JP2023542006A - 新規なセリンプロテアーゼ - Google Patents

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Abstract

改善を示すべく操作されたセリンプロテアーゼ、並びにこれらの新規なセリンプロテアーゼを含む細胞及び生物、及び植物の健康又は成長を改善するための組換えセリンプロテアーゼの使用方法。【選択図】図1

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月21日出願の米国仮特許出願第63/081,271号に対する優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[配列表の組み込み]
2021年8月4日作成の14個の配列を含む32キロバイト(MS-WINDOWS(登録商標)で測定)の「BCS209004WO_ST25.txt」という名称のファイルを含む配列表が参照により全体が本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、改善を示すべく操作された組換えセリンプロテアーゼ、並びにこれらの新規セリンプロテアーゼを含む細胞及び生物に関する。植物の健康又は成長を改善するためのその組換えセリンプロテアーゼを使用する方法がさらに提供される。
植物寄生虫及び病原体は、商業作物の収量損失の主な原因であり、多大な経済的コストにつながる。種子処理、茎葉処理、又は土壌処理による微生物による植物の処理は、植物又は周囲の土壌に外因性タンパク質を提供することにより、植物の健康を改善することができる。特定の細菌株は、セリンプロテアーゼの発現により、植物に寄生性線虫や真菌性植物病原体などの病害生物から植物を保護する。セリンプロテアーゼは、タンパク質の特定の認識部位内のセリン残基でペプチド結合を開裂させ、線虫の腸組織を破壊するだけでなく、特定の真菌に特異的な抗真菌活性を有することが示されている。多様な農地環境における作物植物の成長及び収量をさらに改善するために使用できる新規な微生物組成物及び方法の開発に対するニーズが当該技術分野に継続的に存在する。
1態様において、本発明は、セリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換えDNA分子を提供する。そのポリペプチドは、配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸を含むことができるか、配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジンを含むことができるか、配列番号1の残基244に相当する残基にセリンを含むことができるか、これら3個の残基のいずれかの保存的置換を含むことができ、配列番号1に対して少なくとも第1のアミノ酸残基欠失を含む。ある種の実施形態において、前記ポリペプチドは、配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸、及び配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジン、及び配列番号1の残基244に相当する残基にセリンを含むことができるか、これら三つの残基のいずれか若しくはすべての保存的置換を含むことができる。
一部の実施形態において、提供される前記組換えDNA分子によってコードされたポリペプチドは、配列番号1の残基177~243のいずれかに相当する少なくとも一つの残基のアミノ酸欠失、又は配列番号1の残基181~240のいずれかに相当する少なくとも一つの残基のアミノ酸欠失を含むことができる。1実施形態において、前記アミノ酸欠失は、配列番号1の残基181~240の全てより少ないものに相当する。さらなる実施形態において、前記コードされたポリペプチドは、少なくとも配列番号1の残基226~241に相当する残基のアミノ酸欠失、又は少なくとも配列番号1の残基182~211に相当する残基のアミノ酸欠失、又は少なくとも配列番号1の残基178~243に相当する残基のアミノ酸欠失、又は少なくとも配列番号1の残基178~240に相当する残基のアミノ酸欠失を含むことができる。前記コードされたポリペプチドは、配列番号2又は4~13のいずれかの配列を有することができる。
本発明の前記組換えDNA分子によってコードされたポリペプチドは、配列番号1のポリペプチドと比較して高いセリンプロテアーゼ活性を示し得るか、配列番号1のポリペプチドと比較して高い殺線虫活性又は高い抗真菌活性を示し得る。前記コードされたポリペプチドは、配列番号1のポリペプチドと比較して同一又は高い基質結合をも示し得る。前記コードされたポリペプチドはさらに、配列番号1の残基122に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基123に相当する残基にセリン、配列番号1の残基124に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基125に相当する残基にグルタミン、配列番号1の残基126に相当する残基にチロシン、配列番号1の残基146に相当する残基にメチオニン、配列番号1の残基147に相当する残基にセリン、配列番号1の残基148に相当する残基にロイシン、配列番号1の残基149に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基150に相当する残基にグリシン、及び配列番号1の残基151に相当する残基にプロリン、又はこれら残基のいずれかの保存的置換を含むことができる。
別の態様において、本発明は、本明細書で提供される組換えDNA分子によってコードされたポリペプチドを提供する。ある種の実施形態において、前記ポリペプチドは、配列番号2又は4~13から選択される配列、例えば配列番号2、4~6又は8~10のいずれかを含むことができる。
さらなる態様において、本発明は、プロモーターに作動可能に連結された本明細書で提供される組換えDNA分子を含むDNA構築物を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書で提供される組換えDNA分子を含む宿主細胞を提供する。一部の実施形態において、前記宿主細胞は、細菌宿主細胞、例えばバチルス属からの細菌宿主細胞、例えばバチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・シュードミコイデス(Bacillus pseudomycoides)、バチルス・サマニイ(Bacillus samanii)、バチルス・ガエモケンシス(Bacillus gaemokensis)、バチルス・ウェイヘンステフェンシス(Bacillus weihenstephensis)、及びバチルス・トヨイエンシス(Bacillus toyoiensis)からなる群から選択されるバチルス宿主細胞であることができる。宿主細胞及び農業上許容される担体を含む製剤がさらに提供される。本明細書で開示の製剤で処置される植物種子も提供される。
さらなる態様において、植物の成長を刺激し、及び/又は植物の健康を促進し、及び/又は線虫を制御する方法であって、本明細書で提供される組換え宿主細胞を植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲の領域に施用することを含む方法が提供される。
別の態様において、本発明は、本明細書で提供されるポリペプチドをコードする組換えDNA分子、例えば配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸、又は配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジン、又は配列番号1の残基244に相当する残基にセリン、又はこれら3個の残基のいずれかの保存的置換を含み、配列番号1に対して少なくとも第1のアミノ酸残基欠失を含むポリペプチドを含むトランスジェニック植物細胞を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書で提供されるポリペプチドをコードする組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、及びトランスジェニック種子を提供する。本発明はさらに、本明細書に開示のポリペプチドを発現する又は含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、及びトランスジェニック種子を提供する。
別の態様において、本発明は、セリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードする組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、及びトランスジェニック種子であって、前記ポリペプチドが配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸、配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジン、及び配列番号1の残基244に相当する残基にセリン、又はこれら3個の残基のいずれかの保存的置換を含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、及びトランスジェニック種子を提供する。別の実施形態において、前記トランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、及びトランスジェニック種子は、セリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドを発現する又は含み、前記ポリペプチドは配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸、配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジン、及び配列番号1の残基244に相当する残基にセリン、又はこれら3個の残基のいずれかの保存的置換を含む。これらの実施形態の1態様において、前記ポリペプチドは配列番号1を含み;別の態様において、前記ポリペプチドは配列番号2を含み;別の態様において、前記ポリペプチドは配列番号4~13のいずれか一つを含む。
本明細書で提供されるポリペプチドをコードする組換えDNA分子を含む植物細胞、植物、植物部分及び種子は、植物寄生性線虫に対する抵抗性又は真菌抵抗性を示すことができる。さらに、本明細書で開示の組換えDNA分子を含む後代植物が提供される。
さらに本明細書では、植物細胞を本発明の組換えDNA分子で形質転換して形質転換植物細胞を製造すること、及び形質転換植物細胞を再生することでトランスジェニック植物を製造することを含むトランスジェニック植物の製造方法も提供される。得られたトランスジェニック植物は、高い植物寄生性線虫に対する抵抗性又は真菌抵抗性を示し得る。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物をそれ自体若しくは別の植物と交配させることで1以上の後代植物を製造すること、及び前記組換えDNA分子を含む後代植物を選択することを含む本明細書で提供される組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物の製造方法を提供する。前記後代植物は、高い植物寄生性線虫に対する抵抗性又は真菌抵抗性を示し得る。
ある種の態様において、本発明は、a)融合タンパク質を組換えバチルス宿主細胞のエキソスポリウムに向ける標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片;及びb)本明細書で提供されるポリペプチドを含む融合タンパク質を提供する。1実施形態において、前記標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片は、配列X-X-X-X-X-X-X-X-X-X10-X11-X12-X13-X14-X15-X16を含み、
はいずれかのアミノ酸であるか非存在であり;
はフェニルアラニン(F)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、又はメチオニン(M)であり;
はいずれかのアミノ酸であり;
はプロリン(P)又はセリン(S)であり;
はいずれかのアミノ酸であり;
はロイシン(L)、アスパラギン(N)、セリン(S)、又はイソロイシン(I)であり;
はバリン(V)又はイソロイシン(I)であり;
はグリシン(G)であり;
はプロリン(P)であり;
10はトレオニン(T)又はプロリン(P)であり;
11はロイシン(L)又はフェニルアラニン(F)であり;
12はプロリン(P)であり;
13はいずれかのアミノ酸であり;
14はいずれかのアミノ酸であり;
15はプロリン(P)、グルタミン(Q)、又はトレオニン(T)であり;
16はプロリン(P)、トレオニン(T)、又はセリン(S)である。
別の実施形態において、標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片は配列番号14を含む。
細菌宿主細胞などの前記融合タンパク質を含む組換え宿主細胞がさらに提供される。ある種の実施形態において、前記融合タンパク質を含むバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員からの細菌宿主細胞が提供される。この実施形態の1態様において、前記バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員は、バチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・シュードミコイデス(Bacillus pseudomycoides)、バチルス・サマニイ(Bacillus samanii)、バチルス・ガエモケンシス(Bacillus gaemokensis)、バチルス・ウェイヘンステファネンシス(Bacillus weihenstephanensis)、又はバチルス・トヨネンシス(Bacillus toyonensis)である。この実施形態の特定の態様において、前記バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員はバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)である。前記細菌宿主細胞を含む発酵産物、並びに前記発酵産物及び農業上許容される担体を含む製剤がさらに提供される。
さらなる態様において、植物成長を刺激する及び/又は植物の健康を促進する及び/又は線虫を防除する方法であって、本明細書で提供される製剤を植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲の領域に施用することを含む方法が提供される。
タンパク質を発現しない、野生型セリンプロテアーゼ(配列番号1)を発現する、又はセリンプロテアーゼバリアント(配列番号2)を発現するバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全肉汁培養液におけるセリンプロテアーゼ活性を示す図である。
野生型バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1細胞内セリンプロテアーゼ(配列番号1)、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)からのセリンプロテアーゼのバリアント(配列番号2)、相同性モデリングのための相同セリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)、配列番号2と比較して中間欠失を含むセリンプロテアーゼバリアント(配列番号4~6)、及び配列番号2と比較して拡張欠失を含むセリンプロテアーゼバリアント(配列番号7~13)の多重配列アラインメントを示す図である。 上記参照 上記参照 上記参照 上記参照 上記参照
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後の野生型バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1セリンプロテアーゼ(配列番号1)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1株(Sep1切断)からのセリンプロテアーゼのバリアント(配列番号2)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ中間_欠失_1のバリアント(配列番号4)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ中間_欠失_2のバリアント(配列番号5)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ中間_欠失_3のバリアント(配列番号6)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_1のバリアント(配列番号7)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_2のバリアント(配列番号8)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_3のバリアント(配列番号9)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_4のバリアント(配列番号10)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_5のバリアント(配列番号11)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_6のバリアント(配列番号12)の構造を示す図である。
(a)相同性モデリングに使用されるセリンプロテアーゼテンプレート(配列番号3)の構造;及び(b)相同性モデリング後のセリンプロテアーゼ拡張_欠失_7のバリアント(配列番号13)の構造を示す図である。[配列の簡単な説明]
配列番号1は、野生型バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1細胞内セリンプロテアーゼ(UniProt寄託番号W7KRH1_BACFI)である。
配列番号2は、配列番号1の位置181~240に相当する残基が欠失されている配列番号1のバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1細胞内セリンプロテアーゼのバリアントである。
配列番号3は、相同性モデリングのためのテンプレートとして使用されるバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)からのセリンプロテアーゼ(UniProt寄託番号P07518(SUBT_BACPU))である。
配列番号4は、中間_欠失_1、配列番号1の位置226~242に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号5は、中間_欠失_2、配列番号1の位置212~241に相当する残基が欠失されている、バリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号6は、中間_欠失_3、配列番号1の位置182~211に相当する残基が欠失されており、配列番号1の位置243に相当する残基でTに代えてDとなっているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号7は、拡張_欠失_1、配列番号1の位置181~243に相当する残基が欠失されている、バリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号8は、拡張_欠失_2、配列番号1の位置178~240に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号9は、拡張_欠失_3、配列番号1の位置178~243に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号10は、拡張_欠失_4、配列番号1の位置177~243に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号11は、拡張_欠失_5、配列番号1の位置176~243に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号12は、拡張_欠失_6、配列番号1の位置175~243に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号13は、拡張_欠失_7、配列番号1の位置174~243に相当する残基が欠失されているバリアントセリンプロテアーゼである。
配列番号14は、B.アンシラシス・ステルン(B. anthracis Sterne)からのBclAのアミノ酸1~41である。
植物の病害生物及び病原体は、作物植物に重大な損傷を与え、かなりの経済的損失につながる可能性がある。最近の研究により、物病害生物又は病原体による損傷を軽減できる酵素を発現する細菌株が開発されるようになり、それは、種子、茎葉又は土壌処理として使用して植物の健康と収量を改善することができる。しかしながら、植物寄生性線虫など、特に広範な収量損失の原因となる特定の病害生物を処理するための改善された酵素が必要とされている。
セリンプロテアーゼを発現する細菌は、殺線虫活性並びに抗真菌活性を示す。本発明は、改善されたセリンプロテアーゼ活性を有するセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを提供するものであり、それを組換え細菌株で発現させて植物の健康を改善し、収量を高めることができる。
<I.セリンプロテアーゼ>
セリンプロテアーゼは、最大のそして最も広く分布している種類のプロテアーゼの一つである。セリンプロテアーゼは、タンパク質の特異的認識部位内のセリン残基でペプチド結合を開裂させ、細菌が環境中の栄養素を摂るために使用されることが非常に多い。セリンプロテアーゼは、線虫の腸組織の消化を通じて殺線虫活性を示すことも明らかになっている。サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)及びダイズシストセンチュウに対して殺線虫活性を示すバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1株の研究により、その株が産生するセリンプロテアーゼがセリンプロテアーゼ活性を有し、線虫の腸組織を破壊することがわかった。Geng, C., et al., Scientific Reports, 2016, vol. 6, no. 25012。
他の研究により、真菌性植物病原体及びピシウム属などの卵菌などの病原体に対して活性を有することが明らかになっている。Dunne, et al., Microbiology, 2000, vol. 146, pp. 2069-2078及びYen, Y., et al., Enzyme and Microbial Technology, 2006, vol. 39, pp. 311-317。
本明細書で提供される配列番号1及び2は、セリンプロテアーゼ活性を示す、又は示すと予測される野生型及びバリアント酵素のアミノ酸配列である。したがって、例えば配列番号1は、野生型セリンプロテアーゼ酵素のアミノ酸配列を提供する。配列番号2は、配列番号1のアミノ酸181~240の欠失を除いて、配列番号1と同じ酵素のアミノ酸配列を提供するものであり、そのため配列番号1と2は81%の配列類似性を有する。Gengら、2016で参照された触媒残基は、配列番号2のバリアントセリンプロテアーゼアミノ酸配列では維持されている。
<II.セリンプロテアーゼバリアント>
本明細書に記載のセリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドは、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)セリンプロテアーゼ酵素とも称されるバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)からのセリンプロテアーゼを含むことができる。別の実施形態において、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)からのセリンプロテアーゼは、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)株からのSep1酵素であることができる。さらに別の実施形態において、前記セリンプロテアーゼは、配列番号1であるバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1からのSep1酵素であることができる。さらに別の実施形態において、前記セリンプロテアーゼは、別のバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)株からのSep1酵素であることができる。
さらに又は或いは、セリンプロテアーゼ活性を有する本明細書で提供される酵素は、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)細菌からの野生型セリンプロテアーゼ酵素の配列に対して少なくとも一つのアミノ酸置換又は欠失を有するアミノ酸配列を含むことができ、そのアミノ酸置換又は欠失は、野生型酵素の触媒残基を保持しており、同じ条件下で、野生型セリンプロテアーゼ酵素のセリンプロテアーゼ活性と比較して同じ又は高いセリンプロテアーゼ活性を有するものとなっている。
一部の実施形態において、前記酵素は、同じ条件下での野生型セリンプロテアーゼ酵素のセリンプロテアーゼ活性と比較して、高いセリンプロテアーゼ活性を有する。
一部の実施形態において、本発明のバリアントセリンプロテアーゼは、同じ条件下で生産されているがバリアントセリンプロテアーゼによる処理を行っていない植物と比較した場合に、線虫及び/又は処理された植物における線虫損傷を少なくとも約0.5%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約6%、又は少なくとも約7%、又は少なくとも約8%、又は少なくとも約9%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約11%、又は少なくとも約12%低下させる。
一部の実施形態において、本発明のバリアントセリンプロテアーゼは、同じ条件下で生産されているがバリアントセリンプロテアーゼによる処理を行っていない植物と比較した場合に、真菌増殖及び/又は処理植物に対する真菌損傷を少なくとも約0.5%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約6%、又は少なくとも約7%、又は少なくとも約8%、又は少なくとも約9%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約11%、又は少なくとも約12%低下させる。
本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、それらの由来となる塩基配列に対して1以上の変異、欠失又は挿入を含むことができる。ある種の実施形態において、セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1と比較して1以上の変異、欠失又は挿入を有することができる。他の実施形態において、セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1~13のいずれかと比較して1以上の変異、欠失又は挿入を有することができる。配列番号1~13のいずれかから誘導されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1~13のいずれかのセリンプロテアーゼ活性を有することができる。配列番号1~13のいずれかから誘導されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1~13と比較して高いセリンプロテアーゼ活性を有することができるか、配列番号1~13と比較して低いセリンプロテアーゼ活性を有することができる。
本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の所与の残基に相当する残基で1以上の変異、欠失、又は挿入を含むことができる。本明細書で使用される場合、「配列番号1の所与の残基に相当する残基」とは、その残基を含む配列が配列番号1と至適にアラインメントされている場合、その残基は配列番号1のその所与の残基とアラインメントされていることを意味する。例えば、ある配列が配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸を含む場合、その配列は、二つの配列が至適にアラインメントされている場合、配列番号1の残基49とアラインメントされたアスパラギン酸を含む。
ある種の実施形態において、本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の残基181~240のいずれかに相当する少なくとも一つの残基のアミノ酸欠失(配列番号2でのものなど)を含む。この実施形態の1態様において、前記セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の残基181~240すべての欠失を含むわけではない。1実施形態において、前記アミノ酸欠失は、配列番号1の残基181~240のいずれかに相当する少なくとも2個の残基、少なくとも3個の残基、少なくとも4個の残基、少なくとも5個の残基、少なくとも6個の残基、少なくとも7個の残基、少なくとも8個の残基、少なくとも9個の残基、少なくとも10個の残基、少なくとも11個の残基、少なくとも12個の残基、少なくとも13個の残基、少なくとも14個の残基、少なくとも15個の残基、少なくとも16個の残基、少なくとも約20個の残基、少なくとも約30個の残基、少なくとも約40個の残基、少なくとも約50個の残基、少なくとも約51個の残基、少なくとも約52個の残基、少なくとも約53個の残基、少なくとも約54個の残基、少なくとも約55個の残基、少なくとも約56個の残基、少なくとも約57個の残基、少なくとも約58個の残基、又は少なくとも約59個の残基を含む。この実施形態の1態様において、前記セリンプロテアーゼバリアントは、少なくとも配列番号1の残基182~211に相当する残基のアミノ酸欠失を含む(配列番号6)。
他の実施形態において、本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1のアミノ酸残基181~240の一部又は全部、及び追加のアミノ酸残基のアミノ酸欠失を含む。本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、少なくとも配列番号1の残基226~242に相当する残基(配列番号4)のアミノ酸欠失又は少なくとも配列番号1の残基212~241に相当する残基(配列番号5)のアミノ酸欠失をさらに含むことができる。本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、少なくとも配列番号1の残基177~243に相当する残基(配列番号10)のアミノ酸欠失又は少なくとも配列番号1の残基178~243に相当する残基(配列番号9)のアミノ酸欠失又は少なくとも配列番号1の残基178~240に相当する残基(配列番号8)のアミノ酸欠失又は少なくとも配列番号1の残基181~243に相当する残基(配列番号7)のアミノ酸欠失をさらに含むことができる。
前記提供のセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1のポリペプチドと比較して高いセリンプロテアーゼ活性又は高い抗真菌活性を示し得る。
本明細書に開示のセリンプロテアーゼバリアントは、それらが由来する塩基配列、例えば配列番号1~13のいずれか、又は1例示的実施形態では配列番号1と比較して1以上の保存的変異を含むことができる。図2で示したように、セリンプロテアーゼバリアントは、アラインメントされた配列間でかなりの程度のアミノ酸残基型類似性を共有している。例えば、アミノ酸は、その構造、大きさ、電荷及びアミノ酸の水溶解度に対する影響に従って、次の5群:非極性脂肪族(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、及びプロリン)、芳香族(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、極性非荷電性(セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン)、負荷電(アスパラギン酸、グルタミン酸)、及び正荷電(リジン、アルギニン、ヒスチジン)に分類することができる。従って、本発明のセリンプロテアーゼバリアントは、非極性脂肪族残基が異なる非極性脂肪族残基で置き換わっている、芳香族残基が異なる芳香族残基で置き換わっている、極性非荷電性残基が異なる極性非荷電性残基で置き換わっている、負荷電残基が異なる負荷電残基で置き換わっている、又は正荷電残基が異なる正荷電残基で置き換わっている配列番号1~13のいずれかと比較して保存的変異を含むことができる。本発明のセリンプロテアーゼバリアントは、一つのアミノ酸残基が類似のR基を有する異なるアミノ酸残基で置き換わっている配列番号1~13のいずれかと比較して保存的変異を含むこともでき、例えばセリン/トレオニン、アスパラギン酸/グルタミン酸、アスパラギン/グルタミン、又はロイシン/イソロイシンである。保存的変異を含むセリンプロテアーゼバリアントは、それらが由来する塩基配列と同じ、それより高い又は低いセリンプロテアーゼ活性を示すことができる。
本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントはさらに、セリンプロテアーゼ活性に関連する1以上の保存された残基、領域若しくはドメイン、又はそれの保存的置換を含むことができる。例えば、セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の残基49に相当する位置にアスパラギン酸残基を含むことができる。セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の残基86に相当する位置にヒスチジン残基を含むことができる。さらに又は或いは、セリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1の残基244に相当する位置にセリン残基を含むことができる。Asp49、His86、及びSer244が野生型酵素における触媒三つ組に関与しており、図2では矩形で識別される。Geng, et al., 2016。セリンプロテアーゼバリアントはまた、配列番号1におけるAsp49、His86及びS244の触媒三つ組に相当する残基のいずれかで保存的変異を含むことができる。セリンプロテアーゼバリアントはまた、配列番号1の残基177に相当する位置にアスパラギン残基又はそれの保存的置換を含むことができる。
本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントはさらに、配列番号1のGly122、Ser123、Gly124、Gln125、及びTyr126及び/又はMet146、Ser147、Leu148、Gly149、Gly150、Pro151に相当する位置に保存された基質結合溝を含むことができる。ある種の実施形態において、本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1のGly122、Ser123、Gly124、Gln125、及びTyr126及び/又はMet146、Ser147、Leu148、Gly149、Gly150、Pro151に相当する位置に配列番号1と同一の残基を含む。本発明のセリンプロテアーゼバリアントはさらに、配列番号1の残基122~126及び146~151に相当する位置に保存的変異を含むことができる。本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは、配列番号1のポリペプチドと比較して同一若しくは高い基質結合を示すことができ、配列番号1の残基122に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基123に相当する残基にセリン、配列番号1の残基124に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基125に相当する残基にグルタミン、配列番号1の残基126に相当する残基にチロシン、配列番号1の残基146に相当する残基にメチオニン、配列番号1の残基147に相当する残基にセリン、配列番号1の残基148に相当する残基にロイシン、配列番号1の残基149に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基150に相当する残基にグリシン、又は配列番号1の残基151に相当する残基にプロリン、又はこれら残基のいずれかの保存的置換を含むことができる。
本明細書で提供されるセリンプロテアーゼバリアントは配列番号1のアミノ酸残基に代えて非天然アミノ酸を含むこともでき、ただしこの置換されたアミノ酸を有するセリンプロテアーゼバリアントがセリンプロテアーゼ活性を保持する限りにおいてである。
セリンプロテアーゼバリアントは、合成的に製造された又は操作されたポリペプチドであることができるか、又は2以上の異種ポリペプチドの融合によって製造することができる。セリンプロテアーゼバリアントをコードする変性セリンプロテアーゼバリアント又はDNA配列の製造方法は当業界では公知である。遺伝暗号の縮重のために、各種の異なるポリヌクレオチド配列が本明細書で開示のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントをコードすることができる。全ての可能なトリプレットコドン(及びUがTに代わることも)及び各コドンによってコードされるアミノ酸は当業界で公知である。さらに、それをコードする代替のポリヌクレオチド配列、又は本開示の実質的に同じ変異ポリペプチドを作ることは、当業者の能力の範囲内である。本開示の野生型又は変異ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の対立遺伝子バリアントも、本開示の範囲に包含される。
本発明はさらに、本明細書で開示のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントをコードする組換えDNA分子を提供する。さらに、プロモーター又は他の制御要素と作動可能に連結された本発明のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントをコードするDNA分子を含む組換えDNA構築物も提供される。ある種の実施形態において、前記プロモーターは、組換えDNA分子に関して異種であることができる。本明細書で使用される場合、「異種」という用語は、組み合わせが通常は天然には認められない場合に、2以上のDNA分子の組み合わせを指す。例えば、二つのDNA分子が異なる生物種由来のものであることができ、及び/又は二つの分子が異なる遺伝子、例えば同じ生物種からの異なる遺伝子又は異なる生物種からの同じ遺伝子由来のものであることができる。従って、制御要素は、そのような組み合わせが天然では通常は認められない場合、すなわち、組換えDNA分子が、天然ではプロモーターに作動可能に連結されて生じない場合、作動可能に連結された転写可能なDNA分子に関して異種である。
本明細書で使用される場合、「組換えポリペプチド」は、ヒトの介入がなければ天然には一緒に起こらないと考えられるポリペプチドの組み合わせを含むポリペプチドである。例えば、組換えポリペプチドは、少なくとも二つの互いに関して異種であるポリペプチド、天然に存在するポリペプチド配列由来であるポリペプチド配列を含むポリペプチド、合成ポリペプチド配列を含むポリペプチド又は形質転換若しくは遺伝子編集によって「宿主細胞」のDNAに組み込まれた組換えDNA配列によって発現されるポリペプチドからなるポリペプチドであることができる。
本出願において「単離ポリペプチド」又は等価な用語若しくは語句への言及は、そのポリペプチドが、単独で又は他の組成物と組み合わせて存在するが、その自然環境内には存在しないものであることを意味することを意図している。同様に、セリンプロテアーゼ又は任意の天然セリンプロテアーゼバリアントをコードするDNA分子は、ヌクレオチド配列が、そのタンパク質をコードする配列が天然で認められる細菌のDNA内にない限り、単離DNA分子である。天然セリンプロテアーゼのアミノ酸配列をコードする合成ヌクレオチド配列は、本開示に関しては単離されたと考えられるであろう。本開示に関しては、任意のトランスジェニックヌクレオチド配列、すなわち、植物若しくは細菌の細胞のゲノムに挿入された、又は染色体外ベクターに存在するDNAのヌクレオチド配列は、細胞を形質転換するのに使用されるプラスミド又は類似の構造内、植物又は細菌のゲノム内に存在するか、植物又は細菌に由来する組織、子孫、生体サンプル又は商品製品中に検出可能な量で存在するか否かを問わず、単離ヌクレオチド配列であると考えられるものであろう。
本開示はさらに、セリンプロテアーゼの改善された変異体が、当技術分野で知られている様々な遺伝子編集法を使用することによって細胞内で操作され得ることを企図するものである。ゲノム編集に使用されるこのような技術には、ZFN(ジンク・フィンガーヌクレアーゼ)、メガヌクレアーゼ、TALEN(転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ)、及びCRISPR(規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列)/Cas(CRISPR関連)システムなどがあるが、これらに限定されるものではない。これらのゲノム編集法は、植物細胞内で形質転換されたセリンプロテアーゼコード配列を異なるセリンプロテアーゼコード配列に変えるのに使用することができる。具体的には、これらの方法により、セリンプロテアーゼコード配列内の1以上のコドンを変更して、新しいタンパク質アミノ酸配列を作る。或いは、コード配列内の断片を置換若しくは欠失させるか、追加のDNA断片をコード配列に挿入して、新しいセリンプロテアーゼコード配列を作る。その新しいコード配列は、昆虫病害生物に対する活性又はスペクトルの上昇/増加などの新しい特性を有するセリンプロテアーゼをコードし、元の昆虫毒素タンパク質に対して耐性が発達した昆虫病害生物種に対する活性を提供することができる。遺伝子編集されたセリンプロテアーゼコード配列を含む植物細胞は、当技術分野で公知の方法によって使用して、変性セリンプロテアーゼを発現する細菌又は植物細胞を含む細胞を生成することができる。
本明細書に記載のセリンプロテアーゼ酵素について、「配列同一性」又は「パーセント配列同一性」又は「%配列同一性」は、一方の配列をアラインメントされる他方の配列の正確なコピーに変換するために必要な編集操作(例えば、挿入、欠失及び置換)を最小数とするべく、至適な一致を得るような形で配列の全長をアラインメントすることで決定される。European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI)ウェブサイトから入手可能なアルゴリズムであるEMBOSS Needle Pairwise Sequence Alignmentが、そのような解析の1例である。
或いは又はさらに、セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも70%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
例えば、セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも75%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも80%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも85%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも90%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも95%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも98%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも99%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素は、配列番号1~13の1以上に対して少なくとも100%同一性を有するものと定義されるアミノ酸配列を含むことができる。
例えば、その酵素は、配列番号1~13のいずれかを含むことができる。
或いは、その酵素は、配列番号1~13のいずれかからなることができる。
さらに、セリンプロテアーゼ活性を有し、配列番号1~13のいずれか1以上に対して70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%の配列同一性を有する酵素は、配列番号2(配列番号1のアミノ酸181~240の)における欠失を含むことができる。
<III.遊離酵素>
本明細書に記載の酵素のいずれも、遊離酵素として、又は組換え微生物で発現される酵素として使用することもできる。
<IV.バチルス・セレウス(Bacillus cereus)のエキソスポリウムでのセリンプロテアーゼバリアントの発現>
本発明のセリンプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼバリアントは、融合タンパク質を組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のエキソスポリウムに向ける標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片を含む融合タンパク質としても発現され得る。その融合タンパク質はさらに、本明細書に記載のセリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む。バチルス・セレウス(Bacillus cereus)菌で発現されると、これらの融合タンパク質は胞子のエキソスポリウム層に向い、セリンプロテアーゼが胞子の外側に表示されるように物理的に配向される。
本明細書に記載のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを含む融合タンパク質は、その融合タンパク質を組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のエキソスポリウムに向けさせることができる標的化配列を含むことができる。BclA及びBclBのN末端領域からの特定の配列を用いて、ペプチド又はタンパク質をバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員内生胞子のエキソスポリウムに向かわせることができることが以前に発見されている(米国特許出願公開第2010/0233124号及び2011/0281316号、及びThompson et al., “Targeting of the BclA and BclB Proteins to the Bacillus anthracis Spore Surface”, Molecular Microbiology 70(2):421-34 (2008)を参照する)。また、バチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)のBetA/BAS3290タンパク質はエキソスポリウムに局在することも認められている。融合タンパク質に取り込まれ、組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のエキソスポリウムに対象のペプチド又はタンパク質を向かわせるために使用され得る、さらなる標的化配列、並びにエキソスポリウムタンパク質及びエキソスポリウムタンパク質断片が、米国特許出願公開公報第2016/0031948及び2016/0108096号に記載されており、それらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
バチルスは、桿菌の属である。バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科の細菌には、エキソスポリウムを産生することができるバチルス種などがある、従って、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科の菌には、種バチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・シュードミコイデス(Bacillus pseudomycoides)、バチルス・サマニイ(Bacillus samanii)、バチルス・ガエモケンシス(Bacillus gaemokensis)、バチルス・ウェイヘンステファネンシス(Bacillus weihenstephanensis)、及びバチルス・トヨネンシス(Bacillus toyonensis)などがある。ストレスの多い環境条件下では、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科細菌は胞子形成を起こし、長期間休眠状態を維持できる楕円形の内生胞子を形成する。内生胞子の最外層は、エキソスポリウムとして知られており、毛のような突起の外側の毛羽に囲まれた基底層を有する。毛のような毛羽のフィラメントは、主にコラーゲン様糖タンパク質BclAによって形成されるが、基底層は多数の異なるタンパク質からなる。別のコラーゲン関連タンパク質であるBclBもエキソスポリウムに存在し、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員の内生胞子で露出している。表面の毛羽の主構成要素であるBclAは、そのアミノ末端(N末端)が基底層に位置し、そのカルボキシ末端(C末端)が胞子から外側に伸びた状態でエキソスポリウムに付着していることが明らかになっている。
科学文献では、バチルスセレウス(Bacillus cereus)「科」又は「群」をバチルス属内の下位群として説明している。Priest et al., “Population Structure and Evolution of the Bacillus cereus Group,” J. Bacteriology, 2004, vol. 186, no. 23, pp.7959-7970; Peng et al., “The Regulation of Exosporium-Related Genes in Bacillus thuringiensis,” Nature Scientific Reports, 2016, vol. 6, no. 19005, pp.1-12を参照する。Pengらは、次のように述べている。
B.セレウス(B.cereus)群の胞子は、複雑な多層構造体である。核様体含む核が、胞子コートに囲まれたペプチドグリカン皮質内に封入されている。全てのB.セレウス(B.cereus)群種の胞子は、エキソスポリウムと称される追加のゆったりとした層に囲まれており、そのエキソスポリウムは、コートが成熟胞子の最外層を構成している枯草菌(Bacillus subtilis)などの他の種上には存在しない。エキソスポリウムは、胞子の外側の透過性バリアとして機能し、胞子の生存と病原性に寄与する風船のような層である。
本発明の標的化配列、エキソスポリウムタンパク質又はエキソスポリウムタンパク質断片はまた、標的化機能を提供するモチーフの観点から記述することもできる。BclAのアミノ末端領域(配列番号14)と、多くの他のバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員エキソスポリウムタンパク質の相当するアミノ末端領域との配列アラインメントは、BclAアミノ酸20~35に保存されたモチーフがあり、BclAのアミノ酸25~35に、より高度に保存されたモチーフがあることを示している。詳細については、国際公開番号WO2019/060574の図1A及び1Bで提供されているアラインメントを参照する。このより高度に保存された領域は、ExsFA/BxpB/ExsFB及び同族体の認識配列であり、それは、記述されたエキソスポリウムタンパク質をエキソスポリウム表面で誘導及び組み立てる。
さらに、BclAのアミノ酸20~35は保存されており、アミノ酸25~35はより保存されているが、標的化配列がタンパク質をエキソスポリウムに向ける能力に影響を与えることなく、ある程度の変動がこの領域で生じる可能性がある。BclAのアミノ酸20~35との同一性が54.5%である、BclAのアミノ酸20~35との43.8%という低い標的化配列同一性を有する配列(配列番号14)は、融合タンパク質をエキソスポリウムに向かわせる能力を保持する。いくつかのデータが、PCT公開番号WO2016/044661の実施例59の表58で提供されており、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
これらのデータは、BclAのアミノ酸20~35(配列番号14)と50~68.8%の同一性を有する(BclAのアミノ酸25~35に対する同一性は63.6%~81.8%である)標的化配列を使用して、対象のタンパク質(例えば、酵素)のエキソスポリウムタンパク質への標的化を達成できることを示している。このようなモチーフは、融合タンパク質を組換えバチルス属細菌のエキソスポリウムに向かわせ、配列X-X-X-X-X-X-X-X-X-X10-X11-X12-X13-X14-X15-X16を含み、
はいずれかのアミノ酸であるか非存在であり;
はフェニルアラニン(F)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、又はメチオニン(M)であり;
はいずれかのアミノ酸であり;
はプロリン(P)又はセリン(S)であり;
はいずれかのアミノ酸であり;
はロイシン(L)、アスパラギン(N)、セリン(S)、又はイソロイシン(I)であり;
はバリン(V)又はイソロイシン(I)であり;
はグリシン(G)であり;
はプロリン(P)であり;
10はトレオニン(T)又はプロリン(P)であり;
11はロイシン(L)又はフェニルアラニン(F)であり;
12はプロリン(P)であり;
13はいずれかのアミノ酸であり;
14はいずれかのアミノ酸であり;
15はプロリン(P)、グルタミン(Q)、又はトレオニン(T)であり;
16はプロリン(P)、トレオニン(T)、又はセリン(S)である
標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片に存在する。
標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片のいずれかを使用して、本明細書に記載のセリンプロテアーゼ活性を有するタンパク質を含む対象のタンパク質又はペプチドを組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のエキソスポリウムに向かわせることができる。
本明細書に記載の融合タンパク質のいずれかを発現するバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員の胞子形成時に、標的化モチーフ、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片は、胞子エキソスポリウムアセンブリ機構によって認識され、エキソスポリウムに向けられ、その結果、胞子の外側の融合タンパク質(例えば、セリンプロテアーゼ活性を有する酵素)の対象部分のタンパク質又はペプチドが表示される。
異なる標的化配列を使用することで、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員胞子の表面上の融合タンパク質の発現レベルの制御が可能となる。本明細書に記載の標的化配列の特定のものを使用すると、融合タンパク質の発現レベルが高くなり、標的化配列の他のものを使用すると、胞子の表面での融合タンパク質の発現レベルが低くなる。
本明細書に記載の融合タンパク質のいずれにおいても、標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片は、Xがいずれかのアミノ酸であるカルボキシ末端のアミノ酸配列GXTを含むことができる。
本明細書に記載の融合タンパク質のいずれにおいても、標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片は、配列番号14のアミノ酸20に相当する標的化配列の位置にアラニン残基を含むことができる。
本明細書に記載の融合タンパク質のいずれにおいても、標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片はさらに、標的化配列、エキソスポリウムタンパク質若しくはエキソスポリウムタンパク質断片の最初のアミノ酸の直前のアミノ酸位置又は配列番号14のアミノ酸20に相当する標的化配列の位置にメチオニン、セリン、又はトレオニン残基を含むことができる。
このバチルスエキソスポリウムディスプレイ(BEMD)システムを使用して、本明細書に記載のセリンプロテアーゼ若しくはセリンプロテアーゼバリアントを植物に(例えば、植物の葉、果実、花、茎、又は根に)又は土壌などの植物成長培地に送達することができる。このようにして土壌又は別の植物成長培地に送達される酵素及びタンパク質は、土壌中で長期間にわたり活性を持続し、示す。本明細書に記載のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを含む融合タンパク質を発現する組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員細菌を土壌又は植物の根圏に導入することで、多くの異なる土壌条件で、植物成長が有効に促進され、及び/又は線虫などの病害生物が防除される。これらの酵素を作るためにBEMDを使用することで、植物の寿命の最初の数か月間、植物と根圏に有益な結果をもたらし続けることができる。
さらに、BEMDシステムは、国際公開第WO2016/044661号に記載されているように、組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のエキソスポリウムを胞子から除去して、融合タンパク質を含むエキソスポリウム断片を生成できるように改変することができる。そのエキソスポリウム断片はまた、セリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを無細胞調製物で植物に送達するのに使用することができる。
<V.製剤>
本明細書で提供される組換えセリンプロテアーゼのいずれかを含む宿主細胞を含む製剤がさらに提供される。特定の例において、宿主細胞は細菌宿主細胞、例えば組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員であり得る。本明細書で提供される製剤は、農業上許容される担体をさらに含んでもよい。
別の実施形態において、本明細書で提供される製剤は、本明細書で提供される組換えセリンプロテアーゼのいずれかを含む宿主細胞に由来するエキソスポリウム断片を含み得る。一部の例において、エキソスポリウム断片は、組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員などの細菌宿主細胞由来であることができる。当該製剤は、農業上許容される担体をさらに含んでもよい。
<VI.トランスジェニック植物>
本発明の1態様は、本発明によって提供されるセリンプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼバリアントをコードする組換えDNA分子を含む、トランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物組織、トランスジェニック植物、及びトランスジェニック種子を含む。本発明はさらに、本明細書で開示のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを発現する又は含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物組織、トランスジェニック植物、及びトランスジェニック種子を提供する。組換えDNA分子、セリンプロテアーゼ、又はセリンプロテアーゼバリアントを含むこれらの植物細胞、植物組織、植物、及び種子は、植物寄生線虫に対する抵抗性又は真菌抵抗性を示し得る。
本発明で使用するための宿主植物細胞の形質転換に適した方法には、事実上、DNAを細胞に導入することができる方法(例えば、組換えDNA構築物が植物染色体に安定的に組み込む場合)などがあり、それらは当該記述分野で公知である。組換えDNA構築物を植物に導入するための例示的かつ広く利用されている方法は、当業者に周知のアグロバクテリウム形質転換系である。トランスジェニック植物は、植物細胞培養の方法によって、形質転換植物細胞から再生することができる。
本発明のトランスジェニック植物、子孫、種子、植物細胞及び植物部分は、1以上の追加のトランスジェニック形質も含み得る。追加のトランスジェニック形質は、本発明によって提供される組換えDNA分子を含む導入遺伝子を含む植物を、追加のトランスジェニック形質を含む別の植物と交配させることによって導入することができる。本明細書で使用される場合、「交配」は、後代植物を生産するために二つの個々の植物を育種することを意味する。したがって、二つのトランスジェニック植物を交配させて、トランスジェニック形質を含む子孫を作出することができる。本明細書で使用される場合、「子孫」は、親植物のいずれかの世代の子孫を意味し、トランスジェニック子孫は、本発明によって提供され、少なくとも一つの親植物から受け継がれたDNA構築物を含む。或いは、追加のトランスジェニック形質は、その追加のトランスジェニック形質のためのDNA構築物を、本発明によって提供される組換えDNA分子を含むDNA構築物で(例えば、植物の形質転換に使用される同じベクターの一部として存在する全てのDNA構築物で)同時形質転換することによって、又は追加の形質を、本発明によって提供されるDNA構築物を含むトランスジェニック植物に挿入することによって、又はその逆によって(例えば、トランスジェニック植物若しくは植物細胞での植物形質転換の方法のいずれかを使用することによって)導入することができる。
本発明によって提供されるトランスジェニック形質を含むトランスジェニック植物及び子孫は、当技術分野で一般に知られている任意の育種方法で使用することができる。2以上のトランスジェニック形質を含む植物系統において、トランスジェニック形質は、3以上のトランスジェニック形質を含む植物系統において独立して分離、連結、又は両方の組み合わせであることができる。親植物への戻し交配及び非トランスジェニック植物との異系交配もまた、栄養繁殖と同様に想定される。異なる形質及び作物に一般的に使用される育種方法の説明は、当業者に周知である。特定の植物又は種子における導入遺伝子の存在を確認するために、多様なアッセイを行うことができる。そのようなアッセイには、例えば、サザンブロッティング及びノーザンブロッティング、PCR、及びDNA配列決定などの分子生物学アッセイなどがある。例えば、免疫学的手段(ELISA及びウェスタンブロット)又は酵素機能による、タンパク質産物の存在の検出などの生化学的アッセイ;葉若しくは根のアッセイなどの植物部分のアッセイ;さらには、植物全体の表現型を分析することによる。
<VII.処理された種子>
処理された植物種子がさらに提供される。植物種子は、組換え細菌など、本明細書で提供される組換えセリンプロテアーゼのいずれかを含む宿主細胞で処理することができる。その組換え細菌は、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)科の構成員であることができる。組換え細菌は、本明細書に記載のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントのいずれかを発現し得る。
本明細書に記載のエキソスポリウム断片のいずれかで処理され得る、処理された植物種子がさらに提供される。エキソスポリウム断片は、本明細書に記載のバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員のいずれかに由来することができる。エキソスポリウム断片は、本明細書に記載のセリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントのいずれかを含むことができる。
本明細書に記載の製剤のいずれかで処理された植物種子がさらに提供される。
提供される処理された植物種子のいずれにおいても、植物種子は、組換え細菌などの本明細書で提供される組換えセリンプロテアーゼのいずれかを含む宿主細胞で、又は提供される組換えセリンプロテアーゼを含むエキソスポリウム断片で、又は提供される組換えセリンプロテアーゼを含む製剤でコーティングされることができる。
宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤は、種子処理、例えば、種子コーティング又はドレッシングとして使用することができる。種子コーティング又はドレッシング製剤は、液体担体製剤、スラリー製剤、又は粉末製剤の形態であり得る。
種子コーティング又はドレッシング製剤は、種子処理剤が種子に粘着し、かつ、種子をコーティングする粘着性を有するように提供される通常の添加物とともに施用することができる。好適な添加剤は、タルク、グラファイト、ガム、安定化ポリマー、コーティングポリマー、仕上げポリマー、種子流動及び植栽性のためのスリップ剤、化粧品剤、及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース材料を含む。
種子処理製剤は、着色剤及び/又は他の添加剤をさらに含むことができる。
種子処理製剤は、水又は粉末のような適当な担体中で種子に施用することができる。その後、種子を乾燥させ、通常の方法で植えることができる。宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤は、溶液として、又は他の市販の添加剤と組み合わせて、種子に直接施用することができる。例えば、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤は、実生が許容できる担体(例えば、液体担体又は固体担体)と組み合わせて施用することができる。
宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤を含む液剤は、種子に噴霧するか、さもなければ種子に施用することができる(例えば、種子スラリー又は種子浸漬液中)。
組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤を含む固体又は乾燥材料も、効果的な実生発芽、成長、及び初期実生定着中の保護を促進するのに有用である。
組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤は、水、緩衝液(例えば、クエン酸又はリン酸緩衝液)、他の処理剤(例えば、アルコール又は他の溶媒)、及び/又は任意の可溶性剤のような可溶化担体と共に使用することができる。
さらに、少量の乾燥剤増強剤、例えば低級アルコールなどを種子コーティング製剤に使用することができる。
種子コーティング生産物の安定性を高めるために、界面活性剤、乳化剤及び保存剤を比較的低いレベル(例えば、約0.5%w/v以下)で添加することもできる。
種子は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を含む水溶液を種子又は種子上に注入、ポンプ送り、振りかけ又は噴霧する;又はコンベアシステムの使用の有無にかかわらず、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を種子層上に噴霧又は施用するなど(これらに限定されるものではない)の各種方法を用いて処理することができる。
種子処理に有用な混合装置には、ダンブラー、混合池、混合ドラム、及びコーティングしながら種子を封じ込めるのに使用される池又はドラムを含む流体施用装置などがあるが、これらに限定されない。
種子処理の後、種子は風乾することができるか、乾燥空気の流れを用いて、種子コーティングの乾燥を助けても良い。
組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を含む種子処理剤は、市販の種子処理装置を用いて施用することができるか、注射器又は任意の他の種子処理装置の使用のような任意の許容される非商業的方法を用いて施用することもできる。
<VIII.植物の成長を刺激する方法及び/又は植物の健康を促進する方法及び/又は植物病原体を防除する方法>
植物の成長を刺激し、及び/又は植物の健康を促進し、及び/又は線虫などの植物害虫を防除し、及び/又は植物病原体を防除するための方法が提供される。この方法は、本明細書で提供されるセリンプロテアーゼを、植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲領域に施用すること、及び植物害虫と組換え宿主細胞を接触させることを含む。組換え宿主細胞は、本明細書に記載の組換え宿主細胞のいずれかを含むことができる。組換え宿主細胞は、本明細書に記載のセリンプロテアーゼのいずれかを発現することができる。
植物の成長を刺激し、及び/又は植物の健康を促進し、及び/又は植物害虫(例えば、線虫)を防除し、及び/又は植物病原体を防除するための別の方法が提供される。この方法は、エキソスポリウム断片を植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲領域に施用するか、植物害虫とエキソスポリウム断片とを接触させることを含む。エキソスポリウム断片は、本明細書に記載の組換えバチルス・セレウス科構成員のいずれに由来するエキソスポリウム断片を含み得る。エキソスポリウム断片は、本明細書に記載のセリンプロテアーゼのいずれかを含むことができる。
植物の成長を刺激し、及び/又は植物の健康を促進し、及び/又は線虫などの植物害虫を制御し、及び/又は植物病原体を制御するためのさらに別の方法が提供される。この方法は、植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲領域に本明細書で提供される製剤を施用することを含む。製剤は、本明細書に記載の製剤のいずれかを含むことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、この方法は、組換え細菌宿主細胞を植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲領域に施用する前に、組換え細菌宿主細胞を不活化することをさらに含むことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、この方法は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物成長培地に施用することを含むことができる。
植物成長培地の使用が関与する本明細書に記載の方法のいずれにおいても、植物成長培地は、土壌、水、水溶液、砂、砂利、多糖類、根覆い、堆肥、ピートモス、わら、丸太、粘土、大豆ミール、酵母エキス、又はこれらの組合せを含むことができる。
植物生育培地は肥料を含むことができる。
本明細書に記載の方法はいずれも、植物成長培地に酵素のための基質を補充することをさらに含むことができる。好適な基質には、タンパク質ミール、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、又はこれらのいずれかの組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、この方法は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物に施用することを含むことができる。
例えば、この方法は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物の根に施用することを含むことができる。
或いは又は加えて、この方法は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を茎葉施用することを含むことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、この方法は、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物種子に施用することを含むことができる。
当該方法が、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物種子に施用することを含む場合、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植物種子に施用することは、(a)組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤を植栽時に植物種子に施用すること;又は(b)組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤で植物種子を被覆すること、を含むことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、制御される植物病害生物は、例えば、線虫門からの植物寄生性害虫、例えば、アグレンチウス属、ブルサフェレンコス属、クリコネムス属、ジクモドロス属、グリコデラ属、ヘミコネモイドセラ属、ヘミシクロフォラ属、フンギドルス属、リグス属、メロイドギネマ属、ナコブス属、ネオティレンコス属、パラフェレンチウス属、パラチロネクス属、プラチレンチウス属、プシレンチウス属、プシレンチウス属、パンクトデラ属 キニスルシウス属、ラドホルス属、ロチレンチウス属、スクテロネマ属、トリコドルス属、タイレンチウス属、キシフィネマ属であることができる。
本明細書に記載された方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育させた植物は、酵素又は微生物の不在下で同じ条件下で生育させた植物と比較して、生育の増加を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤が施用された種子は、同じ条件下で、酵素又は微生物が施用されていない種子と比較して、発芽率の増加を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育させた植物は、酵素又は微生物の非存在下で生育させた植物と比較して、同じ条件下で増加した栄養吸収を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育した植物は、酵素又は微生物の非存在下で生育した植物と比較して、同じ条件下で、線虫などの害虫に対する感受性の低下を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育した植物は、酵素又は微生物の不在下で生育した植物と比較して、同じ条件下で、根重量当たりの虫こぶ減少、包?減少、及び/又は線虫減少を含む線虫損傷の減少を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤が施用された植物、又は土壌などの植物が生育する場所は、酵素又は微生物の不在下で生育する植物と比較して、同じ条件下で、土壌容積当たりの線虫卵の減少及び/又は線虫の減少を示すことができる。
1実施形態において、本発明の組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤は、処理なしで同じ条件下で生産される植物と比較した場合に、線虫及び/又は線虫損傷を少なくとも約0.5%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約6%、又は少なくとも約7%、又は少なくとも約8%、又は少なくとも約9%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約11%、又は少なくとも約12%減少させる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育させた植物は、酵素又は微生物の非存在下で生育させた植物と比較して、同じ条件下で病原体に対する感受性の低下を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育した植物は、酵素又は微生物の不在下で生育した植物と比較して、同じ条件下で環境ストレス(例えば、干ばつ、洪水、熱、凍結、塩、重金属、低pH、高pH、又はそれらのいずれかの組合せ)に対する感受性の低下を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育した植物は、酵素又は微生物の非存在下で生育した植物と比較して、同じ条件下で根粒形成の増加を示すことができる。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育させた植物は、酵素、又は微生物の不在下で生育させた植物と比較して、同じ条件下でより大きな作物収量を示すことができる。1実施形態において、本発明の組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片又は製剤は、処理なしで同じ条件下で生産される植物と比較すると、収量又は総植物重量を少なくとも約0.5%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約6%、又は少なくとも約7%、又は少なくとも約8%、又は少なくとも約9%、又は約10%、又は少なくとも約11%、又は少なくとも約12%増加させる。別の実施態様において、本発明の組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤は、処理なしで同じ条件下で生産される植物と比較して、発芽などの植物の活力の何らかの側面を少なくとも約0.5%、又は少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約6%、又は少なくとも約7%、又は少なくとも約8%、又は少なくとも約9%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約11%、又は少なくとも約12%改善する。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、組換え宿主細胞、組換え細菌、エキソスポリウム断片、又は製剤の存在下で生育した植物は、同じ条件下で酵素又は微生物の非存在下で生育した植物と比較して、葉の老化の変化を示すことができる。
<IX.担体>
上述のように、本明細書に記載の製剤は、農業上許容される担体を含む。
農業上許容される担体は、分散剤、界面活性剤(例えば、重質石油留分、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化脂肪酸エステル、アリールアルキルポリオキシエチレングリコール、アルキルアミンアセテート、アルキルアリールスルホネート、多価アルコール、リン酸アルキル、又はそれらのいずれかの組み合わせ)、添加剤(例えば、油、ガム、樹脂、クレー、ポリオキシエチレングリコール、テルペン、粘性有機物、硫酸エステル、スルホン酸アルキル、石油スルホネート、アルコールサルフェート、アルキルブタンジアメートナトリウム、チオブタンジオエートのポリエステル、ベンゼンアセトニトリル誘導体、タンパク質性材料、又はそれらのいずれかの組み合わせ)、水、ポリエチレングリコールの増粘剤、ポリオキシエチレンオレエート、又はそれらの組み合わせ)、粘結防止剤(例えば、炭酸カルシウム、ケイソウ土、又はそれらのいずれかの組み合わせ)、残渣分解生成物、堆肥化製剤、顆粒状施用剤、ケイソウ土、油、着色剤、安定剤、防腐剤、ポリマー、コーティング剤、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
農業上許容される担体が界面活性剤を含む場合、その界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤を含むことができる。
農業上許容される担体が添加剤を含み、添加剤がタンパク質性物質を含む場合、そのタンパク質性物質は、乳製品、小麦粉、大豆ミール、血液、アルブミン、ゼラチン、アルファルファミール、酵母エキス、又はこれらのいずれかの組合せを含み得る。
農業上許容される担体がケーキング防止剤を含み、そのケーキング防止剤がナトリウム塩を含む場合、そのナトリウム塩は、ナフタレンスルホン酸モノメチルのナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ジメチルのナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
農業上許容される担体は、バーミキュライト、活性炭、製糖工場の炭酸化圧縮泥、もみ殻、カルボキシメチルセルロース、ピート、パーライト、細砂、炭酸カルシウム、小麦粉、ミョウバン、デンプン、タルク、ポリビニルピロリドン、又はこれらのいずれかの組合せを含み得る。
本明細書に記載の製剤のいずれも、種子コーティング製剤(例えば、種子への施用のための水系又は油系液剤、又は種子への施用のための粉剤又は粒剤製剤)、植物又は植物成長培地への施用のための液体製剤(例えば、濃縮製剤又は即時使用製剤)、又は植物又は植物成長培地への施用のための固形製剤(例えば、粒剤製剤又は粉剤)を含むことができる。
農業上許容される担体は、製剤成分を含み得る。製剤成分は、湿展剤、増量剤、溶媒、自発性促進剤(spontaneity promoter)、乳化剤、分散剤、凍結保護剤、増粘剤、及び/又はアジュバントであることができる。1実施形態において、製剤成分は湿展剤である。
本発明の組成物は、回復、有効性、又は物理的特性を改善するため、及び/又は加工、包装及び管理を助けるために本発明の組成物に添加される製剤成分を含み得る。このような製剤成分は、個別に又は組み合わせて添加され得る。
製剤成分は、細胞、無細胞調製物及び/又はエキソスポリウム断片を含む組成物に添加して、有効性、安定性、及び物理特性、使用性を高め、及び/又は加工、包装及び最終用途での使用を容易にすることができる。このような製剤成分には、不活性剤、安定剤、保存剤、栄養素、又は物性改変剤などがあり得て、これらは個別に又は組み合わせて添加され得る。一部の実施形態において、担体は、水、油及び他の有機又は無機溶媒のような液体材料と、生物的に又は化学合成によって誘導されたミネラル、ポリマー若しくは又はポリマー複合体のような固体材料を含むことができる。一部の実施形態において、製剤成分は、葉、種子、又は根などの植物部分への組成物の付着を容易にする結合剤、アジュバント、又は接着剤である。例えば、Taylor, A.G., et al., “Concepts and Technologies of Selected Seed Treatments,” Annu. Rev. Phytopathol., 28: 321-339 (1990)を参照する。安定剤は、ケーキング防止剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、乾燥剤、保護剤又は防腐剤を含み得る。栄養素は、炭素、窒素、及び糖、多糖類、油、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸及びリン酸塩などのリン源を含み得る。物理特性改変剤は、増量剤、湿展剤、増粘剤、pH調節剤、レオロジー改質剤、分散剤、アジュバント、界面活性剤、フィルム形成剤、ハイドロトロープ、ビルダー、不凍剤又は着色剤を含むことができる。一部の実施形態において、細胞、無細胞調製物及び/又はエキソスポリウム断片を含む組成物は、いかなる他の製剤調製もせずに、希釈剤として水とともに、又は水なしで直接使用することができる。特定の実施形態において、湿展剤又は分散剤は、凍結乾燥又は噴霧乾燥粉末などの発酵から生じる全ブロスの乾燥濃縮物に添加される。湿展剤は、散布特性及び浸透特性を向上させるか、分散剤は、表面に施用した場合に有効成分(一旦希釈されたもの)の分散性及び溶解性を高める。例示的な湿展剤は当業者に公知であり、MULTIWET(商標名)MO-70R(Croda Inc., Edison, NJ)などのスルホコハク酸塩及び誘導体;BREAK-THRU(登録商標)(Evonik, Germany)などのシロキサン;ATLOX(商標)4894(Croda Inc., Edison, NJ)などのノニオン系化合物;TERWET(登録商標)3001(Huntsman International LLC, The Woodlands,Texas)などのアルキルポリグルコシド;TERGITOL(登録商標)15-S-15(The Dow Chemical Company, Midland, Michigan)などのC12-C14アルコールエトキシレート;RHODAFAC(登録商標)BG-510(Rhodia, Inc.)などのリン酸エステル;及びEMULSOGEN(商標)LS(Clariant Corporation, North Carolina)などのアルキルエーテルカルボキシレートなどがある。
上述のように、本明細書に記載の製剤のいずれも、農薬を含むことができる。
<X.植物>
植物に関する本明細書に記載の方法のいずれにおいても、植物は双子葉植物、単子葉植物、裸子植物、又は被子植物であることができる。
同様に、本明細書に記載の種子のいずれについても、種子は双子葉植物、単子葉植物、裸子植物、又は被子植物の種子であり得る。
例えば、植物が双子葉植物である場合、又は、種子が双子葉植物の種子である場合、双子葉植物は、豆、エンドウ豆、トマト、コショウ、スカッシュ、アルファルファ、アーモンド、アニスシード、リンゴ、アプリコット、カボチャ、アーティチョーク、アボカド、フタゴマメ、ビート、ベルガモット、黒コショウ、ブラックワトル、ブラックベリー、ブルーベリー、ダイダイ、青梗菜、ブラジルナッツ、パンの木の実、ブロッコリー、空豆、芽キャベツ、ソバ、キャベツ、カメリナ、白菜、カカオ、カンタロープ、キャラウェイシード、カルドン、イナゴマメ、ニンジン、カシューナッツ、キャッサバ、トウゴマの実、カリフラワー、根用セロリ、セロリ、チェリー、栗、ひよこ豆、チコリ、唐辛子、菊、シナモン、シトロン、柑橘類、クレメンタイン、クローブ、クローバー、コーヒー、コーラの実、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、綿、綿実、ササゲ、ハマナ、クランベリー、クレス、キュウリ、スグリ、カスタードアップル、ナンバンサイカチ、ピーナッツ、ナス、エンダイブ、フェンネル、コロハ、イチジク、ハシバミ、亜麻、ゼラニウム、グーズベリー、ひょうたん、ブドウ、グレープフルーツ、グアバ、麻、大麻種子、ヘナ、ホップ、ソラマメ、西洋わさび、藍、ジャスミン、キクイモ、ジュート、ケール、カポック、ケナフ、キウイ、コールラビ、キンカン、ラベンダー、レモン、レンティル、レスペデザ、レタス、ライム、甘草、レイチ、ビワ、ハウチワマメ、マカダミアナッツ、メース、マンダリン、飼料ビート、マンゴー、セイヨウカリン、メロン、ミント、桑、マスタード、ネクタリン、ニガー種子、ナツメグ、オクラ、オリーブ、アヘン、オレンジ、パパイヤ、アメリカボウフウ、エンドウ豆、桃、ピーナッツ、ナシ、ピーカンナッツ、柿、キマメ、ピスタチオナッツ、オオバコ、プラム、ザクロ、ザボン、ケシの実、ジャガイモ、サツマイモ、プルーン、カボチャ、ケブラコ、マルメロ、シンコナ属の木、キヌア、ラディッシュ、カラムシ、菜種、ラズベリー、レア、大黄、バラ、ゴム、ルタバガ、紅花、イガマメ、サルシフィ、サポジラ、サツマイモ、フタナミソウ、ゴマ、シアバターノキ、大豆、ほうれん草、スカッシュ、イチゴ、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ、スウェード、ピーマン、タンジェリン、茶、テフ、タバコ、トマト、トレフォイル、桐木、カブ、ボンテンカ、ベッチ、クルミ、スイカ、イエルバ・マテ、フユガラシ、ナズナ、ガーデンクレス、ペッパークレス、クレソン、グンバイナズナ、スターアニス、月桂樹、ベイ月桂樹、カッシア、ジャムン、ディル、タマリンド、ペパーミント、オレガノ、ローズマリー、セージ、トゲバンレイシ、ペニワート、カロフィラム、ニガウリ、ククイの実、タイヘイヨウクルミ、バジル、ハックルベリー、ハイビスカス、パッションフルーツ、スターアップル、ササフラス、サボテン、セイヨウオトギリソウ、オカトラノオ、サンザシ、コリアンダー、カレープラント、キウイ、タイム、ズッキーニ、ウルコ、ヒカマ、水葉、スピニーサルオレンジ(spiny monkey orange)、黄モンビン、スターフルーツ、アマランス、わさび、コショウ、イエロープラム、マシュア、ライデンボク、ツルナ、スクランブルサブシュラブ、ウグ(ugu)、タンジー、ハコベ、ジョコート、マレー蒲桃、オランダセンニチ、ノゲシ、唐芋、ホースパセリ、カキネガラシ、マンテマ、アゲート(agate)、タガヤサン、アザミ、ワレモコウ、アマメシバ、オカヒジキ、アツケシソウ、スイバ、ホコシダ、カラードグリーン、サクラソウ、黄花九輪桜、スベリヒユ、ニワヤナギ、テレビンノキ、ツリーレタス(tree lettuce)、ハイゴショウ、西アフリカコショウ、ヤーバサンタ、タラゴン、パセリ、チャービル、ランドクレス、バーネットサキシフリッジ、ハニーハーブ(honeyharb)、ふきのとう、紫蘇、コショウ、エゴマ、ビタービーン、アンデスカタバミ、カンポン(kampong)、キンサイ、レモンバジル、タイバジル、ミズオジギソウ、セリ、キャベツヤシ、モリンガ、マウカ(mauka)、ゼンマイ、シソクサ、キバナオモダカ、ラベージ、ペッパーグラス、マカ、ユウガオ、フジマメ、エンツァイ、ブタナ、ドクダミ、スイゼンジナ、ロータス・スイートジュース(lotus sweetjuice)、コゴメギク、コリアンダー、ルッコラ、カルドン、カイグア、ミツバ、チピリン、サンファイア、マンパット(mampat)、エボロ(ebolo)、タムルン、ゴロツキアザミ、ハマナ、チャヤ、フアゾンテル、エチオピアンマスタード、マゼンタスプリーン、アカザ、エパゾール(epazole)、アカザ、センテラケイトウ、ケイパー、ラピーニ、白菜、ミズナ、チャイニーズサボイ、カイラン、カラシナ、ツルムラサキ、フダンソウ、ウスベニタチアオイ、パックチャオム、イチビ、パプリカ、アナトーシード、スペアミント、セイボリー、マジョラム、クミン、カモミール、レモンバーム、オールスパイス、ビルベリー、チェリモヤ、クラウドベリー、ダムソン、ピタヤ、ドリアン、エルダーベリー、フェイジョア、ジャックフルーツ、ジャンブル、ナツメ、ホオズキ、マンゴスチン、ランブタン、アカフサスグリ、クロフサスグリ、サラルベリー、サツマイモ、アグリフルーツ、ブラックビーン、ササゲ、ボルロッティ、インゲンマメ、サヤマメ、インゲン豆、ライマメ、緑豆、白インゲンマメ、インゲンマメ、サヤマメ、サヤエンドウ、スナップエンドウ、スイートピー、ブロッコフラワー、カラブレーゼ、ネトル、ピーマン、ラディッキオ、大根、ダイコン、ムカゴニンジン、体菜、ブロッコリーニ、ブラック・ラディッシュ、ごぼう、ソラマメ、ブロッコリーラーブ、フジマメ、ルピナス、ピンポンノキ、ベルベットビーンズ、シカクマメ、ヤムビーン、ムルガ(mulga)、アイアンウィード、アンブレラブッシュ(umbrella bush)、チュンチュラ(tjuntjula)、ワカルプルカ(wakalpulka)、ウィッチティブッシュ(witchetty bush)、ワイアリーワトル(wiry wattle)、チーア、ブナの木の実、ククイノキ、コロシント、メリコッカノキ、マヤナッツ、モンゴンゴ、オグボノナッツ、パラダイスナッツ及びチェンペダックからなる群から選択することができる。
単子葉植物又は種子が単子葉植物の種子である場合、単子葉植物は、トウモロコシ、コムギ、イネ、ミレット、バナナ、ニンニク、アスパラガス、ライグラス、フォニオ、ライシャン(raishan)、ニパグラス(nipa grass)、ウコン、サフラン、ガランガル、エゾネギ、カルダモン、ナツメヤシ、パイナップル、エシャロット、ニラネギ、春タマネギ、ヒシの実、ヒラタマネギ、数珠玉、竹、シコクビエ、スポットレスウォーターミール(spotless watermeal)、千年芋、タヒチアンスピナック(Tahitian spinach)、アバカ、ビンロウジュ、バジュラ(bajra)、ビンロウの実、ブロームミレット(broom millet)、ブロームソルガム(broom sorghum)、シトロネラ、ココナッツ、ココヤム、トウモロコシ、タロイモ、アズキモロコシ、デュラム小麦、エド(edo)、フィケ(fique)、フォルミオ(formio)、ショウガ、カモガヤ、アフリカハネガヤ、スーダングラス、ギニアコーン、マニラ麻、ヘネッケン、雑種トウモロコシ、ジャワール、レモングラス、リュウゼツラン、トウジンビエ、シコクビエ、アワ、ヒエ、キビ、ニュージーランド麻、カラスムギ、アブラヤシ、パルミラヤシ、サゴヤシ、コヌカグサ、サイザルアサ、ソルガム、スペルト小麦、スイートコーン、スイートソルガム、サトウキビ、タロイモ、テフ、オオアワガエリ、ライ小麦、バニラ、コムギ及びヤムイモから成る群から選択され得る。
植物が裸子植物であるか種子が裸子植物の種子である場合、裸子植物は、ナンヨウスギ科、ボウエニア科、アブラナ科、イヌガヤ科、ヒノキ科、ソテツ科、マオウ科、イチョウ科、グネツム科、マツ科、マキ科、イチイ科、スギ科、ウェルウィッチア科、及びザミア科からなる群から選択される科からのものであることができる。
本明細書に記載の植物及び植物種子は、トランスジェニック穀物(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、ナタネ及び果実植物(リンゴ、西洋ナシ、柑橘類果実及びブドウ(ワイン用ブドウなど)のような植物又は植物種子を含み得る。好ましいトランスジェニック植物には、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、サトウダイコン、サトウキビ及びナタネなどがある。
本明細書に記載の植物種子は、遺伝子組換え(例えば、除草剤耐性、水ストレス、干ばつ、ウイルス、窒素産生などの環境因子に対する耐性、又は細菌、真菌又は昆虫毒素に対する耐性を発現する遺伝子組換え植物又は植物部分をもたらす任意の種子)が可能である。好適な遺伝子組換え種子には、コール作物、野菜、果実、樹木、繊維作物、油料作物、塊茎作物、コーヒー、花、豆類、穀類、並びに単子葉植物及び双子葉植物の他の植物などがある。好ましくは、遺伝子組換え種子には、ピーナッツ、タバコ、イネ科植物、小麦、大麦、ライ麦、ソルガム、イネ、菜種、サトウダイコン、ヒマワリ、トマト、トウガラシ、豆、レタス、ジャガイモ、及びニンジンなどがある。最も好ましくは、遺伝子組み換え種子には、ワタ、ダイズ、トウモロコシ(スイートコーン、飼料用コーン、種トウモロコシ又はポップコーン)などがある。
本発明に従って処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、形質変換事象、又は形質変換事象の組合せを含む植物であり、それらは、例えば、様々な国又は地域の規制当局からのデータベース(例えば、http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx及びwww.agbios.com/dbase.php)を参照のこと)に記載されている。
以上本発明について詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲で定義される発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、改変及び変更が可能であることは明らかであろう。
[実施例]
[実施例1]
<バチルス・セレウス(Bacillus cereus)におけるSep1又はSep1バリアントのセリンプロテアーゼ活性のアッセイ>
1.セリンプロテアーゼ又はセリンプロテアーゼバリアントを示すバチルス・セレウス科構成員の構築
野生型及びバリアントセリンプロテアーゼのセリンプロテアーゼ活性を評価するため、配列番号1のセリンプロテアーゼ又は配列番号2のセリンプロテアーゼバリアントを示すバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員を構築した。pUC57プラスミド(アンピシリン耐性カセット及びColE1複製起点を含む)とバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来のpBC16-1プラスミド(テトラサイクリン耐性遺伝子、repU複製遺伝子及びoriU複製起点を含む)との融合を通して、pSUPERプラスミドを作製した。この5.8kbプラスミドは、大腸菌(E. coli)及びバチルス属種の双方で複製可能であり、大腸菌(E. coli)でのβ-ラクタム抗生物質に対する耐性及びバチルス属種でのテトラサイクリンに対する耐性を付与することによって選択することができる。基底pSUPERプラスミドを、PCR生成断片の挿入によって改変し、それがフレーム内でプロモーター、開始コドン、標的化配列、及びアラニンリンカー配列を配列番号1又は配列番号2と融合させることで、pSUPERプラスミドを得た。これらの構築物を大腸菌(E. coli)に形質転換し、溶原培地プレートにアンピシリン(100μg/mL)を加えたものの上で平板培養して、単一コロニーを得た。個々のコロニーを用いて、溶原培地+アンピシリンを接種し、37℃、300rpmで終夜インキュベートした。得られた培養物からのプラスミドを、市販のプラスミド精製キットを用いて抽出した。これらのプラスミド抽出物のDNA濃度を分光光度法により測定し、得られたプラスミドについて制限酵素の適切な組み合わせで分析消化を行った。得られた消化パターンをアガロースゲル電気泳動により可視化して、プラスミドの大きさ及び明白なプラスミドの特徴の存在を調べた。精製pSUPER誘導体の配列番号1及び配列番号2発現カセットなどの関連する部分について、サンガー配列決定法によりさらに調べた。
さらに、上記のpSUPERプラスミドの誘導体プラスミドを、以下のようにして作成した。上記のpSUPERプラスミドのpBC断片(BclA/セリンプロテアーゼバリアント発現カセット及びテトラサイクリン耐性を含むpSUPERのpBC16-1由来部分)をPCRにより増幅し、続いて平滑末端ライゲーションにより環化させた。
上述のように検証されたpSUPER、及びpBCプラスミドライゲーションを、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)BT013A(寄託番号NRRLB-50924)へのエレクトロポレーションによって導入した。単一形質転換コロニーを、テトラサイクリン(10μg/mL)を含む栄養ブロスプレート上で平板培養することにより単離した。個々の陽性コロニーを用いて、テトラサイクリン(10μg/mL)を含むブレインハートインフュージョン培地を接種し、30℃、300rpmで終夜インキュベートした。得られた培養物のゲノムDNAを精製し、pSUPERプラスミド又はpBCプラスミドの関連する部分を再配列決定して、クローニングされた配列及びpBCについては正確なライゲーション部位を確認した。検証したコロニーを、10μg/mLテトラサイクリンを含むブレインハートインフュージョン培地で終夜増殖させ、30℃で48時間の酵母エキスベースの培地でのインキュベーションによって胞子形成させた。

2.セリンプロテアーゼバリアントを発現するバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のノックアウト変異株の構築及び精製
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)BT013AのexsYノックアウト(KO)変異株を作製するために、大腸菌(E.coli)で複製することができるpUC57骨格、並びにpE194からの複製起点及びエリスロマイシン抵抗性カセットを含むプラスミドpKOKIシャトル及び積分ベクトルを構築した。この構築物は、大腸菌(E.coli)とバチルス属種の両方で複製することができる。exsY遺伝子の上流領域に相当する1kb DNA領域及び遺伝子exsYの下流領域に相当する1kb領域を含む構成物を作成し、その両領域ともバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)BT013AからPCR増幅されたものである。各構築物について、二つの1kb領域を、それぞれ互いに重複する領域及びpKOKIプラスミドとの相同組換えを用いて一緒にスプライシングした。このプラスミド構築物を消化及びDNA配列決定により検証した。エリスロマイシン耐性についてクローンをスクリーニングした。
クローンをブレインハートインフュージョン培地中で高温(40℃)下で継代培養した。エリスロマイシン5μg/mLを含むLB寒天プレート上に個々のコロニーを取り、30℃で増殖させ、コロニーPCRにより染色体に組み込まれたpKOKIプラスミドの存在についてスクリーニングした。組込み事象を起こしたコロニーの継代培養を続けて、エリスロマイシン耐性を失った単一コロニーについてのスクリーニング(組換え及びexsY遺伝子の除去によるプラスミドの消失を示す)を行った。検証された欠失は、PCR増幅及び染色体の標的領域の配列決定により確認した。最後に、pSUPERプラズミド(上述)のPCR増幅された環状pBC部分を、BT013AのこのexsYミュータント株に変換した。
配列番号1若しくは2のセリンプロテアーゼを発現するesxYKO変異体、又は配列番号2のセリンプロテアーゼ変異体それぞれについて、抗生物質選択を施したバッフルフラスコ中、30℃、300rpmのBHI培地で終夜培養した。この終夜培養物1ミリリットルをバッフルフラスコ中の酵母エキスベース培地(50mL)に接種し、30℃で2日間増殖させた。胞子の小分けサンプルを取り、胞子を渦撹拌した。胞子を8000×gで10分間遠心して採取し、エキソスポリウム断片を含む上清を0.22μmフィルターで濾過して、残留胞子を取り出した。濾液中に胞子は認められなかった。

3.セリンプロテアーゼバリアントの活性
組換えプラスミドを含まない(9.79×10CFU/mL)、又は配列番号1(7.06×10CFU/mL)若しくは配列番号2(7.06×10CFU/mL)のセリンプロテアーゼを発現するeskYKO変異体の全肉汁培養液を、各株について指定のCFU濃度まで増殖させた。エキソスポリウム断片濾液を得て、各等容量を次のようにして試験した。合成ペプチド基質(Ala-Ala-Pro-Phe)を用いて酵素活性を求めた。そのペプチド基質を、C末端でニトロフェニルと、そしてN末端でスクシニル基と融合させる。そのペプチドは、プロテアーゼ開裂前は320nmに最大吸光度を示し、開裂後には390nmにシフトする。アッセイ混合物は、5mM CaClを含む50mM Hepes緩衝液pH7.5 240μL中の2.5mg/mLペプチド基質10μLからなるものであった。基質及び緩衝液を室温で前インキュベートし、続いて酵素溶液25μLを加えた。結果を図1に示している。このデータは、両方の全肉汁培養液が酵素活性を有すること、そしてセリンプロテアーゼバリアント配列番号2を含む株が配列番号1を含む株より若干高い活性を有することを示している。いずれかの理論に拘束されることを望むものではないが、本願人は、バリアントセリンプロテアーゼ(配列番号2)を有する組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員が全長セリンプロテアーゼ(配列番号1)を有する組換えバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員より高い生理活性を有するという仮説を立てている。やはりいずれかの理論に拘束されることを望むものではないが、配列番号2のセリンプロテアーゼバリアント内の欠失が、配列番号1の残基122~126及び146~151に相当する結合溝を基質にアクセスしやすくすることでセリンプロテアーゼ活性を変えたり改善したりすることができるという仮説を立てている。
[実施例2]
<セリンプロテアーゼバリアントのコンピューターモデリング>
セリンプロテアーゼ活性に対する配列改変の効果をさらに調べるために、追加のセリンプロテアーゼバリアントを開発及び試験した。構造的特徴の除去又は触媒三つ組への意図的乱れの影響を調べるために本試験で使用された野生型配列及びバリアント配列を表1に示している。
表1.相同性モデリングで用いたバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)のSep1セリンプロテアーゼのバリアント
Figure 2023542006000002
配列番号1は、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)DS-1株由来の野生型Sep1セリンプロテアーゼである。配列番号2は、配列番号1のアミノ酸181~240の欠失によって構築された配列番号1のバリアントである。上記の実施例1に示されるように、配列番号2はセリンプロテアーゼ活性を示す。配列番号4~6は、配列番号1の中間欠失を表す。配列番号7~13は、配列番号2と比較して追加の残基が欠失している配列番号1の拡張欠失を表す。
モデリング試験のため、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)由来の相同セリンプロテアーゼ(UnitProt寄託番号P07518(SUBT_BACPU);配列番号3)を相同性テンプレートとして選択した。そのテンプレートは、配列の類似性と、一般にセリンプロテアーゼ間の高度な構造的特徴の保存に基づいて選択した。図2に示されるように、配列番号3のテンプレート配列は、アラインメントされた配列間でかなりの程度のアミノ酸残基タイプの類似性を示す。例えば、極性残基は異なる極性残基とアラインメントされている。
さらに、図2の多重配列アラインメントに示されるように、野生型セリンプロテアーゼの主要な特徴は、触媒三つ組及び結合領域で保存されている。例えば、野生型配列において触媒三つ組を形成する配列番号1のAsp49、His86、及びSer244に相当する残基(図2a、2b、及び2eにおいて矩形で識別される)は、モデル化されたバリアントのそれぞれにおいて保存されている。さらに、配列番号1のGly122、Ser123、Gly124、Gln125、及びTyr126並びにMet146、Ser147、Leu148、Gly149、Gly150、Pro151に相当する基質結合領域(図2cで矩形で識別される)は、多重配列アラインメントに基づき、モデル化バリアントと配列番号3の間で完全に保存されている。さらに、触媒三つ組及び結合溝内の保存された残基は、図3~14におけるモデルで示されるように、それらの全般的な幾何的位置を保持している。
[実施例3]
<セリンプロテアーゼバリアント間の二次構造の保存>
モデル化テンプレートとして三つ組モデリングスイート(Protabit, LLC)を使用して、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の1MEE PDBエントリー(UnitProt寄託番号P07518(SUBT_BACPU);配列番号3)を使用して配列をモデル化した。標準的な改良設定を使用したテンプレートベースの相同性モデリングを実行した。具体的には、そのソフトウェアは、各モデリングサイクルでランダム原子摂動半径を調節することができた。さらに、テンプレート特徴を保存するための六つの加重制限サイクルを[1.0、0.001、0.75、0.001、0.25、0.0]の重みで実行し、したがって、構造をテンプレートに向かって構造を「振動させ」、次にテンプレートから離れて緩和させた。テンプレートがその配列類似性において合理的であるモデリングに提供された場合、そしてそれは系統発生的に関連する種に由来することから、[1.0]のトリムエラー閾値を使用した。基準アラインメント、対称制限及び非アラインメント配列トリミングはいずれも実行しなかった。最良のスコアリングモデルを出力用に選択した。三つ組でのそれ以上の解析は行わなかった。得られた構造は、可視化しアラインメントし、PyMol(Schroedinger)を使用して解析した。
図3に示したように、相同性モデリングは、配列番号3のテンプレートと野生型(配列番号1)の間の強い構造的保存を示している。その構造はまた、図4に示されるように、テンプレート配列番号3とバリアントセリンプロテアーゼ配列番号2との間でも保存されている。
図5~7は、試験したすべての中間欠失バリアント(配列番号4~6)とテンプレート配列(配列番号3)との間の構造的保存を示す。図8~13に示すように、すべての拡張欠失バリアントはまた、特に保存された触媒三つ組及び結合領域内で同様の構造を維持すると予測される。
[実施例4]
<Sep1バリアントにおける触媒三つ組幾何学の分析>
セリンプロテアーゼ酵素活性には電荷リレーが必要であり、触媒三つ組の大きな歪みは電荷リレー及び触媒能力を乱す。相同性モデリング後、そしてセリンプロテアーゼバリアントにおける触媒三つ組の幾何学を調べるために、触媒三つ組の各残基について、アルファ炭素距離対1MEE相同性テンプレート(配列番号3)を計算した。1MEEと比較した三つ組についての平均二乗偏差(RMSD)も計算した。約1Åの三つ組RMSDを有するバリアントは、構造的類似性を示し、配列アラインメントを考慮した電荷リレー機能及び酵素活性並びに既知の活性テンプレートと比較した生成モデルでの二次構造の全般的保存を保持する可能性がある。
表2.セリンプロテアーゼバリアントの触媒三つ組幾何学の解析
Figure 2023542006000003
表2に示されるように、野生型セリンプロテアーゼ(W7KRH1_BACFI;配列番号1)は、触媒三つ組を構成する残基の最小限の乱れを示した。同様に、中間欠失バリアント(配列番号4~6)のそれぞれは、相同性テンプレートとの構造的類似性を維持していた。切断バリアント(配列番号2)、並びに拡張_欠失_2(配列番号8)及び拡張_欠失_4(配列番号10)も、触媒三つ組に対する最小限の乱れを示した。拡張_欠失_3(配列番号9)は、触媒三つ組に対する中等度の乱れを示したが、拡張_欠失_1(配列番号7)、拡張_欠失_5(配列番号11)、拡張_欠失_7(配列番号13)、及び拡張_欠失_6(配列番号12)は1.80Å以上のRMSDを示した。
これらのデータは、実施例1でセリンプロテアーゼ活性を有することが示された配列番号2が、全体的な二次的特徴に関して、特にタンパク質の結合溝内で、及び触媒三つ組の位置に関して、構造的類似性を維持していることを示している。同様に、より短い及び中間の欠失バリアント(配列番号4~6及び8~10)について、触媒三つ組アルファ炭素の相対的幾何学に関して、構造の最小の乱れが観察される。
N末端の方向での配列番号2と比較して7を超える追加の残基の欠失が、具体的にはセリン残基において、触媒三つ組に対してより大きい幾何学的乱れを経験するように思われる。さらに、触媒セリンからN末端に向かって配列番号2と比較してさらに7残基の欠失が、配列番号2の177位のアスパラギンを欠失させる。Asn177は、触媒作用時に活性部位におけるオキシアニオンホールに関与するように配置されており、そしてこの残留物の乱れは触媒能力を低下させ得る。

Claims (28)

  1. セリンプロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換えDNA分子であって、前記ポリペプチドが、配列番号1の残基49に相当する残基にアスパラギン酸、配列番号1の残基86に相当する残基にヒスチジン、及び配列番号1の残基244に相当する残基にセリン、又はこれら3個の残基のいずれかの保存的置換を含み、前記ポリペプチドが配列番号1に対して少なくとも第1のアミノ酸残基欠失を含む組換えDNA分子。
  2. 前記コードされたポリペプチドが配列番号1の残基177~243のいずれかに相当する少なくとも一つの残基のアミノ酸欠失を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  3. 前記コードされたポリペプチドが配列番号1の残基181~240のいずれかに相当する少なくとも一つの残基のアミノ酸欠失を含む、請求項2に記載の組換えDNA分子。
  4. 前記コードされたポリペプチドが少なくとも配列番号1の残基226~241に相当する残基のアミノ酸欠失を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  5. 前記コードされたポリペプチドが少なくとも配列番号1の残基182~211に相当する残基のアミノ酸欠失を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  6. 前記コードされたポリペプチドが少なくとも配列番号1の残基178~243に相当する残基のアミノ酸欠失を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  7. 前記コードされたポリペプチドが少なくとも配列番号1の残基178~240に相当する残基のアミノ酸欠失を含む、請求項5に記載の組換えDNA分子。
  8. 前記コードされたポリペプチドが配列番号1のポリペプチドと比較して高いセリンプロテアーゼ活性を示す、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  9. 前記コードされたポリペプチドが配列番号1のポリペプチドと比較して高い殺線虫活性又は高い抗真菌活性を示す、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  10. 前記コードされたポリペプチドが配列番号1のポリペプチドと比較して同じ又は高い基質結合を示す、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  11. 前記コードされたポリペプチドが、配列番号1の残基122に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基123に相当する残基にセリン、配列番号1の残基124に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基125に相当する残基にグルタミン、配列番号1の残基126に相当する残基にチロシン、配列番号1の残基146に相当する残基にメチオニン、配列番号1の残基147に相当する残基にセリン、配列番号1の残基148に相当する残基にロイシン、配列番号1の残基149に相当する残基にグリシン、配列番号1の残基150に相当する残基にグリシン、及び配列番号1の残基151に相当する残基にプロリン、又はこれら残基のいずれかの保存的置換を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の組換えDNA分子によってコードされたポリペプチド。
  13. 前記ポリペプチドが配列番号2、4~6又は8~10から選択される配列を含む、請求項12に記載のポリペプチド。
  14. プロモーターに作動可能に連結された請求項1~11のいずれか1項に記載の組換えDNA分子を含むDNA構築物。
  15. 請求項1~11のいずれか1項に記載の組換えDNA分子を含む宿主細胞。
  16. 前記宿主細胞が細菌宿主細胞である、請求項15に記載の宿主細胞。
  17. 前記細菌宿主細胞がバチルス属からのものである、請求項16に記載の宿主細胞。
  18. 前記バチルス宿主細胞がバチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・シュードミコイデス(Bacillus pseudomycoides)、バチルス・サマニイ(Bacillus samanii)、バチルス・ガエモケンシス(Bacillus gaemokensis)、バチルス・ウェイヘンステフェンシス(Bacillus weihenstephensis)、及びバチルス・トヨイエンシス(Bacillus toyoiensis)からなる群から選択される、請求項17に記載の宿主細胞。
  19. 請求項15に記載の宿主細胞及び農業上許容される担体を含む製剤。
  20. 請求項19に記載の製剤で処理された植物種子。
  21. 植物成長を刺激する、及び/又は植物の健康を促進する、及び/又は線虫を防除する方法であって、植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲の区域に請求項15に記載の組換え宿主細胞を施用することを含む方法。
  22. 融合タンパク質であって、
    a)当該融合タンパク質を組換えバチルス宿主細胞のエキソスポリウムに向かわせる標的化配列、エキソスポリウムタンパク質、又はエキソスポリウムタンパク質断片;及び
    b)請求項12に記載のポリペプチド
    を含む融合タンパク質。
  23. 請求項22に記載の融合タンパク質を発現する組換え宿主細胞。
  24. 前記宿主細胞が細菌宿主細胞である、請求項23に記載の宿主細胞。
  25. 前記細菌宿主細胞がバチルス・セレウス(Bacillus cereus)科構成員由来である、請求項24に記載の宿主細胞。
  26. 請求項23に記載の細菌宿主細胞の発酵産生物。
  27. 請求項26に記載の発酵産生物及び農業上許容される担体を含む製剤。
  28. 植物成長を刺激する、及び/又は植物の健康を促進する、及び/又は線虫を防除する方法であって、植物成長培地、植物、植物種子、又は植物若しくは植物種子周囲の区域に請求項27に記載の製剤を施用することを含む方法。
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