JP2023548475A - S1p1受容体に関係する病態を治療する方法 - Google Patents

S1p1受容体に関係する病態を治療する方法 Download PDF

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Abstract

1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の標準用量をそれを必要とする個体に処方しかつ/または投与する工程を含む、スフィンゴシン1-リン酸サブタイプ1(S1P1)受容体関連障害の治療の方法が提供される。【図4】TIFF2023548475000008.tif96163【化1】TIFF2023548475000009.tif52150

Description

アトピー性皮膚炎、および好酸球性食道炎を含めた好酸球性GI疾患等、スフィンゴシン1-リン酸サブタイプ1(S1PまたはSIP1)受容体関連障害の治療において有用な方法が提供される。
スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体1~5は、7回膜貫通型ドメインを有するGタンパク質共役受容体のファミリーをなす。S1P~S1Pと称される(以前は、それぞれ内皮分化遺伝子(EDG)受容体-1、-5、-3、-6、および-8と称された)これらの受容体は、スフィンゴシンのスフィンゴシンキナーゼ触媒によるリン酸化によって産生されるスフィンゴシン-1-リン酸による結合を介して活性化される。S1P、S1P、およびS1P受容体は、Giを活性化するがGqを活性化せず、一方でS1PおよびS1P受容体は、GiおよびGqの両方を活性化する。S1P受容体ではなくS1P受容体は、細胞内カルシウムの増加を有してアゴニストに応答する。
アトピー性湿疹としても知られるアトピー性皮膚炎は、身体の屈曲表面にしばしば局在する、掻痒性で紅斑性でかつ鱗屑性の皮膚病変によって特徴付けられる慢性炎症性皮膚病態である。それは、アレルギー三徴の一部として喘息およびアレルギー性鼻炎を提示し得;アトピー性皮膚炎を有する子どもの推定30パーセントが以後の人生で喘息を発症する。アトピー性皮膚炎の発生は、一般的に2歳より前であり、症例のほんの10%が5歳以後に診断される。米国における子どもについての2003年の調査は、およそ11パーセントの全体有病率、および一部の州では19パーセントもの高さを推定した。2007年の米国人口に基づく調査は、推定1780万人がアトピー性皮膚炎を有して生きており、ほとんどの場合は診断されていないことを示唆した。早期診断および治療は、睡眠障害、慢性炎症後皮膚変化、むしり取りおよび引っ掻きによる瘢痕化、ならびにブドウ球菌(Staphylococcus)、レンサ球菌(Streptococcus)、およびヘルペス種による二次性皮膚感染症の発症、による顕著な罹患率を阻止し得る。
慢性アトピー性皮膚炎は、繰り返される引っ掻きによる苔蘚化を示す。図3および4を参照されたい。アトピー性皮膚炎は、身体の屈曲表面、前頸部および側頸部、まぶた、額、顔、手首、足の背部、ならびに手に関与する傾向がある。
食道における高レベルの好酸球によって特徴付けられる疾患である好酸球性食道炎(EoE)等の食道炎症障害、ならびに基底帯状過形成(basal zonal hyperplasia)は、子どもおよび成人においてますます診断されつつある。その病因、自然史、および最適療法を含めた、該疾患の多くの態様は不明なままである。EoEはすべての年齢層に影響を及ぼすが、20~50歳の個体に最も高い頻度で影響を及ぼす。EoEの症状は、胃食道逆流性疾患(GERD)のものをしばしば模倣し、嘔吐、嚥下障害、痛み、および食片圧入を含む。該疾患は痛みを伴い、嚥下困難につながり、患者を他の合併症にかかりやすくする。EoEはGERDとしばしば誤診され、EoE患者に対する適正な治療の遅延を引き起こす。
化合物1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物
Figure 2023548475000002
は、S1Pアゴニストとして報告されている。参照によりその全体として本明細書によって組み込まれる、PCT特許公報WO2019/210511および米国特許10280158を参照されたい。
現在の療法は、ほんの一過性のまたはわずかな症状軽減のみを提供することが多いことから、アトピー性皮膚炎および好酸球性GI疾患等、SIP1受容体関連障害に罹患している個体を有効に治療する必要性が存在する。本開示はこの必要性を満たし、関係する利点も提供する。
本出願を通した任意の参考文献の引用は、そのような参考文献が本出願に対する先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、SIP1受容体関連障害を有する個体を治療する方法が提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、アトピー性皮膚炎を有する個体を治療する方法も提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性GI疾患を有する個体を治療する方法も提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性食道炎(EoE)を有する個体を治療する方法も提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、喘息を有する個体を治療する方法も提供される。
本明細書に開示される本発明のこれらのおよび他の態様は、本特許開示が進むにつれて、より詳細に明記されるであろう。
その苔蘚化形態の慢性アトピー性皮膚炎および関連する色素沈着を描写した画像である。 苔蘚化プラーク、ならびに繰り返される引っ掻きにより生じた脱色素を示す慢性アトピー性皮膚炎を描写した画像である。 EoEの発病機序を描写した図である。工程1において、食道上皮細胞は、樹状細胞をTh2表現型に極性化(polarize)する。工程2において、樹状細胞はリンパ節(LN)に遊走し、Th2 T細胞分化を促進する。工程3において、新たに活性化されたTh2細胞はLNを去る。工程4において、Th2細胞は食道に遊走し、サイトカインを分泌する。工程5において、好酸球は、Th2サイトカインを介して食道に動員される。 欧州多施設試験に登録された成人EoE患者における内視鏡的明示:白色滲出物(a)、縦走溝(b)、びまん性浮腫(c)、固定した輪(d)、重度の狭窄(e)、ならびに輪、溝、および浮腫(f)が示された画像である。 実施例6に記載される調査に関するスキーマを描写した図である。 皮膚におけるBおよびT細胞に対する化合物1(AR507630)の効果を示したグラフである。 白血球およびリンパ球頻度に対する化合物1の効果を示したグラフである。 皮膚肥厚に対する化合物1の効果を示したグラフである。 気管支肺胞洗浄(BAL)における免疫細胞に対する化合物1の効果を示したグラフである。 気道抵抗またはエラスタンスによって測定される肺機能に対する化合物1の効果を示したグラフである。
本明細書において使用するとき、以下の単語および語句は、それらが使用される文脈が別様に示す程度までを除いて、概して、下で明記される意味を有することを意図される。
化合物1:本明細書において使用するとき、「化合物1」とは、その結晶形態を含めた、1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸を意味する。非限定的な例として、化合物1は、CN105315266(参照によりその全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるI型、IV型、XII型、II型、III型、V型、VI型、VII型、VIII型、IX型、X型、およびXI型のいずれかであり得る。非限定的な例として、化合物1は、CN108299412またはWO2019/210511(そのそれぞれは参照によりその全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるナトリウム塩または結晶形態であり得る。化合物1は、限定されることなく、CN105348276(参照によりその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される過程またはUS10280158(参照によりその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される過程を含めた、当技術分野において公知の技法を使用して調製され得る。
中等度から重度のアトピー性皮膚炎:本明細書において使用するとき、「中等度から重度のアトピー性皮膚炎」とは、以下の特質:(1)10%体表面積(BSA)の最小限の関与;(2)BSAにかかわらず、中等度から重度特質を有する個々の病変;非常に目立つエリアまたは機能に重要なもの(例えば、頸部、顔、生殖器、掌、および/または足底)の関与;および顕著に損なわれた生活の質、のうちの1つまたは複数が存在することを意味する。
外因性またはアレルギー性アトピー性皮膚炎:外因性またはアレルギー性アトピー性皮膚炎とは、高い総血清IgEレベル、ならびに環境および食物アレルゲンに対する特異的IgEの存在を有するアトピー性皮膚炎である。
内因性または非アレルギー性アトピー性皮膚炎:内因性または非アレルギー性アトピー性皮膚炎とは、通常の総IgE値および特異的IgEの非存在を有するアトピー性皮膚炎である。
好酸球性食道炎:本明細書において使用するとき、「好酸球性食道炎」または「EoE」とは、食道内の異常な好酸球性炎症および食道機能不全によって特徴付けられる炎症性疾患を意味する。EoEの一次症状は、胸部および腹部痛、嚥下障害、胸焼け、拒食、嘔吐、ならびに食片圧入を含むが、それらに限定されるわけではない。EoEの臨床病理学は、食道壁における隆起または気管様輪の存在、および食道粘膜における好酸球浸潤によって特徴付けられる。EoEは、現在、食道の内視鏡検査、それに続く食道粘膜内層の顕微鏡的および生化学的分析によって診断される。EoEは、対象の状態に応じてアレルギー性または非アレルギー性として分類され得る。本発明は、EoEのアレルギー性および非アレルギー性形態の両方を治療する方法を含む。
食道狭窄:本明細書において使用するとき、食道狭窄は、それらの直径および関連する解剖学的異常に基づき、単純または複合として分類され得る。単純狭窄は、対称性または求心性の内腔、および内視鏡を用いて容易に横断され得る≧12mmの直径、を有する短い狭窄として定義される。複合狭窄は、通常、2cmよりも長く、角張ってまたは不規則であり得、<12mmの直径を有する。それは、巨大裂孔ヘルニア、食道憩室、または気管食道瘻と関連し得る。複合狭窄は、単純狭窄と比較して、より高い再発率および膨張に関係する有害事象のリスクの増加を有する。狭窄の重症度は、9mmの典型的な外径を有する診断用内視鏡の通過により遭遇する抵抗によって推定され得る。軽度の狭窄は、抵抗なく内視鏡の通過を可能にし、中等度の狭窄は抵抗の増加を与え、一方で重度の狭窄は横断不能であり得る。
アレルゲン:本明細書において使用するとき、「アレルゲン」とは、影響を受けやすい個体においてアレルギー応答を刺激し得る任意の物質、化学物質、粒子、または組成物を意味する。アレルゲンは、例えば乳製品(例えば、牛乳)、卵、小麦、大豆、トウモロコシ、ライ麦、魚類、甲殻類、ピーナッツ、および木の実等の食料品の中に含有され得るまたはそれに由来し得る。代替的に、アレルゲンは、例えばホコリ(例えば、イエダニを含有する)、花粉、昆虫毒(例えば、ハナバチ、カリバチ、蚊の毒等)、カビ、動物鱗屑、ラテックス、医薬品、薬物、ブタクサ、草、およびカバノキ等の非食料品の中に含有され得るまたはそれに由来し得る。
アレルギー応答またはアレルギー反応またはアレルギー症状:本明細書において使用するとき、「アレルギー応答」、「アレルギー反応」、「アレルギー症状」等の語句は、蕁麻疹(例えば、じんましん)、血管性浮腫、鼻炎、喘息、嘔吐、くしゃみ、鼻水、副鼻腔炎、涙目、喘鳴、気管支痙攣、最大呼気流量(PEF)の低下、胃腸障害、紅潮、腫れた唇、腫れた舌、血圧の低下、アナフィラキシー、および臓器機能不全/不全から選択される1つまたは複数の兆候または症状を含む。「アレルギー応答」、「アレルギー反応」、「アレルギー症状」等は、例えばIgE産生の増加、アレルゲン特異的免疫グロブリン産生の増加、および/または好酸球増多等、免疫学的応答および反応も含む。
好酸球浸潤:本明細書において使用するとき、「好酸球浸潤」とは、対象の血液、食道、胃、十二指腸、および回腸を含めた臓器または組織における好酸球の存在を指し、より具体的には、食道および胃を含むがそれらに限定されない胃腸管の領域の粘膜内層における好酸球の存在を指す。好酸球浸潤は、例えば、EoEに罹患している対象の食道組織生検において分析される。一部の実施形態によれば、「好酸球浸潤」とは、食道における高倍率視野あたり≧15個の好酸球の存在を指す。「高倍率視野」という用語は、例えば対象の食道由来の、組織における好酸球を見るために使用される顕微鏡による、400×の標準的総倍率を指す。ある特定の実施形態において、「好酸球浸潤」は、白血球、例えばリンパ球、好中球、およびマスト細胞による組織への浸潤を含む。例えば食道組織への、白血球浸潤は、好酸球特異的マーカー(例えば、CD11c低/陰、SiglecF、F4/80、EMR1、Siglec8、およびMBP2)、マクロファージ特異的マーカー(例えば、CD11b、F4/80、CD14、EMR1、およびCD68)、好中球特異的マーカー(例えば、CD11b、Ly6G、Ly6C、CD11b、およびCD66b)、およびT細胞特異的マーカー(例えば、CD3CD4CD8)等、細胞表面マーカーによって検出され得る。
食道好酸球の低下:本明細書において使用するとき、「食道好酸球の低下」とは、EoEを有し、かつ化合物1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物もしくは水和物で治療されたことがある対象の食道において測定される好酸球および他の白血球の数が、化合物1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物もしくは水和物で治療されたことがない同じまたは等価の対象において測定される食道好酸球よりも少なくとも5%、10%、20%、50%、70%、80%、または90%低いことを意味する。ある特定の実施形態において、低下する好酸球浸潤とは、食道粘膜の生検における高倍率視野あたり、10個未満の好酸球、9個未満の好酸球、8個未満の好酸球、7個未満の好酸球、6個未満の好酸球、または5個未満の好酸球等、高倍率視野あたり15個未満の好酸球を検出することを意味する。ある特定の実施形態において、食道好酸球の低下とは、対象の食道粘膜において好酸球が検出されないことを意味する。
EOE関連バイオマーカー:本明細書において使用するとき、「EoE関連バイオマーカー」という用語は、非EoE患者において存在するまたは検出可能なマーカーのレベルまたは量とは異なる(例えば、それよりも多いまたはそれよりも少ない)レベルまたは量でEoE患者において存在するまたは検出可能である、任意の生物学的応答、細胞タイプ、パラメーター、タンパク質、ポリペプチド、酵素、酵素活性、代謝産物、核酸、炭水化物、または他の生体分子を意味する。例示的なEoE関連バイオマーカーは、例えば食道好酸球、エオタキシン-3(CCL26)、ペリオスチン、血清IgE(全体およびアレルゲン特異的)、IL-13、IL-5、血清胸腺および活性化調節ケモカイン(TARC;CCL17)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、血清好酸球性カチオン性タンパク質(ECP)、ならびに好酸球由来神経毒素(EDN)を含むが、それらに限定されるわけではない。「EoE関連バイオマーカー」という用語は、EoEを有しない対象と比較して、EoEを有する対象において示差的に発現される、当技術分野において公知の遺伝子または遺伝子プローブも含む。例えば、EoEを有する対象において有意に上方調節される遺伝子は、CCL8、CCL23、およびCCL26等のT-ヘルパー2(Th2)関連ケモカイン、ペリオスチン、カドヘリン様-26、ならびにTNFα誘導性タンパク質6を含むが、それらに限定されるわけではない。代替的に、「EoE関連バイオマーカー」は、終末分化タンパク質(例えば、フィラグリン)等、EoEに起因して下方調節される遺伝子も含む。ある特定の実施形態は、化合物1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物もしくは水和物の投与による疾患好転をモニターするためのこれらのバイオマーカーの使用に関する。そのようなEoE関連バイオマーカーを検出しかつ/または定量するための方法は、当技術分野において公知であり;そのようなEoE関連バイオマーカーを測定するためのキットは、様々な商業的供給源から入手可能であり;様々な商業的診断検査室は、そのようなバイオマーカーの測定結果を提供するサービスも与える。
投与すること:本明細書において使用するとき、「投与すること」とは、個体が化合物を内在化するように、化合物、または他の療法、治療薬、もしくは治療を提供することを意味する。
共投与する:本明細書において使用するとき、「共投与する」および「共投与」、ならびにその異形は、後に、同時に、またはその結果として互いに時間が接近した(例えば、同日もしくは同週もしくは30日間の期間内、または少なくとも2種の薬物のそれぞれが、血漿中で同時に検出され得る十分に近接した)、患者への少なくとも2種の薬物の投与を意味する。共投与される場合、2種以上の活性剤は、同じ組成物の一部として共製剤化され得る、または別個の製剤として投与され得る。これは、本明細書において「付随」投与またはその異形とも称され得る。
処方すること:本明細書において使用するとき、「処方すること」とは、薬物、または他の療法、治療薬、もしくは治療の使用を命じること、権限を与えること、または推奨することを意味する。一部の実施形態において、医療実践者は、化合物、投薬レジメン、または他の治療の使用を個体に口頭で助言し得る、推奨し得る、または権限を与え得る。この場合、医療実践者は、化合物、投薬レジメン、または治療の処方箋を提供してもしなくてもよい。さらに、医療実践者は、推奨される化合物または治療を提供してもしなくてもよい。例えば、医療実践者は、化合物を提供することなく、化合物をどこで獲得するべきかを個体に助言し得る。一部の実施形態において、医療実践者は、化合物、投薬レジメン、または治療の処方箋を個体に提供し得る。例えば、医療実践者は、書面または口頭の処方箋を個体に与え得る。処方箋は、紙面に、またはコンピューターファイル等の電子媒体に、例えば携帯用コンピューターデバイスに書かれ得る。例えば、医療実践者は、紙切れまたは電子媒体を化合物、投薬レジメン、または治療の処方箋で変換し得る。加えて、処方箋は、電話され得る(口頭)、ファックスされ得る(書面)、またはインターネットを介して薬局もしくは調剤薬局に電子的に提出され得る。一部の実施形態において、化合物または治療のサンプルが個体に与えられ得る。本明細書において使用するとき、化合物のサンプルを与えることは、化合物の黙示的処方箋をなす。世界中の種々の医療システムは、化合物もしくは治療を処方しかつ/または投与するための種々の方法を使用し、これらの方法は本開示によって包含される。
処方箋は、例えば個体の名前、および/または生年月日等の身元が分かる情報を含み得る。加えて、例えば、処方箋は、医薬品名、医薬品強度、用量、投与の頻度、投与の経路、施されるべき回数または量、補給の回数、医師名、医師署名等を含み得る。さらに、例えば、処方箋は、DEA番号および/または州番号を含み得る。
医療実践者は、例えば医師、看護師、診療看護師(nurse practitioner)、またはスフィンゴシン1-リン酸サブタイプ1(S1P)受容体関連障害の治療のための化合物(薬物)を処方し得るもしくは投与し得る他の関係する医療専門家を含み得る。加えて、医療実践者は、例えば保険業者を含めた、個体に推奨し得る、処方し得る、投与し得る、または化合物もしくは薬物を受けるのを阻止し得る誰かを含み得る。
阻止する、阻止すること、または阻止:本明細書において使用するとき、スフィンゴシン1-リン酸サブタイプ1(S1P)受容体関連障害、または特定の障害と関連した1つもしくは複数の症状の出現もしくは発生の阻止等、「阻止する」、「阻止すること」、または「阻止」という用語は、必ずしも障害の完全な阻止を意味するわけではない。例えば、「阻止する」、「阻止すること」、および「阻止」という用語は、疾患または病態の少なくとも1つの症状を最終的に示し得るがまだそうなっていない個体への、予防的または阻止的な療法の投与を意味する。そのような個体は、疾患のその後の出現と相関することが公知であるリスク因子に基づいて特定され得る。代替的に、阻止療法は、予防的手段として、リスク因子の事前の特定なしで投与され得る。少なくとも1つの症状の発生を遅延させることも、阻止または予防と見なされ得る。
治療する、治療すること、または治療:本明細書において使用するとき、「治療する」、「治療すること」、または「治療」という用語は、疾患もしくは病態の少なくとも1つの症状をすでに示す、または疾患もしくは病態の少なくとも1つの症状を以前に示したことがある個体への療法の投与を意味する。例えば、「治療すること」は、疾患もしくは病態症状を緩和する、弱める、もしくは改善する、付加的な症状を阻止する、症状の根本的代謝原因を改善する、疾患もしくは病態を阻害する、例えば疾患もしくは病態の発症を食い止める、疾患もしくは病態を軽減する、疾患もしくは病態の退縮を引き起こす、疾患もしくは病態によって引き起こされる病態を軽減する、または疾患もしくは病態の症状を止めることを含み得る。例えば、障害に関した「治療すること」という用語は、その特定の障害と関連した1つまたは複数の症状の重症度の低下を意味する。それゆえ、障害を治療することは、必ずしも障害と関連したすべての症状の重症度の低下を意味するわけではなく、必ずしも障害と関連した1つまたは複数の症状の重症度の完全な低下を意味するわけではない。
忍容性を示す:本明細書において使用するとき、その個体へのその用量の投与が、許容できない有害事象または有害事象の許容できない組み合わせをもたらさない場合、個体は化合物の用量に「忍容性を示す」と言われる。当業者であれば、忍容性は主観的測度であること、および1つの個体にとって忍容可能であり得るものが、異なる個体にとって忍容不能であり得ることを解するであろう。例えば、1つの個体は、頭痛に忍容性を示し得ない可能性があるが、一方で第2の個体は、頭痛を忍容可能だと感じ得るが、嘔吐には忍容性を示し得ず、一方で第3の個体にとって、頭痛単独または嘔吐単独のいずれかは忍容可能であるが、たとえそれぞれの重症度が、単独で経験される場合よりも低いとしても、該個体は、頭痛と嘔吐との組み合わせに忍容性を示し得ない。
有害事象:本明細書において使用するとき、「有害事象」とは、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を用いた治療と関連する厄介な医学的出来事である。
治療を必要とするおよびそれを必要とする:本明細書において使用するとき、治療に言及する場合の「治療を必要とする」および「それを必要とする」は、個体または動物が治療を要するまたはそれから恩恵を受けるであろうという、介護者(例えば、ヒトの場合には医師、看護師、診療看護師等;非ヒト哺乳類を含めた動物の場合には獣医)によって下される判断を意味するために互換可能に使用される。この判断は、介護者の専門知識の領域内にあるが、個体または動物が、本発明の化合物によって治療可能である疾患、病態、または障害の結果として病気である、または病気になるであろうという知識を含む、多様な因子に基づいて下される。したがって、本発明の化合物は、防御的もしくは阻止的様式で使用され得る;または、本発明の化合物は、疾患、病態、もしくは障害を緩和する、阻害する、もしくは改善するために使用され得る。
個体:本明細書において使用するとき、「個体」とは、哺乳類を含めた任意の動物、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、最も好ましくはヒトを意味する。一部の実施形態において、ヒト個体は「患者」と称される。
用量:本明細書において使用するとき、「用量」とは、1つの特異的時点で、疾患または障害を治療するまたは阻止するために個体に与えられる、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の分量を意味する。
治療有効量:本明細書において使用するとき、作用物質、化合物、薬物、組成物、または組み合わせの「治療有効量」とは、非毒性であり、かつ対象または患者(例えば、ヒト対象または患者)に投与すると何らかの所望の治療効果をもたらすのに有効である量である。対象に対する正確な治療有効量は、例えば対象のサイズおよび健康状態、病態の性質および程度、投与に選択された治療法または治療法の組み合わせ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存し得る。所与の状況に対する有効量は、ルーチン実験によって決定され、臨床医の判断の内にある。一部の実施形態において、治療有効量は標準用量である。
医薬組成物:本明細書において使用するとき、「医薬組成物」とは、化合物1の塩、溶媒和物、および水和物を含むがそれらに限定されない、化合物1等の少なくとも1種の活性成分を含む組成物を意味し、それによって、組成物は、哺乳類(例えば、限定されることなく、ヒト)における指定された効力のある成果についての検討に適している。当業者であれば、熟練者の必要性に基づき、活性成分が、所望の効力のある成果を有するかどうかを判定するのに適当な技法を理解しかつ解するであろう。
アゴニスト:本明細書において使用するとき、「アゴニスト」とは、S1P受容体等のG-タンパク質共役受容体と相互作用しかつ活性化し、例えばそれによって、その受容体に特徴的な生理学的または薬理学的応答を開始させ得る部分を意味する。例えば、アゴニストは、受容体に結合すると細胞内応答を活性化する、または膜へのGTP結合を増強する。ある特定の実施形態において、本発明のアゴニストは、持続的S1P受容体内在化を促し得るS1P受容体アゴニストである(例えば、Matloubianら、Nature、427、355、2004を参照されたい)。
アンタゴニスト:本明細書において使用するとき、「アンタゴニスト」とは、アゴニスト(例えば、内在性リガンド)と同じ部位で受容体に競合的に結合するが、活性形態の受容体によって開始される細胞内応答を活性化せず、それによって、アゴニストまたは部分的アゴニストによる細胞内応答を阻害し得る部分を意味する。アンタゴニストは、アゴニストまたは部分的アゴニストの非存在下ではベースライン細胞内応答を減じない。
インバースアゴニスト:本明細書において使用するとき、「インバースアゴニスト」とは、内在性形態の受容体にまたは構成的活性化形態の受容体に結合し、アゴニストもしくは部分的アゴニストの非存在下で観察される通常の基底レベル活性より低く、活性形態の受容体によって開始されるベースライン細胞内応答を阻害する、または膜へのGTP結合を減少させる部分を意味する。一部の実施形態において、ベースライン細胞内応答は、インバースアゴニストの存在下で少なくとも30%阻害される。一部の実施形態において、ベースライン細胞内応答は、インバースアゴニストの存在下で少なくとも50%阻害される。一部の実施形態において、ベースライン細胞内応答は、インバースアゴニストの非存在下におけるベースライン応答と比較して、インバースアゴニストの存在下で少なくとも75%阻害される。
水和物:本明細書において使用するとき、「水和物」とは、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的な量の水をさらに含む、本発明の化合物またはその塩を意味する。
溶媒和物:本明細書において使用するとき、「溶媒和物」とは、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的な量の溶媒をさらに含む、本発明の化合物またはその塩を意味する。好ましい溶媒は、揮発性であり、非毒性であり、かつ/または微量でのヒトへの投与に対して許容性である。
本発明に従った化合物は、無機および有機酸を含めた薬学的に許容できる非毒性の酸から調製された、薬学的に許容できる酸付加塩を含めた薬学的に許容できる塩として任意選択で存在し得る。代表的な酸は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences、66:1~19(1977)によって列挙されるそうした薬学的に許容できる塩等、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ジクロロ酢酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸(sulfiric)、酒石酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸等を含むが、それらに限定されるわけではない。
酸付加塩は、化合物合成の直接産物として獲得され得る。代替策では、遊離塩基を、適当な酸を含有する適切な溶媒に溶かし得、塩を、溶媒を蒸発させるまたは塩および溶媒を別様に分離することによって単離し得る。本発明の化合物は、当業者に公知の方法を使用して、標準的な低分子量溶媒と溶媒和物を形成し得る。
化合物1に言及する際に、「薬学的に許容できる塩、溶媒和物、および水和物」という語句、または「薬学的に許容できる塩、溶媒和物、または水和物」という語句が使用される場合、それは、化合物1の薬学的に許容できる溶媒和物および/または水和物、化合物1の薬学的に許容できる塩、ならびに化合物1の薬学的に許容できる塩の薬学的に許容できる溶媒和物および/または水和物を包含することが理解される。塩である化合物1に言及する際に、「薬学的に許容できる溶媒和物および水和物」という語句、または「薬学的に許容できる溶媒和物または水和物」という語句が使用される場合、それは、そのような塩の薬学的に許容できる溶媒和物および/または水和物を包含することも理解される。
本明細書に記載される剤形は、活性構成要素として、化合物1またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物もしくは水和物のいずれかを含み得ることは当業者に明らかであろう。さらに、化合物1の様々な水和物および溶媒和物、ならびにその塩は、医薬組成物の製造における中間体としての使用を見出すであろう。本明細書において触れられるもの以外で、適切な水和物および溶媒和物を作製しかつ同定するための典型的な手順は、当業者に周知であり;例えば、K.J.Guillory、「Generation of Polymorphs,Hydrates,Solvates,and Amorphous Solids」、in:Polymorphism in Pharmaceutical Solids、Harry G.Britain編、第95巻、Marcel Dekker,Inc.、New York、1999の202~209ページを参照されたい。したがって、本開示の1つの態様は、化合物1および/またはその薬学的に許容できる塩の水和物および溶媒和物を処方しかつ/または投与する方法に関連し、それは、熱重量分析(TGA)、TGA-質量分光法、TGA-赤外分光法、粉末X線回折(XRPD)、カール・フィッシャー滴定、高分解能X線回折等、当技術分野において公知の方法によって単離され得かつ特徴付けされ得る。ルーチンで溶媒和物および水和物を同定するための迅速でかつ効率的なサービスを提供するいくつかの商業的実体がある。これらのサービスを与える例となる会社は、Wilmington PharmaTech(Wilmington、DE)、Avantium Technologies(Amsterdam)、およびAptuit(Greenwich、CT)を含む。
本開示は、本化合物、塩、溶媒和物、および水和物に存在する原子のすべての同位体を含む。同位体は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有するそうした原子を含む。本発明の1つの態様は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子で置き換えられる、本化合物、塩、溶媒和物、および水和物における1種または複数の原子のあらゆる組み合わせを含む。1つのそのような例は、HもしくはH(Hを置き換える)、または11C、13C、もしくは14C(12Cを置き換える)等、最も天然に豊富な同位体ではない異なる原子による、本化合物、塩、溶媒和物、および水和物に見出されるHまたは12C等、最も天然に豊富な同位体である原子の置き換えである。そのような置き換えが起きた場合、それは、同位体標識されたと一般に称される。本化合物、塩、溶媒和物、および水和物の同位体標識は、当業者に公知の多様な種々の合成法のいずれか1つを使用して遂行され得、それらのおかげで、そのような同位体標識を行うために必要とされる合成法および使用可能な試薬が理解されたと容易に考えられる。一般的な例としてであり限定されることなく、水素の同位体は、H(デューテリウム)およびH(トリチウム)を含む。炭素の同位体は、11C、13C、および14Cを含む。窒素の同位体は、13Nおよび15Nを含む。酸素の同位体は、15O、17O、および18Oを含む。フッ素の同位体は18Fを含む。硫黄の同位体は35Sを含む。塩素の同位体は36Clを含む。臭素の同位体は、75Br、76Br、77Br、および82Brを含む。ヨウ素の同位体は、123I、124I、125I、および131Iを含む。本発明の別の態様は、合成、プレフォーミュレーション等の間に調製されたもの等の組成物、ならびに本化合物、塩、溶媒和物、および水和物のうちの1種または複数を含む、本明細書に記載される障害の1つまたは複数の治療のための、哺乳類において使用する意図を有して調製されたもの等の医薬組成物を含み、組成物における同位体の天然に存在する分布は摂動する。本発明の別の態様は、塩が、最も天然に豊富な同位体以外の同位体を用いて1つまたは複数の位置で富化されている、本明細書に記載される化合物、塩、溶媒和物、および水和物を含む組成物および医薬組成物を含む。質量分析等、そのような同位体摂動または富化を測定するための方法が容易に使用可能であり、放射性同位体である同位体に関しては、HPLCまたはGCと接続して使用されるラジオ検出器等、付加的な方法が使用可能である。
本発明の化合物は「プロドラッグ」に転換され得る。「プロドラッグ」という用語は、当技術分野において公知の特異的化学基で改変されており、個体に投与された場合に生体内変換を受けて親化合物を与える化合物を意味する。ゆえに、プロドラッグは、化合物の特性を変更するためにまたは排除するために一過性の様式で使用される1種または複数の特殊化した非毒性の保護基を含有する本発明の化合物として見なされ得る。1つの一般的な態様において、経口吸収を促すために「プロドラッグ」手法が利用される。徹底的な議論は、T.HiguchiおよびV.Stella、Prodrugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987において提供され、その両方とも参照によりそれらの全体として本明細書によって組み込まれる。
本明細書に開示される方法において整数が使用される場合、「約」という用語は、整数の前に挿入され得る。
本明細書を通して、文脈が別様に要しない限り、「含む(comprise)」という単語、または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」という変形は、任意の他の工程もしくは要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群の除外ではなく、記述された工程もしくは要素もしくは整数、または工程もしくは要素もしくは整数の群の内包を暗示すると理解されるであろう。
本明細書を通して、具体的に別様に記述されないまたは文脈が別様に要しない限り、単一の工程、物の組成、工程の群、または物の組成の群への言及は、1つおよび多数(すなわち、1つまたは複数)のそうした工程、物の組成、工程の群、または物の組成の群を包含すると捉えられるものとする。
本明細書に記載される各実施形態は、具体的に別様に記述されない限り、必要な変更を加えて、ありとあらゆる他の実施形態に適用され得る。
当業者であれば、本明細書に記載される本発明は、具体的に記載されるもの以外の変形および改変を受けやすいことを解するであろう。本発明は、すべてのそのような変形および改変を含むことが理解されるべきである。本発明は、具体的に別様に記述されない限り、個々にまたは集合的に本明細書において言及されるまたは示される工程、特質、組成物、および化合物のすべて、ならびに前記工程または特質の任意の2種以上のありとあらゆる組み合わせも含む。
本発明は、単に例示の目的を意図される、本明細書に記載される具体的な実施形態によって範囲を限定されるべきではない。本明細書に記載されるように、機能的に等価の産物、組成物、および方法は、明確に本発明の範囲内にある。
明瞭性のために別個の実施形態の文脈に記載される、本発明のある特定の特質は、単一の実施形態において組み合わせでも提供され得ることが解される。反対に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈に記載される、本発明の様々な特質は、別個にまたは任意の適切な部分組み合わせでも提供され得る。例えば、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を処方する工程および/または投与する工程を挙げる方法は、2種の方法;化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を処方する工程を挙げる一方の方法、および化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を投与する工程を挙げる他方の方法、に分離され得る。加えて、例えば、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を処方する工程を挙げる方法、および化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を投与する工程を挙げる本発明の別個の方法は、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を処方する工程および/または投与する工程を挙げる単一の方法に組み合わせられ得る。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、SIP1受容体関連障害を有する個体を治療する方法が提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、アトピー性皮膚炎を有する個体を治療する方法も提供される。
一部の実施形態において、アトピー性皮膚炎は慢性アトピー性皮膚炎である。
一部の実施形態において、アトピー性皮膚炎は、中等度から重度のアトピー性皮膚炎である。
一部の実施形態において、個体は、アトピー性皮膚炎の治療に対する局所療法を以前に投与された。一部の実施形態において、個体は、局所療法に対して不充分な応答を有した、応答を失った、または忍容性を示さなかった。
一部の実施形態において、個体は皮膚軟化剤も投与される。一部の実施形態において、皮膚軟化剤は、コラーゲン、エラスチン、ステアリン酸グリセリル、およびシアバターから選定される。
一部の実施形態において、個体は、治療用量の外用コルチコステロイド(topical corticosteroid)も投与される。一部の実施形態において、外用コルチコステロイドは、ヒドロコルチゾン、フルチカゾン、および吉草酸ベタメタゾンから選定される。
一部の実施形態において、個体は、治療用量の局所カルシニューリン阻害剤も投与される。一部の実施形態において、局所カルシニューリン阻害剤は、タクロリムスおよびピメクロリムスから選定される。
一部の実施形態において、個体は紫外線光線療法も投与される。
一部の実施形態において、個体は、治療用量の免疫調節剤も投与される。一部の実施形態において、免疫調節剤はシクロスポリンである。一部の実施形態において、免疫調節剤はインターフェロンガンマ-1bである。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性GI疾患を有する個体を治療する方法も提供される。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性食道炎(EoE)を有する個体を治療する方法も提供される。
好酸球性食道炎(EoE)の少なくとも1つの症状または兆しを呈する個体を選択する工程であって、個体は、食道好酸球、エオタキシン-3、ペリオスチン、血清IgE(全体およびアレルゲン特異的)、IL-13、IL-5、TARC、TSLP、血清ECP、およびEDNから選択されるバイオマーカーのレベルの上昇を有する、工程;ならびに1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の治療有効量をそれを必要とする個体に投与する工程、を含む、EoEの少なくとも1つの症状または兆しを治療する、阻止する、または改善する方法も提供される。
一部の実施形態において、好酸球性GI疾患は、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性胃炎(EG)、好酸球性胃腸炎(EGE)、および好酸球性大腸炎(EC)から選択される。
一部の実施形態において、個体は、治療前または治療時(「ベースライン」)に、食道において高倍率視野(hpf)あたり≧15個の好酸球を呈することに基づいて選択される。
一部の実施形態において、個体は、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の投与後10日目に、ベースラインからhpfあたりの好酸球の数の少なくとも50%の減少を呈する。
一部の実施形態において、個体は、治療の開始前または開始時(「ベースライン」)に、約50pg/mLを上回るエオタキシン-3レベルを呈することに基づいて選択される。
一部の実施形態において、個体は、投与後10日目に、ベースラインからエオタキシン-3レベルの少なくとも50%の減少を呈する。
個体を好酸球性食道炎(EoE)の影響を受けやすい状態にする、アレルゲンに対するアレルギー反応を有する個体を選択する工程;および1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程、を含む、EoEの少なくとも1つの症状または兆しを治療する、阻止する、または改善する方法も提供される。
一部の実施形態において、個体はアレルゲンの影響を受けやすい。例えば、対象は、以下の特徴のうちの1つを呈し得る:(a)1種もしくは複数のアレルゲンに曝露された場合に、アレルギー反応もしくは応答を起こしやすい;(b)1種もしくは複数のアレルゲンに対するアレルギー応答もしくは反応を以前に呈したことがある;(c)アレルギーの既知の病歴を有する;かつ/または(d)アレルギー応答もしくはアナフィラキシーの兆候もしくは症状を呈する。ある特定の実施形態において、対象は、EoEと関連した、または対象をEoEの影響を受けやすくかつ/もしくはEoEを発症しやすい状態にするアレルゲンにアレルギーがある。
一部の実施形態において、個体は、食物アレルゲンに対するアレルギー反応を呈する。例えば、対象は、乳製品、卵、小麦、大豆、トウモロコシ、ライ麦、魚類、甲殻類、ピーナッツ、木の実、牛肉、ニワトリ、オート麦、大麦、豚肉、サヤマメ、ならびにリンゴおよびパイナップル等の果実を含むがそれらに限定されない、食料品の中に含有されるアレルゲンに対するアレルギーを有し得る。
一部の実施形態において、個体は、ホコリ、カビ、昆虫、花粉を含めた植物、ならびにネコおよびイヌ等のペットに由来するアレルゲン等、非食物アレルゲンにアレルギーがある。非食物アレルゲン(環境アレルゲンまたはエアロアレルゲンとしても知られる)の例は、イエダニアレルゲン、花粉アレルゲン、動物鱗屑アレルゲン、昆虫毒、草アレルゲン、およびラテックスを含むが、それらに限定されるわけではない。
一部の実施形態において、EoEの症状または兆しは、食道の好酸球浸潤、食道壁の肥厚、拒食、嘔吐、腹部痛、胸焼け、逆流、嚥下障害、および食片圧入から選択される。
一部の実施形態において、個体は、治療前に、例えばマスト細胞等の炎症促進性媒介因子の食道過剰発現、食道の好酸球浸潤、食道壁の肥厚、嚥下障害、食片圧入、ならびに胸部および腹部痛、ならびに/またはEoE関連バイオマーカーのレベルの上昇等、EoEの1つまたは複数の兆しを呈する(または呈したことがある)。
一部の実施形態において、個体はEoEの影響をより受けやすい、またはEoE関連バイオマーカーのレベルの上昇を示し得る。例えば、個体は、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、およびアレルギー性結膜炎等、アトピー性疾患または障害に罹患している。一部の実施形態において、対象は、遺伝性の結合組織障害を有する。そのような対象集団は、例えばIgE、エオタキシン-3、ペリオスチン、IL-5、またはIL-13等、EoE関連バイオマーカーのレベルの上昇を示し得る。
一部の実施形態において、個体は、1種または複数のEoE関連バイオマーカーのレベルの上昇を示す。一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の投与は、個体におけるEoE関連バイオマーカーのレベルを低下させることをもたらす。一部の実施形態において、EoE関連バイオマーカーは、食道好酸球、エオタキシン-3、ペリオスチン、血清IgE(全体およびアレルゲン特異的)、IL-13、IL-5、血清胸腺および活性化調節ケモカイン(TARC)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、血清好酸球性カチオン性タンパク質(ECP)、ならびに好酸球由来神経毒素(EDN)から選択される。
一部の実施形態において、治療前に、個体は、食道において高倍率視野あたり≧15個の好酸球の存在を示す。一部の実施形態において、治療前に、個体は、末梢好酸球数の上昇(>300個細胞/up)または血清IgEの上昇(>150kU/L)を示す。一部の実施形態において、治療前に、個体は、食道において高倍率視野あたり≧15個の好酸球の存在、および末梢好酸球数の上昇(>300個細胞/up)または血清IgEの上昇(>150kU/L)を示す。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、リンパ節への組織樹状細胞の遊走を低下させる。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、浸潤TH2およびCD8 T細胞を低下させる。一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、循環T細胞を低下させる。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、組織サイトカインを低下させる。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、好酸球浸潤を低下させる。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、好酸球組織蓄積を低下させる。
一部の実施形態において、個体は、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の投与前または投与時に、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、およびアレルギー性結膜炎から選択される疾患または障害を有するまたは有すると診断される。
一部の実施形態において、個体は、IL-1ベータ阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、IL-1ベータ阻害剤は、アナキンラ、リロナセプト、またはカナキヌマブである。
一部の実施形態において、個体は、IL-5阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、IL-5阻害剤は、ベンラリズマブ、メポリズマブ、またはレスリズマブである。
一部の実施形態において、個体はIL-9阻害剤で治療される。
一部の実施形態において、個体は、IL-13阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、IL-13阻害剤は、レブリキズマブ、RPC4046、またはトラロキヌマブである。
一部の実施形態において、個体は、IL-17阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、IL-17阻害剤は、イキセキズマブまたはブロダルマブである。
一部の実施形態において、個体は、IL-25阻害剤で治療されるまたは治療された。
一部の実施形態において、個体は、TNFα阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、TNFα阻害剤は、SIMPONI(登録商標)(ゴリムマブ)、REMICADE(登録商標)(インフリキシマブ)、HUMIRA(登録商標)(アダリムマブ)、またはCIMZIA(登録商標)(セルトリズマブペゴル)である。
一部の実施形態において、個体は、エオタキシン-3阻害剤で治療されるまたは治療された。
一部の実施形態において、個体は、IgE阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、IgE阻害剤はオマリズマブである。
一部の実施形態において、個体は、プロスタグランジD2阻害剤で治療されるまたは治療された。
一部の実施形態において、個体は、免疫抑制剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、免疫調節剤は、AZASAN(登録商標)(アザチオプリン)、IMURAN(登録商標)(アザチオプリン)、GENGRAF(登録商標)(シクロスポリン)、NEORAL(登録商標)(シクロスポリン)、またはSANDIMMUNE(登録商標)(シクロスポリン)である。免疫調節剤は、免疫抑制薬または免疫抑制性作用物質とも称され得る。
一部の実施形態において、個体は、プロトンポンプ阻害剤で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、またはデクスランソプラゾールである。
一部の実施形態において、個体は、グルココルチコイドで治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、グルココルチコイドは、UCERIS(登録商標)(ブデソニド);DELTASONE(登録商標)(プレドニゾン)、MEDROL(登録商標)(メチルプレドニゾロン)、またはヒドロコルチゾンである。グルココルチコステロイドは、グルココルチコイドまたはコルチコステロイドとも称され得る。
一部の実施形態において、個体は、NSAIDで治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、NSAIDは、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダク、またはトルメチンである。
一部の実施形態において、個体は、アレルゲン除去薬(allergen removal)で治療されるまたは治療された。
一部の実施形態において、個体は、食事管理で治療されるまたは治療された。一部の実施形態において、食事管理は、アレルギー検査または病歴に関して検査で陽性と出る食物が食事から除去されている標的排除食を含む。
一部の実施形態において、食事管理は、食事排除をアレルギー検査結果に基づく代わりに、患者が、一般にアレルギーを引き起こす食物(ミルク、卵、小麦、大豆、ピーナッツ/木の実、魚類/甲殻類)を排除する経験的6食物排除食を含む。
一部の実施形態において、食事管理は、タンパク質のすべての供給源を食事から除去し、患者はアミノ酸フォーミュラのみを飲む成分栄養法(elemental diet)を含む。
一部の実施形態において、食事管理は、特異的食物を食事から除去し、次いで一度に1種戻し加えて、どの食物が反応を引き起こすかを判定する食物試行を含む。食事管理は、食物を再導入して、どの食物が忍容性を示されるかを判定しながら、生検とともに繰り返しの内視鏡検査を伴い得る。
一部の実施形態において、治療前に、個体は重度の狭窄を有しないであろう。
1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、喘息を有する個体を治療する方法も提供される。
一部の実施形態において、喘息は、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、ホコリ喘息、慢性または常習性喘息、遅発性喘息、および気道過敏反応性から選定される。
一部の実施形態において、喘息は、運動誘発性喘息、職業性喘息、およびアレルギー誘発性喘息から選定される。
一部の実施形態において、薬学的剤形は、個体に1日1回投与される。
一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約0.1mg~2.5mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の0.1mg~5.0mgとまたは約0.1mg~5.0mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の0.1mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.25mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.75mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.25mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.75mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.25mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.75mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.25mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.75mg、4.8mg、4.9mg、もしくは5.0mgと、または約0.1mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.25mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.75mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.25mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.75mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.25mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.75mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.25mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.75mg、4.8mg、4.9mg、もしくは5.0mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約0.15mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約0.25mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約0.5mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約1mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約1.5mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約2mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約2.5mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約3mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約4mgと等価である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の約5mgと等価である。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は経口投与される。
一部の実施形態において、個体は、SIP1受容体関連障害の治療のための別の作用物質に対して不充分な応答を有したことがある、応答を失ったことがある、忍容性を示さなかったことがある、または依存性を示したことがある。一部の実施形態において、個体は、SIP1受容体関連障害の治療のための他の作用物質に対して不充分な応答を有したことがある。一部の実施形態において、個体は、SIP1受容体関連障害の治療のための別の作用物質に対して応答を失ったことがある。一部の実施形態において、個体は、SIP1受容体関連障害の治療のための別の作用物質に対して忍容性を示さなかった。
一部の実施形態において、個体は、従来の療法に対して不充分な応答を有したことがある、応答を失ったことがある、または忍容性を示さなかったことがある。一部の実施形態において、個体は、従来の療法に対して不充分な応答を有したことがある。一部の実施形態において、個体は、従来の療法に対して応答を失ったことがある。一部の実施形態において、先行する従来の療法は、先行治療と称される。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、経口投与に適切なカプセルまたは錠剤として製剤化される。
本発明の一部の実施形態は、本明細書に記載される少なくとも1種の公知の薬学的作用物質および薬学的に許容できる担体と一緒に、本明細書に開示される化合物実施形態のいずれかに従った少なくとも1種の化合物を混和する工程を含む、「併用療法」のための医薬組成物を産生する方法を含む。
化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物の標準用量、および任意選択により1種または複数の薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物も提供される。化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物、任意選択により1種または複数の薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物も提供される。担体は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに対して過度に有害でないという意味において「許容でき」なければならない。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、例えばカプセル製剤中の粉末として、生のまたは純粋な化学物質として投与される。
一部の実施形態において、化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、1種または複数の薬学的に許容できる担体をさらに含む医薬組成物として製剤化される。
医薬組成物は、任意の適切な方法によって、典型的には、活性化合物と液体もしくは微粉化固体担体とを、またはその両方とを要される割合で均一に混合し、次いで必要な場合には、結果として生じる混合物を所望の形状に形成することによって調製され得る。
結合剤、充填剤、許容できる湿潤剤、錠剤化潤滑剤、および崩壊物質等の従来の賦形剤が、経口投与のための錠剤およびカプセルにおいて使用され得る。本明細書に記載される化合物は、当業者に周知の技法を使用して医薬組成物に製剤化され得る。本明細書において触れられるもの以外で、適切な薬学的に許容できる担体は、当技術分野において公知であり;例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2000、Lippincott Williams&Wilkins、(編者:Gennaroら)を参照されたい。
経口投与に関して、医薬組成物は、例えば錠剤またはカプセルの形態にあり得る。医薬組成物は、好ましくは、特定量の活性成分を含有する投薬量単位の形態で作製される。そのような投薬量単位の例は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、またはジャガイモデンプン等の従来の添加物を有する;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチン等のバインダーを有する;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはカルボキシメチル-セルロースナトリウム等の崩壊因子を有する;およびタルクまたはステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤を有する、カプセル、錠剤、粉末、顆粒、または懸濁液である。固体形態調製物は、粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシェー、座薬、および分散性顆粒を含む。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、バインダー、防腐剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用し得る1種または複数の物質であり得る。
粉末において、担体は、微粉化活性構成要素との混合物の状態にある微粉化固体である。
錠剤において、活性構成要素は、必要な結合能を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
粉末および錠剤は、様々なパーセンテージ量の活性化合物を含有し得る。粉末または錠剤における代表的な量は、0.5~約90パーセントの活性化合物であり得る。しかしながら、当業者であれば、この域から外れる量がいつ必要であるかを知っているであろう。粉末および錠剤に対する適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター等を含む。「調製物」という用語は、担体を有するまたは有しない活性構成要素が担体によって取り囲まれ、ゆえにこれはそれと結び付いている、カプセルを提供する担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を含む。同様に、カシェーおよびトローチが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カシェー、およびトローチは、経口投与に適切な固体形態として使用され得る。
薬学的調製物は、好ましくは単位剤形にある。そのような形態において、調製物は、適当な分量の活性構成要素を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、パッケージされた調製物であり得、パッケージは、詰め込まれた錠剤またはカプセル等、個別の分量の調製物を含有する。また、単位剤形はカプセルもしくは錠剤それ自体であり得る、またはそれは、適当な数の、パッケージされた形態のこれらのもののいずれかであり得る。
さらなる実施形態は、以下の実施例に開示される実施形態を含み、それは限定するものとして決して解釈されるべきではない。
(実施例1)
局所療法によって不充分に制御されるまたは忍容性を示さないアトピー性皮膚炎患者における化合物1の安全性、忍容性、および効力を評価するための、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、複数回投薬調査が行われるであろう。主要転帰は、掻痒視覚的アナログスケール(VAS)におけるベースラインからの向上パーセントであろう。二次転帰測度は、
・湿疹エリアおよび重症度指標(Eczema Area and Severity Index)(EASI)のベースラインからの向上
・アトピー性皮膚炎採点(SCORing Atopic Dermatitis)(SCORAD)のベースラインからの向上
・静的な治験責任医師の包括的査定(static Investigator’s Global Assessment)(sIGA)のベースラインからの向上
・AD関与の体表面積(BSA)のベースラインからの向上
を含み得る。
組み入れ基準は、
・同意の時点で≧18かつ≦65歳
・アトピー性皮膚炎を有する患者
・スクリーニングおよびベースライン来院時に≧50mmの掻痒視覚的アナログスケール(VAS)
・スクリーニングおよびベースライン来院時に≧10の湿疹エリアおよび重症度指標(EASI)
・ベースライン来院時に≧3の静的な治験責任医師の包括的査定(sIGA)
を含み得る。
除外基準は、
・B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルス感染の血清学的証拠
・既知のヒト免疫不全ウイルス感染
・ADに対する特異的または非特異的減感作療法を用いた進行中の治療
・無作為化前1週間以内の軽度または適度に強力な外用コルチコステロイド(TCS)を用いた治療
・無作為化前1週間以内の、経口または静脈内(IV)抗生物質、抗ウイルス薬、または抗真菌薬を用いた治療を要する皮膚感染症を含めた感染症の病歴
・陽性の精製ツベルクリンタンパク質(purified protein derivative)(PPD)および/または陽性のインターフェロン-ガンマ放出アッセイによって規定される結核(TB)感染の証拠
を含み得る。
(実施例2)
化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を、アトピー性皮膚炎の動物モデルにおいて試験し得る。麻酔後、BALB/cマウスの背部皮膚を削りテープで皮をむいて、皮膚バリアを破壊する。次いで、2,4-ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を、各マウスの背部皮膚の1×1cmの正方形に適用する。DNFBまたはビヒクルパッチを2時間後に除去する。背部皮膚を、5週間週1回塗装する(すなわち、5回の塗装セッション)。マウスの引っ掻き行動を15分間記録する。記録を、デジタルビデオカメラを使用して、観察チャンバーにおいてDNFB感作の2時間後に実施する。後足を使用した、くちばし状の削られたエリア周辺の複数回の引っ掻き行動を1つの事象としてカウントする。
化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を、化合物1の0.1mg~2.5mgとのヒト等価用量である用量で、マウスの皮膚に適用する。例えば、FDA Guidance for Industry:Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers(2005)を参照されたい。引っ掻き行動を15分間記録し、対照と比較する。
(実施例3)
化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物を、BALB/cマウスを使用して、接触皮膚炎の動物モデルにおいて試験し得る。FITC/偽物溶液を、調査0および5日目に各脇腹の削られたエリアに適用する。負荷を、両耳の背面へのFITC/偽物溶液の適用によって、調査10、11、および12日目に起こす。調査終了時に、一方の耳をフローサイトメトリーのために回収するであろう。
以下の治療の群:
1.偽物対照;
2.疾患のみ対照;
3.デキサメタゾン;
4.ビヒクル対照;
5.用量1の化合物1またはその薬学的に許容できる塩;および
6.用量2の化合物1またはその薬学的に許容できる塩
を試験するであろう。群4~6は、1日目にスタートし12日目終わりまで、経口強制摂取によって1日1回投薬されるであろう。
読み出しは、以下を含み得る。
耳の厚さ:右および左耳の厚さを、ベースライン時、ならびにFITC感作後0および5日目、ならびに負荷10~12日目の後、ならびに13日目の終了時に、ダイヤルキャリパーにより測定する。左および右耳の両方の平均厚が判定されるであろう。
臨床兆候:慎重な臨床検査を毎日行う。観察は、皮膚、毛皮、目、粘膜の変化、分泌物および排泄物(例えば、下痢)の出現、ならびに自律神経活動(例えば、流涙、唾液分泌、立毛、瞳孔サイズ、普通でない呼吸パターン)を含む。歩き方、姿勢、および取り扱いに対する応答の変化、ならびに奇妙な行動、震え、痙攣、睡眠、および昏睡の存在にも留意する。
体重:マウス体重を、調査を通して週3回測定するであろう。
FACS分析:フローサイトメトリーのための試薬を調査のスタート時に注文するであろう。FACS分析を、調査終了時に収集された耳組織サンプルに対して実施するであろう。総細胞数および細胞分化を、CD45、CD3、TCRb、CD4、CD8、CD69、CD19、SiglecFについて、ならびに生存率を実行するであろう。
CBC分画(differential):調査終了時に回収された血液サンプルを、全血算(CBC)分画について査定するであろう。
(実施例4)
6~8週齢の雌Balb/cマウスを、調査スタートの少なくとも3日前に受け取るであろう。0日目および7日目に、群2~5におけるマウスは、OVA/Alumの腹腔内(IP)注射を受けるであろう。13、14、および15日目に、群2~5における動物は、鼻腔内(IN)経路によって20μg OVAを投与されるであろう。動物は、化合物を下の表に示されるように投薬され、表示される時点で屠殺されるであろう。調査は、毎日の体重および観察結果、生存、ならびに血液(血清)および肺回収を含む。FlexiVentシステムを使用した詳細な肺力学を、屠殺の直前に、メタコリン負荷後に実施するであろう。左肺は、組織病理学(H&E、PAS)のためにNBF中で固定されるであろう。右肺は、全体および分画計数のためにBAL液を回収され、残りのBAL液は、-80℃で凍結されかつ保管され、考え得るサイトカイン分析(IL-5、IL-13、IL-4、IFNγ)に使用されるであろう。右肺は、考え得る下流の分析のためにまたは顧客への出荷まで、-80℃で瞬間凍結されかつ保管されるであろう。
Figure 2023548475000003
(実施例5)
インビトロ受容体薬理学
化合物1を、ヒトスフィンゴシン-1-リン酸受容体1~5(hS1P1~5)に対するb-アレスチン動員アッセイ、およびhS1Pに対するGTPgS結合アッセイにおいて特徴付けした。参照S1Pモジュレーター(オザニモド、フィンゴリモド(P)、S1P)も比較物として特徴付けした。b-アレスチン動員およびGTPgS結合アッセイの両方に関する要約表が下に示される。
Figure 2023548475000004
Figure 2023548475000005
Figure 2023548475000006
(実施例6)
インビボアトピー性皮膚炎モデル
化合物1を、FITC誘導性接触皮膚炎のマウスモデルにおいて試験した。0および5日目に動物の削られた脇腹にハプテンの2回の感作適用を投与し、その後に、10~12日目に両耳の背面への3日間のFITC負荷が続くことによって、フルオレセインイソチオシアネート異性体I(FITC)を使用して、BALB/cマウスにおいて接触過敏症(CHS)/皮膚炎を誘導した。動物を、試験品目である化合物1の1mg/kgまたは0.1mg/kgのいずれかの経口投与を毎日受ける処理群に分けた。予防的処理をモデル化するために、処理を-1日目に開始した。図5を参照されたい。
1mg/kgの化合物1は、(ビヒクルと比較して)皮膚におけるB細胞およびT細胞を低下させた。循環白血球(WBC)およびリンパ球の低下から予想されるように、化合物1は、用量依存的様式で皮膚におけるT細胞およびB細胞を低下させた。図6を参照されたい。これらの細胞の低下は、疾患(皮膚の厚さ)の向上に相当する。
1mg/kgの化合物1は、(ビヒクルと比較して)WBC数およびリンパ球頻度を低下させた。見られた効果は用量依存的であった。図7を参照されたい。
1mg/kgの化合物1は、皮膚肥厚を低下させた(0.1mg/kgは効果を有しなかった)。耳の肥厚は全体的炎症の代理測度であり、それはこのモデルにおいて総合的効力の測度として使用される。このデータは、化合物1が、用量依存的様式で疾患を向上させるのに有効であることを示唆する。図8を参照されたい。
(実施例7)
インビボ喘息モデル
化合物1の効力を、実験的オボアルブミン(OVA)誘導性急性喘息モデルで査定した。OVAモデルは、広く使用されている前臨床アレルギー性喘息モデルであり、ヒトにおけるアレルギー性喘息の特色の多くを再現する。これらは、IgEおよびTH2関連サイトカインの上昇、粘液過分泌、気道炎症、杯細胞過形成、上皮肥大、ならびに刺激に対する気道過反応を含む。
マウスを、0および7日目に、OVAおよびアジュバントの腹腔内(IP)注射を用いて感作した。次いで、マウスに、13~15日目に、生理食塩水中OVA(10~200μg)の鼻腔内送達を用いて負荷し、評価項目を16日目に行った。このモデルにおける評価項目は、概して、全体および分画細胞数、ならびに気管支肺胞洗浄液中の炎症性媒介因子含有量、気道過反応、およびflexiVent(商標)齧歯類人工呼吸器を用いて測定される詳細な肺力学、ならびに肺切片に対する組織病理学および免疫組織化学を含んだ。
Figure 2023548475000007
1mg/kgおよび0.1mg/kgの化合物1は、気管支肺胞洗浄(BAL)における免疫細胞に対して有意な効果を有しなかった。BALは局所炎症の代理測度であり、それはこのモデルにおいて効力の読み出しとして使用される。図9を参照されたい。
化合物1は、気道抵抗またはエラスタンスによって測定される肺機能に対して有意な効果を有しなかった。気道過敏症応答(AHR)は肺機能の代理測度であり、それはこのモデルにおいて総合的効力の測度として使用される。このデータは、1mg/kgの化合物1が、肺コンプライアンスを介して疾患を向上させるのに効果を有しなかったことを示唆する。図10を参照されたい。
開示される方法の他の使用は、とりわけ本特許文書の概説に基づき、当業者に明らかになるであろう。

Claims (17)

  1. 1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、アトピー性皮膚炎を有する個体を治療する方法。
  2. アトピー性皮膚炎は慢性アトピー性皮膚炎である、請求項1に記載の方法。
  3. アトピー性皮膚炎は、中等度から重度のアトピー性皮膚炎である、請求項1に記載の方法。
  4. 1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、アトピー性皮膚炎を有する個体を治療する方法。
  5. 1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性GI疾患を有する個体を治療する方法。
  6. 好酸球性GI疾患は、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性胃炎(EG)、好酸球性胃腸炎(EGE)、および好酸球性大腸炎(EC)から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、好酸球性食道炎(EoE)を有する個体を治療する方法。
  8. 1-{2-フルオロ-4-[5-(4-イソブチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]ベンジル}-3-アゼチジンカルボン酸(化合物1)、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物の治療有効量を含む薬学的剤形をそれを必要とする個体に投与する工程を含む、喘息を有する個体を治療する方法。
  9. 喘息は、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、ホコリ喘息、慢性または常習性喘息、遅発性喘息、および気道過敏反応性から選定される、請求項8に記載の方法。
  10. 喘息は、運動誘発性喘息、職業性喘息、およびアレルギー誘発性喘息から選定される、請求項8に記載の方法。
  11. 治療有効量は、化合物1の約0.1mg~2.5mgと等価である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 治療有効量は、化合物1の約0.15mgと等価である、請求項11に記載の方法。
  13. 治療有効量は、化合物1の約0.25mgと等価である、請求項11に記載の方法。
  14. 治療有効量は、化合物1の約2.5mgと等価である、請求項11に記載の方法。
  15. 化合物1またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは水和物は1日1回投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は経口投与される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 化合物1またはその薬学的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物は、経口投与に適切なカプセルまたは錠剤として製剤化される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
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