JP2023541954A - 光学フィルター - Google Patents

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Abstract

本出願では、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、入射角と関係なく、リップル現象を最小化することができ、基板として近赤外線吸収ガラスを適用する場合にも、前記特性を確保すると同時に、高い可視光透過率を得ることができる光学フィルターを提供することができる。【選択図】図10

Description

本出願は、光学フィルターに関する。
CCDやCMOSイメージセンサーなどの撮像素子を用いた撮像装置では、良好な色再現性と鮮明な画像を得るために、可視光を透過し、近赤外光などの赤外光を遮蔽する光学フィルターが使用されており、このような光学フィルターは、近赤外カットフィルターとも呼ばれる。
このような光学フィルターには、可視光を透過させると共に、紫外光および赤外光を遮断する透過率曲線を示すことが要求される。
しかしながら、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断し、可視光の透過率が高い透過率曲線を得ることは容易でない。
公知の光学フィルターとして、近赤外吸収色素を含有する吸収層と、紫外および赤外波長領域の光を遮断する誘電体膜を含む反射層を具備するものが知られている(例えば、特許文献1)。誘電体膜は、入射角によって透過率曲線が変化(シフト)する特性を有する。したがって、特許文献1などの光学フィルターは、前記誘電体膜の短所を補完するために、透過率の入射角依存性が小さい近赤外吸収色素を含有する吸収層を適用する。
韓国特許登録第10-2056613号公報
基板としてそれ自体で近赤外線吸収特性を有するいわゆる近赤外線吸収ガラス(Blue glassとも呼ばれる)を適用した光学フィルターも知られている。前記近赤外線吸収ガラスは、近赤外線波長領域の光を選択的に吸収するように、フッ化リン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスにCuOなどを添加したガラスフィルターである。しかしながら、このような近赤外線ガラスを適用する場合には、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断しつつ、シャープな可視光の透過率バンドを得ることが難しい。また、近赤外線吸収ガラス自体の特性に起因して前記可視光の透過率バンド内で高い透過率を得ることができない。
一方、従来の光学フィルターでは、可視光透過領域で周期的な透過率の変動現象(いわゆるリップル(ripple)現象)が発生する。
前記リップル現象は、特定領域での実際の透過率が当該領域の平均透過率と比べて大きくなり、小さくなる現象が周期的に観察される現象である。
撮像装置は、光学フィルターを透過した可視光をRGB(Red、Green、Blue)別にセンサーでセンシングする。前記でRGBの各センサーの感度などを波長別平均透過率を考慮して調節するが、前記リップル現象が起こると、センサーが認識する光で変動(fluctuation)が発生し、色再現性が低下する。
また、リップル現象は、可視光領域の透過率が瞬間的に低下する区域(いわゆるbunk区域)を発生させることができ、これは、ゴースト現象を誘発し、このようなゴースト現象も、色再現性を低下させる。
従来技術では、前記のようなリップル現象またはゴースト現象を防止するために、主に多層のサブ層で構成される誘電体膜においてサブ層別の厚さを10%内外でずらす方式などを採用しているが、このような方式だけでは、リップル現象を効果的に防止できず、特に入射角によって発生するリップル現象の防止が非常に難しい。
また、入射角によるリップル現象が激しく発生する領域は、可視光領域の中でも略400nm~600nmの波長領域であるが、従来技術では、このような波長領域に対する考慮が存在しない。
本出願は、光学フィルターを提供することを目的とする。本出願では、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、入射角と関係なく、リップル現象を最小化できる光学フィルターを提供することを一目的とする。また、本出願では、基板として近赤外線吸収ガラスを適用する場合にも、前記特性を確保すると同時に、高い可視光透過率を得ることができる光学フィルターを提供することを目的とする。
本出願の一実施態様による光学フィルターは、透明基板と、前記透明基板の一面または両面に形成され、2層以上のサブ層からなる誘電体膜と、を含み、波長範囲450nm~560nmでの入射角0度リップル値が2.5%以下である。
本出願では、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、入射角と関係なく、リップル現象を最小化できる光学フィルターを提供することができる。
また、本出願では、基板として近赤外線吸収ガラスを適用する場合にも、前記特性を確保すると同時に、高い可視光透過率を得ることができる光学フィルターを提供することができる。
本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 実施例で適用された基板の分光スペクトルである。 図6の基板に紫外線吸収層を形成した場合の分光スペクトルである。 図7の構造に赤外線吸収層を形成した場合の分光スペクトルである。 図8の構造に誘電体膜を形成した光学フィルターの分光スペクトルである。 実施例の光学フィルターの入射角による分光スペクトルである。 比較例の光学フィルターの入射角による分光スペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。
本明細書において言及する物性のうち、測定温度および/または測定圧力が結果に影響を及ぼす物性は、特に明記しない限り、常温および/または常圧で測定した結果である。
用語「常温」は、加温または冷却されない自然のままの温度であり、例えば、10℃~30℃の範囲内のいずれか1つの温度であってもよく、約23℃または約25℃程度の温度を意味する。また、本明細書において温度の単位は、別段の定めがない限り、摂氏(℃)である。
用語「常圧」は、加圧または減圧されない自然のままの圧力であり、通常、大気圧レベルの約1気圧程度を意味する。
本明細書において測定湿度が結果に影響を及ぼす物性の場合、当該物性は、前記常温および/または常圧状態で特に調節されない自然のままの湿度で測定した物性である。
本出願において言及する光学特性(例えば、屈折率)が波長によって変わる特性である場合に、別段の定めがない限り、当該光学特性は、520nm波長の光に対して得られた結果である。
本出願において用語「透過率」は、別段の定めがない限り、特定波長で確認した実際の透過率(実測透過率)を意味する。
本出願において用語「平均透過率」は、別段の定めがない限り、当該波長区間での波長別透過率の合計を波長の個数(N)で割った値を意味する。この際、前記波長別透過率は、1nm単位で求める。例えば、400nm~450nmでの平均透過率は、400nm、401nmおよび402nmのように、400nmから1nmずつ増加させながら、450nmまで全て51個の波長地点での透過率を求め、それらを合算した後に、前記合算値を51で割って求められ得る。このような平均透過率は、通常、公知の透過率測定装置やソフトウェアにより計算することができる。
本出願において用語「最大透過率」は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の透過率(実測透過率)のうち、最も高い透過率を意味する。
本明細書において入射角は、評価対象表面の法線を基準とする角度である。例えば、光学フィルターの入射角0度でのリップル値は、前記光学フィルター表面の法線に平行な方向に入射した光に対するリップル値を意味し、入射角40度でのリップル値は、前記法線と時計または反時計回りの方向に40度の角度を成す入射光に対するリップル値である。このような入射角の定義は、透過率など他の特性にも同一に適用される。
本出願の光学フィルターは、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断することができ、高い透過率で可視光透過バンドを具現することができる。
本出願において用語「可視光」は、略400~700nmの範囲内の光を意味する。
本出願において用語「可視光透過バンド」は、前記可視光領域で略60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上の平均透過率を示す分光スペクトルの特性を意味する。前記可視光領域での平均透過率の上限は、特に限定されない。例えば、前記平均透過率は、約100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下または75%以下程度であってもよい。
本出願において用語「Tn% cut on」は、前記可視光透過バンドでn%の透過率を示す最短波長を意味し、Tn% cut offは、前記可視光透過バンドでn%の透過率を示す最長波長を意味する。例えば、T50% cut onは、可視光透過バンドで50%の透過率を示す最短波長を意味し、T50% cut offは、可視光透過バンドで50%の透過率を示す最長波長を意味する。
本出願の光学フィルターは、T50% cut on波長が約400~420nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut on波長は、402nm以上、404nm以上、406nm以上または408nm以上の範囲内および/または418nm以下、416nm以下、414nm以下、412nm以下または410nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、T50% cut off波長が約610~650nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut off波長は、612nm以上、614nm以上、616nm以上、618nm以上、620nm以上、622nm以上、624nm以上、626nm以上、628nm以上または630nm以上の範囲内および/または648nm以下、646nm以下、644nm以下、642nm以下、640nm以下、638nm以下、636nm以下、634nm以下、632nm以下または630nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、425~560nmの範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、87%以上、89%以上、91%以上または93%以上の範囲内および/または98%以下、96%以下、94%以下、92%以下、90%以下または88%以下の範囲内で調節することができる。
本出願の光学フィルターは、425~560nmの範囲内で87%以上の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、89%以上、91%以上、93%以上または95%以上の範囲内および/または100%以下、98%以下、96%以下、94%以下、92%以下または90%以下の範囲内で調節することができる。
本出願の光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上または0.2%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.35%以下または0.3%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、波長700nmでの透過率が2%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で5%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2.0%以上または2.5%以上の範囲内および/または4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で10%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、波長1200nmでの透過率が10%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、低いリップル値(Ripple value)を有し、入射角が変動しても、前記低いリップル値を維持することができる。
一例において、本出願の光学フィルターは、450nm~560nmの波長領域で、入射角0度を基準としてリップル値が2.5%以下であってもよい。
用語「リップル値」は、前記波長領域450nm~560nmでの平均透過率Tave.i,i=1~nと実際の透過率T,i=1~nとの差=Tdiff.i=T-Tave.i(i=1~n)を全て求めた後、求められた差の最大値Max(Tdiff.i)と最小値Min(Tdiff.i)を差し引きして求めた値である。前記で1からnまでの範囲に定められる添え字iは、波長を示す序数である。例えば、450nm~560nmの範囲でリップル値を確認するとき、450nmは、iが1である場合と指定され、波長が1nmずつ増加すると、iも1ずつ増加する。すなわち451nmは、iが2である場合と指定され、560nmは、iが111である場合と指定される。前記リップル値は、下記数式1によって定められるR値である。一方、前記リップル値を求める過程での平均透過率は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値である。
[数式1]
R=Max(Tdiff.i)-Min(Tdiff.i
数式1で、Rは、前記リップル値であり、Max(Tdiff.i)は、前記平均透過率と実際の透過率との差のうち最大値であり、Min(Tdiff.i)は、前記平均透過率と実際の透過率との差のうち最小値である。
前記リップル値は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算することができる。
前記リップル値は、別の例では、約2.4%以下、2.3%以下、2.2%以下、2.1%以下、2.0%以下、1.9%以下、1.8%以下、1.7%以下、1.6%以下、1.5%以下、1.4%以下、1.3%以下または1.2%以下程度の範囲内および/または0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上、0.8%以上または1%以上の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターでは、また、入射角による前記リップル値の変動がほとんど起こらないか、最小化される。例えば、本出願の光学フィルターは、450nm~560nmの波長範囲で入射角0度に対する前記リップル値Rと入射角40度に対する前記リップル値R40の差R-R40の絶対値が0%~2.5%の範囲内にありえる。前記差の絶対値は、別の例では、約2.4%以下、2.2%以下、2.0%以下、1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.09%以下、0.08%以下、0.07%以下、0.06%以下、0.05%以下または0.04%以下の範囲内にありえる。
本出願の光学フィルターは、上述した光学特性のうちいずれか1つ、2つ以上の組み合わせを示すことができ、好ましくは、上述した光学特性を全部満たすことができる。
本出願の光学フィルターは、一例において、透明基板を含み、前記透明基板の一面または両面に誘電体膜、紫外線吸収層および赤外線吸収層からなる群から選ばれる1種以上の層を含んでもよい。この際、前記誘電体膜、赤外線吸収層または紫外線吸収層は、2層以上形成されてもよい。前記各層のうち適切な層の選択および組み合わせによって上述したリップル値などを含む光学特性を達成することができる。
図1および図2は、例示的な光学フィルターの構造であり、透明基板100の一面または両面に誘電体膜200、201、202が形成された場合を示す。
光学フィルターに適用される透明基板の種類は、特に限定されずに、光学フィルターの構成に使用される適切な種類を選択して使用することができる。
用語「透明基板」は、可視光を透過する特性を有する基板を意味し、例えば、約425~560nmの波長範囲での平均透過率が70%以上である基板を意味する。前記透明基板の平均透過率は、75%以上、80%以上または85%以上の範囲内および/または95%以下または90%以下の範囲内でさらに調節することができる。
透明基板としては、前記透過率を示し、基板としての適切な剛性などの物性を示すものであれば、公知の多様な素材からなる基板を適用することができ、例えば、ガラスや結晶などの無機材料や、樹脂などの有機材料からなる基板を使用することができる。
透明基板に使用できる樹脂材料としては、PET(poly(ethylene terephthalate))またはPBT(poly(butylene terephthalate))などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはEVA(ethylene-vinyl acetate copolymer)などのポリオレフィン、ノルボルネンポリマー、PMMA(poly(methyl methacrylate))などのアクリルポリマー、ウレタンポリマー、塩化ビニルポリマー、フッ素ポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラル、ポリビニルアルコールまたはポリイミドなどを例示できるが、これに限定されるものではない。
透明基板に使用できるガラス材料としては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどが挙げられる。
透明基板に使用できる結晶材料としては、水晶、ニオブ酸リチウムまたはサファイアなどの複屈折性結晶が挙げられる。
透明基板の厚さは、例えば、約0.03mm~5mmの範囲内で調節することができるが、これに限定されるものではない。
透明基板としては、いわゆる近赤外線吸収ガラスと知られているガラスであり、近赤外および/または近紫外領域の光を吸収する基板を使用することもできる。このようなガラスは、フッ化リン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスなどにCuOなどを添加した吸収型ガラスと知られており、前記でリン酸塩ガラスには、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるKリン酸塩ガラスも含まれる。
前記吸収型ガラスを透明基板として使用する場合、CuOなどの添加濃度や基板厚さを調節することによって、近赤外領域における吸収型ガラスの透過率を20%以下とすることができる。これによって、近赤外光に対する遮光性を改善することができる。このような吸収型ガラスは、公知となっており、例えば、韓国特許登録第10-2056613号などに開示されたガラスやその他市販の吸収型ガラス(例えば、HOYA、SCHOTT、PTOT社などの市販製品)を使用することができる。
透明基板の一面または両面に形成される誘電体膜は、本出願の光学フィルターが上述した光学特性を示し、特に低いリップル値を示すようにする重要な構成の1つである。前記誘電体膜は、互いに屈折率が異なる第1サブ層および第2サブ層を少なくとも含む多層構造であってもよい。一具体例において、前記第1および第2サブ層は、互いに屈折率が異なっており、第1サブ層が、第2サブ層と比べて、高い屈折率を有していてもよい。誘電体膜は、前記第1および第2サブ層が交互に繰り返して積層された構造を含んでもよい。
通常、誘電体膜は、低屈折率の誘電体材料と高屈折率の誘電体材料を繰り返して積層して構成された膜であり、いわゆるIR反射層およびAR(Anti-reflection)層を形成するために使用される。しかしながら、本出願の誘電体膜は、前述のような光学特性、特に低いリップル値を確保するために形成される。すなわち、本出願では、前記各サブ層の屈折率と前記透明基板の屈折率およびサブ層の層数を調節することによって、前述のような低いリップル値を含む光学特性を確保することができ、近赤外線吸収ガラスのように基本的に透過率特性が良くない基板を適用する場合にも、優れた透過率特性を確保することができる。
このような本出願の誘電体膜は、前記IR反射層およびAR層としての誘電体膜とは異なっており、それによって、実際の層の構成なども異なっている。
例えば、前記誘電体膜の下記数式2によるV値が17以下となるように形成されることができる。
[数式2]
V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
数式2で、nは、第1サブ層の屈折率であり、nは、第2サブ層の屈折率であり、nは、透明基板の屈折率であり、Kは、誘電体膜内の第1および第2サブ層の合計層数であり、pは、K=(2p+1)を満たす数である。
数式2のVは、IR反射層およびAR層を設計するとき、前記IR反射層などが遮断しようとする光を効果的に遮断するための理論反射率などを確認するための式に基づいて作成されたものである。数式を通じて確認されるように、第1および第2サブ層が同じ場合、Kおよびpの値が大きくなるほどV値が大きくなる。したがって、従来IR反射層やAR層の設計時には、目的とする性能の確保のために、第1および第2サブ層の層数Kが最小20層以上となるようにし、この場合、V値は、少なくとも20超過の値を示す。
しかしながら、このような層の設計は、本出願において目的とする低いリップル値などの光学特性を確保することに寄与しない。
すなわち、本出願の目的を達成するためには、前記数式2のV値が17以下となるように、各層の屈折率と層数が調節される必要がある。
理由は明確でないが、上記のような設計を満たす誘電体膜は、透明基板の光学特性(例えば、屈折率)と組み合わせられて、全体的な光学フィルターの透過率を高め、低いリップル値を確保することができる光の干渉現象を誘導すると見られる。
数式2で、第1サブ層の屈折率nと第2サブ層の屈折率nの比n/nは、一例において、約1.4~2.0の範囲内にありえる。前記比は、別の例では、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.65以上、1.7以上または1.75以上であるか、1.95以下、1.9以下、1.85以下または1.8以下程度であってもよい。数式2で、第1サブ層の屈折率nは、約1.8~3.5の範囲内にありえる。
前記屈折率nは、別の例では、2.0以上、2.2以上、2.4以上、2.5以上または2.55以上であるか、3.3以下、3.1以下、2.9以下または2.7以下程度であってもよい。
また、数式2で、第2サブ層の屈折率nは、約1.1~1.7の範囲内にありえる。前記屈折率nは、別の例では、1.2以上、1.3以上または1.4以上であるか、1.65以下、1.6以下、1.55以下または1.5以下程度であってもよい。
誘電体膜のサブ層のうち第1サブ層は、前記範囲の屈折率を有する層であり、第2サブ層は、前記範囲の屈折率を有するか、第1サブ層の屈折率と前記範囲の屈折率の割合を満たす屈折率を有する層と定義されうる。
数式2は、交互に繰り返し積層された第1および第2サブ層を含む構造に対して計算することができるが、この際、2層以上存在する第1サブ層の屈折率が互いに異なるか、2層以上存在する第2サブ層の屈折率が互いに異なる場合、数式2の計算時には、第1サブ層の屈折率の算術平均値を数式2のnとし、第2サブ層の屈折率の算術平均値を数式2のnとすることができる。
数式2で、第1サブ層の屈折率nと透明基板の屈折率nの比n/nは、一例において、約1.4~2.0の範囲内にありえる。前記比は、別の例では、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上または1.65以上であるか、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.75以下または1.7以下程度であってもよい。
透明基板の屈折率を考慮して、上記のような範囲を満たすように適切な材料が選択できる。
数式2で、pを決定するK、すなわち第1サブ層と第2サブ層の合計層数(第1サブ層の層数+第2サブ層の層数)は、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下または8以下程度であってもよく、別の例では、2以上、3以上、4以上、5以上または6以上であってもよい。誘電体膜は、前記第1および第2サブ層の繰り返し積層構造を含んでもよく、したがって、このような場合に、前記第1および第2サブ層それぞれの層数は、互いに同数であるか、いずれか1つの層が1層または2層程度多くてもよい。
誘電体膜において前記第1および第2サブ層のそれぞれの厚さは、目的に応じて調節することができるが、略5~200nmの範囲内であってもよい。前記厚さは、別の例では、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、65nm以上、70nm以上、75nm以上または85nm以上程度であるか、190nm以下、180nm以下、170nm以下、160nm以下、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下または15nm以下程度であってもよい。
誘電体膜に含まれる第1サブ層の厚さと第2サブ層の厚さの平均値(算術平均)は、約5~70nmの範囲内であってもよい。前記平均値は、別の例では、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上または35nm以上であるか、65nm以下、60nm以下、55nm以下、50nm以下、45nm以下または40nm以下程度であってもよい。
誘電体膜は、前記第1および第2サブ層以外に、他のサブ層を含むこともできるが、この場合にも、全体サブ層の厚さは、15層以下、14層以下、13層以下、12層以下、11層以下、10層以下、9層以下、8層以下、7層以下または6層以下程度に制御され、2層以上、3層以上、4層以上、5層以上または6層以上程度に制御されることが必要である。
また、誘電体膜が、前記第1および第2サブ層以外に、他のサブ層を含む場合にも、全体サブ層の層数に対して前記第1および第2サブ層の合計層数の割合は、80%以上、85%以上、90%以上または95%以上であることが必要であり、前記割合は、100%が上限である。
このような誘電体膜は、全体厚さが約100~500nmの範囲内であってもよい。前記厚さは、別の例では、120nm以上、140nm以上、160nm以上、180nm以上または200nm以上であるか、480nm以下、460nm以下、440nm以下、420nm以下、400nm以下、380nm以下、360nm以下、340nm以下、320nm以下、300nm以下、280nm以下、260nm以下、240nm以下または220nm以下程度の範囲内であってもよい。
前記数式2を満たす、第1および第2サブ層を交互に含む誘電体膜の一方の表面は、第1サブ層で形成され、他方の表面は、第2サブ層で形成されることができる。例えば、誘電体膜の透明基板側の表面は、第1サブ層で形成され、反対側の表面は、第2サブ層で形成されることができる。ただし、このような積層順序は変更することができる。
上記のような特性の誘電体膜の適用を通じて、目的とする低いリップル値を含む光学特性を確保することができる。このような誘電体膜は、透明基板の一面にのみ形成されてもよいが、好ましくは、両面に全部形成されてもよい。また、光学フィルターは、前記数式2のV値が17以下である誘電体膜以外に、他の誘電体膜を含まなくてもよい。すなわち、透明基板の両面に誘電体膜が形成される場合に、当該誘電体膜のV値は、それぞれ17以下であることが好ましい。
誘電体膜を形成する材料、すなわち前記各サブ層を形成する材料の種類は、特に限定されず、公知の材料を適用することができる。通常、低屈折のサブ層の製造には、SiOまたはNaAlF1、NaAlFまたはMgFなどのフッ化物を適用し、高屈折のサブ層の製造には、TiO、Ta、Nb、ZnSまたはZnSeなどを適用することができるが、本出願において適用する材料が前記に限定されるものではない。
上記のような誘電体膜を形成する方式は、特に限定されず、例えば、公知の蒸着方式を適用して形成することができる。
本出願は、また、さらなる層として吸収層を含んでもよく、吸収層としては、赤外線吸収層および/または紫外線吸収層が例示されうる。このような層は、通常、吸収剤(顔料、染料など)と透明樹脂を含む層であり、近紫外線領域および/または近赤外線領域の光をカットして、よりシャープな透過率バンドを具現するために適用することができる。
一例において、前記紫外線吸収層は、約300~390nmの波長領域で吸収極大を示すように設計することができ、赤外線吸収層は、600~800nmの波長領域で吸収極大を示すように設計することができる。
赤外線吸収層と紫外線吸収層は、1つの層で構成されてもよく、別々の層でそれぞれ構成されてもよい。例えば、1つの層が前記紫外線吸収層の吸収極大と赤外線吸収層の吸収極大を全て示すように設計されたり、前記それぞれの吸収極大を示す2つの層が形成されることもできる。また、複数の赤外線吸収層および/または紫外線吸収層が存在することもできる。
図3は、光学フィルターの構造の一例であり、基板100の一面に吸収層300と誘電体膜201が形成され、基板の他面にさらなる誘電体膜202が形成された場合を示す図である。この際、前記吸収層300は、前記紫外線吸収層であるか、赤外線吸収層であるか、あるいは、紫外線吸収層と赤外線吸収層の吸収極大を同時に示す吸収層であってもよい。
図4および図5は、2つの吸収層301、302が存在する場合の例であり、前記2つの吸収層301、302のうちいずれか一方は、赤外線吸収層であり、他方は、紫外線吸収層であってもよい。
ただし、吸収層が形成された光学フィルターの構造が図3~図5の場合に限定されるものではなく、吸収層の個数および積層位置は適切に変更することができる。
各吸収層は、1種の吸収剤のみを含むこともでき、必要な場合、赤外線および/または紫外線の適切なカットのために、2種以上の吸収剤を含むこともできる。
例えば、前記赤外線吸収層は、吸収極大波長が700~720nmの範囲内であり、半値幅が50~60nmの範囲内である第1吸収剤;吸収極大波長が730~750nmの範囲内であり、半値幅が60~70nmの範囲内である第2吸収剤;および吸収極大波長が760~780nmの範囲内であり、半値幅が90~100nmの範囲内である第3吸収剤を少なくとも含んでもよく、紫外線吸収層は、吸収極大波長が340~350nmの範囲内である第1吸収剤;および吸収極大波長が360~370nmの範囲内である第2吸収剤を少なくとも含んでもよい。
吸収層を構成する材料および構成方式は、特に限定されず、公知の材料および構成方式を適用することができる。
通常、吸収層は、目的とする吸収極大を示すことができる吸収剤(染料または顔料など)を透明な樹脂と配合した材料を使用して形成する。
この際、例えば、紫外線吸収剤としては、約300~390nmの波長領域で吸収極大を示す公知の吸収剤を適用することができ、その例としては、Exiton社のABS 407;QCR Solutions Corp社のUV381A、UV381B、UV382A、UV386A、VIS404A;H.W.Sands社のADA1225、ADA3209、ADA3216、ADA3217、ADA3218、ADA3230、ADA5205、ADA3217、ADA2055、ADA6798、ADA3102、ADA3204、ADA3210、ADA2041、ADA3201、ADA3202、ADA3215、ADA3219、ADA3225、ADA3232、ADA4160、ADA5278、ADA5762、ADA6826、ADA7226、ADA4634、ADA3213、ADA3227、ADA5922、ADA5950、ADA6752、ADA7130、ADA8212、ADA2984、ADA2999、ADA3220、ADA3228、ADA3235、ADA3240、ADA3211、ADA3221、ADA5220、ADA7158;CRYSTALYN社のDLS 381B、DLS 381C、DLS 382A、DLS 386A、DLS 404A、DLS 405A、DLS 405C、DLS 403Aなどがあるが、これに限定されるものではない。
また、赤外線吸収剤として、600~800nmの波長領域で吸収極大を示す適切な染料または顔料などが使用でき、例えば、スクアリリウム(squarylium)系染料、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物またはジチオール金属錯体系化合物などが使用できるが、これに限定されるものではない。
また、吸収層に適用される透明樹脂は、公知の樹脂が使用でき、例えば、環状オレフィン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂および多様な有機・無機ハイブリッド系樹脂のうち1種以上を使用することができる。
光学フィルターは、上述した層の他にも、必要な多様な層を、目的とする効果を害しない範囲で追加することができる。
本出願は、また、前記近赤外線吸収ガラス基板と前記紫外線吸収層および赤外線吸収層を含む光学フィルターに関する。この光学フィルターにも、前述のような誘電体膜が形成されることができる。このような光学フィルターは、上述した透過率特性(可視光透過バンド)のうち少なくともいずれか1つまたは2つ以上または全部を示すことができる。
例えば、前記光学フィルターは、分光スペクトルで可視光領域で略60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上の平均透過率を示す可視光透過バンドを示すことができる。前記可視光領域での平均透過率の上限は、特に限定されない。例えば、前記平均透過率は、約100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下または75%以下程度であってもよい。
前記光学フィルターは、また、T50% cut on波長が約400~420nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut on波長は、402nm以上、404nm以上、406nm以上または408nm以上の範囲内および/または418nm以下、416nm以下、414nm以下、412nm以下または410nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、また、T50% cut off波長が約610~650nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut off波長は、612nm以上、614nm以上、616nm以上、618nm以上、620nm以上、622nm以上、624nm以上、626nm以上、628nm以上または630nm以上の範囲内および/または648nm以下、646nm以下、644nm以下、642nm以下、640nm以下、638nm以下、636nm以下、634nm以下、632nm以下または630nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、また、425~560nmの範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、87%以上、89%以上、91%以上または93%以上の範囲内および/または98%以下、96%以下、94%以下、92%以下、90%以下または88%以下の範囲内で調節することができる。
前記光学フィルターは、425~560nmの範囲内で87%以上の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、89%以上、91%以上、93%以上または95%以上の範囲内および/または100%以下、98%以下、96%以下、94%以下、92%以下または90%以下の範囲内で調節することができる。
前記光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上または0.2%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.35%以下または0.3%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、波長700nmでの透過率が2%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で5%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2.0%以上または2.5%以上の範囲内および/または4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で10%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、波長1200nmでの透過率が10%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターも、前述した範囲の低いリップル値(Ripple value)を有し、入射角が変動しても、前記低いリップル値を維持することができる。
すなわち、前記光学フィルターの入射角0度でのリップル値および前記入射角0度でのリップル値と入射角40度でのリップル値が上述した範囲内にありえる。
前述したように、近赤外線吸収ガラス(Blue glassとも呼ばれる)は、それ自体でも近赤外線領域に対する吸収特性を示すが、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断する特性が劣り、したがって、シャープな可視光の透過率バンドを得ることが難しい。
しかしながら、本出願において上述した紫外線吸収層および/または赤外線吸収層を適切に形成することによって、近赤外線吸収ガラスを適用した場合にも、上述した優れた分光スペクトルを得ることができる。
この際、適用可能な赤外線吸収層および/または紫外線吸収層の具体的な種類は、上記の通りである。
本出願は、また、前記光学フィルターを含む撮像装置に関する。この際、前記撮像装置の構成方式や前記光学フィルターの適用方式は、特に限定されず、公知の構成と適用方式を適用することができる。
また、本出願の光学フィルターの用途が前記撮像装置に限定されるものではなく、その他近赤外線カットが必要な多様な用途(例えば、PDPなどのディスプレイ装置など)に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。
1.透過率スペクトルの評価
赤外線吸収ガラス(赤外線吸収基板)と前記ガラスに赤外線吸収層、紫外線吸収層および/または誘電体層を形成した積層体(光学フィルターなど)の透過率スペクトルは、前記赤外線吸収ガラスなどを一定のサイズ(横、縦および厚さがそれぞれ10mm、10mmおよび0.2mm)に裁断して得られた試験片に対して分光光度計(メーカー:Perkinelmer社製、製品名:Lambda750分光光度計)を使用して測定した。透過率スペクトルは、前記装備のマニュアルに従って波長別および入射角別に測定した。前記試験片(赤外線吸収ガラスなど)を分光光度計の測定ビームとディテクターとの間の直線上に位置させ、測定ビームの入射角を0度から40度まで角度を変更しながら、透過率スペクトルを確認した。特に明記しない限り、本実施例において言う透過率スペクトルの結果は、前記入射角が0度である場合の結果であり、この際、入射角0度は、試験片の表面法線方向に平行な方向である。
2.屈折率の評価
赤外線吸収ガラスおよび誘電体サブ層の屈折率は、ウィーズオプティクス社のエリプソメーター(M-2000(登録商標)Ellipsometer)装置を適用して、520nmの波長に対して測定した。
製造例1.紫外線吸収層材料の製造
紫外線吸収層材料は、約340~390nm程度の範囲内で吸収極大を示すトリアジン(triazine)系染料をバインダー樹脂と配合して製造した。バインダー樹脂としては、PMMA(poly(methyl methacrylate))バインダーを使用した。シクロヘキサノン(Cyclohexanone)に前記バインダー樹脂および吸収剤を配合して材料を製造し、バインダー樹脂100重量部に対して約5重量部の前記染料を混合した。
製造例2.近赤外線吸収層材料の製造
近赤外線吸収層の材料は、吸収極大波長が約700~720nmの範囲内であり、半値幅(FWHM)が約50~60nmレベルである赤外線吸収剤1(スクアリリウム(squarylium)系染料)、吸収極大波長が約730~750nm程度の範囲内であり、半値幅(FWHM)が約60~70nmレベルである赤外線吸収剤2(スクアリリウム(squarylium)系染料)および吸収極大波長が約760~780nm程度の範囲内であり、半値幅(FWHM)が約90~100nmレベルである赤外線吸収剤3(スクアリリウム(squarylium)系染料)を使用して製造した。
前記3種の赤外線吸収剤をバインダー樹脂と配合して材料を製造した。バインダー樹脂としては、COP(Cycloolefin polymer)を使用した。
トルエン(Toluene)に前記バインダー樹脂および吸収剤を配合して材料を製造し、配合比は、バインダー樹脂100重量部に対して吸収剤1、吸収剤2および吸収剤3の重量部がそれぞれ0.1重量部、0.2重量部および0.4重量部となるようにした。
実施例1.
基板としては、図6のような透過率スペクトルを示す近赤外線吸収ガラスを使用した。近赤外線吸収ガラスは、銅イオンなどの着色成分を含ませて、吸収特性を付与したガラスであり、いわゆるブルーガラス(blue glass)とも呼ばれるガラスであり、本実施例では、PTOT社の市販製品を使用した。前記近赤外線吸収ガラスのスペクトル特性は、下記表1にまとめた通りである。
前記近赤外線吸収ガラスは、屈折率が約1.57程度であった。
まず、前記近赤外線吸収ガラスの一面に紫外線吸収層材料を使用して紫外線吸収層を形成した。前記紫外線吸収層は、製造例1の材料を近赤外線吸収ガラス上にコートし、140℃ファーネス(furnace)で約2時間の間乾燥して、約3μmの厚さで形成した。
前記紫外線吸収層が形成された状態での透過率スペクトルは、図7に示された通りである。図7に示されたように、紫外線吸収層の形成によって紫外線領域(約300~390nmの波長範囲)の透過率が1%以下に減少し、可視光透過バンドのT50% cut on波長が長波長にシフトしたことを確認することができる。
前記紫外線吸収層上に製造例2の赤外線吸収層材料を使用して赤外線吸収層を形成した。前記赤外線吸収層は、製造例2の材料を130℃のファーネス(furnace)で2時間の間乾燥して、約3.5μm程度の厚さで形成した。前記赤外線吸収層が形成された状態での透過率スペクトルは、図8に示された通りである。図8に示されたように、赤外線吸収層の形成によって赤外線領域(約700~1000nmの波長範囲)の透過率が1%以下に減少し、可視光透過バンドのT50% cut off波長が短波長にシフトしたことを確認することができる。
前記紫外線および赤外線吸収層が形成された近赤外線吸収ガラス上に誘電体膜を形成した。誘電体膜は、イオンビームアシスト蒸着(Ion-beam assisted deposition)方式でサブ層を蒸着して形成した。蒸着時に真空度および温度の条件は、それぞれ5.0E-5 Torrおよび120℃とし、IBS(Ion Beam Sputtering)ソース(source)電圧350Vおよび電流850mAの条件に設定した。前記方式で高屈折層であるTiO層(屈折率約2.61)と低屈折層であるSiO層(屈折率約1.46)を交互に形成して、誘電体膜を形成した。
サブ層である前記高屈折層と低屈折層は、合計6層を形成し、具体的には、赤外線吸収層上にTiO層(厚さ約12.4nm)、SiO層(厚さ約30.3nm)、TiO層(厚さ約43.7nm)、SiO層(厚さ約13nm)、TiO層(厚さ約30.4nm)およびSiO層(厚さ約85.3nm)を順次形成して、誘電体膜を形成した。このような誘電体膜は、下記数式1のnが約2.61(TiO層の屈折率)であり、nが約1.46(SiO層の屈折率)であり、nが約1.57(近赤外線吸収ガラスの屈折率)であり、pが2.5(=(6-1)/2)であり、これによって、V値は、約5.70である。
[数式2]
V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
次に、近赤外線吸収ガラスの赤外線吸収層が形成されていない面に同一にTiO層(厚さ約12.4nm)、SiO層(厚さ約30.3nm)、TiO層(厚さ約43.7nm)、SiO層(厚さ約13nm)、TiO層(厚さ約30.4nm)およびSiO層(厚さ約85.3nm)を順次形成することによって、両面に誘電体膜が存在し、最外層がSiO層(厚さ約85.3nm)である光学フィルターを製造した。
前記光学フィルターのスペクトルは、図9に示された通りである。図9に示されたように、光学フィルターの可視光透過率は、近赤外線吸収ガラスの可視光透過率と比べて高く、可視光透過バンドのT50% cut off波長が長波長にシフトしたことを確認することができる。
下記表1は、前記近赤外線吸収ガラス、紫外線吸収層が形成された近赤外線吸収ガラス(フィルターA)、フィルターA上に赤外線吸収層が形成された場合(フィルターB)およびフィルターBの両面にV値が5.70レベルである誘電体膜が形成された光学フィルターの透過率スペクトル特性をまとめたものである。
下記表1で、透過率の単位は、%である。
下記表1で、平均透過率(Tave)は、上述したように、当該波長区間での波長別透過率の合計を波長の個数(N)で割った値であり、この際、前記波長別透過率は、1nm単位で求めた。
Figure 2023541954000002
比較例1.
赤外線吸収層上には、実施例と同様のイオンビームアシスト蒸着(Ion-beam assisted deposition)方式を利用して、赤外線吸収層上に、高屈折率と低屈折率を有する誘電体膜を積層して合計19層を形成し、赤外線吸収層が形成されていない近赤外線吸収ガラス上に、同じ方式で22層の誘電体膜を形成したことを除いて、実施例1と同一に光学フィルターを製造した。前記赤外線吸収層上に形成された誘電体膜は、可視光反射防止特性を有するいわゆるAR(Anti reflection)層特性を示すように形成したものであり、近赤外線吸収ガラス上に形成した誘電体膜は、赤外線反射特性を有するいわゆるIR層の特性を示すように形成したものである。
前記IRおよびAR層特性の誘電体膜の形成材料および厚さとともに、積層順序は、下記表2および表3の通りである。これによって、前記IR層特性の誘電体膜のV値は21.9であり、AR層特性の誘電体膜のV値は18.9程度である。
Figure 2023541954000003
Figure 2023541954000004
試験例1.
実施例で製造された光学フィルターに対して入射角0度、30度および40度でそれぞれ透過率スペクトルを評価し、その結果は、図10に示されている。図10から確認されるように、実施例の光学フィルターは、入射角と関係なく、ほぼ同じスペクトルを示した。また、可視光透過バンドのT10% cut onおよびT10% cut offも入射角によってシフトが実質的に発生しなかった。
図11は、比較例1の入射角0度、30度および40度での透過率スペクトルをそれぞれ示す。図11から確認できるように、比較例1の場合、可視光透過バンドのT10% cut onが入射角によって5nm以上のシフトが発生した。
試験例2.
図12は、実施例および比較例の光学フィルターのリップル値を確認するために、450nm~560nmの波長範囲内での透過率スペクトルを拡大した図である(入射角0度)。
図面から明らかなように、比較例1の光学フィルターの場合、波長による透過率変動(fluctuation)がひどく起こり、大きなリップル値を示すことを予想できるが、実施例1の光学フィルターは、前記変動(fluctuation)がほとんど観察されなかった。
図13および図14は、それぞれ実施例1および比較例1のリップル値を確認するために、450~560nmの範囲内の透過率の平均値(実線)と実測値(点)を拡大して示したもの(入射角:0度)であり、図面上で実施例1と比較例1との相違をより明確に確認することができる。
実施例1に対する入射角0度でのリップル値は約1.17%程度であり、入射角40度でのリップル値は約1.20%程度であり、比較例1に対する入射角0度でのリップル値は約2.40%程度であり、入射角40度でのリップル値は約7.08%程度であった。
前記リップル値の確認のための透過率の平均値(平均透過率)は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値である。
本出願は、光学フィルターに関する。
CCDやCMOSイメージセンサーなどの撮像素子を用いた撮像装置では、良好な色再現性と鮮明な画像を得るために、可視光を透過し、近赤外光などの赤外光を遮蔽する光学フィルターが使用されており、このような光学フィルターは、近赤外カットフィルターとも呼ばれる。
このような光学フィルターには、可視光を透過させると共に、紫外光および赤外光を遮断する透過率曲線を示すことが要求される。
しかしながら、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断し、可視光の透過率が高い透過率曲線を得ることは容易でない。
公知の光学フィルターとして、近赤外吸収色素を含有する吸収層と、紫外および赤外波長領域の光を遮断する誘電体膜を含む反射層を具備するものが知られている(例えば、特許文献1、韓国特許登録第10-2056613号)。誘電体膜は、入射角によって透過率曲線が変化(シフト)する特性を有する。したがって、特許文献1などの光学フィルターは、前記誘電体膜の短所を補完するために、透過率の入射角依存性が小さい近赤外吸収色素を含有する吸収層を適用する。
韓国特許登録第10-2056613号公報
基板としてそれ自体で近赤外線吸収特性を有するいわゆる近赤外線吸収ガラス(Blue glassとも呼ばれる)を適用した光学フィルターも知られている。前記近赤外線吸収ガラスは、近赤外線波長領域の光を選択的に吸収するように、フッ化リン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスにCuOなどを添加したガラスフィルターである。しかしながら、このような近赤外線ガラスを適用する場合には、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断しつつ、シャープな可視光の透過率バンドを得ることが難しい。また、近赤外線吸収ガラス自体の特性に起因して前記可視光の透過率バンド内で高い透過率を得ることができない。
一方、従来の光学フィルターでは、可視光透過領域で周期的な透過率の変動現象(いわゆるリップル(ripple)現象)が発生する。
前記リップル現象は、特定領域での実際の透過率が当該領域の平均透過率と比べて大きくなり、小さくなる現象が周期的に観察される現象である。
撮像装置は、光学フィルターを透過した可視光をRGB(Red、Green、Blue)別にセンサーでセンシングする。前記でRGBの各センサーの感度などを波長別平均透過率を考慮して調節するが、前記リップル現象が起こると、センサーが認識する光で変動(fluctuation)が発生し、色再現性が低下する。
また、リップル現象は、可視光領域の透過率が瞬間的に低下する区域(いわゆるbunk区域)を発生させることができ、これは、ゴースト現象を誘発し、このようなゴースト現象も、色再現性を低下させる。
従来技術では、前記のようなリップル現象またはゴースト現象を防止するために、主に多層のサブ層で構成される誘電体膜においてサブ層別の厚さを10%内外でずらす方式などを採用しているが、このような方式だけでは、リップル現象を効果的に防止できず、特に入射角によって発生するリップル現象の防止が非常に難しい。
また、入射角によるリップル現象が激しく発生する領域は、可視光領域の中でも略400nm~600nmの波長領域であるが、従来技術では、このような波長領域に対する考慮が存在しない。
本出願は、光学フィルターを提供することを目的とする。本出願では、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、入射角と関係なく、リップル現象を最小化できる光学フィルターを提供することを一目的とする。また、本出願では、基板として近赤外線吸収ガラスを適用する場合にも、前記特性を確保すると同時に、高い可視光透過率を得ることができる光学フィルターを提供することを目的とする。
本出願の一実施態様による光学フィルターは、透明基板と、前記透明基板の一面または両面に形成され、2層以上のサブ層からなる誘電体膜と、を含み、波長範囲450nm~560nmでの入射角0度リップル値が2.5%以下である。
本出願では、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、入射角と関係なく、リップル現象を最小化できる光学フィルターを提供することができる。
また、本出願では、基板として近赤外線吸収ガラスを適用する場合にも、前記特性を確保すると同時に、高い可視光透過率を得ることができる光学フィルターを提供することができる。
本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 本出願の光学フィルターの例示的な積層構造を示す図である。 実施例で適用された基板の分光スペクトルである。 図6の基板に紫外線吸収層を形成した場合の分光スペクトルである。 図7の構造に赤外線吸収層を形成した場合の分光スペクトルである。 図8の構造に誘電体膜を形成した光学フィルターの分光スペクトルである。 実施例の光学フィルターの入射角による分光スペクトルである。 比較例の光学フィルターの入射角による分光スペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。 実施例または比較例の光学フィルターのリップル値を確認するためのスペクトルである。
本明細書において言及する物性のうち、測定温度および/または測定圧力が結果に影響を及ぼす物性は、特に明記しない限り、常温および/または常圧で測定した結果である。
用語「常温」は、加温または冷却されない自然のままの温度であり、例えば、10℃~30℃の範囲内のいずれか1つの温度であってもよく、約23℃または約25℃程度の温度を意味する。また、本明細書において温度の単位は、別段の定めがない限り、摂氏(℃)である。
用語「常圧」は、加圧または減圧されない自然のままの圧力であり、通常、大気圧レベルの約1気圧程度を意味する。
本明細書において測定湿度が結果に影響を及ぼす物性の場合、当該物性は、前記常温および/または常圧状態で特に調節されない自然のままの湿度で測定した物性である。
本出願において言及する光学特性(例えば、屈折率)が波長によって変わる特性である場合に、別段の定めがない限り、当該光学特性は、520nm波長の光に対して得られた結果である。
本出願において用語「透過率」は、別段の定めがない限り、特定波長で確認した実際の透過率(実測透過率)を意味する。
本出願において用語「平均透過率」は、別段の定めがない限り、当該波長区間での波長別透過率の合計を波長の個数(N)で割った値を意味する。この際、前記波長別透過率は、1nm単位で求める。例えば、400nm~450nmでの平均透過率は、400nm、401nmおよび402nmのように、400nmから1nmずつ増加させながら、450nmまで全て51個の波長地点での透過率を求め、それらを合算した後に、前記合算値を51で割って求められ得る。このような平均透過率は、通常、公知の透過率測定装置やソフトウェアにより計算することができる。
本出願において用語「最大透過率」は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の透過率(実測透過率)のうち、最も高い透過率を意味する。
本明細書において入射角は、評価対象表面の法線を基準とする角度である。例えば、光学フィルターの入射角0度でのリップル値は、前記光学フィルター表面の法線に平行な方向に入射した光に対するリップル値を意味し、入射角40度でのリップル値は、前記法線と時計または反時計回りの方向に40度の角度を成す入射光に対するリップル値である。このような入射角の定義は、透過率など他の特性にも同一に適用される。
本出願の光学フィルターは、短波長可視光領域近傍の紫外光と長波長可視光領域近傍の赤外光を効率的かつ正確に遮断することができ、高い透過率で可視光透過バンドを具現することができる。
本出願において用語「可視光」は、略400~700nmの範囲内の光を意味する。
本出願において用語「可視光透過バンド」は、前記可視光領域で略60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上の平均透過率を示す分光スペクトルの特性を意味する。前記可視光領域での平均透過率の上限は、特に限定されない。例えば、前記平均透過率は、約100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下または75%以下程度であってもよい。
本出願において用語「Tn% cut on」は、前記可視光透過バンドでn%の透過率を示す最短波長を意味し、Tn% cut offは、前記可視光透過バンドでn%の透過率を示す最長波長を意味する。例えば、T50% cut onは、可視光透過バンドで50%の透過率を示す最短波長を意味し、T50% cut offは、可視光透過バンドで50%の透過率を示す最長波長を意味する。
本出願の光学フィルターは、T50% cut on波長が約400~420nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut on波長は、402nm以上、404nm以上、406nm以上または408nm以上の範囲内および/または418nm以下、416nm以下、414nm以下、412nm以下または410nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、T50% cut off波長が約610~650nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut off波長は、612nm以上、614nm以上、616nm以上、618nm以上、620nm以上、622nm以上、624nm以上、626nm以上、628nm以上または630nm以上の範囲内および/または648nm以下、646nm以下、644nm以下、642nm以下、640nm以下、638nm以下、636nm以下、634nm以下、632nm以下または630nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、425~560nmの範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、87%以上、89%以上、91%以上または93%以上の範囲内および/または98%以下、96%以下、94%以下、92%以下、90%以下または88%以下の範囲内で調節することができる。
本出願の光学フィルターは、425~560nmの範囲内で87%以上の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、89%以上、91%以上、93%以上または95%以上の範囲内および/または100%以下、98%以下、96%以下、94%以下、92%以下または90%以下の範囲内で調節することができる。
本出願の光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上または0.2%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.35%以下または0.3%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、波長700nmでの透過率が2%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で5%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2.0%以上または2.5%以上の範囲内および/または4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で10%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、波長1200nmでの透過率が10%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターは、低いリップル値(Ripple value)を有し、入射角が変動しても、前記低いリップル値を維持することができる。
一例において、本出願の光学フィルターは、450nm~560nmの波長領域で、入射角0度を基準としてリップル値が2.5%以下であってもよい。
用語「リップル値」は、前記波長領域450nm~560nmでの平均透過率Tave.i,i=1~nと実際の透過率T,i=1~nとの差=Tdiff.i=T-Tave.i(i=1~n)を全て求めた後、求められた差の最大値Max(Tdiff.i)と最小値Min(Tdiff.i)を差し引きして求めた値である。前記で1からnまでの範囲に定められる添え字iは、波長を示す序数である。例えば、450nm~560nmの範囲でリップル値を確認するとき、450nmは、iが1である場合と指定され、波長が1nmずつ増加すると、iも1ずつ増加する。すなわち451nmは、iが2である場合と指定され、560nmは、iが111である場合と指定される。前記リップル値は、下記数式1によって定められるR値である。一方、前記リップル値を求める過程での平均透過率は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値である。
[数式1]
R=Max(Tdiff.i)-Min(Tdiff.i
数式1で、Rは、前記リップル値であり、Max(Tdiff.i)は、前記平均透過率と実際の透過率との差のうち最大値であり、Min(Tdiff.i)は、前記平均透過率と実際の透過率との差のうち最小値である。
前記リップル値は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算することができる。
前記リップル値は、別の例では、約2.4%以下、2.3%以下、2.2%以下、2.1%以下、2.0%以下、1.9%以下、1.8%以下、1.7%以下、1.6%以下、1.5%以下、1.4%以下、1.3%以下または1.2%以下程度の範囲内および/または0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上、0.8%以上または1%以上の範囲内でさらに調節することができる。
本出願の光学フィルターでは、また、入射角による前記リップル値の変動がほとんど起こらないか、最小化される。例えば、本出願の光学フィルターは、450nm~560nmの波長範囲で入射角0度に対する前記リップル値Rと入射角40度に対する前記リップル値R40の差R-R40の絶対値が0%~2.5%の範囲内にありえる。前記差の絶対値は、別の例では、約2.4%以下、2.2%以下、2.0%以下、1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.09%以下、0.08%以下、0.07%以下、0.06%以下、0.05%以下または0.04%以下の範囲内にありえる。
本出願の光学フィルターは、上述した光学特性のうちいずれか1つ、2つ以上の組み合わせを示すことができ、好ましくは、上述した光学特性を全部満たすことができる。
本出願の光学フィルターは、一例において、透明基板を含み、前記透明基板の一面または両面に誘電体膜、紫外線吸収層および赤外線吸収層からなる群から選ばれる1種以上の層を含んでもよい。この際、前記誘電体膜、赤外線吸収層または紫外線吸収層は、2層以上形成されてもよい。前記各層のうち適切な層の選択および組み合わせによって上述したリップル値などを含む光学特性を達成することができる。
図1および図2は、例示的な光学フィルターの構造であり、透明基板100の一面または両面に誘電体膜200、201、202が形成された場合を示す。
光学フィルターに適用される透明基板の種類は、特に限定されずに、光学フィルターの構成に使用される適切な種類を選択して使用することができる。
用語「透明基板」は、可視光を透過する特性を有する基板を意味し、例えば、約425~560nmの波長範囲での平均透過率が70%以上である基板を意味する。前記透明基板の平均透過率は、75%以上、80%以上または85%以上の範囲内および/または95%以下または90%以下の範囲内でさらに調節することができる。
透明基板としては、前記透過率を示し、基板としての適切な剛性などの物性を示すものであれば、公知の多様な素材からなる基板を適用することができ、例えば、ガラスや結晶などの無機材料や、樹脂などの有機材料からなる基板を使用することができる。
透明基板に使用できる樹脂材料としては、PET(poly(ethylene terephthalate))またはPBT(poly(butylene terephthalate))などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはEVA(ethylene-vinyl acetate copolymer)などのポリオレフィン、ノルボルネンポリマー、PMMA(poly(methyl methacrylate))などのアクリルポリマー、ウレタンポリマー、塩化ビニルポリマー、フッ素ポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラル、ポリビニルアルコールまたはポリイミドなどを例示できるが、これに限定されるものではない。
透明基板に使用できるガラス材料としては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどが挙げられる。
透明基板に使用できる結晶材料としては、水晶、ニオブ酸リチウムまたはサファイアなどの複屈折性結晶が挙げられる。
透明基板の厚さは、例えば、約0.03mm~5mmの範囲内で調節することができるが、これに限定されるものではない。
透明基板としては、いわゆる近赤外線吸収ガラスと知られているガラスであり、近赤外および/または近紫外領域の光を吸収する基板を使用することもできる。このようなガラスは、フッ化リン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラスなどにCuOなどを添加した吸収型ガラスと知られており、前記でリン酸塩ガラスには、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるケイ酸リン酸塩ガラスも含まれる。
前記吸収型ガラスを透明基板として使用する場合、CuOなどの添加濃度や基板厚さを調節することによって、近赤外領域における吸収型ガラスの透過率を20%以下とすることができる。これによって、近赤外光に対する遮光性を改善することができる。このような吸収型ガラスは、公知となっており、例えば、韓国特許登録第10-2056613号などに開示されたガラスやその他市販の吸収型ガラス(例えば、HOYA、SCHOTT、PTOT社などの市販製品)を使用することができる。
透明基板の一面または両面に形成される誘電体膜は、本出願の光学フィルターが上述した光学特性を示し、特に低いリップル値を示すようにする重要な構成の1つである。前記誘電体膜は、互いに屈折率が異なる第1サブ層および第2サブ層を少なくとも含む多層構造であってもよい。一具体例において、前記第1および第2サブ層は、互いに屈折率が異なっており、第1サブ層が、第2サブ層と比べて、高い屈折率を有していてもよい。誘電体膜は、前記第1および第2サブ層が交互に繰り返して積層された構造を含んでもよい。
通常、誘電体膜は、低屈折率の誘電体材料と高屈折率の誘電体材料を繰り返して積層して構成された膜であり、いわゆるIR反射層およびAR(Anti-reflection)層を形成するために使用される。しかしながら、本出願の誘電体膜は、前述のような光学特性、特に低いリップル値を確保するために形成される。すなわち、本出願では、前記各サブ層の屈折率と前記透明基板の屈折率およびサブ層の層数を調節することによって、前述のような低いリップル値を含む光学特性を確保することができ、近赤外線吸収ガラスのように基本的に透過率特性が良くない基板を適用する場合にも、優れた透過率特性を確保することができる。
このような本出願の誘電体膜は、前記IR反射層およびAR層としての誘電体膜とは異なっており、それによって、実際の層の構成なども異なっている。
例えば、前記誘電体膜の下記数式2によるV値が17以下となるように形成されることができる。
[数式2]
V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
数式2で、nは、第1サブ層の屈折率であり、nは、第2サブ層の屈折率であり、nは、透明基板の屈折率であり、Kは、誘電体膜内の第1および第2サブ層の合計層数であり、pは、K=(2p+1)を満たす数である。
数式2のVは、IR反射層およびAR層を設計するとき、前記IR反射層などが遮断しようとする光を効果的に遮断するための理論反射率などを確認するための式に基づいて作成されたものである。数式を通じて確認されるように、第1および第2サブ層が同じ場合、Kおよびpの値が大きくなるほどV値が大きくなる。したがって、従来IR反射層やAR層の設計時には、目的とする性能の確保のために、第1および第2サブ層の層数Kが最小20層以上となるようにし、この場合、V値は、少なくとも20超過の値を示す。
しかしながら、このような層の設計は、本出願において目的とする低いリップル値などの光学特性を確保することに寄与しない。
すなわち、本出願の目的を達成するためには、前記数式2のV値が17以下となるように、各層の屈折率と層数が調節される必要がある。
理由は明確でないが、上記のような設計を満たす誘電体膜は、透明基板の光学特性(例えば、屈折率)と組み合わせられて、全体的な光学フィルターの透過率を高め、低いリップル値を確保することができる光の干渉現象を誘導すると見られる。
数式2で、第1サブ層の屈折率nと第2サブ層の屈折率nの比n/nは、一例において、約1.4~2.0の範囲内にありえる。前記比は、別の例では、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.65以上、1.7以上または1.75以上であるか、1.95以下、1.9以下、1.85以下または1.8以下程度であってもよい。数式2で、第1サブ層の屈折率nは、約1.8~3.5の範囲内にありえる。
前記屈折率nは、別の例では、2.0以上、2.2以上、2.4以上、2.5以上または2.55以上であるか、3.3以下、3.1以下、2.9以下または2.7以下程度であってもよい。
また、数式2で、第2サブ層の屈折率nは、約1.1~1.7の範囲内にありえる。前記屈折率nは、別の例では、1.2以上、1.3以上または1.4以上であるか、1.65以下、1.6以下、1.55以下または1.5以下程度であってもよい。
誘電体膜のサブ層のうち第1サブ層は、前記範囲の屈折率を有する層であり、第2サブ層は、前記範囲の屈折率を有するか、第1サブ層の屈折率と前記範囲の屈折率の割合を満たす屈折率を有する層と定義されうる。
数式2は、交互に繰り返し積層された第1および第2サブ層を含む構造に対して計算することができるが、この際、2層以上存在する第1サブ層の屈折率が互いに異なるか、2層以上存在する第2サブ層の屈折率が互いに異なる場合、数式2の計算時には、第1サブ層の屈折率の算術平均値を数式2のnとし、第2サブ層の屈折率の算術平均値を数式2のnとすることができる。
数式2で、第1サブ層の屈折率nと透明基板の屈折率nの比n/nは、一例において、約1.4~2.0の範囲内にありえる。前記比は、別の例では、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上または1.65以上であるか、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.75以下または1.7以下程度であってもよい。
透明基板の屈折率を考慮して、上記のような範囲を満たすように適切な材料が選択できる。
数式2で、pを決定するK、すなわち第1サブ層と第2サブ層の合計層数(第1サブ層の層数+第2サブ層の層数)は、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下または8以下程度であってもよく、別の例では、2以上、3以上、4以上、5以上または6以上であってもよい。誘電体膜は、前記第1および第2サブ層の繰り返し積層構造を含んでもよく、したがって、このような場合に、前記第1および第2サブ層それぞれの層数は、互いに同数であるか、いずれか1つの層が1層または2層程度多くてもよい。
誘電体膜において前記第1および第2サブ層のそれぞれの厚さは、目的に応じて調節することができるが、略5~200nmの範囲内であってもよい。前記厚さは、別の例では、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、65nm以上、70nm以上、75nm以上または85nm以上程度であるか、190nm以下、180nm以下、170nm以下、160nm以下、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下または15nm以下程度であってもよい。
誘電体膜に含まれる第1サブ層の厚さと第2サブ層の厚さの平均値(算術平均)は、約5~70nmの範囲内であってもよい。前記平均値は、別の例では、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上または35nm以上であるか、65nm以下、60nm以下、55nm以下、50nm以下、45nm以下または40nm以下程度であってもよい。
誘電体膜は、前記第1および第2サブ層以外に、他のサブ層を含むこともできるが、この場合にも、全体サブ層の厚さは、15層以下、14層以下、13層以下、12層以下、11層以下、10層以下、9層以下、8層以下、7層以下または6層以下程度に制御され、2層以上、3層以上、4層以上、5層以上または6層以上程度に制御されることが必要である。
また、誘電体膜が、前記第1および第2サブ層以外に、他のサブ層を含む場合にも、全体サブ層の層数に対して前記第1および第2サブ層の合計層数の割合は、80%以上、85%以上、90%以上または95%以上であることが必要であり、前記割合は、100%が上限である。
このような誘電体膜は、全体厚さが約100~500nmの範囲内であってもよい。前記厚さは、別の例では、120nm以上、140nm以上、160nm以上、180nm以上または200nm以上であるか、480nm以下、460nm以下、440nm以下、420nm以下、400nm以下、380nm以下、360nm以下、340nm以下、320nm以下、300nm以下、280nm以下、260nm以下、240nm以下または220nm以下程度の範囲内であってもよい。
前記数式2を満たす、第1および第2サブ層を交互に含む誘電体膜の一方の表面は、第1サブ層で形成され、他方の表面は、第2サブ層で形成されることができる。例えば、誘電体膜の透明基板側の表面は、第1サブ層で形成され、反対側の表面は、第2サブ層で形成されることができる。ただし、このような積層順序は変更することができる。
上記のような特性の誘電体膜の適用を通じて、目的とする低いリップル値を含む光学特性を確保することができる。このような誘電体膜は、透明基板の一面にのみ形成されてもよいが、好ましくは、両面に全部形成されてもよい。また、光学フィルターは、前記数式2のV値が17以下である誘電体膜以外に、他の誘電体膜を含まなくてもよい。すなわち、透明基板の両面に誘電体膜が形成される場合に、当該誘電体膜のV値は、それぞれ17以下であることが好ましい。
誘電体膜を形成する材料、すなわち前記各サブ層を形成する材料の種類は、特に限定されず、公知の材料を適用することができる。通常、低屈折のサブ層の製造には、SiOまたはNaAlF1、NaAlFまたはMgFなどのフッ化物を適用し、高屈折のサブ層の製造には、TiO、Ta、Nb、ZnSまたはZnSeなどを適用することができるが、本出願において適用する材料が前記に限定されるものではない。
上記のような誘電体膜を形成する方式は、特に限定されず、例えば、公知の蒸着方式を適用して形成することができる。
本出願は、また、さらなる層として吸収層を含んでもよく、吸収層としては、赤外線吸収層および/または紫外線吸収層が例示されうる。このような層は、通常、吸収剤(顔料、染料など)と透明樹脂を含む層であり、近紫外線領域および/または近赤外線領域の光をカットして、よりシャープな透過率バンドを具現するために適用することができる。
一例において、前記紫外線吸収層は、約300~390nmの波長領域で吸収極大を示すように設計することができ、赤外線吸収層は、600~800nmの波長領域で吸収極大を示すように設計することができる。
赤外線吸収層と紫外線吸収層は、1つの層で構成されてもよく、別々の層でそれぞれ構成されてもよい。例えば、1つの層が前記紫外線吸収層の吸収極大と赤外線吸収層の吸収極大を全て示すように設計されたり、前記それぞれの吸収極大を示す2つの層が形成されることもできる。また、複数の赤外線吸収層および/または紫外線吸収層が存在することもできる。
図3は、光学フィルターの構造の一例であり、基板100の一面に吸収層300と誘電体膜201が形成され、基板の他面にさらなる誘電体膜202が形成された場合を示す図である。この際、前記吸収層300は、前記紫外線吸収層であるか、赤外線吸収層であるか、あるいは、紫外線吸収層と赤外線吸収層の吸収極大を同時に示す吸収層であってもよい。
図4および図5は、2つの吸収層301、302が存在する場合の例であり、前記2つの吸収層301、302のうちいずれか一方は、赤外線吸収層であり、他方は、紫外線吸収層であってもよい。
ただし、吸収層が形成された光学フィルターの構造が図3~図5の場合に限定されるものではなく、吸収層の個数および積層位置は適切に変更することができる。
各吸収層は、1種の吸収剤のみを含むこともでき、必要な場合、赤外線および/または紫外線の適切なカットのために、2種以上の吸収剤を含むこともできる。
例えば、前記赤外線吸収層は、吸収極大波長が700~720nmの範囲内であり、半値幅が50~60nmの範囲内である第1吸収剤;吸収極大波長が730~750nmの範囲内であり、半値幅が60~70nmの範囲内である第2吸収剤;および吸収極大波長が760~780nmの範囲内であり、半値幅が90~100nmの範囲内である第3吸収剤を少なくとも含んでもよく、紫外線吸収層は、吸収極大波長が340~350nmの範囲内である第1吸収剤;および吸収極大波長が360~370nmの範囲内である第2吸収剤を少なくとも含んでもよい。
吸収層を構成する材料および構成方式は、特に限定されず、公知の材料および構成方式を適用することができる。
通常、吸収層は、目的とする吸収極大を示すことができる吸収剤(染料または顔料など)を透明な樹脂と配合した材料を使用して形成する。
この際、例えば、紫外線吸収剤としては、約300~390nmの波長領域で吸収極大を示す公知の吸収剤を適用することができ、その例としては、Exiton社のABS 407;QCR Solutions Corp社のUV381A、UV381B、UV382A、UV386A、VIS404A;H.W.Sands社のADA1225、ADA3209、ADA3216、ADA3217、ADA3218、ADA3230、ADA5205、ADA3217、ADA2055、ADA6798、ADA3102、ADA3204、ADA3210、ADA2041、ADA3201、ADA3202、ADA3215、ADA3219、ADA3225、ADA3232、ADA4160、ADA5278、ADA5762、ADA6826、ADA7226、ADA4634、ADA3213、ADA3227、ADA5922、ADA5950、ADA6752、ADA7130、ADA8212、ADA2984、ADA2999、ADA3220、ADA3228、ADA3235、ADA3240、ADA3211、ADA3221、ADA5220、ADA7158;CRYSTALYN社のDLS 381B、DLS 381C、DLS 382A、DLS 386A、DLS 404A、DLS 405A、DLS 405C、DLS 403Aなどがあるが、これに限定されるものではない。
また、赤外線吸収剤として、600~800nmの波長領域で吸収極大を示す適切な染料または顔料などが使用でき、例えば、スクアリリウム(squarylium)系染料、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物またはジチオール金属錯体系化合物などが使用できるが、これに限定されるものではない。
また、吸収層に適用される透明樹脂は、公知の樹脂が使用でき、例えば、環状オレフィン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂および多様な有機・無機ハイブリッド系樹脂のうち1種以上を使用することができる。
光学フィルターは、上述した層の他にも、必要な多様な層を、目的とする効果を害しない範囲で追加することができる。
本出願は、また、前記近赤外線吸収ガラス基板と前記紫外線吸収層および赤外線吸収層を含む光学フィルターに関する。この光学フィルターにも、前述のような誘電体膜が形成されることができる。このような光学フィルターは、上述した透過率特性(可視光透過バンド)のうち少なくともいずれか1つまたは2つ以上または全部を示すことができる。
例えば、前記光学フィルターは、分光スペクトルで可視光領域で略60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上の平均透過率を示す可視光透過バンドを示すことができる。前記可視光領域での平均透過率の上限は、特に限定されない。例えば、前記平均透過率は、約100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下または75%以下程度であってもよい。
前記光学フィルターは、また、T50% cut on波長が約400~420nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut on波長は、402nm以上、404nm以上、406nm以上または408nm以上の範囲内および/または418nm以下、416nm以下、414nm以下、412nm以下または410nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、また、T50% cut off波長が約610~650nmの範囲内である透過バンドを示すことができる。前記可視光透過バンドのT50% cut off波長は、612nm以上、614nm以上、616nm以上、618nm以上、620nm以上、622nm以上、624nm以上、626nm以上、628nm以上または630nm以上の範囲内および/または648nm以下、646nm以下、644nm以下、642nm以下、640nm以下、638nm以下、636nm以下、634nm以下、632nm以下または630nm以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、また、425~560nmの範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、87%以上、89%以上、91%以上または93%以上の範囲内および/または98%以下、96%以下、94%以下、92%以下、90%以下または88%以下の範囲内で調節することができる。
前記光学フィルターは、425~560nmの範囲内で87%以上の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、89%以上、91%以上、93%以上または95%以上の範囲内および/または100%以下、98%以下、96%以下、94%以下、92%以下または90%以下の範囲内で調節することができる。
前記光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上または0.2%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下、0.6%以下、0.4%以下、0.35%以下または0.3%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、300~390nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、波長700nmでの透過率が2%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、700~800nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.1%以上、0.3%以上、0.4%以上または0.5%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.8%以下または0.6%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、800~1000nmの範囲内で2%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、0.2%以上、0.4%以上、0.6%以上または0.8%以上の範囲内および/または1.8%以下、1.6%以下、1.4%以下、1.2%以下または1.0%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で5%以下の平均透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記平均透過率は、別の例では、0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2.0%以上または2.5%以上の範囲内および/または4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、1000~1200nmの範囲内で10%以下の最大透過率を示す透過バンドを有していてもよい。前記最大透過率は、別の例では、0%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターは、波長1200nmでの透過率が10%以下であってもよい。前記透過率は、別の例では、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上または5%以上の範囲内および/または9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5.5%以下の範囲内でさらに調節することができる。
前記光学フィルターも、前述した範囲の低いリップル値(Ripple value)を有し、入射角が変動しても、前記低いリップル値を維持することができる。
すなわち、前記光学フィルターの入射角0度でのリップル値および前記入射角0度でのリップル値と入射角40度でのリップル値が上述した範囲内にありえる。
前述したように、近赤外線吸収ガラス(Blue glassとも呼ばれる)は、それ自体でも近赤外線領域に対する吸収特性を示すが、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を正確に遮断する特性が劣り、したがって、シャープな可視光の透過率バンドを得ることが難しい。
しかしながら、本出願において上述した紫外線吸収層および/または赤外線吸収層を適切に形成することによって、近赤外線吸収ガラスを適用した場合にも、上述した優れた分光スペクトルを得ることができる。
この際、適用可能な赤外線吸収層および/または紫外線吸収層の具体的な種類は、上記の通りである。
本出願は、また、前記光学フィルターを含む撮像装置に関する。この際、前記撮像装置の構成方式や前記光学フィルターの適用方式は、特に限定されず、公知の構成と適用方式を適用することができる。
また、本出願の光学フィルターの用途が前記撮像装置に限定されるものではなく、その他近赤外線カットが必要な多様な用途(例えば、PDPなどのディスプレイ装置など)に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。
1.透過率スペクトルの評価
赤外線吸収ガラス(赤外線吸収基板)と前記ガラスに赤外線吸収層、紫外線吸収層および/または誘電体層を形成した積層体(光学フィルターなど)の透過率スペクトルは、前記赤外線吸収ガラスなどを一定のサイズ(横、縦および厚さがそれぞれ10mm、10mmおよび0.2mm)に裁断して得られた試験片に対して分光光度計(メーカー:Perkinelmer社製、製品名:Lambda750分光光度計)を使用して測定した。透過率スペクトルは、前記装備のマニュアルに従って波長別および入射角別に測定した。前記試験片(赤外線吸収ガラスなど)を分光光度計の測定ビームとディテクターとの間の直線上に位置させ、測定ビームの入射角を0度から40度まで角度を変更しながら、透過率スペクトルを確認した。特に明記しない限り、本実施例において言う透過率スペクトルの結果は、前記入射角が0度である場合の結果であり、この際、入射角0度は、試験片の表面法線方向に平行な方向である。
2.屈折率の評価
赤外線吸収ガラスおよび誘電体サブ層の屈折率は、ウィーズオプティクス社のエリプソメーター(M-2000(登録商標)Ellipsometer)装置を適用して、520nmの波長に対して測定した。
製造例1.紫外線吸収層材料の製造
紫外線吸収層材料は、約340~390nm程度の範囲内で吸収極大を示すトリアジン(triazine)系染料をバインダー樹脂と配合して製造した。バインダー樹脂としては、PMMA(poly(methyl methacrylate))バインダーを使用した。シクロヘキサノン(Cyclohexanone)に前記バインダー樹脂および吸収剤を配合して材料を製造し、バインダー樹脂100重量部に対して約5重量部の前記染料を混合した。
製造例2.近赤外線吸収層材料の製造
近赤外線吸収層の材料は、吸収極大波長が約700~720nmの範囲内であり、半値幅(FWHM)が約50~60nmレベルである赤外線吸収剤1(スクアリリウム(squarylium)系染料)、吸収極大波長が約730~750nm程度の範囲内であり、半値幅(FWHM)が約60~70nmレベルである赤外線吸収剤2(スクアリリウム(squarylium)系染料)および吸収極大波長が約760~780nm程度の範囲内であり、半値幅(FWHM)が約90~100nmレベルである赤外線吸収剤3(スクアリリウム(squarylium)系染料)を使用して製造した。
前記3種の赤外線吸収剤をバインダー樹脂と配合して材料を製造した。バインダー樹脂としては、COP(Cycloolefin polymer)を使用した。
トルエン(Toluene)に前記バインダー樹脂および吸収剤を配合して材料を製造し、配合比は、バインダー樹脂100重量部に対して吸収剤1、吸収剤2および吸収剤3の重量部がそれぞれ0.1重量部、0.2重量部および0.4重量部となるようにした。
実施例1.
基板としては、図6のような透過率スペクトルを示す近赤外線吸収ガラスを使用した。近赤外線吸収ガラスは、銅イオンなどの着色成分を含ませて、吸収特性を付与したガラスであり、いわゆるブルーガラス(blue glass)とも呼ばれるガラスであり、本実施例では、PTOT社の市販製品を使用した。前記近赤外線吸収ガラスのスペクトル特性は、下記表1にまとめた通りである。
前記近赤外線吸収ガラスは、屈折率が約1.57程度であった。
まず、前記近赤外線吸収ガラスの一面に紫外線吸収層材料を使用して紫外線吸収層を形成した。前記紫外線吸収層は、製造例1の材料を近赤外線吸収ガラス上にコートし、140℃ファーネス(furnace)で約2時間の間乾燥して、約3μmの厚さで形成した。
前記紫外線吸収層が形成された状態での透過率スペクトルは、図7に示された通りである。図7に示されたように、紫外線吸収層の形成によって紫外線領域(約300~390nmの波長範囲)の透過率が1%以下に減少し、可視光透過バンドのT50% cut on波長が長波長にシフトしたことを確認することができる。
前記紫外線吸収層上に製造例2の赤外線吸収層材料を使用して赤外線吸収層を形成した。前記赤外線吸収層は、製造例2の材料を130℃のファーネス(furnace)で2時間の間乾燥して、約3.5μm程度の厚さで形成した。前記赤外線吸収層が形成された状態での透過率スペクトルは、図8に示された通りである。図8に示されたように、赤外線吸収層の形成によって赤外線領域(約700~1000nmの波長範囲)の透過率が1%以下に減少し、可視光透過バンドのT50% cut off波長が短波長にシフトしたことを確認することができる。
前記紫外線および赤外線吸収層が形成された近赤外線吸収ガラス上に誘電体膜を形成した。誘電体膜は、イオンビームアシスト蒸着(Ion-beam assisted deposition)方式でサブ層を蒸着して形成した。蒸着時に真空度および温度の条件は、それぞれ5.0E-5 Torrおよび120℃とし、IBS(Ion Beam Sputtering)ソース(source)電圧350Vおよび電流850mAの条件に設定した。前記方式で高屈折層であるTiO層(屈折率約2.61)と低屈折層であるSiO層(屈折率約1.46)を交互に形成して、誘電体膜を形成した。
サブ層である前記高屈折層と低屈折層は、合計6層を形成し、具体的には、赤外線吸収層上にTiO層(厚さ約12.4nm)、SiO層(厚さ約30.3nm)、TiO層(厚さ約43.7nm)、SiO層(厚さ約13nm)、TiO層(厚さ約30.4nm)およびSiO層(厚さ約85.3nm)を順次形成して、誘電体膜を形成した。このような誘電体膜は、下記数式1のnが約2.61(TiO層の屈折率)であり、nが約1.46(SiO層の屈折率)であり、nが約1.57(近赤外線吸収ガラスの屈折率)であり、pが2.5(=(6-1)/2)であり、これによって、V値は、約5.70である。
[数式2]
V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
次に、近赤外線吸収ガラスの赤外線吸収層が形成されていない面に同一にTiO層(厚さ約12.4nm)、SiO層(厚さ約30.3nm)、TiO層(厚さ約43.7nm)、SiO層(厚さ約13nm)、TiO層(厚さ約30.4nm)およびSiO層(厚さ約85.3nm)を順次形成することによって、両面に誘電体膜が存在し、最外層がSiO層(厚さ約85.3nm)である光学フィルターを製造した。
前記光学フィルターのスペクトルは、図9に示された通りである。図9に示されたように、光学フィルターの可視光透過率は、近赤外線吸収ガラスの可視光透過率と比べて高く、可視光透過バンドのT50% cut off波長が長波長にシフトしたことを確認することができる。
下記表1は、前記近赤外線吸収ガラス、紫外線吸収層が形成された近赤外線吸収ガラス(フィルターA)、フィルターA上に赤外線吸収層が形成された場合(フィルターB)およびフィルターBの両面にV値が5.70レベルである誘電体膜が形成された光学フィルターの透過率スペクトル特性をまとめたものである。
下記表1で、透過率の単位は、%である。
下記表1で、平均透過率(Tave)は、上述したように、当該波長区間での波長別透過率の合計を波長の個数(N)で割った値であり、この際、前記波長別透過率は、1nm単位で求めた。
Figure 2023541954000019
比較例1.
赤外線吸収層上には、実施例と同様のイオンビームアシスト蒸着(Ion-beam assisted deposition)方式を利用して、赤外線吸収層上に、高屈折率と低屈折率を有する誘電体膜を積層して合計19層を形成し、赤外線吸収層が形成されていない近赤外線吸収ガラス上に、同じ方式で22層の誘電体膜を形成したことを除いて、実施例1と同一に光学フィルターを製造した。前記赤外線吸収層上に形成された誘電体膜は、可視光反射防止特性を有するいわゆるAR(Anti reflection)層特性を示すように形成したものであり、近赤外線吸収ガラス上に形成した誘電体膜は、赤外線反射特性を有するいわゆるIR層の特性を示すように形成したものである。
前記IRおよびAR層特性の誘電体膜の形成材料および厚さとともに、積層順序は、下記表2および表3の通りである。これによって、前記IR層特性の誘電体膜のV値は21.9であり、AR層特性の誘電体膜のV値は18.9程度である。
Figure 2023541954000020
Figure 2023541954000021
試験例1.
実施例で製造された光学フィルターに対して入射角0度、30度および40度でそれぞれ透過率スペクトルを評価し、その結果は、図10に示されている。図10から確認されるように、実施例の光学フィルターは、入射角と関係なく、ほぼ同じスペクトルを示した。また、可視光透過バンドのT10% cut onおよびT10% cut offも入射角によってシフトが実質的に発生しなかった。
図11は、比較例1の入射角0度、30度および40度での透過率スペクトルをそれぞれ示す。図11から確認できるように、比較例1の場合、可視光透過バンドのT10% cut onが入射角によって5nm以上のシフトが発生した。
試験例2.
図12は、実施例および比較例の光学フィルターのリップル値を確認するために、450nm~560nmの波長範囲内での透過率スペクトルを拡大した図である(入射角0度)。
図面から明らかなように、比較例1の光学フィルターの場合、波長による透過率変動(fluctuation)がひどく起こり、大きなリップル値を示すことを予想できるが、実施例1の光学フィルターは、前記変動(fluctuation)がほとんど観察されなかった。
図13および図14は、それぞれ実施例1および比較例1のリップル値を確認するために、450~560nmの範囲内の透過率の平均値(実線)と実測値(点)を拡大して示したもの(入射角:0度)であり、図面上で実施例1と比較例1との相違をより明確に確認することができる。
実施例1に対する入射角0度でのリップル値は約1.17%程度であり、入射角40度でのリップル値は約1.20%程度であり、比較例1に対する入射角0度でのリップル値は約2.40%程度であり、入射角40度でのリップル値は約7.08%程度であった。
前記リップル値の確認のための透過率の平均値(平均透過率)は、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値である。

Claims (23)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の一面または両面に形成され、2層以上のサブ層からなる誘電体膜と、を含み、
    波長範囲450nm~560nmでの入射角0度リップル値が2.5%以下である光学フィルター。
  2. 波長範囲450nm~560nmでの入射角0度リップル値Rと入射角40度リップル値R40との差の絶対値が0~2.5%の範囲内にある、請求項1に記載の光学フィルター。
  3. T50% cut on波長が400~420nmの範囲内にあり、T50% cut off波長が610~650nmの範囲内であり、425~560nmの波長範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有する、請求項1に記載の光学フィルター。
  4. 425~560nmの波長範囲内での最大透過率が87%以上である、請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 300~390nmの波長範囲内で2%以下の平均透過率および最大透過率を示す、請求項3に記載の光学フィルター。
  6. 波長700nmでの透過率が2%以下であり、700~800nmの波長範囲内で2%以下の平均透過率および最大透過率を示し、800~1000nmの波長範囲内で2%以下の平均透過率および最大透過率を示し、1000~1200nmの波長範囲内で5%以下の平均透過率および10%以下の最大透過率を示し、波長1200nmでの透過率が10%以下である、請求項3に記載の光学フィルター。
  7. 透明基板は、近赤外線吸収ガラス基板である、請求項1に記載の光学フィルター。
  8. 透明基板は、CuO含有フッ化リン酸塩ガラス基板またはCuO含有リン酸塩ガラス基板である、請求項1に記載の光学フィルター。
  9. 誘電体膜は、互いに屈折率が異なっており、交互に積層された第1サブ層および第2サブ層を含む、請求項1に記載の光学フィルター。
  10. 第1および第2サブ層は、下記数式2によるV値が17以下となるように形成されている、請求項9に記載の光学フィルター:
    [数式2]
    V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
    数式2で、nは、第1サブ層の屈折率であり、nは、第2サブ層の屈折率であり、nは、透明基板の屈折率であり、Kは、誘電体膜内の第1および第2サブ層の合計層数であり、pは、K=(2p+1)を満たす数である。
  11. 第1サブ層の屈折率nと第2サブ層の屈折率nの比n/nは、1.4~2.0の範囲内にある、請求項10に記載の光学フィルター。
  12. 第1サブ層の屈折率nは、1.8~3.5の範囲内にある、請求項11に記載の光学フィルター。
  13. 第1サブ層の屈折率nと透明基板の屈折率nの比n/nは、1.4~2.0の範囲内にある、請求項10に記載の光学フィルター。
  14. 数式2のKは、15以下である、請求項10に記載の光学フィルター。
  15. 第1および第2サブ層の厚さは、それぞれ5~200nmの範囲内にあり、誘電体膜に含まれる第1サブ層の厚さと第2サブ層の厚さの平均値は、5~70nmの範囲内である、請求項10に記載の光学フィルター。
  16. 誘電体膜は、厚さが100~500nmの範囲内である、請求項1に記載の光学フィルター。
  17. 誘電体膜は、透明基板の両面に形成されている、請求項1に記載の光学フィルター。
  18. 誘電体膜としては、互いに屈折率が異なっており、交互に積層された第1サブ層および第2サブ層を含み、前記第1および第2サブ層が下記数式2によるV値が17以下になるように形成されている誘電体膜のみを含む、請求項1に記載の光学フィルター:
    [数式2]
    V=K×{[(n/n2p×(n /n)-1]/[(n/n2p×(n /n)+1]}
    数式2で、nは、第1サブ層の屈折率であり、nは、第2サブ層の屈折率であり、nは、透明基板の屈折率であり、Kは、誘電体膜内の第1および第2サブ層の合計層数であり、pは、K=(2p+1)を満たす数である。
  19. 赤外線吸収層および紫外線吸収層からなる群から選ばれた1つ以上の層をさらに含む、請求項1に記載の光学フィルター。
  20. 近赤外線吸収ガラス基板と、
    前記透明基板の一面または両面に形成された紫外線吸収層および赤外線吸収層と、を含み、
    T50% cut on波長が400~420nmの範囲内にあり、T50% cut off波長が610~650nmの範囲内であり、425~560nmの波長範囲内で85%以上の平均透過率を示す透過バンドを有し、
    300~390nmの波長範囲内で2%以下の平均透過率および最大透過率を示し、
    波長700nmでの透過率が2%以下であり、700~800nmの波長範囲内で2%以下の平均透過率および最大透過率を示す光学フィルター。
  21. 赤外線吸収層は、
    吸収極大波長が700~720nmの範囲内であり、半値幅が50~60nmの範囲内である第1吸収剤;
    吸収極大波長が730~750nmの範囲内であり、半値幅が60~70nmの範囲内である第2吸収剤;および
    吸収極大波長が760~780nmの範囲内であり、半値幅が90~100nmの範囲内である第3吸収剤を含む、請求項20に記載の光学フィルター。
  22. 紫外線吸収層は、
    吸収極大波長が340~350nmの範囲内である第1吸収剤;および
    吸収極大波長が360~370nmの範囲内である第2吸収剤を含む、請求項20に記載の光学フィルター。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の光学フィルターを含む撮像装置。
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