JP2023548355A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、-64℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー100質量部当たり25~95質量部、phrの、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー、並びにシリカと相互作用できる官能基で変性させた、5~75phrのポリブタジエン、を含むエラストマーマトリックス;シリカを含む少なくとも1種の補強フィラー;シリカをジエンエラストマーにカップリングするための少なくとも1種の薬剤;20℃超のガラス転移温度を有する、25~150phrの、少なくとも1種の可塑化樹脂;並びに架橋系、をベースとするゴム組成物に関する。本発明はまた、この組成物を含むゴム物品及び空気入り又は非空気入りタイヤにも関する。

Description

本発明は、トレッド、特に雪で覆われた地面上を走行することができるスノートレッド、ウィンタートレッド又はオールシーズントレッドを備えたタイヤ(「スノータイヤ」、「ウィンタータイヤ」又は「オールシーズンタイヤ」と呼ばれる)に関する。既知のように、それらの側壁に記された文字M+S又はM.S.或いはM&Sによって識別されるこれらのスノータイヤは、とりわけ、泥及び新雪又は半解けの雪の中で、雪で覆われていない地面の上を走行するために設計されたロードタイプのタイヤの挙動より良好な挙動を確保するように意図されているトレッドデザイン及び構造を特徴とする。
ホワイトグラウンドと呼ばれる、雪で覆われた地面は、低摩擦係数を示すという特徴を有し、このことが、ガラス転移温度Tgが低いジエンゴム組成物をベースとするトレッドを含むスノータイヤの開発につながった。しかし、そのようなトレッドを含むこれらのタイヤの湿地上におけるグリップ性能は、一般にロードタイヤ、特にそのトレッドが、高いTgを有する異なる配合のゴム組成物ベースのロードタイヤの性能より劣る。この問題に対処するため、特許出願WO2012/069565は、その組成が、少なくとも1種の官能基SiORを有するジエンエラストマーを含み、Rは水素原子又は炭化水素ベースラジカルであり、高含有量の補強無機フィラー及び特殊な可塑化系と組み合わせたトレッドを提案している。
加えて、燃費及び環境保護の必要性が優先事項になってきたので、転がり抵抗が低減したタイヤケーシングの形成に関与する種々の半完成品の製造に使用することができるゴム組成物を利用することが望ましい。しかし、転がり抵抗の低減は、湿地上においても雪で覆われた地面上においてもグリップの改善と矛盾することが多い。
加えて、スノートレッド又はウィンタートレッドは、一般により可撓性のトレッドパターンを備え、及び/又は「サマー」トレッドより軟質のゴム組成物で構成されるので、それらの耐摩耗性は、多くの場合に結果として低いことが判明する。スノートレッド又はウィンタートレッドの耐摩耗性をできる限り維持するか、又はさらに改善することも重要である。
したがって、製造業者は、特に雪で覆われた地面上を走行することを意図したタイヤトレッドの転がり抵抗、雪で覆われた地面上でのグリップ及び耐摩耗性という特性における妥協点をさらに改善するための解決策を常に探求している。
その研究の継続中に、出願人は、予想外にも、特殊なゴム組成物によって、上記性能の妥協点をさらに改善できるようになることを発見した。したがって、本発明の1つの主題は、以下をベースとするゴム組成物である:
- -64℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー100質量部当たり25~95質量部、phrの、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー、並びにシリカと相互作用できる官能基で変性された、5~75phrのポリブタジエン、を含むエラストマーマトリックス、
- シリカを含む少なくとも1種の補強フィラー、
- シリカをジエンエラストマーにカップリングするための少なくとも1種の薬剤、
- 20℃超のガラス転移温度を有する、25~100phrの、少なくとも1種の可塑化樹脂、並びに
- 架橋系。
I-定義
「をベースとする組成物」という表現は、使用される種々の成分のインサイチュの反応の混合物及び/又は生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、組成物の製造の種々の段階中にこれらの成分の一部が互いに少なくとも部分的に反応することができ、及び/又は互いに少なくとも部分的に反応するよう意図されており;したがって、組成物は、場合により完全に又は部分的に架橋状態又は非架橋状態である。
本発明の目的では、「エラストマー100質量部(hundred parts by weight)当たりの質量部(part by weight)」(又はphr)という表現は、「エラストマー100質量部(hundred parts by mass)当たりの質量部(part by mass)」を意味するものと理解すべきである。
本文書では、特に明記しない限り、示した全てのパーセンテージ(%)は、質量パーセンテージ(%)である。
さらに、「aとbの間」という表現によって表される値のいずれの区間も、a超~b未満に及ぶ値の範囲を意味し(すなわち、限界値a及びbは排除される)、一方で表現「a~b」によって表される値のいずれの区間もaからbまでに及ぶ値の範囲を意味する(すなわち、狭義の限界値a及びbを含む)。本文書では、値の区間を「a~b」という表現によって表す場合、「a~bの間」という表現で表される区間をもまた、好ましくは表している。
「主」化合物に言及する場合、これは、本発明の目的では、この化合物が組成物中の同じタイプの化合物の中で主要であること、すなわち、同じタイプの化合物の中で最大質量を占める化合物であることを意味すると理解すべきである。したがって、例えば、主エラストマーは、組成物中のエラストマーの総質量に対して最大質量を占めるエラストマーである。同様に、「主」フィラーは、組成物のフィラーの中で最大質量を占めるフィラーである。例として、1種だけのエラストマーを含む系では、本発明の目的ではこの1種だけのエラストマーが主要であり、2種のエラストマーを含む系では、主エラストマーは、エラストマーの質量の半分超を占める。好ましくは、「主要」という用語は、50%超、好ましくは60%、70%、80%、90%超、例えば100%存在することを意味すると理解すべきである。
本明細書で言及する炭素を含む化合物は、化石又はバイオ起源のものであってよい。バイオ起源の場合、それらは部分的又は完全にバイオマス由来であるか又はバイオマス由来の再生可能な原材料から得ることができる。これは、特にポリマー、可塑剤、フィラー等に関する。
本文書に記載されるガラス転移温度「Tg」の値は全て、ASTM規格D3418(1999)に従って、DSC(示差走査熱量測定)によって既知の方法で測定される。
II-発明の説明
II-1 エラストマーマトリックス
本発明によれば、組成物のエラストマーマトリックスは、-64℃未満のガラス転移温度を有する、25~95phrの、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー、並びにシリカと相互作用できる官能基で変性された、5~75phrのポリブタジエン、を含む。
本発明の目的では、「ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー」という表現は、1種又は複数種のスチレン化合物と1種又は複数種のブタジエンとの共重合によって得られるあらゆるコポリマーを指す。以下のもの:スチレン、メチルスチレン、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン及びクロロスチレンは、スチレンモノマーとして特に好適である。ブタジエンモノマーとしては、1,3-ブタジエンが特に好適である。これらのエラストマーは、使用される重合条件、特に変性剤及び/又はランダム化剤の存在又は非存在、並びに利用される変性剤及び/又はランダム化剤の量に依存するあらゆる微細構造を有することができる。エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、配列又はマイクロ配列(microsequence)エラストマーであり得る。
有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、ブタジエン-スチレンコポリマー(SBR)である。SBRはエマルション(ESBR)又は溶液(SSBR)中で調製することができることに留意すべきである。ESBRであろうとSSBRであろうと、SBRは、-70℃未満のガラス転移温度に適合するあらゆる微細構造であってもよい。特に、ブタジエン/スチレンコポリマーは、質量により1%~15%の間、及びより具体的には1%~5%の間のスチレン含有量、並びに4%~25%の間のブタジエン部分の1,2-結合含有量(mol%)を有してもよい。
有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、SSBRである。
有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、-105℃~-70℃、好ましくは-100℃~-80℃に及ぶ、好ましくは-95℃~-85℃の間、より好ましくは-95℃~-86℃の間の範囲内のガラス転移温度を有する。
好ましくは、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、以下の特性のいずれか1つ、有利には2又は3つの組合せ、さらにより有利には全てを示すスチレン-ブタジエンコポリマーである:
- 溶液中で調製されたスチレン/ブタジエンコポリマー(SSBR)である、
- スチレン/ブタジエンコポリマーの総質量に対して、そのスチレンの質量含有量が、1%~10%の間、好ましくは1%~4%の間である、
- ブタジエン部分のそのビニル結合含有量が、4%~25%の間、好ましくは10%~15%の間である、
- そのTgが-105℃~-70℃に及ぶ範囲内、好ましくは-95℃~-86℃の間の範囲内である。
有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、その構造内に少なくとも1つのアルコキシシラン基及び少なくとも1つの他の官能基を含み、アルコキシシラン基のケイ素原子はエラストマー鎖に結合しており、アルコキシシラン基は、部分的又は完全に加水分解されてシラノールを与えてもよい。
本発明の記載では、エラストマーの構造内にあるアルコキシシラン基という概念は、そのケイ素原子がポリマー骨格中にあり、ポリマー骨格に直接接続している基として理解される。構造内におけるこの位置にはポリマー鎖末端も含まれる。したがって、末端基は、この概念に含まれる。アルコキシシラン基はペンダント基ではない。
アルコキシシラン基が鎖末端に位置する場合、ジエンエラストマーは鎖末端で官能化されていると言われる。
アルコキシシラン基が主エラストマー鎖に位置する場合、ジエンエラストマーは、「鎖末端」の位置とは対照的に、鎖の中間でカップリングされている、或いは官能化されているが、この基は、エラストマー鎖の厳密に中央にあるわけではない。この官能基のケイ素原子が、ジエンエラストマーの主鎖の2つの分岐鎖に結合する。
ケイ素原子が中心位置にあり、それに少なくとも3つのエラストマー分岐鎖が結合して、エラストマーの星状分岐鎖構造を形成している場合、ジエンエラストマーは星状分岐していると言われる。このように、ケイ素原子は、ジエンエラストマーの少なくとも3つの分岐鎖で置換されている。
エラストマーが、アニオン重合のステップに起因する官能化剤とリビングエラストマーとの反応によって変性すると、このエラストマーの変性エンティティの混合物が得られ、その組成は、変性反応条件、特にリビングエラストマー鎖の数に対する官能化剤の反応部位の比率に依存していることは当業者に既知であることを明記すべきである。この混合物は、鎖末端で官能化され、カップリングされ、星状分岐鎖の及び/又は官能化されていないエンティティを含むことができる。
有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主エンティティとして、ジエンエラストマーであって、このジエンエラストマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、ジエンエラストマーを含み、アルコキシラジカルは、部分的又は完全に加水分解されてヒドロキシルを与えてもよい。さらにより具体的には、鎖の中間でアルコキシシラン基によって官能化されたジエンエラストマーは、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの70質量%を占める。
アルコキシシラン基において、部分的又は完全に加水分解されてヒドロキシルを与えてもよいアルコキシルラジカルは、C1-C10、又はさらにC1-C8、好ましくはC1-C4のアルキルラジカルを含んでもよく、より優先的にはアルコキシルラジカルはメトキシ又はエトキシである。
他の官能基は、好ましくは、N、S、O、又はPから選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含む官能基である。これらの官能基の中で、例として、環状又は非環状の第一級、第二級又は第三級アミン、イソシアネート、イミン、シアノ、チオール、カルボキシレート、又は第一級、第二級又は第三級ホスフィンに言及することができる。
ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、有利には、窒素原子を含む少なくとも1種の官能基を含む。ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、有利にはその構造内に、ケイ素原子を介してエラストマーに結合した少なくとも1つのアルコキシシラン基及び窒素原子を含む官能基を含む。
窒素原子を含むこの官能基は、鎖末端に位置し、共有結合又は炭化水素ベース基を介してエラストマーに直接接続してもよい。
窒素原子を含むこの官能基はまた、有利にはアルコキシシラン基によって担持されていてもよい。窒素原子を含む官能基は、直接又はスペーサー基を介して、アルコキシシラン基のケイ素によって担持されていてもよい。スペーサー基は、原子、特にヘテロ原子、又は原子群であり得る。
スペーサー基は、飽和若しくは不飽和、環状若しくは非環状、直鎖若しくは分岐鎖の二価脂肪族C1-C18炭化水素ベースラジカル又は二価芳香族C6-C18炭化水素ベースラジカルであってもよく、1つ若しくは複数の芳香族基及び/又は1個若しくは複数のヘテロ原子を含有してもよい。炭化水素ベース基は、任意に置換することができる。
有利には、スペーサー基は、直鎖又は分岐鎖の二価脂肪族C1-C18炭化水素ベースラジカル、より優先的には二価脂肪族C1-C10、さらにより優先的にはC3-C8炭化水素ベースラジカル、さらにより優先的には直鎖二価C3炭化水素ベースラジカルである。
ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、エラストマー内に別の官能基(すなわち上記官能基と異なる官能基)を含んでもよいが、これは好ましくない。
ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、ブタジエンとスチレンをベースとするいくつかのコポリマーのブレンドであり得る。
窒素原子を含む官能基を含むアルコキシシラン基は、下記式
(*-)aSi(OR’)bc
で表すことができる。
(式中、
- *-は、エラストマー鎖への結合を表し;
- Rラジカルは、置換若しくは非置換C1-C10、又はさらにC1-C8アルキルラジカル、好ましくはC1-C4アルキルラジカル、より優先的にはメチル及びエチルを表し;
- 部分的又は完全に加水分解されてヒドロキシルを与えてもよい式-OR’のアルコキシルラジカルにおいて、R’は、置換若しくは非置換C1-C10、又はさらにC1-C8アルキルラジカル、好ましくはC1-C4アルキルラジカル、より優先的にはメチル及びエチルを表し;
- Xは、窒素ベース官能性を含む基を表し;
- aは1又は2であり、bは1又は2であり、かつcは0又は1であり、ただしa+b+c=3である)
当業者は、aの値がエラストマーの構造内のアルコキシシラン基の位置に依存することを理解するであろう。aが1である場合、基は鎖末端に位置している。aが2である場合、基は鎖の中間に位置している。
窒素原子を含む官能基として、アミン官能基に言及することができる。保護基によって保護されていてもよい第一級アミン、保護基によって保護されていてもよい第二級アミン、又は第三級アミンが特に好適である。
したがって、第二級又は第三級アミン官能基として、C1-C10アルキル、好ましくはC1-C4アルキルラジカル、より優先的にはメチル又はエチルラジカルで置換されたアミン、或いは窒素原子と、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子とを含有する複素環を形成している環状アミンに言及することができる。例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ジヘキシルアミノ基又はヘキサメチレンアミノ基、好ましくはジエチルアミノ基及びジメチルメチルアミノ基が好適である。アミンが環状である場合、以下の基も好適である:モルホリン、ピペラジン、2,6-ジメチルモルホリン、2,6-ジメチルピペラジン、1-エチルピペラジン、2-メチルピペラジン、1-ベンジルピペラジン、ピペリジン、3,3-ジメチルピペリジン、2,6-ジメチルピペリジン、1-メチル-4-(メチルアミノ)ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ピロリジン、2,5-ジメチルピロリジン、アゼチジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、5-ベンジルオキシインドール、3-アザスピロ[5.5]ウンデカン、3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、カルバゾール、ビストリメチルシリルアミン、ピロリジン及びヘキサメチレンアミン、好ましくはピロリジン基及びヘキサメチレンアミン基。
アミン官能基は、好ましくは第三級アミン官能基、好ましくはジエチルアミン又はジメチルアミンである。
有利には、以下の特徴の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは全てが観察される:
- 窒素原子を含む官能基は、第三級アミン、より具体的にはジエチルアミノ基又はジメチルアミノ基である、
- 窒素原子を含む官能基は、脂肪族C1-C10炭化水素ベースラジカル、より優先的には脂肪族C3-C8炭化水素ベースラジカル、さらに優先的には直鎖C3炭化水素ベースラジカルと定義されるスペーサー基を介してアルコキシシラン基によって担持されている、
- アルコキシシラン基は、部分的又は完全に水素化されてシラノールを与えてもよいメトキシシラン又はエトキシシランである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、溶液中で調製されたブタジエン-スチレンコポリマーである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主に、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、-105℃~-70℃に及ぶ範囲内のガラス転移温度を有する。
特に好ましくは、以下の特徴の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは全てが観察される:
- 窒素原子を含む官能基は、第三級アミン、より具体的にはジエチルアミノ基又はジメチルアミノ基である、
- 窒素原子を含む官能基は、直鎖C3炭化水素ベースラジカルを介してアルコキシシラン基によって担持されている、
- アルコキシシラン基は、部分的又は完全に水素化されてシラノールを与えてもよい、メトキシシラン又はエトキシシランである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、溶液中で調製されたブタジエン-スチレンコポリマーである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主に、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、-95℃~-86℃の間の範囲内のガラス転移温度を有する。
本発明による組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの含有量は、有利には65~95phrに及ぶ範囲内、好ましくは66~90phrの間の範囲内であり得る。
ブタジエンとスチレンをベースとするそのようなコポリマーは、以下に説明するプロセスによって得ることができる。
ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの調製プロセスの第1のステップは、重合開始剤の存在下での、少なくとも1種の共役ジエンモノマーのアニオン重合又は少なくとも1種の共役ジエンモノマーとビニル芳香族モノマーの重合である。モノマーは上記のとおりである。
重合開始剤としては、あらゆる既知の単官能性アニオン開始剤を利用することができる。しかし、リチウム等のアルカリ金属を含有する開始剤を優先的に使用する。
炭素-リチウム結合を含む有機リチウム開始剤が特に好適である。代表的な化合物は、脂肪族有機リチウム化合物、例としてエチルリチウム、n-ブチルリチウム(n-BuLi)、イソブチルリチウム等である。
他の官能基がエラストマー鎖に直接結合している本発明の実施形態によれば、これは、重合開始剤によって提供することができる。このような開始剤は、例えば、鎖の非反応性末端にアミン基を有するリビング鎖をもたらす、アミン官能基を含む重合開始剤である。
アミン官能基を含む重合開始剤としては、好ましくは有機リチウム化合物、好ましくはアルキルリチウム化合物と、非環状又は環状、好ましくは環状第二級アミンとの反応生成物であるリチウムアミドに言及することができる。
開始剤を調製するために使用することができる第二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ(n-ブチル)アミン、ジ(sec-ブチル)アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(n-オクチル)アミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N-メチルベンジルアミン、ジアリルアミン、モルホリン、ピペラジン、2,6-ジメチルモルホリン、2,6-ジメチルピペラジン、1-エチルピペラジン、2-メチルピペラジン、1-ベンジルピペラジン、ピペリジン、3,3-ジメチルピペリジン、2,6-ジメチルピペリジン、1-メチル-4-(メチルアミノ)ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ピロリジン、2,5-ジメチルピロリジン、アゼチジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、5-ベンジルオキシインドール、3-アザスピロ[5.5]ウンデカン、3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、カルバゾール、ビストリメチルシリルアミン、ピロリジン及びヘキサメチレンアミン、に言及することができる。第二級アミンは、それが環状である場合、好ましくはピロリジン及びヘキサメチレンアミンから選択される。
アルキルリチウム化合物は、好ましくはエチルリチウム、n-ブチルリチウム(n-BuLi)、イソブチルリチウム等である。
重合は、好ましくは、例えば、脂肪族又は脂環式炭化水素、例としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン若しくはメチルシクロヘキサン、又は芳香族炭化水素、例としてベンゼン、トルエン若しくはキシレンであり得る不活性な炭化水素ベース溶媒の存在下で行う。
エラストマーの微細構造は、変性剤及び/又はランダム化剤の存在又は非存在、並びに利用する変性剤及び/又はランダム化剤の量によって決定することができる。優先的に、ジエンエラストマーがジエン及びビニル芳香族をベースとする場合は、重合ステップ中に、ポリマー鎖に沿ったビニル芳香族のランダム分布を促進するような量で極性剤を使用する。
有利には、重合から生じたリビングジエンエラストマーを、次に、その構造内に、ケイ素原子を介してエラストマーに結合した少なくとも1つのアルコキシシラン基及び窒素原子を含む官能基を含むブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーを調製するために、ポリマー構造内にアルコキシシラン基を導入することができる官能化剤によって官能化する。
第1のステップの結果として得られたリビングジエンエラストマーの変性反応は、-20℃~100℃の間の温度で、アルコキシシラン基を形成することができる非重合性官能化剤のリビングポリマー鎖への付加によって又はその逆によって起こる可能性があり、窒素原子を含む官能基を有するか又は有しないエラストマー鎖内にケイ素原子が組み込まれる。これは、特にリビングエラストマーに対して反応性が高い官能基を有する官能化剤であり、これらの各官能基が直接ケイ素原子に結合している。
この官能化剤は、式(OR’)dSi(R)c
に対応する。
(式中、
- 部分的又は完全に加水分解性であってもよい、式-OR’のアルコキシルラジカルにおいて、R’は、置換若しくは非置換C1-C10、又はさらにC1-C8アルキルラジカル、好ましくはC1-C4アルキル基、より優先的にはメチル及びエチルを表し;
- R’は、置換若しくは非置換C1-C10、又はさらにC1-C8アルキルラジカル、好ましくはC1-C4アルキル基、より優先的にはメチル及びエチルを表し;
- Xは、窒素原子を含む官能基を含む基を表し;
- dは2又は3であり、cは0又は1であり、ただしし、d+c=3である)
窒素原子を含む官能基は、上で定義したとおりである。
窒素原子を含む官能基は、保護されているか若しくは保護されていない第一級アミン、保護されているか若しくは保護されていない第二級アミン、又は第三級アミンであり得る。窒素原子は、そこで、トリアルキルシリルラジカルであって、アルキル基が1~4個の炭素原子を有するアルキル基、又はC1-C10、好ましくはC1-C4アルキル基、より優先的にはメチル又はエチルラジカルである、トリアルキルシリルラジカルであり得る、2つの同一若しくは異なる基で置換されてもよく、或いは窒素原子の2つの置換基が一緒になって、窒素原子及び少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を含む複素環を形成する。
官能化剤としては、例えば、(N,N-ジアルキルアミノアルキル)トリアルコキシシラン、(N-アルキルアミノアルキル)トリアルコキシシランに言及することができ、第二級アミン官能基はトリアルキルシリル基、及び(アミノアルキル)トリアルコキシシラによって保護され、第一級アミン官能基は、2つのトリアルキルシリル基によって保護され、アミン官能基をトリアルコキシシラン基に結合できるようにする二価の炭化水素ベース基は、優先的には脂肪族C1-C10、より具体的には前述の直鎖C2又はC3スペーサー基である。
官能化剤は、(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-ジプロピルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジプロピルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-ジブチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジブチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-ジペンチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジペンチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-ジヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-ジヘキシルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-ヘキサメチレンアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ヘキサメチレンアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-モルホリノプロピル)トリメトキシシラン、(3-モルホリノプロピル)トリエトキシシラン、(3-ピペリジノプロピル)トリメトキシシラン又は(3-ピペリジノプロピル)トリエトキシシランから選択してもよい。より優先的には、官能化剤は(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランである。
官能化剤は、(3-N,N-メチルトリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-メチルトリメチルシリルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-エチルトリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-N,N-エチルトリメチルシリルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(3-N,N-プロピルトリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシラン又は(3-N,N-プロピルトリメチルシリルアミノプロピル)トリエトキシシランから選択することができる。より優先的には、官能化剤は(3-N,N-メチルトリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシランである。
官能化剤は、(3-N,N-ビストリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシラン及び(3-N,N-ビストリメチルシリルアミノプロピル)トリエトキシシランから選択することができる。より優先的には、官能化剤は(3-N,N-ビストリメチルシリルアミノプロピル)トリメトキシシランである。
官能化剤は、有利には(N,N-ジアルキルアミノアルキル)トリアルコキシシランから選択され;ここではより具体的には、官能化剤は(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランである。
エラストマーが、アニオン重合のステップに起因する官能化剤とリビングエラストマーとの反応によって変性すると、このエラストマーの変性エンティティの混合物が得られ、その組成が、リビングエラストマー鎖の数に対する官能化剤の反応部位の比率に特に依存していることは当業者に既知であることを明記すべきである。この混合物は、鎖末端で官能化され、カップリングされ、星状分岐鎖の及び/又は官能化されていないエンティティを含むことができる。
官能化剤の、重合開始剤の金属に対するモル比は、本質的にブタジエンとスチレンをベースとする所望のコポリマーのタイプに依存する。したがって、0.40~0.75、又はさらに0.45~0.65、或いは0.45~0.55の範囲の比で、変性エラストマー内でカップリングエンティティが形成されるのが都合よく、その場合、アルコキシシラン基は、鎖の中間に位置している。同様に、0.15~0.40、又はさらに0.20~0.35、或いは0.30~0.35の範囲の比で、星状分岐鎖(3分岐鎖)エンティティが変性エラストマー内に主に形成される。0.75以上、又はさらに1超の比で、鎖末端にて官能化されたエンティティが主に形成される。
有利には、官能化剤と重合開始剤との間のモル比は、0.35~0.65、優先的には0.40~0.60、さらにより優先的には0.45~0.55まで変動する。
この場合、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主エンティティとして、ジエンエラストマーであって、このジエンエラストマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、ジエンエラストマーを含むことができる。さらにより具体的には、鎖の中間でアルコキシシラン基によって官能化されたジエンエラストマーは、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの70質量%を占める。
有利には、アルコキシシラン基は、部分的又は完全に加水分解されてヒドロキシルを与えてもよいアルコキシラジカルを含む。
代替的に、アルコキシシラン基は、有利には、上で定義したように窒素原子を含む官能基を有する。この官能基は、好ましくは上で定義したように第三級アミン官能基、特に、好ましくは上で定義したようにスペーサー基を介してケイ素原子に結合したジエチルアミノ又はジメチルアミノ、特に二価の直鎖C2若しくはC3炭化水素ベースラジカルである。
官能化剤が保護された官能基を有する場合、この官能基の脱保護ステップによって合成プロセスを継続することができる。このステップは、変性反応後に行われ、当業者に周知である。
合成プロセスはまた、文書EP 2 266 819 A1に記載のように、酸性、塩基性又は中性化合物の添加による加水分解性アルコキシル官能基の加水分解ステップを含む場合がある。加水分解性官能基は、次にヒドロキシル官能基に変換される。
ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの合成プロセスは、それ自体既知の方法で、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの回収ステップによって継続することができる。
これらのステップは、特に前のステップから得られたエラストマーを回収する目的のためのストリッピングステップを含むことができる。これらのストリッピングステップは、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの加水分解性官能基の全て又は一部を加水分解するという効果を有することができる。有利には、この場合、これらの官能基の少なくとも50mol%~70mol%を加水分解することができる。
本発明によれば、組成物のエラストマーマトリックスは、本明細書において「変性ポリブタジエン」とも呼ばれる、シリカと相互作用できる官能基で変性させた、5~75phrのポリブタジエン、を含む。
「ポリブタジエン」(「BR」と略記)という用語は、それが1種又は複数種のポリブタジエンであってもよいことを意味すると理解される。ポリブタエンは、当業者に既知の好適な触媒を使用して溶液重合プロセスで1,3-ブタジエンモノマーを重合(典型的に単独重合)することによって製造される周知のゴムである。ブタジエンモノマー中に存在する2つの二重結合のため、得られたポリブタジエンは、3種の異なる形態、すなわちcis-1,4-ポリブタジエン、trans-1,4-ポリブタジエン及びビニル-1,2-ポリブタジエンを構成し得る。cis-1,4-エラストマー及びtrans-1,4-エラストマーは、一端と他端が接続するモノマーによって形成され、一方、1,2-ビニルエラストマーは、モノマーの末端間で接続するモノマーによって形成される。触媒の選択及びプロセスの温度は、ポリブタジエンのcis-1,4-結合の含有量を制御するために一般に使用される変数として知られている。
有利には、ポリブタジエンは、90%超、より優先的には95%超の含有量(mol%)のcis-1,4-連結を有する。
特に有利な方法では、変性ポリブタジエンは、以下のステップ:
(a)触媒系によってブタジエンを単独重合させて疑似リビングエラストマーを形成するステップであって、前記触媒系は少なくとも:
- 共役ジエンモノマー、
- 有機リン酸の1種又は複数種の希土類金属の塩、
- アルミニウム含有アルキル化剤、及び
- ハロゲン化アルキルアルミニウムを含むハロゲン供与体、
をベースとしており、
- 前記塩は、脂肪族又は脂環式タイプの少なくとも1種の飽和不活性炭化水素ベース溶媒中の懸濁液又は溶液である、ステップと;
(b)少なくとも3個の官能基を含む多官能性化合物を、ステップ(a)で形成された疑似リビングエラストマーに添加するステップであって、前記官能基は、疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応することができる、ステップと;
(c)式A-Ri-Bに対応する官能化剤を、ステップ(b)で形成された混合物に添加するステップであって、式中、Aは疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応できる基を表し、RiはAとBの間の結合を形成する原子又は原子群を表し、Bは補強フィラーと反応できる官能基を表す、ステップと;
(d)変性ポリブタジエンを回収するステップと;
を含むプロセスによって得ることができ、
このプロセスでは、重合媒体中のアルミニウムの総モル量は、「アルミニウム/希土類塩」のモル比が1~5の間の値を有し、重合は40℃~90℃の間の温度で行われる。
変性ポリブタジエンに関連する「疑似リビング」という表現は、変性ポリブタジエンが、特に官能化剤に関して反応性であるこれらの鎖末端の全部又は一部を有することを意味する。
「希土類」という用語は、イットリウム、スカンジウム、及びランタニドから選択される金属、メンデレーエフの元素周期表において57~71の範囲の原子番号を有する金属を意味すると理解される。希土類金属は、好ましくはランタニドから選択され、ネオジムがより具体的には好ましい。
変性ポリブタジエンを得るプロセスのステップ(a)、(b)、(c)及び(d)を以下に記載する。
ステップ(a)
触媒系
触媒系は、有利には、少なくとも
- 1種の共役ジエンモノマー、
- 有機リン酸の1種又は複数種の希土類金属の塩、脂肪族又は脂環式タイプの少なくとも1種の飽和不活性炭化水素ベース溶媒中の懸濁液又は溶液である、前記塩、
- アルミニウムを含むアルキル化剤であって、「アルキル化剤」/「希土類塩」のモル比が1~5の間の値を有する、アルキル化剤、及び
- ハロゲン化アルキルアルミニウムを含むハロゲン供与体、
をベースとする「事前形成された」タイプの触媒系である。
触媒系は、バッチ式で又は連続的に調製することができる。触媒系は、反応器に直接導入することができ、又は重合反応器に供給する他の成分の少なくとも1種と事前に混合することができる。
前記希土類塩が懸濁液中又は溶液中にある不活性炭化水素ベース溶媒は、有利には、脂肪族又は脂環式低分子量溶媒、例としてシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ヘプタン、ペンタン、又はこれらの溶媒の混合物である。
変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの重要な特徴は、「アルミニウム」/「希土類塩」のモル比である。重合媒体中のアルミニウムの総モル量は、「アルミニウム」/「希土類塩」のモル比、特に「アルミニウム」/「ネオジム塩」のモル比が1~5の間の値を有し、有利には、1~4の間、より有利には2.5~3.8の範囲である。アルミニウムは、触媒系によって提供され、また、適切な場合には、以下に説明する、アルキルアルミニウム重合媒体への補充添加によっても提供される。驚くべきことに、この「アルミニウム」/「希土類塩」のモル比が、官能化鎖の平均パーセンテージに影響を与えることがわかった。
有利には、触媒系は、前記希土類塩が、ジエチレンジアミン四酢酸(EDTAと略記)を用いた錯化逆滴定法及び誘導結合プラズマ/発光分光法(ICP/AESと略記)法の両方によりに測定して、12.0%~13.5%の範囲の希土類金属質量含有量を有するようなものである。好ましくは、前記希土類塩は、12.5%~13.2%の範囲の希土類金属含有量を有する。
希土類有機リン酸塩は、有利には希土類トリス(有機リン酸塩)であり、有機リン酸塩は、一般式(R’O)(R”O)PO(OH)(式中、R’及びR”は、同一でも異なっていてもよく、アルキル、アリール又はアルキルアリールラジカルを表す)のリン酸ジエステルから選択することが可能である。例として、ネオジムトリス[ジブチルホスフェート]、ネオジムトリス[ジペンチルホスフェート]、ネオジムトリス[ジオクチルホスフェート]、ネオジムトリス[ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート]、ネオジムトリス[ビス(1-メチルヘプチル)ホスフェート]、ネオジムトリス[ビス(p-ノニルフェニル)ホスフェート]、ネオジムトリス[ブチル(2-エチルヘキシル)ホスフェート]、ネオジムトリス[(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)ホスフェート]、ネオジムトリス[(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ホスフェート]、ネオジムトリス[ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート]、ネオジムトリス[ビス(オレリル)ホスフェート]又はネオジムトリス[ビス(リネリル)ホスフェート]、に言及することができる。
特に、前記希土類金属のトリス[ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート]を、希土類塩として使用する。さらにより優先的には、前記希土類塩は、ネオジムトリス[ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート]である。
触媒系を予備形成するために使用することができる共役ジエンモノマーとして、1,3-ブタジエンに優先的に言及することができる。
2-メチル-1,3-ブタジエン(又はイソプレン)、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,4-ヘキサジエン、又は4~8個の間の炭素原子を有する他の共役ジエンにもまた言及することができる。
触媒系で使用することができるアルキル化剤として、式Al(R)3のトリアルキルアルミニウム又は式HAl(R)2の水素化ジアルキルアルミニウムから選択されるアルキルアルミニウムに言及することができる。アルキル基Rは、有利には1~20個の炭素原子を含み、より有利には1~12個の炭素原子を含む。トリ(アルキルアルミニウム)としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム又はトリオクチルアルミニウムに言及することができる。水素化ジ(アルキルアルミニウム)としては、水素化ジイソブチルアルミニウムに言及することができる。
本発明による触媒系で使用することができるハロゲン供与体として、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルキルアルミニウム又はハロゲン化アルキルアルミニウムを利用することに言及することができる。ハロゲン化アルキルアルミニウムが優先的に使用され、アルキル基は1~8個の炭素原子を含む。これらのうち、塩化ジエチルアルミニウムが好ましい。
有利には、希土類金属は、触媒系中に、0.005mol/l以上、好ましくは0.010~0.1mol/lの範囲、より具体的には0.02mol/l~0.08mol/lの範囲の濃度で存在する。
前記触媒系における「アルキル化剤」/「希土類の塩」のモル比は、有利には1~2の範囲の値を有することができる。
「ハロゲン供与体」/「希土類塩」のモル比は、有利には、2~3.6、より優先的には2.4~3.2の範囲、さらにより優先的には2.5~3の範囲の値を有し得る。
「予備形成モノマー」/「希土類の塩」のモル比は、有利には、15~70、又はさらに25~50の範囲の値を有し得る。
そのような触媒系を調製するためのプロセスは、例えば、特許出願WO02/38636に記載されている。
アルキルアルミニウムの交互添加
重合反応に使用される触媒系の導入から独立した流れによって、重合反応器に、式Al(R)3又はHAl(R)2又は(R’’’’)nAl(R’’’)3-n(式中、R及びR’’’は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子の飽和していてもよいアルキル基を表し、R’’’’はアリル基を表し、nは1~3の整数である)の少なくとも1種のアルキルアルミニウム化合物の所定の添加量を導入することが可能である。
アルキルアルミニウム化合物として、アルキルアルミニウム、例として
- トリアルキルアルミニウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-(t-ブチル)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、好ましくはトリイソブチルアルミニウム等、又は
- 水素化ジアルキルアルミニウム、例えば、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ジ-n-プロピルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジ-n-オクチルアルミニウム、水素化ジ-n-ブチルアルミニウム、好ましくは水素化ジイソブチルアルミニウム等、
に言及することができる。
有利には、「交互に添加されるアルキルアルミニウム化合物」/「触媒系中のアルキルアルミニウム」のモル比は、1/20~50/1の範囲であり、優先的には1/15~30/1の範囲であり、さらにより優先的には1/10~20/1の範囲である。
添加するアルキルアルミニウムの量は、重合媒体中で、希土類塩、特にネオジム塩のモル量に対するアルミニウムの総モル量のモル比が常に上で定義した範囲内にあるような量である。
重合溶媒
重合は、バルク条件下で行うことができる。この場合、重合溶媒の添加はない。
代替的に、重合は、溶液中又はセミバルク条件下で行うことができる。この場合、媒体は、特に環境上の理由から、好ましくは脂肪族又は脂環式低分子量溶媒である不活性炭化水素ベース重合溶媒を含む。言及することができる例には、n-ペンタン、イソペンタン、イソアミレン(2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン及び3-メチル-1-ブテン)、2,2-ジメチルブタン、2,2-ジメチルプロパン(ネオペンタン)、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、メチルシクロペンタン及びメチルシクロヘキサン、並びにこれらの化合物の混合物が含まれ、n-ペンタンが特に好ましい。言及することができる溶媒にはまた、芳香族炭化水素、例えばベンゼン又はトルエンが含まれる。
「バルク重合」という用語は、有機溶媒を含まない反応媒体中で行われる重合を意味すると理解される。
「溶液重合」という用語は、モノマー及び前記有機溶媒の総質量に対して70質量%~99質量%の有機溶媒を含む反応媒体中で行われる重合を意味すると理解される。
「セミバルク重合」という用語は、モノマー及び前記有機溶媒の総質量に対して0質量%~70質量%の間の有機溶媒を含む反応媒体中で行われる重合を意味すると理解される。
溶媒は、反応器に直接導入することができる。また、重合反応器に導入される少なくとも1種の他の成分、特に重合されるモノマーと事前に混合することもできる。
重合温度
変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの別の重要な特徴は、40℃を超える重合温度であり、これにより、このプロセスが工業規模での実施に好適なものになる。重合温度は40℃~90℃の間、好ましくは40℃~80℃の間、好ましくは45℃~75℃の間、及び好ましくは50℃~70℃である。
ステップ(b)
ステップ(a)で形成された疑似リビングエラストマーに添加されるこの多官能性化合物は、少なくとも3個の官能基を含み、したがってこれによりいくつかのポリブタジエン鎖を一緒に連結することが可能になる。有利には、この多官能性化合物は、少なくとも4個の官能基を含む。
この多官能性化合物は、少なくとも3個、有利には少なくとも4個の官能基を有する低分子、又はこれらの少なくとも3個、有利には少なくとも4個の官能基を有するポリマーであり得る。
多官能性化合物において、官能基は、有利には同一である。加えて、官能基は、有利には、以下に説明する官能化剤の官能基Aと同一である。
多官能性化合物は、有利には式(E)n-Rjに対応し、式中、nは3以上の整数を表し、Eは前記官能基を表し、Rjはn個の基Eを有する原子又は原子群を表す。
第1の実施形態では、Rjは、直鎖、分岐鎖、又は環状の炭化水素ベースラジカルであり、1種若しくは複数種の芳香族ラジカル及び/又は1種若しくは複数種のヘテロ原子を含有し得る。有利には、Rjは1種又は複数種の芳香族基を含む。n個の置換基Eに加えて、他の置換基が疑似リビングエラストマーの反応末端に対して不活性であるという条件で、Rj基は任意に置換することができる。
第2の実施形態では、Rjはポリマー炭化水素鎖である。
有利には、これらの実施形態のいずれかにおいて、RjはSi-O-Si鎖を含まない。
官能基Eは、有利には、エポキシド、グリシジルオキシ、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン、アジリジン及びイミダゾールから選択される。より有利には、官能基Eは、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン及びイミダゾールから選択される。
多官能性化合物は、有利には、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン(TGMDA)、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、テトラグリシジルキシレンジアミン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、テトラ(イソシアナト)シラン(CAS番号:3410-77-3)、フェニルトリス(メチルエチルケトキシミオ)シラン(CAS番号:34036-80-1)、ポリ[[1,3-ビス[3-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-1,3:1,3-ジシロキサンジリデン]-1,3-ビス(オキシ)](CAS番号:1325615-33-5)から選択される。好ましくは、多官能性化合物は、トリグリシジルアミノフェノール及びテトラグリシジルアミノジフェニルメタン(TGMDA)から有利に選択される。
「多官能性化合物」/「アルミニウム」のモル比は、有利には0.3未満であり、より有利には0.01~0.3の間である。
ここでも、アルミニウムの量は、反応媒体中に存在するアルミニウムの総量に相当し、触媒系に含まれるアルミニウム、及び適切な場合には、触媒系に対して交互に添加される追加のアルキルアルミニウム化合物に含まれるアルミニウムを考慮する。
少なくとも1種の多官能性化合物を疑似リビングエラストマー溶液と反応させるステップ(b)は、有利には40℃~90℃の間、より有利には40℃~80℃の間、さらにより有利には45℃~75℃の間、有利には50℃~70℃の範囲の温度で行われる。
ステップ(c)
ステップ(c)で導入される、ステップ(b)の疑似リビングエラストマーと反応することができる官能化剤は、式A-Ri-Bに対応し、式中、Aは疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応できる基を表し、RiはAとBの間の結合を形成する原子又は原子群を表し、Bは補強フィラーと反応できる官能基を表す。
Aは、有利には、エポキシド、グリシジルオキシ、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン、アジリジン及びイミダゾールから選択される。より有利には、Aは、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン及びイミダゾールから選択される。
Bは、好ましくはジアルコキシシラン、有利にはジエトキシシランである。
Ri基は、好ましくは、直鎖、分岐鎖、又は環状の炭化水素ベース二価ラジカルであり、1種若しくは複数種の芳香族ラジカル及び/又は1種若しくは複数種のヘテロ原子を含有し得る。他の置換基が疑似リビングエラストマーの反応末端に対して不活性であるという条件で、前記Riラジカルは任意に置換することができる。好ましい変形によれば、Ri基は、飽和又は不飽和、環状又は非環状の脂肪族二価C1-C18、有利にはC1-C10、より有利にはC1-C6、より有利にはC1-C3又はC2-C8炭化水素ベースラジカルを表し、これは、1種又は複数種の芳香族ラジカルを含有することができる。特に、Riは脂肪族二価C1-C3ラジカルである。特に、Riは脂肪族二価C2-C8ラジカルである。
「疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応できる基」という表現は、特にエポキシド、グリシジルオキシ、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン、アジリジン及びイミダゾールから選択される基を優先的に意味すると理解される。より有利には、疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応することができる基は、グリシジルアミノ、イソシアネート、イミン及びイミダゾールから選択される。
「補強フィラーと相互作用できる官能基」という用語は、好ましくは、第三級、保護若しくは非保護の第二級、又は保護若しくは非保護の第一級アミン、イミン、イミド、アミド、ニトリル、アゾ、カルバメート、メタクリレート、メタクリルアミド、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、エポキシ、グリシジルオキシ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、チオカルボニル 、チオエステル、スルホニル、シラン、シラノール、アルコキシシラン、アルコキシジアルキルシラン、ジアルコキシシラン、ジアルコキシアルキルシラン、トリアルコキシシラン、スタニル、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アルキルスズ、ハロゲン化アリールスズ、ポリエーテル、窒素含有複素環、酸素含有複素環、硫黄含有複素環、及び上記の基で置換された芳香族基、から選択される1種又は複数種の官能基を含む官能基を意味すると理解される。
例えば、補強フィラーと相互作用できる官能基として、ジアルコキシシラン官能基、特にジエトキシシラン官能基、特にジアルコキシアルキルシラン、例としてジエトキシアルキルシランが好ましい場合がある。
特にA基、Ri基及びB基の性質に関連する上記の種々の優先的又は非優先的な態様は、互いに組み合わせることができる。したがって、合成の難しさ及び商業的入手可能性に応じて、しかしとりわけ、変性ポリブタジエンと組み合わせて想定される補強フィラーのタイプに応じて、当業者は、どの組合せ、特に上記のA基及びB基の組合せのどれが特に有利であるかを知っているであろう。
これらの変形の例として、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン、N-(3-ジエトキシ(メチル)シリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、トリス(3-ジエトキシ(メチル)シリルプロピル)イソシアヌレート、及び3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン等の官能化剤に言及することができる。これらの官能化剤の中で、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン及び3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシランが特に有利である。
「官能化剤」/「アルミニウム」のモル比は、有利には少なくとも1である。好ましくは、「官能化剤」/「アルミニウム」のモル比は、少なくとも1/1かつ最大で10/1、優先的に最大で5/1、又はさらに最大で2/1である。
したがって、アルミニウムに対して、多官能性化合物が不足している一方で、官能化剤は等モル量又は過剰である。
ここでも、アルミニウムの量は、反応媒体中に存在するアルミニウムの総量に相当し、触媒系に含まれるアルミニウム、及び適切な場合には、触媒系に対して交互に添加される追加のアルキルアルミニウム化合物に含まれるアルミニウムを考慮する。
変性ポリブタジエンを得るためのプロセスのもう1つの重要な特徴は、多官能性化合物と官能化剤の添加順序である:多官能性化合物は、官能化剤の導入前に添加される。
官能化ステップ(c)は、有利には40℃~90℃の間、より有利には40℃~80℃の間、さらにより有利には45℃~75℃の間、及び有利には50℃~70℃の範囲の温度で行われる。
ステップ(d)
この段階で、本発明の変形によれば、変性ポリブタジエンを合成するプロセスは、それ自体既知の方法で継続することができる。したがって、一実施形態によれば、このステップで停止剤及び酸化防止剤を注入することが可能である。
次に、調製された変性ポリブタジエンの分離及び回収を伴う、それ自体既知の方法でプロセスを継続する。未反応のブタジエン及び/又は溶媒は、当業者に既知の方法に従って除去することができる。
これらの種々のステップの最後に回収された変性ポリブタジエンは、それ自体既知の方法で、例えばボールの形態で包装することができる。
したがって、上記のプロセスによって得ることができる本発明による組成物の変性ポリブタジエンは、官能化剤のみと反応した遊離ポリブタジエン鎖と、多官能性化合物を介して連結したポリブタジエン鎖とを含む。
変性ポリブタジエンは、有利には、100℃で40以上、特に40~80の範囲のムーニー粘度ML(1+4)を有する。
変性ポリブタジエンはまた、流動性の低下を有利に示し、これは、特に、変性ポリブタジエンの100℃でのコールドフローCF(1+6)値が1g未満、より有利には0.5g未満、さらにより有利には0.2g未満であることを特徴とすることができる。
好ましくは、変性ポリブタジエンは同時に以下を有する:
- ポリブタジエンに対して少なくとも55%、好ましくは少なくとも90%のcis-1,4単位結合のモル含有量;
- 2.3未満の多分散指数、
- 25%を超える官能化鎖の平均パーセンテージ、
- 40以上の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)、及び
- 100℃で1g未満、好ましくは0.5g未満のコールドフロー値CF(1+6)。
本文書において、「官能化鎖」は、後に定義される式A-Ri-Bの官能化剤と反応したポリブタジエン鎖を表す。
官能化鎖の平均パーセンテージは、ポリブタジエン鎖の総質量に対する変性ポリブタジエン鎖の質量の比である。これは、ポリマーの単位質量当たりのモル数による官能基の数CH2-Si/PBに、前記ポリマーの数ベースモル質量を乗じることによって決定される。官能基の数は、ポリマーの単位質量当たりのモル数で、実施例の冒頭に記載されたプロトコルに従って、1H NMRによって決定される。
有利には、変性ポリブタジエンは、25%~80%の間の官能化鎖の平均含有量を有する。一実施形態では、変性ポリブタジエンは、25%~60%の間の官能化鎖の平均パーセンテージを有する。別の実施形態では、変性ポリブタジエンは、40%~80%の間、有利には40%~70%の間の官能化鎖の平均パーセンテージを有する。
さらに、変性ポリブタジエンは、有利には、-100℃未満、好ましくは-105℃未満、好ましくは-110℃~-105℃の間のガラス転移温度(Tg)を有する。
有利には、本発明による組成物中の変性ポリブタジエンの含有量は、5~35phrに及ぶ範囲内、好ましくは10~34phrの間の範囲内である。
したがって、本発明によれば、本発明による組成物は、有利には、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー65~95phr並びにポリブタジエン5~35phr、好ましくは、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー66~90phr並びにポリブタジエン10~34phrである。
有利には、本発明による組成物のエラストマーマトリックスは、15phr未満のイソプレンエラストマーを含む。
「イソプレンエラストマー」は、知られているように、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、言い換えれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群から選択されるジエンエラストマーを意味するために与えられる。イソプレンコポリマーの中で、イソブテン/イソプレン(ブチルゴム-IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン/ブタジエン(BIR)又はイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)コポリマーに特に言及されることになる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴム又は合成cis-1,4-ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンの中で、cis-1,4-結合の含有量(mol%)が90%超、さらにより優先的には98%超であるポリイソプレンを利用することが好ましい。
本発明による組成物中のイソプレンエラストマーの含有量は、好ましくは14phr未満、好ましくは10phr未満、好ましくは5phr未満、好ましくは4phr未満である。
組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー並びに変性ポリブタジエンの総含有量は、有利には、85phr~100phr、好ましくは86~100phr、好ましくは90phr~100phr、好ましくは95~100phr、好ましくは96~100phrに及ぶ範囲内である。
特に有利には、本発明による組成物はイソプレンエラストマーを欠いている。したがって、有利には、本発明による組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー並びにポリブタジエンの総含有量は、100phrである。
II-2 補強フィラー
本発明による組成物は、タイヤの製造に使用することができるゴム組成物を補強する能力で知られている補強フィラーも含む。この補強フィラーは、シリカを含む。
本発明との関係において使用することが可能であるシリカは、当業者に既知であるあらゆるシリカ、特に、BET表面積及びCTAB比表面積が共に450m2/g未満、好ましくは30~400m2/gであるあらゆる沈降シリカ又はヒュームドシリカであり得る。
シリカのBET比表面積は、既知の方法で、The Journal of the American Chemical Society, Vol. 60, page 309, February 1938に記載のブルナウアー-エメット-テラー法を利用するガス吸着によって、より具体的には、1996年12月の仏国規格NF ISO 9277(多点(5点)容積法-ガス:窒素-脱気:160℃で1時間-相対圧力p/p0範囲:0.05~0.17)に従って決定される。シリカのCTAB比表面積は、1987年11月の仏国規格NF T 45-007(方法B)に従って決定される。
好ましくは、シリカは、100~250m2/gの間、好ましくは105~200m2/gに及ぶ範囲内、好ましくは125~180m2/gに及ぶ範囲内のBET比表面積を有する。
同様に好ましくは、シリカは、105~220m2/gの間、好ましくは110~200m2/gに及ぶ範囲内、好ましくは140~170m2/gに及ぶ範囲内のCTAB比表面積を有する。
本発明との関係において使用することが可能である補強無機フィラー、好ましくはシリカとしては、例えば、高分散性沈降シリカ(「HDS」と呼ばれる)、Evonik製Ultrasil 7000及びUltrasil 7005、Rhodia製Zeosil 1165MP、1135MP及び1115MP、PPG製シリカHi-Sil EZ150G、Huber製シリカZeopol 8715、8745及び8755、特許出願WO 03/16837に記載の高い比表面積を有するシリカに言及することになる。
補強シリカをジエンエラストマーに結合させるため、周知の方法で、満足のいく接続を与えることを意図した少なくとも二官能性カップリング剤(又は結合剤)、シリカ(その粒子の表面)とジエンエラストマーとの間の化学的及び/又は物理的性質を利用してもよい。特に、少なくとも二官能性であるオルガノシラン又はポリオルガノシロキサンを利用する。「二官能性」という用語は、シリカと相互作用することができる第1の官能基及びジエンエラストマーと相互作用することができる第2の官能基を有する化合物を意味すると理解される。例えば、このような二官能性化合物は、ケイ素原子を含む第1の官能基を含み、前記第1の官能基は、無機フィラー(シリカ等)のヒドロキシル基と相互作用することができ、かつこのような二官能性化合物は、硫黄原子を含む第2の官能基を含み、前記第2の官能基はジエンエラストマーと相互作用することができる。
優先的に、オルガノシランは、オルガノシランポリスルフィド(対称性又は非対称性)、例えばビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、すなわちTESPTと略記され、Evonikにより商品名Si69で販売されているもの、又はビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、すなわち、TESPDと略記され、Evonikにより商品名Si75で販売されているもの、ポリオルガノシロキサン、メルカプトシラン、ブロックメルカプトシラン、例えばS-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)オクタンチオエート、すなわちMomentiveにより商品名NXTシランで販売されているもの、からなる群から選択される。より好ましくは、オルガノシランはオルガノシランポリスルフィドである。
有利には、補強フィラーは主にシリカを含む。本発明による組成物中のシリカ含有量は、80~200phr、好ましくは100~180phr、好ましくは105~145phrに及ぶ範囲内であり得る。
補強フィラーは、カーボンブラックも含むことができる。本発明による組成物中のカーボンブラックの含有量は、0~40phr、好ましくは1~20phr、好ましくは2~10phrに及ぶ範囲内であり得る。
本発明との関係において使用することが可能であるブラックは、タイヤ又はそれらのトレッドに従来から使用されているあらゆるブラック(「タイヤグレード」ブラック)であり得る。後者の中で、より具体的には、100、200及び300シリーズの補強カーボンブラック、又は500、600若しくは700シリーズのブラック(ASTMグレード)、例えばN115、N134、N234、N326、N330、N339、N347、N375、N550、N683及びN772ブラックに言及することになる。これらのカーボンブラックは、市販されているように、単独状態で使用可能であり、或いはあらゆる他の形態で、例えば、使用されるゴム添加剤のいくつかに対する支持体として使用することができる。カーボンブラックは、例えば、ジエンエラストマー、特にイソプレンエラストマー中に、マスターバッチの形態で、既に組み込まれている可能性がある(例えば、特許出願WO97/36724又はWO99/16600を参照のこと)。
本発明の組成物中のカップリング剤の含有量は、有利には35phr以下であるが、それをできるだけ少なく使用することが一般に望ましいことが理解される。
典型的には、カップリング剤の含有量は、シリカの量に対して0.5質量%~15質量%に相当する。その含有量は、好ましくは0.5~20phrに及ぶ範囲内であり、より好ましくは1~3phrに及ぶ範囲内である。この含有量は、本発明の組成物に使用されるシリカの含有量に従って、当業者によって容易に調整される。
II-3 架橋系
架橋系は、タイヤ用ゴム組成物の分野の当業者に既知のあらゆるタイプの系であり得る。それは、特に、硫黄及び/又は過酸化物及び/又はビスマレイミドをベースとする場合がある。
好ましくは、架橋系は硫黄をベースとする;それは加硫系と呼ばれる。有利には、加硫系は、分子硫黄及び/又は少なくとも1種の硫黄供与剤を含む。少なくとも1種の加硫促進剤も優先的に存在し、また優先的に、種々の既知の加硫活性化剤、例として、酸化亜鉛、ステアリン酸若しくは同等の化合物、例えばステアリン酸塩、及び遷移金属の塩、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)、又は他の既知の加硫遅延剤、を利用してもよい。
硫黄は、0.5~12phの間、特に1~10phrの間の好ましい含有量で使用される。加硫促進剤は0.5~10phrの間、より優先的には0.5~5.0phrの間の優先的含有量で使用される。
促進剤として、硫黄の存在下でジエンエラストマーの加硫の促進剤として作用することができるあらゆる化合物を利用してもよく、特にチアゾールタイプの促進剤、及びまたそれらの誘導体、又はスルフェンアミド、チウラム、ジチオカルバメート、ジチオホスフェート、チオ尿素及びキサンテートタイプの促進剤を利用してもよい。特に、そのような促進剤の例として、以下の化合物に言及することができる:2-メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略記)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「CBS」)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」)、N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」)、N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(「TBZTD」)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(「ZBEC」)及びこれらの化合物の混合物。
II-4 可塑化系
本発明によるゴム組成物はまた、「高Tg」として知られる、20℃超のガラス転移温度を有する、25~100phrの、少なくとも1種の可塑化樹脂を含む(文言を簡単にするために、本文書では「可塑化樹脂」とも表す)。
II-4.1 可塑化樹脂
「樹脂」という名称は、本特許出願では、当業者に既知の定義によって、油等の液状可塑化化合物とは対照的に、周囲温度(23℃)で固体である化合物のために確保されている。
可塑化樹脂は、当業者に周知のポリマーであり、本質的に炭素及び水素をベースとするが、他のタイプの原子を含むことができ、特にポリマーマトリックス中の可塑剤又は粘着付与剤として使用することができる。可塑化樹脂は一般に、それらが意図されるポリマー組成物と共に使用される含有量で、真の希釈剤として作用するように、本質的に混和性(すなわち、相溶性)である。それらは、例えば、R. Mildenberg, M. Zander and G. Collinによる表題「Hydrocarbon Resins」の研究(New York, VCH, 1997, ISBN 3-527-28617-9)に記載され、その第5章は、特にタイヤゴム分野におけるそれらの応用に向けられている(5.5. "Rubber Tires and Mechanical Goods")。それらは、脂肪族、脂環式、芳香族、水素化芳香族、又は脂肪族/芳香族タイプであってもよく、すなわち脂肪族及び/又は芳香族モノマーをベースとするものであり得る。それらは天然又は合成であってよく、石油ベースであってもなくてもよい(石油ベースである場合、それらは石油樹脂という名称でも知られる)。それらのTgは、好ましくは20℃より高い(一般に30℃~95℃の間)。
知られているように、これらの可塑化樹脂はまた、加熱すると軟化して成形することができるという意味で、熱可塑性樹脂とも記述することができる。それらを軟化点によって定義してもよい。可塑化樹脂の軟化点は、一般にそのTg値よりおよそ50℃~60℃高い。軟化点は、ISO規格4625(環球法)に従って測定される。マクロ構造(Mw、Mn及びPDI)は、以下に示すようにサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。
備忘録として、SEC分析は、例えば、多孔質ゲルを充填したカラムに通してそれらのサイズに応じて溶液中の巨大分子を分離することで構成され;分子は、それらの流体力学的体積によって分離され、最も嵩高い分子が最初に溶出される。分析すべき試料を、事前に適切な溶媒である、テトラヒドロフランに1g/リットルの濃度で簡単に溶解させる。次に、装置への注入前に0.45μmの空隙率を有するフィルターに通して溶液を濾過する。使用装置は、例えば、以下の条件に従うWaters Allianceクロマトグラフラインである:
- 溶出溶媒はテトラヒドロフランであり;
- 温度:35℃;
- 濃度:1g/リットル;
- 流速:1ml/分;
- 注入量:100μl;
- ポリスチレン標準物質によるMoore較正;
- 直列の「Waters」カラムの3本セット(Styragel HR4E、Styragel HR1及びStyragel HR 0.5);
- オペレーティングソフトウェア(例えばWaters Millennium)を備えることができる示差屈折計(例えばWATERS 2410)による検出。
Moore較正は、低PDI(1.2未満)を有する一連の市販のポリスチレン標準物質を用いて、分析すべき質量範囲を網羅する既知のモル質量で行う。質量平均モル質量(Mw)、数平均モル質量(Mn)及び多分散指数(PDI=Mw/Mn)も記録データ(モル質量の質量分布曲線)から推定される。
したがって、本特許出願に示す全てのモル質量値は、ポリスチレン標準物質を用いて作成された較正曲線に関するものである。
本発明の優先的実施形態によれば、可塑化樹脂は、以下の特性の少なくともいずれか1つ、好ましくは2又は3つ、よりに優先的には全てを示す:
- 25℃超(特に30℃~100℃の間)、より優先的には30℃超(特に30℃~95℃の間)のTg;
- 50℃超(特に50℃~150℃の間)の軟化点;
- 300~2000g/molの間、優先的には400~1500g/molの間の数平均モル質量(Mn);
- 3未満、優先的には2未満(備忘録として:PDI=Mw/Mn、Mwは質量平均モル質量)の多分散指数(PDI)。
上記優先的な高Tg可塑化樹脂は当業者に周知であり、市販されており、例えば以下のように販売されている:
- ポリリモネン樹脂:DRTにより名称Dercolyte L120で(Mn=625g/mol;Mw=1010g/mol;PDI=1.6;Tg=72℃)又はArizonaにより名称Sylvagum TR7125Cで(Mn=630g/mol;Mw=950g/mol;PDI=1.5;Tg=70℃);
- C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、特にC5留分/スチレン又はC5留分/C9留分コポリマー樹脂:Neville Chemical Companyにより名称Super Nevtac 78、Super Nevtac 85及びSuper Nevtac 99で、Goodyear Chemicalsより名称Wingtack Extraで、Kolonにより名称Hikorez T1095及びHikorez T1100で又はExxonより名称Escorez 2101及びEscorez 1273で;
- リモネン/スチレンコポリマー樹脂:DRTにより名称Dercolyte TS 105でDRTから又はArizona Chemical Companyにより名称ZT115LT及びZT5100で。
本発明によれば、20℃超のガラス転移温度を有する可塑化樹脂は、シクロペンタジエン(CPDと略記)ホモポリマー又はコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略記)ホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマー樹脂及びその混合物を含むか又はそれらからなる群から選択することができる。好ましくは、可塑化樹脂は、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂及びその混合物を含むか又はそれらからなる群から選択することができる。
ここで、「テルペン」という用語は、既知のように、α-ピネン、β-ピネン及びリモネンモノマーをまとめたものであり;既知のように、3種の可能な異性体の形態、すなわちL-リモネン(左旋性エナンチオマー)、D-リモネン(右旋性エナンチオマー)、或いは左旋性エナンチオマーと右旋性エナンチオマーのラセミ体であるジペンテンで存在する化合物であるリモネンモノマーを、好ましくは利用する。ビニル芳香族モノマーとして好適なのは、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、オルト-メチルスチレン、メタ-メチルスチレン、パラ-メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン又はC9留分から(又はより一般にはC8-C10留分から)生じるあらゆるビニル芳香族モノマーである。
より具体的には、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C5留分/スチレンコポリマー樹脂、C5留分/C9留分コポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群から選択される可塑化樹脂に言及することができる。
全ての上記可塑化樹脂は当業者に周知であり、市販されており、例えばポリリモネン樹脂についてはDRTにより名称Dercolyteで販売され、C5留分/スチレン樹脂若しくはC5留分/C9留分樹脂については、Neville Chemical Companyにより名称Super Nevtacで、又はExxon Mobilにより名称Escorezで販売され、或いはStruktolにより名称40 MS又は40 NS(芳香族及び/又は脂肪族樹脂の混合物)で販売されている。
有利には、本発明による組成物中の20℃超のガラス転移温度を有する可塑化樹脂の含有量は、50~150phrの間、好ましくは55~100phrの間、特に有利には65~90phrである。
II-4.2 23℃で液体である可塑剤
これは本発明の実施に必須ではないが、本発明によるゴム組成物の可塑化系は、「低Tg」と呼ばれる、すなわち、定義により、-20℃未満、好ましくは-40℃未満のTgを有する、23℃で液体である可塑剤を含むことができる。本発明によれば、組成物は、任意に0~60phrの、23℃で液体である可塑剤を含むことができる。
23℃で液体である可塑剤を使用する場合、本発明によるトレッドの組成物中のその含有量は、1~40phr、好ましくは2~20phr、より好ましくは3~14phrに及ぶ範囲内であり得る。
芳香族又は非芳香族の性質を問わず、ジエンエラストマーに関する可塑化特性で知られている、23℃で液体であるあらゆる可塑剤(又は伸展油)を使用することができる。周囲温度(23℃)で、多かれ少なかれ粘性であるこれらの可塑剤又はこれらの油は、特に周囲温度で本質的に固体である可塑化樹脂とは対照的に、液体(すなわち、備忘録として、最終的にそれらの容器の形状になる能力を有する物質)である。
液状ジエンポリマー、ポリオレフィン油、ナフタレン油、パラフィン油、DAE油、MES(軽度抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates))油、TDAE(処理留出物芳香族系抽出物(Treated Distillate Aromatic Extracts))油、RAE(残留芳香族抽出物)油、TRAE(処理残留芳香族抽出物)油、SRAE(安全残留芳香族抽出物)油、鉱物油、植物油、エーテル系可塑剤、エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤及び23℃で液体のこれらの可塑剤の混合物を含むか又はそれらからなる群から選択される23℃で液体の可塑剤が、特に好適である。
例えば、23℃で液体である可塑剤は、好ましくは非芳香族である石油であり得る。液状可塑剤は、それが、IP 346法に従ってDMSO中の抽出物で決定される、可塑剤の総質量に対して、3質量%未満の多環式芳香族化合物の含有量を示す場合に、非芳香族と記載される。
23℃で液体である可塑剤は、オレフィン若しくはジエンの重合から生じる液状ポリマー、例としてポリブテン、ポリジエン、特にポリブタジエン、ポリイソプレン(名称LIRでも知られる)又はブタジエンとイソプレンのコポリマー、又はブタジエンとスチレン若しくはイソプレンとスチレンのコポリマー、又はこれらの液状ポリマーの混合物でもあり得る。そのような液状ポリマーの数平均モル質量は、好ましくは500g/mol~50000g/mol、好ましくは1000g/mol~10000g/molに及ぶ範囲内である。例として、Sartomer製のRicon製品に言及することができる。
23℃で液体である可塑剤が植物油である場合、それは、例えば、亜麻仁油、紅花油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、菜種油、ヒマシ油、桐油、パイン油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、グレープシードオイル及びこれらの油の混合物を含むか又はそれらからなる群から選択される油であり得る。植物油は、優先的にオレイン酸に富む、すなわち、それが由来する脂肪酸(又は数種が存在する場合、混合脂肪酸)が少なくとも60%に等しい質量分率、さらにより優先的には少なくとも70%に等しい質量分率によるオレイン酸を含む。有利には、植物油として、それが由来する混合脂肪酸が60%以上、好ましくは70%以上の質量分率による、また、本発明の特に有利な実施形態によれば、80%以上の質量分率によるオレイン酸を含むようなヒマワリ油を利用する。
本発明の別の特定の実施形態によれば、液状可塑剤は、カルボン酸トリエステル、リン酸トリエステル、スルホン酸トリエステル及びこれらのトリエステルの混合物からなる群から選択されるトリエステルである。
リン酸エステル系可塑剤の例として、12個~30個の間の炭素原子を含むもの、例えばリン酸トリオクチルに言及することができる。特にカルボン酸エステル系可塑剤の例として、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、フタル酸エステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸エステル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、セバシン酸エステル、グリセロールトリエステル及びこれらの化合物の混合物からなる群から選択される化合物に言及することができる。上記トリエステルの中で、好ましくは、不飽和C18脂肪酸、すなわちオレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びこれらの酸の混合物からなる群から選択される脂肪酸で主に(50質量%超、さらに好ましくは80質量%について)構成されるグリセロールトリエステルに特に言及することができる。グリセロールトリエステルが好ましい。より優先的には、合成起源のものであれ天然起源のもの(この場合、例えば、ヒマワリ油又はナタネ植物油の)であれ、使用される脂肪酸は、50質量%超について、さらにより優先的には、80質量%について、オレイン酸で構成される。高含有量のオレイン酸を有するこのようなトリエステル(トリオレイン酸エステル)は周知であり;それらは、タイヤトレッド中の可塑剤として、例えば、特許出願WO02/088238に記載されている。
23℃で液体である可塑剤がエーテル可塑剤である場合、それは、例えば、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールであり得る。
好ましくは、23℃で液体である可塑剤は、MES油、TDAE油、ナフテン油、植物油及び23℃で液体であるこれらの可塑剤の混合物を含むか又はそれらからなる群から選択される。より好ましくは、23℃で液体である可塑剤は、植物油、好ましくはヒマワリ油である。
同様に有利には、本発明による組成物は、液状ポリマーを含まない。
有利には、本発明による組成物は、10~60phr、好ましくは15~40phrの植物油、好ましくはヒマワリ油を含む。
II-5 他の可能な添加剤
本発明によるゴム組成物は、タイヤ用エラストマー組成物に慣用される通常の添加剤、例えば、可塑剤(例として、可塑化油及び/又は可塑化樹脂)、顔料、保護剤、例として耐オゾンワックス、化学的オゾン亀裂防止剤、酸化防止剤、抗疲労剤、補強樹脂等の全て又はいくつかを含んでもよい(例えば、特許出願WO02/10269に記載のように)。
II-6 ゴム組成物の調製
本発明に従う組成物は、適切なミキサーで、当業者に周知の2つの連続的調製段階を使用して製造することができる:
- 単一の熱化学的ステップで行うことができ、その間に全ての必要成分、特にエラストマーマトリックス、任意のフィラー及び任意の他の種々の添加剤が、加硫系を除いて適切なミキサー、例えば標準的な(例えば、「バンバリー」型の)内部ミキサーに導入される第1の熱化学的作業又は混練段階(「非生産」段階)。任意のフィラーをエラストマー中へ、熱化学的に混練しながら1回又は数回に分けて組み込むことができる。非生産段階は、110℃~200℃の間、好ましくは130℃~185℃の間の最高温度までの高温で、一般に2分~10分の間の時間行うことができる;
- 第1の非生産段階中に得られた混合物を、より低い温度、典型的に120℃未満、例えば40℃~100℃の間の温度まで混合物を冷却した後、外部ミキサー、例としてオープンミル内で行われる第2の機械的作業段階(「生産」段階)。次に、加硫系を組み込み、この組み合わせた混合物を、次に数分間、例えば5分~15分の間混合する。
このような段階は、例えば、特許出願EP-A-0501227、EP-A-0735088、EP-A-0810258、WO00/05300又はWO00/05301に記載されている。
このようにして得られた最終組成物は、引き続いて、特に実験室での特徴付けのため、例えばシート若しくはプラークの形態でカレンダー加工されるか、又は、例えば、乗用車のタイヤトレッドとして使用することができるゴム半完成(又はプロファイル(profiled))要素の形態で、また押し出される。これらの製品は、引き続き当業者に既知の技術に従って、タイヤの製造に使用することができる。
本組成物は、未加工状態(加硫前)又は硬化状態(加硫後)のどちらであってもよく、タイヤに使用することができる半完成品であってもよい。
本組成物の加硫は、当業者に既知の方法で、例えば、130℃~200℃の間の温度で、加圧下で行うことができる。
II-7 ゴム物品及びタイヤ
本発明の別の主題は、本発明による組成物を含む完成又は半完成ゴム物品である。
有利には、ゴム物品は、空気入り又は非空気入りタイヤ、好ましくは空気入りタイヤである。さらに当業者に周知の非空気入りタイヤの例として、特許出願WO03/18332及びWO2013/095499に特に記載されているものに言及することができる。
本発明はまた、本発明による組成物を含む、空気入り又は非空気入りタイヤ、好ましくは空気入りタイヤ、又は本発明による半完成ゴム物品にも関する。
既知の方法で、空気入り又は非空気入りタイヤのトレッドは、タイヤが回転している場合に地面と接触することを意図したトレッド面を含む。トレッドには、縦方向又は円周方向、横方向又はさらに斜めの種々の主溝によって区切られたトレッドパターン要素又は基本ブロックを特に含むトレッドパターンが設けられ、基本ブロックはさらに、種々の切り込み又はより細いサイプを含むことが可能である。
有利には、本発明による組成物は、タイヤのトレッド、好ましくは、タイヤが回転している場合に地面と接触することを意図したトレッドの半径方向外側部分に存在する。
本発明は、特に、乗用車、SUV(「スポーツ用多目的車(Sport Utility Vehicles)」)及び軽トラックタイプの自動車、特に乗用車及びSUVタイプの自動車に適合するように意図されたタイヤに関する。
本発明は、未加工の状態(すなわち、硬化前)及び硬化状態(すなわち、加硫後)の両方のタイヤに関する。
III-好ましい実施形態
上記に照らして、本発明の好ましい実施形態を以下に説明する:
1.以下をベースとするゴム組成物:
- -64℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー100質量部当たり25~95質量部、phrの、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー、並びにシリカと相互作用できる官能基で変性された、5~75phrのポリブタジエン、を含むエラストマーマトリックス、
- シリカを含む少なくとも1種の補強フィラー、
- シリカをジエンエラストマーにカップリングするための少なくとも1種の薬剤、
- 20℃超のガラス転移温度を有する、25~150phrの、少なくとも1種の可塑化樹脂、並びに
- 架橋系。
2.ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーが、-105℃~-70℃に及ぶ、好ましくは-95℃~-86℃の間の範囲内のガラス転移温度を有する、実施形態1に記載の組成物。
3.ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーが、その構造内に、ケイ素原子を介してエラストマーに結合した少なくとも1つのアルコキシシラン基及び窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
4.ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーにおいて、以下の特徴:
- 窒素原子を含む官能基は、第三級アミン、より具体的にはジエチルアミノ基又はジメチルアミノ基である、
- 窒素原子を含む官能基は、脂肪族C1-C10炭化水素ベースラジカル、より優先的には直鎖C3炭化水素ベースラジカルと定義されるスペーサー基を介してアルコキシシラン基によって担持されている、
- アルコキシシラン基は、部分的又は完全に水素化されてシラノールを与えてもよい、メトキシシラン又はエトキシシランである。
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、溶液中で調製されたブタジエン-スチレンコポリマーである。
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主に、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、-105℃~-70℃に及ぶ範囲内のガラス転移温度を有する、
のうちの少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個が観察される、実施形態3に記載の組成物。
5.ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーにおいて、以下の特徴:
- 窒素原子を含む官能基は、第三級アミン、より具体的にはジエチルアミノ基又はジメチルアミノ基である、
- 窒素原子を含む官能基は、直鎖C3炭化水素ベースラジカルを介してアルコキシシラン基によって担持されている、
- アルコキシシラン基は、部分的又は完全に水素化されてシラノールを与えてもよい、メトキシシラン又はエトキシシランである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、溶液中で調製されたブタジエン-スチレンコポリマーである、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、主に、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの2つの分岐鎖にケイ素原子を介して結合したアルコキシシラン基によって鎖の中間で官能化されている、
- ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーは、-95℃~-86℃の間のガラス転移温度を有する、
の全てが観察される、実施形態3に記載の組成物。
6.変性ポリブタジエンが、少なくとも55%、好ましくは少なくとも90%のcis-1,4単位結合のモル含有量を有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
7.変性ポリブタジエンを、以下のステップ:
(a)触媒系によってブタジエンを単独重合させて疑似リビングエラストマーを形成するステップであって、前記触媒系は少なくとも:
- 1種の共役ジエンモノマー、
- 有機リン酸の1種又は複数種の希土類金属の塩、
- アルミニウム含有アルキル化剤、及び
- ハロゲン化アルキルアルミニウムを含むハロゲン供与体、
をベースとしており、
- 前記塩は、脂肪族又は脂環式タイプの少なくとも1種の飽和不活性炭化水素ベース溶媒中の懸濁液又は溶液である、ステップと;
(b)少なくとも3個の官能基を含む多官能性化合物を、ステップ(a)で形成された疑似リビングエラストマーに添加するステップであって、前記官能基は、疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応することができる、ステップと;
(c)式A-Ri-Bに対応する官能化剤を、ステップ(b)で形成された混合物に添加するステップであって、式中、Aは疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応できる基を表し、RiはAとBの間の結合を形成する原子又は原子群を表し、Bは補強フィラーと反応できる官能基を表す、ステップと;
(d)変性ポリブタジエンを回収するステップと;
を含むプロセスによって得ることができ、このプロセスでは、重合媒体中のアルミニウムの総モル量は、「アルミニウム/希土類塩」のモル比が1~5の間の値を有し、重合は40℃~90℃の間の温度で行われる、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
8.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの触媒系において、「アルミニウム」/「希土類塩」のモル比が1~4の間、有利には2.5~3.8の範囲の値を有する、実施形態7に記載の組成物。
9.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの重合が、45℃~75℃の間の温度で行われる、実施形態7及び8のいずれか1つに記載の組成物。
10.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの触媒系において、前記塩がネオジムトリス[ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート]である、実施形態7~9のいずれか1つに記載の組成物。
11.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの「官能化剤」/「アルミニウム」モル比が、有利には少なくとも1である、実施形態7~10のいずれか1つに記載の組成物。
12.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの式A-Ri-Bの官能化剤について、Aがグリシジルアミノ、イソシアネート、イミン及びイミダゾールから選択される、実施形態7~11のいずれか1つに記載の組成物。
13.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの式A-Ri-Bの官能化剤について、Bがジアルコキシシラン、有利にはジエトキシシランである、実施形態7~12のいずれか1つに記載の組成物。
14.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの式A-Ri-Bの官能化剤について、Riが二価の脂肪族C1-C10ラジカルである、実施形態7~13のいずれか1つに記載の組成物。
15.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの「多官能性化合物」/「アルミニウム」モル比が0.3未満である、実施形態7~14のいずれか1つに記載の組成物。
16.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの多官能性化合物が、式(E)n-Rjに対応し、式中、nは3以上の整数を表し、Eは前記官能基を表し、Rjはn個の基Eを有する原子又は原子群を表す、実施形態7~15のいずれか1つに記載の組成物。
17.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの多官能性化合物において、前記官能基がグリシジルアミノ、イソシアネート、イミン及びイミダゾールから選択される、実施形態7~16のいずれか1つに記載の組成物。
18.変性ポリブタジエンを得るためのプロセスの多官能性化合物が、テトラグリシジルアミノジフェニルメタンである、実施形態7~17のいずれか1つに記載の組成物。
19.変性ポリブタジエンが、官能化剤のみと反応した遊離ポリブタジエン鎖と、多官能性化合物を介して連結したポリブタジエン鎖とを含む、実施形態7~18のいずれか1つに記載の組成物。
20.変性ポリブタジエンが、100℃で1g未満、好ましくは0.5g未満のコールドフロー値CF(1+6)を有する、実施形態7~19のいずれか1つに記載の組成物。
21.変性ポリブタジエンが、
- ポリブタジエンに対して少なくとも90%のcis-1,4単位結合のモル含有量;
- 2.3未満の多分散指数、
- 25%を超える官能化鎖の平均パーセンテージ、
- 40以上の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)、及び
- 100℃で1g未満、好ましくは0.5g未満のコールドフロー値CF(1+6)、
を有する、実施形態7~20のいずれか1つに記載の組成物。
22.変性ポリブタジエンが、-100℃未満、好ましくは-105℃未満のガラス転移温度を有する、実施形態7~21のいずれか1つに記載の組成物。
23.変性ポリブタジエンが、25%~80%の間、好ましくは25%~60%の間の官能化鎖の平均含有量を有する、実施形態7~22のいずれか1つに記載の組成物。
24.変性ポリブタジエンが、40%~80%の間の官能化鎖の平均含有量を有する、実施形態7~22のいずれか1つに記載の組成物。
25.組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの含有量が、65~95phrに及ぶ範囲内であり、組成物中の変性ポリブタジエンの含有量が、5~35phrに及ぶ範囲内である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
26.エラストマーマトリックスが15phr未満のイソプレンエラストマーを含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の組成物。
27.組成物中のイソプレンエラストマーの含有量が、14phr未満、好ましくは10phr未満、好ましくは5phr未満である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の組成物。
28.組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー並びに変性ポリブタジエンの総含有量が、85~100phr、好ましくは90~100phrに及ぶ範囲内にある、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
29.組成物中のブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー並びに変性ポリブタジエンの総含有量が、100phrである、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
30.補強フィラーが主にシリカを含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
31.シリカが、100~250m2/gの間、好ましくは105~200m2/g、好ましくは125~180m2/gに及ぶ範囲内のBET比表面積を有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
32.シリカが、105~220m2/gの間、好ましくは110~200m2/g、好ましくは140~170m2/gに及ぶ範囲内のCTAB比表面積を有する、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
33.組成物中のシリカの含有量が、80~200phr、好ましくは100~180phr、より好ましくは105~145phrに及ぶ範囲内である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
34.組成物中の20℃超のガラス転移温度を示す可塑化樹脂の含有量が、50~150phr、好ましくは55~100phr、より好ましくは65~90phrに及ぶ範囲内である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
35.20℃超のガラス転移温度を示す可塑化樹脂が、シクロペンタジエンホモポリマー又はコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマー樹脂及びその混合物からなる群から選択される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
36.0~60phrの、23℃で液体の可塑剤を含んでもよい、前述の実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
37.1~40phr、好ましくは2~20phr、好ましくは3~14phrの、23℃で液体の可塑剤を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物。
38.23℃で液体の可塑剤が、液状ジエンポリマー、ポリオレフィン油、ナフタレン油、パラフィン油、DAE油、MES油、TDAE油、RAE油、TRAE油、SRAE油、鉱物油、植物油、エーテル系可塑剤、エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施形態36又は37に記載の組成物。
39.23℃で液体である可塑剤が、MES油、TDAE油、ナフテン油、植物油及び23℃で液体であるこれらの可塑剤の混合物からなる群から、好ましくは植物油、好ましくはヒマワリ油からなる群から選択される、実施形態36又は37に記載の組成物。
40.架橋系が、分子硫黄及び/又は少なくとも1種の硫黄供与剤を含む加硫系である、実施形態1~41のいずれか1つに記載の組成物。
41.実施形態1~40のいずれか1つに記載の組成物を含む、完成又は半完成ゴム物品。
42.実施形態1~40のいずれか1つに記載のゴム組成物を含む、空気入り又は非空気入りタイヤ。
43.実施形態1~40のいずれか1つに記載の組成物がタイヤのトレッドに存在する、実施形態42に記載の空気入り又は非空気入りタイヤ。
IV-実施例
IV-1 使用された測定及び試験
動的特性:
動的特性G*及びtan(δ)Maxは、ASTM規格D5992-96に従って粘度分析計(Metravib VA4000)で測定する。tan(δ)Maxの測定のためにはASTM規格D1349-09に従って標準温度条件(23℃)下又は0℃で、或いはG*の測定のためには-20℃で、10Hzの周波数で単純両振り正弦せん断応力(simple alternating sinusoidal shear stress)を施した加硫済み組成物(厚さ2mm及び断面積79mm2を有する円筒状試験片)の試料の応答を記録する。歪み振幅掃引を0.1%から50%まで(外方向サイクル)、その後50%から0.1%まで(戻りサイクル)行う。戻りサイクルについて、観察されたtanδの最大値(tan(δ)max)及び0.1%歪みでの値と50%歪みでの値との間の(Payne効果)複素弾性率の差(ΔG*)を示す。
使用された結果は、0℃及び23℃での損失係数tan(δ)Max、及び-20℃での複素動的せん断弾性率G*である。
0℃でのtan(δ)Maxについての結果はベース100で表し、対照に値100を割り当てる。100より大きい結果は性能の改善を示し、すなわち検討中の実施例の組成物は、このような組成物を含むトレッドの湿地上でのより良好なグリップを反映している。
23℃でのtan(δ)Max及び-20℃でのG*についての結果はベース100で表し、対照に値100を割り当てる。100未満の結果は、性能の改善を示し、すなわち検討中の実施例の組成物は、このような組成物を含むトレッドの雪で覆われた地面上でのそれぞれより良好な転がり抵抗及びより良好なグリップを反映している。
耐摩耗性
標準化研磨紙上の40メートルの直線的移動後の試料の体積損失を決定することに基づく、2010年11月のNF ISO規格4649に従って、摩耗による体積損失を決定することによって得られる耐摩耗性を測定する。
より具体的には、摩耗による体積損失は、2010年11月のNF ISO規格4649(方法B)の指示に従って、5N(N=ニュートン)の接触圧力下で40mのコースにわたって回転ドラムの表面に付着させたP60粗さの研磨シートの作用を円筒状試験片に施す摩耗試験機を使用して決定する。試料の質量損失を測定し、試験片を構成する材料の密度(ρ)に応じて体積損失を計算する。試験片を構成する材料の密度(ρ)は、材料の各成分の質量分率及びそれらのそれぞれの密度(ρ)に基づいて従来の方法で得られる。
結果をベース100で示す。対照組成物に割り当てた任意の値100によって、種々の試験組成物の物質体積損失の比較が可能になる。試験した組成物についてベース100で表される値を以下の演算に従って計算する:(対照組成物の物質体積損失の測定値/試験組成物の物質体積損失の測定値)×100。このように、100を超える結果は、体積損失の低減、ひいては耐摩耗性の改善を示すことになり、耐摩耗性能の改善に対応する。逆に、100未満の結果は、体積損失の増加、ひいては耐摩耗性能の低下に対応する耐摩耗性の低下を示す。
ムーニー粘度
ポリマー及びゴム組成物について、100℃でのムーニー粘度ML(1+4)を、ASTM規格D1646(2015年12月)に従って測定する。
ASTM規格D1646に記載されているように、振動稠度計を利用する。ムーニー可塑性測定は、以下の原則に従って実行する:未加工の状態(すなわち、硬化前)のエラストマー又は組成物を、100℃に加熱された円筒形チャンバー内で成形する。1分間の予熱後、ロータを試験片内で2回転/分で回転させ、4分間回転させた後、この動作を維持するための作動トルクを測定する。ムーニー可塑性ML(1+4)は、「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83N.m)で表す。
組成物のムーニー粘度とエラストマーのムーニー粘度との差により、原材料の加工性又は加工(raw processability or processing)を測定することが可能になる。この差が小さいほど、原材料加工が優れている。
示差熱量測定
エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、走査速度20℃/分の示差熱量計(「示差走査熱量計」)を使用して決定する。
近赤外(NIR)分光法
エラストマーの微細構造は、近赤外(NIR)分光法によって特徴付けられる。
近赤外(NIR)分光法を使用して、エラストマー中のスチレンの質量含有量及びその微細構造(1,2-ブタジエン、trans-1,4-ブタジエン及びcis-1,4-ブタジエン単位の相対分布)を定量的に決定する。この方法の原理は、多成分系に一般化されたランベルト・ベールの法則に基づいている。この方法は間接的であるため、13C NMRによって決定される組成を有する標準エラストマーを使用して実行される多変量較正[Vilmin, F., Dussap, C. and Coste, N., Applied Spectroscopy, 2006, 60, 619-29]を伴う。次いで、厚さおよそ730μmのエラストマーフィルムのNIRスペクトルから微細構造を計算する。スペクトルは、ペルチェ効果によって冷却されたInGaAs検出器を備えたBruker Tensor37フーリエ変換近赤外分光計を使用して、2cm-1の分解能を用いて4000~6200cm-1の間の透過モードにて取得する。
固有粘度
25℃でのエラストマーの固有粘度は、以下の原理に従って、トルエン中のエラストマーの0.1g.dl-1溶液から決定される。
固有粘度は、毛管中のポリマー溶液の流動時間t及びトルエンの流動時間t0の測定によって決定される。
トルエンの流動時間及び0.1g.dl-1ポリマー溶液の流動時間は、25±0.1℃に恒温制御された浴中に置かれたウベローデ管(キャピラリーの直径0.46mm、容量18~22ml)中で測定する。
固有粘度は、以下の関係:
Figure 2023548355000001
によって得られる。
(式中、C:g.dl-1におけるトルエン中のポリマー溶液の濃度、
t:秒単位のトルエン中のポリマー溶液の流動時間、
0:秒単位のトルエンの流動時間、
ηinh:dl.g-1単位で表される固有粘度)
コールドフロー(CF(1+6)100℃)
これは、所定の時間(6時間)にわたって一定の条件下(T=100℃)で、較正されたダイから押し出されたエラストマーの質量を測定することである。ダイは、直径6.35mm、厚さ0.5mmであり、直径52mmのくぼんだ円筒皿の底と中央に配置する。
事前にペレット(厚さ2cm、及び直径52mm)に成形したエラストマー40±4gを、この装置に入れる。質量1kg(±5g)の較正済みピストンを、エラストマーペレット上に配置する。続いて、アセンブリを100±0.5℃のオーブンに入れる。
オーブン内の最初の1時間は条件が安定しないため、t=1時間で押し出された製品を切断して廃棄する。
続いて、測定を6時間±5分間継続し、その間、製品をオーブンに放置する。6時間後、押し出された製品の試料を切り取り、秤量する。測定結果は、秤量されたエラストマーの質量であり、g単位で表す。この結果が小さいほど、エラストマーはコールドフローに対する耐性が大きい。
ポリマーの単位質量当たりのmol数での官能基の数の決定:得られたポリブタジエンにグラフトされた(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン(GMDE)の量の決定
a)原則:
この測定は、凝固試料のNMR分析によって行う。
スペクトルは、Bruker cryo-BBFO z-grad 5mmプローブを装備したBruker Avance III HD 500 MHz分光計で取得する。
1D 1H NMRスペクトルは、傾斜角30°の単一パルス実験を使用して記録し、反復回数は128回であり、リサイクル遅延は5秒である。実験は25℃で行う。
b)試料調製:
25mgの試料を1mlの二硫化炭素(CS2)に溶解する;70μlの重水素化シクロヘキサン(C612)を、電界周波数ロック用のポリマー溶液に添加する。
c)特性評価:
NMRスペクトルには、ブタジエン単位(BR1-4及びBR1-2)に特徴的なシグナルが含まれている。これらに加えて、官能化剤、この場合はGMDE分子に起因する(低強度の)孤立したシグナルが観察される。BRマトリックスにおけるこの分子の特徴的なシグナルの1H化学シフトを以下に示す:
δ1H (ppm) 属性
5.45 -CH=CH2 BR1-2
5.23 -CH=CH- BR1-4
4.85 -CH=CH2 BR1-2
3.61 -O-CH2-CH3 (GMDE)
0.00 -Si-CH3 (GMDE)
0.46 -Si-CH2- (GMDE)
Topspinソフトウェアを使用して、1D 1H NMRスペクトルの積分から定量化を行った。
定量化のために考慮される積分ゾーンは次のとおりである:
- A:BR1-4からの2つのプロトン及びBR1-2からの1つのプロトンに対応する5.5ppm~5.0ppmの間、
- B:BR1-2の2つのプロトンに対応する5.5~4.75ppmの間
- C:GMDE(-O-CH2-CH3単位)の2つのプロトンに対応する3.66~3.56ppmの間
- D:GMDE(-Si-CH3単位)の3つのプロトンに対応する0.02~-0.10ppmの間
微細構造は、以下のようにモルパーセンテージで定量化することができる。
単位のモル%=単位の1H積分×100/Σ(各単位の1H積分)
(式中、
- BR1-4単位の1H積分=(A-(B/2))/2
- BR1-2単位の1H積分=B/2
- -O-CH2-CH3 GMDE単位の1H積分=C/2
- -Si-CH3 GMDE単位の1H積分=D/3)
試料の精製部分の1D 1H NMRスペクトルの積分を使用して、グラフトGMDE単位の定量化を、上記のようにモルパーセンテージとして行うことができる。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)技術によって得られたポリブタジエンのモル質量分布の決定
a)測定の原則:
サイズ排除クロマトグラフィー又はSECによって、多孔質ゲルで満たされたカラムを介して、溶液中の巨大分子をそのサイズに従って分離することが可能になる。巨大分子は流体力学的体積に従って分離され、最も嵩高いものが最初に溶出される。
絶対的な方法ではないが、SECによって、ポリマーのモル質量分布が理解される。市販の標準品から、種々の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を測定することができ、「Moore」較正を介して、多分散指数(PDI=Mw/Mn)を計算することができる。
b)ポリマーの調製:
ポリマー試料は、分析前に特別な処理を受けない。ポリマー試料は、およそ1g/lの濃度でテトラヒドロフランに単純に溶解させる。
c)SEC分析:
ケースc1)使用される装置は、Waters Allianceクロマトグラフラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は1ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は30分である。商品名「Styragel HT6E」のWatersカラムの2本セットを使用する。
ポリマー試料溶液の注入体積は、100μlである。検出器は、Waters2140示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するためのソフトウェアは、Waters Millenniumシステムである。
ケースc2)使用される装置は、Waters Allianceクロマトグラフである。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は0.7ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は90分である。商品名「Styragel HMW7」、「Styragel HMW6E」、及び2本の「Styragel HT6E」を備える、直列のWatersカラムの4本セットを使用する。
ポリマー試料溶液の注入体積は、100μlである。検出器は、WatersモデルRI32X示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するためのソフトウェアは、Waters Millenniumシステムである。
Nd/Bd/DIBALH/DEAC触媒系の合成
MCHで希釈されたNd/Bd/DIBALH/DEAC触媒系を、WO-A-02/38636(8~11ページ)に記載の手順に従って合成する:
この触媒を得るために、粉末形態のリン酸ネオジム塩を、あらかじめ不純物を除去した反応器に導入する。次に、反応媒体を不活性にする目的で、この塩を窒素で10分間バブリングする。次に、以下の連続するステップを実行する:
- 溶媒和の第1のステップ:
予備蒸留されたMCHからなり、アルミナで精製され、窒素でバブリングされた溶媒を、反応器に導入する。ゲルの形成を考慮して、この溶媒をネオジム塩と接触させる時間及び温度は、撹拌しながら30℃で30分である。
- モノマー添加の第2ステップ:
次に、アルミナ上で事前に精製し、窒素でバブリングしたブタジエンを、30℃で反応器に導入する。このモノマーは、エージングステップ中に触媒を予備成形するために使用する。
- アルキル化の第3ステップ:
次に、MCH中の溶液中のDIBALHを、ネオジム塩をアルキル化するための試薬として、およそ1mol/lの濃度で反応器に導入する。アルキル化時間は15分である。アルキル化反応の温度は30℃である。
- ハロゲン化の第4ステップ:
次に、MCH中の溶液中のDEACを、およそ0.5mol/lの濃度でハロゲン供与体として反応器に導入する。反応媒体の温度を60℃にする。
- エージングの第5のステップ:
このようにして得られた混合物を、60℃の温度を50分間維持することによってエージングさせる。
得られた触媒溶液を、最終的に窒素雰囲気下にて、-15℃~-5℃の間の温度で保存する。
触媒系は、ネオジム塩を指標とするモル比で、Nd/モノマー/アルキル化剤/ハロゲン化剤の形態で与えられる触媒配合を特徴とする。例では、ネオジム濃度触媒配合は1/36/3/2.6であり、濃度は0.038mol/lである。
「総Al」は、反応媒体中に存在するアルミニウムの総量を定義する。
IV-2 エラストマー試験
いくつかのポリブタジエン(比較例EC1~EC8及び本発明による実施例I1~I4)を合成し、以下のプロセスに従って比較した。
メチルシクロヘキサン及びブタジエンを、当業者によって完全に撹拌されていると想定される、32lの連続供給撹拌反応器に連続的に導入した。ブタジエンの質量流量は5.30kg.h-1であり、メチルシクロヘキサン/ブタジエン混合物中のブタジエンの質量濃度は9質量%であった。
水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)を、第1の反応器の入口に存在する種々の成分によって導入されたプロトン性不純物を中和するのに十分な量で導入した。反応器の入口で、ブタジエン100g当たり一定量のDIBALH及びブタジエン100g当たり一定量の上記触媒系を導入した。
反応器内の平均滞留時間が25分になるように、さまざまな流量を計算する。温度を、所定の重合温度に維持する。
重合反応器の出口で、ポリマー溶液の試料を取り出す。このようにして得られたポリマーを、0.4phrの2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール)及び0.2phrのN-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンの添加による酸化防止処理にかける。このように処理されたポリマーを、続いて蒸気ストリッピング操作によってその溶液から分離し、次に、オープンミル上で100℃で乾燥させる。
重合反応器を出る際に、少なくとも重合温度に等しい温度で、メチルシクロヘキサン中の溶液中の(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシランの、ブタジエン100g当たりの一定量を、((3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン)/(総Al)のモル比2.5で、リビングポリマーの溶液に添加した。任意に、(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシランの導入前又は導入と同時に、トルエン中の溶液中の、ブタジエン100g当たり、一定量の4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)(又はTGMDA)を、(4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン))/(総Al)のモル比0.10で、リビングポリマー溶液に添加した。
このようにして得られたポリマーを、続いて、0.4phrの2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール)及び0.2phrのN-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンの添加による酸化防止処理にかけた。
このように処理されたポリマーを、次に蒸気ストリッピング操作によってそれらの溶液から分離し、次に、オープンミル上で100℃で乾燥させた。
DIBALHの量(ブタジエン100g当たりのμmol単位で)、ネオジム濃度(μmcm単位)に対応する触媒系の量(ブタジエン100g当たりのμmol単位で)、重合温度、「初期」固有粘度、SEC技術によって決定される数平均モル質量、すなわちMn、多分散指数、すなわちPDI、メチルシクロヘキサン中の溶液中の(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシランの量(ブタジエン100g当たりのμmol単位の「官能化剤」)、トルエン中の溶液中の4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)の使用されてもよい量(ブタジエン100g当たりのμmol単位の「多官能性化合物」)、及び導入の時点:(3-グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン)の前(AV)又はそれと同時に(EMT)のいずれか、「最終」固有粘度、これらのポリマーのムーニー粘度、NIR法によって決定されたポリマーの質量に対するcis-1,4単位の含有量、これらのポリマーのガラス転移温度、すなわちTg、ポリマーのコールドフローCF(1+6)100℃、並びに1H NMRによって測定された官能基の数、及びまた官能化鎖の平均パーセンテージが、以下の表1に示されている。
この表において、「総Al」は、触媒のDIBALH(Nd/Al比が3である)及び重合反応で添加されたDIBALHを考慮して計算される。**官能化鎖の平均パーセンテージ(%)は、式:(CH2-Si/PB)×Mn×1.10-4(式中、CH2-Si/PBはmmol/kg単位、Mnはg/mol単位である)によって得られる。
Figure 2023548355000002
これらの結果は、得られたモル質量が何であれ、官能化鎖の含有量が高くなるように、可能な限り低い総Al/Nd塩比を有することが好ましいことを示している(EC3及びEC4と比較してEC1及びEC2を参照のこと)。さらに、多官能性化合物を官能化剤の前に添加して、官能化鎖の含有量を高くし、流動性を低下させることが有利である(EC5と比較してI1を参照のこと)。EC1、EC6、EC7、及びEC8の比較は、官能化鎖の含有量に対する重合温度の影響を示している。最後に、EC1とI3又はEC6とI2の比較は、流動性を低下させ、官能化鎖の含有量を高く維持するために、多官能性化合物を添加することの有益な効果を示している。
したがって、本発明との関係において使用することが可能である官能化ポリブタジエンのみがコールドフローの低下を示し、このことは、ゴム組成物を製造するプロセスにおいてポリブタジエンを保存又は使用するのに特に有利である。
IV-3 組成物の調製
以下の実施例において、ゴム組成物を、上記II-6に記載のように製造した。特に、「非生産」段階は、160℃の最高降下温度に達するまで、毎分50回転の平均ブレード速度で、0.4リットルのミキサー内で3.5分間実行した。「生産」段階は、23℃で5分間オープンミルで実行した。組成物の架橋は、130℃~200℃の間の温度で、加圧下で行った。
IV-4 ゴム組成物に関する試験
対照組成物(C1)を含む4種の対照組成物(T1~T4)及び本発明による組成物(I1)。
試験配合物は全て、その性質及び含有量を下表2に示すエラストマーマトリックス、Rhodia製の120phrの「HDS」型Zeosil 1165 MP、シリカをエラストマーにカップリングするための薬剤として9.6phrのTESPT液状シラン(Degussa製Si69)、Cabot製の4phrのASTM N234グレードのカーボンブラック、ExxonMobil製の73phrのC5/C9樹脂「ECR-373樹脂」(Tg=44℃)、12phrのトリオレイン酸グリセリル(85質量%のオレイン酸を含むヒマワリ油)Novance製「Lubrirob Tod1880」、2phrのオゾン防止ワックス(Sasol Wax製の「Varazon4959」)、3phrの酸化防止剤(N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニルパラフェニレンジアミン、Flexsys製の「Santoflex6-PPD」)、3phrのステアリン酸(Uniqema製のPristerene4931)、Flexsys製の2phrのPerkacit DPGジフェニルグアニジン、1.4phrの硫黄、加硫促進剤として1.6phrのN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Flexsys製Santocure CBS)、及び1.5phrの工業グレードの酸化亜鉛(Umicore)を含有する。これらの配合物の特性も、下表2に示す。
表2に示す試験の目的は、雪で覆われた地面上のグリップ、耐摩耗性及び転がり抵抗という特性に対するエラストマーマトリックスの効果、特に-64℃未満のガラス転移温度を有するブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーの効果を実証することである。
Figure 2023548355000003
これらの結果は、ポリブタジエンとのブレンドにおいて本発明に従うブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーを使用すると、転がり抵抗に大き過ぎる損害をもたらすことなく、雪で覆われた地面上のグリップ及び耐摩耗性を改善することができることを示す。逆に、本発明に従うブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーを、本発明に従わないブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーに置き換えると、耐摩耗性、雪で覆われた地面上のブリップ力、及び潜在的に転がり抵抗に関する性能の損失が系統的に発生する。本発明に従うブタジエンとスチレンをベースとするコポリマーと、本発明に従うポリブタジエンとの組合せによって、この性能が損なわれるのをさらに改善することができることに留意されたい。

Claims (15)

  1. 以下をベースとするゴム組成物:
    - -64℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー100質量部当たり25~95質量部(すなわち、phr)の、ブタジエンとスチレンをベースとするコポリマー、並びにシリカと相互作用できる官能基で変性された、5~75phrのポリブタジエン、を含むエラストマーマトリックス、
    - シリカを含む少なくとも1種の補強フィラー、
    - シリカをジエンエラストマーにカップリングするための少なくとも1種の薬剤、
    - 20℃超のガラス転移温度を有する、25~150phrの、少なくとも1種の可塑化樹脂、並びに
    - 架橋系。
  2. ブタジエンとスチレンをベースとする前記コポリマーが、-105℃~-70℃に及ぶ、好ましくは-95℃~-86℃の間の範囲内のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. ブタジエンとスチレンをベースとする前記コポリマーが、その構造内に、ケイ素原子を介して前記エラストマーに結合した少なくとも1つのアルコキシシラン基及び窒素原子を含む少なくとも1つの官能基を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記変性ポリブタジエンが、少なくとも55%、好ましくは少なくとも90%のcis-1,4単位結合のモル含有量を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記変性ポリブタジエンを、以下のステップ:
    (a)触媒系によってブタジエンを単独重合させて疑似リビングエラストマーを形成するステップであって、前記触媒系は少なくとも:
    - 1種の共役ジエンモノマー、
    - 有機リン酸の1種又は複数種の希土類金属の塩、
    - アルミニウム含有アルキル化剤、及び
    - ハロゲン化アルキルアルミニウムを含むハロゲン供与体、
    をベースとしており、
    - 前記塩は、脂肪族又は脂環式タイプの少なくとも1種の飽和不活性炭化水素ベース溶媒中の懸濁液又は溶液である、ステップと;
    (b)少なくとも3つの官能基を含む多官能性化合物を、ステップ(a)で形成された前記疑似リビングエラストマーに添加するステップであって、前記官能基は、前記疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応することができる、ステップと;
    (c)式A-Ri-Bに対応する官能化剤を、ステップ(b)で形成された混合物に添加するステップであって、式中、Aは前記疑似リビングエラストマーの反応性末端と反応できる基を表し、RiはAとBの間の結合を形成する原子又は原子群を表し、Bは補強フィラーと反応できる官能基を表す、ステップと;
    (d)前記変性ポリブタジエンを回収するステップと;
    を含むプロセスによって得ることができ、
    このプロセスでは、前記重合媒体中のアルミニウムの総モル量は、「アルミニウム/希土類塩」のモル比が1~5の間の値を有し、前記重合は40℃~90℃の間の温度で行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記変性ポリブタジエンが、前記官能化剤のみと反応した遊離ポリブタジエン鎖と、前記多官能性化合物を介して連結したポリブタジエン鎖とを含む、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記変性ポリブタジエンが、
    - 前記ポリブタジエンに対して少なくとも90%のcis-1,4単位結合のモル含有量;
    - 2.3未満の多分散指数、
    - 25%を超える官能化鎖の平均パーセンテージ、
    - 40以上の100℃でのムーニー粘度ML(1+4)、及び
    - 100℃で1g未満、好ましくは0.5g未満のコールドフロー値CF(1+6)、
    を有する、請求項5又は6に記載の組成物。
  8. 前記組成物中のブタジエンとスチレンをベースとする前記コポリマーの含有量が、65~95phrに及ぶ範囲内であり、前記組成物中の前記変性ポリブタジエンの含有量が、5~35phrに及ぶ範囲内である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記補強フィラーが主にシリカを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記シリカが、100~250m2/gの間、好ましくは105~200m2/g、好ましくは125~180m2/gに及ぶ範囲内のBET比表面積を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物中のシリカの含有量が、80~200phr、好ましくは100~180phr、より好ましくは105~145phrに及ぶ範囲内である、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 20℃超のガラス転移温度を示す可塑化樹脂の含有量が、50~150phr、好ましくは55~100phr、より好ましくは65~90phrに及ぶ範囲内である、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 20℃超のガラス転移温度を示す前記可塑化樹脂が、シクロペンタジエンホモポリマー又はコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマー樹脂及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物を含む、完成又は半完成ゴム物品。
  15. 請求項1~13のいずれか1項に記載のゴム組成物を含む、空気入り又は非空気入りタイヤ。
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