JP2023543125A - Glp-1受容体アゴニスト融合物をコードするウイルスベクター及び代謝性疾患の治療におけるその使用 - Google Patents

Glp-1受容体アゴニスト融合物をコードするウイルスベクター及び代謝性疾患の治療におけるその使用 Download PDF

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Abstract

対象における代謝性疾患を治療するための組成物及び方法が提供される。GLP-1受容体アゴニスト融合タンパク質をコードする配列及びその発現を指示する調節配列を含む核酸分子を含むウイルスベクターが提供される。【選択図】なし

Description

グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、グルコース恒常性において中心的な役割を果たす内因性ペプチドホルモンである。GLP-1は、グルカゴンプレタンパク質のタンパク質分解切断から、胃腸(GI)管で産生されるペプチドホルモンである。GLP-1及び他のGLP-1受容体アゴニストは、インスリン放出を増強し、インスリン感受性を増加させ、β細胞の喪失を防止し、胃内容排出を遅延させることによって、高血糖を制御する能力を有する。しかしながら、GLP-1は半減期が短く、それは薬物としてのその使用を妨げてきた。他のGLP-1受容体アゴニストは、現在、糖尿病の治療のためにヒトで使用されている。アゴニストをより長い半減期を有するタンパク質に融合させることによって、天然ホルモンの短い半減期を克服するように設計されたGLP-1受容体アゴニストは、2型糖尿病(T2DM)の治療のための重要な治療薬として浮上している。
グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体アゴニスト融合タンパク質構築物をコードするウイルスベクターが本明細書で提供される。これらのウイルスベクターは、いくつかの実施形態では、融合パートナーを含まないGLP-1受容体アゴニストのベクター媒介送達と比較して、対象におけるGLP-1受容体アゴニストの持続的発現及び/又は循環半減期の増加を達成し得る。そのようなウイルスベクターの製造及び使用方法が更に提供される。
一態様では、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸を含むウイルスベクターが提供される。融合タンパク質は、(a)分泌シグナルペプチドを含むリーダー配列と、(b)グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストと、(c)(i)IgG Fc若しくはその機能的バリアント、又は(ii)アルブミン若しくはその機能的バリアントのいずれかを含む融合ドメインと、を含む。一実施形態では、ベクターは、アデノ随伴ウイルスベクターである。
一実施形態では、(i)リーダー配列の分泌シグナルペプチドが、トロンビンシグナルペプチドを含み、(ii)リーダー配列が、トロンビンプロペプチドを含み、かつ/又は(iii)リーダー配列が、トロンビンリーダー配列を含む。別の実施形態では、リーダー配列は、IL-2リーダー配列を含む。一実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びその機能的バリアントから選択される。
一実施形態では、融合ドメインは、配列番号11の配列、若しくはそれと少なくとも90%の同一性を共有する配列、又はその機能的バリアントを有するヒトIgG4である。別の実施形態では、融合ドメインは、配列番号12の配列、若しくはそれと少なくとも90%の同一性を共有する配列、又はその機能的バリアントを有するヒトアルブミンである。一実施形態では、融合ドメインは、配列番号17の配列、若しくはそれと少なくとも90%の同一性を共有する配列、又はその機能的バリアントを有するアカゲザルIgG4 Fcである。
別の実施形態では、ウイルスベクターは、AAVカプシドと、AAVカプシド中にパッケージングされたベクターゲノムとを含み、当該ベクターゲノムは、AAV逆位末端反復(ITR)、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、及び融合タンパク質の発現を指示する調節配列を含む。
別の態様では、対象における代謝性疾患の治療に使用するのに好適な薬学的組成物が提供される。組成物は、水性液体と、本明細書に記載のウイルスベクターとを含む。一実施形態では、対象は、ヒトである。
更に別の態様では、本明細書に記載のウイルスベクターの使用は、代謝性疾患、任意選択で、糖尿病を有する対象を治療するための医薬の製造のために提供される。
別の態様では、代謝性疾患を有する対象を治療する方法が提供される。方法は、有効量の本明細書に記載のウイルスベクター又は組成物を対象に投与することを含む。
本発明の他の態様及び利点は、以下の本発明の詳細な説明から、容易に明らかとなるであろう。
デュラグルチドの概略図である。 アルビグルチドの概略図である。 インビトロでの誘導性hDulaglutide(Trb)対CB7.feDulaglutide(feTrb)を示す。GLP1-Fc融合物を、プラスミドでトランスフェクトしたHEK293細胞の培養上清中で、ヒトトロンビンシグナル配列を有する誘導性ヒトデュラグルチド(TF.GT2A.デュラグルチド(Trb))及びCB7.ネコデュラグルチド(feTrb)について測定した。上清を、ラパマイシン(Rapa)による処理の48時間後、0、4、及び40nMで、又はCB7.feデュラグルチド(feTrb)のトランスフェクションの48時間後に収集した。GLP1-Fcを、キットのSTDとともに活性型GLP1 ELISAによって定量化した。 Rag1KO(RAG1-/-)マウス(n=5/ベクター)におけるGLP-1の誘導性発現を示す。Rag1KO雌マウスに、示されるベクター(すなわち、AAVrh91.TF.hデュラグルチド(Trb)3w.rBG及びAAVrh91.TF.rhデュラグルチド(rhTrb).3w.rBG)の筋肉内(I.M.又はIM)送達を介して1×1011GC/マウスを投与した。毎週採血が行われた。活性型GLP-1に特異的なGLP1 ELISAが行われた。AAVベクターを0日目に注射し、ラパマイシンを、AAV注射後14日目及び15日目頃に経口胃管投与によって投与した。 pAAV.CMV.TF.GT2A.デュラグルチド(Trb).3w.rBGのプラスミドマップの概略図である。 マウスにおける操作されたGLP-1構築物のAAV媒介発現を示す。 2ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む例示的な発現カセットの概略図を示す。 IRESリンカーを含む1ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む発現カセットの概略図を示す。 分泌シグナルを有するF2A切断配列リンカー及びヒトGLP1-Fc(hデュラグルチド)を含む、1ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む発現カセットの概略図を示す。 GT2A切断配列の更なる詳細図を示し、GT2A_V1は、配列番号21のアミノ酸配列を含み、GT2A_V2は、配列番号22のアミノ酸配列を含む。 様々な構築物でトランスフェクトし、0nM、4nM、及び40nMで、ラパマイシンで処理した後に測定し、IU/mLのrhTTとしてプロットしたHEK293細胞上清におけるアカゲザルの例示的な治療用導入遺伝子(rhTT)の発現を示す。 インビトロでの誘導性ヒト(h)及びアカゲザル(rh)GLP-1の発現を示す。GLP1-Fc融合物を、プラスミドでトランスフェクトしたHEK293細胞の培養上清中で、トロンビンシグナル配列を含む誘導性hデュラグルチド、2ベクター系を含むrhデュラグルチド、及びCB7.rhデュラグルチドについて測定した。細胞を0日目に播種し、1日目にトランスフェクトし、2日目に0nM、4nM、及び40nMで、ラパマイシンで処理し、CB7.rhデュラグルチド(rhTrb)のトランスフェクションから4日目又は48時間後に細胞からの上清を収集した。GLP1-Fcを、キットのSTDとともに活性型GLP1 ELISAによって定量化した。 NHP1(18-128)の抗rhGLP1-Fc ADA(抗薬物抗体)検出アッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析示す。図10Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図10Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図10Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。 NHP1(18-072)の抗rhGLP1-Fc ADAアッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析を示す。図11Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図11Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図11Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。 NHP1(18-013)の抗rhGLP1-Fc ADAアッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析を示す。図12Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図12Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図12Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。
長時間作用型GLP-1受容体アゴニスト融合タンパク質発現構築物は、ヒトを含む、それを必要とする対象での使用のために開発されている。分泌シグナルペプチドを含むリーダー配列、並びに得られた融合タンパク質の循環時間を延長することを意図した融合ドメインが提供される。
多数の経路を介して、特にrAAVベクターなどの組換えベクターによって媒介されるインビボでの発現によって、これらの構築物をそれを必要とする対象に送達することが記載される。糖尿病又はメタボリックシンドロームを治療することを必要とする対象におけるレジメンにおいて、これらの構築物を使用し、対象におけるGLP-1の半減期を増加させる方法も提供される。加えて、対象におけるGLP-1の活性を増強するための方法が提供される。また、それを必要とする対象における体重減少を誘導するための方法も提供される。
GLP-1融合タンパク質
グルカゴン様ペプチド1又はGLP-1は、プログルカゴン遺伝子の転写産物に由来するインクレチンである。インビボでは、グルカゴン遺伝子は、GLP-1及びGLP-2の2つの形態であるグルカゴンを形成するためにタンパク質分解処理される180個のアミノ酸プレプロポリペプチドを発現する。元の配列決定研究は、GLP-1が37個のアミノ酸残基を有することを示した。しかしながら、後続の情報は、このペプチドがプロペプチドであり、更に、アミノ末端から6個のアミノ酸を除去して、GLP-1の活性型であるGLP-1(7-37)の形態にプロセシングされたことを示した。37位のグリシンもまた、インビボでアミドに形質転換されて、GLP-1(7-36)アミドを形成する。GLP-1(7-37)及びGLP-1(7-36)アミドは、同等の効力を有するインスリン刺激ホルモンである。したがって、本明細書で使用される場合、本明細書で有用であるGLP-1の生物学的に「活性」な形態は、GLP-1-(7-37)及びGL
P-1-(7-36)NHである。
GLP-1受容体アゴニストは、グルカゴン様ペプチドの作用を模倣する抗糖尿病薬のクラスである。GLP-1は、消化中に腸から放出された後に体に影響を与えるいくつかの天然に存在するインクレチン化合物の1つである。GLP-1受容体に結合し活性化することにより、GLP-1受容体アゴニストは、血糖レベルを低下させることができ、これはT2DM患者が血糖制御を成し遂げるのに役立つ。本明細書で使用される場合、「GLP-1受容体アゴニスト」という用語は、少なくともGLP-1又はその機能的断片、GLP-1のアミノ酸配列バリアント又はその機能的断片、及びGLP-1受容体の他のポリペプチドアゴニスト(例えば、エキセジン-4及びそのバリアント)を指す。本開示は、GLP-1受容体アゴニストの1つ以上のコピー、並びにかかる融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド及びベクターを含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(a)分泌シグナルペプチドを含むリーダー配列と、(b)グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストと、(c)融合ドメインと、を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、トロンビンリーダー配列、GLP-1受容体アゴニスト、及びIgG Fc又はその機能的バリアントを含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、トロンビンリーダー、GLP-1受容体アゴニスト、及びアルブミン又はその機能的バリアントを含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、トロンビンリーダー、GLP-1受容体アゴニストの2つのコピー、及びアルブミン又はその機能的バリアントを含む。
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、野生型配列の機能を保持する、本明細書に記載の、又は当該技術分野で既知のGLP-1核酸又はアミノ酸配列から最大約10%のバリエーションを含み得るバリアントを含む。本明細書で使用する場合、「機能を保持する」とは、必ずしも同じレベルの発現又は活性ではないが、核酸又はアミノ酸が野生型配列と同じ方法で機能することを意味する。例えば、一実施形態では、機能的バリアントは、野生型配列と比較して、増加した発現又は活性を有する。別の実施形態では、機能的バリアントは、野生型配列と比較して、発現又は活性が低下している。一実施形態では、機能的バリアントは、野生型配列と比較して、発現又は活性の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上の増加又は減少を有する。
GLP-1受容体アゴニストを安定化融合ドメインに融合させるいくつかのヒト用薬物は、当該技術分野において既知である。これらには、アルビグルチド、リラグルチド、デュラグルチド、及びリキシセナチド(化学名デス-38-プロリン-エキセンジン-4(Heloderma suspectum)-(1-39)-ペプチジルペンタ-L-リシル-L-リシンアミドとしても知られている)が含まれる。デュラグルチドは、各モノマーが1つのGLP-1類似体部分及び1つのIgG4Fc領域からなるジスルフィド結合ホモ二量体融合ペプチドである。Yu M,et al.(2018)Battle of GLP-1 delivery technologies,Adv.Drug Deliv.Rev.デュラグルチドの概略図を、図1Aに示す。WO2005/000892A2を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
アルビグルチドは、ヒトアルブミンに融合したGLP-1類似体の2つのコピーで構成される組換えタンパク質である。この分子は、DPP-4分解に対する耐性を改善するために、GLP-1類似体の両方のコピーにおいてAlaに対してGly8置換を有する。アルビグルチドの概略図を、図1Bに示す。
一実施形態では、融合物は、異種配列と組み合わせたGLP-1類似体を含む。GLP
-1類似体とは、天然ヒトGLP-1(7-37)と少なくとも90%、95%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を共有するポリペプチドを意味する。一実施形態では、GLP-1類似体は、天然配列と比較して、最大で1、2、又は3個のアミノ酸置換を有する。天然ヒトGLP-1(1-37)は、HDEFERHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG (配列番号1)の配列を有し、GLP-1(7-37)は、HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号2)の配列を有する。いくつかの実施形態では、天然GLP-1配列を変更して、その1つ以上の特徴を最適化することが望ましい。例えば、一実施形態では、GLP-1類似体は、天然配列と比較して、A8G、G22E、及びR36Gから選択される1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換を含む。これらの置換は、DPP-4不活性化からの保護(A8G)、溶解度の増加(G22E)、及び潜在的なT細胞エピトープを除去するために36位(R36G)のアルギニンをグリシン残基で置換することによる免疫原性の低下を含む、GLP-1の臨床プロファイルの有効性を改善することが示されている。一実施形態では、GLP-1類似体は、GLP-1のDPP-IV耐性バリアントである。一実施形態では、GLP-1類似体は、配列番号3:HGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGを含むか、又はそれからなる配列を有する。別の実施形態では、GLP-1類似体は、配列番号4:HGEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRGを含むか、又はそれからなる配列を有する。別の実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、配列番号5:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSを含むか、若しくはそれからなる配列、又はその機能的バリアントを有する。一実施形態では、バリアントは、配列番号5と少なくとも90%の同一性、95%の同一性、97%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、又は100%の同一性を共有する。別の実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、配列番号6:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPSKKKKKKを含むか、若しくはそれからなる配列、又はその機能的バリアントを有する。一実施形態では、バリアントは、配列番号6と少なくとも90%の同一性、95%の同一性、97%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、又は100%の同一性を共有する。一実施形態では、GLP-1類似体の2つ以上のコピーが融合タンパク質に存在する。別の実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは、GLP-1(7-37)又はそのDPP-IV耐性バリアントの2つのタンデムコピーである。
融合タンパク質は、分泌シグナルペプチドを含み得るリーダー配列を含み得る。本明細書で使用される場合、「リーダー配列」という用語は、ポリペプチドの任意のN末端配列を指す。
リーダー配列は、投与が最終的に意図されるのと同じ種、例えば、ヒトに由来し得る。本明細書で使用される場合、「由来する」又は「から由来する」という用語は、配列又はタンパク質が特定の対象種に由来するか、又は特定の対象種に由来するタンパク質又は配列と同じ配列を共有することを意味する。例えば、ヒトに「由来する」リーダー配列は、ヒトで発現されるのと同じリーダー配列と同じ配列(又は本明細書で定義されるようなそのバリアント)を共有する。しかしながら、指定された核酸又はアミノ酸は、実際にはヒトから供給される必要はない。類似のタンパク質(例えば、相同体)の突然変異誘発、又は核酸若しくはアミノ酸配列の人工産生を含む、所望の配列を産生することができる様々な技術が当技術分野で既知である。「由来する」核酸又はアミノ酸は、由来する配列の実際の供給源にかかわらず、それが「由来する」種における同じ核酸又はアミノ酸の機能を保持する。
「アミノ酸置換」という用語及びその同義語は、アミノ酸を別の代替アミノ酸で置き換えることによるアミノ酸配列の修飾を包含することを意図している。置換は、保存的置換であり得る。それは、非保存的置換であってもよい。保存的という用語は、2つのアミノ
酸を指す場合、それらのアミノ酸が、当業者によって認識される一般的な特性を共有することを意味することを意図している。例えば、疎水性非酸性側鎖を有するアミノ酸、疎水性酸性側鎖を有するアミノ酸、親水性非酸性側鎖を有するアミノ酸、親水性酸性側鎖を有するアミノ酸、及び親水性塩基性側鎖を有するアミノ酸。一般的な特性はまた、疎水性側鎖を有するアミノ酸、脂肪族疎水性側鎖を有するアミノ酸、芳香族疎水性側鎖を有するアミノ酸、極性中性側鎖を有するアミノ酸、電荷を有する側鎖を有するアミノ酸、電荷を有する酸性側鎖を有するアミノ酸、及び電荷を有する塩基性側鎖を有するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸及び天然に存在しないアミノ酸の両方が、当該技術分野で既知であり、実施形態では、代替アミノ酸として使用され得る。アミノ酸を置換するための方法は、当業者に周知であり、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の変異を含むが、これに限定されない。本明細書における「1つ以上」への言及は、例えば、1、2、3、4、5、6、又はそれ以上の個々の実施形態を包含することを意図する。
一実施形態では、リーダーは、ヒトトロンビン(第II因子)配列である。一実施形態では、トロンビンリーダーは、配列番号7:MAHVRGLQLPGCLALAALCSLVHSQHVFLAPQQARSLLQRVRRで示される配列、又は最大で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を有するその機能的バリアントを有する。いくつかの実施形態では、リーダーは、シグナルペプチド及びプロペプチドを含む。一実施形態では、リーダー配列の分泌シグナルペプチドは、ヒトトロンビンシグナルペプチドを含む。一実施形態では、シグナルペプチドは、MAHVRGLQLPGCLALAALCSLVHS(配列番号8)、又は最大で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を有するその機能的バリアントである。別の実施形態では、リーダー配列は、ヒトトロンビンプロペプチドを含む。一実施形態では、プロペプチドは、QHVFLAPQQARSLLQRVRR(配列番号9)の配列、又は最大で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を有するその機能的バリアントを有する。
一実施形態では、リーダーは、ヒトIL-2配列である。一実施形態では、IL-2リーダーは、配列番号10:MYRMQLLSCIALSLALVTNSで示される配列、又は最大で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を有するその機能的バリアントを有する。
一実施形態では、所望のリーダーの機能的バリアントは、野生型配列の機能を保持する、本明細書に記載の、又は当該技術分野で既知のリーダー核酸又はアミノ酸配列から最大約10%のバリエーションを含み得るバリアントを含む。
いくつかの実施形態では、プロペプチド及びGLP-1ペプチドの両方についてのコード領域は、プロペプチド及びGLP-1のコード配列の間にリンカーを伴うことなく単一の核酸配列に組み込まれる。
融合タンパク質は、融合ドメインを更に含む。融合ドメインは、一実施形態では、ヒトIgG Fc断片又はその機能的バリアントである。免疫グロブリンは、典型的には、インビボで長い循環半減期を有する。GLP-1受容体アゴニスト(及びリーダー)をIgG Fcに融合させることによって、GLP-1の機能が維持されたまま、融合タンパク質の循環時間が延長される。一実施形態では、融合ドメインは、アカゲザルIgG Fc断片又はその機能的バリアントである。
本明細書で使用される場合、免疫グロブリンのFc部分は、免疫学の分野における用語に一般的に付与される意味を有する。具体的には、この用語は、抗体からの2つの抗原結合領域(Fab断片)を含有しない抗体断片を指す。Fc部分は、非共有結合相互作用及びジスルフィド結合によって会合する、両方の重鎖からの抗体の定常領域からなる。Fc
部分は、ヒンジ領域を含み、CH2及びCH3ドメインを通って抗体のc末端まで延在し得る。Fc部分は、1つ以上のグリコシル化部位を更に含み得る。一実施形態では、融合ドメインは、ヒトIgG Fcである。高度に保存されている4つのサブクラス、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4は、それらの定常領域、特にそれらのヒンジ及び上部CH2ドメインの点で異なる。Vidarsson et al,IgG Subclasses and Allotypes:From Structure to Effector Functions,Front Immunol.Oct.2014;5:520を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。Fcドメインは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、又はヒトIgG4を含む任意のヒトIgGに由来することができる。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、IgG4 Fcである。一実施形態では、ヒトIgG Fcは、配列番号11である:
AESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG.別の実施形態では、ヒトIgG Fcは、配列番号11と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性、又は少なくとも100%の同一性を共有する。
一実施形態では、融合ドメインは、アカゲザルIgG Fcである。Fcドメインは、アカゲザルIgG1、アカゲザルIgG2、アカゲザルIgG3、又はアカゲザルIgG4を含む任意のアカゲザルIgGに由来し得る。一実施形態では、アカゲザルIgG Fcは、IgG4 Fcである。一実施形態では、アカゲザルIgG Fcは、配列番号17である:
PPCPPCPAPE LLGGPSVFLF PPKPKDTLMI SRTPEVTCVV VDVSQEDPEV QFNWYVDGVE VHNAQTKPRE RQFNSTYRVV SVLTVTHQDW LNGKEYTCKV SNKGLPAPIE
KTISKAKGQP REPQVYILPP PQEELTKNQV SLTCLVTGFY PSDIAVEWES NGQPENTYKT TPPVLDSDGS YLLYSKLTVN KSRWQPGNIF TCSVMHEALH NHYTQKSLSV SPGK.別の実施形態では、アカゲザルIgG Fcは、配列番号17と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性、又は少なくとも100%の同一性を共有する。一実施形態では、アカゲザルIgGは、ヒンジ配列を更に含む。
別の実施形態では、融合ドメインは、ヒトアルブミン又はその機能的バリアントである。一実施形態では、ヒトアルブミンは、
配列番号12である:
DAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQCPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKH
PEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGL.別の実施形態では、ヒトアルブミンは、配列番号12と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも99%の同一性、又は少なくとも100%の同一性を共有する。
本開示の融合タンパク質のインビボ機能及び安定性は、例えば、潜在的に望ましくないドメイン相互作用を防止するために、又は他の理由で、小さなペプチドリンカーを添加することによって最適化され得る。更に、グリシンリッチリンカーは、GLP-1類似体部分が、膵臓のβ細胞等の標的細胞上のGLP-1受容体と生産的に相互作用することができるように、ある程度の構造的柔軟性を提供し得る。したがって、GLP-1類似体のC末端及び融合タンパク質の融合ドメインのN末端は、一実施形態では、リンカーを介して融合される。一実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号13)という配列を有するGリッチペプチドリンカーの1、1.5、又は2つの反復を含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、(a)ヒトトロンビンリーダー、(b)GLP-1(7-37)のDPP-IV耐性バリアント、リンカー、及び(c)ヒトIgG Fcを含む。一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号14、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一の配列を有する。
配列番号14
MAHVRGLQLPGCLALAALCSLVHSQHVFLAPQQARSLLQRVRRHGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
一実施形態では、融合タンパク質をコードする配列は、配列番号15、又はそれと少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一の配列である。
配列番号15:
atggctcacgttcgaggactgcagctgcctggatgtctggctcttgccgctctgtgtagcctggtgcacagccagcacgtgtttctggctcctcagcaagccagatcactgctgcagagagttagaaggcacggcgagggcacctttacctccgacgtgtctagctacctggaagaacaggccgccaaagagtttatcgcctggctggtcaaaggtggcggcggaggcggaggaagcggtggcggaggttcaggtggtggtggatctgccgagtctaagtacggccctccttgtcctccctgtcctgctcccgaagctgctggcggcccatccgtgtttctgttccctccaaagcctaaggacaccctgatgatcagcagaacccctgaagtgacctgcgtggtggtcgacgtgtcccaagaggatcctgaggtgcagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgccaagaccaagcctagagaggaacagttcaacagcacctacagagtggtgtccgtgctgaccgtgctgcaccaggattggctgaa
cggcaaagagtacaagtgcaaggtgtccaacaagggcctgcctagctccatcgagaaaaccatcagcaaggccaagggccagccaagagaaccccaggtgtacacactgcctccaagccaagaggaaatgaccaagaaccaggtgtccctgacctgcctcgtgaagggcttctacccttccgatatcgccgtggaatgggagagcaatggccagcctgagaacaactacaagaccacacctcctgtgctggacagcgacggctcattcttcctgtacagcagactgaccgtggacaagagcagatggcaagagggcaacgtgttcagctgcagcgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtctctgagcctgagcctgggc
一実施形態では、融合タンパク質は、(a)ヒトトロンビンリーダー、(b)GLP-1(7-37)のDPP-IV耐性バリアント、リンカー、及び(c)アカゲザルIgG
Fcを含む。一実施形態では、融合タンパク質は、(a)アカゲザルトロンビンリーダー、(b)GLP-1(7-37)のDPP-IV耐性バリアント、リンカー、及び(c)アカゲザルIgG Fcを含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号37、又はそれと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一の配列を有する。
配列番号37
MAHVRGLQLPGCLALAALCSLVHSQHVFLAPQQALSLLQRVRRHGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAEFTPPCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAQTKPRERQFNSTYRVVSVLTVTHQDWLNGKEYTCKVSNKGLPAPIEKTISKAKGQPREPQVYILPPPQEELTKNQVSLTCLVTGFYPSDIAVEWESNGQPENTYKTTPPVLDSDGSYLLYSKLTVNKSRWQPGNIFTCSVMHEALHNHYTQKSLSVSPG
一実施形態では、融合タンパク質をコードする配列は、配列番号36、又はそれと少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一の配列である。
配列番号36
atggctcacgttcgaggactgcagctgcctggatgtctggctcttgccgctctgtgtagcctggtgcacagccagcatgtgtttctggctcctcaacaagccctgagcctgctgcaaagagttagaaggcacggcgagggcaccttcacctccgacgtgtccagctacctggaagaacaggccgccaaagagtttatcgcctggctggtcaaaggcggtggtggtggcggaggatctggcggaggtggaagcggcggaggcggatctgctgagtttacacctccttgtcctccctgtcctgctcccgagctgctcggaggcccttccgtgtttctgttccctccaaagcctaaggacaccctgatgatcagcagaacccctgaagtgacctgcgtggtcgtggacgtgtcccaagaggatcctgaggtgcagttcaattggtacgtggacggcgtggaagtgcacaacgcccagacaaagcccagagagcggcagttcaacagcacctacagagtggtgtccgtgctgaccgtgacacaccaggattggctgaacggcaaagagtacacctgtaaagtctccaacaagggcctgcctgctcctatcgagaaaaccatcagcaaggccaagggccagcctagagaaccccaggtgtacatcctgcctccacctcaagagga
actgaccaagaaccaggtgtccctgacctgtctggtcaccggcttctacccttccgatatcgccgtggaatgggagagcaacggacagcccgagaacacctacaagaccacacctccagtgctggacagcgacggcagctatctgctgtactccaagctgacagtgaacaagagccggtggcagcccggcaacatcttcacctgttctgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagaagtctctgagcgtcagccctggc
一実施形態では、融合タンパク質は、(a)ヒトトロンビンリーダー、(b)GLP-1(7-37)のDPP-IV耐性バリアント、リンカー、及び(c)ヒトアルブミンを含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、(a)ヒトトロンビンリーダー、(b)ヒトGLP-1(7-37)又はそのDPP-IV耐性バリアントの2つのタンデムコピー、リンカー、及び(c)ヒトアルブミンを含む。
リーダー配列、GLP-1受容体アゴニスト、又は融合ドメインのバリアント又は断片が所望される場合、これらのペプチドのコード配列は、野生型核酸配列の部位特異的変異誘発を使用して生成され得る。代替的又は追加的に、ウェブベース又は市販のコンピュータプログラム、並びにサービスベース会社を使用して、アミノ酸配列をRNA及び/又はcDNAの両方を含む核酸コード配列に逆翻訳し得る。例えば、EMBOSSによるbacktranseq(ebi.ac.uk/Tools/st/)、Gene Infinity(geneinfinity.org/sms-/sms_backtranslation.html)、ExPasy(expasy.org/tools/)を参照されたい。一実施形態では、RNA及び/又はcDNAコード配列は、投与が最終的に意図される対象種、例えば、ヒトにおける最適な発現のために設計される。
コード配列は、コドン最適化を使用して最適な発現のために設計され得る。コドン最適化されたコード領域は、様々な異なる方法によって設計することができる。この最適化は、オンラインで利用可能な方法、公開された方法、又はコドン最適化サービスを提供する会社を使用して実行され得る。1つのコドン最適化方法は、例えば、国際特許出願公開第2015/012924号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。簡潔に述べると、生成物をコードする核酸配列は、同義コドン配列で修飾される。好適には、産物のオープンリーディングフレーム(ORF)の全長を修飾する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ORFの断片のみを改変してもよい。これらの方法のうちの1つを使用することによって、任意の所与のポリペプチド配列に頻度を適用し、ポリペプチドをコードするコドン最適化コード領域の核酸断片を産生し得る。
本明細書に提供されるリーダー配列、GLP-1受容体アゴニスト、融合ドメイン、及び融合タンパク質に加えて、これらのポリペプチドをコードする核酸配列が提供される。一実施形態では、本明細書に記載のGLP-1ペプチドをコードする核酸配列が提供される。いくつかの実施形態では、これは、配列番号1のGLP-1配列をコードする任意の核酸配列を含み得る。別の実施形態では、これは、配列番号2のGLP-1配列を含む任意の核酸を含む。別の実施形態では、これは、配列番号3のGLP-1配列を含む任意の核酸を含む。別の実施形態では、これは、配列番号4のGLP-1配列を含む任意の核酸を含む。別の実施形態では、これは、配列番号5のGLP-1配列を含む任意の核酸を含む。別の実施形態では、これは、配列番号6のGLP-1配列を含む任意の核酸を含む。
一実施形態では、本明細書に記載のGLP-1融合タンパク質をコードする核酸配列が提供される。別の実施形態では、これは、配列番号14のGLP-1融合タンパク質をコードする任意の核酸配列を含む。
発現カセット
別の態様では、本明細書に記載のGLP-1融合タンパク質をコードする核酸を含む発現カセットが本明細書に提供される。本明細書で使用される場合、「発現カセット」とは、生物学的に有用な核酸配列と、核酸配列(例えば、タンパク質、酵素、又は他の有用な遺伝子産物、mRNAなどをコードする遺伝子cDNA)及びその遺伝子産物の転写、翻訳、並びに/若しくは発現を指示又は調節する、それと作動可能に連結される調節配列と、を含む、核酸分子を指す。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結される」配列は、核酸配列と連続又は非連続である調節配列(エレメントとも称される)及びトランス又はシス核酸配列で作用する調節配列の両方を含む。かかる調節配列は、典型的には、例えば、プロモーター、エンハンサー、転写因子、転写終結因子、イントロン、翻訳効率を向上させる配列(すなわち、コザックコンセンサス配列)、スライシング及びポリアデニル化配列などの効率的なRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化する配列、例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)翻訳後調節要素(WPRE)、及びTATAシグナルのうちの1つ以上を含む。発現カセットは、他の要素の中で、遺伝子配列の上流(5’)の調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロンなどのうちの1つ以上、及びエンハンサー、又は遺伝子配列の下流(3’)の調節配列、例えば、ポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域(3’UTR)のうちの1つ以上を含み得る。特定の実施形態では、調節配列は、遺伝子産物の核酸配列と作動可能に連結され、調節配列は、介在する核酸配列、すなわち、5’非翻訳領域(5’UTR)によって、遺伝子産物の核酸配列から分離される。特定の実施形態では、発現カセットは、1つ以上の遺伝子産物の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、発現カセットは、モノシストロン性又はバイシストロン性発現カセットであり得る。他の実施形態では、「導入遺伝子」という用語は、標的細胞に挿入される外因性供給源からの1つ以上のDNA配列を指す。
一実施形態では、発現カセットは、GLP-1構築物コード配列(例えば、GLP-1融合タンパク質のコード配列)、プロモーターを含む核酸分子を指し、それらのための他の調節配列を含んでいてもよく、このカセットは、遺伝要素に操作されてもよく、かつ/又はウイルスベクターのカプシド(例えば、ウイルス粒子)にパッケージングされてもよい。典型的に、ウイルスベクターを産生するためのそのような発現カセットは、ウイルスゲノム(また「ベクターゲノム」とも称される)のパッケージングシグナルに隣接する本明細書に記載のGLP-1構築物配列と、本明細書に記載されるものなどの他の発現制御配列とを含む。本明細書に記載されるように、発現制御配列のいずれかは、例えば、コドン最適化を含む当該技術分野で既知の技法を使用して特定の種に対して最適化することができる。
特定の実施形態では、発現カセットは、構成的プロモーターを含む。別の実施形態では、CB7プロモーターが使用される。CB7は、サイトメガロウイルスエンハンサーエレメントを有するニワトリβアクチンプロモーターである。いくつかの実施形態では、CB7プロモーターは、配列番号33の核酸配列を有する。一実施形態では、プロモーターは、CMVプロモーターである。いくつかの実施形態では、CMVプロモーターは、配列番号27の核酸配列である。
別の実施形態では、組織特異的プロモーターが使用される。あるいは、他の肝臓特異的プロモーター、例えば、the Liver Specific Gene Promoter Database,Cold Spring Harbor,(rulai.schl.edu/LSPD)に列挙されているものを使用してもよく、α1抗トリプシン(A1AT)、ヒトアルブミン(Miyatake et al.,J.Virol.,71:5124 32(1997))、humAlb、B型肝炎ウイルスコアプロモーター(Sandig et al.,Gene Ther.,3:1002 9(1996))、TTR最小エンハンサー/プロモーター、アルファ-アンチトリプシンプロモータ
ー、肝臓特異的プロモーター(LSP)(Wu et al.Mol Ther.16:280-289(2008))、TBG肝臓特異的プロモーターを含むが、これらに限定されない。ウイルスプロモーター、構成的プロモーター、調節可能プロモーター(例えば、WO2011/126808及びWO2013/04943を参照されたい)、又は生理学的キューに応答するプロモーターなどの他のプロモーターが使用され得、本明細書に記載されるベクターに利用され得る。
一実施形態では、プロモーターは、誘導性遺伝子発現系に含まれる。誘導性遺伝子調節/発現系は、少なくとも以下の成分、本明細書に記載されるGLP-1融合タンパク質をコードする導入遺伝子に作動可能に連結されたプロモーター(調節可能プロモーターとも称される)、活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、及びジンクフィンガーホメオドメイン結合部位を含む。他の実施形態では、本明細書に更に記載されるように、追加の成分が発現系に含まれ得る。例示的な誘導性発現系の設計を示すプラスミドを、図4に示す。
系は、GLP-1融合タンパク質のコード配列の上流にプロモーターを含む。CMV及びCB7プロモーターなどの本明細書に記載されるプロモーターが使用され得る。一実施形態では、プロモーターは、配列番号27に示されるものなどのCMVプロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、ZFHD1及びIL2最小プロモーターの結合部位の12個の繰り返しコピーを含む、ユビキタス誘導性プロモーターZ12Iである。例えば、Chen et al,Hum Gene Ther Methods.2013
Aug;24(4):270-278を参照されたい(本明細書に組み込まれる)。
発現系は、活性化ドメインを含み、それは、好ましくは、DNA結合ドメインの上流に位置する。一実施形態では、活性化ドメインは、NF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端と、FKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインとの融合である。一実施形態では、活性化ドメインは、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインである。一実施形態では、FRBドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する。一実施形態では、FRBドメインは、配列番号23の核酸配列によってコードされる配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する。一実施形態では、p65サブユニットは、配列番号26に示される配列を有する。一実施形態では、p65サブユニットは、配列番号25の核酸配列によってコードされる配列番号26に示される配列を有する。
誘導系は、融合タンパク質のコード配列を含む単一のベクター、又は2ベクター系に含まれ得る。GLP1融合タンパク質を組み込む2ベクター(図6A)及び1ベクター(図6B及び図7A)系の例は、本明細書に記載されている。
一実施形態では、トランス活性化ドメインとDNA結合ドメインとの間にリンカーがあり、リンカーは、F2A又はIRESであり得る。一実施形態では、リンカーは、IRES又は2Aペプチドから選択される。一実施形態では、リンカーは、切断可能な2Aペプチドである。一実施形態では、リンカーは、配列番号21のアミノ酸配列を含むGT2A_V1ペプチドを含む。一実施形態では、リンカーは、配列番号22のアミノ酸配列を含むGT2A_V2ペプチドを含む。一実施形態では、2Aペプチドは、単一のベクター系を可能にするために、パッケージング限度を増加させるように選択される。
DNA結合ドメインは、最大3つのコピーのFK506結合タンパク質(FKBP)に接合されたジンクフィンガーホメオドメイン1(ZFHD1)のDNA結合融合からなる。誘導剤、例えば、ラパマイシンなどのラパログの存在下で、DNA結合ドメイン及び活
性化ドメインは、それらのFKBP及びFRBドメインの相互作用を介して二量体化され、導入遺伝子の転写活性化をもたらす。いくつかの実施形態では、ZFHD1は、GT2A又はIRESとともにフレーム内に含まれる。一実施形態では、ZFHD1は、配列番号29に示される配列を有する。一実施形態では、ZFHD1は、配列番号28の核酸配列によってコードされる配列番号28の配列を有する。
発現系は、FKBP配列の1、2、又は3つのコピー有するように設計される。これらは、本明細書では、FKBPサブユニットと称される。一実施形態では、サブユニットは、組換えを最小限にするために、同じタンパク質を発現するように設計されるが、互いに異なる核酸を有するように設計される。例えば、配列番号30は、FKBPの3つの「揺らいだ」コード配列を提供し、これらの各々は、以下の配列番号31に示される配列をコードする。GVQVETISPGDGRTFPKRGQTCVVHYTGMLEDGKKFDSSRDRNKPFKFMLGKQEVIRGWEEGVAQMSVGQRAKLTISPDYAYGATGHPGIIPPHATLVFDVELLKLE
発現系は、ジンクフィンガーホメオドメイン結合部位を更に含む。核酸分子は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個のZFHDに対する結合部位を含む。一実施形態では、発現系は、8個のジンクフィンガーホメオドメイン結合部位(結合パートナー)(8XZFHD)を含む。しかしながら、本発明は、ジンクフィンガー結合部位の2~約12個のコピーを有する発現系を包含する。ZFHD結合部位の単一コピーの一例は、aatgatgggcgctcgagt(配列番号32)である。
いくつかの実施形態では、ジンクフィンガーホメオドメイン結合部位の下流に最小IL2プロモーターがある。例示的なIL2プロモーターは、配列番号10に示される。
そのような誘導系は、当該技術分野で既知であり、例えば、Rivera et al,A humanized system for pharmacologic control of gene expression,Nature Medicine
volume 2,pages 1028-1032(September 1996)及びRivera et al,Long-term pharmacologically regulated expression of erythropoietin in primates following AAV-mediated gene transfer,Blood,15 February 2005,volume 105,number 4によって記載される、例えば、ラパマイシン誘導系を含み、これらの両方は、参照により本明に組み込まれる。一実施形態では、誘導性遺伝子発現系は、CMVプロモーターを含み、活性化ドメインは、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2Aペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、hGHポリA、8XZFHD、及び最小sIL2プロモーターである。これらの配列は、GLP-1融合タンパク質のコード配列、及び任意選択で他の調節配列に加えられる。
プロモーターに加えて、発現カセット及び/又はベクターは、他の適切な転写開始配列、終結配列、エンハンサー配列、スプライシング及びポリアデニル化(ポリA)シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化させる配列、翻訳効率を高める配列(すなわち、コザックコンセンサス配列)、タンパク質の安定性を増強させる配列、並びに必要に応じて、コードされた産物の分泌を増強させる配列を含み得る。好適なポリA配列の例としては、例えば、SV40、又はウシ成長ホルモン(bGH)、ヒト成長ホルモン(hGH)、SV40、ウサギβ-グロビン(ウサギグロビンポリA
;RGBとも称される)、修飾RGB(mRGB)、及びTKポリAが挙げられる。好適なエンハンサーの例には、例えば、とりわけαフェトタンパク質エンハンサー、TTR最小プロモーター/エンハンサー、LSP(TH結合グロブリンプロモータ/α1-マイクログロブリン/ビクニンエンハンサー)が含まれる。一実施形態では、ポリAは、ウサギグロビンポリAである。
これらの制御配列は、GLP-1構築物配列に「作動可能に連結されている」。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、目的の遺伝子に連続している発現制御配列、及びトランスで又は離れて作用して目的の遺伝子を制御する発現制御配列の両方を指す。
一実施形態では、5’ITR、CB7プロモーター、ニワトリβアクチンイントロン、配列番号14の融合タンパク質のコード配列、ウサギグロビンポリA、及び3’ITRを含むrAAVが提供される。別の実施形態では、rAAVは、CMVプロモーターを含むポリヌクレオチドを含み、活性化ドメインは、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2Aペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、hGHポリA、8XZFHD、最小sIL2プロモーター、配列番号14のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAである。
一実施形態では、CB7プロモーター、ニワトリベータ-アクチンイントロン、配列番号14の融合タンパク質のコード配列、及びウサギグロビンポリAを含むポリヌクレオチドを含む発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号34に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号34、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接している。
別の実施形態では、CB7プロモーター、ニワトリベータ-アクチンイントロン、配列番号37の融合タンパク質のコード配列、及びウサギグロビンポリAを含むポリヌクレオチドを含む発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号35に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号35、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接している。
別の実施形態では、CMVプロモーター、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2Aペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、8XZFHD、最小IL2プロモーター、配列番号14のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAを含むポリヌクレオチドを含む発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号38に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号38、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接してい
る。
別の実施形態では、CMVプロモーター、ヒト又はアカゲザル由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒト又はアカゲザルFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2Aペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、8XZFHD、最小IL2プロモーター、配列番号37のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAを含むポリヌクレオチドを含む発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号39に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号39、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接している。
別の実施形態では、Z12Iプロモーター(12個のZFHD1部位及び最小IL2プロモーターを含む)、配列番号37のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAを含むポリヌクレオチドを含む発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号40に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号40、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接している。CMVプロモーター、キメライントロン、ヒト又はアカゲザル由来のNF-カッパBのp65サブユニットに融合されたヒト又はアカゲザルFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、IRES又は2Aペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、8XZFHD、及びポリA配列を含むポリヌクレオチドを含む第2の発現カセットが提供される。一実施形態では、発現カセットは、配列番号41に見出されるもの、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列である。別の実施形態では、ベクターゲノムが提供されており、配列番号41、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくは100%の同一性を共有する配列は、5’及び3’AAV ITRに隣接している。
ウイルスベクター
別の態様では、本明細書に記載の発現カセットを含むウイルスベクターが提供される。本明細書に記載のウイルスベクターの特定の実施形態では、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルスベクター又は組換えAAV(rAAV)である。本明細書で使用される場合の「組換えAAV」又は「rAAV」という用語は、天然に存在するアデノ随伴ウイルス、当業者に利用可能な、及び/又は本明細書に記載の組成物及び方法の観点において利用可能なアデノ随伴ウイルス、並びに人工AAVを指す。アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルスベクターは、AAVタンパク質カプシドを有するAAV DNase耐性粒子であり、AAVタンパク質カプシドの中に、標的細胞に送達するためのAAVの逆位末端反復配列(ITR)に隣接した発現カセットがパッケージングされている(併せて「ベクターゲノム」と称される)。AAVカプシドは、60カプシド(cap)タンパク質サブユニット、VP1、VP2、及びVP3からなり、選択されるAAVに応じて、およそ1:1:10~1:1:20の比で二十面体対称に配置される。上述のAAVウイルスベクターのカプシドの供給源として、様々なAAVが選択されてもよい。一実施形態では、AAVカプシドは、AAVrh91カプシド又はそのバリアントである。特
定の実施形態では、カプシドタンパク質は、rAAVベクターの名称で「AAV」という用語の後の数値又は数値と文字との組み合わせによって指定される。特に明記しない限り、本明細書に記載のAAVカプシド、ITR、及び他の選択されるAAV成分は、限定されないが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh10、AAVhu37、AAVrh32.33、AAVAnc80、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh74、AAV-DJ8、AAV-DJ、AAVhu.37、AAVrh.64R1、及びAAVhu68.として特定されているAAVを含む任意のAAVの中から容易に選択され得る。例えば、米国特許出願公開第2007/0036760-A1号、米国特許出願公開第2009/0197338-A1号、EP1310571を参照されたい。WO2003/042397(AAV7及び他のサルAAV)、米国特許第7790449号及び米国特許第7282199号(AAV8)、WO2005/033321及びUS7,906,111(AAV9)、並びにWO2006/110689、及びWO2003/042397(rh.10)、WO2005/033321、WO2018/160582(AAVhu68)も参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる。他の好適なAAVには、AAVrh90[2020年4月28日に出願された、PCT/US20/30273]、AAVrh91[2020年4月28日に出願された、PCT/US20/030266、現在の公報WO2020/223231、公開日2020年11月5日]AAVrh92、AAVrh93、AAVrh91.93[2020年4月28日に出願された、PCT/US20/30281]が含まれ得るが、これらに限定されず、これらは参照により本明細書に組み込まれる。他の好適なAAVには、2019年10月21日に出願された米国仮特許出願第62/924,112号、及び2020年5月15日に出願された米国仮特許出願第63/025,753号に記載されるAAV3Bバリアントが含まれ、そこには、AAV3B.AR2.01、AAV3B.AR2.02、AAV3B.AR2.03、AAV3B.AR2.04、AAV3B.AR2.05、AAV3B.AR2.06、AAV3B.AR2.07、AAV3B.AR2.08、AAV3B.AR2.10、AAV3B.AR2.11、AAV3B.AR2.12、AAV3B.AR2.13、AAV3B.AR2.14、AAV3B.AR2.15、AAV3B.AR2.16、又はAAV3B.AR2.17が記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。2021年8月13日に出願された国際特許出願第PCT/US21/45945号、2020年8月14日に出願された米国仮特許出願第63/065,616号、及び2020年11月4日に出願された米国仮特許出願第63/109,734号を参照にされたく、これらはすべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの文書はまた、rAAVを生成するために選択され得る他のAAVカプシドについても記載されており、参照により組み込まれる。ヒト又は非ヒト霊長類(NHP)から単離又は操作され、十分に特徴付けられたAAVのうち、ヒトAAV2は、遺伝子導入ベクターとして開発された最初のAAVであり、種々の標的組織及び動物モデルにおける効率的な遺伝子導入実験に広く使用されている。
本明細書で使用される場合、AAVに関して、「バリアント」という用語は、既知のAAV配列に由来する任意のAAV配列を意味し、保存的アミノ酸置換を有するAAV配列、及びアミノ酸配列又は核酸配列にわたって少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%以上の配列同一性を共有するAAV配列を含む。別の実施形態では、AAVカプシドは、任意の記載又は既知のAAVカプシド配列から最大約10%のバリエーションを含み得るバリアントを含む。すなわち、AAVカプシドは、本明細書に提供され、かつ/又は当該技術分野で既知のAAVカプシドと、約90%の同一性~約99.9%の同一性、約95%~約99%の同一性、又は約97%~約98%の同一性を共有する。一実施形態では、AAVカプシドは、AAVカプシドと少なくとも95%の同一性を共有する。AAVカプシドの同一性パーセントを決定する場合、比較は、可変タンパク質(例えば、vp1、vp2、又はvp3)のうちのいずれかにわたって行われ
得る。
一実施形態では、ウイルスベクターは、AAV8のカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである。一実施形態では、ウイルスベクターは、AAVrh91のカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである。一実施形態では、ウイルスベクターは、AAV3.AR.2.12のカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである。一実施形態では、ウイルスベクターは、AAV9、AAVrh64R1、AAVhu37、又はAAVrh10から選択されるカプシドを有するrAAVである。
特定の実施形態では、新規の単離されたAAVrh91カプシドが提供される。AAVrh91カプシドをコードする核酸配列は、配列番号18に提供され、コードされたアミノ酸配列は、配列番号20に提供される。AAVrh91(配列番号20)のvp1、vp2、及びvp3のうちの少なくとも1つを含むrAAVが、本明細書に提供される。また、AAVrh91(配列番号18)のvp1、vp2、及びvp3のうちの少なくとも1つによってコードされるAAVカプシドを含むrAAVも、本明細書に提供される。なお別の実施形態では、AAVrh91アミノ酸配列をコードする核酸配列は、配列番号19に提供され、コードされたアミノ酸配列は、配列番号20に提供される。また、AAVrh91eng(配列番号19)のvp1、vp2、及びvp3のうちの少なくとも1つによってコードされるAAVカプシドを含むrAAVも、本明細書に提供される。特定の実施形態では、vp1、vp2、及び/又はvp3は、AAVrh91(配列番号20)の完全長カプシドタンパク質である。他の実施形態では、vp1、vp2、及び/又はvp3は、N末端及び/又はC末端の切断(例えば、約1~約10個のアミノ酸の切断)を有する。
特定の実施形態では、AAVrh91カプシドは、(1)配列番号20の1~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp1タンパク質、配列番号18から産生されるvp1タンパク質、若しくは配列番号20の1~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号18と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp1タンパク質から選択されるAAVrh91 vp1タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp2タンパク質、配列番号18の少なくともヌクレオチド412~2208を含む配列から産生されるvp2タンパク質、若しくは配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号18の少なくともヌクレオチド412~2208と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp2タンパク質から選択されるAAVrh91 vp2タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸203~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp3タンパク質、配列番号18の少なくともヌクレオチド607~2208を含む配列から産生されるvp3タンパク質、若しくは配列番号20の少なくとも約アミノ酸203~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号18の少なくともヌクレオチド607~2208と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp3タンパク質から選択されるAAVrh91 vp3タンパク質の異種集団、並びに/又は(2)配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp1タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp2タンパク質の異種集団、及び配列番号20の少なくともアミノ酸203~736をコードする核酸配列の産物であるvp3タンパク質の異種集団、を含み、vp1、vp2、及びvp3タンパク質が、配列番号20のアスパラギン-グリシン対中に少なくとも2つの高度脱アミド化アスパラギン(N)を含むアミノ酸修飾を有する亜集団を含み、任意選択で、他の脱アミド化アミノ酸を含む亜集団を更に含み、脱アミド化が、アミノ酸変化をもたらす、AAVrh91カプシドタンパク質のうちの1つ以上を含む、AAVrh91カ
プシド、並びに(B)AAVrh91カプシド中のベクターゲノムであって、ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復配列を含む核酸分子、及び宿主細胞における産物の発現を指示する配列に作動可能に連結された産物をコードする非AAV核酸配列を含む、ベクターゲノム、のうちの1つ以上を特徴とする。
特定の実施形態では、AAVrh91カプシドは、(1)配列番号20の1~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp1タンパク質、配列番号19から産生されるvp1タンパク質、若しくは配列番号20の1~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号19と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp1タンパク質から選択されるAAVrh91 vp1タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp2タンパク質、配列番号19の少なくともヌクレオチド412~2208を含む配列から産生されるvp2タンパク質、若しくは配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号19の少なくともヌクレオチド412~2208と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp2タンパク質から選択されるAAVrh91 vp2タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸203~736の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるvp3タンパク質、配列番号19の少なくともヌクレオチド607~2208を含む配列から産生されるvp3タンパク質、若しくは配列番号20の少なくとも約アミノ酸203~736の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号19の少なくともヌクレオチド607~2208と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp3タンパク質から選択されるAAVrh91 vp3タンパク質の異種集団、並びに/又は(2)配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp1タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp2タンパク質の異種集団、及び配列番号20の少なくともアミノ酸203~736をコードする核酸配列の産物であるvp3タンパク質の異種集団、を含み、vp1、vp2、及びvp3タンパク質が、配列番号20のアスパラギン-グリシン対中に少なくとも2つの高度脱アミド化アスパラギン(N)を含むアミノ酸修飾を有する亜集団を含み、任意選択で、他の脱アミド化アミノ酸を含む亜集団を更に含み、脱アミド化が、アミノ酸変化をもたらす、AAVrh91カプシドタンパク質のうちの1つ以上を含む、AAVrh91カプシド、並びに(B)AAVrh91カプシド中のベクターゲノムであって、ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復配列を含む核酸分子、及び宿主細胞における産物の発現を指示する配列に作動可能に連結された産物をコードする非AAV核酸配列を含む、ベクターゲノム、以下のうちの1つ以上を特徴とする。
特定の実施形態では、AAVrh91のvp1、vp2、及びvp3タンパク質は、配列番号20のアスパラギン-グリシン対中に少なくとも2つの高度脱アミド化アスパラギン(N)を含むアミノ酸修飾を有する亜集団を含み、任意選択で、他の脱アミド化アミノ酸を含む亜集団を更に含み、脱アミド化は、アミノ酸変化をもたらす。配列番号20の数と比較して、N-G対のN57、N383、及び/又はN512で、高いレベルの脱アミド化が観察される。脱アミド化は、他の残基において観察されている。特定の実施形態では、AAVrh91は、脱アミド化された他の残基を有し得(例えば、典型的には10%未満)、かつ/又はリン酸化(例えば、存在する場合、約2~約30%、若しくは約2~約20%、若しくは約2~約10%の範囲で)(例えば、S149で)、又は酸化(例えば、~W22、~M211、W247、M403、M435、M471、W478、W503、~M537、~M541、~M559、~M599、M635、及び/若しくはW695のうちの1つ以上で)を含む他の修飾を有し得る。任意選択で、Wは、キヌレニンに酸化し得る。
Figure 2023543125000001
特定の実施形態では、AAVrh91カプシドは、上記の表で特定される1つ以上の位置、提供される範囲で修飾されており、トリプシン酵素を用いた質量分析を使用して決定される。特定の実施形態では、1つ以上の位置、又はNに続くグリシンは、本明細書に記載されるように修飾されている。残基番号は、本明細書に提供されるAAVrh91配列に基づく。配列番号20を参照されたい。
特定の実施形態では、AAVrh91カプシドは、配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp1タンパク質の異種集団、配列番号20の少なくとも約アミノ酸138~736のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp2タンパク質の異種集団、及び配列番号20の少なくともアミノ酸203~736をコードする核酸配列の産物であるvp3タンパク質の異種集団を含む。
特定の実施形態では、修飾AAVrh91の核酸配列は、天然AAVrh91カプシドよりも低い脱アミド化を含むカプシドを有する変異体rAAVを生成するために使用され得る。かかる変異rAAVは、免疫原性が低下しており、かつ/又は貯蔵、特に懸濁形態での貯蔵の際の安定性を増加させ得る。
一態様では、組換えAAV(rAAV)が提供される。rAAVは、アデノ随伴ウイルスrh91に由来するAAVカプシドと、AAVカプシドにパッケージングされたベクターゲノムとを含み、当該ベクターゲノムは、AAV逆位末端反復(ITR)、配列番号14のGLP-1受容体アゴニストのコード配列、及びGLP-1受容体アゴニストの発現を指示する調節配列を含む。
一実施形態では、rAAVは、scAAVである。略称「sc」は、自己相補性(self-complementary)を指す。「自己相補的AAV」は、組換えAAV核酸配列によって担持されるコード領域が、分子内二本鎖DNA鋳型を形成するように設計されている発現カセットを有するプラスミド又はベクターを指す。感染時には、第2の鎖の細胞媒介性合成を待つのではなく、scAAVの2つの相補性の片割れが会合して、即時の複製及び転写に備えのある1つの二本鎖DNA(dsDNA)ユニットを形成するであろう。例えば、D M McCarty et al,“Self-complementary recombinant adeno-associated virus
(scAAV)vectors promote efficient transduction independently of DNA synthesis”,Gene Therapy,(August 2001),Vol 8,Number 1
6,Pages 1248-1254を参照されたい。自己相補的なAAVは、例えば、米国特許第6,596,535号、同第7,125,717号、及び同第7,456,683号に記載されており、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1構築物をコードする核酸配列は、任意の好適な遺伝子エレメント、例えば、裸のDNA、ファージ、トランスポゾン、コスミド、RNA分子(例えば、mRNA)、エピソームなどに操作され、それらは、例えば、パッケージング宿主細胞中でDNA又はRNAウイルスベクター運ぶナノ粒子を生成するために、及び/又は対象の宿主細胞への送達のために、その上に担持されるGLP-1配列を宿主細胞へと導入する。一実施形態では、遺伝子エレメントは、プラスミドである。選択される遺伝子要素は、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リポソーム送達、膜融合技術、高速DNAコーティングペレット、ウイルス感染、及びプロトプラスト融合を含む任意の好適な方法によって送達され得る。かかる構築物を作製するために使用される方法は、核酸操作における当業者に既知であり、遺伝子工学、組換え工学、及び合成技法を含む。例えば、Green and Sambrook,Molecular
Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring
Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(2012)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、ベクター(例えば、組換えAAV又はrAAV)が産生プラスミドから産生されるパッケージング細胞株を指し得る。代替的に、「宿主細胞」という用語は、本明細書に記載の遺伝子産物の発現が望まれる任意の標的細胞を指し得る。したがって、「宿主細胞」は、任意の手段、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクション、形質転換、ウイルス感染、トランスフェクション、リポソーム送達、膜融合技術、高速DNAコーティングペレット、ウイルス感染、及びプロトプラスト融合によって細胞に導入された外因性又は異種DNAを含有する原核細胞又は真核細胞(例えば、バクテリア細胞、ヒト細胞、若しくは昆虫細胞)を指す。本明細書の特定の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、本明細書に記載される組成物のインビトロ評価のための様々な哺乳動物種の細胞の培養物を指す。本明細書の他の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、ウイルスベクター又は組換えウイルスを生成及びパッケージングするために使用される細胞を指す。更なる一実施形態では、「宿主細胞」という用語は、腸細胞、小腸細胞、膵臓細胞、肝臓細胞である。
本明細書で使用される場合、「標的細胞」という用語は、異種核酸配列又はタンパク質の発現が所望される任意の標的細胞を指す。一実施形態では、標的細胞は、肝臓細胞である。一実施形態では、標的細胞は、筋細胞である。
一実施形態では、発現カセットを含むベクターゲノムを含むrAAVが提供されており、発現カセットは、CMVプロモーターを含み、活性化ドメインは、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2A_V1ペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニット、hGHポリA、8XZFHD、最小sIL2プロモーター、配列番号14のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAである。別の実施形態では、発現カセットを含むベクターゲノムを含むrAAVが提供されており、発現カセットは、CMVプロモーターを含み、活性化ドメインは、ヒト由来のNF-カッパBのp65サブユニットからのカルボキシ末端に融合されたヒトFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメイン、GT2A_V2ペプチド、ZFHD1 DNA結合ドメイン、3つのFKBPサブユニッ
ト、hGHポリA、8XZFHD、最小sIL2プロモーター、配列番号14のGLP-1融合タンパク質のコード配列、及びウサギベータグロビンポリAである。
発現カセットをAAVウイルス粒子にパッケージングするために必要な最小限の配列は、AAV5’及び3’ITRであり、これらは、カプシドと同じAAV起源であってもよく、又は(AAV擬似型を作製するために)異なるAAV起源であってもよい。一実施形態では、AAV2からのITR配列、又はその欠失型バージョン(ΔITR)が、利便性のため、及び規制承認を加速させるために使用される。しかしながら、他のAAV供給源に由来するITRが選択され得る。好ましくは、ITRの供給源は、製造のためにトランスで提供されるRepタンパク質の供給源と同じである。典型的には、AAVベクターのための発現カセットは、AAV 5’ITRと、GLP-1融合タンパク質コード配列と、任意の調節配列と、AAV 3’ITRと、を含む。しかしながら、これらのエレメントの他の構成も好適であり得る。D配列及び末端分離部位(trs)が欠失している、ΔITRと称される5’ITRの短縮バージョンが記載されている。他の実施形態では、全長AAV5’及び3’ITRが使用される。
発現カセットをビリオンにパッケージングするために、ITRは、遺伝子と同じ構築物中のシスで必要とされる唯一のAAV構成要素である。一実施形態では、複製(rep)及び/又はカプシド(cap)のコード配列は、AAVベクターを生成するために、AAVゲノムから除去され、トランスで供給されるか又はパッケージング細胞株によって供給される。例えば、上述のように、疑似型AAVは、AAVカプシドの供給源とは異なる供給源からのITRを含有し得る。一実施形態では、キメラAAVカプシドが利用されてもよい。更に他のAAV成分が選択され得る。このようなAAV配列の供給源は、本明細書で記載されており、かつ学術的、商業的、又は公的資源(例えば、American Type Culture Collection,Manassas,VA)から単離又は入手することができる。AAV配列は、文献又はデータベース、例えば、GenBank(登録商標)、PubMed(登録商標)などで利用可能であるような公開された配列を参照することによって、合成又は他の好適な手段を通して入手され得る。
対象に送達するのに適したAAVウイルスベクターを生成し、単離するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第7790449号、米国特許第7282199号、WO2003/042397、WO2005/033321、WO2006/110689、及びUS7588772B2]を参照されたい。1つの系では、プロデューサー細胞株は、ITRに隣接する導入遺伝子をコードする構築物、並びにrep及びcapをコードする構築物で一過性にトランスフェクトされる。第2の系では、rep及びcapを安定的に供給するパッケージング細胞株は、ITRに隣接する導入遺伝子をコードする構築物で一過性にトランスフェクトされる。これらの系の各々では、AAVビリオンは、ヘルパーアデノウイルス又はヘルペスウイルスへの感染に応答して産生され、rAAVを汚染ウイルスから分離することを必要とする。より最近では、AAVを復元するためにヘルパーウイルスへの感染を必要としない系が開発されており、必要なヘルパー機能(すなわち、アデノウイルスE1、E2a、VA、及びE4、又はヘルペスウイルスUL5、UL8、UL52、及びUL29、並びにヘルペスウイルスポリメラーゼ)もまた、トランスで系によって供給される。これらのより新しい系では、ヘルパー機能は、必要とされるヘルパー機能をコードする構築物での細胞の一過性トランスフェクションによって供給され得るか、又は細胞は、ヘルパー機能をコードする遺伝子を安定的に含有するように操作され得、その発現は、転写レベル又は転写後レベルで制御され得る。更に別の系では、ITRに隣接する導入遺伝子及びrep/cap遺伝子は、バキュロウイルス由来のベクターによる感染によって、昆虫細胞に導入される。これらの産生系に関するレビューについては、概して、例えば、Zhang et al.,2009,“Adenovirus-adeno-associated virus hybrid for
large-scale recombinant adeno-associated virus production,”Human Gene Therapy 20:922-929を参照されたく、各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。これら及び他のAAV産生系を作製及び使用する方法はまた、以下の米国特許に記載されており、これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:5,139,941、5,741,683、6,057,152、6,204,059、6,268,213、6,491,907、6,660,514、6,951,753、7,094,604、7,172,893、7,201,898、7,229,823、及び7,439,065。一般に、例えば、Grieger&Samulski,2005,“Adeno-associated virus as a gene therapy vector:Vector development,production and clinical applications,”Adv.Biochem.Engin/Biotechnol.99:119-145、Buning et al.,2008,“Recent developments in adeno-associated virus vector technology,” J.Gene Med.10:717-733、及び以下に引用される参考文献を参照されたく、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の任意の実施形態を構築するために使用される方法は、核酸操作における技術者に既知であり、遺伝子工学、組換え工学、及び合成技術を含む。例えば、Green and Sambrook
et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(2012)を参照されたい。同様に、rAAVビリオンを産生する方法は周知であり、適切な方法の選択は、本発明を限定するものではない。例えば、K.Fisher et al,(1993)J.Virol.,70:520-532及び米国特許第5,478,745号を参照されたい。
本明細書に記載のrAAVは、内側にパッケージングされたベクターゲノムを有する選択されたカプシドを含む。ベクターゲノム(又はrAAVゲノム)は、5’及び3’AAV逆位末端反復(ITR)、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、及び融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の宿主細胞のゲノムへの挿入を指示する調節配列を含む。一実施形態では、ベクターゲノムは、配列番号16に示される配列、又はそれと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも99%の同一性を共有する配列である。
本明細書で使用される場合、「ベクターゲノム」は、ウイルス粒子を形成するパルボウイルス(例えば、rAAV)カプシドの内側にパッケージングされる核酸配列を指す。かかる核酸配列は、AAV逆位末端反復配列(ITR)を含有する。本明細書の例では、ベクターゲノムは、少なくとも5’から3’に、AAV 5’ITR、コード配列(すなわち、導入遺伝子)、及びAAV 3’ITRを含む。AAV2からのITR、カプシドとは異なる供給源AAV、又は全長ITR以外が選択され得る。特定の実施形態では、ITRは、産生中のrep機能又はトランス相補性AAVを提供するAAVと同じAAV供給源由来である。更に、他のITR、例えば、自己相補的(scAAV)ITRが使用され得る。一本鎖AAV及び自己相補的(sc)AAVの両方がrAAVに含まれる。導入遺伝子は、目的のポリペプチド、タンパク質、機能性RNA分子(例えば、miRNA、miRNA阻害剤)、又は他の遺伝子産物をコードするベクター配列とは異種の核酸コード配列である。核酸コード配列は、標的組織の細胞中で導入遺伝子の転写、翻訳、及び/又は発現を可能にする様式で調節要素に作動可能に連結される。ベクターゲノムの好適な成分が本明細書でより詳細に考察される。一実施例では、「ベクターゲノム」は、最低限でも5’から3’に、ベクター特異的配列と、(標的配列においてその発現を指示する)調
節制御配列に作動可能に連結されたGLP-1構築物をコードする核酸とを含み、ベクター特異的配列は、ベクターゲノムをウイルスベクターカプシド又はエンベロープタンパク質に特異的にパッケージングする末端反復配列であり得る。例えば、AAV逆位末端反復は、AAV及び特定の他のパルボウイルスカプシドにパッケージングするために利用される。
ベクターのAAV配列は、典型的には、シス作用性5’及び3’逆位末端反復配列を含む(例えば、B.J.Carter,in “Handbook of Parvoviruses”,ed.,P.Tijsser,CRC Press,pp.155 168(1990)を参照されたい)。ITR配列は、約145bpの長さである。好ましくは、ITRをコードする実質的に完全な配列が分子中で使用されるが、これらの配列のある程度の最小限の修飾は許容される。これらのITR配列を修飾する能力は、当業者の範囲内である。(例えば、Sambrook et al,「Molecular Cloning.A Laboratory Manual”,2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(1989)、及びK.Fisher et al.,J.Virol.,70:520 532(1996)を参照されたい)。本発明で使用されるこのような分子の一例は、導入遺伝子を含有する「シス作用性」プラスミドであり、選択された導入遺伝子配列及び関連する調節エレメントは、5’及び3’AAV ITR配列に隣接している。一実施形態では、ITRは、カプシドを供給するのとは異なるAAV由来である。一実施形態では、AAV2由来のITR配列である。しかしながら、他のAAV供給源に由来するITRが選択され得る。D配列及び末端分離部位(trs)が欠失している、ΔITRと称される5’ITRの短縮バージョンが記載されている。特定の実施形態では、ベクターゲノムは、外部Aエレメントが欠失している、130塩基対の短縮AAV2 ITRを含む。理論に拘束されたくはないが、短縮されたITRは、内部(A’)要素を鋳型として使用して、ベクターDNA増幅中に145塩基対の野生型長に戻されると考えられる。他の実施形態では、全長AAV5’及び3’ITRが使用される。ITRの供給源がAAV2由来であり、AAVカプシドが別のAAV供給源由来である場合、得られるベクターは、擬似型と称され得る。しかしながら、これらのエレメントの他の構成も好適であり得る。
任意選択で、本明細書に記載されるGLP-1構築物は、rAAV以外のウイルスベクターを介して送達されてもよい。かかる他のウイルスベクターとしては、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス、レトロウイルスなどを含むが、これらに限定されない、遺伝子療法に好適な任意のウイルスが含まれ得る。好適には、これらの他のベクターのうちの1つが生成される場合、それは、複製欠損ウイルスベクターとして産生される。
「複製欠損ウイルス」又は「ウイルスベクター」は、合成又は人工ウイルス粒子を指し、ここで、目的の遺伝子を含有する発現カセットは、ウイルスカプシド又はエンベロープ中にパッケージされ、ウイルスカプシド又はエンベロープ内にパッケージされた任意のウイルスゲノム配列は、複製欠損である、すなわち、それらは、後代ビリオンを産生することができないが、標的細胞に感染する能力を保持することができる。一実施形態では、ウイルスベクターのゲノムは、複製に必要とされる酵素をコードする遺伝子を含まない(ゲノムは、人工ゲノムの増幅及びパッケージングに必要とされるシグナルに隣接する目的の導入遺伝子のみを含む「ガットレス(gutless)」であるように操作されることができる)が、これらの遺伝子は、産生中に供給され得る。したがって、それは、後代ビリオンによる複製及び感染が、複製に必要とされるウイルス酵素の存在下以外で生じることができないために、遺伝子療法における使用のために安全であると考えられる。
本明細書に記載のウイルスベクター構築物を含む組成物も提供される。本明細書に記載
の薬学的組成物は、任意の好適な経路又は異なる経路の組み合わせによって、それを必要とする対象に送達されるように設計される。肝臓への直接送達(任意選択で、静脈内、肝動脈を介して、又は移植によって)、経口、吸入、鼻腔内、気管内、動脈内、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚内、及び他の非経口投与経路。本明細書に記載のウイルスベクターは、単一の組成物又は複数の組成物で送達されてもよい。任意選択で、2つ以上の異なるAAV、又は複数のウイルスが送達され得る[例えば、WO2011/126808及びWO2013/049493を参照されたい]。別の実施形態では、複数のウイルスは、異なる複製欠陥ウイルス(例えば、AAV及びアデノウイルス)を含有し得る。一実施形態では、投与は、筋肉内である。別の実施形態では、投与は、静脈内である。
複製欠陥ウイルスは、遺伝子導入及び遺伝子療法用途で使用するための生理学的に許容される担体とともに製剤化することができる。AAVウイルスベクターの場合、ゲノムコピー(「GC」)の定量化を、製剤中に含有される用量の尺度として使用し得る。当該技術分野で既知の任意の方法を使用して、本発明の複製欠損ウイルス組成物のゲノムコピー(GC)数を決定することができる。AAVのGC数滴定を行うための1つの方法は、以下の通りである。精製されたAAVベクター試料は、まずDNaseで処理され、非カプシド化AAVゲノムDNA又は産生プロセスからの汚染プラスミドDNAを排除する。次いで、ヌクレアーゼ耐性粒子を熱処理に供して、カプシドからゲノムを放出させる。次に、ウイルスゲノムの特定の領域(通常はポリAシグナル)を標的とするプライマー/プローブセットを使用したリアルタイムPCRによって、放出されたゲノムを定量化する。ゲノムコピーを決定するための別の好適な方法は、定量的PCR(qPCR)、特に最適化されたqPCR又はデジタル液滴PCRである[Lock Martin,et al,Human Gene Therapy Methods.April 2014,25(2):115-125.doi:10.1089/hgtb.2013.131、編集に先立ちオンラインで公開、2013月12月13日]。
また、複製欠損ウイルス組成物は、約1.0×10GC~約1.0×1015GCの範囲にある量の複製欠損ウイルスを含む投与量単位で製剤化することができる。別の実施形態では、この量のウイルスゲノムは、分割用量で送達され得る。一実施形態では、用量は、約70kgの平均ヒト対象について、約1.0×1010GC~約3.0×1014GCである。別の実施形態では、用量は、約1×10GCである。例えば、AAVウイルスの用量は、約1×10 10GC、1×1011GC、約5×1011GC、約1×1012GC、約5×1012GC、又は約1×1013GCであり得る。別の実施形態では、投薬量は、ヒト対象について、約1.0×10GC/kg~約3.0×1014GC/kgである。別の実施形態では、約1×10GC/kgの用量。例えば、AAVウイルスの用量は、約1×1010GC/kg、1×1011GC/kg、約5×1011GC/kg、約1×1012GC/kg、約5×1012GC/kg、又は約1×1013GC/kgであり得る。一実施形態では、構築物は、1μL~約100mLの体積で送達され得る。本明細書で使用される場合、「投薬量」又は「量」という用語は、対象に治療の過程で送達される総投薬量若しくは総量、又は単一単位(又は複数単位若しくは分割投薬量)投与で送達される投薬量若しくは量を指し得る。
上述の組換えベクターは、公開された方法に従って宿主細胞に送達され得る。好ましくは、生理学的に適合性のある担体に懸濁されたrAAVは、ヒトを含む所望の対象に投与され得る。好適な担体は、導入ウイルスが指向する適応症の観点で、当業者によって容易に選択され得る。例えば、1つの好適な担体は、生理食塩水を含み、様々な緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)を用いて製剤化され得る。他の例示的な担体としては、滅菌生理食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストラン、寒天、ペクチン、ピーナッツ油、ゴマ油、及び水が挙げられる。担体の選択は、本発明の制限ではない。
別の実施形態では、組成物は、担体、希釈剤、賦形剤及び/又はアジュバントを含む。特定の実施形態では、ヒト患者への投与のために、rAAVは、食塩水、界面活性剤、並びに薬学的及び/又は生理学的に適合性のある塩、又は塩の混合物を含有する水性溶液中に好適に懸濁される。好適には、製剤は、生理学的に許容されるpH、例えば、pH6~9、又はpH6.0~7.5、又はpH6.2~7.7、又はpH6.5~7.5、pH7.0~7.7、又はpH7.2~7.8、又は約pH7.0の範囲に調整される。特定の実施形態では、製剤は、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、又は約7.8のpHに調整される。特定の実施形態では、髄腔内送達の場合、約7.28~約7.32、約6.0~約7.5、約6.2~約7.7、約7.5~約7.8、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、又は約7.8のpHが望ましい可能性がある。特定の実施形態では、静脈送達のためには、約6.8~約7.2のpHが望ましい場合がある。しかしながら、より広範囲にある他のpH、及びこれらの下位範囲が、他の送達経路のために選択され得る。
任意選択で、本発明の組成物は、rAAV及び/又はバリアント及び担体(複数可)に加えて、防腐剤又は化学的安定剤などの他の従来の薬学的成分を含み得る。好適な例示的な防腐剤には、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子酸プロピル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノール、及びパラクロロフェノールが含まれる。好適な化学的安定剤には、ゼラチン及びアルブミンが含まれる。
本明細書で使用される場合、「担体」は、任意の及びすべての溶媒、分散媒体、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、緩衝液、担体溶液、懸濁液、コロイドなどを含む。薬学的活性物質に対するかかる媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。補足活性成分を組成物中に組み込むこともできる。「薬学的に許容される」という語句は、宿主に投与されるときにアレルギー又は類似の有害反応を生じない分子実体及び組成物を指す。リポソーム、ナノカプセル、ミクロ粒子、ミクロスフェア、脂質粒子、小胞などのような送達ビヒクルが、本発明の組成物を好適な宿主細胞に導入するために使用され得る。詳細には、rAAVベクター送達導入遺伝子は、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフィア、又はナノ粒子などに封入化された送達のいずれかのために製剤化され得る。
一実施形態では、組成物は、対象への送達に適した最終製剤を含み、例えば、生理的に適合するpH及び塩濃度に緩衝される水性液体懸濁液である。任意選択で、1つ以上の界面活性剤が製剤中に存在する。別の実施形態では、組成物は、対象への投与のために希釈される濃縮物として輸送され得る。他の実施形態では、組成物は、凍結乾燥され、投与時に再構築されてもよい。
好適な界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせは、非毒性である非イオン性界面活性剤の中から選択されてもよい。一実施形態では、例えば、中性pHを有し、8400の平均分子量を有する、ポロキサマー188としても知られている、Pluronic(登録商標)F68[BASF]などの、第一級ヒドロキシル基末端の二機能的ブロックコポリマー界面活性剤が選択される。他の界面活性剤及び他のポロキサマー、すなわち、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマー、SOLUTOL HS 15(マクロゴール-15ヒドロキシステアレート)、LABRASOL(ポリオキシカプリル酸グリセリド)、ポリオキシ10オレイルエ
ーテル、TWEEN(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、エタノール、及びポリエチレングリコールが選択され得る。一実施形態では、製剤は、ポロキサマーを含む。これらのコポリマーは、一般的に、文字「P」(ポロキサマーの場合)の後に3桁の数字で命名され、最初の2桁×100は、ポリオキシプロピレンコアのおおよその分子質量を与え、最後の1桁×10は、ポリオキシエチレン含有量のパーセンテージを与える。一実施形態では、ポロキサマー188が選択される。界面活性剤は、懸濁液の最大約0.0005%~約0.001%の量で存在してもよい。
ベクターの用量は、主に、治療される状態、患者の年齢、体重、及び健康状態などの要因に依存し、したがって、患者間で異なる。例えば、ウイルスベクターの治療上有効なヒト投薬量は、概して、約25~約1000マイクロリットル~約100mLの範囲の、(体重が70kgの平均的な対象を治療するために)約1×10~1×1016ゲノムウイルスベクターの濃度(その範囲内のすべての整数又は分数量を含み、好ましくは、ヒト患者に対して、1.0×1012GC~1.0×1013GC)を含む溶液である。本発明の組成物は、治療される領域のサイズ、使用されるウイルス力価、投与経路、及び本方法の所望の効果に応じて、範囲内のすべての数値を含めて、約0.1μL~約10mLの容量で送達され得る。一実施形態では、容量は、約50μLである。別の実施形態では、容量は、約70μLである。別の実施形態では、容量は、約100μLである。別の実施形態では、容量は、約125μLである。別の実施形態では、容量は、約150μLである。別の実施形態では、容量は、約175μLである。更に別の実施形態では、容量は、約200μLである。別の実施形態では、容量は、約250μLである。別の実施形態では、容量は、約300μLである。別の実施形態では、容量は、約450μLである。別の実施形態では、容量は、約500μLである。別の実施形態では、容量は、約600μLである。別の実施形態では、容量は、約750μLである。別の実施形態では、容量は、約850μLである。別の実施形態では、容量は、約1000μLである。別の実施形態では、容量は、約1.5mLである。別の実施形態では、容量は、約2mLである。別の実施形態では、容量は、約2.5mLである。別の実施形態では、容量は、約3mLである。別の実施形態では、容量は、約3.5mLである。別の実施形態では、容量は、約4mLである。別の実施形態では、容量は、約5mLである。別の実施形態では、容量は、約5.5mLである。別の実施形態では、容量は、約6mLである。別の実施形態では、容量は、約6.5mLである。別の実施形態では、容量は、約7mLである。別の実施形態では、容量は、約8mLである。別の実施形態では、容量は、約8.5mLである。別の実施形態では、容量は、約9mLである。別の実施形態では、容量は、約9.5mLである。別の実施形態では、容量は、約10mLである。
いくつかの実施形態では、調節配列の制御下にある所望の導入遺伝子をコードする核酸配列を有する組換えアデノ随伴ウイルスの濃度は、組成物中、望ましくは、1ミリリットル当たり約10~1014個のベクターゲノム(vg/mL)(ゲノムコピー/mL(GC/mL)とも称される)の範囲である。
一実施形態では、組成物中のrAAVの投薬量は、体重の約1.0×10GC/kg~約1.5×1013GC/kgである。一実施形態では、投薬量は、約1.0×1010GC/kgである。一実施形態では、投薬量は、約1.0×1011GC/kgである。一実施形態では、投薬量は、約1.0×1012GC/kgである。一実施形態では、投薬量は、約5.0×1012GC/kgである。一実施形態では、投薬量は、約1.0×1013GC/kgである。本明細書に記載のすべての範囲は、エンドポイントを含む。
一実施形態では、有効投薬量(送達される総ゲノムコピー)は、約10~1013ベクターゲノムである。一実施形態では、総投与量は、約10ゲノムコピーである。一実
施形態では、総投与量は、約10ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1010ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1011ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1012ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1013ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1014ゲノムコピーである。一実施形態では、総投与量は、約1015ゲノムコピーである。
毒性などの望ましくない効果のリスクを低減するために、ウイルスの最低有効濃度を利用することが望ましい。更に、これらの範囲の他の投与量及び投与容量は、治療される対象(好ましくは、ヒト)の身体状態、対象の年齢、特定の障害、及び進行性の場合、発症した障害の程度を考慮して、主治医によって選択され得る。
特定の実施形態では、組成物は、誘導性GLP-1アゴニスト構築物を含むrAAVを含む。特定の実施形態では、誘導剤又は分子は、ラパマイシン又はラパログである。特定の実施形態では、誘導剤はラパマイシンであり、rAAVを含む組成物の後に少なくとも1回以上、少なくとも2回以上、少なくとも3回以上投与される。いくつかの実施形態では、ラパマイシンは、少なくとも約4~少なくとも約40nMの用量で投与される。特定の実施形態では、誘導剤(すなわち、ラパマイシン)は、少なくとも約0.1mg/kg~少なくとも約3.0mg/kgの用量で投与される。特定の実施形態では、誘導剤(すなわち、ラパマイシン)は、少なくとも約0.5mg/kg~少なくとも約2.0mg/kgの用量で投与される。
本明細書に記載されるウイルスベクター及び他の構築物は、GLP-1融合タンパク質構築物をそれを必要とする対象に送達するための、半減期が増加したGLP-1を対象に供給するための、及び/又は対象におけるI型糖尿病、II型糖尿病若しくはメタボリックシンドロームを治療するための医薬を調製するために使用されてもよい。したがって、別の態様では、糖尿病を治療する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるGLP-1融合タンパク質発現カセットを含有するウイルスベクターを含む。
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」という用語は、I型糖尿病、II型糖尿病、又はメタボリックシンドロームの1つ以上の症状を軽減する目的で、本明細書に記載される1つ以上の化合物又は組成物を対象に投与することを包含すると定義される。したがって、「治療」は、所与の対象において、I型糖尿病、II型糖尿病、又はメタボリックシンドロームの進行を低減すること、症状の重症度を低減すること、疾患の進行を遅延させること、又は療法の有効性を増加させること、のうちの1つ以上を含み得る。
本明細書で使用される場合、「寛解」という用語は、対象がもはや糖尿病の臨床的徴候を示さず、正常な血糖値を有する場合に、インスリン治療を中止する能力を指す。
別の実施形態では、対象におけるT2DMを治療する方法が提供される。方法は、本明細書に記載される融合タンパク質をコードする配列を含む核酸分子を含むウイルスベクターを投与することを含む。一実施形態では、対象は、ヒトである。
別の態様では、対象における代謝性疾患を治療する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるGLP-1融合タンパク質発現カセットを含有するウイルスベクターを含む。一実施形態では、代謝性疾患は、I型糖尿病である。一実施形態では、代謝性疾患は、II型糖尿病である。一実施形態では、代謝性疾患は、メタボリ
ックシンドロームである。一実施形態では、対象は、ヒトである。
別の態様では、対象において体重を減少させる方法が提供される。本方法は、本明細書に記載される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、組成物は、本明細書に記載されるGLP-1融合タンパク質発現カセットを含有するウイルスベクターを含む。
治療の経過は、任意選択で、同じウイルスベクター(例えば、AAVrh91ベクター)又は異なるウイルスベクター(例えば、AAVrh91及びAAV3B.AR2.12)の反復投与を伴ってもよい。本明細書に記載のウイルスベクターを使用して、更に他の組み合わせが選択されてもよい。任意選択で、本明細書に記載の組成物は、他の糖尿病薬又はタンパク質ベースの療法(例えば、GLP-1類似体、インスリン、経口抗高血糖薬(スルホニル尿素、ビグアナイド、チアゾリジンジオン、及びアルファグルコイダーゼ阻害剤)を含む)を含むレジメンで組み合わせることができる。任意選択で、本明細書に記載される組成物は、食事療法及び運動療法を含む生活習慣の変化を伴うレジメンにおいて組み合わされてもよい。特定の実施形態では、AAVベクター及び併用療法は、本質的に同時に投与される。他の実施形態では、AAVベクターが初めに投与される。特定の実施形態では、併用療法が初めに投与される。
一実施形態では、組成物は、有効量のインスリンと組み合わせて投与される。限定されないが、プロタミン亜鉛組換えヒトインスリン(ProZinc(登録商標))、ブタインスリン亜鉛懸濁液(Vetsulin(登録商標))、インスリングラルギン(Lantus(登録商標))、リスプロ(Humalog)、アスパルト(Novolog)、グルリジン(Apidra)、ノボリン、及びヴェロスリンを含む、種々の市販のインスリン製品が、当該技術分野で既知である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるrAAVとインスリンとの組み合わせは、ウイルスベクターでの治療前と比較して、対象におけるインスリン用量要件を減少させる。そのような用量要件は、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上低減され得る。治療する医師は、対象が必要とするインスリンの正しい投薬量を決定することができる。例えば、対象は、インスリン又は他の療法を使用して治療されてもよく、治療医は、AAVベクターの投与時に継続してもよい。かかるインスリン又は他の併用療法は、その後、必要に応じて、継続、低減、又は中止されてもよい。
一実施形態では、遺伝子療法のための本明細書に記載の発現カセット、ベクターゲノム、rAAVを含む組成物、又は他の組成物は、患者当たり単回用量として送達される。一実施形態では、対象は、治療有効量の本明細書に記載の組成物を送達される。本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、治療目標を達成するために十分なGLP1-Fcの量を標的細胞に送達して発現する、発現カセット若しくはベクター、又はその組み合わせの量を指す。治療有効量は、治療医によって選択され得るか、又は以前に決定されたガイドラインに基づいてガイドされ得る。例えば、デュラグルチドは、週に1回、0.75mgの初期用量で皮下に提供され得る。用量は、追加の血糖コントロールのために、1.5mg単位で増加してもよい。患者は、用量を週に1回3mgに増加させる前に、少なくとも4週間、週に1回1.5mgの用量に留まるべきである。患者は、用量を週に1回4.5mgに増加させる前に、少なくとも4週間、週に1回3mgの用量に留まるべきである。デュラグルチドの維持用量は、週に1回0.75~4.5mgの皮下で、最大用量は毎週4.5mgであり得る。rAAVは、対象に送達され、その後、必要に応じて、経口又は皮下のデュラグルチド、インスリン、又は他の薬物を補充して、毎週0.75~4.5mgの所望の投薬量の当量に到達させてもよい。
特定の実施形態では、治療目標は、I型糖尿病、II型糖尿病、又はメタボリックシンドロームの症状のうちの1つ以上を緩和又は治療することである。「治療有効量」は、ヒト患者ではなく動物モデルに基づいて決定されてもよい。別の実施形態では、治療目標は、対象の代謝性疾患の寛解である。本明細書で使用される場合、vpカプシドタンパク質を指すために使用されるとき、「異種」という用語又はその任意の文法的変形は、例えば、異なる改変アミノ酸配列を有するvp1、vp2、又はvp3モノマー(タンパク質)を有する、同じではない要素からなる集団を指す。配列番号20は、AAVrh91 vp1タンパク質のコードされたアミノ酸配列を提供する。vp1、vp2、及びvp3タンパク質(代替的にアイソフォームと称される)に関連して使用される「異種」という用語は、カプシド内のvp1、vp2、及びvp3タンパク質のアミノ酸配列の違いを指す。AAVカプシドは、予測されたアミノ酸残基の修飾を有する、vp1タンパク質内、vp2タンパク質内、及びvp3タンパク質内に亜集団を含む。これらの亜集団は、最低限、特定の脱アミド化アスパラギン(N又はAsn)残基を含む。例えば、特定の亜集団は、アスパラギン-グリシン対における少なくとも1つ、2つ、3つ、又は4つの高度に脱アミド化されたアスパラギン(N)位置を含み、任意選択的に他の脱アミド化アミノ酸を更に含み、脱アミド化は、アミノ酸変化及び他の任意選択的な修飾をもたらす。
本明細書で使用される場合、vpタンパク質の「亜集団」は、別途指定されない限り、少なくとも1つの定義された共通の特徴を有し、少なくとも1つの群メンバーから、参照群のすべてのメンバーよりも少ないメンバーからなるvpタンパク質の群を指す。例えば、vp1タンパク質の「亜集団」は、別途指定されない限り、組み立てられたAAVカプシドにおいて、少なくとも1つのvp1タンパク質であり、すべてのvp1タンパク質よりも少ない。vp3の「亜集団」は、別途指定されない限り、組み立てられたAAVカプシドにおいて、1つのvp3タンパク質から、すべてのvp3タンパク質よりも少なくてもよい。例えば、組み立てられたAAVカプシドにおいて、vp1タンパク質は、vpタンパク質の亜集団であり得、vp2タンパク質は、vpタンパク質の別の亜集団であり得、vp3はなお、vpタンパク質の更なる亜集団である。別の例では、vp1、vp2、及びvp3タンパク質は、例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、又は4つの高度脱アミド化アスパラギン、例えば、アスパラギン-グリシン対で異なる修飾を有する亜集団を含み得る。
本明細書で使用される場合、rAAVの「ストック」は、rAAVの集団を指す。脱アミド化に起因するカプシドタンパク質の不均一性にもかかわらず、ストック内のrAAVは、同一のベクターゲノムを5つ共有することが予想される。ストックは、例えば、選択されたAAVカプシドタンパク質及び選択された産生系に特徴的な不均一な脱アミド化パターンを有するカプシドを有するrAAVを含み得る。ストックは、単一の産生系から産生されてもよく、又は産生系の複数の実行からプールされてもよい。本明細書に記載されるものを含むが、これらに限定されない様々な産生系が選択され得る。本明細書で使用される場合、「GLP-1構築物」、「GLP-1発現構築物」、及び同義語は、リーダー及び融合ドメインと組み合わせて本明細書に記載されるGLP-1配列を含む。「GLP-1構築物」、「GLP-1発現構築物」という用語、及び同義語は、GLP-1融合タンパク質をコードする核酸配列又はその発現産物を指すために使用され得る。
核酸配列の文脈において、「同一性パーセント(%)」、「配列同一性」、「配列同一性パーセント」、又は「同一パーセント」という用語は、対応のために整列させたときに同じである2つの配列中の塩基を指す。配列同一性の比較の長さは、ゲノムの全長、遺伝子コード配列の全長、又は、少なくとも約100~150個のヌクレオチドの断片にわたってもよく、又はこれが所望される。しかしながら、例えば、少なくとも約9個のヌクレオチド、通常は少なくとも約20~24個のヌクレオチド、少なくとも約28~32個の
ヌクレオチド、少なくとも約36個以上のヌクレオチドの、より小さい断片間の同一性も望まれ得る。多重配列整列プログラムはまた、核酸配列についても利用可能である。かかるプログラムの例としては、インターネット上のウェブサーバを通してアクセス可能な「Clustal W」、「CAP Sequence Assembly」、「BLAST」、「MAP」、及び「MEME」が挙げられる。かかるプログラムの他のソースは、当業者に既知である。あるいは、Vector NTIユーティリティもまた使用される。また、当該技術分野で既知のいくつかのアルゴリズムが存在し、上に記載のプログラムに含まれるものを含め、ヌクレオチド配列同一性を測定するために使用することができる。別の例として、ポリヌクレオチド配列は、GCGバージョン6.1のプログラムであるFasta(商標)を用いて比較することができる。Fasta(商標)は、照会及び検索配列の間の最良の重複領域の整列及び配列同一性パーセントを提供する。例えば、核酸配列間のパーセント配列同一性は、本明細書に参考として組み込まれる、GCG Version 6.1で提供される、そのデフォルトパラメータ(ワードサイズ6及びスコアリングマトリックスのためのNOPAM因子)を用いるFasta(商標)を使用して決定することができる。
「高度に保存された」という用語は、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、より好ましくは97%を超える同一性を意味する。同一性は、当業者に既知のアルゴリズム及びコンピュータプログラムを用いることによって、当業者によって容易に決定される。
上限範囲で特に明記しない限り、同一性のパーセンテージは、同一性の最小レベルであり、参照配列に対して最大100%の同一性までのすべてのより高いレベルを包含することが理解されるであろう。特に明記しない限り、同一性のパーセンテージは、同一性の最小レベルであり、参照配列に対して最大100%の同一性までのすべてのより高いレベルを包含することが理解されるであろう。例えば、「95%の同一性」及び「少なくとも95%の同一性」は、互換的に使用され得、参照配列に対する95%、96%、97%、98%、99%、最大100%の同一性、及びそれらの間のすべての画分を含む。
アミノ酸配列の文脈における「同一性パーセント(%)」、「配列同一性」、「配列同一性パーセント」、又は「同一なパーセント」という用語は、対応するように整列させたときに同じである2つの配列中の残基を指す。同一性パーセントは、タンパク質の全長ポリペプチド、ポリペプチド、約70個のアミノ酸、約100個のアミノ酸、若しくはそのペプチド断片にわたるアミノ酸配列、又は配列をコードする対応する核酸配列について容易に決定することができる。好適なアミノ酸フラグメントは、長さが少なくとも約8個のアミノ酸であり得、最大で約150個であり得る。一般に、2つの異なる配列間の「同一性」、「相同性」、又は「類似性」に言及する場合、「同一性」、「相同性」、又は「類似性」は、「整列された」配列を参照して決定される。「整列された」配列又は「整列」とは、複数の核酸配列又はタンパク質(アミノ酸)配列を指し、参照配列と比較して、多くの場合、欠損又は追加塩基又はアミノ酸についての補正を含む。整列は、公的又は商業的に利用可能な様々な多重配列整列プログラムのいずれかを使用して行われる。配列整列プログラムは、アミノ酸配列について利用可能であり、例えば、「Clustal X」、「MAP」、「PIMA」、「MSA」、「BLOCKMAKER」、「MEME」、及び「Match-Box」プログラムが挙げられる。一般的に、これらのプログラムのいずれかをデフォルト設定で使用するが、当業者は、これらの設定を必要に応じて変更し得る。あるいは、当業者は、参照のアルゴリズム及びプログラムによって提供されるものと少なくとも同じレベルの同一性又は整列を提供する、別のアルゴリズム又はコンピュータプログラムを利用することができる。例えば、J.D.Thomson et al,Nucl.Acids.Res.,“A comprehensive comparison of multiple sequence alignments”,27(
13):2682-2690(1999)を参照されたい。
「a」又は「an」という用語は、1つ以上を指すことに留意されたい。したがって、「a」(又は「an」)、「1つ以上(one or more)」、及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」という用語は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。「なる(consist)」、「なっている(consisting)」という用語、及びその変形は、包括的ではなく排他的に解釈されるべきである。明細書中の様々な実施形態は、「含む(comprising)」という言語を使用して提示されるが、他の状況下では、関連する実施形態は、「~からなる」又は「~から本質的になる」という言語を使用して解釈され、記載されることも意図している。
本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」は、哺乳動物を意味し、ヒト、獣医学用動物又は農業用動物、家庭用動物又は愛玩動物、並びに通常臨床研究に使用される動物が含まれる。一実施形態では、これらの方法及び組成物の対象は、ヒトである。別の実施形態では、対象は、ネコではない。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、別途指定されない限り、与えられた参照から10%(±10%、例えば、±1、±2、±3、±4、±5、±6、±7、±8、±9、±10、又はそれらの間の値)の可変性を意味する。
特定の例では、「E+#」という用語又は「e+#」という用語は、指数を指すために使用される。例えば、「5E10」又は「5e10」は、5×1010である。これらの用語は、同義的に使用され得る。
本明細書で使用される「調節」又はその変形形態という用語は、生物学的経路の1つ以上の成分を阻害する組成物の能力を指す。
本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、及び「状態」は、対象における異常な状態を示すために互換的に使用される。
本明細書で別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって、及び本明細書で使用される多数の用語に対して当業者に一般的な手引きを提供する、公開された文献を参照することによって、一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
一実施形態を説明する際の「一実施形態」又は「別の実施形態」への言及は、別段の明示的な指定がない限り、参照される実施形態が別の実施形態(例えば、参照される実施形態の前に説明される実施形態)と相互に排他的であることを意味するものではない。
具体的な実施形態
1.GLP-1類似体及びIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列を含む核酸を含むウイルスベクター。
2.ベクターが、アデノ随伴ウイルスベクターである、実施形態1に記載のベクター。
3.融合タンパク質が、トロンビンリーダー配列を更に含む、実施形態1又は実施形態2に記載のウイルスベクター。
4.トロンビンリーダー配列が、配列番号7の配列、又は最大で1、2、若しくは3個のアミノ酸置換を有するその機能的バリアントを含む、実施形態3に記載のウイルスベク
ター。
5.融合タンパク質が、スペーサーを更に含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
6.融合タンパク質が、ヒトトロンビンリーダー、GLP-1類似体、スペーサー、及びヒトIgG4 Fcを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
7.融合タンパク質が、配列番号14の配列、又はそれと少なくとも99%同一の配列を有する、実施形態1~6に記載のウイルスベクター。
8.融合タンパク質をコードする配列が、配列番号15である、実施形態1~7のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
9.
(a)AAVカプシドと、
(b)AAVカプシド中にパッケージングされたベクターゲノムと、を含み、当該ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復(ITR)、融合タンパク質のコード配列、及び融合タンパク質の発現を指示する調節配列を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
10.ウイルスベクターが、AAV8のAAVカプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)又はその機能的バリアントである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
11.ウイルスベクターが、AAVrh91のAAVカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
12.ウイルスベクターが、AAV3B.AR2.12のAAVカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
13.ウイルスベクターが、AAV9、AAVrh64R1、AAVhu37、又はAAVrh10から選択されるAAVカプシド又はその機能的バリアントを有するrAAVである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
14.誘導性遺伝子発現系、調節可能なプロモーター、融合タンパク質をコードする配列、及びポリアデニル化シグナルを含むベクターゲノムを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
15.AAV逆位末端反復(ITR)が、融合タンパク質コード配列及び調節配列に隣接する、AAV2 5’ ITR及びAAV2 3’ ITRである、実施形態9~14のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
16.ベクターゲノムが、ヒトサイトメガロウイルスプロモーター及びウサギグロビンポリAを含む、実施形態9~15のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
17.誘導性遺伝子発現系を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
18.誘導性遺伝子発現系が、
(a)トランス活性化ドメイン及びFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインを含む活性化ドメインと、
(b)ジンクフィンガーホメオドメイン(ZFHD)及び1、2、又は3個のFK506結合タンパク質ドメイン(FKBP)サブユニット遺伝子を含むDNA結合ドメインと、
(c)ZFHD、それに続く最小IL2プロモーターに対する結合部位の少なくとも1つのコピーと、
(d)調節可能なプロモーターと、を含み、
有効量のラパマイシン又はラパログの存在が、宿主細胞における導入遺伝子の発現を誘導する、実施形態17に記載のウイルスベクター。
19.FKBPサブユニット遺伝子配列が、互いに約85%未満の同一性を共有する、実施形態18に記載のウイルスベクター。
20.FKBPサブユニット遺伝子配列のうちの1つが、天然のFKBP遺伝子配列である、実施形態18又は19に記載のウイルスベクター。
21.トランス活性化ドメインが、NF-κB p65の一部分を含む、実施形態18~20のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
22.調節可能なプロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態18~21のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
23.調節可能なプロモーターが、組織特異的プロモーターである、実施形態18~21のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
24.調節可能なプロモーターが、CMVプロモーターである、実施形態18~22のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
25.IRES又は2Aを更に含む、実施形態18~24のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
26.GT2A_V1(配列番号21)又はGT2A_V2(配列番号22)から選択される2Aリンカーを更に含む、実施形態18~25のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
27.ZFHDに対する結合部位の少なくとも8つのコピーを含む、実施形態18~26のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
28.ベクターゲノムが、配列番号16の配列、又はそれと少なくとも95%~99.9%同一の配列を含む、実施形態18~27のいずれか1つに記載のウイルスベクター。
29.調節可能なプロモーターと、p65トランス活性化ドメイン及びFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインを含む活性化ドメインと、ジンクフィンガーホメオドメイン(ZFHD)及び3個のFK506結合タンパク質ドメイン(FKBP)サブユニット遺伝子を含むDNA結合ドメインと、ZFHDに対する結合部位の8つのコピーと、GLP-1類似体及びヒトIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列と、を含む核酸分子を含む、ウイルスベクター。
30.水性液体と、実施形態1~20のいずれか1つに記載のウイルスベクターと、を含む、対象における代謝性疾患の治療に使用するのに好適な薬学的組成物。
31.融合タンパク質が、ヒトトロンビンリーダー、GLP-1類似体、スペーサー、及びヒトIgG4 Fcを含む、実施形態30に記載の薬学的組成物。
32.代謝性疾患を有する対象を治療する方法において使用するための、実施形態1~29のいずれか1つに記載のウイルスベクター、又は実施形態30若しくは31に記載の薬学的組成物。
33.代謝性疾患を有する対象を治療するための医薬の製造における、実施形態1~29のいずれか1つに記載のウイルスベクター、又は実施形態29~31のいずれか1つに記載の薬学的組成物の使用。
34.組成物が、1×10GC/kg~5×1013GC/kgの用量のrAAVを投与されるように製剤化されている、実施形態32又は33に記載のウイルスベクター又は使用。
35.患者が、ヒトであり、1×1010~1.5×1015GCの用量のrAAVを投与される、実施形態32又は33に記載のウイルスベクター又は使用。
36.rAAVが、筋肉内又は静脈内に送達される、実施形態32~35のいずれか1つに記載のウイルスベクター又は使用。
37.代謝性疾患を有する対象を治療する方法であって、アデノ随伴ウイルスrh91由来のAAVカプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)と、AAVカプシド中にパッケージングされたベクターゲノムと、を対象に送達することを含み、当該ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復(ITR)と、GLP-1類似体及びヒトIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列と、融合タンパク質の発現を指示する調節配列と、を含む、方法。
38.患者が、実施形態1~29のいずれか1つに記載のウイルスベクター又は実施形
態30若しくは31に記載の薬学的組成物を投与される、実施形態37に記載の方法。
39.患者が、1×10GC/kg~5×1013GC/kg体重の用量のrAAVを投与される、実施形態37又は38に記載の方法。
40.rAAVが、筋肉内又は静脈内に送達される、実施形態37~39のいずれか1つに記載の方法。
41.ヒトにおける糖尿病を治療するための、実施形態1~29、32、若しくは34~36のいずれか1つに記載のウイルスベクター、実施形態30~32のいずれか1つに記載の組成物、実施形態33~36のいずれか1つに記載の使用、又は実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を例示するために提供される。本実施例は、本発明をいかなる方法でも限定することを意図するものではない。
グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、胃腸(GI)管におけるグルカゴンプレタンパク質のタンパク質分解切断から産生されるホルモンである。GLP-1は、ベータ細胞からのインスリン放出を増強し、いくつかの組織のインスリン感受性を増加させ、胃内容排出を遅くし(低血糖を引き起こすことなく)、満腹感を高めることによって、グルコース恒常性を広く調節する。GLP-1は、半減期が極めて短いため、薬剤として効果的に使用することができなかったが、GLP-1の長時間作用型類似体は、2型糖尿病の治療に広く使用されている薬剤となっている。GLP-1アゴニストは、優れた安全性プロファイルを有し、繰り返し、しばしば生涯にわたる非経口投与を必要とし、単回投与後に長期発現を達成することができるAAV媒介遺伝子導入のための良好な候補となる。GLP-1及びGLP-1アゴニストは、タンパク質が、小腸のL細胞に特異的なプロテアーゼによる処理を必要とするその天然の内容物(グルカゴンタンパク質)で発現することができないため、AAVベクターから発現することが困難である。異種シグナルペプチドを用いてGLP-1を発現する試みは、高レベルの発現を達成することに失敗した。シグナルペプチドは、受容体結合に関与するGLP-1のN末端の適切な処理をもたらさないため、信頼できる発現を達成しない場合があることを提案した。代わりに、遊離GLP-1タンパク質を産生するために切断されるプロペプチドを使用してGLP-1を発現させた。これらは、ユビキタスプロテアーゼ(例えば、フリン)によって切断することができ、免疫原性にはならない内因性ペプチドであるため、GLP-1発現のためのトロンビン及び第IX因子などの凝固因子からプロペプチドを選択した。トロンビンプロペプチドは、シグナルペプチド単独と比較して、ヒトGLP-1類似体の発現を少なくとも100倍増加させた。この技術を用いて、両方がヒトプロペプチドを担持する、IgG4 Fc融合を含むものと、アルブミン融合を含むものの、AAVベクターから発現され得る2つの長時間作用型GLP-1類似体を開発した。GLP-1アゴニスト配列の転写を活性化する小分子薬物の投与を介して、これらのタンパク質を構成的に又は制御された様式で発現する発現カセットを開発した。標的産物プロファイルは、単回筋肉内注射として設計される。一実施形態では、単回注射は、治療用GLP-1アゴニストレベルを維持するように設計された、2~4週間毎の単一の錠剤としての誘導性バージョンを含む。別の実施形態として、単回注射は、1回の用量後の治療用レベルでの継続的な生涯にわたる発現のために設計された構成的バージョンを含む。設計された産物は、非ヒト霊長類における薬理学及び安全性を調べるための前臨床モデルにおける精巣であった。アッセイは、GLP-1アゴニストの発現及び活性のために開発された。安全性及び薬物動態は、既知の治療濃度を達成する能力を分析するために調査されている。
このイノベーションは、特に、3ヶ月後にメトホルミン単独又は他の経口薬剤で糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビン、ヘモグロビンA1c、HbA1c、又はA1cとも称される)の目標を達成していない患者において、2型糖尿病の単発の、潜在的に生涯にわ
たる治療を可能にする。ケアの標準は、現在、リラグルチド(毎日投与)、デュラグルチド(毎週投与)、DPP(例えば、ジペプチジルペプチダーゼ-4)IV阻害剤(PO)、及びセマグルチドPO(毎日投与)などの長時間作用型皮下GLP-1アゴニストを含む。AAV媒介GLP-1発現を達成するための以前の試みは、劇的により低い発現をもたらすか、又は免疫原性であり、かつ臨床応用に好適でない異種リーダー配列の使用を必要とするかのいずれかであった。
実施例1-GLP-1ベクターの構築
GLP-1アゴニストは、アデノ随伴ウイルス(AAV)を介して発現することが困難である。GLP-1は通常、グルカゴン前駆体タンパク質から発現され、それは組織特異的プロテアーゼを必要とし、望まれないタンパク質を産生する。従来の異種シグナルペプチドを使用する発現系は、低発現をもたらす。ユニバーサルプロテアーゼ切断部位を有する異種プロペプチドを使用する発現系は、T細胞の標的となり得る外来タンパク質配列をもたらす。外来タンパク質配列を導入することなく、肝臓又は筋細胞からGLP-1発現を約300倍増加させる系を開発した。図5は、マウスにおける操作されたGLP-1構築物のAAV媒介発現を示す。マウスは、開発された標準IL-2シグナルペプチド又は内因性前駆体を用いて、GLP-1アゴニストを発現するAAVベクターの筋肉内注射を受けた。血清GLP-1濃度は、注射の3週間後にELISAによって測定した。
より具体的には、いくつかのGLP-1受容体アゴニストアミノ酸配列の1つの上流にリーダー配列を配置し、続いて融合ドメインを配置して、ベクターを構築した。例えば、図4を参照されたい。得られたタンパク質配列を逆翻訳し、続いて、コザックコンセンサス配列、終止コドン、及びクローニング部位を追加した。配列を作製し、誘導性発現系の制御下で、CMVプロモーターを含む発現ベクターにクローニングした。発現構築物は、AAV2 ITRに隣接していた。得られたプラスミドは、pAAV.TF.GT2A.デュラグルチド(trb).3w.rBGと称される。ヒトトロンビン-デュラグルチドアミノ酸配列は、配列番号14に示され、コード配列は、配列番号15に示され、ベクターゲノムは、配列番号16に示される。
現在利用可能な誘導性構築物としては、2ベクター及び1ベクター誘導性系が挙げられる。例えば、図6A及び図6Bを参照されたい。図6Aは、2ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む例示的な発現カセットの概略図を示す。図6Bは、IRESリンカーを含む1ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む発現カセットの概略図を示す。
更に、GLP1-Fc導入遺伝子を含む発現ベクターにGT2Aペプチドを導入した。分泌シグナルを有するヒトGLP1-Fc(hデュラグルチド)は、954bpである。上記のように、hデュラグルチド構築物の発現については、図6Bに示されるような発現ベクターにおいて、IRESリンカーをGT2A切断配列に置き換え、これにより、IRESリンカーがパッケージング限界に適合することを可能にする(図7A;GLP-1 Fc用の単一誘導性カセット)。GT2Aペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含むGT2A_V1ペプチド、又は配列番号22のアミノ酸配列を含むGT2A_V2ペプチドから選択される。図7Aは、分泌シグナルを有するF2A切断配列リンカー及びヒトGLP1-Fc(hデュラグルチド)を含む、1ベクター系で使用するための誘導性構築物を含む発現カセットの概略図を示す。
実施例2-インビトロ発現
GLP1-Fc融合物を、プラスミドでトランスフェクトしたHEK293細胞の培養上清中で、ヒトトロンビンシグナル配列を有する誘導性ヒトデュラグルチド(TF.GT2A.デュラグルチド(Trb))及びCB7.ネコデュラグルチド(feTrb)につ
いて測定した。ネコデュラグルチドとは、デュラグルチドのIgG Fc部分がネコIgG配列に置き換えられ、任意選択で、ネコトロンビンリーダー(feTrb)と組み合わせられている構築物を意味する。上清を、ラパマイシン(Rapa)による処理の48時間後、0、4、及び40nMで、又はCB7.feデュラグルチド(feTrb)のトランスフェクションの48時間後に収集した。GLP1-Fcを、キットのSTDとともに活性型GLP1 ELISAによって定量化した。3つの構築物の発現を図2に示す。ラパマイシンの投薬量の増加は、GLP-1の発現の増加をもたらした。
更に、GT2A_V1又はGT2A_V2ペプチドを含む設計された構築物におけるアカゲザルの例示滴な治療用導入遺伝子(rhTT)の発現を評価した(図6B、7A、及び7B)。図8は、GT2Aペプチドを含む様々な構築物でトランスフェクトし、0nM、4nM、及び40nMで、ラパマイシンで処理した後に測定し、IU/mLのrhTTとしてプロットしたHEK293細胞上清におけるアカゲザルの治療用導入遺伝子(rhTT)の発現を示す。次に、GT2A_V1及びGT2A_V2ペプチドを含む設計された単一誘導性カセットを使用して、インビトロでのヒト及びアカゲザルGLP-1 Fc発現の発現を調査した。図9は、インビトロでの誘導性ヒト(h)及びアカゲザル(rh)GLP-1の発現を示す。GLP1-Fc融合物を、プラスミドでトランスフェクトしたHEK293細胞の培養上清中で、トロンビンシグナル配列を含む誘導性hデュラグルチド、2ベクター系を含むrhデュラグルチド、及びCB7.rhデュラグルチドについて測定した。細胞を0日目に播種し、1日目にトランスフェクトし、2日目に0nM、4nM、及び40nMで、ラパマイシンで処理し、CB7.rhデュラグルチド(rhTrb)のトランスフェクションから4日目又は48時間後に細胞からの上清を収集した。GLP1-Fcを、キットのSTDとともに活性型GLP1 ELISAによって定量化した。
実施例3-Rag1KOマウスにおけるパイロット発現
以下の構築物を、前述のように、トリプルトランスフェクション及びヨウジキサノール勾配精製により、AAVrh91ベクター中にパッケージングした。
ヒトトロンビンシグナルを有するAAVrh91.TF.hデュラグルチド(Trb).3w.rBG
アカゲザルトロンビンシグナルを有するAAVrh91.TF.rhデュラグルチド(rhTrb).3w.rBG
Rag1KO雌マウス(n=5/ベクター)を、IM投与経路を介してベクター(1×1011GC/マウス)の注射で処置した。血清を、5マイクロリットルのDPP-IV阻害剤(Millipore)を含む血清分離管中で全血を分離することによって連続的に採取し、上記の活性GLP-1発現及び活性についてアッセイした。0日目にベクターを注射し、14日目及び15日頃にラパマイシンを投与した。血清活性GLP-1濃度を、図3に示す。血清レベルは、ラパマイシン投与の約1週間後に最大値に達した。
実施例4-NHPにおける長期発現研究
この研究では、非ヒト霊長類(NHP;すなわち、アカゲザル)におけるアカゲザルGLP-1(rhデュラグルチド)の発現を調査した。表1A及び1Bは、AAV投与及びラパマイシン投与(すなわち、導入)を含む研究の概要を示す。簡潔には、NHP1~3に、筋肉内注射(IM)を介して、AAVrh91指定ベクターを投与した-NHP1:1×1012(1e12)GC/kgの用量でのAAVrh91.CB7.rhデュラグルチド.rBG;NHP2:それぞれ5×1012(5e12)GC/kgの用量でのAAVrh91.CMV.TFNc.3 AAVrh91.Z12I.rhデュラグルチド.rBG及びAAVrh91.Z12I.rhデュラグルチド.rBG;並びにNHP3:1×1013(1e13)GC/kg。NHP2については、ラパマイシンを、21日目に0.5mg/kgの用量で、56日目に0.5mg/kgの用量で、及び126日目
に2.0mg/kgの用量で投与した。NHP3については、ラパマイシンを、21日目に0.5mg/kgの用量で、78日目に0.5mg/kgの用量で、及び148日目に2.0mg/kgの用量で投与した。
Figure 2023543125000002
Figure 2023543125000003
図10A~10Cは、NHP1(18-128)の抗rhGLP1-Fc ADA(抗薬物抗体)検出アッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析を示す。図10Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図10Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図10Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。
図11A~11Cは、NHP1(18-072)の抗rhGLP1-Fc ADAアッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析を示す。図11Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図11Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図11Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。
図12A~12Cは、NHP1(18-013)の抗rhGLP1-Fc ADAアッセイのrhGLP1-Fc発現及び分析を示す。図12Aは、0~200日目に測定された、nMとしてプロットされた血清中のrhGLP1-Fc発現レベルを示す。図12Bは、0~200日目に測定された、μg/Lとしてプロットされた血清中のラパマイシンレベルを示す。図12Cは、0日目~200日目に測定された、外径450nmとしてプロットされたADA検出アッセイの結果を示す。
要約すると、ヒトGLP1-Fc融合の発現のための1ベクター誘導系を開発した。加えて、Rag1KOマウスにおけるラパマイシン時のヒトGLP1-Fcの誘導を確認した。NHPにおいて、サルGLP1-Fcを発現する1ベクター及び2ベクター誘導性ベクターがラパマイシンに応答し、20日を超える持続時間で1nMを超える血清GLP1-Fcの一過性増加をもたらすことを観察した。ベクターを構成的に発現する低用量が、NHPにおける血清GLP1-Fcの高く持続的な発現を提供することを観察した。
(配列表フリーテスト)
以下の情報は、数値識別子<223>の下でフリーテキストを含む配列を提供する。
Figure 2023543125000004
Figure 2023543125000005
本明細書に引用されるすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。2020年8月24日に出願された米国仮特許出願第63/069,500号は、その全体が参照により、その配列表とともに本明細書に組み込まれる。「20-9429PCT_Seq_List_ST25」とラベルされた本明細書とともに出願された配列表、並びにその中の配列及びテキストは、参照により組み込まれる。本発明は、特定の実施形態を参照して記載されているが、本発明の趣旨から逸脱することなく修正を行うことができることが理解されよう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に収まることが意図される。

Claims (30)

  1. GLP-1類似体及びIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列を含む核酸を含むウイルスベクターであって、前記融合タンパク質が、配列番号14の配列、又はそれと少なくとも99%同一の配列を有する、ウイルスベクター。
  2. 前記融合タンパク質をコードする前記配列が、配列番号15、又はそれと少なくとも75%同一の配列である、請求項1~7のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  3. (a)AAVカプシドと、
    (b)AAVカプシド中にパッケージングされたベクターゲノムと、を含み、前記ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復(ITR)、前記融合タンパク質のコード配列、及び前記融合タンパク質の発現を指示する調節配列を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  4. 前記ウイルスベクターが、AAVrh91の前記AAVカプシドを有するrAAVである、請求項1~9のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  5. 誘導性遺伝子発現系、調節可能なプロモーター、前記融合タンパク質をコードする前記配列、及びポリアデニル化シグナルを含むベクターゲノムを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  6. 前記AAV逆位末端反復(ITR)が、前記融合タンパク質コード配列及び調節配列に隣接する、AAV2 5’ ITR及びAAV2 3’ ITRである、請求項9~14のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  7. 前記ベクターゲノムが、CB7プロモーター及びウサギグロビンポリAを含む、請求項9~15のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  8. 誘導性遺伝子発現系を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  9. 前記誘導性遺伝子発現系が、
    (a)トランス活性化ドメイン及びFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインを含む活性化ドメインと、
    (b)ジンクフィンガーホメオドメイン(ZFHD)及び1、2、又は3個のFK506結合タンパク質ドメイン(FKBP)サブユニット遺伝子を含むDNA結合ドメインと、
    (c)ZFHD、それに続く最小IL2プロモーターに対する結合部位の少なくとも1つのコピーと、
    (d)調節可能なプロモーターと、を含み、
    有効量のラパマイシン又はラパログの存在が、宿主細胞における前記導入遺伝子の発現を誘導する、請求項17に記載のウイルスベクター。
  10. 前記FKBPサブユニット遺伝子配列が、互いに約85%未満の同一性を共有する、請求項18に記載のウイルスベクター。
  11. 前記FKBPサブユニット遺伝子配列のうちの1つが、天然のFKBP遺伝子配列である、請求項18又は19に記載のウイルスベクター。
  12. 前記トランス活性化ドメインが、NF-κB p65の一部分を含む、請求項18~20のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  13. 前記調節可能なプロモーターが、構成的プロモーターである、請求項18~21のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  14. 前記調節可能なプロモーターが、CMVプロモーターである、請求項18~22のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  15. IRES又は2Aを更に含む、請求項18~24のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  16. GT2A_V1(配列番号21)又はGT2A_V2(配列番号22)から選択される2Aリンカーを更に含む、請求項18~25のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  17. 前記ZFHDに対する結合部位の少なくとも8つのコピーを含む、請求項18~26のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  18. 前記ベクターゲノムが、配列番号16の配列、又はそれと少なくとも70%同一の配列を含む、請求項18~27のいずれか一項に記載のウイルスベクター。
  19. 調節可能なプロモーターと、p65トランス活性化ドメイン及びFKBP12-ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)のFKBP12-ラパマイシン結合(FRB)ドメインを含む活性化ドメインと、ジンクフィンガーホメオドメイン(ZFHD)及び3個のFK506結合タンパク質ドメイン(FKBP)サブユニット遺伝子を含むDNA結合ドメインと、前記ZFHDに対する結合部位の8つのコピーと、GLP-1類似体及びヒトIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列と、を含む核酸分子を含む、ウイルスベクター。
  20. 水性液体と、請求項1~20のいずれか一項に記載のウイルスベクターと、を含む、対象における代謝性疾患の治療に使用するのに好適な薬学的組成物。
  21. 代謝性疾患を有する対象を治療する方法において使用するための、請求項1~29のいずれか一項に記載のウイルスベクター、又は請求項30若しくは31に記載の薬学的組成物。
  22. 代謝性疾患を有する対象を治療するための医薬の製造における、請求項1~29のいずれか一項に記載のウイルスベクター、又は請求項29~31のいずれか一項に記載の薬学的組成物の使用。
  23. 前記組成物が、1×10GC/kg~5×1013GC/kgの用量の前記rAAVを投与されるように製剤化されている、請求項32又は33に記載のウイルスベクター又は使用。
  24. 患者が、ヒトであり、1×1010~1.5×1015GCの用量の前記rAAVを投与される、請求項32又は33に記載のウイルスベクター又は使用。
  25. 前記rAAVが、筋肉内又は静脈内に送達される、請求項32~35のいずれか一項に記載のウイルスベクター又は使用。
  26. 代謝性疾患を有する対象を治療する方法であって、アデノ随伴ウイルスrh91由来のAAVカプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)と、前記AA
    Vカプシド中にパッケージングされたベクターゲノムと、を前記対象に送達することを含み、前記ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復(ITR)と、GLP-1類似体及びヒトIgG4 Fcを含む融合タンパク質をコードする配列と、前記融合タンパク質の発現を指示する調節配列と、を含む、方法。
  27. 前記患者が、請求項1~29のいずれか一項に記載のウイルスベクター又は請求項30若しくは31に記載の薬学的組成物を投与される、請求項37に記載の方法。
  28. 前記患者が、1×10GC/kg~5×1013GC/kg体重の用量の前記rAAVを投与される、請求項37又は38に記載の方法。
  29. 前記rAAVが、筋肉内又は静脈内に送達される、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
  30. ヒトにおける糖尿病を治療するための、請求項1~29、32、若しくは34~36のいずれか一項に記載のウイルスベクター、請求項30~32のいずれか一項に記載の組成物、請求項33~36のいずれか一項に記載の使用、又は請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
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