約12~15.5g/dL、又は男性では約13.5~約17.5g/dL)を維持する頻度で投与される。一実施形態では、EPOポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、若しくは7日毎、1、2、3、4、5、若しくは6週間毎、又は1、2、3、4、5、若しくは6ヶ月毎に投与される。
様々なEPOポリペプチドを投与する方法は当技術分野で公知であり、以下に記載される。使用されるEPOポリペプチドの適切な投与量は、対象の年齢及び体重並びに使用される特定の組成物に依存する。
一実施形態では、EPOポリペプチドを対象(例えば、ヒト対象)に静脈内投与する。一実施形態では、EPOポリペプチドを対象(例えば、ヒト対象)に皮下投与する。一実施形態では、EPOポリペプチドを、約10単位/kg~500単位/kgの間、例えば、約15単位/kg~400単位/kgの間、約20単位/kg~350単位/kgの間、約25単位/kg~350単位/kgの間、約50単位/kg~300単位/kgの間、約75単位/kg~300単位/kgの間、約100単位/kg~300単位/kgの間、約100単位/kg~250単位/kgの間、約150単位/kg~250単位/kgの間、約50単位/kg~150単位/kgの間、又は約50単位/kg~100単位/kgの間の用量で対象に投与する。一実施形態では、EPOポリペプチドを、約1000単位~60,000単位、例えば、約2000単位~40,000単位、約3000単位~40,000単位、約4000単位~40,000単位、約10,000単位~40,000単位、約20,000単位~30,000単位、又は約30,000単位~40,000単位の固定用量で対象に投与する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、8週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。
赤芽球癆(PRCA)
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、赤芽球癆(PRCA)を治療又は予防するために使用することができる。
PRCAは、ウイルス感染、免疫学的媒介、妊娠、前段階の悪性腫瘍、毒性曝露及び薬物作用を含むいくつかの原因に関連する貧血の一種である。PRCA症状の特徴は、一般に、非常に低い網状赤血球及び赤血球前駆細胞を含むが、他の血球パラメータは比較的正常である。rHuEPOに関連するPRCAは、例えば、重度のrHuEPO耐性、輸血依存性、高血清フェリチン、赤血球前駆体の非存在及び抗rHuEPO抗体の存在を示す骨髄を含む明確な特徴を有する(例えば、Means,R.T.,Jr.Blood(2016)128:2504-2509;Pollock,C.et al.Clin J Am Soc Nephrol(2008)3:193-199を参照)。EPO関連PRCAの発生は、世界中で、特にタイ等の国で、罹患集団に大きな負担となっている(例えば、Praditpornsilpa,K.et al.Nephrol Dial Transplant(2009)24:1545-1549を参照)。
内因性EPOに対する中和抗体の発現及び組換え赤血球生成促進剤(ESA)に起因するPRCAの報告症例数は世界中で増加している(例えば、Asari A.et al.J.Am.Soc.Nephrol.(2004)15:2204-2207;Boven K.et al.Kidney Int.(2005)67:2346-2353;Casadevall,N.et al.N.Engl.J.Med.(2002)346:469-475;Howman,R.Nephrol.Dial.Transplant(2007)22:1462-1464;Kruger,A.Nephrol.Dial.Transplant(2003)18:1033-1034;Lacreta,G.J.Bras.Nefrol.(2019)41:145-151;and Sia,C.Ann Acad Med Singapore(2020)49:46-48を参照)。PRCAのこれらの症例は、CKD関連貧血の治療のためにrHuEPOを投与されている患者において特に一般的である。理論に拘束されることを望むものではないが、ESAで治療されたことがない患者における内因性EPOに対する自己抗体の発現はまれであるが、抗rHuEPO中和抗体は内因性EPOと交差反応し得ると考えられる。
理論に拘束されることを望むものではないが、一実施形態では、rHuEPOによって活性化される免疫原性抗体応答は、T細胞依存性であると考えられており(例えば、Pollock,C.前出;Mazor,R.,et al.Am J Pathol(2018)188:1736-1743)、(i)樹状細胞(DC)等のプロフェッショナル抗原提示細胞(APC)による抗原の内在化;(ii)成熟APCによるペプチド(エピトープ)への抗原のプロセシング、及びAPC表面上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子によるナイーブT細胞への提示;(iii)T細胞受容体(TCR)とMHC II-エピトープ複合体との相互作用;(iv)B細胞活性化のためのサイトカインを放出するためのT細胞の活性化;(v)B細胞による特異的T細胞エピトープ/MHC:TCR相互作用を介して結合した抗原の認識;(vi)T細胞によるサイトカインの送達及び形質細胞に向けて増殖及び成熟するためのB細胞の刺激;並びに(vii)クローン増殖及び抗体分泌形質細胞へのB細胞の分化後の抗体の産生の段階を伴う。
証明された抗rHuEPO関連PRCAを有するタイ人患者におけるHLA-A、-B、-DR及び-DQアレル(対立遺伝子)の遺伝子頻度の分布に関する研究は、腎臓移植待機リストの対象(例えば、慢性腎臓疾患を有する対象)及び全国幹細胞ドナー登録の対象(例えば、正常な集団)におけるHLAアレル(対立遺伝子)の遺伝子頻度と比較して、HLA-DRB1*09と抗rHuEPO関連PRCAのリスクとの間の関連性を実証した。この研究はまた、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を発現したPRCAを有する全ての対象がHLA-DQB1*03:09アレル(対立遺伝子)も発現したことを示した(例えば、前出のPraditpornsilpaを参照)。理論に拘束されることを望むものではないが、タイ人集団におけるDRB1*09アレル(対立遺伝子)のより高い頻度(他の地域よりもおよそ10倍高い)が、抗rHuEPO関連PRCAのより高い有病率に寄与し得ると考えられる。
医薬組成物及びキット
別の態様では、本開示は、薬学的に許容され得る担体と共に製剤化された、本明細書に記載のEPOポリペプチドを含む組成物、例えば薬学的に許容され得る組成物を特徴とする。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る担体」は、生理学的に適合性であるありとあらゆる溶媒、分散媒、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、直腸、脊髄又は表皮投与(例えば、注射又は注入によって)に適し得る。一実施形態では、医薬組成物中のEPOポリペプチドの約5%未満、例えば約4%、3%、2%、又は1%未満が凝集体として存在する。一実施形態では、凝集体のレベルは、クロマトグラフィー、例えば高速サイズ排除クロマトグラフィー(HP-SEC)によって決定される。
本明細書に記載の組成物は、様々な形態であり得る。これらには、例えば、液体、半固体及び固体剤形、例えば、液体溶液(例えば、注射可能及び注入可能な溶液)、分散液又は懸濁液、リポソーム及び坐剤が含まれる。適切な形態は、意図される投与様式及び治療用途に依存する。典型的な適切な組成物は、注射可能又は注入可能な溶液の形態である。1つの適切な投与様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。一実施形態では、EPOポリペプチドは、静脈内注入又は注射によって投与される。一実施形態では、EPOポリペプチドは皮下注射によって投与される。一実施形態では、EPOポリペプチドは筋肉内注射によって投与される。
本明細書で使用される場合、「非経口投与」及び「非経口投与される」という語句は、通常は注射による経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内の注射及び注入が含まれるが、これらに限定されない。
治療用組成物は、典型的には、製造及び貯蔵の条件下で無菌かつ安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム、又は高タンパク質(例えば、EPOポリペプチド)濃度に適した他の秩序構造として製剤化することができる。滅菌注射液は、必要量の活性化合物(例えば、EPOポリペプチド)を、必要に応じて上に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、塩基性分散媒体及び上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、これにより、活性成分及び任意の追加の所望の成分の粉末が、予め滅菌濾過されたその溶液から得られる。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。注射用組成物の持続的な吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、様々な方法によって投与することができる。いくつかは当技術分野で公知であり、多くの治療、予防、又は診断用途のために、適切な投与経路/投与様式は静脈内注射若しくは注入、又は皮下注射である。当業者によって理解されるように、投与経路及び/又は投与様式は、所望の結果に応じて変化する。一実施形態では、EPOポリペプチドは、タンパク質を急速放出から保護する担体、例えばインプラント、経皮パッチ及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤で調製することができる。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸等の生分解性生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製するための多くの方法は、当業者に特許されているか又は一般に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照されたい。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、例えば、不活性希釈剤又は吸収可能な食用担体と共に経口投与することができる。EPOポリペプチド(及び必要に応じて他の成分)はまた、ハードシェルゼラチンカプセル又はソフトシェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、錠剤に圧縮されてもよく、又は対象の食事に直接組み込まれてもよい。経口治療的投与のために、EPOポリペプチドを賦形剤と共に組み込み、摂取可能な錠剤、口腔錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース等の形態で使用することができる。非経口投与以外によってEPOを投与するためには、タンパク質をその不活性化を防止するための材料で被覆するか、又はタンパク質をその不活性化を防止するための材料と同時投与することが必要であり得る。治療用、予防用、又は診断用組成物は、医療機器と共に投与することもでき、いくつかが当技術分野で公知である。一実施形態では、EPOポリペプチドは、1つ以上の結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル、及び防腐剤、例えばマルトース又はステアリン酸マグネシウムを含む組成物で投与される。
投与レジメンは、所望の応答(例えば、治療応答、予防応答又は診断応答)を提供するように調整することができる。例えば、単回ボーラスを投与することができ、いくつかの分割用量を経時的に投与することができ、又は治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例的に減少又は増加させることができる。投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、非経口組成物を投薬単位形態で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される投薬単位形態は、治療される対象のための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体と会合して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。単位剤形の仕様は、(a)EPOポリペプチドの固有の特徴、及び達成される特定の治療、予防、又は診断効果、並びに(b)個体における感受性の治療のためにそのようなEPOポリペプチドを配合する技術に固有の制限によって決定され、それらに直接依存する。
EPOポリペプチドの治療上、予防上、又は診断上有効量の例示的な非限定的範囲は、対象の体重1kg当たり約10単位~500単位、例えば約15単位/kg~400単位/kg、約20単位/kg~350単位/kg、約25単位/kg~350単位/kg、約50単位/kg~300単位/kg、約75単位/kg~300単位/kg、約100単位/kg~300単位/kg、約100単位/kg~250単位/kg、約150単位/kg~250単位/kg、約50単位/kg~150単位/kg、又は約50単位/kg~100単位/kgである。投与量値は、緩和される状態の種類及び重症度によって異なり得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、特定の投与レジメンは、個々の必要性及び組成物の投与を管理又は監督する者の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであり、本明細書に記載される投与量範囲は例示的なものにすぎず、特許請求される組成物の範囲又は実施を限定することを意図するものではないことを更に理解されたい。
本明細書の医薬組成物は、本明細書に記載のEPOポリペプチドの「治療有効量」又は「予防有効量」を含み得る。
「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するために、必要な投与量及び期間で有効な量を指す。EPOポリペプチドの治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別及び体重、並びにEPOポリペプチドが個体において所望の応答を誘発する能力等の因子によって異なり得る。治療有効量はまた、EPOポリペプチドの任意の毒性又は有害な効果が治療上有益な効果によって上回る量である。「治療有効投与量」は、典型的には、未治療の対象と比較して、測定可能なパラメータを少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、又は少なくとも約80%増加させる。測定可能なパラメータは、例えば、ヘモグロビンレベルであり得る。例えば、本明細書に記載のEPOポリペプチドは、約10g/dL超、例えば約11g/L超、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、約16g/L、又は約17g/L以上のヘモグロビンレベルを達成するために投与することができる。測定可能なパラメータを増加させるEPOポリペプチドの能力は、貧血の治療又は予防における有効性を予測する動物モデル系で評価することができる。或いは、組成物のこの特性は、例えばin vitroアッセイにより、例えばTF-1細胞増殖を測定することにより、EPO受容体を活性化するEPOポリペプチドの能力を調べることによって評価することができる。
「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するために、必要な投与量及び期間で有効な量を指す。典型的には、予防用量が疾患の前又は初期段階で対象に使用されるので、予防有効量は治療有効量よりも少ない。
本明細書に記載のEPOポリペプチドを含むキットも本開示内にある。キットは、以下を含む1つ以上の他の要素:使用説明書;他の試薬、例えば、標識、治療剤、又はEPOポリペプチドを標識若しくは治療剤、又は放射線防護組成物にキレート化するか、そうでなければカップリングするのに有用な薬剤;投与のためにEPOポリペプチドを調製するための装置又は他の材料;薬学的に許容され得る担体;及び対象に投与するための装置又は他の材料を含むことができる。
併用療法
本明細書に記載のEPOポリペプチドは、他の治療法と組み合わせて使用することができる。例えば、併用療法は、1つ以上の追加の治療剤、例えば本明細書に記載の1つ以上の追加の治療剤と同時製剤化及び/又は同時投与されるEPOポリペプチドを含み得る。他の実施形態では、EPOポリペプチドは、他の治療処置様式、例えば本明細書に記載の他の治療処置様式と組み合わせて投与される。そのような併用療法は、有利には、投与される治療剤のより低い投与量を利用してもよく、したがって、様々な単剤療法に関連する起こり得る毒性又は合併症を回避し得る。
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」投与されるとは、2つ(又はそれ以上)の異なる治療が、障害による対象の苦痛の前又はその間に対象に送達されることを意味する。一実施形態では、2つ以上の治療は、例えば、対象が障害を有するか又は障害と診断される前に、予防的に送達される。別の実施形態では、2つ以上の治療は、対象が障害を発症した後又は障害と診断された後に送達される。一実施形態では、第2の治療の送達が始まるときに1つの治療の送達が依然として行われているため、重複が存在する。これは、本明細書では「同時」又は「同時送達」と呼ばれることがある。他の実施形態では、一方の治療の送達は、他方の治療の送達が始まる前に終了する。いずれの場合の一実施形態でも、併用投与のために治療はより効果的である。例えば、第2の治療は、第2の治療が第1の治療の非存在下で投与された場合、又は第1の治療で類似の状況が見られる場合に見られるよりも、より少ない第2の治療で同等の効果が見られる、又は第2の治療は症状をより大きく軽減する。一実施形態では、送達は、症状又は障害に関連する他のパラメータの減少が、一方の治療を他方の非存在下で送達した場合に観察されるものよりも大きくなるようなものである。2つ以上の治療の効果は、部分的に相加的であってもよく、完全に相加的であってもよく、又は相加的よりも大きいものであってもよい。一実施形態では、2つ以上の治療の効果は相乗的であり得る。送達は、送達される第1の治療の効果は、第2の治療が送達されるときに依然として検出可能であるようなものであり得る。
一実施形態では、追加の薬剤は、第2のEPOポリペプチド、例えば、第1のEPOポリペプチドとは異なるEPOポリペプチドである。組み合わせて使用することができる例示的なEPOポリペプチドとしては、例えば、表2に列挙されるような、本明細書に記載されるEPOポリペプチドの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、EPOポリペプチドは、EPOに関連する又はEPOによって媒介される疾患又は障害、例えば貧血(例えば、腎不全、慢性炎症、がん、又はHIV若しくはAIDSに関連する貧血)、サラセミア、鎌状赤血球症、化学療法に関連する貧血(例えば、シス-白金誘発性貧血)、放射線療法に関連する貧血、骨髄移植に関連する貧血、鉄貯蔵障害、再生不良性貧血、過剰な血球破壊、過剰な失血、AIDS又はHIV療法(例えば、AZT治療)に関連する貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、嚢胞性線維症、糖尿病性腎症、敗血症、脳低酸素症又は虚血、リウマチ性疾患、骨髄異形成症候群、うっ血性心不全、ゴーシェ病、又はキャッスルマン病を治療又は予防するために第2の治療法と組み合わせて投与される。
本明細書に記載されるEPOポリペプチド又は組成物と組み合わせて使用することができる例示的な治療法は、例えば、ヘモグロビン、補充鉄(例えば、元素状鉄;第二鉄塩若しくは第一鉄塩、又はそれらの組成物、例えば硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、フマル酸第一鉄;鉄デキストラン;ヘム鉄ポリペプチド、例えばPROFERRIN(登録商標))、サイトカイン、リンホカイン、インターロイキン及び造血成長因子を含むコロニー刺激因子(例えば、インターロイキン-1β(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-3(IL-3)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-9(IL-9)、インターフェロン-β(IFN-β)、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、顆粒球コロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、トロンボポエチン(TPO)、白血病阻害因子(LIF)、幹細胞因子(SCF)、オンコスタチンM(OSM)及び血管内皮成長因子(VEGF))を含み得る。さらに、本明細書に記載のEPOポリペプチド又は組成物は、別のEPOポリペプチド、例えば組換えEPOポリペプチドと組み合わせて使用することができる。組換えEPOポリペプチドの非限定的な例としては、エポエチンアルファ(例えば、EPOGEN(登録商標)、EPOADE(登録商標)、EPOPEN(登録商標)、EPOXITIN(登録商標)、EPREX(登録商標)、ERYPRO(登録商標)、ESPO(登録商標)、GLOBUREN(登録商標)、PROCRIT(登録商標))、エポエチンベータ(例えば、EPOCH(登録商標)、EPOGIN(登録商標)、ERANTIN(登録商標)、ERITROGEN(登録商標)、MAROGEN(登録商標)、NEORECORMON(登録商標)、RECORMON(登録商標))、エポエチンオメガ(例えば、EPOMAX(登録商標)、HEMAX(登録商標))、エポエチンデルタ(例えば、DYNEPO(登録商標))及びダルベポエチンアルファ(例えば、ARANESP(登録商標))が挙げられる。EPOポリペプチドはまた、連続エリスロポエチン受容体活性化因子(CERA)又は合成赤血球生成タンパク質(SEP)と組み合わせることができる。一実施形態では、EPOポリペプチドは、化学療法剤、例えばホルモン、光増感剤、放射性核種、毒素、代謝拮抗物質、シグナル伝達調節剤、抗体(例えば、抗がん抗体)、ペプチド又はオリゴペプチド(例えば、抗がんオリゴペプチド)、オリゴヌクレオチド(例えば、抗がんオリゴヌクレオチド)、又は血管新生阻害剤等の別の治療法と組み合わせて使用される。
本明細書に記載の開示をより完全に理解することができるように、以下の例を記載する。これらの例は、例示のみを目的として提供されており、特に明記しない限り、限定することを意図しない。したがって、本開示は、決して以下の例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形例を包含すると解釈されるべきである。
以下の例では、計算設計を使用して、例えばHLA-DRB 1*09によって認識される免疫原性ホットスポットをスクリーニングし、構造的完全性及び生物活性を破壊することなく、アレル(対立遺伝子)に対する親和性を低下させる1~4個の変異のいずれかを有する17個の突然変異体を予測した。17の突然変異体のうち5つは、参照組換えヒトEPO(rHuEPO)と同様又はわずかに低下した生物活性を保持しながら、in vitroで免疫原性が低いことが分かった。これらの操作されたタンパク質は、rHuEPO依存性であり、HLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を発現する患者を治療するために使用され得る。
例1:組換えヒトEPOバリアントの設計
MHCエピトープ予測分析
タンパク質構造及びEPO受容体との結合を維持しながら、MHC IIアレル(対立遺伝子)との結合を破壊するエリスロポエチン(EPO)アミノ酸配列の変異を予測するために計算評価を行った。具体的には、in silicoツール(NetMHCII 2.2)を使用して、EPOエピトープと主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIIアレル(対立遺伝子)HLA-DRB 1*09-DQB1*03:09(Jensen et al.Immunology(2018),154:394-406)との間の結合に関与するアミノ酸残基を予測した。5つのコア結合部位は、VLRGQALLV(配列番号37)(位置74~82)、LRSLTTLLR(配列番号38)(位置102~110)、LLRALGAQK(配列番号39)(位置108~116)、FRVYSNFLR(配列番号40)(位置142~150)、及びYSNFLRGKL(配列番号41)(位置145~153)であると予測され、これらは3つの異なる非重複領域(残基74~82(VLRGQALLV(配列番号37))、102~116(LRSLTTLLRALGAQK(配列番号44))及び142~153(FRVYSNFLRGKL(配列番号45)))にマッピングされた。
予測されたアレル(対立遺伝子)は、共結晶構造(PDB:1EER)から推測される2つの細胞表面エリスロポエチン受容体によって認識される部位と重複していた。文献からの抗EPO抗体を中和する既知の部位もマッピングした。例えば、図1Aは、EPOのアミノ酸配列を提供し、受容体が接触する部位(PDB:1 EER)を太字で示し、HLA-DRB1*09-DQB1*03:09アレル(対立遺伝子)への結合についてNetMHCII 2.2によって予測される領域を網掛けで示す。中和抗体によって認識される部位に下線が引かれている。アミノ酸修飾のために考慮される部位は、上にアスタリスクで示される。さらに、図1Bは、アレル(対立遺伝子)結合部位74及び102のうちの2つを含む、相互作用する疎水性アミノ酸のネットワークの一例を提供する。次いで、74及び/又は102への改変は、このネットワーク内の他の位置での適切な置換によって補償された。
予測されるアレル(対立遺伝子)結合領域における残基の改変
EPOバリアントの生物活性を保存するために、EPOポリペプチドのEPO-R結合界面又は構造的完全性に関与する残基、例えばアルファらせん束(図1B)の高度に網目構造化されたらせん(B-C-D)内に位置する残基の改変を回避しながら、ヒト白血球抗原(HLA)を減少させ、抗体結合を中和するために、予測されるアレル(対立遺伝子)結合領域に対する改変を設計した。具体的には、既知の中和抗体部位と重複するか又は近接する領域102~116及び142~153を選択し、合計25個の部位:74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152及び153(図1A)を含めた。非受容体結合部位(非RBS)残基を改変のために選択し、EPCN法の変形を使用して原子間接触を最適化した(Robinson et al.Cell(2015)162:493-504)。表2に示すように、HLA親和性破壊設計を有する17のEPOバリアントを考案した。
例2:EPOバリアントの発現及び精製
次いで、例1で設計し、表2に示したEPOバリアントを、以下の手順を用いて組換え発現及び精製した。
プラスミドの作製及び調製
QuikChange II XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Agilent Technologies)を用いて、変異・置換部位が1箇所のみのEPOバリアントをコードする配列を含むpcDNA 3.3発現ベクターを作製した。2つ以上の変異/置換部位を有するEPOバリアントをコードする配列を、遺伝子合成を使用して生成し、pcDNA 3.3発現ベクターにクローニングし、大腸菌(E.coli)(DNA2.0)に形質転換した。精製プラスミドをDNA配列決定(Genewiz)に供して変異を確認した。
タンパク質の発現及び精製
EPO野生型(EPO-WT)又はEPOバリアントをコードする配列を含む精製pcDNA 3.3発現ベクターを、25kD線形ポリエチレンイミン(Polysciences)を使用してFreeStyle(商標)293-F細胞に一過性にトランスフェクトした。6日後、Hitrap Blue HPカラム(GE Healthcare)を用いて培養上清からEPOポリペプチドを精製し、1.5M NaClで溶出し、20mM Tris-HCl(pH8.45)に緩衝液交換した。次に、試料をHitrap Q HPカラム(GE Healthcare)にロードし、カラムを20mM酢酸ナトリウム(pH4)で洗浄し、続いて20mM Trisで2回目の洗浄を行った。次いで、EPOポリペプチドを1M NaClで溶出し、精製EPOポリペプチドを保存緩衝液(50mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7、1.5%グリシン及び0.003% Tween-20)に緩衝液交換した。
細胞培養:FREESTYLE(商標)293-F細胞(Invitrogen)を、130 RPMのシェーカーを使用してFreeStyle 293発現培地(Invitrogen)中、8%CO下、37℃で培養した。ヒト赤白血病細胞株TF-1(ATCC)を、10%FBS、1%Pen-strep及び2ng/mL GM-CSFを添加したRPMI 1640培地(Thermo Fisher Scientific)中5%CO下、37℃で培養した。
例3:EPOバリアントの特性決定
次いで、例2で得られたEPOバリアントを定量し、以下の手順に従って特性決定を行った。
EPOポリペプチドの定量
EPO野生型及びEPOバリアントタンパク質の両方の定量のためにサンドイッチELISAを開発した。事前に吸収されたMaxisorp 96ウェルプレート(Nunc)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2.5μg/mLの捕捉抗体(ヒトEPOに対するマウスモノクローナルIgG2A、MAB 2871;R&D Systems)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBSで3回洗浄し、PBS中の1%BSA及び0.05%Tween(PBST)のブロッキング溶液を添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、PBSTで洗浄した。EPOバッチ4(European Directorate for the Quality of Medicines&Health Care European Pharmacopoeia,France;Burns et al.(前出))の生物学的基準調製物(BRP)を使用して、標準曲線を作成した。EPO標準又はEPO試料の連続希釈(2.5倍)は、それぞれ10,000国際単位(IU)又は未希釈濃度の開始濃度で達成された。希釈をPBST中で、2連で行った。BRP及び試料の両方を室温で2時間インキュベートし、次いでPBSTで洗浄した。PBST中1μg/mLの濃度の一次抗体(ヒトEPO、AB-286-NAに対するウサギポリクローナルIgG;R&D Systems)を添加し、プレートを室温で1時間インキュベートし、PBSTで洗浄した。続いて、PBST中の二次抗体(ウサギIgGに対するヤギポリクローナル二次Ab-H&L(HRP)、事前吸収、ab97080;Abcam)を0.1μg/mL添加し、室温で1時間インキュベートした後、PBSTで洗浄した。検出のため、TMB基質(SeraCare)を添加した。クエンチングは、1N硫酸を添加することによって達成された。プレートを、マイクロプレートリーダー(Biotek)を使用して450nmで読み取った。
EPOポリペプチドの特性決定
FPLCからの精製EPOポリペプチド中のタンパク質含有量を、クーマシーブルー染色と共にSDS-PAGEを使用して決定した。12%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲルを用いてタンパク質試料を分離し、次いで、一定の175電圧で1.5時間、分子量に従って分離した。電気泳動したゲルをINSTANTBLUE(商標)タンパク質染色剤(Expedeon)で染色した。ImageJプログラム(Schneider et al.Nat.Methods(2012)9:671-675)を使用して各レーンのバンド強度を測定することにより、タンパク質バンドの純度を分析した。精製タンパク質の純度は94~99%であった。脱グリコシル化及びグリコシル化EPOポリペプチドのサイズは、それぞれ30.6kDa及び36~40kDaと推定される。BRP、精製EPO-WT及びEPOバリアントの両方が、予想される分子量を示した。
次いで、抗EPO抗体を用いたウエスタンブロット分析を行って、タンパク質の同一性を確認した。SDS-PAGEゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜(Bio-Rad)に転写し、膜をウサギポリクローナルIgGと共にヒトEPO、AB-286-NA(R&D Systems)とインキュベーションし、その後、ロバ由来のECL(商標)抗ウサギIgG、ペルオキシダーゼ結合種特異的全抗体、NA934V(GE Healthcare)とインキュベーションした。ECL(商標)Prime Western Blotting Detection Reagent(GE Healthcare)を用いてシグナルを展開した。化学発光シグナルを、ImageQuant LAS 4000装置(GE Healthcare)を使用して検出及び分析した。BRP、EPO-WT及びEPOバリアントタンパク質は全て陽性バンドを示した。
例えば、図2A~2Bは、SDS-PAGEによる分子量にしたがった分離後の、EPO標準、野生型及び突然変異体タンパク質を含むEPOポリペプチドのクーマシーブルー染色ゲル(図2A)、及びウエスタン免疫ブロッティング(図2B)を提供する。使用した材料は、BRP、EPO標準、マーカー、Precision Plus Protein(商標)Kaleidoscope(商標)Prestained Protein Standards;WT、EPO-WT;1.2,EPO-1.2(L70V、V74L、L102I);3.1,EPO-3.1(T106A);3.2,EPO-3.2(T106G);3.3,EPO-3.3(T106H);4.1、EPO-4.1(L109A)を組んだ。
EPOアイソフォームの特性決定
EPOポリペプチドのアイソフォーム分布を、World Anti-Doping Agency(www.wada-ama.org/en/resources/science-medicine/td2014epo)によって概説されたTD2014EPO技術文書に従って決定した。上に概説した方法によって調製した精製EPO試料をMilliQ水に緩衝液交換し、フラットベッド電気泳動セル-MultiphorII(GE Healthcare)を使用して、2~6のpH勾配で、それらのpIに従って等電点電気泳動(IEF)ゲルで分離した。次いで、電気泳動した試料を、セミドライNovablot転写システム(GE Healthcare)を使用して、Armersham Hybond(商標)-P PVDF転写膜(GE Healthcare)に転写した。ブロッティング後、膜を本明細書に記載されるウエスタンブロット分析によって処理した。
EPOポリペプチドのIEFによるアイソフォーム分析を、EPO標準、野生型及び突然変異体タンパク質を含めて図3に示す。タンパク質の分離されたバンドは、それらの既存のグリコフォームの数を表す。精製EPOポリペプチドの異なるアイソフォームの分布を、EPO標準であるBRPと比較した。BRP、EPO標準;WT、EPO-WT;1.2,EPO-1.2(L70V、V74L、L102I);3.1,EPO-3.1(T106A);3.2,EPO-3.2(T106G);3.3,EPO-3.3(T106H);4.1、EPO-4.1(L109A)。
BRP及び6つのEPO試料(1つの野生型及び5つの突然変異体)の間のグリコフォーム分布を、ゲルの塩基性領域(図3)で観察した。BRPは、予想通り6つのアイソフォームを示した。しかしながら、EPO試料間のアイソフォームの数は変動した(また、EPO-3.3は6つのアイソフォームを示し、EPO-WT、EPO-3.1及びEPO-3.2は7つのアイソフォームを示し、一方、EPO-1.2及びEPO-4.1は8つのアイソフォームを示した)。EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3及びEPO-4.1は、アイソフォーム分布の塩基性アイソフォームへのシフトを示した。これらのEPO試料の2つの最も塩基性のバンドは、EPO-WTよりも有意に高かった。一方、EPO-1.2は、同等のプロファイル又は酸性アイソフォームへのわずかなシフトを示した。
例4:EPOバリアントのIn Vitro生物活性
例2で得られたEPOバリアントタンパク質(表2に示す)の生理活性を、赤白血病患者由来のTF-1細胞株を用いて、以下の手順で細胞増殖アッセイにより測定した。合計2.5×10個のTF-1細胞を96ウェル平底プレート(Nunc)にプレーティングした。BRP又はEPOポリペプチド(50IU/mL)を3倍希釈した。全ての希釈を四連で行った。72時間のインキュベーション後、WST-1細胞増殖試薬(Roche)を添加した。反応物を5%CO中で4時間インキュベートした。マイクロプレートリーダー(Biotek)を用いて450nm及び690nmの吸光度を測定した。GEN5(商標)データ分析ソフトウェア(Biotek)を使用して、4パラメータロジスティック回帰関数を用いてEC50及びRを計算した。EPO-WTに対するEPOバリアントの相対効力(REP)を評価するために、平行度分析を行った。4パラメータロジスティック回帰のlog用量-反応曲線を、GraphPad Prism 6(Graphpad Software,Inc.)によって作成した。
EPO-1.2(L70V、V74L及びL1023I)、EPO-3.1(T106A)、EPO-3.2(T106G)、EPO-3.3(T106H)及びEPO-4.1(L109A)を含む、TF-1細胞を有する選択されたEPOバリアントのin vitro生物活性を、図4の対数用量応答曲線に示す。5つ全てのEPOバリアントは、野生型EPOと比較して低い生物活性を示した。特に、EPO-1.2及びEPO-4.1は、EPO-WTに対する相対生物活性(REP)がそれぞれ0.059(又はEPO-WTと比較して5.9%の活性)及び0.032(又はEPO-WTと比較して3.2%の活性)であった。EPO-3.1は、REPが0.431のEPOバリアントの中で最も高い生物活性を有していた(又はEPO-WTと比較して43.1%の活性)。EPO-3.2及びEPO-3.3は同じ範囲の生物活性であり、REPはそれぞれ0.243(又はEPO-WTと比較して24.3%の活性)及び0.229(又はEPO-WTと比較して22.9%の活性)であった。
例5:EPOバリアントの免疫原性
本明細書に記載の方法(EPO-WT、EPO-1.2、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3及びEPO-4.1)によって調製した例示的なEPOバリアントの免疫原性を以下の手順によって試験した。図5A~5Cによって例示されるように、試験された5つ全てのEPOバリアントは、BRP及び野生型EPOと比較してより低い免疫原性を示した。
末梢血単核球(PBMC)の調製
EDTA処理真空管(Becton Dickinson)中で50人の健康なボランティアから血液を採取した。HLA-DRB1*09遺伝子並びにB型肝炎、C型肝炎、梅毒及びHIVを含む一般的な感染症の存在を、タイのChulalongkorn大学の医学部で決定した。50名のボランティアのうち11名(22%)がHLA-DRB1*09を有しており、そのうち4名が女性(36%)であり、7名が男性(64%)であった。HLA-DRB1*09陰性及び陽性の全てのボランティアを免疫原性試験のために無作為に選択し、B型肝炎、C型肝炎、梅毒及びHIVを含む一般的な感染症について陰性であることを確認した。IsoPrep溶液(Robbins Scientific Corporation)を使用して、3人のHLA-DRB1*09陰性ボランティア及び3人のHLA-DRB1*09陽性ボランティアの血液からPBMCを単離した。
樹状細胞の培養及びフローサイトメトリー分析
完全RPMI培地(3mL)中のPBMCの合計10×10細胞を6ウェルプレートの各ウェルに播種した。37℃、5%CO下で2時間インキュベートした後、前駆樹状細胞(DC)をプラスチックへの接着によって他の免疫細胞から分離し、非接着細胞をCD4T細胞の供給源として収集した。GM-CSF(50ng/mL)及びIL-4(50ng/mL;ImmunoTools)を含有する完全RPMI培地を、前駆樹状細胞(DC)を表す接着細胞に添加した。細胞をインキュベートし、75%の使用済み培地を2日毎にサイトカインを含む新鮮な培地に交換した。前駆体DCから未成熟DCへの分化を、FITCコンジュゲート化抗ヒトHLA-DR(ImmunoTools)を使用してBD FACSCANTO(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)によってモニターした。両群の未成熟DC成熟の割合は、DC培養の7日目に50.7~80.4の範囲であった。
抗原提示細胞(APC)として成熟DCを生成するために、未成熟DCを回収し、完全RPMI培地で洗浄した。次いで、合計10個の細胞を24ウェルプレートの各ウェルに播種し、10μg/mLのBRP又はEPOポリペプチド(EPO-WT、EPO-1.2、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3及びEPO-4.1)と共に48時間インキュベート(パルス)した。タンパク質なしでインキュベートした未成熟な(Immuture)DCを対照DC(非パルスDC)として使用した。
CD4T細胞の分離及び活性化
CD4T細胞を、DC培養のために単球を提供した同じボランティアからのPBMCの非接着性細胞画分から、MACS Human CD4T cell Isolation Kit(Miltenyi Biotec)を用いた陰性選択によって単離した。生存率は90%超であった。エフェクター免疫細胞を活性化するために、同じボランティア由来のEPOパルス処理(成熟)DC及びCD4T細胞を1:20の比で共培養した。陽性対照には、5μg/mL抗ヒトCD3及び2μg/mL抗ヒトCD28(ImmunoTools)を補充した非パルスDC及びCD4T細胞の共培養が含まれた。バックグラウンド対照には、非パルスDC及びCD4T細胞単独の共培養が含まれた。全ての共培養物をIL-2(30ng/mL)及びIL-12(30ng/mL)ImmunoTools)の存在下で4日間インキュベートし、次いで採取した。
T細胞応答を表すインターフェロンガンマ(IFN-γ)のレベルを、ヒトIFN-γ ELISA Kit(ImmunoTools)によって定量した。非パルスDC細胞とCD4T細胞との間の共培養からのIFN-γのレベルを、T細胞応答のバックグラウンドとみなした。HLA-DRB1*09陰性群と陽性群との間のBRPと比較したEPOポリペプチドの相対的T細胞応答の統計的比較により、試験した5つのEPOバリアント全てが、HLA-DRB1*09陽性群において有意に低いT細胞応答を有することが実証された。
EPOポリペプチドのex vivo免疫原性アッセイの結果を図5A~5Cに示す。3名のHLA-DRB1*09陰性ボランティア及び3名のHLA-DRB1*09陽性ボランティアからの平均値を、それぞれ陰性群又は陽性群として組み合わせた。各群をBRPに対する応答と比較し、EPOポリペプチドの相対応答のパーセンテージで示した(図5A)。棒グラフを、各群の3人の個体から計算した平均±SEMとして示す。アスタリスク記号は、t検定による有意差を示す(*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001、****p≦0.0001)。各HLA-DRB1*09陽性ボランティアのIFN-γレベルを図5Bに示し、HLA-DRB1*09陰性ボランティアを図5Cに示す。棒グラフを、二重の実験から計算された平均±SEMとして示す。
p値は、EPO-1.2が0.0038、EPO-3.1が0.000024、EPO-3.2が0.000037、EPO-3.3が0.00031、EPO-4.1が0.0012であった。HLA-DRB1*09陰性群及び陽性群の両方において、EPO-WTを使用したT細胞応答に差はなかった。HLA-DRB1*09陽性群及び陰性群の両方において、BRP及びEPO-WTは、抗CD3/抗CD28抗体と同じ様式でT細胞応答を刺激することができた。EPO-1.2、EPO-3.1、EPO-3.2、EPO-3.3及びEPO-4.1を含むEPOバリアントは、はるかに低いT細胞応答を示し、IFN-γ放出は220~37,000pg/mLの範囲であった。理論に拘束されることを望むものではないが、HLA-DRB1*09陽性群及びHLA-DRB1*09陰性群に見られるEPO特異的T細胞応答の異なる背景は、個体におけるHLAアレル(対立遺伝子)分布の違いによるものであり得る(例えば、Praditpornsilpa et al.前出;及びTangri et al.J.Immunol.(2005)174:3187-3196を参照)。
統計分析:T検定分析を、GraphPad Prism 6(Graphpad Software,Inc.を使用して行った。例えば、t検定を使用して、HLA-DRB1*09陰性群と陽性群との間の相対的T細胞応答の差の統計学的有意性を決定した。
ヒト対象:ヒト対象を含む研究は、タイのChulabhorn Research Instituteの倫理審査委員会によって承認されたプロトコルの下で行われた。全てのボランティアが書面によるインフォームドコンセントを提出した。
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び受託番号は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
均等物
本開示の特定の実施形態を説明したが、上記の明細書は例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲を検討することにより、本開示の多くの変形が当業者に明らかになるであろう。本開示の全範囲は、特許請求の範囲、その均等物の全範囲と共に、及び明細書、並びにそのような変形例を参照することによって決定されるべきである。
配列表3 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表4 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表5 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表6 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表7 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表8 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表9 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表10 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表11 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表12 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表13 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表14 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表15 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表16 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表17 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表18 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表19 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表20 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表21 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表22 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表23 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表24 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表25 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表26 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表27 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表28 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表29 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表30 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表31 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表32 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表33 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表34 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表35 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表36 <223>人工配列の記載:合成ポリヌクレオチド
配列表42 <223>人工配列の記載:合成ポリペプチド
配列表42 <223>置き換え=「A」又は「I」
配列表42 <223>置き換え=「I」又は「W」
配列表42 <223>置き換え=「D」、「N」、又は「V」
配列表42 <223>置き換え=「V」
配列表42 <223>置き換え=「D」、「L」、又は「N」
配列表42 <223>置き換え=「D」、「I」、「N」、「T」、又は「V」
配列表42 <223>置き換え=「F」又は「S」
配列表42 <223>置き換え=「A」、「G」、又は「H」
配列表42 <223>置き換え=「A」、「C」、又は「W」
配列表42 <223>置き換え=「C」
配列表42 <223>置き換え=「N」
配列表42 <223>置き換え=「V」又は「W」
配列表42 <223>置き換え=「Q」
配列表42 <223>配列内で指定されるバリアント残基は、バリアント位置のアノテーション内のバリアント残基に対して優先されない
配列表42 <223>置換及び好ましい実施形態の詳細な説明については出願時の明細書を参照されたい。
配列表43 <223>人工配列の記載:合成 6×Hisタグ

Claims (167)

  1. 配列番号1の12~152位のいずれかに対応する位置に変異を含む、エリスロポエチン(EPO)分子。
  2. 配列番号1の74~82位、102~116位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1に記載のEPO分子。
  3. 配列番号1の74~82位又は102~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1又は2に記載のEPO分子。
  4. 配列番号1の74~82位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~3のいずれかに記載のEPO分子。
  5. 配列番号1の102~116位又は142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~4のいずれかに記載のEPO分子。
  6. 配列番号1の74~82位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~5のいずれかに記載のEPO分子。
  7. 配列番号1の102~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~6のいずれかに記載のEPO分子。
  8. 配列番号1の102~110位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~7のいずれかに記載のEPO分子。
  9. 配列番号1の108~116位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~8のいずれかに記載のEPO分子。
  10. 配列番号1の142~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~9のいずれかに記載のEPO分子。
  11. 配列番号1の142~150位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~10のいずれかに記載のEPO分子。
  12. 配列番号1の145~153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~11のいずれかに記載のEPO分子。
  13. 配列番号1の74、75、76、77、79、80、81、82、102、105、106、109、111、112、113、114、115、116、142、145、146、148、149、152、又は153位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~12のいずれかに記載のEPO分子。
  14. 配列番号1の12、15、67、70、74、102、105、106、109、114、146、149、又は152位のいずれかに対応する位置に変異を含む、請求項1~13のいずれかに記載のEPO分子。
  15. 複数の位置に複数の変異を含む、請求項1~14のいずれかに記載のEPO分子。
  16. 本明細書に開示される第2の位置に第2の変異を更に含む、請求項15に記載のEPO分子。
  17. 本明細書に開示される第3の位置に第3の変異を更に含む、請求項16に記載のEPO分子。
  18. 本明細書に開示される第4の位置に第4の変異を更に含む、請求項17に記載のEPO分子。
  19. 本明細書に開示される第5の位置に第5の変異を更に含む、請求項18に記載のEPO分子。
  20. 本明細書に開示される第6の位置に第6の変異を更に含む、請求項19に記載のEPO分子。
  21. 配列番号1の12位に対応する位置に変異を含む、請求項1~20のいずれかに記載のEPO分子。
  22. 変異がL12A置換である、請求項21に記載のEPO分子。
  23. 変異がL12I置換である、請求項21に記載のEPO分子。
  24. 配列番号1の15位に対応する位置に変異を含む、請求項1~23のいずれかに記載のEPO分子。
  25. 変異がY15I置換である、請求項24に記載のEPO分子。
  26. 変異がY15W置換である、請求項24に記載のEPO分子。
  27. 配列番号1の67位に対応する位置に変異を含む、請求項1~26のいずれかに記載のEPO分子。
  28. 変異がL67D置換である、請求項27に記載のEPO分子。
  29. 変異がL67N置換である、請求項27に記載のEPO分子。
  30. 変異がL67V置換である、請求項27に記載のEPO分子。
  31. 配列番号1の70位に対応する位置に変異を含む、請求項1~30のいずれかに記載のEPO分子。
  32. 変異がL70V置換である、請求項31に記載のEPO分子。
  33. 配列番号1の74位に対応する位置に変異を含む、請求項1~32のいずれかに記載のEPO分子。
  34. 変異がV74D置換である、請求項33に記載のEPO分子。
  35. 変異がV74L置換である、請求項33に記載のEPO分子。
  36. 変異がV74N置換である、請求項33に記載のEPO分子。
  37. 配列番号1の102位に対応する位置に変異を含む、請求項1~36のいずれかに記載のEPO分子。
  38. 変異がL102D置換である、請求項37に記載のEPO分子。
  39. 変異がL102N置換である、請求項37に記載のEPO分子。
  40. 変異がL102I置換である、請求項37に記載のEPO分子。
  41. 変異がL102T置換である、請求項37に記載のEPO分子。
  42. 変異がL102V置換である、請求項37に記載のEPO分子。
  43. 配列番号1の105位に対応する位置に変異を含む、請求項1~42のいずれかに記載のEPO分子。
  44. 変異がL105F置換である、請求項43に記載のEPO分子。
  45. 変異がL105S置換である、請求項43に記載のEPO分子。
  46. 配列番号1の106位に対応する位置に変異を含む、請求項1~45のいずれかに記載のEPO分子。
  47. 変異がT106A置換である、請求項46に記載のEPO分子。
  48. 変異がT106G置換である、請求項46に記載のEPO分子。
  49. 変異がT106H置換である、請求項46に記載のEPO分子。
  50. 配列番号1の109位に対応する位置に変異を含む、請求項1~49のいずれかに記載のEPO分子。
  51. 変異がL109A置換である、請求項50に記載のEPO分子。
  52. 変異がL109C置換である、請求項50に記載のEPO分子。
  53. 変異がL109W置換である、請求項50に記載のEPO分子。
  54. 配列番号1の114位に対応する位置に変異を含む、請求項1~53のいずれかに記載のEPO分子。
  55. 変異がA114C置換である、請求項54に記載のEPO分子。
  56. 配列番号1の146位に対応する位置に変異を含む、請求項1~55のいずれかに記載のEPO分子。
  57. 変異がS146N置換である、請求項56に記載のEPO分子。
  58. 配列番号1の149位に対応する位置に変異を含む、請求項1~57のいずれかに記載のEPO分子。
  59. 変異がL149V置換である、請求項58に記載のEPO分子。
  60. 変異がL149W置換である、請求項58に記載のEPO分子。
  61. 配列番号1の152位に対応する位置に変異を含む、請求項1~60のいずれかに記載のEPO分子。
  62. 変異がK152Q置換である、請求項61に記載のEPO分子。
  63. 配列番号1の67及び102位に対応する位置に変異を含む、請求項1~62のいずれかに記載のEPO分子。
  64. 変異が、L67V及びL102V置換である、請求項63に記載のEPO分子。
  65. 70、74、及び102位に対応する位置に変異を含む、請求項1~64のいずれかに記載のEPO分子。
  66. 変異が、L70V、V74L及びL102I置換である、請求項65に記載のEPO分子。
  67. 67、74、及び102位に対応する位置に変異を含む、請求項1~66のいずれかに記載のEPO分子。
  68. 変異が、L67N、V74N及びL102D置換である、請求項67に記載のEPO分子。
  69. 変異が、L67D、V74D及びL102N置換である、請求項67に記載のEPO分子。
  70. 12、15、105、及び149位に対応する位置に変異を含む、請求項1~69のいずれかに記載のEPO分子。
  71. 変異が、L12A、Y15I、L105F及びL149W置換である、請求項70に記載のEPO分子。
  72. 変異が、L12I、Y15W、L105S及びL149V置換である、請求項70に記載のEPO分子。
  73. 109及び114位に対応する位置に変異を含む、請求項1~72のいずれかに記載のEPO分子。
  74. 変異が、L109C及びA114C置換である、請求項73に記載のEPO分子。
  75. 102、105、106及び109位に対応する位置に変異を含む、請求項1~74のいずれかに記載のEPO分子。
  76. 変異が、L102T、L105S、T106H及びL109W置換である、請求項75に記載のEPO分子。
  77. 変異が、L102T、L105S、T106G及びL109W置換である、請求項75に記載のEPO分子。
  78. 146及び152位に対応する位置に変異を含む、請求項1~77のいずれかに記載のEPO分子。
  79. 変異が、S146N及びK152Q置換である、請求項78に記載のEPO分子。
  80. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有する、請求項1~79のいずれかに記載のEPO分子。
  81. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%の相同性を有する、請求項1~80のいずれかに記載のEPO分子。
  82. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する、請求項1~81のいずれかに記載のEPO分子。
  83. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の相同性を有する、請求項1~82のいずれかに記載のEPO分子。
  84. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも96%の相同性を有する、請求項1~83のいずれかに記載のEPO分子。
  85. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも97%の相同性を有する、請求項1~84のいずれかに記載のEPO分子。
  86. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも98%の相同性を有する、請求項1~85のいずれかに記載のEPO分子。
  87. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも99%の相同性を有する、請求項1~86のいずれかに記載のEPO分子。
  88. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる、請求項1~87のいずれかに記載のEPO分子。
  89. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる、請求項1~88のいずれかに記載のEPO分子。
  90. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる、請求項1~89のいずれかに記載のEPO分子。
  91. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる、請求項1~90のいずれかに記載のEPO分子。
  92. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる、請求項1~91のいずれかに記載のEPO分子。
  93. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる、請求項1~92のいずれかに記載のEPO分子。
  94. 本明細書に開示される位置(単数又は複数の位置)における変異(単数又は複数の変異)以外に、配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる、請求項1~93のいずれかに記載のEPO分子。
  95. 配列番号1のアミノ酸配列と15以下の位置で異なる、請求項1~94のいずれかに記載のEPO分子。
  96. 配列番号1のアミノ酸配列と10以下の位置で異なる、請求項1~95のいずれかに記載のEPO分子。
  97. 配列番号1のアミノ酸配列と5以下の位置で異なる、請求項1~96のいずれかに記載のEPO分子。
  98. 配列番号1のアミノ酸配列と4以下の位置で異なる、請求項1~97のいずれかに記載のEPO分子。
  99. 配列番号1のアミノ酸配列と3以下の位置で異なる、請求項1~98のいずれかに記載のEPO分子。
  100. 配列番号1のアミノ酸配列と2以下の位置で異なる、請求項1~99のいずれかに記載のEPO分子。
  101. 配列番号1のアミノ酸配列と1以下の位置で異なる、請求項1~100のいずれかに記載のEPO分子。
  102. 配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33若しくは35のいずれかのアミノ酸配列、又はそれと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるか、又はそれと1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10個以下のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、請求項1~101のいずれかに記載のEPO分子。
  103. 配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33又は35のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項1~102のいずれかに記載のEPO分子。
  104. 配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  105. 配列番号5のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  106. 配列番号7のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  107. 配列番号9のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  108. 配列番号11のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  109. 配列番号13のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  110. 配列番号15のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  111. 配列番号17のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  112. 配列番号19のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  113. 配列番号21のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  114. 配列番号23のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  115. 配列番号25のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  116. 配列番号27のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  117. 配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  118. 配列番号31のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  119. 配列番号33のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  120. 配列番号35のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~103のいずれかに記載のEPO分子。
  121. 例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、対象において低下した免疫原性を有する、請求項1~120のいずれかに記載のEPO分子。
  122. 免疫原性が、参照EPO分子と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%低下している、請求項121に記載のEPO分子。
  123. 対象がHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有する、請求項121又は122に記載のEPO分子。
  124. 例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ生物学的活性を有する、請求項1~123のいずれかに記載のEPO分子。
  125. 例えば、in vitro、ex vivo、又はin vivoで決定される場合、参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、25%、20%、15%、10%、5%、又は2%以下に低下した生物学的活性を有する、請求項1~124のいずれかに記載のEPO分子。
  126. 生物学的活性がin vitro TF-1増殖アッセイにおいて測定される、請求項124又は125のいずれかに記載のEPO分子。
  127. 参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、より多くのグリコフォーム、例えば、少なくとも1個、2個、3個、4個、又は5個多いグリコフォームを有することができる、請求項1~126のいずれかに記載のEPO分子。
  128. 6個、7個、8個、9個、10個又はより多くのグリコフォームを有することができる、請求項1~127のいずれかに記載のEPO分子。
  129. 7個、8個又はより多くのグリコフォームを有することができる、請求項1~128のいずれかに記載のEPO分子。
  130. 参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、同じ又は実質的に同じ血清半減期を有する、請求項1~129のいずれかに記載のEPO分子。
  131. 参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、増加した血清半減期、例えば少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%若しくは90%、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10倍増加した血清半減期を有する、請求項1~130のいずれかに記載のEPO分子。
  132. 参照EPO分子、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPO分子と比較して、低下した血清半減期、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以下に低下した血清半減期を有する、請求項1~131のいずれかに記載のEPO分子。
  133. EPOポリペプチドの血清半減期を延長する部分を含む、請求項1~132のいずれかに記載のEPO分子。
  134. 融合タンパク質である、請求項1~133のいずれかに記載のEPO分子。
  135. IgGのFcドメインを含む、請求項1~134のいずれかに記載のEPO分子。
  136. Fcドメインが、EPOポリペプチドに共有結合的に融合されている、請求項135に記載のEPO分子。
  137. FcドメインのN末端が、EPOポリペプチドのC末端に直接的又は間接的に共有結合的に融合されている、請求項136に記載のEPO分子。
  138. 請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子と、薬学的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物。
  139. 請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子を含む、調製物。
  140. 治療的使用に適している、請求項139に記載の調製物。
  141. 請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子と、使用説明書とを含む、キット。
  142. 請求項1~137のいずれか一項に記載のEPO分子をコードする、核酸。
  143. 配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34若しくは36のいずれかのヌクレオチド配列、又はそれらと5、10、15、20、25、30、35、40、45若しくは50ヌクレオチド以下で異なるか、又はそれらと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、核酸。
  144. 配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36のいずれかのヌクレオチド配列を含む、請求項143に記載の核酸。
  145. 請求項142~144のいずれかに記載の核酸を含む、ベクター。
  146. 核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む、請求項145に記載のベクター。
  147. 請求項142~144のいずれかに記載の核酸を含む、細胞。
  148. EPOポリペプチドの発現を可能にする条件下で、請求項147に記載の細胞を培養し、それによりEPO分子を産生することを含む、EPO分子を産生する方法。
  149. 対象において障害を治療する方法であって、有効量の請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子を対象に投与し、それにより障害を治療することを含む、上記方法。
  150. 障害が、EPOに関連する障害、例えば、EPOの欠乏又は異常である、請求項149に記載の方法。
  151. 障害が貧血である、請求項150に記載の方法。
  152. 貧血が、慢性腎臓疾患(例えば、慢性腎不全)、ジドブジン治療、化学療法、又は手術に関連するか、又はそれに起因する、請求項151に記載の方法。
  153. 対象において免疫原性応答を低下させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子を投与し、それにより免疫原性応答を低下させることを含む、上記方法。
  154. 対象において赤芽球癆(PRCA)を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に有効量の請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子を投与し、それによりPRCAを治療又は予防することを含む、上記方法。
  155. 対象において同種異系赤血球(RBC)輸血を減少させる方法であって、それを必要とする対象に有効量の請求項1~137のいずれかに記載のEPO分子を投与し、それにより同種異系RBC輸血を減少させることを含む、上記方法。
  156. 対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報又は配列を取得することを更に含み、HLA遺伝子型の存在が、対象がEPO療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する、請求項148~155のいずれかに記載の方法。
  157. EPO分子が、遺伝子型情報の取得に応答して投与される、請求項156に記載の方法。
  158. 対象を評価する方法であって、対象におけるHLA遺伝子型、例えばHLA-DRB1*09遺伝子型を同定する遺伝子型情報を取得することを含み、HLA遺伝子型の存在が、対象がEPO分子を含む治療法に対する免疫原性の増加を有するか、又は有するリスクがあることを同定する、上記方法。
  159. 本明細書に開示されるEPO分子による治療の候補として対象を分類することを更に含む、請求項158に記載の方法。
  160. 有効量の本明細書に開示されるEPO分子を対象に投与することを更に含む、請求項158又は159に記載の方法。
  161. 対象がHLA-DRB1*09アレル(対立遺伝子)を保有するか、又は保有すると判定されている、請求項148~160のいずれかに記載の方法。
  162. 対象が、慢性腎臓疾患、HIV感染症、又はがんを有する、請求項148~161のいずれかに記載の方法。
  163. 対象が、ジドブジンを受けるか、又は受けたことがある、請求項148~162のいずれかに記載の方法。
  164. 対象が、化学療法(例えば、骨髄抑制化学療法)、手術、又は同種異系RBC輸血を受けるか、又は受けたことがある、請求項148~163のいずれかに記載の方法。
  165. 対象が抗EPO抗体を有するか、又は有すると判定されている、請求項148~164のいずれかに記載の方法。
  166. 対象が、異なる組換えヒトEPO(rHuEPO)、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むEPOを投与されている、請求項148~165のいずれかに記載の方法。
  167. 異なるrHuEPOの投与を中止又は終了する、請求項166に記載の方法。

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