JP2023547442A - コレラ菌に対するマルチプレックスの検出及び分類 - Google Patents

コレラ菌に対するマルチプレックスの検出及び分類 Download PDF

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Abstract

本明細書では、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌を検出するための方法及び組成物が開示される。一部の実施形態では、マルチプレックス型核酸ベース検査法を使用して、試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌の存在又は非存在が決定される。

Description

関連出願
本出願は、本関連出願の内容が、その全体において本明細書に組み込まれる、2020年11月5日に出願された、PCT出願第PCT/CN2020/126682号の利益を主張する。
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に出願されている。配列表は、68EB-298735-WO2と題され、2021年11月2日に作成され、16kbのサイズのファイルとして提示される。配列表についての電子フォーマットの情報は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
本開示は、試料中のコレラ菌(V.cholerae)を、検出及び分類するための方法及び組成物に関する。より特定すると、本開示は、核酸ベースの検査法による、糞便試料などの試料中における、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の検出に関する。
コレラ菌は、疾患であるコレラの一因となる病原体である。その最重度形態では、コレラは、重症コレラとして公知であり、大量の重湯様糞便の便通を提示し、重度の脱水をもたらす。水分補給及び電解質療法が至急に開始されなければ、コレラは、急速に、血液量減少性ショック、アシドーシス、及び死へと進行しうる。世界保健機関は、毎年推定1.3~400万例の症例及び推定21,000~147,000例の死亡例が生じていると言明している。200を超えるコレラ菌血清群の中で、O1血清群及びO139血清群だけが、流行性疾患と関連している。コレラ毒素(CT)は、流行形態及び散発形態における、重度のコレラ様疾患の一因となる。コレラ菌の分離株の、公衆衛生上の重要性の評価において、CTの産生は、決定するべき極めて重要な特性の1つである。下痢における、コレラ菌に感染した患者の、時宜に適った同定、並びに血清型及び毒力因子の同定は、患者の処置及び疾患のコントロールに重要である。したがって、コレラ菌を検出及び血清型分類するための、さらに効率的かつさらに迅速な方法、例えば、5つの遺伝子標的を同時に検出するマルチプレックスリアルタイムPCR法であって、コレラ菌の検出、血清型分類、及びコレラ毒素の検出の全てを、単一の反応において達しうるマルチプレックスリアルタイムPCR法を開発することが必要とされている。コレラ菌の潜在的な毒力を、同時的に同定及び決定するための、マルチプレックス化組成物及びマルチプレックス化法が必要とされている。
本明細書では、試料中のコレラ菌を検出する方法が開示される。一部の実施形態では、方法は、前記試料を、複数種のプライマー対と接触させるステップであって、複数種のプライマー対が、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含むステップを含む。方法は、前記試料が、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を含む場合に、ompW遺伝子配列の単位複製配列、rfbN遺伝子配列の単位複製配列、wbfR遺伝子配列の単位複製配列、ctxA遺伝子配列の単位複製配列、又はこれらのあらゆる組合せを作出するステップを含みうる。方法は、前記試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在の指標としての、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。方法は、試料を、大腸菌(E.coli)のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対と接触させるステップであって、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーが、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むステップ;及び前記試料が、大腸菌を含む場合に、前記試料に由来する大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列を作出するステップ;及び前記試料中の、大腸菌の存在の指標としての、大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。
一部の実施形態では、試料は、複数種のプライマー対と、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対とを含む組成物と接触させられる。一部の実施形態では、試料は、生体試料又は環境試料である。一部の実施形態では、環境試料は、食品試料、飲料試料、紙表面、布表面、金属表面、木材表面、プラスチック表面、土壌試料、淡水試料、廃水試料、塩水試料、大気若しくは他の気体試料への曝露、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られる。一部の実施形態では、生体試料は、組織試料、唾液、血液、血漿、血清、糞便、尿、痰、粘液、リンパ、滑液、脳脊髄液、腹水、胸水、血清腫、膿、皮膚のスワブ若しくは粘膜表面、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られる。一部の実施形態では、生体試料は、糞便試料を含むか、又はこれに由来する。
一部の実施形態では、複数種のプライマー対は、配列番号1、3、5、又は7の配列を含む第1のプライマー、配列番号2、4、6、又は8の配列を含む第2のプライマー、配列番号12、14、16、又は18の配列を含む第3のプライマー、配列番号13、15、17、又は19の配列を含む第4のプライマー、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含む第5のプライマー、配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含む第6のプライマー、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含む第7のプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含む第8のプライマーを含む。一部の実施形態では、複数種のプライマー対は、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含む第9のプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含む第10のプライマーを含む。一部の実施形態では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号1及び2、配列番号3及び4、配列番号5及び6、又は配列番号7及び8であり;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号12及び13、配列番号14及び15、配列番号16及び17、又は配列番号18及び19であり;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号24及び25、配列番号26及び27、配列番号28及び29、配列番号30及び31、又は配列番号32及び33であり;コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号39及び40、配列番号41及び42、配列番号43及び44、配列番号45及び46、又は配列番号47及び48である。一部の実施形態では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能な対照プライマー対は、配列番号53及び54、配列番号55及び56、配列番号57及び58、配列番号59及び60、又は配列番号61及び62である。
一部の実施形態では、前記増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、レプリカーゼ媒介増幅、免疫増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製(3SR)、ローリングサークル増幅、及び転写媒介増幅(TMA)からなる群から選択される方法を使用して実行される。一部の実施形態では、前記PCRは、リアルタイムPCRである。一部の実施形態では、前記PCRは、定量的リアルタイムPCR(QRT-PCR)である。一部の実施形態では、各プライマーは、外因性ヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、単位複製配列を、複数種のオリゴヌクレオチドプローブと接触させることを含み、この場合、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなる。一部の実施形態では、各プローブは、5’末端における相補性配列と、3’末端における相補性配列とにより挟まれている。一部の実施形態では、相補性配列のうちの1種は、蛍光発光部分を含み、他の相補性配列は、蛍光消光部分を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種は、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む。
本明細書では、コレラ菌を検出するための組成物が開示される。一部の実施形態では、組成物は、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含む。組成物は、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対を含む場合があり、この場合、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーは、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
一部の実施形態では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号1、3、5、又は7の配列を含むプライマー、及び配列番号2、4、6、又は8の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号12、14、16、又は18の配列を含むプライマー、及び配列番号13、15、17、又は19の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含むプライマー、及び配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含むプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含むプライマーを含む。一部の実施形態では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対は、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含むプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含むプライマーを含む。
組成物は、複数種のオリゴヌクレオチドプローブを含む場合があり、この場合、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなる。一部の実施形態では、複数種のプローブのうちの少なくとも1種は、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む。
本明細書では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列からなる。
本明細書では、コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列からなる。
本明細書では、コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列からなる。
本明細書では、コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列からなる。
本明細書では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列からなる。
本明細書では、組成物が開示される。一部の実施形態では、組成物は、本明細書で開示される、オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーのうちの1種若しくは複数種、又は2種若しくはこれを超えるオリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーを含む。一部の実施形態では、組成物は、核酸を伸長及び/又は増幅させるための酵素のうちの1種又は複数種をさらに含む。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する、付属の図面への言及がなされる。図面では、文脈により、そうでないことが指示されない限りにおいて、同様な記号は、典型的に、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲において記載される、例示的な実施形態は、限定的であることが意図されない。本明細書で提示される主題の精神又は範囲から逸脱しない限りにおいて、他の実施形態が活用され、他の変化が施される場合もある。本明細書で一般に記載され、図面で例示される、本開示の態様は、それらの全てが、本明細書において明示的に想定され本明細書における本開示の一部を構成する多種多様な異なる構成で配置され、代替され、組み合わされ、隔てられ、デザインされうることが、たやすく理解されるであろう。
関連技術に関して、全ての特許、特許出願公開、他の刊行物、並びにGenBank、及び本明細書で言及される、他のデータベースによる配列は、参照によりそれらの全体において組み込まれる。
現在のところ、コレラ菌を検出及び血清型分類するための方法は、常套的方法及びPCRベースの方法を含む。常套的方法は、培養並びに形状特徴、生化学的特徴、及び免疫学的特徴による同定を伴う。広く使用されているが、常套的方法は、特異性を欠き、膨大な錯綜した手作業を要求し、長い検出時間を伴う。近年、コレラ菌感染を同定するための、PCRベースの方法が、浮上し始めている。常套的方法と比較して、PCR法、とりわけ、リアルタイムPCR法は、多くの利点を有する:リアルタイムPCR法は、高度の感度及び特異度を有し、結果をもたらす時間が短く、それほどの労力を費やさない。しかし、先行技術により適合させられたPCR法が達成できるのは、通例、コレラ菌同定、血清型分類、又はコレラ毒素検出のうちの1つ又は2つだけであり、1つの設定で、3つの目的全てを達成することはできなかった。Lyon WJら(Appl. Environ. Microbiol., 2001, 67(10): 4685-4693)は、純粋培養物中、蛎、及び合成海水中において、コレラ菌を検出するためだけの、TaqmanプローブリアルタイムPCR法について記載した。Bhumiratana,Adisakら(Biochemistry research international 2014)は、コレラ菌O1血清群及びO139血清群を検出するための、常套的なマルチプレックスPCRについて記載した。この方法の前提条件は、コレラ菌が、試料中で、既に同定されていることである。したがって、コレラ菌を検出及び血清型分類するための、さらに効率的かつさらに迅速な方法、例えば、5つの遺伝子標的を同時に検出するマルチプレックスリアルタイムPCR法であって、コレラ菌の検出、血清型分類、及びコレラ毒素の検出の全てを、単一の反応において達しうるマルチプレックスリアルタイムPCR法を開発することが必要とされている。コレラ菌の潜在的な毒力を、同時的に同定及び決定するための、マルチプレックス化組成物及びマルチプレックス化法が必要とされている。
本明細書では、試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を検出するための方法及び組成物が提示される。例えば、生体試料などの試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在又は非存在を決定するように、コレラ菌の特異的遺伝子に結合しうる、プライマー及びプローブが提供される。一部の実施形態では、単一のアッセイにおいて、前記試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の検出を可能とするように、マルチプレックス核酸増幅が実施されうる。
本明細書では、試料中のコレラ菌を検出する方法が開示される。一部の実施形態では、方法は、前記試料を、複数種のプライマー対と接触させるステップであって、複数種のプライマー対が、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含むステップを含む。方法は、前記試料が、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を含む場合に、ompW遺伝子配列の単位複製配列、rfbN遺伝子配列の単位複製配列、wbfR遺伝子配列の単位複製配列、ctxA遺伝子配列の単位複製配列、又はこれらのあらゆる組合せを作出するステップを含みうる。方法は、前記試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在の指標としての、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。方法は、試料を、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対と接触させるステップであって、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーが、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むステップ;及び前記試料が、大腸菌を含む場合に、前記試料に由来する大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列を作出するステップ;及び前記試料中の、大腸菌の存在の指標としての、大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。一部の実施形態では、試料は、複数種のプライマー対と、大腸菌のyaiO遺伝子とハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対とを含む組成物と接触させられる。
本明細書では、コレラ菌を検出するための組成物が開示される。一部の実施形態では、組成物は、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含む。組成物は、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対を含む場合があり、この場合、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーは、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
組成物は、複数種のオリゴヌクレオチドプローブを含む場合があり、この場合、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む。
本明細書では、組成物が開示される。一部の実施形態では、組成物は、本明細書で開示される、オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーのうちの1種若しくは複数種、又は2種若しくはこれを超えるオリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーを含み、核酸を伸長及び/又は増幅させるための酵素のうちの1種又は複数種を含んでもよい。
定義
本明細書で使用される、「核酸」という用語とは、ポリヌクレオチド配列、又はその断片を指す場合がある。核酸は、ヌクレオチドを含みうる。核酸は、細胞に対して外因性の場合もあり、内因性の場合もある。核酸は、無細胞環境内に存在しうる。核酸は、遺伝子の場合もあり、その断片の場合もある。核酸は、DNAでありうる。核酸は、RNAでありうる。核酸は、1種又は複数種の類似体(例えば、変更された骨格、糖、又はヌクレオ塩基)を含みうる。類似体の一部の非限定例は、5-ブロモウラシル、ペプチド核酸、ゼノ核酸、モルホリノ、ロックト核酸、グリコール核酸、トレオース核酸、ジデオキシヌクレオチド、コルジセピン、7-デアザ-GTP、フルオロフォア(例えば、糖へと連結されたローダミン又はフルオレセイン)、チオール含有ヌクレオチド、ビオチン連結ヌクレオチド、蛍光塩基類似体、CpGアイランド、メチル-7-グアノシン、メチル化ヌクレオチド、イノシン、チオウリジン、シュードウリジン、ジヒドロウリジン、クェオシン、及びウィオシンを含む。「核酸」、「ポリヌクレオチド、「標的ポリヌクレオチド」、「標的核酸」、及び「標的配列」は、互換的に使用されうる。本明細書で使用される、「核酸」とは、ポリヌクレオチドを形成するように、核酸骨格連結(例えば、ホスホジエステルエステル結合)により一体に連結された、窒素性複素環式塩基、又は塩基類似体を有する、ヌクレオシド又はヌクレオシド類似体を含むポリマー化合物を指す場合がある。核酸の非限定例は、RNA、DNA、及びこれらの類似体を含む。核酸骨格は、様々な連結、例えば、糖-ホスホジエステルエステル連結、ペプチド-核酸結合、ホスホロチオエート連結若しくはメチルホスホネート連結、又は単一のオリゴヌクレオチド内における、このような連結の混合物のうちの1種又は複数種を含みうる。核酸内の糖部分は、リボースの場合もあり、デオキシリボースの場合もあり、公知の置換を伴う類似の化合物の場合もある。核酸という用語には、常套的な窒素性塩基(例えば、A、G、C、T、U)、公知の塩基類似体(例えば、イノシン)、プリン塩基又はピリミジン塩基の誘導体、及び「非塩基性」残基(すなわち、1つ又は複数の骨格位置について、窒素性塩基が見られない)が含まれる。すなわち、核酸は、RNA内及びDNA内において見出される、常套的な糖、塩基、及び連結だけを含む場合もあり、常套的な構成要素及び置換の両方を含む場合もある(例えば、メトキシ骨格を介して連結された常套的塩基及び類似体、又はRNA骨格若しくはDNA骨格を介して連結された常套的な塩基及び1種若しくは複数種の塩基類似体)。
核酸は、核酸に、新たな特色又は特色の増強(例えば、安定性の改善)をもたらすように、1種又は複数種の修飾(例えば、塩基修飾、骨格修飾)を含みうる。核酸は、核酸アフィニティータグを含みうる。ヌクレオシドは、塩基-糖の組合せでありうる。ヌクレオシドの塩基部分は、複素環式塩基でありうる。このような複素環式塩基のうちの、2つの、最も一般的なクラスは、プリン及びピリミジンである。ヌクレオチドとは、ヌクレオシドの糖部分へと、共有結合的に連結されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドでありうる。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2’ヒドロキシル部分、3’ヒドロキシル部分、又は5’ヒドロキシル部分へと連結されうる。核酸の形成において、リン酸基は、隣接するヌクレオシドを、互いに共有結合的に連結して、直鎖状ポリマー化合物を形成しうる。次に、この直鎖状ポリマー化合物のそれぞれの末端は、環状化合物を形成するように、さらに接続されうるが、一般には、直鎖状化合物が適切である。加えて、直鎖状化合物は、内部におけるヌクレオチド塩基の相補性を有しうるので、完全二本鎖化合物又は部分的二本鎖化合物をもたらす形でフォールディングしうる。核酸内で、リン酸基は、一般に、核酸のヌクレオシド間骨格を形成すると称される場合がある。連結又は骨格は、3’-5’ホスホジエステル連結でありうる。
核酸は、修飾骨格を含む場合もあり、かつ/又は修飾ヌクレオシド間連結を含む場合もある。修飾骨格は、骨格内にリン原子を有する修飾骨格を含む場合もあり、骨格内にリン原子を有さない修飾骨格を含む場合もある。その中にリン原子を含有する、適切な修飾核酸骨格は、例えば、通常の3’-5’連結、これらの2’-5’連結類似体、及び1種又は複数種のヌクレオチド間連結が、3’-3’連結、5’-5’連結、又は2’-2’連結である、逆極性を有する類似体を有する、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネート、並びに3’-アルキレンホスホネート、5’-アルキレンホスホネート、及びキラルホスホネートなどの、他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、並びにボラノホスフェートを含みうる。
核酸は、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルによるヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子及びアルキル若しくはシクロアルキルによるヌクレオシド間連結、又は1種若しくは複数種の短鎖の、ヘテロ原子若しくは複素環を伴うヌクレオシド間連結により形成されるポリヌクレオチド骨格を含みうる。これらのポリヌクレオチド骨格は、モルホリノ連結(部分的に、ヌクレオシドの糖部分から形成される)を有するポリヌクレオチド骨格;シロキサン骨格;スルフィド骨格、スルホキシド骨格、及びスルホン骨格;ホルムアセチル骨格及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル骨格及びチオホルムアセチル骨格;リボアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ骨格及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホネート骨格及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;並びにN構成部分、O構成部分、S構成部分、及びCH2構成部分が混合された、他のポリヌクレオチド骨格を含む。
核酸は、核酸模倣体を含みうる。「模倣体」という用語は、フラノース環だけ又はフラノース環及びヌクレオチド間連結の両方が、フラノース以外の基により置きかえられたポリヌクレオチドを含むことが意図される場合があり、フラノース環だけの置きかえはまた、糖サロゲートとも称されうる。複素環式塩基部分又は修飾複素環式塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持されうる。1つのこのような核酸は、ペプチド核酸(PNA)でありうる。PNA内において、ポリヌクレオチドの糖骨格は、アミド含有骨格、特に、アミノエチルグリシン骨格で置きかえられうる。ヌクレオチドは、保持される場合があり、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に、直接的に結合される場合もあり、間接的に結合される場合もある。PNA化合物内の骨格は、PNAにアミド含有骨格をもたらす、2つ又はこれを超える連結されたアミノエチルグリシン単位を含みうる。複素環式塩基部分は、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に、直接的に結合される場合もあり、間接的に結合される場合もある。
核酸は、モルホリノ骨格構造を含みうる。例えば、核酸は、リボース環の代わりに、6員モルホリノ環を含みうる。これらの実施形態のうちの一部では、ホスホロジアミデート又は他の非ホスホジエステルエステルヌクレオシド間連結が、ホスホジエステルエステル連結を置きかえる場合がある。
核酸は、モルホリノ環へと接合された、複素環式塩基を有する、連結モルホリノ単位(例えば、モルホリノ核酸)を含みうる。連結基は、モルホリノ核酸内の、モルホリノ単量体単位を連結しうる。モルホリノベースの非イオン性オリゴマー化合物は、細胞内タンパク質との、望ましくない相互作用を低下させうる。モルホリノベースのポリヌクレオチドは、核酸の非イオン性模倣体でありうる。モルホリノクラス内の、様々な化合物は、異なる連結基を使用して接続されうる。ポリヌクレオチド模倣体のさらなるクラスは、シクロヘキセニル核酸(CeNA)と称されうる。核酸分子内に通常存在するフラノース環は、シクロヘキセニル環で置きかえられうる。CeNA DMTに保護されたホスホルアミダイト単量体は、ホスホルアミダイト化学反応を使用して、オリゴマー化合物を合成するために、調製及び使用されうる。CeNA単量体の、核酸鎖への組込みは、DNA/RNAハイブリッド体の安定性を増大させうる。CeNAのオリゴアデニル酸は、核酸相補体と共に、天然の複合体と同様の安定性を伴う複合体を形成しうる。さらなる修飾は、2’-ヒドロキシル群が、糖環の4’炭素原子へと連結され、これにより、2’-C、4’-C-オキシメチレン連結を形成し、これにより、二環式糖部分を形成する、ロックト核酸(LNA)を含みうる。連結は、2’酸素原子と、4’炭素原子とを架橋する基であるメチレン(-CH2)[式中、nは、1又は2である]でありうる。LNA及びLNA類似体は、相補性核酸との、極めて高度の二重鎖熱安定性(Tm=+3~+10℃)、3’-エクソヌクレアーゼによる分解に対する安定性、及び良好な溶解特性を提示しうる。
核酸はまた、ヌクレオ塩基(単に、「塩基」と称されることが多い)の修飾又は置換も含みうる。本明細書で使用される、「非修飾」ヌクレオ塩基又は「天然」ヌクレオ塩基は、プリン塩基(例えば、アデニン(A)、グアニン(G))、ピリミジン塩基(例えば、チミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U))を含みうる。修飾ヌクレオ塩基は、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの、6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの、2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン、及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及び5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH3)ウラシル及び5-プロピニル(-C=C-CH3)シトシン、並びにピリミジン塩基の、他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、及び6-アゾチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロアデニン及び8-ハログアニン、8-アミノアデニン及び8-アミノグアニン、8-チオールアデニン及び8-チオールグアニン、8-チオアルキルアデニン及び8-チオアルキルグアニン、8-ヒドロキシルアデニン及び8-ヒドロキシルグアニン、並びに他の8-置換アデニン及び8-置換グアニン、5-ハロウラシル及び5-ハロシトシン、特に、5-ブロモウラシル及び5-ブロモシトシン、5-トリフルオロメチルウラシル及び5-トリフルオロメチルシトシン、並びに他の5-置換ウラシル及び5-置換シトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン、並びに3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンなど、他の合成ヌクレオ塩基及び天然ヌクレオ塩基を含みうる。修飾ヌクレオ塩基は、フェノキサジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)などの三環式ピリミジン、置換フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)などのGクランプ、置換フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド(4,5-b)インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド(3’,2’:4,5)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)などのGクランプを含みうる。
本明細書で使用される、「核酸を単離する」という用語は、1種又は複数種の細胞内構成要素からの、核酸の精製を指す場合がある。当業者は、そこから「核酸を単離する」ように加工される試料が、核酸以外の構成要素及び夾雑物を含みうることを理解するであろう。単離核酸を含む試料は、当技術分野で公知である、あらゆる許容可能な方法を使用して、検体から調製されうる。例えば、細胞は、公知の溶解剤を使用して溶解させられる場合があり、核酸は、他の細胞内構成要素から精製されるか、又は部分的に精製されうる。DNA及びRNAの抽出に適する試薬及びプロトコールは、例えば、米国特許出願公開第US2010-0009351号及び同第US2009-0131650号のそれぞれ(それらの各々が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる)において見出されうる。核酸検査(例えば、下記でさらに詳細に論じられる増幅法及びハイブリダイゼーション法)では、抽出された核酸溶液は、本明細書で開示される実施形態に従う検査を実施するのに要求される試薬(例えば、下記でさらに詳細に論じられる通り、液体であるか、基質に結合しているか、凍結乾燥形態などである)へと、直接添加されうる。
本明細書で使用される、「鋳型」とは、少なくとも1種の標的ヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドの全部又は一部を指す場合がある。
本明細書で使用される、「プライマー」とは、核酸鎖伸長反応を誘発するのに用いられうるポリヌクレオチドを指す場合がある。プライマーの長さは、例えば、約5~約100ヌクレオチド、約10~約50ヌクレオチド、約15~約40ヌクレオチド、又は約20~約30ヌクレオチドで変動しうる。プライマーの長さは、約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約25ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約35ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約75ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲でありうる。一部の実施形態では、プライマーは、10~約50ヌクレオチド、すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、又はこれを超えるヌクレオチドの長さを有する。一部の実施形態では、プライマーは、18~32ヌクレオチドの長さを有する。
本明細書で使用される、「プローブ」とは、ハイブリダイゼーションを可能とする条件下で、核酸内の標的配列にハイブリダイズする(例えば、特異的に)ことが可能であり、これにより、標的配列又は増幅された核酸の検出を可能とするポリヌクレオチドを指す場合がある。プローブの「標的」とは、一般に、標準的水素結合(すなわち、塩基対合)により、プローブオリゴマーの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする、増幅された核酸配列内の配列又はこれらのサブセットを指す。プローブは、標的特異的配列と、プローブの三次元コンフォメーションに寄与する他の配列とを含みうる。配列は、それらが、プローブオリゴマーの、適切なハイブリダイゼーション条件下において、プローブの標的特異的配列と完全に相補性ではない標的配列への、安定的なハイブリダイゼーションを可能とする場合に、「十分に相補性」である。プローブの長さは、例えば、約5~約100ヌクレオチド、約10~約50ヌクレオチド、約15~約40ヌクレオチド、又は約20~約30ヌクレオチドで変動しうる。プローブの長さは、約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約25ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約35ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲でありうる。一部の実施形態では、プローブは、10~約50ヌクレオチドの長さを有する。例えば、プライマー及び/又はプローブは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50ヌクレオチド、又はこれを超える長さでありうる。一部の実施形態では、プローブは、非配列特異的でありうる。
好ましくは、プライマー及び/又はプローブは、8~45ヌクレオチドの間の長さでありうる。例えば、プライマー及び/又はプローブは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、又はこれを超えるヌクレオチドの長さでありうる。プライマー及びプローブは、5’末端若しくは3’末端、又はこれらの両方において、さらなるヌクレオチドを含有するように修飾されうる。当業者は、増幅プライマー(必ずしも、プローブではない)の3’末端へのさらなる塩基が、一般に、鋳型配列と相補性であることを理解するであろう。プライマー配列及びプローブ配列はまた、5’末端又は3’末端におけるヌクレオチドを除去するようにも修飾されうる。当業者は、増幅用に機能するために、プライマー又はプローブは、本明細書で開示される、最小の長さ及びアニーリング温度のプライマー又はプローブであることを理解するであろう。
プライマー及びプローブは、融点(Tm)未満の温度である、アニーリング温度において、それらの標的に結合しうる。本明細書で使用される、「Tm」と、「融点」とは、二本鎖ポリヌクレオチド分子の集団のうちの50%が、単一の鎖へと解離させられる温度を指す、互換的な用語である。当技術分野では、ポリヌクレオチドのTmを計算するための式が周知である。例えば、Tmは、以下の式:Tm=69.3+0.41×(G+C)%/L[式中、Lは、ヌクレオチド内のプローブの長さである]により計算されうる。ハイブリッドポリヌクレオチドのTmもまた、1Mの塩中におけるハイブリダイゼーションアッセイから採用された式:[(A+Tの数)×2℃+(G+Cの数)×4℃]を使用して推定される場合があり、一般に、PCRプライマーのTmを計算するために使用されうる。例えば、C. R. Newton et al. PCR, 2nd ed., Springer-Verlag (New York: 1997), p.24(参照によりその全体において本明細書に組み込まれる)を参照されたい。当技術分野では、Tmの計算のために、構造特徴のほか、配列特徴も考慮する、他のより精緻な計算法も存在する。オリゴヌクレオチドの融点は、オリゴヌクレオチドプライマー又はプローブと結合配列との相補性及び塩条件に依存しうる。一部の実施形態では、本明細書で提示されるオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブは、50mMのKCl、10mMのトリス-HClによる緩衝液中において、約90℃未満、例えば、列挙された値のうちのいずれか2つの間の範囲を含む、約89℃、88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39℃、又はこれ未満のTmを有する。
一部の実施形態では、本明細書で開示されるプライマー、例えば、増幅プライマーは、例えば、フォワードプライマー及びリバースプライマー(第1の増幅プライマー及び第2の増幅プライマー)を含む、増幅プライマー対として提供されうる。好ましくは、フォワードプライマーと、リバースプライマーとは、10℃を超えて異ならない、例えば、10℃未満、9℃未満、8℃未満、7℃未満、6℃未満、5℃未満、4℃未満、3℃未満、2℃未満、又は1℃未満異なるTmを有する。
オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列に特異的にハイブリダイズするのに十分な相補性を含有することを条件として、プライマー配列及びプローブ配列は、オリゴヌクレオチド配列内に、ヌクレオチド置換(標的配列と比べた)を有することにより、修飾されうる。このようにして、少なくとも1、2、3、4、又は約5ヌクレオチド以下が置換されうる。本明細書で使用される、「相補性」という用語とは、2つのポリヌクレオチド鎖の領域の間における配列相補性、又は同じポリヌクレオチド鎖の2つの領域の間における配列相補性を指す場合がある。2つの領域が、アンチパラレルに配置される場合に、ポリヌクレオチドの第1の領域は、同じポリヌクレオチド又は異なるポリヌクレオチドの第2の領域と相補性であり、第1の領域のうちの、少なくとも1つのヌクレオチドは、第2の領域の塩基と塩基対合することが可能である。したがって、あらゆるヌクレオチド位置において、2つの相補性ポリヌクレオチドが塩基対合することは要求されない。「完全に相補性の」とは、第2のポリヌクレオチドと、100%相補性であるか、又は「完全に」相補性であり、したがって、あらゆるヌクレオチド位置において塩基対を形成する、第1のポリヌクレオチドを指す場合がある。「部分的に相補性の」とはまた、100%相補性ではなく(例えば、90%、又は80%、又は70%相補性であり)、1つ又は複数のヌクレオチド位置において、ミスマッチヌクレオチドを含有する、第1のポリヌクレオチドも指す場合がある。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ユニバーサル塩基を含む。
本明細書で使用される、「外因性ヌクレオチド配列」とは、増幅産物が、外因性ヌクレオチド配列及び標的ヌクレオチド配列を、標的ヌクレオチド配列がコピーされた、元の鋳型内に見出されない配置において含有するように、増幅のために使用されるプライマー又はプローブにより導入される配列を指す場合がある。
核酸分子へと適用される場合に、本明細書で使用される、「配列同一性」又は「~パーセント同一である」とは、最大の同一性パーセントを達成するように、配列をアライメントし、あらゆる核酸残基の置換を、配列同一性の一部として考えずおいた後で、候補核酸分子配列内で、対象核酸分子配列と同一である、核酸残基の百分率を指す場合がある。核酸配列の同一性は、当技術分野で公知である、あらゆる方法、例えば、CLUSTALW、T-COFFEE、BLASTNを使用して決定されうる。
本明細書で使用される、「十分に相補性の」とは、一連の相補性の塩基間における水素結合により、別の塩基配列にハイブリダイズすることが可能である、連続的な核酸塩基配列を指す場合がある。相補性の塩基配列は、標準的な塩基対合(例えば、G:C、A:T、又はA:Uの対合)を使用することにより、オリゴマー配列内の各位置において相補性の場合もあり、相補性ではない(非塩基性の位置を含む)、1つ又は複数の残基を含有する場合もあるが、この場合、適切なハイブリダイゼーション条件下において、相補性塩基配列の全体が、別の塩基配列と、特異的にハイブリダイズすることが可能である。
連続塩基は、オリゴマーがハイブリダイズすることが意図される配列に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、又は100%相補性でありうる。実質的に相補性の配列とは、同一性パーセントが、参照配列と比較して、100、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、75、70若しくはこれ未満、又はこれらの間のあらゆる数の範囲にある配列を指す場合がある。当業者は、塩基配列の組成に基づいて予測される場合もあり、規定の試験を使用することにより決定される場合もある、適切なハイブリダイゼーション条件をたやすく選び出すことができる。(例えば、Green and Sambrook, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 4th ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 2012)を参照されたい)。
本明細書で使用される、「マルチプレックスPCR」という用語は、1つを超えるプライマーセットが、1つ単一の標的、又は2種又はこれを超える、異なる標的が、単一の反応容器(例えば、試験管)内で増幅されることを可能とする反応中に含まれる種類のPCRを指す。マルチプレックスPCRは、例えば、リアルタイムPCRでありうる。
オリゴヌクレオチド及びこれらを含有する組成物
本明細書で記載される通り、核酸の増幅は、試料中における、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在、非存在、種類、及び/又はレベルを決定するように実施されうる。一部の実施形態では、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在、非存在、及び/又はレベルは、DNA増幅など、当技術分野で公知の方法を使用して、標的生物の各々の、1種又は複数種の標的遺伝子を検出することにより決定される。一部の実施形態では、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在、非存在、又はレベルを検出するのに、マルチプレックスPCRが実施されうる。
一部の実施形態では、マルチプレックスリアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)のためのプライマーとプローブとの組合せのほか、コレラ菌の潜在的毒力の同時的同定及び決定のための検出法が提供される。一部の実施形態では、コレラ菌の全ての株内に存在し、種についてのマーカーとして使用される、種特異的ompW遺伝子、体細胞抗原である、O1及びO139をコードする、rfbN及びwbfR、並びにCTをコードするctxAをターゲティングする方法(例えば、マルチプレックスRT PCRアッセイ)及び組成物(例えば、プライマー及びプローブ)が提供される。加えて、本明細書で提示される方法及び組成物についての一部の実施形態では、偽陰性結果(例えば、PCR阻害剤、測定器又は試薬の不具合により引き起こされる)を指し示すように、マルチプレックスPCRへと添加される、内部対照のマーカーとして、大腸菌(Escherichia coli)特異的yaiO遺伝子が利用される。
本明細書では、(1)コレラ菌株の同定;(2)O1血清型と、O139血清型との差別化;(3)コレラ毒素の検出;(4)糞便試料の品質のモニタリング;及び/又は(5)DNA抽出工程及びリアルタイムPCR工程の品質管理に対して、迅速かつ低廉な解決法をもたらす方法及び組成物(例えば、蛍光発光性の配列特異的ハイブリダイゼーションプローブを活用する試薬)が開示される。本明細書で提示される方法は、濃度が最適化されたプライマー対及びプローブの5つのセットを活用して、コレラ菌を含有することが疑われる試料(例えば、糞便試料)又は培養物に由来するDNAを、マルチプレックスポリメラーゼ連鎖反応増幅にかけるステップと;最適の熱条件下で反応混合物を処理するステップ;各サイクルにおいて、加水分解(TaqMan(登録商標))プローブの蛍光シグナルをモニタリングし、プログラムの終点において、データを解釈して、最終結果について報告することにより、DNA標的の増幅を検出するステップとを含みうる。本明細書では、プライマーデザインソフトウェアであるPrimer 3及びBeacon Designerを使用してデザイン及びスクリーニングされたマルチプレックスPCRプライマー及びプローブが開示される。最適化されたプライマー及びプローブの5つのセットは、表1に示されたプライマー及びプローブを含みうる。本明細書で提示される方法により、極めて重要な下痢病原体についての、迅速かつ高感度の検出及び弁別が達成される。
一部の実施形態では、TaqmanプローブベースのリアルタイムマルチプレックスPCRのための組成物及び方法が提供される。本明細書では、コレラ菌の迅速な同定及び分類のための、TaqManプローブベースのマルチプレックスリアルタイムPCRのための組成物(例えば、試薬)及び方法(例えば、アッセイ)が開示される。現在利用可能な方法と比較して、本発明の利点は、(1)コレラ菌の同定、血清型の分類、及びコレラ毒素の検出が、単一のPCR反応において達成されうる、確立されたマルチプレックスPCR検出法を使用することにより、5つの遺伝子標的が、同時に検出されうる利点;(2)デザインされた内部対照が、糞便試料の品質をモニタリングすることが可能であり、主に、PCR阻害剤、測定器、又は試薬の不具合により引き起こされる偽陰性結果を指し示しうる利点;並びに(3)本明細書で開示されるプライマー/プローブの組合せ及びマルチプレックスリアルタイムPCR法が、高感度、高包含性、及び高特異度を達成しうる利点を含む。さらに、開示される方法は、実施が迅速かつ容易である。
標的である、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌の各々は、DNA増幅において、個別のチャネルを使用して検出されうる。一部の実施形態では、2種又はこれを超えるコレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するために、単一の蛍光チャネルを使用することが所望されうる。一部の実施形態では、このような組合せは、実験を行うほか、コレラについての決定が評価されうる、正確な定性的基準をもたらすのに必要とされる試薬の量を低減しうる。
コレラ菌内、コレラ菌血清群O1内、コレラ菌血清群O139内、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌内の、標的遺伝子領域、又はその相補体に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、試料(例えば、糞便試料)中の、生物の標的遺伝子領域の増幅は、試料中の生物の存在、非存在、及び/又はレベルを指し示しうる。
標的遺伝子領域は、変動しうる。一部の実施形態では、コレラ菌の全ての株内に存在する、種特異的ompW遺伝子が、種についてのマーカーとして使用される。一部の実施形態では、コレラ菌内のompWをコードする遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、ompW遺伝子は、試料中の、コレラ菌の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するDNA増幅のための標的遺伝子として使用される。一部の実施形態では、コレラ菌のompW遺伝子領域に特異的に結合しうる、プライマー及びプローブが、生体試料中の、コレラ菌の存在、非存在、及び/又はレベルの検出において使用される。コレラ菌内のompW遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドの例は、表1に提示される配列番号1~11、及び配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、体細胞抗原であるO1をコードするrfbNが、コレラ菌血清群O1についてのマーカーとして使用される。一部の実施形態では、コレラ菌血清群O1内のrfbNをコードする遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、rfbN遺伝子は、試料中の、コレラ菌血清群O1の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するDNA増幅のための標的遺伝子として使用される。一部の実施形態では、コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子領域に特異的に結合しうる、プライマー及びプローブが、生体試料中の、コレラ菌血清群O1の存在、非存在、及び/又はレベルの検出において使用される。コレラ菌血清群O1内のrfbN遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドの例は、表1に提示される配列番号12~23、及び配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、体細胞抗原であるO139をコードするwbfRが、コレラ菌血清群O139についてのマーカーとして使用される。一部の実施形態では、コレラ菌血清群O139内のwbfRをコードする遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、wbfR遺伝子は、試料中の、コレラ菌血清群O139の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するDNA増幅のための標的遺伝子として使用される。一部の実施形態では、コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子領域に特異的に結合しうる、プライマー及びプローブが、生体試料中の、コレラ菌血清群O139の存在、非存在、及び/又はレベルの検出において使用される。コレラ菌血清群O139内のwbfR遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドの例は、表1に提示される配列番号24~38、及び配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、ctxAは、コレラ毒素をコードするコレラ菌についてのマーカーとして使用される。一部の実施形態では、コレラ菌内のctxAをコードする遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、ctxA遺伝子は、試料中の、コレラ毒素をコードするコレラ菌の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するDNA増幅のための標的遺伝子として使用される。一部の実施形態では、コレラ菌のctxA遺伝子領域に特異的に結合しうる、プライマー及びプローブが、生体試料中の、ctxAをコードするコレラ菌の存在、非存在、及び/又はレベルの検出において使用される。コレラ菌内のctxA遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドの例は、表1に提示される配列番号39~52、及び配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むがこれらに限定されない。
加えて、本明細書で提示される方法及び組成物についての一部の実施形態では、大腸菌特異的yaiO遺伝子は、偽陰性結果(例えば、PCR阻害剤、測定器又は試薬の不具合により引き起こされる)を指し示すように、マルチプレックスPCRへと添加される、内部対照のマーカーとして利用される。一部の実施形態では、大腸菌内のyaiOをコードする遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能である(例えば、標準的核酸増幅条件下、例えば、標準的PCR条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において)オリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー及びプローブ)が提供される。一部の実施形態では、yaiO遺伝子は、試料中の、大腸菌の存在、非存在、及び/又はレベルを検出するDNA増幅のための標的遺伝子として使用される。一部の実施形態では、大腸菌のyaiO遺伝子領域に特異的に結合しうる、プライマー及びプローブが、生体試料(例えば、内部対照としての)中の、大腸菌の存在、非存在、及び/又はレベルの検出において使用される。大腸菌内のyaiO遺伝子領域に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドの例は、表1に提示される配列番号53~67、及び配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むがこれらに限定されない。
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Figure 2023547442000002
Figure 2023547442000003
Figure 2023547442000004
本明細書ではまた、配列番号1~67又はこれらの相補体と比べて、1つ、2つ、3つ、4つ、又はこれを超えるミスマッチ又はユニバーサルヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(例えば、増幅プライマー又はプローブ)であって、配列番号1~67又はこれらの相補体と、少なくとも80%(例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)同一であるオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドも提示される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1~67から選択される配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1~67から選択される配列と、少なくとも約85%同一である配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1~67から選択される配列からなる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1~67から選択される配列と、少なくとも約85%同一であるか、又は少なくとも約95%同一である配列からなる。一部の実施形態では、本明細書で提示されるプライマーの、最終反応濃度は、約300nMである。一部の実施形態では、本明細書で提示されるプローブの、最終反応濃度は、約100nMである。
一部の実施形態では、プライマー/プローブの組合せが提供される。プライマー/プローブの組合せは、フォワードプライマー、リバースプライマー、及びプローブ(例えば、タンデムにおけるA3-ompW-FP、A3-ompW-RP、及びA3-ompW-プローブ)を含みうる。本明細書で提示される組成物及び方法は、表1に提示されたプライマー/プローブの組合せのうちの1種又は複数種を含みうる。例えば、方法又は組成物は、A3によるプライマー/プローブの組合せ(例えば、タンデムにおけるA3-ompW-FP、A3-ompW-RP、及びA3-ompW-プローブ)を含みうる。本明細書では、2種又はこれを超える、プライマー/プローブの組合せ(例えば、マルチプレックス化反応)を含む方法及び組成物が開示される。例えば、方法又は組成物は、A3、B3、C3、及びD3によるプライマー/プローブの組合せ(例えば、タンデムにおけるA3-ompW-FP、A3-ompW-RP、A3-ompW-プローブ、B3-rfbN-FP、B3-rfbN-RP、B3-rfbN-プローブ、C3-wbfR-15F、C3-wbfR-15R、C3-wbfR-プローブ、D3-ctxA-FP、D3-ctxA-RP、及びD3-ctxA-プローブ)を含みうる。本明細書では、(1)コレラ菌の、ompW遺伝子、若しくはその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種若しくは複数種のプライマー/プローブの組合せ(例えば、A1、A2、A3、及び/又はA4);(2)コレラ菌血清群O1の、rfbN遺伝子、若しくはその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種若しくは複数種のプライマー/プローブの組合せ(例えば、B1、B2、B3、及び/又はB4);(3)コレラ菌血清群O139の、wbfR遺伝子、若しくはその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種若しくは複数種のプライマー/プローブの組合せ(例えば、C1、C2、C3、C4、及び/又はC5);(4)コレラ菌の、ctxA(コレラ毒素)遺伝子、若しくはその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種若しくは複数種のプライマー/プローブの組合せ(例えば、D1、D2、D3、D4、及び/又はD5);及び/又は(5)大腸菌の、yaiO遺伝子、若しくはその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種若しくは複数種のプライマー/プローブの組合せ(例えば、E1、E2、E3、E4、及び/又はE5)を含む方法及び組成物が開示される。本明細書では、表2に提示されたプライマー/プローブの組合せのうちの1種又は複数種を含む方法及び組成物が開示される。本明細書では、表3に提示されたプライマー/プローブの組合せのうちの1種又は複数種を含む方法及び組成物が開示される。
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Figure 2023547442000014
Figure 2023547442000015
本明細書で提示される核酸は、多様な形態でありうる。例えば、一部の実施形態では、核酸は、溶液、例えば、緩衝液中に溶解させられる(単独で、又は他の多様な核酸と組み合わせて)。一部の実施形態では、核酸は、単独で、又は他の単離核酸と組み合わせて、塩として提供される。一部の実施形態では、核酸は、復元されうる凍結乾燥形態で提供される。例えば、一部の実施形態では、本明細書で開示される、単離核酸は、単独における凍結乾燥ペレット中、又は他の単離核酸を伴う凍結乾燥ペレット中で提供されうる。一部の実施形態では、核酸は、ビーズ、膜などの固体物質へと固定されて提供される。一部の実施形態では、核酸は、宿主細胞内、例えば、プラスミドを保有する細胞系内、又は安定的に組み込まれた配列を保有する細胞系内で提供される。
一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌の、ompW遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種の増幅プライマー対を含む。一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌の、ompW遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種のプローブを含む。本明細書では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号1~11からなる群から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌血清群O1の、rfbN遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種の増幅プライマー対を含む。一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌血清群O1の、rfbN遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種のプローブを含む。本明細書では、コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号12~23からなる群から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌血清群O139の、wbfR遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種の増幅プライマー対を含む。一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌血清群O139の、wbfR遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種のプローブを含む。本明細書では、コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号24~38からなる群から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌の、ctxA(コレラ毒素)遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種の増幅プライマー対を含む。一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、コレラ菌の、ctxA(コレラ毒素)遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種のプローブを含む。本明細書では、コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号39~52からなる群から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、大腸菌の、yaiO遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種の増幅プライマー対を含む。一部の実施形態では、組成物、反応混合物、及びキットは、大腸菌の、yaiO遺伝子又はその相補体の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能である、1種又は複数種のプローブを含む。本明細書では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、約100ヌクレオチド以下の長さのプローブ又はプライマーが開示される。一部の実施形態では、プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の同一性、若しくは少なくとも約95%の同一性を呈する配列からなる。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、前記プローブ又はプライマーは、配列番号53~67からなる群から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、本明細書で開示される、オリゴヌクレオチドプローブ及び/若しくはプライマーのうちの1種若しくは複数種、又は2種若しくはこれを超えるオリゴヌクレオチドプローブ及び/若しくはプライマーを含む組成物が提供される。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブは、検出用部分を含みうる。例えば、本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドプローブは、放射性標識を含みうる。放射性標識の非限定例は、3H、14C、32P、及び35Sを含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブは、リガンド、フルオロフォア、化学発光薬剤、酵素、及び抗体を含むがこれらに限定されない、1種又は複数種の非放射性検出用マーカー又は非放射性検出用部分を含みうる。本発明の方法の感度の増大を可能としうる、プローブを伴う使用のための、他の検出用マーカーは、ビオチン及び放射性ヌクレオチドを含む。当業者には、特定の標識の選択が、それがプローブに結合される方式を決定することが明らかとなろう。例えば、オリゴヌクレオチドプローブは、鋳型核酸とのハイブリダイゼーション時に、検出可能な蛍光の変化が発生するように、1種又は複数種の染料で標識される。一部の適用のためには、非特異的染料も所望されうるが、配列特異的プローブは、増幅についての、より正確な測定値をもたらしうる。配列特異的プローブの、1つの立体配置は、フルオロフォアへとテザリングされた、プローブの一方の末端と、消光剤へとテザリングされた、プローブ他方の末端とを含みうる。プローブは、ハイブリダイズされない場合、消光剤により、フルオロフォアが消光させられ、このため、フルオロフォアが、蛍光発光することを妨げる、ステムループ型立体配置を維持しうる。プローブは、鋳型核酸配列にハイブリダイズされる場合、直鎖化され、フルオロフォアを、消光剤から遠ざけ、これにより、フルオロフォアが、蛍光発光することを可能とする。配列特異的プローブの、別の立体配置は、FRET対の第1のフルオロフォアへとテザリングされた、第1のプローブと、FRET対の第2のフルオロフォアへとテザリングされた、第2のプローブとを含みうる。第1のプローブ及び第2のプローブは、同じ単位複製配列にハイブリダイズされる場合、FRETによるエネルギー移動を可能とするのに十分な近接範囲内にある単位複製配列の配列にハイブリダイズするように構成されうる。
一部の実施形態では、プローブは、TaqManプローブである。TaqManプローブは、フルオロフォアと、消光剤とを含みうる。消光分子は、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)を介して、サイクラーの光源により励起されると、フルオロフォアにより発光させられる蛍光を消光させうる。フルオロフォアと、消光剤とが、近接している限りにおいて、消光は、あらゆる検出用(例えば、蛍光)シグナルを阻害しうる。本明細書で提示されるTaqManプローブは、それらが、本明細書で提示されるプライマーにより増幅されるDNA領域内でアニーリングするようにデザインされうる。あらゆる特定の理論に束縛されずに述べると、一部の実施形態では、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)が、プライマーを伸長させ、一本鎖鋳型上の新生鎖を合成するにつれ、PCRポリメラーゼの5’-3’エクソヌクレアーゼ活性は、鋳型へとアニーリングされたプローブを分解する。プローブの分解は、フルオロフォアを、プローブから放出させ、消光剤に対する近接部を切断し、これにより、消光効果を消失させ、フルオロフォアの蛍光を可能とする。よって、一部の実施形態では、定量的PCRサーマルサイクラー内で検出される蛍光は、放出されるフルオロフォア及びPCR中に存在するDNA鋳型の量に正比例しうる。
一部の実施形態では、配列特異的プローブは、フルオロフォアへとコンジュゲートされた、本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、プローブは、2種又はこれを超えるフルオロフォアへとコンジュゲートされる。フルオロフォアの例は、キサンテン染料、例えば、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、2-[エチルアミノ)-3-(エチルイミノ)-2-7-ジメチル-3H-キサンテン-9-イル]安息香酸エチルエステル一塩酸塩(R6G)(約500~560nmの範囲の波長の応答放射線を放射する)、1,1,3,3,3’,3’-ヘキサメチルインドジカルボシアニンヨウ化物(HIDC)(約600~660nmの範囲の波長の応答放射線を放射する)、6-カルボキシフルオレセイン(一般に、略号であるFAM及びFにより公知である)、6-カルボキシ-2’,4’,7’,4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン(JOE又はJ)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA又はT)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX又はR)、5-カルボキシローダミン-6G(R6G5又はG5)、6-カルボキシローダミン-6G(R6G6又はG6)、及びローダミン110などのフルオレセイン染料及びローダミン染料;シアニン染料、例えば、Cy3染料、Cy5染料、及びCy7染料;クマリン、例えば、ウンベリフェロン;ベンズイミド染料、例えば、Hoechst 33258;フェナントリジン染料、例えば、Texas Red;エチジウム染料;アクリジン染料;カルバゾール染料;フェノキサジン染料;ポルフィリン染料;ポリメチン染料、例えば、Cy3(約540~580nmの範囲の波長の応答放射線を放射する)、Cy5(約640~680nmの範囲の波長の応答放射線を放射する)などのシアニン染料;BODIPY染料及びキノリン染料を含む。目的の具体的フルオロフォアは、ピレン、クマリン、ジエチルアミノクマリン、FAM、クロロトリアジニルフルオレセイン、フルオレセイン、R110、エオシン、JOE、R6G、HIDC、テトラメチルローダミン、TAMRA、Lissamine、ROX、ナフトフルオレセイン、Texas Red、ナフトフルオレセイン、Cy3及びCy5、CAL fluor orangeなどを含む。フルオレセイン染料の他の例は、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2’,4’,1,4,-テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシローダミン(JOE)、2’-クロロ-5’-フルオロ-7’,8’-融合フェニル-1,4-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(NED)、及び2’-クロロ-7’-フェニル-1,4-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(VIC)を含む。プローブは、SpC6又はその機能的同等物及び誘導体を含みうる。プローブは、スペーサー部分を含みうる。スペーサー部分は、少なくとも2個の炭素~約12個の炭素を有するアルキル基を含みうる。プローブは、非塩基性単位を含むスペーサーを含みうる。プローブは、idSp、iSp9、iS18、iSpC3、iSpC6、iSpC12、又はこれらのあらゆる組合せから構成される群から選択されるスペーサーを含みうる。
一部の実施形態では、プローブは、消光剤へとコンジュゲートされる。消光剤は、電磁放射線を吸収し、これを、熱として散逸させるので、暗色を維持する。例示的消光剤は、Dabcyl、BHQ-1又はBHQ-2(Biosearch)などのNFQ、IOWA BLACK FQ(IDT)、及びIOWA BLACK RQ(IDT)を含む。一部の実施形態では、消光剤は、フルオロフォアにより放射される電磁放射線を吸収するよう、フルオロフォアと対合するように選択される。当技術分野では、本明細書で開示される組成物及び方法において有用なフルオロフォア/消光剤対が周知であり、www.molecular-beacons.org/download/marras,mmb06%28335%293.pdfにおいて入手可能な、Marras, “Selection of Fluorophore and Quencher Pairs for Fluorescent Nucleic Acid Hybridization Probes”において見出される場合があり、例えば、これにおいて記載されている。消光部分の例は、ダーククエンチャーである、Black Hole Quencher(登録商標)(BHQ(登録商標))(例えば、BHQ-0、BHQ-1、BHQ-2、BHQ-3)、Qx1消光剤、ATTO消光剤(例えば、ATTO 540Q、ATTO 580Q、及びATTO 612Q)、ジメチルアミノアゾベンゼンスルホン酸(Dabsyl)、Iowa Black RQ、Iowa Black FQ、IRDye QC-1、QSY染料(例えば、QSY 7、QSY 9、QSY 21)、AbsoluteQuencher、Eclipse、及び金ナノ粒子などの金属クラスターなどを含むがこれらに限定されない。ATTO消光剤の例は、ATTO 540Q、ATTO 580Q、及びATTO 612Qを含むがこれらに限定されない。Black Hole Quencher(登録商標)(BHQ(登録商標))の例は、BHQ-0(493nm)、BHQ-1(534nm)、BHQ-2(579nm)、及びBHQ-3(672nm)を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、検出用標識は、Alexa Fluor(登録商標)染料(例えば、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)500、Alexa Fluor(登録商標)514、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)610、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)635、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)700、Alexa Fluor(登録商標)750、Alexa Fluor(登録商標)790)、ATTO染料(例えば、ATTO 390、ATTO 425、ATTO 465、ATTO 488、ATTO 495、ATTO 514、ATTO 520、ATTO 532、ATTO Rho6G、ATTO 542、ATTO 550、ATTO 565、ATTO Rho3B、ATTO Rho11、ATTO Rho12、ATTO Thio12、ATTO 590、ATTO 594、ATTO Rhol3、ATTO 610、ATTO 620、ATTO Rhol4、ATTO 633、ATTO 647、ATTO 647N、ATTO 655、ATTO Oxal2、ATTO 665、ATTO 680、ATTO 700、ATTO 725、ATTO740)、DyFight染料、シアニン染料(例えば、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy3b、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5)、FluoProbes染料、Sulfo Cy染料、Seta染料、IRIS染料、SeTau染料、SRfluor染料、Square染料、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、テトラメチルローダミン(TRITC)、Texas Red、Oregon Green、Pacific Blue、Pacific Green、Pacific Orange、量子ドット、及びテザリング蛍光タンパク質から選択される蛍光標識である。
一部の実施形態では、フルオロフォアは、プローブの第1の末端へと接合され、消光剤は、プローブの第2の末端へと接合される。一部の実施形態では、プローブは、2種又はこれを超えるフルオロフォアを含みうる。一部の実施形態では、プローブは、2種又はこれを超える消光部分を含みうる。一部の実施形態では、プローブは、1種若しくは複数種の消光部分、及び/又は1種若しくは複数種のフルオロフォアを含みうる。消光部分又はフルオロフォアは、プローブのあらゆる部分(例えば、プローブの5’末端上、3’末端上、及び/又は中央部における)へと接合されうる。あらゆるプローブヌクレオチドは、フルオロフォア又は例えば、BHQ1dTなどの消光部分を含みうる。接合は、共有結合を含み、プローブと、フルオロフォア又は消光剤との間に配置された、少なくとも1種のリンカー分子を含んでもよい。一部の実施形態では、フルオロフォアは、プローブの5’末端へと接合され、消光剤は、プローブの3’末端へと接合される。一部の実施形態では、フルオロフォアは、プローブの3’末端へと接合され、消光剤は、プローブの5’末端へと接合される。定量的核酸増幅において使用されうるプローブの例は、分子ビーコン、SCORPION(商標)プローブ(Sigma)、TAQMAN(商標)プローブ(Life Technologies)などを含む。本明細書で開示される実施形態において有用な、他の核酸検出技術は、ナノ粒子プローブ技術(Elghanian, et al. (1997) Science 277:1078-1081を参照されたい)及びAmplifluorプローブ技術(米国特許第5,866,366号;同第6,090,592号;同第6,117,635号;及び同第6,117,986号を参照されたい)を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、コレラ菌を検出するための組成物が提供される。一部の実施形態では、組成物は、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含む。組成物は、大腸菌のyaiO遺伝子とハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対を含む場合があり、この場合、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーは、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む。
一部の実施形態では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号1、3、5、又は7の配列を含むプライマー、及び配列番号2、4、6、又は8の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号12、14、16、又は18の配列を含むプライマー、及び配列番号13、15、17、又は19の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含むプライマー、及び配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含むプライマーを含み;コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対は、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含むプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含むプライマーを含む。一部の実施形態では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対は、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含むプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含むプライマーを含む。
組成物は、複数種のオリゴヌクレオチドプローブを含む場合があり、この場合、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む。複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含みうる。複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなりうる。複数種のプローブのうちの少なくとも1種は、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含みうる。
本明細書で記載される、あらゆるプローブは、蛍光発光部分、蛍光消光部分、又はこれらの両方を含みうる。
本明細書で開示される通り、反応混合物は、本明細書で開示されるプライマーのうちの1種若しくは複数種、本明細書で開示されるプローブのうちの1種若しくは複数種(例えば、フルオロフォア含有プローブ)、又はこれらのあらゆる組合せを含みうる。一部の実施形態では、反応混合物は、本明細書で開示されるプライマー及び/又はプローブ含有組成物のうちの1種又は複数種を含む。反応混合物はまた、多様なさらなる構成要素も含みうる。反応混合物中のさらなる構成要素の例は、鋳型DNA、DNAポリメラーゼ(例えば、Taq DNAポリメラーゼ)、デオキシヌクレオチド(dNTP)、緩衝液、二価カチオン、一価カチオンであるカリウムイオン、及びこれらのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、反応混合物は、リアルタイムPCRのためのマスターミックスである。
試料
本明細書では、多種多様な試料中で、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を検出するために適する方法及び組成物が開示される。本明細書で使用される、「試料」とは、例数を1例又は複数例とする、コレラを患うことが疑われる対象から採取された、あらゆる種類の生体由来材料を指す場合がある。試料は、例えば、体液、組織、又は細胞を含みうる。試料は、対象から直接採取された生体材料を含む場合もあり、培養された細胞又は組織を含む場合もあり、生体材料から作製されるか、又はこれに由来する、あらゆる画分又は生成物を含む場合もある。試料は、精製される場合もあり、部分精製される場合もあり、精製されない場合もあり、エンリッチされる場合もあり、増幅される場合もある。
試料は、生体試料、例えば、臨床試料でありうる。一部の実施形態では、試料は、膣、尿道、陰茎、肛門、咽頭、子宮頸部、発酵培養液、細胞培養物などの生体供給源から採取される。試料は、例えば、体液及び糞便試料に由来する細胞を含みうる。生体試料は、(i)対象又は供給源から得られたまま、直接使用される場合もあり、(ii)試料の特徴を改変する前処理の後に使用される場合もある。したがって、被検試料は、使用の前に、例えば、細胞又はウイルス粒子を破壊し、固体材料から液体を調製し、粘液を希釈し、液体を濾過し、液体を濃縮し、干渉成分を不活化させ、試薬を添加し、核酸を精製することなどにより前処理されうる。したがって、本明細書で使用される、「生体試料」は、臨床検体又は生体検体から抽出される核酸(DNA、RNA、又は全核酸)を含む。試料の調製はまた、解析のための試料を調製するのに使用される、緩衝液、塩、界面活性剤などを含有する溶液を使用するステップも含みうる。一部の実施形態では、試料は、分子検査の前に加工される。一部の実施形態では、試料は、直接解析され、検査の前に前処理されない。試料は、例えば、糞便試料でありうる。一部の実施形態では、試料は、コレラの臨床症状を伴う患者に由来する糞便試料である。
糞便試料は、複数の生物に感染していることが多い。開示されるプライマー及びプローブは、糞便試料の混合感染に耐性である。
一部の実施形態では、被験試料は、本明細書で開示される方法を実施する前に加工される。例えば、一部の実施形態では、試料は、本明細書で開示される方法を実施する前に、単離される場合もあり、濃縮される場合もあり、他の多様な加工ステップにかけられる場合もある。例えば、一部の実施形態では、試料は、試料を、本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドと接触させるステップの前に、核酸を、試料から単離するように加工されうる。一部の実施形態では、本明細書で開示される方法は、in vitroにおいて試料を培養せずに、試料上において実施される。一部の実施形態では、本明細書で開示される方法は、試料を、本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドと接触させるステップの前に、核酸を、試料から単離せずに、試料上において実施される。
試料は、1種又は複数種の核酸(例えば、複数種の核酸)を含みうる。本明細書で使用される、「複数」という用語は、2種又はこれを超える数の種類を指す場合がある。したがって、一部の実施形態では、試料は、2種又はこれを超える(例えば、3種若しくはこれを超える、5種若しくはこれを超える、10種若しくはこれを超える、20種若しくはこれを超える、50種若しくはこれを超える、100種若しくはこれを超える、500種若しくはこれを超える、1,000種若しくはこれを超えるか、又は5,000種若しくはこれを超える)核酸(例えば、gDNA、mRNA)を含む。開示される方法は、試料中(例えば、gDNAなど、核酸の複合混合物中)に存在する標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)を検出するための、極めて高感度の方式として使用されうる。一部の実施形態では、試料は、配列が互いに異なる、5種又はこれを超える核酸(例えば、10種若しくはこれを超える、20種若しくはこれを超える、50種若しくはこれを超える、100種若しくはこれを超える、500種若しくはこれを超える、1,000種若しくはこれを超えるか、又は5,000種若しくはこれを超える核酸)を含む。一部の実施形態では、試料は、10種若しくはこれを超える、20種若しくはこれを超える、50種若しくはこれを超える、100種若しくはこれを超える、500種若しくはこれを超える、103種若しくはこれを超える、5×103種若しくはこれを超える、104種若しくはこれを超える、5×104種若しくはこれを超える、105種若しくはこれを超える、5×105種若しくはこれを超える、106種若しくはこれを超える、5×106種若しくはこれを超えるか、又は107種若しくはこれを超える核酸を含む。
一部の実施形態では、試料は、10~20種、20~50種、50~100種、100~500種、500~103種、103~5×103種、5×103~104種、104~5×104種、5×104~105種、105~5×105種、5×105~106種、106~5×106種、若しくは5×106~107種、又は107種を超える核酸を含む。一部の実施形態では、試料は、5~107種の核酸(例えば、配列が互いに異なる)(例えば、5~106、5~105、5~50,000、5~30,000、10~106、10~105、10~50,000、10~30,000、20~106、20~105、20~50,000、若しくは20~30,000種の核酸、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲の数の種類の核酸)を含む。一部の実施形態では、試料は、配列が互いに異なる、20種又はこれを超える核酸を含む。
本明細書で使用される、「試料」という用語は、核酸を含む、あらゆる試料(例えば、標的配列が、核酸の集団の中に存在するのかどうかを決定するための)を意味しうる。試料は、あらゆる供給源に由来することが可能であり、例えば、試料は、精製核酸の、合成による組合せの場合もあり;試料は、細胞溶解物、DNAがエンリッチされた細胞溶解物、又は細胞溶解物から単離及び/又は精製された核酸の場合もある。試料は、患者に由来しうる(例えば、診断を目的として)。試料は、透過化細胞に由来しうる。試料は、架橋化細胞に由来しうる。試料は、組織切片内の細胞でありうる。試料は、架橋化に続く、脱脂化、及び一様な屈折率をもたらすための補正により調製された組織に由来しうる。
「試料」は、標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)と、複数種の非標的核酸とを含みうる。一部の実施形態では、標的核酸は、試料中に、10種の非標的核酸当たり1つのコピー、20種の非標的核酸当たり1つのコピー、25種の非標的核酸当たり1つのコピー、50種の非標的核酸当たり1つのコピー、100種の非標的核酸当たり1つのコピー、500種の非標的核酸当たり1つのコピー、103種の非標的核酸当たり1つのコピー、5×103種の非標的核酸当たり1つのコピー、104種の非標的核酸当たり1つのコピー、5×104種の非標的核酸当たり1つのコピー、105種の非標的核酸当たり1つのコピー、5×105種の非標的核酸当たり1つのコピー、106種の非標的核酸当たり1つのコピー、106種の非標的核酸当たり1つ未満のコピー、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲のコピー数で存在する。一部の実施形態では、標的核酸は、試料中に、10種の非標的核酸当たり1つのコピー~20種の非標的核酸当たり1つのコピー、20種の非標的核酸当たり1つのコピー~50種の非標的核酸当たり1つのコピー、50種の非標的核酸当たり1つのコピー~100種の非標的核酸当たり1つのコピー、100種の非標的核酸当たり1つのコピー~500種の非標的核酸当たり1つのコピー、500種の非標的核酸当たり1つのコピー~103種の非標的核酸当たり1つのコピー、103種の非標的核酸当たり1つのコピー~5×103種の非標的核酸当たり1つのコピー、5×103種の非標的核酸当たり1つのコピー~104種の非標的核酸当たり1つのコピー、104種の非標的核酸当たり1つのコピー~105種の非標的核酸当たり1つのコピー、105種の非標的核酸当たり1つのコピー~106種の非標的核酸当たり1つのコピー、又は106種の非標的核酸当たり1つのコピー~107種の非標的核酸当たり1つのコピー、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲のコピー数で存在する。
適切な試料は、唾液試料、血液試料、血清試料、血漿試料、尿試料、吸引試料、及び生検試料を含むがこれらに限定されない。したがって、患者に関する、「試料」という用語は、血液及び他の生体由来の液体試料、生検検体若しくは組織培養物、又はこれらに由来する細胞及びこれらの後代などの固体組織試料を包含する。定義はまた、それらの調達の後における、試薬を伴う処理によるか;洗浄されるか;又はがん細胞など、ある特定の細胞集団についてのエンリッチメントなど、あらゆる方式で操作された試料も含む。定義はまた、特定の種類の分子、例えば、核酸についてエンリッチされた試料も含む。「試料」という用語は、血液、血漿、血清、吸引物、脳脊髄液(CSF)などの臨床試料などの生体試料を包含し、手術における切除により得られた組織、生検により得られた組織、培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、組織試料、臓器、骨髄などもまた含む。「生体試料」は、これらに由来する体液(例えば、がん性細胞、感染細胞など)、例えば、このような細胞から得られる核酸を含む試料(例えば、核酸を含む、細胞溶解物又は他の細胞抽出物)を含む。
本明細書で開示される方法における使用に適切な試料は、植物、動物、細菌など、生物又はその一部から得られる、あらゆる常套的な生体試料を含む。特定の実施形態では、生体試料は、ヒト対象などの動物対象から得られる。生体試料は、限定せずに述べると、とりわけ、細菌、酵母、原虫、及びアメーバなどの単細胞生物、多細胞内生物(健常であるか、又は、病原性の細菌若しくはウイルスなどの病原性微生物による感染など、診断若しくは探索されるべき状態若しくは疾患に罹患している、見かけ上健常である、ヒト対象又はヒト患者に由来する試料を含む、植物又は動物など)を含む、あらゆる生物から得られるか、これらにより排出又は分泌される、あらゆる固体試料又は流体試料である。例えば、生体試料は、例えば、血液、血漿、血清、尿、糞便、痰、粘液、リンパ体液、滑液、胆汁、腹水、胸水、血清腫、唾液、脳脊髄液、房水若しくはガラス体液から得られた体液、又はあらゆる分泌液、滲出物、滲出液(例えば、膿瘍又は感染若しくは炎症の他のあらゆる部位から得られる体液)、又は関節(例えば、正常関節、又は関節リウマチ、骨関節炎、痛風、若しくは敗血症性関節炎などの疾患に罹患した関節)から得られた体液、又は皮膚スワブ若しくは粘膜表面でありうる。
試料はまた、あらゆる臓器又は組織(腫瘍生検などの生検検体又は剖検検体を含む)から得られた試料の場合もあり、細胞(初代細胞であれ、培養細胞であれ)又は、あらゆる細胞、組織、若しくは臓器により条件付けられた培地を含む場合もある。例示的試料は、限定せずに述べると、細胞、細胞溶解物、血液スミア、細胞遠心分離調製物、細胞診スミア、体液(例えば、血液、血漿、血清、唾液、痰、尿、気管支肺胞洗浄液、精液など)、組織生検(例えば、腫瘍生検)、細針吸引物、及び/又は組織切片(例えば、クリオスタット組織切片及び/又はパラフィン包埋組織切片)を含む。他の例では、試料は、循環腫瘍細胞(細胞表面マーカーにより同定されうる)を含む。特定の例では、試料は、直接(例えば、採取したての試料又は凍結試料)使用されるか、又は、使用の前に、例えば、固定(例えば、ホルマリンを使用する)により、かつ/若しくは蝋中に包埋することにより(ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料など)操作されうる。対象から組織を得る、あらゆる方法の活用が可能であり、使用される方法の選択は、組織の種類、対象の年齢、又は検査従事者に利用可能な手順など、多様な因子に依存することが理解されるであろう。当技術分野では、このような試料を収集するための標準的技法が利用可能である。
他の実施形態では、試料は、水、土壌などの環境試料、又は工業用表面若しくは医療用表面などの表面でありうる。
本明細書で開示される実施形態による感度の増大のために、ある特定の例示的実施形態では、アッセイ及び方法は、粗試料に対して試行される場合もあり、検出される標的分子が、試料から、さらに分画又は精製されない試料に対して試行される場合もある。
試料の抽出
典型的な試料の抽出では、細胞は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,494,771号において記載されている通り、標的生物を溶解させるように、ガラス製ビーズを伴う機械的せん断により溶解させられる。国際公開第WO03/008636号において開示されている通り、このような一般的細胞溶解法は、多種多様な標的生物及び検体マトリックスのために効率的である。また、ある特定の種又は生物群をターゲティングするように、特化してデザインされるか、又は特異的酵素活性若しくは化学活性を利用する、他の、それほど汎用ではない溶解法も存在する。例えば、ACP酵素は、グラム陽性菌(Ezaki et al., J. Clin. Microbiol., 16(5):844-846 (1982);Paule et al., J. Mol. Diagn., 6(3):191-196 (2004);米国特許第3,649,454号;全てが、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる)及びマイコバクテリア(参照によりその全体において組み込まれる、米国特許第5,185,242号)を溶解させるのに、一般に使用されるが、大腸菌及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(参照によりその全体において組み込まれる、米国特許第3,649,454号)など、グラム陰性種の溶解に関しては、それほど有効ではないと、一般に考えられる。
核酸検査
本明細書で記載される方法は、例えば、核酸検査を含みうる。例えば、検査は、試料中の標的核酸配列についての検査を含みうる。本明細書で開示される実施形態では、核酸増幅を伴う検査を含むがこれらに限定されない、多様な形態の核酸検査が使用されうる。標的核酸(例えば、gDNA、mRNA)は、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もある。標的核酸の供給源は、あらゆる供給源(例えば、あらゆる試料)でありうる。一部の実施形態では、標的核酸は、細菌核酸(例えば、細菌のゲノムDNA(gDNA)又はmRNA)である。このように、本明細書で提示される組成物及び方法は、核酸集団内の(例えば、試料中の)、細菌核酸の存在を検出するために利用されうる。
本明細書では、試料中の標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)を検出するための組成物及び方法であって、前記標的核酸を、高感度で検出しうる組成物及び方法が提示される。一部の実施形態では、本明細書で提示される組成物及び方法は、複数種の核酸(標的核酸と、複数種の非標的核酸とを含む)を含む試料中に存在する標的核酸を検出するのに使用される場合があり、この場合、標的核酸は、107種の非標的核酸当たり1つ又は複数のコピー(例えば、106種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、105種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、104種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、103種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、102種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、50種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、20種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、10種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、又は5種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー)で存在する。一部の実施形態では、開示される方法は、複数種の核酸(標的核酸と、複数種の非標的核酸とを含む)を含む試料中に存在する標的核酸を検出するのに使用される場合があり、この場合、標的核酸は、1018種の非標的核酸当たり1つ又は複数のコピー(例えば、1015種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、1012種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、109種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、106種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、105種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、104種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、103種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、102種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、50種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、20種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、10種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー、又は5種の非標的核酸当たり1つ若しくは複数のコピー)で存在する。
一部の実施形態では、試料中の、開示される標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)を検出する方法のための検出閾値は、10nM又はこれ未満である。本明細書で使用される、「検出閾値」という用語は、検出が生じるために、試料中に存在しなければならない標的核酸の最小量について記載する場合がある。したがって、例示的な例として述べると、検出閾値が、10nMである場合、シグナルは、標的核酸が、試料中に、10nM又はこれを超える濃度で存在する場合に検出されうる。一部の実施形態では、検出閾値(開示される方法において、標的核酸を検出するための)は、500fM~1nM(例えば、500fM~500pM、500fM~200pM、500fM~100pM、500fM~10pM、500fM~1pM、800fM~1nM、800fM~500pM、800fM~200pM、800fM~100pM、800fM~10pM、800fM~1pM、1pM~1nM、1pM~500pM、1pM~200pM、1pM~100pM、若しくは1pM~10pM、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)(ここで、濃度は、標的核酸が検出されうる、標的核酸の閾値濃度を指す)の範囲にある。一部の実施形態では、開示される方法は、800fM~100pMの範囲の検出閾値を有する。一部の実施形態では、開示される方法は、1pM~10pMの範囲の検出閾値を有する。一部の実施形態では、開示される方法は、10fM~500fM、例えば、10fM~50fM、50fM~100fM、100fM~250fM、若しくは250fM~500fM、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲の検出閾値を有する。
一部の実施形態では、標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)が、試料中で検出されうる最小濃度は、500fM~1nM(例えば、500fM~500pM、500fM~200pM、500fM~100pM、500fM~10pM、500fM~1pM、800fM~1nM、800fM~500pM、800fM~200pM、800fM~100pM、800fM~10pM、800fM~1pM、1pM~1nM、1pM~500pM、1pM~200pM、1pM~100pM、若しくは1pM~10pM、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)の範囲にある。一部の実施形態では、標的核酸が、試料中で検出されうる最小濃度は、800fM~100pMの範囲である。一部の実施形態では、標的核酸が、試料中で検出されうる最小濃度は、1pM~10pMの範囲である。
一部の実施形態では、検出閾値(開示される方法において、標的核酸を検出するための)は、1aM~1nM(例えば、1aM~500pM、1aM~200pM、1aM~100pM、1aM~10pM、1aM~1pM、100aM~1nM、100aM~500pM、100aM~200pM、100aM~100pM、100aM~10pM、100aM~1pM、250aM~1nM、250aM~500pM、250aM~200pM、250aM~100pM、250aM~10pM、250aM~1pM、500aM~1nM、500aM~500pM、500aM~200pM、500aM~100pM、500aM~10pM、500aM~1pM、750aM~1nM、750aM~500pM、750aM~200pM、750aM~100pM、750aM~10pM、750aM~1pM、1fM~1nM、1fM~500pM、1fM~200pM、1fM~100pM、1fM~10pM、1fM~1pM、500fM~500pM、500fM~200pM、500fM~100pM、500fM~10pM、500fM~1pM、800fM~1nM、800fM~500pM、800fM~200pM、800fM~100pM、800fM~10pM、800fM~1pM、1pM~1nM、1pM~500pM、1pM~200pM、1pM~100pM、若しくは1pM~10pM、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)(ここで、濃度は、標的核酸が検出されうる、標的核酸の閾値濃度を指す)の範囲にある。一部の実施形態では、開示される方法は、1aM~800aMの範囲の検出閾値を有する。一部の実施形態では、開示される方法は、50aM~1pMの範囲の検出閾値を有する。一部の実施形態では、開示される方法は、50aM~500fMの範囲の検出閾値を有する。
一部の実施形態では、標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)が、試料中で検出されうる最小濃度は、1aM~1nM(例えば、1aM~500pM、1aM~200pM、1aM~100pM、1aM~10pM、1aM~1pM、100aM~1nM、100aM~500pM、100aM~200pM、100aM~100pM、100aM~10pM、100aM~1pM、250aM~1nM、250aM~500pM、250aM~200pM、250aM~100pM、250aM~10pM、250aM~1pM、500aM~1nM、500aM~500pM、500aM~200pM、500aM~100pM、500aM~10pM、500aM~1pM、750aM~1nM、750aM~500pM、750aM~200pM、750aM~100pM、750aM~10pM、750aM~1pM、1fM~1nM、1fM~500pM、1fM~200pM、1fM~100pM、1fM~10pM、1fM~1pM、500fM~500pM、500fM~200pM、500fM~100pM、500fM~10pM、500fM~1pM、800fM~1nM、800fM~500pM、800fM~200pM、800fM~100pM、800fM~10pM、800fM~1pM、1pM~1nM、1pM~500pM、1pM~200pM、1pM~100pM、若しくは1pM~10pM、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)の範囲である。一部の実施形態では、標的核酸が、試料中で検出されうる最小濃度は、1aM~500pMの範囲である。一部の実施形態では、標的核酸が、試料中で検出されうる最小濃度は、100aM~500pMの範囲である。一部の実施形態では、本明細書で提示される組成物又は方法は、アットモル(aM)単位の検出感度を呈する。一部の実施形態では、対象の組成物又は方法は、フェムトモル(fM)単位の検出感度を呈する。一部の実施形態では、対象の組成物又は方法は、ピコモル(pM)単位の検出感度を呈する。一部の実施形態では、対象の組成物又は方法は、ナノモル(nM)単位の検出感度を呈する。
本明細書で使用される、核酸増幅とは、配列特異的方法を使用して、標的核酸配列若しくはその相補体又はこれらの断片の複数のコピーを得るための、公知のあらゆる手順を指す場合がある。公知の増幅法の例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)(例えば、複数の置換増幅(MDA))、レプリカーゼ媒介増幅、免疫-増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製(3SR)、ローリングサークル増幅、及び転写媒介増幅(TMA)を含むがこれらに限定されない。例えば、Mullis、「Process for Amplifying, Detecting,and/or Cloning Nucleic Acid Sequences」、米国特許第4,683,195号;Walker、「Strand Displacement Amplification」、米国特許第5,455,166号;Deanら、「Multiple displacement amplification」、米国特許第6,977,148号;Notomiら、「Process for Synthesizing Nucleic Acid」、米国特許第6,410,278号;Landegrenら米国特許第4,988,617号「Method of detecting a nucleotide change in nucleic acids」;Birkenmeyer、「Amplification of Target Nucleic Acids Using Gap Filling Ligase Chain Reaction」、米国特許第5,427,930号;Cashman、「Blocked-Polymerase Polynucleotide Immunoassay Method and Kit」、米国特許第5,849,478号;Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」、米国特許第5,399,491号;Malekら、「Enhanced Nucleic Acid Amplification Process」、米国特許第5,130,238号;Lizardi et al., BioTechnology, 6:1197 (1988);Lizardiら、米国特許第5,854,033号「Rolling circle replication reporter systems」を参照されたい。一部の実施形態では、前述の核酸増幅法のうちの、2種又はこれを超える核酸増幅法は、例えば、逐次的に実施されうる。
例えば、LCR増幅は、複数サイクルにわたる、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び変性を使用することにより、標的及びその相補鎖を増幅するのに、少なくとも4種の個別のオリゴヌクレオチドを使用する(欧州特許第0320308号)。SDAは、標的配列を含む、ヘミ修飾DNA二重鎖の1つの鎖をニッキングする制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位を含有するプライマーの使用に続く、一連のプライマー伸長ステップ及び鎖置換ステップにおける増幅により増幅する(Walkerらによる、米国特許第5,422,252号)。
PCRは、核酸を増幅するための、当技術分野で周知の方法である。PCRは、標的配列を挟む、2種又はこれを超える、伸長可能な配列特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使用する、標的配列の増幅を伴う。目的の標的配列を含有する核酸は、プライマー、熱安定的DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、及び多様なdNTPの存在下における、複数ラウンドにわたるサーマルサイクリング(変性、アニーリング、及び伸長)のプログラムにかけられる結果として、標的配列の増幅をもたらす。PCRは、DNA分子の規定領域の相補性鎖が、熱安定性DNAポリメラーゼにより同時に合成される、複数ラウンドにわたるプライマー伸長反応を使用する。各サイクルの終点において、新たに合成されたDNA分子の各々は、次のサイクルのための鋳型として作用する。これらの反応ラウンドの反復の間、新たに合成されたDNA鎖の数は、初期鋳型であるDNAが、20~30の反応サイクルの後に、数千倍又は数百万倍に複製されているように、指数関数的に増大する。異なる種類及び方式のPCRを実行するための方法については、文献において、例えば、各参考文献の内容が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、“PCR Primer: A Laboratory Manual” Dieffenbach and Dveksler, eds. Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995において、特許(例えば、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,800,159号)、及び学術刊行物(例えば、Mullis et al. 1987, Methods in Enzymology, 155:335-350)において、Mullisらにより余すところなく記載されている。
PCRは、増幅後加工に適する二本鎖増幅産物をもたらしうる。所望の場合、増幅産物は、アガロースゲル電気泳動を伴う視覚化により検出される場合もあり、プローブベースの比色検出を使用する、酵素免疫アッセイフォーマットによる場合もあり、蛍光発光技術による場合もあり、当業者に公知である、他の検出手段による場合もある。
多種多様なPCR法については、多くの典拠、例えば、Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, Section 15, John Wiley & Sons, Inc., New York (1994)において記載されている。PCR法の例は、リアルタイムPCR、エンドポイントPCR、AFLP-PCR(amplified fragment length polymorphism PCR)、Alu-PCR、非対称PCR、コロニーPCR、DD-PCR、変性PCR、ホットスタートPCR、in situ PCR、インバースPCR、長鎖PCR、マルチプレックスPCR、ネステッドPCR、PCR-ELISA、PCR-RFLP、PCR-SSCP(PCR-single strand conformation polymorphism)、定量的競合PCR(QC-PCR)、RACE-PCR(rapid amplification of cDNA ends-PCR)、RAPD-PCR(Random Amplification of Polymorphic DNA-PCR)、リアルタイムPCR、Rep-PCR(Repetitive extragenic palindromic-PCR)、逆転写酵素PCR(RT-PCR)、TAIL-PCR、タッチダウンPCR及びVectorette PCRを含むがこれらに限定されない。
定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(QRT-PCR)ともまた呼ばれる、リアルタイムPCRは、所与の核酸分子のうちの特異的部分を、同時に定量及び増幅するのに使用されうる。PCRは、特異的配列が、試料中に存在するのかどうかを決定し;存在する場合、存在する配列のコピー数を決定するのに使用されうる。「リアルタイム」という用語とは、PCR時における、定期的モニタリングを指す場合がある。ABI 7700 Sequence Detection System及びABI 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems、Foster City、Calif)など、ある特定のシステムは、各熱サイクルの間の、あらかじめ決定されるか、又は使用者により規定された時点において、モニタリングを行う。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)プローブを伴うPCRによるリアルタイム解析は、サイクル間の蛍光染料シグナルの、好ましくは、あらゆる内部対照シグナルを差し引いた変化を測定する。リアルタイム手順は、PCRの一般的パターンに従うが、核酸は、各増幅ラウンドの後で定量される。定量法の2つの例は、二本鎖DNAへと挿入される蛍光染料(例えば、SYBRGreen)、及び相補性DNAとハイブリダイズすると蛍光発光する、修飾DNAオリゴヌクレオチドプローブの使用である。挿入剤は、結合しなかった場合に、比較的低度の蛍光を発し、二本鎖核酸に結合すると、比較的高度の蛍光を発する。このように、挿入剤は、核酸増幅反応中における、二本鎖核酸の蓄積をモニタリングするのに使用されうる。本明細書で開示される実施形態において有用である、このような非特異的染料の例は、SYBRGreenI(Molecular Probes)、ヨウ化プロピジウム、臭化エチジウムなどの挿入剤を含む。
糞便試料は、複数の生物に感染していることが多い。開示されるプライマー及びプローブは、糞便の混合感染に耐性である。特異的標的配列、プライマー、及びプローブのために、本明細書で開示される方法及び組成物は、試料中における、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在/非存在又はレベルを、高感度、高特異度、及び高精度で検出するのに使用されうる。
本明細書で開示されるプライマーは、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を検出するためのアッセイパネルをもたらし、全体的なアッセイの感度及び頑健性を改善するように、均一の化学反応プロファイル及び熱的PCRプロファイルを使用する、さらなるPCRシステムとペアリングされうる。
一部の実施形態では、マルチプレックスPCRは、例えば、直接的手段又は間接的手段により、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を増幅し、これらの存在又は非存在を検出して、1回の検査を使用する、コレラの診断を可能とするように実施される。マルチプレックスPCRでは、コレラ菌の存在又は非存在は、ompW遺伝子を増幅し、これらの存在又は非存在を検出することにより決定される場合があり;コレラ菌血清群O1の存在又は非存在は、rfbN遺伝子を増幅し、これらの存在又は非存在を検出することにより決定される場合があり;コレラ菌血清群O139の存在又は非存在は、wbfR遺伝子を増幅し、これらの存在又は非存在を検出することにより決定される場合があり;コレラ毒素をコードするコレラ菌の存在又は非存在は、ctxA(コレラ毒素)遺伝子を増幅し、これらの存在又は非存在を検出することにより決定されうる。
したがって、試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌を、検出及び/又は同定するための、一部の実施形態は、被検試料を用意するステップと;標準的核酸増幅条件下、及び/又は厳密なハイブリダイゼーション条件下において、試料を、(1)コレラ菌のompW遺伝子、(2)コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子、(3)コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子、及び(4)コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子に特異的にハイブリダイズし、これを増幅しうるオリゴヌクレオチドプライマー、並びに(1)コレラ菌のompW遺伝子、(2)コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子、(3)コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子、及び(4)コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドプローブと接触させるステップとを含む。本明細書で記載される通り、試料は、プライマー及びプローブの全てと、一度に接触させられる場合もあり、まず、プライマー及びプローブのうちの一部と接触させられ、その後、プライマー及びプローブの残りと接触させられる場合もある。
オリゴヌクレオチドプローブは、例えば、約10~約45ヌクレオチドの間の長さである場合があり、検出用部分(例えば、シグナル部分、検出用標識)を含みうる。一部の実施形態では、接触させるステップは、標的生物が試料中に存在する場合に、プライマーの、対応する標的遺伝子領域への特異的ハイブリダイゼーションを可能とする条件下において実施される。対応する標的遺伝子領域(被験試料中に存在する場合)に特異的に結合したプローブの存在及び/又は量は、決定が可能であり、結合したプローブは、試料中における、対応する標的生物の存在を指し示す。一部の実施形態では、結合したプローブの量は、試料中における、対応する標的生物の量を決定するのに使用される。
決定するステップは、接触させるステップの後で、in situハイブリダイゼーションを含むがこれに限定されない、当業者に公知である、あらゆる方法を使用して達成されうる。ハイブリッド二重鎖(すなわち、標的遺伝子領域に特異的に結合したプローブによる)の検出は、多数の方法によりにより実行されうる。典型的に、ハイブリダイゼーション二重鎖を、ハイブリダイズしなかった核酸から分離し、次いで、二重鎖に結合した標識を検出する。このような標識は、当技術分野において標準的に使用される、放射性タグ若しくは放射性標識、蛍光タグ若しくは蛍光標識、生物学的タグ若しくは生物学的標識、又は酵素タグ若しくは酵素標識を指す。標識は、オリゴヌクレオチドプローブへとコンジュゲートされる場合もあり、生体試料に由来する核酸へとコンジュゲートされる場合もある。当業者は、洗浄ステップが、過剰な試料/標的核酸又はオリゴヌクレオチドプローブ(並びに該当する場合、結合しなかったコンジュゲート)を洗い流すのに利用されうることを理解するであろう。さらに、標準的異種アッセイフォーマットは、オリゴヌクレオチドプライマー上及びプローブ上に存在する標識を使用して、ハイブリッドを検出するために適する。1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、前記単位複製配列を、複数種のオリゴヌクレオチドプローブと接触させるステップを含みうる。複数種のオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種は、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む。一部の実施形態では、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、例えば、プローブからの検出用シグナルなどの検出用シグナルの測定を含む。
一部の実施形態では、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、例えば、プローブからの検出用シグナルなどの検出用シグナルの測定(例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断の後において)を含む。1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、例えば、プローブからの検出用シグナルなどの検出用シグナルの測定を含みうる。一部の実施形態では、測定は、例えば、検出されるシグナルの量が、試料中に存在する、標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)の量を決定するのに使用されうるという意味において、定量的でありうる。一部の実施形態では、測定は、例えば、検出用シグナルの存在又は非存在が、標的DNA(例えば、ウイルス、SNPなど)の存在又は非存在を指し示しうるという意味において、定性的でありうる。一部の実施形態では、標的DNA(例えば、ウイルス、SNPなど)が、特定の閾値濃度を上回って存在しない限りにおいて、検出用シグナル(例えば、所与の閾値レベルを上回る)は存在しないであろう。一部の実施形態では、開示される方法は、試料(例えば、標的核酸と、複数種の非標的核酸とを含む試料)中における、標的核酸(例えば、コレラ菌のompW遺伝子)の量を決定するのに使用されうる。試料中における、標的核酸の量の決定は、被検試料から発生した検出用シグナルの量の、参照試料から発生した検出用シグナルの量との比較を含みうる。試料中における、標的核酸の量の決定は、検出用シグナルを測定して、検査測定値を生成し;参照試料によりもたらされた検出用シグナルを測定して、参照測定値を生成し;検査測定値を、参照測定値と比較して、試料中に存在する、標的核酸の量を決定することを含みうる。試料中における、標的核酸の量の決定は、試料中における、前記標的核酸を含む生物の存在及び/又は量を導出するのに使用されうる。
一部の実施形態では、測定される検出用シグナルは、プローブの蛍光発光染料対によりもたらされる。例えば、一部の実施形態では、開示される方法は、単位複製配列を、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対若しくは消光剤/フルオロフォア対、又はこれらの両方を含むプローブと接触させるステップを含む。一部の実施形態では、開示される方法は、単位複製配列を、FRET対を含むプローブと接触させるステップを含む。一部の実施形態では、開示される方法は、単位複製配列を、フルオロフォア/消光剤対を含むプローブと接触させるステップを含む。
蛍光発光染料対は、FRET対、又は消光剤/フルオロフォア対を含む。FRET対、及び消光剤/フルオロフォア対のいずれの実施形態でも、染料のうちの一方の発光スペクトルは、対内の他の染料の吸収スペクトルの領域と重複する。本明細書で使用される、「蛍光発光染料対」という用語は、それらの用語のいずれもが、下記でより詳細に論じられる、「蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対」及び「消光剤/フルオロフォア対」の両方を包含するように使用される、一般用語である。「蛍光発光染料対」という用語は、「FRET対及び/又は消光剤/フルオロフォア対」という語句と互換的に使用される。
一部の実施形態では(例えば、プローブが、FRET対を含む場合)、プローブは、切断される前における、検出用シグナルの量をもたらし、プローブが切断されると、測定される検出用シグナルの量は、低減される。一部の実施形態では、プローブは、切断される前における、第1の検出用シグナル(例えば、FRET対からの)と、プローブが切断された場合における、第2の検出用シグナル(例えば、消光剤/フルオロフォア対からの)とをもたらす。このように、一部の実施形態では、プローブは、FRET対、及び消光剤/フルオロフォア対を含む。
一部の実施形態では、プローブは、FRET対を含む。FRETとは、励起状態のフルオロフォアから、近接する第2の発色団へと、無放射のエネルギー移動が生じる過程である。エネルギー移動が生じうる範囲は、約10ナノメートル(100オングストローム)に限定され、移動の効率は、フルオロフォア間の隔離距離に対して、極めて高感度である。したがって、本明細書で使用される、「FRET」(「蛍光共鳴エネルギー移動」;「フェルスター共鳴エネルギー移動」としてもまた公知である)という用語は、ドナーの発光スペクトルが、アクセプターの励起スペクトルと重複するように選択され、かつ、エネルギーの一部は、量子カップリング効果を介して、ドナーから、アクセプターへと受け渡されるので、ドナーと、アクセプターとが、互いに近接している(通例、10nm又はこれ未満に)場合に、ドナーの励起が、アクセプターの励起及びアクセプターからの発光を引き起こすように、さらに選択された、ドナーフルオロフォアと、マッチするアクセプターフルオロフォアとを伴う物理現象を指す場合がある。したがって、FRETシグナルは、ドナー及びアクセプターについての近接性ゲージとして用いられ;それらが、互いに近接している場合に限り、シグナルが発生する。本明細書では、FRETドナー部分(例えば、ドナーフルオロフォア)及びFRETアクセプター部分(例えば、アクセプターフルオロフォア)は、併せて、「FRET対」と称される。
本明細書では、ドナー-アクセプター対(FRETドナー部分及びFRETアクセプター部分)は、「FRET対」又は「シグナルFRET対」と称される。したがって、一部の実施形態では、一方のシグナルパートナーが、FRETドナー部分であり、他方のシグナルパートナーが、FRETアクセプター部分である場合、プローブは、2つのシグナルパートナー(シグナル対)を含む。したがって、シグナルパートナーが、近接している場合(例えば、同じRNA分子上にある場合)、このようなFRET対(FRETドナー部分及びFRETアクセプター部分)を含むプローブは、検出用シグナル(FRETシグナル)を呈するが、パートナーが、隔てられている場合に(例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断の後において)、シグナルは、低減されるであろう(又は非存在であろう)。当業者には、FRETドナー部分及びFRETアクセプター部分(FRET対)が公知であり、あらゆる好都合なFRET対(例えば、あらゆる好都合な、ドナー部分と、アクセプター部分との対)が使用されうる。
一部の実施形態では、シグナル消光対のうちの、一方のシグナルパートナーは、検出用シグナルをもたらし、他方のシグナルパートナーは、第1のシグナルパートナーの検出用シグナルを消光させる、消光部分である(例えば、シグナルパートナーが、互いに近接している場合、例えば、シグナル対のシグナルパートナーが近接している場合に、消光部分は、シグナル部分からのシグナルが低減される(消光させられる)ように、シグナル部分のシグナルを消光させる)。
例えば、一部の実施形態では、プローブが切断されると、検出用シグナルの量は増大する。例えば、一部の実施形態では、例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性による切断の前に、両方が、同じssDNA分子上に存在する場合に、一方のシグナルパートナー(シグナル部分、蛍光発光部分)により呈されるシグナルは、他方のシグナルパートナー(消光剤シグナル部分、蛍光消光部分)により消光させられる。本明細書では、このようなシグナル対は、「消光剤/フルオロフォア対」、「消光対」、又は「シグナル消光対」と称される。例えば、一部の実施形態では、一方のシグナルパートナー(例えば、第1のシグナルパートナー)は、第2のシグナルパートナー(例えば、消光部分)により消光させられる、検出用シグナルをもたらすシグナル部分である。したがって、このような消光剤/フルオロフォア対のシグナルパートナーは、パートナーが隔てられている場合に(例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性による、プローブの切断の後に)は、検出用シグナルをもたらすであろうが、パートナーが近接している場合に(例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断の前に)は、シグナルは消光させられるであろう。
消光部分は、シグナル部分からのシグナル(例えば、PCRポリメラーゼ(例えば、Taq)の5’-3’エクソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断の前における)を、様々な程度で消光させうる。一部の実施形態では、消光部分の存在下で(シグナルパートナーが、互いに近接している場合に)検出されるシグナルが、消光部分の非存在下で(シグナルパートナーが隔てられている場合に)検出されるシグナルの、95%又はこれ未満である場合、消光部分は、シグナル部分からのシグナルを消光させている。例えば、一部の実施形態では、消光部分の存在下で検出されるシグナルは、消光部分の非存在下で検出されるシグナルの、90%若しくはこれ未満、80%若しくはこれ未満、70%若しくはこれ未満、60%若しくはこれ未満、50%若しくはこれ未満、40%若しくはこれ未満、30%若しくはこれ未満、20%若しくはこれ未満、15%若しくはこれ未満、10%若しくはこれ未満、又は5%若しくはこれ未満でありうる。一部の実施形態では、消光部分の存在下では、シグナル(例えば、バックグラウンドを上回るシグナル)は、検出されない。
一部の実施形態では、消光部分の非存在下で(シグナルパートナーが隔てられている場合に)検出されるシグナルは、消光部分の存在下で(シグナルパートナーが、互いに近接している場合に)検出されるシグナルより、少なくとも1.2倍大きい(例えば、少なくとも1.3倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.7倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、若しくは少なくとも50倍大きい、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲の倍数)である。
一部の実施形態では、シグナル部分は、蛍光標識である。一部のこのような実施形態では、消光部分は、蛍光標識からのシグナル(例えば、光シグナル)を消光させる(例えば、標識の発光スペクトル内で、エネルギーを吸収することにより)。したがって、消光部分が、シグナル部分と近接しない場合、シグナルは、消光部分により吸収されないため、蛍光標識からの発光(シグナル)は、検出可能である。あらゆる好都合なドナー/アクセプター対(シグナル部分/消光部分対)の使用が可能であり、当技術分野では、多くの適切な対が公知である。
一部の実施形態では、消光部分は、シグナル部分(本明細書ではまた、「検出用標識」又は「検出用部分」とも称される)からエネルギーを吸収し、次いで、シグナル(例えば、異なる波長の光)を発する。したがって、一部の実施形態では、消光部分は、それ自体、シグナル部分(例えば、シグナル部分が、6-カルボキシフルオレセインであるのに対し、消光部分は、6-カルボキシ-テトラメチルローダミンでありうる)であり、一部のこのような実施形態では、対はまた、FRET対でもありうるであろう。一部の実施形態では、消光部分は、ダーククエンチャーである。ダーククエンチャーは、励起エネルギーを吸収することが可能であり、エネルギーを、異なる形で(例えば、熱として)散逸させうる。したがって、ダーククエンチャーは、それ自体では、最小~ゼロの蛍光をもたらす(蛍光を発しない)。
一部の実施形態では、プローブの切断は、比色リードアウトを測定することにより検出されうる。例えば、フルオロフォアの遊離(例えば、FRET対からの遊離、消光剤/フルオロフォア対からの遊離など)は、検出用シグナルの波長シフト(かつ、これによる、色シフト)を結果としてもたらしうる。したがって、一部の実施形態では、プローブの切断は、色シフトにより検出されうる。このようなシフトは、1つの色(波長)のシグナル量の喪失、別の色のシグナル量の獲得、1つの色から別の色への配分の変化などとして表されうる。
本明細書では、5つの遺伝子標的を同時に検出することが可能である、マルチプレックスリアルタイムPCRのための方法及び組成物であって、コレラ菌の検出、血清型分類、及びコレラ毒素の検出の全てを、単一の反応において達しうる方法及び組成物が開示される。一部の実施形態では、試料中のコレラ菌を検出する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、前記試料を、複数種のプライマー対と接触させるステップを含み、この場合、複数種のプライマー対は、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及びコレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対を含む。方法は、前記試料が、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を含む場合に、ompW遺伝子配列の単位複製配列、rfbN遺伝子配列の単位複製配列、wbfR遺伝子配列の単位複製配列、ctxA遺伝子配列の単位複製配列、又はこれらのあらゆる組合せを作出するステップを含みうる。方法は、前記試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在の指標としての、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。方法は、試料を、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対と接触させるステップであって、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーが、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含むステップ;及び前記試料が、大腸菌を含む場合に、前記試料に由来する大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列を作出するステップ;及び前記試料中の、大腸菌の存在の指標としての、大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列の存在又は量を決定するステップを含みうる。一部の実施形態では、試料は、複数種のプライマー対と、大腸菌のyaiO遺伝子とハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対とを含む組成物と接触させられる。
試料は、生体試料又は環境試料でありうる。環境試料は、食品試料、飲料試料、紙表面、布表面、金属表面、木材表面、プラスチック表面、土壌試料、淡水試料、廃水試料、塩水試料、大気若しくは他の気体試料への曝露、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られうる。生体試料は、組織試料、唾液、血液、血漿、血清、糞便、尿、痰、粘液、リンパ、滑液、脳脊髄液、腹水、胸水、血清腫、膿、皮膚のスワブ若しくは粘膜表面、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られうる。一部の実施形態では、生体試料は、糞便試料を含むか、又はこれに由来する。
複数種のプライマー対は、配列番号1、3、5、又は7の配列を含む第1のプライマー、配列番号2、4、6、又は8の配列を含む第2のプライマー、配列番号12、14、16、又は18の配列を含む第3のプライマー、配列番号13、15、17、又は19の配列を含む第4のプライマー、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含む第5のプライマー、配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含む第6のプライマー、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含む第7のプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含む第8のプライマーを含みうる。複数種のプライマー対は、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含む第9のプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含む第10のプライマーを含みうる。
一部の実施形態では、コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号1及び2、配列番号3及び4、配列番号5及び6、又は配列番号7及び8であり;コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号12及び13、配列番号14及び15、配列番号16及び17、又は配列番号18及び19であり;コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号24及び25、配列番号26及び27、配列番号28及び29、配列番号30及び31、又は配列番号32及び33であり;コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対は、配列番号39及び40、配列番号41及び42、配列番号43及び44、配列番号45及び46、又は配列番号47及び48である。一部の実施形態では、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能な対照プライマー対は、配列番号53及び54、配列番号55及び56、配列番号57及び58、配列番号59及び60、又は配列番号61及び62である。
一部の実施形態では、前記増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、レプリカーゼ媒介増幅、免疫増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製(3SR)、ローリングサークル増幅、及び転写媒介増幅(TMA)からなる群から選択される方法を使用して実行される。PCRは、リアルタイムPCRでありうる。PCRは、定量的リアルタイムPCR(QRT-PCR)でありうる。各プライマーは、外因性ヌクレオチド配列を含みうる。
一部の実施形態では、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップは、単位複製配列を、複数種のオリゴヌクレオチドプローブと接触させるステップを含み、この場合、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数若しくは範囲)を呈する配列を含む。複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含みうる。複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなりうる。各プローブは、5’末端における相補性配列と、3’末端における相補性配列とにより挟まれうる。一部の実施形態では、相補性配列のうちの1種は、蛍光発光部分を含み、他の相補性配列は、蛍光消光部分を含む。一部の実施形態では、複数種のオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種は、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む。
本明細書で記載される通り、増幅は、リアルタイムPCR、例えば、定量的リアルタイムPCR(QRT-PCR)により実行されうる。本明細書で記載される方法及び組成物における使用に適するプライマーは、増幅自体に対して、著明な影響を及ぼさずに、増幅生成物の増幅後操作を可能とする、外因性ヌクレオチド配列を含みうる。一部の実施形態では、プライマー及び/又はプローブは、5’末端におけるフルオロフォアと、3’末端における蛍光消光剤とを含む相補性配列により挟まれうる。
本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドプローブのうちのいずれも、蛍光発光部分、蛍光消光部分、又はこれらの両方を含みうる。
本明細書では、自動化に適し、これにより、試料中における、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の検出及び/又は定量のための、ハイスループット選択肢をもたらす方法が開示される。多様なマルチプレックスPCRプラットフォーム、例えば、BD MAX(商標)プラットフォーム、Viper(商標)プラットフォーム、又は Viper(商標)LTプラットフォームは、開示される方法の、1つ又は複数のステップを実施するのに使用されうる。方法は、マルチプレックス方式で実施されうる。例えば、核酸の増幅及び/又は検出は、一部の実施形態では、マルチプレックスPCRの実施を含む。
以下の実施例は、本技術が適用されうる、特定の状況及び設定を裏付けるために提示されるものであり、本開示に含まれる、本発明の範囲、及び特許請求の範囲を制限することは意図されない。
(実施例1)
コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のマルチプレックス検出
本実施例において記載される研究は、BD MAX完全自動化システム上における、本明細書で提示される組成物及び方法の実装の実例について記載する。本明細書で開示される組成物及び方法はまた、例えば、ABI 7500など、他のリアルタイムPCR測定器上においても実施されうる。
材料及び方法
合計63の細菌株を、本明細書で提示されるマルチプレックスPCRプライマー/プローブの組合せを検証するために使用したが、これらの株を、表4に提示する。これらの分離株は、コレラ菌(n=22)、V.パラヘモリティクス(V.parahaemolyticus)(n=19)、V.フルウィアリス(V.fluvialis)(n=1)、V.アルギノリティクス(V.alginolyticus)、(n=1)、V.ミミクス(V.mimicus)(n=1)、V.ウルニフィクス(V.vulnificus)(n=1)、エロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)(n=1)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesinomonas shigelloides)(n=1)、下痢原性大腸菌(n=8)、サルモネラ属(Salmonella)種(n=6)、及びシゲラ属(Shigella)種(n=2)を含んだ。本研究で使用された、2つの対照株は、(i)コレラ菌N16961株:O1型;(ii)コレラ菌MO45株:O139型であった。これらの株の全ては、中国国立CDCにより提供された。
Figure 2023547442000016
Figure 2023547442000017
本研究では、BD MAX(商標)ExK(商標)TNA-2 抽出キットと、5X qPCR Mastermixとを利用した。
コレラ菌マルチプレックス検出アッセイ(BDM-VC)のためにターゲティングされた遺伝子は、ompW、ctxA、rfbN、及びwbfRであり、大腸菌yaiO遺伝子は、内部対照として選択された。これらの遺伝子配列は、NCBIのnrデータベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nucleotide/)に寄託された、利用可能な配列のアライメントに基づいた。全てのプライマー及びプローブは、Beacon Designer V8.20を使用してデザインし、全ては、Sangon Biotech(Shanghai、China)により合成された。NCBI BLASTnは、特異度及び感度を、コンピュータにより点検するのに使用した。
糞便試料から、DNAを抽出するために、糞便試料(スパイク試料及び臨床試料)を、ボルテックスし、各試料につき50ulずつのアリコートを、BD MAX試料緩衝液用試験管へと添加した。BD MAX ExK TNA-2抽出キットを使用する、BD MAX上におけるDNAの自動化抽出は、キットの指示書に従い行った。
マルチプレックスPCR反応のために、12.5ulのPCR反応混合物を、本明細書で開示されるプライマー/プローブの組合せを、表5に表示の作業濃度で含む、各円錐形試験管内で調製した。試料加工対照(SPC)は、大腸菌のyaiO遺伝子を含みうる。
Figure 2023547442000018

12.5ulの混合物を含有する円錐形試験管を、BD MAX TNA抽出用ストリップへと、スナップ固定する。最終PCR反応混合物を、BD MAXにより、上記で記載された通りに調製された、12.5ulの精製DNAを、上記の円錐形試験管へと自動的に添加し、混合することにより調製した。PCR熱サイクリングプロファイルは、以下の通り:95℃で、5分間にわたる変性;並びに95℃で、15秒間にわたる変性、60℃で、43秒間にわたるアニーリング及び伸長の40サイクルであった。
増幅効率試験
表6に示される通り、本明細書で提示されるプライマー/プローブの組合せは、本明細書で開示されるマルチプレックスPCR法で使用したところ、N16961株又はMO45株とスパイクされた糞便試料中の、ompW、rfbN、wbfR、及びctxAについて、優れた増幅効率をもたらした。
Figure 2023547442000019

解析感度試験
最適化されたマルチプレックスPCRの検出限界を推定するために、10ulのコレラ菌株である、N16961及びMO45の培養物懸濁液を、50ulの陰性糞便検体とスパイクし、抽出の前にボルテックスした。これらを、3回の独立の試行について、2.5マクファーランド標準から出発して、6つの異なる細菌濃度で試行1回当たり5連の反復で調べた。標準的なプレート計数手順を使用して、コロニーの計数を実施した。閾値サイクルであるCT値が観察された、最大の10倍希釈液を、3つの2倍希釈系列(1:2、1:4、及び1:8)でさらに希釈して、CT値が検出される、最低濃度を見出した。CT値をもたらす最低濃度を、12連の反復において調べて、表7に提示される通りに、アッセイの検出限界(LoD)を決定した。本明細書で提示されるプライマー/プローブの組合せを使用して、各標的について、頑健な解析感度が観察された。
Figure 2023547442000020

解析特異度試験
陽性対照分離株及び陰性対照分離株のパネル(表4)から抽出された被験DNAにより、解析特異度を測定した。このパネルは、標的種に近縁であるか、又は下痢患者の糞便試料中に、一般に見出され、培養法を使用して同定された、広範にわたる病原性分離株を表す、63の対照分離株からなった(表4)。アッセイは、コレラ菌分離株の全てを、正確に検出し、非標的分離株との交差反応は見られなかった(表8)。本明細書で提示されるプライマー/プローブの組合せを使用して、各標的について、頑健な解析特異度が観察された。
Figure 2023547442000021
Figure 2023547442000022
用語法
既に記載された実施形態のうちの少なくとも一部では、実施形態において使用された、1つ又は複数の要素は、このような置きかえが、技術的に実施不可能でないない限りにおいて、別の実施形態でも、互換的に使用されうる。当業者により、特許請求された主題の範囲から逸脱しない限りにおいて、上記で記載された方法及び構造に対して、他の多様な省略、追加、及び改変がなされうることが理解されるであろう。全てのこのような改変及び変化は、付属の特許請求の範囲により規定される主題の範囲内に収まることが意図される。
本明細書における、実質的にあらゆる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は適用に応じて、複数形から、単数形へと言い換えることもでき、かつ/又は単数形から、複数形へと言い換えることもできる。本明細書では、明確さのために、多様な単数形/複数形の並べ替えが明示される場合がある。本明細書及び付属の特許請求の範囲で使用される通り、文脈により、そうでないことが指示されない限りにおいて、単数形の「a(ある)」、「an(ある)」、及び「その」は、複数形の指示対象を含む。そうでないことが言明されない限りにおいて、本明細書における、「又は」に対する、あらゆる言及は、「及び/又は」を包含することが意図される。
当業者により、一般に、本明細書で使用され、とりわけ、付属の特許請求の範囲(例えば、付属の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に、「オープン」な用語として意図される(例えば、「~を含むこと」という用語は、「~を含むがこれらに限定されないこと」として解釈されるものとし、「~を有すること」という用語は、「少なくとも、~を有すること」として解釈されるものとし、「~を含む」という用語は、「~を含むがこれらに限定されない」として解釈されるものとするなどである)ことが理解されるであろう。当業者により、導入される請求項の具体的番号の言明が意図される場合、このような意図は、特許請求の範囲において明示的に言明され、このような言明の非存在下では、このような意図も存在しないことがさらに理解されるであろう。例えば、理解の一助として、以下の付属の特許請求の範囲は、請求項の言明を導入するのに、「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」という、導入句の使用を含有しうる。しかし、このような語句の使用は、同じ請求項が、「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」という導入句、及び「a(ある)」又は「an(ある)」などの不定冠詞(例えば、「a(ある)」及び/又は「an(ある)」は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味するように解釈されるものとする)を含む場合であってもなお、不定冠詞である、「a(ある)」又は「an(ある)」による請求項の言明の導入が、このような請求項の言明の導入を含有する、あらゆる特定の請求項を、1項だけのこのような言明を含有する実施形態へと限定することを含意するように見なされるべきではなく;同じことは、請求項の言明を導入するのに使用される、定冠詞の使用についても当てはまる。加えて、導入される請求項の具体的番号の言明が、明示的になされる場合であってもなお、当業者は、このような言明が、少なくとも言明された番号を意味するように解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語を伴わない、「2項の言明」だけの言明は、少なくとも2項の言明、又は2項又はこれを超える請求項の言明を意味する)。さらに、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つなど」と類似の慣用法が使用される場合、一般に、このような構築は、当業者が、慣用法(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AとBとを併せて、AとCとを併せて、BとCとを併せて有し、かつ/又はAと、Bと、Cとを併せて有するシステムなどを含むがこれらに限定されないであろう)を理解する意味において意図される。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つなど」と類似の慣用法が使用される場合、一般に、このような構築は、当業者が、慣用法(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AとBとを併せて、AとCとを併せて、BとCとを併せて有し、かつ/又はAと、Bと、Cとを併せて有するシステムなどを含むがこれらに限定されないであろう)を理解する意味において意図される。当業者により、記載中であれ、特許請求の範囲中であれ、又は図面中であれ、2つ又はこれを超える、代替的用語を提示する、事実上あらゆる選言語及び/又は選言的語句は、用語のうちの1つ、用語のうちの一方、又は用語の両方を含む可能性を想定するように理解されるべきであることがさらに理解されるであろう。例えば、「A又はB」という語句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むように理解されるであろう。
加えて、本開示の特色又は態様が、マーカッシュ群との関係で記載される場合、当業者は、これにより、本開示はまた、マーカッシュ群のいずれかの個別のメンバー、又はメンバーの亜群との関係でも記載されることを認識するであろう。
当業者により理解される通り、ありとあらゆる目的について、例えば、書面による記載を提供することに関して、本明細書で開示される、全ての範囲はまた、ありとあらゆる可能な部分範囲、並びにこれらの部分範囲の組合せも包含する。列挙される、あらゆる範囲は、同じ範囲について十分に記載し、これらが、少なくとも同等の2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などへと分割されることを可能とするものとして、容易に認識されうる。非限定例として述べると、本明細書で論じられる各範囲は、下位の3分の1、中間の3分の1、及び上位の3分の1などへと、たやすく分割されうる。これもまた、当業者により理解される通り、「~以下」、「少なくとも」、「~を超える」、「~未満」などの、全ての表現は、列挙される数を含み、その後、上記で論じられた部分範囲へと分割されうる範囲を指す。最後に、当業者により理解される通り、範囲は、各個別のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の品目を有する群とは、1、2、又は3個の品目を有する群を指す。同様に、1~5個の品目を有する群とは、1、2、3、4、又は5個の品目を有する群を指すなどである。
本明細書では、多様な態様及び実施形態について開示されているが、当業者には、他の態様及び実施形態も明らかであろう。本明細書では、例示を目的として、多様な態様及び実施形態が開示されるが、限定的であることは意図されず、真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲により指し示される。

Claims (50)

  1. 試料中のコレラ菌(V.cholerae)を検出する方法であって、
    前記試料を、複数種のプライマー対と接触させるステップであって、複数種のプライマー対が、
    コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;
    コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;
    コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及び
    コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対
    を含むステップ;
    前記試料が、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種を含む場合に、ompW遺伝子配列の単位複製配列、rfbN遺伝子配列の単位複製配列、wbfR遺伝子配列の単位複製配列、ctxA遺伝子配列の単位複製配列、又はこれらのあらゆる組合せを作出するステップ;並びに
    前記試料中の、コレラ菌、コレラ菌血清群O1、コレラ菌血清群O139、及びコレラ毒素をコードするコレラ菌のうちの1種又は複数種の存在の指標としての、1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップ
    を含む方法。
  2. 試料を、大腸菌(E.coli)のyaiO遺伝子とハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対と接触させるステップであって、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーが、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含むステップ;及び
    前記試料が、大腸菌を含む場合に、前記試料に由来する大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列を作出するステップ;及び
    前記試料中の、大腸菌の存在の指標としての、大腸菌のyaiO遺伝子配列の単位複製配列の存在又は量を決定するステップ
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 試料が、複数種のプライマー対と、大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対とを含む組成物と接触させられる、請求項2に記載の方法。
  4. 試料が、生体試料又は環境試料である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 環境試料が、食品試料、飲料試料、紙表面、布表面、金属表面、木材表面、プラスチック表面、土壌試料、淡水試料、廃水試料、塩水試料、大気若しくは他の気体試料への曝露、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られる、請求項4に記載の方法。
  6. 生体試料が、組織試料、唾液、血液、血漿、血清、糞便、尿、痰、粘液、リンパ、滑液、脳脊髄液、腹水、胸水、血清腫、膿、皮膚のスワブ若しくは粘膜表面、これらの培養物、又はこれらのあらゆる組合せから得られる、請求項4に記載の方法。
  7. 生体試料が、糞便試料を含むか、又はこれに由来する、請求項4に記載の方法。
  8. 複数種のプライマー対が、配列番号1、3、5、又は7の配列を含む第1のプライマー、配列番号2、4、6、又は8の配列を含む第2のプライマー、配列番号12、14、16、又は18の配列を含む第3のプライマー、配列番号13、15、17、又は19の配列を含む第4のプライマー、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含む第5のプライマー、配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含む第6のプライマー、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含む第7のプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含む第8のプライマーを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 複数種のプライマー対が、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含む第9のプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含む第10のプライマーを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対が、配列番号1及び2、配列番号3及び4、配列番号5及び6、又は配列番号7及び8であり;
    コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対が、配列番号12及び13、配列番号14及び15、配列番号16及び17、又は配列番号18及び19であり;
    コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対が、配列番号24及び25、配列番号26及び27、配列番号28及び29、配列番号30及び31、又は配列番号32及び33であり;
    コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能なプライマー対が、配列番号39及び40、配列番号41及び42、配列番号43及び44、配列番号45及び46、又は配列番号47及び48である、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能な対照プライマー対が、配列番号53及び54、配列番号55及び56、配列番号57及び58、配列番号59及び60、又は配列番号61及び62である、請求項2~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、レプリカーゼ媒介増幅、免疫増幅、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自己持続配列複製(3SR)、ローリングサークル増幅、及び転写媒介増幅(TMA)からなる群から選択される方法を使用して実行される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記PCRが、リアルタイムPCRである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記PCRが、定量的リアルタイムPCR(QRT-PCR)である、請求項12に記載の方法。
  15. 各プライマーが、外因性ヌクレオチド配列を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 1種又は複数種の単位複製配列の存在又は量を決定するステップが、単位複製配列を、複数種のオリゴヌクレオチドプローブと接触させることを含み、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなる、請求項17に記載の方法。
  19. 各プローブが、5’末端における相補性配列と、3’末端における相補性配列とにより挟まれている、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 相補性配列のうちの1種が、蛍光発光部分を含み、他の相補性配列が、蛍光消光部分を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種が、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 試料中のコレラ菌を検出するための組成物であって、
    コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号1~8の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;
    コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号12~19の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;
    コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号24~33の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対;及び
    コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対であって、前記少なくとも1種のプライマー対内の各プライマーが、配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号39~48の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、少なくとも1種のプライマー対
    を含む組成物。
  23. 大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対をさらに含み、前記少なくとも1種の対照プライマー対内の各プライマーが、配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つ、又は配列番号53~62の配列のうちのいずれか1つに対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、請求項22に記載の組成物。
  24. コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対が、配列番号1、3、5、又は7の配列を含むプライマー、及び配列番号2、4、6、又は8の配列を含むプライマーを含み;
    コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対が、配列番号12、14、16、又は18の配列を含むプライマー、及び配列番号13、15、17、又は19の配列を含むプライマーを含み;
    コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対が、配列番号24、26、28、30、又は32の配列を含むプライマー、及び配列番号25、27、29、31、又は33の配列を含むプライマーを含み;
    コレラ菌のctxA遺伝子にハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種のプライマー対が、配列番号39、41、43、45、又は47の配列を含むプライマー、及び配列番号40、42、44、46、又は48の配列を含むプライマーを含む、
    請求項22~23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 大腸菌のyaiO遺伝子とハイブリダイズすることが可能である、少なくとも1種の対照プライマー対が、配列番号53、55、57、59、又は61の配列を含むプライマー、及び配列番号54、56、58、60、又は62の配列を含むプライマーを含む、請求項23~24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブをさらに含み、複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列、又は配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、請求項22~25のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列を含む、請求項26に記載の組成物。
  28. 複数種のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、配列番号9~11、20~23、34~38、49~52、63~67からなる群から選択される配列からなる、請求項27に記載の組成物。
  29. 複数種のプローブのうちの少なくとも1種が、蛍光発光部分と、蛍光消光部分とを含む、請求項26~28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. コレラ菌のompW遺伝子にハイブリダイズすることが可能であり、配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、約100ヌクレオチド以下の長さのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  31. 配列番号1~11からなる群から選択される配列、又は配列番号1~11からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる、請求項30に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  32. 配列番号1~11からなる群から選択される配列を含む、請求項30に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  33. 配列番号1~11からなる群から選択される配列からなる、請求項30に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  34. コレラ菌血清群O1のrfbN遺伝子にハイブリダイズすることが可能であり、配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、約100ヌクレオチド以下の長さのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  35. 配列番号12~23からなる群から選択される配列、又は配列番号12~23からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる、請求項34に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  36. 配列番号12~23からなる群から選択される配列を含む、請求項34に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  37. 配列番号12~23からなる群から選択される配列からなる、請求項34に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  38. コレラ菌血清群O139のwbfR遺伝子にハイブリダイズすることが可能であり、配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、約100ヌクレオチド以下の長さのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  39. 配列番号24~38からなる群から選択される配列、又は配列番号24~38からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる、請求項38に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  40. 配列番号24~38からなる群から選択される配列を含む、請求項38に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  41. 配列番号24~38からなる群から選択される配列からなる、請求項38に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  42. コレラ菌のctxA(コレラ毒素)遺伝子にハイブリダイズすることが可能であり、配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、約100ヌクレオチド以下の長さのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  43. 配列番号39~52からなる群から選択される配列、又は配列番号39~52からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる、請求項42に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  44. 配列番号39~52からなる群から選択される配列を含む、請求項42に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  45. 配列番号39~52からなる群から選択される配列からなる、請求項42に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  46. 大腸菌のyaiO遺伝子にハイブリダイズすることが可能であり、配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列を含む、約100ヌクレオチド以下の長さのオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  47. 配列番号53~67からなる群から選択される配列、又は配列番号53~67からなる群から選択される配列に対する、少なくとも約85%の同一性を呈する配列からなる、請求項46に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  48. 配列番号53~67からなる群から選択される配列を含む、請求項46に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  49. 配列番号53~67からなる群から選択される配列からなる、請求項46に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー。
  50. 請求項30~49のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーのうちの、2種又はこれを超えるオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーを含む組成物。
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