JP2023544223A - 標的化pet/spect撮像のための放射性標識リガンド及びそれらの使用方法 - Google Patents

標的化pet/spect撮像のための放射性標識リガンド及びそれらの使用方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、がんの検出のための化合物、複合体、組成物、及び方法を提供する。具体的には、本技術の化合物、複合体、組成物としては、pH(低)挿入ペプチドが挙げられる。本明細書には、対象におけるがんを検出するための画像診断において本技術の複合体及び組成物を使用する方法も開示される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月22日に出願された米国仮出願第63/081,632号及び2021年9月9日に出願された米国仮出願第63/242,315号の利益及び優先権を主張し、その各々は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本技術は、概して、改変pH(低)挿入ペプチドを含む組成物、及び対象におけるがんなどの酸性組織を検出するための診断撮像においてそれを使用する方法に関する。
政府支援の記載
本発明は、国立衛生研究所によって授与された、CA186721、CA138468、及びCA008748の政府支援で行われた。政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
本技術の背景の以下の説明は、単に本技術を理解する際の補助として提供され、本技術の先行技術を説明又は構成するとは認められていない。
がん細胞は、一般的に、それらの無秩序な増殖機構及び生存の必要性のために解糖経路のエネルギー産生を好み、よって過剰な酸性をもたらす。恒常性を維持するために、がん細胞は、解糖中に形成された乳酸を細胞外環境に放出する。乳酸放出は、正常組織のpHと比較して、これらの細胞のすぐ周りの細胞外pHを低下させる。更に、急速に代謝する細胞による二酸化炭素の産生は、がん細胞表面上で炭酸脱水酵素の発現を引き起こし、細胞が二酸化炭素を搬出し、脱水酵素がそれを重炭酸イオン及び水素イオンに変換するにつれて、細胞外環境の更なる酸性化を促進する。pH勾配の差異により、急速に増殖する組織におけるこれらの酸性領域をマークするプローブは、潜在的に、正常組織からがん性組織を区別することができる。
よって、(a)腫瘍における高い腫瘍取り込み及び長期保持、並びに(b)腫瘍細胞を検出するためのPET及びSPECT撮像方法における使用のための非腫瘍組織における最小限の蓄積を示す新規診断組成物の必要性がある。
一態様では、本開示は、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、本化合物は、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されているpH(低)挿入ペプチド(「pHLIP」)を含み、pHLIPは、C末端及びN末端を含み、X1は、pHLIPのアミノ酸残基の側鎖のヘテロ原子に共有結合し、アミノ酸残基は、C末端又はN末端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10残基である。
化合物において、X1は、式I、式II、又は式IIIを有し、
(I)
(II)
(III)
式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11は、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、W1及びW2は、各々独立して、

(nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、W3は、
(aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である。例えば、本明細書における任意の実施形態では、化合物は、Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)であり得、式中、X1は、式Iaを有する。
(Ia)
関連態様では、本明細書に記載される化合物の任意の実施形態と、放射性核種と、を含む、複合体が提供される。そのような複合体において、X2は、X1及び放射性核種を一緒に表し、X2は、式IV、式V、又は式VIによって表すことができ、
(IV)
(V)
(VI)
式中、M1は、各出現で独立して、放射性核種であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11は、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、W1及びW2は、各々独立して、

(nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、W3は、
(aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である。例えば、本明細書における任意の実施形態では、複合体は、Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)であり得、式中、X2は、式IVaを有し、
(IVa)
1は、89Zr4+である。
本技術の別の関連態様では、化合物及び/又は複合体並びに薬学的に許容される担体の態様及び実施形態のいずれか1つを含む組成物が提供される。更なる関連態様では、薬学的組成物が提供され、薬学的組成物は、有効量の、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境及び薬学的に許容される担体を含む組織を撮像するための、本明細書に記載される複合体の実施形態のいずれか1つを含む。
一態様では、本開示は、(a)対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の実施形態の複合体を投与することを含み、前記複合体が、酸性pH環境を有する固形腫瘍に局在化するように構成されており、(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における1つ以上の固形腫瘍の存在を検出すること、を含む、検出を必要とする対象において固形腫瘍を検出するための方法を提供する。
別の態様では、本開示は、(a)対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の実施形態の複合体を投与することを含み、前記複合体が、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成さ、(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における酸性罹患組織の存在を検出すること、を含む、検出を必要とする対象において酸性罹患組織を検出するための方法を提供する。
本明細書では、患者において、例えば、がんを診断するために好適な成分を含有するキットも開示される。一態様では、キットは、本技術の少なくとも1つの化合物及び使用説明書を含む。
実施例に従った、本技術の複合体の4T1腫瘍を担持するマウスへの注射後の示された時点での選択された臓器におけるエクスビボ生体内分布(平均%ID/g±SD)を提供する。 実施例に従った、本技術の複合体の注射後の示された時点で撮像された代表的なマウスについての4T1腫瘍のレベルでのインビボPET画像スライスを提供する。矢印は、マウスにおいて腫瘍がどこに位置するかを示す。 実施例に従った、最大強度投影(「MIP」)及び冠状スライス(「体軸」)PET/CT画像を介した本技術の複合体の、腫瘍内注射後4時間、腫瘍内注射後24時間、及び腫瘍内注射後168時間での脳腫瘍を担持するマウスについての代表的なインビボPET画像を提供する。 実施例に従った、図3に関して示されたインビボPET画像データの関心体積分析によって決定される平均臓器取り込みレベルを提供する。 実施例に従った、Zr-DFO-cys-Var3pHLIPと膜の脂質二重層との相互作用を証明する、pH8、POPCリポソームの存在下ではpH8、及びPOPCリポソームの存在下ではpH4の水溶液中の本技術の複合体の「コールド」バリアント(「Zr-DFO-cys-Var3pHLIP」)のトリプトファン蛍光スペクトルを提供する。 実施例に従った、Zr-DFO-cys-Var3pHLIPと膜の脂質二重層との相互作用を同様に証明する、pH8、POPCリポソームの存在下ではpH8、及びPOPCリポソームの存在下ではpH4の水溶液中のZr-DFO-cys-Var3pHLIPの円二色性スペクトルを提供する。 実施例に従った、POPCリポソームの脂質二重層へのZr-DFO-cys-Var3pHLIPのpH依存的挿入を証明するpHの関数としてのトリプトファン蛍光スペクトルの最大の位置の変化を例示する。データは、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式を使用して当てはめ、適合曲線及び95%信頼区間は、それぞれ、黒色の線及び灰色の陰影によって示される。 実施例に従った、320カットオフフィルターを介して測定された正規化蛍光によって提供される、pH8からpH4へのpHの低下によって誘発される、Zr-DFO-cys-Var3pHLIPの脂質二重層への挿入についての代表的な速度曲線を示す。黒色の線は、一指数関数適合である。 実施例に従った、8から3へのpHの低下によって誘導されるPOPCリポソームの脂質二重層へのZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPの挿入を示すZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPのトリプトファン蛍光スペクトルの変化を例示する。データは、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめて、遷移の中点(pK)を確立した。 実施例に従った、8から3へのpHの低下によって誘導されるPOPCリポソームの脂質二重層へのZr-DFO*-lys-Var3pHLIPの挿入を示すZr-DFO*-lys-Var3pHLIPのトリプトファン蛍光スペクトルの変化を例示する。データは、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめて、遷移の中点(pK)を確立した。 実施例に従った、8から3へのpHの低下によって誘導されるPOPCリポソームの脂質二重層へのZr-DFO-lys-Var3pHLIPの挿入を示すZr-DFO-lys-Var3pHLIPのトリプトファン蛍光スペクトルの変化を例示する。データは、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめて、遷移の中点(pK)を確立した。 実施例に従った、遷移の中点(pK)を確立するためにデータがヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめられた、8から3へのpHの低下によって誘導されるコイル-ヘリックス遷移を示すミリ度で測定されたZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPの円二色性の変化を例示する。 実施例に従った、遷移の中点(pK)を確立するためにデータがヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめられた、8から3へのpHの低下によって誘導されるコイル-ヘリックス遷移を示すミリ度で測定されたZr-DFO*-lys-Var3pHLIPの円二色性の変化を例示する。 実施例に従った、遷移の中点(pK)を確立するためにデータがヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめられた、8から3へのpHの低下によって誘導されるコイル-ヘリックス遷移を示すミリ度で測定されたZr-DFO-lys-Var3pHLIPの円二色性の変化を例示する。 実施例に従った、200μCi(1.2nmol)の本技術の複合体が注射された同所性RM-1腫瘍同種移植片を担持する雄性無胸腺ヌードマウス(群当たり4匹のマウス)の群についての48p.i.での選択された臓器におけるエクスビボ分布(平均%ID/g±標準偏差)を図示する。 実施例に従った、本技術の複合体について48時間p.iでの冠状インビボPET画像(最大強度投影)を提供し、丸は、腫瘍の位置を示す(スケール:組織グラム当たりの注射用量パーセント(%ID/g))。
本技術の実質的な理解を提供するために、本方法の特定の態様、モード、実施形態、変形、及び特徴が、以下に様々な詳細さのレベルで記載されることを理解されたい。
本方法を実施する際には、分子生物学、タンパク質生化学、細胞生物学、微生物学、及び組換えDNAにおける多くの従来の技法が用いられる。例えば、Sambrook and Russell eds.(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd edition、the series Ausubel et al.eds.(2007)Current Protocols in Molecular Biology、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.)、MacPherson et al.(1991)PCR 1:A Practical Approach(IRL Press at Oxford University Press)、MacPherson et al.(1995)PCR 2:A Practical Approach、Harlow and Lane eds.(1999)Antibodies,A Laboratory Manual、Freshney(2005)Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,5th edition、Gait ed.(1984)Oligonucleotide Synthesis、米国特許第4,683,195号、Hames and Higgins eds.(1984)Nucleic Acid Hybridization、Anderson(1999)Nucleic Acid Hybridization、Hames and Higgins eds.(1984)Transcription and Translation、Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press(1986))、Perbal(1984)A Practical Guide to Molecular Cloning、Miller and Calos eds.(1987)Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(Cold Spring Harbor Laboratory)、Makrides ed.(2003)Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells、Mayer and Walker eds.(1987)Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London)、及びHerzenberg et al.eds(1996)Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
本開示は、非標的臓器及び組織における高い腫瘍取り込み、長期の腫瘍保持、及び最小限の蓄積を示す改変されたpH(低)挿入ペプチドを含む、化合物、複合体、及び組成物を提供する。これらの複合体及び組成物は、がん性細胞などの酸性組織を検出するために、より短い時点(例えば、医学的撮像モダリティ陽電子放出断層撮影で使用される放射性医薬品であるフルデオキシグルコースF18(「18F-FDG」)又ははるかにより長い時点(例えば、放射性標識抗体)ではなく、より広い範囲の時間にわたる診断撮像を可能にするため、診断造影剤として有用である。
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、概して、本技術が属する当業者により一般的に理解される同じ意味を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が別途明確に指示しない限り、複数の参照物を含む。例えば、「細胞」への言及は、2つ以上の細胞の組み合わせなどを含む。一般に、本明細書で使用される命名法、並びに以下に記載される細胞培養、分子遺伝学、有機化学、分析化学、生化学、及びハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。
本明細書で使用される場合、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変動するであろう。当業者に明らかでない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」は、特定の用語のプラス又はマイナス10%を意味し(例えば、そのような数が可能な値の0%未満又は100%を超える場合を除く)、例えば、「約10質量%」は、「9質量%~11質量%」を意味すると理解されるであろう。「約」が用語に先行する場合、用語は、「約」によって修飾されることなく、用語と同様に「約」を開示するものとして解釈されるべきであり、例えば、「約10質量%」は、「10質量%」を開示するとともに「9質量%~11質量%」を開示することを理解されたい。
本開示で使用される「及び/又は」という語句は、列挙されたメンバーのいずれか1つを個別に又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを意味すると理解され、例えば、「A、B、及び/又はC」は、「A、B、C、A及びB、A及びC、又はB及びC」を意味するであろう。
本明細書で使用される場合、対象への薬剤又は薬物の「投与」は、その意図される機能を行うために対象に化合物を導入又は送達する任意の経路を含む。投与は、経口、鼻腔内、非経口(静脈内、筋肉内、腹腔内、病巣内、若しくは皮下)、直腸、局所、動脈内、髄腔内、又は吸入によって若しくは脳脊髄液への導入を介したものを含む、任意の好適な経路によって実施することができる。投与には、自己投与及び他者による投与が含まれる。
本明細書において使用される場合、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体を含む。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるもの、並びに後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸塩、及びO-ホスホセリンである。天然に存在するアミノ酸には、例えば、哺乳動物タンパク質に通常見られる20個の最も一般的な左旋性(L)アミノ酸、すなわち、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン、(Trp)、チロシン(Tyr)、及びバリン(Val)が含まれる。アミノ酸は、本明細書では、一般に知られている3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される1文字記号のいずれかによって称され得る。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、ペプチド結合又は修飾ペプチド結合、すなわち、ペプチドアイソスターによって互いに結合した2つ以上のアミノ酸を含むポリマーを意味する。ポリペプチドは、一般にペプチド、グリコペプチド、又はオリゴマーと称される短鎖、及び一般にタンパク質と称されるより長い鎖の両方を指す。ポリペプチドは、20の遺伝子コードされたアミノ酸以外のアミノ酸を含有し得る。ポリペプチドには、翻訳後処理などの天然プロセスによって、又は当該技術分野で周知の化学修飾技法によってのいずれかで改変されたアミノ酸配列が含まれる。本明細書における任意の実施形態では、本技術の化合物及び複合体に含まれるペプチドは、D-アミノ酸のみを含み得る。
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、悪性新生物又は腫瘍を指す(Stedman’s Medical Dictionary,25th ed.;Hensly ed.;Williams & Wilkins:Philadelphia,1990)。例示的ながんとしては、聴神経鞘腫;腺がん;副腎がん;肛門がん;脈管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単クローン性免疫グロブリン血症;胆道がん(例えば、胆管がん);膀胱がん;乳がん(例えば、乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳房の髄様がん);脳がん(例えば、髄膜腫、膠芽腫、神経膠腫(例えば、星細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽腫;気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頸がん(例えば、子宮頸部腺がん);絨毛がん;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結合組織がん;上皮がん;上衣腫;内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道腺がん、バレット腺がん);ユーイング肉腫;眼がん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増多症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺がん);胃腸間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮がん))、喉頭がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口咽頭がん));造血器がん(例えば、白血病、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質性リンパ腫(例えば、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;並びにT細胞NHL、例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞リンパ腫);上述の1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物;並びに多発性骨髄腫(MM))、重鎖疾患(例えば、アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患);血管芽細胞腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例えば、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞がん);肝臓がん(例えば、肝細胞がん(HCC)、悪性肝腫);肺がん(例えば、気管支原性がん、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺がん);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉がん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性障害(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄化生(AMM)別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、過好酸球増多症候群(HES);神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型又は2型、神経鞘腫);神経内分泌がん(例えば、胃腸膵神経内分泌腫瘍(GEP NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨がん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺がん、卵巣胚がん、卵巣腺がん);乳頭腺がん;膵臓がん(例えば、膵臓腺がん、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎及び陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉腫瘍(PNT);形質細胞腫瘍;腫瘍随伴症候群;上皮内腫瘍;前立腺がん(例えば、前立腺腺がん);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺がん;皮膚がん(例えば、扁平上皮がん(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、黒色腫、基底細胞がん(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織細胞腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺がん;小腸がん;汗腺がん;滑膜腫;精巣がん(例えば、精巣腫、精巣胚がん);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭がん、甲状腺乳頭がん(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣がん;並びに外陰がん(例えば、外陰のパジェット病)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「対照」は、比較目的のために実験で使用される代替試料である。対照は、「陽性」であっても「陰性」であってもよい。
本明細書で使用される場合、「放射性標識」は、少なくとも1つの元素の放射性同位体を含む部分を指す。例示的な好適な放射性標識としては、本明細書に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、放射性標識は、陽電子放出断層撮影(PET)で使用されるものである。いくつかの実施形態では、放射性標識は、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)で使用されるものである。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、対象又は単離された微生物から得られた臨床試料を指す。特定の実施形態では、試料は、対象から収集された組織、体液、又は微生物などの、生物源(すなわち、「生物試料」)から得られる。試料源としては、粘液、痰、気管支肺胞洗浄液(BAL)、気管支洗浄液(BW)、全血、体液、脳脊髄液(CSF)、尿、血漿、血清、又は組織が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」、又は「患者」という用語は、交換可能に使用され、個々の生物、脊椎動物、哺乳動物、又はヒトを指す。特定の実施形態では、個体、患者、又は対象は、ヒトである。
一般に、「置換された」とは、その中に含まれる水素原子への1つ以上の結合が、非水素又は非炭素原子への結合によって置き換えられる、以下に定義される有機基(例えば、アルキル基)を指す。置換された基はまた、炭素又は水素原子への1つ以上の結合が、ヘテロ原子への、二重又は三重結合を含む、1つ以上の結合によって置き換えられる基を含む。よって、置換された基は、別途指定されない限り、1つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、置換された基は、1、2、3、4、5、又は6つの置換基で置換される。置換基の例は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシレート;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;ペンタフルオロスルファニル(すなわち、SF5)、スルホンアミド;アミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;ウレア;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン:ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN)などを含む。
置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基などの置換された環基はまた、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられる環及び環系を含む。したがって、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基はまた、置換又は非置換アルキル、アルケニル、及びアルキニル基で置換され得る。
アルキル基としては、1~12個の炭素原子、典型的には1~10個の炭素、又はいくつかの実施形態では、1~8個、1~6個、若しくは1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐鎖アルキル基が挙げられる。アルキル基は、置換又は非置換であり得る。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、及びn-オクチル基などの基が挙げられる。分岐アルキル基の例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、及び2,2-ジメチルプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、上記で列挙されたものなどの置換基で1回以上置換され得、限定なしに、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキルなどを含む。
本明細書で使用される「アルカノイル」及び「アルカノイルオキシ」という用語は、それぞれ、-C(O)-アルキル基及び-O-C(O)-アルキル基を指すことができる。
本技術の化合物内に2つ以上の結合点(すなわち、二価、三価、又は多価)を有する本明細書に記載される基は、接尾語、「ene」の使用によって指定される。例えば、二価アルキル基は、アルキレン基であり、二価アリール基は、アリーレン基であり、二価ヘテロアリール基は、二価ヘテロアリーレン基であるなどである。本技術の化合物への単一の結合点を有する置換基は、「ene」指定を使用して言及されない。よって、例えば、クロロエチルは、本明細書ではクロロエチレンとは称されない。
本明細書で使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、臭素、塩素、フッ素、又はヨウ素を指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フッ素である。他の実施形態では、ハロゲンは、塩素又は臭素である。
本明細書で使用される「ヒドロキシル」という用語は、-OHを指す。
当業者によって理解されるであろうように、いずれか又は全ての目的のために、特に書面による説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、いずれか及び全ての可能な部分範囲並びにそれらの部分範囲の組み合わせを包含する。いずれかの列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明し、それを可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解することができる。また当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのような全ての言語は、列挙された数を含み、上記で考察されるように部分範囲にその後分解することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうように、範囲は、各個々のメンバーを含む。よって、例えば、1~3個の原子を有する基は、1、2、又は3個の原子を有する基を指す。同様に、1~5個の原子を有する基は、1、2、3、4、又は5個の原子を有する基などを指す。
本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩は、本技術の範囲内であり、所望の薬理学的活性を保持し、生物学的に望ましくないものではない酸付加塩又は塩基付加塩を含む(例えば、塩は、過度に毒性、アレルギー性、又は刺激性ではなく、生物学的に利用可能である)。本技術の化合物が、例えば、アミノ基などの塩基性基を有するとき、薬学的に許容される塩は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、及びリン酸など)、有機酸(例えば、アルギン酸塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸)、又は酸性アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタミン酸など)で形成することができる。本技術の化合物が、例えば、カルボン酸基などの、酸性基を有するとき、それは、金属、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属(例えば、Na+、Li+、K+、Ca2+、Mg2+、Zn2+)、アンモニア若しくは有機アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、又は塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、及びオルニチン)で塩を形成することができる。そのような塩は、化合物の単離及び精製中に、又はその遊離塩基若しくは遊離酸形態の精製された化合物を、それぞれ、好適な酸若しくは塩基と別々に反応させ、そのように形成された塩を単離することによって、インサイチュで調製することができる。
当業者は、本技術の化合物が、互変異性、立体配座異性、幾何異性、及び/又は立体異性の現象を示し得ることを理解するであろう。本明細書及び特許請求の範囲内の式の図面は、可能な互変異性、立体配座異性、立体化学、又は幾何異性形態のうちの1つのみを表すことができるので、本技術は、本明細書に記載される有用性のうちの1つ以上を有する化合物の任意の互変異性、立体配座異性、立体化学、及び/又は幾何異性形態、並びにこれらの様々な異なる形態の混合物を包含することが理解されるべきである。
「互変異性体」は、互いに平衡にある化合物の異性体形態を指す。異性体形態の存在及び濃度は、化合物が見られる環境に依存し、例えば、化合物が固体であるか、又は有機溶液若しくは水溶液中にあるかに応じて異なり得る。例えば、水溶液中では、キナゾリノンは、互いの互変異性体と称される、以下の異性体形態を示し得る。
別の例として、グアニジンは、プロトン性有機溶液中で、同様に互いの互変異性体と称される以下の異性体形態を示し得る。
構造式によって化合物を表すことの限界のために、本明細書に記載される化合物の全ての化学式は、化合物の全ての互変異性体形態を表し、本技術の範囲内であることを理解されたい。
化合物の立体異性体(光学異性体としても知られる)は、特定の立体化学が明示的に示されない限り、構造の全てのキラル、ジアステレオマー、及びラセミ形態を含む。よって、本技術で使用される化合物は、描写から明らかなように、いずれか又は全ての非対称原子で濃縮又は分解された光学異性体を含む。ラセミ混合物及びジアステレオマー混合物の両方、並びに個々の光学異性体は、それらのエナンチオマー又はジアステレオマーパートナーを実質的に含まないように単離又は合成することができ、これらの立体異性体は、全て本技術の範囲内である。
本技術の化合物は、溶媒和物、特に水和物として存在し得る。水和物は、化合物若しくは化合物を含む組成物の製造中に形成し得るか、又は水和物は、化合物の吸湿性のために経時的に形成し得る。本技術の化合物は、とりわけ、DMF、エーテル、及びアルコール溶媒和物を含む、有機溶媒和物としても存在し得る。任意の特定の溶媒和物の特定及び調製は、合成有機化学又は医化学の通常の技術者の技能の範囲内である。
本技術の組成物
pH(低)挿入ペプチドは、酸性悪性組織を標的とすることができる独自のクラスの送達剤を表す。理論によって縛られることなく、標的化の分子メカニズムは、膜貫通アルファヘリックスのpH依存的形成に基づいており、これは、比較的低い細胞外pHを有する環境においてpH(低)挿入ペプチドの細胞膜への挿入を伴う。pH(低)挿入ペプチドの少なくとも3つの折り畳み状態がある:溶液中の展開された非結合ペプチド(状態I)、生理学的pHで膜脂質二重層と緩やかに相互作用する展開されたペプチド(状態II)、及び低細胞外pHにて膜を横切って挿入されたアルファ-ヘリックス構造の折り畳まれたペプチド(状態III)。
一態様では、化合物又はその薬学的に許容される塩が提供され、化合物は、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されているpH(低)挿入ペプチド(「pHLIP」)を含み、pHLIPは、C末端及びN末端を含み、X1は、pHLIPのアミノ酸残基の側鎖のヘテロ原子に共有結合し、アミノ酸残基は、C末端又はN末端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10残基である。N末端から0残基であるアミノ酸残基は、アミノ酸残基がN末端残基であることを意味すると理解されるであろう。同様に、C末端から0残基であるアミノ酸残基は、アミノ酸残基がC末端残基であることを意味すると理解されるであろう。細胞外環境は、7.1以下のpHを有し得る。例えば、細胞外環境は、7.1、7.0、6.9、6.8、6.6、6.4、6.2、6.0、5.8、5.6、5.4、5.2、5.0、4.8、4.6、4.4、4.2、4.0、3.8、3.6、3.4、3.2、3.0、2.8、2.6、2.4、2.2、2.0、1.8、1.6、1.4、1.2、1.0、又はこれらの値のうちの任意の2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲であるpHを有し得る。(例えば、対象における)組織は、細胞外環境を含み得る。そのような組織としては、これらに限定されないが、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及び/又はがん組織(固形腫瘍など)が挙げられる。例示的ながん組織としては、これらに限定されないが、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝腫、肝細胞がん、脳腫瘍、肺がん、胃(gastric又はstomach)がん、膵臓がん、甲状腺がん、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、黒色腫、肉腫、がん腫、ウィルムス腫瘍、子宮内膜がん、膠芽腫、扁平上皮がん、星細胞腫、唾液腺がん、外陰がん、陰茎がん、及び頭頸部がんが挙げられ、がん組織は、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、又はその転移性がんであり得る。
化合物において、X1は、式I、式II、又は式IIIを有し、
(I)
(II)
(III)
式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11は、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、W1及びW2は、各々独立して、

(nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、W3は、
(aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5は、各々独立して、O若しくはSである)、
アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である。本明細書に開示される任意の実施形態では、W1及びW2は、各々独立して、


-(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり得、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、qは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、rは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である。
本明細書に開示される任意の実施形態では、W3は、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、fは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、gは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、hは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である。
本明細書における任意の実施形態では、式IのX1は、式Ia、式Ib、又は式IIIaを有し得る。
(Ia)
(Ib)
(IIIa)
pHLIPは、各々がいずれか及び全ての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,076,451号、同第8,703,909号、同第8,846,081号、同第9,676,823号、及び同第9,289,508号、並びに各々がいずれか及び全ての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2015/0086617号及び同第2016/0256560号に記載されるいずれか1つであり得る。(側鎖X1のヘテロ原子が共有結合している)pHLIPのアミノ酸残基は、システイン又はリジンであり得る。本明細書における任意の実施形態では、X1は、pHLIPのシステイン残基の硫黄原子に共有結合し得るか、又はpHLIPのリジン残基のε-窒素原子に共有結合し得る。明瞭さのために、ε-窒素原子を示すアミノ酸L-リジンの表示が以下に提供される。
ε-nitrogen atom:ε-窒素原子

本明細書における任意の実施形態では、X1は、pHLIPのD-システイン残基の硫黄原子に共有結合し得るか、又はpHLIPのD-リジン残基のε-窒素原子に共有結合し得る。本明細書における任意の実施形態では、pHLIPは、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号239)[注:「Ac」はアセチル化N末端を意味する]、
(D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号1)、
(D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号2)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号3)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号4)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号5)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号6)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号7)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号8)、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、及び配列番号8のいずれか1つのN-アセチル化バリアントであり得る。
pHLIPは、本明細書における任意の実施形態では、以下の表1~7によって開示される例示的なpHLIPのうちの1つであり得る。表4~7について、配列は、全てのL-アミノ酸、少なくとも1つのL-アミノ酸及び1つ以上のD-アミノ酸、又は全てのD-アミノ酸を指し、各D残基又はE残基(表1~3を参照されたい)は、表2からのその置換によって置き換えられ得、各非極性残基は、表3からのそのコード化アミノ酸置換、及び/又は表3からの非コード化アミノ酸置換によって置き換えられ得る。更に、本明細書における任意の実施形態におけるpHLIPは、表4~7に開示される非N-アセチル化配列のN-アセチル化バリアントであり得る。

Figure 2023544223000045

Figure 2023544223000046



Figure 2023544223000050





Figure 2023544223000054

Figure 2023544223000055

Figure 2023544223000056

Figure 2023544223000057

Figure 2023544223000058
本明細書における任意の実施形態では、本技術の化合物は、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)、
(D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号9)、
(D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号10)、
(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号11)、
(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号12)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号13)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号14)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号15)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号16)、
又はこれらのいずれか1つの薬学的に許容される塩であり得る。
関連態様では、本明細書に記載される化合物の任意の実施形態と、放射性核種と、を含む、複合体が提供される。そのような複合体において、X2は、X1及び放射性核種を一緒に表し、X2は、式IV、式V、又は式VIによって表され得、
(IV)
(V)
(VI)
式中、M1は、各出現で独立して、放射性核種であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11は、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、W1及びW2は、各々独立して、

(nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、W3は、
(aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5は、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である。本明細書に開示される任意の実施形態では、W1及びW2は、各々独立して、


-(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり得、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、qは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、rは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である。本明細書に開示される任意の実施形態では、W3は、
(Y3は、O若しくはSであり、cは、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、fは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、gは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、hは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である。
本明細書における任意の実施形態では、X2は、式IVa、式IVb、又は式VIaを有し得る。
(IVa)
(IVb)
(VIa)
本明細書における任意の実施形態では、本技術の複合体は、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)、
(D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号17)、
(D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号18)、
(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号19)、
(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号20)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号21)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号22)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号23)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号24)、
又はこれらのいずれか1つの薬学的に許容される塩であり得る。本明細書に開示される任意の実施形態では、放射性核種は、89Zr4+67Ga3+、又は68Ga3+であり得る。
本技術の別の関連態様では、化合物及び/又は複合体並びに薬学的に許容される担体又は1つ以上の賦形剤若しくは充填剤(集合的に、そのような担体、賦形剤、充填剤などは、より具体的な用語が使用されない限り、「薬学的に許容される担体」と称される)の態様及び実施形態のいずれか1つを含む組成物が提供される。更なる関連態様では、薬学的組成物が提供され、薬学的組成物は、有効量の、7.4(又は本明細書に開示される任意の値若しくは範囲)よりも低いpHを有する細胞外環境及び薬学的に許容される担体を含む組織を撮像するための、本明細書に記載される複合体の実施形態のいずれか1つを含む。組織は、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及び/又はがん組織(固形腫瘍など)であり得る。例示的ながん組織(及びそのような組織の例示的な固形腫瘍)としては、これらに限定されないが、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝腫、肝細胞がん、脳腫瘍、肺がん、胃(gastric又はstomach)がん、膵臓がん、甲状腺がん、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、黒色腫、肉腫、がん腫、ウィルムス腫瘍、子宮内膜がん、膠芽腫、扁平上皮がん、星細胞腫、唾液腺がん、外陰がん、陰茎がん、及び頭頸部がんが挙げられ、がん組織は、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、又はその転移性がんであり得る。そのような組成物及び薬学的組成物は、本明細書に記載される任意の方法において使用され得る。
「有効量」は、選択された検出方法によって検出される必要がある本技術の複合体の量などの、所望の効果をもたらすために必要な複合体の量を指す。例えば、本技術の複合体の有効量は、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及び/又はがん組織(固形腫瘍など)のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない、目的の標的への複合体の結合の検出を可能にするのに十分な量を含む。有効量の別の例としては、例えば、バックグラウンドを超える統計的に有意な放出などの、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を有する対象における(バックグラウンドを超える)陽電子放出及び消滅から検出可能な陽電子放出及び/又はガンマ線放出を提供することができる量又は投与量が挙げられる。本明細書で使用される場合、「対象」又は「患者」は、ネコ、イヌ、齧歯類、又は霊長類などの、哺乳動物である。典型的には、対象は、ヒトであり、好ましくは、本明細書に記載されるように7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を含む状態に罹患しているか又はその疑いのあるヒトである。「対象」及び「患者」という用語は、交換可能に使用され得る。
よって、本発明の技術は、本明細書に開示される化合物又は複合体のいずれかと、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物及び医薬品を提供する。組成物は、本明細書に記載される方法及び撮像において使用され得る。そのような組成物及び医薬品は、本明細書に記載される組織のうちの1つ以上を撮像するための、有効量の本明細書に記載される任意の複合体を含む。薬学的組成物は、単位剤形で包装され得る。例えば、単位剤形は、対象に投与されるときに7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を撮像するのに有効である。
薬学的組成物及び医薬品は、対象に投与されるときに7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織に関連する障害を撮像するために、本技術の1つ以上の化合物若しくは複合体、その薬学的に許容される塩、その立体異性体、その互変異性体、又はその溶媒和物を、薬学的に許容される担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合することによって調製され得る。本明細書に記載される化合物及び複合体は、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織に関連する様々な障害を撮像するための製剤及び医薬品を調製するために使用され得る。そのような組成物は、例えば、顆粒、粉末、錠剤、カプセル、シロップ、坐剤、注射剤、乳剤、エリキシル、懸濁液、又は溶液の形態であり得る。即時組成物は、例えば、経口、非経口、局所、直腸、鼻腔、膣投与、又は埋め込まれたリザーバを介した、様々な投与経路のために製剤化することができる。非経口又は全身投与には、皮下、静脈内、腹腔内、及び筋肉内の注射が含まれるが、これらに限定されない。以下の剤形は、例として与えられており、本発明の技術を限定するものとして解釈されるべきではない。
経口、頬側、及び舌下投与のために、粉末、懸濁液、顆粒、錠剤、丸剤、カプセル、ジェルカプセル、及びカプレットは、固体剤形として許容される。これらは、例えば、本技術の1つ以上の化合物若しくは複合体、又はその薬学的に許容される塩若しくはその互変異性体を、デンプン又は他の添加剤などの少なくとも1つの添加剤と混合することによって調製することができる。好適な添加剤は、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン、アガー、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成ポリマー又はグリセリドである。任意に、経口剤形は、不活性希釈剤、又はステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、又はパラベン若しくはソルビン酸などの防腐剤、又はアスコルビン酸、トコフェロール、若しくはシステインなどの抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、香味剤、又は芳香剤のような、投与を補助する他の成分を含有することができる。錠剤及び丸剤は、当該技術分野で既知の好適なコーティング材料で更に処理され得る。
経口投与のための液体剤形は、水などの不活性希釈剤を含有し得る、薬学的に許容されるエマルジョン、シロップ、エリキシル、懸濁液、及び溶液の形態であり得る。薬学的製剤及び医薬品は、無菌液体、例えば、これらに限定されないが、油、水、アルコール、及びこれらの組み合わせを使用して、液体懸濁液又は溶液として調製され得る。経口又は非経口投与のために、薬学的に好適な界面活性剤、懸濁剤、乳化剤が添加され得る。
上記のように、懸濁液は、油を含み得る。そのような油は、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、及びオリーブ油を含むが、これらに限定されない。懸濁液調製物はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、及びアセチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸のエステルを含有し得る。懸濁液製剤は、これらに限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、及びプロピレングリコールなどのアルコールを含み得る。これに限定されないが、ポリ(エチレングリコール)などのエーテル、鉱物油及びワセリンなどの石油炭化水素、並びに水もまた、懸濁液製剤に使用され得る。
注射可能な剤形は、一般的に、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて調製され得る水性懸濁液又は油性懸濁液を含む。注射可能な形態は、溶媒又は希釈剤で調製される、溶液相又は懸濁液の形態であり得る。許容可能な溶媒又はビヒクルには、滅菌水、リンゲル溶液、又は等張性生理食塩水溶液が含まれる。等張性溶液は、対象と等張であると理解されるであろう。あるいは、滅菌油は、溶媒又は懸濁剤として使用され得る。典型的には、油又は脂肪酸は、天然又は合成油、脂肪酸、モノ-、ジ-、又はトリ-グリセリドを含む、不揮発性である。
注射のために、薬学的製剤及び/又は医薬品は、上記の適切な溶液での再構成に好適な粉末であり得る。これらの例としては、凍結乾燥、回転乾燥、若しくは噴霧乾燥粉末、非晶質粉末、顆粒、沈殿物、又は微粒子が挙げられるが、これらに限定されない。注射のために、製剤は、任意に、安定剤、pH改変剤、界面活性剤、生物学的利用能改変剤、及びこれらの組み合わせを含有し得る。
本技術の複合体は、鼻又は口を通した吸入によって肺に投与され得る。吸入のための好適な薬学的製剤としては、任意の適切な溶媒、並びに任意に、これらに限定されないが、安定剤、抗微生物剤、抗酸化剤、pH改変剤、界面活性剤、生物学的利用能改変剤、及びこれらの組み合わせなどの他の化合物を含有する、溶液、スプレー、乾燥粉末、又はエアロゾルが挙げられる。担体及び安定剤は、特定の複合体の要件で変動するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、アミノ酸、例えば、グリシン、緩衝液、塩、糖、又は糖アルコールを含む。水性及び非水性(例えば、フルオロカーボン推進剤中の)エアロゾルは、典型的には、吸入による本技術の複合体の送達のために使用される。
本技術の複合体の局所(頬側及び舌下を含む)又は経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、及びパッチが含まれる。活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体又は賦形剤と、及び必要とされ得る任意の防腐剤又は緩衝剤と混合され得る。粉末及びスプレーは、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末などの賦形剤、又はこれらの物質の混合物とともに調製することができる。軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルはまた、動物及び植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。吸収促進剤はまた、皮膚にわたる本技術の化合物及び複合体の流動を増加させるために使用することができる。そのような流動の速度は、速度制御膜を(例えば、経皮パッチの一部として)提供するか、又は化合物及び/若しくは複合体をポリマーマトリックス若しくはゲル中に分散させることのいずれかによって制御することができる。
上記のそれらの代表的な剤形に加えて、薬学的に許容される賦形剤及び担体は、当業者に一般的に知られており、よって、本技術に含まれる。そのような賦形剤及び担体は、例えば、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、“Remingtons Pharmaceutical Sciences”Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、及び“Remington:The Science and Practice of Pharmacy,”20th Edition,Editor:Alfonso R Gennaro,Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore(2000)に記載されている。
本技術の製剤は、以下に記載されるように、短時間作用性、高速放出性、長時間作用性、及び持続放出性であるように設計され得る。よって、薬学的製剤はまた、制御放出又は持続放出のために製剤化され得る。
本組成物はまた、例えば、ミセル若しくはリポソーム、又はいくつかの他のカプセル化形態を含み得るか、あるいは長期の貯蔵及び/又は送達効果を提供する延長放出形態で投与され得る。したがって、薬学的製剤及び医薬品は、ペレット又はシリンダーに圧縮され、デポ注射又はステントなどの移植片として筋肉内又は皮下に移植され得る。そのような移植片は、シリコーン及び生分解性ポリマーなどの既知の不活性材料を使用し得る。
具体的な投与量は、疾患の状態、対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、及び食事、用量間隔、投与経路、排泄速度、並びに薬物の組み合わせに応じて調整され得る。有効量を含有する上記の剤形のいずれかは、十分に日常的な実験の範囲内であり、したがって、十分に本技術の範囲内である。
当業者は、例えば、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織の(例えば、陽電子放出断層撮影を介した)統計的に有意な解像が達成されるまで、単に本技術の複合体を増加する量で患者に投与することによって、有効量を容易に決定することができる。本技術の複合体は、1日当たり約0.1~約1,000mgの範囲の投与量レベルで患者に投与され得る。約70kgの体重を有する正常なヒト成人について、1日当たり体重1kg当たり約0.01~約100mgの範囲の投与量が十分である。しかしながら、使用される特定の投与量は、変動し得るか、又は当業者によって適切とみなされるように調整され得る。例えば、投与量は、患者の要件、撮像される状態の重症度、及び使用される複合体の薬理学的活性を含む、いくつかの因子に依存し得る。特定の患者のための最適な投与量の決定は、当業者に周知である。本技術に従った複合体の有効性を決定するために、様々なアッセイ及びモデルシステムを容易に使用することができる。
本技術の複合体はまた、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織の撮像において有用であり得る他の従来の造影剤とともに患者に投与することができる。そのような組織としては、これらに限定されないが、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及び/又はがん組織(固形腫瘍など)が挙げられる。例示的ながん組織(及びそのような組織の例示的な固形腫瘍)としては、これらに限定されないが、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝腫、肝細胞がん、脳腫瘍、肺がん、胃(gastric又はstomach)がん、膵臓がん、甲状腺がん、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、黒色腫、肉腫、がん腫、ウィルムス腫瘍、子宮内膜がん、膠芽腫、扁平上皮がん、星細胞腫、唾液腺がん、外陰がん、陰茎がん、及び頭頸部がんが挙げられ、がん組織は、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、又はその転移性がんであり得る。よって、本技術の薬学的組成物は、本技術の複合体とは異なる造影剤を更に含み得る。投与は、経口投与、非経口投与、又は鼻腔投与を含み得る。これらの実施形態のいずれかでは、投与は、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、皮内、腹腔内、病巣内、皮下、脳室内、経口、鼻腔内、直腸、局所、又は吸入を介したものであり得る。本技術の方法はまた、本技術の1つ以上の複合体と連続して又は組み合わせてのいずれかで、従来の造影剤を、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織の撮像に潜在的又は相乗的に有効であり得る量で投与することを含み得る。
一態様では、本技術の複合体は、画像化に好適な量又は投与量で患者に投与される。一般に、本技術の複合体を含む単位投与量は、患者の考慮事項に応じて変動するであろう。そのような考慮事項は、例えば、年齢、プロトコル、状態、性別、疾患の程度、禁忌、併用療法などを含む。これらの考慮事項に基づく例示的な単位投与量はまた、当業者によって調整又は改変され得る。例えば、本技術の複合体を含む患者のための単位投与量は、1×10-4g/kg~1g/kg、好ましくは、1×10-3g/kg~1.0g/kgで変動することができる。本技術の複合体の投与量はまた、0.01mg/kg~100mg/kg、好ましくは、0.1mg/kg~10mg/kgで変動することができる。
「会合」及び/又は「結合」という用語は、例えば、本技術の化合物又は複合体と目的の標的との間の化学的又は物理的相互作用を意味することができる。会合又は相互作用の例としては、共有結合、イオン結合、親水性間相互作用、疎水性間相互作用、及び複合体が挙げられる。会合はまた、各々が様々な化学的又は物理的相互作用を記載するために使用することができるように、一般に「結合」又は「親和性」を指すことができる。結合又は親和性を測定することはまた、当業者には日常的である。例えば、本技術の複合体は、目的の標的若しくはその前駆体、部分、断片、及びペプチド並びに/又はそれらの沈着物と結合又は相互作用することができる。
本技術の診断方法
一態様では、本開示は、(a)対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の実施形態の複合体を投与することを含み、前記複合体が、酸性pH環境(すなわち、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境)を有する固形腫瘍に局在化するように構成されており、(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における1つ以上の固形腫瘍の存在を検出すること、を含む、検出を必要とする対象において固形腫瘍を検出するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、固形腫瘍の環境は、7.1、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0以下のpH値を有する。例えば、固形腫瘍の細胞外環境は、7.1、7.0、6.9、6.8、6.6、6.4、6.2、6.0、5.8、5.6、5.4、5.2、5.0、4.8、4.6、4.4、4.2、4.0、3.8、3.6、3.4、3.2、3.0、2.8、2.6、2.4、2.2、2.0、1.8、1.6、1.4、1.2、1.0、又はこれらの値のうちの任意の2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲であるpHを有し得る。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体によって放出される放射活性レベルは、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される。
加えて又はあるいは、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対象は、がんと診断されるか、がんのリスクがあるか、又はがんを有する疑いがある。がんは、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝腫、肝細胞がん、脳腫瘍、肺がん、胃がん又は胃部のがん、膵臓がん、甲状腺がん、腎臓又は腎性がん、前立腺がん、黒色腫、肉腫、がん腫、ウィルムス腫瘍、子宮内膜がん、膠芽腫、扁平上皮がん、星細胞腫、唾液腺がん、外陰がん、陰茎がん、及び頭頸部がんからなる群から選択され得、がんは、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、又はその転移性がんであり得る。
加えて又はあるいは、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体は、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、経気管的に、皮下に、脳室内に、経口的に、鼻腔内に、直腸に、局所的に、又は吸入によって投与される。特定の実施形態では、複合体は、対象の脳脊髄液又は血液に投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体によって放出される放射活性レベルは、複合体が投与される約5分~約168時間後に検出される。例えば、複合体によって放出される放射活性レベルは、複合体が投与される約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約25時間、約26時間、約27時間、約28時間、約29時間、約30時間、約31時間、約32時間、約33時間、約34時間、約35時間、約36時間、約37時間、約38時間、約39時間、約40時間、約41時間、約42時間、約43時間、約44時間、約45時間、約46時間、約47時間、約48時間、約48時間、約49時間、約50時間、約51時間、約52時間、約53時間、約54時間、約55時間、約56時間、約57時間、約58時間、約59時間、約60時間、約61時間、約62時間、約63時間、約64時間、約65時間、約66時間、約67時間、約68時間、約69時間、約70時間、約71時間、約72時間、約73時間、約74時間、約75時間、約76時間、約77時間、約78時間、約79時間、約80時間、約81時間、約82時間、約83時間、約84時間、約85時間、約86時間、約87時間、約88時間、約89時間、約90時間、約91時間、約92時間、約93時間、約94時間、約95時間、約96時間、約97時間、約98時間、約99時間、約100時間、約101時間、約102時間、約103時間、約104時間、約105時間、約106時間、約107時間、約108時間、約109時間、約110時間、約111時間、約112時間、約113時間、約114時間、約115時間、約116時間、約117時間、約118時間、約119時間、約120時間、約121時間、約122時間、約123時間、約124時間、約125時間、約126時間、約127時間、約128時間、約129時間、約130時間、約131時間、約132時間、約133時間、約134時間、約135時間、約136時間、約137時間、約138時間、約139時間、約140時間、約141時間、約142時間、約143時間、約144時間、約145時間、約146時間、約147時間、約148時間、約149時間、約150時間、約151時間、約152時間、約153時間、約154時間、約155時間後、約156時間、約157時間、約158時間、約159時間、約160時間、約161時間、約162時間、約163時間、約164時間、約165時間、約166時間、約167時間、又は約168時間(又はこれらの値のうちの任意の2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲)後に検出され得る。
本明細書に開示される方法の特定の実施形態では、複合体によって放出される放射活性レベルは、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表される。参照値は、非腫瘍(正常)組織に存在する放射活性レベルを測定し、非腫瘍(正常)組織に存在する平均放射活性レベル±標準偏差を計算することによって計算され得る。いくつかの実施形態では、参照値は、標準的取り込み値(SUV)である。Thie JA,J Nucl Med.45(9):1431-4(2004)を参照されたい。いくつかの実施形態では、腫瘍と正常組織との間の放射活性レベルの比は、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約25:1、約30:1、約35:1、約40:1、約45:1、約50:1、約55:1、約60:1、約65:1、約70:1、約75:1、約80:1、約85:1、約90:1、約95:1、約100:1、又はこれらの値のいずれか2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲である。
そのような複合体の有効性は、曲線下面積(AUC)腫瘍:AUC正常組織比を計算することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、複合体は、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約15:1、約20:1、約25:1、約30:1、約35:1、約40:1、約45:1、約50:1、約55:1、約60:1、約65:1、約70:1、約75:1、約80:1、約85:1、約90:1、約95:1、約100:1、又はこれらの値のいずれか2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲の曲線下面積(AUC)腫瘍:AUC正常組織比を有する。
別の態様では、本開示は、(a)対象に、有効量の、本明細書に記載される任意の実施形態の複合体を投与することを含み、前記複合体が、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されており、(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における酸性罹患組織(すなわち、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を有する組織)の存在を検出すること、を含む、検出を必要とする対象において酸性罹患組織を検出するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。酸性罹患組織の例としては、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、及び腫瘍が挙げられる。いくつかの実施形態では、酸性罹患組織の細胞外環境は、7.3、7.2、7.1、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0以下であるpH値を有する。例えば、組織の細胞外環境は、7.1、7.0、6.9、6.8、6.6、6.4、6.2、6.0、5.8、5.6、5.4、5.2、5.0、4.8、4.6、4.4、4.2、4.0、3.8、3.6、3.4、3.2、3.0、2.8、2.6、2.4、2.2、2.0、1.8、1.6、1.4、1.2、1.0、又はこれらの値のうちの任意の2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲であるpHを有し得る。複合体によって放出される放射活性レベルは、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表され得る。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体によって放出される放射活性レベルは、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される。
加えて又はあるいは、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体は、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、眼窩内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、皮下に、脳室内に、経口的に、直腸に、局所的に、膣に、又は吸入によって投与される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、複合体によって放出される放射活性レベルは、複合体が投与される約5分~約168時間後に検出される。例えば、複合体によって放出される放射活性レベルは、複合体が投与される約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約25時間、約26時間、約27時間、約28時間、約29時間、約30時間、約31時間、約32時間、約33時間、約34時間、約35時間、約36時間、約37時間、約38時間、約39時間、約40時間、約41時間、約42時間、約43時間、約44時間、約45時間、約46時間、約47時間、約48時間、約48時間、約49時間、約50時間、約51時間、約52時間、約53時間、約54時間、約55時間、約56時間、約57時間、約58時間、約59時間、約60時間、約61時間、約62時間、約63時間、約64時間、約65時間、約66時間、約67時間、約68時間、約69時間、約70時間、約71時間、約72時間、約73時間、約74時間、約75時間、約76時間、約77時間、約78時間、約79時間、約80時間、約81時間、約82時間、約83時間、約84時間、約85時間、約86時間、約87時間、約88時間、約89時間、約90時間、約91時間、約92時間、約93時間、約94時間、約95時間、約96時間、約97時間、約98時間、約99時間、約100時間、約101時間、約102時間、約103時間、約104時間、約105時間、約106時間、約107時間、約108時間、約109時間、約110時間、約111時間、約112時間、約113時間、約114時間、約115時間、約116時間、約117時間、約118時間、約119時間、約120時間、約121時間、約122時間、約123時間、約124時間、約125時間、約126時間、約127時間、約128時間、約129時間、約130時間、約131時間、約132時間、約133時間、約134時間、約135時間、約136時間、約137時間、約138時間、約139時間、約140時間、約141時間、約142時間、約143時間、約144時間、約145時間、約146時間、約147時間、約148時間、約149時間、約150時間、約151時間、約152時間、約153時間、約154時間、約155時間後、約156時間、約157時間、約158時間、約159時間、約160時間、約161時間、約162時間、約163時間、約164時間、約165時間、約166時間、約167時間、又は約168時間(又はこれらの値のうちの任意の2つを含む及び/若しくはその間の任意の範囲)後に検出され得る。
キット
本技術は、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及び/又はがん組織(固形腫瘍など)のような、7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を患者において診断するために好適な構成要素を含むキットを提供する。一態様では、キットは、本明細書に開示される本技術の少なくとも1つの化合物又は複合体及び使用説明書を含む。化合物又は複合体は、化合物又は複合体の無菌、液体製剤又は凍結乾燥調製物を含有するプレフィルドシリンジ又は自動注射ペンの形態で提供され得る(例えば、Kivitz et al.,Clin.Ther.28:1619-29(2006))。本明細書における任意の実施形態では、使用説明書は、本明細書に記載される任意の実施形態の複合体を生成するための説明書を含み得る。本明細書における任意の実施形態では、使用説明書は、本明細書に記載される任意の方法の任意の実施形態を実施するための説明書を含み得る。
キット構成要素が経口投与用に製剤化されていない場合、いくつかの他の経路を通してキット構成要素を送達することができるデバイスが含まれ得る。そのようなデバイスの例としては、シリンジ(非経口投与用)又は吸入デバイスが挙げられる。キット構成要素は、一緒に包装され得るか、又は2つ以上の容器に分離され得る。いくつかの実施形態では、容器は、再構成に好適な本技術の化合物又は複合体の無菌、凍結乾燥製剤を含有するバイアルであり得る。キットはまた、他の試薬の再構成及び/又は希釈に好適な1つ以上の緩衝液を含有し得る。使用され得る他の容器としては、パウチ、トレイ、ボックス、チューブなどが挙げられるが、これらに限定されない。キット構成要素は、容器内で無菌に包装及び維持され得る。
材料及び方法
代表的な一般情報。配列番号1を、フルオレニルメチルオキシカルボニル(fmoc)固相ペプチド合成によって調製し、その後、配列番号1を、(N-(3,11,14,22,25,33-ヘキサオキソ-4,10,15,21,26,32-ヘキサアザ-10,21,32-トリヒドロキシテトラトリアコンタン)マレイミドとコンジュゲートした。得られた化合物は、(D-Ala)-(D-Cys[X3])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号25)であり、X3は、示されたD-システイン残基の硫黄原子に結合しており、以下の構造式を有する。
得られた化合物は、以下、実施例では「DFO-cys-Var3pHLIP」と称される。
同様に、配列番号239を、フルオレニルメチルオキシカルボニル(fmoc)固相ペプチド合成によって調製し、その後、配列番号239を、「DFO-SqOEt」、「p-SCN-Bn-3,4,3-Li(1,2-hopo)」、「p-SCN-Bn-DFO*」、又は「p-SCN-Bn-DFO」(以下に提供される構造式)とコンジュゲートして、それぞれ、「DFOsqa-lys-Var3pHLIP」、「HOPO-lys-Var3pHLIP」、「DFO*-lys-Var3pHLIP」、及び「DFO-lys-Var3pHLIP」を提供した。



DFOsqa-lys-Var3pHLIP、HOPO-lys-Var3pHLIP、DFO*-lys-Var3pHLIP、及びDFO-lys-Var3pHLIPは、各々Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X4])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号242)であり、X4は、示されたD-リジン残基のε-窒素原子に結合しており、X4は、DFOsqa-lys-Var3pHLIP、HOPO-lys-Var3pHLIP、DFO*-lys-Var3pHLIP、及びDFO-lys-Var3pHLIPの各々について異なる。
特に、DFOsqa-lys-Var3pHLIPのX4は、以下の構造式を有する。
HOPO-lys-Var3pHLIPのX4は、以下の構造式を有する。
DFO*-lys-Var3pHLIPのX4は、以下の構造式を有する。
DFO-lys-Var3pHLIPのX4は、以下の構造式を有する。
加えて、Ac-(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Glu)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Ile)-(D-Tyr)-(D-Trp)-(D-Ala)-(D-Arg)-(D-Tyr)-(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Trp)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Thr)-(D-Thr)-(D-Pro)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Ala)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Val)-(D-Asp)-(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Glu)-Gly-(D-Thr)-Gly(配列番号243、「Lys-WT2D」)(本開示の表4における「Lys-WT2」を参照されたい)を、フルオレニルメチルオキシカルボニル(fmoc)固相ペプチド合成法によって調製し、その後、配列番号243を、p-SCN-Bn-DFOとコンジュゲートして「DFO-lys-WT2DpHLIP」を提供した。DFO-lys-WT2DpHLIPは、Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X5])-(D-Glu)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Ile)-(D-Tyr)-(D-Trp)-(D-Ala)-(D-Arg)-(D-Tyr)-(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Trp)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Thr)-(D-Thr)-(D-Pro)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Ala)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Val)-(D-Asp)-(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Glu)-Gly-(D-Thr)-Gly(配列番号244)であり、X5は、示されたD-リジン残基のε-硫黄原子に結合しており、X5は、以下の構造式を有する。
DFO-SqOEtの例示的な合成:DFO-SqOEtを、S.E.Rudd,P.Roselt,C.Cullinane,R.J.Hicks,P.S.Donnelly,Chemical Communications 2016,52,11889-11892(DOI:10.1039/C6CC05961A)に記載されるプロトコルに従って調製した。特に、メシル酸デフェロキサミン(0.20g、0.31mmol、Sigma-Aldrich製)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.3mmol)との混合物を、50℃でエタノール(6mL)中で撹拌した。1時間後、エタノール(9mL)中の3,4-ジエトキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(0.1mL、0.7mmol)を添加した。50℃で更に30分間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノール(3×10mL)で粉砕した。生成物を真空乾燥させ、DFO-SqOEtを白色の粉末(0.17g、83%)として得た。1H NMR(d6-DMSO,500MHz)δ 9.61(s,6H),8.77(t,J=5.8Hz,1H),8.58(t,J=5.7Hz,1H),7.77(d,J=4.7Hz,5H),4.64(p,J=6.9Hz,5H),3.45(t,J=7.0Hz,3H),3.38(s,5H),3.26(dd,J=13.0,6.6Hz,1H),3.00(dd,J=12.7,6.4Hz,10H),2.56(d,J=6.5Hz,1H),2.26(t,J=7.2Hz,1H),1.96(s,7H),1.50(d,J=6.6Hz,3H),1.42-1.31(m,3H),1.24(ddd,J=20.2,14.7,8.0Hz,2H);13C NMR(d6-DMSO,101MHz)δ 189.4,189.3,182.0,181.8,176.9,176.5,172.6,172.2,172.00,171.3,170.1,70.2,68.8,68.7,47.1,47.0,46.8,43.7,43.4,39.5,38.4,30.1,29.9,29.6,28.8,27.6,26.0,25.8,23.5,22.9,20.3,15.6;ESI MS[M++]:685.3768、(C3153611+の計算:685.3767、[M+Na+]:707.3589、(C3152NaN611+の計算:707.3586。
DFOsqa-lys-Var3pHLIPをもたらすDFO-SqOEtの配列番号239への例示的なコンジュゲーション:10mgの配列番号239(≧95%純度)を100μlのDIEA中の5mgのDFO-SqOEt、及び1.2mlのDMFと72~96時間反応させて、DFOsqa-lys-Var3pHLIPをもたらした。コンジュゲーションからのペプチドの同一性を質量分析法(MS)によって確認し、純度を分析的C18逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって分析した。ペプチドを、変動する緩衝系を利用して、RP-HPLCカラムを通して精製した。緩衝系は、水(緩衝液A)中の0.1%TFA及び100%アセトニトリルからなる有機相改変剤と対合した水溶液を含む。精製手順の完了後、所望のDFOsqa-lys-Var3pHLIP画分を収集し、ジャー凍結乾燥法を用いて凍結乾燥して、5mgのDFOsqa-lys-Var3pHLIPを>95%の純度で提供した。
p-SCN-Bn-3,4,3-Li(1,2-hopo)の例示的な合成:p-SCN-Bn-3,4,3-Li(1,2-hopo)を、N.Bhupathiraju,A.Younes,M.Cao,J.Ali,H.T.Cicek,K.M.Tully,S.Ponnala,J.W.Babich,M.A.Deri,J.S.Lewis,L.C.Francesconi,C.M.Drain,Org Biomol Chem 2019,17,6866-6871(DOI:10.1039/c9ob01068h)に記載されるプロトコルに従って合成した。
HOPO-lys-Var3pHLIPをもたらすp-SCN-Bn-3,4,3-Li(1,2-hopo)の配列番号239への例示的なコンジュゲーション:8mgの配列番号239(≧95%純度)を80μlのDIEA中の5mgのp-SCN-Bn-3,4,3-Li(1,2-hopo)及び1.2mlのDMSOと3~4時間反応させて、HOPO-lys-Var3pHLIPをもたらした。コンジュゲーションからのペプチドの同一性を質量分析法(MS)によって確認し、純度を分析的C18逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって分析した。ペプチドを、変動する緩衝系を利用して、RP-HPLCカラムを通して精製した。緩衝系は、水(緩衝液A)中の0.1%TFA及び100%アセトニトリルからなる有機相改変剤と対合した水溶液を含む。精製手順の完了後、所望のHOPO-lys-Var3pHLIP画分を収集し、ジャー凍結乾燥法を用いて凍結乾燥して、6mgのHOPO-lys-Var3pHLIPを>95%の純度で提供した。
例示的標識([89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIP):約400μgのDFO-cys-Var3pHLIPを無水ジメチルスルホキシドに溶解して、透明な2.0mg/mLの溶液(溶液A)をもたらした。別に、1Mのシュウ酸中の[89Zr]Zr-シュウ酸塩溶液を、1Mのシュウ酸で100mLの総体積まで希釈し、pHを次いで1Mの水性炭酸ナトリウムを用いて約7.4に調整して、溶液Bをもたらした。約40μLの溶液Aを溶液Bに添加し、得られた溶液を混合ブロック中で、50℃で30分間反応させた。Oasis HLB Plus Light又はC18 Sep-Pak Lightカートリッジ(Waters、Milford,MA)を使用して、非結合活性を除去した。純粋な放射性標識複合体[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPをEtOHで溶出し、動物への投与前に純度>93%の無菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈した。[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及び[89Zr]Zr-DFO-lys-WT2DpHLIPを同様のプロトコルに従って調製した。
インビボ動物PET画像診断及び生体内分布。全ての注射は、無菌PBS中<10%のEtOHで200μL未満であった。PET画像を、4~144時間p.i.でInveon PET-CTにおいて麻酔下のマウスで得た。全ての画像を、3D Slicer(www.slicer.org)を使用して分析した。エクスビボ生体内分布のための解剖を、報告された時点で麻酔しながら、CO2窒息又は頸椎脱臼後のマウスで行った。注射前及び注射後のシリンジの質量を使用して、注射物の質量を決定した。注射前及び注射後のシリンジの活性を使用して、投与された注射物のパーセントを決定した。注射された質量は、注射された放射能のパーセントによって補正した。4~5つのアリコート(10μL)を秤量し、各研究の内部標準としてカウントした。収集された臓器の全てを、自動ガンマカウンター(Wizard 3”、PerkinElmer、Waltham,MA)を使用してカウントした。総注射用量を、質量注射用量×注射画分放射能×内部標準平均カウント/gとして見出した。注射用量パーセント(%ID)を、組織のカウント×100/総注射用量として決定した。%ID/gを、%ID/組織質量として計算した。%ID及び%ID/gの平均及び標準偏差を、マウスの各セットについての通常の方法(n-1)を使用して決定した。
本技術の複合体を用いたインビトロ及びインビボ研究
これらの実施例は、本技術の複合体が、対象における酸性罹患組織(例えば、腫瘍)を検出するための方法において有用であることを実証する。
4T1同所性BALB/cマウスモデル。MSKCC IACUC承認された動物プロトコルに従って、動物研究を実施した。
BALB/cマウス(Karmanos Cancer Institute、Detroit,MI)における自然発生乳がんに由来する4T1細胞を、10%FCS、2mMのL-グルタミン、ペニシリン、及びストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル高グルコース培地中で培養した。ATCC(Manassas,VA)由来の4T1細胞を、2mMのL-グルタミン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、4.5g/Lのグルコース、1.5g/LのNaHCO3、ペニシリン、及びストレプトマイシンを含有するように改変されたRPMI-1640培地中で培養した。
上記の4T1細胞を、培養物を含有するフラスコから取り出し、濃縮し、細胞計数のために最少培地に再懸濁した。細胞を次いで、30μLの培地中に約100万個の細胞を含有するように希釈した(同所性同種移植片用)。MSKCC Institutional Animal Care and Use Committeeが承認したプロトコルに従い、5~7週齢のBALB/cマウス(Charles River Laboratories、Wilmington,MA)に、マウスが麻酔下にある間、無菌外科的技術及び無菌ステープル閉鎖を使用して、約100,000個の4T1がん細胞を動物の右側の下乳房脂肪体に外科的に移植した。加えて、マウスに、外科的切開の前に、うなじにメロキシカム(24時間鎮痛剤)及び皮内にブピバカインの注射を与えた。手術の1日後、マウスに再びメロキシカムを与え、検査して閉鎖が治癒していることを確認した。手術の2日後及び3日後、マウスを検査して、動物が健康であり、手術から良好に回復していることを確認した。手術の5~7日後、ステープルを除去した。手術の3週間後、腫瘍体積が約0.5cm3~約1cm3に到達したとき、マウスに10~100μCi(約5μg)の[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPを注射した。エクスビボ生体内分布及びインビボ画像化の両方に、時点当たり4匹のマウスを利用した。エクスビボ生体内分布分析のために、マウスを注射後4時間、注射後8時間、注射後24時間、注射後48時間、注射後72時間、及び注射後144時間で犠牲にした(図1)。インビボ画像化のために、PETスキャンを、注射後4時間、注射後24時間、注射後48時間、及び注射後144時間でマウスに実施し、代表的な画像を図2に提供する。
図1に示されるように、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPは、腫瘍組織における蓄積に長期間を提供する長い循環半減期を示す。腫瘍取り込みは、投与後約48時間まで増加し続ける。肝臓及び腎臓を除いて、他の組織における取り込みは、最小限(例えば、筋肉、胃腸管)であるか、又は投与後に急速に消失するか(例えば、心臓及び呼吸器組織)のいずれかである。肝臓及び腎臓について、取り込みは、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPの診断薬としての使用に大きな懸念をもたらさない。更に、これらの研究に示される腫瘍組織における顕著により高い相対的取り込み及び保持を考慮すると、全身投与に懸念がある場合、そのような懸念は、本技術の複合体の腫瘍内投与によって緩和される(例えば、この実施例セクションの「U373ヒト膠芽腫マウスモデル」を参照されたい)。
インビボ撮像データ(図2を参照されたい)は、エクスビボ生体内分布データを裏付け、4T1腫瘍における高い取り込みを更に証明し、限局性腫瘍取り込みは約15%ID/gと高い。
U373ヒト膠芽腫マウスモデル。MSKCC IACUCに承認された動物プロトコルに従って、動物研究を実施した。U373細胞を、Chow,K.K,et al.“T cells redirected to EphA2 for the immunotherapy of glioblastoma”Mol Ther,2013,21(3),629-37に記載される手順に従って提供した。MSKCC Institutional Animal Care and Use Committeeが承認したプロトコルに従い、3~6週齢のICR-SCIDマウス(IcrTac:ICR-Prkdcscid、Taconic、Hudson,NY)の脳に、2μLの培地中の約105個のU373.eGFP.ffLuc細胞を、定位手術によって接種し、細胞を、5分かけて、右尾状核の中心に相当する、ブレグマに対して3mmの深さに移植した。腫瘍体積が約0.1cm3に到達したとき、約10μCi(約5μg)の[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPを、定位ガイダンスによって腫瘍内投与した。
インビボPET画像は、注射後4時間、注射後24時間、及び注射後168時間でマウスに実施し、代表的な最大強度投影(「MIP」)及び冠状スライス(「体軸」)PET/CT画像は、図3に提供され、平均臓器取り込みレベルは、インビボPET画像データの関心体積分析によって決定し、結果は、図4に提供される。
図3~図4によって例示されるように、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPを、注射後1週間を超えるときで高レベル(>80%ID/g平均、>150%ID/g最大)で保持した。多巣性取り込みパターンは、原発性腫瘍部位に腫瘍内注射された[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIPが、浸潤性悪性組織の描写を可能にし得ることを示す。
これらの結果は、本技術の複合体が、対象における固形腫瘍を検出するための方法において有用であることを実証する。したがって、本明細書に開示される化合物及び複合体は、対象における酸性罹患組織を検出するための方法において有用である。
対象における酸性罹患組織を検出するための本技術の複合体の使用
この実施例は、本技術の複合体が、対象における酸性罹患組織を検出するための方法において有用であることを実証する。
脳虚血は、右中大脳動脈の30分間の閉塞によって誘導される。野生型(WT)マウスには、虚血の0、6、24、及び48時間後に、本技術の複合体(インビボ画像化のための500~600μCi(9~11nmol))が与えられる。マウスは、複合体を受けた後48時間以内に犠牲にする。PET/CT(例えば、2p.i.及び4時間p.i.)及びSPECT/CT(例えば、6p.i.及び24時間p.i.)画像化研究が実施される。
本明細書に開示される複合体は、非標的組織における最小限の蓄積で、酸性罹患脳組織(虚血によって影響を受けた組織)に局在化することが予想される。
これらの結果は、本技術の複合体が、対象における酸性罹患組織を検出するための方法において有用であることを実証する。
生物物理学研究
生物物理学研究を、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及び[89Zr]Zr-DFO-lys-WT2DpHLIPの「コールド」バージョンで、89Zr放射性核種を天然に存在するZrで置換することによって実施し、「コールド」バージョンは、それぞれ、「Zr-DFO-cys-Var3pHLIP」、「Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP」、「Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP」、「Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP」、「Zr-DFO-lys-Var3pHLIP」、及び「Zr-DFO-lys-WT2DpHLIP」と以降称される。集合的に、これらの「コールド」バージョンは、「コールドZr-pHLIP」と称される。
Zr-DFO-cys-Var3pHLIPの例示的な合成及び特徴分析:塩化ジルコニウムの10mg/mL溶液を、5.0mgの塩化ジルコニウム(Sigma-Aldrich #357405)を500μLの18.2MΩ-cmの水に溶解させることによって調製した。60μLのこの溶液を遠心分離バイアルに移した(溶液A)。溶液Aに、100μLの0.1Mシュウ酸を添加し、pHを次いで0.1M炭酸ナトリウム溶液の連続した添加によって7.4に調整した。2.0mgのDFO-cys-Var3pHLIPを別のバイアルに添加し、50μLのジメチルスルホキシドの添加によって溶解した(溶液B)。溶液A及びBを合わせ、中程度の振盪(500rpm)、40℃で、サーモミキサー上で1時間反応させた。その後、Zr-DFO-cys-Var3pHLIP生成物を、固相抽出(C18Sep-Pak Plus、Waters)によって、まず粗反応混合物を3mLの水に希釈し、抽出カートリッジに装填し、次いで10mLの水で「洗浄」(すなわち、溶出)し、最終的にZr-DFO-cys-Var3pHLIPを2mLのアセトニトリルで50mLの遠心管に溶出させることによって、脱塩した。2mLの水をアセトニトリル溶出液に添加し、精製された固体Zr-DFO-cys-Var3pHLIPを凍結乾燥によって得た。Zr-DFO-cys-Var3pHLIPは、UPLC-MS(C18カラム、6分にわたる5~95%アセトニトリル/水勾配)によって特徴分析した。単一UVピークは、4.00分で、214nmで観察され、塩基ピークは、m/z=1341.2([Zr-DFO-cys-Var3pHLIP+3H]3+)、予想:1342.6であった。二次ピーク(約10%相対存在量)は、m/z=1006.3([Zr-DFO-cys-Var3pHLIP+4H]4+)、予想:1007.1で観察された。これらの結果は、Zr-DFO-cys-Var3pHLIPの同一性及び純度を確認する。同様のプロトコルを利用して、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々を提供した。
生物物理学研究において使用されるZr-DFO-cys-Var3pHLIPの例示的な調製:Zr-DFO-cys-Var3pHLIPを、10mMのリン酸緩衝液(pH7.6)に溶解し、濃度を、消光係数ε280=12960M-1cm-1を使用して、280nmでの吸光度によって計算した。これは、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々について同様に行った。
リポソーム調製:小型単層小胞をモデル膜として使用し、押出によって調製した。POPC(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)脂質をクロロホルムに溶解し、次いで真空下で2時間回転蒸発によって脱溶媒した。得られたPOPCフィルムを、pH8の10mMのリン酸緩衝液に再水和し、ボルテックスし、50nmの孔径を有する膜を通して21回押出した。
定常状態蛍光測定:定常状態蛍光スペクトルを、PC1分光蛍光計(ISS)を使用して測定した。トリプトファン蛍光を、295nmの励起波長を使用して励起した。励起スリット及び発光スリットを8nmに設定し、励起偏光子及び発光偏光子を、それぞれ、54.7°及び0.0°に設定した。POPCを含む緩衝液の試料をベースラインとして使用し、POPCの存在下で測定されたシグナルから差し引いた。
pH依存性測定:pH依存性の測定は、Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々について、変動するpHでのコールド-Zr-pHLIP環境の変化の指標として、ペプチド蛍光の最大の位置のシフトを使用することによって、PC1分光蛍光計を用いて行った。塩酸の添加後、4.65μMの特定のコールド-Zr-pHLIP及び0.93mMのPOPCを含有する各溶液のpHを、スペクトル測定の前後に、Orion PerHecT ROSS Combination pH Micro Electrode及びOrion Dual Star pH及びISE Benchtop Meter(Thermo Fisher Scientific)を用いて測定して、平衡を確保した。各pHでのトリプトファン蛍光スペクトルを記録し、スペクトルをProtein Fluorescence and Structural Toolkit(PFAST)(5)を使用して分析して、スペクトル最大(λmax)の位置を決定した。λmaxの位置をpHの関数としてプロットし、
-高pHでのスペクトル最大の位置、及び
-低pHでのスペクトル最大の位置とした。pH依存性は、遷移の共同性(n)及び遷移中点(pK)を決定するために、OriginLabソフトウェアを使用して、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式に当てはめた(以下の式1を参照されたい)。
定常状態円二色性測定:定常状態CDは、190~260nmの範囲のMOS-450分光計(Bio-Logic Science Instruments)を用いて、1nmのステップサイズで、25.0℃に設定された温度制御で測定した。POPCを含む緩衝液の試料をベースラインとして使用し、POPCの存在下で測定されたシグナルから差し引いた。
動力学測定:Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々のPOPCリポソームの脂質二重層へのZr-pHLIP挿入をリアルタイムで追跡するため、動力学測定を、SFM-300混合システム(Bio-Logic Science Instruments)を、MOS-450分光計と組み合わせて、その温度制御を25.0℃に設定して使用して行った。Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々について、pH8のリン酸緩衝液中のPOPCリポソームと予め混合されたコールド-Zr-pHLIPを酸と混合して(5msデッドタイム)、pHをpH8からpH5に低下させ、二重層へのコールド-Zr-pHLIP挿入を促進した。挿入プロセスは、295nmで励起された各コールド-Zr-pHLIPのトリプトファン蛍光の変化を記録し、320nmでカットオフフィルターを使用することによって監視した。
データ分析:全てのデータは、Origin 8.5を用いてLevenberg Marquardtアルゴリズムを使用する非線形最小二乗曲線当てはめ手順によって適切な式に当てはめた。
生物物理学研究の結果:生物物理学測定を実施して、リポソーム膜の脂質二重層とのZr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIP相互作用を調査し、遷移の中点及び挿入の速度などの、挿入の主要パラメータを特定した。膜脂質二重層とのZr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの相互作用を、POPCリポソームを用いて研究した。以下の表8は、3つの状態で測定されたコールド-Zr-pHLIPの各々のトリプトファン蛍光スペクトルの最大(λmax)の位置を提供する:状態I(pH8の緩衝液中)、状態II(POPC(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)リポソームの存在下でpH8の緩衝液中)、及び状態III(POPCリポソームの存在下でpH4の緩衝液中)。
データは、Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPが各々、トリプトファン残基のペプチド蛍光放出(図5、以上の表8)及び円二色性(Zr-DFO-cys-Var3pHLIPについては図6、他は図示せず)の変化によって監視される細胞膜とのpHLIP様pH依存的相互作用を示す。低pHでの膜の脂質二重層へのZr-DFO-cys-Var3pHLIP、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-WT2DpHLIPの各々の分割は、pHLIPファミリーのペプチドに従って、蛍光シグナルの増加及び12nmの放出の短波長へのシフト(図5、以上の表8)、並びに低pHでのアルファヘリックス構造の形成(図6)によって観察される。Reshetnyak YK,Moshnikova A,Andreev OA,Engelman DM.“Targeting Acidic Diseased Tissues by pH-Triggered Membrane-Associated Peptide Folding.”Front Bioeng Biotechnol.2020;8:335(Epub 2020/05/16;doi:10.3389/fbioe.2020.00335;PubMed PMID:32411684;PMCID:PMC7198868)、Reshetnyak YK,Segala M,Andreev OA,Engelman DM.“A monomeric membrane peptide that lives in three worlds:in solution,attached to,and inserted across lipid bilayers.”Biophys J.2007;93(7):2363-72(Epub 2007/06/15;doi:10.1529/biophysj.107.109967;PubMed PMID:17557792;PMCID:PMC1965453)、及びShen C,Menon R,Das D,Bansal N,Nahar N,Guduru N,Jaegle S,Peckham J,Reshetnyak YK.“The protein fluorescence and structural toolkit:Database and programs for the analysis of protein fluorescence and structural data.”Proteins.2008;71(4):1744-54(doi:10.1002/prot.21857;PubMed PMID:18175321)を参照されたい。Zr-DFO-lys-WT2DpHLIPは、状態Iにおいて蛍光の最大の位置が短波長(347.2nm、以上の表8)にシフトするため、溶液におけるいくらかの凝集を実証する。特に、Zr-HOPO-lys-Var3pHLIPは、状態IIIにおいて短波長へのシフトがないため、低pHでのこれらの研究の膜の脂質二重層への挿入を示さない(他のコールド-Zr-pHLIPについては347.2nm対338-341nm、以上の表8)。
リポソームにおけるZr-DFO-cys-Var3pHLIP挿入についての遷移の中点は、図7に示されるグラフから計算されるように、約pH5.8である(遷移の共同性は0.8である)。よって、腫瘍内のがん細胞の表面で見られるpHである、pH6.0では、Zr-DFO-cys-Var3pHLIP分子の約41%が平衡で形質膜にわたって挿入されると予想され、pH7.4(正常細胞の表面pH)では、Zr-DFO-cys-Var3pHLIP分子の約5.2%が膜に挿入されると予想される。Anderson M,Moshnikova A,Engelman DM,Reshetnyak YK,Andreev OA.“Probe for the measurement of cell surface pH in vivo and ex vivo.”Proc Natl Acad Sci U S A.2016;113(29):8177-81(doi:10.1073/pnas.1608247113;PubMed PMID:27382181;PMCID:PMC4961157)、及びWei D,Engelman DM,Reshetnyak YK,Andreev OA.“Mapping pH at Cancer Cell Surfaces.”Mol Imaging Biol.2019;21(6):1020-5(Epub 2019/04/17;doi:10.1007/s11307-019-01335-4;PubMed PMID:30989440)を参照されたい。膜へのZr-DFO-cys-Var3pHLIP挿入の速度定数が高いため(約22.2秒-1、図8を参照されたい)、挿入は、急速な血流及びZr-DFO-cys-Var3pHLIPの酸性がん細胞への限られた曝露時間の条件下でも起こるであろう。
POPCリポソームの二重層へのZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-Var3pHLIP挿入の各々についての遷移の中点は、それぞれ、図9、図10、及び図11に表されるグラフから計算されるように、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPについて約pH5.8、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIPについて約5.9、及びZr-DFO-lys-Var3pHLIPについて約5.9である。POPCリポソームの二重層へのZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、及びZr-DFO-lys-Var3pHLIPのpH依存的挿入はまた、遷移の中点(pK)、並びにZr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPについて図12、Zr-DFO*-lys-Var3pHLIPについて図13、及びZr-DFO-lys-Var3pHLIPについて図14に提供されるデータを確立するために、データがヘンダーソン-ハッセルバルヒ式(95%信頼区間での黒色の線)で当てはめられた、8から3へのpHの低下によって誘導されるコイル-ヘリックス遷移を示すミリ度で測定された円二色性の変化によって監視された。Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPは、他のコールド-Zr-pHLIPと比較して、高pHで膜へのより低い親和性を示す(オフターゲットの可能性が低い)一方で、Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPはまた、低pHでpK=5.8(生細胞の形質膜への挿入のpKは、約6.0~6.2のより高いpH値まで約0.2~0.4pH単位にシフトされることが予想されることに留意されたい)で膜に挿入し、そのような特性は、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPなどの因子がPET画像化を良好に実施することを証明する。
更なるマウスモデル研究
89Zr]Zr-DFO-lys-WT2DpHLIP、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、及び[89Zr]Zr-DFO-lys-Var3pHLIPを、がんのPETプローブとしてのそれらの使用について比較した。同所性RM-1腫瘍同種移植片を担持する雄無胸腺ヌードマウス(群当たり4匹のマウス)の群を、侵襲性末期前立腺がんのモデルとして使用した。雄無胸腺ヌードマウス(群当たり4匹のマウス)の各群に、200μCi(1.2nmol)の、[89Zr]Zr-DFO-lys-WT2DpHLIP、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、及び[89Zr]Zr-DFO-lys-Var3pHLIPのうちの1つを注射した。マウスの群を、24、48、及び72時間p.i.で画像化して、インビボで生体内分布を決定した。組織試料を、追加のエクスビボ生体内分布研究のために収集して、PETデータ結果を確認した。組織スライスのオートラジオグラム及びヘマトキシリン・エオシン染色を使用して、腫瘍内部のコンジュゲートの分布を照射した。表9及び表10は、各試験された複合体について、48p.i.での選択された臓器におけるエクスビボ分布(平均%ID/g±標準偏差)を提供し、そのようなデータはまた、図15に図示される。図16は、試験された複合体の各々について48時間p.i.での冠状インビボPET画像(最大強度投影)を提供し、丸は、腫瘍の位置を示す(スケール:組織グラム当たりの注射用量パーセント(%ID/g))。48時間p.i.での(12.4±4.7)%ID/gの最高腫瘍取り込みが、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIPについて得られた。

この研究は、[89Zr]Zr-DFO-cys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFOsqa-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-HOPO-lys-Var3pHLIP、[89Zr]Zr-DFO*-lys-Var3pHLIP、及び[89Zr]Zr-DFO-lys-Var3pHLIPの各々が腫瘍を標的としたことを証明する。腫瘍組織のオートラジオグラフィー及びヘマトキシリン・エオシン染色は、その血管新生と薬物取り込みとの間の相関を明らかにした。本技術の全ての複合体について、おそらくそれらの酸-塩基調節機能に起因する、腎臓の皮質における高い蓄積(13~55%ID/g)が観察された。
等価物
特定の実施形態が例示され、記載されているが、当業者は、前述の説明を読んだ後、本明細書に記載される本技術の化合物及び複合体への変更、等価物の置換、及び他のタイプの改変をもたらすことができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような変形又は態様を含むか、又はそれと組み込むことができる。
本技術は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではなく、これは本技術の個々の態様の単一の例示として意図される。当業者に明白であろうように、本技術の多くの改変及び変形は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に列挙されるものに加えて、本技術の範囲内の機能的に等価な方法及び装置は、前述の説明から当業者には明白であろう。そのような改変及び変形は、本技術の範囲内に入ることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物系に限定されず、これらは、もちろん、変動することができることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することが意図されないことも理解されるべきである。
本明細書に例示的に記載される、実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の要素又は複数の要素、制限又は複数の制限の不在下で好適に実施され得る。よって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などの用語は、広範囲に限定なしに解釈されるものとする。加えて、本明細書で使用される用語及び表現は、限定ではなく、説明の用語として使用されており、そのような用語及び表現の使用には、示され、説明された特徴又はその部分の任意の等価物を除外する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。加えて、「~から本質的になる」という語句は、特許請求される技術の基本的かつ新規特徴に実質的に影響を及ぼさない、それらの具体的に列挙された要素及びそれらの追加要素を含むと理解されるであろう。「~からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群の観点から記載される場合、当業者は、本開示が、それによってマーカッシュ群のいずれかの個々のメンバー又はメンバーのサブグループの観点からも記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に該当するより狭い種及び亜属の群化の各々はまた、本発明の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記載されているか否かにかかわらず、任意の主題を属から除去する但し書き又は負の制限を伴う本発明の一般的な説明を含む。
当業者によって理解されるであろうように、いずれか又は全ての目的のために、特に書面による説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、いずれか及び全ての可能な部分範囲並びにそれらの部分範囲の組み合わせを包含する。いずれかの列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明し、それを可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解することができる。また当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの全ての言語は、列挙された数を含み、上記で考察されるように部分範囲にその後分解することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうように、範囲は、各個々のメンバーを含む。
本明細書において言及される全ての出版物、特許出願、発行された特許、及び他の文献(例えば、雑誌、記事、及び/又は教科書)は、各個々の出版物、特許出願、発行された特許、又は他の文献が参照によってその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれた本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
本技術は、以下の文字項で列挙される特徴及び特徴の組み合わせを含み得るが、これらに限定されず、以下の項は、本明細書に添付される特許請求の範囲を限定する、又は全てのそのような特徴が必ずしもそのような特許請求の範囲に含まれなければならないことを要求するとして解釈されるべきではないことが理解される。
A. 7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されているpH(低)挿入ペプチド(「pHLIP」)であって、C末端及びN末端を含む、pHLIPと、
pHLIPのアミノ酸残基の側鎖のヘテロ原子に共有結合したX1であって、アミノ酸残基が、C末端又はN末端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10残基である、X1と、を含む、化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
1が、式I、式II、又は式IIIを有し、
(I)
(II)
(III)
式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11が、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、
1及びW2が、各々独立して、

(nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-((ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、
3が、
(aが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
B.pHLIPが、7.1よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されている、項Aの化合物。
C.pHLIPが、細胞外環境を含む組織に局在化するように構成されている、項A又は項Bの化合物。
D.W1及びW2が、各々独立して、


-(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり、
nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
rが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、項A~Cのいずれか1つの化合物。
E.W3が、
(Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、
fが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
gが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
hが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
iが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、項A~Dのいずれか1つの化合物。
F.pHLIPが、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号239)、
(D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号1)、
(D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号2)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号3)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号4)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号5、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号6、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号7)、又は
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号8)である、項A~Eのいずれか1つの化合物。
G.アミノ酸残基が、システイン又はリジンである、項A~Fのいずれか1つの化合物。
H.X1が、pHLIPのシステイン残基の硫黄原子に共有結合しているか、又はpHLIPのリジン残基のε-窒素原子に共有結合している、項A~Gのいずれか1つの化合物。
I.アミノ酸残基が、D-システイン又はD-リジンである、項A~Hのいずれか1つの化合物。
J.X1が、pHLIPのD-システイン残基の硫黄原子に共有結合しているか、又はpHLIPのD-リジン残基のε-窒素原子に共有結合している、項A~Iのいずれか1つの化合物。
K.化合物が、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)、
(D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号9)、
(D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号10)、
(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号11)、
(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号12)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号13)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号14)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号15)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号16)、又は
そのいずれか1つの薬学的に許容される塩である、項A~Jのいずれか1つの化合物。
L.化合物が、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)若しくはその薬学的に許容される塩、又は
(D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号9)若しくはその薬学的に許容される塩である、項A~Kのいずれか1つの化合物。
M.X1が、式Ia、式Ib、又は式IIIaを有する、項A~Lのいずれか1つの化合物。
(Ia)
(Ib)
(IIIa)
N.項A~Mのいずれか1つの化合物と、X1基によってキレートされた放射性核種と、を含む、複合体。
O.X2が、X1及び放射性核種を一緒に表しており、X2が、式IV、式V、又は式VIによって表され、
(IV)
(V)

(VI)
式中、
1が、各出現で独立して、放射性核種(例えば、89Zr4+67Ga3+、又は68Ga3+)であり、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11が、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、
1及びW2が、各々独立して、

(nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y1及びY2が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、
3が、
(aが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
(eが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である、項Nの複合体。
P.W1及びW2が、各々独立して、


-(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり、
nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
rが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、項Oの複合体。
Q.W3が、
(Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
(dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、
fが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
gが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
hが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
iが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、項O又は項Pの複合体。
R.X2が、式IVa、式IVb、又は式VIaを有する、項O~Qのいずれか1つの複合体。
(IVa)
(IVb)
(VIa)
S.複合体が、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)、
(D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号17)、
(D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号18)、
(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号19)、
(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号20)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号21)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号22)、
(D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号23)、
(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号24)、又は
そのいずれか1つの薬学的に許容される塩である、項O~Rのいずれか1つの複合体。
T.複合体が、
Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)若しくはその薬学的に許容される塩、又は
(D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号17)若しくはその薬学的に許容される塩である、項O~Sのいずれか1つの複合体。
U.項A~Mのいずれか1つの化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
V.項N~Tのいずれか1つの複合体と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
W.7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を検出するための薬学的組成物であって、有効量の項N~Tのいずれか1つの複合体及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
X.組織が、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及びがん組織からなる群のうちの1つ以上を含む、項Wの薬学的組成物。
Y.がん組織が、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、項Xの薬学的組成物。
Z.がん組織が、脳腫瘍である、項X又は項Yの薬学的組成物。
AA.検出を必要とする対象において罹患組織を検出するための方法であって、
(a)有効量の項N~Tのいずれか1つの複合体を対象に投与することと、
(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織の存在を検出し、それによって罹患組織を検出することと、を含む、方法。
AB.複合体によって放出される放射活性レベルが、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される、項AAの方法。
AC.対象が、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、又はがんと診断されるか、又はその疑いがある、項AA又は項ABの方法。
AD.がんが、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、項ACの方法。
AE.がんが、脳腫瘍である、項AC又は項ADの方法。
AF.複合体が、対象の脳脊髄液又は血液に投与される、項AA~AEのいずれか1つの方法。
AG.複合体が、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、経気管的に、皮下に、脳室内に、経口的に、鼻腔内に、直腸に、局所的に、又は吸入によって投与される、項AA~AFのいずれか1つの方法。
AH.複合体によって放出される放射活性レベルが、複合体が投与される4~24時間後に検出される、項AA~AGのいずれか1つの方法。
AI.複合体によって放出される放射活性レベルが、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表される、項AA~AHのいずれか1つの方法。
AJ.固形腫瘍と正常組織との間の放射活性レベルの比が、約2:1~約100:1である、項AA~AIのいずれか1つの方法。
AK.検出を必要とする対象において固形腫瘍を検出するための方法であって、
(a)有効量の項N~Tのいずれか1つの複合体を対象に投与することと、
(b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、対象における1つ以上の固形腫瘍の存在を検出することと、を含む、方法。
AL.複合体によって放出される放射活性レベルが、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される、項AKの方法。
AM.がんの1つ以上の固形腫瘍が、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、項AK又は項ALの方法。
AN.1つ以上の固形腫瘍が、脳腫瘍を含む、項AK~AMのいずれか1つの方法。
AO.複合体が、対象の脳脊髄液又は血液に投与される、項AK~ANのいずれか1つの方法。
AP.複合体が、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、経気管的に、皮下に、脳室内に、経口的に、鼻腔内に、直腸に、局所的に、又は吸入によって投与される、項AK~AOのいずれか1つの方法。
AQ.複合体によって放出される放射活性レベルが、複合体が投与される4~24時間後に検出される、項AK~APのいずれか1つの方法。
AR.複合体によって放出される放射活性レベルが、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表される、項AK~AQのいずれか1つの方法。
AS.固形腫瘍と正常組織との間の放射活性レベルの比が、約2:1~約100:1である、項AK~ARのいずれか1つの方法。
AT.項A~Mのいずれか1つの化合物及び使用説明書を含む、キット。
AU.使用説明書が、項N~Tのいずれか1つの複合体を生成するための説明書を含む、項ATのキット。
AV.使用説明書が、項AA~AJのいずれか1つの方法を実施するための説明書を含む、項AT又は項AUのキット。
AW.使用説明書が、項AK~ASのいずれか1つの方法を実施するための説明書を含む、項AT~AVのいずれか1つのキット。
他の実施形態は、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、以下の特許請求の範囲に記載されている。

Claims (49)

  1. 7.4よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されているpH(低)挿入ペプチド(「pHLIP」)であって、前記pHLIPが、C末端及びN末端を含み、
    前記pHLIPのアミノ酸残基の側鎖のヘテロ原子に共有結合したX1であって、前記アミノ酸残基が、C末端又はN末端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10残基である、X1と、を含む、化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
    式中、
    1が、式I、式II、又は式IIIを有し、
    (I)
    (II)
    (III)
    式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11が、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、
    1及びW2が、各々独立して、

    (nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (Y1及びY2が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-((ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、
    3が、
    (aが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
    (dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (eが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. pHLIPが、7.1よりも低いpHを有する細胞外環境に局在化するように構成されている、請求項1に記載の化合物。
  3. pHLIPが、前記細胞外環境を含む組織に局在化するように構成されている、請求項1に記載の化合物。
  4. 1及びW2が、各々独立して、


    -(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり、
    nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    rが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、請求項1に記載の化合物。
  5. 3が、
    (Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
    (dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、
    fが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    gが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    hが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    iが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、請求項1に記載の化合物。
  6. pHLIPが、
    Ac-(D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号239)、
    (D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号1)、
    (D-Ala)-(D-Cys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号2)、
    (D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号3)、
    (D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号4)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号5、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys)-(Gly)(配列番号6、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号7)、又は
    (D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys)-(Gly)(配列番号8)である、請求項1に記載の化合物。
  7. アミノ酸残基が、システイン又はリジンである、請求項1に記載の化合物。
  8. 1が、pHLIPのシステイン残基の硫黄原子に共有結合しているか、又は前記pHLIPのリジン残基のε-窒素原子に共有結合している、請求項1に記載の化合物。
  9. アミノ酸残基が、D-システイン又はD-リジンである、請求項1に記載の化合物。
  10. 1が、pHLIPのD-システイン残基の硫黄原子に共有結合しているか、又はpHLIPのD-リジン残基のε-窒素原子に共有結合している、請求項1に記載の化合物。
  11. 化合物が、
    Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)、
    (D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号9)、
    (D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号10)、
    (D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号11)、
    (D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号12)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号13)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X1])-(Gly)(配列番号14)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号15)、
    (D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X1])-(Gly)(配列番号16)、又は
    そのいずれか1つの薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  12. 化合物が、
    Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号240)若しくはその薬学的に許容される塩、又は
    (D-Ala)-(D-Cys[X1])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号9)若しくはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  13. 1が、式Ia、式Ib、又は式IIIaを有する、請求項1に記載の化合物。
    (Ia)
    (Ib)
    (IIIa)
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物と、X1基によってキレートされた放射性核種と、を含む、複合体。
  15. 2が、X1及び放射性核種が一緒に表しており、X2が、式IV、式V、又は式VIによって表され、
    (IV)
    (V)
    (VI)
    式中、
    1が、各出現で独立して、放射性核種(例えば、89Zr4+67Ga3+、又は68Ga3+)であり、
    1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、及びZ11が、各々独立して、孤立電子対(すなわち、酸素アニオンを提供する)又はHであり、
    1及びW2が、各々独立して、

    (nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (Y1及びY2が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合であり、
    3が、
    (aが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、bが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
    (dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、
    (eが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12であり、Y4及びY5が、各々独立して、O若しくはSである)、アルキレン、アルカノイレン、ポリ(アルキレングリコール)、-C(O)CH2-(ポリ(アルキレングリコール))-、又は結合である、請求項14に記載の複合体。
  16. 1及びW2が、各々独立して、


    -(CH2m-、-C(O)(CH2p-、-CH2CH2-(O-CH2CH2q-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2r-、又は結合であり、
    nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    rが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、請求項15に記載の複合体。
  17. 3が、
    (Y3が、O若しくはSであり、cが、0、1、2、3、4、若しくは5である)、
    (dが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12である)、-(CH2f-、-C(O)(CH2g-、-CH2CH2-(O-CH2CH2h-、-C(O)CH2-(O-CH2CH2i-、又は結合であり、
    fが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    gが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    hが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり、
    iが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12である、請求項15に記載の複合体。
  18. 2が、式IVa、式IVb、又は式VIaを有する、請求項15に記載の複合体。
    (IVa)
    (IVb)
    (VIa)
  19. 複合体が、
    Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)、
    (D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号17)、
    (D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号18)、
    (D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号19)、
    (D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号20)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号21)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asp)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Cys[X2])-(Gly)(配列番号22)、
    (D-Ala)-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号23)、
    (D-Ala)-(D-Lys)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Lys[X2])-(Gly)(配列番号24)、又は
    そのいずれか1つの薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の複合体。
  20. 複合体が、
    Ac-(D-Ala)-(D-Lys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)-(D-Ala)(配列番号241)若しくはその薬学的に許容される塩、又は
    (D-Ala)-(D-Cys[X2])-(D-Asp)-(D-Asp)-(D-Gln)-(D-Asn)-(D-Pro)-(D-Trp)-(D-Arg)-(D-Ala)-(D-Tyr)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Phe)-(D-Pro)-(D-Thr)-(D-Asp)-(D-Thr)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Asp)-(D-Leu)-(D-Leu)-(D-Trp)(配列番号17)若しくはその薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の複合体。
  21. 請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
  22. 請求項14~20のいずれか一項に記載の複合体と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
  23. 7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織を検出するための薬学的組成物であって、有効量の請求項14~20のいずれか一項に記載の複合体及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  24. 組織が、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、及びがん組織からなる群のうちの1つ以上を含む、請求項23に記載の薬学的組成物。
  25. がん組織が、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、請求項24に記載の薬学的組成物。
  26. がん組織が、脳腫瘍である、請求項25に記載の薬学的組成物。
  27. 検出を必要とする対象において罹患組織を検出するための方法であって、
    (a)有効量の請求項14~20のいずれか一項に記載の複合体を前記対象に投与することと、
    (b)参照値よりも高い前記複合体によって放出される放射活性レベルを検出することによって、前記対象における7.4よりも低いpHを有する細胞外環境を含む組織の存在を検出し、それによって前記罹患組織を検出することと、を含む、方法。
  28. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される、請求項27に記載の方法。
  29. 対象が、アテローム性動脈硬化性プラーク、虚血性心筋、脳卒中によって影響された組織、炎症を起こした組織、又はがんと診断されるか、又はその疑いがある、請求項27に記載の方法。
  30. がんが、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. がんが、脳腫瘍である、請求項30に記載の方法。
  32. 複合体が、対象の脳脊髄液又は血液に投与される、請求項27に記載の方法。
  33. 複合体が、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、経気管的に、皮下に、脳室内に、経口的に、鼻腔内に、直腸に、局所的に、又は吸入によって投与される、請求項27に記載の方法。
  34. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、前記複合体が投与される4~24時間後に検出される、請求項27に記載の方法。
  35. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表される、請求項27に記載の方法。
  36. 固形腫瘍と正常組織との間の放射活性レベルの比が、約2:1~約100:1である、請求項27に記載の方法。
  37. 検出を必要とする対象において固形腫瘍を検出するための方法であって、
    (a)有効量の請求項14~20のいずれか一項に記載の複合体を対象に投与することと、
    (b)前記複合体によって放出される参照値よりも高い放射活性レベルを検出することによって、前記対象における1つ以上の固形腫瘍の存在を検出することと、を含む、方法。
  38. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、陽電子放出断層撮影又は単一光子放出コンピュータ断層撮影を使用して検出される、請求項37に記載の方法。
  39. がんの1つ以上の固形腫瘍が、乳がん、脳腫瘍、前立腺がん、黒色腫、及びそれらのいずれか1つの転移性がんからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
  40. 1つ以上の固形腫瘍が、脳腫瘍を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 複合体が、前記対象の前記脳脊髄液又は血液に投与される、請求項37に記載の方法。
  42. 複合体が、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、嚢内に、皮内に、腹腔内に、病巣内に、経気管的に、皮下に、脳室内に、経口的に、鼻腔内に、直腸に、局所的に、又は吸入によって投与される、請求項37に記載の方法。
  43. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、前記複合体が投与される4~24時間後に検出される、請求項37に記載の方法。
  44. 複合体によって放出される前記放射活性レベルが、組織グラム当たりの注射用量パーセンテージ(%ID/g)として表される、請求項37に記載の方法。
  45. 固形腫瘍と正常組織との間の放射活性レベルの比が、約2:1~約100:1である、請求項37に記載の方法。
  46. 請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物及び使用説明書を含む、キット。
  47. 使用説明書が、請求項14~20のいずれか一項に記載の複合体を生成するための説明書を含む、請求項46に記載のキット。
  48. 使用説明書が、請求項27~36のいずれか一項に記載の方法を実施するための説明書を含む、請求項46又は47に記載のキット。
  49. 使用説明書が、請求項37~45のいずれか一項に記載の方法を実施するための説明書を含む、請求項46~48のいずれか一項に記載のキット。
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