JP2023541302A - 軌道の下を突き固める方法および軌道突固め機械 - Google Patents

軌道の下を突き固める方法および軌道突固め機械 Download PDF

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Abstract

本発明は、軌道(3)の道床(2)に支持された複数のまくらぎ(4)の下を、軌道突固め機械(1)の機械フレーム(8)に相前後して配置された、対を成して互いに対向して位置する突固めツール(40)を備える複数の突固め装置(9)により突き固める方法において、1回の突固め動作の最中に、各突固め装置(9)により1丁のまくらぎ(4)の下だけを突き固める方法に関する。この場合、下を突き固めようとするまくらぎ(4)のまくらぎピッチ(t)を、長手方向アクチュエータ(32)を制御する制御装置(33)に設定し、突固め動作前に、長手方向アクチュエータ(32)を介して突固め装置(9)を機械長手方向(7)において互いに位置決めし、これにより、突固め装置(9)の位置を、設定したまくらぎピッチ(t)に適合させ、突固め動作中に、すぐ相前後して位置してはいないまくらぎ(4)の下を突き固める。突固め装置(9)を、それぞれ機械長手方向(7)においてまくらぎピッチ(t)よりも大きな間隔をあけて配置することにより、異なるまくらぎピッチ(t)に適合させるための十分な空隙が存在している。

Description

本発明は、軌道の道床に支持された複数のまくらぎの下を、軌道突固め機械の機械フレームに相前後して配置された、対を成して互いに対向して位置する突固めツールを備える複数の突固め装置により突き固める方法において、1回の突固め動作の最中に、各突固め装置により1丁のまくらぎの下だけを突き固める方法に関する。さらに本発明は、この方法を実施する機械に関する。
予め設定された軌道位置を復元または維持するために、道床を含む軌道は定期的に突固め機械により処理される。この場合、突固め機械は軌道を走行し、まくらぎとレールとから形成された軌道格子を、こう上・整正装置によって目標レベルにこう上する。新規の軌道格子の位置固定は、突固め装置でまくらぎの下を突き固めることにより行われる。突固め装置は、突固めピッケルを備えた突固めツールを有しており、突固めピッケルは、突固め動作に際して振動を加えられて道床中に沈められ、互いに締め込まれる。このときバラストが、各まくらぎの下に押しずらされて締め固められる。
特別な軌道突固め機械は、複数のまくらぎの下を同時に突き固める突固め装置を利用する。これにより達成される高い処理速度は、短い線路保守間合での軌道の仕上げを可能にする。さらに、最新の突固め機械は、突固め装置とバラストの両方に対する低い摩耗作用の点で優れている。
オーストリア国特許出願公開第513034号明細書から、上位概念に記載の、相前後して配置された複数の突固め装置を備えた突固め機械および方法が公知である。各突固め装置は、共通の装置支持体に高さ調節可能に配置されている。突固め動作は、各突固め装置を一緒に沈降させることで開始される。この場合、機械長手方向に隣り合うまくらぎの下を突き固めるために、隣り合う突固め装置をこのように一緒に沈降させることは、時間的遅れを伴って行われる。これにより特に、共通のまくらぎポケット内に沈下するすぐ隣の突固めピッケルの沈下が容易になる。
このような突固め装置の場合、異なるまくらぎピッチへの適合は、互いに対を成して対向して位置する突固めツールの開放幅を変化させることにより限定的にのみ可能である。具体的には、隣り合っていない突固めツールの下側のレバーアームが外側に動かされる。この場合、下側のレバーアームに取り付けられた突固めピッケルが傾けられ、突固めピッケルが道床中に沈下する際かつ上昇する際に不都合である。
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の方法を改良して、異なるまくらぎピッチへのフレキシブルな適合と同時に、質的に価値の高い突固め結果を達成することにある。さらに、本発明の課題は、相応して改良された軌道突固め機械を提供することにある。
本発明に基づき、これらの課題は、請求項1および9記載の特徴によって解決される。各従属請求項には、本発明の有利な構成が記載されている。
この場合、下を突き固めようとするまくらぎのまくらぎピッチを、長手方向アクチュエータを制御する制御装置に設定し、突固め動作前に、長手方向アクチュエータを介して突固め装置を機械長手方向において互いに位置決めし、これにより、突固め装置の位置を、設定したまくらぎピッチに適合させ、突固め動作中に、すぐ相前後して位置してはいないまくらぎの下を突き固めることが想定されている。突固め装置を、それぞれ機械長手方向においてまくらぎピッチよりも大きな間隔をあけて配置することにより、十分な空隙が存在している。まくらぎピッチが異なる場合でも、突固めツールの位置を変えること無しに、各突固め装置を正確に、下を突き固めようとするまくらぎの上に位置決めすることができる。
さらに、相前後して位置決めされた突固め装置の突固めツールが同じまくらぎポケット内に侵入することが回避される。これは、突固め装置およびバラストの両方を保護する。突固めツールに位置する各突固めピッケルは、小さな侵入抵抗を伴って、他方の突固め装置の突固めピッケルによって影響を及ぼされることなく、同じ侵入動作を実行する。まくらぎポケットが狭くても十分な締込み距離が存在しており、これにより、各まくらぎの下の最適な突固めが保証されている。これらの条件が、全ての突固めピッケルに関して統一された結果、最適化された不変の締固め動作による均一なまくらぎ多丁突きが生じる。例えば、各突固めピッケル端部に配置されたピッケル板とまくらぎ下縁部との間のバラストの流出が回避される。なぜならば、常に十分に締め込むことができるからである。
本方法の改良では、1回の突固め動作中に、突固め装置毎に、付属の突固めツールに配置された力センサおよび/または運動センサにより、突固めツールに作用するバラスト力の特性線を、突固めツールが進んだ距離にわたり検出し、これに基づき締固め制御の特性量を導出する。各突固め装置は、機械長手方向においてまくらぎピッチの複数倍だけ間隔をあけて配置されることにより、別の突固め装置により影響を及ぼされること無く正確な測定結果を提供する。よって、オーストリア国特許出願公開第520056号明細書に記載の、特性量を測定する方法を全ての突固め装置に同様に適用することができる。これは、既存のまくらぎ多丁突きに関しても、リアルタイムでの連続的な締固め制御を可能にする。
別の改良は、突固めサイクルの前に、まくらぎの位置を、軌道突固め機械に配置されたセンサ装置により検出し、検出した位置から目下のまくらぎピッチを導出することを想定している。相応するセンサ装置は、オーストリア国特許出願公告第519739号明細書から公知である。このようにして、異なるまくらぎピッチに対する突固め装置位置の自動化された適合が行われる。センサ装置は、まくらぎ多丁突きの継続的な自動化にも適している。この場合、センサデータは、各突固めツールに突固め位置を設定するために利用される。オペレータが、提案された突固め位置を確認するか、または軌道突固め機械の全自動運転を監視する。
有利には、まくらぎと、まくらぎの上に取り付けられたレールとから形成された軌道格子を、下方突固めの前に、こう上・整正装置によってこう上しかつ横方向において整正し、このときレールの高さ位置および横方向位置を、最前方の突固め装置の前に位置決めされた測定装置によって検出する。最前方の突固め装置における水準検査により、軌道格子は高い精度でもって、設定された軌道位置にもたらされる。
この場合、第1の突固め動作の最中に、工事箇所の処理開始に際して一度だけ、最前方の突固め装置のみで突き固め、これにより、軌道格子を、こう上された高さ位置と整正された横方向位置とに位置固定すると有利である。この場合、軌道格子の位置固定は、測定装置の直近で行われ、これにより、結果的に生じた軌道位置の高品質が達成される。
別の改良は、3つの突固め装置が相前後してまくらぎピッチの2倍の間隔をあけて配置されている場合、第1の突固め動作の後に、3つ全ての突固め装置をまくらぎピッチの3倍の分だけ作業方向に前進させ、第2の突固め動作中は、最前方の突固め装置および真ん中の突固め装置のみで下を突き固め、第2の突固め動作後には再び3つ全ての突固め装置を、まくらぎピッチの3倍の分だけ作業方向に前進させ、第3の突固め動作中は、3つ全ての突固め装置で突き固めることを想定している。この方法ステップの順序でもって、既に工事箇所の最初から、各まくらぎの下が効率的に突き固められる。この場合、処理される軌道区間の始端部に、引き続く未処理の軌道に対する均一な傾斜路が形成される。
有意には、3つの突固め装置が相前後してまくらぎピッチの2倍の間隔をあけて配置されている場合には、最初に、すぐ相前後して位置決めされたまくらぎの下を突き固めた後は、全ての突固め装置を突固め動作前にまくらぎピッチの3倍の分だけ作業方向に前進させ、突固め動作中は3つ全ての突固め装置で突き固める。まくらぎピッチが変わっても、まくらぎ3丁モードは保持される。まくらぎ1丁モードまたはまくらぎ2丁モードへの切換えは省かれる。これにより、迅速なまくらぎ多丁突きが、高い処理品質と共に達成される。この場合、3つの突固め装置を使用することが、軌道突固め機械のまたは各レール走行装置の間の所要長さと、達成可能な作業速度との間の最適な条件である。こう上して位置決めしようとする軌道格子区間も、3つの突固め装置を使用した場合に、発生する曲げ半径に関して最適な長さを有している。
ただし、作業速度をさらに上げるために、軌道工事機械の長さまたは各レール走行装置の間の間隔を増大させ、これにより、まくらぎピッチの2倍で相前後して配置された4つの突固め装置を配置することも有意である。軌道工事機械をより簡単に構成するために、まくらぎピッチの2倍で相前後して配置された2つの突固め装置を配置することも有意である。
本方法の別の改良は、Y型まくらぎの下を突き固めるために、最前方の突固め装置により一方のレールを突き固め、最前方の突固め装置の後ろに位置決めされた突固め装置により他方のレールを突き固めることを想定している。これにより、軌道突固め機械の使用の可能性が追加的に広げられる。
本発明による軌道工事機械は、軌道の複数のまくらぎの下を同時に突き固めるために、機械フレームに相前後して配置された複数の突固め装置を有しており、各突固め装置は、高さ方向アクチュエータにより高さ調節可能なツール支持体を有しており、ツール支持体には、対を成して互いに対向して位置する突固めツールが支持されており、突固めツールは、駆動装置を介して振動可能でありかつ互いに締込み可能である。この場合、本装置は、前記方法を実施するように構成されており、これにより、突固め装置は、各長手方向アクチュエータを介して機械長手方向に互いに移動可能であり、各長手方向アクチュエータは、突固め装置を互いに、設定されたまくらぎピッチの複数倍に相当する間隔をあけて位置決めするために、1つの共通の制御装置により制御可能である。このようなまくらぎ多丁突き機械は、フレキシブルで効率的な、かつ質的に価値の高い軌道処理に使用可能である。
有利には、各突固めツールは、下方自由端部に、侵入箇所において鉛直方向を向いた突固めピッケルを有している。これにより、道床内への迅速で穏やかな侵入動作が、突固めツールおよびその他の装置コンポーネントに対する小さな負荷を伴って達成される。小さな侵入体積に基づき、バラストも小さな負荷に晒されており、これにより、望ましくないバラスト粉砕が回避される。さらに、ソフトな侵入動作は、小さな騒音発生につながる。斜めに侵入する突固めピッケルに比べてより迅速な侵入動作は、全体的に機械の作業速度を高める。さらに、鉛直方向を向いた突固めピッケルは、道床から持ち上げる際に、後で内部にバラストが滑り落ちる、より小さな中空空間を残す。これにより、達成された締固めが保持され続ける。
別の改良は、主フレームは、走行装置に支持されて軌道上を移動可能であり、突固め装置を備えた機械フレームは、主フレームに対して機械長手方向に移動可能に配置されていることを想定している。作業中、運転室、走行駆動装置およびその他の重量装置を備えた主フレームは、軌道に沿って連続的に移動し、これにより、これらの質量は、各突固めサイクルに際して制動・加速されずに済む。突固めサイクル中は、突固め装置を備えた機械フレームのみが停止し、これにより、主フレームに対して、走行方向とは反対方向の移動が行われる。突固めサイクルの終了時に、機械フレームは新たな突き固め位置に移動し、このとき主フレームに対して、走行方向の移動が行われる。この構成では、迅速な作業形式と、機械のエネルギ効率の良い前進とが組み合わせられている。
さらに有利なのは、各突固め装置が、機械長手方向に対して直交する対称面に対して対称に構成されている場合である。その結果、対を成して互いに対向して位置する突固めツールの同一の振動振幅が生じる。突固め動作に際して、対応する各突固めピッケルが同時に、各突固めピッケルの間に位置するバラスト粒に作用する(打返しにおける同一の突固めピッケル動力学)。その結果、エネルギが道床中に効率的に入力され、均一な締固めが生じる。
有利には、相前後して配置された突固め装置が、それぞれ同じ構成に構成されている。これにより生じる同じ構成の装置部分は、機械の構成を簡単にする。これにより、保守整備作業を、小さな手間でより短い時間内に実施することができ、この場合、全体として必要とされる様々な交換部品が比較的少なくなる。
別の改良は、各突固め装置は、機械長手方向に対して横方向に相並んで配置された複数の突固めユニットを有しており、突固めユニットは、1つの共通の支持体装置に取り付けられておりかつ特に別個に高さ調節可能なツール支持体を有していることを想定している。これにより、機械の使用フレキシビリティが高まる。例えばポイント区間内では、または軌道内に障害物がある場合には、突固めツールが空いているまくらぎポケット内に侵入可能な突固めユニットのみが作動させられる。
さらに有利なのは、相前後して配置された突固め装置のうちの1つは機械フレームに取り付けられており、その他の突固め装置は、機械フレームに連結された長手方向ガイドに支持されている場合である。このようにして、突固め装置と機械フレームとの機械的な結合部が、突固め装置相互の移動を制限することなく、簡単に構成されている。3つの突き固め装置が相前後して配置されている場合、好適には、最前方の突固め装置と最後方の突固め装置とは、長手方向ガイドを介して機械フレームに支持されている。
以下に、添付の図面を参照して本発明を例示的に説明する。
3つの突固め装置を備えた軌道突固め機械を概略的に示す図である。 3丁のまくらぎの下を同時に突き固める突固め装置を概略的に示す側面図である。 第1のまくらぎピッチの場合の、図2に示した突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 第2のまくらぎピッチの場合の、図2に示した突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 第3のまくらぎピッチの場合の、図2に示した突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 突固め装置を概略的に示す正面図である。 作業開始時の、図2に示した突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 まくらぎ3丁モードでの、図2に示した突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 第1のまくらぎピッチの場合の、2つの突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 第2のまくらぎピッチの場合の、2つの突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 第3のまくらぎピッチの場合の、2つの突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。 まくらぎ2丁モードでの、2つの突固め装置による突固め動作を概略的に示す図である。
図1に示す軌道突固め機械1は、軌道3の道床2に支持された3丁のまくらぎ4の下を同時に突き固めるように形成されている。機械1は、レール走行装置5に支持された主フレーム6を有している。主フレーム6には、機械長手方向7に移動可能な機械フレーム8が支持されており、機械フレーム8には相前後して3つの突固め装置9が取り付けられている。1つのより簡単な態様(図示せず)では、機械1はレール走行装置5に支持された機械フレーム8のみを有している。この場合、機械フレーム8は同時に主フレームでもある。
主フレーム6には、運転室10と走行駆動装置11とが配置されている。自動化度に応じて、突固め装置9の後方に追加的なオペレータ室12が位置している。この室12からオペレータ13が突固め装置9を広く見渡して、調整を行うことができるようになっている。追加的にまたは代替として、ビデオシステム14が配置されている。これにより、運転室10内に突固め装置9の位置および作業箇所が表示され、そこからオペレータ13によって監視することができる共に干渉することができる。
さらに、機械1は、まくらぎ4とまくらぎ4に取り付けられたレール16とから形成された軌道格子17をこう上しかつ整正するこう上・整正装置15を有している。測定システム18により、目下のレール状態が検出される。この測定システム18は、最前方の突固め装置9の直前に測定装置19を有しており、かつ、機械1の前方領域と後方領域とに、軌道3に対する基準化のための各1つの測定装置19を有している。
作業方向20で見て軌道工事機械1の前端面には、センサ装置21が配置されている。このセンサ装置21は、例えばレーザ回転スキャナ22と、カラーカメラ23と、複数のレーザラインスキャナ24とを含む。レーザ回転スキャナ22は、前進走行中に軌道3と共に周辺環境の3次元の散布図を提供する。レーザラインスキャナ24は、陰になる領域をカバーするために、レール首部とレール締結部とに向けられている。カラーカメラ23により、軌道3の写真が連続して検出される。
センサ装置21により検出されたデータは、計算ユニット25(例えばデータメモリを備えたコンピュータ)で処理される。最初に、散布図とカラー図とから軌道3と共に周辺環境の3次元モデルが算出される。同一出願人がオーストリア国特許出願第518692号明細書において開示した対象物識別手段により、このモデルにおいてまくらぎ4と、まくらぎポケットと、レール16と、障害物とが識別される。このとき、処理しようとする軌道区間のまくらぎピッチtも検出される。これは、例えば認識されたレール締結部の位置に基づき行われる。この場合、まくらぎピッチtは、軌道長手方向に連続する複数のまくらぎ4の間隔である。
さらに、作業動作が実施される各軌道箇所に関して、装置9,15のそれぞれの作業位置が設定される。これは特に、機械長手方向7における突固め装置9相互の間隔aにも関係する。図示の例では間隔aとして、まくらぎピッチtの2倍が設定される。運転室10内またはオペレータ室12内には、装置9,15の求められた位置が表示される表示装置26(モニタ、タッチスクリーン等)が配置されている。さらに、相応する室10,12内には操作部材27が配置されている。これらの操作部材27を介して、オペレータ13は作業動作の実施前に、装置9,15の作業位置を変更することができる。確認時に、自動化されて設定された作業位置は、装置9,15を制御する機械制御装置23に予め送られる。
センサ装置21および機械制御装置23の他に、機械1のセンサ・制御システムは、いわゆるマスタコンピュータ29を有している。このマスタコンピュータ29は、軌道3の側方整正および水準測量のための軌道3の目標位置と、そこから導出された修正値とを設定する。
本発明によると、突固め装置9は、互いに機械長手方向7に移動可能に機械フレーム8に配置されている。図2では、例えば3つの突固め装置9が共通の支持体30を介して機械フレーム8に配置されている。この場合、真ん中の突固め装置9は、支持体30に固定されている。前方および後方の突固め装置9は、長手方向に移動可能にガイド31に支持されておりかつ長手方向アクチュエータ32を介して真ん中の突固め装置9に対して変位可能である。長手方向アクチュエータ32は、機械制御装置28の一部としてまたは別個の制御装置として形成された制御装置33により制御されている。突固め装置9を、長手方向アクチュエータ32を介して互いに機械長手方向7において位置決めするために、制御装置33には、目下のまくらぎピッチtが設定される。まくらぎピッチtは、好適には自動化されてセンサ装置21により設定される。これに対して代替的に、突固め装置9の長手方向位置は、オペレータ13によりまくらぎピッチtに相応するように調整可能である。
各突固め装置9は、図6に示すように、軌道横方向に相並んで配置された複数の突固めユニット34を有している。各突固めユニット34はツール支持体36を有しており、ツール支持体36は、高さ方向アクチュエータ37を介して高さ調節可能に、対応して配置された装置フレーム39の鉛直方向ガイド38に支持されている。各ツール支持体36には、機械長手方向7において対向して位置する突固めツール40が旋回可能に支持されている。
さらに、各ツール支持体36には振動駆動装置41(例えば偏心体駆動装置)が配置されており、振動駆動装置41には締込み駆動装置42を介して突固めツール40が連結されている。代替的な態様(図示せず)では、ツール支持体36と各突固めツール40との間に、振動駆動装置41としても締込み駆動装置42としても構成された液圧シリンダが配置されている。振動発生のために、液圧シリンダにはパルス状の液圧が供給されている。締込み動作の最中に、パルス状の液圧は、液圧シリンダによって生じた締込み圧力に重ねられる。
各突固めツール40は、上側のレバーアームと下側のレバーアームとを備えた旋回レバー43を有している。旋回レバー43は、対応して配置されたツール支持体36に支持されており、この場合、上側のレバーアームは、対応して配置された締込み駆動装置42に結合されている。下側のレバーアームには、通常2つの突固めピッケル44が取り付けられている。
図3~図5には、異なるまくらぎピッチtを有するまくらぎ4の下を突き固める際の、図2に示した突固め装置9が示されている。まくらぎピッチtは、図3において最小である。この場合、各突固め装置9は、長手方向アクチュエータ32により機械長手方向7に相接するように動かされている。この場合、作業位置における各突固め装置9の対称面は、下を突き固めようとするまくらぎ4の対称面と合致している。図4において拡大されたまくらぎピッチtの場合、各突固め装置9は、相応して拡大された相互間隔aを有している。図5には、最大のまくらぎピッチtを有するまくらぎ4の下を突き固めるためにそれぞれ最大の相互間隔aを有する突固め装置9が示されている。
1回の突固めサイクルは、複数の段階に分かれている。第1の段階では、各突固め装置9が、下を突き固めようとするまくらぎ4の上に位置決めされる。具体的には、突固めピッケル44が、まくらぎ4の間に位置するまくらぎポケットの上の位置に移動される。これは、機械1または機械フレーム8の前進ならびに設定されたまくらぎピッチtに相応する突固め装置9相互の位置決めにより行われる。このとき、突固めツール40は出発位置に留まっており、出発位置において突固めピッケル44は鉛直方向を向いている。
突固めサイクルの第2の段階では、ツール支持体36と、ツール支持体36に位置する突固めツール40との沈降が行われる。この場合、振動させた突固めピッケル44が、道床2中に沈下する。第3の段階の最中に、互いに対向して位置する突固めツール40の突固めピッケル44が、互いに締め込まれる。突固めピッケル44に位置するピッケル板を介して、道床2のバラスト粒への突固めツール40の運動エネルギの伝達が行われる。バラスト粒が振動して、流体に似た状態をとる。その結果、各まくらぎ4の下にバラスト粒がより密に詰め込まれて移動する。
突固めサイクルの第4の段階では、突固めピッケル44が締込み駆動装置42によって戻され、ツール支持体36の持上げによって道床2から引き出される。したがって、本来の突固め動作には、突固めサイクルの第2、第3および第4の段階が含まれる。突固めピッケル44がまくらぎ上縁部を越えて持ち上げられると直ちに、突固め装置は作業方向20に前進し、新規の突固めサイクルが始まる。前進は、例えば軌道突固め機械1に配置された距離測定装置45により、目下のまくらぎピッチtに合わせられる。
図6では、軌道3の各レール16に対応して、別個に沈降可能な2つの突固めユニット34が配置されていることが判る。つまり、各突固め装置9は、相並んで配置された4つの突固めユニット34を有している。この場合、突固め装置9の各突固めユニット34が、横方向ガイドを備えた共通の支持体装置35に支持されておりかつ横方向変位用の各駆動装置に連結されていると有利である。これにより、各突固めユニット34は、機械長手方向7に対して横方向にも位置決め可能である。これは、狭いカーブやポイントおよびクロッシングの範囲での作業を容易にする。具体的には、各突固めユニット34は、各まくらぎ4の上に、対応するレール16に対して不変の横方向間隔をあけて位置決め可能である。1つの簡略化された態様(図示せず)では、各レール16に対応して、レール内側の突固めツール40とレール外側の突固めツール40とが組み合わせられた1つの突固めユニット34が配置されている。まくらぎ4の下を突き固めるために、同じ突固め装置9の相並んで配置された複数の突固めユニット34が設けられている。
図7には、図2に示した3つの突固め装置9による軌道処理の開始が示されている。処理開始時には最前方の突固め装置9が、下を突き固めようとするまくらぎ4の上に位置決めされる。次いで、この最前方の突固め装置の突固め動作が行われる。次いで、全ての突固め装置9が、まくらぎピッチtの3倍の分だけ前進し(前進距離=3・t)、最前方の突固め装置9と真ん中の突固め装置9とによって突固め動作が行われる。処理開始の最終ステップでもやはり、まくらぎピッチtの3倍の分だけ前進が行われる。その後は、全ての突固め装置9が同時に使用される。
図8では、処理開始後に、処理しようとする軌道区間の全てのまくらぎ4の下を完全に突き固めるために、まくらぎピッチtの3倍の分の前進が徐々に実施される(まくらぎ3丁モード)ことが判る。軌道処理の流れの中でまくらぎピッチtが変わると、自動または手動で長手方向アクチュエータ32を介して突固め装置9相互の変位が行われる。そうでなければ上記のまくらぎ3丁モードが保持される。
図9~図11には、2つの突固め装置9を備えた装置が、異なるまくらぎピッチtに対する作業位置と共に示されている。この場合、前方の突固め装置9は、機械フレーム8に取り付けられた支持体30に位置固定されている。後方の突固め装置9は、ガイド31に支持されておりかつ長手方向アクチュエータ32を介して前方の突固め装置9に対して機械長手方向7に変位可能である。もちろん、本発明には機械長手方向7において突固め装置9の変位を可能にする別の装置も含まれる。
例えば、1つの突固め装置9が機械フレーム8に直接に取り付けられている。別の態様では、全ての突固め装置9が、機械長手方向7に向いたガイド31において互いに対して移動可能に支持されている。この場合、ガイド31が相応に長い場合には、主フレームに対する機械フレームの長手方向移動が省かれてもよい。具体的には、ガイド行程は、全ての突固め装置9の移動がまくらぎピッチtの3倍の分だけ実施可能であるような長さに形成されている必要がある。
この態様では、いわゆるサテライト無しでも、軌道突固め機械1の連続的な作業形式が実施可能である。この場合、軌道突固め機械1は機械フレーム8と共に、1回の突固め動作中に連続して前進する。同時に、各突固め装置9は、ガイド31において機械フレーム8に対して作業方向20とは反対の方向に移動する。この相対移動は、長手方向アクチュエータ32を介して制御され、これにより、各突固め装置9は1回の突固め動作中、それぞれの軌道処理位置の上に位置決めされたままになる。
別の態様は、各突固め装置9の相並んで配置された突固めユニット34が、互いに独立して機械長手方向7に移動可能であることを想定している。この場合、各突固めユニット34に対応して、専用のガイド31と専用の長手方向アクチュエータ32とが配置されている。このようにして、各突固めユニット34をY型まくらぎの長手方向間隔に調整することができる。
図12には、相前後して配置された2つの突固め装置9による軌道処理が示されている。この場合、突固め装置9相互の間隔aは、図9~図11の場合と同様にまくらぎピッチtの2倍に相当する。この場合、突固め装置9は、各突固め動作の後に交互に、まくらぎピッチtの3倍の分だけ(前進距離=3・t)、かつまくらぎピッチtの分だけ(前進距離=t)前進する。このようにして、全てのまくらぎ4の下がまくらぎ2丁モードで突き固められる。作業開始時には、まくらぎ3丁モードの場合と同様に、最初の1回だけ、前方の突固め装置9による突固め動作が行われ、次いでまくらぎピッチtの3倍の分だけ前進が行われる。

Claims (15)

  1. 軌道(3)の道床(2)に支持された複数のまくらぎ(4)の下を、軌道突固め機械(1)の機械フレーム(8)に相前後して配置された、対を成して互いに対向して位置する突固めツール(40)を備える複数の突固め装置(9)により突き固める方法であって、1回の突固め動作の最中に、各前記突固め装置(9)により1丁の前記まくらぎ(4)の下だけを突き固める方法において、
    下を突き固めようとする前記まくらぎ(4)のまくらぎピッチ(t)を、長手方向アクチュエータ(32)を制御する制御装置(33)に設定し、突固め動作前に、前記長手方向アクチュエータ(32)を介して前記突固め装置(9)を機械長手方向(7)において互いに位置決めし、これにより、前記突固め装置(9)の位置を、設定した前記まくらぎピッチ(t)に適合させ、前記突固め動作中に、すぐ相前後して位置してはいない前記まくらぎ(4)の下を突き固めることを特徴とする、方法。
  2. 1回の突固め動作中に、前記突固め装置(9)毎に、付属の突固めツール(40)に配置された力センサおよび/または運動センサにより、前記突固めツール(40)に作用するバラスト力の特性線を、前記突固めツール(40)が進んだ距離にわたり検出し、これに基づき締固め制御の特性量を導出する、請求項1記載の方法。
  3. 前記まくらぎ(4)の位置を、前記軌道突固め機械(1)に配置されたセンサ装置(21)により検出し、検出した位置から前記まくらぎピッチ(t)を導出する、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記まくらぎ(4)と、該まくらぎ(4)の上に取り付けられたレール(16)とから形成された軌道格子(17)を、下方突固めの前に、こう上・整正装置(15)によってこう上しかつ横方向において整正し、前記レール(16)の高さ位置および横方向位置を、最前方の前記突固め装置(9)の前に位置決めされた測定装置(19)によって検出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 工事箇所の処理開始に際して一度だけ、最前方の前記突固め装置(9)のみで突き固め、これにより、前記軌道格子(17)を、こう上された高さ位置と整正された横方向位置とに位置固定する、請求項4記載の方法。
  6. 3つの前記突固め装置(9)が相前後して前記まくらぎピッチ(t)の2倍の間隔をあけて配置されている場合、第1の突固め動作の後に、3つ全ての前記突固め装置(9)を前記まくらぎピッチの3倍の分(3・t)だけ作業方向(20)に前進させ、第2の突固め動作中は、最前方の前記突固め装置(9)および真ん中の前記突固め装置(9)のみで下を突き固め、前記第2の突固め動作後には再び3つ全ての前記突固め装置(9)を、前記まくらぎピッチの3倍の分(3・t)だけ作業方向(20)に前進させ、第3の突固め動作中は、3つ全ての前記突固め装置(9)で突き固める、請求項5記載の方法。
  7. 3つの前記突固め装置(9)が相前後して前記まくらぎピッチ(t)の2倍の間隔をあけて配置されている場合には、最初に、すぐ相前後して位置決めされた前記まくらぎ(4)の下を突き固めた後は、全ての前記突固め装置(9)を突固め動作前に前記まくらぎピッチの3倍の分(3・t)だけ作業方向(20)に前進させ、突固め動作中は3つ全ての前記突固め装置(9)で突き固める、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. Y型まくらぎの下を突き固めるために、最前方の前記突固め装置(9)によって一方のレールを突き固め、最前方の前記突固め装置(9)の後ろに位置決めされた前記突固め装置(9)によって他方のレールを突き固める、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 軌道(3)の複数のまくらぎ(4)の下を同時に突き固めるために、機械フレーム(8)に相前後して配置された複数の突固め装置(9)を備えた軌道突固め機械(1)であって、各前記突固め装置(9)は、高さ方向アクチュエータ(37)によって高さ調節可能なツール支持体(36)を有しており、該ツール支持体(36)には、対を成して互いに対向して位置する突固めツール(40)が支持されており、該突固めツール(40)は、駆動装置(41,42)を介して振動可能でありかつ互いに締込み可能である、軌道突固め機械(1)において、
    当該機械(1)は、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されており、これにより、前記突固め装置(9)は、各長手方向アクチュエータ(32)を介して機械長手方向(7)に互いに移動可能であり、各前記長手方向アクチュエータ(32)は、前記突固め装置(9)を互いに、設定されたまくらぎピッチ(t)の複数倍に相当する間隔(a)をあけて位置決めするために、1つの共通の制御装置(33)により制御可能であることを特徴とする、軌道突固め機械(1)。
  10. 各前記突固めツール(40)は、下方自由端部に、侵入箇所において鉛直方向を向いた突固めピッケル(44)を有している、請求項9記載の軌道突固め機械(1)。
  11. 主フレーム(6)が、走行装置(5)に支持されて前記軌道(3)上を移動可能であり、前記突固め装置(9)を備えた前記機械フレーム(8)は、前記主フレーム(6)に対して機械長手方向(7)に移動可能に配置されている、請求項9または10記載の軌道突固め機械(1)。
  12. 各前記突固め装置(9)は、前記機械長手方向(7)に対して直交する対称面に対して対称に構成されている、請求項9から11までのいずれか1項記載の軌道突固め機械(1)。
  13. 相前後して配置された前記突固め装置(9)は、それぞれ同じ構成に構成されている、請求項9から12までのいずれか1項記載の軌道突固め機械(1)。
  14. 各前記突固め装置(9)は、前記機械長手方向(7)に対して横方向に相並んで配置された複数の突固めユニット(34)を有しており、該突固めユニット(34)は、1つの共通の支持体装置(35)に取り付けられておりかつ特に別個に高さ調節可能なツール支持体(36)を有している、請求項9から13までのいずれか1項記載の軌道突固め機械(1)。
  15. 相前後して配置された前記突固め装置(9)のうちの1つが前記機械フレーム(8)に取り付けられており、その他の前記突固め装置は、前記機械フレーム(8)に連結された長手方向ガイド(31)に支持されている、請求項9から14までのいずれか1項記載の軌道突固め機械(1)。
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