JP2023547584A - マンガン化学療法、光音響イメージング、及び光温熱療法のためのテキサフィリン誘導体 - Google Patents

マンガン化学療法、光音響イメージング、及び光温熱療法のためのテキサフィリン誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023547584A
JP2023547584A JP2023510329A JP2023510329A JP2023547584A JP 2023547584 A JP2023547584 A JP 2023547584A JP 2023510329 A JP2023510329 A JP 2023510329A JP 2023510329 A JP2023510329 A JP 2023510329A JP 2023547584 A JP2023547584 A JP 2023547584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
alkyl
compound according
hydrogen
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023510329A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョナサン エル. セスラー
アダム シー. セジウィック
グレゴリー シアバウド
ジョナサン アランブラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Texas System
Original Assignee
University of Texas System
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Texas System filed Critical University of Texas System
Publication of JP2023547584A publication Critical patent/JP2023547584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/22Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K41/00Medicinal preparations obtained by treating materials with wave energy or particle radiation ; Therapies using these preparations
    • A61K41/0052Thermotherapy; Hyperthermia; Magnetic induction; Induction heating therapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/555Heterocyclic compounds containing heavy metals, e.g. hemin, hematin, melarsoprol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/22Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations
    • A61K49/221Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations characterised by the targeting agent or modifying agent linked to the acoustically-active agent
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

本開示は、式(I)のマンガン含有テキサフィリン化合物に関する。式中の可変要素は、本明細書に記載の通りである。本開示は、該化合物の医薬組成物も提供する。また、白金耐性がんを含めたがんの治療において該化合物を使用する方法もまた本明細書に提供する。TIFF2023547584000130.tif42128【選択図】なし

Description

本出願は、米国仮出願第63/066,001号の優先権の利益を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、国立衛生研究所により授与された助成金第R01 CA068682号の下で政府の支援により行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
1.分野
本開示は、全体として、医学、医薬品、及び化学療法剤の分野に関する。本開示は、がんを治療するために使用され得るテキサフィリンコンジュゲート及び組成物に関する。
2.先行技術の説明
金属テキサフィリンは、原発性及び転移性腫瘍に蓄積することが示されている拡張ポルフィリンのクラスである。さらに、金属テキサフィリンは、大環状配位子を中心とする酸化還元活性による固有の抗がん活性を有する。該テキサフィリンの中心は、ランタニドイオン及び遷移金属イオンとの安定した金属錯体の形成を可能にし、MR画像のコントラストを高めるために使用され得る。Gd(III)-テキサフィリン-白金(IV)コンジュゲートが、白金耐性モデルにおいて固形腫瘍に局在し、がん細胞の取り込みを促進し、p53を再活性化することにより白金耐性を克服することができることが以前に示された。これらのPt(IV)コンジュゲートと臨床的に承認された白金(II)剤及び以前に報告された白金(II)-テキサフィリンコンジュゲートとの対照比較研究により、これらのPt(IV)コンジュゲートが、加水分解、求核攻撃に対してより安定であること、ならびにヒト及びマウス細胞がん株に対してインビトロで強力な抗増殖活性を示すこと、ならびに細胞由来の異種移植片及び白金耐性患者由来の異種移植片の両方を含む皮下マウスモデルでより効果的であることが実証される。
残念ながら、Gd系分子は、腎障害のある患者への使用が禁忌であり、繰り返し使用すると有毒なGd(III)イオンが蓄積し、死を含めた深刻な毒性の問題が生じることが分かっている。毒性に関するこれらの懸念により、ある特定のGd系分子は、市場から取り下げられている。マンガン(Mn)は、必須の微量栄養素であり、内因性メカニズムを介したクリアランスにより人体によって容易に処理されるため、マンガン系金属テキサフィリン(MMn)薬物コンジュゲートは、ガドリニウム同族元素の魅力的な代替手段となる。報告されているすべてのテキサフィリンは、ほとんど組織を通過する>700nmのスペクトル領域で光をよく吸収することが知られている。これらはインビボでの固形腫瘍の光温熱療法(PTT)及び光音響イメージング(PAI)の両方にとって魅力的な特性である。PTT及びPAIは、それぞれ、熱(PTT)または音響エネルギーへの光エネルギーの非放射変換に関与する技術である。PTTは、光照射を使用して腫瘍及びその周辺環境の温度を上昇させる、非常に効果的かつ非侵襲的な実験的ながん治療法である。一方、PAIは、光子を使用して、超音波計測器で監視することができる薬剤誘発キャビテーション効果を創出する。この技術はまだ初期の研究段階にあるが、増感剤誘発PAIを使用して、高空間分解能(数百ミクロン以内)の断層撮像能力を大きな侵入深さ(センチメートルまで)で提供する一方で、手術中の腫瘍境界の描写を理想的に可能にすることにより、従来の光学的薬剤の限界が克服される可能性がある。動物モデルでの有望性を実証しているにもかかわらず、現在の多くのPTT/PAI剤は、ナノ材料/ナノ担体系の組み合わせに依存している。このことが、それらの使用を複雑にしかつ既知のオフターゲット毒性効果をもたらしている。さらに、これまでのほとんどの系は、ヒトの組織に十分に浸透しない波長での光活性化の使用に依存してきた。
したがって、現在のPTT/PAI剤の限界を考慮すると、PTT/PAI剤として有用であり得る新たな化合物を開発する必要性が残る。特に注目すべきは、治療薬としても使用され得るPTT/PAI剤の開発である。
概要
いくつかの態様では、本開示は、PTT/PAI剤として使用される可能性がありかつ治療的金属中心を含む化合物を提供する。いくつかの実施形態では、式:
Figure 2023547584000002
の化合物であって、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000003
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
Figure 2023547584000004
(式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000005
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000006
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である、
前記化合物、またはその医薬的に許容される塩。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000007
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000008
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
Figure 2023547584000009
(式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000010
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000011
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000012
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000013
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
Figure 2023547584000014
(式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000015
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000016
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000017
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000018
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000019
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000020
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000021
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000022
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)であり、
、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、またはその置換型であり、
及びXは、各々独立して、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、白金(IV)キレート基であり、ただし、XまたはXのいずれかは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000023
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000024
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000025
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
及びR’は、各々独立して、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
o及びpは、各々独立して、1、2、3、または4であり、
、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、またはその置換型であり、
及びXは、各々独立して、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、白金(IV)キレート基であり、ただし、XまたはXのいずれかは白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000026
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000027
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Aは、水素である。いくつかの実施形態では、Aは、水素である。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023547584000028
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)である。いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、nは、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、nは、3または4である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、Rは、アルキル(C≦6)、例えば、メチルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2023547584000029
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)である。いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、nは、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、nは、3または4である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、Rは、アルキル(C≦6)、例えば、メチルである。
いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)、例えば、メチルである。いくつかの実施形態では、Xは、白金(IV)キレート基である。いくつかの実施形態では、Aは、アルカンジイル(C≦8)、例えば、プロピレンである。他の実施形態では、Aは、
Figure 2023547584000030
である。いくつかの実施形態では、Yは、-NRC(O)-である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Aは、アルカンジイル(C≦8)、例えば、エチレンである。他の実施形態では、Aは、
Figure 2023547584000031
である。
いくつかの実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)、例えば、ジアミノシクロヘキサンである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、例えば、シュウ酸である。他の実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。いくつかの実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)、例えば、ジアミノシクロヘキサンである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、例えば、シュウ酸である。他の実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。いくつかの実施形態では、Lは、ヒドロキシである。他の実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)、例えば、アセテートである。他の実施形態では、Lは、ハロ、例えば、クロロである。
他の実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、置換アルキル(C≦8)、例えば、3-ヒドロキシプロピルである。
いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)、例えば、エチルである。いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)、例えば、エチルである。
いくつかの実施形態では、Xは、白金(IV)キレート基である。いくつかの実施形態では、Aは、アルカンジイル(C≦8)、例えば、プロピレンである。他の実施形態では、Aは、
Figure 2023547584000032
である。いくつかの実施形態では、Yは、-NRC(O)-である。いくつかの実施形態では、Yは、水素である。いくつかの実施形態では、Aは、アルカンジイル(C≦8)、例えば、エチレンである。他の実施形態では、Aは、
Figure 2023547584000033
である。
いくつかの実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)、例えば、ジアミノシクロヘキサンである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、例えば、シュウ酸である。他の実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。いくつかの実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)、例えば、ジアミノシクロヘキサンである。他の実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である。いくつかの実施形態では、LとLは一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、例えば、シュウ酸である。他の実施形態では、Lは、ハライド、例えば、クロリドである。他の実施形態では、Lは、アンモニアである。いくつかの実施形態では、Lは、ヒドロキシである。他の実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)、例えば、アセテートである。他の実施形態では、Lは、ハロ、例えば、クロロである。他の実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、置換アルキル(C≦8)、例えば、3-ヒドロキシプロピルである。
いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である。いくつかの実施形態では、Xは、アルキル(C≦8)、例えば、メチルである。いくつかの実施形態では、Lは、ニトレートである。他の実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキルカルボキシレート(C≦12)、例えば、アセテートである。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000034
Figure 2023547584000035
Figure 2023547584000036
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
式中、
は、一価のアニオン基であり、
各Lは、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、もしくはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型である。
いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000037
Figure 2023547584000038
Figure 2023547584000039
Figure 2023547584000040
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される。
さらに別の態様では、本開示は、
(A)本明細書に記載の化合物、及び
(B)賦形剤
を含む医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、経口、脂肪内、動脈内、関節内、頭蓋内、真皮内、病巣内、筋肉内、鼻腔内、眼内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、直腸内、髄腔内、気管内、腫瘍内、臍帯内、膣内、静脈内、小胞内、硝子体内、リポソーム、局所(locally)、粘膜、非経口、直腸、結膜下、皮下、舌下、局所(topically)、経頬、経皮、膣内、クリームでの、脂質組成物での、カテーテルを介した、洗浄を介した、持続注入を介した、注入を介した、吸入を介した、注射を介した、局所送達を介した、または局所灌流を介した投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、経口投与用または注射を介した投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、該注射による投与は、動脈内投与、腹腔内投与、静脈内投与、または皮下投与である。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、単位用量として製剤化される。
さらに別の態様では、本開示は、治療有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を、その必要のある患者に投与することを含む、疾患の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、該疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、該がんは、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、または精上皮腫である。いくつかの実施形態では、該がんは、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、子宮頸部、結腸、子宮内膜、食道、胆嚢、生殖器、尿生殖路、頭部、腎臓、喉頭、肝臓、肺、筋組織、頸部、口腔もしくは鼻粘膜、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、脾臓、小腸、大腸、胃、精巣、または甲状腺のがんである。いくつかの実施形態では、該がんは、1つ以上の白金化学療法剤に耐性を示す。いくつかの実施形態では、該がんは、シスプラチン及びオキサリプラチンに耐性を示し、例えば、シスプラチン及びオキサリプラチンに耐性を示す。いくつかの実施形態では、該がんは、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、脳癌、皮膚癌、頭頸部癌、または結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、該方法は、第二の治療因子、例えば、第二の化学療法剤、手術、光線力学療法、音響力学療法、放射線療法、または免疫療法を施すことをさらに含む。
さらに別の態様では、本開示は、患者の画像を得る方法を提供し、該方法は、有効量の式:
Figure 2023547584000041
の化合物、または該化合物を含む医薬組成物を該患者に投与すること、及び該患者を撮像し、該患者の画像を得ることを含み、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000042
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
Figure 2023547584000043
(式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000044
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000045
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、各々独立して、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から選択され、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、A及びAは、水素である。いくつかの実施形態では、Y、Y、Y、及びY、水素である。いくつかの実施形態では、X及びXは、アルキル(C≦6)、例えば、メチルである。いくつかの実施形態では、X及びXは、アルキル(C≦6)、例えば、エチルである。いくつかの実施形態では、X及びXは、置換アルキル(C≦6)、例えば、3-ヒドロキシプロピルである。いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000046
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される。
いくつかの実施形態では、患者は、レーザーパルスを使用して撮像される。いくつかの実施形態では、患者は、約500nm~約1300nmの波長を使用して撮像される。いくつかの実施形態では、該波長は、近赤外またはIR領域である。いくつかの実施形態では、該波長は、近赤外、例えば、約650nm~約780nmである。いくつかの実施形態では、該撮像は、光音響イメージングである。いくつかの実施形態では、該光音響イメージングは、光音響トモグラフィーである。他の実施形態では、該光音響イメージングは、光音響顕微鏡法である。他の実施形態では、患者は、磁気共鳴イメージングを使用して撮像される。いくつかの実施形態では、該方法は、固形腫瘍等の腫瘍を撮像する。いくつかの実施形態では、該固形腫瘍は、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、脳癌、皮膚癌、頭頸部癌、または結腸直腸癌である。
さらに別の態様では、本開示は、患者を治療する方法を提供し、該方法は、式:
Figure 2023547584000047
の化合物を、その必要のある患者に投与すること、及び該患者を電磁放射線に曝露することを含み、
式中、
及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
Figure 2023547584000048
(式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
Figure 2023547584000049
(式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、該白金(IV)キレート基は、
-A-Y-A-R
としてさらに定義され、
ここで、
及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
Figure 2023547584000050
(式中、pは、1~8である)から選択され、
は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
は、式:
Figure 2023547584000051
の基であり、
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、各々独立して、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から選択され、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、一価のアニオン基である。
いくつかの実施形態では、A及びAは、水素である。いくつかの実施形態では、Y、Y、Y、及びY、水素である。いくつかの実施形態では、X及びXは、アルキル(C≦6)、例えば、メチルである。いくつかの実施形態では、X及びXは、アルキル(C≦6)、例えば、エチルである。いくつかの実施形態では、X及びXは、置換アルキル(C≦6)、例えば、3-ヒドロキシプロピルである。いくつかの実施形態では、前記化合物は、
Figure 2023547584000052
またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される。
いくつかの実施形態では、患者は、レーザーパルスを使用して撮像される。いくつかの実施形態では、患者は、約500nm~約1300nmの波長を使用して撮像される。いくつかの実施形態では、該波長は、近赤外またはIR領域である。いくつかの実施形態では、該波長は、近赤外、例えば、約650nm~約780nmである。いくつかの実施形態では、患者は、哺乳類、例えば、ヒトである。
本明細書に記載の任意の方法または組成物は、本明細書に記載の任意の他の方法または組成物に関して行われ得ることが企図される。
「含む(comprise)」(ならびに、「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」等の、含むの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに、「有する(has)」及び「有すること(having)」等の、有するの任意の形態)、「含む(contain)」(ならびに、「含む(contains)」及び「含むこと(containing)」等の、含むの任意の形態)、及び「含む(include)」(ならびに、「含む(includes)」及び「含むこと(including)」等の、含むの任意の形態)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の列挙されるステップまたは要素を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(contains)」、または「含む(includes)」方法、組成物、キット、または系は、それらの列挙されるステップまたは要素を有するが、それらのステップまたは要素のみを有することに限定されず、すなわち、それは列挙されない要素またはステップを有して(すなわち、網羅して)もよい。同様に、1つ以上の列挙される特徴を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(contains)」、または「含む(includes)」方法、組成物、キット、または系の要素は、それらの特徴を有するが、それらの特徴のみを有することに限定されず、すなわち、それは列挙されない特徴を有してもよい。
本方法、組成物、キット、及び系のうちのいずれかの任意の実施形態は、記載のステップ及び/または特徴(を含む(comprise)/含む(include)/含む(contain)/有する(have)のではなく)からなっても、またはそれから本質的になってもよい。したがって、請求項のうちのいずれにおいても、所与の請求項の範囲を、オープンエンドの連結動詞を使用した場合の別様の範囲から変更するために、上記で列挙したオープンエンドの連結動詞のうちのいずれかを、「~からなる」または「~から本質的になる」という用語に置き換えてもよい。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、選択肢のみを指すことが明示的に指示されるかまたは選択肢が相互排他的でない限り、「及び/または」を意味するように使用されるが、本開示は、選択肢のみ、ならびに「及び/または」を指す定義を扱う。
本出願全体を通して、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために用いられている装置または方法に関する誤差の標準偏差を含むことを示すように使用される。
長年存続する特許法に従って、「a」及び「an」という語は、特許請求の範囲または明細書において「含むこと(comprising)」という語と併用される場合、明確な注記のない限り、1つ以上を表す。
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び具体的な実施例は、本発明の具体的な実施形態を示す一方で、本発明の趣旨及び範囲内での種々の変更及び改変がこの詳細な説明から当業者に明らかとなろうことから、例示説明として与えられるにすぎないことが理解されるべきである。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の態様をさらに裏付けるために含まれる。本発明は、これらの図面のうちの1つ以上を参照することにより、本明細書で提示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、よりよく理解され得る。
PA系のインビボ撮像に関するPACTシステムの一般的な概略図を示す。 マンガン(II)テキサフィリン(MMn)、ならびに対応するガドリニウム(III)(MGd)及びルテチウム(III)(MLu)錯体のPBS緩衝液中、25μM、pH=7.40で記録したUV-Vis吸光度スペクトルを示す。これらの金属テキサフィリンの化学構造も示されている。M=Mn(x=1)、Gd(x=2)及びLu(x=2)、ここで、xは、軸配位子または対アニオンとしてのいずれかで存在するアニオンである。 ICG、MMn、MLu、及びMGdの異なる濃度(15.6~500μM)でのPAイメージングを示す。試験中の各溶液の写真(左)及び対応する最大振幅投影(MAP)のPA画像(右)。励起波長:MMn725nm、MLu733nm、MGd:741nm。レーザーフルエンス:約18mJ/cm 再蒸留水、pH=7.40中、濃度範囲(0~500μM)にわたるICG、MLu、MGd及びMMnの光音響強度を示す。サンプル表面でのレーザーフルエンス約18mJ/cmにより、PAプローブの出力端で18mJのレーザーエネルギーが得られる。MMn、MGd及びMLuに使用されたレーザー波長は、それぞれ、725nm、741nm及び733nmであった。 再蒸留水、pH=7.40中、異なる濃度でのICG、MMn、MLuの光音響強度を示す。ICG、MMn、及びMLuに使用されたレーザー波長は、それぞれ、800nm、725nm及び733nmである。サンプル表面でのレーザーフルエンス約18mJ/cmにより、PAプローブの出力端で約18mJのレーザーエネルギーが得られる。 再蒸留水中でのICG、MMn及びMLu(4~0.25mM)のMAP PA画像を示す。ICG、MMn、及びMLuに使用されたレーザー波長は、それぞれ、800nm、725nm及び733nmである。サンプル表面でのレーザーフルエンス約18mJ/cmにより、PAプローブの出力端で約18mJのレーザーエネルギーが得られる。 脱イオン水中の濃度の増加(0~170μM)に応じて記録されたMMnのUV-Vis吸収スペクトルを示す。 脱イオン水中の濃度の増加(0~170μM)に応じた725nmでのMMnの吸収の変化を示す。 PBS緩衝溶液、pH=7.40中、hex=470nm、スリット幅:ex=10nm、em=20nmでのMLu、MGd及びMMn(20μM)の蛍光スペクトルを示す。注-700nm超の励起での小さいストークスシフトを避けるために、より短い励起波長を使用した。しかしながら、より長い励起波長を使用した場合にも同様の傾向が観察される。 図10A~10Dは、MLu及びMMnによる光増感一重項酸素生成を示す。730nmの照射(励起源の出力は1.2mWである)後、(図10A)1,3-ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)及び(図10B)MMnまたは(図10C)MLuのDMSO溶液で見られた時間依存的UV吸収スペクトル変化。(図10D)(図10A、図10B、及び図10C)にそれぞれ示した実験の417nmのUV吸収の変化のプロット。 光照射(20分)の前後のICG、MMn及びMGd(左から右)を含む溶液の写真を示す。フルエンス:約18mJ/cm。レーザー波長:MMn=725nm、MGd=740nm、ICG=780nm。 光照射に30分間供している間に記録された再蒸留水中でのICG(40μM)のUV-Vis吸収スペクトルを示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:780nm。 光照射条件下、再蒸留水中での780nmのICG(40μM)の経時的な(0~30分)吸収強度を示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:780nm。 光照射に30分間供している間に記録された再蒸留水中でのMMn(40μM)のUV-Vis吸収スペクトルを示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:780nm。 光照射条件下、再蒸留水中での725nmのMMn(40μM)の経時的な(0~30分)吸収強度を示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:725nm。 光照射に30分間供している間に記録された再蒸留水中でのMGd(40μM)のUV-Vis吸収スペクトルを示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:780nm。 光照射条件下、再蒸留水中での740nmのMGd(40μM)の経時的な(0~30分)吸収強度を示す。測定は5分間隔で行った。フルエンス:20mJ/cm。レーザー波長:740nm。 図18A~18Cは、代表的な細胞内PAI実験の結果を示す。顕微鏡下で観察されたRAW264.7細胞及びMAP光音響画像。(図18A)対照(再蒸留水)(図18B)MMn及び(図18C)MGd。MMn及びMGdとともに培養したRAW264.7細胞のPA画像は、それぞれ、濃度500μMであった。励起波長:対照:725nm、MMn:725nm及びMGd:741nm。レーザーフルエンス約18mJ/cm 前立腺腫瘍マウスモデルでのPAイメージングを示しており、異種移植腫瘍の異なる時点での正規化PA強度を示す。MMn(500μM、200μL)は、尾静脈注射により投与した。レーザー波長=725nm。レーザーフルエンス約18mJ/cm。Pre=MMnの注射前。 マウスの尾静脈に生理食塩水(200μL)を注射した後の腫瘍部位での経時的な(0~48時間)正規化PA強度変化を示す。 マウスの尾静脈にMGd(500μM、200μL)を注射した後の腫瘍部位での経時的な(0~48時間)正規化PA強度変化を示す。 マウスの尾静脈にICG(500μM、200mL、5μmol/kg)を注射した後の腫瘍部位での経時的な(0~48時間)正規化PA強度変化を示す。Pre=ICGの注射前。 腫瘍部位に別々に直接注射したICG(250μM、50μL、0.625μmol/kg)及びMMn(250μM、50μL、0.625μmol/kg)による経時的なPAシグナルの変化を示すPA及び超音波の重ね合わせ画像を示す。腫瘍を照射するため、レーザー光をデータ収集の過程で使用した:ICGの場合は800nm、20mJ及びMMnの場合は725nm、20mJ。 マウスの腫瘍にICG(250μM、50μL、0.625μmol/kg)を直接注射した後の腫瘍部位での経時的な(0~60分)正規化PA強度変化を示す。レーザー波長:800nm、レーザーフルエンス:20mJ/cm。1時間後のPAシグナルのパーセンテージ=46%。 マウスの腫瘍にMMn(250μM、50μL、0.625μmol/kg)を直接注射した後の腫瘍部位での経時的な(0~60分)正規化PA強度変化を示す。レーザー波長:725nm、レーザーフルエンス:20mJ/cm。1時間後のPAシグナルのパーセンテージ=91%。 マウスをMMnで処置した後、24時間後の腫瘍の3DのPA画像を示す。励起波長=725nm。レーザーフルエンス約18mJ/cm MMn、MLu及びMGdの注射後6日で屠殺したマウスから採取した心臓、肝臓、脾臓、腎臓及び肺を含めた主要臓器の代表的なヘマトキシリン及びエオジン(H&E)染色画像を示す(倍率:×200)。 図28A~28Dは、PBS(対照)、MMn(500μM、200μL、5μmol/kg)、MLu(500μM、200μL、5μmol/kg)及びMGd(500μM、200μL、5μmol/kg)で処置したマウスの完全血球算定試験を示す。(a)WBC:白血球、(b)RBC:赤血球、(c)HGB:ヘモグロビン、(d)PLT:血小板。 インビトロサンプルにおける照射後のMGdまたはMMnの溶液の温度上昇を示す。 MGd、MLu、及びMMnのPBS溶液における2つの異なる照射出力での温度変化を示す。上の画像は、3W/cmで照射し、下の画像は、6W/cmで照射した。 MGd、MLu、及びMMnで処理した後のMDA-MB-231細胞の生存率を示す。 図32A及び32Bは、インビトロで、808nmでの6Wの光源による照射後のMGd、MLu、及びMMnの光熱イメージング(図32A)を示す。グラフ(図32B)は、照射後の細胞の生存率を示しており、MLuとMMnの両方が照射後に生存率を低下させたことを示す。 MGd、MLu、及びMMnを注射したマウスの光熱イメージングを示す。 MMn、モノ-MMn、及びビス-MMnを様々な濃度で使用して達成された温度を示す。右側には、光のある場合とない場合の細胞の生存率がグラフに示されている。 2Wの光源による5分照射後のPBS溶液中での様々な濃度で達成された温度を示す。 濃度0~40μMのMMn、モノ-MMn、及びビス-MMnで達成された温度を細胞の生存率とともに示す。 ビス-MMnによる処理後の細胞ROSの生成を示す。 ビス-MMnと比較した、リポソーム量の増加を伴うリポソームに封入した後のビス-MMnの光熱効果を示す。 リポソームに封入されたビス-MMnの5分間毎分記録されたインビボ光熱効果を示す。 リポソーム封入MGd、MLu、及びMMnを含むPBSの20及び40μMでの光熱効果を示す。 リポソーム封入MMnのインビトロでの光熱イメージングを関連する細胞生存率とともに示す。 図42A及び42Bは、20μM(図42A)及び40μM(図42B)での細胞生存率を示す。
例示的な実施形態の説明
本開示は、光音響イメージングまたはMRIのいずれかによって患者を撮像するために使用される場合もあれば、光温熱療法を使用して患者を治療するために使用される場合も、患者の標的組織に治療化合物を送達するために使用される場合もあるMn含有テキサフィリン化合物に関する。これらの化合物は、1つ以上の利点を有し得る。例えば、該化合物は、より好ましい光音響イメージング特性、例えば、より低い光退色またはより高い光学的吸収を示し得る。さらに、本明細書に記載の化合物はまた、副作用をほとんど生じず、一重項酸素等の副生成物の生成がより少ない。最後に、本化合物は、当技術分野で既知のものより好ましい毒性プロファイルを有する可能性がある。請求された化合物のこれら及びその他の利点は、本明細書に記載されている。
A.化学的定義
化学基の文脈で使用される場合、「水素」は、-Hを意味し、「ヒドロキシ」は、-OHを意味し、「オキソ」は、=Oを意味し、「カルボニル」は、-C(=O)-を意味し、「カルボキシ」は、-C(=O)OH(-COOHまたは-COHとも記述される)を意味し、「ハロ」は、独立して、-F、-Cl、-Br、または-Iを意味し、「アミノ」は、-NHを意味し、「ヒドロキシアミノ」は、-NHOHを意味し、「ニトロ」は、-NOを意味し、イミノは、=NHを意味し、「シアノ」は、-CNを意味し、「イソシアニル」は、-N=C=Oを意味し、「アジド」は、-Nを意味し、一価の文脈において「ホスフェート」は、-OP(O)(OH)またはその脱プロトン化型を意味し、二価の文脈において「ホスフェート」は、-OP(O)(OH)O-またはその脱プロトン化型を意味し、「メルカプト」は、-SHを意味し、「チオ」は、=Sを意味し、「チオカルボニル」は、-C(=S)-を意味し、「スルホニル」は、-S(O)-を意味し、「スルフィニル」は、-S(O)-を意味する。
化学式の文脈において、「-」という記号は、単結合を意味し、「=」は、二重結合を意味し、
Figure 2023547584000053
は、三重結合を意味する。
Figure 2023547584000054
という記号は、存在する場合、単結合または二重結合のいずれかである、任意選択的な結合を表す。
Figure 2023547584000055
という記号は、単結合または二重結合を表す。したがって、式
Figure 2023547584000056
は、例えば、
Figure 2023547584000057
を網羅する。また、1つのかかる環原子が、1つよりも多くの二重結合の一部を形成することはないことが理解される。さらに、「-」という共有結合記号は、1つまたは2つの不斉原子をつなげている場合、何らかの好ましい立体化学を示すものではないことに留意する。代わりに、それはすべての立体異性体ならびにその混合物を網羅する。
Figure 2023547584000058
という記号は、結合を横断して直角に描かれる場合(例えば、メチルの場合、
Figure 2023547584000059
)、その基の結合点を示す。結合点は、典型的には、より大きな基の場合、読み手が結合点を明確に特定することを補助するためにこの様態でのみ特定されることに留意する。
Figure 2023547584000060
という記号は、くさび形の太い端に結合した基が「そのページの外」にある単結合を意味する。
Figure 2023547584000061
という記号は、くさび形の太い端に結合した基が「そのページの内」にある単結合を意味する。
Figure 2023547584000062
という記号は、二重結合の周囲の幾何構造(例えば、EまたはZのいずれか)が未定義である単結合を意味する。したがって、両方の選択肢、及びそれらの組み合わせが意図される。本出願に示されるある構造の原子上の任意の未定義の原子価は、その原子に結合した水素原子を黙示的に表す。炭素原子上の太字の点は、その炭素に結合した水素が、紙面の平面からはみ出る向きにあることを示す。
可変要素が環系上で「浮動基」、例えば、下記式
Figure 2023547584000063
における基「R」として図示される場合、その可変要素は、安定な構造が形成される限り、図示される、黙示される、または明示的に定義される水素を含めた、環原子のうちのいずれかに結合した任意の水素原子を置換し得る。可変要素が縮合環系上で「浮動基」、例えば、下記式
Figure 2023547584000064
における基「R」として図示される場合、その可変要素は、別途明記されない限り、縮合環のうちのどちらかの環原子のうちのいずれかに結合した任意の水素を置換し得る。置換可能な水素には、安定な構造が形成される限り、図示される水素(例えば、上記の式における窒素に結合した水素)、黙示される水素(例えば、示されないが存在することが理解される、上記の式の水素)、明示的に定義される水素、及びその存在が環原子の素性に依存する任意選択的な水素(例えば、基X(ここで、Xは-CH-に相当する)に結合した水素)が含まれる。図示される例において、Rは、該縮合環系の5員環に存在しても6員環に存在してもよい。上記の式において、括弧で囲まれたRの直後に続く下付き文字「y」は、数値の可変要素を表す。別途明記されない限り、この可変要素は、環または環系の置換可能な水素原子の最大数によってのみ限定される、0、1、2、または2を超える任意の整数であり得る。
化学基及び化合物のクラスに関して、基またはクラスにおける炭素原子の数は、以下のように示される通りである:「Cn」または「C=n」は、当該基/クラスにおける炭素原子の厳密な数(n)を定義する。「C≦n」は、基/クラスにあることができる炭素原子の最大数(n)を定義し、このうち最小数は、論議されている基/クラスについて可能な限り小さい。例えば、基「アルキル(C≦8)」、「アルカンジイル(C≦8)」、「ヘテロアリール(C≦8)」、及び「アシル(C≦8)」における炭素原子の最小数は1であり、基「アルケニル(C≦8)」、「アルキニル(C≦8)」、及び「ヘテロシクロアルキル(C≦8)」における炭素原子の最小数は2であり、基「シクロアルキル(C≦8)」における炭素原子の最小数は3であり、基「アリール(C≦8)」及び「アレーンジイル(C≦8)」における炭素原子の最小数は6であることが理解される。「Cn-n‘」は、当該基における炭素原子の最小数(n)及び最大数(n‘)の両方を定義する。したがって、「アルキル(C2-10)」は、2~10個の炭素原子を有するアルキル基を指定する。これらの炭素数指示は、意味のいかなる変化も表わすことなく、それが修飾する化学基またはクラスに先行する場合も後続する場合もあり、括弧で囲まれている場合もあれば、そうでない場合もある。したがって、用語「C1-4-アルキル」、「C1-4-アルキル」、「アルキル(C1-4)」、及び「アルキル(C≦4)」はすべて同義である。下記に注記される場合を除いて、当該基または化合物が指定の炭素原子数に含まれるかどうかを判断するために、すべての炭素原子が合計される。例えば、ジヘキシルアミノ基は、ジアルキルアミノ(C12)基の例であるが、ジアルキルアミノ(C6)基の例ではない。同様に、フェニルエチルは、アラルキル(C=8)基の例である。本明細書で定義される化学基または化合物のクラスのうちのいずれかが、「置換」という用語によって修飾されている場合、水素原子を置換している当該部分におけるいずれの炭素原子も計数されない。したがって、メトキシヘキシルは、総計7個の炭素原子を有するが、置換アルキル(C1-6)の例である。別途明記されない限り、炭素原子の限定を伴わずに請求項の組に列挙される任意の化学基または化合物のクラスは、12個以下の炭素原子の限定を有する。
化合物または化学基を修飾するように使用される場合の「飽和」という用語は、下記に注記される場合を除いて、該化合物または化学基が炭素-炭素二重結合を有さず、かつ炭素-炭素三重結合を有さないことを意味する。該用語が原子を修飾するように使用される場合、それは当該原子がいずれの二重結合または三重結合の一部でもないことを意味する。飽和基の置換型の場合、1つ以上の炭素酸素二重結合または炭素窒素二重結合が存在してもよい。また、かかる結合が存在する場合、ケト-エノール互変異性またはイミン/エナミン互変異性の一部として生じ得る炭素-炭素二重結合は排除されるものではない。「飽和」という用語が物質の溶液を修飾するように使用される場合、それは、その物質がそれ以上その溶液に溶解することができないことを意味する。
「脂肪族」という用語は、そのように修飾された化合物または化学基が、非環式または環式であるが非芳香族の化合物または基であることを表す。脂肪族化合物/基において、炭素原子は、直鎖、分岐鎖、または非芳香環(脂環式)で結合し得る。脂肪族化合物/基は、炭素-炭素単結合(アルカン/アルキル)によって結合している飽和の場合もあれば、1つ以上の炭素-炭素二重結合(アルケン/アルケニル)を有する、または1つ以上の炭素-炭素三重結合(アルキン/アルキニル)を有する不飽和の場合もある。
「芳香族」という用語は、そのように修飾された化合物または化学基が、完全に共役した環状π系において4n+2個の電子を有する原子の平面的な不飽和環を有することを表す。芳香族化合物または化学基は、単一の共鳴構造として図示され得るが、1つの共鳴構造の図示は、任意の他の共鳴構造もまた指すように捉えられる。例えば、
Figure 2023547584000065
はまた、
Figure 2023547584000066
を指すように捉えられる。芳香族化合物はまた、完全に共役した環状π系における電子の非局在化した性質を表すように、円を使用して図示され得、その2つの非限定的な例が下記
Figure 2023547584000067
に示される。
「アルキル」という用語は、結合点として炭素原子を有し、直鎖状または分岐状の非環式構造で、炭素及び水素以外の原子を有さない、一価飽和脂肪族基を指す。-CH(Me)、-CHCH(Et)、-CHCHCH(n-Prまたはプロピル)、-CH(CH(i-Pr、Prまたはイソプロピル)、-CHCHCHCH(n-Bu)、-CH(CH)CHCH(sec-ブチル)、-CHCH(CH(イソブチル)、-C(CH(tert-ブチル、t-ブチル、t-Bu、またはBu)、及び-CHC(CH(ネオ-ペンチル)という基は、アルキル基の非限定的な例である。「アルカンジイル」という用語は、結合点(複数可)として1つまたは2つの飽和炭素原子(複数可)を有し、直鎖状または分岐状の非環式構造で、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、二価飽和脂肪族基を指す。-CH-(メチレン)、-CHCH-、-CHC(CHCH-、及び-CHCHCH-という基は、アルカンジイル基の非限定的な例である。「アルキリデン」という用語は、=CRR‘という二価の基を指し、ここで、R及びR‘は、独立して、水素またはアルキルである。アルキリデン基の非限定的な例としては、=CH、=CH(CHCH)、及び=C(CHが挙げられる。「アルカン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアルキルである。
「シクロアルキル」という用語は、結合点として炭素原子を有し、該炭素原子が1つ以上の非芳香環構造の一部を形成し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、一価飽和脂肪族基を指す。非限定的な例としては、-CH(CH(シクロプロピル)、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル(Cy)が挙げられる。本明細書で使用される場合、該用語は、非芳香環構造の炭素原子に結合した1つ以上のアルキル基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。「シクロアルカンジイル」という用語は、結合点として2個の炭素原子を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、二価飽和脂肪族基を指す。
Figure 2023547584000068
という基は、シクロアルカンジイル基の非限定的な例である。「シクロアルカン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、当該用語が上記で定義されるところのシクロアルキルである。
「アルケニル」という用語は、結合点として炭素原子を有し、直鎖状または分岐状の非環式構造で、少なくとも1つの非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、一価不飽和脂肪族基を指す。非限定的な例としては、-CH=CH(ビニル)、-CH=CHCH、-CH=CHCHCH、-CHCH=CH(アリル)、-CHCH=CHCH、及び-CH=CHCH=CHが挙げられる。「アルケンジイル」という用語は、結合点として2個の炭素原子を有し、直鎖状または分岐状の非環式構造で、少なくとも1つの非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、二価不飽和脂肪族基を指す。-CH=CH-、-CH=C(CH)CH-、-CH=CHCH-、及び-CHCH=CHCH-という基は、アルケンジイル基の非限定的な例である。アルケンジイル基は脂肪族であるが、ひとたび両端がつなげられると、この基は芳香族構造の一部を形成することが排除されるものではないことに留意する。「アルケン」及び「オレフィン」という用語は、同義語であり、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアルケニルである。同様に、「末端アルケン」及び「α-オレフィン」という用語は、同義語であり、ただ1つの炭素-炭素二重結合を有するアルケンを指し、ここで、その結合は、分子の端部におけるビニル基の一部である。
「アルキニル」という用語は、結合点として炭素原子を有し、直鎖状または分岐状の非環式構造で、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、かつ炭素及び水素以外の原子を有さない、一価不飽和脂肪族基を指す。本明細書で使用される、アルキニルという用語は、1つ以上の非芳香族炭素-炭素二重結合の存在を排除するものではない。
Figure 2023547584000069
という基は、アルキニル基の非限定的な例である。「アルキン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、アルキニルである。
「アリール」という用語は、結合点として芳香族炭素原子を有し、該炭素原子が1つ以上の芳香環構造の一部を形成し、各芳香環構造がいずれも炭素である6個の環原子を有する、一価不飽和芳香族基を指し、ここで、この基は、炭素及び水素以外の原子からはならない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されていても、縮合されていなくてもよい。非縮合環は、共有結合でつなげられる。本明細書で使用される、アリールという用語は、第1の芳香環または存在する任意の追加の芳香環に結合した1つ以上のアルキル基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。アリール基の非限定的な例としては、フェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、-CCHCH(エチルフェニル)、ナフチル、及びビフェニルに由来する一価の基(例えば、4-フェニルフェニル)が挙げられる。「アレーンジイル」という用語は、結合点として2個の芳香族炭素原子を有し、該炭素原子が1つ以上の6員の芳香環構造の一部を形成し、各芳香環構造がいずれも炭素である6個の環原子を有する、二価芳香族基を指し、ここで、この二価の基は、炭素及び水素以外の原子からはならない。本明細書で使用される、アレーンジイルという用語は、第1の芳香環または存在する任意の追加の芳香環に結合した1つ以上のアルキル基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されていても、縮合されていなくてもよい。非縮合環は、共有結合でつなげられる。アレーンジイル基の非限定的な例としては、
Figure 2023547584000070
が挙げられる。「アレーン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアリールである。ベンゼン及びトルエンは、アレーンの非限定的な例である。
「アラルキル」という用語は、-アルカンジイル-アリールという一価の基を指し、ここで、アルカンジイル及びアリールという用語は各々、上記で提供される定義と一貫した様態で使用される。非限定的な例は、フェニルメチル(ベンジル、Bn)及び2-フェニル-エチルである。
「ヘテロアリール」という用語は、結合点として芳香族炭素原子または窒素原子を有し、該炭素原子または窒素原子が1つ以上の芳香環構造の一部を形成し、各芳香環構造が3~8個の環原子を有し、ここで、芳香環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄である、一価芳香族基を指し、ここで、このヘテロアリール基は、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、及び芳香族硫黄以外の原子からはならない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されているが、ヘテロアリールという用語は、1つ以上の環原子に結合した1つ以上のアルキルまたはアリール基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、フラニル、イミダゾリル(Im)、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル、メチルピリジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェニルピリジニル、ピリジニル(ピリジル)、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、キナゾリル、キノキサリニル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、及びトリアゾリルが挙げられる。「N-ヘテロアリール」という用語は、結合点として窒素原子を有するヘテロアリール基を指す。「ヘテロアレーン」とは、式H-Rを有する化合物のクラスを指し、式中、Rは、ヘテロアリールである。ピリジン及びキノリンは、ヘテロアレーンの非限定的な例である。「ヘテロアレーンジイル」という用語は、2つの結合点として2つの芳香族炭素原子、2つの芳香族窒素原子、または1つの芳香族炭素原子及び1つの芳香族窒素原子を有し、該原子が1つ以上の芳香環構造の一部を形成し、各々が3~8個の環原子を有し、該芳香環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄である、二価の芳香族基を指し、ここで、該二価の基は、炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素、及び芳香族硫黄以外の原子からはならない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されているが、ヘテロアレーンジイルという用語は、1つ以上の環原子に結合した1つ以上のアルキルまたはアリール基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。ヘテロアレーンジイル基の非限定的な例としては、
Figure 2023547584000071
が挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、結合点として炭素原子または窒素原子を有し、該炭素原子または窒素原子が1つ以上の非芳香環構造の一部を形成し、各非芳香環構造が3~8個の環原子を有し、ここで、非芳香環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄である、一価非芳香族基を指し、ここで、このヘテロシクロアルキル基は、炭素、水素、窒素、酸素、及び硫黄以外の原子からはならない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されている。本明細書で使用される場合、該用語は、1つ以上の環原子に結合した1つ以上のアルキル基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。また、該用語は、結果として生じる基が非芳香族のままである限り、当該環または環系における1つ以上の二重結合の存在を排除するものではない。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、オキシラニル、及びオキセタニルが挙げられる。「N-ヘテロシクロアルキル」という用語は、結合点として窒素原子を有するヘテロシクロアルキル基を指す。N-ピロリジニルは、かかる基の例である。「ヘテロシクロアルカンジイル」という用語は、2つの結合点として2つの炭素原子、2つの窒素原子、または1つの炭素原子及び1つの窒素原子を有し、該原子が1つ以上の環構造の一部を形成し、該非芳香環構造(複数可)の環原子のうちの少なくとも1つが窒素、酸素、または硫黄である、二価の環式基を指し、ここで、該二価の基は、炭素、水素、窒素、酸素、及び硫黄以外の原子からはならない。1つよりも多くの環が存在する場合、それらの環は、縮合されている。本明細書で使用される場合、ヘテロシクロアルカンジイルという用語は、1つ以上の環原子に結合した1つ以上のアルキル基(炭素数の限定が許容するならば)の存在を排除するものではない。また、該用語は、結果として生じる基が非芳香族のままである限り、当該環または環系における1つ以上の二重結合の存在を排除するものではない。ヘテロシクロアルカンジイル基の非限定的な例としては、
Figure 2023547584000072
が挙げられる。
「アシル」という用語は、-C(O)Rという基を指し、ここで、Rは、当該用語が上記で定義されるところの水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである。-CHO、-C(O)CH(アセチル、Ac)、-C(O)CHCH、-C(O)CH(CH、-C(O)CH(CH、-C(O)C、及び-C(O)CCHという基は、アシル基の非限定的な例である。「チオアシル」は、-C(O)Rという基の酸素原子が硫黄原子と置換されていることを除いて、類似の様態、すなわち-C(S)Rで定義される。「アルデヒド」という用語は、-CHO基に結合した、上記で定義されるようなアルキル基に対応する。
「アルコキシ」という用語は、-ORという基を指し、ここで、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアルキルである。非限定的な例としては、-OCH(メトキシ)、-OCHCH(エトキシ)、-OCHCHCH、-OCH(CH(イソプロポキシ)、または-OC(CH(tert-ブトキシ)が挙げられる。「シクロアルコキシ」、「アルケニルオキシ」、「アルキニルオキシ」、「アリールオキシ」、「アラルコキシ」、「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロシクロアルコキシ」、及び「アシルオキシ」という用語は、「置換」という修飾語を伴わずに使用される場合、-ORとして定義される基を指し、ここで、Rは、それぞれ、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアシルである。「アルキルチオ」及び「アシルチオ」という用語は、-SRという基を指し、ここで、Rは、それぞれ、アルキル及びアシルである。「アルコール」という用語は、上記で定義されるようなアルカンにおいて、水素原子のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基で置換されているものに対応する。「エーテル」という用語は、上記で定義されるようなアルカンにおいて、水素原子のうちの少なくとも1つがアルコキシ基で置換されているものに対応する。
「アルキルアミノ」という用語は、-NHRという基を指し、ここで、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアルキルである。非限定的な例としては、-NHCH及び-NHCHCHが挙げられる。「ジアルキルアミノ」という用語は、-NRR‘という基を指し、ここで、R及びR‘は、同じまたは異なるアルキル基であり得る。ジアルキルアミノ基の非限定的な例としては、-N(CH及び-N(CH)(CHCH)が挙げられる。「アミド」(アシルアミノ)という用語は、「置換」という修飾語を伴わずに使用される場合、-NHRという基を指し、ここで、Rは、当該用語が上記で定義されるところのアシルである。アミド基の非限定的な例は、-NHC(O)CHである。「シクロアルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」、「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」、「ヘテロシクロアルキルアミノ」、及び「アルコキシアミノ」という用語は、「置換」という修飾語を伴わずに使用される場合、-NHRとして定義される基を指し、ここで、Rは、それぞれ、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルコキシである。アリールアミノ基の非限定的な例は、-NHCである。「ジシクロアルキルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」、「ジアリールアミノ」、「ジアラルキルアミノ」、「ジヘテロアリールアミノ」、「ジヘテロシクロアルキルアミノ」、及び「ジアルコキシアミノ」という用語は、-NRR‘として定義される基を指し、ここで、R及びR‘は両方とも、それぞれ、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルコキシである。同様に、アルキル(シクロアルキル)アミノという用語は、-NRR‘として定義される基を指し、ここで、Rは、アルキルであり、R‘は、シクロアルキルである。これらの化合物のアミン型は、該基がNNRR‘として定義される上記の化合物を表す化合物である。「アルキルアミノジイル」という用語は、「置換」という修飾語を伴わずに使用される場合、結合点として0、1、または2個の炭素原子を有し、残りの結合点が窒素原子であり、直鎖状または分岐状の非環式構造で、鎖中に少なくとも1つの窒素原子を含み、非芳香族炭素-炭素二重結合を有さず、炭素-炭素三重結合を有さず、かつ炭素、窒素及び水素以外の原子を有さない、二価不飽和脂肪族基を指す。アルキルアミノジイルという用語は、窒素原子上に1つ以上のさらなるアルキル基を結合させて、炭素制限が許す限り、第三級アミンを形成することを排除するものではない。
化学基が「置換」という修飾語とともに使用される場合、1つ以上の水素原子が、各出現例で独立して、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-NH、-NO、-COH、-COCH、-COCHCH、-CN、-SH、-OCH、-OCHCH、-C(O)CH、-NHCH、-NHCHCH、-N(CH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-OC(O)CH、-NHC(O)CH、-S(O)OH、または-S(O)NHで置換されている。例えば、以下の基、すなわち、-CHOH、-CHCl、-CF、-CHCN、-CHC(O)OH、-CHC(O)OCH、-CHC(O)NH、-CHC(O)CH、-CHOCH、-CHOC(O)CH、-CHNH、-CHN(CH、及び-CHCHClは、置換アルキル基の非限定的な例である。「ハロアルキル」という用語は、炭素、水素、及びハロゲンを除いて他の原子が存在しないように、水素原子の置換がハロ(すなわち、-F、-Cl、-Br、または-I)に限定される、置換アルキルのサブセットである。-CHClという基は、ハロアルキルの非限定的な例である。「フルオロアルキル」という用語は、炭素、水素、及びフッ素を除いて他の原子が存在しないように、水素原子の置換がフルオロに限定される、置換アルキルのサブセットである。-CHF、-CF、及び-CHCFという基は、フルオロアルキル基の非限定的な例である。置換アラルキルの非限定的な例は、(3-クロロフェニル)-メチル、及び2-クロロ-2-フェニル-エタ-1-イルである。-C(O)CHCF、-COH(カルボキシル)、-COCH(メチルカルボキシル)、-COCHCH、-C(O)NH(カルバモイル)、及び-CON(CHという基は、置換アシル基の非限定的な例である。-NHC(O)OCH及び-NHC(O)NHCHという基は、置換アミド基の非限定的な例である。
「有効な」という用語は、その用語が本明細書及び/または特許請求の範囲で使用される場合、所望の、予想される、または意図される結果を遂行するのに十分であることを意味する。化合物で患者または対象を治療することの文脈で使用される場合、「有効量」、「治療有効量」、または「医薬的有効量」とは、該化合物の量が、患者または対象に投与される場合に、当該用語が下記で定義されるところの疾患のかかる治療または予防を達成するのに十分であることを意味する。
「賦形剤」とは、薬、医薬組成物、製剤、または薬物送達系の有効成分(複数可)とともに製剤化される、医薬的に許容される物質である。賦形剤は、例えば、組成物を安定化するため、組成物を増量するため(故に、この目的で使用される場合、「増量剤」、「充填剤」、または「希釈剤」と称されることが多い)、または薬物吸収を容易化する、粘度を低減する、もしくは溶解度を高める等、最終的な剤形中の有効成分に治療強化を与えるために使用され得る。賦形剤には、粘着防止剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香味剤、流動促進剤、滑沢剤、防腐剤、吸着剤、甘味剤、及びビヒクルの医薬的に許容される型が含まれる。有効成分を運搬するために媒体としての役目を果たす主な賦形剤は、通常、ビヒクルと呼ばれる。賦形剤はまた、予想される貯蔵寿命にわたる変性または凝集の防止等のインビトロ安定性の補助に加えて、例えば、粉末の流動性または非粘着特性を促進することによって等で活性物質の取り扱いを補助するために、製造プロセスで使用されてもよい。賦形剤の適合性は、典型的には、投与経路、剤形、有効成分、ならびに他の要因に応じて様々であろう。
本明細書で使用される、「IC50」という用語は、得られる最大応答の50%である阻害用量を指す。この定量的尺度は、所与の生物学的、生化学、または化学プロセス(またはプロセスの構成要素、すなわち、酵素、細胞、細胞受容体、もしくは微生物)を半分阻害するために、特定の薬物または他の物質(阻害剤)のどれほどが必要とされるかを示す。
本明細書で使用される、「配位子」という用語は、結合を介して金属中心に配位する化学基を指す。場合によっては、該配位子と該金属中心の間の結合は、イオン結合または配位結合のいずれかである。配位子は、一価、二価、三価、またはそれより高い原子価を有し得る。場合によっては、配位子は負の電荷を有し得る。配位子のいくつかの例示的な例としては、ハライド(F、Cl、Br、またはI)、カーボネート(CO 2-)、バイカーボネート(HCO )、ヒドロキシド(OH)、パークロレート(ClO )、ニトレート(NO )、スルフェート(SO 2-)、アセテート(CHCO )、トリフルオロアセテート(CFCO )、アセチルアセトナート(CHCOCHCOCH )、トリフルオロスルホネート(CFSO )、またはホスフェート(PO 3-)が挙げられるがこれらに限定されない。配位子は、孤立電子対を含む中性種の場合もある。中性配位子のいくつかの例としては、アクア(HO)またはアンモニア(NH)が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、中性配位子は、アルキルアミンまたはジアルキルアミン等の基を含むことができる。
本明細書で使用される、「患者」または「対象」という用語は、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、またはそれらのトランスジェニック種等の、生きている哺乳類生物を指す。ある特定の実施形態では、該患者または対象は、霊長類である。ヒト患者の非限定的な例は、成人、青少年、乳児及び胎児である。
本明細書で一般に使用される、「医薬的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒト及び動物の組織、臓器、及び/または体液と接触して使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
「医薬的に許容される塩」とは、上記で定義されるように医薬的に許容され、所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩を意味する。かかる塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等で形成される酸付加塩、または有機酸、例えば、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、3-フェニルプロピオン酸、4,4‘-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、酢酸、脂肪族モノ及びジカルボン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシナフトエ酸、乳酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、第三級ブチル酢酸、トリメチル酢酸等で形成される酸付加塩が挙げられる。医薬的に許容される塩にはまた、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応することが可能な場合に形成され得る塩基付加塩も含まれる。許容される無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化カルシウムが挙げられる。許容される有機塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン等が挙げられる。本発明の任意の塩の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは、当該塩が全体として薬理学的に許容される限り、重要ではないことが認識されるべきである。医薬的に許容される塩のさらなる例、ならびにそれらの調製方法及び使用方法は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,and Use(P.H.Stahl & C.G.Wermuth eds.,Verlag Helvetica Chimica Acta,2002)に提示される。
「予防」または「予防すること」とは、(1)疾患のリスクがあり得る及び/または疾患の素因があり得るが、疾患の病理もしくは総体症状のうちのいずれかもしくはすべてを依然として経験もしくは呈していない対象もしくは患者において、疾患の発症を阻害すること、及び/または(2)疾患のリスクがあり得る及び/または疾患の素因があり得るが、疾患の病理もしくは総体症状のうちのいずれかもしくはすべてを依然として経験もしくは呈していない対象もしくは患者において、疾患の病理もしくは総体症状の発症を緩徐化することを含む。
「プロドラッグ」とは、本発明の医薬品有効成分へとインビボで代謝的に変換可能な化合物を意味する。プロドラッグ自体は、そのプロドラッグ形態で活性を有する場合も有さない場合もある。例えば、ヒドロキシ基を含む化合物が、インビボで加水分解によってヒドロキシ化合物に変換されるエステルとして投与されてもよい。インビボでヒドロキシ化合物へと変換され得る好適なエステルの非限定的な例としては、酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、リン酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、シュウ酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン-ビス-β-ヒドロキシナフトエ酸エステル、ゲンチジン酸エステル、イセチオン酸エステル、ジ-p-トルオイル酒石酸エステル、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステル、シクロヘキシルスルファミン酸エステル、キナ酸エステル、及びアミノ酸のエステルが挙げられる。同様に、アミン基を含む化合物が、インビボで加水分解によってアミン化合物に変換されるアミドとして投与されてもよい。
「繰り返し単位」は、有機であるか、無機であるか、有機金属であるかにかかわらず、ある特定の材料、例えば、フレームワーク及び/またはポリマーの最も簡単な構造実体である。ポリマー鎖の場合、繰り返し単位は、該鎖に沿ってネックレスのビーズのように連続的に結合されている。例えば、ポリエチレン、-[-CHCH-]-では、繰り返し単位は、-CHCH-である。下付き文字「n」は、重合度、すなわち、互いに結合した繰り返し単位の数を表す。「n」の値が定義されていない場合、または「n」が存在しない場合、括弧内の式の繰り返しと、当該材料のポリマー特性が単に示される。繰り返し単位の概念は、繰り返し単位間の接続が3次元的に拡張する、例えば、有機金属フレームワーク、変性ポリマー、熱硬化性ポリマー等の場合にも同様に適用される。
本出願の文脈において、「選択的に」とは、言及される箇所で化合物の50%を超える活性が示されることを意味する。一方で、「優先的に」とは、言及される箇所で化合物の75%を超える活性が示されることを意味する。
「立体異性体」または「光学異性体」とは、同じ原子が他の同じ原子に結合しているが、それらの原子の3次元での立体配置が異なる、所与の化合物の異性体である。「エナンチオマー」とは、左手及び右手のように互いに鏡像である、所与の化合物の立体異性体である。「ジアステレオマー」とは、エナンチオマーではない、所与の化合物の立体異性体である。キラル分子は、任意の2つの基の交換が立体異性体につながるような基を担持する分子において、必ずしも原子ではないが任意の点である、立体中心または不斉中心とも称されるキラル中心を含む。有機化合物において、キラル中心は、通常は炭素、リン、または硫黄原子であるが、他の原子が有機及び無機化合物における立体中心であることもまた可能である。分子は、複数の立体中心を有することにより、それに多くの立体異性体を与えることができる。立体異性が四面体の不斉中心(例えば、四面体炭素)に起因する化合物において、仮説上可能な立体異性体の総数は、2(ここで、nは、四面体の立体中心の数である)を超えない。対称性を有する分子は、多くの場合、最大可能数よりも少ない立体異性体を有する。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と称される。代替的に、エナンチオマーの混合物は、一方のエナンチオマーが50%超の量で存在するようにエナンチオマー的に濃縮される場合がある。通常、エナンチオマー及び/またはジアステレオマーは、当技術分野で既知の技法を使用して分割または分離され得る。立体化学が定義されていない任意のキラリティーの立体中心または軸、すなわち、四面体の不斉中心について、キラリティーの立体中心または軸は、そのR体、S体、またはラセミ及び非ラセミ混合物を含めたR体及びS体の混合物として存在し得ることが企図される。本明細書で使用される、「他の立体異性体を実質的に含まない」という語句は、当該組成物が≦15%、より好ましくは≦10%、さらにより好ましくは≦5%、または最も好ましくは≦1%の別の立体異性体(複数可)を含むことを意味する。
「治療」または「治療すること」とは、(1)疾患の病理もしくは総体症状を経験もしくは呈している対象もしくは患者において、疾患を阻害すること(例えば、病理及び/または総体症状のさらなる進展を阻むこと)、(2)疾患の病理もしくは総体症状を経験もしくは呈している対象もしくは患者において、疾患を改善させること(例えば、病理及び/または総体症状を好転させること)、及び/または(3)疾患の病理もしくは総体症状を経験もしくは呈している対象もしくは患者において、疾患の任意の測定可能な減少を達成することを含む。
「単位用量」という用語は、単一の治療有効用量の有効成分を単回投与で患者に提供するのに十分な様態で製剤が調製されるような、化合物または組成物の製剤を指す。使用され得るかかる単位用量製剤としては、単一の錠剤、カプセル、もしくは他の経口製剤、またはシリンジ注入可能な(syringeable)液体もしくは他の注射用製剤を含む単一のバイアルが挙げられるがこれらに限定されない。
上記の定義は、参照により本明細書に援用される任意の参考文献におけるいかなる相反する定義にも取って代わる。しかしながら、ある特定の用語が定義されているという事実は、未定義であるいかなる用語も不確定であることを示すものと見なされるべきではない。むしろ、使用されるすべての用語は、当業者が範囲を理解し、本発明を実施することができるような用語で本発明を説明するものと考えられる。
B.本開示の化合物
本発明の化合物、例えば、上記の発明の概要の節、及び添付の特許請求の範囲に示される。それらは、実施例の節に概説される合成方法を使用して作製されてもよい。これらの方法は、当業者によって適用されるように有機化学の原理及び技法を使用して、さらに改変及び最適化することができる。かかる原理及び技法は、例えば、Smith,March‘s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,(2013)に教示され、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。加えて、該合成方法は、当業者によって適用されるようにプロセス化学の原理及び技法を使用して、バッチ生産または連続生産のいずれでも、準備生産、パイロット規模での生産または大規模生産のためにさらに改変及び最適化されてもよい。かかる原理及び技法は、例えば、Anderson,Practical Process Research & Development-A Guide for Organic Chemists(2012)に教示され、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
本開示のすべての化合物は、いくつかの実施形態では、本明細書で考察されるまたはその他の1つ以上の疾患または障害の予防及び治療に使用されてもよい。それにもかかわらず、いくつかの実施形態では、本明細書で中間体、代謝産物、及び/またはプロドラッグとして特性評価または例示される化合物のうちの1つ以上もまた、1つ以上の疾患または障害の予防及び治療に有用であり得る。したがって、それとは反対の明示的な定めのない限り、本発明のすべての化合物は、医薬品有効成分(API)としての使用が企図される「活性化合物」及び「治療用化合物」と見なされる。ヒトまたは動物用の使用のための実際の適合性は、典型的には、食品医薬品局(FDA)によって管理されるもの等の、臨床試験プロトコル及び規制手順の組み合わせを使用して決定される。米国において、FDAは、ヒト及び動物用薬物、ワクチン及び他の生物由来製品、ならびに医療装置の安全性、有効性、品質、及び安全保障を保証することによって公衆衛生の保護を担う。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、本明細書で定められるまたはその他の適応症における使用を問わず、それらが、先行技術において既知の化合物よりも効果的である、それよりも毒性が低い、それよりも長時間作用する、それよりも強力である、それよりも副作用が少ない、それよりも容易に吸収される、それよりも代謝安定性が高い、それよりも親油性である、それよりも親水性である、及び/またはそれよりも良好な薬物動態プロファイルを有する(例えば、より高い経口バイオアベイラビリティ及び/またはより低いクリアランス)、及び/またはそれに勝る他の有用な薬理学的特性、物理的特性、もしくは化学的特性を有する可能性があるという利点を有する。
本開示の化合物は、1つ以上の非対称的に置換された炭素または窒素原子を含む可能性があり、光学活性体またはラセミ体で単離され得る。したがって、具体的な立体化学または異性体が具体的に示されない限り、化学式のすべてのキラル型、ジアステレオマー型、ラセミ体、エピマー型、及びすべての幾何異性体が意図される。化合物は、ラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じ得る。いくつかの実施形態では、単一のジアステレオマーが得られる。本発明の化合物のキラル中心は、S配置を有することもR配置を有することもできる。いくつかの実施形態では、本化合物は、規定の立体化学的配向を有する2つ以上の原子を含み得る。
本開示の化合物を表すために使用される化学式は、通常、いくつかの異なる互変異性体である可能性のあるものの1つを示すのみである。例えば、多くの種類のケトン基は、対応するエノール基と平衡状態で存在することが知られている。同様に、多くの種類のイミン基は、エナミン基と平衡状態で存在する。所与の化合物に関してどの互変異性体が図示されているかを問わず、またどちらの方がより出現率が高いかを問わず、所与の化学式のすべての互変異性体が意図される。
さらに、本開示の化合物を構成する原子は、かかる原子のすべての同位体を含むことが意図される。本明細書で使用される同位体には、原子番号が同じであるが、質量数が異なる原子が含まれる。一般例として、かつ限定することなく、水素の同位体には、トリチウム及びジュウテリウムが含まれ、炭素の同位体には、13C及び14Cが含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、プロドラッグとして機能するか、またはプロドラッグとして機能するように誘導体化され得る。プロドラッグは、医薬品の数多くの望ましい資質(例えば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造等)を強化することが知られているため、本発明の一部の方法で用いられる化合物は、所望であれば、プロドラッグ形態で送達されてもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグ、及びプロドラッグを送達する方法を企図する。本開示で用いられる化合物のプロドラッグは、親化合物に対する通例の操作でまたはインビボでのいずれかで、化合物に存在する官能基を、修飾が切断されるような方式で修飾することによって調製され得る。したがって、プロドラッグとしては、例えば、ヒドロキシ、アミノ、またはカルボキシ基が任意の基に結合された本明細書に記載の化合物であって、プロドラッグが患者に投与されると、該任意の基が切断されて、それぞれ、ヒドロキシ、アミノ、またはカルボン酸を形成するものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、塩形態または非塩形態で存在する。塩形態(複数可)に関して、いくつかの実施形態では、当該塩が全体として薬理学的に許容される限り、本明細書に提供される化合物の任意の塩形態の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは重要ではない。医薬的に許容される塩のさらなる例、ならびにそれらの調製方法及び使用方法は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,and Use(2002)に提示され、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
多くの有機化合物は、それらが反応するか、またはそこから沈殿もしくは結晶化される溶媒と複合体を形成することができることが理解されよう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られる。該溶媒が水である場合、該複合体は、「水和物」として知られる。多くの有機化合物が、結晶形態及び非晶質形態を含めた複数の固体形態で存在し得ることもまた理解されよう。本明細書に提供する化合物のすべての固体形態は、その任意の溶媒和物を含め、本発明の範囲内である。
C.テキサフィリン化合物
いくつかの態様では、本開示は、テキサフィリン化合物と、大環状分子に直接結合した白金キレート基を含む組成物及び方法を提供し、該テキサフィリンは、式:
Figure 2023547584000073
の大環状分子、またはその医薬的に許容される塩または互変異性体であり、
式中、
~Yは、各々独立して、水素、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、もしくはヒドロキシアミノアルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、シクロアルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロシクロアルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロシクロアルコキシ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルキルチオ(C≦12)、アリールチオ(C≦12)、アルキルスルフィニル(C≦12)、アリールスルフィニル(C≦12)、アルキルスルホニル(C≦12)、アリールスルホニル(C≦12)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型から選択されるか、または
~Rは、各々独立して、水素、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、もしくはニトロ、アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、シクロアルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロシクロアルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロシクロアルコキシ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型、またはPEG部分から選択され、ここで、該PEG部分は、式:-(OCHCHOR(式中、
nは、1~20であり、
は、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)である)、または
白金(IV)キレート基であり、
は、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、シクロアルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型、または
アミノ保護基
であり、
~Xは、各々独立して、水素、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、もしくはニトロ、アルキル(C≦12)、シクロアルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、シクロアルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロシクロアルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロシクロアルコキシ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型、またはPEG部分から選択され、ここで、該PEG部分は、式:-(OCHCHOR(式中、
nは、1~20であり、
は、水素、アルキル(C≦8)、もしくは置換アルキル(C≦8)である)、または
白金(IV)キレート基であり、
及びLは、各々独立して、存在しないか、中性配位子であるか、またはアニオン性配位子であり、
Mは、マンガンイオンであり、
ただし、該金属イオンの電荷のバランスをとるに足りるように、L及びLは存在するかまたは存在しない。
いくつかの実施形態では、該白金(IV)キレート基は、下記としてさらに定義される:
Figure 2023547584000074
式中、
は、カルボキシであり、
~Lは、各々独立して、アンモニア、ハライド、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型である。
さらなる非限定的なテキサフィリンの例は、米国特許第4,935,498号、第5,252,270号、第5,272,142号、第5,292,414号、第5,369,101号、第5,432,171号、第5,439,570号、第5,504,205号、第5,569,759号、第5,583,220号、第5,587,463号、第5,591,422号、第5,633,354号、第5,776,925号、第5,955,586号、第5,994,535号、第6,207,660号、第7,112,671号、第8,410,263号、及び第10,406,167号に教示されており、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。「テキサフィリン化合物」という用語が本明細書で使用される場合、それは酸化型及び還元型の両方のテキサフィリン、金属テキサフィリン、またはこれらの基のいずれかを指すことができる。当業者に知られているように、テキサフィリンは、金属イオンの錯体形成時に酸化を受けることが知られている。この現象は、米国特許第5,504,205号、Shimanovich,et al.,2001及びHannah,et al.,2001に記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。このプロセスはテキサフィリン化合物の金属化と関連しているため、これらの化合物は、本明細書では、還元された大環状分子式の酸化金属化誘導体と呼ばれる。
いくつかの態様では、本開示は、金属化形態のテキサフィリン化合物の組成物及び使用方法を提供する。いくつかの実施形態では、該金属化形態の金属は遷移金属である。いくつかの実施形態では、該金属は、2+酸化状態または3+酸化状態の金属イオンである。本明細書に記載の化合物は、錯体中にマンガン原子を含み得る。いくつかの態様では、該テキサフィリン化合物は、還元剤と同時に投与される。いくつかの実施形態では、該還元剤は、2つの電子供与体である。いくつかの実施形態では、該還元剤は、アスコルビン酸ナトリウム、チオレドキシンレダクターゼ、白金(II)イオンもしくは錯体、またはシステイン、ホモシステイン、もしくはグルタチオンが挙げられるがこれらに限定されない生物学的チオールである。該テキサフィリン化合物とともに光還元を使用することもできる。
D.過剰増殖性疾患
過剰増殖性疾患は、細胞が無制限に再生し始めることを引き起こすいずれの医学的障害にも関連し得るが、典型的な例は、がんである。がんの主要な要素のうちの1つは、細胞の正常なアポトーシスサイクルが中断されることであり、ひいては細胞のアポトーシスをもたらす薬剤が、これらの疾患を治療するために重要な治療薬である。したがって、本開示に記載のMnテキサフィリン類似体は、がんの治療に有効であり得る。
前記実施形態の化合物で治療され得るがん細胞としては、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、乳房、結腸、食道、胃腸、歯茎、頭部、腎臓、肝臓、肺、鼻咽頭、頸部、卵巣、前立腺、皮膚、胃、膵臓、精巣、舌、子宮頸部、または子宮由来の細胞が挙げられるがこれらに限定されない。加えて、該がんは、具体的には、以下の組織型のものであり得るがこれらに限定されない:悪性新生物、癌腫、未分化癌、巨細胞及び紡錘細胞癌、小細胞癌、乳頭癌、扁平上皮細胞癌、リンパ上皮癌、基底細胞癌、毛母癌、移行上皮癌、乳頭状移行上皮癌、腺癌、悪性ガストリノーマ、胆管癌、肝細胞癌、肝細胞癌及び胆管癌の混合型肝癌、索状腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫性ポリープの腺癌、腺癌、家族性大腸ポリポーシス、固形癌、悪性カルチノイド腫瘍、細気管支肺胞性腺癌(branchiolo-alveolar adenocarcinoma)、乳頭状腺癌、嫌色素性癌、好酸性癌、好酸素性腺癌(oxyphilic adenocarcinoma)、好塩基性癌、淡明細胞腺癌、顆粒細胞癌、濾胞腺癌、乳頭状及び濾胞腺癌、非被包性硬化性癌(nonencapsulating sclerosing carcinoma)、副腎皮質癌、類内膜癌、皮膚付属器癌、アポクリン腺癌、脂腺癌、耳垢腺癌、粘表皮癌、嚢胞腺癌、乳頭状嚢胞腺癌、乳頭状漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、粘液腺癌、印環細胞癌、浸潤性乳管癌、髄様癌、小葉癌、炎症性癌、乳房ページェット病、膵腺房細胞癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮化生を伴う腺癌、悪性胸腺腫、悪性卵巣間質性腫瘍、悪性卵胞膜腫、悪性顆粒膜細胞腫、悪性アンドロブラストーマ、セルトリ細胞癌、悪性ライディッヒ細胞腫瘍、悪性脂質細胞腫瘍、悪性傍神経節腫、悪性の乳房外傍神経節腫、褐色細胞腫、血管球血管肉腫、悪性黒色腫、無色素性黒色腫、表在拡大型黒色腫、巨大色素性母斑における悪性黒色腫(malignant melanoma)、類上皮細胞黒色腫、悪性青色母斑、肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫、胞巣型横紋筋肉腫、間質性肉腫、悪性混合腫瘍、ミュラー管混合腫瘍、腎芽細胞腫、肝芽腫、癌肉腫、悪性間葉腫、悪性ブレンナー腫瘍、悪性葉状腫瘍、滑膜肉腫、悪性中皮腫、未分化胚細胞腫、胎生期癌、悪性奇形腫、悪性卵巣甲状腺腫、絨毛腫、悪性中腎腫、血管肉腫、悪性血管内皮腫、カポジ肉腫、悪性血管周囲細胞腫、リンパ管肉腫、骨肉腫、傍骨性骨肉腫、軟骨肉腫、悪性軟骨芽細胞腫、間葉性軟骨肉腫、骨巨細胞腫、ユーイング肉腫、悪性歯原性腫瘍、エナメル上皮歯牙肉腫、悪性エナメル上皮腫、エナメル上皮線維肉腫、悪性松果体腫、脊索腫、悪性神経膠腫、上衣腫、星細胞腫、原形質性星細胞腫、線維性星細胞腫、星芽腫、膠芽腫、乏突起神経膠腫、乏突起膠芽細胞、原始神経外胚葉性腫瘍、小脳肉腫、神経節芽腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、嗅神経原腫瘍、悪性髄膜腫、神経線維肉腫、悪性神経鞘腫、悪性顆粒細胞腫瘍、悪性リンパ腫、ホジキン病、ホジキン、側肉芽腫、小リンパ球性悪性リンパ腫、びまん性大細胞型悪性リンパ腫、濾胞性悪性リンパ腫、菌状息肉腫、他の指定される非ホジキンリンパ腫、悪性組織球増加症、多発性骨髄腫、肥満細胞肉腫、免疫増殖性小腸疾患、白血病、リンパ性白血病、形質細胞性白血病、赤白血病、リンパ肉腫細胞白血病、骨髄性白血病、好塩基球性白血病、好酸球性白血病、単球性白血病、肥満細胞性白血病、巨核芽球性白血病、骨髄性肉腫、及び有毛細胞白血病。ある特定の態様では、該腫瘍は、骨肉腫、血管肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫、膠芽腫、神経芽細胞腫、または白血病を含み得る。
E.光音響イメージング
光音響イメージング(PAI)は、光音響効果に基づく新たな生物医学画像診断法である。PAIでは、光パルス(多くの場合、レーザーから)が、サンプル内またはサンプル上の標的遺伝子座(「部位」)に送達される。パルスエネルギーの一部はその部位で吸収され、熱に変換される。その一時的な加熱により、該部位での対応する一時的な熱弾性膨張が生じ、これが、該部位からの対応する広帯域の超音波放射を産生する。生成された超音波は、検出された波を対応する電気パルスに変換し、これが対応する画像に処理される1つ以上の超音波振動子を使用して検出される。生体サンプルによる光の光学的吸収は、ある特定の生理学的特性、例えば、ヘモグロビン濃度及び/または酸素飽和度と密接に関連している。その結果、該部位からの超音波放射(局所エネルギー蓄積に比例する光音響信号)の大きさは、該部位の2-Dまたは3-D画像の形成を容易にする生理学的に特定の光吸収コントラストを明らかにする。血液は通常、周囲の組織よりも大きな吸収を示し、これにより、血管とそれを含む組織のPAIを可能にするのに十分な内因性コントラストが得られる。例えば、PAIは、体から腫瘍への血液供給の増加による光吸収が大きいことによる乳房腫瘍の高コントラスト画像をインサイチュで生成することができる。従来のX線マンモグラフィー及び超音波検査では、病理学的特徴だけでなく良性の特徴の画像も生成されるが、PAIでは、腫瘍部位での血管新生の増加等、悪性疾患により特異的な情報が生成され得る。
現在、重要な課題により、イメージングシステム及び造影剤の両方を含めたPAIの広範な臨床使用が制限されている。造影剤の開発は、PAIを使用した画像の生成を支援するために行われてきた。造影剤の例としては、シアニン色素、ナノ粒子、ポリヒドロキシフラーレン、及びカーボンナノチューブ等の有機系の造影剤が挙げられる。しかしながら、該造影剤を使用して達成される光音響コントラストは多くの場合低く、画像の空間分解能が低くなる。したがって、新たなPAI造影剤の開発により、PAIを臨床的に有用にするのに役立つ可能性がある。
F.光温熱療法
さらに、光温熱療法は、光を吸収して熱を発生させることが可能な物質(光熱材料)を病変部に移動させ、次いで光を照射して熱を発生させることによってがんまたは関連する疾患を治療する技術である。この光温熱療法は、がん細胞が通常、正常な細胞よりも熱に対する耐性が低いという事実に基づいて、がん細胞のみを選択的に殺傷する方法である。光温熱療法は、現在、がん治療の分野で広く研究されている技術の1つである。光温熱治療に使用する光としては、正常な細胞に対して比較的無害な波長を含むことから近赤外線が用いられる。
しかしながら、光温熱治療に関連する課題の1つは、光を吸収して熱を発生させるためにインビボで投与された光熱材料が適時に体外に排出されない可能性があることである。光温熱治療の分野では、多くの場合、金属ナノ粒子を利用して光を吸収し、熱を発生させる。しかしながら、かかる無機材料は、インビボで投与した場合に円滑に排出されないことが多く、安全性の懸念をもたらす可能性がある。したがって、安全性プロファイルが改善された光温熱治療に使用され得る化合物は、満たされていないニーズに対処するであろう。
医薬製剤及び投与経路
かかる治療を必要とする哺乳類への投与のために、本開示のMnテキサフィリン類似体は、通常、示された投与経路に適した1つ以上の賦形剤と組み合わされる。本開示のMnテキサフィリン類似体は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及び/またはポリビニルアルコールと混合され、都合のよい投与用に錠剤化またはカプセル化され得る。別の方法として、本開示のMnテキサフィリン類似体は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、及び/または種々の緩衝液中に溶解され得る。他の賦形剤及び投与方法は、製薬分野において周知であり、広く知られている。
本開示において有用な医薬組成物は、従来の製薬工程、例えば、滅菌に供されてもよく、及び/または従来の医薬担体及び賦形剤、例えば、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等を含んでもよい。
本開示のMnテキサフィリン類似体は、様々な方法により、例えば、経口または注射(例えば、皮下、静脈内、腹腔内等)によって投与され得る。投与経路に応じて、新規コンジュゲートは、化合物を不活性化し得る酸の作用及び他の自然条件から化合物を保護するための材料でコーティングされてもよい。それらはまた、疾患部位または創傷部位の連続灌流/注入によって投与されてもよい。
非経口投与以外によって治療用化合物を投与するために、本開示のMnテキサフィリン類似体をその不活化を防止する材料でコーティングすること、または本開示のMnテキサフィリン類似体とその不活性化を防止する材料を同時投与することが必要な場合がある。例えば、該治療用化合物は、適切な担体、例えば、リポソーム、または希釈剤中で患者に投与されてもよい。医薬的に許容される希釈剤としては、生理食塩水及び水性緩衝液が挙げられる。リポソームとしては、水中油中水型(water-in-oil-in-water)CGFエマルション及び従来のリポソームが挙げられる。さらに、Trapasol(登録商標)、Travasol(登録商標)、シクロデキストリン、及び他の薬物担体分子もまた、本開示のMnテキサフィリン類似体と組み合わせて使用され得る。本開示の化合物は、ジメチルアセトアミド等の有機溶媒をポリエチレングリコール及びポロキサマー組成物を含む糖水溶液とともに使用して、薬物担体としてのシクロデキストリンで製剤化され得ることが企図される。いくつかの実施形態では、該有機溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、または他の生体適合性有機溶媒である。さらに、該組成物は、ポリエチレングリコールポリマー、例えば、PEG100、PEG200、PEG250、PEG400、PEG500、PEG600、PEG750、PEG800、PEG900、PEG1000、PEG2000、PEG2500、PEG3000、またはPEG4000で希釈され得る。加えて、該組成物は、さらに、1つ以上のポロキサマー組成物を含んでもよく、該ポロキサマーは2つの親水性ポリオキシエチレン基及び疎水性ポリオキシプロピレンまたはこれらの基の置換型を含む。この混合物は、さらに、糖水溶液、例えば、5%デキストロース水溶液を使用して希釈され得る。
本開示のMnテキサフィリン類似体はまた、非経口、腹腔内、脊髄内、または脳内投与されてもよい。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、ならびに油中で分散液を調製することができる。通常の貯蔵及び使用条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を阻止するための防腐剤を含み得る。
注射用の使用に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液を含み、滅菌注射液または分散液の即時調製のための滅菌粉末もまた想定される。すべての場合において、該組成物は、無菌でなければならず、容易にシリンジ注入できる程度に流動性である必要がある。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定である必要があり、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。該担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、及び植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の阻止は、種々の抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、またはマンニトール及びソルビトール等のポリアルコールを組成物中に含めることが望ましい。注射用組成物の長期的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを該組成物に含めることによってもたらされ得る。
滅菌注射液は、必要な量の本開示のMnテキサフィリン類似体を、必要に応じて、上に列挙された成分のうちの1つまたはその組み合わせを有する適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、治療用化合物を、基本的な分散媒及び上で列挙されたものから必要とされる他の成分を含む滅菌担体中に組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、これにより、予め滅菌濾過した溶液から有効成分(すなわち、治療用化合物)と任意のさらなる所望の成分とを合わせた粉末が得られる。
本開示のMnテキサフィリン類似体は、例えば、不活性希釈剤または同化食用担体とともに経口投与され得る。治療用化合物及び他の成分はまた、硬殻もしくは軟殻ゼラチンカプセルに封入されても、錠剤に圧縮されても、当該対象の食事に直接組み込まれてもよい。経口での治療的投与の場合、該化合物は、賦形剤とともに組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハース等の形態で使用されてもよい。組成物及び調製物中の治療用化合物のパーセンテージは、当然のことながら、様々であり得る。かかる治療的に有用な組成物中の本開示のMnテキサフィリン類似体の量は、適切な投与量が得られるような量である。
投与の容易性及び投与量の均一性のために、非経口組成物を投与単位形態で製剤化することがとりわけ有利である。本明細書で使用される投与単位形態とは、治療を受ける対象にとって単一の投与として適した物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の本開示のMnテキサフィリン類似体を含む。本発明の投与単位形態についての規格は、(a)本開示のMnテキサフィリン類似体の特有の特性及び達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)患者における選択された状態の治療のためにかかる治療用化合物を調合する技術分野に固有の限界によって決定付けられかつそれに直接依存する。
前記治療用化合物はまた、皮膚、眼、または粘膜に局所投与されてもよい。別の方法として、肺への局所送達が所望とされる場合、前記治療用化合物は、乾燥粉末またはエアロゾル製剤での吸入によって投与されてもよい。
本開示に記載の本開示のMnテキサフィリン類似体は、患者の状態に関連する状態を治療するのに十分な治療有効用量で投与される。例えば、本開示のMnテキサフィリン類似体の有効性は、ヒト、例えば、実施例及び図面に示されるモデル系において疾患の治療の有効性を予測し得る動物モデル系において評価することができる。
対象に投与される本開示の化合物を含む本開示のMnテキサフィリン類似体の実際の投与量は、物理的及び生理的要因、例えば、当該対象の年齢、性別、体重、状態の重症度、治療されている疾患の種類、以前または現在の治療介入、特発性疾患、及び投与経路によって決定され得る。これらの要因は、当業者によって決定され得る。通常、投与を担当する医師が、組成物中の有効成分(複数可)の濃度及び個々の対象に適切な用量(複数可)を決定する。投与量は、何らかの合併症が生じた場合には個々の医師によって調整されてもよい。
いくつかの実施形態では、前記治療用化合物についての有効用量範囲は、様々な異なる動物に対する動物研究で決定された有効用量から外挿され得る。いくつかの実施形態では、mg/kg単位でのヒト等価用量(HED)は、以下の式に従って算出され得る(例えば、Reagan-Shaw et al.,FASEB J.,22(3):659-661,2008参照、同文献は参照により本明細書に組み込まれる):
HED(mg/kg)=動物用量(mg/kg)×(動物K/ヒトK
変換においてK係数を使用することで、体重のみに基づくのではなく体表面積(BSA)に基づいたHED値が得られる。ヒト及び種々の動物についてのK値は周知である。例えば、平均60kgのヒト(1.6mのBSAを有する)についてのKは37であるが、一方で、20kgの小児(0.8mのBSA)は、25のKを有する。一部の関連性のある動物モデルについてのKもまた周知であり、これには、マウスのKが3(体重0.02kg及びBSA0.007を所与とする)、ハムスターのKが5(体重0.08kg及びBSA0.02を所与とする)、ラットのKが6(体重0.15kg及びBSA0.025を所与とする)、ならびにサルのKが12(体重3kg及びBSA0.24を所与とする)であることが含まれる。
前記治療用組成物の正確な量は、医師の判断に依存し、各個体に特異的である。それでもなお、算出されたHED用量は、一般的な指針を提供する。用量に影響を及ぼす他の要因としては、患者の身体状態及び臨床状態、投与経路、意図される治療目標、ならびに特定の治療用製剤の効力、安定性、及び毒性が挙げられる。
有効量は、通常、毎日1回または複数回の投与で、1日または数日間、約1mg/kg~約50mg/kgまで変化する(当然のことながら、投与方法及び上記の要因に依存する)。いくつかの特定の実施形態では、該量は、1日あたり10mg~4500mgの範囲で、1日あたり5,000mg未満である。
前記有効量は、10mg/kg/日未満、50mg/kg/日未満、100mg/kg/日未満、250mg/kg/日未満であり得る。代替的に、これは1mg/kg/日~250mg/kg/日の範囲であってもよい。
他の非限定的な例において、用量はまた、投与あたり約0.1mg/kg/体重、約1mg/kg/体重、約10g/kg/体重、約50g/kg/体重、またはそれより多くても、そこから誘導される任意の範囲を含んでもよい。本明細書に列挙した数値から誘導可能な範囲の非限定的な例では、約1mg/kg/体重~約50mg/kg/体重の範囲、約5g/kg/体重~約10g/kg/体重の範囲等が上記の数値に基づいて投与され得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、例えば、本開示に記載の化合物を少なくとも約0.1%含み得る。他の実施形態では、本開示の化合物は、例えば、単位量の重量の約0.25%~約75%、または約25%~約60%、または約1%~約10%、及びその中で誘導可能な任意の範囲を含み得る。
薬剤の単回または複数回用量が企図される。複数回用量の送達に関する所望の時間間隔は、日常的な実験のみを使用して当業者によって決定され得る。例として、対象は、およそ12時間間隔で1日2回投与され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、1日1回投与される。
前記化合物は、所定のスケジュールで投与され得る。本明細書で使用される、所定のスケジュールとは、既定の指定期間を指す。該所定のスケジュールは、該スケジュールが既定である限り、同一の期間または長さが異なる期間を包含してもよい。例えば、該所定のスケジュールは、1日2回、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、毎月、または任意の設定される日数もしくは週数間隔の投与を伴ってもよい。代替的に、該既定の所定のスケジュールは、最初の1週間は1日2回、その後数か月間は1日1回等の投与を含んでもよい。他の実施形態では、本発明は、薬剤(複数可)が経口摂取されてもよいこと、及びそのタイミングが、食物摂取に依存するまたは依存しないことを定める。したがって、例えば、薬剤は、対象がいつ食事をしたかまたは食事をするかを問わず、毎朝及び/または毎晩摂取され得る。
G.併用療法
単剤療法として使用されることに加えて、本開示のMnテキサフィリン類似体は、併用療法においても使用され得る。効果的な併用療法は、両方の薬剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤で達成される場合もあれば、一方の組成物がMnテキサフィリン類似体及び組成物を含み、他方が第二の薬剤(複数可)を含む同時に投与される2つの別個の組成物または製剤を用いて達成される場合もある。他の治療法は、本開示のMnテキサフィリン類似体の投与の前、それと同時に、またはその後に施され得る。本開示のMnテキサフィリン類似体を使用する治療は、数分から数週間の範囲の間隔で、他の薬剤(複数可)の投与に先行または後続し得る。該他の薬剤及び本開示の化合物または組成物が別々に投与される実施形態では、一般に、各薬剤が依然として有利に併用効果を発揮することができるように、各送達時点間での長期間により有効期限が切れないようにする。かかる場合、通常は、本開示のMnテキサフィリン類似体と他の治療薬とを互いに約12~24時間以内に、より好ましくは互いに約6~12時間以内に投与し、遅延時間が約12時間しかないことが最も好ましいということが企図される。しかしながら、場合によっては、治療のための期間を大幅に延長することが望ましい場合があり、それぞれの投与間で数日(2、3、4、5、6または7日)から数週(1、2、3、4、5、6、7または8週)が経過する。
本開示のMnテキサフィリン類似体または他の薬剤の2回以上の投与が望まれることも考えられる。この関連で、様々な組み合わせが使用され得る。例として、本開示の化合物が「A」であり、他の薬剤が「B」である場合、3回及び4回の合計投与に基づく以下の順列が例となる:
Figure 2023547584000075
。他の組み合わせも同様に企図される。本発明で使用され得る薬理作用のある薬剤の非限定的な例としては、がんまたは過剰増殖性障害もしくは疾患の治療に有益であることが知られている任意の薬理作用のある薬剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示のMnテキサフィリン類似体と、がんを標的とする免疫療法、放射線療法、化学療法、または手術との組み合わせが企図される。また、本開示のMnテキサフィリン類似体と、2つ以上のタイプの特定の治療法を含めた上記の方法の2つ以上との組み合わせも企図される。いくつかの実施形態では、該免疫療法が、HER2/neuを標的とするモノクローナル抗体、例えば、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、アレムツズマブ(Sampath(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Eribitux(登録商標))、及びパニツムマブ(Vectibix(登録商標))またはコンジュゲート抗体、例えば、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))、トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(商標))、またはデニロイキンジフチトクス(Ontak(登録商標))、ならびに免疫細胞を標的とする抗体、例えば、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、トレメリムマブ、抗PD-1、抗4-1-BB、抗GITR、抗TIM3、抗LAG-3、抗TIGIT、抗CTLA-4、または抗LIGHTであることが企図される。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のMnテキサフィリン類似体のテキサフィリン-白金(IV)コンジュゲート組成物は、樹状細胞ベースの免疫療法、例えば、シプリューセル-T(Provenge(登録商標))または養子T細胞免疫療法との併用療法で使用されることが想定される。
さらに、本明細書に記載の方法は、化学療法剤、例えば、PR-171(Kyprolis(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、アントラサイクリン、タキサン、メトトレキサート、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、ビノレルビン、5-フルオロウラシル、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、Pt(IV)錯体、トポテカン、イホスファミド、シクロホスファミド、エピルビシン、ゲムシタビン、ビノレルビン、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、ペメトレキセド、メルファラン、カペシタビン、オキサリプラチン、BRAF阻害剤、及びTGF-ベータ阻害剤と組み合わせて使用され得ることが企図される。いくつかの実施形態では、該併用療法は、上に挙げたもの等のがんを標的とするように設計されている。
いくつかの態様では、本開示のMnテキサフィリン類似体は、放射線療法と併せて使用され得ることが企図される。放射線療法(radiation therapy)とも呼ばれる放射線療法(Radiotherapy)は、電離放射線によるがん及びその他の疾患の治療である。電離放射線は、遺伝物質を損傷することによって治療対象領域の細胞を損傷または破壊するエネルギーを蓄積し、これらの細胞が成長し続けることを不可能にする。放射線は、がん細胞と正常細胞の両方に損傷を与えるが、後者はそれ自体を修復して適切に機能させることができる。
本開示に従って使用される放射線治療としては、γ線、X線の使用、及び/または腫瘍細胞への放射性同位体の指向性送達を挙げてもよいがこれらに限定されない。マイクロ波及びUV照射等、他の形態のDNA損傷因子も企図される。これらの因子のすべてが、DNA、DNAの前駆体、DNAの複製及び修復、ならびに染色体の組み立て及び維持に広範囲の損傷を引き起こす可能性が最も高い。X線の線量範囲は、長期間(3~4週間)にわたる50~200レントゲンの1日線量から、単回線量の2000~6000レントゲンに及ぶ。放射性同位体の線量範囲は大きく異なり、同位体の半減期、放出される放射線の強度及び種類、ならびに腫瘍細胞による取り込みに依存する。
さらに、本開示のMnテキサフィリン類似体は、音響力学療法と組み合わせて使用されることが企図される。音響力学療法におけるテキサフィリンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,207,660号に記載されている。本開示のMnテキサフィリン類似体は、音響学的作用物質の投与前に投与される。該化合物は、単回用量として投与されてもよいし、時間間隔を空けて2回以上の用量として投与されてもよい。静脈内及び動脈間(interarterial)注射によるものを含め、非経口投与が代表的である。他の一般的な投与経路も使用することができる。
超音波は、電力増幅器によって駆動される集束アレイトランスデューサによって生成される。該トランスデューサは、超音波出力の焦点を変えることができるように、直径及び球面曲率が変化し得る。市販の治療用超音波装置を本開示の実施に使用してもよい。使用される波のタイプを含めた持続時間及び波周波数は変化する可能性があり、好ましい治療期間は、治療する医師の判断の範囲内で場合により変化する。進行波モードパターンと定在波パターンの両方が、病変組織のキャビテーションの生成に成功している。進行波を使用する場合、第二高調波を基本波に重畳することができるという利点がある。
本開示で使用される好ましい音響力学的作用物質は超音波であり、特に低強度の非熱的超音波、すなわち、約0.1MHz及び5.0MHzの波長内で約3.0~5.0W/cmの強度で生成される超音波である。
さらに、本開示の化合物は光線力学療法と組み合わせて使用され得ることが企図される:例として、テキサフィリンは、2mg/mlを任意にUSPの5%マンニトールに含む溶液で投与される。約1.0または2.0mg/kg~約4.0または5.0mg/kg、好ましくは、3.0mg/kgの投与量を、ある研究で5.2mg/kgであると決定された最大耐用量まで使用することができる。該テキサフィリンは、静脈内注射によって投与され、その後、細胞内取り込みならびに血漿及び細胞外マトリクスからのクリアランスを促進するために、数分または約3時間という短時間から、約72または96時間という長時間(行われる治療に応じて)の待機期間が続いた後、光照射が施される。
鎮静剤(例えば、ベンゾジアザペン)及び麻薬性鎮痛薬の同時投与が、光線治療の前に、密封法下でのエムラクリーム(リドカイン、2.5%及びプロカイン、2.5%)の局所投与とともに推奨される場合がある。不快感を軽減するために、必要に応じて他の皮内、皮下、及び局所麻酔薬も使用され得る。その後の治療は、約21日後に行うことができる。担当医師は、ある特定の状況では特に注意を払い、ある特定の患者には治療後約1週間は明るい光を避けるように勧告する場合がある。
光線力学療法を採用する場合、標的領域は、LEDデバイスまたは同等の光源(例えば、量子素子Qbeam(商標)Q BMEDXM-728 Solid State Lighting System、これは728nmで動作する)によって、75mW/cmの強度で総光量150J/cmにわたって送達される約732±16.5nm(半値全幅)の光で処理される。該光線治療は約30分かかる。
テキサフィリン投与から光線治療までの最適な時間の長さは、投与方法、投与形態、及び標的組織型によって異なり得る。通常、該テキサフィリンは、テキサフィリン、製剤、用量、注入速度、ならびに組織型及び組織サイズに応じて、数分から数時間持続する。
光増感性テキサフィリンが投与された後、治療される組織は、該テキサフィリンの吸光度と同様の波長、通常は約400~500nmもしくは約700~800nmのいずれか、より好ましくは、約450~500nmもしくは約710~760nm、または最も好ましくは、約450~500nmもしくは約725~740nmで光照射される。光源は、レーザー、発光ダイオード、または例えばキセノンランプからのフィルタリングされた光であってもよく、この光は、局所的に、内視鏡的に、または細胞間に(例えば、光ファイバープローブを介して)投与され得る。好ましくは、この光は、細隙灯送達系を使用して投与される。光照射治療中のフルエンス及び放射照度は、組織型、標的組織の深さ、及び上部の液体または血液の量によって異なり得る。例えば、総光エネルギー約100J/cmが、標的組織に応じて出力200mW~250mWで送達され得る。
本発明の1つの態様は、本開示の化合物をさらに使用して、治療薬の局在化を撮像することができることである。前記テキサフィリンの中心は、患者が有する該化合物の位置を決定し、それが局在する腫瘍の特定の位置及び縁を決定するためのMRIの使用を可能にする。いくつかの態様では、該テキサフィリンの中心の位置を決定する能力は、より多くのまたはさらなる治療法、例えば、手術または放射線療法にとって有利であり得る。
H.実施例
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態を実証するために含まれる。当業者には、以下に続く実施例に開示される技法が、本開示の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技法を表し、ひいては、その実施のための好ましい様式を構成すると見なされ得ることを理解されたい。しかしながら、当業者には、本開示に照らして、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変更がなされ、なおも同様または類似の結果を得ることができることが理解されるはずである。
実施例1:化合物の合成
A.材料及び方法
出発物質は、Fisher ScientificまたはSigma Aldrichから購入し、特に明記しない限り、さらに精製することなく使用した。オキサリプラチン(IV)プロドラッグ(1)は、本発明者らが以前に報告した手順(1)に従って合成した。インドシアニン グリーン(ICG)は、Dandong Yichuang Pharmaceutical Co.,Ltd.から購入した。溶媒は、溶媒精製システム(Vacuum Atmospheres)を使用して精製した。MMn、MGd及びMLuの分析用RP-HPLC分析は、PDA検出器を装着したThermo scientific Dionex Ultimate 3000で実施した。分析カラムは、Syncronis C18カラム、5μm、4.6×250mm(Thermo Scientific)であり、移動相は、漸増する勾配(20分で10%から99%まで)のアセトニトリルを含む水からなり、どちらも0.1%酢酸を含めた。この場合、流量は1.2mL/分であった。テキサフィリンを、254、470、及び740nmで観察した。MMn、MGd、及びMLuは、補助配位子としてどの対アニオン(AcOまたはNO )が望ましいかによって、0.1M酢酸アンモニウム/1%酢酸水溶液に含まれるか、または0.1Mの硝酸カリウム水溶液に含まれる漸増する勾配のアセトニトリルを溶離液として使用して、10gのC-18を含む逆相-t C18 SPE(Waters Sep-Pak、Waters)カラムにて精製した。質量分光分析は、The University of Texas at Austin Mass Spectrometry Facilityで行った。低分解能及び高分解能のエレクトロスプレー質量分光(ESI-MS)分析は、それぞれ、Thermo Finnigan LTQ及びQq-FTICR(7 Telsa)機器を使用して行った。UV-Visスペクトルは、Varian Cary 5000分光光度計を室温で使用して記録した。得られた溶液のUV-Vis吸収及び蛍光発光スペクトルは、それぞれ、Varian Cary 500 UV-Vis分光光度計及びVarian Cary eclipse蛍光分光光度計によって測定した。セル長10mmの石英キュベットをすべてのUV-Vis及び蛍光試験で使用した。テキサフィリン誘導体、MMn-NH、モノ-MMn、ビス-MMn、MMn、MLu、及びMGdの純度を、使用前に逆相HPLCで確認した。これらの既知の化合物について、MMn、MLu、及びMGdは、以前に報告された分析(Brewster et al.,2020)と一致した。LogP値とその決定のためのプロトコルは、Brewster et al(2020)による以前の報告に見出すことができる。
B.MGd、MLu及びMMnの合成ならびに特性評価
MGdは、Sessler et al.,1993.に記載の通りに調製した。MLu及びMMnは、文献のプロトコル(Blumenkranz et al.,2000、Shimanovich et al.,2001、Sessler et al.,1993)を使用して合成した。
i.MMn
Figure 2023547584000076
MMnを、以前に報告された手順に従って合成した(Shimanovich et al.,2001)。反応終了後、MMnをシリカカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH-100/0から95/5、その後80/20)で精製した。さらなる精製を、10gのC18支持体を含む逆相tC18 SPE(Waters Sep-Pak、Waters)カラムを使用し、漸増する勾配のアセトニトリル及び0.1%酢酸水溶液を使用して行った。精製の最終ステップであるSep-PakにロードしたMMnを0.1Mの硝酸カリウム水溶液で3回洗浄し、続いて脱イオンHOで最後に洗浄した。MMnをMeOHを使用して溶出し、その溶媒を真空中で除去し、MMnを結晶性の緑色固体として得た。
ii.MMn-NH
Figure 2023547584000077
MMn(NH)及びMMn(NHは、MMn誘導体用に修正したこと以外は以前に公開されたMGd(NH)誘導体用の手順に従って合成した(Thiabaud et al.,2020)。簡潔には、MMn及び3当量の各試薬(トリフェニルホスフィン、フタルイミド及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート)を含むDCMを使用して、対応するフタルイミド誘導体を形成した。所望の中間体比を達成した後、その反応物を短いシリカカラム(DCM/MeOH-100/0から95/5、その後80/20)に供した。メチルアミン(40%水溶液)を使用したフタルイミド脱保護を使用して、モノ-、ビス-NH2、及び未反応のMMnの混合物を得た。これら3つの化合物を、逆相シリカゲルクロマトグラフィーカラムにて、逆相tC18 SPEを使用した漸増する勾配のアセトニトリル及び0.1%酢酸水溶液で分離した。精製の最終ステップであるSep-PakにロードしたMMn誘導体を0.1Mの硝酸カリウム水溶液で3回洗浄し、続いて脱イオンHOで最後に洗浄した。MMn誘導体をMeOHを使用して溶出し、その溶媒を真空中で除去し、所望の生成物を結晶性の緑色固体として得た。
iii.モノ-MMn
Figure 2023547584000078
モノ-MMnを、公開されたプロトコルと同様のプロトコルに従って合成した(Thiabaud et al.,2014)。簡潔には、1.5当量のNHS、1及びEDCを含むHOを20分間攪拌した。次いで、活性化された1を、1当量のDIPEA及びMMn(NH)のMeCN溶液に加え、その反応物を約6時間攪拌した。次いで、モノ-MMnを逆相tC18 SPEを介して漸増する勾配のアセトニトリル及び0.1%酢酸水溶液で精製した。精製の最終ステップであるSep-Pakにロードしたモノ-MMnを脱イオンHOで洗浄し、MeOHを使用して溶出し、その溶媒を真空中で除去し、所望の生成物を結晶性の緑色固体として得た。高分解能ESI-MS m/z 1482.5212 (モノMMn-OAc)
iv.ビス-MMn
Figure 2023547584000079
ビス-MMnを、公開されたプロトコルと同様のプロトコルを使用して合成した(Thiabaud et al.,2014)。この合成に関しては、3当量のNHS、1及びEDCを含むHOを20分間攪拌した。次いで、活性化された1を、2当量のDIPEA及び1当量のMMn(NHのMeCN溶液に加え、その反応物を約6時間攪拌した。次いで、ビス-MMnを逆相tC18 SPEを介して漸増する勾配のアセトニトリル及び0.1%酢酸水溶液で精製した。精製の最終ステップであるSep-Pakにロードしたモノ-MMnを脱イオンHOで洗浄し、MeOHを使用して溶出し、その溶媒を真空中で除去し、所望の生成物を結晶性の緑色固体として得た。高分解能ESI-MS m/z 1482.5212 (ビスMMn-OAc)
実施例2:マンガン化合物による光音響イメージング
A.方法及び材料
i.細胞培養撮像プロトコル
RAW264.7細胞は商業的供給源から購入し、10%ウシ胎児血清(FBS、HyClone,UT,USA)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Life Technologies,NY,USA)で培養した。細胞を、5%COを含む加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。次に、その細胞を4群に分け、培養ビン(75mL)で培養し、MMn、MLu及びMGdを細胞培地(FBSなし)に濃度500μMで混合し、細胞とともに30分間インキュベートした。その後、古い培地を廃棄し、細胞をPBSで3回洗浄し、遠心分離(2000rpm、2分、または3000~5000rpm、1分)によって回収した。回収した細胞をその後、PA測定用のプラスチックチューブに加えた。
ii.インビボ撮像プロトコル
オスのBALB/cヌードマウス(18±2g、4~6週齢)を商業的供給源から購入し、適切な倫理監督委員会の承認を得て実験動物の管理と使用に関する標準的な動物ガイドラインに従って使用した。
ヒト前立腺癌細胞株C4-2を商業的供給源から購入し、10%ウシ胎児血清(FBS、Cyclone,UT,USA)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Life Technologies,NY,USA)で培養した。細胞を、5%COを含む加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。C4-2腫瘍接種のため、PBSに懸濁したC4-2細胞(約1×10)をヌードマウスの右脇腹の表皮の下に注射した。動物のあらゆる行動異常を毎日観察した。約12日後、腫瘍はPAI実験に適したサイズであった(腫瘍の直径:約8~12mm)。各PAI実験の前に、腫瘍部位をアルコールで軽く拭き、まず超音波カップリング接着剤で腫瘍をコーティングし、次に水を保持したポリエチレンプラスチックフィルムを腫瘍の上に直接置いた。組織と空気の間の音響インピーダンスの不一致により、超音波情報の受信が妨げられるため、このプロトコルは重要であった。
iii.インビボ実験のための光音響コンピュータ断層撮影(PACT)システム
光音響信号励起用に、8nsのパルスレーザーを放出する光パラメトリック発振器(OPO)レーザー源(Innolas GmbH,Bonn,Germany)を、コア径1500μmのマルチモード光ファイバーに結合した。このナノ秒パルスレーザーを腫瘍組織に使用すると、熱膨張が非常に小さくなった。これにより、組織の振動が発生し、市販の128素子リニアアレイ経直腸超音波振動子で記録できる超音波が生成された。モデル装置については、図1を参照されたい。レーザー光源のQスイッチ出力を、Vantage128研究用超音波プラットフォーム(Verasonics,Inc.Kirkland WA,USA)と同期して、光音響及び超音波データ取得を実行した。光音響信号は、30Hzのレーザーパルス発射周波数に等しいフレームレートで取得し、従来の遅延和(DAS)再構成アルゴリズムを使用して、光音響Bスキャン画像を再構成した(Harrison and Zemp,2011)。このシステムは、光音響画像と超音波画像の両方をリアルタイムで同時に表示することができる。以下の励起波長を各テキサフィリン造影剤に使用した:MMn:725nm及びMGd:741nm
iv.ICP-MS分析プロトコル
MMnまたはMGdを細胞培地(FBSなし、15mL、Cytiva HyClone DMEM、SH300243.01)に混合して各テキサフィリンの濃度を100μMにし、RAW264.7細胞と、75mLの培養フラスコにて30分間インキュベートした(37℃、95%空気、5%CO)。古い培地を廃棄し、細胞をPBSで3回洗浄した。これらの細胞をトリプシンを使用して分離し、遠心分離によって回収した(2000rpm、2分)。回収した細胞を次いで遠心管に加えた。次いで、硝酸(1mL、65%~68%)をこの管に滴下し、その管を密封して90℃の水浴に1時間保持した。室温まで冷却した後、300μLのH(30%)をその管に加え、これを開封し、90℃の水浴にさらに1時間置いた。次いで、これらの管を室温まで冷却し、0.45umの濾過膜を使用して内容物を濾過した。次いで濾液をICP-MS分析(Thermo Scientific,iCAP(商標)Q)に供した。
B.マンガン誘導体の光音響特性
>700nmの近赤外領域の強い吸収(図2)に加えて魅力的な安全性プロファイル、MRI強化(Young et al.,1996)(Sedgwick et al.,2020)、及び腫瘍局在化(Hashemy et al.,2007、Khuntia 2007)等のMGdの属性により、本発明者らは、潜在的なPA造影剤として金属テキサフィリンを試験するに至った。光音響特性を調べると、これらの化合物が潜在的なPA造影剤であることがわかった。特に、MGd及びMLuのマンガン(II)類似体MMn(Shimanovich et al.,2001)は、ICGよりも優れた光安定性を備えた優れた効果的なPA造影剤を提供する。この最近発見されたPA造影剤を考えると、MMnは、この化合物がMRI強化能力(Brewster et al.,2020、Keca et al.,2016)及びこのテキサフィリン化合物の低毒性プロファイル(Young et al. al.,1996)(Sedgwick et al.,2020、Hashemy et al.,2007、Khuntia 2007)という点において特に好ましい。光音響イメージング(PAI)実験では、各化合物を再蒸留水に溶解し、次に各溶液を直径1.1mmのプラスチックチューブに入れ、5mJ/cmのレーザーフルエンスに供した。その後最大振幅投影(MAP)画像を取得した(図3)。これらの試験条件下で、ICGは、最初の試験で選択された濃度範囲(15.6~500μM)にわたって最大のPA強度を示した。しかしながら、MMnは、MGd及びMLuと比較して最大のPA強度を示し、MGdは最も効果が低かった(図3及び4)。さらに、MRI試験に必要とされる可能性のある比較的高濃度(>1mM)で、MMnは、ICGよりも大きなPA強度を示した(図5及び6)。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、これは、ICGの凝集の結果として、UV-Vis吸収及び800nmでのPA強度が減少した結果であると考えられている(Weigand et al.,1997、Penzkofer et al.,1996)。MMnについて凝集の証拠は見られなかった(図7及び8)。
PAIは、光エネルギーの無放射変換を利用するため(Liu et al.,2019)、PA造影剤の望ましい特徴は、蛍光量子収率が低いことである(Borg et al.,2018)。したがって、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、MGd及びMLuと比較してMMnについて観察されたこの優れた性能は、この化合物が本質的に非蛍光性であることを反映していると考えられる(図9)。この光物理特性の違いは、このテキサフィリン配位子発色団が錯化した金属カチオンによって強く影響を受けた結果である(Guldi et al.,2000)。Mn(II)はよく知られた蛍光消光剤であり(Hannah et al.,2002、Volchkov et al.,2010、Choi and Luo 2018、Senthilnithy et al.2009)、MMnの場合には、効率的な無放射減衰及び効果的なPAイメージングを促進する。
臨床応用に好ましいPA造影剤は、一重項酸素()の生成を避けるべきである。驚くべきことに、MMnは、標準的な1,3-ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)ベースのアッセイ(図10)に反映されるように、の生成を最小限に抑えた(Seto et al.,2016)。対照的に、MLuの光照射は、予想されるの生成をもたらした。その増感特性のために、MLuは潜在的なPA造影剤としてMMnほど魅力的ではないと見なされた。
光安定性もまた、臨床応用のための潜在的なPA造影剤を検討する上で重要な要素である。以前の観察結果と一致して(Mindt et al.,2018)、暗青緑色から薄青緑色への色の変化から推測されるように、ICGは光照射(100μM、20分、780nm、フルエンス約18mJ/cm)による光安定性が低いことを示した(図11参照)。ICGに関する780nmでの強度対時間のプロットは、30分間の光照射(40μM、30分間、780nm、フルエンス約18mJ/cm)にわたる吸収の全体的な90%の変化を示し、著しい光分解を示した(図12及び13)。対応する分析により、MMnは、ICGまたはMGdよりも優れた光安定性を有することが明らかになり(40μM、20分、725nm(MMn)及び740nm(MGd)、フルエンス約18mJ/cm)、MMn及びMGdに関する吸収強度のそれぞれ、15%及び30%の変化として反映された(図14~17)。
MMn及びMGdの細胞内PAI機能は、撮像アッセイで一般に使用される細胞株であるRAW264.7細胞で評価した(Sedgwick et al.,2018)。図18の検査から分かるように、濃度500μMでインキュベートした場合、MMnは、強力な細胞内PAシグナルを生成した(PA強度=6.75×10)。対照的に、より低いPA強度がMGd(PA強度=3.63×10)及び対照(再蒸留水、強度=1.71×10)で観察された。ICP-MS分析により、MMnで処理したRAW264.7細胞では、それ以外は同一の条件下でMGdで処理したものよりも2.4倍多いMn含有量が明らかになった(表1)。MMnで見られる細胞内PA強度の増強は、その好ましいPA特性と組み合わされた、より大きな細胞内取り込みによるものと考えられる。
(表1)RAW264.7細胞におけるMnまたはGdのいずれかの細胞取込みのICP-MS分析
Figure 2023547584000080
MMnのPAイメージングの可能性をさらに調べるために、図19に示すように前立腺腫瘍マウスモデルを使用してインビボ実験を行った。これらの腫瘍は、免疫不全ヌードマウスの右脇腹に約1×10のヒト前立腺癌細胞株C4-2を注射することによって生成された。約12日後、腫瘍はPAI実験に使用できるサイズ(直径:0.8~1.2cm)であった。次に、正規化PA強度値を計算した。尾静脈から生理食塩水を注射されたマウスである対照マウスは、24時間後にその腫瘍部位で正規化PAシグナルの1.2倍の増加を示したのみであった(図20)。対照的に、マウスの尾静脈からのMMn(500μM、200μL、5μmol/kg)注射により、注射前の正規化PAシグナル強度と比較して、24時間後の腫瘍部位での正規化PAシグナル強度の全平均3.1倍の増加がもたらされた(図19)。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、このPAシグナルの増加は、腫瘍におけるMMnの緩やかな蓄積、すなわち、ポルフィリノイド系誘導体で見られる現象によると考えられたと考えられる(Osterloh and Vicente 2002)。MGdの場合、平均1.9倍の増強が見られた(図21)。
ICG(500μM、200μL、5μmol/kg)の尾静脈注射後、腫瘍部位でのPAシグナルの有意な増加は観察されなかった-図22。この増強の不足は、ICGの急速な薬物動態及び肝臓を介したクリアランスによるものと考えられる(Song et al.,2015、Qiu et al.,2020)。インビボでの使用のためのICGの限界を克服するために、様々なナノカプセル化戦略が開発されてきたが(Sheng et al.,2014、Chaudhary et al.,2019)、MMnは、かかる努力を必要とせずにインビボで腫瘍を直接撮像することができる単一分子を象徴する。
PAイメージングのためのMMnのインビボ安定性を確認するために、MMnを腫瘍部位に直接注射し、同時USイメージングでPAシグナルを経時的に(0~60分)測定した。ICGを陽性対照として使用した。図23に示すように、注射直後にICG及びMMnの両方について最初の強いPAシグナルが観察された。しかしながら、時間が経過するにつれて、ICGの場合にはPAシグナルの有意な減少が観察された(46%の残存PAシグナル-図24)一方、MMnのPAシグナルは強いままであり、全体的なPAシグナルの変化は最小限であった(91%のPAシグナルが残っている-図25)。
MMn処置担腫瘍マウス(注射濃度:500μM、200μL、(5μmol/kg)、尾静脈投与)から得られたPAイメージングデータを使用して、腫瘍の3D画像を構築した。図26の検査から分かるように、良好な画像が得られた。最後に、MMnのPA造影剤としての可能性を確認するために、毒性試験を実施した。MGdについて以前に観察されたように(Khuntia 2007)、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色試験から推測されるように、MMn処置マウスにおいて主要臓器への有害な毒性は観察されなかった(図27)。さらに、MMn、MGdまたはMLuで処置されたマウスの場合には、全血球数(赤血球(RBC)、白血球(WBC)、ヘモグロビン(HGB)、及び血小板(PLT))完全血球算定試験(Auto Hematology Analyzer、Mindray、BC-2800Vet)に対する本質的な変化は見られなかった(図28)。
実施例3:マンガン化合物による光温熱療法
A.方法及び材料
i.MMn及びMMn白金薬物コンジュゲートの光熱実験
A549細胞(ATCC:CCL-185)を計数し、透明な96ウェルプレートに細胞密度14×10/mLで播種した(100μL、F12培地(Gibco,Grand Island,NY,USA)、10%ウシ胎児血清(FBS、Gibco)、ペニシリン及びストレプトマイシン(ps、0.1%、Gibco))。各プレートを37℃のインキュベータに置き、5%COを終夜入れた。24時間後、各実験群を、10%ウシ胎児血清(FBS、Gibco)、ペニシリン及びストレプトマイシン(0.1%、Gibco)を含むF12培地(Gibco,Grand Island,NY,USA)を使用し、ブランク(DMSO0.3%で満たす)、MMn、MMn+HSA、モノ-MMn、モノ-MMn+HSA、ビス-MMn、ビス-MMn+HSAを加えた。さらに、MGdとMMnを試験した。HSAを含む群については、10μMのHSAを、対応する各溶液及び化合物に添加した。得られた溶液を10分間混合した。これらの実験群を使用し、三連で実施した。100μLの各溶液を各ウェルに加え、その後インキュベータに4時間置いた。PTT実験のため、各プレートを次いでレーザー照射(Changchun New Industry Optoelectronic Technology Co.,Ltd.、MDL-N-808(FC)-10W、レーザー波長808nm、出力:1W/cm)に15分間供した。
ii.細胞毒性
MTS:PMS溶液を20:1比にて、EPチューブに調製し、各ウェルに直接加え(ウェルあたり10μL)、インキュベータに4時間置き、その後490nmの吸光度をSpectra Max多機能マイクロプレートリーダー(Molecular Devices,US)で測定し、細胞生存率を計算した。
B.マンガン誘導体の光温熱療法
MMnの光熱効果を測定し、MGdと比較した。図29を参照されたい。MGdは、照射後にブランクと比較して2.8℃の温度上昇を示した一方、MMnは、MGdと比較して相対的に257%の上昇である7.2℃の温度上昇を示した。同様に、MMn、MLu、及びMGdはすべて、2つの異なる光源、すなわち、808nmの3W/cm及び6W/cmをウェルあたり約5分間使用し、40μMで分析した。3W/cmは、MGdでは明らかな変化をほとんど示さなかった一方、MLuとMMnの両方で温度の上昇が示されたが、これらの温度は45℃に達せず、細胞を長時間の照射で処理することができることを意味した。6W/cmの照射後は、これら化合物の各々が温度上昇を示し、MLuとMMnは、到達した高温を考えると特に有望であった。図30を参照されたい。図31に示すように、細胞は光なしで24時間後に生存していた。図32では、照射後のMMn及びMLu化合物は、照射後のMB-231において細胞傷害を示した。nu/nuマウスのMDA-MB-231腫瘍で同様の結果(図33)が得られた。ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下及び非存在下で、MMnとともにモノ及びビス白金(IV)誘導体の光熱効果を分析した。ブランクと比較して、非白金MMnは、HSAの非存在下で4.1℃、HSAの存在下では8.1℃の温度上昇を示した。白金基の付加は、結果としてモノ-MMn誘導体で10.7℃(HSAの非存在下)及び13.8℃(HSAの存在下)ならびにビス-MMnで14.2℃(HSAの非存在下)及び17.0℃(HSAの存在下)の温度上昇を示した。この化合物の光熱効果による温度上昇は、これらの化合物が光にさらされた場合、ブランクと比較して、A549及びMDA-MB-231細胞の細胞生存率に有意な変調を示し、ビス-MMnでは、細胞生存率は20%未満であった。3W/cmで808nmの光源を使用して、ウェルあたり5分間、細胞を照射した。Pt(IV)基の数が多い方が温度が高くなり、MMnと比較してモノ-MMn、それと比較してビス-MMnの方が高い温度が得られた。PBS溶液での同様の結果については図34及び図35を参照されたい。図36は、750nmの光源を2Wで使用し、ウェルあたり5分間の照射時間後のMDA-MB-231細胞の生存を示す。
次に、ビス-MMnによる活性酸素種(ROS)の生成を分析した。750nmの2W光源でウェルあたり5分間照射した後、ビス-MMnは光照射後にROSの生成を示した。照射されなかったサンプルでは、ROSは発生しなかった。
最後に、これら化合物をリポソームに製剤化した場合にも同様の結果が得られた。図39~42を参照されたい。
本明細書に開示され、特許請求される組成物及び方法のすべては、本開示に照らして過度の実験を伴わずに作製及び実行することができる。本発明の組成物及び方法はある特定の実施形態の点から記載されたが、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物及び方法に対して、ならびに方法のステップにおいてまたはステップの順序において変化が適用されてもよいことが当業者には明らかであろう。より具体的には、同じまたは類似の結果が達成される限り、本明細書に記載の薬剤を、化学的かつ生理学的に関連するある特定の薬剤に置き換えてもよいことが明らかであろう。当業者に明らかなすべてのかかる類似の置換及び修正は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨、範囲、及び概念の範囲内にあるとみなされる。
参考文献
以下の参考文献は、これらが例示的な手法または他の細部の補足を本明細書に記載されるものに提供する限りにおいて、特に参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許第4,935,498号
米国特許第5,252,270号
米国特許第5,272,142号
米国特許第5,292,414号
米国特許第5,369,101号
米国特許第5,432,171号
米国特許第5,439,570号
米国特許第5,504,205号
米国特許第5,533,354号
米国特許第5,569,759号
米国特許第5,583,220号
米国特許第5,587,463号
米国特許第5,591,422号
米国特許第5,776,925号
米国特許第5,955,586号
米国特許第5,994,535号
米国特許第6,207,660号
米国特許第7,112,671号
米国特許第8,410,263号
米国特許第8,828,984号
米国特許第10,406,167号
Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,March 2007.
Arambula et al.,Anti-Cancer Agents in Medicinal Chemistry,11,222-232,2011.
Arambula et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,21,1701-1705,2011.
Arambula et al.,Dalton Trans.,48,l 0834,2009.
Arambula et al.,Med.Chem.Commun.,3,1275-1281,2012.
Banfic´ et al.,Eur.J.Inorg.Chem.,484-492,2014.
Barnes et al.,et al.,J.Chem.Biol.,11:557,2004.
Berners-Price et al.,Inorg. Chem.,33,5842-5846,1994.
Berners-Price et al.,J.Am.Chem.Soc.,115,8649-8659,1993.
Bradley et al.,Neuro-Oncol.,10(5):752-758,2008.
Brewster et al.,Chem.,6(3):703-724,2020.
Borg and Rochford,Photochem. Photobiol.,94(6):1175-1209,2018.
Chau et al.,Exp.Cell Res.,241:269-272,1998.
Chaudhary et al.,Biomater.Sci.,7(12):5002-5015,2019.
Choi et al.,Inorg.Chem.,37,2500-2504,1998.
Choi et al.,Inorg.Chem.,38,1800-1805,1999.
Davies et al.,Inorg.Chem.,47:7673,2008.
Dhar et al.,J.Am.Chem.Soc.,131,14652-14653,2009.
Drougge and Elding,Inorg.Chim.Acta,121:175,1986.
Elding and Gustafson,Inorg.Chim.Acta,19:165,1976;
Feazell et al.,J.Am.Chem.Soc.,129,8438-8439,2007.
Filippi et al.,J.Biophotonics,12(5),2019.
Fischer et al.,NeuroToxicology,29,444-452,2008.
Godwin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,3070-3074,1992.
Guldi et al.,J.Am.Chem.Soc.,122(34):8289-8298,2000.
Guo et al.,Adv.Mater.,31,2019.
Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties,and Use (P.H.Stahl & C.G.Wermuth eds.,Verlag Helvetica Chimica Acta,2002).
Hannah,et al.,Org.Lett.,3(24):3911-3914,2001.
Hannah et al.,J.Am.Chem.Soc.,124(28):8416-8427,2002.
Harrison and Zemp,IEEE International Ultrasonics Symposium Proceedings,2357-2359,2011.
Hashemy et al.,J.Biol.Chem.,281(16):10691-10697,2006.
He et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97:5768-5772,2000.
Huang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. USA,91:10394-10398,1994.
Ines Batinic-Haberle,guest ed.;Bentham Science Publishers. DOI:10.2 174/187 1520 11 795255894.
Johnstone et al.,Inorg.Chem.,DOI:10.1021/ic400538c,2013.
Keca et al.,Angew.Chem.Intl.Ed.,55(21):6187-6191,2016.
Keca et al.,Advanced Healthcare Materials,8(6),2019.
Keca et al.,Coord. Chem.Rev.,379:133-146,2019.
Kelland,L.Nat Rev Cancer,7:573-584,2007.
Kim et al.,Radiology,255(2):442-450,2010.
Kuroda et al.,Inorg.Chem.,22,3620-3624,1983.
Lemma et al.,Inorg.Chem.,39:1728,2000.
Liu et al.,Chem.Soc.Rev.,48(7):2053-2108,2019.
Mindt et al.,Photochem.Photobiol.Sci.,17(9):1189-1196,2018.
Montagner et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,52,11785-11789,2013.
Mosmann,T.,J.Immunol.Meth.,65,55-63,1983.
Osterloh et al.,J.Porphyr. Phthalocya.,6(5):305-324,2002.
Pan et al.,Crac.Channel:Methods and Protocols,1843:55-62,2018.
Philip et al.,J.Photoch.Photobio.,96(1-3):137-148,1996.
Qui et al.,Biomed.Opt.Express,11(7):3985-3995,2020.
Ramalho et al.,Am.J.Neuroradiol.,37(7):1192-1198,2016.
Ramos et al.,Quim.Nova,34,1450-1454,2011.
Roat and Reedijk,J.Inorg. Bioch.,52,263-274,1993.
Rosenberg et al.,Nature,205:698,1965.
Saxena et al.,J.Photoch.Photobio.B,74(1):29-38,2004.
Sedgwick et al.,Chem.Sci.,9(15):3672-3676,2018.
Sedgwick et al.,Chem.Soc.Rev.,49(10):2886-2915,2020.
Senthilnithy et al.,Luminescence,24(4):203-208,2009.
Seto et al.,Toxicol.In Vitro,34:113-119,2016.
Siddik and Newman,Anal.Biochem.,172,190-196,1988.
Sheng et al.,ACS Nano,8(12):12310-12322,2014.
Shimanovich,et al.,J.Am.Chem.Soc.,123:3613-3614,2001.
Siddik et al.,Anal.Biochem.,163,21-26;1987.
Siddik et al.,Cancer Res.,58,698-703,1998.
Sinisi et al.,Inorg.Chem.,51,9694-9704,2012.
Song et al.,RSC Adv.,5(5):3807-3813,2015.
Thaibaud et al.,Chem.-Eur.J.,20(29):8942-8947,2014.
Thaibaud et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,117(13):7021-7029,2020.
Thomas and Khuntia,Int.J.Nanomedicine,2(1):79-87,2007.
Van der Veer et al.,J.Inorg.Biochem.,26,137-142,1986.
Volchov et al.,J.Fluoresc.,20(1):299-303,2010.
Wang et al.,J.Med.Chem.,61(19):8811-8824,2018.
Weber et al.,Nat.Methods,13(8):639-650,2016.
Wei et al.,Org.Biomol.Chem.,3,3290-3296,2005.
Weigand et al.,J.Phys.Chem.,101(42):7729-7734,1997.
Wexselblatt et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,52,6059-6062,2013.
Wexselblatt et al.,Inorg.Chim.Acta,393,75-83,2012.
Xiao et al.,Biomaterials,32,7732-7739,2011.
Xiao et al.,Chem.Commun.,48,10730-10732,2012.
Young et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,93(13):6610-6615,1996.
Zollner et al.,Mass Spectrom.,36,742-753,2001.

Claims (179)

  1. 式:
    Figure 2023547584000081
    の化合物であって、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000082
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
    Figure 2023547584000083
    (式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
    及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
    、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000084
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000085
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    前記化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  2. Figure 2023547584000086
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000087
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
    Figure 2023547584000088
    (式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
    及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000089
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000090
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. Figure 2023547584000091
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000092
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
    Figure 2023547584000093
    (式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000094
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000095
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の化合物。
  4. Figure 2023547584000096
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000097
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、ただし、X~Xのうちの少なくとも1つは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000098
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000099
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. Figure 2023547584000100
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000101
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である)であり、
    、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、またはその置換型であり、
    及びXは、各々独立して、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、白金(IV)キレート基であり、ただし、XまたはXのいずれかは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000102
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000103
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. Figure 2023547584000104
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    及びR’は、各々独立して、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    o及びpは、各々独立して、1、2、3、または4であり、
    、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、またはその置換型であり、
    及びXは、各々独立して、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、白金(IV)キレート基であり、ただし、XまたはXのいずれかは白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000105
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000106
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が水素である、請求項1に記載の化合物。
  8. が水素である、請求項1または請求項7のいずれかに記載の化合物。
  9. が水素である、請求項1、7、及び8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. が水素である、請求項1及び7~9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が水素である、請求項1、2、及び7~10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. が水素である、請求項1、2、及び7~11のいずれか1項に記載の化合物。

  13. Figure 2023547584000107
    であり、式中、nが1~8であり、Rが水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
  14. nが1、2、3、または4である、請求項13に記載の化合物。
  15. nが2、3、または4である、請求項14に記載の化合物。
  16. nが3または4である、請求項15に記載の化合物。
  17. nが3である、請求項16に記載の化合物。
  18. がアルキル(C≦6)である、請求項13~17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. がメチルである、請求項18に記載の化合物。

  20. Figure 2023547584000108
    であり、式中、nが1~8であり、Rが水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)である、請求項1~5及び13~19のいずれか1項に記載の化合物。
  21. nが1、2、3、または4である、請求項20に記載の化合物。
  22. nが2、3、または4である、請求項21に記載の化合物。
  23. nが3または4である、請求項22に記載の化合物。
  24. nが3である、請求項23に記載の化合物。
  25. がアルキル(C≦6)である、請求項20~24のいずれか1項に記載の化合物。
  26. がメチルである、請求項25に記載の化合物。
  27. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~26のいずれか1項に記載の化合物。
  28. がアルキル(C≦8)である、請求項27に記載の化合物。
  29. がメチルである、請求項28に記載の化合物。
  30. が白金(IV)キレート基である、請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物。
  31. がアルカンジイル(C≦8)である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  32. がプロピレンである、請求項31に記載の化合物。

  33. Figure 2023547584000109
    である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  34. が-NRC(O)-である、請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物。
  35. が水素である、請求項34に記載の化合物。
  36. がアルカンジイル(C≦8)である、請求項1~35のいずれか1項に記載の化合物。
  37. がエチレンである、請求項36に記載の化合物。

  38. Figure 2023547584000110
    である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  39. がハライドである、請求項1~38のいずれか1項に記載の化合物。
  40. がクロリドである、請求項39に記載の化合物。
  41. がアンモニアである、請求項1~37のいずれか1項に記載の化合物。
  42. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項1~37のいずれか1項に記載の化合物。
  43. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項42に記載の化合物。
  44. とLが一緒になって、ジアミノシクロヘキサンである、請求項43に記載の化合物。
  45. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項1~37のいずれか1項に記載の化合物。
  46. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項45に記載の化合物。
  47. とLが一緒になって、シュウ酸である、請求項46に記載の化合物。
  48. がハライドである、請求項1~47のいずれか1項に記載の化合物。
  49. がクロリドである、請求項48に記載の化合物。
  50. がアンモニアである、請求項1~47のいずれか1項に記載の化合物。
  51. がハライドである、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  52. がクロリドである、請求項51に記載の化合物。
  53. がアンモニアである、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  54. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  55. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項54に記載の化合物。
  56. とLが一緒になって、ジアミノシクロヘキサンである、請求項55に記載の化合物。
  57. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  58. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項57に記載の化合物。
  59. とLが一緒になって、シュウ酸である、請求項58に記載の化合物。
  60. がハライドである、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  61. がクロリドである、請求項60に記載の化合物。
  62. がアンモニアである、請求項1~50のいずれか1項に記載の化合物。
  63. がヒドロキシである、請求項1~62のいずれか1項に記載の化合物。
  64. がアルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項1~62のいずれか1項に記載の化合物。
  65. がアルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項64に記載の化合物。
  66. がアセテートである、請求項65に記載の化合物。
  67. がハロである、請求項1~62のいずれか1項に記載の化合物。
  68. がクロロである、請求項67に記載の化合物。
  69. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~68のいずれか1項に記載の化合物。
  70. が置換アルキル(C≦8)である、請求項69に記載の化合物。
  71. が3-ヒドロキシプロピルである、請求項70に記載の化合物。
  72. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~71のいずれか1項に記載の化合物。
  73. がアルキル(C≦8)である、請求項72に記載の化合物。
  74. がエチルである、請求項73に記載の方法。
  75. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~74のいずれか1項に記載の化合物。
  76. がアルキル(C≦8)である、請求項75に記載の化合物。
  77. がエチルである、請求項76に記載の方法。
  78. が白金(IV)キレート基である、請求項1~77のいずれか1項に記載の化合物。
  79. がアルカンジイル(C≦8)である、請求項1~78のいずれか1項に記載の化合物。
  80. がプロピレンである、請求項79に記載の化合物。
  81. が-NRC(O)-である、請求項1~80のいずれか1項に記載の化合物。
  82. が水素である、請求項81に記載の化合物。
  83. がアルカンジイル(C≦8)である、請求項1~82のいずれか1項に記載の化合物。
  84. がエチレンである、請求項83に記載の化合物。
  85. がハライドである、請求項1~84のいずれか1項に記載の化合物。
  86. がクロリドである、請求項85に記載の化合物。
  87. がアンモニアである、請求項1~84のいずれか1項に記載の化合物。
  88. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項1~84のいずれか1項に記載の化合物。
  89. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項88に記載の化合物。
  90. とLが一緒になって、ジアミノシクロヘキサンである、請求項89に記載の化合物。
  91. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項1~84のいずれか1項に記載の化合物。
  92. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項91に記載の化合物。
  93. とLが一緒になって、シュウ酸である、請求項92に記載の化合物。
  94. がハライドである、請求項1~87のいずれか1項に記載の化合物。
  95. がクロリドである、請求項94に記載の化合物。
  96. がアンモニアである、請求項1~87のいずれか1項に記載の化合物。
  97. がハライドである、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物。
  98. がクロリドである、請求項97に記載の化合物。
  99. がアンモニアである、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物。
  100. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)または置換ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物。
  101. とLが一緒になって、ジアミノシクロアルカン(C≦18)である、請求項100に記載の化合物。
  102. とLが一緒になって、ジアミノシクロヘキサンである、請求項101に記載の化合物。
  103. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)または置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項1~96のいずれか1項に記載の化合物。
  104. とLが一緒になって、アルキルジカルボキシレート(C≦18)である、請求項57に記載の化合物。
  105. とLが一緒になって、シュウ酸である、請求項58に記載の化合物。
  106. がハライドである、請求項1~99のいずれか1項に記載の化合物。
  107. がクロリドである、請求項106に記載の化合物。
  108. がアンモニアである、請求項1~99のいずれか1項に記載の化合物。
  109. がヒドロキシである、請求項1~108のいずれか1項に記載の化合物。
  110. がアルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項1~108のいずれか1項に記載の化合物。
  111. が、アルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項110に記載の化合物。
  112. がアセテートである、請求項111に記載の化合物。
  113. がハロである、請求項1~108のいずれか1項に記載の化合物。
  114. がクロロである、請求項113に記載の化合物。
  115. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~77のいずれか1項に記載の化合物。
  116. が置換アルキル(C≦8)である、請求項115に記載の化合物。
  117. が3-ヒドロキシプロピルである、請求項116に記載の化合物。
  118. がアルキル(C≦8)または置換アルキル(C≦8)である、請求項1~117のいずれか1項に記載の化合物。
  119. がアルキル(C≦8)である、請求項118に記載の化合物。
  120. がメチルである、請求項119に記載の化合物。
  121. がニトレートである、請求項1~120のいずれか1項に記載の化合物。
  122. がアルキルカルボキシレート(C≦12)または置換アルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項1~120のいずれか1項に記載の化合物。
  123. がアルキルカルボキシレート(C≦12)である、請求項122に記載の化合物。
  124. がアセテートである、請求項123に記載の化合物。
  125. Figure 2023547584000111
    Figure 2023547584000112
    Figure 2023547584000113
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義され、
    式中、
    は、一価のアニオン基であり、
    各Lは、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、もしくはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、もしくはこれらの基のいずれかの置換型である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
  126. Figure 2023547584000114
    Figure 2023547584000115
    Figure 2023547584000116
    Figure 2023547584000117
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される、請求項125に記載の化合物。
  127. (A)請求項1~126のいずれか1項に記載の化合物、及び
    (B)賦形剤
    を含む医薬組成物。
  128. 経口、脂肪内、動脈内、関節内、頭蓋内、真皮内、病巣内、筋肉内、鼻腔内、眼内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、直腸内、髄腔内、気管内、腫瘍内、臍帯内、膣内、静脈内、小胞内、硝子体内、リポソーム、局所(locally)、粘膜、非経口、直腸、結膜下、皮下、舌下、局所(topically)、経頬、経皮、膣内、クリームでの、脂質組成物での、カテーテルを介した、洗浄を介した、持続注入を介した、注入を介した、吸入を介した、注射を介した、局所送達を介した、または局所灌流を介した投与用に製剤化される、請求項127に記載の医薬組成物。
  129. 経口投与用または注射を介した投与用に製剤化される、請求項127または請求項128のいずれかに記載の医薬組成物。
  130. 前記注射による投与が、動脈内投与、腹腔内投与、静脈内投与、または皮下投与である、請求項129に記載の医薬組成物。
  131. 単位用量として製剤化される、請求項127~130のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  132. 治療有効量の請求項1~131に記載の化合物または医薬組成物を、その必要のある患者に投与することを含む、疾患の治療方法。
  133. 前記疾患が、がんである、請求項132に記載の方法。
  134. 前記がんが、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、または精上皮腫である、請求項133に記載の方法。
  135. 前記がんが、膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、子宮頸部、結腸、子宮内膜、食道、胆嚢、生殖器、尿生殖路、頭部、腎臓、喉頭、肝臓、肺、筋組織、頸部、口腔もしくは鼻粘膜、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、脾臓、小腸、大腸、胃、精巣、または甲状腺のがんである、請求項133に記載の方法。
  136. 前記がんが、1つ以上の白金化学療法剤に耐性を示す、請求項132~135のいずれか1項に記載の方法。
  137. 前記がんが、シスプラチンまたはオキサリプラチンに耐性を示す、請求項136に記載の方法。
  138. 前記がんが、シスプラチン及びオキサリプラチンに耐性を示す、請求項137に記載の方法。
  139. 前記がんが、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、脳癌、皮膚癌、頭頸部癌、または結腸直腸癌である、請求項132~138のいずれか1項に記載の方法。
  140. 第二の治療因子を施すことをさらに含む、請求項132~139のいずれか1項に記載の方法。
  141. 前記第二の治療因子が、第二の化学療法剤、手術、光線力学療法、音響力学療法、放射線療法、または免疫療法である、請求項140に記載の方法。
  142. 有効量の式:
    Figure 2023547584000118
    の化合物、または前記化合物を含む医薬組成物を患者に投与すること、及び前記患者を撮像し、前記患者の画像を得ることを含む、患者の画像を得る方法であって、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000119
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
    Figure 2023547584000120
    (式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
    及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
    、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000121
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000122
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    前記方法。
  143. 及びAが水素である、請求項142に記載の方法。
  144. 、Y、Y、及びYが水素である、請求項142または請求項143のいずれかに記載の方法。
  145. 及びXがアルキル(C≦6)である、請求項142~144のいずれか1項に記載の方法。
  146. 及びXがメチルである、請求項145に記載の方法。
  147. 及びXがアルキル(C≦6)である、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  148. 及びXがエチルである、請求項147に記載の方法。
  149. 及びXが置換アルキル(C≦6)である、請求項142~148のいずれか1項に記載の方法。
  150. 及びXが3-ヒドロキシプロピルである、請求項149に記載の方法。
  151. 前記化合物が
    Figure 2023547584000123
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される、請求項142~150のいずれか1項に記載の方法。
  152. 前記患者が、レーザーパルスを使用して撮像される、請求項142~151のいずれか1項に記載の方法。
  153. 前記患者が、約500nm~約1300nmの波長を使用して撮像される、請求項142~151のいずれか1項に記載の方法。
  154. 前記波長が近赤外またはIR領域である、請求項153に記載の方法。
  155. 前記波長が近赤外である、請求項154に記載の方法。
  156. 前記波長が約650nm~約780nmである、請求項155に記載の方法。
  157. 前記撮像が、光音響イメージングである、請求項142~156のいずれか1項に記載の方法。
  158. 前記光音響イメージングが、光音響トモグラフィーである、請求項142~157のいずれか1項に記載の方法。
  159. 前記光音響イメージングが、光音響顕微鏡法である、請求項142~157のいずれか1項に記載の方法。
  160. 前記患者が、磁気共鳴イメージングを使用して撮像される、請求項142に記載の方法。
  161. 腫瘍を撮像する、請求項142~160のいずれか1項に記載の方法。
  162. 前記腫瘍が固形腫瘍である、請求項161に記載の方法。
  163. 前記固形腫瘍が、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、脳癌、皮膚癌、頭頸部癌、または結腸直腸癌である、請求項162に記載の方法。
  164. 式:
    Figure 2023547584000124
    の化合物を、その必要のある患者に投与すること、及び前記患者を電磁放射線に曝露することを含む、患者を治療する方法であって、
    式中、
    及びRは、各々独立して、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦12)、置換アルコキシ(C≦12)
    Figure 2023547584000125
    (式中、nは、1~8であり、Rは、水素、アルキル(C≦6)、もしくは置換アルキル(C≦6)である)、または
    Figure 2023547584000126
    (式中、mは、1~8であり、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ(C≦6)、置換アルコキシ(C≦6)、アルキルアミノ(C≦6)、置換アルキルアミノ(C≦6)、ジアルキルアミノ(C≦6)、置換ジアルキルアミノ(C≦6)、または糖部分である)であり、
    及びAは、各々、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アリール(C≦8)、または置換アリール(C≦8)であり、
    、Y、Y、及びYは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、または置換アルキル(C≦8)であり、
    、X、X、X、X、及びXは、各々独立して、水素、アルキル(C≦8)、シクロアルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、アルキニル(C≦8)、アリール(C≦8)、ヘテロアリール(C≦8)、ヘテロシクロアルキル(C≦8)、もしくはその置換型、または白金(IV)キレート基であり、前記白金(IV)キレート基は、
    -A-Y-A-R
    としてさらに定義され、
    ここで、
    及びAは、各々独立して、アルカンジイル(C≦8)、置換アルカンジイル(C≦8)、または
    Figure 2023547584000127
    (式中、pは、1~8である)から選択され、
    は、-C(O)NR-または-NRC(O)-であり、
    は、水素、アルキル(C≦6)、または置換アルキル(C≦6)であり、
    は、式:
    Figure 2023547584000128
    の基であり、
    式中、
    は、カルボキシであり、
    ~Lは、アンモニア、ハライド、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、置換ジアミノシクロアルカン(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、もしくは置換アルキルジカルボキシレート(C≦18)から、各々独立して選択されるか、または2つ以上が一緒に選択されてもよく、
    は、アクア、アンモニア、ニトレート、スルフェート、ハライド、ヒドロキシド、ホスフェート、またはグルコース-6-ホスフェート、アルキルアミン(C≦12)、シクロアルキルアミン(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦18)、ジシクロアルキルアミン(C≦18)、アリールアミン(C≦12)、ジアリールアミン(C≦18)、ジアミノアルカン(C≦12)、ジアミノシクロアルカン(C≦12)、ジアミノアレーン(C≦12)、ヘテロアレーン(C≦12)、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルキルジカルボキシレート(C≦18)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アリールジカルボキシレート(C≦18)、またはこれらの基のいずれかの置換型であり、
    は、一価のアニオン基である、
    前記方法。
  165. 及びAが水素である、請求項164に記載の方法。
  166. 、Y、Y、及びYが水素である、請求項164または請求項165のいずれかに記載の方法。
  167. 及びXがアルキル(C≦6)である、請求項164~166のいずれか1項に記載の方法。
  168. 及びXがメチルである、請求項167に記載の方法。
  169. 及びXがアルキル(C≦6)である、請求項164~168のいずれか1項に記載の方法。
  170. 及びXがエチルである、請求項169に記載の方法。
  171. 及びXが置換アルキル(C≦6)である、請求項164~170のいずれか1項に記載の方法。
  172. 及びXが3-ヒドロキシプロピルである、請求項171に記載の方法。
  173. 前記化合物が
    Figure 2023547584000129
    またはその医薬的に許容される塩としてさらに定義される、請求項164~172のいずれか1項に記載の方法。
  174. 前記電磁放射線が、約500nm~約1300nmの波長を有する、請求項164~173のいずれか1項に記載の方法。
  175. 前記波長が近赤外またはIR領域である、請求項174に記載の方法。
  176. 前記波長が近赤外である、請求項175に記載の方法。
  177. 前記波長が約650nm~約780nmである、請求項176に記載の方法。
  178. 前記患者が哺乳類である、請求項132~177のいずれか1項に記載の方法。
  179. 前記哺乳類がヒトである、請求項178に記載の方法。
JP2023510329A 2020-08-14 2021-08-14 マンガン化学療法、光音響イメージング、及び光温熱療法のためのテキサフィリン誘導体 Pending JP2023547584A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063066001P 2020-08-14 2020-08-14
US63/066,001 2020-08-14
PCT/US2021/046049 WO2022036292A1 (en) 2020-08-14 2021-08-14 Texaphyrin derivatives for manganese chemotherapy, photoacoustic imaging, and photothermal therapy

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023547584A true JP2023547584A (ja) 2023-11-13

Family

ID=80247406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023510329A Pending JP2023547584A (ja) 2020-08-14 2021-08-14 マンガン化学療法、光音響イメージング、及び光温熱療法のためのテキサフィリン誘導体

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP4196165A1 (ja)
JP (1) JP2023547584A (ja)
KR (1) KR20230067608A (ja)
CN (1) CN116264824A (ja)
AU (1) AU2021326545A1 (ja)
CA (1) CA3189244A1 (ja)
WO (1) WO2022036292A1 (ja)

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5457183A (en) 1989-03-06 1995-10-10 Board Of Regents, The University Of Texas System Hydroxylated texaphyrins
US5162509A (en) 1989-03-06 1992-11-10 Board Of Regents, The University Of Texas System Process for preparing expanded porphyrins: large porphyrin-like tripyrroledimethine-derived macrocycles
US4935498A (en) 1989-03-06 1990-06-19 Board Of Regents, The University Of Texas System Expanded porphyrins: large porphyrin-like tripyrroledimethine-derived macrocycles
US5252720A (en) 1989-03-06 1993-10-12 Board Of Regents, The University Of Texas System Metal complexes of water soluble texaphyrins
US5272142A (en) 1989-03-06 1993-12-21 Board Of Regents, The University Of Texas System Expanded porphyrins: large porphyrin-like tripyrroledimethine-derived macrocycles and methods for treating tumors
US5252270A (en) 1990-12-20 1993-10-12 Basf Aktiengesellschaft Method of forming foam moldings having varied density regions
US5533354A (en) 1994-09-20 1996-07-09 Texan Corporation Personal comfort apparatus
US5633354A (en) 1994-09-21 1997-05-27 Pharmacyclics, Inc. Phosphoramidite derivatives of texaphyrins
US5591422A (en) 1995-06-02 1997-01-07 Pharmacyclics, Inc. Texaphyrin complexes having improved functionalization
US5776925A (en) 1996-01-25 1998-07-07 Pharmacyclics, Inc. Methods for cancer chemosensitization
US5955586A (en) 1996-03-22 1999-09-21 Sessler; Jonathan L. Highly boronated derivatives of texaphyrins
WO1999062551A1 (en) 1998-06-05 1999-12-09 Board Of Regents, The University Of Texas System Texaphyrin conjugates and uses thereof
US7112671B2 (en) 2000-08-30 2006-09-26 Pharmacyclics, Inc. Non-symmetric tripyrranes in the synthesis of novel macrocycles
EP1848466A4 (en) * 2005-01-31 2012-11-21 Yeda Res & Dev MRI CONTRAST AGENTS FOR DIAGNOSIS AND PROGNOSIS OF TUMORS
US20070072838A1 (en) 2005-09-26 2007-03-29 Pharmacyclics, Inc. High-purity texaphyrin metal complexes
US8828984B2 (en) 2012-11-19 2014-09-09 The University Of Hong Kong Gold(III) complexes containing N-heterocyclic carbene ligand, synthesis, and their applications in cancer treatment and thiol detection
US10406167B2 (en) * 2014-06-11 2019-09-10 Board Of Regents, The University Of Texas System Texaphyrin-Pt(IV) conjugates and compositions for use in overcoming platinum resistance

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021326545A1 (en) 2023-03-09
CA3189244A1 (en) 2022-02-17
EP4196165A1 (en) 2023-06-21
KR20230067608A (ko) 2023-05-16
WO2022036292A1 (en) 2022-02-17
CN116264824A (zh) 2023-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhu et al. Cascade-responsive nano-assembly for efficient photothermal-chemo synergistic inhibition of tumor metastasis by targeting cancer stem cells
US10822355B2 (en) Ultralow-power near infrared lamp light operable targeted organic nanoparticle photodynamic therapy
CN111205276B (zh) 由有机小分子化合物自组装形成的微纳结构及其应用
JP2021102616A (ja) 白金耐性の克服における使用のためのテキサフィリン−白金(iv)コンジュゲート及び組成物
US20220016267A1 (en) Nanoparticles for cancer detection
CN111072679B (zh) 一种非周边季铵基修饰锌酞菁及其制备方法和应用
Hu et al. A thermally activated delayed fluorescence photosensitizer for photodynamic therapy of oral squamous cell carcinoma under low laser intensity
CN113683602B (zh) 一种用于缺氧肿瘤多模态治疗的七甲川花菁小分子和制备方法及应用
CN113321644B (zh) 一种具有刺激响应性的超分子光热剂化合物及其组合物和应用
CN111205277A (zh) 有机小分子荧光化合物在光治疗中的用途
CN111285856B (zh) 光热效应优异的有机小分子化合物
CN110003086B (zh) 一种两亲性小分子ir820-1mt及其制剂以及其制备方法和应用
JP2023547584A (ja) マンガン化学療法、光音響イメージング、及び光温熱療法のためのテキサフィリン誘導体
CN113788848B (zh) 用作声动力/光动力敏化剂的酞菁-青蒿素偶联物及其制备方法和应用
WO2018067551A1 (en) Texaphyrin and antitumor antibiotic conjugates
CN115109081A (zh) 一种辣椒素衍生化光敏剂及其制备方法与应用
JP6940979B2 (ja) 超音波増感剤
CN111393465A (zh) 一种轴向半乳糖/乳糖修饰的硅酞菁及其制备方法和应用
CN111514293A (zh) 近红外无重原子氟硼吡咯在光动力治疗转移瘤及上转换中的应用
CN111943954A (zh) 二氢卟吩衍生物及其相应的制备方法和用途
KR100911250B1 (ko) 신규한 클로린 e6-엽산 결합 화합물의 제조방법
US11696959B2 (en) Nanoparticle-cell construct with platinum anti-cancer agent
US20230338538A1 (en) Compound for photothermal cancer therapy, composition including the same, and method for photothermal cancer therapy
US20220054636A1 (en) Chlorin Derivatives or Pharmaceutically Acceptable Salts Thereof, Preparation Method and Use Thereof, and Combination Thereof with an Ultrasonic Medical System
CN113717183B (zh) 周环不对称精氨酸修饰酞菁及其制备和在制药领域的应用

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20230816