JP2023543767A - 地番ベース管理システムおよび地番を用いた作業物追跡システム - Google Patents

Abstract

本発明は、地番ベース管理システムに関するものであって、上記地番ベース管理システムは、作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのセグメントに対して付与された地番に関するデータを受信する地番関連情報受信部と、上記地番関連情報受信部で受信した地番に関するデータを加工して地番関連データ貯蔵部に伝送する制御部と、上記制御部から伝送した地番に関するデータを地番データとして貯蔵する地番関連データ貯蔵部とを含み、上記地番データは地番固有の位置情報と、地番に置かれる作業物情報と、地番に関する特性または性質情報とを含む。

Description

本発明は、地番ベース管理システムおよび地番を用いた作業物の追跡システムに関するものである。

本出願は、２０２１年８月５日付の韓国特許出願第１０－２０２１－０１０３３８６号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。

生産工程で移動する製品、半製品または材料の位置を追跡するための方法にはいくつかの方法がある。

例えば、工場内の地理情報システム（ＧＩＳ：Ｇｅｏｇｒａｐｈｉｃ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍ）を利用して、作業者がスマートフォンやタブレットの携帯機器を用いて直接位置を記録する方法があり、屋内ＷｉＦｉやＢｌｕｅｔｏｏｔｈなどの無線装備の信号強度をＧＩＳベースの位置列として記録した後、特定の信号が感知されたときに既存の信号と比較して位置を計算する方法、無線通信を用いるセンサと受信機との間の信号強度に基づいて三辺測量を用いて位置を計算する方法、ＵＷＢ(Ｕｌｔｒａ Ｗｉｄｅ Ｂａｎｄ：超広帯域無線)アンカーとＵＷＢタグの通信時間および通信強度を用いて三角測量を行う方法、磁場、カメラ、光またはＳＬＡＭ(Ｓｉｍｕｌｔａｎｅｏｕｓ Ｌｏｃａｌｉｚａｔｉｏｎ Ａｎｄ Ｍａｐｐｉｎｇ：自己位置推定とマッピングの同時実行)などを用いる方法がある。

ところが、これらの方法の場合、位置と製品を対応させて把握することは可能であるが、製品の品質に影響を及ぼす各位置の性質（Ｐｒｏｐｅｒｔｙ）や環境を反映することができず、品質向上のための質的管理は難しい。

自動化システムがうまく構築されているスマート工場の場合、最先端の自動物流システムが利用されるが、材料および装備の点から地番をＧＩＳと有機的に連動させて、生産工程の管理を改善し、収率を高める必要がある。

地番に関連する特許文献として、例えば、公開特許第１０－２０１２－０００３６２６号は、積み置き場の地番の外枠情報を抽出して船舶ブロックの積み置き空間を正確に把握する技術を公開している。公開特許第１０－２０１３－００８９７５１号は、屋外作業場に地番標識をマーキングして、作業場内物流の積載位置や移動位置をマーキングされた地番を用いて表示する技術を公開している。しかしながら、これらの文献は室外空間に地番を付与し、地番に置かれる製品が殆ど移動しない固定型の製品である点から、新規工場の自動物流システムには適用し得ないという限界がある。

韓国公開特許第１０－２０１２－０００３６２６号 韓国公開特許第１０－２０１３－００８９７５１号

本発明は、上記の課題を解決するために案出されたものであり、新たな概念の地番を生産工程に導入して全ての加工物に対する情報と工程履歴を迅速かつ容易に確認することができ、作業物の位置を正確に追跡し、不良品の発生を減らすことができる地番ベース管理システムおよび地番を用いた作業物追跡システムを提供することを目的とする。

本発明に係る地番ベース管理システムは、作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのセグメントに対して付与された地番に関するデータを受信する地番関連情報受信部と、上記地番関連情報受信部で受信した地番に関するデータを加工して地番関連データ貯蔵部に伝送する制御部と、上記制御部から伝送された地番に関するデータを地番データとして貯蔵する地番関連データ貯蔵部とを含み、上記地番データは、地番固有の位置情報と、地番に置かれる作業物情報と、地番に関する特性または性質情報とを含む。

具体例において、上記特性または性質情報は、地番の温度、水分、またはパーティクル情報であり得る。

具体例において、上記作業物は、材料、半製品、生産手段である設備または最終製品のうちの１つであり得る。

具体例において、上記地番データの特性または性質情報は、作業物に対して行われる工程に対する工程情報をさらに含み得る。

具体例において、地番データは所定の時間間隔を置いてアップデートされ、過去と現在の地番データが地番関連データ貯蔵部に貯蔵されるので、時間の経過による地番の履歴を追跡して確認することができる。

他の具体例として、上記管理システムは、管理者が入力した特定の作業物情報を受信して制御部に伝送する作業物追跡部をさらに含み、制御部は地番データの作業物情報を検索して当該作業物が移動した地番と、地番に関連する情報を作業物追跡部に伝送し、上記作業物追跡部は受信情報をソートして少なくとも作業物の移動経路を表示し得る。

他の具体例として、上記管理システムは工程インタラプト部をさらに含み、制御部は地番データに記入された特性または性質情報のデータが所定の閾値以上であると、それを異常と判定して工程インタラプト部に駆動信号を伝送し、上記工程インタラプト部は上記駆動信号に応じて次のうちの少なくとも１つを行うことができる。

ａ）上記特性または性質情報のデータが上記所定の閾値未満になるように工程を自動で調節する。
ｂ）警告灯またはアラームを介して異常発生の事実を知らせる。

他の具体例として、上記地番関連情報受信部は、複数の地番を含む上位概念としてのそれぞれのエリアに関する情報を受信し、上記制御部は、受信したエリアに関するデータを加工して地番関連データ貯蔵部に伝送し、地番関連データ貯蔵部は、制御部から伝送したエリアに関するデータをエリアデータとして貯蔵し、上記エリアデータはエリアに属する地番情報と、当該エリアが有する特徴または機能を示すかあるいは地番が共有する情報を示すエリア属性情報と、を含むことができる。

他の具体例として、上記地番関連情報受信部は複数のエリアを含む上位概念としてのそれぞれのセクターに関する情報を受信し、上記制御部は受信したセクターに関するデータを所定のフォーマットに加工して地番関連データを貯蔵部に伝送し、地番関連データ貯蔵部は制御部から伝送したセクターに関するデータをセクターデータとして貯蔵する。また、上記セクターデータは、セクターに属するエリア情報と、当該セクターが有する特徴または機能を示すかあるいはエリアが共通に共有する情報を示すセクター属性情報とを含み得る。

具体例として、上記地番データは、地番に積載される作業物の高さ情報をさらに含む３Ｄ地番データであってもよい。

また、本発明に係る地番を用いる作業物追跡システムは、作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのセグメントに対して付与された地番に関する情報を受信して制御部に伝送する地番関連情報受信部、上記地番関連情報受信部で受信した地番に関するデータを所定のフォーマットに加工して地番関連データ貯蔵部に伝送する制御部、上記制御部が伝送した地番に関するデータを地番データとして貯蔵する地番関連データ貯蔵部、作業物コードまたは地番コードを入力するための入力部、および出力部を含む。また、上記地番データは地番固有の位置情報と、地番に置かれる作業物情報と、地番に関する特性または性質情報とを含み、上記制御部は、入力部の入力信号を受信し、地番データを照会してその結果を出力部に伝送する、追跡システムを提供する。

具体例として、上記制御部は、作業物コードの入力信号を受信すると、地番データの作業物情報を探索して同じ作業物コードを有するレコードを時間順に配列し、それぞれのレコードの位置情報を照会して地番に基づいた作業物の移動経路の情報を生成し、上記移動経路の情報を出力部に伝送することができる。

または、上記制御部は、地番コードの入力信号を受信すると、地番データの位置情報を探索して同じ地番コードを有するレコードを時間順に配列し、それぞれのレコードの残りを照会して当該地番を通過した履歴がある作業物と、時間の経過による地番の特性または性質情報を生成し、これらの情報を出力部に伝送することができる。

他の具体例として、上記作業物追跡システムは、作業者または管理者が携帯可能なモバイルデバイスと無線通信する。そして、上記モバイルデバイスは専用アプリケーションを介して作業物追跡システムから伝送される作業物の移動経路を表示することができる。

以上の本発明のシステムは工場に設置される。

本発明は、空間を分割した地番に基づいてスマート工場内の作業物の移動経路を確認しながら効率的に品質管理を行うことができるという効果を発揮する。

本発明は、地番に物理的な位置のみならず地番に固有の環境および工程に関する情報をマッチングさせ、地番の特性または性質を示すデータとして活用して製品管理のみならず工場内の製品の移動、材料のローディングとアンローディング、設備のメンテナンスを合理的に行うことができるという効果を発揮する。

本発明の地番を説明するために例示した構成図である。 本発明の地番データの一例を示した図面である。 本発明のエリアを説明するための構成図である。 本発明のエリアデータの一例を示した図面である。 本発明のセクターを説明するための図面である。 本発明の地番ベース管理システムの構成図である。 本発明の作業物追跡システムの構成図である。 本発明の出力部のグラフィックの例を示した図面である。 本発明のシステムがモバイルデバイスに連結されたことを示した図面である。

以下、本発明について詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲で使用された用語や単語は、通常または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は彼自身の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に従い、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。

本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、１つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。また、ある部分が他の部分に「連結」されるとする場合、それは物理的に直接または間接に連結されることのみならず、無線または有線通信による連結や電子回路を用いた電気的信号を介した連結を含む意味する。また、「入力」と「出力」は、物理的な入出のみならず、情報やデータの受信および送信を含む広い意味として解釈される。

本出願における「上部」または「下部」または「配置」のような用語は、制限的な意味ではなく、位置、方位または物理的な配列を表示する単語を例示したものとして解釈されるべきである。

以下、本発明について詳細に説明する。

(第１実施形態)
まず、図１に基づいて本発明の地番（ｓｐｅｃｉａｌ ａｄｄｒｅｓｓ）の概念について説明する。「地番」は通常「ＬＯＴ」とも表記するが、本発明の地番は属性（ａｔｔｒｉｂｕｔｅｓ）または性質（ｐｒｏｐｅｒｔｙ）情報を含む点において既存の地番と異なる。属性または性質情報は、製品品質のために必須的な加工、生産または運搬条件に関する情報または製品が置かれた工程に関する情報を言う。

生産または加工工程の対象物または個体は多様であるが、少なくとも材料、半製品、最終製品および生産手段である設備を包括する最広義に解釈される。以下の説明では、それらを総括して「作業物」または「加工物」または「対象物」と呼ぶが、それらが包括する意味は同じである。

図１において、半製品の一例であるワインダー２０は、作業空間の中間に、たとえば、３個が位置している。ワインダー２０に装着または追加されるための材料２２が作業空間の適切な所に配置されている。矢印で表示したように、材料２２はＶＤ（Ｖａｃｕｕｍ ｄｒｙｉｎｇ;真空乾燥）設備２４を通過した後、多様な経路を通じてワインダー２０にローディングされるための好適な複数の待機場所に配置している。

本発明の地番Ｇは、作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのグリッドまたはセグメントである。図示の例において、作業空間は８行と１３列に区分されているので、地番Ｇは１０４個である。それぞれの地番Ｇには行と列を示すコードが付与される。この場合、左側のワインダー２０は、地番（Ｇ_４５、Ｇ_４６、Ｇ_４７、Ｇ_５５、Ｇ_５６、Ｇ_５７、Ｇ_６５、Ｇ_６６、Ｇ_６７）に位置する。上部の材料２２は、地番（Ｇ_１５、Ｇ_１６、Ｇ_１７、Ｇ_２５、Ｇ_２６、Ｇ_２７）に位置する。また、ＶＤ設備２４は、地番（Ｇ_２１、Ｇ_２２、Ｇ_３１、Ｇ_３２、Ｇ_４１、Ｇ_４２、Ｇ_５１、Ｇ_５２、Ｇ_６１、Ｇ_６２、Ｇ_７１、Ｇ_７２）に位置する。後述するように、それぞれの地番Ｇには地番データ１０がマッチングされる。

図１のように、作業物が存在する全ての工程とステップに対して、作業空間に地番Ｇを付与して、最終製品の生産に必要な半製品、材料、設備および最終製品の全ての作業物の位置を表示することができる。地番Ｇに積載された対象は長時間移動せずにいてもよく、リアルタイムで連続移動してもよいが、指番Ｇの物理的位置は固定されている。したがって、地番Ｇに現在位置するかまたは過去に通過した作業物の情報を全て得ることができる。すなわち、地番Ｇに基づいて対象物の履歴を追跡して、容易かつ効率的に生産工程を管理することができる。

地番Ｇに位置した対象物の検知および確認は、センサまたは撮像装置を用いるかあるいは既存の工程管理サーバのデータ（例えば、バーコード）を用いることができる。または、上述の地理情報システム（ＧＩＳ）、材料や半製品を移送するＡＧＶ（Ａｕｔｏｍａｔｅｄ Ｇｕｉｄｅｄ Ｖｅｈｉｃｌｅ）物流システム、三辺測量方式、磁場、光またはＳＬＡＭなどを用いることができ、特に制限されない。

図２を参照して本発明の地番データ１０の構造について説明する。便宜上、ｎ行、ｍ列を表示する地番Ｇ_ｎｍのレコードを基準にして説明するが、全ての地番Ｇに対して同じ説明が適用される。

本発明では、地番Ｇに対応してその物理的空間の位置のみならず、作業物、ひいては地番Ｇの属性または性質を表示する情報が連動して記録されるという点に特徴がある。したがって、地番データ１０は、位置情報１２の他に、作業物情報１４と、水分、温度およびパーティクルなどの環境情報１６と、工程情報１８とを含む。位置情報１２は、地番Ｇの作業空間における物理的位置情報であるコードである。作業物情報１４は、半製品、材料、設備または最終製品など、該当地番Ｇに置かれる対象物の情報である。環境情報１６は、対象物が置かれる工程の実行またはモニタリングに必要であるか品質に影響を与えるパラメータの中から選択される。工程情報１８は、対象物が置かれる工程（例えば、「ワインダー１次組立工程」）に対する情報である。材料、半製品の場合は、入庫、積み置き、移動、並びに入庫、積載および移動時点に関する情報を含む。設備の場合は、設備の交替および稼働時間の情報を含む。

これらの情報は、上述のように、センサ、撮像装置または工程管理サーバを用いて自動記録するか、管理者が手動で入力することができる。

地番データ１０は、所定の時間の間隔を置いてアップデートされながら、過去と現在の地番データ１０が貯蔵される。したがって、時間の経過による地番Ｇの履歴を追跡して確認することができる。

以上は、地番データ１０の一例を示したものであり、地番データ１０のそれぞれのフィールドは、工場や工程によって多様に変更または追加することができる。

本発明は、地番Ｇに物理的な位置のみならず、地番Ｇに固有の環境および工程に関する情報をマッチングさせ、地番Ｇの特性または性質を示すデータとして活用するので、個別の品質管理のみならず工場内の材料と半製品の移動、工作物のローディングとアンローディング、最終製品の出荷、設備の位置など、工場内部の全般的な配置と設計も容易に確認し、点検することができる。

上記では、地番Ｇを平面座標で説明したが、高さ変数を追加して３Ｄ地番を生成することができる。高さ変数が必要な場合は、作業空間に多層の棚があるか、あるいは作業物がどんどん積載されたり、そこから搬出されたりするなど、高さが変数として作用して工程の管理が必要なときである。この場合、地番データ１０は高さ情報をさらに含むことができる。高さ情報は、高さ別に座標を設定するか細部の地番を設定したものであり得る。

図３に基づいて、本発明の地番Ｇの上位概念である領域としてのエリア（Ａｒｅａ）について説明する。

図３ａでは、ワインダー２０が位置した空間の地番Ｇを包括してエリアＡ１、上部の材料２２が位置する空間の地番Ｇを包括してエリアＡ２、下部の材料２２が位置する空間の地番Ｇを包括してエリアＡ３、そしてＶＤ設備２４が位置する空間の地番Ｇを包括してエリアＡ４として区分している。エリアＡ１は半製品、エリアＡ２、Ａ３は材料、そしてエリアＡ４は設備を表示するという点で、それぞれの性質が異なる。このように、エリアは工程の流れと対象物に基づいて付与されるが、センサがカバーする領域に応じて物理的にエリアを区画するなど、多様な変更が可能である。エリアＡの間の空き空間や通路のような地番ＧにはエリアＡが付与されないか、あるいはこれらの地番Ｇを総括してブランクエリアとして処理することができる。

本発明のエリアＡは、複数の地番Ｇを含む上位概念であり、工程モニタリングが便利になるように、図３ｂのようなエリアデータ３０構造を有することができる。エリアデータ３０は、基本的にそれに属する地番情報３２と、当該領域が有する特徴または機能を示すかあるいは地番Ｇが共通に共有する情報（例えば、同じワインダー２０）を示すエリア属性情報３４とを含む。エリア属性情報３４は、該当領域のメンテナンスや装備の整備に必要なマニュアルまたは工程に必須的な作業条件（パーティクル濃度、温度など）データも含むことができる。

図４は、エリアＡの概念を広げて、エリアＡの上位概念である地域としてのセクターＳを図示したものである。図示の例において、セクターＳは、同じワインダー２０を３行で配置して並列に供給する作業物空間で、それぞれの行に対して付与されたエリアＡ１、Ａ２、Ａ３を含むことのように、同一の加工物を含む地域を示す。または、特定の層、特定の空間または同じ大型設備を基準にしてセクターＳを分けることができる。これとは異なり、工程を成すそれぞれのステップに対してセクターＳを付与することができる。セクターデータは、エリアデータ３０と同様に、エリア情報と、当該セクターの特徴または機能を示すかエリアＡが共通に共有する情報（例えば、同一層）を示すセクターデータの属性情報とを含む。

エリアＡとセクターＳは、地番Ｇより広い観点から生産工程をマクロ管理する点で、効率的である。しかしながら、本発明では地番Ｇが必須であり、エリアＡやセクターＳは工場または工程条件や作業環境によって必須的に付与されるものではない。これとは異なり、セクターＳの上にさらに上位グループを追加するか３Ｄエリアや３Ｄセクターを構築するなど、多様な変更が可能であることはもちろんである。

次に、以上の説明に基づいて、図５を参照して本発明の地番ベース管理システム１について説明する。地番ベース管理システム１は、スマートファクトリーのような工場に設置される。

本発明の管理システム１は、制御部２と、地番関連情報受信部３と、地番関連データ貯蔵部４と、作業物追跡部５と、工程インタラプト部６と、メモリＭとを含む。

地番関連情報受信部３は、地番情報受信部３ａ、エリア情報受信部３ｂおよびセクター情報受信部３ｃを含む。地番関連情報受信部３は、上述のようにセンサまたは撮像装置を用いたり、工程管理サーバのデータまたは地理情報システム（ＧＩＳ）、材料や半製品を移送するＡＧＶ（Ａｕｔｏｍａｔｅｄ Ｇｕｉｄｅｄ Ｖｅｈｉｃｌｅ）物流システム、三辺測量方式、磁場、光またはＳＬＡＭなどを用いて検出された情報、または管理者が手動で入力した地番Ｇ、エリアＡ、セクターＳに関する情報を受信して、それを制御部２に伝送する。

制御部２は、伝送された情報を、地番関連データ貯蔵部４のデータ構造に合うように設定されたフォーマットに加工して地番関連データ貯蔵部４に伝送する。地番関連データ貯蔵部４は、地番データ貯蔵部４ａ、エリアデータ貯蔵部４ｂおよびセクターデータ貯蔵部４ｃを含む。それぞれの貯蔵部に記入されるデータの構造は上述したものと同じである。

作業物追跡部５は、入力部（図示せず）を介して管理者が入力した特定の作業物情報を受信して制御部２に伝送する。制御部２は、地番関連データ貯蔵部４のデータを照会および判読する。地番データ１０の中で、作業物情報１４をキー（ｋｅｙ）として、例えば同じバーコードで検索すると、当該作業物が移動した全ての地番Ｇと、地番Ｇに関連する生産および環境情報を得ることができる。これらのデータは作業物追跡部５に伝送される。そして、作業物追跡部５は受信情報をソートして作業物の履歴情報として、ディスプレイ（図示せず）に例えばグラフィック情報で表示する。管理者は、作業物が好適な生産工程を経たのか、あるいは移動経路のなかで品質に影響を与える否定的な要因はなかったのかを確認し得る。さらに、管理者は、特定の作業物が不良品である場合、作業物追跡部５を用いて不良の原因を把握するこができる。

メモリＭは、製品品質に影響を及ぼす変数と、それに関連する閾値を貯蔵している。例えば、温度が２００℃以上である場合、パーティクル粒子の許容最大値が１００ＰＰＭである場合、または加工物が１分以上移動せずに特定の地番Ｇに遅滞する場合、それに関する閾値のデータである。制御部２は、地番関連情報受信部３の情報を地番関連データ貯蔵部４に伝送しながらメモリＭを参照し、地番データ１０に記入されたデータが閾値以上であればそれを異常として判定し、工程インタラプト部６に駆動信号を伝送する。上記工程インタラプト部６は、上記駆動信号に応じて上記特性または性質情報のデータが所定の閾値未満になるように、当該工程を自動で調節することができる。たとえば、温度が２００℃未満になるように当該工程または当該工程が行われる工場の特定の場所の温度を下げるように指示することができる。すなわち、工程インタラプト部６が工場の温度調節システムを作動させて温度を下げることができる。あるいは、パーティクル粒子の許容最大値が１００ＰＰＭである場合にパーティクル粒子が１００ＰＰＭを超えると、除塵装置または集塵装置を稼動してパーティクル粒子の閾値を下げるようにする。または、加工物が１分以上を移動せずに特定の地番Ｇに遅滞する場合、加工物の移動装置や設備に指示を下して加工物を迅速に移動し得るようにする。例えば、上記工程インタラプト部６は、工場の統合自動制御システムであってもよく、生産管理システムであってもよい。または、上記工程インタラプト部６は、上記システムに含まれる特定の工程および／または設備の個別制御システムであり得る。すなわち、上記地番ベース管理システム１が工場の生産管理システムである場合には、上記工程インタラプト部６は特定の工程の制御システムであり得る。したがって、地番と関連する情報を受信し、メモリを参照した制御部によって駆動信号が発せられると、上記工程インタラプト部６が当該工程の特性または性質情報のデータが閾値未満になるように自動調節してスマート工場を具現し得る。すなわち、本発明によると、制御部の駆動信号に応じて工程インタラプト部６の自動工場制御あるいは自動品質制御が行われ得る。

それのみならず、制御部の駆動信号により、上記工程インタラプト部６は、警告灯またはアラームを介して地番ベース管理システム１の運営者や現場の管理者に異常発生事実を知らせることができる。したがって、製品の異常加工のステップで当該工程を一時停止し、措置を取ってから正常に回復させることによって、不良品の発生を遮断して抑制することができる。

本発明の管理システム１において、制御部２と、地番関連情報受信部３と、地番関連データ貯蔵部４とは、常にデフォルトで駆動して地番データがリアルタイムで構築されるが、作業物追跡部５は、作業者の入力や要請がある場合のみに駆動されることが好ましい。また、管理システム１が地番データなどに基づいて作業物に対して、例えば、製品コード別に地番通過履歴データをマッチングして予めＤＢに貯蔵し、作業者の要請がある場合にデータをすぐに伝送するなど、多様な変更が可能である。

以上、エリアＡとセクターＳを含む管理システム１を例にして説明したが、地番Ｇのみで構築されたシステムに対しても同じ説明が適用されることはもちろんである。

（第２実施形態）
本発明の作業物追跡部５は、管理システム１に含まれず、管理システム１に連結された別途のサーバで構築されるか、あるいは独立した作業物追跡システム１００として工場内に構築することができる。後者に係る作業物追跡システム１００を、地番データ１０を基準にして図６を参照して説明する。

作業物追跡システム１００は、制御部１０２と、地番関連情報受信部１０３と、地番関連データ貯蔵部１０４と、入力部１０５と、出力部１０６とを含む。

地番関連情報受信部１０３は、センサ、撮像装置または地理情報システムまたは管理者が手動で入力した地番Ｇに関する情報を受信して制御部１０２に伝送する。制御部１０２は、伝送された情報を既に設定されたフォーマットに加工して地番関連データ貯蔵部１０４に送信する。地番関連データ貯蔵部１０４には、第１実施形態で説明した地番データ１０が貯蔵される。

入力部１０５は、パネルやキーボードのように管理者が手動で入力可能な手段であり、特に制限されない。入力部１０５は、キーとして作業物コードを入力する第１入力部１０５ａと、地番Ｇコードを入力する第２入力部１０５ｂとを含む。地番Ｇコードは範囲値として指定し得る。

出力部１０６はディスプレイのような表示装置であり、特に制限されない。

本発明の制御部１０２は、入力部１０５の入力信号を受信し、地番関連データ貯蔵部１０４を照会してその結果を出力部１０６に伝送する。

具体的には、管理者が第１入力部１０５ａで作業物コードを入力すると、制御部２は地番データ１０の作業物情報１４を探索して同じ作業物コードを有するレコードを時間順に配列する。そして、それぞれのレコードの位置情報１２を照会して地番Ｇに基づいた作業物の移動経路の情報を生成し、それぞれの地番Ｇの環境情報１６と工程情報１８に基づいて移動経路による特性または性質情報を生成する。このようにして生成されたデータは出力部１０６に伝送され、表示装置に、例えば、グラフィックデータで表示される。図７は、作業物としてワインダー２０のコードを入力して得た出力結果の例を図示している。

もし、管理者が第２入力部１０５ｂで地番コードを入力すると、制御部２は地番データ１０の位置情報１２を探索して、同じ地番コードを有するレコードを時間順に配列する。そして、それぞれのレコードの残りのフィールドを照会して、当該地番Ｇを通過した履歴のある作業物と、時間経過による地番Ｇの特性または性質情報を生成する。このようにして生成されたデータは出力部１０６に伝送され、表示装置に、例えば、グラフィックデータで表示される。

このように、本発明の作業物追跡システム１００によると、特定の作業物の移動経路を追跡しながら好適な工程が行われたのかを確認することができ、地番Ｇを基準にして当該区域の加工環境と履歴を点検することができるので、生産工程の管理が便利であり、クロスチェックを通じて間違いのない正確なモニタリングが可能である。

（第３実施形態）
第１実施形態の地番ベース管理システム１と第２実施形態の作業物追跡システム１００は、図８に図示したように、スマートフォンのような１つ以上のモバイルデバイス３００に連結され得る。この場合、複数の管理者や作業者がサーバを共有しながら、各自のモバイルデバイス３００を介して現場での作業物の位置をすぐに把握することができるので便利である。

作業物追跡システム１００と連携された場合を基準にして説明すると、モバイルデバイス３００には専用のアプリケーションが設置されており、入力部３０５と出力部３０６を介して作業物追跡システム１００と無線通信する。作業者が入力部３０５で作業物コードまたは地番コードを入力すると、第２実施形態で説明したのと同一のプロセスを経て生成された連関情報が伝送されて出力部３０６に表示される。モバイル機器の携帯性というメリットを生かすために、作業物の移動経路のみを抽出してディスプレイするなど、多様な変更が可能である。

以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。

したがって、本発明に開示された図面は、本発明の技術思想を限定する為のものではなく、説明するためのものであり、このような図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。

１：地番ベース管理システム
１０：地番データ
１２：位置情報
１４：作業物情報
１６：環境情報
１８：工程情報
１００：作業物追跡システム
３００：モバイルデバイス
Ｇ：地番
Ａ：エリア
Ｓ：セクター

Claims (15)

1. 地番ベースの管理システムであって、前記管理システムは、
   作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのセグメントに対して付与された地番に関するデータを受信する地番関連情報受信部と、
   前記地番関連情報受信部で受信した地番に関するデータを加工して地番関連データ貯蔵部に伝送する制御部と、
   前記制御部から伝送した地番に関するデータを地番データとして貯蔵する地番関連データ貯蔵部とを含み、
   前記地番データは地番固有の位置情報と、地番に置かれる作業物の情報と、地番に関する特性または性質情報とを含む、管理システム。
2. 前記特性または性質情報は、地番の温度、水分またはパーティクル情報を含む、請求項１に記載の管理システム。
3. 前記作業物は、材料、半製品、生産手段である設備または最終製品のうちの一つである、請求項１に記載の管理システム。
4. 前記特性または性質情報は、作業物に対して行われる工程に対する工程情報をさらに含む、請求項２に記載の管理システム。
5. 地番データは所定の時間の間隔をおいてアップデートされ、過去と現在の地番データが地番関連データ貯蔵部に貯蔵され、時間の経過に伴う地番の履歴を追跡して確認する、請求項１に記載の管理システム。
6. 前記管理システムは、管理者が入力した特定の作業物の情報を受信して制御部に伝送する作業物追跡部をさらに含み、
   制御部は地番データの作業物の情報を検索して当該作業物が移動した地番と、地番に関連する情報とを作業物追跡部に伝送し、
   前記作業物追跡部は、受信情報をソートして少なくとも作業物の移動経路を表示する、請求項１に記載の管理システム。
7. 前記管理システムは、工程インタラプト部をさらに含み、
   制御部は地番データに記入された特性または性質情報のデータが所定の閾値以上であれば、それを異常として判定して工程インタラプト部に駆動信号を伝送し、
   前記工程インタラプト部は前記駆動信号に応じて、次のうちの少なくとも１つを行う、請求項１に記載の管理システム。
   ａ）前記特性または性質情報のデータが前記所定の閾値未満になるように工程を自動で調節する。
   ｂ）警告灯またはアラームを介して異常が発生した事を知らせる。
8. 前記地番関連情報受信部は、複数の地番を含む上位概念としてのそれぞれのエリアに関する情報を受信し、
   前記制御部は、受信したエリアに関するデータを所定のフォーマットに加工して地番関連データ貯蔵部に伝送し、
   地番関連データ貯蔵部は、制御部から伝送したエリアに関するデータをエリアデータとして貯蔵し、
   前記エリアデータは、エリアに属する地番情報と、当該エリアが有する特徴または機能を示すかあるいは地番が共有する情報を示すエリア属性情報とを含む、請求項１に記載の管理システム。
9. 前記地番関連情報受信部は、複数のエリアを含む上位概念としてのそれぞれのセクターに関する情報を受信し、
   前記制御部は、受信したセクターに関するデータを所定のフォーマットに加工して、地番関連データ貯蔵部に伝送し、
   地番関連データ貯蔵部は、制御部から伝送したセクターに関するデータをセクターデータとして貯蔵し、
   前記セクターデータは、セクターに属するエリア情報と、当該セクターが有する特徴または機能を示すか、あるいはエリアが共有する情報を示すセクター属性情報とを含む、請求項８に記載の管理システム。
10. 前記地番データは、地番に積載される作業物の高さ情報をさらに含む３Ｄ地番データである、請求項１から９のいずれか一項に記載の管理システム。
11. 地番を用いた作業物の追跡システムであって、前記追跡システムは、
    作業空間を複数の行と列に分けて生成されるそれぞれのセグメントに対して付与された地番に関する情報を受信して制御部に伝送する地番関連情報受信部と、
    前記地番関連情報受信部で受信した地番に関するデータを加工して地番関連データ貯蔵部に伝送する制御部と、
    前記制御部から伝送された地番に関するデータを地番データとして貯蔵する地番関連データ貯蔵部と、
    作業物コードまたは地番コードを入力するための入力部、および出力部とを含み、
    前記地番データは地番固有の位置情報と、地番に置かれる作業物の情報と、地番に関する特性または性質情報とを含み、
    前記制御部は、入力部の入力信号を受信し、地番データを照会して、その結果を出力部に伝送する、追跡システム。
12. 前記制御部は、作業物コードの入力信号を受信すると、地番データの作業物の情報を探索して同じ作業物コードを有するレコードを時間順に配列し、それぞれのレコードの位置情報を照会して地番に基づいて作業物の移動経路の情報を生成し、前記移動経路の情報を出力部に伝送する、請求項１１に記載の追跡システム。
13. 前記制御部は、地番コードの入力信号を受信すると、地番データの位置情報を探索して同じ地番コードを有するレコードを時間順に配列し、それぞれのレコードの残りを照会して、当該地番を通過した履歴がある作業物と、時間の経過に応じる地番の特性または性質情報を生成し、それらの情報を出力部に伝送する、請求項１１に記載の追跡システム。
14. 前記追跡システムは、作業者または管理者が携帯可能なモバイルデバイスと無線通信し、
    モバイルデバイスには専用のアプリケーションを介して作業物追跡システムから伝送された作業物の移動経路が表示される、請求項１１に記載の追跡システム。
15. 請求項１または請求項１１に記載のシステムが設置された、工場。

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