JP2023546109A - Kitおよびpdgfra媒介疾患を処置するための組成物および方法 - Google Patents

Kitおよびpdgfra媒介疾患を処置するための組成物および方法 Download PDF

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ライドン,ニコラス
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Abstract

本開示は、式(I-0):JPEG2023546109000132.jpg6667の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を提供し、これらは、変異型KITおよびPDGFRαに関連する疾患および状態の処置に有用であり、変異型KITおよびPDGFRαに関連する疾患および状態の処置に有利な非脳透過プロファイルを示す。本開示はまた、消化管間質腫瘍および全身性肥満細胞症を処置するための方法を提供する。

Description

[001]本出願は、2020年10月14日出願の米国仮出願第63/091,486号に対する優先権を主張する。前述の出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
[002]本開示は、新規化合物、ならびに活性化KITおよびPDGFRα変異型プロテインキナーゼの選択的阻害剤としてのそれらの使用に関する。本明細書に開示される化合物は、例えば、慢性障害の処置などの医薬組成物において有用である。KIT受容体は、構造的に関連するタンパク質PDGFRαも含むクラスIII受容体チロシンキナーゼファミリーに属している。通常、幹細胞因子は、KITに結合し、二量体化と自己リン酸化を誘導することによってそれを活性化し、これにより、下流のシグナル伝達が開始される。しかし、いくつかの腫瘍タイプでは、KITの体細胞活性化変異が、急性骨髄性白血病、黒色腫、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、セミノーマ、消化管間質腫瘍などの腫瘍タイプを含む、リガンド非依存性の構成的発がん活性を促進する。変異型KITは、肥満細胞の活性化において役割を果たすことも知られており、これは一般的であり、おそらくメンテナンスに必要である。肥満細胞の活性化の障害は、肥満細胞が病的に過剰産生されている場合、またはそれらの活性化が恒常性に対する認識された脅威に比例していない場合に発生する。肥満細胞活性化症候群は、肥満細胞メディエーターの放出の結果として一時的多系統症状(episodic multisystem symptoms)を呈する多様な原因を伴う一群の障害を指す。肥満細胞症は、肥満細胞活性化症候群の一種である。世界保健機関(WHO)は、肥満細胞症を7つの異なるカテゴリー、すなわち、皮膚肥満細胞症、無痛性全身性肥満細胞症(ISM)、くすぶり型全身性肥満細胞症(SSM)、関連する血液腫瘍を伴う肥満細胞症(SM-AHN)、攻撃性全身性肥満細胞症(ASM)、肥満細胞白血病(MCL)、および肥満細胞肉腫に分類している。
[003]全身性肥満細胞症は、皮膚、骨髄、脾臓、肝臓、胃腸管、および他の器官における腫瘍性肥満細胞の限局性および/またはびまん性浸潤を伴う肥満細胞の負荷の増加、ならびに、肥満細胞メディエーターの放出の増加を特徴とする肥満細胞のクローン性障害である。SMには、肥満細胞症の5つのサブタイプ、すなわち、無痛性SM(ISM)、くすぶり型SM(SSM)、非MC系統の関連する血液腫瘍を伴うSM(SM-AHN)、攻撃的SM(ASM)、およびMC白血病(MCL)が含まれる。後者の3つの下位分類は、全生存期間の短縮に関連しており、進行性SM(AdvSM)としてグループ化されている。ISMは、正常またはほぼ正常な平均余命に関連する慢性障害であり、SSMの予後は中程度である。ISMおよびSSMは、非進行性SM(non-Adv SM)としてグループ化される。
[004]SMのすべてのサブタイプ、およびこの疾患を有する患者の大多数において、腫瘍性肥満細胞は、KITのエクソン17のD816位置に変異を示し、その結果、KITキナーゼ活性がリガンド非依存的に活性化される。野生型肥満細胞は、自身の分化および生存のためにKIT活性を必要とするため、D816V変異によるKITの構成的活性化は、SMの病原性ドライバーであると考えられている。具体的には、KIT D816V変異は、SM患者の90%~98%に見出され、まれにKITD816Y、D816F、およびD816Hバリアントが同定されている。これらの発見に基づいて、KIT D816Vは、SMの主要な治療標的と考えられている。
[005]慢性障害の無痛性SMおよびSSMは、そう痒、紅潮、胃腸けいれん、下痢、アナフィラキシー、骨痛、および骨粗鬆症などの重篤な症状を特徴とする。これらの症状は重篤な衰弱をもたらし、生活の質に悪影響を与える可能性がある。ISMまたはSSMの承認された治療法は、依然として存在しない。したがって、ISMまたはSSMを標的とする新しい治療法を発見することは有益であろう。
[006]変異型KITおよびPDGFRα阻害活性を有する化合物は、WO2015/057873、CN108191874、およびWO2019/034128に記載されている。当該技術分野で知られている化合物の化学構造は、本開示の化合物の化学構造とは異なる。
[007]さらに、変異型KITおよびPDGFRα阻害活性を有する化合物が当技術分野で開示されているが、これらの既知の化合物の特性は、本開示の化合物の特性とはかなり異なる。
[008]本開示の目的は、ISMおよびSSMなどの慢性障害および変異型KITもしくはPDGFRAによって媒介される他の疾患を安全かつ効果的に処置するための、変異型KITおよびPDGFRαキナーゼに対して高度に選択的で強力な活性を有する新規な化合物を提供することである。これらの障害、特に、ISMおよびSSMなどの慢性障害の処置においては、新しい治療法は忍容性が良好である必要がある。特に、他の既知のKITおよびPDGFRαの阻害剤に関連する望ましくないCNS副作用のレベルが低い、変異型KITおよびPDGFRαキナーゼを標的とする新しい化合物が必要とされている。
[009]本発明者らは、変異型KITおよびPDGFRαキナーゼに対して高い選択性および効力を有すると同時に、例えば、CNSへの浸透がほとんどまたはまったくない、脳内における非結合濃度が低い、脳外への輸送が高レベルまたは活発である、すなわち、CNSから排出比が高いなどの、追加の所望の特性を有する新規な化合物を発見した。この所望の特性のバランスを考慮すれば、本開示の化合物は、特に末梢の処置、とりわけ末梢の慢性処置に好適であり、一方、CNSにおける副作用は低減または最小化される。
[0010]このように、本開示の化合物は、KITおよびPDGFRA媒介性疾患の処置のための望ましい有効性、安全性、および医薬特性を有する処置を提供することを目的としている。より具体的には、本開示の化合物は、変異型KITおよびPDGFRα阻害活性を有する本分野において公知の化合物と比較して、有効性および他の望ましい医薬特性を維持しながら、脳透過性のレベルの低下を含む一連の有益な特性を示す。
略語および定義
[0011]以下の略語および用語は、全体を通して示された意味を有する:
[0012]「KIT」という用語は、肥満/幹細胞増殖因子受容体(SCFR)、がん原遺伝子c-KIT、チロシンプロテインキナーゼKit、またはCD117と呼ばれることがあるヒトチロシンキナーゼを指す。本明細書で使用される場合、「KITヌクレオチド」という用語は、KIT遺伝子、KIT mRNA、KIT cDNA、ならびにそれらの増幅産物、変異、変種、およびそれらの断片を包含する。「KIT遺伝子」は、KITキナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を指すために使用され、例えば、その配列は、参照ヒトゲノムhg19の第4染色体のヌクレオチド55,524,085と55,606,881との間に位置する。「KIT転写物」は、KIT遺伝子の転写産物を指し、その一例は、NCBI参照配列NM_000222.2の配列を有する。「KITタンパク質」という用語は、KITヌクレオチドまたはその一部の翻訳によって生成されるポリペプチド配列を指す。
[0013]「PDGFRA」という用語は、血小板由来成長因子アルファと呼ばれることがあるヒトチロシンキナーゼを指す。本明細書で使用される場合、「PDGFRAヌクレオチド」という用語は、PDGFRA遺伝子、PDGFRA mRNA、KIT cDNA、ならびにそれらの増幅産物、変異、変種、およびそれらの断片を包含する。「PDGFRA遺伝子」は、PDGFRAキナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を指すために使用され、例えば、その配列は、参照ホモサピエンス注釈リリース109、GRCh38.p12の第4染色体のヌクレオチド54,229,089と54,298,247との間に位置する。「PDGFRA転写物」は、PDGFRA遺伝子の転写産物を指し、その一例は、NCBI参照配列NM_006206.6の配列を有する。「PDGFRAタンパク質」または「PDGFRα」という用語は、PDGFRAヌクレオチドまたはその一部の翻訳によって生成されるポリペプチド配列を指す。
[0014]本明細書で使用される場合、「悪性疾患」は、異常な細胞が無制御に分裂して近くの組織に侵入する可能性がある疾患を指す。悪性細胞は、血液またはリンパ系を介して体の他の部分にも広がる可能性がある。悪性疾患の非限定的な例は、癌腫、肉腫、白血病、およびリンパ腫である。がんは、悪性疾患の非限定的な例である。いくつかの実施形態では、全身性肥満細胞症は、悪性疾患の非限定的な例である。
[0015]がんの非限定的な例としては、消化管間質腫瘍(GIST)、AML(急性骨髄性白血病)、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、および縦隔B細胞リンパ腫が挙げられる。
[0016]本明細書で使用される場合、「好酸球性障害」は、好酸球が体の種々の部分で正常を超える量で見出される、および/または、低濃度の好酸球対標準濃度の好酸球の比率が通常よりも高い(例えば、30%より高い)場合の障害を指す。本明細書に記載の好酸球性障害は、過剰な好酸球(好酸球増加症)を特徴とする。好酸球の数の増加によって、組織が炎症を起こし、臓器の損傷が起こる。心臓、肺、皮膚、および神経系が最も頻繁に影響を受けるが、どの臓器も損傷を受ける可能性がある。
[0017]好酸球性障害は、好酸球のレベルが上昇している部位に応じて診断される:
好酸球性肺炎(肺)
好酸球性心筋症(心臓)
好酸球性食道炎(食道-EoE)
好酸球性胃炎(胃-EG)
好酸球性胃腸炎(胃と小腸-EGE)
好酸球性腸炎(小腸)
好酸球性大腸炎(大腸-EC)
好酸球増加症候群(血液および任意の臓器-HES)
[0018]本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、本開示の方法によって処置される生物を指す。そのような生物には、哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)が含まれ、いくつかの実施形態では、ヒトが含まれるが、これらに限定されない。
[0019]本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な活性剤の量を指す。治療有効量は、1回または複数回の投与、適用、または用量で投与することができ、特定の製剤または投与経路に限定されることを意図するものではない。
[0020]本明細書で使用される場合、特定の化合物に関して「その薬学的に許容される塩の重量当量」という語句は、化合物および関連する塩の両方の重量を含む。
[0021]本明細書で使用される場合、「その薬学的に許容される塩」という語句は、塩の形態で流通する活性剤に関して使用される場合、活性剤の任意の薬学的に許容される塩の形態を指す。
[0022]本明細書で使用される場合、「処置する」という用語は、状態、疾患、障害などの改善、またはそれらの症状の改善をもたらす任意の効果、例えば、軽減、低減、調節、改善、または排除などを含む。
[0023]活性剤を単独で投与することは可能であるが、いくつかの実施形態では、活性剤を、製剤として投与することができ、この場合、活性剤は、1つもしくは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせる。例えば、活性剤は、ヒト用または動物用医薬における使用に関して任意の簡便な方法で投与するために製剤化することができる。ある特定の実施形態では、医薬調製物に含まれる化合物は、それ自体が活性であってもよく、または、例えば、生理学的環境において活性化合物に変換され得るプロドラッグであってもよい。
[0024]「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしく合併症を伴わず、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、合理的な利益/リスク比に見合う、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために使用される。
[0025]本明細書で使用される場合、各表現、例えば、m、nなどの定義は、それがいずれかの構造内で複数回出現する場合、同じ構造内の他の場所でのその定義から独立していることが意図される。
[0026]本開示のある特定の化合物は、特定の幾何的形態または立体異性体形態で存在する可能性がある。本開示は、シスおよびトランス異性体、RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含む、すべてのそのような化合物を、本開示の範囲に含まれるものとして企図する。追加の不斉炭素原子は、置換基中に存在し得る。このような異性体すべて、およびそれらの混合物は、本開示に含まれることが意図されている。
[0027]例えば、本開示の化合物の特定のエナンチオマーが所望される場合、それは、不斉合成によって、またはキラル補助基を用いた誘導によって調製することができ、この場合、得られるジアステレオマー混合物は、分離され、補助基が切断されて、純粋な所望のエナンチオマーを提供する。あるいは、分子が、例えば、アミノなどの塩基性官能基、または、例えば、カルボキシルなどの酸性官能基を含有する場合、適切な光学活性酸または塩基を用いてジアステレオマー塩を形成し、続いて、当技術分野で周知の分別結晶化またはクロマトグラフィー手段によって、このジアステレオマーを分割し、その後、純粋なエナンチオマーを回収する。
[0028]別段の指定がない限り、開示された化合物が立体化学を特定せずに構造によって命名または図示され、かつ、1つまたは複数のキラル中心を有する場合は、その化合物のすべての可能な立体異性体、ならびにそれらのエナンチオマー混合物を表すものと理解される。
[0029]組成物の「エナンチオマー過剰率」または「エナンチオマー過剰率%」は、以下に示す等式を使用して計算することができる。以下に示す例では、組成物は、一方のエナンチオマー、例えば、Sエナンチオマーを90%、およびもう一方のエナンチオマー、すなわち、Rエナンチオマーを10%含有する。
ee=(90-10)/100=80%。
[0030]したがって、一方のエナンチオマーを90%、もう一方のエナンチオマーを10%含有する組成物は、80%のエナンチオマー過剰率を有すると言われる。
[0031]本明細書に記載の化合物または組成物は、化合物の一形態、例えば、S-エナンチオマーについて、少なくとも50%、75%、90%、95%、または99%のエナンチオマー過剰率を含み得る。換言すれば、そのような化合物または組成物は、Rエナンチオマーよりもエナンチオマー過剰のSエナンチオマーを含有する。
[0032]一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、そのような化合物を構成する1つまたは複数の原子に、非天然比率の重水素を含有することもできる。さらに、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性形態は、本開示の範囲内にあることが意図される。
[0033]本明細書に開示される化合物は、遊離塩基の形態でまたは塩として有用であり得る。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。(例えば、Bergeら(1977)「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci.66:1-19を参照のこと)。
[0034]本明細書に開示されるある特定の化合物は、非溶媒和形態、ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書で使用される場合、「水和物」または「水和」という用語は、水と親化合物との結合によって形成される化合物を指す。
[0035]一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に含まれる。本明細書に開示されるある特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本開示によって企図される用途において同等であり、本開示の範囲内にあることが意図されている。
[0036]本開示は、式(I-0):
の化合物、その薬学的に許容される塩もしくは立体異性体、および/または前述のいずれかの溶媒和物を提供する。
(式中、
は、単結合および二重結合から選択され;
は、単結合および二重結合から選択され;
Zは、CHおよびNHから選択され;
Yは、CおよびNから選択され;
は、CH、C、およびNから選択され;
は、CH、C、およびNから選択され;
ただし、XとXが両方ともNである場合、YはNではなく、ZはCHではなく;
Aは、
であり;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており、または
もしくはRの1つがRと一緒になってシクロブチルを形成しており;
は、水素であるか、またはR、R、もしくはRのうちの1つは、Rと一緒になって、オキセタン、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランから選択される環を形成しており、ここで、前記テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランはヒドロキシルで任意選択で置換されており;
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;
Bは、化合物が
ではない限り、OHおよびNHから選択される)
あるいは、Rは、水素であるか、またはR、R、もしくはRのうちの1つは、Rと一緒になって、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランから選択される環を形成しており、ここで、前記テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランはヒドロキシルで任意選択で置換されている。
本開示の非限定的な実施形態には、以下が含まれる:
[0037]実施形態1.式(I):
の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
(式中、
は、単結合および二重結合から選択され;
は、単結合および二重結合から選択され;
Zは、CHおよびNHから選択され;
Yは、CおよびNから選択され;
は、CH、C、およびNから選択され;
は、CH、C、およびNから選択され;
ただし、XとXが両方ともNである場合、YはNではなく、ZはCHではなく;
Aは、
であり;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており、または
もしくはRの1つがRと一緒になってシクロブチルを形成しており;
は、水素であるか、またはR、R、もしくはRのうちの1つは、Rと一緒になって、オキセタン、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランから選択される環を形成しており、ここで、前記テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランはヒドロキシルで任意選択で置換されており;
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;
Bは、OHおよびNHから選択される)
あるいは、Rは、水素であるか、またはR、R、もしくはRのうちの1つは、Rと一緒になって、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランから選択される環を形成しており、ここで、前記テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランはヒドロキシルで任意選択で置換されている。
一実施形態では、式(I)の化合物は、
のS異性体ではない。
[0038]実施形態1のいくつかの実施形態では、mが0である場合、RおよびRは存在しない。実施形態1のいくつかの実施形態では、nが0である場合、RおよびRは存在しない。実施形態1のいくつかの実施形態では、m+n=1、またはmおよびnは両方が0であることはできない。
[0039]本開示において、任意の2つのR基(例えば、RおよびR)が一緒になって環構造(例えば、シクロプロピル)を形成する場合、それが、同じ環構造の中に、介在する炭素原子および/または酸素原子を含むことを意図することに留意されたい。
[0040]実施形態2.式(II):
の実施形態1の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。変数AおよびBの定義は、式(I-0)または式(I)に提供されている。
[0041]実施形態3.式(III):
の実施形態1の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
(式中、
は、CH、C、およびNから選択され;
は、CH、C、およびNから選択され;
ただし、XとXのうち1つだけがNである)
変数AおよびBの定義は、式(I-0)または式(I)に提供されている。
一実施形態では、式(III)の化合物は、
のS異性体ではない。
[0042]実施形態4.XはNであり;
は単結合であり、XはCであり、
は二重結合である、実施形態3の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0043]実施形態5.XはCであり、
は二重結合であり、XはNであり;
は単結合である、実施形態3の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0044]実施形態6.Aは、
であり;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素およびメチルから選択され、またはRとRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素およびメチルから選択され、または
とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
は、水素である、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0045]実施形態7.Aは、
であり;
wは、1または2であり;
tは、1または2であり;
sは、0または1である、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0046]実施形態8.BがNHである、実施形態1~7のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0047]実施形態9.BがOHである、実施形態1~7のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0048]実施形態10.K<0.4を有する、実施形態1~9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0049]実施形態10のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、K<0.4を有する。実施形態10のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0050]実施形態11.実施形態1~9のいずれか1つの化合物であって、K≦0.30を有する、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0051]実施形態11のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、K≦0.30を有する。実施形態11のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0052]実施形態12.実施形態1~9のいずれか1つの化合物であって、K≦0.20を有する、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0053]実施形態12のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、K≦0.20を有する。実施形態12のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0054]実施形態13.実施形態1~9のいずれか1つの化合物であって、K≦0.10を有する、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0055]実施形態13のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、K≦0.10を有する。実施形態13のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物2から選択される。
[0056]実施形態14.実施形態1~13のいずれか1つの化合物であって、ホモジネートラット脳においてKp,uu≦0.2を有する化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0057]実施形態14のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、ホモジネートラット脳においてKp,uu≦0.2を有する。実施形態14のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0058]実施形態14-1.実施形態1~13のいずれか1つの化合物であって、ホモジネートラット脳においてKp,uu<0.1を有する化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0059]実施形態14-1のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、ホモジネートラット脳においてKp,uu<0.1を有する。実施形態14-1のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0060]実施形態14-2.実施形態1~13のいずれか1つの化合物であって、ホモジネートラット脳においてKp,uu≦0.05を有する化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0061]実施形態14-2のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、ホモジネートラット脳においてKp,uu≦0.05を有する。実施形態14-2のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0062]実施形態14-3.ラット脳スライスにおいてKp,uu≦0.02を有する実施形態1~13のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0063]実施形態14-3のいくつかの実施形態では、化合物は、生物学的実施例3に記載の手順に従って測定したとき、ラット脳スライスにおいてKp,uu≦0.02を有する。実施形態14-3のいくつかの実施形態では、前述のいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または溶媒和物は、化合物1および2から選択される。
[0064]実施形態15.ラットにおける非結合クリアランス(Cl)が<900mL/min/kgである実施形態1~14のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0065]実施形態16.ラットにおける非結合クリアランス(Cl)が<750mL/min/kgである実施形態1~14のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0066]実施形態17.CYP3A4に対するIC50が<10μMである実施形態1~14のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0067]実施形態18.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0068]実施形態19.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0069]実施形態20.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0070]実施形態21.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0071]実施形態22.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0072]実施形態23.Aが、
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0073]実施形態24.Aが
から選択される、実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0074]実施形態25.実施形態1~5、8および9のいずれか1つの化合物であって、以下の表1に列挙される化合物のいずれか1つである、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0075]実施形態25のいくつかの実施形態では、化合物は、化合物1~7、13、14、14-A、28、33、および38のいずれか1つである。実施形態25のいくつかの実施形態では、化合物は、化合物1~7、13、14、28、33、および38のいずれか1つである。実施形態25のいくつかの実施形態では、化合物は、化合物1~6のいずれか1つである。実施形態25のいくつかの実施形態では、化合物は、化合物1および2のいずれか1つである。
[0076]実施形態26.実施形態1~25のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物;ならびに
薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物。
[0077]実施形態27.疾患または状態の処置を必要とする患者における疾患または状態を処置する方法であって、実施形態1~25のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を患者に投与することを含み、前記疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、方法。
[0078]実施形態28.変異型KITまたはPDGFRαによって媒介される疾患または症状を、この疾患または症状の処置を必要とする患者において処置する方法であって、実施形態1~25のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を患者に投与することを含む、方法。
[0079]実施形態29.疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、実施形態28の方法。
[0080]実施形態30.疾患または状態の処置を必要とする患者における疾患または状態を処置するための医薬として使用するための、実施形態1~25のいずれか1つに記載の化合物であって、疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0081]実施形態31.変異型KITまたはPDGFRAによって媒介される疾患または状態を、この疾患または状態の処置を必要とする患者において処置するための医薬として使用するための、実施形態1~25のいずれか1つに記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0082]実施形態32.疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、実施形態31の化合物。
[0083]実施形態33.好酸球性障害を処置する方法であって、治療有効量の実施形態1~25のいずれか1つに記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を、好酸球性障害の処置を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
[0084]実施形態34.好酸球性障害が、好酸球増加症候群、好酸球増加症、好酸球性腸胃炎、好酸球性白血病、好酸球性肉芽腫および木村病から選択される、実施形態33の方法。
[0085]実施形態35.好酸球性障害が、好酸球増加症候群である、実施形態33の方法。
[0086]実施形態36.好酸球性障害が、好酸球性白血病である、実施形態33の方法。
[0087]実施形態37.好酸球性白血病が、慢性好酸球性白血病である、実施形態36の方法。
[0088]実施形態38.好酸球性障害が、イマチニブ、スニチニブ、および/またはレゴラフェニブによる処置に対して難治性である、実施形態33~37のいずれか1つの方法。
[0089]実施形態39.好酸球性障害を処置するための医薬として使用するための、実施形態1~25のいずれか1つの化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
[0090]実施形態40.好酸球性障害が、好酸球増加症候群、好酸球増加症、好酸球性腸胃炎、好酸球性白血病、好酸球性肉芽腫および木村病から選択される、実施形態39の化合物。
[0091]実施形態41.好酸球性障害が、好酸球増加症候群である、実施形態39の化合物。
[0092]実施形態42.好酸球性障害が、好酸球性白血病である、実施形態39の化合物。
[0093]実施形態43.好酸球性白血病が、慢性好酸球性白血病である、実施形態42の化合物。
[0094]実施形態44.好酸球性障害が、イマチニブ、スニチニブ、および/またはレゴラフェニブによる処置に対して難治性である、実施形態39~43のいずれか1つの方法。
[0095]実施形態45.肥満細胞障害を処置する方法であって、治療有効量の実施形態1~25のいずれか1つに記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を、肥満細胞障害の処置を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
[0096]実施形態46.肥満細胞障害が、変異型KITまたはPDGFRαによって媒介される、実施形態45の方法。
[0097]実施形態46-1.肥満細胞障害が、野生型KITまたはPDGFRαによって媒介される、実施形態45の方法。
[0098]実施形態47.肥満細胞障害が、肥満細胞活性化症候群(MCAS)および遺伝性アルファトリプターゼ血症(HAT)から選択される、実施形態46のいずれか1つの方法。
[0099]実施形態48.MCASが、モノクローナル肥満細胞活性化症候群(MMAS)、二次MCAS、および特発性MCASから選択される、実施形態47の方法。
[00100]実施形態48-1.疾患または状態が、全身性肥満細胞症である、実施形態27の方法。
[00101]実施形態49.全身性肥満細胞症が、無痛性全身性肥満細胞症、およびくすぶり型全身性肥満細胞症から選択される、実施形態48のいずれか1つの方法。
[00102]本開示において、上記で特定された実施形態のいずれか1つは、対応する下位実施形態を含むことを意図していることに留意されたい。例えば、実施形態14が参照される場合、これは、実施形態14、実施形態14-1、実施形態14-2、実施形態14-3、およびその中で列挙される特定の実施形態を含むことを意図している。
[00103]本開示の化合物は、選択的KIT阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、選択的D816VKIT阻害剤である。本開示の化合物は、選択的PDGFRα阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、選択的PDGFRαエクソン18阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、選択的PDGFRαD842V阻害剤である。本明細書で使用される場合、「選択的KIT阻害剤」または「選択的PDGFRα阻害剤」は、KITプロテインキナーゼまたはPDGFRαプロテインキナーゼを別のプロテインキナーゼよりも選択的に阻害する化合物またはその薬学的に許容される塩または前述のいずれかの溶媒和物を指し、KITプロテインキナーゼまたはPDGFRαプロテインキナーゼに対して、別のキナーゼよりも少なくとも2倍の選択性を示す。例えば、選択的KIT阻害剤または選択的PDGFRA阻害剤は、KITプロテインキナーゼまたはPDGFRαキナーゼに対して、別のキナーゼより、少なくとも9倍の選択性、10倍の選択性、少なくとも15倍の選択性、少なくとも20倍の選択性、少なくとも30倍の選択性、少なくとも40倍の選択性、少なくとも50倍の選択性、少なくとも60倍の選択性、少なくとも70倍の選択性、少なくとも80倍の選択性、少なくとも90倍の選択性、少なくとも100倍、少なくとも125倍、少なくとも150倍、少なくとも175倍、または少なくとも200倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、選択的KIT阻害剤または選択的PDGFRα阻害剤は、別のキナーゼ、例えば、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2)、SRC(非受容体プロテインチロシンキナーゼ)、およびFLT3(Fms様チロシンキナーゼ3)より、少なくとも150倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、選択的KIT阻害剤または選択的PDGFRα阻害剤は、PDGRFβ、CSF1R(コロニー刺激因子受容体1)、およびFLT3より高い選択性を示す。いくつかの実施形態では、選択的KIT阻害剤または選択的PDGFRα阻害剤は、LCK(リンパ球特異的プロテインキナーゼ)、ABL(核タンパク質チロシンキナーゼ)、never-in-mitosis gene A(NIMA)関連キナーゼ5(NEK5)、およびROCK1(rho関連コイル-コイル含有プロテインキナーゼ-1(rho-associated coil-coil-continuing protein kinase-1))を上回る選択性を示す。いくつかの実施形態では、別のキナーゼより高いKITプロテインキナーゼまたはPDGFRαプロテインキナーゼに対する選択性は、細胞アッセイ(例えば、細胞アッセイ)で測定される。いくつかの実施形態では、別のキナーゼより高いKITプロテインキナーゼまたはPDGFRαプロテインキナーゼに対する選択性は、生化学アッセイ(例えば、生化学アッセイ)で測定される。
[00104]本開示の化合物は、イオンチャネルより選択的である。いくつかの実施形態では、選択的KITまたは選択的PDGFRα阻害剤は、ヒト電位依存性ナトリウムチャネル(hNav1.2)を阻害する可能性が限られている。
[00105]本開示の化合物は、野生型KITよりも変異型KITに対して選択的である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、野生型KITよりもエクソン17変異型KITに対して選択的である。
[00106]本開示の化合物は、ヒトもしくは非ヒトにおける変異型KITまたは変異型PDGFRA活性に関連する疾患もしくは状態を処置するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、医薬として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、治療に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、医薬の製造に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本開示は、肥満細胞症(SM)、GIST(消化管間質腫瘍)、AML(急性骨髄性白血病)、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、および/または縦隔B細胞リンパ腫を含む、KIT駆動悪性腫瘍を処置するための方法を提供する。加えて、KITの変異は、ユーイング肉腫、DLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、未分化胚細胞腫、MDS(骨髄異形成症候群)、NKTCL(鼻のNK/T細胞リンパ腫)、CMML(慢性骨髄単球性白血病)、および脳腫瘍に関連している。いくつかの実施形態では、本開示は、ユーイング肉腫、DLBCL、未分化胚細胞腫、MDS、NKTCL、CMML、および/または脳腫瘍を処置するための方法を提供する。KIT変異は、甲状腺がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、膀胱がん、NSCLC、および乳がんでも見出されている(AACR Project GENIE)。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、肥満細胞活性化症候群(MCAS)を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、全身性肥満細胞症を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、進行性全身性肥満細胞症を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、無痛性SMおよびくすぶり型SMを処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、GISTを処置するために有用であり得る。
[00107]本開示の化合物は、KIT遺伝子配列のエクソン9、エクソン11、エクソン14、エクソン17、および/またはエクソン18におけるKIT変異に関連する疾患または状態を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、PDGFRA遺伝子配列のエクソン12、エクソン14、および/またはエクソン18におけるPDGFRA変異に関連する疾患または状態を処置するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、KIT遺伝子配列のエクソン9、エクソン11、エクソン14、エクソン17、および/またはエクソン18における少なくとも1つのKIT変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、PDGFRA遺伝子配列のエクソン12、エクソン14、および/またはエクソン18における少なくとも1つのPDGFRA変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00108]本開示の化合物は、KIT遺伝子配列のエクソン17に変異を有する1つまたは複数のKITプロテインキナーゼ(例えば、KITタンパク質変異D816V、D816Y、D816F、D816K、D816H、D816A、D816G、D816E、D816I、D816F、D820A、D820E、D820G、D820Y、N822K、N822H、V560G、Y823D、およびA829P)に対して活性であり得、野生型KITプロテインキナーゼに比べてはるかに活性が低い。いくつかの実施形態では、本明細書では、少なくとも1つのKIT変異、例として、D816V、D816Y、D816F、D816K、D816H、D816A、D816G、D816E、D816I、D816F、D820A、D820E、D820G、D820Y、N822K、N822H、V560G、Y823D、およびA829Pから選択されるものなどに関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書では、少なくとも1つのKIT変異、例えば、C809、C809G、D816H、D820A、D820G、N822H、N822K、およびY823Dから選択されるものに関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00109]本開示の化合物は、KIT遺伝子配列のエクソン11に変異(例えば、KITタンパク質変異del557-559insF、V559G/D)を有する1つまたは複数のKITプロテインキナーゼに対して活性であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、少なくとも1つのKIT変異、例えば、L576P、V559D、V560D、V560G、W557G、Del 554-558EVQWK、del557-559insF、Del EVQWK554-558、Del EVQWKVVEEINGNNYVYI554-571、Del KPMYEVQWK550-558、Del KPMYEVQW550-557FL、Del KV558-559、Del KV558-559N、Del MYEVQW552-557、Del PMYE551-554、Del VV559-560、Del WKVVE557-561、Del WK557-558、Del WKVV557-560C、Del WKVV557-560F、DelYEVQWK553-558、およびinsertion K558NPから選択されるものなどに関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00110]本開示の化合物は、KIT遺伝子配列のエクソン11/13に変異(例えば、KITタンパク質変異V559D/V654A、V560G/D816V、およびV560G/822K)を有する1つまたは複数のKITプロテインキナーゼに対して活性であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、エクソン11/13)における1つもしくは複数のKIT変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00111]本開示の化合物は、KIT遺伝子配列のエクソン9に変異を有する1つまたは複数のKITプロテインキナーゼに対して活性であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、エクソン9における少なくとも1つのKIT変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00112]いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、変異V654A、N655T、T670I、および/またはN680を有するKITプロテインキナーゼに対して活性ではない。
[00113]本開示の化合物は、変異を有する1つまたは複数のPDGFRαプロテインキナーゼに対して活性であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、PDGFRA遺伝子配列のエクソン12における少なくとも1つのPDGFRA変異、例えば、PDGFRαタンパク質変異V561D、Del RV560-561、Del RVIES560-564、Ins ER561-562、SPDGHE566-571R,SPDGHE566-571K、またはIns YDSRW582-586などに関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書では、例えば、PDGFRαタンパク質変異N659Kなどの、PDGFRA遺伝子配列のエクソン14における少なくとも1つのPDGFRA変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書では、例えば、PDGFRαタンパク質変異D842V、D842Y、D842I、DI842-843IM、D846Y、Y849C、Del D842、Del I843、Del RD841-842、Del DIM842-845、Del DIMH842-845、Del IMHD843-846、Del MHDS844-847、RD841-842KI、DIMH842-845A、DIMH842-845V、DIMHD842-846E、DIMHD842-846S、DIMHD842-846N、DIMHD842-846G、IMHDS843-847T、IMHDS8843-847M、またはHDSN845-848Pなどの、PDGFRA遺伝子配列のエクソン18における少なくとも1つのPDGFRA変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00114]本開示の化合物は、PDGFRA遺伝子配列のエクソン18に変異(例えば、タンパク質変異PDGFRα D842V、PDGFRαD842I、またはPDGFRαD842Y)を有する1つまたは複数のPDGFRαプロテインキナーゼに対して活性であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、例えば、タンパク質変異PDGFRαD842Vなどの、エクソン18における少なくとも1つのPDGFRA変異に関連する疾患または状態を処置するための方法を提供する。
[00115]本開示の化合物は、好酸球性障害を処置するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、好酸球性障害は、変異型KITまたはPDGFRαによって媒介される。いくつかの実施形態では、好酸球性障害は、野生型KITまたはPDGFRαによって媒介される。いくつかの実施形態では、本明細書では、好酸球性障害を処置する方法であって、治療有効量の本開示の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を、対象に投与するステップを含む、方法を提供する。一実施形態では、好酸球性障害は、好酸球増加症候群、好酸球増加症、好酸球性腸胃炎、好酸球性白血病、好酸球性肉芽腫および木村病から選択される。
[00116]いくつかの実施形態では、好酸球性障害は、好酸球増加症候群、好酸球増加症、好酸球性腸胃炎、好酸球性白血病、好酸球性肉芽腫および木村病から選択される。他の好酸球性障害には、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性筋膜炎、およびチャーグ・ストラウス症候群が含まれる。
[00117]一実施形態では、好酸球性障害は、好酸球増加症候群である。特定の実施形態では、好酸球性増加症候群は、特発性好酸球性増加症候群である。一実施形態では、好酸球性障害は、好酸球性白血病である。特定の実施形態では、好酸球性白血病は、慢性好酸球性白血病である。別の実施形態では、好酸球性障害は、イマチニブ、スニチニブ、および/またはレゴラフェニブによる処置に対して難治性である。特定の実施形態では、好酸球性障害は、イマチニブによる処置に対して難治性である。
[00118]本開示の化合物は、好酸球の数の減少を必要とする対象における好酸球の数を減少させるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書では、好酸球の数の減少を必要とする対象における好酸球の数を減少させるための方法であって、治療有効量の本開示の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を、対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
[00119]一実施形態では、開示された方法は、血液、骨髄、胃腸管(例えば、食道、胃、小腸および結腸)、または肺における好酸球の数を減少させる。別の実施形態では、本明細書に開示される方法は、血中好酸球の数を減少させる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される方法は、肺の好酸球の数を減少させる。さらに別の実施形態では、本明細書に開示される方法は、好酸球前駆細胞の数を減少させる。
[00120]別の実施形態では、開示された方法は、(投与後の)好酸球の数を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%減少させる。特定の実施形態では、本明細書に開示される方法は、好酸球の数を、検出限界未満に減少させる。
[00121]別の実施形態では、開示された方法は、(投与後の)好酸球前駆体の数を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%減少させる。特定の実施形態では、本明細書に開示される方法は、好酸球前駆体の数を、検出限界未満に減少させる。
[00122]本開示の化合物は、肥満細胞障害を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、肥満細胞症を処置するために有用であり得る。肥満細胞症は、2つの障害の群に細分化される:(1)皮膚肥満細胞症(CM)は、皮膚に限定された形態を示し、(2)全身性肥満細胞症(SM)は、皮膚の関与の有無にかかわらず、肥満細胞が皮膚外臓器に浸潤する形態を示す。SMはさらに5つの形式、すなわち、無痛性(ISM);くすぶり型(SSM);攻撃的(ASM);関連する血液学的非肥満細胞系列疾患を伴うSM(SM-AHNMD);および肥満細胞白血病(MCL)に細分化される。
[00123]SMの診断は、非肥満細胞マーカー(CD25および/またはCD2)を頻繁に異常に発現する、多くの場合非定型の形態の肥満細胞による浸潤を示す骨髄の組織学的および細胞学的研究に部分的に基づいている。SMの診断は、骨髄肥満細胞の浸潤が以下の:(1)異常な肥満細胞の形態(紡錘形の細胞);(2)20ng/mLを超える血清トリプターゼレベルの上昇;または(3)例えば、エクソン17変異、例としてD816VなどのD816変異などの活性化KITタンパク質変異の存在、のうちの1つとの関係において発生する場合に、確定される。
[00124]D816位置での活性化変異は、肥満細胞症の症例の大部分(90~98%)に見出され、最も一般的な変異は、D816V、D816H、およびD816Yである。D816V変異は、プロテインキナーゼドメインの活性化ループに見出され、KITキナーゼの構成的活性化をもたらす。
[00125]非進行性形態の全身性肥満細胞症、ISMまたはSSMに対して承認されている薬剤はない。これらの慢性疾患の管理に対する現在のアプローチには、様々な程度の有効性があり、MC負荷に影響を与えない非特異的症状指向療法が含まれる。クラドリビンおよびインターフェロンアルファなどの細胞減少療法は、難治性の症状に使用される場合がある。現在の処置状況に基づくと、利用可能な症状指向療法では適切に管理することができない中等度から重度の症状を伴うISMおよびSSMを有する患者には、依然としてアンメットメディカルニーズが存在する。
[00126]本開示の化合物は、ISMまたはSSMを処置するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、ISMまたはSSMを有する患者は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの対症処置によって十分に制御することができない症状を有する。症状は、患者報告アウトカム(PRO)ツール、例えば、無痛性全身性肥満細胞症症状評価フォーム(ISM-SAF)(ISPOR Europe 2019、Copenhagen Denmark、2019年11月2~6日)を使用して評価することができる。本開示の化合物は、ISMまたはSSMに関連する症状の改善、例えば、掻痒、紅潮、頭痛、および/または嘔吐、下痢、および腹痛などのGIイベントの低減または排除に有用であり得る。症状の改善は、ISM-SAFを使用して評価することができる。
[00127]本開示の化合物は、肥満細胞活性化症候群(MCAS)、および遺伝性アルファトリプタセミア(HAT)(Picard Clin.Ther.2013年5月35(5)548;Akin J.Allergy Clin.Immuno.140(2)34962.)などの他の肥満細胞障害を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、KITおよびPDGFRα変異に関連する肥満細胞障害を処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、野生型KITおよびPDGFRαに関連する肥満細胞疾患を処置するために有用であり得る。
[00128]本開示の化合物は、肥満細胞が化学メディエーターを不適切かつ過剰に放出し、場合によってアナフィラキシーまたはアナフィラキシーに近い発作を含む一連の慢性症状をもたらす免疫学的状態である肥満細胞活性化症候群(MCAS)を処置するために有用であり得る。患者の肥満細胞数が異常に増加する肥満細胞症とは異なり、MCASを有する患者は、正常な数の適切に機能しない肥満細胞を有し、「過敏反応性」と定義されている。MCASのタイプには、一次MCAS(モノクローナル肥満細胞活性化症候群(MMAS))、二次MCAS(別の疾患から生じるMCAS)、および特発性MCAS(一次または二次MCASを除外するMCAS)が含まれる。
[00129]本開示の化合物は、遺伝性アルファトリプターゼ血症(HAT)(トリプターゼの上昇を引き起こすTPSAB1の過剰発現)を処置するために有用であり得る。
[00130]他の肥満細胞疾患としては、肥満細胞媒介性喘息、アナフィラキシー(特発性、Ig-Eおよび非Ig-E媒介性を含む)、蕁麻疹(特発性および慢性を含む)、アトピー性皮膚炎、腫脹(血管浮腫)、過敏性腸症候群、肥満細胞性胃腸炎、肥満細胞性大腸炎、そう痒症、慢性そう痒症、慢性腎不全に続発するそう痒症、ならびに、肥満細胞に関連する心臓、血管、腸、脳、腎臓、肝臓、膵臓、筋肉、骨および皮膚の状態が挙げられる。いくつかの実施形態では、肥満細胞症は、変異型KITまたは変異型PDGFRαと関連していない。
[00131]KIT変異およびPDGFRA変異は、GISTにおいて広く観察されている。本開示の化合物は、KIT変異に関連するGISTを処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、切除不能または転移性GISTを処置するために有用であり得る。転移性GISTのほぼ80%は、KIT遺伝子配列の細胞外領域(エクソン9)または膜近傍(JM)ドメイン(エクソン11)のいずれかに一次活性化変異を有する。多くの変異型KIT腫瘍は、BCR-ABL、KIT、およびPDGFRAタンパク質を特異的に阻害する選択的チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブなどの標的療法による処置に応答する。ただし、ほとんどのGIST患者は、イマチニブの結合親和性を著しく低下させるKITの二次変異のために最終的に再発する。これらの耐性変異は、常にアデノシン5-三リン酸(ATP)結合ポケット(エクソン13および14)またはキナーゼ遺伝子の活性化ループ(エクソン17および18)内で発生する。現在承認されているGISTの薬剤のうち、選択的標的薬剤は存在しない。イマチニブは現在、GISTの処置薬として承認されており、マルチキナーゼ阻害剤は、イマチニブの後に使用される。多くの場合、例えば、スニチニブ、レゴラフェニブ、ミドスタウリンなどのこれらのマルチキナーゼ阻害剤は、イマチニブ耐性変異体を弱く阻害するだけであり、および/または、マルチキナーゼ阻害剤は、より複雑な安全性プロファイルおよび狭い治療域によって制限される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、イマチニブで処置された患者におけるGISTを処置するために有用であり得る。本開示の化合物は、一次治療(first line)(1L)、二次治療(second line)(2L)、三次治療(third line)(3L)または四次治療(fourth line)(4L)としてGISTを処置するのに有用であり得る。
[00132]本開示の化合物は、KITに特定の変異が存在しないかまたは存在する場合に、GISTを処置するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、KITに特定の変異が存在しない場合に、GISTを処置することができる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、KITに特定の変異が存在する場合に、GISTを処置することができない。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、KIT ATP結合ポケット変異(KITタンパク質変異V654A、N655T、および/またはT670I)を有する患者において臨床的利益を提供しない。
[00133]本開示の化合物は、PDGFRA変異に関連するGISTを処置するために有用であり得る。切除不能な転移性GIST患者の5~6%で、タンパク質アミノ酸842のPDGFRAの遺伝子配列のエクソン18に活性化ループ変異が一次変異として発生する。
[00134]本開示の化合物はまた、AMLの処置において有用であり得る。AML患者もKIT変異を保有しており、これらの変異の大部分はKITタンパク質のD816位置にある。
[00135]いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、それを必要とする対象に投与される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、医薬製剤として投与され、ここで、化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わされる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書では、式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1つの実体を含み、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を任意選択でさらに含む組成物を開示する。
[00136]本開示の化合物は、ヒト用または動物用医薬における使用に関して任意の簡便な方法で投与するために製剤化することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物に含まれる化合物は、それ自体が活性であってもよく、または、例えば、生理学的環境において活性化合物に変換され得るプロドラッグであってもよい。
[00137]「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしく合併症を伴わず、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、合理的な利益/リスク比に見合う、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために使用される。
[00138]薬学的に許容される担体の例としては、:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロースなど;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなど;(3)セルロース、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど、およびその誘導体;(4)粉末状トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばカカオバターおよび座薬ワックスなど;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油など;(10)グリコール、例えばプロピレングリコールなど;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなど;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなど;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;(21)シクロデキストリン、例えば、Captisol(登録商標)など、および(22)医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質、が挙げられる。
[00139]薬学的に許容される酸化防止剤の例としては:(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなど;および(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など、が挙げられる。
[00140]固体剤形(例えば、カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)は、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの1つまたは複数の薬学的に許容される担体、および/または以下のいずれか:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸など;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど;(3)湿潤剤、例えばグリセロールなど;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど;(5)溶液遅延剤、例えば、パラフィンなど;(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物など;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど;(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土など;(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物など;ならびに(11)着色剤、を含むことができる。
[00141]液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤を挙げることができる。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(例えば、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油など)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらの混合物などを含有してもよい。
[00142]懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガント、ならびにそれらの混合物などを含有してもよい。
[00143]軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などを含有してもよい。
[00144]粉末およびスプレーは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などを含有することができる。スプレーは、通常の噴射剤、例えば、クロロフルオロヒドロカーボン、ならびに揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンなどをさらに含有する。
[00145]本開示の化合物の局所または経皮投与のための剤形の非限定的な例としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、減菌条件下で、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合してもよい。
[00146]本開示の化合物が医薬品としてヒトおよび動物に投与される場合、化合物は、それ自体で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば0.1~99.5%(0.5~90%など)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
[00147]製剤は、局所的に、経口的に、経皮的に、経直腸的に、経膣的に、非経口的に(parentally)、鼻腔内に、肺内に、眼内に、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、皮下に、表皮下に投与することができ、または吸入によって投与することができる。
[00148]加えて、本開示の化合物は、単独で投与することができ、または他のKITまたはPDGFRα調節化合物、または他の治療剤を含む他の化合物と組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、リプレチニブと組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は本明細書に開示される疾患または状態を処置するために、イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、クレノラニブ、ミドスタウリン、ブレンツキシマブベドチン、およびマスティチニブから選択される1つまたは複数の化合物と組み合わせて投与することができる。
[00149]本開示の化合物は、別の化合物または複数の化合物で以前に処置を受けたことがある患者に投与することができる。本開示の化合物は、第1選択治療(1L)、第2選択治療(2L)、第3選択治療(3L)または第4選択治療(4L)として有用であり得る。
[00150]いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、イマチニブによる以前の処置の後に投与される。
[00151]本開示の化合物は、ミドスタウリンで以前に処置を受けたことがない患者に投与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、ミドスタウリンで以前に処置を受けたことがある患者に投与することができる。
定義
C 摂氏
CsCO 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
h 時間
水素ガス
O 水
HCl 塩酸
HOAc 酢酸
HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IC50 阻害濃度50%
IPA イソプロピルアルコール
CO 炭酸カリウム
KOAc 酢酸カリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LiAlH 水素化アルミニウムリチウム
min 分
MsCl 塩化メシル
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
MeOH メタノール
窒素ガス
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NHHCO ギ酸アンモニウム
NMP N-メチルピロリドン
Pd/C パラジウム炭素
Pd(dppf)Cl [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PE 石油エーテル
RT 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TsCl 塩化トシル
[00152]本開示の化合物を調製するための方法は、有機合成の当業者の1つによって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行することができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であり得る温度で、出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1種の溶媒または2種以上の溶媒の混合物中で実行することができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒を当業者が選択することができる。
[00153]本開示の化合物の調製は、種々の化学基の保護および脱保護を含み得る。保護および脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者が容易に決定することができる。保護基の化学は、例えば、Wuts and Greene, Protective Groups in Organic Synthesis、第5版、John Wiley & Sons: New Jersey、(2014)の中に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[00154]反応は、当技術分野で知られている任意の好適な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外線(IR)分光法、分光測光法(例えば、UV可視)、質量分析(MS)などの分光手段、あるいは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によって監視することができる。化合物の特性評価のための分析機器および方法:
[00155]LC-MS:別段の指定がない限り、すべての液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)データ(純度および同一性について分析された試料)は、ES-APIイオン化を利用するAgilentモデル6120質量分析計を使用し、Agilent Poroshel 120(EC-C18、2.7um粒径、3.0×50mm寸法)逆相カラムを装着したAgilentモデル1260 LCシステムを用いて摂氏22.4度で取得した。移動相は、H2O中の0.1%ギ酸溶媒とアセトニトリル中の0.1%ギ酸の混合物で構成した。4分間にわたる95%水性/5%有機から5%水性/95%有機移動相への一定の勾配を利用した。流速は、1mL/minで一定とした。
[00156]シリカゲルクロマトグラフィー:シリカゲルクロマトグラフィーは、Teledyne Isco CombiFlash(登録商標)RfユニットまたはBiotage(登録商標)Isolera Fourユニットのいずれかで実行した。
[00157]プロトンNMR:別段の指定がない限り、すべての1H NMRスペクトルは、Varian 400MHz Unity Inova 400MHz NMR装置を使用して取得した(取得時間=3.5秒、1秒の遅延;16~64スキャン)。特徴づけられている場合、すべてのプロトンは、DMSO-d6溶媒中で残留DMSO(2.50ppm)に対して百万分率(ppm)で報告された。
[00158]当業者であれば、勾配、カラム長、および流速の変更が可能であり、分析される化学種に応じて、いくつかの条件が他の条件よりも化合物の特性評価に好適である場合があることを理解するであろう。
実施例
合成調製物
中間体の調製
[00159]調製1:N-((S)-1-(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(I-1)
[00160]ステップ1:エチル2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキシレート(iii)の合成:ジオキサン(150mL)およびHO(15.0mL)中のエチル2-クロロピリミジン-5-カルボキシレート(5.00g、26.8mmol、1.00当量)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(9.11g、29.5mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl・CHCl(2.63g、3.22mmol、0.12当量)、CsCO(17.5g、53.6mmol、2.00当量)の混合物を脱気し、N(g)で3回パージし、次いで混合物をN(g)雰囲気下、60℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、次いでHO(300mL)で希釈し、EtOAc(400mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:EtOAc=50:1~10:1、プレート1、Rf=0.71)によって精製して、表題化合物(4.90g、収率54.9%)を淡黄色の固体として得た。LCMS: RT=0.977分、m/z=278.2 (M-56+H)+。
[00161]ステップ2:2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボン酸(iv)の合成:THF(30.0mL)中のエチル2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキシレート(3.00g、9.00mmol、1.00当量)の溶液を、HO(20.1mL)中のNaOH(803mg、20.1mmol、2.23当量)の混合物に加えた。次に、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮してTHFを除去し、次いで1M HClでpHを2~3に調整し、濾過した。濾過ケーキを真空下で濃縮して、表題化合物(2.49g、収率90.6%)を淡黄色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 9.11 (s, 2H), 7.28 (br s, 1H), 4.12 (br s, 3H), 3.52 - 3.55 (br t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.63 (s, 2H), 1.43 (s, 9H).
[00162]ステップ3:tert-ブチル4-(5-(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(v)の合成:DMF(50.0mL)中の2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボン酸(2.49g、8.16mmol、1.00当量)の溶液に、HATU(6.20g、16.3mmol、2.00当量)、DIPEA(5.27g、40.8mmol、7.10mL、5.00当量)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.19g、12.2mmol、1.50当量)を加えた。次に、混合物を、25℃で9時間撹拌した。混合物をEtOAc(50.0mL)で希釈し、水(100mL×2)で洗浄し、水層をEtOAc(50.0mL×2)で抽出し、次いで、有機層を合わせて、1M HCl(40.0mL)、飽和NaHCO(40.0mL)、ブライン(50.0mL)で順次洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下にて濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:EtOAc=5:1~10:3、石油エーテル:EtOAc=1:1、Rf=0.60)で精製して、表題化合物(1.89g、収率66.5%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.888分、m/z=293.3 (M-56+H)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 9.00 (s, 2H), 7.30 (br s, 1H), 4.13 (br s, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.54 (br t, J = 5.6 Hz, 2H). 3.31 (s, 3H), 2.69 (s, 1H), 2.63 (br d, J = 1.6 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H).
[00163]ステップ4:N-メトキシ-N-メチル-2-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキサミドトリフルオロアセテート(vi)の合成:DCM(18.9mL)中のtert-ブチル4-(5-(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(1.89g、5.42mmol、1.00当量)の溶液に、TFA(7.48g、65.6mmol、4.86mL、12.1当量)を加えた。混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、表題化合物(1.97g、粗製)を黄色の油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
[00164]ステップ5:2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-N-メトキシ-N-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(viii)の合成:DCM(20.0mL)中のN-メトキシ-N-メチル-2-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキサミドトリフルオロアセテート(1.97g、5.44mmol、1.00当量)の溶液に、DIPEA(4.22g、32.6mmol、5.68mL、6.00当量)を加え、得られた混合物を25℃で5分間撹拌した。6-ブロモ-4-クロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン(1.33g、5.71mmol、1.05当量)を加え、混合物を25℃でさらに2時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、イソプロパノール(20.0mL)および水(5.00mL)で希釈し、16時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをイソプロパノール(10.0mL×3)で洗浄し、石油エーテル(20.0mL×2)で洗浄し、真空下で濃縮して、表題化合物(1.99g、収率82.4%)を黄色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した:LCMS: RT=0.897分、m/z=446.2 (M+H)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 9.03 (s, 2H), 7.96 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.40 (br s, 1H), 7.24 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.75 (br s, 2H), 4.14 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.83 (br s, 2H).
[00165]ステップ6:(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メタノン(ix)の合成:THF(110mL)中の2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-N-メトキシ-N-メチルピリミジン-5-カルボキサミド(1.78g、4.01mmol、1.00当量)の冷却溶液(0℃)に、(4-フルオロフェニル)マグネシウムブロミド(THF中1.00M溶液、28.1mL、7.00当量)をN(g)下で滴加した。得られた混合物を、25℃で4時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(50.0mL)にゆっくりと注ぎ、次いでEtOAc(50.0mL)で希釈した。水層をEtOAc(30.0mL×3)で抽出し、有機層を合わせてブライン(50.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、25℃にて3時間イソプロパノール(30.0mL)でトリチュレートし、12時間撹拌した。混合物をイソプロパノール(3.00mL×3)で濾過し、濾過ケーキを石油エーテル(3.00mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.36g、収率69.6%、純度98.3%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=1.024分、m/z=479.2 (M+H)+。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 9.09 (s, 2H), 7.92 - 7.98 (m, 4H), 7.49 (br s, 1H), 7.43 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.25 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 4.78 (br s, 2H), 4.16 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.87 (br s, 2H).
[00166]ステップ7:(S,E)-N-((2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(x)の合成:THF(60.0mL)中の(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メタノン(1.06g、2.17mmol、1.00当量)の溶液に、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.05g、8.70mmol、4.00当量)、Ti(OEt)(22.0g、96.5mmol、20.0mL、44.4当量)を加えた。次に、混合物を90℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)でクエンチし、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(30.0mL×3)で洗浄し、次いで濾液をブライン(50.0mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:EtOAc=3:1~0:1)によって精製して、表題化合物(1.07g、収率82.1%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=2.749分、m/z=584.3 (M+H)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.23 (s, 2H), 7.97 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.58 - 7.82 (m, 2H), 7.43 (br s, 1H), 7.37 (br t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.78 (br s, 2H), 4.17 (br t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.86 (br s, 2H), 1.26 (s, 9H).
[00167]ステップ8:N-((S)-1-(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(I-1)の合成:THF(15.0mL)中の(S,E)-N-((2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(600mg、1.00mmol、1.00当量)の冷却(0℃)溶液に、N(g)下でMeMgBr(エーテル中3.00M溶液、3.34mL、10.0当量)を加えた。次に、混合物を、25℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(30.0mL)で注意深くクエンチし、EtOAc(20.0mL×3)で抽出した。有機抽出物をブライン(20.0mL)で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:EtOAc=1:1、Rf=0.35、0.30)によって精製して、表題化合物I-1(632mg、収率89.3%、純度84.7%)を黄色の固体として得た:LCMS: RT=1.024分、m/z=598.2 (M+H)+。
[00168]いくつかの調製物では、I-1をMeOH(7体積)およびジオキサン中の4M HCl(6.0当量)と混合し、40℃に加熱する。反応完了後、混合物を室温まで冷却し、MTBE(10体積)を充填する。混合物を濾過し、MTBEで洗浄し、真空下で乾燥させて、アミン(I-1a):
を得る。
[00169]1,4-ジオキサン(30mL)中のアミンI-1a(2.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.1mmol)、Pd(dppf)Cl(200μmol)、dppf(300μmol)およびKOAc(4.0mmol)を、N(g)で10分間パージし、80℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、H2Oおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15/1)により精製して、化合物(I-1A):
を得る。
[00170]DMF/HO(40mL/10mL)中のいくつかの調製物では、I-1Aを、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(6.0mmol)、Pd(dppf)Cl(605μmol)およびKCO(18.2mmol)と混合し、N(g)で10分間パージし、N下、70℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して、化合物(I-1B):
を得る。
対応する(S)-ヒドロキシ中間体:(I-8)、(I-8A)、および(I-8B):
は、中間体ix(上記ステップ6から得られる)をTHF中、0℃~室温にてメチルマグネシウムグリニャールで処理することによって調製する。反応の完了後、混合物をNHCl溶液でクエンチし、EAで抽出する。合わせた有機層をHOおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、ラセミ体を得る。エナンチオマーをキラルHPLCによって分離して、(R)-I-8および(S)-I-8を得る。(S)-ヒドロキシ化合物I-8AおよびI-8Bは、調製1の方法においてI-1aをI-8に置き換えることによって調製する。
[00171]調製2:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(I-2)。
[00172]DMF(23.2mL)中の化合物I-5(調製6を参照)(1.32g、3.22mmol、1.00当量、3HCl)の懸濁液に、DIEA(1.66g、12.9mmol、2.24mL、4.00当量)および4-クロロ-6-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(900mg、3.22mmol、1.00当量)を加えた。混合物を40℃で60時間撹拌した。混合物を、HO(150mL)に滴加し、得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキをHO(20.0mL×3)で洗浄した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi Max-RP 250×50mm×10mm;移動相:[水(0.05%HCl)~CHCN];B%:10%~35%、20分)によって精製し、表題化合物(1.20g、収率64.0%、純度99.8%)を黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.882分、m/z=528.3 (M-16)+。
[00173]いくつかの調製物では、1,4-ジオキサン(30mL)中のI-2(2.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.1mmol)、Pd(dppf)Cl(200μmol)、dppf(300μmol)およびKOAc(4.0mmol)の混合物を、N(g)で10分間パージし、80℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、H2Oおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15/1)により精製して、化合物(I-2A):
を得る。
[00174]DMF/HO(40mL/10mL)中のいくつかの調製物では、I-2を、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(6.0mmol)、Pd(dppf)Cl(605μmol)およびKCO(18.2mmol)と混合し、N(g)で10分間パージし、N下、70℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して、化合物(I-2B):
を得る。
対応する(S)-ヒドロキシ中間体:(I-7)、(I-7A)、および(I-7B):
は、調製2の方法において、中間体I-5を中間体I-6(調製6を参照)に置き換えることにより調製する。
[00175]調製3:1-(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-オール(1k):
[00176]ステップ1:6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン 1a(22mmol)をオキシ塩化リン(100mL)に溶解し、130℃で3時間反応させる。反応溶液を減圧下で濃縮する。得られた残留物に氷炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を加え、DCMで抽出する。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄する。有機相を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、6-ブロモ-4-クロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン 1bを得る。
[00177]ステップ2:アルゴン雰囲気下、エチル2-クロロピリミジン-5-カルボキシレート 1c(10mmol)、t-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート1d(11mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.2mmol)、および炭酸セシウム(20mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(66mL、V/V=10/1)に溶解し、60℃で5時間反応させた。反応溶液を、EA(150mL)を加えて希釈し、水(30mL×2)、飽和NaCl水溶液(30mL)で順次洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エチル2-(1-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキシレート 1eを得る。
[00178]ステップ3:エチル2-(1-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボキシレート 1e(5.4mmol)をTHF(15mL)に溶解させ、NaOH水溶液(10mL、1M)を滴加し、室温で5時間反応させる。反応溶液を減圧下で濃縮してTHFを除去し、HO(20mL)を加え、溶液を1M HCl水溶液で約pH2~3に調整する。大量の白色の固体生成物が沈殿し、これを濾過し、乾燥させて、粗製2-(1-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボン酸 1fを得る。
[00179]ステップ4:2-(1-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-カルボン酸 1f(4.86mmol)を、DCM(50mL)に溶解する。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(24mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(9.7mmol)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(7.3mmol)を順に加え、室温で6時間反応させる。反応溶液にDCM(150mL)を加えて希釈し、HO(20mL×2)、1M HCl水溶液(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、および飽和NaCl水溶液(20mL)で順次洗浄する。有機相を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、t-ブチル4-(5-(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート 1gを得る。
[00180]ステップ5:アルゴン雰囲気下、t-ブチル4-(5-(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート 1g(3.4mmol)を、THF(15mL)に溶解する。反応溶液を氷水浴中で0℃に冷却し、4-フルオロフェニルマグネシウムブロミド(14mL、1M/THF)を滴加し、室温で4時間反応させる。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチする。反応溶液を、EA(100mL)を加えて希釈し、HO(20mL×2)、飽和NaCl水溶液(20mL)で順次洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、t-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート 1hを得る。
[00181]ステップ6:t-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート 1h(2.4mmol)をDCM(10mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、室温で2時間反応させる。反応溶液を減圧下で濃縮し、粗製(4-フルオロフェニル)(2-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)メタノン 1iを得て、これを次のステップで直接使用する。
[00182]ステップ7:(4-フルオロフェニル)(2-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)メタノン 1i(2.4mmol)を、DCM(15mL)に溶解する。DIPEA(9.5mmol)を滴加し、室温で5分間撹拌する。次に、6-ブロモ-4-クロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン 1b(2.8mmol)を加え、室温で12時間反応させる。反応溶液を減圧下で濃縮してDCMを除去する。残留物をEA(70mL)を加えることにより希釈し、HO(10mL)、1M HCl水溶液(10mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で順次洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メタノン 1jを得る。
[00183]ステップ8:アルゴン雰囲気下、(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)(4-フルオロフェニル)メタノン 1j(0.4mmol)を、THF(10mL)に溶解する。反応溶液を氷水浴中で0℃に冷却し、臭化メチルマグネシウム(4.2mL、1M/THF)を滴加し、室温で3時間反応させた。0℃で、反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加えてクエンチする。反応溶液を減圧下で蒸留して、THFを除去する。反応溶液を、残留物にEA(50mL)を加えることによって希釈する。水層を分離し、有機相を水(10mL×2)および飽和NaCl水溶液(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1-(2-(1-(6-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-オール(1k)を得る。
[00184]いくつかの調製物では、1,4-ジオキサン(30mL)中の1k(2.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.1mmol)、Pd(dppf)Cl(200μmol)、dppf(300μmol)およびKOAc(4.0mmol)の混合物を、N(g)で10分間パージし、80℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物(1k-A):
を得る。
[00185]DMF/HO(40mL/10mL)中のいくつかの調製物では、1k-Aを、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(6.0mmol)、Pd(dppf)Cl(605μmol)およびKCO(18.2mmol)と混合し、N(g)で10分間パージし、N下、70℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物(1k-B):
を得る。
対応する(S)-ヒドロキシ中間体:(I-9)、(I-9A)、および(I-9B):
は、中間体1j(上記のステップ7から得られる)を、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.908mmol)およびエチルオルトチタネート(0.715mmol)で処理し、tlcで反応が完了するまで70℃にてTHF(3.2mL)中で撹拌することによって調製する。室温に達し、水を加え、生成物をEAで抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、セライト上に充填しながら真空中で濃縮する。残留物をMPLC(0~10%MeOH-EtOAc)で精製して、スルホンアミドを得る。得られたスルホンアミドをTHFに溶解し、0℃に冷却する。臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M溶液、1.5mmol)を加え、得られた混合物を完了するまで0℃で撹拌する。必要に応じて、臭化メチルマグネシウムをさらに加える。飽和塩化アンモニウムを加え、生成物をEAに抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、セライト上に充填しながら真空中で濃縮する。残留物をMPLC(0~10%MeOH-EtOAc)メチル-スルフィンアミドにより精製し、これを、1,4-ジオキサン(1.5mL)/MeOH(1.5mL)中の4M HCl中で、室温にて撹拌することにより脱保護する。溶媒を真空中で除去し、残留物をEAc中でトリチュレートしてラセミ体を得る。エナンチオマーをキラルHPLCによって分離して、(R)-I-9および(S)-I-9を得る。
[00186]調製4:(R)-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール(I-3)
[00187]アセトニトリル(6.70mL)中の4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.00g、10.3mmol、1.00当量)および(R)-2-メチルオキシラン(1.50g、25.8mmol、1.81mL、2.50当量)の溶液に、トリエチルアミン(4.38g、43.3mmol、6.03mL、4.20当量)を加えた。混合物を100℃で12時間撹拌し、次に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:EA=2:1)によって精製して、表題化合物(2.05g、収率78.9%)を白色の油として得た。LCMS: RT=0.759分、m/z=253.2 (M+H)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 7.85 (s 1H), 7.56 (s, 1H), 7.88 (d, J = 4.8 Hz 1H), 4.00 - 4.02 (m, 2H), 3.93 - 3.96 (m, 1H), 1.24 (s, 12H), 1.00 - 1.01 (m, 3H).
[00188]調製5:(S)-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール(I-4)。
[00189]アセトニトリル(6.70mL)中の4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.00g、10.3mmol、1.00当量)および(S)-2-メチルオキシラン(1.80g、30.9mmol、2.17mL、3.00当量)の溶液に、トリエチルアミン(4.38g、43.3mmol、6.03mL、4.20当量)を加えた。混合物を100℃で12時間撹拌し、次に冷却し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:EtOAc=2:1)によって精製して、表題化合物(2.13g、収率72.4%、純度88.4%)を白色の油として得た:LCMS: RT=0.767分、m/z=253.2 (M+H)+。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 7.85 (s 1H), 7.56 (s, 1H), 7.88 (d, J = 4.8 Hz 1H), 4.00 - 4.02 (m, 2H), 3.93 - 3.96 (m, 1H), 1.24 (s, 12H), 1.01 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
[00190]調製6:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(I-5A)
[00191]ステップ1:tert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成
tert-ブチル4-(5-(4-フルオロベンゾイル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(20.0g、1.0当量)、(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(9.43g、1.5当量)およびLiOH(0.64g、0.5当量)を、トルエン(160mL)とともに反応容器に加えた。この混合物に、チタン(IV)イソプロポキシド(18.42g、1.25当量)を加え、反応物を50~60℃で1時間撹拌した。次いで、追加のトルエン(80mL)を40~60℃で充填しながら反応物を蒸留して80mLを除去した。反応混合物を20~30℃に冷却し、次いでクエン酸一ナトリウム溶液(80mL、30%-w/wクエン酸、pH3~4)に加えた。混合物を45~55℃で1.5時間撹拌し、次いで、相を分離した。有機相を重炭酸カリウム(40mL、25%-w/w水溶液)で洗浄し、有機相を蒸留して40mLを除去した。生成物溶液をテトラヒドロフラン(30mL)で希釈した後、溶液(およそ15%w/wのtert-ブチル(S,Z)-4-(5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート)として直接次のステップで使用した。
[00192]ステップ2:単離によるtert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成
塩化メチルマグネシウム(27.8g、THF中22%-w/w、2.0当量)を、トルエン/THF(投入材料20gに対応する120g)中のtert-ブチル(S,Z)-4-(5-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)(4-フルオロフェニル)メチル)-ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート反応溶液に10℃で2~3時間かけて加えた。反応混合物を1.5時間撹拌して反応を完了させた。反応混合物をメタノール(40mL)、続いて水(10mL)のを加えることによりクエンチした。混合物を蒸留して100~110mLの留出物を除去し、次いで塩化アンモニウム(80mL、水中20%w/w)で洗浄した。有機相を水(80mL)で洗浄し、トルエン(60mL)で希釈し、蒸留して60~80mLの留出物を除去した。50~60℃のtert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液に、n-ヘプタン(80mL)を加え、その後42℃に冷却し、その時点で種晶を加えた(25~50mg)。溶液を30分間保持し、次いで0~10℃に30分間冷却した。固体を濾過により単離し、n-ヘプタンとトルエンの混合物(1:1、30mL)、続いてn-ヘプタン(30mL)で洗浄した。生成物を乾燥させて、9g(40~45%)の粗製tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(96.4~97.2%)を得た。
[00193]ステップ3:tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの再結晶
[00194]tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.0g)をイソプロパノール(100mL)に溶解し、40~60℃に加熱し、次いで、イソプロパノール(20mL)で洗浄しながら/すすぎながら清澄フィルターに通した。得られた溶液を40~60℃で真空蒸留し、60~70mLの留出物を除去した。混合物を50~60℃にて水(45mL)で希釈し、次いで40℃に冷却し、その時点で25~50mgの種晶を加えた。混合物をさらに20~25℃に冷却し、水(20mL)を加えた。固体を濾過により単離し、イソプロパノール/水混合物(1:1、20mL)で洗浄し、次いでスラリーをイソプロパノール/水(1:2、30mL)で洗浄した。乾燥させて、tert-ブチル-4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(>99.8%)の生成物8.5g(85%)を得た。
[00195]ステップ4:(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(I-5A)の合成
tert-ブチル4-(5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(7)(9.0g)を、塩酸(33%、8.14g、4.1当量)を加えたアセトニトリル(40mL)中で45~55℃に1時間加熱して、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩(I-5A)を得た。(S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタノール(I-6)の調製:
(I-6)およびそのR-エナンチオマーは、WO2015/057873に記載されている。
化合物の調製
実施例1
[00196](S)-2-(4-(4-(4-(5-(1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(1)の合成
[00197]ステップ1:N-((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(1-(6-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(i)の合成:DMF(5.00mL)およびHO(1.00mL)中のI-1(300mg、424umol、1.00当量)、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(142mg、594mmol、1.40当量)、KCO(117mg、849umol、2.00当量)の溶液に、N下(g)でPd(dppf)Cl・CHCl(52.0mg、63.7umol、0.15当量)を加えた。次に、混合物を90℃で2時間撹拌した。混合物をEtOAc(50.0mL)で希釈し、次いで、水(10.0mL)およびブライン(35.0mL×3)で順次洗浄した。水層をEtOAc(20.0mL×2)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:29%~49%、6.5分)によって精製した。生成物を含有する画分を合わせて、飽和NaHCO水溶液でpHを9に調整し、EtOAc(20.0mL×3)で抽出し、真空下で濃縮して、表題化合物(66.0mg、105μmol、収率24.7%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.877分、m/z=630.3 (M+H)+。
[00198]ステップ2:(S)-2-(4-(4-(4-(5-(1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(1)の合成:MeOH(2.00mL)中のN-((S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(1-(6-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリミジン-5-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(66.0mg、105mmol、1.00当量)の溶液に、HCl/MeOH(4.00M、0.50mL、19.1当量)を加えた。次に、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物のpHを5に調整し、真空下で濃縮した。残留物を、DMF(1.00mL)で希釈し、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:14%~34%、6.5分)によって精製した。生成物を含有する画分を合わせて、飽和NaHCO水溶液でpHを8に調整し、EtOAc(20.0mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、表題化合物(18.0mg、収率31.7%)を黄色のゴム状物として得た:LCMS: RT=2.178分、m/z=526.5 (M+H)+。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.79 (s, 2H), 8.08 (s, 1H), 7.99 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.44 - 7.51 (m, 2H), 7.23 - 7.30 (m, 2H), 7.08 - 7.16 (m, 2H), 4.94 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.74 (br s, 2H), 4.12 - 4.19 (m, 4H), 3.72 - 3.79 (m, 2H), 2.82 (br s, 2H), 1.80 (s, 3H).
実施例2
[00199](S)-2-(4-(4-(4-(5-(1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール塩酸塩(2)の合成
[00200]DMF(2.00mL)中のI-2(90.0mg、152mmol、純度98.3%、1.00当量)、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(43.5mg、183mmol、1.20当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2・CHCl(45.0mg、55.1mmol)およびKCO(63.1mg、457mmol、3.00当量)、HO(0.50mL)を加えた。混合物をN(g)で3回脱気し、次いで95℃で5時間撹拌した。混合物をEtOAc(20.0mL)で希釈し、水(10.0mL×3)で洗浄し、ブライン(10.0mL)で洗浄した。水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:9%~29%、7分)によって精製した。生成物を含有する画分を凍結乾燥して、表題化合物(30.3mg、収率34.4%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.711分、m/z=512.4 (M-16)+。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ13.21 - 12.41 (m, 1H), 9.63 - 8.94 (m, 3H), 8.42 (s, 2H), 8.30 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.53 - 7.42 (m, 2H), 7.31 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.12 (br d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.19 (br t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.13 - 4.06 (m, 4H), 4.03 - 3.97 (m, 4H), 3.76 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.02 (s, 3H).化合物12、13、14、14A、および15は、同じ手順を使用し、I-2を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例3
[00201](S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン(3)の合成
[00202]表題化合物は、1-(オキセタン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールの代わりに使用したことを除いて、実施例2に記載したように調製した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:11%~31%、6.5分)によって精製した。生成物を含有する画分を合わせて、固体炭酸ナトリウムでpHを8~9に調整し、EtOAc(20.0mL×3)で抽出した。有機層をブライン(10.0mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(97.5mg、収率50.8%)をオフホワイトの固体として得た:LCMS: EW25770-9-P1C、生成物: RT=0.876分、m/z=524.4 (M-16)+。1H NMR: EW25770-9-P1A 400 MHz, d6-DMSO) δ12.0 (s, 1H), 8.40 (s, 2H), 8.34 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.41 - 7.51 (m, 2H), 7.05 - 7.15 (m, 2H), 6.92 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.61 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 4.93 - 5.00 (m, 2H), 4.84 - 4.92 (m, 2H), 3.95 - 3.98 (m, 4H), 3.87 - 3.88 (m, 4H), 1.73 (s, 3H).化合物28、29、30、31、および32は、同じ手順を使用し、I-2を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例4
[00203](R)-1-(4-(4-(4-(5-((S)-1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール(4)の合成
[00204]表題化合物は、I-3を、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールの代わりに使用したことを除いて、実施例3に記載したように調製した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:11%~31%、6.5分)によって精製した。生成物を含有する画分は、pHを8に調整し、EtOAc(20.0mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20.0mL)で洗浄し、Na2SOで乾燥させ、濃縮して、表題化合物(51.3mg、収率17.0%)をオフホワイトの固体として得た:LCMS: RT=0.858分、m/z=526.4 (M-16)+。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 12.0 (s, 1H), 8.39 (s, 2H), 8.05 - 8.20 (m, 2H), 7.94 (s, 1H), 7.41 - 7.53 (m, 2H), 7.01 - 7.18 (m, 2H), 6.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.01 - 4.05 (m, 2H), 3.92 - 3.98 (m, 4H), 3.81 - 3.91 (m, 4H), 1.73 (s, 3H), 1.06 (d, J = 6.0 Hz, 3H).化合物7、8、9、10、および11は、同じ手順を使用し、I-2を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例5
[00205](S)-1-(4-(4-(4-(5-((S)-1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール塩酸塩(5)の合成
[00206]表題化合物は、I-4を、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールの代わりに使用したことを除いて、実施例2に記載したように調製した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3mm;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:10%~30%、7分)によって精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥して、表題化合物(128.5mg、収率57.8%)を黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.850分、m/z=526.5 (M-16)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 13.3 (br s, 1H), 9.55 (br s, 3H), 8.47 (s, 2H), 8.35 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.51 - 7.55 (m, 2H), 7.26 - 7.34 (m, 2H), 7.26 (s, 1H), 4.15 - 4.17 (m, 4H), 4.10 - 4.11 (m, 2H), 4.02 - 4.04 (m, 4H), 3.96 - 4.00 (m, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3H).化合物38、39、40、41、および42は、同じ手順を使用し、I-2を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例6
[00207](S)-1-(4-フルオロフェニル)-1-(2-(4-(6-(1-(オキセタン-3-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩の合成
[00208]表題化合物は、1-(オキセタン-3-イルメチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールの代わりに使用したことを除いて、実施例3に記載したように調製した。粗生成物を、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3um;移動相:[水(0.05%HCl)-CH3CN];B%:10%~30%、7分)によって精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥して、表題化合物(66.4mg、収率29.4%)を淡黄色の固体として得た:LCMS: RT=0.776分、m/z=555.5 (M+H)+。1H NMR: (400 MHz, d6-DMSO) δ 13.3 (s, 1H), 9.44 (br s, 3H), 8.95 (s, 2H), 8.44 (s, 2H), 8.35 (s, 1H), 7.43 - 7.55 (m, 3H), 7.27 - 7.32 (m, 2H), 4.72 (dd, J = 8.0, 12.0 Hz, 2H), 4.49 (dd, J = 4.8, 11.6 Hz, 2H), 4.09 - 4.19 (m, 4H), 3.95 - 4.07 (m, 4H), 2.02 (s, 3H).化合物33、34、35、36、および37は、同じ手順を使用し、I-2を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例7
[00209]
[00210]NMP(5mL)中の1k-B(調製3に従って調製)(0.4mmol)、CsCO(0.8mmol)および2,2-ジメチルオキシラン(1.2mmol)の混合物を、120℃で10時間撹拌する。反応混合物をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させる。有機層を真空中で濃縮し、残留物を分取HPLCにより精製し、続いて凍結乾燥して、化合物69を得る。化合物70、71、72、73、および74は、同じ手順を使用し、1-kBを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例8
[00211]
[00212]ステップ1:NMP(20mL)中のメチル2-ブロモ-2-メチルプロパネート(x)(16mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(16mmol)の溶液に、炭酸セシウム(50mmol)およびヨウ化ナトリウム(16mmol)を室温で加える。得られた混合物を、120℃で8時間撹拌する。反応混合物を、DCMで希釈し、HOおよびブラインで順次洗浄する。有機層を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル)により精製して、化合物(xii)を得る。
[00213]ステップ2:DMF/HO(8mL/2mL)中のメチル2-メチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパネート(xii)(0.6mmol)、I-7(0.6mmol)、Pd(dppf)Cl(0.12mmol)およびKCO(1.8mmol)の混合物を、N(g)下で70℃にて4時間撹拌する。その後、溶液をDCMで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物(xiii)を得る。
[00214]ステップ3:THF(20mL)中の(S)-メチル2-(4-(4-(4-(5-(1-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパネート(xiii)(0.34mmol)の溶液に、LiAlH(13.4mmol)を0℃で加え、得られた混合物を室温で6時間撹拌する。反応混合物をHO(100mL)および10%NaOH・HO(300mL)でクエンチし、次いでEAで抽出する。有機層を真空中で濃縮し、残留物を分取HPLCにより精製して、続いて凍結乾燥して、化合物79を得る。化合物75、76、77、78および80は、同じ手順を使用し、I-7を適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例9
[00215]
[00216]ステップ1:DCM(80mL)中の(S)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-オール(xvi)(30mmol)およびTEA(90mmol)の溶液に、TsCl(33mmol)を加える。混合物を室温で24時間撹拌する。溶液をDCMで希釈し、HOで洗浄し、ブラインで洗浄する。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、化合物(xvii)を得る。
[00217]ステップ2:NMP(12mL)中の(S)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル4-メチルベンゼンスルホネート(xvii)(6.2mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(6.2mmol)およびCsCO(13mmol)の混合物に、マイクロ波を110℃で0.5時間照射する。その後、溶液をEAで希釈し、HOで洗浄し、ブラインで洗浄する。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xviii)を得る。
[00218]ステップ3:MeOH(20mL)中の(R)-1-(1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xviii)(2.3mmol)の溶液に、Pd/C(800mg)およびHOAc(0.2mL)を加え、溶液をH(g)で5分間パージし、次いでH(g)下、室温で16時間撹拌する。その後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して化合物(xix)を得る。
[00219]ステップ4:DMF/HO(4mL/1mL)中の((R)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(xix)(595μmol)、I-1a(595μmol)、Pd(dppf)Cl(60μmol)、およびKCO(1.8mmol)の混合物をN(g)で10分間パージし、N(g)下、70℃で16時間撹拌した。混合物をEAで抽出し、合わせた有機抽出物を濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。化合物16、17、19、20、および21は、同じ手順を使用し、I-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例10
[00220]
[00221]ステップ1:DCM(30mL)中の(R)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-オール(xxii)(18mmol)およびTEA(54mmol)の溶液に、TsCl(22mmol)を加える。得られた混合物を、25℃で16時間撹拌する。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、化合物(xxiii)を得る。
[00222]ステップ2:NMP(50mL)中の(R)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル4-メチルベンゼンスルホネート(xxiii)(6.9mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(10mmol)およびCsCO(6.9mmol)の混合物を、マイクロ波で110℃にて16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xxiv)を得る。
[00223]ステップ3:MeOH(20mL)中の(S)-1-(1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xxiv)(2.6mmol)の混合物に、Pd/C(800mg)およびHOAc(0.2mL)を加える。得られた混合物をH(g)で5分間パージし、次いでH(g)下、室温で16時間撹拌する。その後、混合物を濾過し、濃縮して化合物(xxv)を得る。
[00224]ステップ4:DMF/HO(5mL/1ml)中の(S)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(xxv)(392μmol)、I-1(261μmol)、KCO(227μmol)、およびPd(dppf)Cl(7μmol)の混合物を、N(g)下、70℃で4時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物を分取HPLCにより精製して、続いて凍結乾燥して、化合物(24)を得る。化合物22、23、25、26、および27は、同じ手順を使用し、ステップ4のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例11
[00225]
[00226]DCM(20mL)中のtrans-3-(ベンジルオキシ)シクロブタノール(xxxi)(1.7mmol)の溶液に、TsCl(2.0mmol)およびTEA(3.4mmol)を加える。混合物を室温で16時間撹拌する。溶液をDCMで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、次に濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xxxii)を得る。
[00227]ステップ2:NMP(5mL)中のtrans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル4-メチルベンゼンスルホネート(xxxii)(0.95mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(0.95mmol)およびCsCO(1.9mmol))の混合物に、マイクロ波を110℃で0.5時間照射する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄する。有機層を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、標題化合物(xxxiii)を得る。
[00228]ステップ3:MeOH(5mL)中のcis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xxxiii)(0.54mmol)の溶液に、Pd/C(200mg)およびHOAc(5滴)を加え、溶液をH(g)で5分間パージし、H(g)下、室温で16時間撹拌する。混合物を濾過し、濾液を真空中で蒸発乾固させて、化合物(xxxiv)を得る。
[00229]ステップ4:DMF/HO(4mL/1mL)中のcis-3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)シクロブタノール(xxxiv)(0.21mmol)、I-1a(0.21mmol)、Pd(dppf)Cl(0.021μmol)、およびKCO(0.63mmol)の混合物を、Nで10分間パージし、N(g)下、70℃で16時間撹拌した。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により直接精製する。得られた物質を分取HPLCによりさらに精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(46)を得る。化合物44、45、47、48、および49は、同じ手順を使用し、ステップ4のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例12
[00230]
[00231]ステップ1:DCM(10mL)中のcis-3-ベンジルオキシ-シクロブタノール(xxxv)(2.8mmol)およびTEA(8.4mmol)の溶液に、4-メチル-ベンゼンスルホニルクロリド(3.4mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌する。混合物をブラインで希釈し、DCMで抽出する。有機抽出物を濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により直接精製して、化合物(xxxvi)を得る。
[00232]ステップ2:NMP(15mL)中のcis-トルエン-4-スルホン酸3-ベンジルオキシ-シクロブチルエステル(xxxvi)(1.5mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(2.2mmol)およびCsCO(4.5mmol))の混合物に、マイクロ波を120℃で2時間照射する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xxxvii)を得る。
[00233]ステップ3:MeOH(10mL)中のtrans-1-(3-ベンジルオキシ-シクロブチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xxxvii)(1.2mmol)の溶液に、Pd/C(200mg)および濃HCl(0.5mL)を加える。反応混合物をH(g)下、室温で16時間撹拌する。混合物を濾過し、濾液を濃縮して化合物(xxxviii)を得る。
[00234]ステップ4:ジオキサン/HO(4mL/1mL)中のtrans-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピラゾール-1-イル]-シクロブタノール(xxxviii)(0.8mmol)、I-1a(0.8mmol)、Pd(dppf)Cl(0.08mmol)、およびKCO(2.3mmol)の混合物を、N(g)で10分間パージし、N(g)下、70℃で4時間撹拌した。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。得られた物質を分取HPLCによりさらに精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(52)を得る。化合物50、51、53、54、および55は、同じ手順を使用し、ステップ4のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例13
[00235]
[00236]ステップ1:2-クロロ酢酸エチル(25mL)中の4-ブロモ-1H-ピラゾール(xxxix)(55mmol)およびKCO(110mmol)の混合物を80℃で15時間撹拌する。反応混合物を冷却し、EAで希釈し、HOで洗浄する。有機層を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、化合物(xl)を得る。
[00237]ステップ2:無水THF(60mL)中のエチル2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)アセテート(xl)(30mmol)およびチタンテトライソプロパノレート(15mmol)の溶液に、エチルマグネシウムブロミドの溶液(ヘキサン中3M、30mL、90mmol)を60℃で2時間かけて滴加した。同じ温度で2時間撹拌した後、反応混合物をEAで希釈し、1N HCl水溶液およびHOで順次洗浄する。有機層を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、化合物(xli)を得る。
[00238]ステップ3:DCM(8mL)中の1-[(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]シクロプロパン-1-オール(xli)(1.4mmol)および3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(4.1mmol)の溶液に、ピリジニウムパラトルエンスルホネート(1.4mmol)を室温で加える。混合物を4時間撹拌し、次いでブラインで希釈し、DCMで洗浄する。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xlii)を得る。
[00239]ステップ4:1,4-ジオキサン(3ml)、HO(1mL)およびDMF(0.5mL)の混合物中の4-ブロモ-1-{[1-(オキサン-2-イルオキシ)シクロプロピル]メチル}-1H-ピラゾール(xlii)(0.5mmol)、I-1A(1.1mmol)、Pd(dppf)Cl(106μmol)およびNaCO(1.6mmol)を、N(g)、80℃で3時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製して化合物(xliii)を得る。
[00240]ステップ5:MeOH(4mL)中の1-(4-フルオロ-フェニル)-1-{2-[4-(6-{1-[1-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-シクロプロピルメチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-ピリミジン-5-イル}-エチルアミン(xliii)(0.32mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸(1.0mmol)を室温で加え、得られた混合物を2時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCにより精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(58)を得る。化合物56、57、60、61、および62は、同じ手順を使用し、ステップ4のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例14
[00241]
[00242]ステップ1:THF(50mL)中の4-ブロモ-1H-ピラゾール(xxxix)(14mmol)の溶液に、0℃でNaH(30mmol)を加える。溶液を室温で1時間撹拌し、次いでメチル2,4-ジブロモブタノエート(xliv)(14mmol)を溶液に加える。混合物を16時間撹拌し、次いでEAで希釈する。有機層をHOで洗浄し、ブラインで洗浄し、真空中で濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、化合物(xiv)を得る。
[00243]ステップ2:MeOH(15mL)中のメチル1-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)シクロプロパンカルボキシレート(xiv)(2.3mmol)の溶液に、NaBH(6.8mmol)を加え、得られた混合物を完了するまで50℃で撹拌する。反応混合物を、DCMで希釈し、HOおよびブラインで順次洗浄し、真空中で濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(xlvii)を得る。
[00244]ステップ3:THF/HO(8mL/2mL)中の(1-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)シクロプロピル)メタノール(xlvii)(463μmol)、I-1A(調製1に記載のように調製)(695μmol)、Pd(t-BuP)(93μmol)、およびCsCO(1.4mmol)の混合物を、N(g)で10分間パージし、N(g)下、80℃で12時間撹拌した。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。得られた物質を分取HPLCによりさらに精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(65)を得る。化合物63、64、66、67、および68は、同じ手順を使用し、ステップ3のI-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例15
[00245]
[00246]ステップ1:DCM(20mL)中のテトラヒドロ-フラン-3-オール(xlviii)(23mmol)およびTEA(45mmol)の溶液に、室温でMsCl(25mmol)を加える。混合物を室温で16時間撹拌する。次に、反応混合物を、DCMで希釈し、HOおよびブラインで順次洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮乾固して、化合物(xlix)を得る。
[00247]ステップ2:NMP(50mL)中の(S)-テトラヒドロフラン-3-イルメタンスルホネート(xlviii)(11mmol)の溶液に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(xi)(17mmol)およびCsCO(34mmol)を室温で加える。混合物を、120℃で2時間撹拌する。溶液を、EAで希釈し、HOおよびブラインで順次洗浄し、真空中で濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(l)を得る。
[00248]ステップ3:DMF(2mL)およびHO(0.5mL)中の(R)-1-(テトラヒドロ-フラン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1)(0.3mmol)、I-1a(0.3mmol)、Pd(dppf)Cl(0.06mmol)およびKCO(0.9mmol)の混合物を、N(g)下で反応完了まで(under reaction completion)80℃にて撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。得られた物質を順次分取HPLCにより精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(83)を得る。化合物81、82、84、85、および86は、同じ手順を使用し、ステップ3のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例16
[00249]
[00250]ステップ1:DCM(20mL)中の(R)-テトラヒドロフラン-3-オール(li)(11mmol)およびTEA(23mmol)の溶液に、MsCl(12.5mmol)を室温で加え、得られた混合物を室温で6時間撹拌する。反応混合物を、DCMで希釈し、HOおよびブラインで順次洗浄し、濃縮して化合物(lii)を得る。
[00251]ステップ2:NMP(10mL)中のI-1B(0.6mmol)、(R)-テトラヒドロフラン-3-イルメタンスルホネート(lii)(0.9mmol)およびCsCO(1.9mmol)の混合物を、tlcによる反応完了まで(under reaction completion by tlc)120℃で撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物を分取HPLCにより直接精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(89)を得る。化合物87、88、90、91、および92は、同じ手順を使用し、ステップ2のI-1Bを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例17
[00252]
[00253]ステップ1:DCM(100mL)中のテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(liii)(31mmol)およびTEA(94mmol)の溶液に、0℃でMsCl(47mmol)を加える。反応物を室温で3時間撹拌し、次いでDCMで希釈し、飽和NaCO水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。溶媒を除去して化合物(liv)を得る。
[00254]ステップ2:NMP(50mL)中のテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメタンスルホネート(liv)(18mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(21mmol)およびCsCO(27mmol)の混合物を、80℃で4時間撹拌する。反応混合物を、DCMで希釈し、ブラインで洗浄する。有機層を真空中で蒸発させた。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(lv)を得る。
[00255]ステップ3:DMF/HO(10mL/2ml)中のI-1a(603μmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(lv)(754μmol)、KCO(754μmol)、およびPd(dppf)Cl(41μmol)の混合物を、N(g)下、70℃で4時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物を分取HPLCにより精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(95)を得る。化合物93、94、96、97、および98は、同じ手順を使用し、ステップ3のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例18
[00256]
[00257]ステップ1:NMP(100mL)中の3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(lvi)(61mmol)、4-ブロモ-1H-ピラゾール(xxxix)(61mmol)およびCsCO(121mmol)の溶液を、120℃で16時間撹拌する。溶液を冷却し、DCMで希釈し、次いでHOおよびブラインで洗浄する。有機層を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(lvii)を得る。
[00258]ステップ2:THF(50mL)中のrac-trans-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(lvii)(12mmol)、4-ニトロ安息香酸(12mmol)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(17mmol)およびトリフェニルホスフィン(17mmol)の混合物を、室温で16時間撹拌する。溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄する。有機層を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、化合物(lviii)を得る。
[00259]ステップ3:MeOH/THF/HO(30mL/30mL/30mL)中のrac-cis-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-イル4-ニトロベンゾエート(lvii)(11mmol)および水酸化リチウム(53mmol)の混合物を、室温で4時間撹拌する。得られた混合物をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、真空中で濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)により精製して、rac-cis-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オールを得る。この物質を、SFC(カラム:AD20×250mm、10μm(Daicel);移動相:CO/MeOH(0.2% メタノール中のアンモニア)=60/40;流速:80g/分)によるキラル分離に供して、ピーク1(lx)およびピーク2(lxi)を得る。ピーク1は、(3S,4S)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オールとして適宜割り当てられ、ピーク2は、(3R,4R)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オールとして適宜割り当てられる。
[00260]ステップ4:ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(3R,4R)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(lxi)(70mg、0.3mmol)(ステップ3からのピーク2)、I-1A(0.6mmol)、Pd[(t-Bu)P](0.06mmol)、およびNaCO(0.9mmol)の混合物を、90℃で4時間撹拌する。冷却後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して、化合物(101)を得る。化合物99、100、102、103、および104は、同じ手順を使用し、ステップ4のI-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例19
[00261]
[00262]rac-trans-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(1.1g)(実施例18のステップ1から)を、SFC(カラム:AD20×250mm、10μm(Daicel);移動相:CO/MeOH(MeOH中の0.2%アンモニア)=80/20;流速:80g/分)によるキラル分離に供して、ピーク1(lxiii)およびピーク2(lxiv)を得る。ピーク1は、(3R,4S)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オールとして適宜割り当てられ、ピーク2は、(3S,4R)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オールとして適宜割り当てられる。
[00263]ステップ2:ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(3R,4S)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(0.3mmol)(lxiii)(ステップ1からのピーク1)、I-1A(0.6mmol)、Pd[(t-Bu)P](0.06mmol)、およびNaCO(0.9mmol)の混合物を、Nで脱気し、90℃で4時間撹拌する。その後、溶液をDCMで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、標題化合物(107)を得る。化合物105、106、108、109、110は、同じ手順を使用し、ステップ2のI-1aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例20
[00264]
[00265]ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(3S,4R)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(70mg、0.3mmol)(lxiv)(実施例19のステップ1からのピーク2)、I-1A(0.6mmol)、Pd[(t-Bu)P](0.06mmol)、およびNaCO(0.9mmol)の混合物を、Nで脱気し、90℃で4時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物(113)を得る。化合物111、112、114、115、および116は、同じ手順を使用し、I-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例21
[00266]
[00267]ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(3S,4S)-4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロフラン-3-オール(lxiii)(0.22mmol)(実施例18のステップ3からのピーク1)、I-1A(0.44mmol)、Pd[(t-Bu)P](0.044mmol)、およびNaCO(0.66mmol)の混合物を、90℃で4時間撹拌する。冷却後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、標題化合物(119)を得る。化合物117、118、120、121、および122は、同じ手順を使用し、I-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例22
[00268]
[00269]ステップ1:MeOH(20mL)中の2-(ベンジルオキシ)シクロブタノン(5.7mmol)の溶液に、0℃でNaBH(11.4mmol)を加える。次いで、溶液を室温で3時間撹拌する。混合物をEAで希釈し、水およびブラインで洗浄し、次いで有機層を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)で精製して、ピーク1(cis-2-(ベンジルオキシ)シクロブタノールとして適宜割り当てられている)を無色の油として、およびピーク2(trans-2-(ベンジルオキシ)シクロブタノールとして適宜割り当てられている)を得る。
[00270]ステップ2:DCM(10mL)中のcis-2-(ベンジルオキシ)シクロブタノール(1.5mmol)の溶液に、塩化メシル(2.3mmol)およびトリエチルアミン(4.6mmol)を0℃で加える。混合物を室温で3時間撹拌する。その後、溶液をDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して、所望の化合物を得る。
[00271]ステップ3:DMF(8mL)中のcis-2-(ベンジルオキシ)シクロブチルメタンスルホネート(1.2mmol)、4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.2mmol)、およびCsCO(3.5mmol)の混合物を、100℃で16時間撹拌する。その後、溶液をEAで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA)で精製して、所望の化合物を得る。trans-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾールのキラル分離:trans-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾールを、SFC(カラム:IG20×250mm、10μm(Daicel);移動相:CO/MeOH(0.2% メタノール中のアンモニア)=75/25;流速:4g/分)によるキラル分離に供して、ピーク1(250mg)およびピーク2(250mg)を得る。ピーク1は、1-((1S,2S)-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾールとして適宜割り当てられ、ピーク2は、1-((1R,2R)-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾールとして適宜割り当てられる。
[00272]ステップ4:TFA(2mL)中の1-((1S,2S)-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾール(820μmol)の溶液を、80℃で16時間撹拌する。その後、溶液を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、所望の化合物を得る。
[00273]ステップ5:ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(1S,2S)-2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)シクロブタノール(556μmol)、I-1A(667μmol)、Pd(t-BuP)(99μmol)、およびCsCO(1.1mmol)の混合物を、Nで10分間パージし、N下、90℃で4時間撹拌した。その後、溶液をDCMで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。得られた物質をさらに分取HPLCにより精製し、続いて凍結乾燥して化合物(125)を得る。化合物123、124、126、127、および128は、同じ手順を使用し、ステップ5のI-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
実施例23
[00274]
[00275]ステップ1:TFA(2mL)中の1-((1R,2R)-2-(ベンジルオキシ)シクロブチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾール(820μmol)(実施例22のステップ3のピーク2から)の溶液を、80℃で16時間撹拌する。その後、溶液を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、所望の化合物を得る。
ステップ2:ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の(1R,2R)-2-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)シクロブタノール(556μmol)、I-1A(667μmol)、Pd(t-BuP)(99μmol)、およびCsCO(1.1mmol)の混合物を、N(g)で10分間パージし、N(g)下、90℃で4時間撹拌した。その後、溶液をEAで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、濃縮する。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。得られた物質を分取HPLCによりさらに精製し、続いて凍結乾燥して、化合物(131)を得る。化合物129、130、132、133、および134は、同じ手順を使用し、I-1Aを適切な中間体で置き換えて調製する。
生物学的実施例1:生化学的酵素活性阻害アッセイ
[00276]PDGFRαおよびKIT酵素活性を、Perkin Elmer電気泳動移動度シフト技術プラットフォーム、EZReader2を使用して監視した。蛍光標識基質ペプチドを、キナーゼおよびATPの存在下、および試験化合物の存在下でインキュベートし、試験化合物の各用量がリン酸化されるペプチドの反射比率をもたらすようにした。
[00277]キナーゼ酵素反応の線形定常状態段階で、リン酸化(生成物)ペプチドと非リン酸化(基質)ペプチドの混合プールを、印加された電位差の下でPerkinElmer EZ Reader 2のマイクロ流体システムに通した。生成物ペプチド上のリン酸基の存在は、基質ペプチドのそれとの間に質量および電荷の差をもたらし、その結果、試料中の基質および生成物プールが分離した(Perrinら、Expert Opin Drug Discovery 2010、Jan 5(1):51~63)。
[00278]生成物と基質ペプチドの混合物が機器内のレーザーを通過するとき、これらのプールが検出され(λex=488nm、λem=568nm)、別々のピークとして分解される。これらのピーク間の比率は、それらの条件下でのそのウェル内のその濃度での化合物の活性を反映している。
KIT(D816V)変異体生化学的酵素活性阻害の阻害
[00279]すべての試験物品を、10mMのストック濃度で100%DMSOに溶解した。すべての試験化合物の100X、10点、4倍段階希釈を、適切な濃度、通常は1mM、で開始して100%DMSOで作成した。TTPLabtech Mosquitoナノリットルディスペンサーを使用して、各濃度の0.130nLの体積を384ウェルアッセイプレート(Greiner 781 201)の適切なウェルに移した。次に、Multidropを使用して、反応の残りの成分を130nLの化合物に以下のように加えた:
[00280]APPKMにおけるATPに関するKITD816Vアッセイ:384ウェルアッセイプレートの各ウェルで、0.3nMの未処理酵素を、一連の用量濃度の化合物(最終濃度1%DMSO)の存在下または非存在下で、1μM Src tide(5-FAM-GEEPLYWSFPAKKK-NH2)および20μM ATPを含む合計13μLの緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%Brij35、10mM MgCl、1mM DTT)中、25℃で60分間インキュベートした。70μlの停止緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015% Brij 35、35mM EDTAおよび0.2%のCoating Reagent 3、Caliper Lifesciences)を加えることにより反応を停止させた。プレートは、Caliper EZReader2で読み取った。実施例に従って調製された化合物についてこれらの実験で得られた結果は、以下の表2に要約されている。生化学的D816VおよびD842Vの活性については、以下の表示を使用する:≦0.30nM=A;≧0.31かつ<1.4nM=B;≧1.4nM=C;およびND=測定不能。
[00281]参照のために、比較Aの化学構造は以下のとおりである:
PDGFRA変異体生化学的酵素活性阻害の阻害
[00282]すべての試験物品を、10mMのストック濃度で100%DMSOに溶解する。すべての試験化合物の100X、10点、4倍段階希釈を、適切な濃度、通常は1mM、で開始して100%DMSOで作成する。TTPLabtech Mosquitoナノリットルディスペンサーを使用して、各濃度の0.130μLの体積を384ウェルアッセイプレート(Greiner 781 201)の適切なウェルに移す。次に、Multidropを使用して、反応の残りの成分を130nLの化合物に以下のように加える:
[00283]ATPに関する見かけのミカエリス・メンテン定数(APPKM)におけるPDGFRαD842Vアッセイ:384ウェルアッセイプレートの各ウェルで、7nMの未処理酵素を、一連の用量濃度の化合物(最終濃度1%DMSO)の存在下または非存在下で、1μM CSKtide (5-FAM-AHA-KKKKDDIYFFFG-NH2)および25μM ATPを含む合計13μLの緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%Brij35、10mM MgCl、1mM DTT)中、25℃で90分間インキュベートする。70μlの停止緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015% Brij 35、35mM EDTAおよび0.2%のCoating Reagent 3、Caliper Lifesciences)を加えることにより反応を停止させる。プレートは、Caliper EZReader2で読み取る。
生物学的実施例2:野生型KIT活性の尺度としてのSCF刺激アッセイによるUT-7細胞増殖
[00284]UT-7細胞は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)または幹細胞因子(SCF)に依存して培養で成長し得るヒト巨核芽球性白血病細胞株である。UT-7細胞は、KIT受容体チロシンキナーゼの活性化およびそれに続く細胞の成長および増殖を支持し得る下流のシグナル伝達によってSCF刺激に応答する(Kuriuら、1999;Komatsuら、1991;Sasakiら、1995)。試験化合物を、UT-7細胞のSCF刺激増殖を阻害するそれらの能力についてアッセイした。
[00285]SCF刺激によるUT-7細胞増殖の阻害は、存在するアデノシン三リン酸(ATP)の量を定量化するCellTiter-Gloアッセイを使用して評価し、これは、代謝的に活性な細胞の読み取り値であり、培養中の生細胞の数に正比例する。SCF刺激によるUT-7細胞増殖を阻害する試験化合物の能力を、試験化合物の25μM~95.4pMの範囲の10点用量曲線を使用して決定する。
[00286]UT-7細胞を、10%FBS、5ng/mL GM-CSFおよび100単位/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補充したIMDM中で維持し、37℃の加湿組織培養インキュベーター中で成長させる。UT-7細胞を、無血清、GM-CSFフリーIMDMで1回洗浄する。次に細胞を4%FBSおよび50ng/mL SCFを含有するIMDMに再懸濁し、384ウェルマイクロプレートに22μLの体積でウェルあたり2500細胞で播種する。次に、試験化合物の10点用量濃度系列(25.0μM~95.4pM)を各ウェルに3.1μLの体積で細胞に加え(最終濃度0.25%DMSO)、組織培養インキュベーター(5%CO2、37℃)に72時間入れる。試験化合物を使用して3日間放置した後、CellTiter-Glo試薬を新たに調製し、25μLの試薬を各ウェルに加える。プレートシェーカー上で室温、300rpmで10分間振盪することにより、プレートを混合する。プレートは、384ウェルプレートの超高感度発光プロトコルを使用してEnVisionプレートリーダーで読み取る。データは、0%および100%阻害対照に対して正規化し、IC50は、4パラメーターロジスティックIC50曲線フィッティングを使用して計算する。
生物学的実施例3:ラットの脳透過性の評価 脳対血漿比(Kp,脳)
[00287]脳透過性を理解するために、化合物の脳対血漿比を、Sprague-Dawley(SD)ラットにおいて得た。ラットなどの前臨床種における血液と脳の間の生体内平衡分布は、脳透過性を評価するために一般的に使用されるパラメーターである。K,脳は、脳と血液中の濃度の比(C/C血漿)である。化合物の受動的拡散特性、血液脳関門(BBB)の膜輸送体に対する化合物の親和性、血漿タンパク質と脳組織間の相対的薬物結合親和性の差が、K,脳に影響を与える。K,脳が0.1より小さい化合物は、CNSへのアクセスが制限されるが、K,脳が0.3~0.5より大きい化合物は、脳透過性が良好であると考えられ、K,脳が1より大きい化合物は、BBBを自由に通過する(Expert Opin. Drug Delivery (2016) 13 (01): 85~92頁)。
[00288]本明細書に開示される化合物の脳透過性を、Sprague-Dawleyラットで測定した(3/化合物)。動物は、頸静脈カニューレ挿入を介して、1mg/kg/時間の化合物のIV注入を8時間かけて受けた。24時間で、尾静脈出血または心臓穿刺(麻酔下)によって血液を採取し、遠心分離して血漿試料を得た。脳組織を採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で均質化した。化合物の濃度を、LC-MS/MS分析によって血漿および脳ホモジネート中で得た。以下の表3は、本明細書に記載の実施例に従って調製した化合物1および2および比較AのK,脳の結果を示す。
[00289]化合物1および2は、比較A(平均=1.8)と比較して、非常に低いK,脳(平均=0.133および0.045)を示す。
[00290]試験化合物のラット血漿タンパク質結合を、平衡透析法を使用してインビトロで評価した。試験化合物は、37℃にて、5時間の透析ブロックで100%血漿中で評価した。ドナー側とレシーバー側からの試料を、LC-MS/MSによって分析した。血漿タンパク質の結合画分と非結合画分は、以下の等式を使用して計算した。
結合画分(fb)(%)=100×([ドナー]5h-[レシーバー]5h)/[ドナー]5h (等式1)
非結合画分(fu),p(%)=100-%結合 (等式2)
式中:[ドナー]5hは、5時間で測定されたドナー濃度であり、[レシーバー]5hは、5時間で測定されたレシーバー濃度であり、fbは、血漿から決定された結合画分であり、fu,pは、血漿の非結合画分として計算される。ワルファリンおよびキニジンを陽性対照として使用した。
同様に、試験化合物のラット脳タンパク質結合もまた、平衡透析法を使用してインビトロで評価した。1μMの化合物を、37℃にて、5時間の透析ブロックで脳ホモジネート中で評価した。ドナー側とレシーバー側からの試料を、LC-MS/MSによって分析した。脳タンパク質の結合画分と非結合画分は上記の等式(等式1および2)を使用して計算した。
非結合脳対血漿比(Kpuu,脳)
[00291]上記で得られた脳濃度および血漿濃度、ならびに上記で得られたfu,脳値に基づいて、非結合脳対血漿比(Kpuu,脳)を、表3に示すように計算した。
[00292]化合物1および2は、比較A(平均=0.84)と比較して、非常に優れた低いKp,uu,脳(平均=0.017および0.01)を示す。組織内の非結合薬物濃度は、組織区画内で薬理学的効果を発揮するために利用できる遊離薬物である。1および2は比較Aと比較してKp,uu,脳が非常に低いので、このことは、薬理効果を発揮するために脳内で利用できる1または2の量が比較Aと比較して非常に少ないことを意味する。

Claims (21)

  1. 式(I):
    の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
    (式中、
    は、単結合および二重結合から選択され;
    は、単結合および二重結合から選択され;
    Zは、CHおよびNHから選択され;
    Yは、CおよびNから選択され;
    は、CH、C、およびNから選択され;
    は、CH、C、およびNから選択され;
    ただし、XとXが両方ともNである場合、YはNではなく、ZはCHではなく;
    Aは、
    であり;
    は、水素およびメチルから選択され;
    は、水素およびメチルから選択され、または
    とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
    は、水素およびメチルから選択され;
    は、水素およびメチルから選択され、または
    とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
    は、水素およびメチルから選択され;
    は、水素およびメチルから選択され、または
    とRは一緒になってシクロプロピルを形成しており、または
    もしくはRの1つがRと一緒になってシクロブチルを形成しており;
    は、水素であるか、またはR、R、もしくはRのうちの1つは、Rと一緒になって、オキセタン、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランから選択される環を形成しており、ここで、前記テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランはヒドロキシルで任意選択で置換されており;
    mは、0または1であり;
    nは、0または1であり;
    Bは、OHおよびNHから選択される)
  2. 式(II):
    の化合物である請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  3. 式(III):
    の化合物である請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  4. がNであり、
    が単結合であり、XがCであり、
    が二重結合である、請求項3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  5. がCであり、
    が二重結合であり、XがNであり、
    が単結合である、請求項3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  6. Aが、
    であり;
    が、水素およびメチルから選択され;
    が、水素およびメチルから選択され、またはRとRは一緒になってシクロプロピルを形成しており;
    が、水素およびメチルから選択され、または
    とRが一緒になってシクロプロピルを形成しており;
    が、水素である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  7. Aが、
    であり;
    wが、1または2であり;
    tが、1または2であり;
    sが、0または1である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  8. BがNHである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  9. BがOHである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  10. Aが、
    から選択される、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  11. Aが、
    から選択される、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  12. Aが、
    から選択される、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  13. Aが、
    から選択される、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  14. Aが、
    から選択される、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  15. Aが
    である、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  16. 表1に列挙される化合物の1つである、請求項1~5、8および9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
  17. 請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物;ならびに
    薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物。
  18. 疾患または状態の処置を必要とする患者における疾患または状態を処置する方法であって、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物を前記患者に投与するステップを含み、前記疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、方法。
  19. 前記疾患または状態が、全身性肥満細胞症である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記全身性肥満細胞症が、無痛性全身性肥満細胞症、およびくすぶり型全身性肥満細胞症から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 疾患または状態の処置を必要とする患者における疾患または状態を処置するための医薬として使用するための、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物であって、前記疾患または状態が、全身性肥満細胞症、消化管間質腫瘍、急性骨髄性白血病、黒色腫、セミノーマ、頭蓋内胚細胞腫瘍、縦隔B細胞リンパ腫、ユーイング肉腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化胚細胞腫、骨髄異形成症候群、鼻のNK/T細胞リンパ腫、慢性骨髄単球性白血病、および脳腫瘍から選択される、化合物、その薬学的に許容される塩、および/または前述のいずれかの溶媒和物。
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