JP2023550720A - 軸方向に挟み込まれた摩擦リンクを用いてインペラに結合されたシャフトを備えるターボ機械 - Google Patents

軸方向に挟み込まれた摩擦リンクを用いてインペラに結合されたシャフトを備えるターボ機械 Download PDF

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Abstract

回転軸(1)の周りを回転するように一緒に配置された、第1の端部を有するシャフト(10)と、シャフトの第1の端部に配置されて結合されたインペラ(20)を備えるターボ機械であって、ターボ機械は、シャフト(10)の第1の端部の軸方向表面(13)とインペラ(20)の対向する軸方向表面(23)との間にクランプされた摩擦リング(30)を備える。好ましくは、摩擦リング(30)は、例えば、ダイヤモンド又はセラミックスの硬質粒子を有する表面を備え、クランプされた部品の間の摩擦を増大させてクランプされた部品を連結するようになっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、ターボ機械に関する。
ターボ機械は、流体の流れと、シャフトに配置されて結合された1又は2以上のインペラとの間でエネルギーが交換される機械であり、シャフト及びインペラは、回転軸の周りで一緒に回転するように配置されている。
ターボ機械は、多くの場合、1つのインペラのみを備え、このインペラは、オーバーハング状態で配置され、ボルト結合によって機械のシャフトの軸平面(端面)に結合される。この結合には課題がある。例えば、限られた接合部で大きなトルクを伝達する必要がある。さらに、インペラの軸方向の片側にしか軸受が存在しないオーバーハング状態での取り付けは、毎分数万回転に達する可能性がある機械の非常に高い速度と相まって回転質量のアンバランスを最小にするために、インペラ及びシャフトの位置調整に非常に高い要求を課する。
特にターボ機械の始動時には、インペラの対向する端面は、シャフトの端面に対して移動する傾向があり、これにより回転質量のアンバランスが増大し、許容レベル以上の振動が生じる場合がある。この相対変位は、互いに対向する両端面の半径方向の相対変位、互いに対向する両端面の傾き、互いに対向する両端面のねじれ変位、又はこれらの変位の2又は3以上の形態の組み合わせを含む場合がある。このような相対変位の傾向は、シャフトに対してインペラが重くなる場合に、及びシャフト及び/又はインペラに作用するトルクが増加する及び/又はより早く変化する場合に増加する。
シャフトの端面とインペラの対向する端面が共に互いに噛み合う相補的なテーパ歯を備える、いわゆるハースカップリングは、インペラとシャフトとの間のこのような結合を実現するための較正された解決策であり、その自己調心性により、上記の相対的な半径方向変位又はねじれ変位を抑制する。しかしながら、インペラとシャフトの端面の所要の歯形の製造は、手間と時間がかかり、結果として高価でもある。
独国公開第102010040288号は、ターボ機械のシャフトの端面とインペラの対向する端面との間に、シャフトとインペラを連結するボルトの周りに同心状に配置された、1又は2の中間要素を配置することによってこの問題を解決しようとするものである。中間要素の一方の端面は、シャフト又はインペラの端面にボルトで固定され、他方の端面には歯形が設けられている。従って、一方がシャフト端面に取り付けられ、他方が対向するインペラ面に取り付けられた2つの相補的なスペーサを使用することにより、シャフトとインペラの端面に歯車を設けるという困難なしに、シャフトとインペラ間のハースカップリングを実現することができる。
しかしながら、独国公開第102010040288号のシステムでは、1又は2以上の中間要素とシャフト及び/又はインペラの間でボルト結合を行う必要がある。これは、製造工程における余分なステップを伴い、従って、原価がより高くなる。さらに、これらのボルト結合は、結果として、機械運転中も整列したままである必要があり、従って、軸方向に結合した2つの回転部材の間の半径方向の相対変位の問題は、インペラとシャフトとの間の接合から、1又は2以上のスペーサとシャフト及び/又はインペラとの間の接合に変わる。
独国公開第102010040288号
従って、ターボ機械のシャフトとインペラとの間の半径方向の相対変位を防ぐための別の解決策が必要である。
本発明の目的は、上述の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、回転軸の周りを回転するように一緒に配置された、第1の端部を有するシャフトと、シャフトの第1の端部に配置されて結合されたインペラとを備えるターボ機械が開示され、ターボ機械は、シャフトの第1の端部の軸方向表面(端面)とインペラの対向する軸方向表面(端面)との間にクランプされた摩擦リングを備える。
いくつかの実施形態において、ターボ機械は、インペラが、ドローボルト又はドローバー結合によってシャフトの第1の端部に結合されていることを特徴とする。
ドローボルト又はドローバー結合において、シャフト及びインペラは、ドローボルト又はドローバーを収容する機能を備える。ドローボルト又はドローバーは、例えば、ドローボルト又はドローバーの第1の端部を、2つの部品の一方に設けられたこの目的のためのねじ山にねじ込むことによって、2つの部品の一方に固定的に取り付けられる。次に、ボルト又はバーは、その両端間に引張力を加えることによって付勢(bias)される。その後、ボルト又はバーを受け入れるが、まだ固定的に取り付けられていない第2の部品は、第1の部品と結合のための閉鎖要素との間にクランプされる。この閉鎖要素は、例えば、ボルト又はバーの第2の端部にねじ込まれるナットとすることができる。閉塞要素が所望の方法で、例えばナットを所望のトルクで締結することによって固定されるとすぐに、引張力が解放される。
ドローボルト又はドローバー結合が簡単で安価な結合技術であることは、これらの実施形態の利点である。
いくつかの実施形態において、インペラはドローボルト結合によってシャフトの第1の端部に結合され、ターボ機械は、摩擦リングが、ドローボルト結合によってシャフトの第1の端部の軸方向表面(端面)とインペラの対向する軸方向表面(端面)との間にクランプされることを特徴とする。
摩擦リングをクランプするために追加の部品を必要としないことは、これらの実施形態の利点である。
いくつかの実施形態において、ターボ機械は、インペラ及びシャフトが実質的に異なる材料からなり、インペラの材料がシャフトの材料よりも低い質量密度を有することを特徴とする。
インペラの低い質量密度によって良好なインペラ動特性が可能になることが、これらの実施形態の利点である。例えば、インペラは実質的にアルミニウムからなること、シャフトは実質的に鋼からなることができる。
いくつかの実施形態において、ターボ機械は、摩擦リングが、シャフトの第1の端部の軸方向表面(端面)とインペラの対向する軸方向表面(端面)との間の相対変位を打ち消すように適合されることを特徴とする。
一般に、ターボ機械の回転部品の質量中心は、すべてが機械の回転軸と正確に一致するわけではない。ターボ機械の運転中、回転部品の質量中心に作用する衝撃荷重は、シャフトの第1の端部の端面とインペラの対向する端面との間に剪断力をもたらす。このせん断力は、上記の端面間の静摩擦力及び動摩擦力によって打ち消される。せん断力が静止摩擦力を上回ると、上記の端面間に相対変位が生じる可能性がある。このような相対変位は、機械のアンバランスを許容できないレベルまで増大させる可能性がある。
ターボ機械が、インペラとシャフトとの間に、例えばハースカップリングのような、その幾何学的形状により自己調心性を有するカップリングを必要としないことは、これらの実施形態の利点である。インペラとシャフトの間のカップリングは、摩擦リングの存在により、より大きな自己調心傾向を取得する。好ましくは、摩擦リングは、インペラ及びシャフトに対して非常に薄く軽量であるため、摩擦リング自体が機械の回転軸に対して心出しされていなくても、ターボ機械の位置合わせ品質の程度に悪影響を及ぼさない。
ターボ機械が、ターボ機械の同程度の位置合わせ品質に関して、摩擦リングのないターボ機械に比べて、より高い速度、より高い出力、より高い質量流量、又は上記の2又は3以上の組み合わせで動作できることは、これらの実施形態のさらなる利点である。
ターボ機械が、同じ許容振動レベルに関して、摩擦リングのないターボ機械と比べて、より迅速に速度を変更できることは、これらの実施形態のさらなる利点である。
シャフト質量に対するインペラ質量の比が、同じ許容振動レベルに関して、摩擦リングのないターボ機械よりも大きくできることは、これらの実施形態のさらなる利点である。
ターボ機械シャフトが、同じ許容振動レベルに関して、摩擦リングのないターボ機械シャフトよりも小さい直径及び/又は小さい質量を有することができることは、これらの実施形態のさらなる利点である。
シャフトの直径が同じである場合、又はシャフトとインペラの端面の接触圧が同じである場合、摩擦リングがないターボ機械に比べてより大きなトルクをシャフトとインペラとの間で伝達できることは、ターボ機械のこれらの実施形態のさらなる利点である。
いくつかの実施形態において、摩擦リングは、シャフトの第1の端部の軸方向表面(端面)とインペラの対向する軸方向表面(端面)との間の相対変位を打ち消すように適合されており、ターボ機械は、摩擦リングの軸方向表面が少なくとも部分的にコーティングによって覆われていることを特徴とし、コーティングは、金属又は金属合金の実質的に均一な層、並びに金属又は金属合金の層に少なくとも部分的に包囲される離散粒子を含み、粒子の中位径は、金属又は金属合金の層の厚さよりも大きい。
いくつかの実施形態において、摩擦リングの軸方向表面は、コーティングによって少なくとも部分的に覆われており、コーティングは、金属又は金属合金の実質的に均一な層、並びに金属又は金属合金の層に少なくとも部分的に包囲される離散粒子を含み、粒子の中位径が金属又は金属合金の層の厚さよりも大きい場合、ターボ機械は、粒子の硬度が、インペラの対向する軸方向表面(端面)の材料の硬度よりも大きいことを特徴とする。
これらの実施形態の利点は、摩擦リング上の粒子がインペラの軸面に入り込み、それによってインペラと摩擦リングとの間の摩擦係数を増加させることができることである。これにより、例えば、アルミニウム製インペラを、鋼製シャフトと組み合わせて使用することが可能になる。この組み合わせは、摩擦リングの存在なしには実現が困難であり、その理由は、アルミニウムの許容表面圧力又は鋼とアルミニウムの2つの表面間の摩擦係数のそれぞれは、ターボ機械の通常運転時に、インペラとシャフトの端面の間の許容できない変位をそれぞれ十分に打ち消すには低すぎるからである。
いくつかの実施形態において、摩擦リングのコーティング中の粒子の硬度は、インペラの対向する軸方向表面(端面)の材料の硬度よりも大きく、ターボ機械は、粒子が実質的にダイヤモンド又はセラミック材料からなることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、ターボ機械は、インペラが遠心式インペラであることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、ターボ機械は、圧縮機、送風機、又はタービンであることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、ターボ機械のインペラとターボ機械のシャフトとの間の相対変位を打ち消すための方法が開示され、インペラはシャフトの第1の端部に結合され、両者は回転軸の周りで回転するように一緒に動くように配置されており、この方法は、シャフトの第1の端部の軸方向表面とインペラの対向する軸方向表面との間に摩擦リングをクランプするステップを含む。
本発明による方法の技術的効果及び利点は、本発明によるターボ機械の技術的効果及び利点に準じる。
本発明の第3の態様によれば、回転軸の周りを回転するように一緒に配置された、第1の端部を有するシャフトと、シャフトの第1の端部に配置されて結合されたインペラとを備えるターボ機械に摩擦リングを使用することが開示され、摩擦リングは、シャフトの第1の端部の軸方向表面と、インペラの対向する軸方向表面との間にクランプされ、シャフトの第1の端部の軸方向表面とインペラの対向する軸方向表面との間の相対変位を打ち消すようになっている。
本発明による摩擦リングを使用することによる技術的効果及び利点は、本発明によるターボ機械の技術的効果及び利点に準じる。
本発明によるターボ機械の一実施形態を示す概略組立分解図である。 図1の軸1に沿った概略断面を示す。 図2の断面による領域Xの概略拡大図である。
本発明は、特定の実施形態を参照して以下に説明される。これらの特定の実施形態は、本発明を代表するものであるが、限定するものとして見なすべきではない。本発明は、以下に示す及び/又は説明する特定の実施形態に限定されず、本明細書の精神の範囲内で代替的な実施形態を生じることができる。各図は単に概略的であり、必ずしも本発明の全ての部分を表しておらず、限定的ではなく、必ずしも縮尺通りでもない。
本明細書において「一実施形態」への言及がなされる場合、この言及は、この特定の実施形態を参照して説明される特定の特性、構造又は特徴が、本発明の1又は2以上の実施形態に含まれることを意味する。本明細書における「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「好ましい実施形態」等への言及は、同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしもそうではない。さらに、特定の実施形態の特定の特性、構造又は特徴は、1又は2以上の実施形態において何らかの適切な方法で組み合わせることができる。
図1は、本発明によるターボ機械の一実施形態を示す概略組立分解図である。図1では、ターボ機械の全ての部品が見えているわけではない。
図示される実施形態は、シャフト10、インペラ20、摩擦リング30、ドローボルト40及びナット50を備える。好ましくは、これらの部品の各々は、実質的に軸対称であり、軸対称からの逸脱は、使用される製造プロセスの公差制限、摩耗、又は1又は2以上の構造体の追加から生じ、その合計質量は、これらの1又は2以上の構造体が追加される部品の質量に対して10%未満、好ましくは1%未満、さらに好ましくは0.1%未満、さらにより好ましくは0.01%未満、最も好ましくは0.001%未満である。好ましくは、これらの部品の各々の位置合わせは、ISO21940規格にグレードG1、より好ましくはグレードG0.7で適合する。
好ましくは、これらの部品は、その個々の対称軸が実質的に一致するように、互いに対して位置合わせされる。これらの部品は、ターボ機械の回転軸1の周りで一緒に回転するように配置される。好ましくは、これらの部品は、その個々の対称軸が回転軸1に実質的に一致するように位置合わせされる。
図2及び図3は、これらの部品の詳細を示す。以下、図示の実施形態の部品及び組立を説明し、その後、図示の実施形態におけるそれらの協働を説明する。
シャフト10は、シャフト10の対称軸と実質的に同心である第1の軸方向ボア11を備える。シャフト10は、第2の軸方向ボア12を備え、第2の軸方向ボアは、第1の軸方向ボア11及びシャフト10の対称軸と実質的に同心である。第1の軸方向ボア11は、第2の軸方向ボア12よりも深い。第1の軸方向ボア11は、第2の軸方向ボア12よりも小さい直径を有する。
好ましくは、第2の軸方向ボア12は、1mmより大きい深さを有し、より好ましくは3mmより大きい深さを有し、さらに好ましくは5mmより大きい深さを有し、最も好ましくは10mmより大きい深さを有する。好ましくは、第2の軸方向ボア12は、50mm未満の深さを有し、より好ましくは40mm未満の深さを有し、さらに好ましくは30mm未満の深さを有し、最も好ましくは20mm未満の深さを有する。
好ましくは、第1の軸方向ボア11は、第2の軸方向ボア12の深さよりも少なくとも20mm大きい深さを有し、より好ましくは少なくとも30mm大きい深さ、さらに好ましくは少なくとも40mm大きい深さ、最も好ましくは少なくとも50mm大きい深さを有する。好ましくは、第1の軸方向ボア11は、第2の軸方向ボア12の深さよりも100mmより小さい深さ、より好ましくは90mmより小さい深さ、さらに好ましくは80mmより小さい深さ、最も好ましくは70mmより小さい深さを有する。
好ましくは、第2の軸方向ボア12は、シャフト10の直径の60%より大きい直径、より好ましくはシャフトの直径の65%より大きい直径、さらに好ましくはシャフトの直径の70%より大きい直径、最も好ましくはシャフトの直径の75%より大きい直径を有する。好ましくは、第2の軸方向ボア12は、シャフト10の直径の95%未満の直径、より好ましくは、シャフトの直径の90%未満の直径、さらに好ましくは、シャフトの直径の85%未満の直径、最も好ましくはシャフトの直径の80%未満の直径を有する。
好ましくは、第1の軸方向ボア11は、シャフト10の直径の10%よりも大きい直径、より好ましくはシャフトの直径の15%よりも大きい直径、さらに好ましくはシャフトの直径の20%よりも大きい直径、最も好ましくはシャフトの直径の25%よりも大きい直径を有する。好ましくは、第1の軸方向ボア11は、シャフト10の直径の50%よりも小さい直径を有し、より好ましくは、シャフトの直径の45%よりも小さい直径を有し、さらに好ましくは、シャフトの直径の40%よりも小さい直径を有し、最も好ましくは、シャフトの直径の35%よりも小さい直径を有する。
第1の軸方向ボア11及び第2の軸方向ボア12は、シャフト10上の2つの実質的に同心の環状の端面を規定する。第1の端面13は、シャフトの端部に位置し、シャフトの直径と第2の軸方向ボア12の直径とによって規定される。第2の端面14は、第2の軸方向ボア12に陥凹しており、第1及び第2の軸方向ボアの直径によって規定される。好ましくは、両方の端面は、その縁に丸み又は面取りがあることを除いて、実質的に平面であり、シャフト10の対称軸に実質的に垂直な平面内に位置する。
シャフト10は、好ましくは、鋼で作られている。この鋼は、非合金、低合金、又は高合金とすることができる。また、シャフト10は、当業者に知られている他の適切な材料で作ることができる。
図示の実施形態は、遠心式インペラ20を備える。このようなインペラは、例えば、遠心圧縮機、送風機、又はタービンに使用することができる。シャフト10に向かい合う軸方向端部において、インペラ20は、実質的に円筒形であり、インペラ20の対称軸と実質的に同心である軸方向突出部22を備える。インペラ20及び軸方向突出部22は、インペラ20及び軸方向突出部22の対称軸と実質的に同心であり、インペラ20及び軸方向突出部22の全軸方向深さにわたって延びる軸方向ボア21を備える。
軸方向突出部22は、インペラ20の軸方向端部において、2つの端面を規定する。第1の端面23の内径は、軸方向突出部22の外径によって規定される。第1の端面23の外径は、軸方向端部がもはや実質的に平らではなく、インペラ20の対称軸に実質的に垂直な平面内に位置する直径によって規定される。第2の端面24は、軸方向突出部22の軸方向端部に位置する。第2の端面24の内径は、軸方向ボア21の直径によって規定される。第2の端面24の外径は、軸方向突出部22の外径によって規定される。
好ましくは、インペラ20の第1の端面23は、シャフト10の第1の端面13の外径よりも大きい外径を有する。
軸方向突出部22は、シャフト10の第2の軸方向ボア12の内径よりも小さい外径を有する。これは、ターボ機械の組み立て時に、軸方向突出部22を第2の軸方向ボア12に挿入できるという利点を有する。好ましくは、軸方向突出部22の外径は、シャフト10の第2の軸方向ボア12の内径よりも最大で10%小さく、より好ましくは最大で1%小さく、最も好ましくは最大で0.1%小さい。この直径の小さな差分は、ターボ機械の組み立て時に軸方向突出部22の外壁が第2の軸方向ボア12の内壁と接触し、それによってシャフト10に対するインペラ20の相対的な位置合わせに寄与するという利点を有する。好ましくは、軸方向突出部22の外径は、第2の軸方向ボア12の内径よりも少なくとも0.01%小さい。
好ましくは、軸方向突出部22の長さは、シャフト10の第2の軸方向ボア12の深さよりも短い。これは、シャフト10及びインペラ20にそれぞれ設けられた第2の端面14及び24が、ターボ機械の組み立て時に接触することができないという利点を有する。好ましくは、軸方向突出部22の長さは、シャフト10の第2の軸方向ボア12の深さよりも少なくとも5%短い。しかしながら、いくつかの図示されていない、好ましくない実施形態では、軸方向突出部22の長さは、第2の軸方向ボア12の深さと等しいか又はそれよりも長くすることができ、ターボ機械の組み立て時に端面14及び24は接触することができる。
いくつかの実施形態では、インペラ20は、実質的に鋼で作ることができる。この鋼は、非合金、低合金、又は高合金とすることができる。いくつかの実施形態では、インペラ20は、実質的にアルミニウム又はアルミニウム合金で作ることができる。いくつかの実施形態では、インペラ20は、鋼又はアルミニウム以外の金属であり、好ましくは鋼よりも低い質量密度を有する金属又はこの金属の合金から実質的になることができる。
いくつかの実施形態では、インペラ20は、シャフト10とは異なる材料で実質的に構成することができ、両材料の硬度は必ずしも同じでなくてもよい。好ましい実施形態は、実質的にアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるインペラ20と、実質的に鋼で構成されるシャフト10とを備える。
摩擦リング30は、同心の内径及び外径を有する実質的に円形で実質的に平面のディスクで構成される。好ましくは、摩擦リング30は、軸方向突出部22の外径よりも大きい内径を有する。これは、ターボ機械の組み立て時に、摩擦リング30を軸方向突出部22の周りに配置することができるという利点を有する。好ましくは、摩擦リング30の内径は、軸方向突出部22の外径よりも最大10%大きく、より好ましくは最大1%大きく、最も好ましくは最大0.05%大きい。この直径の小さな差分は、ターボ機械の組み立て時に軸方向突出部22の外壁が摩擦リング30の内壁と接触し、それによってインペラ20に対する摩擦リング30の相対的な位置合わせに寄与するという利点を有する。好ましくは、摩擦リング30の内径は、軸方向突出部22の外径よりも少なくとも0.01%大きい。図示しないいくつかの実施形態では、摩擦リング30は、その外径に軸方向突出部を含むことができる。この突出部は、例えば、摩擦リングの存在を視覚的に確認するのに役立つことができる。図示しないいくつかの実施形態では、摩擦リング30は、同心の内径及び外径を有する実質的に円形で実質的に平面のディスク以外の形状を取ることができる。
摩擦リング30の両端面33a、33bは、実質的にコーティングで覆うことができる。好ましくは、両端面の少なくとも50%がコーティングで覆われ、より好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは両端面が実質的に完全に覆われている。コーティングは、金属又は金属合金の実質的に均一な層、並びに金属又は金属合金の層に部分的に包囲されている離散粒子を含む。離散粒子の中位径は均一な層の厚さの中位径より大きく、離散粒子の平均直径は均一な層の平均厚さより大きい。離散粒子は、実質的にダイヤモンド又はセラミック材料からなる。離散粒子の硬度は、鋼の硬度よりも大きい。好ましくは、離散粒子は、10ミクロンより大きい平均直径を有し、より好ましくは20ミクロンより大きく、さらに好ましくは30ミクロンより大きく、最も好ましくは40ミクロンより大きい。好ましくは、均一層の平均厚さは、離散粒子の平均厚さの60%より大きい。好ましくは、均一層の平均厚さは、離散粒子の平均厚さの90%未満である。好ましくは、離散粒子の表面密度は、50粒子/mm2より大きく、より好ましくは100粒子/mm2より大きく、さらに好ましくは200粒子/mm2より大きく、最も好ましくは500粒子/mm2より大きい。好ましくは、離散粒子は、摩擦リングの位置合わせ品質を低下させないように、端面33a及び33b上に実質的に均一に分散配置される。
図示の実施形態では、インペラ20は、シャフト10及びインペラ20の軸方向ボア11及び21にそれぞれドローボルト40を挿入することによって、シャフト10の一端にオーバーハング状態で結合される。それにより、インペラ20は、軸方向突出部22が軸10の方向を向くように、軸10に対して配向される。好ましくは、摩擦リング30は、端面13と23との間に位置するように、軸方向突出部22の周りに配置される。しかしながら、いくつかの図示されていない実施形態では、摩擦リング30は、端面14と24との間に位置するように第2の軸方向ボア12に配置することができる。
ドローボルトは、両端部41a及び41bにねじが切られている。好ましくは、ドローボルトは、軸方向ボア21の直径よりも小さい直径を有するネック部43を備える。好ましくは、ドローボルトは、肩部42を備える。好ましくは、肩部42の直径は、軸方向ボア21の直径と実質的に同じである。好ましくは、挿入前に、ドローボルト40は、肩部42が軸方向ボア21内に挿入して配置することができるように、例えば、液体窒素による冷却のような処理を受ける。
ねじ付き端部41bは、適合するねじ山を備えるシャフト10の第1の軸方向ボア11にねじ込まれる。適合するねじ山を有するナット50は、端部41aにねじ込まれる。ナット50を締結することにより、インペラ20及びシャフト10は、互いに向かって移動する。軸方向突出部22は、第2の軸方向ボア12に挿入される。
ナット50は、少なくともシャフト10及びインペラ20のそれぞれの第1の端面13及び23が、摩擦リング30の両方の端面33a及び33bにそれぞれ接触するまで、又は、いくつかの図示されていない好ましくない実施形態では、シャフト10及びインペラ20のそれぞれの第2の端面14及び24が、摩擦リング30のそれぞれの第2の端面33a及び33bに接触するまで締結される。好ましくは、最終位置のナット50は、インペラ20の第3の端面25に接触する。好ましくは、ドローボルト40には、ナット50が締結される前に予張力が加えられる。好ましくは、ドローボルトの張力は、200kN以上の引張力で発生する。好ましくは、ドローボルトの張力は、350kN以下の引張力で発生する。好ましくは、ナット50は、第1の軸方向端面13及び23が、500MPa以上の接触圧でそれぞれの端面33a及び33bに押し付けられるまで締結される。好ましくは、ナット50は、第1の軸方向端面13及び23が、800MPa以下の接触圧力でそれぞれの端面33a及び33bに押し付けられるまで締結される。ドローボルト40を付勢して、ナット50を締結することにより、摩擦リングの端面33a及び33b上の離散粒子は、シャフト10及びインペラ20のそれぞれの端面13及び23に押し込まれる。好ましくは、離散粒子は、2ミクロンを超えて、より好ましくは5ミクロンを超えて、最も好ましくは10ミクロンを超えて、端面13及び23に入り込む。
インペラ20はシャフト10にオーバーハング状態で結合されるので、インペラ20の軸方向片側に沿ってのみ軸受(図示せず)が存在する。好ましくは、ターボ機械のインペラ20は、機械の通常の動作点において、回転軸1の周りで毎分5000回転を超える、より好ましくは毎分10000回転を超える、最も好ましくは毎分20000回転を超える回転数で回転する。好ましくは、インペラ20の質量は、シャフト10の質量の50%以上である。好ましくは、インペラ20の質量は、シャフト10の質量の400%以下である。
片側軸受は、達成される速度及びインペラとシャフトとの間の質量比と共に、ターボ機械の位置合わせに非常に高い要求を突き付ける。好ましくは、組み立て後の回転軸1の周りの回転のためのターボ機械の位置合わせは、ISO21940規格のグレードG6.3、より好ましくはグレードG2.5、最も好ましくはグレードG1に従う。
ターボ機械の運転中、一般的にすべてが回転軸1に正確に一致しない回転部品の質量中心に作用する遠心力は、摩擦リング30の端面33aとシャフト10の端面13との間、及び摩擦リング30の端面33bとインペラ20の端面23との間のせん断力をもたらす。これらのせん断力は、この端面間の静的摩擦力及び動的摩擦力によって打ち消される。せん断力が静止摩擦力を上回ると、この端面間に半径方向変位が生じる可能性がある。このような半径方向変位は、機械のアンバランスを許容できないレベルまで増大させる可能性がある。
摩擦リング30の存在により、端面33a及び33bのコーティングに含まれる離散粒子は、上述のようにターボ機械の組み立て時に端面13及び23に押し込まれる。この押し込みの結果、摩擦リング30の端面33aとシャフト10の端面13との間、及び摩擦リング30の端面33bとインペラ20の端面23との間で、摩擦係数、結果として摩擦力が増加する。好ましくは、この端面間の静止摩擦係数は、0.4より大きく、より好ましくは0.5より大きく、さらに好ましくは0.6より大きく、最も好ましくは0.7より大きい。
より大きな摩擦係数と、その結果生じる対向する端面の間のより大きな摩擦力のために、端面間の半径方向変位は打ち消され、振幅が減少するか又は回避される。
本発明によるターボ機械の実施形態の利点は、インペラをアルミニウムで作ることができることである。アルミニウム製インペラは軽量であり、より動的なロータ挙動が可能になり、より精密な位置合わせを必要としないが、摩擦リングがなければ、アルミニウム製インペラと鋼製シャフトとの間の摩擦力は、ターボ機械の通常の動作条件下でインペラとシャフトとの間の半径方向変位を打ち消すには小さすぎる。当業者は、言及された実施形態の他の利点が、例えば、鋼製インペラと鋼製シャフトとの組み合わせのような、シャフトとインペラの材料の何らかの組み合わせにも当てはまることを理解することができであろう。
インペラ20とシャフト10との間に、例えばハースカップリングのような自己調心カップリングを必要としないことは、本発明によるターボ機械の一実施形態の利点である。
同じ許容振動レベルに関して、摩擦リングを有しないターボ機械よりも高速で動作できることは、本発明によるターボ機械の一実施形態の利点である。
同じ許容振動レベルに関して、摩擦リングを有しないターボ機械よりもより迅速に速度を変更することができることは、本発明によるターボ機械の一実施形態の利点である。
同じ許容振動レベルに関して、インペラの質量とシャフトの質量との間の比を、摩擦リングを有していないターボ機械よりも大きくすることができることは、本発明によるターボ機械の一実施形態の利点である。
1 回転軸
10 シャフト
13 軸方向表面
20 インペラ
23 軸方向表面
30 摩擦リング

Claims (12)

  1. 回転軸(1)の周りを回転するように一緒に配置された、第1の端部を有するシャフト(10)と、前記シャフトの前記第1の端部に配置されて結合されたインペラ(20)とを備えるターボ機械であって、
    前記ターボ機械は、前記シャフト(10)の前記第1の端部の軸方向表面(13)と前記インペラ(20)の対向する軸方向表面(23)との間にクランプされた摩擦リング(30)を備えることを特徴とする、ターボ機械。
  2. 前記インペラ(20)は、ドローボルト結合によって前記シャフト(10)の前記第1の端部に結合されている、請求項1に記載のターボ機械。
  3. 前記摩擦リング(30)は、前記シャフト(10)の前記第1の端部の前記軸方向表面(13)と前記インペラ(20)の前記対向する軸方向表面(23)との間で、前記ドローボルト結合によってクランプされている、請求項2に記載のターボ機械。
  4. 前記インペラ(20)及び前記シャフト(10)は、実質的に異なる材料からなり、前記インペラ(20)の材料は、前記シャフト(10)の材料よりも低い質量密度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のターボ機械。
  5. 前記摩擦リング(30)は、前記シャフト(10)の前記第1の端部の前記軸方向表面(13)と前記インペラ(20)の前記対向する軸方向表面(23)との間の相対変位を打ち消すようになっている、請求項1から4のいずれか一項に記載のターボ機械。
  6. 前記摩擦リング(30)の前記軸方向表面(33a、33b)は、少なくとも部分的にコーティングによって覆われており、前記コーティングは、金属又は金属合金の実質的に均一な層、並びに前記金属又は金属合金の層に少なくとも部分的に包囲されている離散粒子を含み、前記離散粒子の中位径は、前記金属又は金属合金の層の厚さより大きい、請求項5に記載のターボ機械。
  7. 前記粒子の硬度は、前記インペラ(20)の前記対向する軸方向表面(23)の材料の硬度よりも高い、請求項6に記載のターボ機械。
  8. 前記粒子は、実質的にダイヤモンド又はセラミック材料からなる、請求項7に記載のターボ機械。
  9. 前記インペラ(20)は、遠心インペラである、請求項1から8のいずれか一項に記載のターボ機械。
  10. 前記ターボ機械は、圧縮機、送風機、又はタービンである、請求項1から9のいずれか一項に記載のターボ機械。
  11. ターボ機械のインペラ(20)とターボ機械のシャフト(10)との間の相対変位を打ち消すための方法であって、前記インペラ(20)は、前記シャフトの第1の端部に結合され、前記インペラ(20)及び前記シャフトは回転軸(1)の周りを回転するように一緒に動くように配置されており、前記方法は、
    前記シャフト(10)の前記第1の端部の軸方向表面(13)と、前記インペラ(20)の対向する軸方向表面(23)との間に摩擦リング(30)をクランプするステップ、
    を含む方法。
  12. 回転軸(1)の周りを回転するように一緒に配置された、第1の端部を有するシャフト(10)と、シャフトの第1の端部に配置されて結合されたインペラ(20)とを備えるターボ機械に摩擦リング(30)を使用することであって、
    前記摩擦リング(30)は、前記シャフト(10)の第1の端部の軸方向表面(13)と、前記インペラ(20)の対向する軸方向表面(23)との間にクランプされ、前記シャフト(10)の前記第1の端部の前記軸方向表面(13)と前記インペラ(20)の前記対向する軸方向表面(23)との間の相対変位を打ち消すようになっている、摩擦リング(30)の使用。
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